JP2007238653A - 医療用のレーザーマーキング用樹脂組成物、成形体及びレーザーマーキング方法 - Google Patents
医療用のレーザーマーキング用樹脂組成物、成形体及びレーザーマーキング方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】透明下地に黒文字、黒色記号、黒色図柄等がコントラスト良好にマーキングされ、例えばQRコード等を解像度よくマーキングするのに適し、しかも透明性に富む医療用に適したレーザーマーキング用樹脂組成物と成形体及びそれに対するレーザーマーキング方法を提供する。
【解決手段】(A)全光線透過率が40%以上の透明性を有する熱可塑性樹脂100質量部に対して、(B)カーボンブラック及び/又は雲母を0.00001〜1質量部を含有してなる、医療用のレーザーマーキング用樹脂組成物とその成形体である。上記成形体に、ビーム径が20〜40μm、レーザー媒質がネオジウム変性イットリウム−アルミニウム−ガーネット又はイットリウム−四酸化バナジウムであるレーザー光線を照射して印字するレーザーマーキング方法である。
【選択図】なし
【解決手段】(A)全光線透過率が40%以上の透明性を有する熱可塑性樹脂100質量部に対して、(B)カーボンブラック及び/又は雲母を0.00001〜1質量部を含有してなる、医療用のレーザーマーキング用樹脂組成物とその成形体である。上記成形体に、ビーム径が20〜40μm、レーザー媒質がネオジウム変性イットリウム−アルミニウム−ガーネット又はイットリウム−四酸化バナジウムであるレーザー光線を照射して印字するレーザーマーキング方法である。
【選択図】なし
Description
本発明は、レーザー光線照射により成形体表面にマーキングされ、透明色の生地色とマーキング部のコントラストが高く、鮮明な文字、記号、図柄等が得られ、例えばQRコード等を解像度よくマーキングするのに適し、しかも医療用として好適に用いることができる透明なレーザーマーキング用樹脂組成物と成形体及び成形体に対するレーザーマーキング方法に関する。
医療分野においては、消化管等の検査や診断に内視鏡が使用されており、このような内視鏡は、体腔内に挿入される挿入部と、その挿入部の操作を行う操作部を有し、また操作部には、挿入部の先端部の湾曲操作を行う操作ノブが設けられている。
内視鏡には、術者が挿入部を体腔内に挿入したり、操作部での操作等を行う場合のマーカーとして、例えば、挿入部の外表面には、挿入部の挿入深さを示す目盛りが付されており、また、操作ノブには、操作した際の挿入部の先端部が湾曲する方向を示す記号や文字等が付されている。
従来、このようなマーカーは、インクを用いた印刷やレーザーマーキング法により形成されているが、インクを用いるマーキング方法では、曲面へのマーカーの形成が困難であること、インクの乾燥に時間を要することという問題のほか、使用中にインク層が剥離して体腔内に流入してしまうおそれがあるといった欠点があった。一方、レーザーマーキング法(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3を参照)は、例えば、熱可塑性樹脂にカーボンブラックや低次酸化チタンなどの添加剤を混練りして成形したプラスチック成形品にレーザー光線を照射し、地色が黒色のプラスチック成形品表面に白文字、白色記号及び白色図柄等を発現するものであるが、このような従来のレーザーマーキング法は、いまだ視認性が高く、鮮明でコントラストが十分なものが得られていない。
また、特許文献4には、熱可塑性樹脂に炭酸カルシウム及び着色剤を含有した透明なレーザーマーキング用樹脂組成物が記載されているが、炭酸カルシウムを含有するため、十分な透明性が得られないという理由から、医療用としては適用し難い。
さらに、医療用部品には透明性が要求される用途が多いが、従来のレーザーマーキング法では、レーザーを照射しても通過するだけで発色しないという問題があった。
特開平8−120133号公報
特開平8−127175号公報
特開2004−195030号公報
特開2002−309104号公報
さらに、医療用部品には透明性が要求される用途が多いが、従来のレーザーマーキング法では、レーザーを照射しても通過するだけで発色しないという問題があった。
したがって、本発明は、上記した従来の医療分野のレーザーマーキング法における問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、透明色の生地色とマーキング部のコントラストが高く、鮮明な文字、記号、図柄等が得られ、例えばQRコード等を解像度よくマーキングするのに適し、特に医療用として好適に使用できる透明なレーザーマーキング用樹脂組成物と成形体及びそれに対するレーザーマーキング方法を提供することにある。
