JP2011058625A - 動力伝達部品およびその製造方法、動力伝達ユニット - Google Patents

動力伝達部品およびその製造方法、動力伝達ユニット Download PDF

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Abstract

【課題】
動力伝達部品を簡易に製造すること。
【解決手段】
複数の部材を積層して構成される動力伝達部品で、その外周が同一面を有する動力伝達部品を用いる。または、形状の異なる複数の部材を積層して構成されることを特徴とする動力伝達部品を用いる。さらに、前記複数の部材を積層後加工した動力伝達部品を用いる。さらに、複数の部材をそれぞれ粗加工する第1加工工程と、前記それぞれの部材を積層する積層工程と、前記積層したものを精密加工する第2加工工程とからなる動力伝達部品の製造方法を用いる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ギヤ、歯車、ドライブプレートなど動力伝達部品に関するものである。
従来の一般的なエンジン9とトルクコンバータ2との連結部についてその概略を、図11(a)、図11(b)を用いて説明する(特許文献1)。
図11(a)と図11(b)に示すように、エンジン9につながるクランクシャフト1(出力軸)に、ドライブプレート6がその中心部の周縁をボルトで締結固定される。さらに、このドライブプレート6は、その外周部をトルクコンバータ2のカバープレート2aにボルトで締結固定されており、ドライブプレート6を介してクランクシャフト1とトルクコンバータ2とが連結されている。トルクコンバータ2は、オートミッション10につながる。トルクコンバータ2は、中心軸にトルクコンバータ位置決めボス11を有し、トルクコンバータ2の位置決めがされる。
そして、このドライブプレート6は、その外周にリング7を有し、溶接にて、ドライブプレート6と接合されている。また、このリング7の外周にギヤ8が形成されている。このギヤ8は、エンジン始動時における始動モータ4の回転力をクランクシャフト1に伝達するために用いられる。なお、ドライブプレート6には、十分な剛性・強度が得られるように強靱な鋼板が用いられており、各取り付け用ボルトの穴回りに発生しうる応力に対しても十分に耐えうるようになっている。
このような構成により、エンジン始動時には、始動モータ4の回転がモータのギヤ4aおよび、ドライブプレート6のギヤ8を介してリング7、そして、ドライブプレート6に伝達され、クランクシャフト1が駆動される。また、始動後には、エンジンにより駆動されるクランクシャフト1の回転力が、ドライブプレート6を介しトルクコンバータ2のカバープレート2aを介して、トルクコンバータ2に伝達され、駆動軸3へ伝達され、変速機における動力伝達が行なわれる。
このような作動において、ドライブプレート6には、軸方向における振動および回転方向における繰り返し荷重が作用するが、ドライブプレート6は、十分に強靱な鋼板が用いられ、剛性・強度が高められているため、各ボルト穴回りに発生しうる応力に対しても十分に対抗でき、ボルトの取り付け位置付近におけるクラック発生も回避される。
別途、ドライブプレート6の構造として、図12(a)、図12(b)がある。図12(a)は、断面図、図12(b)は、平面図である(特許文献2)。
図12(a)、図12(b)において、ドライブプレート6は、外周部にギヤ12fを備え、往復動内燃機関のクランク軸C(不図示)に連結される円形の鋼板12と、鋼板12とクランク軸Cとを取り付けるボルト(不図示)の座面との間に配置されるアダプタプレート15と、鋼板12に取り付けられた円盤状のウエイト部材13と、から構成することができる。
鋼板12は、例えば、厚さ2mmのSPFH590(高張力鋼板)等をプレス加工して、外周部が厚肉とされた円板状の所定形状に形成されている。また、鋼板12の厚肉部には、図12(a)に示す如く、ギヤ12fが鍛圧成形されている。
鋼板12は、その中心部に、往復動内燃機関のクランク軸Cに対してインロー嵌めするためのインロー孔12gを有している。鋼板12は、インロー孔12gの外側に、クランク軸Cと連結するボルトのための複数の孔12aを有している。また、鋼板12は、トルクコンバータカバーと締結するためのボルト14の通過を許容する孔12eを有している。
