JP2011056014A - マーキングを設けた内視鏡及び内視鏡の挿入部へのマーキング方法 - Google Patents

マーキングを設けた内視鏡及び内視鏡の挿入部へのマーキング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発泡による色付けではなく、所望の下地にスクリーン印刷と同程度のコントラストを持たせた印字を形成し、かつ高精度のマーキングを効率的に形成できるようにする。
【解決手段】 軟性部2cを構成し、軟性部構造体30aに白色の外皮本体層12aを積層し、その上に黒色の着色カバー層12bを積層した状態の軟性筒体30を、マーキング装置20を構成する軟性筒体位置決め駆動ユニット22に保持させて、レーザ光照射ユニット21から、マーキングのパターンに沿ってレーザ光を着色カバー層12bに照射することにより着色カバー層12bを部分的に剥離するようにしてマーキングを行い、さらにクリアコート層12cを積層させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、内視鏡、特にその挿入部の所定の位置に文字や記号等のマーキングを設けた内視鏡、及び内視鏡挿入部へのマーキング方法に関するものである。
医療用等として用いられる内視鏡は、この内視鏡を操作する術者等が把持して、操作を行うための本体操作部に挿入部を連結して設ける構成としている。挿入部は長尺のコードから構成されており、先端部は照明窓及び観察窓等を形成した先端硬質部となっており、この先端硬質部には所定長さの湾曲部が連結されている。湾曲部は、先端硬質部を所望の方向に向けるために、本体操作部からの遠隔操作で湾曲操作可能としたものである。湾曲部にはさらに軟性部が連結して設けられており、軟性部の基端部は本体操作部に連結されている。
例えば、挿入部には、体腔内等への挿入長さを表示するために、目盛と数値とが表示されるというように、外部から視認が可能な印字や描画からなるマーキングが表示されることになる。挿入部は、一般に黒色のものであり、通常は、この挿入部、特に軟性部の外表面に白色で表示される。この表示はシルク印刷により行うのが一般的であった。ここで、軟性部は断面が円形となった細いコードから構成されており、シルク印刷によりマーキングするには、各インクノズルのインク量調整や押し付け力の制御が複雑になり、印刷対象品毎に製版が必要となり、この整版代が高価であり、また長い軟性部の分断印刷は回転ずれ等に起因して高精度にマーキングできないおそれがある等といった問題点がある。さらに、マーキングに多大の時間を必要とするという問題点もある。
軟性部の外面にレーザ光を照射することによりマーキングする方式が、例えば特許文献1において提案されている。この特許文献1では、挿入部における軟性部を樹脂材やゴム材に着色剤や充填剤を添加したもので構成しており、この表面にレーザ光を照射して、このレーザ光の吸収により着色剤や充填剤を発泡させることにより、光の散乱作用によって視覚的に白色に認識される印字乃至描画を行うようにしている。
特開2006−223478号公報
ところで、挿入部における軟性部を例に取ると、その外面は黒色または黒に近いグレーの色調を持たせるのが一般的であり、印字した部位は白色とするのがコントラストの点で望ましく、特に純白とするのが最も望ましい。しかしながら、特許文献1にあっては、軟性部を構成する樹脂にレーザ光を照射することによって樹脂の内部にガス泡が発生して、このガス泡が表層部において白っぽく隆起することで、印字によるマーキングとして認識可能なものとしているにすぎない。つまり、特許文献1では、発色によるマーキングではなく、光の散乱現象により印字されていることを認識させることから、マーキングした部位は純白とはならず、黄味がかったり、グレー味がかったりすることになり、必ずしも満足なコントラストが得られないことになる等といった問題点がある。