本発明によれば、(A)全光線透過率が40%以上の透明性を有する熱可塑性樹脂100質量部に対して、(B)カーボンブラック及び/又は雲母を0.00001〜1質量部を含有してなる、医療用のレーザーマーキング用樹脂組成物が提供される。
また、本発明の樹脂組成物において用いる(A)透明性を有する熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、フッ素系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、及び熱可塑性エラストマーからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
さらに、本発明によれば、上記樹脂組成物を成形してなる成形体が提供される。
さらにまた、本発明によれば、上記成形体に、ビーム径が20〜40μm、レーザー媒質がネオジウム変性イットリウム−アルミニウム−ガーネット又はイットリウム−四酸化バナジウムであるレーザー光線を照射して印字するレーザーマーキング方法が提供される。
本発明の医療用のレーザーマーキング用樹脂組成物とその成形体及びレーザーマーキング方法によれば、透明な成形体表面に、黒文字、黒色記号、黒色図柄等がコントラスト良好に鮮明にマーキングされ、例えばQRコード等の情報コードを解像度よくマーキングすることが可能であり、しかもその成形体は透明性に優れるため、内視鏡やその関連部材などの医療用途として特に好適であるという優れた効果を奏する。
また、本発明によれば、従来インクを使用して印刷又は印刷ラベルを貼付していた表示を、レーザーマーキングという成形体自体の特性を変更しない技術手段により表示することができるため、ラベルの貼付ミスや剥がれがなくなり、さらに、医療部品の内容物の量が確認可能になることから、医療ミスの防止に大いに貢献し得るものである。
更に、レーザー光線を用いたマーキング(印字表示)であるから、注射器、容器、メディアバッグ等の凹凸面や曲面を有する医療部品の表面及びラベル表面に鮮明なマーキング(印字表示)が可能となる。
更に、レーザー光線を用いたマーキング(印字表示)であるから、注射器、容器、メディアバッグ等の凹凸面や曲面を有する医療部品の表面及びラベル表面に鮮明なマーキング(印字表示)が可能となる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
本発明の樹脂組成物は、(A)全光線透過率が40%以上の透明性を有する熱可塑性樹脂100質量部に対して、(B)カーボンブラック及び/又は雲母を0.00001〜1質量部を含有してなるものである。
以下、各成分について説明する。
本発明の樹脂組成物は、(A)全光線透過率が40%以上の透明性を有する熱可塑性樹脂100質量部に対して、(B)カーボンブラック及び/又は雲母を0.00001〜1質量部を含有してなるものである。
以下、各成分について説明する。
(A)全光線透過率が40%以上の透明性を有する熱可塑性樹脂:
本発明において用いる熱可塑性樹脂は、樹脂単体であっても、樹脂に適当な他成分を含む樹脂組成物であってもよい。ここで、「透明性を有する」とは、全光線透過率が40%以上のものを意味するものであり、具体的には、全光線透過率は、平板プレートを用い、JIS K7105:1981に準拠して測定されるものである。
上記(A)透明性を有する熱可塑性樹脂としては、全光線透過率が40%以上の透明性を有するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、フッ素系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET、A−PET、PETG)、ポリアミド、及び開環メタセシス重合体水素化ポリマー、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性エラストマーからなる群より選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。これらの中で、特に好ましくは、ポリプロピレン、ポリカーボネート、開環メタセシス重合体水素化ポリマーである。具体的には、ポリプロピレンとしては、暁星社製の商品名:HJ700、住友化学工業社製の商品名:Z144が挙げられ、ポリカーボネートとしては、出光興産社製の商品名:タフロンA1900が挙げられ、開環メタセシス重合体水素化ポリマーとしては、日本ゼオン社製の商品名:ZEONEX480が挙げられる。
本発明において用いる熱可塑性樹脂は、樹脂単体であっても、樹脂に適当な他成分を含む樹脂組成物であってもよい。ここで、「透明性を有する」とは、全光線透過率が40%以上のものを意味するものであり、具体的には、全光線透過率は、平板プレートを用い、JIS K7105:1981に準拠して測定されるものである。