また、鋼板12は、ウエイト部材13を位置決めするための位置決め突起12cを有している。位置決め突起12cは、鋼板2の外周部であって、鋼板2に取り付けられるウエイト部材13の両端部に対応する位置に配置される。位置決め突起12cは、鋼板12の各孔を形成する孔あけ工程において、プレス加工によって形成される。それゆえ、位置決め突起12cは、インロー孔12gの中心を基準とした所定位置に、正確に形成される。
位置決め突起12cは、鋼板12とウエイト部材13とのプロジェクション溶接のための突起としても用いられる。
また、鋼板12には、ウエイト部材13をプロジェクション溶接するための突起(不図示)と、アダプタプレート15をプロジェクション溶接するための突起(不図示)とが、プレス加工によって所定位置に複数形成されている。
ウエイト部材13は、SS400(一般構造用炭素鋼)等を切削加工して所定の形状に形成されている。ウエイト部材13は、位置決め孔13aを有しており、鋼板12に形成された位置決め突起12c,12cにそれらを係合させることで、鋼板12に対して位置決めされる。そして、ウエイト部材13は、位置決め突起12cをプロジェクション溶接用突起として、鋼板12に対してプロジェクション溶接される。なお、位置決め突起12cは2箇所で足りるが、溶接箇所がさらに必要である場合には、プロジェクション溶接用突起を別に設けることができる。その後、ウエイト部材13と鋼板12とは、締結ボルト14によって締結される。
このように構成されたドライブプレート6は、鋼板12の外周部に形成されたギヤ12fが、エンジン始動時にセルモータのギヤと噛合して、回転駆動される。その際、鋼板12に振動が生じるが、ドライブプレート6は、ウエイト部材13と鋼板12とが、締結ボルト14によって締結されているだけでなく、プロジェクション溶接によっても接合されているため、鋼板12の振動に起因するボルト締結のゆるみを防止すると共に、ウエイト部材13の位置ずれを防止することができる。
しかし、上記ドライブプレート6では、鋼板12が固く、プレス加工での精度の問題、プレスの刃の耐久性に大きな問題があった。
そこで、本願発明では、ドライブプレートを精度よく、簡易に作製することが課題である。
特開平10−132052号公報 特開2009−79645号公報
本願で、解決しようとする課題は、ドライブプレートに代表される動力伝達部品を、精度よく、簡易的に製造する方法である。
上記課題を解決するために、以下の部品、方法を用いる。
複数のプレート状部材を積層して構成される動力伝達部品で、その外周面がプレス加工にて同一面となっている動力伝達部品を用いる。
内部の形状の異なる複数の前記部材を積層して前記プレス加工がされた動力伝達部品を用いる。
前記複数の部材の積層方向の厚みが異なる動力伝達部品を用いる。
前記複数の部材が、中央部と、前記中央部の一方の面に配置され、前記中央部と同一の外形で、中央に開口部を有する上部と前記中央部の他方の面に配置され、前記中央部と同一の外形で、中央に開口部を有する下部とからなり、前記中央部の厚みが、前記上部、前記下部より厚い動力伝達部品を用いる。
前記上部と前記下部とか同一形状であり、前記中央部の外周部分に相当するリング状である動力伝達部品を用いる。
前記動力伝達部品を複数用いた動力伝達ユニットを用いる。
複数の部材をそれぞれプレス加工で外形を粗加工する第1加工工程と、前記それぞれの部材を積層する積層工程と、前記積層したものを前記プレス加工で外形を精密加工し、その外周面が同一面とする第2加工工程とからなる動力伝達部品の製造方法を用いる。
前記第1加工工程で、前記部材に、前記積層工程で積層するための位置決め部を形成する動力伝達部品の製造方法を用いる。
前記位置決め部により、前記部材を接合する動力伝達部品の製造方法を用いる。
前記接合がレーザー溶接である動力伝達部品の製造方法を用いる。
本発明の動力伝達部品では、精度よく、簡易に動力伝達部品を製造できる。
