JP2011058686A - 冷蔵庫 - Google Patents

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Abstract

【課題】食品収納室への送風を制御するダンパを備える冷蔵庫に係り、内容積効率や省エネルギー性の向上した冷蔵庫を得ることを目的とする。
【解決手段】冷蔵庫本体に区画形成されて夫々食品を収納する冷凍温度帯室及び冷蔵温度帯室と、前記冷凍温度帯室及び前記冷蔵温度帯室を冷却する冷気が熱交換される冷却器と、前記冷却器が設けられる冷却器収納室と、前記冷却器で熱交換された冷気を前記冷凍温度帯室及び前記冷蔵温度帯室に送風する庫内ファンと、該庫内ファンの前方を覆うように設けられ前記冷凍温度帯室又は前記冷蔵温度帯室と連通する開口を有するファンカバーと、該ファンカバーの開口に設けられ送風を制御するダンパと、を備え、前記ファンカバーは前記庫内ファンの回転方向に上流から下流に次第に拡大する風路を有し、該風路の下流に前記開口が設けられたことを特徴とする。
【選択図】 図8

Description

本発明は、冷蔵庫に関する。
特許文献1には、冷却器で熱交換した冷気が送風機で送風され、冷凍室ダクトを介して、冷凍室の背面側に多段に設けられた吹き出し口から冷凍室に吹き出される構成が記載されている。
特開2009−14320号公報
しかしながら、特許文献1に記載の冷蔵庫は、送風機によって形成される冷気流れに対して十分な配慮がされていない。そのため、流れの損失が大きく、必要風量を得るための庫内ファン動力が大きくなる、という課題があった。
本発明は以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、冷気流れの損失を抑え、省エネルギー性の向上した冷蔵庫を得ることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、冷蔵庫本体に区画形成されて夫々食品を収納する冷凍温度帯室及び冷蔵温度帯室と、前記冷凍温度帯室及び前記冷蔵温度帯室を冷却する冷気が熱交換される冷却器と、前記冷却器が設けられる冷却器収納室と、前記冷却器で熱交換された冷気を前記冷凍温度帯室及び前記冷蔵温度帯室に送風する庫内ファンと、該庫内ファンの前方を覆うように設けられ前記冷凍温度帯室又は前記冷蔵温度帯室と連通する開口を有するファンカバーと、該ファンカバーの開口に設けられ送風を制御する送風制御手段と、を備え、前記ファンカバーは前記庫内ファンの回転方向に上流から下流に次第に拡大する風路を有し、該風路の下流に前記開口が設けられたことを特徴とする。
また、前記風路は5度〜20度の範囲で該風路を拡大する拡大角度を有することを特徴とする。
また、前記風路は上流から下流まで180度又は180度よりも大きい角度を有することを特徴とする。
また、前記ファンカバーは前記庫内ファンと対向する位置に窪みを有することを特徴とする。
また、前記開口は横長であって該開口の長手方向が前記風路の下流且つ前記庫内ファンの上方に位置することを特徴とする。
本発明によれば、冷気流れの損失を抑え、省エネルギー性の向上した冷蔵庫を得ることができる。
本発明の実施形態に係る冷蔵庫の正面外形図。 本発明の実施形態に係る冷蔵庫の庫内の構成を表す図1のX−X断面図。 本発明の実施形態に係る冷蔵庫の庫内の構成を表す正面図。 図2の要部拡大説明図。 図3の要部拡大説明図。 本発明の実施形態に係る冷蔵庫の制御を表すフローチャート。 本発明の実施形態に係る冷蔵庫の制御を表すタイムチャート。 本発明の実施形態に係る冷蔵庫の送風機周辺構造を表す正面図。 本発明の実施形態に係る冷蔵庫の送風機周辺構造を表す縦断面図。 本発明の実施形態に係る冷蔵庫の冷凍室ダンパを表す斜視図。 送風機の流量−静圧特性を表す図。 風路抵抗が小さい場合における送風機の入口速度と出口速度を表す図。 風路抵抗が大きい場合における送風機の入口速度と出口速度を表す図。 送風機周辺構造を背面側から見た分解斜視図。
本発明に係る冷蔵庫の実施形態を、図1から図13を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の冷蔵庫1の正面外形図であり、図2は、冷蔵庫1の庫内の構成を表す図1におけるX−X縦断面図であり、図3は、冷蔵庫1の庫内の構成を表す正面図であり、冷気ダクトや吹き出し口の配置などを示す図であり、図4は図2の要部拡大説明図である。図5は図3の要部拡大説明図である。
図1に示すように、本実施形態の冷蔵庫1は、食品収納室として、上方から、冷蔵室2,製氷室3,上段冷凍室4,下段冷凍室5,野菜室6を備えている。なお、以下本明細書中では、製氷室3と上段冷凍室4と下段冷凍室5の総称として冷凍温度帯室60、冷蔵室2と野菜室6の総称として冷蔵温度帯室61と呼ぶことがある。
冷蔵室2は前方側に、左右に分割された観音開きの冷蔵室扉2a,2bを備え、製氷室3,上段冷凍室4,下段冷凍室5,野菜室6は、それぞれ引き出し式の製氷室扉3a,上段冷凍室扉4a,下段冷凍室扉5a,野菜室扉6aを備えている。以下では、冷蔵室扉2a,2b,製氷室扉3a,上段冷凍室扉4a,下段冷凍室扉5a,野菜室扉6aを単に扉2a,2b,3a,4a,5a,6aと称する。
また、冷蔵庫1は、扉2a,2b,3a,4a,5a,6aの各扉の開閉状態をそれぞれ検知する図示しない扉センサと、扉開放状態と判定された状態が所定時間、例えば、1分間以上継続された場合に、使用者に報知する図示しないアラーム、冷蔵室2や野菜室6の温度設定や冷凍温度帯室60の温度設定をする図示しない温度設定器等を備えている。
図2に示すように、冷蔵庫1の庫外と庫内は、発泡断熱材(発泡ポリウレタン)を充填することにより形成される断熱箱体10により隔てられている。冷蔵庫1の断熱箱体10は真空断熱材25を実装している。
庫内は、断熱仕切壁28により冷蔵室2と、上段冷凍室4及び製氷室3(図1参照、図2中で製氷室3は図示されていない)とが隔てられ、断熱仕切壁29により、下段冷凍室5と野菜室6とが隔てられている。
扉2a,2b(図1参照)の庫内側には複数の扉ポケット32が備えられている。また、冷蔵室2は複数の棚36により縦方向に複数の貯蔵スペースに区画されている。
図2に示すように、上段冷凍室4,下段冷凍室5及び野菜室6は、それぞれの室の前方に備えられた扉4a,5a,6aと一体に引き出される、収納容器4b,5b,6bがそれぞれ設けられており、扉4a,5a,6aの図示しない取手部に手を掛けて手前側に引き出すことにより収納容器4b,5b,6bが引き出せるようになっている。図1に示す製氷室3にも同様に、扉3aと一体に、図示しない収納容器(図2中(3b)で表示)が設けられ、扉3aの図示しない取手部に手を掛けて手前側に引き出すことにより収納容器3bが引き出せるようになっている。なお上段冷凍室4は、急速冷凍室として使用できる。急速冷凍性能の向上のために、上段冷凍室4の収納容器4bには図示しないアルミトレーが備えられており、冷凍速度が向上するようになっている。
図2に示すように(適宜図3〜図5参照)、冷却器7は下段冷凍室5の略背部に備えられた冷却器収納室8内に設けられており、冷却器7の上方に設けられた送風機9により冷却器7と熱交換して冷やされた空気(冷気、以下、冷却器7で冷やされてできた低温空気を冷気と称する)が冷蔵室ダクト11,冷凍室ダクト12を介して、冷蔵室2,上段冷凍室4,下段冷凍室5,製氷室3の各室へ送られる。各室への送風は冷蔵室ダンパ20と冷凍室ダンパ50の開閉により制御される。
