JP2001282881A - プリント配線板パターン設計装置及び多層パターン処理方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多層のプリント配線板の設計を行うプリント
配線板パターン設計装置及び多層パターン処理方法に関
し、層間接続等を含む新たな配線パターンの形成を容易
とする。 【解決手段】 入力装置１と記憶装置５と表示装置２と
処理部とを含み、入力装置１からの入力情報に従ってプ
リント配線板の配線パターンを作成するプリント配線板
パターン設計装置であって、記憶装置５は、配線パター
ンのデータを格納するパターンデータファイル１８と、
入力装置１から入力した表示要件を格納する表示要件デ
ータファイル１７とを有し、処理部は、入力処理部３と
障害物検索処理部４と表示処理部６とを有し、指定位置
を含む表示範囲内に於ける配線パターン形成上の他の層
の障害物の有無をパターンデータファイル１８を検索し
て抽出し、抽出した障害物を表示範囲内に表示する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、多層構成のプリン
ト配線板のラインパターンやビアホール等を含む配線パ
ターンを会話形式で設計できるプリント配線板パターン
設計装置及び設計過程に於ける障害部分を認識し易いよ
うに表示制御する多層パターン処理方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】プリント配線板の設計は、ＣＡＤ（Ｃom
puter Ａided Ｄesin）システムによって行う構成が一
般的であり、例えば、プリント配線板上の始点と終点と
を指示することにより、その２点間に障害物がなけれ
ば、その２点間を結ぶ直線のパターンを形成し、障害物
があれば、それを迂回するように経路を探索してパター
ンを形成することになる。

【０００３】又各種の電子部品の小型化と高密度実装と
により、装置の小型化が図られている。従って、プリン
ト配線板は、１層のみの配線パターンでは、実装した電
子部品や端子等との間の接続が困難となるから、多層構
成とすることになる。この多層構成のプリント配線板
は、全層を貫通するビア（ｖｉａ）ホールを形成して、
層間の配線パターンを接続する構成や、ビルドアップ法
等による層間ビア構成等の各種の構成が実用化されてい
る。従って、多層構成のプリント配線板のパターン設計
に於いては、層間の影響を無視できないものとなる。

【０００４】従って、配線パターンを形成する領域の配
線パターン数の制限値を設定し、既に形成した配線パタ
ーンの使用量を求めて、新規に配線パターンを形成可能
か否かを表示する方法（例えば、特開平４−２８３８７
０号公報参照）や、既に形成した配線パターンの混み具
合を色分けで表示して、混んでいない領域に新規に配線
パターンを形成する方法（例えば、特開平４−１５６６
７８号公報参照）等が知られている。

【０００５】又多層配線パターンの修正処理に於いて、
指定した層に対して下層の配線パターン状態を表示する
手段も知られている（例えば、特開平４−１０７６８４
号公報参照）。又多層構成のプリント配線板の配線パタ
ーンを表示し、その一部を選択指定することにより、そ
の領域を立体表示し、層間の関連を把握できるようにし
た手段も知られている（例えば、特開平７−１７５８３
５号公報参照）。

【０００６】プリント配線板の設計は、前述のように、
ＣＡＤシステムの画面上に、既に形成した配線パターン
を表示し、新たな配線パターンを形成するか、又は修正
するものであり、図７はその表示パターンの一例を示
す。例えば、図７の（Ａ）は、パターン作成中の単一層
に於ける一部のラインパターン７１と、全層にわたるビ
ア（ｖｉａ）ホール７２とを示すもので、始点と終点と
の間でビアホール７２が障害とならない場合は、直線状
のラインパターンを形成し、障害となる場合は、迂回す
るラインパターンを形成することになる。

【０００７】又図７の（Ｂ）は、（Ａ）に示す層の次に
配線パターンを形成する層の一部の表示パターンを示
し、ビアホール７２は、（Ａ）と同一位置であり、点線
で示すラインパターン７３は、（Ａ）の実線で示すライ
ンパターン７１に対して直交するパターンとした場合を
示す。この場合、（Ａ），（Ｂ）に示す各層のラインパ
ターン７１，７３は、それぞれの層内の配線経路を探索
して形成することができる。

