JP2011053508A - 投写型可変焦点レンズおよび投写型表示装置 - Google Patents

投写型可変焦点レンズおよび投写型表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】4群レンズ構成とされ、小型化、軽量化を図り得る明るい投写型可変焦点レンズおよび投写型表示装置を得る。
【解決手段】レンズ6枚または7枚で構成され、負の屈折力を有する第1群G1、正レンズ1枚からなる第2群G2、正レンズ1枚からなる第3群G3、および正の屈折力を有する第4群G4が配列され、変倍時において、第1群G1と第4群G4は固定とされる一方、広角端から望遠端に向かうにしたがって、第2群G2と第3群G3が互いに独立に拡大側から縮小側に移動するように構成されている。さらに縮小側がテレセントリックな構成とされている。
【選択図】図1

Description

本発明は、投写型表示装置等に搭載される6枚または7枚構成の可変焦点レンズおよびその可変焦点レンズを搭載した投写型表示装置に関し、特に、透過型あるいは反射型の液晶表示装置やDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)表示装置等のライトバルブからの映像情報を担持した光束をスクリーン上に拡大投写する小型の投写型可変焦点レンズおよび投写型表示装置に関するものである。
近年、液晶表示装置やDMD表示装置等のライトバルブを用いた投写型表示装置が広く普及しているが、これに搭載される投写レンズとしても、より高性能で、より明るく、より小型、軽量のものが強く要求されている。
これらの要求をある程度満たす投写用の4群構成のズームレンズとしては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。
特開2006−39033号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のものは構成レンズの枚数が多めであり、また広角端でのF値が2.4と必ずしも明るくなく、明るくしようとすると移動群の構成レンズの枚数がさらに多くなったり、構成レンズの径が大きくなり過ぎたりして、小型、軽量化という要求を良好に満足することが難しかった。
本発明は、4群レンズ構成とされ、小型化、軽量化を図り得る明るい投写型可変焦点レンズおよび投写型表示装置を提供することを目的とするものである。
本発明の投写型可変焦点レンズは、
拡大側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群、正の屈折力を有する単レンズからなる第2レンズ群、正の屈折力を有する単レンズからなる第3レンズ群、および正の屈折力を有する第4レンズ群が配列され、
変倍時において、前記第1レンズ群と前記第4レンズ群は固定とされる一方、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群は、広角端から望遠端に向かうにしたがって、縮小側から拡大側に移動し、
縮小側がテレセントリックな構成とされてなることを特徴とするものである。
また、以下の条件式(1)〜(4)のうち少なくとも1つの条件式を満足することが好ましい。
−2.0 ≦ f1/fw ≦−0.5・・・(1)
1.0 ≦ f4/fw ≦ 5.0・・・・(2)
1.0 ≦ Bf/fw・・・・・・・・・・(3)
0.2 ≦ f2/f3 ≦ 1.8・・・・(4)
ここで、
fw:広角端の全系焦点距離
f1:前記第1レンズ群の焦点距離
f2:前記第2レンズ群の焦点距離
f3:前記第3レンズ群の焦点距離
f4:前記第4レンズ群の焦点距離
Bf:広角端でのバックフォーカス
また、前記第1レンズ群が、少なくとも1面が非球面からなる非球面レンズを有することが好ましい。
また、前記第1レンズ群が1枚もしくは2枚のレンズで構成されていることが好ましい。
また、前記第3レンズ群が、拡大側から順に、縮小側に凹面を向けた負レンズ、縮小側に凸面を向けた正レンズ、および正レンズの3枚のレンズで構成されていることが好ましい。
また、本発明の投写型表示装置は、光源と、ライトバルブと、該光源からの光束を該ライトバルブへ導く照明光学部と、上記いずれかの投写型可変焦点レンズとを備え、前記光源からの光束を前記ライトバルブで光変調し、前記投写型可変焦点レンズによりスクリーンに投写することを特徴とするものである。