ちなみに、冷蔵室ダクト11,冷凍室ダクト12は、図3に破線で示すように冷蔵庫1の各室の背面側に設けられている。
具体的には、冷蔵室ダンパ20が開状態、冷凍室ダンパ50が閉状態のときには、冷気は、冷蔵室ダクト11を経て多段に設けられた吹き出し口2cから冷蔵室2に送られる。
冷気は、冷蔵室2の冷却を終えた後に、冷蔵室2の背面右側下部に備えられた冷蔵室戻り口2d、から流入し、冷蔵室−野菜室連通ダクト16を介して、野菜室6背面右側上部に設けられた野菜室吹き出し口6cから野菜室6に流入して野菜室6を冷却する。野菜室6を冷却した冷気は、断熱仕切壁29の下部前方に設けられた、野菜室戻り口6dから、野菜室戻りダクト18を介して、冷却器7の幅とほぼ等しい幅の野菜室戻り吹き出し口18aから流入する(図3または図5参照)。
図3では冷凍室ダンパ50が省略されているが、冷凍室ダンパ50が開状態のとき、冷却器7で熱交換された冷気が送風機9により昇圧され、冷凍室ダクト12を経て吹き出し口3c,4c,5cからそれぞれ製氷室3,上段冷凍室4,下段冷凍室5へ送風される。なお、図3に示すとおり、本実施形態の冷蔵庫1では、冷凍温度帯室60の吹き出し口3c〜5cは、計7個備えられており、吹き出し口3c〜5cの周長の合計は1200mmである。
図4に示すように本実施形態の冷蔵庫1では、冷却器7の上方に送風機9を設け、送風機9の上方に冷凍室ダンパ50を設けている。さらに、冷凍室ダンパ50の上方に冷凍温度帯室60の上段に位置する上段冷凍室4に冷気を送り出す上段冷凍室吹き出し口4cと製氷室吹き出し口3c(図3参照)が備えられている。なお、上段冷凍室吹き出し口4cは、冷凍室の吹き出し口の中で最も開口面積が大きくなっている。
図5に示すように、冷蔵室2を冷却した冷気は、冷却器収納室8の側方に備えられた冷蔵室−野菜室連通ダクト16を通って、野菜室6に流入する。野菜室6からの戻り冷気は、野菜室戻り口6d(図2参照)から流入し、図4に示すように、断熱仕切壁29の中に設けられた野菜室戻りダクト18を通って、冷却器収納室8の下部前方に設けられた、冷却器7の幅とほぼ等しい幅寸法の野菜室戻り吹き出し口18a(図5参照)から、冷却器収納室8に流入する。一方、冷凍温度帯室60を冷却した冷気は、図4に示すように、冷却器収納室8と冷凍温度帯室60を仕切る仕切板54の下部に備えられた、冷却器7の幅とほぼ等しい幅寸法の冷凍室戻り口17を介して冷却器収納室8に流入する。なお、冷却器収納室8の下方には、除霜ヒータ22が備えられている。除霜ヒータ22は、ガラス管ヒータであり、ガラス管の外周にはアルミニウム製の放熱フィン22aが備えられている。
除霜ヒータ22の上方には、除霜水が除霜ヒータ22に滴下することを防止するために、上部カバー53が設けられている。また、図5に示すとおり、冷却器収納室8の下部前方には、冷却器7の除霜中の上昇気流が流入する空間である、暖気収納スペース26が設けられている。この暖気収納スペース26によって、除霜ヒータ22に通電することによって実施される除霜運転中に生じる暖気(上昇気流)が、冷凍温度帯室60に流入することを抑えることができる。
冷却器7及びその周辺の冷却器収納室8の壁に付着した霜は、除霜運転時に解かされ、その際に生じた除霜水は冷却器収納室8の下部に備えられた樋23に流入した後に、排水管27を介して後記する機械室19に配された蒸発皿21に達し、圧縮機24及び、機械室19内に配設される図示しない凝縮器及び圧縮機24の発熱により蒸発させられる。
また、冷却器7の正面から見て左上部には冷却器7に取り付けられた冷却器温度センサ35,冷蔵室2には冷蔵室温度センサ33,下段冷凍室5には冷凍室温度センサ34がそれぞれ備えられており、それぞれ冷却器7の温度(以下、冷却器温度と称する)、冷蔵室2の温度(以下、冷蔵室温度と称する)、下段冷凍室5の温度(以下、冷凍室温度と称する)を検知できるようになっている。更に、冷蔵庫1は、庫外の温度を検知する図示しない外気温度センサを備えている。なお、野菜室6にも野菜室温度センサ33aが配置してある。
ちなみに、本実施形態では、イソブタンを冷媒として用い、冷媒封入量は約80gと少量にしている。
冷蔵庫1の天井壁上面側にはCPU,ROMやRAM等のメモリ、インターフェース回路等を搭載した制御基板31が配置されており(図2参照)、制御基板31は、前記した外気温度センサ,冷却器温度センサ35,冷蔵室温度センサ33,野菜室温度センサ33a,冷凍室温度センサ34,扉2a,2b,3a,4a,5a,6aの各扉の開閉状態をそれぞれ検知する前記した扉センサ、冷蔵室2内壁に設けられた図示しない温度設定器等と接続し、前記ROMに予め搭載されたプログラムにより、圧縮機24のON,OFF等の制御、冷蔵室ダンパ20及び冷凍室ダンパ50を個別に駆動する図示省略のそれぞれのアクチュエータの制御、送風機のON/OFF制御や回転速度制御、前記した扉開放状態を報知するアラームのON/OFF等の制御を行う。
次に、本実施形態の冷蔵庫1の送風機9と冷凍室ダンパ50周辺の詳細構造について図8〜図10及び図13を参照しながら説明する。
図8は、本実施形態の冷蔵庫1の送風機9と冷凍室ダンパ50周辺の構造を正面から見た図、図9は、本実施形態の冷蔵庫1の送風機9と冷凍室ダンパ50周辺の構造を側方から見た縦断面図である。また、図10は本実施形態の冷蔵庫1の冷凍室ダンパ50の斜視図、図13は送風機9周辺構造を背面側から見た分解斜視図である。
本実施形態の冷蔵庫1で使用する冷凍室ダンパ50は、図10に示すとおり、開口102を一面に備えた、例えば樹脂製の一体成形された横長のフレーム103と、フレーム103の一端(長方形状の短手部)にモータや減速歯車などの駆動系を内蔵した駆動手段100を備えるものである。開閉板104の一面には、例えば発泡ウレタンや発泡ポリエチレンといった柔軟な材料で成形された緩衝部材104aを備えている。冷凍室ダンパ50は、フレーム103の開口102近傍の内側の面(開閉板と対向する側の面)103aに、緩衝部材104aが押し付けられることにより閉状態となる。したがって、そのシール性能は、開口102の周長102aに依存する。ここで、開口102にはフレーム103の上辺と下辺が連結する連結部103bが備えられているが、これは、変形抑制のために備えられるものであり、シール性能に直接寄与するものではない。したがって、冷凍室ダンパ50のシール性能を考える際の、開口102の周長102aには、シール性能に直接寄与しない連結部103bの長さは含まない。なお、本実施形態の冷蔵庫1で使用する冷凍室ダンパ50の開口102の大きさは、180mm×35mmであり、シール性能に寄与す
る周長102aは430mmである。また、開口102の外周には、冷凍室ダンパ50取り
付け時の位置合せと、開口102の補強を兼ねたリブ103cが備えられている。
図8中に示すように、本実施形態の冷蔵庫1の送風機は、ケーシング9aの形状が略方形であり、ボス部にモータを備えたモータ一体型のプロペラファンである。送風機9の吐出側は、冷気を集約する冷気集約ダクト13を形成すべくファンカバー70が備えられている。ファンカバー70は、送風機9の前方を覆うように設けられている。冷気集約ダクト13の外周部13aは、送風機9の回転中心から外周部13aまでの距離が、最小となる位置(図8中に示した最小寸法位置)から、庫内ファン回転方向に上流から下流に向けて次第に拡大するように拡大風路13bとなっている。
なお、冷気集約ダクト13の外周部13aは、式(1)に基づいて、図8中に示した最小寸法位置から、拡大角γ1で拡大するようになっている。
Figure 2011058686
