JP2011050424A - 電気掃除機 - Google Patents

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Masaki Shibuya
昌樹 澁谷
Katsuyuki Ota
勝之 太田
Izumi Yamaura
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Abstract

【課題】高い吸込仕事率を確保しながら、吸込力が低下しにくい電気掃除機を提供する。
【解決手段】電動送風機(図示せず)で吸引した塵埃を含む空気を導入する吸引口(図示せず)と、電動送風機の上流側に設置され塵埃を集塵する集塵ケース5とを備え、集塵ケース5は、塵埃を分離する塵埃分離部(図示せず)と、分離された塵埃を収容する塵埃収容部24と、塵埃を濾し取る濾過フィルター(図示せず)を有し、空気が吸引口から塵埃分離部を通り濾過フィルターを通過する主風路(図示せず)とは異なる旋回気流を発生させて塵埃舞い上がりを防ぐ空気取入口34を塵埃収納部24に設けたもので、塵埃が塵埃収容部24に運ばれたとき、空気取入口34を通過した吸引風の旋回気流により、塵埃が、塵埃収容部24内で旋回し続け塵埃分離部に舞い上がるのを防ぎ、かつ塵埃収容部24内の塵埃が濾過フィルターに再付着するのを防止し、風量低下を抑制することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、繰り返し使用可能な集塵ケースを使用する電気掃除機に関するものである。
従来、この種の電気掃除機としては、集塵ケース内に専用の旋回気流を発生させて、吸引した空気流より遠心力で塵埃を分離し、集塵ケース内に塵埃を堆積させるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−342492号公報
しかしながら、前記従来の電気掃除機の構成では、集塵ケース内に旋回気流を発生させて、吸引した空気流より遠心力で塵埃を分離し、集塵ケース内に塵埃を堆積させるようにしているが、多くは吸込み仕事率を高位に確保する制約から、塵埃を十分に遠心分離できない構成となっている。そのため、集塵ケース内で塵埃が堆積すると、堆積した塵埃自体がフィルターの役割を果たすため、粗塵の堆積部に細塵も付着してこれが通気抵抗となり、急激に吸引力が低下するという課題を有していた。また、旋回気流を発生させるために、吸気経路を大きく曲げる必要があり、かつ吸入時に旋回流も発生するため、集塵ケース内で吸入から排気に至る経路での圧力損失が大きくなり、吸込仕事率が低くなるという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、高い吸込仕事率を確保しながら、かつ塵埃を吸引しても吸込力が低下しにくい電気掃除機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の電気掃除機は、電動送風機と、前記電動送風機により吸引した塵埃を含む空気を導入する吸引口と、前記電動送風機の上流側に設置され塵埃を集塵する集塵ケースとを備えた電気掃除機において、前記集塵ケースは、前記塵埃を分離する塵埃分離部と、分離された塵埃を収容する塵埃収容部と、塵埃を濾し取る濾過フィルターを有し、吸引した塵埃を含む空気が前記吸引口から前記塵埃分離部を通り前記濾過フィルターを通過する主風路とは異なる旋回気流を発生させて塵埃舞い上がりを防ぐ空気取入口を少なくとも1箇所前記塵埃収納部に設けたもので、塵埃が塵埃収容部に運ばれたとき、塵埃収容部内部は空気取入口を通過した吸引風が旋回気流を発生させているため、塵埃収容部内部の塵埃は旋回し続け塵埃収容部から塵埃分離部へ舞い上がることを防ぐ。そのため、塵埃収容部に収容した塵埃が濾過フィルターへ再付着することを防止して、風量が低下することを抑制し、風量維持性能に優れた電気掃除機を提供することができる。従って、本発明の電気掃除機は、塵埃を多量に吸引しても吸込力が低下しにくく、高い吸込仕事率を長期間維持するため、メンテナンスを長期間する必要がない。
本発明の電気掃除機は、高い吸込仕事率を確保しながら、かつ塵埃を多量に吸引しても吸込力が低下しにくく、さらに長期間に渡ってメンテナンスが不要となる。