ここで、「可変焦点レンズ」とは、バリフォーカルレンズとズームレンズとを含めたものである。ここで、バリフォーカルレンズとは、ズームレンズと異なり、変倍により共役長が変化した際に、これに伴うピントのずれをフォーカシングにより調整するものである。
また、上記「拡大側」とは、被投写側(スクリーン側)を意味し、縮小投影する場合も、便宜的にスクリーン側を拡大側と称するものとする。一方、上記「縮小側」とは、原画像表示領域側(ライトバルブ側)を意味し、縮小投影する場合も、便宜的にライトバルブ側を縮小側と称するものとする。
本発明の投写型可変焦点レンズによれば、変倍時の移動群である、第2レンズ群と第3レンズ群を、それぞれ正の単レンズで構成しており、これにより、移動群のレンズ枚数を極限まで低減させることができ、レンズ系の小型化、軽量化を達成することができる。
また、最も拡大側の第1レンズ群を負とすることで、負の屈折力のレンズ群が先行するように構成しており、比較的簡単に広画角と長いバックフォーカスを確保することができる。
一方、変倍時において、正の第2レンズ群と正の第3レンズ群を移動せしめ、該第2レンズ群は、広角端から望遠端への移動に応じ、光軸に沿って縮小側から拡大側に移動させるようにしており、これにより、第2レンズ群に補正群としての機能のみならず変倍群としての機能を持たせるとことができ、変倍全域における収差の変動(特に非点収差や像面湾曲)を抑制することができ、少ないレンズ枚数で高性能な投写用可変焦点レンズを構成することが可能となる。
すなわち、上記第1レンズ群が負であることから、軸上および軸外の光線は、ともに高い位置で第2レンズ群に入射することになる。この第2レンズ群を正とすることで、軸外光線に対して非点収差等の収差を大きく補正する作用をもたせることができるが、可変焦点レンズの場合には、この大きな収差補正作用が逆に欠点ともなり、変倍時におけるレンズ移動に伴う収差の変動(特に非点収差)が大きくなってしまう。そこで、本願発明の投写型可変焦点レンズにおいては、この変倍時における収差の変動を抑制するために、広角端から望遠端に向かうにしたがい、第2レンズ群が縮小側から拡大側に移動するようにし、変倍時において、第2レンズ群に入射する軸外光線の光線高が余り変化しない高さで保つことができるようにしている。これにより、非点収差などの軸外収差への収差補正効果を常に発揮することが可能となる。同時に、非点収差の大きさ自体も低減させることができる。
これにより、本発明の投写型可変焦点レンズによれば、小型化、軽量化を達成した明るいレンズ系とすることができる。
また、本発明の投写型表示装置は、本発明の投写型可変焦点レンズを用いていることにより、小型化、軽量化を促進することができる。
本発明の実施例1に係る投写型可変焦点レンズの構成を表す図である。 本発明の実施例2に係る投写型可変焦点レンズの構成を表す図である。 本発明の実施例3に係る投写型可変焦点レンズの構成を表す図である。 本発明の実施例4に係る投写型可変焦点レンズの構成を表す図である。 本発明の実施例5に係る投写型可変焦点レンズの構成を表す図である。 実施例1に係る投写型可変焦点レンズの諸収差図である。 実施例2に係る投写型可変焦点レンズの諸収差図である。 実施例3に係る投写型可変焦点レンズの諸収差図である。 実施例4に係る投写型可変焦点レンズの諸収差図である。 実施例5に係る投写型可変焦点レンズの諸収差図である。 本発明の投写型表示装置の主要部の概略構成を表す図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1に示すように、本発明の実施形態(実施例1のものを代表させて示している)の投写型可変焦点レンズは、レンズ6枚(実施例1、2、3)または7枚(実施例4、5)で構成され、負の屈折力を有する第1レンズ群G1、正の屈折力を有する単レンズからなる第2レンズ群G2、正の屈折力を有する単レンズからなる第3レンズ群G3、および正の屈折力を有する第4レンズ群G4が配列され、変倍時において、第1レンズ群と第4レンズ群G4は固定とされる一方、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3は可動とされ、これら第2レンズ群G2と第3レンズ群G3は、広角端から望遠端に向かうにしたがって、縮小側から拡大側に移動するように構成され、さらに、レンズ系の縮小側は略テレセントリックな構成とされている。