(a)実施の形態1のドライブプレートの外観図、(b)(a)の断面図。 (a)〜(c)実施の形態1のドライブプレートの分解部図。 実施の形態1の加工を説明するドライブプレートの断面図。 実施の形態1の製造工程図。 実施の形態1と比較例の騒音評価結果を示す図。 (a)実施の形態2のギヤの外観図、(b)(a)の断面図、(c)(a)の使用状態を示す図。 (a)〜(c)実施の形態2のギヤの分解部図。 (a)〜(c)実施の形態2のギヤの分解部図。 (a)〜(c)実施の形態3を示す断面図。 (a)(b)実施の形態4を示す図。 (a)従来技術の動力機構の見取図、(b)(a)の断面図。 (a)従来技術のドライブプレートの断面図、(b)(a)の上面図。 (a)比較例の切削の場合の外観写真、(b)実施例のプレス加工の場合の外観写真。
(実施の形態1)
図1(a)、図1(b)に実施の形態1のドライブプレートを示す。図1(a)は、見取り図である。図1(b)は、その断面図である。本願発明のドライブプレートは、3つの部分からなる。ドライブプレート上部101と、ドライブプレート中部104、ドライブプレート下部107である。ドライブプレート上部101は、中央に開口があり、外周にギヤを有するリング状の構造である。ドライブプレート上部101の下面に、ドライブプレート中部104が位置する。ドライブプレート中部104は、円盤状であり、取り付け用の穴を複数有する。ドライブプレート中部104の下面に、ドライブプレート下部107が位置する。ドライブプレート下部107は、ドライブプレート上部101と同様の構造である。
ドライブプレート上部101と、ドライブプレート中部104、ドライブプレート下部107は、例えば、厚さ数mmのS35C(機械構造用炭素鋼)や、厚さ数mmのSPFH590(高張力鋼板)をプレス加工して作製される。
ここで、ドライブプレート中部104には、軽量化の穴103と、取り付け穴105、106がある。軽量化の穴103は、ドライブプレートの重量を減らすための穴で、点対称に複数設けられている。取り付け穴105は、クランクシャフト1に固定するための穴である。取り付け穴106は、トルクコンバータ2(図11)に固定するための穴である。どちらも複数、点対称に設けられている。
次に、図2(a)〜図2(c)、図3で、このドライブプレートの作製方法を示す。図2(a)は、ドライブプレート上部101である。前記に示したように、リング状で、開口部を有する。さらに、上部接合部102を有する。この上部接合部は、下面に位置するドライブプレート中部104と接続するためのもので凹凸形状である。
図2(b)は、ドライブプレート中部104である。前記に示したように、円盤状で、複数の穴を有する。さらに、上部接合部102、下部接合部108の位置に対応した接合部109を有する。
図2(c)は、ドライブプレート下部107である。前記に示したように、リング状で、開口部を有する。さらに、下部接合部108を有する。この下部接合部は、上面に位置するドライブプレート中部104と接続するためのものである。
図3は、ドライブプレート上部101と、ドライブプレート中部104と、ドライブプレート下部107とを積層し、加工するときの説明図である。
それぞれの部材は、最終寸法bより大きめの1次加工寸法aで成形されている。最終寸法(二次加工寸法)bと1次加工寸法aとの差は、10分の数mmとした。一次加工は、プレスで粗加工する。この3つの部材を、上部接合部102、接合部109、下部接合部108を利用して積層し、プロジェクション溶接する。各接合部は凹凸状になっており、はめ込むことで、位置を合わせることができる。その後、全体を精密にプレスで最終形状へ加工(2次加工)する。
この発明では、部材を積層後、外形を最終加工するので、外周(側面)が1面として揃う。側面が同一面となる。
(製造プロセス)
図4を用いて、製造プロセスを説明する。
工程(a)では、ドライブプレート上部101として、数mmのS35C(機械構造用炭素鋼)をプレス加工(1次加工)する。最終目的寸法より10分の数mm大きく粗加工する。接合用の上部接合部102の加工も同時にする。接合部は、凹凸となっており、工程(d)で他の部材と積層する場合の位置あわせするためのものである。
工程(b)では、ドライブプレート中部104として、数mmのS35C(機械構造用炭素鋼)をプレス加工する。最終目的寸法より10分の数mm大きく加工する。接合用の接合部109も加工する。接合部は、凹凸となっており、工程(d)で他の部材と積層する場合の位置あわせ用のものである。同時に、取り付け穴105、106、軽量化の穴103など各種穴を同時加工してもよい。