【０００８】又図７の（Ｃ）は、多層構成とし、全層に
わたる黒丸で示すビアホール７２と、二重丸で示す層間
ビアホール７４とを有する場合に於いて、ビアホール７
２，７４によって影響を受ける層のラインパターンを同
時に表示した場合を示す。なお、ラインパターンは、層
毎に表示模様を変更した場合を示し、色分け表示するこ
とも可能である。

【０００９】又図７の（Ｄ）は、ビアホール７２，７４
に関係する層の総てのラインパターンを同時に表示した
場合を示す。従って、（Ｃ）に示す表示パターンより更
に複雑なパターン表示内容となる。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】前述のように、多層構
成のプリント配線板の設計に於いては、作成中の層のラ
インパターンに対して、他の層のラインパターンを接続
する必要が生じる場合が多いものであり、その場合に、
ビアホールを介して接続可能のラインパターンを有する
層を検索する必要がある。従って、各層の配線パターン
を順次表示する手段が考えられるが、各層の関係を直視
することは困難である。そこで、配線パターンを形成し
た各層を、例えば、図７の（Ｄ）に示すように表示する
ことが考えられる。しかし、５層以上の多層構成の場合
に、各層のラインパターンを色分け表示することが考え
られるが、重なり部分が多く、複雑化していることによ
り、新たな配線パターンの形成が可能か否かを判定する
ことは困難となる。

【００１１】又図７の（Ｃ）に示すように、ビアホール
７２，７４により影響を受ける層のラインパターンのみ
を同時に表示することが考えられるが、プリント配線板
全体について表示することになり、表示内容の複雑さは
依然として残ることになる。又前述の従来例のように、
指定した位置の所定の領域について立体表示する場合、
ラインパターンの層間接続を探索することは容易となる
が、新たなラインパターンや層間ビアホール形成が他の
層に影響を与えるか否かを判定することは困難である。
本発明は、所定範囲内の各層の影響を与える要素を表示
することにより、新たな配線パターンの形成を容易とす
ることを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明のプリント配線板
パターン設計装置は、（１）入力装置１と記憶装置５と
表示装置２と処理部とを含み、入力装置１からの入力情
報に従ってプリント配線板の配線パターンを作成するプ
リント配線板パターン設計装置であって、記憶装置５
は、配線パターンのデータを格納するパターンデータフ
ァイル１８と、入力装置１から入力した表示要件を格納
する表示要件データファイル１７とを有し、前記処理部
は、入力装置１からの入力情報を処理する入力処理部３
と、この入力処理部３からの指示に従って配線パターン
作成上の障害物を検索する障害物検索処理部４と、表示
装置２に対する表示制御を行う表示処理部６とを含み、
前記障害物検索処理部４は、入力装置１から指定した位
置を含む表示範囲内の障害物を、パターンデータファイ
ル１８を検索して抽出する機能を有し、前記表示処理部
６は、障害物検索処理部４からの障害物の抽出結果に従
って、パターンデータファイル１８から表示要素を読出
して、配線パターン作成層のパターンと表示範囲内の障
害物とを、表示装置２に表示させる機能を有するもので
ある。

【００１３】又（２）プリント配線板パターン設計装置
の入力処理部３は、入力装置１からの表示対象層，表示
対象要素，表示範囲の形状等を含む表示要件を、表示要
件データファイル１７に設定する表示要件設定手段１３
と、配線パターン作成層を指定する入力層選択手段１２
と、ビアホール，ライン等の入力要素を判定処理する入
力要素選択手段１１とを有し、前記障害物検索処理部４
は、入力条件に従った要素別の障害物を認識する入力要
素別障害物認識手段１４と、認識された障害物要素につ
いて、パターンデータファイル１８を検索して設定され
た表示範囲内の障害物を抽出する障害物検索手段１５
と、前記入力条件に従って表示対象層を選択する表示要
件変更手段１６とを有し、前記表示処理部６は、表示要
件データファイル１７による表示要件の対象を選択する
表示要件対象選択手段１９と、この表示要件対象選択手
段１９により選択された表示要素を、パターンデータフ
ァイル１８から読出す表示データ読出手段２０と、この
表示データ読出手段２０により読出したパターンデータ
を、表示装置２に表示するリアルタイム表示手段２１と
を有するものである。

