JP2011048996A - モールド真空バルブ - Google Patents
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Abstract
【課題】真空絶縁容器と電界緩和シールド間に形成される絶縁層の熱応力を緩和する。
【解決手段】真空絶縁容器1の両端開口部に封着された固定側封着金具2および可動側封着金具3と、真空絶縁容器1内に設けられた接離自在の一対の固定側と可動側の接点5、6と、固定側封着金具2の外周端部を覆うように設けられた固定側電界緩和シールド20と、可動側封着金具3の外周端部を覆うように設けられた可動側電界緩和シールド21と、これらの外周に絶縁材料をモールドして形成した絶縁層12とを具備し、電界緩和シールド20、21は、それぞれ半径方向に広がる固定部20a、21aと軸方向に伸びる先端部20b、21bとで構成され、先端部20b、21bの内周面を先端に向かうほど半径方向に広げたことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】真空絶縁容器1の両端開口部に封着された固定側封着金具2および可動側封着金具3と、真空絶縁容器1内に設けられた接離自在の一対の固定側と可動側の接点5、6と、固定側封着金具2の外周端部を覆うように設けられた固定側電界緩和シールド20と、可動側封着金具3の外周端部を覆うように設けられた可動側電界緩和シールド21と、これらの外周に絶縁材料をモールドして形成した絶縁層12とを具備し、電界緩和シールド20、21は、それぞれ半径方向に広がる固定部20a、21aと軸方向に伸びる先端部20b、21bとで構成され、先端部20b、21bの内周面を先端に向かうほど半径方向に広げたことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、接離自在の一対の接点を有する真空バルブをエポキシ樹脂のような絶縁材料でモールドし、外周に絶縁層を形成したモールド真空バルブに関する。
従来、エポキシ樹脂でモールドした真空バルブにおいては、真空バルブを構成する封着金具端が鋭角であり、電界強度が上昇するため、これを覆うような電界緩和シールドを設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この種のモールド真空バルブを図5に示すが、筒状のセラミックスからなる真空絶縁容器1の両端開口部には、固定側封着金具2と可動側封着金具3が封着されている。固定側封着金具2には、固定側通電軸4が貫通固定され、端部に固定側接点5が固着されている。固定側接点5に対向して可動側接点6が可動側封着金具3を移動自在に貫通する可動側通電軸7の端部に固着されている。
可動側通電軸7の中間部には、伸縮自在のベローズ8の一方端が封着されている。他方端は、可動側封着金具3の開口部に封着されている。なお、接点5、6を包囲するように設けられた筒状のアークシールド9が真空絶縁容器1内面に固定されている。
固定側封着金具2には、その外周端部を覆うような椀状の固定側電界緩和シールド10が固定されている。固定側電界緩和シールド10の先端部は、真空絶縁容器1端部とラップするまで伸びている。また、可動側封着金具3にも、その外周端部を覆うような椀状の可動側電界緩和シールド11が固定されている。可動側電界緩和シールド11の先端部も、真空絶縁容器1端部とラップするまで伸びている。電界緩和シールド10、11は、一般的に、加工性のよい銅材が用いられる。
真空絶縁容器1と電界緩和シールド10、11の外周には、エポキシ樹脂でモールドして形成した絶縁層12が設けられている。絶縁層12の外周には、導電性塗料を塗布して形成した接地層13が設けられている。絶縁層12の固定側の軸方向は凹状の界面接続部14となっており、また、可動側は凸状の界面接続部15となっており、他の電気機器と接続される。
上記の従来のモールド真空バルブにおいては、次のような問題がある。電界緩和シールド10、11により、固定側封着金具2および可動側封着金具3の端部の電界緩和を図ることができる。しかしながら、電界緩和シールド10、11は、断面L字状であり、半径方向から軸方向に略90度曲折された先端部が真空絶縁容器1と同軸配置となる。
このため、真空絶縁容器1と、電界緩和シールド10、11の先端部との間の絶縁層12は、断面矩形状となり、内周と外周とが拘束されることになる。真空絶縁容器1と電界緩和シールド10、11および絶縁層12は、いずれも異なった材料からなり、熱膨張率が異なる。従って、モールド時や使用環境などによって温度変化が生じると、拘束された絶縁層12内で熱応力が発生し、許容応力以上になると、絶縁層12が真空絶縁容器1や電界緩和シールド10、11から剥離することがある。また、絶縁層12にクラックが生じることがある。剥離やクラックは、絶縁欠陥であり、絶縁劣化を起こすことになる。
このため、電界緩和シールド10、11の先端部と真空絶縁容器1間に形成される絶縁層12内で発生する熱応力を低減させ、剥離やクラックなどの絶縁欠陥を起こし難くできるものが望まれていた。
本発明は上記問題を解決するためになされたもので、絶縁層内の熱応力を低減させ、絶縁性能の優れたモールド真空バルブを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のモールド真空バルブは、筒状の真空絶縁容器と、前記真空絶縁容器の両端開口部に封着された固定側封着金具および可動側封着金具と、前記固定側封着金具に貫通固定された固定側通電軸と、前記固定側通電軸端に固着された固定側接点と、前記固定側接点と接離する可動側接点と、前記可動側接点を固着するとともに、前記可動側封着金具を気密のもとに貫通する可動側通電軸と、前記固定側封着金具の外周端部を覆うように設けられた固定側電界緩和シールドと、前記可動側封着金具の外周端部を覆うように設けられた可動側電界緩和シールドと、前記真空絶縁容器および前記電界緩和シールドの外周に絶縁材料をモールドして形成した絶縁層とを具備し、前記電界緩和シールドは、それぞれ半径方向に広がる固定部と軸方向に伸びる先端部とで構成され、前記先端部の内周面を先端に向かうほど半径方向に広げたことを特徴とする。
