JP2011047461A - クラッチ圧補正装置、及びクラッチ圧補正方法 - Google Patents

クラッチ圧補正装置、及びクラッチ圧補正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 油圧式クラッチを備える製品の性能品質を一定にすることができるクラッチ圧補正装置を提供する。
【解決手段】 油圧式クラッチ11は、そこに電磁比例弁10に流される電流に応じた圧力に調圧された作動油が供給されており、該作動油の充填が完了すると係合するようになっている。クラッチ圧補正装置30は、このように構成される油圧式クラッチ11のクラッチ圧を補正するものであって、圧力センサ31と制御部32と備える。圧力センサ31は、クラッチ圧を検出するようになっており、また制御部32は、充填完了時に前記圧力センサ31で検出される前記クラッチ圧が予め定められた規定圧力の範囲内に収まるように前記電磁比例弁10に流す電流を制御して、充填完了時のクラッチ圧を補正するようになっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、作動油の充填が完了すると係合する油圧式クラッチのクラッチ圧を補正するクラッチ圧補正装置、及びクラッチ圧補正方法に関する。
ホイルローダ等の建設機械のトランスミッションは、前進用クラッチ、後進用クラッチ、及び変速段用クラッチ等の複数の油圧式クラッチを備えている。各油圧式クラッチは、電磁弁を介してポンプに接続されており、この電磁弁に電流を流すことで作動油が油圧式クラッチに供給されるようになっている。作動油が油圧式クラッチのシリンダに充填されることで油圧式クラッチが係合されてエンジンから車輪に動力が伝達され、ホイルローダが前進又は後進する。例えば、複数の油圧式クラッチのうち、前進用クラッチと変速段用クラッチに作動油を供給して作動させるとホイルローダが前進し、後進用クラッチと変速段速用クラッチに作動油を供給して作動させるとホイルローダが後進する。
特開2009−232161号公報
車体に設けられる各油圧式クラッチ及び電磁弁等の部品では、各部品毎に寸法等のバラツキがあったり、部品内部や通路内で油漏れが生じたりし、また車体毎に電磁弁に与えられる電流のバラツキが生じている。これら油漏れ量や寸法及び電流のバラツキにより、油圧式クラッチの係合時のクラッチ圧、及び作動油の充填が完了する充填完了時間に関して、車体毎に個体差が生じてしまう。このような個体差は、係合時のショックのバラツキ、及びクラッチ操作してから油圧式クラッチが係合するまでのタイムラグのバラツキを生じてしまう。これにより、油圧式クラッチを係合する際のフィーリングが車体間で異なるものとなってしまい、車体毎の性能品質にバラツキが生じてしまう。
そこで本発明のクラッチ圧補正装置及びクラッチ圧補正方法は、油圧式クラッチを備える製品の性能品質を一定にすることを目的としている。
本発明のクラッチ圧補正装置は、電磁弁へ流す電流に応じた圧力に調圧された作動油が供給されて該作動油の充填が完了すると係合する前記油圧式クラッチのクラッチ圧補正装置であって、前記油圧式クラッチのクラッチ圧を検出する圧力センサと、充填完了時に前記圧力センサで検出されるクラッチ圧が予め定められた規定圧力の範囲内に収まるように前記電磁弁の電流を制御して、充填完了時のクラッチ圧を補正する補正手段とを備えるものである。
本発明に従えば、充填完了時のクラッチ圧を予め定められた規定圧力の範囲内にすることができ、クラッチ圧補正装置を備える製品に関して、充填完了時のクラッチ圧を略一致させることができる。これにより、油圧式クラッチの係合時のショックやタイムラグに関する製品毎のバラツキを抑えることができる。即ち、製品間における油圧式クラッチを係合する際のフィーリングの違い等をなくすことができ、製品間における性能品質のバラツキを抑え、製品の性能品質を一定にすることができる。
上記発明において、前記補正手段は、前記作動油の供給を開始してからその充填が完了するまでの充填完了時間が予め定められた規定時間の範囲内に収まるように前記電磁弁に流す電流を制御して、充填完了時のクラッチ圧を補正するようになっていることが好ましい。
上記構成に従えば、充填完了時間が予め定められた規定時間の範囲内にすることができ、クラッチ圧補正装置を備える各製品に関して充填完了時間を略一致させることができる。これにより、油圧式クラッチに作動油の充填を開始してから係合するまでのタイムラグに関する製品毎のバラツキを抑えることができる。即ち、製品間における油圧式クラッチを係合する際のフィーリングの違い等をなくすことができ、製品間における性能品質のバラツキを抑え、製品の性能品質を一定にすることができる。
上記発明において、前記作動油の充填が完了するまでには、前記油圧式クラッチに前記作動油が充填される初期充填工程と、前記初期充填工程よりも低圧の作動油が前記油圧式クラッチに充填される低圧充填工程とがあり、前記補正手段は、前記作動油の供給を開始してからその充填が完了するまでの充填完了時間が予め定められた規定時間の範囲内に収まるように前記初期充填工程の時間を補正するようになっていることが好ましい。
