JP2011047503A - 油圧緩衝器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 サブタンク室からフリーピストンの背後の空気室に侵入した油による、該空気室の異常な圧力上昇を防止し、かつダンパの圧縮ストロークの後半で、リザーバの空気圧力の急激な上昇がフリーピストンの背後の空気室に及ばないようにすること。
【解決手段】 油圧緩衝器10において、フリーピストン60が通常移動域における中間移動域〜最伸長域にあるときには、上シール部材64Uにより上記連通孔80を開放してフリーピストン60の背後の空気室73をシリンダチューブ16の外部のリザーバ30に連通し、フリーピストン60が通常移動域における中間移動域〜最圧縮域にあるときには、上シール部材64Uにより上記連通孔80を閉鎖してフリーピストン60の背後の空気室73とシリンダチューブ16の外部のリザーバ30を遮断するもの。
【選択図】 図3

Description

本発明は二輪車用フロントフォーク等の油圧緩衝器に関する。
二輪車用フロントフォークに用いられる油圧緩衝器として、特許文献1、2に記載の如く、車体側チューブに車軸側チューブを摺動自在に挿入し、車体側チューブの内部で該車体側チューブに連結したダンパのシリンダチューブに、車軸側チューブの内部で該車軸側チューブに連結したピストンロッドに設けたメインピストンを摺動自在に挿入し、このメインピストンによりシリンダチューブの内部をピストン側油室とロッド側油室に区画し、シリンダチューブの内部でメインピストンより上部に該メインピストンと相対するサブピストンを設け、このサブピストンによりシリンダチューブの内部のピストン側油室に対する上方にサブタンク室を区画し、サブピストンのピストン側油室とサブタンク室を連絡可能にする流路に圧側減衰バルブを設け、シリンダチューブの内部でサブピストンより上部に、該サブピストンと相対するフリーピストンを摺動自在に設け、フリーピストンをサブピストンの側に向けて付勢する加圧スプリングを有してなるものがある。
特許文献1に記載の油圧緩衝器では、フリーピストンの背後の空気室を、常に、リザーバに遮断している。これにより、ダンパの圧縮ストロークの後半で、リザーバの空気圧力の急激な上昇をフリーピストンの背後に及ぼすことがない。従って、フリーピストンにより加圧されるダンパのシリンダチューブの内部圧力の増大をその分抑え、圧縮行程でシリンダチューブに進入しようとするピストンロッドに作用する進入抵抗力をその分小さくし、ピストンロッドを進入容易にして乗心地を向上できる。
特許文献2に記載の油圧緩衝器では、フリーピストンの背後の空気室を、常に、リザーバに連通している。これにより、サブタンク室の油がシリンダチューブに対するフリーピストンの摺動部を通り、フリーピストンの背後の空気室に入り、該空気室の圧縮容積がその侵入オイル容積分だけ減縮され、ダンパの圧縮ストロークでの該空気室の圧縮率が上がっても、該空気室の圧力の上昇分が常にリザーバに排気される。従って、該空気室の圧力はリザーバと同圧になり、該空気室の異常な圧力上昇を防ぎ、シリンダチューブやフリーピストンの破損を防止する。また、フリーピストンにより加圧されるダンパのシリンダチューブの内部圧力の増大をその分抑え、圧縮行程でシリンダチューブに進入しようとするピストンロッドに作用する進入抵抗力をその分小さくし、ピストンロッドを進入容易にして乗心地を向上できる。
特開2005-30534 特開平6-147248
特許文献1に記載の油圧緩衝器では、フリーピストンの背後の空気室を、常に、リザーバに遮断している。従って、サブタンク室の油がシリンダチューブに対するフリーピストンの摺動部を通り、フリーピストンの背後の空気室に溜り続ける。該空気室の圧縮容積がその侵入オイル容積分だけ減縮され、ダンパの圧縮ストロークでの該空気室の圧縮率が上がり続け、該空気室の異常な圧力上昇を招き、シリンダチューブやフリーピストンを破損するおそれがある。また、ダンパのシリンダチューブの内部圧力がフリーピストンにより加圧されて増大し、圧縮行程でシリンダチューブに進入しようとするピストンロッドに対する進入抵抗力が大きくなり、乗り心地を悪化させる。
