JP2011046989A - 金属めっき液添加剤及び金属めっき方法 - Google Patents

金属めっき液添加剤及び金属めっき方法 Download PDF

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Shunichiro Yamaguchi
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Abstract

【課題】 電解金属めっきにおいて、金属めっき後の防錆性が良好であり、かつ容易に除去できる金属めっき液添加剤を含有する金属めっき液を提供することを目的とする。
【解決手段】 脂肪族ジカルボン酸またはその塩(A)、または脂肪族ジカルボン酸のハーフアミド(B)を必須成分として含有することを特徴とする金属めっき液添加剤に金属塩、無機酸、界面活性剤に添加した電解金属めっき液である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、金属めっき液添加剤、この添加剤を添加した金属めっき液、および金属めっき方法に関する。さらに詳しくは、プリント回路基板や半導体デバイス等の電子材料の製造工程において好適な金属めっき液添加剤、金属めっき液、及び金属めっき方法に関する。
近年、携帯電話やパーソナルコンピューター等の電子機器は小型化、高密度化、高性能化が著しく、これらに用いられるプリント回路基板には、軽薄短小化の要求がなされている。
一方、半導体デバイスの高速化、高容量化も同時に進行しており、半導体デバイスを搭載するパッケージ用配線板に対しては、一般の多層プリント回路基板以上に、軽薄短小化が要求されている。
これらプリント回路基板や半導体デバイス等の電子材料の製造には、金属めっき液による金属めっき工程が必須とされている。金属めっきには電解金属めっきと無電解金属めっきがある。
従来の電解金属めっきには、金属塩、無機酸、塩化物イオンを含む基本浴にさらにポリエチレングリコール誘導体、硫黄化合物又は窒素含有有機物等を添加しためっき液を用いることにより、光沢を有し均一に堆積した金属めっき皮膜が得られることが知られている(非特許文献1、特許文献1)。
しかし、金属めっきされた後には一時防錆(めっき工程の次の工程までの工程間、又はめっき後製品の保管中のある期間における防錆)が要求され、かつその防錆能を発揮する添加剤は次工程の前洗浄において容易に金属めっき表面から除去できることが必要とされる。しかし、現行の技術では一時防錆と次工程での防錆剤の除去性の両立が不十分といった問題がある。
一方、従来の無電解金属めっきは、導電性である金属表面のみならず非導電性である樹脂等の表面への金属めっきが必要とされる工程においても用いられる方法であり、金属塩、錯化剤、還元剤を含む基本浴に、さらにホスフィン化合物等を添加しためっき液を用いることにより外観が良好な皮膜が形成されることが知られている(特許文献2)。
しかし、無電解金属めっきによる金属めっき工程は、電解金属めっきによる金属めっき工程に比べて多大な工程時間が必要とされるため、生産性が低いという問題がある。
「エレクトロニクス実装学会誌」、Vol.3,No.7,607〜612頁,2000年発行、近藤和夫他、「ビア穴埋めに用いるCuめっき添加剤のメカニズム」
特開2008−223082号公報 特開2005−290415号公報
そこで、電解金属めっきにおいて、金属めっき後の防錆性が良好であり、かつ容易に除去できる金属めっき液添加剤を含有する金属めっき液及び該金属めっき液を用いた金属めっき方法を提供することを目的とする。また、無電解金属めっきにおいて、金属めっきの工程時間が大幅に短縮することができる、金属めっき液添加剤を含有する金属めっき液及び該金属めっき液を用いた金属めっき方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、脂肪族ジカルボン酸またはその塩(A)を必須成分として含有することを特徴とする金属めっき液添加剤;脂肪族ジカルボン酸のハーフアミドまたはその塩(B)を必須成分として含有することを特徴とする金属めっき液添加剤;これらの金属めっき液添加剤を金属塩、還元剤、アルカリ剤、キレート剤に添加した無電解金属めっき液;これらの金属めっき液添加剤を金属塩、無機酸、界面活性剤に添加した電解金属めっき液;ならびにこの金属めっき液を用いた金属めっき方法である。
本発明の金属めっき液添加剤は、電子材料等を製造する際の金属めっき工程において、電解金属めっき後の防錆性が良好であり、かつ容易に除去できる。また、無電解金属めっき工程における金属めっき工程時間が大幅に短縮できる効果を奏する。
本発明の金属めっき液添加剤は、脂肪族ジカルボン酸またはその塩(A)を必須成分として含有することを特徴とする添加剤、並びに脂肪族ジカルボン酸のハーフアミドまたはその塩(B)を必須成分として含有することを特徴とする添加剤である。
本発明の第1の金属めっき液添加剤は、脂肪族ジカルボン酸またはその塩(A)を必須成分として含有することを特徴とする添加剤である。さらに、下記一般式(1)で表される脂肪族ジカルボン酸またはその塩が好ましい。
[式(1)中、RとRは、それぞれ独立に、水素原子または1価の炭化水素基であって、RとRが共に水素原子ではなく、Rの炭素数とRの炭素数の合計が4〜36である。M1 +とM2 +は、それぞれ独立に水素イオン、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオンまたはアミンカチオンである。nは0または1〜6の整数である。]
一般式(1)におけるRとRは、それぞれ独立に水素原子または1価の炭化水素基である。但し、RとRが共に水素原子の場合はない。
またはRとRが共に1価の炭化水素基である場合、または一方だけが1価の炭化水素基である場合は、Rの炭素数とRの炭素数の合計が4〜36である。但し、1価の炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基が挙げられる。
1価の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状脂肪族炭化水素基および分岐状脂肪族炭化水素基が挙げられる。
直鎖状脂肪族炭化水素基としては、直鎖状アルキル基及び直鎖状アルケニル基が挙げられる。
直鎖状アルキル基としては、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−オクタデシル基等が挙げられる。
