JP2011059145A - 光定着トナー、および該光定着トナーを含む1成分現像剤、2成分現像剤 - Google Patents

光定着トナー、および該光定着トナーを含む1成分現像剤、2成分現像剤 Download PDF

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Abstract

【課題】
外線吸収剤を含むことなく光照射によって定着する光定着トナー、および該光定着トナーを含む1成分現像剤、2成分現像剤を提供する。
【解決手段】
赤外線吸収剤を含まない光定着トナーを、結着樹脂と着色剤とを含むトナー母粒子であって、形状係数SF−2が105以上115以下であるトナー母粒子と、外添剤とから構成し、相対屈折率n/nを0.85以上1.10以下とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光定着トナー、および該光定着トナーを含む1成分現像剤、2成分現像剤に関する。
電子写真法は、光導電現象を利用して感光ドラム上に静電潜像を形成し、該静電潜像をトナーによって現像してトナー像(可視像)とした後、該トナー像を記録紙上に転写し、転写されたトナー像を記録紙上に定着する画像形成方法である。トナー像の定着には、熱、圧力、または光を利用する種々の定着装置が使用されており、たとえば、熱ローラを用いる定着装置が最も一般的に用いられている。
しかしながら、熱ローラを用いる定着装置は、熱効率が高い反面、装置の初期加熱(立ち上がり)に数十秒程度のロスタイムが生じてしまう。さらに、熱ローラを用いる定着装置は、熱ローラ上に残ったトナーがオフセットすることによって、記録紙を汚染し易いという問題がある。また、熱ローラを用いる定着装置は、一対のローラで記録紙をニップするため、連続紙を記録紙に用いる場合には、蛇行による皺、破れなどが生じやすいという問題がある。
圧力を利用する定着装置は、ウォーミングアップ、熱源が不要であるなどの利点があるため注目されている。しかしながら、圧力を利用する定着装置は、トナー像の記録紙への強固な定着が困難である。また、圧力を利用する定着装置は、一対のローラ間に記録紙を通して加圧するため、連続紙を記録紙に用いる場合には、蛇行による皺、破れなどが発生し易いという問題がある。また、圧力を利用する定着装置は、近年多用されているラベル作成用の糊付き紙を記録紙に用いる場合には、圧力によって糊が下地からはみ出してしまうという問題がある。
これに対して、キセンノンランプなどのフラッシュ光のエネルギーを利用する定着装置は、トナーが選択的に光エネルギーを吸収するので、トナー像の高速での定着が可能である。また、フラッシュ光のエネルギーを利用する定着装置は、記録紙に非接触で定着を行えるので、上述したトナーのオフセット、および記録紙の蛇行による皺、破れなどの心配がなく、上述した糊付き紙へのトナー像の定着においても糊がはみ出さず、トナー像の定着が容易であるという利点がある。
しかしながら、フラッシュ光による定着では、ブラックトナーは充分に定着できるものの、カラートナーの定着性が低いという問題がある。ブラックトナーは、全波長域において光を吸収することが可能であるため、キセノンランプによるフラッシュ光(強度のピークが800nm〜1000nmの範囲内である光)を吸収し、充分に温度が上昇するけれども、カラートナーは、波長が800nm〜1000nmの範囲内の光をほとんど吸収しないため、温度が上昇し難いからである。
この問題を解決するトナーして、特許文献1には、近赤外領域(波長が800nm〜1000nmの領域)内の光を吸収する赤外線吸収剤を添加したカラートナーが記載されている。しかしながら、近赤外領域内の光を吸収する赤外線吸収剤は、可視光領域(波長が780nm以下の領域)内の光も吸収してしまう。したがって、トナーの光吸収効率を向上させるためにトナーに赤外線吸収剤を多く添加すると、可視光領域内の光の吸収量も増加してしまい、定着したトナー像(定着画像)の色再現性が低下するという問題がある。
この問題を解決するために、特許文献2に記載の画像形成装置は、フラッシュ定着装置とレーザ定着装置とを備えている。特許文献2に記載の画像形成装置は、フラッシュ定着装置によるフラッシュ光でトナーを加熱し、さらに、各色トナーに対して、レーザ定着装置よって各色トナーの最大吸収波長のレーザ光を照射することによって、トナーを加熱定着している。特許文献2の画像形成装置によれば、トナーの赤外線吸収剤の添加量を少なくすることができるので、定着画像の色再現性が向上するとされる。
特開平11−38667号公報 特開2008−107576号公報
しかしながら、特許文献2に記載のトナーは、依然として赤外線吸収剤を含んでいるため、定着画像の色再現性が低い。また、特許文献2に記載の画像形成装置は、定着装置として、フラッシュ定着装置およびレーザ定着装置の2つの装置が必要になるため、装置構成が複雑になりコストが高くなるという問題も生じる。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、赤外線吸収剤を含むことなく光照射によって定着する光定着トナー、および該光定着トナーを含む1成分現像剤、2成分現像剤を提供することを目的とする。
本発明は、着色剤の吸収波長域内の波長を有する光を照射することによって記録媒体にトナーを定着させる定着方法に用いられ、赤外線吸収剤を含まない光定着トナーであって、
結着樹脂と着色剤とを含むトナー母粒子であって、形状係数SF−2が105以上115以下であるトナー母粒子と、
前記トナー母粒子に外添される外添剤とを含み、
前記外添剤の絶対屈折率nと前記結着樹脂の絶対屈折率nとの比である相対屈折率n/nが、0.85以上1.10以下であることを特徴とする光定着トナーである。
また本発明は、シアントナー、マゼンタトナー、またはイエロートナーであることを特徴とする。
また本発明は、前記結着樹脂の絶対屈折率nが1.5以下である事を特徴とする。
また本発明は、前記光定着トナーを含むことを特徴とする1成分現像剤である。
また本発明は、前記光定着トナーと、キャリアとを含むことを特徴とする2成分現像剤である。
本発明によれば、トナーは、結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子を含み、赤外線吸収剤を含まない。また、トナー母粒子は、形状係数SF−2が105以上115以下である。また、本発明に係るトナーは、外添剤の絶対屈折率nと結着樹脂の絶対屈折率nとの比である相対屈折率n/nが、0.85以上1.10以下である。
光をトナー表面に照射すると、光の一部がトナー表面に反射され、残部がトナー内部に入射する。このとき、光の入射角度が小さいほど、反射光量が少なくなり、入射光量が多くなる。
本発明に係るトナーは、トナー母粒子の形状係数SF−2が105以上115以下であるため、トナー表面に凹凸が少ない。したがって、トナー表面に入射する光の全体量に対する、入射角度が小さな光の量が多くなり、全体として反射量が少なくなる。これによって、本発明に係るトナーは、多くの光をトナー内部に入射させることができる。
また、光がトナー母粒子に入射する場合には、外添剤を通らずに直接的にトナー母粒子に光が入射する場合と、外添剤に入射した光が外添剤を通り抜け、外添剤とトナー母粒子との境界において、トナー母粒子に入射する場合とがある。外添剤を通ってトナー母粒子に光が入射する場合、相対屈折率n/nを0.85以上1.10以下にすることによって、外添剤とトナー母粒子との境界における光の反射を抑え、トナー母粒子への入射光量を増やすことができる。これに対し、相対屈折率n/nを1.10より大きくすると、外添剤とトナー母粒子との境界における光の反射が増えるだけでなく、トナーが層状に記録媒体に担持されている場合に、上側のトナー層中のトナー母粒子に入った光が、下側のトナー層中のトナー母粒子へ移行し難くなってしまう。
以上のように、本発明に係るトナーは、着色剤に吸収される光量が多くなるので、光を吸収した着色剤が発熱することによって結着樹脂が加熱溶融し、記録媒体に定着することができる。したがって、本発明に係るトナーは、赤外線吸収剤を含むことなく、着色剤の吸収波長域内の波長を有する光を照射することによって記録媒体にトナーを定着させる定着方法に用いることができる。
また本発明によれば、本発明に係るトナーは、シアントナー、マゼンタトナー、またはイエロートナーである。ブラックトナーは可視光領域内の光を吸収することによって、黒色を発現するトナーであるので、トナー中に赤外線吸収剤を含んでいても、色再現性の低下が起こりにくい。しかしながら、各カラートナーは、着色剤が特定の吸収波長域の光を吸収することによって、混色の原色として利用されるトナーであるので、トナー中に赤外線吸収剤が含まれていると、該赤外線吸収剤が色再現に必要な波長領域の光を吸収してしまい、色再現性が低下してしまう。
本発明に係るトナーは、上述したように、赤外線吸収剤を含まない光定着トナーであるので、赤外線吸収剤に起因する色再現性の低下が起こらない。したがって、本発明に係るトナーによれば、画質が良好な画像を得ることができる。
また本発明によれば、結着樹脂の絶対屈折率nが1.5以下であるので、トナー母粒子に光が入射し易くなる。したがって、定着性をより向上できる。
