JP2011043669A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】加熱回転体を均一に加熱することが可能な定着装置を提供する。
【解決手段】第1回転体9aと、第1回転体9aの内部に配置され、第1回転体9aを内側から加熱するヒータ920と、第1回転体9aの内部に配置され、第1回転体9aの内周面に当接する受圧部材940と、第1回転体9aの内部に配置され、受圧部材940を支持し、ヒータ920から放射される赤外線を透過する透過部材を主体として構成される支持部材960と、第1回転体9aを介して受圧部材940との間で被転写材Tを挟持して定着ニップN9を形成する回転可能な第2回転体9bと、を備える。
【選択図】図3
【解決手段】第1回転体9aと、第1回転体9aの内部に配置され、第1回転体9aを内側から加熱するヒータ920と、第1回転体9aの内部に配置され、第1回転体9aの内周面に当接する受圧部材940と、第1回転体9aの内部に配置され、受圧部材940を支持し、ヒータ920から放射される赤外線を透過する透過部材を主体として構成される支持部材960と、第1回転体9aを介して受圧部材940との間で被転写材Tを挟持して定着ニップN9を形成する回転可能な第2回転体9bと、を備える。
【選択図】図3
Description
本発明は、コピー機、プリンタ、ファクシミリ又はこれらの複合機などの画像形成装置、及び画像形成装置に設けられた状態で、トナー画像を構成するトナーを溶融して用紙などの被転写材に定着させる定着装置に関する。
従来より、用紙に画像を形成(印刷)するための装置として、コピー機、プリンタ、ファクシミリ又はこれらの複合機などの画像形成装置が知られている。画像形成装置においては、感光体ドラムの表面を帯電させる帯電工程、帯電した感光体ドラムにレーザ光を照射して感光体ドラムの表面に静電潜像を形成する露光工程、感光体ドラムの表面に形成された静電潜像にトナーを付着させて現像を行う現像工程、感光体ドラムの表面に付着したトナーから形成されるトナー画像を用紙へ転写する転写工程、及び用紙に転写されたトナー画像を用紙に定着させる定着工程の各工程が順次行われることによって、用紙に画像が形成される。
上記の各工程のうち、定着工程では、用紙に転写されたトナー画像を構成するトナーを用紙に定着させるために、トナーに熱を与えてトナーを溶融させる必要がある。定着工程を行う定着装置として、例えば、加熱ベルト機構と、加熱ベルト機構との間でトナー画像が転写された用紙を挟み込んで定着ニップを形成する加圧回転体と、加熱ベルト機構の内側から定着ニップを加熱するヒータとを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような定着装置において、加熱ベルト機構は、無端ベルト状(無端フィルム状を含む)で周方向に回転可能な加熱回転体(第1回転体)と、加熱回転体の内部に配置され加熱回転体の内周面に当接する受圧部材と、加熱回転体の内部に配置され受圧部材を支持する支持部材とを備え、回転駆動される加圧回転体の回転により加熱回転体を従動回転させるように構成されている。
加熱ベルト機構を用いた定着装置によれば、加熱回転体の熱容量が小さく、定着装置のウォームアップに要する時間の短縮や待機温度の低温度化が可能となるため、定着工程における消費電力を極力抑制することができるという利点がある。
特許文献1に記載の定着装置では、支持部材が金属(例えば、SUS(ステンレス鋼))で構成されている。そのため、ヒータにより加熱回転体を加熱する際に、加熱回転体の内周面において、ヒータから放射される赤外線が照射されて加熱される部位と、赤外線が支持部材によって遮断され、赤外線により加熱された支持部材を介して加熱される部位とで加熱状態に偏りが生じ、加熱回転体全体が均一に加熱されないおそれがあった。
従って、本発明は、加熱回転体を均一に加熱することが可能な定着装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記定着装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記定着装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、画像形成装置に設けられた状態で、シート状の被転写材に転写されたトナー画像を構成するトナーを溶融して前記被転写材に定着させる定着装置であって、無端ベルト状で周方向に回転可能な第1回転体と、前記第1回転体の内部に配置され、該第1回転体を内側から加熱するヒータと、前記第1回転体の内部に配置され、該第1回転体の内周面に当接する受圧部材と、前記第1回転体の内部に配置され、前記受圧部材を支持し、前記ヒータから放射される赤外線を透過する透過部材を主体として構成される支持部材と、前記第1回転体を介して前記受圧部材との間で前記被転写材を挟持して定着ニップを形成する回転可能な第2回転体と、を備える定着装置に関する。