直鎖状アルケニル基としては、n−ブテニル基、n−ヘキセニル基、n−オクテニル基、n−ノネニル基、n−デセニル基、n−ウンデセニル基、n−ドデセニル基、n−トリデセニル基、n−テトラデセニル基、n−オレイル基等が挙げられる。
分岐状脂肪族炭化水素基としては、分岐状アルキル基及び分岐状アルケニル基が挙げられる。
分岐状アルキル基としては、t−ブチル基、2−エチルへキシル基、2,4,6−トリメチルヘプチル基、2,4,6,8−テトラメチルノニル基、2−n−ブチルテトラデシル基、プロピレンテトラマーの水添化物の残基、ブテントリマーの水添化物の残基等が挙げられる。
分岐状アルケニル基としては、t−ブテニル基、2−エチルへキセニル基、2,4,6−トリメチルヘプテニル基、2,4,6,8−テトラメチルノネニル基、2−n−ブチルテトラデセニル基、プロピレンテトラマーの残基、ブテントリマーの残基等が挙げられる。
1価の脂環式炭化水素基としては、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプチル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。
1価の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、キシリル基、ナフチル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基等が挙げられる。
1とR2は同時に水素原子になることはなく、一方が水素原子で他方は炭素数4〜18の炭化水素基、又は両方が炭素数4〜18の炭化水素基である。両方が水素原子の場合は防錆性能が不十分である。
1とR2のうち、原料入手のし易さの観点から、好ましくはいずれか一方が水素原子であって、他方が4〜18の炭化水素基である。
さらに好ましくは一方が水素原子であって、炭素数8〜18の脂肪族炭化水素基、特に好ましいのは炭素数8〜18の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基である。
1とR2のうち一方が水素原子の場合、一般式(1)におけるR1とR2はどちらが炭化水素基でもよく、R1が炭化水素基であるもの単独、R2が炭化水素基であるもの単独、またはこれらが混在したものでもよい。
一般式(1)におけるM1 +とM2 +は、それぞれ独立に水素イオン、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオンまたはアミンカチオンを表す。水溶性に優れ、臭気の影響が少ないという観点から、M1 +とM2 +は炭素数1〜12の脂肪族アミン(C)のカチオンが好ましい。
アルカリ金属カチオンとしては、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン等が挙げられる。
アルカリ土類金属カチオンとしては、カルシウムカチオン、マグネシウムカチオン等が挙げられる。
アミンカチオンとして好ましい炭素数1〜12の脂肪族アミン(C)としては、アルキルアミン(C1)、アルカノールアミン(C2)、炭素数2〜6のアルキレンジアミン(C3)、炭素数3〜7の環状アミン(C4)、炭素数4〜10のアミジン化合物(C5)、ポリアルキレンポリアミン(C6)等が挙げられる。
アルキルアミン(C1)としては、炭素数1〜6のモノアルキルアミン(C11)、炭素数2〜12のジアルキルアミン(C12)、炭素数3〜12のトリアルキルアミン(C13)等が挙げられる。
炭素数1〜6のモノアルキルアミン(C11)としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン等が挙げられる。
炭素数2〜12のジアルキルアミン(C12)としては、ジメチルアミン、エチルメチルアミン、プロピルメチルアミン、ブチルメチルアミン、ジエチルアミン、プロピルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン等が挙げられる。
炭素数3〜12のトリアルキルアミン(C13)としては、トリメチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジエチルメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等が挙げられる。
アルカノールアミン(C2)としては、炭素数が1〜10のアルカノールアミンが挙げられる。例えば炭素数1〜6のモノアルカノールアミン(C21)、炭素数4〜10のジアルカノールアミン(C22)、炭素数3〜12のトリアルカノールアミン(C23)等が挙げられる。
炭素数1〜6のモノアルカノールアミン(C21)としては、モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、モノブタノールアミン、モノエタノールエチルアミン、モノイソプロパノールエチルアミン、モノエタノールブチルアミン、モノエタノールシクロヘキシルアミン、モノイソプロパノールシクロヘキシルアミン、モノn−ブタノールシクロヘキシルアミン等が挙げられる。
炭素数4〜10のジアルカノールアミン(C22)としては、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N−ヒドロキシエチルイソプロパノールアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N−シクロヘキシルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシイソプロピル)−N−シクロヘキシルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシイソブチル)−N−シクロヘキシルアミン等が挙げられる。
炭素数3〜12のトリアルカノールアミン(C23)としては、トリエタノールアミン、N−ヒドロキシエチルジイソプロパノールアミン等が挙げられる。
炭素数2〜6のアルキレンジアミン(C3)としては、エチレンジアミン、1,2−又は1,3−プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
炭素数3〜7の環状アミン(C4)としては、シクロプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、ピペリジン、ピペラジン、キヌクリジン、2−ピリジンアミン、cis−3−メチルシクロヘキシルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)等が挙げられる。