ここで、Rminは送風機9の回転中心から外周部13aまでの距離の最小寸法、γ1は流路拡大角、γ2は図8中に示した最小寸法位置から庫内ファン回転方向にとった角度である。具体的には本実施形態の冷蔵庫では、Rmin=140mm,γ1=10度,γ2=200度となっている。
また、本実施形態の冷蔵庫1では、冷気集約ダクト13の拡大風路13bは、庫内ファン回転中心から風路外周壁までの距離が、最小となる位置から、庫内ファン回転方向に180度以上有している。
すなわち、拡大風路13bは、始端(上流)から終端(下流)まで180度又は180度よりも大きい角度を有する。また、出口開口13cは、横長であって該出口開口13cの長手方向が拡大風路13bの終端(下流)に位置する。また、ファンカバー70は、送風機9に対向する位置に窪み70aを有し、当該窪みの周囲に拡大風路13bが設けられている。すなわち、拡大風路13bを冷気が流れて整流されることで、出口開口13bをスムーズに通過して、上段冷凍室4に流入する。これにより、上段冷凍室4の冷却効率を向上することができる。
また、図4に示すように、ファンカバー70の前方を覆うように、冷凍室ダクト12が設けられている。すなわち、冷却器収納室8と上段冷凍室4及び下段冷凍室5との間に、冷気集約ダクト13及び冷凍室ダクト12が配置される。これにより、空気断熱層が貯蔵空間の後方に形成されるため、上段冷凍室4及び下段冷凍室5が冷却器収納室8から受ける熱影響(例えば、冷却器7の除霜運転時の温度上昇等による影響)は抑制され、貯蔵空間の温度変化を抑制できる。
また、図8中に示すとおり、送風機9は水平面から角度β1(本実施形態の冷蔵庫1ではβ1は10度)だけ傾斜させて配設している。
図9に示すとおり、冷凍室ダンパ50は、開口102が略前方に向くように配設しているが、その配設位置は、冷凍室ダンパ50のリブ103cを、図8に示す冷気集約ダクト13の出口開口13c(出口開口13cは冷凍室ダンパ50の開口102より大きい)に一致させることで容易に定まるようになっている。また、図9に示すとおり、冷凍室ダンパ50は、回転軸101が、上側になるように配設してある。さらに、冷凍室ダンパ50の開閉板104は、背面側に開き、その開角度θは、運転状態によって異なり、0度(全閉),60度,90度(全開)の状態で使用される(運転状態と開角度の関係の詳細は後述)。
図8に示すとおり、冷凍室ダンパ50は、水平面から角度β2(本実施形態の冷蔵庫1ではβ2は6度)だけ傾斜させて設置するようにしている。また、図9に示すとおり、送風機9は、角度α1(本実施形態の冷蔵庫1ではα1は13度)だけ後方に傾斜、冷凍室ダンパ50は角度α2(本実施形態の冷蔵庫1ではα2は6度)だけ後方に傾斜して設置するようにしている。
なお、冷気集約ダクト13の出口開口13cの大きさは、188.5mm×43mmであり
、その周長13dは、463mmである。
ファンホールド71には、冷気集約ダクト13と、冷却器収納室8とが連通する連通孔75が設けられている。なお、連通孔75は、冷気集約ダクト13内の下端に位置するように設けている。
また、冷気集約ダクト13内(ファンカバー内面70a)の送風機9の下部の領域には、ファンカバーヒータ76が配設されている。なお、ファンカバーヒータ76は、図9に示すとおり、冷気集約ダクト13内から、連通孔75を経て、冷却器室8内に延伸させた部分76aを有している。
なお、図13に示すとおり、ファンカバー70は仕切板54と一体成型品となっている。また、送風機9を保持する部材(ファンホールド71)は、ファンカバー70とは別体となっており、図13に示すようにファンカバーの背面側に組みつけられる。
次に、本実施形態の冷蔵庫1の冷却運転の制御について図6を参照しながら説明する。
図6は本実施形態の冷蔵庫1の基本的な制御を表す制御フローチャートである。制御は、制御基板31(図2参照)のCPUがROMに格納されたプログラムを実行することによって行われる。
本実施形態の冷蔵庫1の冷却運転は、冷凍室運転,冷蔵室運転,冷蔵冷凍運転,霜冷却運転及びOFFからなる。冷凍室運転とは、「庫内ファンON,冷蔵室ダンパ閉,冷凍室ダンパ開(開角度θ=90度(開角度の定義は図9参照)),圧縮機ON(高回転)」の状態で、冷凍温度帯室60を冷却する運転であり、冷蔵室運転とは、「庫内ファンON,冷蔵室ダンパ開,冷凍室ダンパ閉(開角度θ=0度),圧縮機ON(低回転)」の状態で、冷蔵温度帯室61の冷却を実施する運転、冷蔵冷凍運転とは、「庫内ファンON,冷蔵室ダンパ開,冷凍室ダンパ開(開角度θ=60度),圧縮機ON(高回転)」の状態で、冷蔵温度帯室61と冷凍温度帯室60の両方を冷却する運転である。また、霜冷却運転とは、「庫内ファンON,冷蔵室ダンパ開,冷凍室ダンパ閉,圧縮機OFF」の状態で、冷蔵温度帯室61の冷却を実施する運転であり、OFFは、送風機も圧縮機も停止させ、冷却を行わない状態である。
図6に示すように、冷蔵庫1は電源投入により運転が開始され(スタート)、冷蔵庫1の庫内各室が冷却され、基本的な熱負荷が、庫外からの熱侵入のみとなった時点から、それ以降は、ユーザーが扉の開閉を行い熱負荷が増加する、あるいは、庫外温湿度環境が変化して熱侵入量が変化するといったことがなければ、一定の運転パターンを繰り返す(安定冷却運転)。図6では、この安定冷却運転状態に至るまでの制御過程は省略している。
なお、本実施形態の冷蔵庫1の安定した冷却運転時には、野菜室6の温度に基づく制御は行わないので、野菜室6に関する説明は省略する(以下の制御の説明では冷蔵室2の中に野菜室6も含む)。
安定冷却運転時は、一定の運転パターン(運転サイクル)を繰り返すが、ここでは冷凍室運転が実施されている状態から説明をする(ステップS101)。冷凍室運転とは、「庫内ファンON,冷蔵室ダンパ閉,冷凍室ダンパ開,圧縮機ON(高回転)」の状態で、冷凍温度帯室60の冷却を実施する運転である。
冷凍室運転が実施されている状態で、冷蔵室扉2a、あるいは、2bの開閉を検知する冷蔵室扉センサによって冷蔵室扉2a、あるいは、2bの開閉が検知されると(ステップS102)、ステップS201に進む(ステップS201については後述)。冷蔵室扉2a、あるいは、2bの開閉がなければ、続いて、冷蔵室温度センサ33によって検知される冷蔵室温度があらかじめ設定されている冷蔵室上限温度TR_2(本実施形態の冷蔵庫1ではTR_2=6℃)より高いか否かが判定される(ステップS103)。
冷蔵室温度>冷蔵室上限温度TR_2となっていない場合(No)(冷蔵室温度>冷蔵室上限温度TR_2となっている場合(Yes)の制御は後述)、冷凍室温度センサ34によって検知される冷凍室温度が、あらかじめ設定されている冷凍室下限温度TF_1(本実施形態の冷蔵庫1ではTF_1=−21℃)より低いかどうかが判定される(ステップS104)。なお、冷凍室温度<冷凍室下限温度TF_1となっていない場合(No)は、再びステップS101に戻る。
ステップS104で、冷凍室温度<冷凍室下限温度TF_1となった場合(Yes)は、続いて、冷蔵室温度と、あらかじめ設定されている判定基準温度TR_a(本実施形態の冷蔵庫1ではTR_a=5℃)、TR_b(本実施形態の冷蔵庫1ではTR_b=4℃)との比較を行い、その比較結果に基づいて、冷却器温度センサ35の検知温度に関する基
準温度Tevpの値を選択する。具体的には、冷蔵室温度>TR_aであればTevp=Tevp_1(本実施形態の冷蔵庫1ではTevp_1=3℃)とし、TR_a≧冷蔵室温度>TR_bであれば、Tevp=Tevp_2(本実施形態の冷蔵庫1ではTevp_2
