JP2011045844A - 水酸化テトラアルキルアンモニウム含有現像廃液の精製方法 - Google Patents

水酸化テトラアルキルアンモニウム含有現像廃液の精製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水酸化テトラアルキルアンモニウム含有現像廃液中に含有する金属成分、及び有機物を簡便な操作で効率良く除去する水酸化テトラアルキルアンモニウム含有現像廃液の精製方法を提供する。
【解決手段】 金属成分を含有する水酸化テトラアルキルアンモニウム含有現像廃液より金属成分を除去する際に、該現像廃液に塩化チタンを添加し、上記塩化チタン由来の沈殿物を生成せしめた後、該沈殿物を分離する。塩化チタンは、上記現像廃液に対して、Tiとして100〜10000ppmwの範囲で用いることが、該現像廃液中の金属成分の除去効果が高い点から好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、IC、LSIなどの半導体集積回路、液晶用TFT、プリント基板などのフォトリソグラフィ工程で排出される水酸化テトラアルキルアンモニウム含有現像廃液から水酸化テトラアルキルアンモニウムを精製回収する方法に関する。
半導体、及び液晶製造工程において、ウエハー、ガラス等の基板上にパターンを形成する場合、基板表面に形成した金属層にノボラック樹脂、ポリスチレン樹脂等からなる、ネガ型或いはポジ型のレジストを塗布し、これに、該パターン形成用のフォトマスクを介して露光し、未硬化部分或いは硬化部分に対して、水酸化テトラアルキルアンモニウム(以下、TAAHと称す)を主成分とする現像液を使用して現像後、エッチングを行って上記金属層にパターンを形成する作業が行われている。近年、半導体、及び液晶の生産量が増大するにつれて、上記現像液の消費量が増加しており、半導体、及び液晶製造工程から排出される、TAAH含有現像廃液の排出量も増加している。
上記TAAH含有現像廃液は、これまで公知の排水処理により無害化して廃棄することが行われていたが、資源の有効活用を目的として、上記TAAH含有現像廃液よりTAAHを回収、精製して再利用するTAAH含有現像廃液の再生方法が提案されている。
半導体、及び液晶製造工程から排出されるTAAH含有現像廃液には、TAAHの他に、該現像廃液に溶解したノボラック樹脂、ポリスチレン樹脂等のフォトレジスト成分、および微量の有機溶媒、界面活性剤等の有機物(以下、単に有機物と総称する。)が含有している。そこで、上記有機物が含有しているTAAH含有現像廃液の再生方法として、該現像廃液を酸により中和し、析出する不溶性成分を分離除去する、中和処理を行った後に陽イオン交換膜で区画した電解槽の陽極室に供給して電解し、陰極室よりTAAHを得る方法(特許文献1参照)、や、TAAH含有現像廃液を中和処理し、不溶化析出物が除去された上記現像廃液を、活性炭で処理して界面活性剤等の残留有機物を吸着除去し、次いで、活性炭処理後の廃液を陽イオン交換膜を用いた電解槽にて電気透析を行うことでTAAHを得る方法が提案されている(特許文献2参照)。
また、上記TAAH含有現像廃液には、基板表面の金属層や前記製造工程における配管材料から溶出する微量の金属成分も含有している。半導体等の高集積度化に伴い、半導体製造工程において金属成分の混入が厳しく制限されており、回収したTAAHにおいても、金属成分はppbオーダーまで除去する必要がある。そこで、金属成分が含有しているTAAH含有現像廃液をキレート樹脂や、陽イオン交換樹脂等に通じて金属成分を除去する方法が提案されている(特許文献3参照)。
特許第3110513号 特許第3216998号 特許第3543915号
上記特許文献1、及び2の方法により、有機物が含有しているTAAH含有現像廃液より、有機物を簡便な操作で効率良く除去することが可能であるが、いずれの方法も、該現像廃液に不可避的に含有される金属成分をppbオーダーまで除去することは困難であり、特許文献3に記載された方法等の金属成分を除去する工程が、別途必須であった。