特許文献2に記載の油圧緩衝器では、フリーピストンの背後の空気室を、常に、リザーバに連通している。これにより、ダンパの圧縮ストロークの後半で、リザーバの空気圧力の急激な上昇がフリーピストンの背後の空気室に及ぶものになる。従って、ダンパのシリンダチューブの内部圧力がフリーピストンにより加圧されて増大し、圧縮行程でシリンダチューブに進入しようとするピストンロッドに対する進入抵抗力が大きくなり、乗り心地を悪化させる。
本発明の課題は、サブタンク室からフリーピストンの背後の空気室に侵入した油による、該空気室の異常な圧力上昇を防止し、かつダンパの圧縮ストロークの後半で、リザーバの空気圧力の急激な上昇がフリーピストンの背後の空気室に及ばないようにすることにある。
請求項1の発明は、車体側チューブに車軸側チューブを摺動自在に挿入し、車体側チューブの内部で該車体側チューブに連結したダンパのシリンダチューブに、車軸側チューブの内部で該車軸側チューブに連結したピストンロッドに設けたメインピストンを摺動自在に挿入し、このメインピストンによりシリンダチューブの内部をピストン側油室とロッド側油室に区画し、シリンダチューブの内部でメインピストンより上部に該メインピストンと相対するサブピストンを設け、このサブピストンによりシリンダチューブの内部のピストン側油室に対する上方にサブタンク室を区画し、サブピストンのピストン側油室とサブタンク室を連絡可能にする流路に圧側減衰バルブを設け、シリンダチューブの内部でサブピストンより上部に、該サブピストンと相対するフリーピストンを摺動自在に設け、フリーピストンをサブピストンの側に向けて付勢する加圧スプリングを有し、フリーピストンがダンパの伸縮ストロークに起因する通常移動域を超え、シリンダチューブにリザーバから侵入した作動油の高圧余剰油に起因する最上昇端まで上昇するときに、フリーピストンとサブピストンの間のサブタンク室をシリンダチューブの外部のリザーバに連通してなる油圧緩衝器において、フリーピストンとサブピストンの間のサブタンク室と、フリーピストンの背後の空気室を、選択的にシリンダチューブの外部のリザーバに連通可能にする連通孔をシリンダチューブのチューブ壁に設け、フリーピストンが有底筒状体をなし、該フリーピストンの底部をサブピストン寄りに配置し、該フリーピストンの下部外周にシリンダチューブの上記連通孔より下の下側内周に摺接する下シール部材を設け、シリンダチューブの上記連通孔より上の上側内周に該シリンダチューブに嵌合して固定されるシールケースを設け、該シールケースの内周にフリーピストンの上部外周が該フリーピストンの通常移動域における中間移動域〜最圧縮域だけで摺接する上シール部材を設け、フリーピストンが通常移動域にあるときには、下シール部材により上記連通孔を閉鎖してサブタンク室とシリンダチューブの外部のリザーバを遮断し、フリーピストンが通常移動域を超えたときに上記連通孔を開放してサブタンク室をシリンダチューブの外部のリザーバに連通し、フリーピストンが通常移動域における中間移動域〜最伸長域にあるときには、上シール部材により上記連通孔を開放してフリーピストンの背後の空気室をシリンダチューブの外部のリザーバに連通し、フリーピストンが通常移動域における中間移動域〜最圧縮域にあるときには、上シール部材により上記連通孔を閉鎖してフリーピストンの背後の空気室とシリンダチューブの外部のリザーバを遮断するようにしたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記シールケースが、シリンダチューブの開口端寄りの上側内周に設けた拡径段差孔に嵌合され、シリンダチューブの開口端を閉塞するフォークボルトと拡径段差孔の段差面との間に挟圧固定されるようにしたものである。