また、レンズ系の縮小側には、図1等に示すように、色合成プリズムを主とするガラスブロック2および3つ以上の液晶表示パネル等のライトバルブの画像表示面1が配設される。ただし、1枚のライトバルブを用いた、いわゆる単板タイプのものにおいては、色合成プリズムは不要とされる。
また、例えば、図2等に示すように第2レンズ群G2中、あるいはその他の位置にマスク3を配置することが可能である。
また、本願明細書における「マスク」とは、軸外光線の上側光線または下側光線の一部を遮光する機能を有するものである。このような遮光の作用により、軸外光線の上側光線と下側光線のバランスを保つことができ、色むらの発生を防ぐことができる。
なお、マスクは、軸外光線の上側光線と下側光線を制限し、明るさを規定する開口絞りとすることも可能である。
なお、フォーカシング時には、1つのレンズ群、例えば第3レンズ群G3(以下の各実施例については第3レンズ群G3)を光軸Zに沿って移動させるように構成される。
このように、本実施形態の投写型可変焦点レンズによれば、変倍時の移動群である、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3を、それぞれ1枚の正レンズ(単レンズ)で構成しており、これにより、移動群のレンズ枚数を極限まで低減させることができ、レンズ系の小型化、軽量化を達成することができる。また、レンズ駆動機構等も小型、かつ低コストなものとすることができる。
また、最も拡大側の第1レンズ群G1(第1レンズL1)を負とすることで、広画角と長いバックフォーカスを容易に確保することができるようにしている。
一方、広角端から望遠端に向かって変倍する際において、正の第2レンズ群G2を光軸に沿って縮小側から拡大側に移動させるようにしており、これにより、第2レンズ群G2に補正群としての機能のみならず変倍群としての機能を持たせることができ、変倍全域において、特に非点収差や像面湾曲などの収差の変動を抑制することができ、少ないレンズ枚数で高性能な投写用可変焦点レンズを構成することが可能となるようにしている。
すなわち、広角端から望遠端に向かうにしたがって、第2レンズ群G2を縮小側から拡大側に移動させ、変倍時において、第2レンズ群G2に入射する軸外光線の光線高が余り変化しない高さを保つようにしているので、非点収差などの軸外収差に対する収差変動抑制効果を常に発揮できる。同時に、非点収差自体も低減させることができる。
上述したように構成されたレンズ枚数を合計すると6枚または7枚であり、このように少ないレンズ枚数は、ズームレンズとして構成することも可能であるが、いわゆるバリフォーカルレンズを用いることで、より容易に構成しうる。また、その場合には、変倍時におけるレンズ群の連携移動における制約を排除することが可能であるから、変倍時における収差変動を大幅に改善することができる。
ここで、「可変焦点レンズ」とは、いわゆるバリフォーカルレンズとズームレンズの両者を含む概念であり、そのうち、「バリフォーカルレンズ」とは、変倍時において共役長が変化した際に生じるピントのずれに応じたフォーカシング操作が必要となるものである。そして、変倍時の移動群が2群である場合でも、これら2つの移動群が互いに独立に移動することで、各移動レンズ群を連携させるためのカム機構等の複雑なレンズ駆動機構が不要である。
なお、「バリフォーカルレンズ」に比して、「ズームレンズ」は、変倍時において共役長が一定となるように調整し、その共役長の若干のズレ量をフォーカシングレンズにより調整することになるが、変倍時には2つ以上の移動群がズーム用カム機構などを用いて、相互に所定の規則にしたがって移動するものであり、一般に、小型化、軽量化および低廉化の点で不利となる。
また、本実施形態に係る投写型可変焦点レンズにおいては、下記条件式(1)〜(4)を満足することが好ましい。
−2.0 ≦ f1/fw ≦−0.5・・・(1)
1.0 ≦ f4/fw ≦ 5.0・・・・(2)
1.0 ≦ Bf/fw・・・・・・・・・・(3)
0.2 ≦ f2/f3 ≦ 1.8・・・・(4)
ここで、
fw:広角端の全系焦点距離
f1:第1レンズ群G1の焦点距離
f2:第2レンズ群G2の焦点距離
f3:第3レンズ群G3の焦点距離
f4:第4レンズ群G4の焦点距離