=−10℃)とし、TR_b≧冷蔵室温度であれば、Tevp=Tevp_3(本実施形態の冷蔵庫1ではTevp_2=−18℃)とする(ステップS105)。
したがって、Tevpの値は、外気温度が高く、冷蔵室温度が上昇しやすい場合には、Tevp_1が選択され、外気温度が低く、冷蔵室温度が上昇し難い場合には、Tevp_3が選択され、その間程度の外気温度であればTevp_2が選択される。また、例えば、食品かすなどを挟みこみ、冷蔵室扉2a、あるいは、2bにわずかな隙間が生じ、そのために定常的に熱負荷は増えるが、冷蔵室扉センサは隙間が小さいために扉は閉状態と認識して扉開放状態を知らせるアラームが鳴動しない状態となることがある。この場合には、外気温が比較的低くても、冷蔵室の温度が上昇しやすくなることがあり、Tevpの値は、Tevp_2やTevp_1が選択されることもある。
続いて霜冷却運転が実施される(ステップS106)。霜冷却運転とは、「庫内ファンON,冷蔵室ダンパ開、冷凍室ダンパ閉、圧縮機OFF」の状態で冷蔵温度帯室61が冷却される運転である。霜冷却運転が実施されている状態では、冷蔵室温度があらかじめ設定されている冷蔵室下限温度TR_1(本実施形態の冷蔵庫1ではTR_1=1.5℃)より低いか否か(ステップS107)、冷却器温度がステップS105で設定された基準温
度Tevpより高いか否か(ステップS108)が判定され、冷蔵室温度<冷蔵室下限温度TR_1を満足せず(No)、また、冷却器温度>基準温度Tevpを満足しない場合(No)には、冷凍室温度が、あらかじめ設定されている圧縮機ON温度TF_2(本実施形態の冷蔵庫1ではTF_2=−19℃)より高いか否かが判定され(ステップS109)、冷凍室温度>圧縮機ON温度TF_2が満足されない場合(No)には、再びステップS107に戻る。
ステップS109において、冷凍室温度>圧縮機ON温度TF_2となっている(Yes)と判定された場合は、続いて圧縮機がONされて、低回転(本実施形態の冷蔵庫1ではこのときの圧縮機回転数は1200min-1)で運転される冷蔵室運転となる(ステップS110)。すなわち、冷蔵室運転とは、「庫内ファンON,冷蔵室ダンパ開,冷凍室ダンパ閉,圧縮機ON(低回転)」の状態で、冷蔵温度帯室61の冷却を実施する運転である。
冷蔵室運転が実施されている状態では、冷凍室温度があらかじめ設定されている冷凍室上限温度TF_3(本実施形態の冷蔵庫1ではTF_3=−16℃)より高いか否かが判定され、(ステップS111)、冷凍室温度>冷凍室上限温度TF_3が満足されない(No)と判定された場合には(冷凍室温度>冷凍室上限温度TF_3が満足される場合(Yes)の制御は後述)、冷蔵室温度<冷蔵室下限温度TR_1の判定に移る(ステップS112)。冷蔵室温度<冷蔵室下限温度TR_1が満足されない場合(No)には、再びステップS111に戻る。
ステップS112において、冷蔵室温度<冷蔵室下限温度TR_1が満足された場合(Yes)、「冷凍室ダンパ開、冷蔵室ダンパ閉」となり(ステップS113)、続いて、圧縮機24が高回転(本実施形態の冷蔵庫1ではこのときの圧縮機回転数は1900min-1)になるとともに、送風機9が停止される(ステップS114)。所定時間(本実施形態の冷蔵庫1では30秒)経過後(ステップS115)、送風機9が稼動され、冷凍室運転が開始される(ステップS116)。ステップS116の冷凍室運転は、ステップS101で説明した冷凍室運転の状態であるので、以上が本実施形態の冷蔵庫1の安定冷却運転時の運転サイクルとなる。
なお、一般に冷蔵庫では、扉開閉や、比較的温度が高い食品を収納するといったことがあると、熱負荷が一時的に増すことになる。以下では、本実施形態の冷蔵庫1の熱負荷が一時的に増した場合の制御について説明する。
本実施形態の冷蔵庫1では、ステップS102において、冷蔵室扉2a、あるいは、2bの開閉の有無を判定しており、冷蔵室扉2a、あるいは、2bの扉開閉があった場合、ステップS201に進むようになっている。ステップS201では、冷蔵室上限温度TR_2がTR_2′に置き換わる(本実施形態の冷蔵庫1ではTR_2=6℃がTR_2′=8℃になる)。冷蔵室上限温度TR_2を、TR_2′と上書きしたらステップS101に戻る。ステップS101に戻ると、扉が既に閉じられていれば(ステップS102がNoと判定されれば)、続いてステップS103において、冷蔵室温度>冷蔵室上限温度TR_2の判定が行われる。ここでは、ステップS201において、冷蔵室上限温度TR_2がTR_2′で上書きされているため、冷蔵室上限温度が高くなっている。したがって、冷蔵室2の扉開閉がない場合よりも、ステップS103における冷蔵室温度>冷蔵室上限温度TR_2は満足され難くなる。ステップS103における冷蔵室温度>冷蔵室上限温度TR_2が満足された場合(Yes)は、冷蔵室2の冷却が必須な状態とみなし、冷蔵室ダンパ20を開状態として、冷蔵冷凍運転、すなわち、「庫内ファンON,冷蔵室ダンパ開,冷凍室ダンパ開,圧縮機ON(高回転)」の運転として、冷蔵温度帯室61と冷凍温度帯室60の両方が冷却される(ステップS301)。ステップS301により冷蔵冷凍運転が開始された後には、ステップS112に移る。なお、冷蔵室上限温度TR_2は、所定時間(本実施形態の冷蔵庫1では30分)経過後にTR_2′(=8℃)から再び元の値のTR_2(=6℃)に戻るようになっている。
また、ステップS112によって冷蔵室運転中に冷凍室温度>冷凍室上限温度TF_3の判定が行われる。冷凍室温度>冷凍室上限温度TF_3が満足された場合(Yes)、冷凍温度帯室60の冷却が必須な状態とみなし、圧縮機24を高回転とし、冷凍室ダンパ50を開状態として、冷蔵冷凍運転、すなわち、「庫内ファンON,冷蔵室ダンパ開,冷凍室ダンパ開,圧縮機ON(高回転)」の運転として、冷蔵温度帯室61と冷凍温度帯室60の両方が冷却される(ステップS301)。ステップS501により冷蔵冷凍運転が開始された後には、ステップS112に移る。
また、ステップS107(冷蔵室温度<冷蔵室下限温度TR_1)、または、ステップS108(冷却器温度>Tevp(ステップS105で設定された基準温度))の何れかが満足される(Yes)と、霜冷却運転中に庫内ファンが停止され(ステップS401)、ステップS109に移る。
図7は、本実施形態の冷蔵庫1を、外気温度が30℃、相対湿度70%の環境に設置し、安定冷却運転の状態になった際の庫内の温度変化と、送風機9,冷蔵室ダンパ20,冷凍室ダンパ50及び圧縮機24の制御状態を表すタイムチャートである。なお、詳細な測定条件はJISC9801:2006に則っている。
図7に示すように、「庫内ファンON,冷蔵室ダンパ閉,冷凍室ダンパ開,圧縮機ON(高回転)」の状態で実施される冷凍室運転は、経過時間taにおいて、冷凍室温度が冷凍室下限温度TF_1に達したため(図6におけるステップS104)、続いて、「庫内ファンON,冷蔵室ダンパ閉,冷凍室ダンパ開,圧縮機OFF」の状態で実施される霜冷却運転となっている(図6におけるステップS106)。なお、図6におけるステップS105によって、冷蔵室温度>TR_a(TR_a=5℃)となったため、Tevpは、Tevp=Tevp_1(Tevp_1=3℃)となっている。霜冷却運転の実施中は、冷凍温度帯室60の冷却は行われていないので、冷凍室温度は上昇し、経過時間tbで圧縮機ON温度TF_2に達している(図6におけるステップS109)ので、続いて、圧縮機24が低回転で稼動し、「庫内ファンON,冷蔵室ダンパ開,冷凍室ダンパ閉,圧縮機ON(低回転)」の冷蔵室運転となる(図6のステップS110)。経過時間tbまでは、圧縮機24が稼動しない霜冷却であったのに対して、経過時間tbからは圧縮機24が稼動する冷蔵室運転となったことで、冷蔵温度帯室61の冷却が加速され、経過時間tcで、冷蔵室下限温度TR_1に達している(図6におけるステップS112)。したがって、次に、冷凍室運転(「庫内ファンON,冷蔵室ダンパ閉,冷凍室ダンパ開,圧縮機ON(高回転)」)に移るが、冷凍室運転開始時には、所定時間Δt(Δt=30秒間)の間、送風機9が停止され(図6におけるステップS113〜ステップS115)、所定時間Δt経過後に、送風機9が稼動され冷却が開始される(図6におけるステップS116)。