また本発明によれば、前記光定着トナーを含む1成分現像剤を実現することができる。本発明に係る1成分現像剤は、着色剤の吸収波長域内の波長を有する光を照射することによって記録媒体にトナーを定着させる定着方法に用いることができる。
また本発明によれば、前記光定着トナーを含む2成分現像剤を実現することができる。本発明に係る2成分現像剤は、着色剤の吸収波長域内の波長を有する光を照射することによって記録媒体にトナーを定着させる定着方法に用いることができる。
溶融混練粉砕法によるトナーの製造工程を示す工程図である。 画像形成装置100の構成を概略的に示す模式図である。 現像装置24の構成を概略的に示す模式図である。 定着部40の構成を概略的に示す模式図である。
1、トナー
(1)トナー
本発明に係るトナーは、光定着トナーであり、着色剤の吸収波長域内の波長を有する光が照射されることによって、赤外線吸収剤を含むことなく、記録媒体に定着する。本発明に係るトナーは、トナー母粒子と外添剤とを含む。トナー母粒子は、形状係数SF−2が105以上115以下であって、結着樹脂と着色剤とを含む。なお、ここでいう赤外線吸収剤とは、従来公知の光定着トナーに用いられる赤外線吸収剤であって、たとえば、シアニン系化合物、ポリメチン系化合物、アミニウム系化合物、ジイモニウム系化合物、フタロシアニン系化合物、メロシアニン系化合物、ベンゼンチオール系金属錯体、メルカプトフェノール系金属錯体、芳香族ジアミン系金属錯体、ニッケル錯体化合物、アントラキノン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、インドレニン化合物などである。また、トナー母粒子の形状係数SF−2は、以下のようにして測定できる。
<トナー母粒子の形状係数SF−2>
トナー母粒子の表面にスパッタ蒸着によって金属膜(Au膜、膜厚0.5μm)を形成して金属被膜粒子を形成し、該金属被膜粒子を、走査型電子顕微鏡(商品名:S−570、株式会社日立製作所製)を用いて、加速電圧5kV、倍率1000倍の条件において、無作為に200〜300個を抽出して写真撮影を行う。次に、撮影した写真データを、画像解析ソフト(商品名:A像くん、旭化成エンジニアリング株式会社製)を用いて画像解析する。画像解析ソフト「A像くん」の粒子解析パラメータは以下のとおりである。
小図形除去面積:100画素、
収縮分離:回数1
小図形:1
回数:10
雑音除去フィルタ:無
シェーディング:無
結果表示単位:μm
画像解析によって得られた粒子の最大長(絶対最大長)MXLNG、周囲長PERI、および図形面積(投影面積)AREAを用いて、下記式(A)、(B)から算出して得られた値をトナーの形状係数SF−1、形状係数SF−2とする。
形状係数SF−1={(MXLNG)2/AREA}×25×π …(A)
形状係数SF−2={(PERI)2/AREA}×(25/π) …(B)
(πは円周率を表す。)
形状係数SF−1は、上記式(A)で表される値であり、粒子の形状の球形度(丸さの度合い)を示すものである。形状係数SF−1の値が100の場合に粒子の形状は真球となり、形状係数SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。また、形状係数SF−2は上記式(B)で表される値であり、粒子の表面形状の凹凸度を示すものである。粒子の形状が真球の場合、形状係数SF−2は100である。
光をトナー表面に照射すると、光の一部がトナー表面に反射され、残部がトナー内部に入射する。このとき、光の入射角度が小さいほど、反射光量が少なくなり、入射光量が多くなる。本発明に係るトナーは、トナー母粒子の形状係数SF−2が105以上115以下であるため、トナー表面に凹凸が少ない。したがって、トナー表面に入射する光の全体量に対する、入射角度が小さな光の量が多くなり、全体として反射量が少なくなる。これによって、本発明に係るトナーは、多くの光をトナー内部に入射させることができる。
また本発明に係るトナーは、外添剤の絶対屈折率nと結着樹脂の絶対屈折率nとの比である相対屈折率n/nが、0.85以上1.10以下である。
光がトナー母粒子に入射する場合には、外添剤を通らずに直接的にトナー母粒子に光が入射する場合と、外添剤に入射した光が外添剤を通り抜け、外添剤とトナー母粒子との境界において、トナー母粒子に入射する場合とがある。外添剤を通ってトナー母粒子に光が入射する場合、相対屈折率n/nを0.85以上1.10以下にすることによって、外添剤とトナー母粒子との境界における光の反射を抑え、トナー母粒子への入射光量を増やすことができる。これに対し、相対屈折率n/nを1.10より大きくすると、外添剤とトナー母粒子との境界における光の反射が増えるだけでなく、トナーが層状に記録媒体に担持されている場合に、上側のトナー層中のトナー母粒子に入った光が、下側のトナー層中のトナー母粒子へ移行し難くなってしまう。
以上のように、本発明に係るトナーは、着色剤に吸収される光量が多くなるので、光を吸収した着色剤が発熱することによって結着樹脂が加熱溶融し、記録媒体に定着することができる。したがって、本発明に係るトナーは、赤外線吸収剤を含むことなく、着色剤の吸収波長域内の波長を有する光を照射することによって記録媒体にトナーを定着させる定着方法に用いることができる。
また本発明に係るトナーは、シアントナー、マゼンタトナー、またはイエロートナーなどのカラートナーであることが好ましい。ブラックトナーは可視光領域内の光を吸収することによって、黒色を発現するトナーであるので、トナー中に赤外線吸収剤を含んでいても、色再現性の低下が起こりにくい。しかしながら、各カラートナーは、着色剤が特定の吸収波長域の光を吸収することによって、混色の原色として利用されるトナーであるので、トナー中に赤外線吸収剤が含まれていると、該赤外線吸収剤が色再現に必要な波長領域の光を吸収してしまい、色再現性が低下してしまう
本発明に係るトナーは、上述したように、赤外線吸収剤を含まない光定着トナーであるので、赤外線吸収剤に起因する色再現性の低下が起こらない。したがって、本発明に係るトナーによれば、画質が良好な画像を得ることができる。
本発明に係るトナーは、下記のトナー原料から、下記のトナー製造方法によって製造することができる。
(2)トナー原料
トナー原料は、結着樹脂、着色剤、外添剤、およびその他の添加剤を含む。
(2−1)結着樹脂
結着樹脂は、特に限定されるものではなく、ブラックトナーまたはカラートナー用の公知の結着樹脂を用いることができる。結着樹脂としては、たとえば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂などのスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのアクリル系樹脂、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコン樹脂を挙げることができる。
結着樹脂の絶対屈折率nは、1.5以下であることが好ましい。本発明に係るトナーにおいて、結着樹脂の絶対屈折率nを1.5以下とすることによって、トナー母粒子に光を入射させ易くでき、トナーの定着性をより向上させることができる。
結着樹脂の絶対屈折率nは、たとえば、ポリエステル樹脂が1.57であり、スチレンアクリル樹脂が1.56であり、PMMAが1.49であり、シリコン樹脂が1.41である。結着樹脂としては、PMMAまたはシリコン樹脂が好ましい。
結着樹脂は、絶対屈折率nを低くするためにフッ素を含有してもよい。たとえば、ポリエステル樹脂の絶対屈折率nを下げる場合のフッ素原子含有成分として、ジオール成分では、2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンのエチレンオキサイド付加物などを利用することができる。
なお、「結着樹脂の絶対屈折率n」は、公知のプリズムカップリング法によって測定できる。具体的には、アッベ屈折計NAR−1T SOLID(株式会社アタゴ製)を用いて、光源ランプ:D線(589nm)を使用し、測定温度:20℃で測定する。
(2−2)着色剤
着色剤としては、染料および顔料を挙げることができ、その中でも顔料を用いることが好ましい。顔料は、染料に比べて耐光性および発色性に優れるので、顔料を用いることによって耐光性および発色性に優れるトナーを得ることができる。
着色剤としては、たとえば、イエロートナー用着色剤、マゼンタトナー用着色剤、シアントナー用着色剤、およびブラックトナー用着色剤などを挙げることができる。
イエロートナー用着色剤としては、たとえば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー5、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185などの有機系顔料、黄色酸化鉄、黄土などの無機系顔料、C.I.アシッドイエロー1などのニトロ系染料、C.I.ソルベントイエロー2、C.I.ソルベントイエロー6、C.I.ソルベントイエロー14、C.I.ソルベントイエロー15、C.I.ソルベントイエロー19、C.I.ソルベントイエロー21などの油溶性染料を挙げることができる。
