JP2011049775A - 処理実行装置、画像形成装置及びプログラム - Google Patents

処理実行装置、画像形成装置及びプログラム Download PDF

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浜輝 劉
Shigekazu Yamagishi
滋和 山岸
Makoto Hashimoto
誠 橋本
Kazuhiko Narishima
和彦 成島
Takeshi Ikeda
健 池田
Masashi Ono
真史 小野
Kenji Kuroishi
健児 黒石
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Abstract

【課題】異常に関するデータを読み出せる可能性を、記憶領域を増やさずに高めるとともに、当該データが不要になった場合の動作に備える。
【解決手段】処理実行装置は、複数の位置において異常の予兆を検知する。ここにおいて、異常とは、例えば、温度の異常である。処理実行装置は、いずれかの位置において異常の予兆を検知すると(S1)、その位置を表す位置データを特定し(S2)、位置データを複数の記憶手段に記憶させるとともに、温度データ及び時刻データを記憶させる(S3、S4)。このとき、処理実行装置は、複数の記憶手段に位置データを記憶させるが、位置データを記憶させる順番について、優先順位を設定する。具体的には、複数の記憶手段のうち、より低い位置(すなわち下方)にある記憶手段や、異常の予兆が検知された位置からより遠い位置にある記憶手段が優先される。
【選択図】図3

Description

本発明は、処理実行装置、画像形成装置及びプログラムに関する。
装置内の異常を検知し、これに対処する技術が知られている。例えば、特許文献1には、異常を検出すると異常に関するデータを記憶して出力する技術が記載されている。また、特許文献2には、装置内部で火災等の事故が発生した場合に、事故の解析に必要な情報を記憶したり、あるいは外部に伝送したりする画像形成装置が記載されている。なお、一般には、異常を検知するといっても、装置に本当に異常が生じているか否かは定かでなく、誤検知である場合もある。
特開平10−177325号公報 特開平10−254309号公報
本発明は、異常に関するデータを読み出せる可能性を、記憶領域を増やさずに高めるとともに、当該データが不要になった場合の動作に備えることを目的とする。
本発明の請求項1に係る処理実行装置は、処理を実行する第1の実行手段と、第1のデータを記憶する第1の記憶手段とを有する第1の処理実行部と、各々が、処理を実行する第2の実行手段と、当該第2の実行手段が処理を実行するときに用いる第2のデータを記憶する第2の記憶手段とを有する複数の第2の処理実行部と、異常の予兆を検知する検知手段とを備え、前記第1の実行手段が、複数の前記第2の記憶手段に記憶された前記第2のデータのそれぞれを前記第1の記憶手段に記憶させる第1の処理と、前記検知手段により異常の予兆が検知されると、前記第2の記憶手段に記憶された前記第2のデータを当該予兆を表す第3のデータに書き換える第2の処理と、前記第2の記憶手段に記憶されたデータを復元する条件が満たされると、前記第2の処理により書き換えられて前記第2の記憶手段に記憶された前記第3のデータを、前記第1の処理により前記第1の記憶手段に記憶され、当該第2の記憶手段に記憶されていた前記第2のデータに書き換える第3の処理とを実行する構成を有する。
本発明の請求項2に係る処理実行装置は、請求項1に記載の構成において、前記第1の実行手段が、前記第2の処理において、複数の前記第2の記憶手段のそれぞれに同じ内容のデータを蓄積させる構成を有する。
本発明の請求項3に係る処理実行装置は、請求項1又は2に記載の構成において、前記検知手段は、温度があらかじめ決められた温度に達した場合に、異常の予兆を検知し、前記第1の実行手段は、前記複数の第2の処理実行部の位置に高低差がある場合に、前記第2の処理において、他の第2の処理実行部よりも低い位置にある第2の処理実行部の前記第2の記憶手段が優先して書き換えられるようにする構成を有する。
本発明の請求項4に係る処理実行装置は、請求項1ないし3のいずれかに記載の構成において、前記検知手段は、複数の位置において異常の予兆を検知し、前記第1の実行手段は、前記第2の処理において、異常の予兆が検知された位置からより遠い位置にある前記第2の処理実行部の前記第2の記憶手段が優先して書き換えられるようにする構成を有する。