(請求項1)
(a)フリーピストンが通常移動域における中間移動域〜最伸長域にあるときには、上シール部材により上記連通孔を開放してフリーピストンの背後の空気室をシリンダチューブの外部のリザーバに連通する。これにより、サブタンク室の油がシリンダチューブに対するフリーピストンの摺動部を通り、フリーピストンの背後の空気室に入り、該空気室の圧縮容積がその侵入オイル容積分だけ減縮され、ダンパの圧縮ストロークでの該空気室の圧縮率が上がっても、該空気室の圧力の上昇分が常にリザーバに排気される。従って、該空気室の圧力はリザーバと同圧になり、該空気室の異常な圧力上昇を防ぎ、シリンダチューブやフリーピストンの破損を防止する。また、フリーピストンにより加圧されるダンパのシリンダチューブの内部圧力の増大をその分抑え、圧縮行程でシリンダチューブに進入しようとするピストンロッドに作用する進入抵抗力をその分小さくし、ピストンロッドを進入容易にして乗心地を向上できる。
(b)フリーピストンが通常移動域における中間移動域〜最圧縮域にあるときには、上シール部材により上記連通孔を閉鎖してフリーピストンの背後の空気室とシリンダチューブの外部のリザーバを遮断する。これにより、ダンパの圧縮ストロークの後半で、リザーバの空気圧力の急激な上昇をフリーピストンの背後に及ぼすことがない。従って、フリーピストンにより加圧されるダンパのシリンダチューブの内部圧力の増大をその分抑え、圧縮行程でシリンダチューブに進入しようとするピストンロッドに作用する進入抵抗力をその分小さくし、ピストンロッドを進入容易にして乗心地を向上できる。
(請求項2)
(c)シールケースが、シリンダチューブの開口端寄りの上側内周に設けた拡径段差孔に嵌合され、シリンダチューブの開口端を閉塞するフォークボルトと拡径段差孔の段差面との間に挟圧固定されるものにした。フォークボルトを用いて、シールケースをシリンダチューブに簡易に固定できる。
図1は油圧緩衝器を示す全体断面図である。 図2は図1の下部拡大断面図である。 図3はフリーピストンの下降端状態を示す断面図である。 図4はフリーピストンの通常上昇端状態を示す断面図である。 図5はフリーピストンの最上昇端状態を示す断面図である。
フロントフォーク10(油圧緩衝器)は、図1〜図3に示す如く、車体側チューブ(アウタチューブ)11内に車軸側チューブ(インナチューブ)12を摺動自在に挿入し、両チューブ11、12の間に懸架スプリング13を介装するとともに、単筒型ダンパ14を倒立にして内装している。車体側チューブ11の下端内周部には車軸側チューブ12が摺接するオイルシール及びブッシュが設けられ、車軸側チューブ12の上端外周部には車体側チューブ11が摺接するブッシュが設けられ、車体側チューブ11と車軸側チューブ12の間の環状間隙を後述するリザーバ30に連通する連通孔12Aが車軸側チューブ12に貫通形成されている。
車体側チューブ11は車体側に支持され、車軸側チューブ12は車軸に結合される。
車体側チューブ11の上端部にはダンパ14のシリンダチューブ16(上シリンダチューブ16A)の上端部がOリングを介して螺着され、シリンダチューブ16の上部開口端はシリンダチューブ16と一体をなすフォークボルト15により閉塞される。フォークボルト15は、Oリングを介して上シリンダチューブ16Aの内周に挿入されて螺着される。
車軸側チューブ12の下端部には車軸ブラケット19が螺着され、車軸側チューブ12と車軸ブラケット19の間にオイルロックカラー17の基端部を挟持している。オイルロックカラー17は車軸側チューブ12の下端部内周にOリングを介して液密に嵌装されるとともに、車軸ブラケット19の内側の底面の上にOリングを介して液密に着座している。また、車軸ブラケット19にはボトムボルト18が外側からOリングを介して液密に螺着されている。このボトムボルト18にはダンパ14のピストンロッド(中空ロッド)20の基端部が螺着されるとともにロックナット18Aでロックされ、このピストンロッド20の先端部をシリンダチューブ16に挿入してある。