工程(c)では、ドライブプレート下部107として、数mmのS35C(機械構造用炭素鋼)をプレス加工(一次加工)する。最終目的寸法より10分の数mm、大きく加工する。接合用の下部接合部108も加工する。接合部は、凹凸となっており、工程(d)で他の部材と積層する場合の位置あわせ用のものである。
工程(d)では、工程(a)から工程(c)で作製されたドライブプレート上部101、ドライブプレート中部104、ドライブプレート下部107を、それぞれの接合部を組み合わせることで積層する。接合部をレーザー溶接、プロジェクション溶接や、メッキ溶接、樹脂系材料などにて、各部材を接合する。特にレーザー溶接なら、高炭素鋼同士を溶接接合する場合の熱歪による割れを回避出来るのでよい。レーザー溶接の特徴として、熱歪が少ないという他に、溶接速度が1,500〜2,500mm/minと高いことがある。さらに、電子ビーム溶接の場合には、真空チャンバ内での溶接となるが、レーザー溶接ではシールドガスを用いて大気中での溶接が可能である。また、薄板と厚板との組合せなど板厚差が大きくても溶接可能である。
また、樹脂で接合すると、溶接と異なり、容易に接続でき、かつ、均質に接続できるので、好ましい。さらに、樹脂により外周部分まで接続しやすい。樹脂材料は、耐熱性のあるポリイミド系樹脂や、フッ素系樹脂等を用いることができる。
工程(e)では、その後、図3で示したように、その外形を目的寸法にプレス加工、精密加工(2次加工)する。
各工程で必要に応じて、バリ取り工程を入れることもできる。
(効果)
上記のプロセスでは、従来と異なり、複数枚の薄い板を加工するので、プレスの刃へのダメージが少なく、プレス装置のメンテナンス、刃の交換が少なくなる。複数枚の板を合わせることで、従来例と同等の厚みとなる。
薄い板を加工するので、上面寸法の精度がよい。側面の平坦性もよい。板自身へ無理な力が加わらないので、板の平面性もよい。従来の場合、9mmの板を加工するので、精度が悪く、装置の負荷も大きかった。
薄い板を3枚積層して加工する場合に、除外する部分が少ないので、板に無理な力が加わることがなく、平面性が確保できる。側面に関しても、3枚の板が完全には接合されていないので、無理な力がかからず、平坦性がよい。
さらに、本発明では、ドライブプレート上部、下部に開口を設けており、1枚の板から作製する場合と異なり、切削などの工程が不要であり、かつ、外形寸法、平面性、加工時間、加工装置のメンテナンスなどで、本願発明は、有効である。
なお、今回は3枚の板を積層し作製したが、3枚以上でも可能である。4枚以上でも可能である。2枚の場合も可能である。3枚の場合が、工程数、ドライブプレートの対象性、特性などの観点から好ましい。
なお、上記で各板の接合としてプロジェクション溶接を用いた。各板には、荷重がかかるので、強度的に強い接合が必要である。別の接合方法として、2度の通電溶接工法を用いることができる。接合方法では、その接合部で一体化(板間が溶けて1つの板となる)されている必要がある。
(評価、試験)
近年、ハイブリッド車、電気自動車などの普及により、自動車内が静かになりつつある。ドライブプレートにより発生する音も騒音として問題になりつつある。そこで、実施の形態1のドライブプレートの騒音を評価した。
上記本願発明の実施例のドライブプレートと、比較例のドライブプレート、それぞれ、図11に示す動力伝達装置に組み込み、その音を騒音アナライザーNAで評価した。
実施例は、3mmのS35Cの3枚を使用して上記方法で作製したものである。比較例は、9mmのS35Cの1枚を1回プレスにて作製したものである。両者ともバリなどは除去されている。
結果を図5に示す。図5は、実施例と比較例の各周波数での騒音を示す。比較例のドライブプレートは、ところどころで、騒音が高くなっている。結果として、従来比較例で、約100dBであった最大の騒音が、75dB以下にできた。
これは、1つには、各板間の空隙の存在が考えられる。つまり、実施例では3枚の板を合わせて作製されている。各板間は完全には接合されていないので、各板のひずみ、ゆがみが、板間の空隙で緩和され、騒音が減衰するものと思われる。一方、比較例では、一体ものであり、ゆがみが外形に現れドライブプレートと組み合わされるもの(始動モータのギヤ4a、クランクシャプト1など)との組み合わせに影響がでて、騒音が発生する。