本発明の実施の形態1における電気掃除機の全体構成を示す図 同電気掃除機の掃除機本体の断面図 (a)同電気掃除機の集塵ケースの縦断面図(開閉蓋を開けた状態)、(b)同集塵ケースの縦断面図(開閉蓋を閉じた状態)、(c)図3(b)のA−A断面図、(d)図3(b)のB−B断面図 (a)図3(b)のC−C断面図、(b)図4(a)のD−D断面図 同電気掃除機の第1の濾過フィルターの構造を示す断面図 同電気掃除機の第2の濾過フィルターの部分拡大断面図 (a)同集塵ケースにおける吸引口付近の気流を示す平断面図、(b)同集塵ケースにおける濾過フィルター付近の気流の流れを示す平断面図、(c)同集塵ケースにおける縦方向の気流の流れを示す縦断面図 図7(c)のE−E断面図 本発明の実施の形態2における電気掃除機の要部断面図(図3(b)のC−C断面)
第1の発明は、電動送風機と、前記電動送風機により吸引した塵埃を含む空気を導入する吸引口と、前記電動送風機の上流側に設置され塵埃を集塵する集塵ケースとを備えた電気掃除機において、前記集塵ケースは、前記塵埃を分離する塵埃分離部と、分離された塵埃を収容する塵埃収容部と、塵埃を濾し取る濾過フィルターを有し、吸引した塵埃を含む空気が前記吸引口から前記塵埃分離部を通り前記濾過フィルターを通過する主風路とは異なる旋回気流を発生させて塵埃舞い上がりを防ぐ空気取入口を少なくとも1箇所前記塵埃収納部に設けたもので、塵埃が塵埃収容部に運ばれたとき、塵埃収容部内部は空気取入口を通過した吸引風が旋回気流を発生させているため、塵埃収容部内部の塵埃は旋回し続け塵埃収容部から塵埃分離部へ舞い上がることを防ぐ。そのため、塵埃収容部に収容した塵埃が濾過フィルターへ再付着することを防止して、風量が低下することを抑制し、風量維持性能に優れた電気掃除機を提供することができる。従って、本発明の電気掃除機は、塵埃を多量に吸引しても吸込力が低下しにくく、高い吸込仕事率を長期間維持するため、メンテナンスを長期間する必要がない。
第2の発明は、特に、第1の発明の空気取入口を集塵ケース内部で連通させて構成したもので、外部から空気を導入していないため吸込力を落とさずに旋回気流を発生させることができ、高吸引力のまま濾過フィルターのメンテナンス性を向上させる電気掃除機を提供することができる。
第3の発明は、特に、第1の発明の空気取入口を集塵ケースの外部と塵埃収容部を連通させて構成したもので、集塵ケース外部と塵埃収容部の圧力差が内部で空気取入口を設けたときに比べて大きいため流量を大きくすることができ、より強力な旋回気流を発生させて塵埃に遠心力を与えて塵埃の舞い上がりを抑え、その結果濾過フィルターに塵埃が付着しにくくなり、濾過フィルターのメンテナンス性を向上させる電気掃除機を提供することができる。
第4の発明は、特に、第3の発明の空気取入口を開閉自在にしたもので、主風路の吸引力を増したいときは空気取入口を閉じ、塵埃の舞い上がりを抑えたいときは空気取入口を開けて旋回気流を発生させることをユーザーが自由に選択することができる電気掃除機を提供することができる。
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明の空気取入口を塵埃収容部の下面近傍に設けたもので、発生した旋回気流を主風路から遠ざけ塵埃が舞い上がることを抑え、その結果濾過フィルターに塵埃が付着しにくくなり、濾過フィルターのメンテナンス
性を向上させる電気掃除機を提供することができる。
第6の発明は、特に、第1〜第5のいずれか1つの発明の塵埃分離部で発生させた第1の旋回気流と、空気取入口から流入する空気で発生する第2の旋回気流を同一方向に旋回させるもので、第1の旋回気流と第2の旋回気流が打ち消し合わず、より強力な旋回気流を生み出して塵埃に遠心力を与えて塵埃の舞い上がりを抑え、その結果濾過フィルターに塵埃が付着しにくくなり、濾過フィルターのメンテナンス性を向上させる電気掃除機を提供することができる。
第7の発明は、特に、第1〜第6のいずれか1つの発明の塵埃収容部と塵埃収容部の上流側に渡って空気取入口を、塵埃収容部と濾過フィルターの下流側に渡って連通路をそれぞれ設けたもので、空気取入口で発生した旋回気流で塵埃に遠心力を与えることに加えて、連通路に吸引風が流れることによって塵埃が引き寄せられさらに塵埃が塵埃分離部に舞い上がることを抑え、その結果濾過フィルターに塵埃が付着しにくくなり、濾過フィルターのメンテナンス性を向上させる電気掃除機を提供することができる。