ピストンロッド20は、シリンダチューブ16(下シリンダチューブ16B)の下端側の開口部に螺着したロッドガイド21のブッシュ21Aで支持され、シール部材21Bを貫通してシリンダチューブ16の内部に挿入されている。シール部材21Bは、シリンダチューブ16の後述する油室43Bを密封し、油室43Bの油がシリンダチューブ16の外に逃げ出すのを阻止する一方向性のシール機能をもつ。尚、ロッドガイド21の外周部にはオイルロックカラー22を設けてある。また、ロッドガイド21の内側端面にはリバウンドスプリング23が支持されている。尚、シリンダチューブ16A、16Bはパイプナット16Cで接続ロックされる。
懸架スプリング13は、オイルロックカラー17の基端部外周段差面と、シリンダチューブ16(下シリンダチューブ16B)に外装して軸方向に係止した孔開きスプリングカラー25(多数の連通孔25Aを備える)の先端部に固定したスプリング受け26との間に介装されている。また、車体側チューブ11と車軸側チューブ12の内部で、ダンパ14の外側にはリザーバ30を構成する油室31と空気室32とが設けられ、油室31と空気室32とは自由界面を介して接触し、空気室32に閉じ込められている空気が空気バネを構成する。これらの懸架スプリング13と空気バネの弾発力が、車両が路面から受ける衝撃力を吸収する。
ダンパ14は、メインバルブ装置(伸側減衰バルブ装置)40と、サブバルブ装置(圧側減衰バルブ装置)50とを有している。ダンパ14は、メインバルブ装置40とサブバルブ装置50の発生する減衰力により、懸架スプリング13と空気バネによる衝撃力の吸収に伴う車体側チューブ11と車軸側チューブ12の伸縮振動を抑制する。
(メインバルブ装置40)
メインバルブ装置40は、ピストンロッド20の先端部にピストンホルダ41を装着し、このピストンホルダ41にメインピストン42を装着している。メインピストン42は、シリンダチューブ16の内部をピストンロッド20が収容されないピストン側油室43Aとピストンロッド20が収容されるロッド側油室43Bとに区画し、該シリンダチューブ16の内部を摺動する。メインピストン42は、伸側減衰バルブ44Aを備えてピストン側油室43Aとロッド側油室43Bとを連絡可能とする伸側流路44と、圧側減衰バルブ(チェックバルブ)45Aを備えてピストン側油室43Aとロッド側油室43Bとを連絡可能とする圧側流路45とを備える。
また、メインバルブ装置40は、車軸ブラケット19に螺着してある前述のボトムボルト18に外部から回転操作できるアジャスタ46を設けている。メインバルブ装置40は、アジャスタ46に結合されている減衰力調整ロッド47をピストンロッド20の中空部に通し、アジャスタ46の回転操作により軸方向に進退する減衰力調整ロッド47の先端のニードル47Aにより、ピストンホルダ41に設けてあるピストン側油室43Aとロッド側油室43Bとのバイパス路48の流路面積を調整可能とする。
(サブバルブ装置50)
サブバルブ装置50は、上シリンダチューブ16Aの上端部に螺着されている前述のフォークボルト15にパイプ状のガイドシャフト51(支持軸)を螺着するとともに、ガイドシャフト51の先端部にピストンホルダ51Aを螺着し、このピストンホルダ51Aにナット51B等によりサブピストン52を保持している。サブピストン52はシリンダチューブ16の内部でメインピストン42に相対配置され、上シリンダチューブ16Aの内周部に液密に接し、前述のピストン側油室43Aの上方にサブタンク室53を区画形成する。サブピストン52は、圧側減衰バルブ54Aを備えてピストン側油室43Aとサブタンク室53とを連絡可能とする圧側流路54と、伸側減衰バルブ55Aを備えてピストン側油室43Aとサブタンク室53とを連絡可能とする伸側流路55とを備える。また、ピストンホルダ51Aは、圧側流路54と伸側流路55とをバイパスしてピストン側油室43Aとサブタンク室53とを連絡可能とするバイパス路56を備える。バイパス路56のサブタンク室53への開口部にはフロントフォーク10(ダンパ14)の伸長行程では閉じ、圧縮行程では開くチェックバルブ57が設けられている。尚、チェックバルブ57はフロントフォーク10の圧縮行程で所定圧で開く。