以上、本実施形態の冷蔵庫1の構造及び基本的な制御方式を説明したが、以下では本実施形態の冷蔵庫1の奏する効果を説明する。
本実施形態の冷蔵庫1は、送風機9の前方に位置する食品収納室(冷凍温度帯室60)へ向かう冷気を集約すべく冷気集約ダクト13を備え、冷気集約ダクト13は、送風機9の前方に位置する冷凍温度帯室60と連通する冷気集約ダクト出口開口13cを備え、ファンカバー出口開口70aに、冷凍温度帯室60への送風を制御すべくダンパ(冷凍室ダンパ50)を備え、冷凍温度帯室60への送風は、冷凍室ダンパ50の開口を介してのみ行うようにしている。また、冷気集約ダクト13は、冷気集約ダクト流路断面が最小となる位置(図8中に示す最小寸法位置)から、庫内ファン回転方向に順次拡大する拡大風路13bを備えている。
これにより、省エネルギー性が向上する。以下で図11,図12A及び図12Bを参照しながら理由を説明する。
本実施形態の冷蔵庫は、送風機9と、この送風機9の前方に備えられた複数の吹き出し口を備えた室(冷凍室60)との間に、送風機9の前方に備えられた室へ向かう流れを集約する冷気集約ダクト13を備え、この冷気集約ダクト13は、冷気集約ダクト流路断面が最小となる位置(図8中に示す最小寸法位置)から、前記庫内ファン回転方向に順次拡大する拡大風路13bを備えている。
これにより、省エネルギー性が向上する。以下で図11〜図13を参照しながら理由を説明する。
冷蔵庫の冷却器は、一般にマイナス温度となるため、着霜が生じる。そして、冷却器に霜が成長した場合、風路抵抗が増加する。また、冷蔵庫は、食品を貯蔵することを目的とするため、食品収納スペースを極力大きくとることが望ましい。すなわち、食品を収納できないスペースである冷気ダクトをできるだけコンパクトにすることが望ましい。
ここで、冷蔵庫では、一般に送風機として軸流ファンであるプロペラファンが用いられる。図11は回転数を一定とした場合のプロペラファンの一般的な風量−静圧特性図である。図11中に示すように、一定回転数の場合、風路抵抗が小さいと、風量Q1が得られ、風路抵抗が小さいと風量Q2となる。ここで、Q1>Q2の関係である。
次に、図12A及び図12Bは、プロペラファンの翼90の入口と出口の間の速度変化(速度三角形)を表す図であり、図12Aは風路抵抗が小さい場合、図12Bは風路抵抗が大きい場合を示す。図12A中のc1は入口絶対速度、u1は入口周速度(回転速度)、w1は入口相対速度(翼に対する相対速度)、c2は出口絶対速度、cm2は出口絶対速度の軸方向成分、cθ2は出口絶対速度の周方向成分、u2は出口周速度、w2は出口相対速度を表す。図11の風量−静圧特性における風量が多い場合(例えば図11の風量Q1の状態)、すなわち図12Aにおいては、入口周速度u1(あるいは出口周速度u2)に対して、軸方向の速度成分(c1(=cm2))が、相対的に大きくなる。また、図11に示すとおり、風量が多い場合は静圧が低くなる。これは、翼の入口相対速度w1と出口相対速度w2の間の減速が小さいことを意味する。したがって、風量が多い場合は、おおよそ図12Aに示すような速度三角形となる。一方、風量が少ない場合(例えば図11の風量Q2の状態)、図12Bに示すような速度三角形となる。
一定回転数の場合、図12Aと図12Bで周速度は等しく、u1=u1′(u2=u2′)となる。このことから、一定回転数の場合、風路抵抗が小さい場合(図12)に比べて風路抵抗が大きい場合(図13)では、出口絶対速度の周方向成分が大きいことがわかる(cθ2<cθ2′)。
以上説明したとおり、風路抵抗が大きい場合、プロペラファンの吹き出し領域には、周方向成分cθ2に起因する強い旋回流れが形成される。この旋回流れのエネルギーは、冷却に有効に使われることなく損失となる。したがって、着霜によって風路抵抗が増加した場合、損失となっている強い旋回流れを有効に利用することで、省エネルギー性を向上させることができる。
本実施形態の冷蔵庫は、冷気集約ダクト13を備えており、冷気集約ダクト13は、冷気集約ダクト流路断面が最小となる位置から、送風機9の回転方向に順次拡大する拡大風路13bを備えている。これにより、上記旋回流れは、拡大風路13bに流入し、順次流路断面が拡大することで、旋回流れを圧力回復させることができる。すなわち、従来損失となっていた旋回流れを圧力として有効利用できるようにしているので、必要な風量を得るためのファン動力を抑えることができ、省エネルギー性が向上する。
また、冷気集約ダクト13の外周面13aと送風機9の回転中心の距離が、冷気集約ダクト流路断面が最小となる位置から、送風機9の回転方向に順次拡大するように形成されている。送風機9から吹き出される流れは、主として送風機9の周方向に吹き出される。これにより、周方向に広がるように吹き出される旋回流れをスムーズに圧力回復させることができるので、省エネルギー性が高くなる。
また、冷気集約ダクト13の拡大風路13bの風路拡大角は10度としてあり、圧力回復に有効で、且つ、省スペース設置ができる5度以上20度以下の拡大角としている。これにより、省エネルギー性が高く、拡大風路13bをコンパクトにできる。
また、冷気集約ダクト13の拡大風路13bを庫内ファン回転方向に180度以上(200度)備えている。旋回流れを圧力回復させるためには距離が長いほうが有利であるが、これにより拡大風路13bが十分な距離となり、旋回流れを効果的に圧力回復させることができるので、省エネルギー性が高くなる。
また、冷気集約ダクト13は、拡大風路13bを経て流出する流れを上方に向けるべく、上方に開口している。これにより庫内ファン前方の室(冷凍室60)を良好に冷却することができるとともに、省エネルギー性も高くなる。以下でその理由を説明する。
一般に、周囲温度に対して低温の冷気は上方から下方に向かう下降流を形成する。そのため、冷気を貯蔵室の上方により多く供給することで、貯蔵室内を良好に冷却できる。従来の冷蔵庫では、下段側の冷凍室吹き出し口の開口面積を小さくして、この下段側の冷凍室吹き出し口から吹き出す風量を相対的に下げて、上段側の冷凍室吹き出し口の吹き出し風量を相対的に上げるようにしていた。すなわち、庫内ファンの下方に旋回流れが吹き出されて、庫内ファンの下方に向かう流れが生じる。そのため、下段側の冷凍室吹き出し口の開口面積が大きいと、そのまま多くの風量が下段側の冷凍室吹き出し口から吹き出される。そして、相対的に上段側の冷凍室吹き出し口との吹き出し量のバランスが崩れてしまう。したがって、下段側の冷凍室吹き出し口の開口面積を小さくして抵抗をつけることで、下段側の冷凍室吹き出し口からの噴出し風量を調整していた。
しかし、この構成では結果として風路抵抗が増加することになり、必要風量を得るための庫内ファン回転数を上げることが必要となる。すなわち、省エネルギー性を悪化させる要因となっていた。