上記構成に従えば、充填完了時間が予め定められた規定時間の範囲内にすることができ、車両等の各製品にクラッチ圧補正装置を備えさせることで、各製品における充填完了時間を略一致させることができる。これにより、油圧式クラッチに作動油の充填を開始してから係合するまでのタイムラグに関する製品毎のバラツキを抑えることができる。即ち、製品間における油圧式クラッチを係合する際のフィーリングの違い等をなくすことができ、製品間における性能品質のバラツキを抑え、製品の性能品質を一定にすることができる。
上記発明において、前記補正手段は、前記油圧式クラッチに接続されるエンジンが始動し、且つ前記エンジンの回転数及び前記作動油の温度が予め定められた規定回転数及び規定温度の範囲内に夫々収まっていると、充填完了時のクラッチ圧を補正するようになっていることが好ましい。
上記構成に従えば、エンジンが始動すると自動的にクラッチ圧の補正が始まるので、経時劣化に伴って油圧式クラッチの係合時のフィーリングが変化してもすぐに補正される。それ故、油圧式クラッチの係合時のフィーリングの経時的な変化を抑えることができる。また、前記エンジンの回転数及び前記作動油の温度が予め定められた規定回転数及び規定温度の範囲内に夫々あるときに電流の補正が行なわれるので、例えば、規定回転数及び規定温度の範囲を、エンジンがアイドリング状態にあるときのエンジン回転数及び油温に設定することで、電流を補正する際に油圧式クラッチを係合させてもそれに伴って生じるショックを抑えることができる。
上記発明において、複数の前記油圧式クラッチのクラッチ圧を補正可能なクラッチ圧補正装置であって、前記圧力センサは、前記各油圧式クラッチに対して個別に設けられ、前記補正手段は、前記複数の油圧式クラッチに対して個別に設けられる前記電磁弁に流れる電流を制御して、充填完了時のクラッチ圧を補正するようになっていることが好ましい。上記構成に従えば、1つの補正手段により複数の油圧式クラッチの充填時のクラッチ圧及び充填完了時間を補正することができる。
本発明のクラッチ圧補正方法は、電磁弁に流れる電流に応じた圧力に調圧された作動油が供給されて該作動油の充填が完了すると係合する前記油圧式クラッチのクラッチ圧を補正する方法であって、前記クラッチ圧を検出する圧力センサにより検出される前記クラッチ圧が予め定められた規定圧力の範囲内に収まるように前記電磁弁に流す電流を制御して、充填完了時のクラッチ圧を補正する方法である。
上記方法に従えば、充填完了時のクラッチ圧を予め定められた規定圧力の範囲内に収めることができ、クラッチ圧補正方法が適用される製品に関して充填完了時のクラッチ圧を略一致させることができる。これにより、油圧式クラッチの係合時のショックに関する製品毎のバラツキを抑えることができる。即ち、製品間における油圧式クラッチを係合する際のフィーリングの違い等をなくすことができ、製品間における性能品質のバラツキを抑え、製品の性能品質を一定にすることができる。
上記発明において、前記作動油の供給を開始してからその充填が完了するまでの充填完了時間が予め定められた規定時間の範囲内に収まるように前記電磁弁に流す電流を制御して、充填完了時のクラッチ圧を補正することが好ましい。
上記方法に従えば、充填完了時間が予め定められた規定時間の範囲内に収めることができ、クラッチ圧補正方法が適用される製品に関して充填完了時間を略一致させることができる。これにより、油圧式クラッチに作動油の充填を開始してから係合するまでのタイムラグに関する製品毎のバラツキを抑えることができる。即ち、製品間における油圧式クラッチを係合する際のフィーリングの違い等をなくすことができ、製品間における性能品質のバラツキを抑え、製品の性能品質を一定にすることができる。
上記発明において、前記作動油の充填が完了するまでには、前記油圧式クラッチに前記作動油が充填される初期充填工程と、前記初期充填工程よりも低圧の作動油が前記油圧式クラッチに充填される低圧充填工程とがあり、前記作動油の供給を開始してからその充填が完了するまでの充填完了時間が予め定められた規定時間の範囲内になるように前記初期充填工程の時間を制御するが好ましい。
上記方法に従えば、充填完了時間が予め定められた規定時間の範囲内に収めることができ、クラッチ圧補正方法が適用される各製品に関して充填完了時間を略一致させることができる。これにより、油圧式クラッチに作動油の充填を開始してから係合するまでのタイムラグに関する製品毎のバラツキを抑えることができる。即ち、製品間における油圧式クラッチを係合する際のフィーリング違いをなくす等ことができ、製品間における性能品質のバラツキを抑え、製品の性能品質を一定にすることができる。
本発明によれば、油圧式クラッチを備える製品の性能品質を一定にすることができる。
本発明の実施形態のクラッチ圧補正装置のブロック図、及び流体式トルクコンバータ付きトランスミッションの油圧回路の回路図を示す図面である。 油圧式クラッチに作動油を充填する際の手順を示すグラフであり、(a)は、制御部から電磁比例弁に流される電流の経時変化を示すグラフであり、(b)は、油圧式クラッチのクラッチ圧の経時変化を示すグラフである。 クラッチ圧を補正する際の手順を示すフローチャートである。 クラッチ圧を補正する圧力補正処理の手順を示すフローチャートである。