フォークボルト15に螺合された減衰力調整ロッド58は、アジャスタ59を備えるとともに、ガイドシャフト51に挿入され、アジャスタ59の回転操作により軸方向に進退する先端のニードル58Aによりバイパス流路56の流路面積を調整可能とする。尚、フォークボルト15は頭部端面の中央部にアジャスタ59とそのホルダ59Aを埋込み保持している。
サブバルブ装置50は、上シリンダチューブ16Aの内部であって、上シリンダチューブ16Aとガイドシャフト51の間の環状空間にて、フリーピストン60を移動可能に設けるとともに、フリーピストン60とフォークボルト15との間に介装される加圧スプリング70を有する。フリーピストン60は、上シリンダチューブ16Aの内部のサブピストン52より上部で、サブピストン52と相対する。加圧スプリング70は、圧縮コイルバネからなり、フリーピストン60をサブピストン52の側に向けて付勢する。
このとき、フリーピストン60は、有底筒状体をなし、フリーピストン60の底部61をサブピストン52寄りに配置するとともに、フリーピストン60の底部61〜筒部62の下部の大外径部外周に設けた環状取付溝に、下ピストンリング63L及びオイルシール、Oリング等の下シール部材64Lを設け、これらの下ピストンリング63L、下シール部材64Lをシリンダチューブ16の後述する連通孔80より下の下側内周に摺接する。
また、シリンダチューブ16(上シリンダチューブ16A)の連通孔80より上の上側内周に、シリンダチューブ16に嵌合して固定されるシールケース90を設ける。シールケース90の下部の小内径部内周に設けた環状取付溝に、フリーピストン60の筒部62の上部の小外径部外周が常に摺接するオイルシール、Oリング等の上シール部材64Uを設ける。本実施例において、シールケース90は、シリンダチューブ16(上シリンダチューブ16A)の開口端寄りの上側内周に設けた拡径段差孔91に嵌合され、シリンダチューブ16の開口端を閉塞するフォークボルト15と拡径段差孔91の下端の段差面との間に挟圧固定される。
また、フリーピストン60は、フリーピストン60の底部61の内周凹部にオイルシール等の内周シール部材65を設ける。フリーピストン60がダンパ14の通常移動域における伸縮ストロークに伴なってシリンダチューブ16に進入、退出するピストンロッド20の容積を補償するために上シリンダチューブ16A及びシールケース90とガイドシャフト51の間の環状空間を図3に示す下降端(最伸長域)〜図4に示す中間移動域〜通常上昇端(最圧縮域)の間で移動するとき、フリーピストン60に設けた下ピストンリング63Lと下シール部材64Lは上シリンダチューブ16Aの下側の小内径部71を液密に摺動し、内周シール部材65はガイドシャフト51のストレートな外周を液密に摺動する。
更に、フリーピストン60は、フリーピストン60が上述のダンパ14の通常移動域における伸縮ストロークに伴なって図3に示す下降端(最伸長域)〜図4に示す中間移動域にあるとき、フリーピストン60の筒部62の上部の小外径部外周72は上シリンダチューブ16Aのシールケース90に設けた上シール部材64Uを未だ摺動せずに、フリーピストン60の背後の空気室(体積補償室)73内を移動する。そして、フリーピストン60は、フリーピストン60が図4に示す通常移動域における中間移動域〜通常上昇端(最圧縮域)にあるときだけ、フリーピストン60の筒部62の上部の小外径部外周72が上シリンダチューブ16Aのシールケース90に設けた上シール部材64Uに液密に摺動するものとする。