第8の発明は、特に、第1〜第7のいずれか1つの発明の塵埃収容部の内径が塵埃分離部の内径よりも大きいもので、塵埃収容部と塵埃分離部の間に段差ができ、その段差によって塵埃が塵埃収容部から塵埃分離部に舞い上がろうとすることを遮ってそのまま塵埃収容部で旋回し続けやすくなり、その結果濾過フィルターに塵埃が付着しにくくなり、濾過フィルターのメンテナンス性を向上させる電気掃除機を提供することができる。
以下に本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における電気掃除機について、図1〜8を用いて説明する。図1は、本実施の形態における電気掃除機の全体構成を示す図、図2は、同電気掃除機の掃除機本体の断面図である。
図1、2において、1は、本実施の形態における電気掃除機の掃除機本体で、前部に着脱自在の集塵ケース5を備え、前部底面に走行用のキャスター4を、後部両側面に同じく走行用の車輪3をそれぞれ備えている。7は、一端が、掃除機本体1の前部に設けた吸引口6aに接続され、他端に延長管8が接続されるホースで、延長管8の先端には、床面の塵埃を吸引するための吸込具9が接続されており、後述の電動送風機21を運転することにより、家屋内の床面上の塵埃を吸引することができる。
掃除機本体1内には、吸引気流を発生させる電動送風機21が内蔵されている。さらに、電動送風機21の上流側には、通気口を有する隔壁26を介して、電動送風機21により吸引した塵埃を含む空気を導入する集塵ケース5が掃除機本体1に対して着脱自在に設置されている。
また、集塵ケース5は、略円筒で縦方向に3段構成となっており上段から順に、ケース上部22a、ケース中央部22b、塵埃収容部24からなり、このケース上部22aとケース中央部22bとを塵埃分離部23とするものである。
また、図2に示すように、ケース上部22aは、塵埃を含む空気を接線方向より導入する旋回気流導入口10を備えている。
そして、掃除機本体1の下部に設けた吸引口6aと旋回気流導入口10を連通するよう
に、集塵ケース5には、掃除機本体1の吸引口6aと連通する吸引口6と第1の通風路11を備えており、この第1の通風路11には、通風経路を吸引口6から上方の旋回気流導入口10まで吸引気流の損失軽減を図りながら略垂直方向に立ち上げる大きなR部を有した屈曲部12を設けている。
この屈曲部12を設けることにより滑らかに下方から上方へ空気を搬送し、衝突時の圧力損失を少なくすることができ、さらに、この屈曲部12で、第1の通風路11の通風経路を略垂直に構成することにより、吸引口6から旋回気流導入口10までを最短距離で構成でき、第1の通風路11内での圧力損失も少なくすることができ、より吸引力が大きく、また、集塵ケース5の大きさも小さい電気掃除機としている。
また、本実施の形態1では、第1の通風路11である大きなR部を有した屈曲部12を塵埃収容部24に一体成形にて形成しており、屈曲部12と塵埃収容部24が同じ1つの部品で構成できるため、屈曲部12と塵埃収容部24が2重壁にならず第1の通風路11の断面積を最大限大きく確保して圧力損失を少なくするようにし、部品点数の少ない安価、軽量で組立性の優れた電気掃除機としている。
集塵ケース5は、旋回気流導入口10から最下段の塵埃を堆積させる塵埃収容部24まで連通されており、旋回気流導入口10から電動送風機21に至る風路は、集塵ケース5の塵埃分離部23に設けた開口部25にて掃除機本体1の隔壁26と連通させて形成している。さらには塵埃分離部23には、円筒状の濾過フィルター27を設置している。
この円筒状の濾過フィルター27は、本実施の形態1では、上流側に粗塵フィルターからなる円筒形状の第1の濾過フィルター27aと、この第1の濾過フィルター27aより下流側の外周に設けた細塵フィルターからなる円筒形状の第2の濾過フィルター27bとの2層構造から構成されている。
この第1の濾過フィルター27aと第2の濾過フィルター27bは、集塵ケース5の旋回気流導入口10と電動送風機21とを連通する第1の風路である主風路29aの途中に配置されている。
また、旋回気流導入口10から電動送風機21に至る主風路29aは、第1の濾過フィルター27a内から第2の濾過フィルター27b外周の空間全周にわたり設けられている。