本発明の請求項5に係る画像形成装置は、記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、請求項1ないし4のいずれかに記載の処理実行装置であって、複数の第2の処理実行部の少なくともいずれかが、画像の形成に関する処理を実行する処理実行装置とを備える構成を有する。
本発明の請求項6に係るプログラムは、第1のデータを記憶する第1の記憶手段と、第2のデータをそれぞれ記憶する複数の第2の記憶手段と、異常の予兆を検知する検知手段とを備える処理実行装置のコンピュータに、複数の前記第2の記憶手段に記憶された前記第2のデータのそれぞれを前記第1の記憶手段に記憶させる第1の処理と、前記検知手段により異常の予兆が検知されると、前記第2の記憶手段に記憶された第2のデータを当該予兆を表す第3のデータに書き換える第2の処理と、前記第2の記憶手段に記憶されたデータを復元する条件が満たされると、前記第2の処理により書き換えられて前記第2の記憶手段に記憶された前記第3のデータを、前記第1の処理により前記第1の記憶手段に記憶され、当該第2の記憶手段に記憶されていた前記第2のデータに書き換える第3の処理とを実行させる構成を有する。
本発明の請求項1、5、6に記載の構成によれば、異常に関するデータを記憶することを目的に用意された記憶手段に当該データを記憶させる場合に比べ、記憶領域を増やさずに当該データを読み出せる可能性を高めることが可能であり、また、当該データが不要になった場合の動作に備えることが可能である。
本発明の請求項2に記載の構成によれば、複数の第2の記憶手段のいずれかが読み出せない場合においても、蓄積された異常に関するデータのすべてを読み出すことが可能である。
本発明の請求項3、4に記載の構成によれば、位置に応じた優先順位を設けない場合に比べ、異常に関するデータを読み出せる可能性を高めることが可能である。
画像形成装置の構成を示すブロック図 制御部により実現される機能を示す機能ブロック図 CPUがデータを蓄積する処理を示すフローチャート 画像形成装置の各部の位置を例示する図
[実施形態]
図1は、本発明の一実施形態である画像形成装置の構成を示すブロック図である。この画像形成装置10は、本発明に係る処理実行装置の一例であり、用紙に画像を形成するための処理を実行するものである。画像形成装置10は、同図に示すように、制御部100と、画像取得部200と、後処理部300と、マイクロコントローラ400と、ファクシミリ部500と、画像形成部600とを備え、これらが相互に電気的に接続されている。本実施形態において、制御部100は、本発明に係る第1の処理実行部の一例であり、画像取得部200、後処理部300、マイクロコントローラ400及びファクシミリ部500は、本発明に係る第2の処理実行部の一例である。また、画像形成部600は、本発明に係る画像形成手段の一例である。
制御部100、画像取得部200、後処理部300、マイクロコントローラ400及びファクシミリ部500は、それぞれが異なる位置に設けられている。すなわち、画像形成装置10は、制御部100、画像取得部200、後処理部300、マイクロコントローラ400及びファクシミリ部500に対応する複数の領域を少なくとも有する構成である。以下においては、制御部100が設けられている領域を「第1領域」、画像取得部200が設けられている領域を「第2領域」、後処理部300が設けられている領域を「第3領域」、マイクロコントローラ400が設けられている領域を「第4領域」、ファクシミリ部500が設けられている領域を「第5領域」とそれぞれいう。これらの各領域の具体的な位置や、他の領域との位置や距離の相対的な関係は、本実施形態においては限定されない。
制御部100は、画像形成装置10の全体の動作を制御するものであり、画像取得部200、後処理部300、マイクロコントローラ400及びファクシミリ部500の各部に動作を指示する。つまり、画像取得部200、後処理部300、マイクロコントローラ400及びファクシミリ部500は、制御部100による処理の実行結果に応じて動作する。制御部100は、CPU(Central Processing Unit)110と、主記憶部120と、補助記憶部130と、温度センサ140とを備える。CPU110は、本発明に係る第1の実行手段の一例である演算処理装置である。CPU110は、主記憶部120をワークエリアとして用いて、あらかじめ記憶されたプログラムを実行することにより各種の処理を実行する。CPU110が実行するプログラム(CPU110が処理を実行するときに用いるデータの一部)は、主記憶部120と補助記憶部130のいずれに記憶されていてもよい。また、CPU110は、時刻を特定する機能を有する。