上記マゼンタトナー用着色剤としては、たとえば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ソルベントレッド19、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ベーシックレッド10、およびC.I.ディスパーズレッド15等を挙げることができる。
シアントナー用着色剤としては、たとえば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ソルベントブルー55、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ダイレクトブルー25、C.I.ダイレクトブルー86などを挙げることができる。
ブラックトナー用着色剤としては、たとえば、チャンネルブラック、ローラーブラック、ディスクブラック、ガスファーネスブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックを挙げることができる。
上記着色剤以外にも、紅色顔料、緑色顔料などを用いることができる。着色剤は、1種を単独で用いてもよく、または色の異なる2種以上を併用してもよい。また、同色系の複数の着色剤を併用することもできる。
着色剤は、マスターバッチとして用いられることが好ましい。着色剤のマスターバッチは、たとえば、結着樹脂の溶融物と着色剤とを混練することによって製造することができる。マスターバッチに用いられる結着樹脂としては、トナーの結着樹脂と同種の樹脂、またはトナーの結着樹脂に対して良好な相溶性を有する樹脂が用いられる。マスターバッチにおける結着樹脂と着色剤との使用割合は、特に限定されないけれども、結着樹脂100重量部に対して、着色剤が30重量部以上100重量部以下の範囲内で用いられることが好ましい。マスターバッチの粒径は、特に限定されないけれども、たとえば、粒径2mm〜3mm程度に造粒されて用いられることが好ましい。
トナーにおける着色剤の含有量は、特に限定されないけれども、たとえば、結着樹脂100重量部に対して、着色剤が4重量部以上20重量部以下の範囲内であることが好ましい。これによって、着色剤の添加によるフィラー効果が抑えられ、かつ、高着色力を有するトナーを得ることができる。一方、トナーにおける着色剤の含有量が20重量部を超えると、フィラー効果によって、トナーの定着性が低下するおそれがある。
(2−3)外添剤
外添剤としては、流動性および帯電性を向上させる目的で、無機微粒子を好ましく用いることができる。外添剤の1次粒子径は、5nm〜2μmであることが好ましく、特に5nm〜500nmであることが好ましい。外添剤の、BET法による比表面積は、20m/g〜500m/gであることが好ましい。
無機微粒子としては、たとえば、シリカ、酸化チタン、アルミナ、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
外添剤は表面処理剤によって表面処理されることが好ましい。表面処理された外添剤は疎水性が上がるので、高湿度下における流動性および帯電性の悪化を防止することができる。好ましい表面処理剤としては、たとえば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどを挙げることができる。
外添剤は、結着樹脂の絶対屈折率nと外添剤の絶対屈折率nとの比である相対屈折率n/nが0.85以上1.10以下となるように、結着樹脂に合わせて選択される。外添剤の絶対屈折率nは、たとえば、炭酸バリウムが1.62であり、シリカが1.45であり、アルミナが1.76であり、ケイ砂が1.53であり、酸化亜鉛が1.92であり、酸化チタンが2.52である。なお、「外添剤の絶対屈折率n」は、公知のプリズムカップリング法によって測定できる。具体的には、アッベ屈折計NAR−1T SOLID(株式会社アタゴ製)を用いて、光源ランプ:D線(589nm)を使用し、測定温度:20℃で測定する。
結着樹脂と外添剤との組み合せとしては、結着樹脂がポリメチルメタクリレート(PMMA)であり、外添剤が炭酸バリウムまたはケイ砂であることが好ましい。本発明に係るトナーにおいて、結着樹脂をポリメチルメタクリレートとし、外添剤を炭酸バリウムまたはケイ砂とすることによって、トナーの定着性をより向上させることができる。
(2−4)その他の添加剤
トナーは、結着樹脂および着色剤の他に、必要に応じて、ワックス、帯電制御剤などを含んでもよい。
(2−4−1)ワックス
トナーは、ワックスを含むことによって、ワックスを含まないトナーと比較して、柔らかくなる。したがって、トナーにワックスを含ませることで、記録媒体に定着したトナー像に、割れ、剥がれなどが生じにくくすることができる。また、トナーにワックスを含ませることで、光沢性などの画質を向上させることができる。
ワックスとしては、特に限定されるものではなく、この分野で常用されるものを用いることができる。たとえば、パラフィンワックスおよびその誘導体、マイクロクリスタリンワックスおよびその誘導体などの石油系ワックス、フィッシャートロプシュワックスおよびその誘導体、ポリオレフィンワックスおよびその誘導体、低分子ポリプロピレンワックスおよびその誘導体、ポリオレフィン系重合体ワックスおよびその誘導体などの炭化水素系合成ワックス、カルナバワックスおよびその誘導体、エステル系ワックスを挙げることができる。ワックスは、1種を単独で用いてもよく、または2種以上を併用して用いてもよい。
ワックスの使用量は、特に限定されるものではなく、広い範囲から適宜選択可能である。ワックスの使用量は、結着樹脂100重量部に対して、ワックスが0.2重量部以上20重量部以下の範囲内であることが好ましい。結着樹脂100重量部に対してワックスが20重量部よりも多いと、感光体上へのフィルミング、キャリアへのスペントなどが起こるおそれがある。また、結着樹脂100重量部に対してワックスが0.2重量部未満であると、ワックスによる効果が充分発揮されないおそれがある。
ワックスの融点は、特に限定されないけれども、ワックスの融点が高すぎると、ワックスの効果を得ることができない。また、ワックスの融点が低すぎると、トナーの保存性などが悪化してしまう。そのため、ワックスの融点は、30℃〜120℃の範囲内であることが好ましい。
なお、「ワックスの融点」は、示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、DSC曲線の融解に相当する吸熱ピークの頂点の温度として求めることができる。具体的には、ワックスの試料1gを昇温速度毎分10℃において20℃から200℃まで昇温させ、次いで200℃から20℃に急冷させる操作を2回繰返し、DSC曲線を測定する。2回目の操作で測定されるDSC曲線における融解に相当する吸熱ピークの頂点の温度を「ワックスの融点」として求めることができる。
(2−4−2)帯電制御剤
帯電制御剤は、トナーに好ましい帯電性を付与するために添加される。帯電制御剤は、特に限定されるものではなく、公知の正電荷制御用または負電荷制御用の帯電制御剤を用いることができる。
正電荷制御用の帯電制御剤としては、たとえば、ニグロシン染料、塩基性染料、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン、ニグロシン染料およびその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、グアニジン塩、およびアミジン塩などを挙げることができる。
負電荷制御用の帯電制御剤としては、たとえば、オイルブラックおよびスピロンブラックなどの油溶性染料、含金属アゾ化合物、アゾ錯体染料、ナフテン酸金属塩、サリチル酸およびその誘導体の、金属錯体および金属塩(金属はクロム、亜鉛、ジルコニウムなど)、ホウ素化合物、脂肪酸石鹸、長鎖アルキルカルボン酸塩、樹脂酸石鹸を挙げることができる。
正電荷制御用の帯電制御剤は、1種を単独で用いてもよく、または2種以上の正電荷制御用の帯電制御剤を併用して用いてもよい。同様に、負電荷制御用の帯電制御剤は、1種を単独で用いてもよく、または2種以上の負電荷制御用の帯電制御剤を併用して用いてもよい。結着樹脂と非相溶性の帯電制御剤を用いる場合は、結着樹脂100重量部に対して、非相溶性帯電制御剤が0.5重量部以上5重量部以下の範囲内で用いられることが好ましく、0.5重量部以上3重量部以下の範囲内で用いられることがより好ましい。結着樹脂100重量部に対して、非相溶性帯電制御剤が5重量部よりも多く含まれると、キャリアが汚染されてしまい、トナー飛散が発生する。非相溶性帯電制御剤の含有量が0.5重量部未満であると、トナーに充分な帯電性を付与することができない。
(3)トナー製造方法
トナー製造方法は、特に限定されるものではなく、乾式製法、湿式製法などを用いることができる。以下では、乾式製法の1つである溶融混練粉砕法によるトナーの製造について説明する。図1は、溶融混練粉砕法によるトナーの製造工程を示す工程図である。溶融混練粉砕法によるトナーの製造工程は、混合工程S1と、溶融混練工程S2と、冷却工程S3と、粉砕工程S4と、分級工程S5と、球形化処理工程S6と、外添処理工程S7とを含む。
(3−1)混合工程S1