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、発泡による色付けではなく、所望の下地にスクリーン印刷と同程度のコントラストを持たせた印字を形成し、しかも高精度のマーキングを効率的に形成できるようにすることにある。
前述した目的を達成するために、本発明は、本体操作部に挿入部が接続され、文字や記号からなるマーキングを設けた内視鏡であって、内視鏡を構成する部材に形成され、所定の色彩の本体層と、この本体層上に形成され、前記本体層とは異なる色彩の着色カバー層との積層構造部と、前記着色カバー層に所定のパターンに沿ってレーザ光を照射して、この着色カバー層の一部を剥離して前記本体層を露出させることにより形成されるマーキング形成部と、前記積層構造部に積層された透明部材からなるクリアコート層とから構成としたことをその特徴とするものである。
内視鏡は本体操作部に挿入部を連結して設け、また本体操作部からはユニバーサルコードを延在させることにより大略構成されるものである。このうち、本体操作部を構成する各部やユニバーサルコードに種々のマークや説明書きその他が表示されることから、これらについて、レーザ光の照射によるマーキングを設けることができる。例えば、本体操作部にマーキングを形成する場合には、本体操作部のケーシングに本体層を積層して、この本体層に着色カバー層を積層することにより積層構造部とする。ケーシングが複数に分割されている場合には、いずれかのケーシングに内視鏡の種類や製造メーカ名等の文字や記号を表示することもできる。
内視鏡に設けられるマーキングの代表的なものとしては、挿入部を構成する軟性部の外面に体腔内への挿入長さを表示する目盛と数値とがある。軟性部は本体操作部に連結されるものであり、この軟性部は、金属螺旋管にネットを被装させることにより軟性部構造体とし、この軟性部構造体を構成するネットの外周部に軟性の樹脂からなる外皮層を積層させることにより構成される。この場合には、外皮層のうちの下地となる層を本体層とする。従って、本体層は外皮本体層となり、この外皮本体層上に着色カバー層が形成されて、2層構造とし、これら外皮本体層と着色カバー層とは異なる色を有するものとする。このように、軟性部構造体に外皮本体層と着色カバー層とを積層したものを軟性部の中間生成物である軟性筒体とする。ここで、外皮本体層は、ウレタン樹脂等からなる熱可塑性樹脂で形成されるのが一般的であるが、熱可塑性樹脂以外にも、熱硬化性樹脂やゴム等で形成することもできる。また、外皮本体層に積層される着色カバー層及びクリアコート層は、外皮本体層とは異なる材質のもの若しくは同一の材質のもので形成することができる。同一の材質のもので形成すると、層間の密着性が良くなるが、レーザ光の照射による部分剥離の点からは、異なる材質のもの方が剥離性は良好であるとなる。
軟性筒体において、外皮本体層はネットに密着すると共に、外表面が平滑な形状となるようにするために、通常は押出成形によって所定の厚みを持たせるように形成される。一方、着色カバー層は下地となる外皮本体層の色が全く若しくは殆ど透過しないことを条件としてできるだけ薄肉のものとするのが望ましく、吹き付けやディッピング等により形成することができる。このように着色カバー層を薄肉に形成すると、レーザ光の照射によってこの着色カバー層を剥離する際に、この剥離を容易に行うためである。
軟性部には、耐薬品性,摺動性等を向上させるために、通常、最外周にトップコート層が形成される。このトップコート層がクリアコート層であって、軟性筒体に形成したマーキングを保護する保護層となり、軟性部が形成される。これによって、着色カバー層の剥離により形成したマーキングした部位の周辺が剥離して欠損箇所が生じたり、薬品等により汚れて変色したりすることがない。従って、長期間にわたって繰り返し使用され、洗浄消毒及び加熱滅菌等を行っても、またブラシで擦動しても、マーキングを表示した部位は鮮明な状態に保持される。