Bf:広角端でのバックフォーカス
ここで、上述した条件式(1)、(2)、(3)、(4)の技術的意義について説明する。
まず、上述した条件式(1)は、収差補正を良好なものとし、レンズバックの距離を適切な長さとするための範囲を規定するための式である。この条件式(1)の下限を下回ると、第1レンズ群G1の負の屈折力が弱くなり過ぎて、レンズバックが短くなり過ぎ、その結果、第1レンズ群G1の外径を大きくせざるを得なくなってコンパクト化が困難となる。一方、その上限を上回ると、第1レンズ群G1の負の屈折力が強くなり過ぎて、コマ収差、像面湾曲等の軸外収差を良好に保つのが困難になるばかりでなく、レンズバックが長くなり過ぎ、系の大型化を招来する。
このような観点から、上記条件式(1)に替えて下記条件式(1´)を満足することがより好ましい。
−1.5 ≦ f1/fw ≦−0.8・・・・(1´)
また、上述した条件式(2)は、倍率色収差を良好なものとし、かつテレセントリック性を実現するための条件式である。すなわち、その下限を下回ると、第4レンズ群G4の屈折力が強くなり過ぎ、倍率色収差の発生量が大きくなり過ぎて、他のレンズ群によって倍率色収差を良好に補正することが困難となる。一方、その上限を上回ると、第4レンズ群G4の屈折力が弱くなり過ぎ、縮小側をテレセントリックな状態とすることが困難となる。
このような観点から、上記条件式(2)に替えて下記条件式(2´)を満足することがより好ましい。
1.5 ≦ f4/fw ≦ 4.0・・・・(2´)
また、上述した条件式(3)は、バックフォーカスの大きさを規定する式である。
この条件式(3)の下限を下回ると、このレンズ系とライトバルブとの間に色合成プリズム等の色合成部を挿入することが困難となる。
このような観点から、上記条件式(3)に替えて下記条件式(3´)を満足することがより好ましい。
1.1 ≦ Bf/fw ≦1.9・・・・(3´)
また、上述した条件式(4)は、第2レンズ群G2の焦点距離と第3レンズ群G3の焦点距離の比、すなわち2つの移動群同士のパワーの比を規定するものであり、この条件式(4)の下限を下回ると、第3レンズ群G3のパワーが第2レンズ群G2のパワーに比して弱くなり、第3レンズ群G3の移動距離を大きくとらないと所望の変倍比が得られないばかりか、レンズ系の大型化を招来する。一方、その上限を上回ると、第2レンズ群G2のパワーが第3レンズ群G3のパワーに比して弱くなり、第2レンズ群G2の移動距離を大きくとらないと所望の変倍比が得られないばかりか、レンズ系の大型化を招来する。
このような観点から、上記条件式(4)に替えて下記条件式(4´)を満足することがより好ましい。
0.4 ≦ f2/f3 ≦ 1.4・・・・(4´)
なお、第1レンズ群G1が1枚もしくは2枚のレンズで構成されていることが好ましい。
また、第3レンズ群G3は、拡大側から順に、縮小側に凹面を向けた負レンズ、縮小側に凸面を向けた正レンズ、および正レンズの3枚のレンズで構成されていることが好ましい。
ここで、下記各実施例の投写型可変焦点レンズは、いずれも、第1レンズ群G1のレンズ(実施例1では第1レンズL1および第2レンズL2、その他の実施例では第1レンズL1)が、少なくとも1面の非球面を含むものであり、これによって、ディストーションの補正を有利なものとすることができる。なお、第1レンズL1の少なくとも1面を非球面とすることにより、画角毎に収差を適切に補正することができる。なお、その非球面形状は下記非球面式により表わされる。
Figure 2011053508
次に、上述した投写型可変焦点レンズを搭載した投写型表示装置の一例を図11により説明する。図11に示す投写型表示装置は、ライトバルブとして透過型液晶パネル11a〜cを備え、投写型可変焦点レンズとして上述した実施形態に係る投写型可変焦点レンズ10を用いている。また、光源とダイクロイックミラー12の間には、フライアイ等のインテグレータ(図示を省略)が配されており、光源からの白色光は照明光学部を介して、3つの色光光束(G光、B光、R光)にそれぞれ対応する液晶パネル11a〜cに入射されて光変調され、クロスダイクロイックプリズム14により色合成され、投写型可変焦点レンズ10により図示されないスクリーン上に投写される。この装置は、色分解のためのダイクロイックミラー12、13、色合成のためのクロスダイクロイックプリズム14、コンデンサレンズ16a〜c、全反射ミラー18a〜cを備えている。本実施形態の投写型表示装置は、本実施形態に係る投写型可変焦点レンズを用いているので、高変倍可能な構成でありながら、小型化、軽量化および低廉化を図ることができ、また、高い光学性能を維持することができる。