また、塵埃収容部24と第1の濾過フィルター27aの下流側に渡って、連通路37が後述の塵埃収容部内壁38の側面全周に渡って設けられており、塵埃収容部内壁38の外周の空間37a(図2、図4)と連通して副風路29bを形成している。なお、連通路37は空気が通過すればよく、貫通孔でなくてもメッシュのようなフィルターでも構わない。
また、第1の通風路11は、集塵ケース5内部に設けた第2の濾過フィルター27bの一部を貫通して通る様に構成されており、この第2の濾過フィルター27bには、第1の通風路11の経路の一部となる通風路が、濾過フィルター27の風路とは独立し、エアータイトされた形で設けられている。
次に、図3〜図7を用いて、集塵ケース5と円筒状の濾過フィルター27の詳細について説明する。図3(a)は、集塵ケース5の縦断面図(開閉蓋を開けた状態)、図3(b)は、同集塵ケース5の縦断面図(開閉蓋を閉じた状態)、図3(c)は、図3(b)のA−A断面図、図3(d)は、図3(b)のB−B断面図、図4(a)は、図3(b)のC−C断面図、図4(b)は、図4(a)のD−D断面図、図5は、同電気掃除機の第1の濾過フィルターの構造を示す断面図、図6は、同電気掃除機の第2の濾過フィルターの
部分拡大断面図、図7(a)は、集塵ケース5における吸引口付近の気流を示す平断面図、図7(b)は、集塵ケース5における濾過フィルター付近の気流の流れを示す平断面図、図7(c)は、集塵ケース5における縦方向の気流の流れを示す縦断面図である。
図3(a)に示すように、集塵ケース5は、略円筒で縦方向に3段構成となっており、上段から順に、ケース上部22a、ケース中央部22b、塵埃収容部24からなり、このケース上部22aとケース中央部22bとを塵埃分離部23とするものである。
図3(c)に示すように、旋回気流導入口10は、ケース上部22aの断面である円筒内面13の接線方向から気流が流入するように、内面13に接する風向ガイド34を設けかつ、第1の通風路11の中心とケース上部22aの円周中心を結ぶ線上よりも下方に偏心させた位置に配置させている。
旋回気流を発生させるためには、旋回気流通風路を略円筒状、好ましくは円筒状に形成し、その旋回気流通風路の内壁面で、かつ、周方向に沿って旋回する気流が発生するように旋回気流導入口10を形成する。すなわち、旋回気流導入口10の吸引方向が、その内壁面の周方向に沿って流れるように円筒状の軸方向と直交する方向で、円筒状の接線方向としている。
そしてこの様な構成により、塵埃分離部23におけるケース上部22a内面に沿って発生した旋回気流ならびに、第1の濾過フィルター27a内の円筒中空部に発生した旋回気流を形成する通路を旋回気流通風路とするものである。
また、旋回気流通風路に旋回気流が発生するには、当然のことながら旋回気流通風路内に電動送風機21の吸引力が作用し、負圧状態を発生させる必要がある。そのため、略円筒状の旋回気流通風路の天井側を集塵ケース5の天部で覆い、他端側が塵埃収容部24と気密に接続し、少なくとも旋回気流通風路内に配置した濾過フィルター27部分から電動送風機21の吸引力を作用させるようにすればよい。
また発生した旋回気流を塵埃収容部24方向に発生させるよう、濾過フィルター27の通気部を旋回気流導入口10より塵埃収容部24側に構成するものであり、本実施の形態1では、ケース上部22aに設けた旋回気流導入口10の配置は、塵埃分離部23に設けた開口部25の上端部より、旋回気流導入口10の下端部が上方になるよう配置されているものである。
この様に旋回気流導入口10の配置位置を開口部25より高くすることで、旋回気流導入口10からケース上部22aの内面13の接線方向より導入された空気は、開口部25側の吸引力作用で下方向である塵埃収容部24方向への旋回気流として発生する。この旋回しながら下降を続ける旋回気流により、綿ゴミなどの粗塵52は、風圧を受けて旋回下降し塵埃収容部24に導かれるものである。
さらに、集塵ケース5のケース上部22aの内面13は、円筒状の濾過フィルター27を構成する内側の第1の濾過フィルター27aの内面と全体として1つの面となっている。すなわち、集塵ケース5の内面に突出した突起物がない状態となっている。