上記(A)透明性を有する熱可塑性樹脂としては、全光線透過率が40%以上の透明性を有するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、フッ素系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET、A−PET、PETG)、ポリアミド、及び開環メタセシス重合体水素化ポリマー、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性エラストマーからなる群より選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。これらの中で、特に好ましくは、ポリプロピレン、ポリカーボネート、開環メタセシス重合体水素化ポリマーである。具体的には、ポリプロピレンとしては、暁星社製の商品名:HJ700、住友化学工業社製の商品名:Z144が挙げられ、ポリカーボネートとしては、出光興産社製の商品名:タフロンA1900が挙げられ、開環メタセシス重合体水素化ポリマーとしては、日本ゼオン社製の商品名:ZEONEX480が挙げられる。
(B)成分:
次に、本発明の樹脂組成物に用いられる(B)成分は、カーボンブラック及び/又は雲母であり、これら2成分は単独でも併用しても用いることができる。
上記した(A)透明な熱可塑性樹脂に対して、黒文字、黒色記号、黒色図柄等をレーザーマーキングにて鮮明に発色させることは、通常ではこれらの熱可塑性樹脂が透明でありレーザー光線が通過するから、困難である。
次に、本発明の樹脂組成物に用いられる(B)成分は、カーボンブラック及び/又は雲母であり、これら2成分は単独でも併用しても用いることができる。
上記した(A)透明な熱可塑性樹脂に対して、黒文字、黒色記号、黒色図柄等をレーザーマーキングにて鮮明に発色させることは、通常ではこれらの熱可塑性樹脂が透明でありレーザー光線が通過するから、困難である。
そこで、本発明者がいろいろな角度から検討した結果、上記のごとき透明な熱可塑性樹脂に、カーボンブラック及び/又は雲母という特定の添加剤を所定量含有させた樹脂組成物を構成し、この樹脂組成物を成形した成形体にレーザー光線を照射すると、透明下地に黒文字、黒色記号、黒色図柄等が鮮明に発色することを見出し、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明において、カーボンブラック及び/又は雲母という特定の添加剤の作用機構を推測するに、カーボンブラック及び/又は雲母を添加することにより、成形体の透明性は保持しつつ、レーザー光線を照射した際には、カーボンブラック及び/又は雲母の黒発色が起こるものと考えられる。
カーボンブラックとしては、その製法によりファーネスブラック、チャネルブラック、サーマルブラック等に、また原料の違いによりアセチレンブラック、ケッチェンブラック、オイルブラック、ガスブラック等に分類されるが、本発明では、これらのいずれも使用することができる。
雲母とは、層状ケイ酸塩鉱物の一群で、層間陽イオン、八面体陽イオン、四面体陽イオンおよび水酸基と酸素(O)からなる粘土鉱物の一種である。白雲母、ソーダ雲母、黒雲母、金雲母、紅雲母などがあり、人工的にOHをFで置換した人工雲母も合成されている。
本発明に用いられる(B)成分の全添加量は、上記(A)熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.00001〜1質量部、好ましくは0.0001〜0.7質量部、さらに好ましくは0.0005〜0.7質量部、特に好ましくは0.0005〜0.5質量部である。0.00001質量部未満では充分な発色やコントラストが得られず、一方、1質量部を超えると熱可塑性樹脂の全光線透過率が低下して透明性が低下する。
また、上記(B)成分としてカーボンブラックのみを用いる場合におけるカーボンブラックの添加量は、(A)熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.00001〜0.1質量部、好ましくは0.0001〜0.07質量部、さらに好ましくは0.0001〜0.05質量部である。また、上記(B)成分として雲母のみを用いる場合における雲母の添加量は、(A)熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.0001〜1質量部、好ましくは0.001〜0.7質量部、さらに好ましくは0.005〜0.5質量部である。
本発明の樹脂組成物には、上記の(A)成分及び(B)成分のほかに、透明性を低下させない限度で着色剤を添加することもできる。なお、この着色剤は、上記した(B)成分以外のものである。