また、特許文献3の方法により、TAAH含有現像廃液中に含有する金属成分を効率良く除去することが可能であるが、前記フォトレジスト成分等の有機物は、陽イオン交換樹脂等に吸着されるため、吸着された有機物による該樹脂の金属成分除去能力の低下や、吸着した有機物の樹脂から除去処理が必要となる等の課題があった。従って、特許文献3の方法によりTAAH含有現像廃液中の金属成分の除去を行う際、予め上記特許文献1及び2等に記載された方法等によりTAAH含有現像廃液中に含有する有機物を除去する必要であった。
本発明は、以上のような状況に鑑み、TAAH含有現像廃液中に含有するフォトレジスト成分、および微量の有機溶媒、界面活性剤等の有機物、及び金属成分を簡便な操作で効率良く除去する方法を提供するものである。
上記課題に基づき、本発明者らは、鋭意検討を行った。その結果、前記金属成分を含有するTAAH含有現像廃液に、四塩化チタン等の塩化チタンを添加すると、該現像廃液中に沈殿物が生成し、かかる沈殿物を上記現像廃液より分離することで、上記TAAH含有現像廃液中に含有する金属成分の除去が可能であるという知見を得た。上記知見を基に更に詳細に検討を行った結果、TAAH現像廃液に塩化チタンを添加し、該現像廃液中に生成される沈殿物は、塩化チタンが上記現像廃液中で一旦溶解した後、生成される沈殿物、すなわち、塩化チタン由来の沈殿物であり、該沈殿物が上記現像廃液中で凝集・析出する際に、上記現像廃液中に存在する金属成分も共に析出し、かかる沈殿物を上記TAAH含有現像廃液より分離することで、TAAH含有現像廃液中に含有する金属成分が除去されること、そして、驚くべきことに、上記沈殿物が、TAAH含有現像廃液に含有される有機物に対して凝集効果を発揮し、該有機物の除去効果も向上することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、金属成分を含有する、TAAH含有現像廃液より金属成分を除去する方法であって、該現像廃液に塩化チタンを添加し、上記塩化チタン由来の沈殿物を生成せしめた後、該沈殿物を分離することを特徴とするTAAH含有現像廃液の精製方法である。
なお、上記本発明に係るTAAH含有現像廃液の精製方法において、塩化チタンは、TAAH含有現像廃液に対して、Tiとして100〜10000ppmwの範囲で用いることが、該現像廃液中の金属成分の除去効果が高い点から好ましい。
また、上記塩化チタン由来の沈殿物を生成せしめたTAAH含有現像廃液のpHが3〜8の範囲で該沈殿物を分離することが、TAAH含有現像廃液中の金属成分の除去効果が高い点、及び上記沈殿物を分離後のTAAH含有現像廃液中への塩化チタン由来のチタン成分のコンタミを最小限に抑制できる点からも好ましい。
本発明の精製方法によれば、TAAH含有現像廃液中に含有する金属成分を効率良く除去することが可能である。TAAH含有現像廃液に対し、塩化チタン化合物の添加は、現像液中への金属成分の混入という点で好ましくないと考えられるが、本発明の精製方法では、上記TAAH含有現像廃液に添加した塩化チタンは、該現像廃液中に一旦溶解した後、塩化チタン由来の沈殿物となって該現像廃液より析出する。従って生成した沈殿物を上記現像廃液から分離することで、TAAH含有現像廃液中への金属成分であるチタン成分のコンタミを抑制しつつ、該現像廃液中に含有する金属成分を効率良く除去することが可能である。
さらに、本発明によれば、上記塩化チタン由来の沈殿物が、TAAH含有現像廃液中に含有するフォトレジスト成分等の有機物に対して、凝集効果も発揮し、TAAH含有現像廃液中に含有する上記有機物、及び金属成分を簡便な操作で効率良く除去することが可能である。