本実施の形態1では、集塵ケース5を略円筒としたが、円筒は真円に限定せず楕円形状、8角形や10角形などの多角形形状等でもよく、旋回気流導入口10より接線方向から流入した気流が、集塵ケース5の内面に沿って旋回気流が生じる形状であれば良い。
また、円筒状の濾過フィルター27においても同様に、円筒は真円に限定せず楕円形状
や8角形や10角形などの多角形形状等でもよく、集塵ケース5の内面に沿って発生した旋回気流が、第1の濾過フィルター27a内の円筒中空部においても発生し得る形状であれば良い。また、旋回気流導入口10が上述の様に偏心させず中央に位置していても案内路やガイド等で旋回気流が発生する構成であれば構わない。
また、図3(a)、(b)および図7(c)に示すように、集塵ケース5の下部に配置した塵埃収容部24には、塵埃収容部上面36と、この塵埃収容部上面36から突出した略円筒状の塵埃収容部内壁38が設けられ、塵埃収容部内壁38の内径は塵埃分離部23の内径よりも大きくなっている。塵埃収容部内壁38の内側の空間には吸引した塵埃の内、主に粗塵52を堆積させるようになっており、塵埃収容部内壁38の外側の空間には、吸引した塵埃の内の第1の濾過フィルター27aを通過し細塵51を堆積させるようになっている。
さらに、塵埃収容部24側の集塵ケース5の底面は、開閉蓋31となっている。そして、この開閉蓋31の内底面が塵埃収容部下面39となり、ヒンジ32を介して開閉蓋31を開くことで、塵埃収容部24内の塵埃を排出できるよう構成されている。
また、図4(a)、(b)に示すように第1の通風路11と塵埃収容部24に渡って空気取入口34が塵埃収容部24の下面近傍に、塵埃収容部内壁38の略接線方向に開口して設けられている。このような構成により、塵埃収容部内壁38の内面に第2の旋回気流50bを発生させることができる。
なお、本実施の形態1では、塵埃収容部内壁38を略円筒としたが、円筒は真円に限定せず楕円形状、8角形や10角形などの多角形形状等でもよく、空気取入口34より接線方向から流入した気流が、塵埃収容部内壁38に沿って旋回気流が生じる形状であれば良い。
また、集塵ケース5は、本実施の形態1ではアクリル樹脂により構成されているが、少なくともその一部を透視部材で構成することにより、上方などより内部の塵埃量などを目視で容易に確認できるので好ましい。透明部材としては、ABS、ポリプロピレン、アクリル樹脂などが部材として容易に入手でき、加工性が良い点で好ましい。
また、図3(a)〜図3(d)に示すように、円筒形状の集塵ケース5の内側には、旋回気流導入口10から塵埃収容部24の間の範囲で、集塵ケース5と円筒状の濾過フィルター27間の外側全周に渡って第2の通風路33が形成されており、集塵ケース5内部と電動送風機21の吸引口(図示せず)がこの第2の通風路33を介して連通している。そして、第1の通風路11および第2の通風路33は、集塵ケース5に内包されるように構成されているものである。
円筒状の濾過フィルター27は、図3(d)に示すように、円筒形状の集塵ケース5内部を取り囲むように円筒形状となっている。吸引気流に対して上流側に位置する粗塵フィルターからなる第1の濾過フィルター27aは、吸引気流中の塵埃から綿埃、毛髪などの比較的サイズの大きい塵埃を除塵するものであり、下流側に位置する細塵フィルターからなる第2の濾過フィルター27bは、粒子径の細かい砂塵、花粉、ダニ糞などの塵埃を気流中から除塵するものである。
このように、除塵する塵埃のサイズに応じて複数層の円筒状の濾過フィルター27を設けることで、濾過フィルター27の目詰まりの頻度を低減し、風量持続性能を延ばすことができるが、単一層であっても構わない。
この第1の濾過フィルター27aとしては、金属メッシュ、パンチングメタル、樹脂メッシュなど、砂塵などの細塵が通り抜けられる比較的孔径の大きな部材を用いるのが好ましく、本実施の形態1では、貫通孔径が100〜300ミクロンの微小な開口の貫通孔28を設けた金属メッシュを用いている。
一方、第2の濾過フィルター27bとしては、不織布、パルプ、ガラス繊維、HEPAフィルターなどを用いることができるが、比較的細かい粒子を効率よく除去できる不織布部材などをプリーツ加工しひだ折りした形状部材を連結し、円筒状に設置することで、通気抵抗を低減しながら、除塵性能を確保することができる。