そこで、本実施形態の冷蔵庫では、冷気集約ダクト13は、拡大風路13bを経て流出する流れを上方に向けるべく、上方に開口しているので、従来の冷蔵庫に見られたような、送風機9の下方へ向かう旋回流れを、拡大風路13bにより圧力回復させて、上方に向かう流れにしている。これにより、庫内ファン前方の室(冷凍温度帯室60)を良好に冷却することができるとともに、省エネルギー性を向上できる。
また、冷気集約ダクト13を形成するファンカバー70の内面は、送風機9の回転軸を延長した線との交点近傍に、滑らかな曲面で形成された窪み70aを設けている。既述のとおり、送風機9の吹き出し流れは、周方向に向かう流れが強いが、軸方向成分も残っている。この窪み70aにより、軸方向成分を周方向にスムーズに向けることができるので、転向の際の損失が少なくなる。したがって省エネルギー性が高くなる。
また、送風機9の前方に備えられた複数の吹き出し口を備えた室(冷凍温度帯室60)への送風を開閉制御するダンパ(冷凍室ダンパ50)を、冷気集約ダクト13の拡大風路13bの出口部に備えている。このように、拡大風路13bを備えて空気流れを効率よく集約できる。これにより、送風機9の前方に備えられた複数の吹き出し口を備えた室への送風制御手段(冷凍室ダンパ50)を小型化することができ、省スペース化を図ることができる。
なお、本実施形態の冷蔵庫は、送風機9としてプロペラファンを用いているが、例えば、翼の形状を遠心型の翼にした場合(遠心ファンを採用した場合)であっても、ファン吹き出し流れに周方向に向かう流れ(旋回流れ)が生じるので、同様の効果が得られる。
また、本実施形態の冷蔵庫1では、送風機9から、送風機9の前方に備えられた複数の吹き出し口を備えた食品収納室(冷凍温度帯室60)に至る風路中に、冷気集約ダクト13を備え、冷気集約ダクト13は、送風機9の前方に位置する冷凍温度帯室60と連通する冷気集約ダクト出口開口13cを備え、冷気集約ダクト出口開口13cに、冷凍温度帯室60への送風を制御すべくダンパ(冷凍室ダンパ50)を備え、冷凍温度帯室60への送風は、冷凍室ダンパ50の開口を介してのみ行うようにしている。このように冷気集約ダクト13を形成することで、送風機9の前方に備えられた複数の吹き出し口を備えた室への送風を、確実に冷気集約ダクト出口開口13cに誘導できるので、冷気集約ダクト出口開口13cに設置できる程度の大きさのダンパで、冷凍温度帯室60に向かう冷気の全量を制御可能となる。したがって、庫内ファン吐出空間全体を閉塞するような大型のダンパ90を設置する必要がなくなるため、スペース効率がよく、また、コスト増加を抑えた冷蔵庫となる。
本実施形態の冷蔵庫1は、冷凍室ダンパ50を備えるべく冷気集約ダクト13の出口開口13aの数を、送風機9の前方に位置する冷凍温度帯室60の複数の吹き出し口3c〜5cより少数としている。これにより、スペース効率がよく、低コストの冷蔵庫となる。
本実施形態の冷蔵庫1は、冷凍室ダンパ50を備えるべく冷気集約ダクト13の出口開口13cの周長13dを、送風機9の前方に位置する冷凍温度帯室60の複数の吹き出し口3c〜5cの総周長より短くしている。また、冷凍室ダンパ50の開口102の周長102aを、送風機9の前方に位置する冷凍温度帯室60の複数の吹き出し口3c〜5cの総周長より短くしている。これらにより信頼性の高い冷蔵庫となる。理由を以下で説明する。
一般に、ダンパを設置する目的は、閉時に冷気を遮断することである。したがって、ダンパが備えられた風路であっても、確実に冷気が遮断されないと、所望の性能が出ないといったことが起こるため、信頼性が低下する。一方で、構造物と構造物の接触部には、一般に微小な隙間が生じるため、例えば、冷凍室ダンパ50が閉状態であっても開閉板104(より正確には開閉板104に備えられた緩衝部材104a)とフレーム103間に生じる微小な隙間から微量の冷気が漏れ出す。また、図9に示すとおり、冷凍室ダンパ50は、冷気集約ダクト13の出口開口13c部に設置されるが、この出口開口13cと、冷凍室ダンパ50間にも微小な隙間が生じ、微量の冷気が漏れ出す。この冷気漏れの問題を軽減し、信頼性の高い冷蔵庫とするためには、冷気が漏れ出すシール部の長さを短くすることが有効となる。例えば、各吹き出し口3c〜5cそれぞれにダンパを設置するといったことを考えた場合、一見、確実に冷凍温度帯室60への送風を遮断できるように見えるが、ダンパ自体のシール部、また、ダンパと吹き出し口3c〜5c形成部材とのシール部の長さ(それぞれほぼ吹き出し口の周長に等しい)は長くなってしまい、冷気が漏れ出しやすくなってしまう。一方で、本実施形態の冷蔵庫1では、冷気集約ダクト13の出口開口13cの周長13dを463mmとして、送風機9の前方に位置する冷凍温度帯室60の複数の吹き出し口3c〜5cの総周長1200mmより十分短くしている。また、冷凍室ダンパ50の開口102の周長102aを430mmとして、冷凍温度帯室60の複数の吹き出し口3c〜5cの総周長1200mmより十分短くしている。これにより、冷凍室ダンパ50を閉状態とした際の冷気漏れの影響を少なくできるので、信頼性が高い冷蔵庫となる。
本実施形態の冷蔵庫1では、冷凍室ダンパの開口面積より、冷凍室ダンパ50を備えるべく冷気集約ダクト13の出口開口13cの面積を大きくしている。冷凍室ダンパ50の開口面積と冷気集約ダクト13の出口開口13cの面積が一致している場合、組み立て作業者のスキルの影響などによって、冷凍室ダンパ50の取り付け位置が若干ずれるといったことが起きた場合、冷凍室ダンパ50を通過する冷気が流れる風路断面が小さくなってしまい、通風抵抗が大きくなるといった不具合が生じることがある。本実施形態の冷蔵庫1では、冷凍室ダンパの開口面積6300mm2より、冷凍室ダンパ50を備えるべく冷気集約ダクト13の出口開口13cの面積を8105.5mm2と大きくしている。したがって、組み立て作業者のスキルの影響などによって、通風抵抗が変化するといった不具合が生じにくい、信頼性が高い冷蔵庫となる。
本実施形態の冷蔵庫1は、冷気集約ダクト13の出口開口13cに単一のダンパ(冷凍室ダンパ50)を配設している。一般に、本実施形態のような冷蔵庫では、ダンパの開閉制御は予め搭載されたプログラムにより実施されるが、プログラムにはバグが伴う(バグを伴わないプログラムの作成は極めて困難)。このことを考慮すると、冷凍温度帯室60への送風を制御すべく冷凍室ダンパ50を複数個備えた場合、制御プログラムがより複雑化するので、バグによる意図しない動作が起きる確率が高くなる。したがって、本実施形態の冷蔵庫1では、冷凍室ダンパ50を単一とすることで、スペース効率がよく、低コストであるだけでなく、バグによる誤作動が起きにくい信頼性が高い冷蔵庫になっている。
本実施形態の冷蔵庫1は、冷却器7の上方に送風機9を備え、送風機9の上方に冷気集約ダクト13の出口開口13cを備えている。これにより、省エネ性に優れた冷蔵庫となる。理由を以下で説明する。
一般に、流路内を流れる流れを転向させると通風抵抗が増し、その度合いは、流れる流量が多いほど大きい。本実施形態の冷蔵庫1は、冷凍室運転を実施するが、冷凍室運転時には、冷却器7を通過した後に送風機9で昇圧された冷気は、冷気集約ダクト13によって全て冷気集約ダクト13の出口開口13cに向かって(冷凍室ダンパ50に向かって)分流することなく流れる。したがって、多くの流れが冷凍室ダンパ50に向かうため、冷却器7を通り、送風機9で昇圧された冷気を、冷凍室ダンパ50に向かわせるために転向させると通風抵抗が大きくなる。本実施形態の冷蔵庫1では、上述のとおり、冷却器7の上方に送風機9を備え、送風機9の上方に冷凍室ダンパ50が設置される冷気集約ダクト13の出口開口13cを備える構造としているので、冷却器7を通った後に、送風機9で昇圧された冷気が、冷凍室ダンパ50に向かう際の転向を抑えることで通風抵抗が大きくならないようにしている。これにより、所定風量を得るためのファン動力を抑えられるので省エネ性が高い冷蔵庫となる。