【００１４】又（３）プリント配線板のパターン設計に
於ける多層パターン処理方法に於いて、少なくとも配線
パターン形成中の層の配線パターンを表示装置２に表示
し、この表示装置２の表示画面の一部の大きさの表示範
囲を設定し、指定位置を含む表示範囲内について、指定
位置の他の層の配線パターンが障害物となるか否かを探
索し、この探索により抽出した障害物を、表示範囲内に
表示する過程を含むものである。

【００１５】又（４）指定位置を移動して表示範囲を移
動した時に、先の表示範囲内の障害物の表示を消去し、
新たな移動先の表示範囲について、新たな指定位置の他
の層の配線パターンが障害物となるか否かを探索し、こ
の探索により抽出した障害物を、移動先の表示範囲内に
表示する過程を含むものである。

【００１６】

【発明の実施の形態】図１は本発明の実施の形態の説明
図であり、１はキーボードやマウス等の入力装置で、入
力操作画面のメニュー選択等による入力機能を含むもの
である。又２は表示装置、３は入力処理部、４は障害物
検索処理部、５は記憶装置、６は表示処理部を示し、入
力処理部３と障害物検索処理部４と表示処理部５とから
なる処理部は、プロセッサのデータ処理機能によって実
現することもできるものであり、入力装置１と表示装置
２とを含めて、ＣＡＤシステムの基本構成を示すことに
なる。

【００１７】又１１は入力要素選択手段、１２は入力層
選択手段、１３は表示要件設定手段、１４は入力要素別
障害物認識手段、１５は障害物検索手段、１６は表示要
素変更手段、１７は表示要件データファイル、１８はパ
ターンデータファイル、１９は表示要件対象選択手段、
２０は表示データ読出手段、２１はリアルタイム表示手
段を示し、各部の処理機能の要部を示す。

【００１８】記憶装置５は、表示要件データファイル１
７とパターンデータファイル１８とを含み、半導体記憶
装置，磁気ディスク装置，磁気光ディスク装置等により
構成することができる。又入力処理部３は、入力要素選
択手段１１と、多層構成の層を選択する入力層選択手段
１２と、表示要件データファイル１７に表示要件を設定
する表示要件設定手段１３との機能を含むものである。
又障害物検索処理部４は、入力要素別障害物認識手段１
４と、障害物検索手段１５と、表示要件変更手段１６と
の機能を含み、入力処理部３からの情報に従って記憶装
置５の表示要件データファイル１７とパターンデータフ
ァイル１８とを検索して、入力条件に従った障害物を検
索し、表示処理部６に通知する。

【００１９】又表示処理部６は、表示要件データファイ
ル１７に格納された表示要件データに従った処理を行う
表示要件対象選択手段１９と、パターンデータファイル
１８からパターンデータを読出す表示データ読出手段２
０と、カーソル移動に従ってリアルタイム表示の制御を
行うリアルタイム表示手段２１との機能を含むもので、
このリアルタイム表示手段２１は、表示要件及び入力処
理部３からカーソルの位置情報に従って、カーソルの指
定位置を含む所定の領域、即ち、設定された表示範囲内
に表示し、且つ前回のカーソル位置に対応した表示範囲
内の表示内容を消去する機能を有し、この表示機能によ
り、カーソルの移動に従って移動する表示範囲内の要素
をリアルタイム的に表示することができる。なお、表示
処理部６は、表示装置２に対する表示制御機能を含むも
のである。