主記憶部120は、CPU110が直接読み書きする記憶手段であり、例えば、揮発性のRAM(Random Access Memory)を有する。主記憶部120には、不揮発性のROM(Read Only Memory)が含まれてもよい。補助記憶部130は、CPU110が処理を実行するときに用いるデータを記憶する記憶手段である。補助記憶部130は、本発明に係る第1の記憶手段の一例であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)により構成される。補助記憶部130が記憶するデータには、位置データが含まれる。また、補助記憶部130は、不揮発性メモリ220、320、420及び520があらかじめ記憶しているデータのすべてを記憶可能な分の記憶容量を有する。
なお、本明細書において、揮発性とは、データの保持に電力を要する性質をいい、不揮発性とは、データの保持に電力を要しない性質をいう。
本実施形態の位置データは、後述する温度センサ140、230、330、430及び530の位置を識別するデータである。本実施形態の温度センサは、第1領域、第2領域、第3領域、第4領域及び第5領域の各領域に1つずつ設けられている。そのため、本実施形態の位置データは、温度センサがこれらの各領域のいずれに対応しているかを識別する情報であるともいえる。
温度センサ140は、本発明に係る検知手段の一例に含まれるものである。温度センサ140は、第1領域に含まれるいずれかの位置において、温度を測定する。この温度センサ140は、その構成によって決まる下限の温度から上限の温度までを測定するものであってもよいし、その構成によって決まるある温度において物理的な特性を大きく変化させるもの(サーミスタ等)であってもよい。温度センサ140には、測定した温度を表す温度データを生成し、CPU110に温度データを供給するものと、CPU110との協働によって温度データを生成するものとがある。後者の場合には、検知手段は、CPU110と温度センサ140とが協働することで実現される。
なお、以下の説明においては、既に説明された構成要素と同名の構成要素は、当該既に説明された構成要素と共通する構成又は機能を少なくとも備えるものであるとする。かかる構成要素は、構成又は機能の共通する事項の説明が省略される。ただし、構成要素の異同を区別するため、同名であっても物として同一でない構成要素には、異なる符号が付される。
画像取得部200は、いわゆるスキャナに相当するものであり、ラインセンサやエリアセンサにより画像を読み取り、その読み取り結果を表す画像データを生成するものである。すなわち、画像取得部200は、画像を読み取り、画像データとして取得する処理を実行するものである。画像取得部200は、CPU210と、不揮発性メモリ220と、温度センサ230とを備える。CPU210は、不揮発性メモリ220に記憶されたデータを用いて、画像取得部200の動作を制御する。不揮発性メモリ220は、データが書き換え可能な不揮発性の記憶手段であり、初期状態においては、CPU210が処理を実行するときに用いるデータ(画像の読み取りに関するプログラム、パラメータ等)が記憶されている。かかるデータは、本発明に係る第2のデータの一例である。不揮発性メモリ220は、電力が供給されない状態においても、データを記憶した状態を維持し、記憶したデータを消失しない。温度センサ230は、第2領域に含まれるいずれかの位置において、温度を測定する。温度センサ230は、CPU210を経由してCPU110に温度データを供給するものであってもよいし、CPU110に直接温度データを供給するものであってもよい。
後処理部300は、画像形成部600により画像が形成された用紙に対して後処理を実行するものである。ここでいう後処理には、例えば、用紙の折り曲げ、裁断、並び替え(ソート)、綴じ(ステープル等)などが含まれる。後処理部300は、CPU310と、不揮発性メモリ320と、温度センサ330とを備える。