本実施形態の冷蔵庫1では、図9中に示すとおり、送風機9は、鉛直面から角度α1だけ冷却器収納室8側(背面側)に傾斜させて配設している。これにより、冷却器7を通った流れをスムーズに冷気集約ダクト13の出口開口13c(冷凍室ダンパ50)に向かわせることができるため、必要風量を送る際のファン動力を抑えられ、省エネ性が向上する。
本実施形態の冷蔵庫1は、冷却器7の上方に送風機9を、送風機9の上方に冷気集約ダクト13の出口開口13cを、冷気集約ダクト出口開口13cの上方に、送風機9の前方に位置する食品収納室(冷凍温度帯室60)の主たる冷却風を吹き出すべく吹き出し口(上段冷凍室吹き出し口4c)を備えている。これにより、省エネ性が高い冷蔵庫となっている。理由を以下で説明する。
一般に、冷却器7で熱交換され周囲温度に対して低温となった冷気は、食品収納室に吹き出した後は、上方から下方に向かう下降流を形成するので、冷気を室の上方により多く供給することで、室内を良好に冷却できる。したがって、上段冷凍室吹き出し口4cには多くの吐出風量が必要であり、そのために本実施形態の冷蔵庫1では、上段冷凍室吹き出し口4cを、冷凍温度帯室60の吹き出し口の中で最も大きな開口面積としているが、多くの吐出風量を得るためには、開口面積の大小だけでなく、吹き出し口に至るまでの経路における通風抵抗も問題となる。本実施形態の冷蔵庫1では、上述のとおり、冷却器7の上方に送風機9を、送風機9の上方に冷気集約ダクト13の出口開口13c(冷凍室ダンパ50)を、冷気集約ダクト13の出口開口13c(冷凍室ダンパ50)の上方に上段冷凍室吹き出し口4cを備えているので、冷気は、多くの吐出風量を要する上段冷凍室吹き出し口4cに向かってスムーズに流れる。これにより、必要風量を送る際のファン動力を抑えられるので、省エネ性が向上する。
本実施形態の冷蔵庫1は、図9に示すとおり、冷凍室ダンパ50の開口102を、鉛直面から前記庫内ファン側に角度α2だけ傾斜させている。これにより、冷気は、多くの吐出風量を要する上段冷凍室吹き出し口4cに向かってスムーズに流れるようになり、必要風量を送る際のファン動力を抑えられるので、省エネ性が向上する。
本実施形態の冷蔵庫1は、送風機9の前方に位置する食品収納室(冷凍温度帯室60)の上方に、別の食品収納室(冷蔵室2)を設けている。本実施形態の冷蔵庫1は、冷却器7の上方に送風機9を、送風機9の上方に冷気集約ダクト13の出口開口13cを、備える構造となっており、上方にスムーズに冷気が流れる構造である。したがって、別の食品収納室をさらに上方に設ければ、スムーズに冷気を送り込むことができるため、別の食品収納室(冷蔵室2)へ必要風量を送る際のファン動力を抑えられるので、省エネ性が向上する。
本実施形態の冷蔵庫1は、庫内ファンの前方に位置する食品収納室が、冷凍温度帯に維持される冷凍温度帯室60となっている。これにより、省エネ性が高い冷蔵庫となる。以下で理由を説明する。
一般に、冷却器で冷却された冷気を、庫内ファンによって昇圧して庫内に循環させることで庫内を冷却する冷蔵庫においては、庫内ファン吐出領域近傍では、冷却器で冷却された冷気が温度上昇していないために、もっとも低温になりやすい。したがって、送風機9の前方に位置する食品収納室を、例えば、冷蔵温度帯に維持する冷蔵室や野菜室にすると、冷蔵温度帯以下の温度(マイナス温度)にまで冷却されてしまい食品が凍結するといった不具合が生じることがある。そのような事態を避けるためには、ヒータにより加温して、冷蔵温度帯に維持しなければならない。したがって、庫内を冷却しながら、温度補償のためにヒータ加温を行うための電力が新たに必要となるために、省エネ性は低い。一方、本実施形態の冷蔵庫1のように、送風機9の前方に位置する食品収納室として、冷凍温度帯に維持される室(冷凍温度帯室60)とした場合は、低温になりやすい性質を有効利用することができるので、省エネ性は高い。
また、送風機9の前方に位置する食品収納室を冷凍温度帯室60とする場合にも、冷凍室ダンパ50が閉状態であっても冷凍室ダンパ50の開閉板104とフレーム103間に生じる微小な隙間、あるいは、冷凍室ダンパ50が設置される冷気集約ダクト13の出口開口13cと、冷凍室ダンパ50間に生じる微小な隙間から、冷気漏れが生じる。送風機9の前方に位置する食品収納室が冷凍温度帯室60の場合、この冷気漏れによって、著しい信頼性の低下、省エネ性の低下が生じることがある。理由を以下で説明する。
本実施形態の冷蔵庫は、既述のとおり、冷凍室ダンパ50を閉状態として、冷蔵室運転、霜冷却運転を実施する。この運転モードでは、送風されるのは冷蔵温度帯室61のみであるため、比較的温度が高い冷気が循環する。したがって、これらの運転モードにおいて、比較的温度の高い冷気が冷凍温度帯室60に漏れ出すと、冷凍温度帯室60を暖めてしまうことになり、冷凍食品が解けるといった問題が発生することがある。また、冷凍温度帯室60を暖めてしまうことは、冷凍温度帯室60を冷却する際の熱負荷が増えることになる。冷凍温度帯室60を冷却するためには、冷凍温度帯室温度以下の例えば−25℃といった低い冷却器温度とする必要があるが、一般に、冷却器温度を低温とする冷凍室運転は効率が低い(成績係数が低く)。したがって、冷気が漏れて冷凍温度帯室60を暖めてしまうと、冷凍室運転時の負荷を増やしてしまうことになり省エネ性が低下する。以上のように、冷凍室ダンパ50閉状態で実施する、冷蔵室運転や霜冷却運転の際に、冷凍温度帯室60への冷気漏れがあると、冷凍食品が解けるといった信頼性の問題や、省エネ性が低下するといった問題が発生する。したがって、送風機9の前方に位置する食品収納室が冷凍温度帯室60の場合、特に既述の冷気漏れ低減のための構造が有効となる。
本実施形態の冷蔵庫1は、送風機9の前方に位置する食品収納室(冷凍温度帯室60)の上方に冷蔵温度帯に維持される冷蔵室2を備えている。既述のとおり、上方に向かう流れを利用して効率よく冷やすために、別の食品収納室をさらに上方に設けることが有利となる。ただし、送風機9からの距離が遠くなる(風路が長くなる)こと、また、低温冷気は、密度が大きく下向きの力が働くことともあるため、風量は送風機9の前方に位置する食品収納室(冷凍温度帯室60)に比べて少なくなる。したがって、送風機9の前方に位置する食品収納室(冷凍温度帯室60)の上方に、低温に維持するために多くの冷気(風量)を必要とする冷凍温度帯に維持される室を配設することは望ましくない。すなわち、送風機9の前方に位置する食品収納室(冷凍温度帯室60)の上方には、冷蔵温度帯に維持する室を配設することが望ましい。
本実施形態の冷蔵庫1は、送風機9の前方に位置する食品収納室(冷凍温度帯室60)の上方に冷蔵室2、下方に野菜室6を備えている。これにより冷蔵室,野菜室を適温に保持しやすくなる。理由を以下で説明する。