着色剤としては、無機顔料、有機顔料、染料などが挙げられる。このうち、無機顔料としては、白色顔料として酸化チタン、硫酸バリウム、硫化亜鉛、酸化亜鉛、黄色顔料として酸化鉄、チタンイエロー、赤色顔料として酸化鉄、青色顔料としてコバルトブルー、群青などが挙げられる。また、有機顔料としては、黄色はモノアゾ、縮合アゾ、アンスラキノン、ジスアゾ、複素環、赤色はキナクリドン、アンスラキノン、ペリレン、モノアゾ、青色はフタロシアニン、緑色はフタロシアニンなどが挙げられる。さらに、染料としては、黄色はモノアゾ、アンスラキノン、ジスアゾ、複素環、赤色はアンスラキノン、ペリノン、チオインヂゴ、ジスアゾ、青色はアンスラキノンなどが挙げられる。
着色剤としては、無機顔料、有機顔料、染料などが挙げられる。このうち、無機顔料としては、白色顔料として酸化チタン、硫酸バリウム、硫化亜鉛、酸化亜鉛、黄色顔料として酸化鉄、チタンイエロー、赤色顔料として酸化鉄、青色顔料としてコバルトブルー、群青などが挙げられる。また、有機顔料としては、黄色はモノアゾ、縮合アゾ、アンスラキノン、ジスアゾ、複素環、赤色はキナクリドン、アンスラキノン、ペリレン、モノアゾ、青色はフタロシアニン、緑色はフタロシアニンなどが挙げられる。さらに、染料としては、黄色はモノアゾ、アンスラキノン、ジスアゾ、複素環、赤色はアンスラキノン、ペリノン、チオインヂゴ、ジスアゾ、青色はアンスラキノンなどが挙げられる。
上記着色剤の使用量は、好ましくは(A)熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.00001〜1質量部、より好ましくは0.0001〜0.7質量部、特に好ましくは0.0005〜0.7質量部である。着色剤が1質量部を超えると、成形体としての透明性が低下し、好ましくない。
本発明において、(A)、(B)の2成分又は着色剤を加えた3成分からなる樹脂組成物を調製するには、例えば、これらの各成分を、ヘンシェルミキサーなどで混合し、一般の押出機などで溶融混合してペレット化するなどの手段により得られるが、これに限定されるものではない。
なお、上記樹脂組成物には、必要に応じて、その特性を損なわない範囲で、他の添加剤、例えば離型剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、強化剤などを添加することができる。
本発明の樹脂組成物を射出成形などの公知の成形方法によって成形して得られる成形体に対してレーザーマーキングするには、例えば、これらの成形体に、ビーム径が20〜40μm、レーザー媒質がネオジウム変性イットリウム−アルミニウム−ガーネット又はイットリウム−四酸化バナジウム(YVO4)であるレーザー光線を照射して印字する、レーザーマーキング方法を採用することが好ましい。
本発明のレーザーマーキング方法において、レーザー光線としては、レーザービームはシングルモードでもマルチモードでもよく、またビーム径が20〜40μmのように絞ったもののほか、ビーム径が80〜100μmのごとく広いものについても用いることができるが、シングルモードで、ビーム径が20〜40μmの方が、印字発色部と下地部のコントラストを3以上とし、コントラストが良好な印字品質を得る点で好ましい。
本発明のレーザーマーキング用樹脂組成物を用いて成形してなる成形体は、レーザーマーク性に優れ、その表面(平面だけでなく、凹凸面や曲面)にレーザー光線で透明下地に黒文字、黒色記号及び黒色図柄などを、容易かつ鮮明に描くことができ、例えばQRコード等の情報コードを解像度よくマーキングすることが可能である。しかも本発明の成形体は透明性に富むため、内視鏡やその関連部材、注射器、容器、メディアバッグなどの医療用途として極めて効果的に使用することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例における「部」および「%」は特に断りのない限り質量部および質量%を意味する。また、実施例における各種の評価、測定は、下記方法により実施した。
レーザー照射条件:
レーザー機器:ロフィン−バーゼル社 RSM30D(Nd:YAG)
波長:1064nm
走査速度:400mm/s
周波数:6,500Hz
電流値:38A
レーザー機器:ロフィン−バーゼル社 RSM30D(Nd:YAG)
波長:1064nm
走査速度:400mm/s
周波数:6,500Hz
電流値:38A
全光線透過率測定:
測定機種は、日本電色工業社製のNDH2000を用いて、全光線透過率を測定した。
目視による透過性評価:
◎は非常に良好、○は良好、△は若干良好、×は不良とした。
測定機種は、日本電色工業社製のNDH2000を用いて、全光線透過率を測定した。
目視による透過性評価:
◎は非常に良好、○は良好、△は若干良好、×は不良とした。
発色性評価:
測色計(グレタグマクベス社製 7000A)を用いて、L値を測定した。ここで、L値は数値が低いほど黒色度が高い。
総合評価(透過性及び視認性):
上記の全光線透過率、目視、及び発色性の結果から、総合評価を行った。◎は非常に良好、○は良好、△は若干良好、×は不良とした。
測色計(グレタグマクベス社製 7000A)を用いて、L値を測定した。ここで、L値は数値が低いほど黒色度が高い。
総合評価(透過性及び視認性):
上記の全光線透過率、目視、及び発色性の結果から、総合評価を行った。◎は非常に良好、○は良好、△は若干良好、×は不良とした。
(実施例1)
全光線透過率が84.3%のポリプロピレン(暁星社製、商品名:HJ700)100質量部に対し、カーボンブラック(三菱化学社製、商品グレード:#45)0.0001質量部を添加し、高速ミキサーで均一混合し、押出機、ペレタイザーにて造粒してコンパウンドを調製した。
そして、まず射出成形機にて厚み3.0mmの平板プレートを作製し、Nd:YAGレーザーを使用してマーキングされた箇所の発色性を測定するとともに平板プレートの透過性を測定した。その結果を表1に示す。
全光線透過率が84.3%のポリプロピレン(暁星社製、商品名:HJ700)100質量部に対し、カーボンブラック(三菱化学社製、商品グレード:#45)0.0001質量部を添加し、高速ミキサーで均一混合し、押出機、ペレタイザーにて造粒してコンパウンドを調製した。
そして、まず射出成形機にて厚み3.0mmの平板プレートを作製し、Nd:YAGレーザーを使用してマーキングされた箇所の発色性を測定するとともに平板プレートの透過性を測定した。その結果を表1に示す。
(実施例2〜3)
カーボンブラックの添加量を変えたこと以外は、実施例1と同様にして、平板プレートの発色性及び透過性を測定した。結果を表1に示す。
カーボンブラックの添加量を変えたこと以外は、実施例1と同様にして、平板プレートの発色性及び透過性を測定した。結果を表1に示す。
(実施例4)
全光線透過率が84.3%のポリプロピレン(暁星社製、商品名:HJ700)100質量部に対し、雲母(メルクジャパン社製、商品名:LS825)0.001質量部を添加し、高速ミキサーで均一混合し、押出機、ペレタイザーにて造粒してコンパウンドを調製した。
そして、まず射出成形機にて厚み3.0mmの平板プレートを作製し、Nd:YAGレーザーを使用してマーキングされた箇所の発色性を測定するとともに平板プレートの透過性を測定した。その結果を表1に示す。
全光線透過率が84.3%のポリプロピレン(暁星社製、商品名:HJ700)100質量部に対し、雲母(メルクジャパン社製、商品名:LS825)0.001質量部を添加し、高速ミキサーで均一混合し、押出機、ペレタイザーにて造粒してコンパウンドを調製した。
そして、まず射出成形機にて厚み3.0mmの平板プレートを作製し、Nd:YAGレーザーを使用してマーキングされた箇所の発色性を測定するとともに平板プレートの透過性を測定した。その結果を表1に示す。
(実施例5〜6)
雲母の添加量を変えたこと以外は、実施例4と同様にして、平板プレートの発色性及び透過性を測定した。結果を表1に示す。
雲母の添加量を変えたこと以外は、実施例4と同様にして、平板プレートの発色性及び透過性を測定した。結果を表1に示す。
(実施例7)
全光線透過率が84.3%のポリプロピレン(暁星社製、商品名:HJ700)100質量部に対し、カーボンブラック(三菱化学社製、商品グレード:#45)0.01質量部及び雲母(メルクジャパン社製、商品名:LS825)0.1質量部を添加し、高速ミキサーで均一混合し、押出機、ペレタイザーにて造粒してコンパウンドを調製した。
そして、まず射出成形機にて厚み3.0mmの平板プレートを作製し、Nd:YAGレーザーを使用してマーキングされた箇所の発色性を測定するとともに平板プレートの透過性を測定した。その結果を表1に示す。
全光線透過率が84.3%のポリプロピレン(暁星社製、商品名:HJ700)100質量部に対し、カーボンブラック(三菱化学社製、商品グレード:#45)0.01質量部及び雲母(メルクジャパン社製、商品名:LS825)0.1質量部を添加し、高速ミキサーで均一混合し、押出機、ペレタイザーにて造粒してコンパウンドを調製した。
そして、まず射出成形機にて厚み3.0mmの平板プレートを作製し、Nd:YAGレーザーを使用してマーキングされた箇所の発色性を測定するとともに平板プレートの透過性を測定した。その結果を表1に示す。
(実施例8)
カーボンブラック及び雲母の添加量を変えたこと以外は、実施例7と同様にして、平板プレートの発色性及び透過性を測定した。結果を表1に示す。
カーボンブラック及び雲母の添加量を変えたこと以外は、実施例7と同様にして、平板プレートの発色性及び透過性を測定した。結果を表1に示す。
(比較例1)