挿入部の色は黒色または黒に近いグレー色とするのが一般的であり、着色カバー層としては、カーボンブラック等の顔料を混合した塗料から構成することができる。そして、この黒系の挿入部において、マーキング形成部を白で表示すると、最も高いコントラストが得られる。外皮本体層として、素材そのものが白色であれば、格別着色する必要はないが、白以外の素材を用いる場合には、白色顔料を混合する。また、使用する顔料によっては光沢をもった白色とすることもできる。なお、地色及びマーキング形成部の色の組み合わせはこれに限定されるものではない。
着色カバー層を多層に形成して、各層の色を変えるようになし、レーザ光を照射する際に、レーザパワーを変化させると、所望の層を剥離することができる。従って、多色のマーキングとすることができる。また、本体層を長さ方向に異なる色の部材で形成することもでき、この場合には挿入部の先端側と基端側とで異なる色のマーキングを行うことができる。
また、内視鏡の挿入部を構成する軟性部の外面にマーキングする方法の発明としては、この軟性部を構成し、金属螺旋管にネットを被装させた軟性部構造体に所定の色彩を有する外皮本体層を形成し、前記外皮本体層とは異なる色彩の着色カバー層をこの外皮本体層上に形成することにより軟性筒体を形成し、この軟性筒体の前記着色カバー層にレーザ光を照射して、前記着色カバー層を部分的に剥離することによりマーキングを形成するようになし、さらに前記軟性部の外周面に、前記マーキングを形成した部位を含めて透明部材からなるクリアコート層を積層することを特徴としている。
軟性筒体は断面が円形となった細いコード状の部材から構成される。この軟性筒体の全周にわたってマーキングする場合には、レーザ光照射手段または軟性筒体を回転させながら所望のパターンに沿って着色カバー層を剥離する。ここで、レーザ光照射手段を所定角度分にわたって走査可能な構成とすれば、例えば軟性筒体を180度の角度分に対してレーザによるマーキングを行い、次いで軟性筒体を180度回転させて、再びマーキングを行うことにより軟性筒体の全周にマーキングを行うことができる。また、120度毎にマーキングする場合には、3回間欠回転を行う。また、軟性筒体の軸線方向では、レーザ光照射手段による走査可能範囲内でマーキングを行い、次の箇所のマーキングを行う場合には、軟性筒体を直進させるようにする。なお、回転方向及び軸線方向への移動は、軟性筒体側ではなく、レーザ光照射手段側で行っても良い。
内視鏡の構成部に、スクリーン印刷と同程度乃至それ以上のコントラストを持ち、しかも高精度のマーキングを効率的に形成でき、かつマーキングを行った部位に高い耐久性を持たせることができる。
本発明の実施の一形態を示す内視鏡の全体構成図である。 内視鏡の挿入部における軟性部の構成説明図である。 軟性部の要部拡大断面図である。 マーキング装置の全体構成図である。 レーザ光照射ユニットの構成説明図である。 レーザマーキングを行う工程の工程説明図である。 挿入部に対して軸線方向に異なる色の表示を形成するために、軟性筒体の軸線方向に複数の色に着色した外皮本体層を形成するための押出成形機の概略構成図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。まず、図1に内視鏡の全体構成を示す。図中において、1は本体操作部、2は挿入部、3はユニバーサルコードである。挿入部2の先端部は照明窓や観察窓等、さらには処置具導出口等を設けた先端硬質部2aとなっており、この先端硬質部2aには遠隔操作により湾曲する湾曲部2bが連設されており、この湾曲部2bには軟性部2cが連設されている。軟性部2cは、体腔内への挿入経路の全長以上の長さを有するものであり、その長さは2m乃至それ以上に及ぶものもある。
内視鏡を操作する術者等は、被検者の口腔や鼻腔(上部消化器用内視鏡の場合)、さらには肛門(下部消化器用内視鏡の場合)から挿入部を挿入するが、その挿入深さを術者等が把握できるようにするために、挿入部2、特に最も長尺の部位である軟性部2cの外周面には、目盛Sと数値Nとからなり、挿入部2の先端硬質部2aからの挿入長の表示部Eが所定のピッチ間隔をもって形成される。この表示部Eは、挿入部2の先端部からの長さを表示するものである。例えば、挿入部2の長さが2mであり、20cm毎に目盛Sを付ける場合には、10箇所の表示部Eが設けられることになる。