混合工程S1では、結着樹脂、着色剤、および、ワックス、電荷制御剤などの添加剤を乾式混合する。乾式混合に用いられる混合機は、特に限定されるものではなく、公知の混合機を用いることができる。混合機としては、たとえば、ヘンシェルミキサ(商品名、三井鉱山株式会社製)、スーパーミキサ(商品名、株式会社カワタ製)、メカノミル(商品名、岡田精工株式会社製)などのヘンシェルタイプの混合装置、オングミル(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、株式会社奈良機械製作所製)、コスモシステム(商品名、川崎重工業株式会社製)などを挙げることができる。
(3−2)溶融混練工程S2
溶融混練工程S2では、混合工程S1で得られた混合物を溶融混練する。溶融混練工程S2において、混合物は、結着樹脂の融解温度以上の温度に加熱されながら攪拌されて混練される。「結着樹脂の融解温度以上の温度」は、80℃〜200℃程度、好ましくは100℃〜150℃程度である。溶融混練に用いられる混練機は、特に限定されるものではなく、たとえば、二軸押し出し機、三本ロール、ラボブラストミルなどの一般的な混練機を使用できる。具体的な混練機としては、たとえば、TEM−100B(商品名、東芝機械株式会社製)、PCM−65/87(商品名、株式会社池貝製)などの1軸もしくは2軸の押出機、ニーデックス(商品名、三井鉱山株式会社製)などのオープンロール方式のものを挙げることができる。
(3−3)冷却工程S3
冷却工程S3では、溶融混練工程S2で得られた溶融混練物を冷却して固化する。
(3−4)粉砕工程S4
粉砕工程S4では、冷却工程S3で得られた固化物を粉砕する。固化物の粉砕には、カッターミル、フェザーミルまたはジェットミルなどが用いられる。これらの粉砕機は、単独で用いてもよいし、2つ以上を組み合わせて用いてもよい。たとえば、固化物をカッターミルで粗粉砕した後、ジェットミルで細かく粉砕することによって、所望の粒径の着色樹脂粒子が得られる。
(3−5)分級工程S5
分級工程S5では、粉砕工程S4で得られた着色樹脂粒子のうち、所望の粒径以外の着色樹脂粒子を除去する。分級工程S5では、粉砕工程S4で得られた粗粉に対し、分級機を用いて過粉砕樹脂粒子を除去する。分級機としては、ロータリー式分級機、たとえば、TSPセパレータ(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)などを用いることができる。
(3−6)球形化処理工程S6
球形化処理工程S6では、分級工程S5で分級された着色樹脂粒子を球形化し、形状係数SF−2が105以上115以下に調整されたトナー母粒子を作製する。球形化処理工程S6には、衝撃式球形化装置または熱風式球形化装置を使用できる。衝撃式球形化装置としては、たとえば、ファカルティ(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、株式会社奈良機械製作所製)などを用いることができる。熱風式球形化装置としては、たとえば、表面改質機メテオレインボー(商品名、日本ニューマチック工業株式会社製)などを用いることができる。なお、溶融混練粉砕法で生成される着色樹脂粒子は、球形化処理を行う前は、通常不定形であって、形状係数SF−1は150を超え、形状係数SF−2は140を超えることが多い。
(3−7)外添処理工程S7
外添処理工程S7では、球形化処理工程S6で得られたトナー母粒子に対して、外添剤を付着させる。外添処理工程S7には、衝撃式粉砕機または各種の混合機を使用できる。混合機としては、たとえば、メカノフュージョンシステム(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)、サイクロミックス(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)、ナノアクチベーター(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)、ヘンシェルミキサ(商品名、三井鉱山株式会社製)、メカノミル(商品名、岡田精工株式会社製)などを挙げることができる。
2、現像剤
本発明に係る現像剤は、本発明に係るトナーを含む。本発明に係るトナーは、1成分現像剤に用いることができ、2成分現像剤にも用いることができる。
(1)1成分現像剤
1成分現像剤は、キャリアを含まず、本発明に係るトナーのみからなる。1成分現像剤は、現像スリーブによって搬送され、ブレードまたはファーブラシによって摩擦帯電し、静電気力によって静電潜像に供給されることで、該静電潜像を現像する。本発明に係る1成分現像剤は、着色剤の吸収波長域内の波長を有する光を照射することによって記録媒体にトナーを定着させる定着方法に用いることができる。
(2)2成分現像剤
2成分現像剤は、本発明に係るトナーとともに、公知のキャリアを含む。本発明に係る2成分現像剤は、着色剤の吸収波長域内の波長を有する光を照射することによって記録媒体にトナーを定着させる定着方法に用いることができる。
キャリアとしては、たとえば、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、クロムなどからなる単独または複合フェライトキャリア、フェライトからなるキャリアコア粒子を被覆物質で表面被覆した樹脂被覆キャリア、樹脂に磁性を有する粒子を分散させた樹脂分散型キャリアなどを挙げることができる。
被覆物質は、特に限定されるものではなく、公知のものを用いることができる。被覆物質としては、たとえば、ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、ジターシャーリーブチルサリチル酸の金属化合物、スチレン系樹脂、アクリル樹脂、ポリアシド、ポリビニルラール、ニグロシン、アミノアクリレート樹脂、塩基性染料、塩基性染料のレーキ物、シリカ微粉末、アルミナ微粉末などを挙げることができる。被覆物質は、トナー成分に応じて適宜選択することが好ましく、1種を単独で用いてもよいし、または2種以上を併用してもよい。
樹脂分散型キャリアに用いられる樹脂は、特に限定されるものではなく、たとえば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂などを挙げることができる。樹脂分散型キャリアに用いられる樹脂は、トナー成分に応じて適宜選択することが好ましく、1種を単独で用いてもよいし、または2種以上を併用してもよい。
キャリアの形状は、球形または扁平形状であることが好ましい。キャリアの粒径は、特に限定されないけれども、定着画像の高画質化を考慮すると、10μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、20μm〜50μmの範囲内であることがさらに好ましい。
キャリアの抵抗率は、10Ω・cm以上であることが好ましく、1012Ω・cm以上であることがさらに好ましい。キャリアの抵抗率が低いと、バイアス電圧を印加する際にキャリアに電荷が注入されてしまい、感光体ドラムにキャリア粒子が付着してしまうおそれがある。また、キャリアの抵抗率が低いと、バイアス電圧のブレークダウンが起こり易くなる。なお、「キャリアの抵抗率」は、キャリアを、断面積が0.50cmで底面に電極を有する容器に入れてタッピングした後に、錘によって容器内に詰められたキャリア粒子に1kg/cmの荷重を掛け、錘と底面電極との間に1000V/cmの電界が生ずる電圧を印加したときの電流値である。
キャリアの磁化強さ(最大磁化)は、10emu/g〜60emu/gの範囲内であることが好ましく、15emu/g〜40emu/gの範囲内であることがさらに好ましい。現像ローラの磁束密度によるけれども、一般的な磁束密度の条件下においては、キャリアの磁化強さが10emu/g未満であると磁気的な束縛力が働かず、キャリア飛散の原因となる。キャリアの磁化強さが60emu/gを超えると、キャリアの穂立ちが高くなり過ぎてしまう。非接触現像では、キャリアの穂立ちが高くなり過ぎると、感光体ドラムとキャリアとが非接触状態を保つことが困難になる。また、接触現像では、キャリアの穂立ちが高くなり過ぎると、トナー像に掃き目が現れ易くなる。
2成分現像剤におけるトナーとキャリアとの使用割合は特に限定されるものではなく、トナーおよびキャリアの種類に応じて適宜選択することができる。たとえば、樹脂被覆キャリア(密度5g/cm〜8g/cm)を用いる場合、現像剤中に、トナーが現像剤全量の2重量%〜30重量%、好ましくは2重量%〜20重量%含まれるように、トナーを用いればよい。2成分現像剤において、トナーによるキャリアの被覆率は、40%〜80%の範囲内であることが好ましい。
3、画像形成装置
本発明に係る現像剤は、図2に示す、レーザ定着式の画像形成装置100に用いることができる。図2は、画像形成装置100の構成を概略的に示す模式図である。画像形成装置100は、複写機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を併せ持つ複合機であり、伝達される画像情報に応じて、記録媒体上にフルカラーまたはモノクロの画像を形成する。画像形成装置100は、コピアモード(複写モード)、プリンタモード、およびファクシミリモードという3種の印刷モードを有しており、図示しない操作部からの操作入力、パーソナルコンピュータ、携帯端末装置、情報記録記憶媒体、メモリ装置を用いた外部機器などからの印刷ジョブの受信に応じて、図示しない制御ユニット部によって、印刷モードが選択される。