塩化チタンによってTAAH含有現像廃液中に含有する金属成分が除去される機構は明らかではないが、上記現像廃液に添加された四塩化チタン等の塩化チタンが、該現像廃液中に一旦溶解した後、上記現像廃液に対して難溶性の水酸化チタンが生成し、生成した水酸化チタンが凝集し沈殿物として析出する際に金属イオンを共沈させるものと推測される。また、上記沈殿物は、フロック状に析出し、TAAH含有現像廃液中に含有される有機物に対して凝集剤として作用するものと推測される。
上記のとおり、本発明のTAAH含有現像廃液の精製方法を用いることで、TAAH含有現像廃液中に含有する上記有機物、及び金属成分を簡便に、且つ効率良く除去することが可能であり、本発明の実施によって、TAAH含有現像廃液の再生処理における、工程の短縮や処理コストの低減が可能である。
本発明の水酸化テトラアルキルアンモニウム(以下、TAAHと称す)含有現像廃液の精製方法は、TAAH含有現像廃液より金属成分を除去する際に、該現像廃液に塩化チタンを添加し、上記塩化チタン由来の沈殿物を生成せしめた後、該沈殿物を分離することが特徴である。
(TAAH現像廃液)
本発明の精製方法において用いる、TAAH含有現像廃液について詳細に説明する。本発明において、TAAHの具体例としては、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等を挙げることができる。上記TAAHの中でも、半導体製造工程における現像液として広く用いられている点で水酸化テトラメチルアンモニウムが好適に使用できる。
本発明において用いるTAAH含有現像廃液中のTAAHの濃度については、特に制限なく、種々のTAAH濃度の現像廃液を使用することが可能である。半導体製造工程にて排出される現像廃液中のTAAH濃度は通常1%以下程度であるが、TAAH含有現像廃液の中和処理を工業的に効率良く行うという観点から、また、該現像廃液の輸送コストを削減できるという観点から、濃縮を行い、TAAHの含有率を高めたTAAH含有現像廃液であることが好ましい。TAAH含有現像廃液中のTAAH濃度は、上記のとおり低すぎれば輸送コスト等を含めた処理コストが高くなり、高すぎれば濃縮にかかる処理コストが高くなるため、該TAAH含有現像廃液中のTAAH濃度は、3〜30質量%であることが好ましい。
上記TAAH含有現像廃液には、半導体・液晶製造工程における、金属層や配管材料から溶出する微量の金属成分が含まれている。上記金属成分の濃度については、例えば、半導体製造工程にて排出されるTAAH含有現像廃液では1〜500ppb、液晶製造工程にて排出されるTAAH含有現像廃液では10〜1000ppb程度である。従って、TAAH濃度が3〜30質量%まで濃縮されたTAAH含有現像廃液に溶解している金属成分の濃度は、通常1〜20ppm程度である。
また、前記のとおり、上記TAAH含有現像廃液には、TAAHと溶解したノボラック樹脂、ポリスチレン樹脂等のフォトレジスト由来の有機物、および微量の有機溶媒、界面活性剤等の有機物(以下、単に有機物と総称する)が溶解している。上記TAAH濃度が3〜30質量%のTAAH含有現像廃液中に溶解している有機物の濃度は通常COD換算で数百〜数万ppm程度である。
本発明の精製方法では、上記のTAAH含有現像廃液が特に制限なく用いることが可能である。具体的には、上記金属成分、及び有機物が溶解したTAAH含有現像廃液をそのまま用いることも或いは、上記TAAH含有現像廃液を酸により中和し、析出する有機物を分離する中和処理(以下、単に中和処理ともいう)等の前処理を行った該現像廃液を用いることも可能である。本発明の精製方法では、チタン化合物及び金属成分の析出物が、上記有機物に対して凝集剤として作用し、TAAH現像廃液からの上記有機物の除去効率の向上効果が発揮されるため、TAAH現像廃液として、金属成分、及び有機物が含有している該現像廃液をそのまま用いることが、作業工程の短縮という観点からも特に好ましい。