ここで、挿入部2における軟性部2cは、図2に示したように、軟性部構造体としての相互に反対方向に巻回した2重の螺旋管10に金属細線を編組してなるネット11を被装させることにより構成され、この軟性部構造体の外周部に外皮層12が形成されて軟性筒体が構成される。従って、軟性部2cは曲げ方向に可撓性を有している。外皮層12は、図3に示したように、最内層が外皮本体層12aで、この外皮本体層12aには着色カバー層12bが積層されている。さらに、最外層を構成するのはクリアコート層12cである。外皮本体層12aはネット11上に、例えば押出成形により形成されるものであり、この外皮本体層12aはネット11に密着する。ネット11の外面は凹凸を有する構造となっているが、外皮層12を設けることによって、軟性部2cの外面が滑らかなものとなる。クリアコート層12cは軟性部2cにおける最外層を構成するものであり、耐薬品性が良好で、滑りの良い部材であって、透明な層となったトップコート層である。
クリアコート層12cは透明であることから、外部から視認されるのは着色カバー層12bであり、この着色カバー層12bの色が軟性部2cの色として認識される。軟性部2cだけでなく、湾曲部2b及び先端硬質部2aを含めた挿入部2全体はほぼ等しい色合いとし、黒または黒に近いグレーとするのが一般的である。この着色カバー層12bの下地となる外皮本体層12aは白色部材とする。そして、着色カバー層12bを所定のパターンに沿って部分的に剥離することによって、黒地に白色の印字や描画のパターンが形成され、これがマーキングである。
例えば、大腸鏡が使用される内視鏡検査室内は、照明を落として、比較的暗い環境下で内視鏡の操作が行われる。従って、術者は目盛Sと数値Nとからなる表示Eに基づいて、挿入部2の体腔内への挿入長さを認識するために、表示Eを鮮明に認識できるようにしなければならない。従って、黒地に白色の表示Eがなされていると、この表示Eが極めて鮮明に表示される。なお、状況によっては、黒地以外の地色である場合等においては、白色でない方がコントラストが良好となる場合があり、そのような場合には、最もコントラストの高い組み合わせにすれば良い。
ここで、軟性部2cにおいて、着色カバー層12bを部分的に剥離して、黒地に白の印字乃至描画を形成するために、図4に示したように、マーキング装置20が用いられる。マーキング装置20は、レーザ光照射ユニット21と位置決め駆動ユニット22とから構成される。レーザ光照射ユニット21は、図5に示したように、レーザ光源23と、スキャニング光学系24とを含む構成としている。レーザ光源23としては、COレーザ,YAGレーザ,YVOレーザ等が好適に用いられる。スキャニング光学系24は反射ミラー24Mを有し、この反射ミラー24MをX軸24X及びY軸24Yの軸回りに回動させることによって、レーザ光源23から照射されるレーザ光のスポットを対象物に対して移動できるように構成されている。従って、これらX軸24X及びY軸24Yを適宜駆動してレーザ光によりマーキングされる位置を変えることによって、印字乃至描画を行うことができる。そして、X軸24X及びY軸24Yの駆動を制御するために、コントローラ25を備えている。従って、このコントローラ25に複数のパターンを認識させておくことができ、例えば表示の間隔や数値のデザイン、さらには目盛の位置は形状等を任意に選択することができる。
軟性部2cに印字や描画からなるマーキングを行う場合において、連続的であれ、間欠的であれ、その全周に及ぶものがあり、かつ軸線方向のほぼ全長にわたって形成されることもある。位置決め駆動ユニット22は、軟性部2cを構成する軟性筒体30を軸線方向及び回転方向に変位させることによって、レーザ光照射ユニット21によるレーザ光の照射位置を移動させるように構成している。位置決め駆動ユニット22は、2本の回転軸26,26にローラ27を所定間隔毎に装着し、このローラ27上に軟性筒体30を載置し、回転軸26,26を回転駆動することによって、追従回転することになる。
