JP2011047047A - マグネシウム合金製品用のpeo表面処理溶液の配合物 - Google Patents

マグネシウム合金製品用のpeo表面処理溶液の配合物 Download PDF

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Abstract

【課題】マグネシウム合金製品の表面に酸化膜を強固かつ緻密に、しかも、一様に形成することが可能なマグネシウム合金製品用のPEO表面処理溶液の配合物を提供すること。
【解決手段】本発明では、水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を基本溶液とするマグネシウム合金製品用のPEO表面処理溶液の配合物において、水酸化ナトリウム溶液に含有されている水酸化ナトリウムの質量を基準として、フッ化ナトリウム(NaF)1〜20質量%、リン酸三ナトリウム(NaPO)1〜15質量%、ピロリン酸ナトリウム(Na)1〜10質量%、水酸化アルミニウム(Al(OH))1〜20質量%、フッ化ケイ素ナトリウム(NaSiF)1〜20質量%、水酸化カリウム(KOH)1〜10質量%、酢酸カリウム(CK)1〜15質量%、及び、希土類金属粉末1〜10質量%が、前記水酸化ナトリウム溶液に混合された。
【選択図】図1

Description

本発明はマグネシウム合金製品の表面を処理する方法の一種であるPEO表面処理方法に用いられる電解液である表面処理溶液の配合物に関し、さらに詳細には、マグネシウム合金製品の表面に酸化膜を強固かつ緻密に、しかも、一様に形成可能な、マグネシウム合金製品用のPEO表面処理に用いられる低アルカリ溶液の配合物に関する。
一般に、マグネシウム合金は、寸法安定性に優れており、比強度、電磁気波の遮蔽性、振動減衰などがアルミニウム合金や鉄鋼に比べて優れていることから、自動車や航空機用の部品、携帯電話のケース、ノート型パソコンのケース、眼鏡縁などに多用されており、標準電極単位が低くて耐食性に弱いため、腐食防止のために表面処理が施されている。
このようなマグネシウム合金を材質とする製品を表面処理するための方法として、アノダイジングと呼ばれる陽極酸化被膜処理方法や、プラズマ電解酸化(Plasma Electrolytic Oxidation)と呼ばれるPEO処理方法などがある。
ここで、マグネシウム合金は酸化し易い金属であるため、前処理過程である表面処理工程が必須的に求められ、このようなマグネシウム合金の製品をプラズマ電解酸化処理方法により処理して、表面にMgO薄膜層を形成することになる。
すなわち、従来のPEO表面処理装置に用いられる電解液は、水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を主として使用しており、水酸化ナトリウム溶液内の水酸基(−OH)がマグネシウム合金製品の表面層に結合する。このようにして形成された酸化被膜の内部において形成される強い電流場によってプラズマが発生し、これらのエネルギーが瞬時に酸化物を形成してマグネシウム合金製品の表面層にMgOとMg(OH)薄膜層を形成することになる。
しかしながら、従来には、PEO表面処理装置に用いられる電解液として水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を使用していたため、マグネシウム合金製品の表面の呈色性と均一性を高めるには限界があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、マグネシウム合金製品の表面に酸化膜を強固かつ緻密に、しかも、一様に形成することが可能な、マグネシウム合金製品用のPEO表面処理溶液の配合物を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を基本溶液とするマグネシウム合金製品用のPEO表面処理溶液の配合物において、水酸化ナトリウム溶液に含有されている水酸化ナトリウムの質量を基準として、フッ化ナトリウム(NaF)1〜20質量%、リン酸三ナトリウム(NaPO)1〜15質量%、ピロリン酸ナトリウム(Na)1〜10質量%、水酸化アルミニウム(Al(OH))1〜20質量%、フッ化ケイ素ナトリウム(NaSiF)1〜20質量%、水酸化カリウム(KOH)1〜10質量%、酢酸カリウム(CK)1〜15質量%、及び、希土類金属粉末1〜10質量%が、前記水酸化ナトリウム溶液に混合されたことを特徴とする、マグネシウム合金製品用のPEO表面処理溶液の配合物が提供される。