なお、本発明の投写型可変焦点レンズは透過型の液晶表示パネルを用いた投写型表示装置の投写型可変焦点レンズとしての使用態様に限られるものではなく、反射型の液晶表示パネルあるいはDMD等の他の光変調手段を用いた装置の投写型可変焦点レンズ等として用いることも可能である。
以下、具体的な実施例を用いて、本発明の投写型可変焦点レンズをさらに説明する。
<第1の実施例群>
この第1の実施例群は、下記実施例1、2、3に係る投写型可変焦点レンズを含むものであり、第1レンズL1からなる第1レンズ群G1と、第2レンズL2からなる第2レンズ群G2と、第3レンズL3からなる第3レンズ群G3と、第4レンズL4〜第6レンズL6からなる第4レンズ群G4とからなり、変倍時において、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3とが互いに独立して移動するように構成されている。
この実施例1にかかる投写型可変焦点レンズは、図1に示す如き構成とされている。
すなわちこの投写型可変焦点レンズは、拡大側から順に、第1レンズ群G1が、縮小側に凹面を向けた両面非球面の負のメニスカスレンズ(軸上)よりなる第1レンズL1からなる。また、第2レンズ群G2は、縮小側に凸面を向けた両面非球面の正のメニスカスレンズ(軸上)よりなる第2レンズL2からなる。また、第3レンズ群G3は、両凸レンズよりなる第3レンズL3からなる。さらに、第4レンズ群G4は、両凹レンズよりなる第4レンズL4、縮小側に凸面を向けた正のメニスカスレンズよりなる第5レンズL5、および両凸レンズよりなる第6レンズL6からなる。
また、変倍時には、第1レンズ群G1および第4レンズ群G4がともに固定とされるが、広角端から望遠端への移行に伴い、第2レンズ群G2および第3レンズ群G3がともに光軸Zに沿って拡大側に移動する。
また、フォーカシングは、第3レンズ群G3を光軸Z方向に移動させることにより行われる(バリフォーカルレンズタイプとされている)。
この実施例1における各レンズ面の曲率半径R(レンズ全系の広角端での焦点距離を1.00として規格化されている;以下の各表において同じ)、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔D(軸上面間隔)(上記曲率半径Rと同様に規格化されている;以下の各表において同じ)、各レンズのd線における屈折率Ndおよびアッベ数νdを表1の上段に示す。なお、この表1および後述する表2〜5において、各記号R、D、Nd、νdに対応させた数字は拡大側から順次増加するようになっており、面番号の右側に*印が付された面は非球面とされている。
また、表1の中段には広角端(ワイド)、中間位置(ミドル)および望遠端(テレ)の各々における、可変間隔1(第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔(以下の各表において同じ))、および可変間隔2(第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔(以下の各表において同じ))および可変間隔3(第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔(以下の各表において同じ))が示されており、表1の下段には各非球面に対応する各定数K、A3〜A16の値が示されている。
Figure 2011053508
また、表6に実施例1における上記各条件式に対応する数値を示す。
図6は実施例1の投写型可変焦点レンズの広角端(ワイド)、中間位置(ミドル)および望遠端(テレ)における諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図である。なお、図6および以下の図7〜10において、各球面収差図にはd線、F線、C線の光に対する収差が示されており、各非点収差図にはサジタル像面およびタンジェンシャル像面についての収差が示されており、各倍率色収差図にはd線の光に対するF線およびC線の光についての収差が示されている。