ここで、軟性筒体30は軟性筒体位置決め駆動ユニット22において、軸線方向及び回転方向に所定の位置に位置決め保持されるようになっている。この軟性筒体位置決め駆動ユニット22は、軟性筒体30の一端側に連結して設けた回転位置調整板31をクランプする構成となっており、また軟性筒体30の他端側には、この軟性筒体30が直進状態となるように保持するための引っ張りばね32が連結して設けられている。軟性筒体30に対しては、円周方向において、180度分にわたってマーキングを行い、次いで180度反転させて、残りの部位をマーキングする。このために、回転位置調整板31は垂直状態となるように保持され、このために左右からこの回転位置調整板31をクランプするようになし、ローラ27を回転させることによって、軟性筒体30を反転させた後、再びクランプするようにしている。これによって、軟性筒体30は180度毎に位置決めできるようになる。
次に、図6に基づいてマーキング方法について説明する。ここで、マーキングは図1に示したように、挿入部2を構成する軟性部2cに対してであり、この軟性部2cには目盛Sと挿入部2の先端からの間隔を示す数値Nとからなる表示Eとする。ただし、マーキングはこれ以外のものであっても良い。
まず、図6(a)に示したように、螺旋管10にネット11を被装させることにより、任意の方向に曲げることができる筒状の部材からなる軟性部構造体30aを形成する。そして、この軟性部構造体30aには、図6(b)に示したように、外皮層を構成する外皮本体層12aを設け、さらにこの外皮本体層12a上に着色カバー層12bを形成する。この外皮本体層12aと着色カバー層12bとからなる積層構造部を設けることによって、軟性筒体30が構成される。ただし、この軟性筒体30は軟性部2cの中間生成物であり、これにクリアコート層12cを積層させることによって、軟性部2cが形成されることになる。ここで、軟性筒体30における外皮本体層12aは厚肉の部材から構成されるので、押出成形で形成するのが望ましい。なお、この外皮本体層12aの材質は、目的に応じて適宜設定されるものであり、熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂、さらにはゴム等から構成することができる。
医療用内視鏡の挿入部は、ウレタン樹脂の押出成形により外皮層が形成されるものであり、従って軟性部2cの場合には、外皮本体層12aとしては、ウレタン樹脂から形成するのが望ましい。ウレタン樹脂は透明なものであるが、着色剤を混合することにより所定の色を持たせることができる。本実施の形態においては、外皮本体層12aを白色のものとしており、この白色の着色剤としてはTiOとすることができる。ウレタン樹脂に対するTiOの混合比は1〜5重量%程度とし、好ましくは2.5重量%程度とする。これによって、純白色の外皮本体層12aが得られる。なお、白色着色料としては、このTiOの他、CaCO,BaSO,Sb等を用いることができる。また、白色以外とする場合には、その色彩に応じた着色料や顔料を用いる。
外皮本体層12aの外面には着色カバー層12bが形成されるが、この着色カバー層12bは、例えばカーボンブラック等からなる黒色の塗料から構成される。着色カバー層12bは吹き付けやディッピングにより形成される。ここで、着色カバー層12bは地色である外皮本体層12aが透過しないことを条件として、できるだけ薄肉化する。この着色カバー層12bの厚みとしては、好ましくは0.01〜0.2mm程度とする。このようにして形成した軟性筒体30には、クリアコート層12cを積層する前の段階でマーキングを行う。さらに、軟性部2cはその先端側が湾曲部2bに接続され、基端側が本体操作部1に接続されると共に、内部に各種の挿通部材が挿通されて、挿入部2を構成することになる。