画像形成装置100は、トナー像形成部20と、転写部30と、定着部40と、記録媒体供給部50と、排出部60と、図示しない制御ユニット部とを含む。トナー像形成部20は、感光体ドラム21b,21c,21m,21yと、帯電部22b,22c,22m,22yと、露光ユニット23と、現像装置24b,24c,24m,24yと、クリーニングユニット25b,25c,25m,25yとを含む。転写部30は、中間転写ベルト31と、駆動ローラ32と、従動ローラ33と、中間転写ローラ34b,34c,34m,34yと、転写ベルトクリーニングユニット35と、転写ローラ36とを含む。
感光体ドラム21、帯電部22、現像装置24、クリーニングユニット25、および中間転写ローラ34は、カラー画像情報に含まれるブラック(b)、シアン(c)、マゼンタ(m)、およびイエロー(y)の各色の画像情報に対応するために、それぞれ4つずつ設けられる。本明細書中において、各色に応じて4つずつ設けられる各部材を区別する場合は、各部材を表す数字の末尾に各色を表すアルファベットを付して参照符号とし、各部材を総称する場合は、各部材を表す数字のみを参照符号とする。
感光体ドラム21は、図示しない駆動部により、軸線回りに回転駆動可能に支持され、図示しない、導電性基体と、導電性基体の表面に形成される感光層とを含む。導電性基体は種々の形状を採ることができ、たとえば、円筒状、円柱状、薄膜シート状などを挙げることができる。感光層は、たとえば、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とを積層することにより形成される。
帯電部22、現像装置24、およびクリーニングユニット25は、感光体ドラム21の回転方向周りに、この順序で配置される。帯電部22は、現像装置24およびクリーニングユニット25よりも鉛直方向下方に配置される。
帯電部22は、感光体ドラム21表面を所定の極性および電位に帯電させる部材である。帯電部22は、感光体ドラム21に臨む位置に、感光体ドラム21の長手方向に沿って設置される。接触帯電方式の帯電装置の場合、帯電部22は、感光体ドラム21表面に接するように設置される。非接触帯電方式の帯電装置の場合、帯電部22は、感光体ドラム21表面から離隔するように設置される。
帯電部22は、現像装置24、クリーニングユニット25などとともに、感光体ドラム21の周囲に設置される。帯電部22は、現像装置24、クリーニングユニット25などよりも、感光体ドラム21に近い位置に設置されることが好ましい。これによって、感光体ドラム21の帯電不良の発生を確実に防止することができる。
帯電部22としては、ブラシ型帯電装置、ローラ型帯電装置、コロナ放電装置、イオン発生装置などを使用できる。ブラシ型帯電装置およびローラ型帯電装置は、接触帯電方式の帯電装置である。ブラシ型帯電装置には、帯電ブラシを用いるもの、磁気ブラシを用いるものなどがある。コロナ放電装置およびイオン発生装置は、非接触帯電方式の帯電装置である。コロナ放電装置には、ワイヤ状の放電電極を用いるもの、鋸歯状の放電電極を用いるもの、針状の放電電極を用いるものなどがある。
露光ユニット23は、露光ユニット23から出射される光が、帯電部22と現像装置24との間を通過して感光体ドラム21の表面に照射されるように配置される。露光ユニット23は、帯電状態にある感光体ドラム21b,21c,21m,21y表面に、各色の画像情報に対応するレーザ光をそれぞれ照射することによって、感光体ドラム21b,21c,21m,21yそれぞれの表面に、各色の画像情報に対応する静電潜像を形成する。露光ユニット23には、たとえば、レーザ照射部および複数の反射ミラーを備えるレーザスキャニングユニット(LSU)を使用できる。露光ユニット23としては、LED(Light Emitting Diode)アレイ、液晶シャッタと光源とを適宜組み合わせたユニットなどを用いてもよい。
図3は、現像装置24の構成を概略的に示す模式図である。現像装置24は、現像槽241とトナーホッパ242とを含む。現像槽241は、その内部空間に、本発明に係る現像剤を収容する。現像槽241内には、現像ローラ243、供給ローラ244、攪拌ローラ245などのローラ状またはスクリュー状部材が、回転自在に支持される。現像槽241の感光体ドラム21を臨む側面には開口部が形成され、該開口部を介して感光体ドラム21に対向する位置に現像ローラ243が設けられる。
現像ローラ243は、感光体ドラム21との圧接部または最近接部において感光体ドラム21表面の静電潜像にトナーを供給する部材である。トナーの供給に際しては、現像ローラ243表面にトナーの帯電電位とは逆極性の電位が現像バイアス電圧(現像バイアス)として印加される。これによって、現像ローラ243表面のトナーが静電潜像に円滑に供給される。現像バイアスの値を変更することによって、静電潜像に供給されるトナー量(トナー付着量)を制御することができる。
供給ローラ244は、現像ローラ243に臨み、現像ローラ243周辺にトナーを供給する部材である。攪拌ローラ245は供給ローラ244に臨み、トナーホッパ242から現像槽241内に新たに供給されるトナーを供給ローラ244周辺に送給する部材である。トナーホッパ242は、その鉛直方向下部に設けられるトナー補給口(図示せず)と、現像槽241の鉛直方向上部に設けられるトナー受入口(図示せず)とが連通するように設けられ、現像槽241のトナー消費状況に応じてトナーを補給する。他の実施形態としては、トナーホッパ242を用いず、各色トナーカートリッジから直接トナーを補給するように構成されてもよい。
クリーニングユニット25は、感光体ドラム21から中間転写ベルト31にトナー像が転写された後に、感光体ドラム21の表面に残留するトナーを除去し、感光体ドラム21の表面を清浄化する部材である。クリーニングユニット25には、たとえば、クリーニングブレードなどの板状部材が用いられる。なお、画像形成装置100においては、感光体ドラム21として、主に有機感光体ドラムが用いられる。有機感光体ドラムの表面は樹脂成分を主体とするものであるため、帯電の際に発生するオゾンの化学的作用によって表面の劣化が進行しやすいけれども、劣化した表面部分はクリーニングユニット25よる擦過作用を受けて摩耗し、徐々にではあるが確実に除去される。したがって、オゾンなどによる感光体ドラム21表面の劣化の問題が実際上解消され、長期間にわたって、帯電動作による帯電電位を安定に維持することができる。本実施形態ではクリーニングユニット25が設けられるけれども、クリーニングユニット25は設けられなくてもよい。
トナー像形成部20によれば、帯電部22によって均一な帯電状態にある感光体ドラム21の表面に、露光ユニット23から画像情報に応じたレーザ光が照射されて静電潜像が形成される。静電潜像に現像装置24からトナーが供給されてトナー像が形成され、該トナー像は中間転写ベルト31に転写される。トナー像が中間転写ベルト31に転写された後に、感光体ドラム21表面に残留するトナーは、クリーニングユニット25によって除去される。このような一連のトナー像形成動作が繰り返し実行される。
中間転写ベルト31は、感光体ドラム21の鉛直方向上方に配置される無端ベルト状部材である。中間転写ベルト31は、駆動ローラ32と従動ローラ33とによって張架されてループ状の経路を形成し、矢符Bの方向に回転駆動する。
駆動ローラ32は、図示しない駆動部によってその軸線回りに回転駆動が可能なように設けられる。駆動ローラ32は、回転駆動によって、中間転写ベルト31を矢符B方向へ回転駆動させる。従動ローラ33は、駆動ローラ32の回転駆動に従動して回転可能なように設けられ、中間転写ベルト31が弛まないように、中間転写ベルト31に一定の張力を発生させる。
中間転写ローラ34は、中間転写ベルト31を介して感光体ドラム21に圧接し、かつ図示しない駆動部によってその軸線回りに回転駆動が可能なように設けられる。中間転写ローラ34は、転写バイアスを印加する図示しない電源が接続され、感光体ドラム21表面のトナー像を中間転写ベルト31に転写する機能を有する。
転写ローラ36は、中間転写ベルト31を介して駆動ローラ32に圧接し、図示しない駆動部によって軸線回りに回転駆動が可能なように設けられる。転写ローラ36と駆動ローラ32との圧接部(転写ニップ部)において、中間転写ベルト31に担持されて搬送されるトナー像が、後述する記録媒体供給部50から送給される記録媒体に転写される。
転写ベルトクリーニングユニット35は、中間転写ベルト31を介して従動ローラ33に対向し、中間転写ベルト31のトナー像担持面に接触するように設けられる。記録媒体へのトナー像の転写後に、中間転写ベルト31にトナーが付着したまま残っていると、中間転写ベルト31の回転駆動によって、残留トナーが転写ローラ36に付着するおそれがある。転写ローラ36に付着したトナーは、次に転写する記録媒体の裏面を汚染する原因となる。したがって、転写ベルトクリーニングユニット35は、記録媒体へのトナー像の転写後に、中間転写ベルト31表面のトナーを除去し回収するために設けられる。