この図6から明らかなように、実施例1の投写型可変焦点レンズによれば、広角端での画角2ωが44.2度と広角で、F値が2.20と明るく、各収差が良好に補正されている。
また、表6に示すように実施例1の投写型可変焦点レンズによれば、条件式(1)〜(4)、(1´)〜(4´)が全て満足されている。
この実施例2にかかる投写型可変焦点レンズは、図2に示す如き構成とされている。
すなわちこの投写型可変焦点レンズは、上記実施例1と略同様の構成とされているが、
第1レンズL1が両面非球面の両凹レンズ(軸上)からなる点、第2レンズL2が球面レンズから構成される両凸レンズからなる点、マスク3(マスクに替えて開口絞りとすることが可能:以下の実施例において同じ)が第2レンズ群G2内に配されている点、第3レンズL3が縮小側に凸面を向けた正のメニスカスレンズからなる点、第5レンズL5が両凸レンズからなる点において相違している。
また、実施例1のものと同様に、変倍時には、広角端から望遠端への移行に伴い、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3がともに、光軸Zに沿って拡大側に移動する。
また、フォーカシングは、第3レンズ群G3を光軸Z方向に移動させることにより行われる(バリフォーカルレンズタイプとされている)。
この実施例2における各レンズ面の曲率半径R、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔D、各レンズのd線における屈折率Ndおよびアッベ数νdを表2の上段に示す。
また、表2の中段には広角端(ワイド)、中間位置(ミドル)および望遠端(テレ)の各々における、可変間隔1、可変間隔2および可変間隔3が示されており、表2の下段には各非球面に対応する各定数K、A3〜A16の値が示されている。
Figure 2011053508
また、表6に実施例2における上記各条件式に対応する数値を示す。
図7は実施例2の投写型可変焦点レンズの広角端(ワイド)、中間位置(ミドル)および望遠端(テレ)における諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図である。
この図7から明らかなように、実施例2の投写型可変焦点レンズによれば、広角端での画角2ωが44.0度と広角で、F値が2.20と明るく、各収差が良好に補正されている。
また、表6に示すように実施例2の投写型可変焦点レンズによれば、条件式(1)〜(4)、(1´)〜(4´)が全て満足されている。
この実施例3にかかる投写型可変焦点レンズは、図3に示す如き構成とされている。
すなわちこの投写型可変焦点レンズは、上記実施例1と略同様の構成とされているが、第1レンズL1が複合非球面レンズ(最も縮小側の面が非球面)からなる点、第2レンズ群G2中にマスク3が設けられている点、第5レンズL5が両凸レンズからなる点、において相違している。
また、実施例1のものと同様に、変倍時には、広角端から望遠端への移行に伴い、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3がともに、光軸Zに沿って拡大側に移動する。
また、フォーカシングは、第3レンズ群G3を光軸Z方向に移動させることにより行われる(バリフォーカルレンズタイプとされている)。
この実施例3における各レンズ面の曲率半径R、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔D、各レンズのd線における屈折率Ndおよびアッベ数νdを表3の上段に示す。
また、表3の中段には広角端(ワイド)、中間位置(ミドル)および望遠端(テレ)の各々における、可変間隔1、可変間隔2および可変間隔3が示されており、表3の下段には各非球面に対応する各定数K、A3〜A16の値が示されている。
Figure 2011053508
また、表6に実施例3における上記各条件式に対応する数値を示す。
図8は実施例3の投写型可変焦点レンズの広角端(ワイド)、中間位置(ミドル)および望遠端(テレ)における諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図である。
この図8から明らかなように、実施例3の投写型可変焦点レンズによれば、広角端での画角2ωが44.0度と広角で、F値が2.20と明るく、各収差が良好に補正されている。