マイクロコントローラ400は、画像形成装置10の特定の部分の処理を実行するために設計された演算処理装置である。マイクロコントローラ400は、実行する処理の汎用性において制御部100と相違し、画像の形成に関する処理のいずれかに最適化されている。マイクロコントローラ400は、CPU410と、不揮発性メモリ420に相当する機能を一つの集積回路に実装したものである。また、マイクロコントローラ400は、対応する温度センサ430を備える。
ファクシミリ部500は、通信回線を介して画像データを送信又は受信する処理を実行するものである。ファクシミリ部500が送信する画像データは、例えば、画像取得部200により取得される。また、ファクシミリ部500が受信した画像データは、例えば、画像形成部600により用紙に可視化される。ファクシミリ部500は、CPU510と、不揮発性メモリ520と、温度センサ530とを備える。
上述したCPU210、310、410及び510は、いずれも、本発明に係る第2の実行手段の一例である。また、不揮発性メモリ220、320、420及び520は、いずれも、本発明に係る第2の記憶手段の一例であり、温度センサ230、330、430及び530は、本発明に係る第2の検知手段の一例である。なお、不揮発性メモリ220、320、420及び520は、望ましくは、データの記憶容量が補助記憶部130よりも少ない。
画像形成部600は、画像データが表す画像を用紙に形成する処理を実行するものであり、本発明に係る画像形成手段の一例である。ここにおいて、用紙とは、画像が形成されるシート状の記録媒体をいうものであるが、いわゆる紙に限定されず、シート状の樹脂などであってもよい。本実施形態の画像形成部600は、帯電、露光、現像、転写、定着などの工程を経て画像を形成する電子写真方式の画像形成手段であるとするが、本発明に係る画像形成手段の記録方式は、これに限定されず、熱転写方式、インクジェット方式、ドットインパクト方式などであってもよい。なお、上述したマイクロコントローラ400は、この画像形成部600による画像の形成に関する制御処理(電圧や露光量の制御など)を実行するものであってもよい。
図2は、本実施形態において制御部100により実現される機能を示す機能ブロック図である。制御部100のCPU110は、プログラムを実行することにより、同図に示すバックアップ処理部111、蓄積処理部112及び復元処理部113に相当する機能を実現する。
バックアップ処理部111は、必要に応じたタイミングで、不揮発性メモリ220、320、420及び520に記憶されたデータを補助記憶部130に記憶させる動作を行う。以下においては、この動作のことを「バックアップ」といい、バックアップにより記憶されるデータのことを「バックアップデータ」という。バックアップデータには、上述した第2のデータに相当するデータが含まれる。なお、不揮発性メモリ220、320、420及び520に記憶されたデータは、このバックアップにおいてはコピーされるのであって、削除はされない。バックアップ処理部111がバックアップを実行するタイミングは、例えば、定期的(1時間に1回、1日に1回など)であるが、画像形成装置10の電源がオンになったタイミング、補助記憶部130が着脱されたタイミング、異常の予兆が検知されたタイミングなどを含み得る。バックアップ処理部111が実行する処理は、本発明に係る第1の処理の一例に相当するものである。
蓄積処理部112は、画像形成装置10のいずれかの位置において異常の予兆が検知されると、不揮発性メモリ220、320、420及び520のデータを書き換え、異常に関するデータ(以下、「分析データ」という。)を蓄積する動作を行う。分析データは、本発明に係る第3のデータの一例に相当するものである。本実施形態において、分析データには、検知された温度を表す温度データと、その温度を測定した温度センサの位置データとが少なくとも含まれる。また、異常の予兆が複数の位置において検知された場合にあっては、分析データには、異常が検知された順序を表すデータ(以下、「順序データ」という。)が含まれる。蓄積処理部112が実行する処理は、本発明に係る第2の処理の一例に相当するものである。