カーボンブラック、雲母を添加しないで、実施例1と同様にして、平板プレートの発色性及びコントラストを測定した。結果を表1に示す。
カーボンブラック、雲母を添加しないで、実施例1と同様にして、平板プレートの発色性及びコントラストを測定した。結果を表1に示す。
(比較例2)
カーボンブラック及び雲母の添加量を変えたこと以外は、実施例7と同様にして、平板プレートの発色性及び透過性を測定した。結果を表1に示す。
カーボンブラック及び雲母の添加量を変えたこと以外は、実施例7と同様にして、平板プレートの発色性及び透過性を測定した。結果を表1に示す。
(実施例9)
全光線透過率が89.1%のポリカーボネート(出光興産社製、商品名:タフロンA1900)100質量部に対し、カーボンブラック(三菱化学社製、商品グレード:#45)0.0001質量部を添加し、高速ミキサーで均一混合し、押出機、ペレタイザーにて造粒してコンパウンドを調製した。
そして、まず射出成形機にて厚み3.0mmの平板プレートを作製し、Nd:YAGレーザーを使用してマーキングされた箇所の発色性を測定するとともに平板プレートの透過性を測定した。その結果を表2に示す。
全光線透過率が89.1%のポリカーボネート(出光興産社製、商品名:タフロンA1900)100質量部に対し、カーボンブラック(三菱化学社製、商品グレード:#45)0.0001質量部を添加し、高速ミキサーで均一混合し、押出機、ペレタイザーにて造粒してコンパウンドを調製した。
そして、まず射出成形機にて厚み3.0mmの平板プレートを作製し、Nd:YAGレーザーを使用してマーキングされた箇所の発色性を測定するとともに平板プレートの透過性を測定した。その結果を表2に示す。
(実施例10〜11)
カーボンブラックの添加量を変えたこと以外は、実施例9と同様にして、平板プレートの発色性及び透過性を測定した。結果を表2に示す。
カーボンブラックの添加量を変えたこと以外は、実施例9と同様にして、平板プレートの発色性及び透過性を測定した。結果を表2に示す。
(実施例12)
全光線透過率が89.1%のポリカーボネート(出光興産社製、商品名:タフロンA1900)100質量部に対し、雲母(メルクジャパン社製、商品名:LS825)0.01質量部を添加し、高速ミキサーで均一混合し、押出機、ペレタイザーにて造粒してコンパウンドを調製した。
そして、まず射出成形機にて厚み3.0mmの平板プレートを作製し、Nd:YAGレーザーを使用してマーキングされた箇所の発色性を測定するとともに平板プレートの透過性を測定した。その結果を表2に示す。
全光線透過率が89.1%のポリカーボネート(出光興産社製、商品名:タフロンA1900)100質量部に対し、雲母(メルクジャパン社製、商品名:LS825)0.01質量部を添加し、高速ミキサーで均一混合し、押出機、ペレタイザーにて造粒してコンパウンドを調製した。
そして、まず射出成形機にて厚み3.0mmの平板プレートを作製し、Nd:YAGレーザーを使用してマーキングされた箇所の発色性を測定するとともに平板プレートの透過性を測定した。その結果を表2に示す。
(実施例13)
全光線透過率が89.1%のポリカーボネート(出光興産社製、商品名:タフロンA1900)100質量部に対し、カーボンブラック(三菱化学社製、商品グレード:#45)0.01質量部及び雲母(メルクジャパン社製、商品名:LS825)0.02質量部を添加し、高速ミキサーで均一混合し、押出機、ペレタイザーにて造粒してコンパウンドを調製した。
そして、まず射出成形機にて厚み3.0mmの平板プレートを作製し、Nd:YAGレーザーを使用してマーキングされた箇所の発色性を測定するとともに平板プレートの透過性を測定した。その結果を表2に示す。
全光線透過率が89.1%のポリカーボネート(出光興産社製、商品名:タフロンA1900)100質量部に対し、カーボンブラック(三菱化学社製、商品グレード:#45)0.01質量部及び雲母(メルクジャパン社製、商品名:LS825)0.02質量部を添加し、高速ミキサーで均一混合し、押出機、ペレタイザーにて造粒してコンパウンドを調製した。
そして、まず射出成形機にて厚み3.0mmの平板プレートを作製し、Nd:YAGレーザーを使用してマーキングされた箇所の発色性を測定するとともに平板プレートの透過性を測定した。その結果を表2に示す。
(実施例14〜16)
カーボンブラック及び雲母の添加量を変えたこと以外は、実施例13と同様にして、平板プレートの発色性及び透過性を測定した。結果を表2に示す。
カーボンブラック及び雲母の添加量を変えたこと以外は、実施例13と同様にして、平板プレートの発色性及び透過性を測定した。結果を表2に示す。
(比較例3)
カーボンブラック、雲母を添加しないで、実施例9と同様にして、平板プレートの発色性及びコントラストを測定した。結果を表2に示す。