以上説明したように本発明によれば、電解液としての水酸化ナトリウム溶液に対して、強固性、緻密性、膜の気孔及び粗さに影響する物質を追加することにより、マグネシウム合金製品の表面に、酸化膜を強固かつ緻密に、しかも、一様に形成することが可能である。
本発明に係るマグネシウム合金製品用のPEO表面処理溶液の配合物により表面処理を施したマグネシウム合金製品の表面を拡大した図である。 本発明によるPEO表面処理の施された表面をDATA−SEM(電子顕微鏡)により拡大した図である。 従来の技術による表面処理溶液により表面処理を施したマグネシウム合金製品の表面を拡大した図である。 従来の技術による表面処理溶液により表面処理を施したマグネシウム合金製品の表面を拡大した図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
本発明は、電解液としての水酸化ナトリウム溶液に、強固性、緻密性、膜の気孔及び粗さに影響する物質を追加することにより、マグネシウム合金製品の表面に酸化膜を強固且つ緻密に、しかも、一様に形成可能な、マグネシウム合金製品用のPEO表面処理に用いられる低アルカリ溶液の配合物を提供するものである。
本発明は、マグネシウム合金製品用のPEO表面処理溶液である電解液の配合物であり、水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を基本溶液としている。
そして、本発明においては、フッ化ナトリウム(NaF)、リン酸三ナトリウム(NaPO)、ピロリン酸ナトリウム(Na)、水酸化アルミニウム(Al(OH))、フッ化ケイ素ナトリウム(NaSiF)、水酸化カリウム(KOH)、酢酸カリウム(CK)及び希土類金属粉末が、水酸化ナトリウム溶液に混合されている。
特に、本発明においては、水酸化ナトリウム溶液に含有されている水酸化ナトリウムの質量を基準として、フッ化ナトリウム(NaF)1〜20質量%、リン酸三ナトリウム(NaPO)1〜15質量%、ピロリン酸ナトリウム(Na)1〜10質量%、水酸化アルミニウム(Al(OH))1〜20質量%、フッ化ケイ素ナトリウム(NaSiF)1〜20質量%、水酸化カリウム(KOH)1〜10質量%、酢酸カリウム(CK)1〜15質量%、及び、希土類金属粉末1〜10質量%が、水酸化ナトリウム溶液に溶解されている。
本発明に係るマグネシウム合金製品用のPEO表面処理溶液の配合物は、PEO表面処理に際して、表面処理溶液内のフッ化ナトリウム(NaF)により膜の強固性及び緻密性を確保し、リン酸三ナトリウム(NaPO)とフッ化ケイ素ナトリウム(NaSiF)により膜の強固性及び緻密性を確保し、ピロリン酸ナトリウム(Na)と水酸化アルミニウム(Al(OH))により膜の気孔性を確保し、水酸化カリウム(KOH)と酢酸カリウム(CK)、希土類金属粉末により膜の呈色性及び均一性、膜の気孔径の稠密性、膜の形態を確保する。これにより、マグネシウム合金製品の表面に、酸化膜を強固でかつ緻密に、しかも、一様に形成することができる。
参考までに、水酸化ナトリウムは、炭酸ナトリウムの苛性化と塩化ナトリウムの電気分解により製造されるものであり、潮解性が強く、純粋なものは無色透明な結晶である。通常は、不純物が含まれており、やや不透明な白色の固体であって、室温下では斜方晶系のα型(低温型)であり、299.6℃の温度下で立方晶系のβ型(高温型)に転移する。
そして、完全に脱水(無水)されたものの融点は328℃であるが、実際には極めて除去し難い水分と炭酸塩を少量含有するため、約10℃程度低い318.4℃である。また、水酸化ナトリウムは、沸騰点1390℃、比重2.130、屈折率1.3576であり、融解熱1.70kcal/mol、生成熱102.7kcal/molである。1,2,3,3.5,4,5,7水和物が知られており、3.5水和物は、無色の単斜晶系の結晶であって、融点15.5℃である。