2つには、ドライブプレート側面の加工によるところがあると推定される。すなわち、比較例では、1枚板から1回の加工で製作されており、そのため、テーパーや凹凸などが、表面、裏面のどちらかに偏っていたり、また、全体的にばらついていたり、寸法精度が悪いと考えられる。この結果、ドライブプレートとギヤとの組み合わせが悪く、騒音が発生すると考えられる。一方、実施例では、薄い部材を加工するにで、加工に無理がなく、精度よく加工できる。1次の荒い加工では、部材にひずみ、曲がりなどを与えない。2次の精密な加工では、その加工で除外する部分が小さく、本体の部材への影響が少ない。結果、寸法精度よく、かつ、側面の平坦性もよい加工ができる。ギヤとの組み合わせでも、スムーズになる。
別の比較例として、別途、切削にて、上記実施例と同様に、同じ3つの部材から作製したものも評価したが、上記比較例と同様の結果であった。
切削の場合、加工端面に大きなバリが発生し、バリ取りに大きな工数を要する。特に鋼板の積層構造では、板厚が薄いため、加工時の切削力によりドライブプレートの外周面にビビリが起こり平滑面の確保が出来ない。比較例の切削の場合を図13(a)、実施例のプレス加工の場合を図13(b)に示す。面と面の間の角度131が異なることがわかる。
(実施の形態2)
実施の形態1のドライブプレートの例を、歯車(ギヤ)に応用した例を図6(a)、図6(b)、図6(c)に示す。図6(a)は、外観図である。図6(b)は、断面図である。図6(c)は、ギヤの使用状態を示す図である。
図6(c)で示すように、歯車は、複数が組み合わされて使用される。歯車A610、歯車B611、歯車C612がそれぞれの加工精度により、動きに影響ができる。騒音や、寿命などに大きく影響される。特に、従来の歯車と実施の形態2の歯車を組み合わせるより、実施の形態2同士の歯車を組み合わせた方が、その加工精度の同一性、組み合わせの面の平坦性から、各種特性がよい。
実施の形態2の歯車は、図6(a)、図6(b)に示すように、上面に、歯車上部601と、歯車中部604と、歯車下部608とからなる。さらに、各部材を分解したものを図7(a)〜(c)に示す。図7(a)〜(c)は、歯車の展開図である。歯車上部601と、歯車中部604と、歯車下部608と、歯車上部601に、開口上部602、上部接合部603があり、歯車中部604に接合部605があり、歯車下部608に、下部接合部606、下部開口部607を有する。
実施の形態1と同様に、各部材を粗加工(1次加工)をした後、積層し、その後、高精度の加工(2次加工)をする。各部材は、厚み1mmの板を使用した。その他、材料、加工精度、接合方法は、実施の形態1と同様である。
従来の1つの材料から作製された歯車と比較して、実施の形態2の歯車では、実施の形態1と同様、騒音特性が向上した。
歯車の場合、実施の形態1と異なり、軽量化の要請がない場合が多く、図8(a)〜(c)に示すように、歯車上部601と、歯車中部604と、歯車下部608が同じ形状でもよい。また、上部接合部603、接合部605、下部接合部606が、その周辺だけでなく、中央部に位置すると、接合がさらに強化される。
(実施の形態3)
実施の形態1、2の例では、主に3層構造で、上面から見た場合に異なる形状で同一の厚みの板状のものを積層する例を示した。また、実施の形態1,2ではドライブプレート、ギヤ(歯車)に関する例であったが、その他、動力を伝達する部品へ応用できる。図9(a)〜図9(c)に実施の形態3の断面図を示す。
厚みに関しては、同一である必要はなく、厚みが、それぞれ異なっていてもよい。つまり、図9(a)に示すように中央部の厚みを厚くして、両端を薄い板状にしてもよい。
図9(a)では、動力伝達部品は、動力伝達部品上部801と、動力伝達部品中部802と、動力伝達部品下部803とからなる。中央の動力伝達部品中部802の厚みが、両端の動力伝達部品上部801、動力伝達部品下部803より厚く形成される。
動力伝達部品は、他の部材との連携で動力を伝達する。この場合、最も重要なものが、中央の部材であり、上下の部材よりその部分を厚く形成することは重要である。騒音の低減に寄与する。実施の形態1,2と同様、製造も簡素化できる。厚みは、中央が、上下部より10%以上厚い方が剛性が高いのでプレート部の強度を確保し易い。振動の吸収による吸音作用は上下の部材で役割を果たす。
さらに、図9(b)に示すように、3層以上でもよい。図9(a)の繰り返しであり、薄い加工板、厚い加工板の繰り返したものである。