以下、図1乃至4を参照して本発明の実施形態のクラッチ圧補正装置及びクラッチ圧補正方法が設けられる油圧回路を説明し、その後にクラッチ圧補正装置及びクラッチ圧補正方法について説明する。
<油圧回路>
図1に示されるような、流体式トルクコンバータ付きのトランスミッションの油圧回路1は、ホイルローダ等の走行可能な建設機械に搭載されている。油圧回路1は、作動油を吐出する油圧ポンプ2を備え、この油圧ポンプ2の吐出側には、主管路3が接続されている。主管路3には、第1のフィルタ4と、この第1のフィルタ4をバイパスするための安全弁5とが設けられ、更にその下流側には、複数の電磁比例弁10が並列して接続されている。各電磁比例弁10の下流側には、油圧式クラッチ11が各々の電磁比例弁10に対応させて接続されている。これにより、複数の油圧式クラッチ11が油圧ポンプ2に対して並列して接続されるようになる。
各油圧式クラッチ11は、湿式の油圧式クラッチであり、係合することでホイルローダに搭載されるエンジンの動力を車輪に伝達することができるようになっている。本実施形態では、前後進を切換えるための前進用クラッチ11及び後進用クラッチ11と、4つの変速段を夫々切換えるための変速段用クラッチである1速用クラッチ11、2速用クラッチ11、3速用クラッチ11、及び4速用クラッチ11との合計6つの油圧式クラッチ11が設けられている。ホイルローダでは、前進用クラッチ11及び後進用クラッチ11と、1乃至4速用クラッチ11,11,11,11とを夫々組み合わせることにより、前進4速及び後進4速の合計8つの変速段を夫々切換えることができるようになっている。
より具体的に説明すると、各油圧式クラッチ11は、シリンダ12とピストン13とを有し、ピストン13は、ばね部材14により付勢された状態でシリンダ12内に摺動可能に収容されている。シリンダ12内には、油圧ポンプ2からの作動油が供給され、この作動油によりピストン13がばね部材14の付勢力に抗して押されるようになっている。この作動油によりシリンダ12内が満たされる。即ちシリンダ12内に作動油が充填されることで前記ピストン13により油圧式クラッチ11に備わる複数のクラッチプレート(図示せず)が押されて互いに当接し、油圧式クラッチ11が係合する。油圧式クラッチ11が係合することで、ホイルローダのエンジンの動力が車輪へ伝達される状態になり、ホイルローダが前進又は後進する。
このように供給される作動油の流れを切換えるべく、各油圧式クラッチ11には、各々に対応させて電磁比例弁10が設けられている。本実施形態では、6つの油圧式クラッチ11に対応させて6つの電磁比例弁10(10,10,10,10,10,10)が、油圧ポンプ2に対して並列して設けられている。電磁比例弁10は、油圧式クラッチ11の圧力をソレノイド10aに流す電流に応じた圧力に制御するようになっている。また、電磁比例弁10は、ソレノイド10aに電流が流れていない場合、油圧式クラッチ11とドレン15とを接続し、シリンダ12内の作動油をドレン15へと排出するようになっている。このように構成される電磁比例弁10では、ソレノイド10aが後述する制御部32に電気的に接続され、そこに流される電流は、制御部32によって制御されている。
また、油圧回路1は、流体式トルクコンバータ20を備えている。流体式トルクコンバータ20は、主管路3から分岐する分岐管路21に設けられている。分岐管路21は、第1のフィルタ4と電磁比例弁10との間に接続されており、流体式トルクコンバータ20より上流側にメインリリーフ弁22が設けられている。
メインリリーフ弁22と流体式トルクコンバータ20との間には、安全弁26が接続されており、この安全弁26により流体式トルクコンバータ20の入力圧が予め定められた圧力以上になることを防いでいる。また、流体式トルクコンバータ20より下流側は、リリーフ弁27及びオイルクーラ28を介してドレン15に接続されている。
<クラッチ圧補正装置>
このように構成される油圧回路1には、クラッチ圧補正装置30が設けられており、このクラッチ圧補正装置30は、圧力センサ31、制御部32、回転数センサ33及び温度センサ34が備わっている。圧力センサ31は、電磁比例弁10と油圧式クラッチ11との間に設けられている。本実施形態では、6つの油圧式クラッチ11,11,11,11,11,11に対して圧力センサ31が夫々設けられている。各圧力センサ31は、対応する油圧式クラッチ11のシリンダ12内の圧力、即ちクラッチ圧を検出できるようになっている。この圧力センサ31は、制御部32に電気的に接続されており、検出したクラッチ圧を制御部32に伝送するようになっている。
補正手段である制御部32は、圧力センサ31からのクラッチ圧に基づいてソレノイド10aに流す電流を制御するようになっている。また、制御部32は、図示しないエンジンの回転数(即ち、エンジン回転数)を検出する回転数センサ33、及び作動油の温度(即ち、油温)を検出する温度センサ34に電気的に接続されており、各センサ33,34からエンジン回転数及び油温を取得するようになっている。更に、制御部32は、図示しないパーキングブレーキ及びサービスブレーキのオン及びオフ、前記センサ31,33,34の異常などを検出可能になっている。また、制御部32には、入力手段35が接続されており、制御部32にて設定される種々の設定値を変更できるようになっている。