次に、図6(c)に示したように、レーザ光照射ユニット21により軟性筒体30の外面に向けてレーザ光を照射することによって、着色カバー層12bを所定のパターンに沿って部分的に剥離することによりマーキングが行われる。ここで、着色カバー層12bは薄い膜状に形成されており、レーザ光源23から所定のパワーを有するレーザ光を照射することによって、着色カバー層12bが剥離して気化することになる。従って、レーザ光照射ユニット21に送風器28aと吸引器28bとを対向させて配置することにより構成される吸引手段28を付設しておき、レーザ光源23からレーザ光を照射している間はこの吸引手段28を作動させて、着色カバー層12bが剥離している箇所に対して負圧吸引力を作用させることによって、マーキングした部位及びその周辺が汚損されるおそれはない。
既に説明したように、本実施の形態においては、表示Eは目盛Sと数値Nとからなるものであって、20cm毎に形成される。従って、これら目盛Sと数値Nとを一つの単位としてマーキングを行うことになる。このために、レーザ光源23から照射されるレーザ光をスキャニング光学系24により軟性筒体30の表面に対して走査させるが、円周方向及び長さ方向に走査させる範囲にわたってほぼ一定のレーザスポットとなるようにレーザ光源23に内蔵する対物レンズに焦点深度を持たせる。これによって、軟性筒体30を所定の位置に固定的に保持した状態でマーキングでき、表示Eの1単位毎にマーキングが行われる。そして、軟性筒体30を回転及び直進させる毎にレーザ光によるマーキングを行うことによって、この軟性筒体30の全周及び全長にわたって必要なマーキングを行うことができる。
軟性筒体30の全周及び全長にわたってレーザを用いたマーキングを行った後には、軟性筒体30の外面全体にクリアコート層12cを形成する。ここで、クリアコート層12cは、マーキングを行った部位に対する保護カバーとしての機能を発揮して、マーキングの表示を安定させ、境界部分が薬品や摩擦等により変色したり、部分欠損が生じたりするのを防止して、耐久性を向上させる。勿論、このクリアコート層12cは内視鏡の挿入部2として、洗浄・消毒時における耐薬品性や耐熱性を持たせ、また体腔内への挿入時における滑り性を向上させるものとし、例えばフッ素樹脂により構成することができ、また外皮本体層等と同じ材料としても良い。厚みは、着色カバー層12bと同程度、つまり0.01〜0.2mm程度とするのが望ましく、やはり吹き付けやディッピングにより形成することができる。
このように、軟性筒体30をクリアコート層12cで覆うことによって、黒地に白で打ち抜いたマーキングが軟性部2cに鮮明な状態に形成される。従って、内視鏡を操作する術者にとって、挿入部2の体腔内への挿入長さを確実に把握できる。特に、大腸鏡として構成した場合には、周囲が比較的暗い状況下で操作されることから、コントラストが大きいことは、マーキングの視認性にとって極めて有利である。しかも、予期しない事態が発生して軟性部2cの外表面が損傷したり、劣化したりして、着色カバー層12bに亀裂等が生じたときには、外皮本体層12aが露出することになるので、挿入部2の内部が汚損される前の段階で、この損傷を目視により容易に、しかも迅速、確実に確認できる。
前述した方法では、黒色の着色カバー層12bを剥離して、白色の外皮本体層12aを露出することによりマーキングされるが、軟性筒体30の長さ方向または円周方向において、複数の色を有する表示Eを形成することもできる。このためには、着色カバー層12bをそれぞれ色彩の異なる2層,3層等、多層に形成する。例えば、着色カバー層12を2層に形成した場合、レーザ光源23からのレーザ光のパワーを変化させて、上層部の着色カバー層を剥離することによりある色によるマーキングが行われ、2つの着色カバー層を剥離すると、外皮本体層12aを露出させることができる。これによって、複数の色でマーキングを表示することができる。