即ち、サブバルブ装置50にあっては、フリーピストン60とサブピストン52の間のサブタンク室53と、フリーピストン60の背後の空気室73を、選択的にシリンダチューブ16の外部のリザーバ30に連通可能にする連通孔80をシリンダチューブ16、本実施例では上シリンダチューブ16Aのチューブ壁を内外に貫通してシールケース90のための拡径段差孔91が設けられる大内径部(小内径部71の上部で小内径部71より大内径をなす部分)の下端寄り(シールケース90のための拡径段差孔91が設けられる大内径部の範囲内で小内径部71につながるテーパ部)に穿設する。
そして、フリーピストン60が通常移動域にあるときには、図3、図4に示す如く、フリーピストン60の外周に設けてある下シール部材64Lにより上記連通孔80を閉鎖してサブタンク室53とシリンダチューブ16の外部のリザーバ30を遮断する。
フリーピストン60が通常移動域を超えたときには、図5に示す如く、下シール部材64Lにより上記連通孔80を開放してサブタンク室53をシリンダチューブ16の外部のリザーバ30に連通する。サブバルブ装置50では、フロントフォーク10のピストンロッド20がストロークする度に、該ピストンロッド20の外周面に付着した油室31の油をロッドガイド部21のシール部材21Bからシリンダチューブ16の内部に持ち込む。これにより、シリンダチューブ16の内部の油室43A、43B、53の作動油が徐々に増加して高圧余剰油になり、それらの油室43A、43B、53の油圧が高圧化され、フリーピストン60が前述の通常移動域の通常上昇端を超え、更に上方の所定位置たる図5に示す最上昇端まで上昇するときに、フリーピストン60とサブピストン52の間のサブタンク室53が、シリンダチューブ16の外部のリザーバ30に連通する。これにより、ダンパ14の余剰油及び高圧が、サブタンク室53からシリンダチューブ16の外部のリザーバ30に排出され、解放される。即ち、フリーピストン60が通常移動域から更に最上昇端まで上昇したときには、図5に示す如く、フリーピストン60の外周に設けてある下シール部材64Lがシリンダチューブ16の内周のシールケース90のための拡径段差孔91が設けられる大内径部の下端寄りに到達すると、下シール部材64Lがシールケース90のための拡径段差孔91が設けられる大内径部の内周から離れ、シールケース90のための拡径段差孔91が設けられる大内径部の下端寄りに設けられている連通孔80をフリーピストン60の外周とシリンダチューブ16の内周の摺動隙間81を介してサブタンク室53に開放し、サブタンク室53をシリンダチューブ16の外部のリザーバ30に連通する。サブタンク室53の高圧余剰油は、図5に矢印で示す経路で、摺動隙間81、連通孔80を通ってリザーバ30に排出され、解放される。
また、フリーピストン60が通常移動域における中間移動域〜最伸長域にあるときには、図3に示す如く、上シール部材64Uにより上記連通孔80を開放してフリーピストン60の背後の空気室73をシリンダチューブ16の外部のリザーバ30に連通する。
フリーピストン60が通常移動域における中間移動域〜最圧縮域にあるときには、図4に示す如く、上シール部材64Uにより上記連通孔80を閉鎖してフリーピストン60の背後の空気室73とシリンダチューブ16の外部のリザーバ30を遮断する。
尚、フロントフォーク10にあっては、リザーバ30の空気室32が、シリンダチューブ16、本実施例ではフォークボルト15に設けたプラグボルト33を用いて大気圧に調整される。また、フリーピストン60の背後の空気室73が、シリンダチューブ16、本実施例ではフォークボルト15に設けたプラグボルト34を用いて大気圧に調整される。フロントフォーク10の伸縮によって車体側チューブ11と車軸側チューブ12の摺動部からリザーバ30の空気室32、フリーピストン60の背後の空気室73のそれぞれに侵入した空気をプラグボルト33、34から外部へ排気できる。