<クラッチ操作>
以下では、図1及び図2を参照しながら、油圧式クラッチ11を係合する際の動作について説明する。ホイルローダには、複数のクラッチレバーが備わっている。本実施形態では、前進及び後進を切換えるための前後進用レバーと、1速〜4速の変速段を切換えるためのシフトレバーを備えている。前後進用レバーが操作されると、その操作に応じて制御部32が電磁比例弁10,10の何れか一方に電流を流し、またシフトレバーが操作されると、その操作に応じて制御部32が電磁比例弁10,10,10,10の何れか1つに電流を流すようになっている。
即ち、制御部32は、クラッチレバーが操作されると、まず油圧式クラッチ11に作動油の初期充填を行うべく電磁比例弁10に初期電流を流す。作動油の初期充填を行う初期充填工程t1で流される初期電流は、作動油の充填が完了するまでの充填完了時間を短縮すべく、比較的高い初期制御電流I(例えば、最大制御電流、やそれよりも若干低い電流)に設定されている(図2(a)参照)。これにより、初期充填工程t1では、電磁比例弁10から油圧式クラッチ11に大流量の作動油が供給される。この間のクラッチ圧は、電磁比例弁10が開くと同時に僅かに昇圧するが、その後一定圧(ばね部材14の付勢力に応じて決まる圧力)となる(図2(b)参照)。
初期電流を一定時間(例えば、0.数秒間)流した後であって、油圧式クラッチ11が係合する前の低圧保持工程t2では、制御部32が電磁比例弁10に流す電流を初期制御電流Iから最低制御電流Iminへと切換え、電磁比例弁10から油圧式クラッチ11に流れる作動油を最低制御圧に減圧する。制御部32では、最低制御圧が予め定められた指令圧Pciになるように最低制御電流Iminが設定されており、最低制御電流Iminの値は、初期制御電流Iよりかなり小さく設定されている。このように最低制御電流Iminを小さく設定することで、電磁比例弁10から油圧式クラッチ11に流れる作動油を大きく減圧し、係合した際に生じる油圧式クラッチ11のショックを抑えている。
最低制御電流Iminが流れている間、クラッチ圧は、初期充填工程t1の時と同じく略一定圧に保たれており、油圧式クラッチ11の充填が完了すると同時に上昇する。このときのクラッチ圧の上昇の量が予め定められた量に達すると、制御部32は、油圧式クラッチ11への作動油の充填が完了したと判断する。作動油の充填が完了すると、油圧式クラッチ11が係合し、ホイルローダのエンジンの動力が車輪へ伝達される状態になる。
このように充填完了直後の状態では、複数のクラッチプレート同士を当接させる押圧力が小さいため複数のクラッチプレートが互いに滑っている(所謂、半クラッチ状態)。そこで、前記押圧力を大きくして油圧式クラッチ11を完全に係合させるため、制御部32は、図2には示されていないが、充填完了後、電磁比例弁10に流す電流を最大制御電流Imaxまで徐々に大きくし、電磁比例弁10から油圧式クラッチ11に供給される作動油の圧力を大きくする。前記電流が最大制御電流Imaxになることで、油圧式クラッチ11が完全に係合し、前後進用レバー及びシフトレバーにおいて対応する操作がなされるまで電流がそのまま保持される。
このようにして油圧式クラッチ11が係合されるが、作動油を油圧式クラッチ11に充填して半クラッチの状態にする際のクラッチ圧、即ち最低制御圧、及び充填完了時間がホイルローダ毎にバラつかないように、これら最低制御圧及び充填完了時間がクラッチ圧補正装置30により補正されている。以下では、図1及び図3を参照しつつクラッチ圧補正装置30が前記クラッチ圧及び充填完了時間を補正する方法、即ちクラッチ圧補正方法について説明する。
<クラッチ圧補正方法>
クラッチ圧補正方法は、ホイルローダのエンジンを始動させると始まり、ステップS1に進む。ステップS1では、制御部32が回転数センサ33及び温度センサ34等から得られる情報に基づいてホイルローダ実機の状況を確認する。実機の状況とは、例えば、パーキングブレーキ及びサービスブレーキのオン及びオフの状況、油温、並びにエンジン回転数である。実機の状況を確認すると、ステップS2に進む。
ステップS2では、クラッチ圧をチェックし補正するチェックモードになっているか否か判断する。本実施形態では、ホイルローダのエンジンを始動させると、チェックモードになるように制御部32が設定されている。それ故、ステップS2では、チェックモードになっていると判断され、ステップS3に進む。このように、エンジンが始動するとともにチェックモードになるように設定することで、油圧式クラッチ11の係合時のフィーリングが経時劣化に伴って変化しても、エンジンが始動する度に自動的にクラッチ圧を補正し、前記係合時のフィーリングが自動的に元の状態に戻される。それ故、油圧式クラッチ11の係合時のフィーリングの経時的な変化を抑えることができる。