復元処理部113は、データを復元(リストア)する条件が満たされると、蓄積処理部112により書き換えられた不揮発性メモリ220、320、420及び520のデータ(すなわち分析データ)を、バックアップ処理部111により補助記憶部130に記憶されたバックアップデータに書き換える。すなわち、復元処理部113は、不揮発性メモリ220、320、420及び520に記憶されたデータを、異常の予兆が検知される前の状態に復元する機能を有する。ここにおいて、データを復元する条件とは、画像形成装置10を再び動作可能にする条件でもあり、例えば、画像形成装置10の使用者がその旨の操作を行うことや、異常の予兆の検知が誤検知であると判断されることが該当する。誤検知か否かの判断は、画像形成装置10の使用者の操作や、温度の変化の態様によって行われる。例えば、温度の上昇が一時的であれば、異常が生じたわけではないと判断し得る。
なお、図2に示す各機能は、CPU110のみによらず、他のCPU(CPU210、310、410及び510)との協働によっても実現され得る。例えば、バックアップは、CPU110が他のCPUに対してデータの読み出しを命令するとともに、他のCPUがデータを読み出し、読み出したデータを制御部100に供給することによっても実現される。また、データの蓄積及び復元は、CPU110が他のCPUにデータを供給し、当該他のCPUにデータを記憶させる旨の命令を行うことによっても実現される。したがって、本発明におけるデータを書き換える処理(第1の処理及び第2の処理)には、単一の実行手段(CPU)によってデータが書き換えられるものと、ある実行手段が他の実行手段に命令することによりデータが書き換えられるものとが含まれ得る。
本実施形態の画像形成装置10の構成は、以上のとおりである。この構成のもと、画像形成装置10は、画像の読み取り、用紙への画像の形成、ファクシミリによる画像データの送受信などを行う。また、画像形成装置10は、これらの処理を実行しながら、適当なタイミングでデータのバックアップを行い、データの復元に備える。
画像形成装置10は、異常の予兆を検知すると、分析データの蓄積を行う。分析データは、画像形成装置10で異常が発生した場合に、異常の原因の分析に用いられるものである。分析データは、画像形成装置10が動作不能な場合には、装置の内部から記憶媒体を取り出すことによって読み出されてもよい。つまり、分析データは、画像形成装置10の内部に記憶されていれば足り、画像形成装置10自体の機能によって読み出し可能であるか否かを問わないものである。
本実施形態において、画像形成装置10の「異常」とは、温度に関する異常である。すなわち、本実施形態における異常とは、温度が画像形成装置10を使用する温度として想定された範囲を超える状態をいい、ここでは、当該範囲よりも高温になる状態をいう。また、かかる異常の「予兆」とは、温度が上昇しつつある状態をいい、画像形成装置10が動作不能な温度ではないものの、このまま温度が上昇すると異常となり得る状態をいうものである。異常の予兆が検知された状態とは、測定された温度があらかじめ定められた閾値に達した状態をいい、より望ましくは、測定された温度があらかじめ定められた閾値に達した状態があらかじめ定められた期間以上続いた状態をいう。
図3は、本実施形態のCPU110がデータを蓄積する処理を示すフローチャートである。同図に示すように、CPU110は、まず、画像形成装置10のいずれかの位置において異常の予兆が検知されたか否かを判断する(ステップS1)。CPU110は、画像形成装置10の少なくともいずれかの位置において異常の予兆が検知されていれば、異常の予兆が検知された温度センサの位置データを特定する(ステップS2)。
続いて、CPU110は、位置データを補助記憶部130、不揮発性メモリ220、320、420及び520に記憶させる(ステップS3)。ステップS3において、CPU110は、画像形成装置10の複数の位置において異常の予兆が検知されていれば、順序データをあわせて記憶させる。なお、本実施形態において、CPU110は、補助記憶部130、不揮発性メモリ220、320、420及び520のそれぞれに同じ内容のデータを書き込む。すなわち、位置データ及び順序データは、補助記憶部130、不揮発性メモリ220、320、420及び520のいずれから読み出されても、同じ内容となる。
また、CPU110は、不揮発性メモリ220、320、420及び520の全部の記憶容量に位置データ(又は順序データ)が書き込まれた場合には、補助記憶部130のみに書き込みを行う。あるいは、CPU110は、不揮発性メモリ220、320、420及び520の全部の記憶容量に位置データ(又は順序データ)が書き込まれた場合には、書き込まれた時刻が古いデータから書き換えていく。