炭素数4〜10のアミジン化合物(C5)としては、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(以下、DBUと略記)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、2−メチルイミダゾール、2−ブチルベンゾイミダゾール、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール等が挙げられる。
ポリアルキレンポリアミン(C6)としては、炭素数4〜12のポリアルキレンポリアミンが挙げられる。例えば、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、ジヘキシレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン等が挙げられる。
(C)のうち、金属に対する防錆性と除去性の観点から、好ましくはアルキルアミン(C1)、アルカノールアミン(C2)、炭素数4〜10のアミジン化合物(C5)であり、より好ましくは炭素数2〜12のジアルキルアミン(C12)炭素数4〜10のジアルカノールアミン(C22)、DBU、さらに好ましくは、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N−シクロヘキシルアミン、DBU、特に好ましくは、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N−シクロヘキシルアミンである。
一般式(1)におけるnは0または1〜6の整数であり、金属に対する防錆性に優れるという観点から好ましくは0である。
本発明の第2の金属めっき液添加剤は、脂肪族ジカルボン酸のハーフアミドまたはその塩(B)を必須成分として含有することを特徴とする添加剤である。さらに、下記一般式(2)で表される脂肪族ジカルボン酸のハーフアミドまたはその塩が好ましい。
[式(2)中、RとRは、それぞれ独立に水素原子または1価の炭化水素基であって、RとRが共に水素原子ではなく、Rの炭素数とRの炭素数の合計が4〜36である。RとRは、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基である。M1 +は、水素イオン、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオンまたはアミンカチオンである。nは0または1〜6の整数である。]
一般式(2)におけるRとR、M1 +及びnは、前記の第2の金属めっき液添加剤で説明した一般式(1)で定義されたものと同様のものを表す。さらに具体例と好ましいものも同様である。
一般式(2)におけるRとRは、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基である。
炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。
炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基としては、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル基等が挙げられる。
このうち金属に対する防錆性に優れるという観点から、好ましいのは炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基であり、さらに好ましいのは2−ヒドロキシエチル基である。
本発明の金属めっき液添加剤として使用できる金属としては特に限定ないが、金、銀、銅、白金、ニッケル、亜鉛、鉄、パラジウム、錫等が挙げられる。
本発明の金属めっき液添加剤を必須成分として含有してなる金属めっき液を用いためっき方法として、電解金属めっきで、無電解金属めっき、溶融めっき、陽極酸化めっき、真空めっき等による方法が挙げられ、良好な密着性をもっためっき皮膜を低コストに生産ができるとの観点より、電解金属めっき及び無電解金属めっきによる方法が好ましい。
脂肪族ジカルボン酸またはその塩(A)、または脂肪族ジカルボン酸のハーフアミドまたはその塩(B)が金属めっき液添加剤であることを特徴とする無電解金属めっき液は、金属塩(D)、還元剤(E)、アルカリ剤(F)、キレート剤(G)をさらに含有する。
本発明の無電解金属めっき液に用いられる(A)または(B)の有効成分濃度は0.1〜20g/L、好ましくは0.5〜15g/L、更に好ましくは1〜10g/L、特に好ましくは2〜8g/Lである。濃度が低すぎるとめっき効率が悪くなり、濃度が高すぎると金属めっき液の粘度が高くなり、流動性が低下し、均一な金属めっきができなくなるため好ましくない。
本発明の無電解金属めっき液に用いられる金属塩(D)としては、水溶性無機金属塩(D1)及び水溶性有機金属塩(D2)等が挙げられる。例えば金属を銅としたときの水溶性無機金属塩としては、硫酸銅、塩化銅、ピロリン酸銅、炭酸銅、酸化銅等が、水溶性有機金属塩としては、酢酸銅、酒石酸銅、エチレンジアミン四酢酸銅等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(D)の有効成分濃度は0.5〜30g/L、好ましくは1〜25g/L、更に好ましくは3〜20g/L、特に好ましくは5〜15g/Lである。濃度が低すぎるとめっき効率が悪くなり、濃度が高すぎると金属めっき液の粘度が高くなり、流動性が低下し、均一な金属めっきができなくなるため好ましくない。
本発明の無電解金属めっき液に用いられる還元剤(E)としては、アルデヒド化合物(E1)[例えばホルムアルデヒド、グリオキシル酸等]、水素化ホウ素化合物(E2)[例えば水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、ジメチルアミンボラン等]、ヒドラジン類(E3)等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(E)の有効成分濃度は0.01〜20g/L、好ましくは0.1〜15g/L、更に好ましくは0.5〜10g/L、特に好ましくは1〜8g/Lである。濃度が低すぎると金属めっき液中での金属イオンの還元速度が遅くなるため、めっき効率が悪くなり、濃度が高すぎると金属めっき液の分解が生じ易くなるため好ましくない。
アルカリ剤(F)としては、第4級アンモニウム塩(F1、アンモニア、アルカリ金属(F2)、アルカリ土類金属(F3)、炭素数1〜36の脂肪族アミン(F4)、炭素数1〜23のアルカノールアミン(F5)等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