なお、本実施形態では、チェックモードのオンが自動的に行なわれるが、チェックモードのオン及びオフを入力手段35により手動で切換えできるようになっていてもよい。この場合、ステップS2では、チェックモードがオフになっていると、ステップS1に戻り、チェックモードがオンになっていると、ステップS3に進む。
ステップS3では、ステップS1で検出された実機状況がチェックモードを作動させるための3つの作動条件に適合しているか否かを制御部32が判断する。3つの作動条件とは、パーキングブレーキ及びサービスブレーキがオン(第1作動条件)、油温TがT≦T≦T(第2作動条件)、及びエンジン回転数EがE≦E≦E(第3作動条件)である。本実施形態では、油温T,T及びエンジン回転数E,Eは、実機暖気状態且つ低回転数に設定されている。例えば、エンジンがアイドリング状態にあるときであり、油温T及びTが60℃及び80℃に夫々設定され、エンジン回転数E及びEが800rpm及び900rpmに夫々設定されている。制御部32が3つの作動条件のうち少なくとも1つの作動条件を充足していないと判断するとステップS1に戻り、3つの作動条件全てを充足すると判断すると、ステップS4に進む。
ステップS4では、全ての電磁比例弁10に流す電流を0mAにして全ての油圧式クラッチ11をオフにする。これにより、全ての油圧式クラッチ11のシリンダ12内が空になり、クラッチ圧が0kPaになる。全ての油圧式クラッチ11をオフにすると、ステップS5に進む。
ステップS5では、クラッチ圧の補正を行なう油圧式クラッチ11が選択されているか否かを制御部32が判断する。本実施形態では、全ての油圧式クラッチ11が予め選択されているため、ステップS6に進む。なお、本実施形態と異なり、クラッチ圧の補正を行なう油圧式クラッチ11を入力手段35によって選択できるようにしてもよい。その場合、図示しないディスプレイ等にクラッチ圧の補正を行なう油圧式クラッチ11を入力手段35により選択すべき旨の表示をし、入力手段35により選択されるまで表示し続ける。このように、取捨選択をできるようにすることで、補正する油圧式クラッチの数を減らして補正の時間を短くすることができるようになる。選択されると、ステップS6に進む。
ステップS6では、補正する油圧式クラッチ11として前進用クラッチ11が選択されたか否かを制御部32が判断する。本実施形態では、全ての油圧式クラッチ11が選択されているため、選択されていると判断し、ステップS7に進む。ステップS7では、圧力補正処理が開始される。なお、選択されていないと判断した場合は、後述するステップS8に進む。
以下では、図2及び図4を参照しつつ、圧力補正処理について説明する。圧力補正処理が始まると、ステップS21に進む。ステップS21では、制御部32は、第2作動条件、及び第3作動条件を満たしていることを再び確認し、満たしていない場合、これら第2及び第3作動条件を満たすようにエンジンを制御する。これにより、全て同じ条件での計測となり、正確な値を確認することが可能となる。その後、制御部32は、予め定められた切換パターンに従って、クラッチ圧を補正すべき油圧式クラッチ11をオンに切換える。例えば、前進クラッチ11における切換パターンとは、前進クラッチ11を除く全てのクラッチ11をオフにし、前進クラッチ11だけをオンに切替えることである。
切換える際、制御部32は、前述のクラッチ操作の初期充填工程t1及び低圧保持工程t2だけを実施し、充填完了時のクラッチ圧、即ち最低制御圧pcm及び充填完了時間tを検出する。つまり、前進用クラッチ11に対応する電磁比例弁10に初期制御電流Iを一定時間流し、その後、電流を最低制御電流Iminに下げて更に流し続け、作動油の充填が完了した時点での最低制御圧pcm及び充填完了時間tを検出する。ここで、充填完了時間tは、電磁比例弁10に電流を流し始めてから充填が完了するまでの時間である。なお、本実施形態では、電磁比例弁10等によりクラッチ圧が振動することを考慮して、充填が完了した後も所定時間の間、最低制御電流Iminを流し続け、その所定時間の間に検出される複数のクラッチ圧(例えば、一定の間隔で検出される複数のクラッチ圧)の平均値を最低制御圧pcmとしている。ステップS21で最低制御圧pcm及び充填完了時間tが検出されると、ステップS22へ進む。
ステップS22では、最低制御圧pcmが予め定められた基準範囲内に収まっているか否かを制御部32が判断する。予め定められた基準範囲(即ち、規定圧力の範囲)とは、最低制御圧の予め定められた指令圧Pciに対して、最低制御圧pcmが|pcm−pci|≦pr1kPa(圧力pr1は、予め定められた圧力であり、例えば、20kPa)を満たすような範囲である。最低制御圧pcmが上記基準範囲内に収まっていないと制御部32が判断すると、ステップS23に進む。
ステップS23では、以下に示す4つの異常状態のうちの少なくとも1つに適合するか否かを制御部32が判断する。異常状態とは、圧力センサ31、エンジン回転数センサ33、及び温度センサ34のうちの1つのセンサの異常が検出されていること(異常状態1)、電磁比例弁10のソレノイド10aの異常が検出されていること(異常状態2)、差圧|pcR|(=|pcm−pci|)がPr2kPa(圧力pr2は、予め定められた圧力であり、例えば、200kPa)以上であること(異常状態3)、及びステップS22又は後述するステップS29にて基準範囲内に収まっていないと判断された回数がn+1回(nは、1以上自然数)以上であること(異常状態4)である。