上記中和処理に用いる酸としては、公知の酸を特に制限なく用いることが可能である。かかる酸として具体的には、塩酸、硫酸、炭酸、炭酸ガス等が挙げられる。また、析出する有機物を分離する方法としては、公知の固液分離方法を特に制限なく用いることが可能である。かかる固液分離方法として具体的には、デカンテーション、遠心分離、フィルタープレス、限外ろ過膜によるろ過等の固液分離方法が挙げられる。また、固液分離時のろ過効率の向上を目的にろ過助剤を添加、混合したのち固液分離操作を行うことも可能である。該固液分離操作に用いる、ろ過助剤としては、活性炭、珪藻土、セルロース等が挙げられる。
(塩化チタン)
上記本発明における塩化チタンとしては、工業的に入手可能なものが特に制限なく用いることが可能である。かかる塩化チタンとして具体的には、四塩化チタン、三塩化チタン、二塩化チタン等が挙げられる。また、上記塩化チタンは、常温で固体状、又は液体状のものをそのまま用いることも、或いは、塩化チタンを水、及び塩酸等の溶媒に希釈した希釈溶液の状態で用いることも可能である。
前記のとおり、TAAH含有現像廃液に塩化チタンを添加すると、塩化チタンが上記現像廃液中で一旦溶解した後、沈殿物が生成するため、塩化チタンとして固体の塩化チタンを用いた場合、上記現像廃液のpHによっては、塩化チタンの該現像廃液への溶解度が低く、沈殿物の生成に時間がかかる場合がある。従って、上記塩化チタンの中でも、常温で液体である四塩化チタン、及び、四塩化チタン塩酸溶液等の塩化チタンの希釈溶液を用いることが、TAAH含有現像廃液中に、沈殿物を効率良く生成させることが可能であるため好ましい。特に、塩化チタンとして、四塩化チタン塩酸溶液等の希釈溶液を用いるのが、取扱いが容易であるという観点から、最も好適である。
本発明において、前記TAAH含有現像廃液に添加する塩化チタンの添加量は、該現像廃液中に存在する金属成分が除去できる量であれば、特に制限されず、上記金属成分の含有量を勘案して適宜決定すればよい。塩化チタンの添加量があまりに少なすぎると、十分な金属成分の除去効果が得られず、TAAH含有現像廃液中に金属成分が残存する傾向にある。また塩化チタンの添加量が多すぎても金属成分の除去効果として頭打ちとなる傾向にあり、過剰の塩化チタンの添加は、工業的に効率的とは言えない。
従って、上記TAAH含有現像廃液に添加する塩化チタンの添加量は、該現像廃液に対して、Tiとして100〜10000ppmw、特に300〜5000ppmwの範囲で適宜決定するのが好適である。
(塩化チタン由来の沈殿物の生成)
本発明の精製方法において、前記塩化チタン由来の沈殿物を生成させる際の温度については、特に制限なく、添加する塩化チタンの種類、処理を行う装置の容量、及び、冷却効率等を勘案して適宜決定すれば良い。前記のTAAH含有現像廃液は水溶液であることから、上記温度は、0℃〜80℃、特に20〜70℃の間で行うことが好ましい。なお、TAAH含有現像廃液がアルカリ性であることから、塩化チタンとして塩化チタンの塩酸溶液を添加によって、中和反応により発熱するが、上記温度範囲となるよう処理装置を冷却しながら、あるいは、上記塩酸溶液の添加速度を調整しながら、該塩酸溶液の添加を行えば良い。
また、前記沈殿物を生成せしめた後、沈殿物を分離するまでの処理時間については、金属成分等の沈殿物が十分析出させるだけの時間があれば良く、処理するTAAH含有現像廃液の量や、処理設備の大きさ等を勘案して適宜決定すれば良い。本発明の精製方法では、塩化チタンが、TAAH含有現像廃液中に一旦溶解した後、水酸化チタンの沈殿が生成し、該現像廃液中の金属成分と共沈するものと推測されるため、処理時間が短すぎると水酸化チタンが十分に生成できずに、十分な金属成分除去効果が発揮できず、また、また、長すぎても工業的に効率的とは言えない。従って、上記処理時間は、沈殿物の生成が確認された後、1時間〜3日あれば十分であり、工業的に効率的であるという観点から3時間から1日とするのが好適である。