次に、CPU110は、温度データを、その温度が測定された時刻を表すデータ(以下、「時刻データ」という。)と対応付けて補助記憶部130に記憶させる(ステップS4)。本実施形態のステップS4において、CPU110は、温度データと時刻データとを、補助記憶部130のみに書き込み、不揮発性メモリ220、320、420及び520に書き込まない。その理由は、温度データと時刻データの組は、位置データ(又は位置データと順序データの組)に比べ、データの容量が多いからである。ただし、CPU110は、温度データと時刻データの組を不揮発性メモリ220、320、420及び520に書き込んでもよい。例えば、CPU110は、不揮発性メモリ220、320、420及び520に温度データと時刻データの組を書き込む場合には、数回測定されたうちの1回のみを書き込むなどして、データを間引くようにしてもよい。
続いて、CPU110は、異常の予兆が検知されたか否かを再び判断する(ステップS5)。この判断(ステップS1の判断を含む。)が行われる間隔は、あらかじめ決められた時間間隔(例えば、10秒毎)である。CPU110は、異常の予兆が検知されれば、ステップS2、S3及びS4の処理を繰り返し、異常の予兆が検知されなくなれば、本処理を終了させる。この結果、CPU110によるデータの蓄積は、予兆が検知された期間に渡って繰り返される。
以上のとおり、本実施形態の画像形成装置10によれば、異常の予兆を表すデータ(本実施形態においては、位置データ及び順序データ)が補助記憶部130、不揮発性メモリ220、320、420及び520に分散して記憶される。不揮発性メモリ220、320、420及び520は、他のデータを記憶するためにあらかじめ用意された記憶手段であり、当該他のデータが書き換えられることによって用いられるものである。補助記憶部130、不揮発性メモリ220、320、420及び520に分散して記憶されたデータは、そのいずれが読み出されても、同じ内容である。ゆえに、異常の予兆を表すデータは、補助記憶部130、不揮発性メモリ220、320、420及び520のうち、その一つでも取り出せる記憶手段が残っていれば、その全容が読み出されるものである。
また、本実施形態の画像形成装置10は、不揮発性メモリ220、320、420及び520にあらかじめ記憶されていたデータのバックアップ及び復元を行い、異常の予兆を表すデータが不要になった後の動作を妨げないようにしている。異常の予兆を表すデータが不要になる場合というのは、例えば、当該データを読み出した後や、異常の予兆の検知が誤検知であった場合などである。
[変形例]
上述した実施形態は、本発明の一例である。本発明は、上述した実施形態に限らず、例えば、以下の変形例によって実施されてもよい。また、本発明は、以下の変形例を適当に組み合わせた実施を妨げない。
(変形例1)
本発明に係る処理実行装置は、異常の予兆を表すデータを複数の記憶手段に蓄積する場合に、記憶するデータの内容を記憶手段毎に異ならせてもよい。例えば、上述した実施形態において、CPU110が、最初に不揮発性メモリ220に位置データ等を書き込み、不揮発性メモリ220の記憶領域の全部に位置データ等が書き込まれたら、次に不揮発性メモリ320に位置データ等を書き込み、不揮発性メモリ320の記憶領域の全部に位置データ等が書き込まれたら、次に不揮発性メモリ420に位置データ等を書き込む、というようにデータの蓄積が行われてもよい。本例の動作の場合、上述した実施形態の動作に比べ、蓄積されるデータの総量が多くなる。
(変形例2)
本発明に係る処理実行装置は、異常の予兆を表すデータを複数の記憶手段に蓄積する場合に、データを蓄積する順番に優先順位を設けてもよい。ここでいう順番は、どの記憶手段からデータを書き込んでいくかを表すものであり、上述した実施形態と変形例1のいずれにも適用され得るものである。ここでいう優先順位は、例えば、記憶手段や、その記憶手段を含む処理実行部のそれぞれが設けられている位置に基づいて決められ得る。
図4は、画像形成装置10の各部の位置を例示する図である。同図は、画像形成装置10が実際に使用されるときの態様で設置面に置かれている態様を示すものであり、画像形成装置10に作用する重力の方向を矢印Gによって示している。ここにおいて、位置が「低い」とは、位置が設置面により近い様子(すなわち下方にある様子)をいうものであり、位置が「高い」とは、位置が設置面からより離れている様子(すなわち上方にある様子)をいうものである。