第4級アンモニウム塩(F1)としては、例えばテトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、エチルトリメチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロキサイド、トリエチルメチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラペンチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラヘキシルアンモニウムハイドロキサイド、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムハイドロキサイド、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウムハイドロキサイド、ジヒドロキシエチルジメチルアンモニウムハイドロキサイド、トリヒドロキシエチルメチルアンモニウムハイドロキサイド等が挙げられる。
アルカリ金属(F2)としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属(F3)としては、例えば水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
炭素数1〜36の脂肪族アミン(F4)としては、例えば炭素数1〜12のアルキルアミン(F41)[例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、ジメチルアミン、エチルメチルアミン、プロピルメチルアミン、ブチルメチルアミン、ジエチルアミン、プロピルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジヘキシルアミン等];炭素数2〜6のアルキレンジアミン(F42)[例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等];炭素数4〜6の環状アミン(F43)[例えばピペリジン、ピペラジン、キヌクリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)等];炭素数5〜10のアミジン化合物(F44)[例えばDBU及びDBN等];ポリアルキレンポリアミン(F45)[例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ヘキサメチレンヘプタミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、ペンタエチレンヘキサミン等]等が挙げられる。
炭素数1〜23のアルカノールアミン(F5)としては、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、N−(アミノエチル)エタノールアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、エチレンジアミンのエチレンオキサイド付加物、ヒドロキシルアミン等]等が挙げられる。
本発明の無電解銅金属めっき液の場合のpHは7〜14、好ましくは8〜13、さらに好ましくは9〜13、特に好ましくは10〜13であり、(F)を用いて目的のpHに調整できる。pHが低すぎると、還元反応の円滑な進行が妨げられ、高すぎると金属めっき液の安定性が低下する傾向があるので好ましくない。
本発明の無電解金属めっき液に用いられるキレート剤(G)としては、アミノポリカルボン酸及びその塩(G1)、ヒドロキシカルボン酸及びその塩(G2)、エーテルカルボン酸及びその塩(G3)、その他カルボン酸及びその塩(G4)、ホスホン酸及びその塩(G5)、縮合リン酸及びその塩(G6)等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
アミノポリカルボン酸及びその塩(G1)としては、例えばエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及びその塩、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)及びその塩、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸(TTHA)及びその塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)及びその塩、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン四酢酸(DHEDDA)及びその塩、ニトリロ酸酢酸(NTA)及びその塩、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)及びその塩、β−アラニンジ酢酸及びその塩、アスパラギン酸ジ酢酸及びその塩、メチルグリシンジ酢酸及びその塩、イミノジコハク酸及びその塩、セリンジ酢酸及びその塩、ヒドロキシイミノジコハク酸及びその塩、ジヒドロキシエチルグリシン及びその塩、アスパラギン酸及びその塩、グルタミン酸及びその塩等が挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸及びその塩(G2)としては、例えばヒドロキシ酢酸及びその塩、酒石酸及びその塩、クエン酸及びその塩、グルコン酸及びその塩等が挙げられる
エーテルカルボン酸及びその塩(G3)としては、例えばカルボキシメチルタルトロネート、カルボキシメチルオキシサクシネート、オキシジサクシネート、酒石酸モノサクシネート、酒石酸ジサクシネート等が挙げられる。
その他カルボン酸及びその塩(G4)としては、例えばマレイン酸誘導体、シュウ酸及びその塩等が挙げられる。