【００２０】又パターンデータファイル１８に格納する
パターンデータは、各種のデータ形式とすることができ
るものであり、例えば、何層目かを示す層番号と、配線
パターンを構成するラインパターンや層間又は全層を接
続する為のビアホール等を示すパターン属性と、２点間
の直線の場合の各点の座標値又は円等の中心座標値及び
半径と、信号，電源，アース等の信号種別と、ビアホー
ルについては全層か又は層間かを示す接続層情報等を含
むパターンデータとすることができる。

【００２１】従って、層番号を指定して、その層の配線
パターンを表示させる場合、パターンデータファイル１
８から、指定層番号に対応したパターンデータを読出し
て、単一層の配線パターンを表示装置２に表示させるこ
とができる。又複数層の層番号を指定することにより、
指定した層番号のパターンデータを読出して、同一画面
上に重ねて複数層の配線パターンを表示させることがで
きる。

【００２２】又表示要件データファイル１７は、表示装
置２に表示させる要件を定義したデータを格納するもの
で、例えば、カーソルによる指示位置或いはその近傍を
中心とした円形等の形状の表示領域（以下ルーペと称す
る）の大きさや、層対応のパターンの識別を可能とする
表示色や模様等を設定することができる。或いは、ビア
ホールに対する障害の認識条件等を設定することができ
る。

【００２３】又障害物検索処理部４は、他の層の配線パ
ターンに接続する為のビアホール形成等に於いて、入力
要素別障害物認識手段１４により、障害物となる要素を
認識し、この障害物となる要素について、障害物検索手
段１５により、パターンデータファイル１８を検索す
る。又表示要件変更手段１６は、入力条件や障害物検索
手段１５により検索した障害物に対応して表示対象層や
表示要素の変更等を行うものである。

【００２４】又表示処理部６は、表示要件データファイ
ル１７に設定されたデータを、表示条件対象選択手段１
９により判定して表示データ読出手段２０を制御し、こ
の表示データ読出手段２０によってパターンデータファ
イル１８からパターンデータを読出し、リアルタイム表
示手段２１の制御によって表示装置２に表示させる。又
リアルタイム表示手段２１は、例えば、前述のカーソル
指示位置を中心或いはその指示位置の近傍を中心位置と
したルーペを、カーソルの移動により移動させた時に、
前回の表示内容を消去し、今回の指示位置を含むルーペ
内の表示に切替える機能を有するものである。

【００２５】図２は本発明の実施の形態の表示内容の一
例の説明図であり、（Ａ）は単一層の要素を表示した場
合で、図７の（Ａ）に相当した表示パターンを示し、３
１はラインパターン、３２は全層にわたるビアホールを
示す。又（Ｂ）は多層の要素を表示した場合で、図７の
（Ｄ）に相当した表示パターンを示し、二重丸の３４は
異なる層のラインパターン等を接続する為の層間ビアホ
ールを示す。

【００２６】又図２の（Ｃ）は、カーソルの指示位置又
はその近傍を中心とした円形のルーペを３５として示
し、このルーペ３５の範囲内のみ多層の要素を表示した
場合を示す。即ち、図２の（Ｂ）に示すような全層につ
いての要素を表示した場合に比較して、図２の（Ｃ）に
示すように、例えば、層間ビアホール３４を含む必要な
範囲の要素のみを表示することにより、多層の全面の配
線パターンを重ねて表示する場合のような煩雑な表示内
容とならないから、障害物の有無の判定や層間ビアホー
ルを設けて、層間のラインパターンの接続を行うことが
可能か否かの判定も容易となる。このルーペの大きさや
形状は、前述のように、表示要件として予め設定するこ
とができる。

【００２７】図３は本発明の実施の形態の層間ビアホー
ル形成時の説明図であり、（Ａ）は隣接した２層のライ
ンパターン３１，３３を実線と点線とにより重ねて表示
した場合を示し、３２は全層にわたるビアホールを示
す。そして、矢印の位置にビアホールを形成して他の
層の配線に接続可能か否かを判定する時、その位置をカ
ーソル等により指示し、形成するビアホールが全層貫通
か対象層間等の種別と、信号，電源，アース等の信号種
別とを入力装置１から入力する。