一般に、熱せられた空気は、上方へ移動する性質を有する。また、炎も、下方よりも上方に広がりやすい性質を有する。そうすると、ある処理実行部において熱が発生したり、温度が上昇したりした場合には、当該処理実行部よりも上方にある処理実行部よりも下方にある処理実行部の方が、熱や温度の影響を受けにくいといえる。
そこで、本例において、CPU110は、異常の予兆を表すデータを蓄積する場合に、他の処理実行部よりも低い位置にある処理実行部の記憶手段を優先して書き換えるようにする。具体的には、図4の例においては、CPU110が、ファクシミリ部500の不揮発性メモリ520を最も優先し、以下、マイクロコントローラ400の不揮発性メモリ420、後処理部300の不揮発性メモリ320、画像取得部200の不揮発性メモリ220、という順番で、優先順位を設定する。
また、本発明に係る処理実行装置は、複数の処理実行部(又は記憶手段)の位置の高低差に限らず、物理的な距離の差に基づいて優先順位を決めてもよく、高低差と距離の差を組み合わせて優先順位を決めてもよい。すなわち、本発明に係る処理実行装置は、ある処理実行部の検知手段によって異常の予兆が検知された場合に、当該検知手段からより遠い位置にある処理実行部の記憶手段を優先して書き換えるようにしてもよい。
なお、処理実行部の位置を表すデータは、上述した位置データに含まれるものとしてあらかじめ記憶手段に記憶されていると望ましいが、処理実行装置が実際に設置された状況に応じて、使用者の操作によって設定されたり、あるいは装置自体によって測定されたりしてもよい。
(変形例3)
本発明に係る検知手段は、複数の処理実行部に一つずつではなく、処理実行部の複数の位置に設けられていてもよい。かかる場合においては、各々の検知手段に関して位置データが存在するようになる。また、本発明に係る検知手段は、温度を複数の位置において検知する温度センサと、複数の温度センサからの出力結果を取得し、これを温度データとして供給する供給部とにより構成されてもよい。さらに、本発明に係る検知手段は、本発明に係る処理実行部以外の位置に設けられるものを含んでもよく、また、処理実行装置の1箇所のみで異常の予兆を検知するものであってもよい。
(変形例4)
本発明において、異常とは、温度に関する異常に限定されるものではない。本発明に係る異常としては、例えば、処理実行装置において適切な使用であると定められた範囲を超える電流が流れた場合などが挙げられる。かかる場合においては、電流を測定する手段が検知手段として用いられる。
(変形例5)
上述した位置データ、順序データ、温度データ及び時刻データは、いずれも異常の予兆を表すデータとなり得るものである。本発明に係る処理実行装置は、これらのデータのいずれを蓄積の対象として用いてもよい。なお、第1の記憶手段(上述した実施形態においては、補助記憶部130)は、データの蓄積の対象となってもよいし、ならなくてもよい。
また、本発明は、補助記憶部130が着脱可能な構成である場合には、補助記憶部130が装着されているか否かが判断され、装着されている場合には、補助記憶部130にもデータが蓄積され、装着されていない場合には、補助記憶部130以外の記憶手段(上述した実施形態においては、不揮発性メモリ220、320、420及び520)のみにデータが蓄積されるように構成されてもよい。なお、補助記憶部130が装着されていない場合には、バックアップが行われない。
(変形例6)
本発明に係る実行手段は、CPUである必要はない。本発明に係る実行手段は、記憶手段に記憶されたデータを用いて処理を実行するものであればよい。例えば、本発明に係る実行手段は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)であってもよい。また、本発明に係る実行手段と記憶手段とは、これらが一体に構成された集積回路であってもよい。
(変形例7)
本発明は、画像形成装置に限らず、複数の処理実行部を備える処理実行装置に対して適用され得るものである。また、本発明を画像形成装置に適用する場合にあっても、本発明に係る処理実行部として用いられるものは、上述した実施形態に記載されたものに限定されない。
さらに、本発明は、本発明に係る処理実行装置に相当する機能を実行させるためのプログラムや、かかるプログラムを記録した記録媒体の形態でも実施され得る。また、本発明に係るプログラムは、インターネット等の通信手段を介してコンピュータ(処理実行装置等)にダウンロードさせ、これをインストールして利用可能にするなどの形態でも提供され得る。