ホスホン酸及びその塩(G5)としては、例えばメタンジホスホン酸及びその塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)及びその塩、1−ヒドロキシエチリデン−1、1−ジホスホン酸及びその塩、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)及びその塩、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)及びその塩、プロピレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)及びその塩、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)及びその塩、トリエチレンテトラミンヘキサ(メチレンホスホン酸)及びその塩、トリアミノトリエチルアミンヘキサ(メチレンホスホン酸)及びその塩、トランス−1、2−シクロヘキサンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)及びその塩、グリコールエーテルジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)及びその塩、テトラエチレンペンタミンヘプタ(メチレンホスホン酸)及びその塩等が挙げられる。
縮合リン酸及びその塩(G6)としては、例えばメタリン酸及びその塩、トリポリリン酸及びその塩、ヘキサメタリン酸及びその塩等が挙げられる。
(G)の有効成分濃度は0.5〜70g/L、好ましくは1〜50g/L、更に好ましくは5〜40g/L、特に好ましくは10〜30g/Lである。
濃度が低すぎると金属の酸化還元反応が速すぎるために金属の水酸化物が沈殿として生じ易くなり、濃度が高すぎると析出めっき皮膜の析出速度が非常に遅くなるため、めっき効率が悪くなるため好ましくない。
本発明の無電解金属めっき液は、金属めっき液としての効果を損なわない範囲で、さらにその他の添加剤(H)を含有してもよい。
その他の添加剤(H)としては、界面活性剤(H1)、安定剤(H2)、緩衝剤(H3)等が挙げられる。
無電解金属めっきを行う際の液温については、具体的なめっき液の組成などによって異なるが、通常、0℃程度以上であり、好ましくは10〜80℃、更に好ましくは20〜70℃である。金属めっき液の液温が低すぎるとめっき析出反応が緩慢になって金属銅めっき皮膜の外観が不良となり、高すぎると金属めっき液の組成比を所定の範囲に維持することが困難となるので好ましくない。
無電解金属めっきを行う際の被めっき物の材質の種類は特に限定ないが、導電性である金属のみならず非導電性である樹脂等も挙げられる。
非導電性である樹脂を被めっき物として用いる場合は、常法に従ってパラジウムなどの触媒を付与した後、無電解金属めっきを行えばよい。
脂肪族ジカルボン酸またはその塩(A)または脂肪族ジカルボン酸のハーフアミドまたはその塩(B)をめっき液添加剤として使用することを特徴とする電解金属めっき液は、金属塩(I)、無機酸(J)、界面活性剤(K)をさらに含有する。
本発明の電解金属めっき液に用いられる(A)または(B)の有効成分濃度は0.001〜10g/L、好ましくは0.005〜5g/L、更に好ましくは0.01〜3g/L、特に好ましくは0.05〜2g/Lである。
濃度が低すぎるとめっき効率が悪くなり、濃度が高すぎると金属めっき液の粘度が高くなり、流動性が低下し、均一な金属めっきができなくなるため好ましくない。
本発明の電解金属めっき液に用いられる金属塩(I)としては、前記の無電解金属めっき液で説明した金属塩(D)と同様の成分が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(I)の有効成分濃度は含有量は20〜200g/L、好ましくは30〜150g/L、更に好ましくは40〜120g/L、特に好ましくは60〜90g/Lである。
濃度が低すぎるとめっき効率が悪くなり、濃度が高すぎると金属めっき液の粘度が高くなり、流動性が低下し、均一な金属めっきができなくなるため好ましくない。
本発明の電解金属めっき液に用いられる無機酸(J)としては、硫酸、塩酸、ピロリン酸、酢酸、酒石酸等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(J)の有効成分濃度は含有量は140〜240g/L、好ましくは150〜230g/L、更に好ましくは160〜220g/L、特に好ましくは170〜210g/Lである。濃度が低すぎるとめっき液の導電性が低下するため、均一なめっきができなくなり、濃度が高すぎると作業環境に問題(ミストの飛散、装置の腐食等)が発生するため好ましくない。
本発明の電解金属めっき液に用いられる界面活性剤(K)としては、非イオン性界面活性剤(K1)、アニオン性界面活性剤(K2)、カチオン性界面活性剤(K3)、両性界面活性剤(K4)が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
非イオン性界面活性剤(K1)としては、例えばアルキレンオキサイド付加型非イオン性界面活性剤(K11)、多価アルコール型非イオン性界面活性剤(K12)等が挙げられる。
アルキレンオキサイド付加型非イオン性界面活性剤(K11)としては、例えば炭素数8〜18のアルコールのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(活性水素1個当たりの付加モル数1〜30)付加物、炭素数1〜12のアルキルフェノールのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(活性水素1個当たりの付加モル数1〜30)付加物、炭素数8〜18の脂肪酸のアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(活性水素1個当たりの付加モル数1〜30)付加物、炭素数6〜24の脂肪族アミンのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド付加物(活性水素1個当たりの付加モル数1〜30)、ポリ(活性水素1個当たりの付加モル数5〜150)アルキレン(炭素数2〜4)オキサイド、ポリ(活性水素1個当たりの付加モル数2〜50)プロピレンオキサイドのエチレンオキサイド(活性水素1個当たりの付加モル数1〜100)付加物、ソルビタンモノラウレートのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(付加モル数1〜30)付加物、ソルビタンモノオレートのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(付加モル数1〜30)付加物等が挙げられる。
多価アルコール型非イオン性界面活性剤(K12)としては、例えばグリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート、ラウリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤(K2)としては、例えばスルホン酸型アニオン性界面活性剤(K21)、硫酸エステル型アニオン性界面活性剤(K22)、脂肪酸型アニオン性界面活性剤(K23)、リン酸エステル型アニオン性界面活性剤(K24)等が挙げられる。