また、前記受圧部材は、前記透過部材を主体として構成されることが好ましい。
また、前記受圧部材と前記支持部材とは、一体的に形成された単一の部材で構成されることが好ましい。
また、前記透過部材は、ガラスからなることが好ましい。
また、前記受圧部材における前記第1回転体の内周面との接触面には、前記受圧部材と前記第1回転体の前記内周面との摩擦抵抗を低減する多数の微細な凹凸が形成されることが好ましい。
また、本発明は、表面に静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体に形成された静電潜像にトナー画像を現像する現像器と、前記像担持体に形成されたトナー画像を直接的又は間接的にシート状の被転写材に転写する転写部と、前記定着装置と、を備える画像形成装置に関する。
本発明によれば、加熱回転体を均一に加熱することが可能な定着装置を提供することができる。
また、本発明は、前記定着装置を備える画像形成装置を提供することができる。
また、本発明は、前記定着装置を備える画像形成装置を提供することができる。
<第1実施形態>
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1により、本発明の画像形成装置の第1実施形態としてのプリンタ1における全体構造を説明する。図1は、第1実施形態のプリンタ1における各構成要素の配置を説明するための左側面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1により、本発明の画像形成装置の第1実施形態としてのプリンタ1における全体構造を説明する。図1は、第1実施形態のプリンタ1における各構成要素の配置を説明するための左側面図である。
図1に示すように、画像形成装置としてのプリンタ1は、装置本体Mと、所定の画像情報に基づいてシート状の被転写材としての用紙Tに所定のトナー画像を形成する画像形成部GKと、用紙Tを画像形成部GKに給紙すると共にトナー画像が形成された用紙Tを排紙する給排紙部KHとを有する。
装置本体Mにおける外形は、筐体としてのケース体BDにより構成される。
装置本体Mにおける外形は、筐体としてのケース体BDにより構成される。
図1に示すように、画像形成部GKは、像担持体(感光体)としての感光体ドラム2と、帯電部10と、露光ユニットとしてのレーザスキャナユニット4と、現像器16と、トナーカートリッジ5と、トナー供給部6と、ドラムクリーニング部11と、除電器12と、転写ローラ8と、定着装置9とを備える。
図1に示すように、給排紙部KHは、給紙カセット52と、手差し給紙部64と、用紙Tの搬送路Lと、レジストローラ対80と、排紙部50とを備える。
以下、画像形成部GK及び給排紙部KHの各構成について詳細に説明する。
まず、画像形成部GKについて説明する。
画像形成部GKにおいては、感光体ドラム2の表面に沿って順に、上流側から下流側に順に、帯電部10による帯電、レーザスキャナユニット4による露光、現像器16による現像、転写ローラ8による転写、除電器12による除電、及びドラムクリーニング部11によるクリーニングが行われる。
まず、画像形成部GKについて説明する。
画像形成部GKにおいては、感光体ドラム2の表面に沿って順に、上流側から下流側に順に、帯電部10による帯電、レーザスキャナユニット4による露光、現像器16による現像、転写ローラ8による転写、除電器12による除電、及びドラムクリーニング部11によるクリーニングが行われる。
感光体ドラム2は、円筒形状の部材からなり、感光体又は像担持体として機能する。感光体ドラム2は、搬送路Lにおける用紙Tの搬送方向に対して直交する方向に延びる機軸を中心に、矢印の方向に回転可能に配置される。感光体ドラム2の表面には、静電潜像が形成され得る。
帯電部10は、感光体ドラム2の表面に対向して感光体ドラム2の上方に配置される。帯電部10は、感光体ドラム2の表面を一様に負(マイナス極性)又は正(プラス極性)に帯電させる。
レーザスキャナユニット4は、露光ユニットとして機能するものであり、感光体ドラム2の表面から上方に離間して配置される。レーザスキャナユニット4は、不図示のレーザ光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モータなどを有して構成される。