(その他の添加剤)
本発明の精製方法では、前記塩化チタン由来の沈殿物をTAAH含有現像廃液より分離することで、該現像廃液から金属成分を効率良く除去することが可能であるが、該沈殿物の凝集効果の向上及びろ過効率の向上を目的に、前記沈殿物の分離の際に凝集剤等の添加剤を併用することも可能である。特に、TAAH含有現像廃液として、金属成分、及び有機物が含有している該現像廃液をそのまま用いた場合には、上記添加剤を併用することが、有機物の除去効果が更に高いという観点から好適である。
上記本発明の精製方法において併用する添加剤としては、凝集効果の向上及びろ過効率の向上効果のある公知の添加剤を特に制限無く用いることが可能である。かかる添加剤として具体的には、粉末および顕粒状のヤシガラ活性炭、石炭系活性炭、軟質粒状活性炭等の活性炭、及びポリアクリル酸エステル、ポリメタクリルアクリル酸エステル、アミジン等のカチオン系凝集剤、ポリアクリルアミド系のノニオン系凝集剤、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド等のアニオン系凝集剤、カチオン系凝集剤とアニオン系凝集剤を組み合わせた両性凝集剤等の高分子系凝集剤が挙げられる。
また、上記添加剤は、TAAH含有現像廃液中に生成する沈殿物を分離する際に、TAAH含有現像廃液に存在していれば、添加方法は特に制限されない。上記添加剤の添加方法として具体的には、塩化チタンの添加と同時に行う添加方法、該添加剤をTAAH含有現像廃液に添加した後、塩化チタンを添加する添加方法、或いは、沈殿物を分離する直前に該添加剤を添加する添加方法等が挙げられる。
上記添加剤の使用量としては、特に制限なく、TAAH含有現像廃液中の析出物の量等を勘案して適宜決定すればよい。TAAH現像廃液として、TAAH濃度が3〜30質量%となるまで濃縮された該現像廃液を用いた場合、上記添加剤としては、現像廃液に対し、活性炭であれば100〜10000ppmw、好ましくは1000〜5000ppmwの範囲で、高分子凝集剤であれば1〜1000ppmw、好ましくは5〜100ppmwの範囲で用いれば十分である。
(塩化チタン由来の沈殿物の分離)
本発明の精製方法において、前記塩化チタン由来の沈殿物を分離することで、TAAH含有現像廃液から金属成分等を効率良く除去することが可能である。
上記塩化チタン由来の沈殿物を分離する際のTAAH含有現像廃液のpHについては、特に制限されず、本発明の精製方法を行う処理装置の材質等を勘案して適宜決定すれば良いが、上記現像廃液のpHによっては、上記沈殿物を分離後のTAAH含有現像廃液中にチタン成分が一部残留する場合がある。かかる場合においても上記現像廃液中の金属成分の除去効果は発揮されるが、該現像廃液中の金属成分の除去効果が高い点、及び上記沈殿物を分離後のTAAH含有現像廃液へのチタン成分のコンタミを最小限に抑制できる点から、上記現像廃液のpHが3〜8の範囲で該沈殿物を分離することが好適である。特に、上記沈殿物の分離の際の上記現像廃液のpHを5〜7の範囲とするのが、処理装置に使用される部材の腐食を抑えるという点からも好適である。
上記沈殿物の分離の際のTAAH含有現像廃液のpHを3〜8の範囲に調製する方法としては、該沈殿物を分離する際のTAAH含有現像廃液のpHが上記範囲であれば特に制限されない。濃縮等により、TAAHの含有率を高めたTAAH含有現像廃液のpHは13〜15、一般的には13.5〜14.7と強アルカリ性である。従って、上記現像廃液のpHの調製方法として具体的には、TAAH含有現像廃液に、塩化チタンを添加して、塩化チタン由来の沈殿物を十分生成せしめた後、該沈殿物を分離する直前で酸又はアルカリによりpHを調製する方法、TAAH含有現像廃液に塩化チタンを添加し、上記現像廃液のpHを酸により上記範囲に調製した後、塩化チタン由来の沈殿物を十分生成せしめる方法等が挙げられる。また、前記中和処理を行ったTAAH含有現像廃液に対して塩化チタン由来の沈殿物を生成させる場合には、上記現像廃液のpHは3〜8の範囲内にあることが多いため、塩化チタンを添加し、必要に応じて酸又はアルカリにより該現像廃液のpH調整を行えば良い。