本発明によれば、電界緩和シールド先端部の内周面を半径方向に広がるテーパ状としているので、先端部と真空絶縁容器間に形成される絶縁層が熱応力によって拘束され難くなり、絶縁欠陥の起こり難いものにすることができる。
電界緩和シールド先端部の内周面を、先端に向かうほど半径方向に広がるテーパ状とし、絶縁層内の熱応力を抑制するものである。以下、図面を参照して本発明による実施例を説明する。
先ず、本発明の実施例1に係るモールド真空バルブを図1を参照して説明する。図1は、本発明の実施例1に係るモールド真空バルブの構成を示す断面図である。なお、図1において、従来と同様の構成部分については、同一符号を付した。
図1に示すように、筒状のセラミックスからなる真空絶縁容器1の両端開口部には、固定側封着金具2と可動側封着金具3が封着されている。固定側封着金具2には、固定側通電軸4が貫通固定され、端部に固定側接点5が固着されている。固定側接点5に対向して可動側接点6が可動側封着金具3を移動自在に貫通する可動側通電軸7の端部に固着されている。
可動側通電軸7の中間部には、伸縮自在のベローズ8の一方端が封着されている。他方端は、可動側封着金具3の開口部に封着されている。これにより、真空絶縁容器1内の真空を保ちながら、可動側通電軸7を軸方向に移動させることができる。なお、接点5、6を包囲するように設けられた筒状のアークシールド9が真空絶縁容器1内面に固定されている。
固定側封着金具2には、その外周端部を覆うような椀状の固定側電界緩和シールド20が固定されている。固定側電界緩和シールド20は、半径方向に広がった固定部20aと、固定部20aに連接され軸方向に曲折した先端部20bとで構成されている。先端部20bは、先端に向ほど半径方向に広がるテーパ状となっており、真空絶縁容器1端部とラップするまで伸びている。
可動側封着金具3にも、固定側と同様に、外周端部を覆うような椀状の可動側電界緩和シールド21が固定されている。可動側電界緩和シールド21も半径方向に広がった固定部21aと、固定部21aに連接され軸方向に曲折した先端部21bとで構成されている。先端部21bも、先端に向かうほど半径方向に広がるテーパ状となっており、真空絶縁容器1端部とラップするまで伸びている。固定側、可動側の先端部20b、21bは、所定の絶縁距離を保って離間している。電界緩和シールド20、21は、例えば、銅材を絞り加工で製造している。
これらの真空絶縁容器1と電界緩和シールド20、21の外周には、エポキシ樹脂でモールドして形成した絶縁層12が設けられている。絶縁層12の外周には、導電性塗料を塗布して形成した接地層13が設けられている。絶縁層12の固定側の軸方向は凹状の界面接続部14となっており、また、可動側は凸状の界面接続部15となっており、他の電気機器と接続される。
これにより、真空絶縁容器1と固定側電界緩和シールド20の先端部20b、および可動側電界緩和シールド21の先端部21b間に形成される絶縁層12は、先端部20b、21bの先端に向かうほど底辺が長い断面台形状となる。このため、モールド時や使用環境によって温度変化が生じで熱応力が発生しても、絶縁層12が拘束され難くなる。即ち、先端部20b、21bと真空絶縁容器1との間に形成された絶縁層12が膨張、収縮を起こしても、先端部20b、21bの傾斜によってこれを吸収し、剥離、クラックなどの絶縁欠陥を抑制することができる。
先端部20b、21bをテーパ状とする傾斜角度は、軸方向に対して大きいほどよいが、先端と接地層13との絶縁距離が短くなるので、先端部20b、21b、絶縁層12、真空絶縁容器1による熱膨張率の差異を吸収でき、加工性を考慮した数度〜10数度としている。
なお、絶縁層12の熱応力は、絶縁厚さを大きくすることで吸収できるが、テーパ状の先端部20b、21bにより絶縁層12内の熱応力を抑制するので、絶縁層12全体の絶縁厚さを薄くすることができ、軽量化を図ることができる。
上記実施例1のモールド真空バルブによれば、封着金具2、3に固定される電界緩和シールド20、21の先端部20b、21bを、先端に向かうほど半径方向に広がるテーパ状としているので、真空絶縁容器1と先端部20b、21bとの間に形成される絶縁層12が断面台形状となり、熱応力が加わっても拘束され難く、剥離、クラックなどの絶縁欠陥を起こし難いものにすることができる。
次に、本発明の実施例2に係るモールド真空バルブを図2を参照して説明する。図2は、本発明の実施例2に係るモールド真空バルブの構成を示す要部拡大断面図である。なお、この実施例2が実施例1と異なる点は、電界緩和シールドの形状である。図2において、実施例1と同様の構成部分においては、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。なお、固定側と可動側とは同様形状であるので、固定側を用いて説明する。
図2に示すように、固定側電界緩和シールド20の先端部20bは、内周面が先端に向かうほど半径方向に広がるテーパ状であり、外周面が軸方向と平行となっている。即ち、先端の曲率を所定値に保ち、先端に向かうほど板厚を薄くしている。これは、例えば、銅材を機械加工などで製造する。
上記実施例2のモールド真空バルブによれば、実施例1による効果のほかに、先端部20bの板厚、特に固定部20aと連接する部分が厚くなるので、熱容量が増し、モールド時などの温度変化に対して熱勾配を緩やかにし、熱応力の発生を抑制することができる。
次に、本発明の実施例3に係るモールド真空バルブを図3を参照して説明する。図3は、本発明の実施例3に係るモールド真空バルブの構成を示す要部拡大断面図である。なお、この実施例3が実施例2と異なる点は、電界緩和シールド先端部の形状である。図3において、実施例2と同様の構成部分においては、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図3に示すように、固定側電界緩和シールド20の先端部20bを、断面クサビ状としている。