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)フリーピストン60が通常移動域における中間移動域〜最伸長域にあるときには、上シール部材64Uにより上記連通孔80を開放してフリーピストン60の背後の空気室73をシリンダチューブ16の外部のリザーバ30に連通する。これにより、サブタンク室53の油がシリンダチューブ16に対するフリーピストン60の摺動部(下シール部材64L、内周シール部材65)を通り、フリーピストン60の背後の空気室73に入り、該空気室73の圧縮容積がその侵入オイル容積分だけ減縮され、ダンパ14の圧縮ストロークでの該空気室73の圧縮率が上がっても、該空気室73の圧力の上昇分が常にリザーバ30に排気される。従って、該空気室73の圧力はリザーバ30と同圧になり、該空気室73の異常な圧力上昇を防ぎ、シリンダチューブ16やフリーピストン60の破損を防止する。また、フリーピストン60により加圧されるダンパ14のシリンダチューブ16の内部圧力の増大をその分抑え、圧縮行程でシリンダチューブ16に進入しようとするピストンロッド20に作用する進入抵抗力をその分小さくし、ピストンロッド20を進入容易にして乗心地を向上できる。
(b)フリーピストン60が通常移動域における中間移動域〜最圧縮域にあるときには、上シール部材64Uにより上記連通孔80を閉鎖してフリーピストン60の背後の空気室73とシリンダチューブ16の外部のリザーバ30を遮断する。これにより、ダンパ14の圧縮ストロークの後半で、リザーバ30の空気圧力の急激な上昇をフリーピストン60の背後に及ぼすことがない。従って、フリーピストン60により加圧されるダンパ14のシリンダチューブ16の内部圧力の増大をその分抑え、圧縮行程でシリンダチューブ16に進入しようとするピストンロッド20に作用する進入抵抗力をその分小さくし、ピストンロッド20を進入容易にして乗心地を向上できる。
(c)シールケース90が、シリンダチューブ16の開口端寄りの上側内周に設けた拡径段差孔91に嵌合され、シリンダチューブ16の開口端を閉塞するフォークボルト15と拡径段差孔91の段差面との間に挟圧固定されるものにした。フォークボルト15を用いて、シールケース90をシリンダチューブ16に簡易に固定できる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。尚、本発明のシール部材は、オイルシール、Oリング等のいずれであっても良い。
本発明は、油圧緩衝器において、フリーピストンとサブピストンの間のサブタンク室と、フリーピストンの背後の空気室を、選択的にシリンダチューブの外部のリザーバに連通可能にする連通孔をシリンダチューブのチューブ壁に設け、フリーピストンが有底筒状体をなし、該フリーピストンの底部をサブピストン寄りに配置し、該フリーピストンの下部外周にシリンダチューブの上記連通孔より下の下側内周に摺接する下シール部材を設け、シリンダチューブの上記連通孔より上の上側内周に該シリンダチューブに嵌合して固定されるシールケースを設け、該シールケースの内周にフリーピストンの上部外周が該フリーピストンの通常移動域における中間移動域〜最圧縮域だけで摺接する上シール部材を設け、フリーピストンが通常移動域にあるときには、下シール部材により上記連通孔を閉鎖してサブタンク室とシリンダチューブの外部のリザーバを遮断し、フリーピストンが通常移動域を超えたときに上記連通孔を開放してサブタンク室をシリンダチューブの外部のリザーバに連通し、フリーピストンが通常移動域における中間移動域〜最伸長域にあるときには、上シール部材により上記連通孔を開放してフリーピストンの背後の空気室をシリンダチューブの外部のリザーバに連通し、フリーピストンが通常移動域における中間移動域〜最圧縮域にあるときには、上シール部材により上記連通孔を閉鎖してフリーピストンの背後の空気室とシリンダチューブの外部のリザーバを遮断するものにした。従って、サブタンク室からフリーピストンの背後の空気室に侵入した油による、該空気室の異常な圧力上昇を防止し、かつダンパの圧縮ストロークの後半で、リザーバの空気圧力の急激な上昇がフリーピストンの背後の空気室に及ばないようにすることができる。