これら異常状態の少なくとも1つに適合すると、後述するステップS25にて補正される最低制御電流Imin又はステップS29にて補正される初期通電時間tI1が発散する等して、不所望な値が演算されてしまうことがある。そうすると、最低制御圧が大きくなって係合時のショックが大きくなったり、また充填完了時間が長くなって係合時のタイムラグが大きくなったりして係合時のフィーリングが損なわれてしまう。そこで、4つの異常状態の少なくとも1つに適合する場合、クラッチ圧の補正を実施しないようにして、現状よりも係合時のフィーリングが損なわれてしまうことを少なくとも防いでいる。4つの異常状態の少なくとも1つに適合すると制御部32が判断した場合、ステップS24に進み、ステップS24で補正することができない異常状態が検出されている旨を表示し、圧力補正処理を終了する。逆に、何れの異常状態にも適合しないと制御部32が判断すると、ステップS25に進む。
ステップS25では、まず制御部32が電磁比例弁10のソレノイド10aに流す電流を制御して充填完了時のクラッチ圧を補正する。以下に、その具体的な補正方法について説明する。検出された最低制御圧pcmが基準範囲に収まっていない場合、差圧pcR(=pcm−pci)を求める。次に、この差圧pcRと指令圧Pciとに基づいて、補正された指令圧pciR=pci−pcRを求め、補正された指令圧pciRに応じた電流に最低制御電流Iminを補正する。
このように最低制御電流Iminを補正するとステップS21へと戻り、補正された指令圧で再びクラッチ操作を行わせ、最低制御圧力Pcm及び充填完了時間tを検出し、ステップS22にてこれらが基準範囲内に収まっているか否かを判断する。ステップS22にて、最低制御圧力Pcmが基準範囲内に収まっていると判断されると、ステップS26へ進む。
ステップS26では、検出した充填完了時間tが設定充填時間tciの範囲内に収まっているか否かを制御部32が判断する。設定充填時間tciの範囲は、予め定められた基準範囲であり、t≦tci≦t(時間t及び時間tは、予め定められた時間である)を満たすものである。充填完了時間tが設定充填時間tciの範囲内に収まっていると制御部32が判断した場合、圧力補正処理が終了する。他方、充填完了時間tが、設定充填時間tciの範囲内に収まっていないと制御部32が判断すると、ステップS27に進む。
ステップS27では、再び4つの異常状態のうちの少なくとも1つに適合するか否かを制御部32が判断する。4つの異常状態の少なくとも1つに適合すると制御部32が判断した場合、ステップS28に進み、ステップS28で補正することができない異常状態が検出されている旨を表示し、圧力補正処理を終了する。逆に、何れの異常状態にも適合しないと制御部32が判断すると、ステップS29に進む。
ステップS29では、充填完了時間tと設定充填時間tciの範囲とに基づいて、油圧式クラッチ11への充填の過不足を判断し、初期制御電流Iを流す時間、即ち初期通電時間tI1を補正する。例えば、充填完了時間tが設定充填時間tciより長い場合、充填不足と判断して初期通電時間tI1を長くし、逆に、充填完了時間tが設定充填時間tciより短い場合、過充填であると判断して初期通電時間tI1を短くする。
具体的には、充填完了時間tがt−t>0及びt−t>0を満たしている(即ち、充填完了時間tが設定充填時間tciより長い)場合、充填不足と判断し、初期通電時間tI1を例えば|t−t|/5秒だけ長くする。また、充填完了時間tがt−t<0及びt−t<0を満たしている(充填完了時間tが設定充填時間tciより短い)場合、過充填と判断し、初期通電時間tI1を例えば|t−t|/5秒だけ短くする。なお、調整する時間は、|t−t|/5秒に限られず、任意に設定された値でよい。
このように初期通電時間tI1を補正すると、ステップS26へと戻り、充填完了時間tが設定充電時間tciの範囲内に収まっているか否かを制御部32が判断する。設定充電時間tciの範囲内に収まっていると判断されると、圧力補正処理が終了する。
図3に戻って、圧力補正処理が終了すると、又はステップS7にて前進用クラッチ11が選択されていないと判断されていると、ステップS8に進む。ステップS8では、補正する油圧式クラッチ11として後進用クラッチ11が選択されたか否かを判断する。全ての油圧式クラッチ11が選択されているため、選択されていると判断し、ステップS9に進む。ステップS9では、圧力補正処理が開始される。ステップ9で開始される圧力補正処理は、前進用クラッチ11で行なわれる圧力補正処理と同様であり、対象が後進用クラッチ11に変わるだけである。それ故、詳細な説明について省略する。圧力補正処理が終了した場合、及び後進用クラッチ11が選択されていない場合、ステップS10に進む。