転写部30によれば、中間転写ベルト31が感光体ドラム21に接しながら回転駆動する際、中間転写ローラ34に、感光体ドラム21表面のトナーの帯電極性とは逆極性の転写バイアスが印加され、感光体ドラム21の表面に形成されたトナー像は、中間転写ベルト31上へ転写される。フルカラー画像の場合、感光体ドラム21y、感光体ドラム21m、感光体ドラム21c、感光体ドラム21bでそれぞれ形成される各色のトナー画像が、中間転写ベルト31上に、この順番で順次重ねて転写されることによって、フルカラートナー像が形成される。中間転写ベルト31に転写されたトナー像は、中間転写ベルト31の回転駆動によって転写ニップ部に搬送され、転写ニップ部において、記録媒体に転写される。トナー像が転写された記録媒体は、定着部40に搬送される。
記録媒体供給部50は、自動給紙部51と、ピックアップローラ52a,52bと、搬送ローラ53a,53bと、レジストローラ54と、手差給紙トレイ55とを含む。自動給紙部51は画像形成装置100の鉛直方向下部に設けられ、画像形成装置100内部において記録媒体を貯留する容器状部材である。手差給紙トレイ55は、画像形成装置100外部において記録媒体を貯留するトレイ状部材である。記録媒体としては、普通紙、カラーコピー用紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート、葉書などがある。
ピックアップローラ52aは、自動給紙部51に貯留される記録媒体を1枚ずつ取り出し、用紙搬送路A1に送給するローラ状部材である。搬送ローラ53aは互いに圧接するように設けられる一対のローラ状部材であり、用紙搬送路A1において記録媒体をレジストローラ54に向けて搬送する。ピックアップローラ52bは、手差給紙トレイ55に貯留される記録媒体を1枚ずつ取り出し、用紙搬送路A2に送給するローラ状部材である。搬送ローラ53bは互いに圧接するように設けられる一対のローラ状部材であり、用紙搬送路A2において記録媒体をレジストローラ54に向けて搬送する。
レジストローラ54は、互いに圧接するように設けられる一対のローラ状部材であり、搬送ローラ53a,53bから送給される記録媒体を、中間転写ベルト31に担持されるトナー像が転写ニップ部に搬送されるのに同期して、転写ニップ部に送給する。
記録媒体供給部50によれば、中間転写ベルト31に担持されるトナー像が転写ニップ部に搬送されるのに同期して、自動給紙部51または手差給紙トレイ55から記録媒体が転写ニップ部に送給され、該記録媒体にトナー像が転写される。
図4は、定着部40の構成を概略的に示す模式図である。定着部40は、レーザ定着装置41と、搬送部44とを含む。レーザ定着装置41は、レーザ光源42と、回転多面鏡43とを含む。レーザ光源42は、レーザ光を照射する部材であり、異なる波長を発振波長とする4種類のレーザ光を、それぞれ別々に出力できるように構成されている。回転多面鏡43は、レーザ光源42から照射されたレーザ光を反射して、記録媒体のトナー担持面に対して略垂直な方向から、記録媒体を走査露光する。回転多面鏡43は、たとえば、その形状が正六角面体であり、矢符C1方向に定速回転する。レーザ定着装置41は、記録媒体上のトナー像に局所的にレーザ光を照射することができる。
搬送部44は、搬送ベルト45と、駆動ローラ46と、従動ローラ47とを含む。搬送ベルト45は、無端ベルト状部材である。搬送ベルト45は、駆動ローラ46と従動ローラ47とによって張架されてループ状の経路を形成し、矢符C2の方向に回転駆動する。搬送ベルト45は、ベルト表面に静電気力によって記録媒体を担持して搬送する構成であってもよいし、ベルト表面に風力によって記録媒体を担持して搬送する構成であってもよい。
駆動ローラ46は、図示しない駆動部によってその軸線回りに回転駆動が可能なように設けられる。駆動ローラ46は、回転駆動によって、搬送ベルト45を矢符C2方向へ回転駆動させる。従動ローラ47は、駆動ローラ46の回転駆動に従動して回転可能なように設けられ、搬送ベルト45が弛まないように、搬送ベルト45に一定の張力を発生させる。
なお、レーザ光源42と回転多面鏡43との間の光路には、コリメータレンズ、シリンダーレンズなどを設けてもよい。また、回転多面鏡43と搬送ベルト45との間には、fθレンズ、折り返しミラー、反射ミラーなどを設けてもよい。
レーザ定着装置41は、記録媒体上に保持された未定着トナー像に対し、それぞれ異なる波長のレーザ光を照射することによって、該記録媒体上に、トナーを非接触定着することができる。具体的には、記録媒体上の未定着トナーに含まれる着色剤がレーザ光を吸収して振動し、これによってトナーが加熱溶融し、該記録媒体上に定着する。
レーザ光源42は、異なる4つの波長のレーザ光を照射するために、Y定着レーザ光源、M定着レーザ光源、C定着レーザ光源、およびB定着レーザ光源を備える。Y定着レーザ光源の発振波長は、可視光領域におけるイエロートナーの吸収ピーク(たとえば430nm)である。M定着レーザ光源の発振波長は、可視光領域におけるマゼンタトナーの吸収ピーク(たとえば565nm)である。C定着レーザ光源の発振波長は、可視光領域におけるシアントナーの吸収ピーク(たとえば620nm)である。B定着レーザ光源の発振波長は、特に限定されるものではなく、ブラックトナーが吸収する光の中から適宜選択することができる。
レーザ光源42から照射されるレーザの強度は、1.5W/cm以上630W/cm以下の範囲内であることが好ましい。レーザの強度が1.5W/cmよりも弱い場合には、レーザ照射によるトナーの溶融が不充分となるためにトナーの定着率が低下してしまう。レーザの強度が630W/cmよりも強くなると、レーザ照射によりトナーまたは記録媒体に焦げが生じてしまい、これによってトナーの定着率が低下してしまう。
定着部40によれば、未定着トナー像を担持した記録媒体が転写ニップ部から搬送部44に搬送されると、まず、Y定着レーザ光源からのレーザ光が、未定着トナー像中のイエロートナーに選択的に照射される。このとき、Y定着レーザ光源からのレーザ光は、イエロートナーによって吸収される。これによって、イエロートナーが加熱されて溶融する。次に、M定着レーザ光源からのレーザ光が、未定着トナー像中のマゼンタトナーに選択的に照射される。このとき、M定着レーザ光源からのレーザ光は、マゼンタトナーによって吸収される。これによって、マゼンタトナーが加熱されて溶融する。
次に、C定着レーザ光源からのレーザ光が、未定着トナー像中のシアントナーに選択的に照射される。このとき、C定着レーザ光源からのレーザ光は、シアントナーによって吸収される。これによって、シアントナーが加熱されて溶融する。最後に、B定着レーザ光源からのレーザ光が、未定着トナー像中のブラックトナーに選択的に照射される。このとき、B定着レーザ光源からのレーザ光は、ブラックトナーによって吸収される。これによって、ブラックトナーが加熱されて溶融する。以上のようにして、未定着トナー像がすべて加熱溶融することで、記録媒体にトナー像が定着し、画像が形成される。トナー像が定着した記録媒体は、搬送部44によって排出部60へ搬送される。
排出部60は、搬送ローラ61と、排出ローラ62と、排出トレイ63とを含む。搬送ローラ61は、定着部40よりも鉛直方向上方において、互いに圧接するように設けられる一対のローラ状部材である。搬送ローラ61は、画像が定着した記録媒体を排出ローラ62に向けて搬送する。
排出ローラ62は、互いに圧接するように設けられる一対のローラ状部材である。排出ローラ62は、片面印刷の場合、片面の印刷が完了した記録媒体を排出トレイ63に排出する。排出ローラ62は、両面印刷の場合は、片面の印刷が完了した記録媒体を、用紙搬送路A3を介してレジストローラ54へ搬送し、両面の印刷が完了した記録媒体を排出トレイ63に排出する。排出トレイ63は、画像形成装置100の鉛直方向上面に設けられ、画像が定着した記録媒体を貯留する。
画像形成装置100は、図示しない制御ユニット部を含む。制御ユニット部は、たとえば、画像形成装置100の内部空間における鉛直方向上部に設けられ、記憶部と演算部と制御部とを含む。制御ユニット部の記憶部には、画像形成装置100の鉛直方向上面に配置される図示しない操作パネルを介する各種設定値、画像形成装置100内部の各所に配置される図示しないセンサなどからの検知結果、外部機器からの画像情報などが入力される。また、記憶部には、各種処理を実行するプログラムが書き込まれる。各種処理とは、たとえば、記録媒体判定処理、付着量制御処理、定着条件制御処理などである。
記憶部には、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、リードオンリィメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ(HDD)などが挙げられる。外部機器には、画像情報の形成または取得が可能であり、かつ画像形成装置100に電気的に接続可能な電気、電子機器を使用でき、たとえば、コンピュータ、デジタルカメラ、テレビジョン受像機器、ビデオレコーダ、DVD(Digital Versatile
Disc)レコーダ、HDDVD(High-Definition Digital Versatile Disc)レコーダ、ブルーレイディスクレコーダ、ファクシミリ装置、携帯端末装置などが挙げられる。
演算部は、記憶部に書き込まれる各種データ(画像形成命令、検知結果、画像情報など)および各種処理のプログラムを取り出し、各種判定を行う。制御部は、演算部の判定結果に応じて該当装置に制御信号を送付し、動作制御を行う。