また、図7に示したように、押出成形機60として、2色の樹脂供給部61a,61bを設けるようになし、外皮本体層12aを形成するに当って、軸線方向の途中までは樹脂供給部61aから所定の色の樹脂を押し出し、途中からは樹脂供給部61aからの樹脂の供給を遮断して、他の色の樹脂を樹脂供給部61bから供給するように構成できる。これによって、軟性筒体30の外皮本体層12aを軸線方向に異なる色に着色することができる。従って、着色カバー層12bが単層であっても、剥離する部位により異なる色の表示Eを形成することができる。
1 本体操作部 2 挿入部
2a 先端硬質部 2b 湾曲部
2c 軟性部 3 ユニバーサルコード
10 螺旋管 11 ネット
12 外皮層 12a 外皮本体層
12b 着色カバー層 12c クリアコート層
20 マーキング装置 21 レーザ光照射ユニット
22 南西筒位置決め駆動ユニット 23 レーザ光源
26 回転軸 27 ローラ
30 軟性筒体 30a 軟性部構造体

Claims (6)

  1. 本体操作部に挿入部が接続され、文字や記号からなるマーキングを設けた内視鏡であって、
    内視鏡を構成する部材に形成され、所定の色彩の本体層と、この本体層上に形成され、前記本体層とは異なる色彩の着色カバー層との積層構造部と、
    前記着色カバー層に所定のパターンに沿ってレーザ光を照射して、この着色カバー層の一部を剥離して前記本体層を露出させることにより形成されるマーキング形成部と、
    前記積層構造部に積層された透明部材からなるクリアコート層とから
    構成としたことを特徴とするマーキングを設けた内視鏡。
  2. 前記マーキング形成部は前記挿入部であって、この挿入部は、先端側から先端硬質部、湾曲部及び軟性部から構成され、前記軟性部は、金属螺旋管にネットを被装させることにより軟性部構造体とし、この軟性部構造体を構成するネットの外周部に軟性樹脂からなる外皮層が積層したものから構成され、前記積層構造部は、前記外皮層を所定の厚みを持った外皮本体層と、この外皮本体層上に積層され、この外皮本体層より薄肉となった着色カバー層と、この着色カバー層にコーティングされるクリアコート層から構成され、前記着色カバー層には、マーキングとして、所定のピッチ間隔毎に目盛を形成し、かつこの目盛と共に長さ寸法を表示する構成としたことを特徴とする請求項1記載のマーキングを設けた内視鏡。
  3. 前記外皮本体層は白色の部材から構成され、前記着色カバー層は黒色の部材から構成したことを特徴とする請求項2記載のマーキングを設けた内視鏡。
  4. 前記着色カバー層はそれぞれ色彩の異なる複数層から構成され、レーザ光の照射により剥離して形成される印字部は、レーザ光のパワーを調整することによって、場所によって異なる着色をした印字部とする構成としたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のマーキングを設けた内視鏡。
  5. 内視鏡の挿入部を構成する軟性部の外面にマーキングする方法であって、
    前記軟性部を構成し、金属螺旋管にネットを被装させた軟性部構造体に所定の色彩を有する外皮本体層を形成し、
    前記外皮本体層とは異なる色彩の着色カバー層をこの外皮本体層上に形成することにより軟性筒体となし、
    この軟性筒体の前記着色カバー層にレーザ光を照射して、前記着色カバー層を部分的に剥離することによりマーキングを形成し、
    さらに前記軟性部の外周面に、前記マーキングを形成した部位を含めて透明部材からなるクリアコート層を積層する
    ことを特徴とする内視鏡の挿入部へのマーキング方法。
  6. 前記軟性部構造体に外皮本体層と着色カバー層とを積層させて、円周方向の所定角度毎に着色カバー層の外面にレーザ光を照射する軟性部の円周方向の全面に印字を行うことを特徴とする請求項5記載の内視鏡の挿入部へのマーキング方法。
JP2009208395A 2009-09-09 2009-09-09 マーキングを設けた内視鏡及び内視鏡の挿入部へのマーキング方法 Withdrawn JP2011056014A (ja)

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