ステップS10では、補正する油圧式クラッチ11として1速用クラッチ11が選択されたか否かを判断する。全ての油圧式クラッチ11が選択されているため、選択されていると判断し、ステップS11に進む。ステップS11では、圧力補正処理が開始される。ステップ11で開始される圧力補正処理は、前進用クラッチ11で行なわれる圧力補正処理と同様であり、対象となる油圧式クラッチ11が1速用クラッチ11に代わるだけであるので、詳細な説明について省略する。
ステップS11にて圧力補正処理が終了、又はステップS10にて1速用クラッチ11が選択されていないと判断されると、図3にて図示しないが、1速用クラッチ11の場合と同様に2速用クラッチ11及び3速用クラッチ11に関して順に、選択されたか否かを判断し、選択されていると圧力補正処理を行う。圧力補正処理も、前進用クラッチ11の場合と、略同様である。3速用クラッチ11にて圧力補正処理が終了、又は3速用クラッチ11が選択されていないと判断されると、ステップS12に進む。
ステップS12でも、同様に補正する油圧式クラッチ11として4速用クラッチ11が選択されたか否かを判断する。全ての油圧式クラッチ11が選択されているため、選択されていると判断し、ステップS13に進む。ステップS13では、圧力補正処理が開始される。ステップ13で開始される圧力補正処理もまた切換パターンが異なるだけで、略同様である。4速用クラッチ11の圧力補正処理が終了すると、又は4速用クラッチ11が選択されていないと判断されると、チェックモードが終了する。
このようなクラッチ圧補正方法を用いると、クラッチ圧補正装置30のような簡単な構成で、油圧回路1の各構成の寸法等のバラツキ、油漏れ、並びに制御部32及び電磁比例弁10の個体差等に起因する、クラッチ圧及び充填完了時間のホイルローダ毎のバラツキを抑制することができる。即ち、各ホイルローダにおける油圧式クラッチ11を係合する際のフィーリングの違いをなくすことができ、ホイルローダの性能品質を一定にすることができる。
特に、検出された最低制御圧力pcmが、|pcm−pci|≦pr1kPaとなるように補正することで、最低制御圧力pcmが指令値pciに対して誤差±pr1の範囲内に収めることができる。それ故、pr1を小さく設定することで、全てのホイルローダに関してその性能品質を略同じにすることができる。
また、全てのホイルローダに関して、油圧式クラッチ11を係合する際のショックを抑えることが簡単であり、また油圧式クラッチ11をオンにしてから油圧式クラッチ11が係合するまでのタイムラグを一定にすることができる。これにより、クラッチ圧補正装置30を備えることで、全てのホイルローダに関してスムーズなトラスミッションの切換を実現できるようになる。
また、制御部32と各油圧式クラッチ11に個別に設けられる圧力センサ31により、圧力センサ31が設けられる全ての油圧式クラッチ11の最低制御圧及び充填完了時間を補正することができるので、前記全ての油圧式クラッチ11の最低制御圧及び充填完了時間を補正するのにかかる時間が短い。
このようにして構成されるクラッチ圧補正装置30は、以下に示す3つの禁止動作が行われたと制御部32が判断すると、クラッチ圧補正方法によるクラッチ圧及び充填完了時間の補正を強制的に終了するようになっている。禁止動作には、運転者によるパーキングブレーキ又はサービスブレーキの操作(禁止動作1)、運転者によるクラッチ操作(禁止動作2)、運転者によるアクセルペダルの操作(禁止動作3)がある。このように禁止動作1乃至3がなされた時にクラッチ圧及び充填完了時間の補正を強制的に終了することで、車両が安全な状態を維持でき、クラッチ圧及び充填完了時間が不所望な値に補正されることを防ぐことができる。
なお、制御部32は、禁止動作1乃至3の検出、及び補正を強制終了するか否かの判断と、クラッチ圧補正方法によるクラッチ圧及び充填完了時間の補正とを互いに独立して実施している。それ故、運転者が禁止動作1乃至3を行なうと、制御部32がこれを直ぐに検出し、前記補正を終了させる。これにより、油圧回路1が不所望な動作をすることを防ぐことができる。
また、上述の方法とは別に、クラッチ圧及び充填完了時間の補正中において、禁止動作1乃至3等ができないように、前記補正中における禁止動作1乃至3を無効にするように制御部32が構成されていてもよい。その場合、強制解除手段を設け、この強制解除手段を操作すると、禁止動作1乃至3が無効になっている状態を解除することができることが好ましい。
本実施形態では、クラッチ圧を補正する際の最低制御圧pcmの基準範囲及び設定充填時間tciの範囲が予め定められているが、入力手段35により設定変更可能になっていてもよい。この場合、設定充填時間tciの範囲に関しては、時間t,tを入力手段35により設定変更することにより変更し、また最低制御圧pcmの基準範囲に関しては、指令圧Pciを入力手段35により設定変更することで変更することができるようになっている。これにより、クラッチを早く繋げる等運転者の要望に合わせてクラッチ操作の態様を変更することが可能となる。
また、入力手段35に備わるリセットボタンより設定変更された指令圧Pciを予め定められた初期値に戻すことができ、これにより指令圧Pciに応じて流される最低制御電流Iminもまた初期値に戻される。これにより、運転者の要望に合わせて変更したクラッチ操作の態様を初期状態に戻すことができる。