【００２８】障害物検索処理部５は、この入力条件に従
って障害物となる要素を入力要素別障害物認識手段１４
により認識し、障害物検索手段１５により、これから形
成しようとする層間ビアホールに対して障害物となる要
素を、パターンデータファイル１８を検索し、その結果
を表示処理部６に通知する。即ち、カーソル位置を含む
ルーペ範囲の座標情報と、これから形成しようとする層
間ビアホールの座標情報と、この座標情報を基に、層間
ビアホールに対する他の層の障害物を各層のパターンデ
ータの座標情報を基に検索し、その検索結果情報を表示
処理部６に通知する。

【００２９】表示処理部６の表示要件対象選択手段１９
は、表示要件データファイル１７からの表示要件を基に
表示データ読出手段２０を制御し、この表示データ読出
手段２０は、パターンデータファイル１８から表示要件
に対応したパターンデータを読出し、リアルタイム表示
手段２１の制御により表示装置２に表示する。即ち、ル
ーペ範囲内の障害物となる要素を表示データ読出手段２
０によって読出して表示する。それにより、例えば、図
３の（Ｂ）示すように、矢印で示すカーソル位置を含
むルーペ３５の範囲内に、検索された他の層の障害物と
しての層間ビアホール３４が存在することが表示され
る。

【００３０】この場合、３６で示す位置ならば障害物が
存在しない空間であり、そこに層間ビアホールの形成が
可能であることを直ちに判定することができる。従っ
て、全層ビアホールから矢印まで延長したラインパタ
ーンを消去して、新たに、３６で示す位置までラインパ
ターンを形成し、そこに層間ビアホールを形成する。こ
のような配線パターン形成結果をパターンデータファイ
ル１８に格納する。

【００３１】図４は本発明の実施の形態のラインパター
ン及び層間ビアホール形成時の説明図であり、（Ａ）は
単一層の要素を表示し、ラインパターン形成をａ点の全
層ビアホールから開始する場合を示し、（Ｂ）は、ｂ，
ｃ点を指定してａ−ｂ−ｃのラインパターンを形成した
状態を示す。

【００３２】又（Ｃ）は、（Ｂ）のｃ点に相当するｄ点
に層間ビアホールを形成する入力指示を行うと、障害物
検索処理部４（図１参照）が自動的に、ｄ点に形成しよ
うとする層間ビアホールに対する障害物の有無をパター
ンデータファイル１８の検索により行い、その結果を、
（Ｄ）に示すルーペｅの範囲内に表示する。この場合、
ルーペｅの範囲内に二重丸で示す層間ビアホールが存在
することを表示しているから、最初の予定したｄ点の位
置に層間ビアホールを形成することができないことが直
ちに判る。

【００３３】そこで、（Ｅ）に示すように、（Ｂ）に於
けるｂ−ｃ点のラインパターンの途中のｆ点を指定し
て、先に形成したラインパターンを修正し、その位置に
層間ビアホールを形成する入力指示を行うと、前述のよ
うに、ｆ点を含むルーペ範囲内の障害物を検索し、
（Ｆ）に示すように、ルーペｇの範囲内の要素を表示す
る。この場合、ルーペｇの範囲内には障害物が検出でき
なかったので、二重丸で示す層間ビアホールを形成する
ことができる。

【００３４】図５は表示処理部のフローチャートを示
し、入力装置１（図１参照）から表示条件を入力する
（Ａ１）。前述のように、ラインパターンの新規形成，
削除等と、層間ビアホールの新規形成，削除等とを含む
配線パターン形成に要する要素等を入力する。この場
合、カーソル等による指示位置を含むルーペ範囲につい
て障害物を表示する条件とすると、カーソル移動か否か
を判定し（Ａ２）、移動した場合に、前回ルーペ範囲内
を表示したか否かを判定し（Ａ３）、表示した場合は、
前回表示した要素を非表示とする（Ａ４）。即ち、カー
ソル移動に従ってルーペを移動させた時に、前回の位置
のルーペ範囲内の障害物についての表示内容を消去す
る。