また、図9(c)のように、動力伝達部品中央802を、動力伝達部品上部801、動力伝達部品下部803より厚い、複数の部材としてもよい。
(実施の形態4)
図10(a)、図10(b)において、実施の形態4を説明する。図10(a)は、自転車における動力伝達機構を模式的に示すものである。つまり、ギヤ901とギヤ902とチェーン903とからなる。ギヤ901とギヤ902は、実施の形態1から3で説明したものを用いる。ギヤ間の動力をチャーンで伝達している。
このような機構の場合、ギヤとチェーンには、オイルなどの潤滑剤がよく使用される。実施の形態1から3のようなギヤの場合、複数の板からなるので、オイルなどがギヤの板間で保持できるので、長期にわたり、安定してオイルなどを保持でき、駆動系の運転をスムーズにできる。
また、図10(b)に示すように、ギヤ904、ギヤ905、ギヤ906を積層したタイプの場合でも、それぞれのギヤにオイルを保持でき、長期間の安定動作が可能になる。
一般に、チェーン側にオイルを保持する場合が多く、使用しないギヤが錆びる場合や、ギヤにチャーンから、オイルが行き渡るのに時間がかかりスムーズな運転ができない場合が多いが、このギヤでは、オイルの保持ができ、そのような問題はない。
本願発明の動力伝達部品は、記載したドライブプレート、ギヤ以外にも、動力伝達に関わる部品としていろいろなところで用いることができる。例えば、歯車、カム、プーリー、スプロケットなどのカート、オートバイ、自転車、事務機器、電気機器、産業用機器などの動力伝達に用いられる機械部品にも応用できる。
1 クランクシャフト
2 トルクコンバータ
2a カバープレート
3 駆動軸
4 始動モータ
6 ドライブプレート
7 リング
8 ギヤ
12 鋼板
12c 位置決め突起
12f ギヤ
13 ウエイト部材
13a 位置決め穴
15 アダプタプレート
101 ドライブプレート上部
102 上部接合部
103 軽量化の穴
104 ドライブプレート中部
105 取り付け穴
106 取り付け穴
107 ドライブプレート下部
108 下部接合部
109 接合部
131 面と面の間の角度
601 歯車上部
602 開口上部
603 上部接合部
604 歯車中部
605 接合部
606 下部接合部
607 下部開口部
608 歯車下部
801 動力伝達部品上部
802 動力伝達部品中部
803 動力伝達部品下部
901、902、904〜906 ギヤ
903 チェーン

Claims (10)

  1. 複数のプレート状部材を積層して構成される動力伝達部品で、その外周面がプレス加工にて同一面となっている動力伝達部品。
  2. 内部の形状の異なる複数の前記部材を積層して前記プレス加工がされた請求項1記載の動力伝達部品。
  3. 前記複数の部材の積層方向の厚みが異なる請求項1または2に記載の動力伝達部品。
  4. 前記複数の部材が、
    中央部と、
    前記中央部の一方の面に配置され、前記中央部と同一の外形で、中央に開口部を有する上部と
    前記中央部の他方の面に配置され、前記中央部と同一の外形で、中央に開口部を有する下部とからなり、
    前記中央部の厚みが、前記上部、前記下部より厚い請求項1から3のいずれか1項に記載の動力伝達部品。
  5. 前記上部と前記下部とか同一形状であり、前記中央部の外周部分に相当するリング状である請求項4記載の動力伝達部品。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の動力伝達部品を複数用いた動力伝達ユニット。
  7. 複数の部材をそれぞれプレス加工で外形を粗加工する第1加工工程と、
    前記それぞれの部材を積層する積層工程と、
    前記積層したものを前記プレス加工で外形を精密加工し、その外周面が同一面とする第2加工工程
    とからなる動力伝達部品の製造方法。
  8. 前記第1加工工程で、前記部材に、前記積層工程で積層するための位置決め部を形成する請求項7記載の動力伝達部品の製造方法。
  9. 前記位置決め部により、前記部材を接合する請求項8記載の動力伝達部品の製造方法。
  10. 前記接合がレーザー溶接である請求項9記載の動力伝達部品の製造方法。
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