また塵埃付着面に、PTFEの多孔質部材をコーディングしたフィルターを用いると、塵離れが良くなることから、第2の濾過フィルター27bの目詰まりを抑制することができる点でより好ましい。
図5は、図3(d)中の円筒状の第1の濾過フィルター27aの断面構造を示す断面図であり、図5に示すように、円筒状の第1の濾過フィルター27aは、内周面を上流側フィルター面61とし、外周面を下流側フィルター面62とした時、第1の濾過フィルター27aの内周側は、塵埃収容部24の上方の空間に位置するものであり、その空間には第1の旋回気流50aが上流側フィルター面61に沿って旋回している。
そして、第1の濾過フィルター27aの外周側は第1の濾過フィルター27aを通過した空気の通風路となり、その通風路中に第2の濾過フィルター27bが配置され、その下流に電動送風機21が配置される。
また、第1の濾過フィルター27aは、上流側フィルター面61から下流側フィルター面62までを貫通する傾斜した複数の貫通孔28が、フィルター面のほぼ全域にわたって分散して形成されている。
第1の濾過フィルター27aの基材として金属板を用いた場合、静電気によって塵埃が第1の濾過フィルター27aに付着すること、特に細塵が付着することを抑制することができ、貫通孔28の目詰まりを起こしにくい。また、金属板の基材は、パンチングやエッチングなどの加工性に優れ、貫通孔28の内部形状が滑らかに成形されるから、塵埃の絡みつきを少なくする効果が得られる。
さらに、板状のフィルターを円筒状にする際にも成形が容易であり、第1の濾過フィルター27aを安価に成形することができる。なお、第1の濾過フィルター27aの基材として、静電防止剤やカーボンブラック、金属の微粉等の静電防止材を含有した樹脂板を用いても、金属板を用いた場合と同様の効果が得られる。
本実施の形態1では、第2の濾過フィルター27bとして、図3(d)および図6に示すように、特に、PET樹脂で剛性を持たせたシート状の濾材の上流側に貫通孔径が約0.5ミクロンのPTFE膜を付着させたフィルターをプリーツ加工し、ひだ折り形状のフィルター41にし、両端部を連結して円筒形状にしたものを用いている。
図6に示すように、ひだ折り形状のフィルター41からなる第2の濾過フィルター27bの外周部において、吸引気流の上流側にあたるひだ折り形状部材の内面のくぼみ部42は、略U字形状にR=2〜5mm程度の丸みを持たせている。尚、第2の濾過フィルター27bの第1の濾過フィルター27aと近接する側のひだには、特にくぼみ部分は持たせてない。
また、第2の濾過フィルター27bであるひだ折り形状のフィルター41の外部は、この上端および下端の数mm範囲のみ、樹脂やシール剤等でシールされているシール部43を設け、上下方向からの通気性を遮断している。
以上のように構成された本実施の形態1の電気掃除機について、図7(a)、図7(b)、図7(c)、図8を基に、その動作を説明する。
電動送風機21を運転開始すると、吸引気流が発生し、吸込具9、延長管8、ホース7を通じて、空気とともに床面からの塵埃が、吸引口6を通って集塵ケース5内に吸い込まれる。集塵ケース5内に吸い込まれた塵埃は、屈曲部12、第1の通風路11を通じて旋回気流導入口10に至る。
このとき、集塵ケース5の旋回気流導入口10は、上述の様にケース上部22aの円筒断面に対して接線方向から気流が流入するように、偏心して設置されているため、図7(a)、図7(c)に示すように、旋回気流導入口10より流入した気流は、集塵ケース5のケース上部22aにて第1の旋回気流50aに変化する。
ここで、旋回気流導入口10の下端は、開口部25の上端よりも上部に配置されているため、旋回気流導入口10から流入した気流は、旋回成分を持つとともに、下方向への成分も持つこととなる。そのため、集塵ケース5のケース上部22aで発生した第1の旋回気流50aは、旋回しながら下降を続け、円筒状の濾過フィルター27付近に到達する。
ここで円筒状の濾過フィルター27の上流側の第1の濾過フィルター27aは、集塵ケース5内部に向けた突起物がないため、第1の旋回気流50aの流れを止めることはなく、さらに、気流は旋回を続けながら、図7(b)に示すように、第1の濾過フィルター27a、第2の濾過フィルター27bを順次通過し、第2の通風路33を通って、電動送風機21に吸引される。