本実施形態では、6つの油圧式クラッチ11,11,11,11,11,11の各々に対して圧力センサ31が設けられており、各油圧式クラッチ11,11,11,11,11,11のクラッチ圧を検出するようになっているが、必ずしも全ての油圧式クラッチ11,11,11,11,11,11に圧力センサ31を設ける必要はない。補正する必要がある油圧式クラッチ11,11,11,11,11,11だけに設けるようにすればよい。
本実施形態では、エンジンがアイドリング状態にあるときにクラッチ圧の補正がアイドリング状態以外であってもクラッチ圧の補正を行なってもよい。この場合も、検出される最低制御圧Pcm、充填完了時間tに基づいて指令圧pci、及び初期通電時間tI1を補正するようになっており、温度センサ34から得られる温度Tに応じて決められる最低制御圧Pcmが低い場合、指令圧Pciが高くなるように補正し、充填完了時間tが長い場合、初期通電時間tI1を長くするように補正するようになっている。
なお、本発明は、実施の形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で追加、削除、変更が可能である。
10 電磁比例弁
11 油圧式クラッチ
30 補正装置
31 圧力センサ
32 制御部
33 回転数センサ
34 温度センサ
35 入力手段

Claims (8)

  1. 電磁弁へ流す電流に応じた圧力に調圧された作動油が供給されて該作動油の充填が完了すると係合する油圧式クラッチのクラッチ圧補正装置であって、
    前記油圧式クラッチのクラッチ圧を検出する圧力センサと、
    充填完了時に前記圧力センサで検出されるクラッチ圧が予め定められた規定圧力の範囲内に収まるように前記電磁弁の電流を制御して、充填完了時のクラッチ圧を補正する補正手段とを備える
    ことを特徴とするクラッチ圧補正装置。
  2. 前記補正手段は、前記作動油の供給を開始してからその充填が完了するまでの充填完了時間が予め定められた規定時間の範囲内に収まるように前記電磁弁に流す電流を制御して、充填完了時のクラッチ圧を補正するようになっている
    ことを特徴とする請求項1に記載のクラッチ圧補正装置。
  3. 前記作動油の充填が完了するまでには、前記油圧式クラッチに前記作動油が充填される初期充填工程と、前記初期充填工程よりも低圧の作動油が前記油圧式クラッチに充填される低圧充填工程とがあり、
    前記補正手段は、前記作動油の供給を開始してからその充填が完了するまでの充填完了時間が予め定められた規定時間の範囲内に収まるように前記初期充填工程の時間を制御するようになっている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のクラッチ圧補正装置。
  4. 前記補正手段は、前記油圧式クラッチに接続されるエンジンが始動し、且つ前記エンジンの回転数及び前記作動油の温度が予め定められた規定回転数及び規定温度の範囲内に夫々収まっていると、充填完了時のクラッチ圧を補正するようになっている
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1つに記載のクラッチ圧補正装置。
  5. 複数の前記油圧式クラッチのクラッチ圧を補正可能なクラッチ圧補正装置であって、
    前記圧力センサは、前記各油圧式クラッチに対して個別に設けられ、
    前記補正手段は、前記複数の油圧式クラッチに対して個別に設けられる前記電磁弁に流れる電流を制御して、充填完了時のクラッチ圧を補正するようになっている
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1つに記載のクラッチ圧補正装置。
  6. 電磁弁に流れる電流に応じた圧力に調圧された作動油が供給されて該作動油の充填が完了すると係合する前記油圧式クラッチのクラッチ圧を補正するクラッチ圧補正方法であって、
    前記クラッチ圧を検出する圧力センサにより検出される前記クラッチ圧が予め定められた規定圧力の範囲内に収まるように前記電磁弁に流す電流を制御して、充填完了時のクラッチ圧を補正する
    ことを特徴とするクラッチ圧補正方法。
  7. 前記作動油の供給を開始してからその充填が完了するまでの充填完了時間が予め定められた規定時間の範囲内に収まるように前記電磁弁に流す電流を制御して、充填完了時のクラッチ圧を補正する
    ことを特徴とする請求項6に記載のクラッチ圧補正方法。
  8. 前記作動油の充填が完了するまでには、前記油圧式クラッチに前記作動油が充填される初期充填工程と、前記初期充填工程よりも低圧の作動油が前記油圧式クラッチに充填される低圧充填工程とがあり、
    前記作動油の供給を開始してからその充填が完了するまでの充填完了時間が予め定められた規定時間の範囲内になるように前記初期充填工程の時間を制御する
    ことを特徴とする請求項6又は7に記載のクラッチ圧補正方法。
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