水酸化ナトリウムは、水に溶け易く、溶解時に大量の熱を発生し、水溶液は強い塩基性を帯び、水100gへの溶解度は0℃において42g、20℃において109g、100℃において347gである。また、水酸化ナトリウムは、エチルアルコール・グリセロールには溶け易いが、エーテル・アセトン・液体アンモニアには溶けない。
また、水酸化ナトリウムは、潮解性があるため、空気中に放置すれば湿気と二酸化炭素を吸収して炭酸ナトリウムに変わり、生成された炭酸ナトリウムは、濃い水酸化ナトリウム溶液に溶け難い。この性質を用いて、炭酸塩を含有しない水酸化ナトリウム水溶液を生成することができる。
さらに、水酸化ナトリウム溶液は、難溶用ケイ酸塩、リン酸塩、硫酸塩と一緒に溶かすと水溶性ナトリウム塩が生成されるため、このような溶解に用いられ、低温下でフッ素と反応してフッ化ナトリウムと水・酸素を生成し、塩素・臭素・尿素などと反応して、低温下では種々の酸化ハロゲン化物を生成し、高温下ではハロゲン化ナトリウムを生成する。
また、水酸化ナトリウムは、リンと反応してリン化ナトリウムとホスフィン及びホスフォリル化合物を生成し、砒素と反応して亜砒酸ナトリウムと砒素化水素を生成する。また、水酸化ナトリウムは、カルシウムと一緒に赤熱すると還元されてナトリウムが生成され、濃い水溶液はケイ素と反応してケイ酸ナトリウムと水素を生成し、ほとんどの金属塩水溶液において水酸化物を沈殿させる。
本発明においては、前記フッ化ナトリウム(NaF)が膜の強固性及び緻密性を確保する。フッ化ナトリウムが、水酸化ナトリウム溶液に含有されている水酸化ナトリウムを基準として20質量%よりも多量に(20質量%超過で)添加されると、緻密性を落としてマグネシウム合金製品の表面に形成される酸化膜の粗さに悪影響を及ぼす可能性がある。また、フッ化ナトリウムが、1質量%よりも少量で(1質量%未満で)添加されると、他の多くの混合物が混合されている全体の溶液に比べて添加量が少量になって、膜の強固性及び緻密性の確保に影響を及ぼさなくなる。
参考までに、フルオロ化ナトリウムは、無色の等軸晶系結晶または白色結晶性粉末であり、水に溶け易く、アルコールに溶け難く、水溶液は腐食性があり、フッ素イオン(F)のサイズが小さいため陽イオンと結合して安定した錯物をなし、フッ素はテフロン(登録商標)という高分子コーティング剤を生成するのに用いられ、水酸基に容易に置換される。
本発明においては、前記リン酸三ナトリウム(NaPO)が膜の粗さに影響する。すなわち、リン酸三ナトリウムを添加することで、膜をより均一にすることが可能となる。リン酸三ナトリウムが、水酸化ナトリウム溶液に含有されている水酸化ナトリウムを基準として15質量%よりも多量に(15質量%超過で)添加されると、マグネシウム合金製品の表面に形成される酸化膜の粗さに悪影響を及ぼす可能性がある。また、リン酸三ナトリウムが、1質量%よりも少量で(1質量%未満で)添加されると、他の多くの混合物が混合されている全体の溶液に比べて添加量が少量になり、膜の粗さに影響を及ぼさなくなる。
参考までに、リン酸三ナトリウムは、リン酸水素がナトリウムの水溶液に当量の水酸化ナトリウムを加えて蒸発・乾燥させた後、電気炉において加熱・脱水すると、無水和物が得られ、リン酸に過剰の水酸化ナトリウムを加えて蒸発・濃縮すると室温下で12水和物が得られる。
また、リン酸三ナトリウムは、晶出温度に応じて10,6,0.5水和物なども得られ、無水和物は無色の粉末であり、融点1340℃、密度2.536g/cm(17℃)であり、水100gに0℃において4.5g、100℃において77g溶解する。12水和物は、融点73.4℃、比重1.62、無色の六方晶系結晶であり、溶解度は28.32g/100g(水15℃)であり、100℃において脱水して1水和物となり、アルカリ性洗浄剤・皮革混練剤・清罐剤・硬水軟化剤などとして用いられる。
本発明において、前記ピロリン酸ナトリウム(Na)が膜の気孔に影響する。ピロリン酸ナトリウムが、水酸化ナトリウム溶液に含有されている水酸化ナトリウムを基準として10質量%よりも多量に(10質量%超過で)添加されると、単位面積当たりの気孔の数が増大して、膜の表面の均一性に悪影響を及ぼす恐れがある。また、ピロリン酸ナトリウムが、1質量%よりも少量で(1質量%未満で)添加されると、他の多くの混合物が混合されている全体の溶液に比べて添加量が少量になり、膜の気孔に影響を及ぼさなくなる。