上記実施例3のモールド真空バルブによれば、実施例2による効果のほかに、先端部20bの外周面もテーパ状となり、先端部20bと接地層13間に形成される絶縁層12の熱応力も抑制することができる。
次に、本発明の実施例4に係るモールド真空バルブを図4を参照して説明する。図4は、本発明の実施例4に係るモールド真空バルブの構成を示す要部拡大断面図である。なお、この実施例4が実施例3と異なる点は、電界緩和シールド先端部の形状である。図4において、実施例3と同様の構成部分においては、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図4に示すように、固定側電界緩和シールド20の先端部20bは、外周面の中間部が半径方向に突出した曲面となっている。この曲率半径は、先端よりも数倍大きいものである。
上記実施例4のモールド真空バルブによれば、実施例3による効果のほかに、最短絶縁距離となる接地層13間、所謂、対地間の電界緩和を図ることができる。
1 真空絶縁容器
2 固定側封着金具
3 可動側封着金具
4 固定側通電軸
5 固定側接点
6 可動側接点
7 可動側通電軸
8 ベローズ
9 アークシールド
10、20 固定側電界緩和シールド
11、21 可動側電界緩和シールド
12 絶縁層
13 接地層
14、15 界面接続部
20a、21a 固定部
20b、21b 先端部
2 固定側封着金具
3 可動側封着金具
4 固定側通電軸
5 固定側接点
6 可動側接点
7 可動側通電軸
8 ベローズ
9 アークシールド
10、20 固定側電界緩和シールド
11、21 可動側電界緩和シールド
12 絶縁層
13 接地層
14、15 界面接続部
20a、21a 固定部
20b、21b 先端部
Claims (4)
- 筒状の真空絶縁容器と、
前記真空絶縁容器の両端開口部に封着された固定側封着金具および可動側封着金具と、
前記固定側封着金具に貫通固定された固定側通電軸と、
前記固定側通電軸端に固着された固定側接点と、
前記固定側接点と接離する可動側接点と、
前記可動側接点を固着するとともに、前記可動側封着金具を気密のもとに貫通する可動側通電軸と、
前記固定側封着金具の外周端部を覆うように設けられた固定側電界緩和シールドと、
前記可動側封着金具の外周端部を覆うように設けられた可動側電界緩和シールドと、
前記真空絶縁容器および前記電界緩和シールドの外周に絶縁材料をモールドして形成した絶縁層とを具備し、
前記電界緩和シールドは、それぞれ半径方向に広がる固定部と軸方向に伸びる先端部とで構成され、前記先端部の内周面を先端に向かうほど半径方向に広げたことを特徴とするモールド真空バルブ。 - 前記先端部の板厚を先端に向かうほど薄くしたことを特徴とする請求項1に記載のモールド真空バルブ。
- 前記先端部が断面クサビ状であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモールド真空バルブ。
- 前記先端部の外周面に半径方向に突出した曲面を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のモールド真空バルブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009195815A JP2011048996A (ja) | 2009-08-26 | 2009-08-26 | モールド真空バルブ |
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JP2009195815A JP2011048996A (ja) | 2009-08-26 | 2009-08-26 | モールド真空バルブ |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2011048996A true JP2011048996A (ja) | 2011-03-10 |
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Family Applications (1)
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JP2009195815A Pending JP2011048996A (ja) | 2009-08-26 | 2009-08-26 | モールド真空バルブ |
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JP (1) | JP2011048996A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011048998A (ja) * | 2009-08-26 | 2011-03-10 | Toshiba Corp | モールド真空バルブ |
-
2009
- 2009-08-26 JP JP2009195815A patent/JP2011048996A/ja active Pending
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JP2011048998A (ja) * | 2009-08-26 | 2011-03-10 | Toshiba Corp | モールド真空バルブ |
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RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
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