スルホン酸型アニオン性界面活性剤(K21)としては、例えば炭素数6〜24のアルコールスルホコハク酸エステル塩、炭素数8〜24のα−オレフィンスルホン酸化物塩、炭素数8〜14のアルキルベンゼンスルホン酸塩、石油スルホネート塩、トルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、クメンスルホン酸塩等が挙げられる。
硫酸エステル型アニオン性界面活性剤(K22)としては、例えば炭素数8〜18の脂肪族アルコールの硫酸エステル塩、炭素数8〜18の脂肪族アルコールのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(活性水素1個当たりの付加モル数1〜30)付加物の硫酸エステル塩、硫酸化脂肪酸エステル塩、硫酸化オレフィン塩等が挙げられる。
脂肪酸型アニオン性界面活性剤(K23)としては、例えば炭素数8〜18の脂肪酸塩、炭素数8〜18の脂肪族アルコールのエーテルカルボン酸塩等が挙げられる。
リン酸エステル型アニオン性界面活性剤(K24)としては、例えば炭素数8〜24のアルコールリン酸エステル塩、炭素数8〜24のアルコールのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(活性水素1個当たりの付加モル数1〜30)付加物のリン酸エステル塩等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤(K3)としては、例えば炭素数1〜30のアルキルトリメチルアンモニウム塩、炭素数1〜30のジアルキルジメチルアンモニウム塩、窒素環含有第4級アンモニウム塩、ポリ(活性水素1個当たりの付加モル数2〜15)アルキレン(炭素数2〜4)オキサイド鎖含有第4級アンモニウム塩、メチルアンモニウム塩、炭素数3〜90の脂肪族3級アミン塩、炭素数3〜90の脂環式3級アミン塩、炭素数3〜90のヒドロキシアルキル基含有3級アミン塩等が挙げられる。
両性界面活性剤(K4)としては、例えば炭素数1〜30のアルキルジメチルベタイン、炭素数1〜30のアルキルアミノプロピオン酸、炭素数1〜30のアルキルイミノジプロピオン酸、炭素数1〜30のアルキルアミノ酢酸、炭素数1〜30のアルキルタウリン等が挙げられる。
特に限定はないが、例えばポリ(活性水素1個当たりの付加モル数5〜150)アルキレン(炭素数2〜4)オキサイド、ポリ(活性水素1個当たりの付加モル数2〜50)プロピレンオキサイドのエチレンオキサイド(活性水素1個当たりの付加モル数1〜100)付加物等はピット防止剤として添加されることが好ましい。
一方、炭素数8〜18のアルコールのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(活性水素1個当たりの付加モル数1〜30)付加物、炭素数1〜12のアルキルフェノールのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(活性水素1個当たりの付加モル数1〜30)付加物等は相溶化剤として添加されることが好ましい。
界面活性剤(K)の有効成分濃度は0.001〜10g/L、好ましくは0.005〜5g/L、更に好ましくは0.01〜3g/L、特に好ましくは0.05〜2g/Lである。
濃度が低すぎるとめっき液の導電性が低下するため、均一なめっきができなくなり、濃度が高すぎると作業環境に問題(ミストの飛散、装置の腐食等)が発生するため好ましくない。
本発明の電解金属めっき液は、金属めっき液としての効果を損なわない範囲に於いて、更にその他の添加剤(L)を含有しても良い。
その他の添加剤(L)としては、レベリング剤(L1)、光沢剤(L2)、皮膜物性改善剤(L3)等が挙げられる。
レベリング剤(L1)としては、例えばJanus Green B等が挙げられる。光沢剤(L2)としては、3−メルカプト−1−プロピルスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。(L3)としては、例えば塩酸、塩化ナトリウム等の塩素イオン等が挙げられる。
電解金属めっきを行う際の液温については、具体的なめっき液の組成などによって異なるが、通常、0℃程度以上であり、好ましくは10〜60℃、更に好ましくは20〜40℃である。金属めっき液の液温が低すぎるとめっき析出反応が緩慢になって金属銅めっき皮膜の外観が不良となり、高すぎると作業環境に問題(ミストの飛散、装置の腐食等)が発生するため好ましくない。
電解金属めっきを行う際の陰極電流密度については、金属めっき液の液温や流動状態により幅広い範囲に於いて行うことができるが、通常0.05〜10A/dm、好ましくは0.1〜5A/dm、更に好ましくは0.2〜4A/dm、好ましくは0.3〜3A/dmである。
本発明の金属めっき液は、電気伝導率(μS/cm;25℃)が0.2μS/cm以下の水が使用でき、通常0.055〜0.2、好ましくは0.056〜0.1、さらに好ましくは0.057〜0.08である。このような電気伝導率が小さい水としては、イオン交換水および超純水が使用される。
なお、電気伝導率は、JIS K0400−13−10:1999に準拠して測定される。
本発明の金属めっき液として使用できる金属としては特に限定ないが、金、銀、銅、白金、ニッケル、亜鉛、鉄、パラジウム、錫等が挙げられる。
本発明の金属めっき液添加剤を必須成分として含有する金属めっき液は、プリント回路基板や半導体デバイス等の電子材料の他、輸送機器[例えば自動車、二輪車、航空機等]、家庭用品の製造時における金属めっき工程において、金属めっき液を用いた金属めっき方法に使用することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
なお、以下においてイオン交換水は電気伝導率が0.2μS/cm以下のものを使用した。
製造例1
撹拌装置及び温度制御装置付きのステンレス製オートクレーブに、1−ドデセン252部と無水マレイン酸98部を仕込み、攪拌下に室温で系内の気相部を窒素で置換し、1時間かけて220℃まで昇温した後、反応温度を220℃に制御しながら7時間反応させ、反応粗生成物350部を得た。
得られた反応粗生成物を、減圧下(ゲージ圧:−0.95MPa)で4時間かけて165℃まで昇温させ、未反応の1−ドデセン84部を留去した後、さらに180℃まで昇温し、減圧下(ゲージ圧:−0.95MPa)で180℃から220℃で蒸留される成分(Q−1)200部を得た。