参考までに、ピロリン酸ナトリウム(Na)には、結晶物(10水塩)及び無水物があり、それぞれをピロリン酸ナトリウム(結晶)及びピロリン酸ナトリウム(無水)と呼ぶ。水に溶解されてNa・nHOとなると、水に溶解し易く、アルコールに溶解せず、金属イオンと可溶性錯塩を生成する力が強くて金属イオンに対する封鎖作用が高く、風化性があり、無機酸の存在下で沸騰するとNaHPOに変わる。
本発明において、前記水酸化アルミニウム(Al(OH))が膜の気孔に影響する。水酸化アルミニウムが、水酸化ナトリウム溶液に含有されている水酸化ナトリウムを基準として20質量%よりも多量に(20質量%超過で)添加されると、単位面積あたりの気孔の数が増大して、膜の表面の均一性に悪影響を及ぼす可能性がある。また、水酸化アルミニウムが、1質量%よりも少量で(1質量%未満で)添加されると、他の多くの混合物が混合されている全体の溶液に比べて添加量が少量になり、膜の気孔に大きく影響しなくなる。
参考までに、水酸化アルミニウム(Al(OH))は、天然においてギブサイト・ダイアスポアとして存在する。アルミニウム塩の水溶液にアンモニア水を加えると白色のコロイド状沈殿が生成され、加熱すると300℃において水1分子を失う両方性水酸化物であって、アルカリと反応してアルミン酸塩を生成し、酸と反応してその塩を生成する。
また、水酸化アルミニウムは、水と長時間接触するとゲル化する。吸着剤・イオン交換剤、クロマトグラフィの固定剤などとして、また、酸化アルミニウムの製造原料、紙の重量剤として用いられる他、繊維中に充填すると防水性が高くなることから、防水布の製造時に添加剤として用いられる。
本発明において、前記フッ化ケイ素ナトリウム(NaSiF)が膜の粗さに影響する。フッ化ケイ素ナトリウムが、水酸化ナトリウム溶液に含有されている水酸化ナトリウムを基準として20質量%よりも多量に(20質量%超過で)添加されると、マグネシウム合金製品の表面に形成される酸化膜の粗さに悪影響を及ぼす可能性がある。また、フッ化ケイ素ナトリウムが、1質量%よりも少量で(1質量%未満で)添加されると、他の多くの混合物が混合されている全体の溶液に比べて添加量が少量になり、膜の粗さに大きく影響しなくなる。
参考までに、フッ化ケイ素ナトリウム(NaSiF)は、フッ化ケイ酸を処理して得られる種々の塩の一つであり、水道水のフッ素化に最も多用されるフッ化物であり、リン酸肥料の製造過程において副産物を得る。
また、リン鉱石を粉砕して硫酸により処理するときに副産物として生成される気体を水と反応させると、フッ化ケイ酸となり、これを炭酸ナトリウムにより中和するとフッ化ケイ素ナトリウムが沈殿する。フッ化ケイ素ナトリウムは、白色・無臭の結晶型粉末であり、溶解度は0℃において0.44%、100℃においてDPTJ 2.45%であって可変的であり、工業用として洗濯所の中和剤、オパール・ガラスの製造、毛織物の防虫処理に用いられる。
本発明において、前記水酸化カリウム(KOH)が膜の呈色性及び均一性に影響する。水酸化カリウムが、水酸化ナトリウム溶液に含有されている水酸化ナトリウムを基準として10質量%よりも多量に(10質量%超過で)添加されると、マグネシウム合金製品の表面に形成される酸化膜の色相中の茶色の比重が大きくなるにつれて象牙色の表面の均一性に悪影響を及ぼす可能性がある。また、水酸化カリウムが、1質量%よりも少量で(1質量%未満で)添加されると、他の多くの混合物が混合されている全体の溶液に比べて添加量が少量になり、膜の呈色性及び均一性に影響しなくなる。
参考までに、水酸化カリウムは、カリウムの水酸化物として塩化カリウム水溶液を電気分解して得られ、潮解性があるため空気中に放置すると湿気を吸収して溶け、二酸化炭素を吸収して炭酸カリウムとなり、水に溶けるときに多くの熱を出し、水溶液は強い塩基性を帯びる。
水酸化カリウムは、水酸化ナトリウムと極めて類似する化学的性質を有しており、種々のカリウム化合物とカリウムガラス・軟石鹸・染料(インディゴなど)・合成繊維原料(テレフタル酸など)などの製造に用いられ、アルカリ電池・分析試薬・二酸化炭素吸収剤などにも用いられる。