なお、TAAH含有現像廃液のpHを調製した後、上記沈殿物を十分生成せしめる方法において、TAAH含有現像廃液への塩化チタン及び酸の添加順は特に制限されず、該現像廃液に塩化チタンを添加後に酸を添加しても、又、上記現像廃液に酸を添加し、pH調製を行った後に塩化チタンを添加しても、或いは、上記現像廃液に酸を添加しある程度pHを下げた状態で塩化チタンを添加し、必要に応じてさらに酸を添加してpH調製を行うことも可能である。
また、TAAH含有現像廃液に、塩化チタンを添加して、塩化チタン由来の沈殿物を十分生成せしめた後、該沈殿物を分離する直前で酸又はアルカリによりpHを調製する方法では、酸又はアルカリによりpHを調製後に更に上記沈殿物が生成する場合があるが、かかる場合にはpH調製後、目視等により新たな沈殿物の生成が確認されなくなるまで十分静置した後、該沈殿物の分離を行えば良い。
前記のとおり、TAAH含有現像廃液中に生成される塩化チタン由来の沈殿物は、該現像廃液中に含有する有機物に対して凝集剤としても作用する。従って、上記塩化チタン由来の沈殿物を分離する際のTAAH含有現像廃液のpHを3〜8の範囲に調製する方法の中でも、上記現像廃液に塩化チタンを添加し、上記現像廃液のpHを酸により上記範囲に調製した後、上記沈殿物を十分生成せしめる方法は、中和処理による上記現像廃液中の有機物の除去と、塩化チタンによる該現像廃液中の金属成分の除去を同時に行うことが可能であり、上記現像廃液の精製処理における処理工程の短縮の観点からも好ましい。
上記pHの調整に用いる酸又はアルカリとしては、公知の酸又はアルカリが特に制限なく用いることが可能である。かかる酸としてはヨウ化水素酸、塩酸、過塩素酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸等が挙げられる。これらの酸のなかでも、取扱いが容易でありチタン成分の再溶出が起こり難い塩酸が好適である。
アルカリについては、金属成分を含まないアルカリが好ましく、アンモニア、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等の有機アルカリが挙げられる。これらのアルカリの中から、TAAH廃液中に含まれるTAAイオンと同種のものを選択することが望ましい。
本発明の精製方法において、前記塩化チタン由来の沈殿物の分離方法としては、デカンテーション、遠心分離、フィルタープレス、限外ろ過膜によるろ過等、公知の固液分離方法を特に制限無く使用することが可能である。また、固液分離時のろ過効率の向上を目的にろ過助剤を添加、混合したのち固液分離操作を行うことも可能である。該固液分離操作に用いる、ろ過助剤としては、活性炭、珪藻土、セルロース等が挙げられる。
(以後の工程)
本発明の精製方法を行った、TAAH含有現像廃液中のテトラアルキルアンモニウムイオン(以下TAAイオンと称す)は、pH調製に用いた酸由来の他の陰イオンとの塩として存在する。例えば酸として塩酸を用いた場合には、TAAイオンは、塩酸塩として、酸として炭酸ガスを用いた場合には、TAAイオンは、炭酸塩又は重炭酸塩として存在する。従って、本発明の処理方法を行った上記現像廃液に対して、陰イオン交換樹脂処理や、電気分解等の処理を行うことで、該現像廃液からTAAHを回収することが可能である。
なお、上記本発明の精製方法により、TAAH含有現像廃液中の金属成分及び有機物は、電気分解等の処理に影響を及ぼさない程度まで除去されているため、本発明の処理方法を行ったTAAH含有現像廃液は、そのまま上記陰イオン交換樹脂処理や、電気分解等の処理を行うことで、TAAHを高純度で得ることが可能であるが、更に公知の有機物や金属成分を除去する処理を行うことも可能である。有機物を除去する処理としては、活性炭処理や、ナノフィルトレーション(NF)膜処理等が、金属成分を除去する処理としては、陽イオン交換樹脂処理やキレート樹脂処理等が挙げられる。