また、表6に示すように実施例3の投写型可変焦点レンズによれば、条件式(1)〜(4)、(1´)〜(4´)が全て満足されている。
<第2の実施例群>
この第2の実施例群は、下記実施例4、5に係る投写型可変焦点レンズを含むものであり、第1レンズL1および第2レンズL2からなる第1レンズ群G1と、第3レンズL3からなる第2レンズ群G2と、第4レンズL4からなる第3レンズ群G3と、第5レンズL5〜第7レンズL7からなる第4レンズ群G4とからなり、変倍時において、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3とが互いに独立して移動するように構成されている。
この実施例4にかかる投写型可変焦点レンズは、図4に示す如き構成とされている。
すなわちこの投写型可変焦点レンズは、拡大側から順に説明すると、まず第1レンズ群G1が、パワーの弱い両面非球面レンズよりなる第1レンズL1、および両凹レンズよりなる第2レンズL2からなる。また、第2レンズ群G2は、両凸レンズよりなる第3レンズL3、およびマスク3からなる。また、第3レンズ群G3は縮小側に凸面を向けた、両面非球面の正のメニスカスレンズ(軸上)よりなる第4レンズL4からなる。また、第4レンズ群G4は、両凹レンズよりなる第5レンズL5、両凸レンズよりなる第6レンズL6、および両凸レンズよりなる第7レンズL7からなる。
また、変倍時には、広角端から望遠端への移行に伴い、第2レンズ群G2および第3レンズ群G3がともに光軸Zに沿って拡大側に移動する。
また、フォーカシングは、第3レンズ群G3を光軸Z方向に移動させることにより行われる(バリフォーカルレンズタイプとされている)。
この実施例4における各レンズ面の曲率半径R、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔D、各レンズのd線における屈折率Ndおよびアッベ数νdを表4の上段に示す。
また、表4の中段には広角端(ワイド)、中間位置(ミドル)および望遠端(テレ)の各々における、可変間隔1、可変間隔2および可変間隔3が示されており、表4の下段には各非球面に対応する各定数K、A3〜A16の値が示されている。
Figure 2011053508
また、表6に実施例4における上記各条件式に対応する数値を示す。
図9は実施例4の投写型可変焦点レンズの広角端(ワイド)、中間位置(ミドル)および望遠端(テレ)における諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図である。
この図9から明らかなように、実施例4の投写型可変焦点レンズによれば、広角端での画角2ωが56.4度と広角で、F値が2.20と明るく、各収差が良好に補正されている。
また、表6に示すように実施例4の投写型可変焦点レンズによれば、条件式(1)〜(4)、(1´)〜(4´)が全て満足されている。
この実施例5にかかる投写型可変焦点レンズは、図5に示す如き構成とされている。
すなわちこの投写型可変焦点レンズは、上記実施例4と略同様の構成とされているが、
第5レンズL5と第6レンズL6が互いに接合されて接合レンズを構成している点において相違している。
また、実施例4のものと同様に、変倍時には、広角端から望遠端への移行に伴い、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3がともに、光軸Zに沿って拡大側に移動する。
また、フォーカシングは、第3レンズ群G3を光軸Z方向に移動させることにより行われる(バリフォーカルレンズタイプとされている)。
この実施例5における各レンズ面の曲率半径R、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔D、各レンズのd線における屈折率Ndおよびアッベ数νdを表5の上段に示す。
また、表5の中段には広角端(ワイド)、中間位置(ミドル)および望遠端(テレ)の各々における、可変間隔1、可変間隔2および可変間隔3が示されており、表5の下段には各非球面に対応する各定数K、A3〜A16の値が示されている。
Figure 2011053508
また、表6に実施例5における上記各条件式に対応する数値を示す。