10…画像形成装置、100…制御部、200…画像取得部、300…後処理部、400…マイクロコントローラ、500…ファクシミリ部、600…画像形成部、110、210、310、410、510…CPU、120…主記憶部、130…補助記憶部、140、230、330、430、530…温度センサ、220、320、420、520…不揮発性メモリ

Claims (6)

  1. 処理を実行する第1の実行手段と、第1のデータを記憶する第1の記憶手段とを有する第1の処理実行部と、
    各々が、処理を実行する第2の実行手段と、当該第2の実行手段が処理を実行するときに用いる第2のデータを記憶する第2の記憶手段とを有する複数の第2の処理実行部と、
    異常の予兆を検知する検知手段とを備え、
    前記第1の実行手段が、
    複数の前記第2の記憶手段に記憶された前記第2のデータのそれぞれを前記第1の記憶手段に記憶させる第1の処理と、
    前記検知手段により異常の予兆が検知されると、前記第2の記憶手段の各々に記憶された前記第2のデータを当該予兆を表す第3のデータに書き換える第2の処理と、
    前記第2の記憶手段に記憶されたデータを復元する条件が満たされると、前記第2の処理により書き換えられて前記第2の記憶手段に記憶された前記第3のデータを、前記第1の処理により前記第1の記憶手段に記憶され、当該第2の記憶手段に記憶されていた前記第2のデータに書き換える第3の処理とを実行する
    ことを特徴とする処理実行装置。
  2. 前記第1の実行手段が、前記第2の処理において、複数の前記第2の記憶手段のそれぞれに同じ内容のデータを蓄積させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の処理実行装置。
  3. 前記検知手段は、温度があらかじめ決められた温度に達した場合に、異常の予兆を検知し、
    前記第1の実行手段は、前記複数の第2の処理実行部の位置に高低差がある場合に、前記第2の処理において、他の第2の処理実行部よりも低い位置にある第2の処理実行部の前記第2の記憶手段が優先して書き換えられるようにする
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の処理実行装置。
  4. 前記検知手段は、複数の位置において異常の予兆を検知し、
    前記第1の実行手段は、前記第2の処理において、異常の予兆が検知された位置からより遠い位置にある前記第2の処理実行部の前記第2の記憶手段が優先して書き換えられるようにする
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の処理実行装置。
  5. 記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
    請求項1ないし4のいずれかに記載の処理実行装置であって、複数の第2の処理実行部の少なくともいずれかが、画像の形成に関する処理を実行する処理実行装置と
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  6. 第1のデータを記憶する第1の記憶手段と、第2のデータをそれぞれ記憶する複数の第2の記憶手段と、異常の予兆を検知する検知手段とを備える処理実行装置のコンピュータに、
    複数の前記第2の記憶手段に記憶された前記第2のデータのそれぞれを前記第1の記憶手段に記憶させる第1の処理と、
    前記検知手段により異常の予兆が検知されると、前記第2の記憶手段の各々に記憶された第2のデータを当該予兆を表す第3のデータに書き換える第2の処理と、
    前記第2の記憶手段に記憶されたデータを復元する条件が満たされると、前記第2の処理により書き換えられて前記第2の記憶手段に記憶された前記第3のデータを、前記第1の処理により前記第1の記憶手段に記憶され、当該第2の記憶手段に記憶されていた前記第2のデータに書き換える第3の処理と
    を実行させるためのプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017026641A (ja) * 2016-11-08 2017-02-02 株式会社鷺宮製作所 試験装置

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