ここで、吸引気流と一緒に吸引された塵埃は、気流の流れと共に旋回しながら円筒状の濾過フィルター27に導かれ、この塵埃の内、砂塵などの細塵51は、第1の濾過フィルター27aを通過し、外側の第2の濾過フィルター27bで濾し取られる。
また、比重が軽く、風圧を受けやすい綿埃や糸状の塵埃などの粗塵52は、第1の旋回気流50aにより容易に第1の濾過フィルター27a表面上から剥離され、図7(b)、図7(c)に示すように、第1の濾過フィルター27aの円筒中空部で旋回を続けることとなる。
この作用により、第1の濾過フィルター27aは、気流による自浄作用が働いていることになるため、目詰まりすることなく、吸込力の低下を抑制する。さらに、吸引する塵埃量が増加していくと、粗塵52は、第1の濾過フィルター27a内を旋回しながら下降し、塵埃収容部24に導かれる。
塵埃収容部24に導かれた塵埃は、空気取入口34から吸引されて発生した第2の旋回気流50bによって、第1の旋回気流50aと同一方向に旋回し、塵埃収容部24内で遠心力が与えられ旋回し続ける。一方、副風路29bによって塵埃収容部内壁38に引き寄せられるため塵埃分離部23に舞い上がらない。
以上のように本実施の形態における電気掃除機においては、塵埃収容部24に、第2の旋回気流50bを発生させて塵埃舞い上がりを防ぐ空気取入口34を設けることにより、塵埃が塵埃収容部24に運ばれたとき、塵埃収容部24内部は空気取入口34を通過した
吸引風が第2の旋回気流50bを発生させているため、塵埃収容部24内部の塵埃は旋回し続け、塵埃収容部24から塵埃分離部23へ舞い上がることを防ぐ。そのため、塵埃収容部24に収容した塵埃が濾過フィルター27へ再付着することを防止して、風量が低下することを抑制し、風量維持性能に優れた電気掃除機を提供することができる。
また、空気取入口34を集塵ケース5の内部に構成したことにより、外部から空気を導入していないため吸引力を落とさずに第2の旋回気流50bを発生させることができ、高吸引力のまま塵埃の舞い上がりを防止することができる。
さらに、空気取入口34を塵埃収容部24の下面近傍に設けたことにより、発生した第2の旋回気流50bを主風路29aから遠ざけ塵埃が舞い上がることを抑え、その結果濾過フィルター27に塵埃が付着しにくくなる。
また、第1の旋回気流50aと、空気取入口34から流入する空気で発生する第2の旋回気流50bを同一方向に旋回させることにより、第1の旋回気流50aと第2の旋回気流50bが打ち消し合わず、より強力な旋回気流を生み出して塵埃に遠心力を与えて塵埃の舞い上がりを抑え、その結果濾過フィルター27に塵埃が付着しにくくなる。
さらに、第2の旋回気流50bで塵埃に遠心力を与えることに加えて、副風路29bにより塵埃収容部内壁38に引き寄せられてさらに塵埃が塵埃分離部23に舞い上がることを抑え、その結果濾過フィルター27に塵埃が付着しにくくなる。
また、塵埃収容部24の内径が塵埃分離部23の内径よりも大きいことにより、塵埃収容部24と塵埃分離部23の間に段差ができ、その段差によって塵埃が塵埃収容部24から塵埃分離部23に舞い上がろうとすることを遮って、そのまま塵埃収容部24で旋回し続けやすくなり、その結果濾過フィルター27に塵埃が付着しにくくなる。
なお、本実施の形態1では空気取入口34を1箇所設けたが、複数箇所設けていても配置を最適化すれば、同様の塵埃舞い上がり防止効果を得ることができるものである。
また、本実施の形態1では、連通路37が塵埃収容部内壁38側面全周に渡って設けられているが、塵埃収容部24の上面、もしくは一部だけに連通路37を設けていても、副風路29bがあれば塵埃収容部24から塵埃分離部23への塵埃の舞い上がりを防止する効果は同様に得ることができるものである。
また、本実施の形態1では、塵埃分離部23の外周方向に吸引して旋回気流を発生させる構造としたが、外周方向に限らず中心方向に吸引して旋回気流を発生させる構造であっても旋回気流が発生する構成であれば構わない。
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2における電気掃除機の要部断面図(図3のC−C断面)である。以下では、上記実施の形態1の構成、動作との相違点を中心に述べ、上記第1の実施の形態における電気掃除機と同一部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