ガラス製100ml容器に、(Q−1)5.0部を48%水酸化カリウム水溶液11部に加えて溶解させ、次いで35%塩酸15部、酢酸エチル45部を加えて攪拌した後、静置分液し、酢酸エチル層を回収し、酢酸エチルを蒸発留去した後、ここにイオン交換水21.0部とジエタノールアミン4.0部を加えた、本発明の金属めっき液添加剤(A−1)30.0部を得た。
製造例2
製造例1において、1-ドデセンの代わりに、プロピレンテトラマー(商品名:PROPYLENE TETRAMER、和益化学社製)とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、180℃まで昇温し、減圧下(ゲージ圧:−0.95MPa)で180℃から220℃で蒸留される成分(Q−2)を経て、本発明の金属めっき液添加剤(A−2)30.0部を得た。
製造例3
製造例1において、イオン交換水21.0部とジエタノールアミン4.0部の代わりに、イオン交換水22.0部とモノエタノールアミン2.3部とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明の金属めっき液添加剤(A−3)24.3部を得た。
製造例4
製造例1において、イオン交換水21.0部とジエタノールアミン4.0部の代わりに、イオン交換水23.9部と48%水酸化ナトリウム水溶液3.1部とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明の金属めっき液添加剤(A−4)27.0部を得た。
製造例5
撹拌装置及び温度制御装置付きのガラス製反応装置に、ジエタノールアミン21.0部とイオン交換水111.1部を仕込み、攪拌下で反応温度を80℃に制御し、上記製造例1で得られた(Q−1)26.6部を30分かけて滴下し、滴下終了後も反応温度を80℃に制御したままでさらに3時間熟成反応し、本発明の金属めっき液添加剤(B−1)158.7部を得た。
製造例6
製造例5において、(Q−1)の代わりに、上記製造例2で得られた(Q−2)とした以外は、実施例5と同様な操作を行い、本発明の金属めっき液添加剤(B−2)158.7部を得た。
製造例7
製造例5において、ジエタノールアミン21.0部とイオン交換水111.1部の代わりに、ジエチルアミン14.6部とイオン交換水96.1部とした以外は、実施例5と同様な操作を行い、本発明の金属めっき液添加剤(B−3)137.3部を得た。
製造例8
製造例5において、ジエタノールアミン21.0部及びイオン交換水111.1部の代わりに、ジエタノールアミン10.5部、1,8−ジアゾ−ビシクロ(5,4,0)ウンデカン−7(商品名:DBU、サンアプロ社製)15.2部とイオン交換水122.0部とした以外は、実施例5と同様な操作を行い、本発明の金属めっき液添加剤(B−4)174.3部を得た。
比較製造例1
製造例5において、反応温度80℃を200℃とした以外は、実施例5と同様な操作を行い、脂肪族ジアミド(B’−1)158.7部を得た。
無電解めっき用の実施例1〜8と比較例1〜3
表1に記載の各成分を、表1に記載の配合部数(重量部)で、ビーカーを用いて20℃で均一混合して、実施例1〜8及び比較例1〜3の無電解金属めっき液を作成した。イオン交換水で100重量部になるように調製した。
実施例1〜8及び比較例1〜3の無電解金属めっき液について、無電解金属めっきを行った際のめっき効率(%)と金属めっき後の防錆性を以下の方法で測定し、評価した。その結果を表1に示す。
表1中の化合物名の略号は以下の化合物を示す。
・SHAA:ラウリルグリコール酢酸ソーダの29%水溶液(商品名:ビューライトSHAA、三洋化成工業社製)
・BTA:1.2.3ベンゾトリアゾール(ナガセケムテック社製)
・硫酸銅:硫酸銅(II)五水和物(和光純薬工業社製)
・EDTA:エチレンジアミンテトラ酢酸ナトリウム(商品名:クレワットTAA、ナガセケムテック社製)
無電解めっきは以下の手順で行い、評価した。
<無電解金属めっきのめっき効率(%)>
(1)被めっき物1の調製
5.0cmに切断した市販の銅線(直径1.56mm)を、イソプロピルアルコール中に30分浸漬した後、イオン交換水でリンスし、窒素気流で乾燥させて、被めっき物1を作成した。
(2)無電解金属めっき物1の作成
表1に記載の配合部数で作成した無電解金属めっき液40gを、50mlガラス容器に秤量し、ここに被めっき物1を投入し、25℃にて2時間静置することにより、無電解金属めっき物1を作成した。
(3)めっき効率(%)の評価
被めっき物(1)と無電解金属めっき物1のそれぞれの重量を測定し、下記式(1)からめっき効率(%)を算出した。
Xa:被めっき物1の重量値
Xb:金属めっき物1の重量値
めっき効率(%)が0.2%以上のものを◎、0.05%以上0.2%未満のものを○、0,01%以上0.05%未満のものを△、0.01%未満のものを×と判定した。
<めっき後の防錆性の評価方法>
金属めっき物1を、恒温高湿機を用い、50℃×95%RHの条件下で48時間静置させた試験片の防錆性を、微細欠陥可視化検査装置(機器名:Micro−Max(VMX−4100Napier、VISION PSYTEC社製)で観察、目視にて評価した。めっき表面の変化が全くないものを◎、一部に変化が確認されるものを○、一部のみが変化してないものを△、全面が変化したものを×と判定した。
電解めっき用の実施例9〜16と比較例4〜6
表2に記載の各成分を、表1に記載の配合部数(重量部)で、ビーカーを用いて20℃で均一混合して、実施例9〜16と比較例4〜6の電解金属めっき液を作成した。イオン交換水で100重量部になるように調製した。
実施例9〜16と比較例4〜6の電解金属めっき液について、電解金属めっきを行った後の防錆性と、洗浄剤を用いた金属めっき液添加剤の除去性を以下の方法で測定し、評価した。
表2中の化合物名の略号は以下の化合物を示す。
・硫酸銅:硫酸銅(II)五水和物(和光純薬工業社製)
・PEG:PEG−10000(三洋化成工業社製)
・SPS:3−メルカプト−1−プロピルスルホン酸ナトリウム(東京化成工業社製)
・JGB:Janus Green B(ACROS社製)
・FL−100:エマルミンFL−100(三洋化成工業社製)
電解めっきは以下の手順で行い、評価した。
<電解金属めっきを行った後の防錆性>
(1)被めっき物2の調製
Niのテストピース(商品名:ニッケル板、日本特殊金属社製、厚さ0.5mm)を、縦2.0cm×横0.8cmに切断し、金属表面を紙やすり(商品名:Wetordry