【００３５】そして、ルーペ範囲内の対象となる障害物
要素を認識する（Ａ５）。例えば、層間ビアホール形成
の場合、他の層に於ける層間ビアホールの存在や、接続
すべきでないラインパターンの存在等が障害物要素とな
り、この対象障害物要素を、前述のように、パターンデ
ータファイル１８を検索し（Ａ６）、入力条件に従った
要素、例えば、隣接層に於ける層間ビアホールを抽出し
（Ａ７）、この抽出した要素を対象要素として、ルーペ
範囲内に表示する（Ａ８）。

【００３６】図６はルーペ範囲内表示の処理フローチャ
ートを示し、ルーペ範囲内の要素表示指示を入力すると
（Ｂ１）、パターンデータファイル１８からルーペ範囲
内に含まれる要素を抽出する（Ｂ２）。これは、前述の
ように、ルーペの座標情報を基に、このルーペの範囲内
に含まれる各層のパターンデータの座標情報を検索して
抽出することができる。

【００３７】そして、パターンデータファイルから抽出
された要素の中の表示要件以外の要素を対象外とし（Ｂ
３）、抽出した要素が、図形としてルーペ範囲内に完全
に含まれるか否かを判定し（Ｂ４）、含まれない場合
は、抽出された要素のルーペ範囲外の部分をカットし、
表示部分の図形を仮作成する（Ｂ５）。例えば、円形の
ルーペの場合に、ルーペ範囲内の座標に存在する表示対
象要素の座標部分のみを残し、ルーペ範囲外の座標部分
を削除する図形演算処理を行う。そして、表示要素図形
を表示装置に表示する（Ｂ６）。又ステップ（Ｂ４）に
於いて、ルーペ範囲内に完全に抽出要素が含まれる場合
は、ステップ（Ｂ６）に移行する。それにより、ルーペ
範囲内にのみ障害物を、例えば、図４の（Ｄ）に示すよ
うに表示することができる。

【００３８】本発明は、前述の各実施の形態のみに限定
されるものではなく、種々付加変更することができるも
のであり、例えば、ルーペの形状は円形のみでなく、四
角形等とすることもできる。又大きさは、層間ビアホー
ルの大きさ等に対応して選定することができる。又ルー
ペ内で接続先の層を指定して、障害物の有無の検索及び
表示を行うことも可能である。又層間ビアホール形成時
のみでなく、配線パターンの修正時に、全層間を貫通す
るビアホール形成時にも、障害物の有無を判定し、障害
物のない領域に形成することができる。

【００３９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は、多層構
成のプリント配線板の配線パターン形成時に、カーソル
等による指定位置を含む設定した形状，大きさの表示範
囲内について、障害物探索処理部４により、他の層に於
ける層間ビアホール等の障害物をパターンデータファイ
ル１８を検索して抽出し、設定された表示範囲（ルー
ペ）内に表示する。従って、必要箇所のみ複数層につい
て且つ障害物のみを多層パターンとして表示することが
できるから、表示装置２の表示画面が煩雑となることも
なく、配線パターンの設計が容易となる利点がある。又
カーソル等の移動に従って表示範囲（ルーペ）を移動し
た時に、先の表示範囲（ルーペ）内の障害物表示を消去
し、移動先の表示範囲（ルーペ）内に障害物を表示する
ことにより、層間ビアホール形成等に於ける配線パター
ン設計が容易となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態の説明図である。