図9に示すように、本実施の形態における電気掃除機と上記実施の形態1との相違点は、塵埃収容部24と集塵ケース5の外部を連通する空気取入口34と、空気取入口34を手動で開閉する空気取入口蓋35が設けられていることである。
以上のように構成された本実施の形態における電気掃除機について、以下その動作、作用を説明する。
塵埃収容部24に導かれた塵埃は、空気取入口34を通して集塵ケース5の外部から空気が吸引されて発生した第2の旋回気流50bによって塵埃収容部24内を旋回し遠心力が与えられ塵埃分離部23で旋回し続け、一方、副風路29bによって塵埃収容部内壁38に引き寄せられる。また、第1の旋回気流50aと第2の旋回気流50bは同一方向に旋回している。
空気取入口34を、集塵ケース5の外部と塵埃収容部24に渡って設けたことにより、集塵ケース5の外部との圧力差が、内部に空気取入口34を設けたときに比べて大きいため流量を大きくすることができ、強力な第2の旋回気流50bを発生させて塵埃に遠心力を与えて塵埃の舞い上がりを抑え、その結果濾過フィルター27に塵埃が付着しにくくなり、濾過フィルター27のメンテナンス性が向上した電気掃除機を提供することができる。
ここで、主風路29aの吸引力を増したいときは空気取入口蓋35を閉じ、塵埃の舞い上がりを抑えたいときは空気取入口蓋35を開けて第2の旋回気流50bを発生させることをユーザーが自由に選択することができる。
なお、本実施の形態2では空気取入口34を手動で開閉する空気取入口蓋35を設けたが、モーターや電磁弁などを使って自動で開閉しても同様の効果を得ることができるものである。
以上のように、本発明にかかる電気掃除機は、高い吸込み仕事率を確保しながら、かつ塵埃を吸引しても吸込力が低下しにくく、また濾過フィルターの清掃や塵埃の排出などのメンテナンス作業を大きく軽減することができ、家庭用電気掃除機だけでなく、業務用電気掃除機などさまざま種類の電気掃除機に使用することが可能となる。
1 掃除機本体
5 集塵ケース
6 吸引口
21 電動送風機
23 塵埃分離部
24 塵埃収容部
27 濾過フィルター
27a 第1の濾過フィルター
27b 第2の濾過フィルター
29a 主風路
29b 副風路
34 空気取入口
37 連通路
50a 第1の旋回気流
50b 第2の旋回気流

Claims (8)

  1. 電動送風機と、前記電動送風機により吸引した塵埃を含む空気を導入する吸引口と、前記電動送風機の上流側に設置され塵埃を集塵する集塵ケースとを備えた電気掃除機において、前記集塵ケースは、前記塵埃を分離する塵埃分離部と、分離された塵埃を収容する塵埃収容部と、塵埃を濾し取る濾過フィルターを有し、吸引した塵埃を含む空気が前記吸引口から前記塵埃分離部を通り前記濾過フィルターを通過する主風路とは異なる旋回気流を発生させて塵埃舞い上がりを防ぐ空気取入口を少なくとも1箇所前記塵埃収納部に設けた電気掃除機。
  2. 空気取入口を集塵ケース内部で連通させて構成した請求項1に記載の電気掃除機。
  3. 空気取入口を集塵ケースの外部と塵埃収容部を連通させて構成した請求項1に記載の電気掃除機。
  4. 空気取入口を開閉自在にした請求項3に記載の電気掃除機。
  5. 空気取入口を塵埃収容部の下面近傍に設けた請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気掃除機。
  6. 塵埃分離部で発生させた第1の旋回気流と、空気取入口から流入する空気で発生する第2の旋回気流を同一方向に旋回させる請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気掃除機。
  7. 塵埃収容部と塵埃収容部の上流側に渡って空気取入口を、塵埃収容部と濾過フィルターの下流側に渡って連通路をそれぞれ設けた請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気掃除機。
  8. 塵埃収容部の内径が塵埃分離部の内径よりも大きい請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気掃除機。
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