一般に、冷蔵室と野菜室は、ともに冷蔵温度帯に保持される室であるが、野菜室は、ユーザーが低温に弱い食材(低温障害をおこす食材)を収納することもあるため、冷蔵室に対してやや高めの温度に保持することが望ましい(例えば、冷蔵室は3℃、野菜室は5℃など)。したがって、野菜室が冷えすぎる冷蔵庫であった場合、野菜室にヒータを配設して、ヒータ加温によって所定温度に維持することが必要となる。このような冷蔵庫の場合、ヒータ電力の分だけ省エネ性が悪化することになる。このような事態を避けるためには、野菜室は、冷蔵室よりも低い冷却能力で冷やすことが必要となる。すなわち、野菜室6には、冷蔵室2に送る冷気よりも高めの温度の冷気を送る、あるいは、同じ温度なら冷蔵室2よりも少量の冷気を送ることが有効となる。本実施形態の冷蔵庫1では、冷凍温度帯室60の上方に冷蔵室2を、冷凍温度帯室60の下方に野菜室6を備えているが、これにより、本実施形態の冷蔵庫1のように、冷蔵室2と野菜室6が直列に配される場合は、冷蔵室2を冷やすことで温度が上昇した冷気を野菜室6に送ることができるため、風量は同じでも、冷蔵室2に送る冷気よりも高めの温度の冷気を野菜室6に送ることができ、冷蔵室2と野菜室6を適温に保ちやすくなる。
また、別の実施形態として、冷蔵室2と野菜室6が並列に配される場合も考えられる。
この場合、既述のとおり、上方の冷蔵室2に向かいやすくしてある送風機9からの冷気を、強制的に下方に転向させて、野菜室6に向かわせることになるため、特に配慮せずとも野菜室6に向かう風路の通風抵抗は大きくなる。したがって、この場合、冷蔵室2と野菜室6に同程度の温度の冷気が到達するが、野菜室6への風量は容易に低く抑えることができ、冷蔵室2と野菜室6を適温に保ちやすくなる。
以上の理由により、冷凍温度帯室60の上方に冷蔵室2を、冷凍温度帯室60の下方に野菜室6を配設することで冷蔵室2と野菜室6を適温に保ちやすくなる。
本実施形態の冷蔵庫1は、冷凍室ダンパ50を形成する主たる面(フレーム103を形成する面)が、水平面からβ2だけ傾斜するように配設している。除霜運転時などに、冷凍室ダンパ50に水が滴下した場合であっても、これにより、水は冷凍室ダンパ50から流下するため、冷凍室ダンパ50に水が滞留して、その後凍結するといった不良事故を防止でき、信頼性の高い冷蔵庫となる。また、β2を6度としているが、β2を6度以上とすることで、水が流下しやすくなり、滞留した水が凍結することが原因となる不良事故する確率を十分低くでき、信頼性が高い冷蔵庫となる。
本実施形態の冷蔵庫1では、冷凍室ダンパ50は、開口102を備え、開口102の一辺の近傍に回転軸101を備え、回転軸101の回転動作に連動する開閉板104を備えるものであって、開閉板104の回転軸101まわりの角度位置により、開口102の開閉制御がなされるダンパとしている。開閉板104の回転運動を利用することで、簡単な機構によって、開閉板104を、開閉板104と対向する開口102の面102aに押し付けることができ、確実に開口102の閉状態を形成できる。これにより低コストで、且つ、信頼性の高いダンパとなる。
本実施形態の冷蔵庫1では、冷凍室ダンパ50の回転軸101が上側になるように冷凍室ダンパ50を配設している。これにより回転軸101付近に水が滞留して凍結することで冷凍室ダンパ50が回動不能となるといった不良事故が起きにくい信頼性の高い冷蔵庫となる。
本実施形態の冷蔵庫1では、冷凍室ダンパ50の開閉板104を、冷気集約ダクト13側に開くように配設している。冷凍室ダンパ50の閉状態を考えた場合、例えば、逆に冷凍温度帯室60側に開くように配設した場合を考えると、冷気集約ダクト13側、すなわち、送風機9の吐出領域側は圧力が高く、冷凍温度帯室60側は圧力が低くなるため、開閉板104が開く方向に力が加わることになる。一方で、開閉板104を冷気集約ダクト13側に開くようにすれば、密閉度が増す方向に力が加わることになる。したがって、本実施形態の冷蔵庫1では、冷凍室ダンパ50の開閉板104を、冷気集約ダクト13側に開くように配設することで、冷凍室ダンパ50のシール部102aからの漏れが起こりにくくなり、信頼性が高い冷蔵庫となっている。
本実施形態の冷蔵庫1は、冷蔵冷凍運転時には、冷凍室ダンパ50の開角度θを60度としている。これは、図9に示すとおり、冷凍室ダンパ50の開角度によって、冷蔵室ダクト11の流入部の閉塞度合を制御して、冷蔵温度帯室61への冷気の送風量を適量にするためである。冷蔵冷凍運転時に例えば、冷凍室ダンパ50の開角度θをより大きくする(例えば90度)と、冷蔵室ダクト11の流入部の閉塞度合が大きくなるので、冷蔵室ダクト11の通風抵抗が大きくなり、冷蔵温度帯室61への風量が減少する。したがって冷蔵温度帯室61の冷却が抑えめとなる。一方、冷凍室ダンパ50の開角度θをより小さくする(例えば45度)と、冷蔵室ダクト11の通風抵抗が小さくなり、より冷蔵温度帯室61が冷える。なお、冷凍室ダンパ50の開角度を60度より小さくした場合、冷蔵温度帯室61へ向かう流れの通風抵抗が減少すると同時に、冷凍温度帯室60へ向かう流れの通風抵抗が大きくなる。したがって冷凍温度帯室60の冷却を実施しつつ、冷蔵温度帯室61に重点を置いた冷却が実施できる。つまり本実施形態の冷蔵庫1では、冷凍室ダンパ50の開角度θによって、冷凍温度帯室60と冷蔵温度帯室61の風量を調整することができ、各室を適温にしやすくなっている。
本実施形態の冷蔵庫1は、冷凍室ダンパ50に熱的に接触するヒータを配設している。
これにより、万が一冷凍室ダンパ50が凍結して回動不能となった場合でも、ヒータによって融解させることができるので、信頼性が高い冷蔵庫となる。
1 冷蔵庫
2 冷蔵室
3 製氷室
4 上段冷凍室
5 下段冷凍室
6 野菜室
7 冷却器
8 冷却器収納室
9 送風機
10 断熱箱体
11 冷蔵室ダクト
12 冷凍室ダクト
13 冷気集約ダクト
16 冷蔵室−野菜室連通ダクト
17 冷凍室戻り口
18 野菜室戻りダクト
18a 野菜室戻り吹き出し口
19 機械室
20 冷蔵室ダンパ
21 蒸発皿
22 除霜ヒータ
23 樋
24 圧縮機
26 暖気収納スペース
31 制御基板
33 冷蔵室温度センサ
33a 野菜室温度センサ
34 冷凍室温度センサ
35 冷却器温度センサ
50 冷凍室ダンパ
53 上部カバー
54 仕切板
60 冷凍温度帯室
61 冷蔵温度帯室
70 ファンカバー
71 ファンホールド
75 連通孔
100 駆動手段
101 回転軸
102 開口
103 フレーム
104 開閉板

Claims (5)

  1. 冷蔵庫本体に区画形成されて夫々食品を収納する冷凍温度帯室及び冷蔵温度帯室と、
    前記冷凍温度帯室及び前記冷蔵温度帯室を冷却する冷気が熱交換される冷却器と、
    前記冷却器が設けられる冷却器収納室と、
    前記冷却器で熱交換された冷気を前記冷凍温度帯室及び前記冷蔵温度帯室に送風する庫内ファンと、
    該庫内ファンの前方を覆うように設けられ前記冷凍温度帯室又は前記冷蔵温度帯室と連通する開口を有するファンカバーと、
    該ファンカバーの開口に設けられ送風を制御する送風制御手段と、を備え、
    前記ファンカバーは前記庫内ファンの回転方向に上流から下流に次第に拡大する風路を有し、該風路の下流に前記開口が設けられたことを特徴とする冷蔵庫。
  2. 請求項1において、前記風路は5度〜20度の範囲で該風路を拡大する拡大角度を有することを特徴とする冷蔵庫。
  3. 請求項1において、前記風路は上流から下流まで180度又は180度よりも大きい角度を有することを特徴とする冷蔵庫。
  4. 請求項1において、前記ファンカバーは前記庫内ファンと対向する位置に窪みを有することを特徴とする冷蔵庫。
  5. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記開口は横長であって該開口の長手方向が前記風路の下流且つ前記庫内ファンの上方に位置することを特徴とする冷蔵庫。
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