制御部および演算部は中央処理装置(CPU、Central Processing Unit)を備えるマイクロコンピュータ、マイクロプロセッサなどによって実現される処理回路を含む。制御ユニット部は、前述の処理回路とともに主電源を含み、電源は制御ユニット部だけでなく、画像形成装置100内部における各部材にも電力を供給する。
以下に、本発明の実施例を具体的に説明する。
1、各物性値の測定方法
(1)結着樹脂の絶対屈折率n
結着樹脂の絶対屈折率nは、プリズムカップリング法によって測定した。具体的には、アッベ屈折計NAR−1T SOLID(株式会社アタゴ製)を用いて、光源ランプ:D線(589nm)を使用し、測定温度:20℃で測定した。
(2)結着樹脂のガラス転移温度(Tg)
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、試料1gを昇温速度毎分10℃で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線のガラス転移に相当する吸熱ピークの高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、ピークの立ち上がり部分から頂点までの曲線に対して勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)として求めた。
(3)結着樹脂の軟化温度(Tm)
流動特性評価装置(商品名:フローテスターCFT−100C、株式会社島津製作所製)において、荷重10kgf/cm(9.8×10Pa)を与えて試料1gがダイ(ノズル口径1mm、長さ1mm)から押出されるように設定し、昇温速度毎分6℃で加熱し、ダイから試料の半分量が流出したときの温度を求め、軟化温度(Tm)とした。
(4)トナー母粒子の形状係数SF−2
トナー母粒子の表面にスパッタ蒸着によって金属膜(Au膜、膜厚0.5μm)を形成して金属被膜粒子を形成し、該金属被膜粒子を、走査型電子顕微鏡(商品名:S−570、株式会社日立製作所製)を用いて、加速電圧5kV、倍率1000倍の条件において、無作為に200〜300個を抽出して写真撮影を行った。次に、撮影した写真データを、画像解析ソフト(商品名:A像くん、旭化成エンジニアリング株式会社製)を用いて画像解析した。画像解析ソフト「A像くん」の粒子解析パラメータは以下のとおりであった。
小図形除去面積:100画素、
収縮分離:回数1
小図形:1
回数:10
雑音除去フィルタ:無
シェーディング:無
結果表示単位:μm
画像解析によって得られた粒子の周囲長PERI、および図形面積(投影面積)AREAを用いて、下記式(B)から算出して得られた値をトナーの形状係数SF−2とした。
形状係数SF−2={(PERI)2/AREA}×(25/π) …(B)
(πは円周率を表す。)
(5)トナー母粒子の体積平均粒径
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター株式会社製)50mlに、トナー母粒子20mgおよびアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mlを加え、超音波分散器(商品名:UH−50、株式会社エスエムテー製)によって、超音波周波数20kHzで3分間分散処理して、測定用試料を調製した。この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:MultisizerIII、ベックマン・コールター株式会社製)を用い、アパーチャ径100μm、測定粒子数50000カウントの条件下に測定を行い、トナー母粒子の体積粒度分布から体積平均粒径を求めた。
(6)外添剤の絶対屈折率n
外添剤の絶対屈折率nは、プリズムカップリング法によって測定した。具体的には、アッベ屈折計NAR−1T SOLID(株式会社アタゴ製)を用いて、光源ランプ:D線(589nm)を使用し、測定温度:20℃で測定した。
2、実施例および比較例
(1)実施例1
(1−1)トナー母粒子の作製
結着樹脂としてPMMA(絶対屈折率1.49、ガラス転移温度60℃、軟化温度110℃)89.0重量部、マスターバッチ(顔料;C.I.Pigment Blue 111 DIC社製)を5.0重量部、パラフィンワックス(ワックス、HNP11、日本精鑞株式会社製、融点68℃)4.0重量部、アルキルサリチル酸金属塩(帯電制御剤、商品名:BONTRON E−84、オリエント化学株式会社製)2.0重量部を、混合器(商品名:ヘンシェルミキサ、三井鉱山株式会社製)によって10分間混合した後、二軸押出混練機(商品名:PCM65、株式会社池貝製)にて溶融混練した。得られたトナー混練物をカウンタージェットミル(商品名:カウンタジェットミルAFG、ホソカワミクロン株式会社製)によって微粉砕した後、ロータリー式分級機(商品名:TSPセパレータ、ホソカワンミクロン株式会社製)によって分級し、体積平均粒径5.5μmの粒子の着色樹脂粒子を作製した。その後、着色樹脂粒子の球形化処理を、熱風式球形化装置である表面改質機メテオレインボー(商品名、日本ニューマチック工業株式会社製)にて実施した。表面改質機メテオレインボーでは、粉砕物(着色樹脂粒子)の投入量を毎時3.0kgとし、熱風の供給量を毎分900L、熱風の温度を180℃とし、冷却空気の供給圧力を0.15MPaとし、二次エア噴射ノズルからの空気の供給量を毎分230Lとした。また、冷却エア取入口と、衝突部材との距離Lは2.0cmであった。このようにして球形化処理を行って得られたトナー母粒子の形状係数SF‐2は115であった。
その後、トナー母粒子と、トナー母粒子100重量部に対して1.0重量部の炭酸バリウム(外添剤、絶対屈折率1.62、体積平均粒径30nm)とをヘンシェルミキサにより混合し、炭酸バリウムにより外添されたトナー粒子を得た。
(1−2)2成分現像剤の作製
得られたトナーと、体積平均粒径45μmのフェライトコアキャリアとを、2成分現像剤中のトナーの濃度が7%となるように、V型混合機(商品名:V−5、株式会社徳寿工作所製)を用いて20分間混合して、実施例1に係る2成分現像剤を作製した。実施例1に係るトナー母粒子の形状係数SF−2は115であった。実施例1に係る外添剤の絶対屈折率nは1.62であり、結着樹脂の絶対屈折率nは1.49であり、相対屈折率n/nは約0.92であった。
(2)実施例2
着色樹脂粒子の球形化処理において、熱風の温度を200℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2に係る2成分現像剤を作製した。実施例2に係るトナー母粒子の形状係数SF−2は110であった。実施例2に係る外添剤の絶対屈折率nは1.62であり、結着樹脂の絶対屈折率nは1.49であり、相対屈折率n/nは約0.92であった。
(3)実施例3
着色樹脂粒子の球形化処理において、熱風の温度を220℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3に係る2成分現像剤を作製した。実施例3に係るトナー母粒子の形状係数SF−2は105であった。実施例3に係る外添剤の絶対屈折率nは1.62であり、結着樹脂の絶対屈折率nは1.49であり、相対屈折率n/nは約0.92であった。
(4)実施例4
外添剤として炭酸バリウムの代わりにシリカ(絶対屈折率1.45、体積平均粒径25nm)を用い、着色樹脂粒子の球形化処理において、熱風の温度を200℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4に係る2成分現像剤を作製した。実施例4に係るトナー母粒子の形状係数SF−2は110であった。実施例4に係る外添剤の絶対屈折率nは1.45であり、結着樹脂の絶対屈折率nは1.49であり、相対屈折率n/nは約1.03であった。
(5)実施例5
外添剤として炭酸バリウムの代わりにアルミナ(絶対屈折率1.76、体積平均粒径25nm)を用い、着色樹脂粒子の球形化処理において、熱風の温度を200℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5に係る2成分現像剤を作製した。実施例5に係るトナー母粒子の形状係数SF−2は110であった。実施例5に係る外添剤の絶対屈折率nは1.76であり、結着樹脂の絶対屈折率nは1.49であり、相対屈折率n/nは約0.85であった。
(6)実施例6
結着樹脂としてPMMAの代わりにフッ素含有ポリエステル樹脂(フッ素含有PE、絶対屈折率1.52、ガラス転移温度62℃、軟化温度112℃)を用い、着色樹脂粒子の球形化処理において、熱風の温度を205℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例6に係る2成分現像剤を作製した。実施例6に係るトナー母粒子の形状係数SF−2は110であった。実施例6に係る外添剤の絶対屈折率nは1.62であり、結着樹脂の絶対屈折率nは1.52であり、相対屈折率n/nは約0.94であった。
(7)実施例7
結着樹脂としてPMMAの代わりにフッ素含有ポリエステル樹脂(フッ素含有PE、絶対屈折率1.54、ガラス転移温度61℃、軟化温度110℃)を用い、外添剤として炭酸バリウムの代わりにシリカ(絶対屈折率1.45、体積平均粒径25nmを用い、着色樹脂粒子の球形化処理において、熱風の温度を200℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例7に係る2成分現像剤を作製した。実施例7に係るトナー母粒子の形状係数SF−2は110であった。実施例7に係る外添剤の絶対屈折率nは1.45であり、結着樹脂の絶対屈折率nは1.54であり、相対屈折率n/nは約1.06であった。