本発明において、前記酢酸カリウム(CK)が膜の気孔径に影響する。酢酸カリウムが、水酸化ナトリウム溶液に含有されている水酸化ナトリウムを基準として15質量%よりも多量に(15質量%超過で)添加されると、気孔径が大きくなって膜の均一性と粗さに悪影響を及ぼす可能性がある。また、酢酸カリウムが、1質量%よりも少量で(1質量%未満で)添加されると、他の多くの混合物が混合されている全体の溶液に比べて添加量が少量になり、膜の気孔径に影響しなくなる。
参考までに、酢酸カリウム(CK)は、エタノールに溶け易いがエーテルには溶け難い、分析試薬、有機合成の原料として用いられる潮解性の無色結晶であり、外観は無色ないし白色の溶解し易い単斜晶体である結晶性または光沢性粉末である。
本発明において、前記希土類金属粉末の一部が溶液に溶けながらイオン化して膜の形態と象牙色に影響を及ぼす。希土類金属粉末が、水酸化ナトリウム溶液に含有されている水酸化ナトリウムを基準として10質量%よりも多量に(10質量%超過で)添加されると、イオン化できない量が多量になって不要な不純物になることがある。また、希土類金属粉末が、1質量%よりも少量で(1質量%未満で)添加されると、他の多くの混合物が混合されている全体の溶液に比べて添加量が少量になり、膜の形態と象牙色に影響しなくなる。
参考までに、希土類金属とは、スカンジウム、イットリウム、ランタン属元素の全体をいうものであり、酸化数が+2、+3、+4であり、通常、いずれも+3価の化合物を生成する。セリウム、テルビウム、プラセオジウムにおいては+4価、イッテルビウム、ユウロピウム、サマリウムにおいては+2価もあり、ほとんど銀灰色の光沢を有し、陽性がアルカリ金属とアルカリ土類金属の次に強く、水溶液が塩基性を帯びることになる。
このように、本発明による物質は、水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を基本溶液とするマグネシウム合金製品用のPEO表面処理溶液の配合物であって、水酸化ナトリウム溶液に含有されている水酸化ナトリウムの質量を基準として、フッ化ナトリウム(NaF)、リン酸三ナトリウム(NaPO)、ピロリン酸ナトリウム(Na)、水酸化アルミニウム(Al(OH))、フッ化ケイ素ナトリウム(NaSiF)、水酸化カリウム(KOH)、酢酸カリウム(CK)、希土類金属粉末の適量を水酸化ナトリウム溶液に溶け込ませて、多数の物質の相互作用によりマグネシウム合金製品の表面に形成される酸化膜を、象牙色に近い色相を有するように形成することができる。
このため、上記のような配合物により実験を行った結果、図3と図4に示す従来の技術による酸化膜よりも、図1と図2に示すように一層強固且つ緻密で、しかも、滑らかな酸化膜を、マグネシウム合金製品の表面に形成することができた。
ここで、上記実験における配合物の成分及び実験条件等は、以下の通りである。
本実験例における水酸化ナトリウム溶液は、脱イオン化水10Lに対して、水酸化ナトリウム 1000g、NaF 50g、NaPO 70g、Na 45g、Al(OH) 15g、NaSiF 20g、KOH 200g、CK 60g、希土類金属粉末 20gを溶解させたものである。かかる水酸化ナトリウム溶液のpHは13.5である。かかる溶液に対して、温度10℃、時間60秒、電圧70Vで実験を実施した。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

Claims (1)

  1. 水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を基本溶液とするマグネシウム合金製品用のPEO表面処理溶液の配合物において、
    水酸化ナトリウム溶液に含有されている水酸化ナトリウムの質量を基準として、フッ化ナトリウム(NaF)1〜20質量%、リン酸三ナトリウム(NaPO)1〜15質量%、ピロリン酸ナトリウム(Na)1〜10質量%、水酸化アルミニウム(Al(OH))1〜20質量%、フッ化ケイ素ナトリウム(NaSiF)1〜20質量%、水酸化カリウム(KOH)1〜10質量%、酢酸カリウム(CK)1〜15質量%、及び、希土類金属粉末1〜10質量%が、前記水酸化ナトリウム溶液に混合されたことを特徴とする、マグネシウム合金製品用のPEO表面処理溶液の配合物。
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