図10は実施例5の投写型可変焦点レンズの広角端(ワイド)、中間位置(ミドル)および望遠端(テレ)における諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図である。
この図10から明らかなように、実施例5の投写型可変焦点レンズによれば、広角端での画角2ωが56.4度と広角で、F値が2.20と明るく、各収差が良好に補正されている。
また、表6に示すように実施例5の投写型可変焦点レンズによれば、条件式(1)〜(4)、(1´)〜(4´)が全て満足されている。
Figure 2011053508
G1〜G4 レンズ群
L1〜L7 レンズ
R1〜R17 レンズ面等の曲率半径
D1〜D16 レンズ面間隔(レンズ厚)
Z 光軸
1 画像表示面
2 ガラスブロック(フィルタ部を含む)
3 マスク(開口絞り)
10 投写型可変焦点レンズ
11a〜c 透過型液晶パネル
12、13 ダイクロイックミラー
14 クロスダイクロイックプリズム
16a〜c コンデンサレンズ
18a〜c 全反射ミラー

Claims (9)

  1. 拡大側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群、正の屈折力を有する単レンズからなる第2レンズ群、正の屈折力を有する単レンズからなる第3レンズ群、および正の屈折力を有する第4レンズ群が配列され、
    変倍時において、前記第1レンズ群と前記第4レンズ群は固定とされる一方、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群は、広角端から望遠端に向かうにしたがって、縮小側から拡大側に移動し、
    縮小側がテレセントリックな構成とされてなることを特徴とする投写型可変焦点レンズ。
  2. 以下の条件式(1)を満足することを特徴とする請求項1記載の投写型可変焦点レンズ。
    −2.0 ≦ f1/fw ≦−0.5・・・・(1)
    ここで、
    fw:広角端の全系焦点距離
    f1:前記第1レンズ群の焦点距離
  3. 以下の条件式(2)を満足することを特徴とする請求項1または2記載の投写型可変焦点レンズ。
    1.0 ≦ f4/fw ≦ 5.0・・・・(2)
    ここで、
    fw:広角端の全系焦点距離
    f4:前記第4レンズ群の焦点距離
  4. 以下の条件式(3)を満足することを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項記載の投写型可変焦点レンズ。
    1.0 ≦ Bf/fw・・・・・・・・・・(3)
    ここで、
    fw:広角端の全系焦点距離
    Bf:広角端でのバックフォーカス
  5. 以下の条件式(4)を満足することを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項記載の投写型可変焦点レンズ。
    0.2 ≦ f2/f3 ≦ 1.8・・・・(4)
    ここで、
    f2:前記第2レンズ群の焦点距離
    f3:前記第3レンズ群の焦点距離
  6. 前記第1レンズ群が、少なくとも1面が非球面からなる非球面レンズを有することを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項記載の投写型可変焦点レンズ。
  7. 前記第1レンズ群が1枚もしくは2枚のレンズで構成されていることを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1項記載の投写型可変焦点レンズ。
  8. 前記第3レンズ群が、拡大側から順に、縮小側に凹面を向けた負レンズ、縮小側に凸面を向けた正レンズ、および正レンズの3枚のレンズで構成されていることを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか1項記載の投写型可変焦点レンズ。
  9. 光源と、ライトバルブと、該光源からの光束を該ライトバルブへ導く照明光学部と、請求項1〜8のうちいずれか1項記載の投写型可変焦点レンズとを備え、前記光源からの光束を前記ライトバルブで光変調し、前記投写型可変焦点レンズによりスクリーンに投写することを特徴とする投写型表示装置。
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