(8)実施例8
外添剤として炭酸バリウムの代わりにケイ砂(絶対屈折率1.53、体積平均粒径25nm)を用い、着色樹脂粒子の球形化処理において、熱風の温度を200℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例8に係る2成分現像剤を作製した。実施例8に係るトナー母粒子の形状係数SF−2は110であった。実施例8に係る外添剤の絶対屈折率nは1.53であり、結着樹脂の絶対屈折率nは1.49であり、相対屈折率n/nは約0.97であった。
(9)比較例1
着色樹脂粒子の球形化処理において、熱風の温度を175℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1に係る2成分現像剤を作製した。比較例1に係るトナー母粒子の形状係数SF−2は117であった。比較例1に係る外添剤の絶対屈折率nは1.62であり、結着樹脂の絶対屈折率nは1.49であり、相対屈折率n/nは約0.92であった。
(10)比較例2
結着樹脂としてPMMAの代わりにフッ素含有ポリエステル樹脂(フッ素含有PE、絶対屈折率1.52、ガラス転移温度62℃、軟化温度112℃)を用い、外添剤として炭酸バリウムの代わりにシリカ(絶対屈折率1.45、体積平均粒径25nm)を用い、着色樹脂粒子の球形化処理において、熱風の温度を200℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2に係る2成分現像剤を作製した。比較例2に係るトナー母粒子の形状係数SF−2は117であった。比較例2に係る外添剤の絶対屈折率nは1.45であり、結着樹脂の絶対屈折率nは1.52であり、相対屈折率n/nは約1.05であった。
(11)比較例3
結着樹脂としてPMMAの代わりにポリエステル樹脂(PE、絶対屈折率1.57、ガラス転移温度60℃、軟化温度110℃)を用い、外添剤として炭酸バリウムの代わりにシリカ(絶対屈折率1.45、体積平均粒径25nm)を用い、着色樹脂粒子の球形化処理において、熱風の温度を195℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例3に係る2成分現像剤を作製した。比較例3に係るトナー母粒子の形状係数SF−2は117であった。比較例3に係る外添剤の絶対屈折率nは1.45であり、結着樹脂の絶対屈折率nは1.57であり、相対屈折率n/nは約1.08であった。
(12)比較例4
着色樹脂粒子の球形化処理において、熱風の温度を230℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例4に係る2成分現像剤を作製した。比較例4に係るトナー母粒子の形状係数SF−2は102であった。比較例4に係る外添剤の絶対屈折率nは1.62であり、結着樹脂の絶対屈折率nは1.49であり、相対屈折率n/nは約0.92であった。
(13)比較例5
結着樹脂としてPMMAの代わりにポリエステル樹脂(PE、絶対屈折率1.58、ガラス転移温度62℃、軟化温度113℃)を用い、外添剤として炭酸バリウムの代わりに酸化亜鉛(絶対屈折率1.92、体積平均粒径30nm)を用い、着色樹脂粒子の球形化処理において、熱風の温度を225℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例5に係る2成分現像剤を作製した。比較例5に係るトナー母粒子の形状係数SF−2は110であった。比較例5に係る外添剤の絶対屈折率nは1.92であり、結着樹脂の絶対屈折率nは1.58であり、相対屈折率n/nは約0.82であった。
(14)比較例6
外添剤として炭酸バリウムの代わりに酸化チタン(絶対屈折率2.52、体積平均粒径25nm)を用い、着色樹脂粒子の球形化処理において、熱風の温度を200℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例6に係る2成分現像剤を作製した。比較例6に係るトナー母粒子の形状係数SF−2は110であった。比較例6に係る外添剤の絶対屈折率nは2.52であり、結着樹脂の絶対屈折率nは1.49であり、相対屈折率n/nは約0.59であった。
3、評価
(1)トナーの定着性の評価
実施例および比較例に係る2成分現像剤を用いて、トナーの付着量が1.2mg/cm(カプセルトナー2層分に相当)になるように調整して、縦20cm、横20cmの未定着ベタ画像を作成した。市販の複写機(商品名:MX−2700、シャープ株式会社製)の定着装置を、図4に示すような定着装置(Y定着レーザ光源:430nm、M定着レーザ光源:565nm、C定着レーザ光源:620nm、B定着レーザ光源:780nm、各光源の出力:30W)に改変したものを用いて、未定着ベタ画像に対してレーザ光を照射した。定着画像の表面を、学振式堅牢度試験において、1kgの荷重を載せた砂消しゴム(商品名:ライオン 消しゴム ギャザ砂、株式会社ライオン事務器製)を用いて、14mm/sの速度で3往復分擦過した。擦過前後の光学反射密度(像濃度)を、反射濃度計(商品名:RD−914、マクベス社製)を用いて測定し、下記式(1)に基づいて定着率を算出し、トナーの定着性の評価を行った。
定着率(%)=[(擦過後の像濃度)/(擦過前の像濃度)]×100…(1)
定着性の評価基準は以下のとおりである。
◎:極めて良好。定着率(%)が85%以上である。
○:良好。定着率(%)が80%以上85%未満である。
△:実使用上問題なし。定着率(%)が70%以上80%未満である。
×:不良。定着率(%)が70%未満である。
(2)クリーニング性の評価
クリーニング性は、画像形成前(初期)、5000(5K)枚印字後、10000(10K)枚印字後の各段階において、形成された画像を目視で確認することによって、画像部と非画像部との境界部の鮮明度、および感光体ドラムの回転方向へのトナー漏れによって形成される黒すじの有無を目視で観察することで評価した
定着性の評価基準は以下のとおりである。
◎:良好。5K枚印字後および10K印字後において、境界部が鮮明であり、黒すじが見られない。
○:10K印字後において、境界部が不鮮明であり、黒すじが見られない。
△:10K印字後において、境界部が不鮮明であり、黒すじが見られる。
×:不良。5K枚印字後において、境界部が不鮮明である、または、黒すじが見られる。
(3)総合評価
トナーの定着性の評価結果およびクリーニング性の評価結果から、総合評価を行った。
総合評価の評価基準は以下のとおりである。
◎:極めて良好。すべての評価が◎である。
○:良好。定着性およびクリーニング性の評価の一方が○または△であり、他方が◎または○である。
△:実使用上問題なし。定着性およびクリーニング性の評価がいずれも△である。
×:不良。1項目以上×の評価がある。
トナー母粒子の結着樹脂名、絶対屈折率n、形状係数SF−2、外添剤の外添剤名、絶対屈折率n、相対屈折率n/n、トナーの定着性およびクリーニング性、ならびに総合評価の評価結果を表1に示す。
Figure 2011059145
表1より、形状係数SF−2が115以下で、かつ、相対屈折率n/nが、0.85以上1.10以下であると定着性が高いことがわかる。また、形状係数SF−2が105以上であるとクリーニング性が高いことがわかる。
20 トナー像形成部
21,21b,21c,21m,21y 感光体ドラム
22,22b,22c,22m,22y 帯電部
23 露光ユニット
24,24b,24c,24m,24y 現像装置
30 転写部
31 中間転写ベルト
34,34b,34c,34m,34y 中間転写ローラ
36 転写ローラ
40 定着部
41 レーザ定着装置
42 レーザ光源
43 回転多面鏡
100 画像形成装置

Claims (5)

  1. 着色剤の吸収波長域内の波長を有する光を照射することによって記録媒体にトナーを定着させる定着方法に用いられ、赤外線吸収剤を含まない光定着トナーであって、
    結着樹脂と着色剤とを含むトナー母粒子であって、形状係数SF−2が105以上115以下であるトナー母粒子と、
    前記トナー母粒子に外添される外添剤とを含み、
    前記外添剤の絶対屈折率nと前記結着樹脂の絶対屈折率nとの比である相対屈折率n/nが、0.85以上1.10以下であることを特徴とする光定着トナー。
  2. シアントナー、マゼンタトナー、またはイエロートナーであることを特徴とする請求項1に記載の光定着トナー。
  3. 前記結着樹脂の絶対屈折率nが1.5以下である事を特徴とする請求項1または2に記載の光定着トナー。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の光定着トナーを含むことを特徴とする1成分現像剤。
  5. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の光定着トナーと、キャリアとを含むことを特徴とする2成分現像剤。
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