10 フロントフォーク(油圧緩衝器)
11 車体側チューブ
12 車軸側チューブ
14 ダンパ
15 フォークボルト
16、16A、16B シリンダチューブ
20 ピストンロッド
30 リザーバ
32 空気室
34 プラグボルト
42 メインピストン
43A ピストン側油室
43B ロッド側油室
44 伸側流路
44A 伸側減衰バルブ
51 ガイドシャフト
52 サブピストン
53 サブタンク室
54 圧側流路
54A 圧側減衰バルブ
58 減衰力調整ロッド
60 フリーピストン
64U 上シール部材
64L 下シール部材
65 シール部材
70 加圧スプリング
73 空気室
80 連通孔
90 シールケース
91 拡径段差孔

Claims (2)

  1. 車体側チューブに車軸側チューブを摺動自在に挿入し、
    車体側チューブの内部で該車体側チューブに連結したダンパのシリンダチューブに、車軸側チューブの内部で該車軸側チューブに連結したピストンロッドに設けたメインピストンを摺動自在に挿入し、このメインピストンによりシリンダチューブの内部をピストン側油室とロッド側油室に区画し、
    シリンダチューブの内部でメインピストンより上部に該メインピストンと相対するサブピストンを設け、このサブピストンによりシリンダチューブの内部のピストン側油室に対する上方にサブタンク室を区画し、サブピストンのピストン側油室とサブタンク室を連絡可能にする流路に圧側減衰バルブを設け、
    シリンダチューブの内部でサブピストンより上部に、該サブピストンと相対するフリーピストンを摺動自在に設け、
    フリーピストンをサブピストンの側に向けて付勢する加圧スプリングを有し、
    フリーピストンがダンパの伸縮ストロークに起因する通常移動域を超え、シリンダチューブにリザーバから侵入した作動油の高圧余剰油に起因する最上昇端まで上昇するときに、フリーピストンとサブピストンの間のサブタンク室をシリンダチューブの外部のリザーバに連通してなる油圧緩衝器において、
    フリーピストンとサブピストンの間のサブタンク室と、フリーピストンの背後の空気室を、選択的にシリンダチューブの外部のリザーバに連通可能にする連通孔をシリンダチューブのチューブ壁に設け、
    フリーピストンが有底筒状体をなし、該フリーピストンの底部をサブピストン寄りに配置し、該フリーピストンの下部外周にシリンダチューブの上記連通孔より下の下側内周に摺接する下シール部材を設け、
    シリンダチューブの上記連通孔より上の上側内周に該シリンダチューブに嵌合して固定されるシールケースを設け、該シールケースの内周にフリーピストンの上部外周が該フリーピストンの通常移動域における中間移動域〜最圧縮域だけで摺接する上シール部材を設け、
    フリーピストンが通常移動域にあるときには、下シール部材により上記連通孔を閉鎖してサブタンク室とシリンダチューブの外部のリザーバを遮断し、フリーピストンが通常移動域を超えたときに上記連通孔を開放してサブタンク室をシリンダチューブの外部のリザーバに連通し、
    フリーピストンが通常移動域における中間移動域〜最伸長域にあるときには、上シール部材により上記連通孔を開放してフリーピストンの背後の空気室をシリンダチューブの外部のリザーバに連通し、フリーピストンが通常移動域における中間移動域〜最圧縮域にあるときには、上シール部材により上記連通孔を閉鎖してフリーピストンの背後の空気室とシリンダチューブの外部のリザーバを遮断することを特徴とする油圧緩衝器。
  2. 前記シールケースが、シリンダチューブの開口端寄りの上側内周に設けた拡径段差孔に嵌合され、シリンダチューブの開口端を閉塞するフォークボルトと拡径段差孔の段差面との間に挟圧固定される請求項1に記載の油圧緩衝器。
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