【図２】本発明の実施の形態の表示内容の一例の説明図
である。

【図３】本発明の実施の形態の層間ビアホール形成時の
説明図である。

【図４】本発明の実施の形態のラインパターン及び層間
ビアホール形成時の説明図である。

【図５】表示処理部のフローチャートである。

【図６】ルーペ範囲内表示の処理フローチャートであ
る。

【図７】配線パターンの表示説明図である。

【符号の説明】

１ 入力装置 ２ 表示装置 ３ 入力処理部 ４ 障害物検索処理部 ５ 記憶装置 ６ 表示処理部 １１ 入力要素選択手段 １２ 入力層選択手段 １３ 表示要件判定手段 １４ 入力要素別障害物認識手段 １５ 障害物検索手段 １６ 表示要件変更手段 １７ 表示要件データファイル １８ パターンデータファイル １９ 表示要件対象選択手段 ２０ 表示データ読出手段 ２１ リアルタイム表示手段

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 5B046 AA08 BA06 DA05 FA08 GA01 HA06 JA02 5E346 AA41 BB01 FF01 FF27 GG01 HH21

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 入力装置と記憶装置と表示装置と処理部
   とを含み、前記入力装置からの入力情報に従ってプリン
   ト配線板の配線パターンを作成するプリント配線板パタ
   ーン設計装置に於いて、 前記記憶装置は、前記配線パターンのデータを格納する
   パターンデータファイルと、前記入力装置から入力した
   表示要件を格納する表示要件データファイルとを有し、 前記処理部は、前記入力装置からの入力情報を処理する
   入力処理部と、該入力処理部からの指示に従って配線パ
   ターン作成上の障害物を検索する障害物検索処理部と、
   前記表示装置に対する表示制御を行う表示処理部とを含
   み、 前記障害物検索処理部は、前記入力装置から指定した位
   置を含む表示範囲内の障害物を前記パターンデータファ
   イルを検索して抽出する機能を有し、 前記表示処理部は、前記障害物検索処理部からの障害物
   の抽出結果に従って、前記パターンデータファイルから
   表示要素を読出して、配線パターン作成層のパターンと
   前記表示範囲形状内の前記障害物とを前記表示装置に表
   示させる機能を有することを特徴とするプリント配線板
   パターン設計装置。
2. 【請求項２】 前記入力処理部は、前記入力装置からの
   表示対象層，表示対象要素，表示範囲形状等を含む表示
   要件を前記表示要件データファイルに設定する表示要件
   設定手段と、配線パターン作成層を指定する入力層選択
   手段と、ビアホール，ライン等の入力要素を判定処理す
   る入力要素選択手段とを有し、 前記障害物検索処理部は、入力条件に従った要素別の障
   害物を認識する入力要素別障害物認識手段と、認識され
   た障害物要素について前記パターンデータファイルを検
   索して設定された表示範囲内の障害物を抽出する障害物
   検索手段と、前記入力条件に従って表示対象層を選択す
   る表示要件変更手段とを有し、 前記表示処理部は、前記表示要件データファイルによる
   表示要件の対象を選択する表示要件対象選択手段と、該
   表示要件対象選択手段により選択された表示要素を前記
   パターンデータファイルから読出す表示データ読出手段
   と、該表示データ読出手段により読出したパターンデー
   タを前記表示装置に表示するリアルタイム表示手段とを
   有することを特徴とする請求項１記載のプリント配線板
   パターン設計装置。
3. 【請求項３】 プリント配線板のパターン設計に於ける
   多層パターン処理方法に於いて、 少なくとも配線パターン形成中の層の配線パターンを表
   示装置に表示し、該表示装置の表示画面の一部の大きさ
   の表示範囲を設定し、指定位置を含む前記表示範囲内に
   ついて、該指定位置の他の層の配線パターンが障害物と
   なるか否かを探索し、該探索により抽出した障害物を前
   記表示範囲内に表示する過程を含むことを特徴とする多
   層パターン処理方法。
4. 【請求項４】 前記指定位置を移動して前記表示範囲を
   移動した時に、先の表示範囲内の障害物の表示を消去
   し、新たな移動先の表示範囲について、新たな指定位置
   の他の層の配線パターンが障害物となるか否かを探索
   し、該探索により抽出した障害物を、前記移動先の表示
   範囲内に表示する過程を含むことを特徴とする請求項３
   記載の多層パターン処理方法。