本発明を具体的に説明するため以下実施例および比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、半導体工場より排出された水酸化テトラメチルアンモニウム(以下、TMAH)含有廃液を蒸発法によりTMAH濃度が25%となるまで濃縮した廃液を試料液として使用した。試料液の水質を表1に示す。
また、pHはpH電極法(測定装置:HM−30R(東亜ディーケーケー株式会社製))により、金属濃度は高周波誘導結合プラズマ発光分析(ICP−OES)法(測定装置:iCAP 6500 DUO (サーモエレクトロン株式会社製))により、CODは100℃における過マンガン酸カリウムによる酸素消費量(JIS K 0101)により分析した。
Figure 2011045844
実施例1
試料液100mlに塩化チタン(IV)塩酸溶液(和光純薬株式会社製、チタン含有量16〜17%)を0.5g(試料液に対して、Tiとして800ppmw)添加し、試料液のpHが6.4になるまで、濃塩酸(関東化学株式会社製)を添加した。濃塩酸の添加後、25℃で一日静置した。静置後、液層を孔径0.45マイクロメートルのディスクフィルターでろ過し、ろ液の水質を分析した。水質を表2に示す。
Figure 2011045844
実施例2〜8
試料液に対して、表2に示す量の塩化チタン(IV)塩酸溶液を用い、濃塩酸を添加して表2に示すpHとした以外は実施例1と同様に行った。ろ液の水質を表2に示す。
実施例9
塩化チタン(IV)溶液に加えて、添加剤として平均粒径30μmの粉末活性炭(太平化学産業株式会社製)を0.5g(試料液に対して5000ppm)添加した以外は実施例1と同様に行った。ろ液の水質を表2に示す。
実施例10
塩化チタン(III)塩酸溶液(和光純薬株式会社製、チタン含有量16〜17%)を試料液に対して、Tiとして800ppmw用いた以外は実施例1と同様に行った。ろ液の水質を表2に示す。
比較例1
塩化チタンを添加せずに、濃塩酸を添加して表2に示すpHとした以外は実施例1と同様に行った。ろ液の水質を表2に示す。
比較例2
塩化チタンを添加せずに、濃塩酸を添加して表2に示すpHとした後、添加剤として平均粒径30μmの粉末活性炭(太平化学産業株式会社製)を0.5g(試料液に対して5000ppm)添加した外は実施例1と同様に行った。ろ液の水質を表2に示す。

Claims (4)

  1. 金属成分を含有する水酸化テトラアルキルアンモニウム含有現像廃液より金属成分を除去する方法であって、該現像廃液に塩化チタンを添加し、上記塩化チタン由来の沈殿物を生成せしめた後、該沈殿物を分離することを特徴とする水酸化テトラアルキルアンモニウム含有現像廃液の精製方法。
  2. 前記水酸化テトラアルキルアンモニウム含有現像廃液への塩化チタンの添加量が、該現像廃液に対して、Tiとして100〜5000ppmwである請求項1記載の水酸化テトラアルキルアンモニウム含有現像廃液の精製方法。
  3. 前記塩化チタン由来の沈殿物を生成せしめた水酸化テトラアルキルアンモニウム含有現像廃液のpHが3〜8の範囲で該沈殿物を分離する請求項1又は2記載の水酸化テトラアルキルアンモニウム含有現像廃液の精製方法。
  4. 前記水酸化テトラアルキルアンモニウム含有現像廃液が、フォトレジスト由来の有機物が溶解した水酸化テトラアルキルアンモニウム含有現像廃液である請求項1から3のいずれかに記載の水酸化テトラアルキルアンモニウム含有現像廃液の精製方法。
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