Tri−M−ite Paper #1000、3M社製)及び平均粒径1μmのアルミナ砥粒(商品名:A−32、日本軽金属社製)で研磨した後、38kHzの超音波洗浄機(イオン交換水、25℃、5分間)および、200kHzの超音波洗浄機(イオン交換水、25℃、5分間)で浸漬洗浄を行った後、窒素気流で乾燥させて、被めっき物2を作成した。
(2)電解金属めっきの作成
表2に記載の配合部数で作成した電解金属めっき液50gを50mlのビーカーに秤量し、被めっき物2の1.3cm浸漬させ、陰極電流密度0.44A/dm×10分間の条件で、電解めっきを行うことにより、金属めっき物2を作成した。
(3)めっき後の防錆性の評価
金属めっき物2を恒温恒湿機を用い、50℃×95%RHの条件下で48時間静置させた試験片の防錆性を、微細欠陥可視化検査装置(機器名:Micro−Max(VMX−4100Napier、VISION PSYTEC社製)で観察、目視にて評価した。めっき表面の変化が全くないものを◎、一部に変化が確認されるものを○、一部のみが変化してないものを△、全面が変化したものを×と判定した。
<金属めっき液添加剤の除去性の評価方法>
金属めっき物2を、中性洗浄剤(商品名:ケミクリーンPR−122、三洋化成工業社製)の5%希釈水溶液50gを50mlビーカーに秤量し、30秒間浸漬洗浄させた後、イオン交換水でリンスし、窒素気流で乾燥させた試験片を、微細欠陥可視化検査装置(機器名:Micro−Max(VMX−4100Napier、VISION PSYTEC社製)で観察、目視にて評価した。
めっき表面に金属めっき液添加剤の残渣が全くないものを◎、一部に残渣が確認されるものを○、一部のみが除去されたものを△、全く除去されていないものを×と判定した。
表1示すように、実施例1〜8の本発明の金属めっき液添加剤を含有する無電解金属めっき液を用いた金属めっきは、めっき効率と防錆性で良好な結果が得られた。
一方、脂肪族モノカルボン酸系化合物を金属めっき液添加剤として無電解めっきした比較例1は、めっき効率が不良となった。また、脂肪族ジアミド系化合物を金属めっき液添加剤として無電解めっきした比較例2は、防錆性が不良となった。さらに、防錆剤として広く使用されるベンゾトリアゾールを金属めっき液添加剤として無電解めっきした比較例3は、めっき効率と防錆性が不良となった。
表2示すように、実施例9〜16の本発明の金属めっき液添加剤を含有する電解金属めっき液を用いた金属めっきは、防錆性と除去性で良好な結果が得られた。
一方、脂肪族モノカルボン酸系化合物を金属めっき液添加剤として電解めっきした比較例4は、除去性が不良となった。また、脂肪族ジアミド系化合物を金属めっき液添加剤として電解めっきした比較例5は、防錆性が不良となった。さらに、ベンゾトリアゾールを金属めっき液添加剤として電解めっきした比較例6は、除去性が不良となった。
本発明の金属めっき液添加剤は、無電解金属めっき液に含有して用いることにより、めっき効率が向上し、かつめっき後の防錆性に優れているため、無電解金属めっき液添加剤として好適に使用できる。
また、本発明の金属めっき液添加剤は、電解金属めっき液に含有して用いることにより、めっき後の防錆性に優れ、かつめっき表面から容易に除去できるため、電解金属めっき液添加剤として好適に使用できる。

Claims (14)

  1. 脂肪族ジカルボン酸またはその塩(A)を必須成分として含有することを特徴とする金属めっき液添加剤。
  2. 該脂肪族ジカルボン酸またはその塩(A)が、下記一般式(1)で表される脂肪族ジカルボン酸またはその塩(A1)である請求項1記載の金属めっき液添加剤。
    [式(1)中、RとRは、それぞれ独立に水素原子または1価の炭化水素基であって、RとRが共に水素原子ではなく、Rの炭素数とRの炭素数の合計が4〜36でる。M1 +とM2 +は、それぞれ独立に水素イオン、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオンまたはアミンカチオンである。nは0または1〜6の整数である。]
  3. 式(1)中のM1 +とM2 +がそれぞれ独立に、炭素数1〜12の脂肪族アミン(C)のカチオンである請求項1又は2記載の金属めっき液添加剤。
  4. 該脂肪族アミン(C)が、炭素数1〜10のアルカノールアミン(C2)のカチオンである請求項3記載の金属めっき液添加剤。
  5. 該アルカノールアミン(C2)が、炭素数4〜10のジアルカノールアミン(C22)のカチオンである請求項4記載の金属めっき液添加剤。
  6. 脂肪族ジカルボン酸のハーフアミドまたはその塩(B)を必須成分として含有することを特徴とする金属めっき液添加剤。
  7. 該脂肪族ジカルボン酸のハーフアミドまたはその塩(B)が、下記一般式(2)で表される(B1)である請求項6記載の金属めっき液添加剤。
    [式(2)中、RとRは、それぞれ独立に水素原子または1価の炭化水素基であって、RとRが共に水素原子ではなく、Rの炭素数とRの炭素数の合計が4〜36である。RとRは、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基である。M1 +は、水素イオン、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオンまたはアミンカチオンである。nは0または1〜6の整数である。]
  8. 式(2)中のRとRが、それぞれ独立に、炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基である請求項6または7記載の金属めっき液添加剤。
  9. 式(2)中のM1 +が炭素数1〜12の脂肪族アミン(C)のカチオンである請求項6〜8いずれか記載の金属めっき液添加剤。
  10. 該脂肪族アミン(C)が、炭素数1〜10のアルカノールアミン(C2)のカチオンである請求項9記載の金属めっき液添加剤。
  11. 該アルカノールアミン(C2)が、炭素数4〜10のジアルカノールアミン(C22)のカチオンである請求項10記載の金属めっき液添加剤。
  12. 金属塩、還元剤、アルカリ剤、キレート剤および請求項1〜11いずれか記載の金属めっき液添加剤を必須成分として含有する無電解金属めっき液。
  13. 金属塩、無機酸、界面活性剤、および請求項1〜11いずれか記載の金属めっき液添加剤を必須成分として含有する電解金属めっき液。
  14. 請求項12または13記載の金属めっき液を用いた金属めっき方法。
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