カーボンブラック、雲母を添加しないで、実施例9と同様にして、平板プレートの発色性及びコントラストを測定した。結果を表2に示す。
(比較例4)
カーボンブラック及び雲母の添加量を変えたこと以外は、実施例13と同様にして、平板プレートの発色性及び透過性を測定した。結果を表2に示す。
カーボンブラック及び雲母の添加量を変えたこと以外は、実施例13と同様にして、平板プレートの発色性及び透過性を測定した。結果を表2に示す。
(実施例17)
全光線透過率が92.5%の開環メタセシス重合体水素化ポリマー(日本ゼオン社製、商品名:ZEONEX480)100質量部に対し、カーボンブラック(三菱化学社製、商品グレード:#45)0.0001質量部を添加し、高速ミキサーで均一混合し、押出機、ペレタイザーにて造粒してコンパウンドを調製した。
そして、まず射出成形機にて厚み3.0mmの平板プレートを作製し、Nd:YAGレーザーを使用してマーキングされた箇所の発色性を測定するとともに平板プレートの透過性を測定した。その結果を表3に示す。
全光線透過率が92.5%の開環メタセシス重合体水素化ポリマー(日本ゼオン社製、商品名:ZEONEX480)100質量部に対し、カーボンブラック(三菱化学社製、商品グレード:#45)0.0001質量部を添加し、高速ミキサーで均一混合し、押出機、ペレタイザーにて造粒してコンパウンドを調製した。
そして、まず射出成形機にて厚み3.0mmの平板プレートを作製し、Nd:YAGレーザーを使用してマーキングされた箇所の発色性を測定するとともに平板プレートの透過性を測定した。その結果を表3に示す。
(実施例18)
全光線透過率が92.5%の開環メタセシス重合体水素化ポリマー(日本ゼオン社製、商品名:ZEONEX480)100質量部に対し、雲母(メルクジャパン社製、商品名:LS825)0.01質量部を添加し、高速ミキサーで均一混合し、押出機、ペレタイザーにて造粒してコンパウンドを調製した。
そして、まず射出成形機にて厚み3.0mmの平板プレートを作製し、Nd:YAGレーザーを使用してマーキングされた箇所の発色性を測定するとともに平板プレートの透過性を測定した。その結果を表3に示す。
全光線透過率が92.5%の開環メタセシス重合体水素化ポリマー(日本ゼオン社製、商品名:ZEONEX480)100質量部に対し、雲母(メルクジャパン社製、商品名:LS825)0.01質量部を添加し、高速ミキサーで均一混合し、押出機、ペレタイザーにて造粒してコンパウンドを調製した。
そして、まず射出成形機にて厚み3.0mmの平板プレートを作製し、Nd:YAGレーザーを使用してマーキングされた箇所の発色性を測定するとともに平板プレートの透過性を測定した。その結果を表3に示す。
(実施例19)
雲母の添加量を変えたこと以外は、実施例18と同様にして、平板プレートの発色性及び透過性を測定した。結果を表3に示す。
雲母の添加量を変えたこと以外は、実施例18と同様にして、平板プレートの発色性及び透過性を測定した。結果を表3に示す。
(実施例20)
全光線透過率が92.5%の開環メタセシス重合体水素化ポリマー(日本ゼオン社製、商品名:ZEONEX480)100質量部に対し、カーボンブラック(三菱化学社製、商品グレード:#45)0.01質量部及び雲母(メルクジャパン社製、商品名:LS825)0.05質量部を添加し、高速ミキサーで均一混合し、押出機、ペレタイザーにて造粒してコンパウンドを調製した。
そして、まず射出成形機にて厚み3.0mmの平板プレートを作製し、Nd:YAGレーザーを使用してマーキングされた箇所の発色性を測定するとともに平板プレートの透過性を測定した。その結果を表3に示す。
全光線透過率が92.5%の開環メタセシス重合体水素化ポリマー(日本ゼオン社製、商品名:ZEONEX480)100質量部に対し、カーボンブラック(三菱化学社製、商品グレード:#45)0.01質量部及び雲母(メルクジャパン社製、商品名:LS825)0.05質量部を添加し、高速ミキサーで均一混合し、押出機、ペレタイザーにて造粒してコンパウンドを調製した。
そして、まず射出成形機にて厚み3.0mmの平板プレートを作製し、Nd:YAGレーザーを使用してマーキングされた箇所の発色性を測定するとともに平板プレートの透過性を測定した。その結果を表3に示す。
(実施例21〜22)
カーボンブラック及び雲母の添加量を変えたこと以外は、実施例20と同様にして、平板プレートの発色性及び透過性を測定した。結果を表3に示す。
カーボンブラック及び雲母の添加量を変えたこと以外は、実施例20と同様にして、平板プレートの発色性及び透過性を測定した。結果を表3に示す。
(比較例5)
カーボンブラック、雲母を添加しないで、実施例18と同様にして、平板プレートの発色性及びコントラストを測定した。結果を表3に示す。
カーボンブラック、雲母を添加しないで、実施例18と同様にして、平板プレートの発色性及びコントラストを測定した。結果を表3に示す。
表1〜3の結果から、実施例1〜22のように、カーボンブラック及び/又は雲母という特定の添加剤を用いる場合には、レーザー光線照射によって透明下地に黒文字等が明瞭に発現しているが、比較例1、3、5のように、カーボンブラックや雲母を用いない場合には発色せず、また、比較例2、4のように、カーボンブラック及び雲母の添加量が所定量を超えて多い場合には発色はするものの、透過性が悪化することがわかる。
本発明に係るレーザーマーキング用樹脂組成物とその成形体及びレーザーマーキング方法は、透明な成形体表面に、黒文字、黒色記号、黒色図柄等がコントラスト良好に鮮明にマーキングされ、例えばQRコード等の情報コードを解像度よくマーキングすることが可能であり、その成形体は透明性に優れるため、内視鏡やその関連部材などの医療用途として極めて好適である。特に、医療分野では、ラベルの貼付ミスや剥がれがなくなり、かつ、医療部品の内容物の量が確認可能になるため、医療ミスの防止に大いに貢献し得る。更に、注射器、容器、メディアバッグ等の凹凸面や曲面を有する医療部品の表面へのマーキング(印字表示)に好ましく適用できる。
Claims (4)
- (A)全光線透過率が40%以上の透明性を有する熱可塑性樹脂100質量部に対して、(B)カーボンブラック及び/又は雲母を0.00001〜1質量部を含有してなる、医療用のレーザーマーキング用樹脂組成物。
- 前記(A)透明性を有する熱可塑性樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、フッ素系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、及び熱可塑性エラストマーからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載のレーザーマーキング用樹脂組成物。
- 請求項1又は2に記載の樹脂組成物を成形してなる成形体。
- 請求項3に記載の成形体に、ビーム径が20〜40μm、レーザー媒質がネオジウム変性イットリウム−アルミニウム−ガーネット又はイットリウム−四酸化バナジウムであるレーザー光線を照射して印字する、レーザーマーキング方法。
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JP2006058926A JP2007238653A (ja) | 2006-03-06 | 2006-03-06 | 医療用のレーザーマーキング用樹脂組成物、成形体及びレーザーマーキング方法 |
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Cited By (3)
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JP2014528736A (ja) * | 2011-06-14 | 2014-10-30 | アプター フランス エスアーエス | 流体ディスペンサ装置及び当該装置の製造方法 |
JP2017086960A (ja) * | 2009-12-04 | 2017-05-25 | ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニーBecton, Dickinson And Company | 薬剤を収容し、分注するためのカートリッジ |
WO2019223007A1 (en) * | 2018-05-25 | 2019-11-28 | Evonik Degussa Gmbh | Laser markable materials comprising a polyamide component and carbon black |
-
2006
- 2006-03-06 JP JP2006058926A patent/JP2007238653A/ja not_active Withdrawn
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US10751471B2 (en) | 2009-12-04 | 2020-08-25 | Becton, Dickinson And Company | Cartridge for containing and dispensing a medicament |
JP2014528736A (ja) * | 2011-06-14 | 2014-10-30 | アプター フランス エスアーエス | 流体ディスペンサ装置及び当該装置の製造方法 |
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