レーザスキャナユニット4は、PC(パーソナルコンピュータ)などの外部機器から入力された画像情報に基づいて、感光体ドラム2の表面を走査露光する。レーザスキャナユニット4により走査露光されることで、感光体ドラム2の表面の露光された部分の電荷が除去される。これにより、感光体ドラム2の表面に静電潜像が形成される。
現像器16は、感光体ドラム2に対応して感光体ドラム2の前方(図1における右側)に設けられ、感光体ドラム2の表面に対向して配置される。現像器16は、感光体ドラム2に形成された静電潜像に単色(通常はブラック)のトナーを付着させて、単色のトナー画像を感光体ドラム2の表面に形成する。現像器16は、感光体ドラム2の表面に対向配置された現像ローラ17、トナー攪拌用の攪拌ローラ18などを有して構成される。
トナーカートリッジ5は、現像器16に対応して設けられており、現像器16に対して供給されるトナーを収容する。
トナー供給部6は、トナーカートリッジ5及び現像器16に対応して設けられており、トナーカートリッジ5に収容されたトナーを現像器16に対して供給する。トナー供給部6と現像器16とは、不図示のトナー供給路により結ばれている。
転写ローラ8は、感光体ドラム2の表面に現像されたトナー画像を用紙Tに転写させる。転写ローラ8には、不図示の転写バイアス印加部により、感光体ドラム2に形成されたトナー画像を用紙Tに転写させるための転写バイアスが印加される。
転写ローラ8は、感光体ドラム2に対して当接したり離間したりする。具体的には、転写ローラ8は、感光体ドラム2に当接される当接位置と、感光体ドラム2から離間する離間位置とに移動可能に構成される。詳細には、転写ローラ8は、感光体ドラム2に現像されたトナー画像を用紙Tに転写させる場合に当接位置に配置され、他の場合に離間位置に配置される。
感光体ドラム2と転写ローラ8との間で、搬送路Lを搬送される用紙Tが挟み込まれる。挟み込まれた用紙Tは、感光体ドラム2の表面に押し当てられる。感光体ドラム2と転写ローラ8との間で、転写ニップNが形成される。転写ニップNにおいて、感光体ドラム2に現像されたトナー画像が用紙Tに転写される。
除電器12は、感光体ドラム2の表面に対向して配置される。除電器12は、感光体ドラム2の表面に光を照射することにより、転写が行われた後の感光体ドラム2の表面を除電する(電荷を除去する)。
ドラムクリーニング部11は、感光体ドラム2の表面に対向して配置される。ドラムクリーニング部11は、感光体ドラム2の表面に残存したトナーや付着物を除去すると共に、除去されたトナーなどを所定の回収機構へ搬送して、回収させる。
定着装置9は、用紙Tに転写されたトナー画像を構成するトナーを溶融及び加圧して、用紙Tに定着させる。定着装置9は、ヒータ920(後述)により加熱される第1回転体としての加熱回転ベルト9aと、加熱回転ベルト9aに圧接される第2回転体としての加圧ローラ9bと、を備える。加熱回転ベルト9aと加圧ローラ9bとは、トナー画像が転写された用紙Tを挟み込んで加圧すると共に、搬送する。加熱回転ベルト9aと加圧ローラ9bとの間に挟みこまれた状態で用紙Tが搬送されることで、用紙Tに転写されたトナーは、溶融及び加圧され、用紙Tに定着される。
定着装置9の構成の詳細については後述する。
定着装置9の構成の詳細については後述する。
次に、給排紙部KHについて説明する。
図1に示すように、装置本体Mの下部には、用紙Tを収容する1個の給紙カセット52が配置される。給紙カセット52は、装置本体Mの前側(図1における右側)から水平方向に引き出し可能に構成される。給紙カセット52には、用紙Tが載置される載置板60が配置される。給紙カセット52には、用紙Tが載置板60の上に積層された状態で収容される。載置板60に載置された用紙Tは、給紙カセット52における用紙送り出し側の端部(図1において右側の端部)に配置されるカセット給紙部51により搬送路Lに送り出される。カセット給紙部51は、載置板60上の用紙Tを取り出すための前送りコロ61と、用紙Tを1枚ずつ搬送路Lに送り出すための給紙ローラ対63からなる重送防止機構を備える。
図1に示すように、装置本体Mの下部には、用紙Tを収容する1個の給紙カセット52が配置される。給紙カセット52は、装置本体Mの前側(図1における右側)から水平方向に引き出し可能に構成される。給紙カセット52には、用紙Tが載置される載置板60が配置される。給紙カセット52には、用紙Tが載置板60の上に積層された状態で収容される。載置板60に載置された用紙Tは、給紙カセット52における用紙送り出し側の端部(図1において右側の端部)に配置されるカセット給紙部51により搬送路Lに送り出される。カセット給紙部51は、載置板60上の用紙Tを取り出すための前送りコロ61と、用紙Tを1枚ずつ搬送路Lに送り出すための給紙ローラ対63からなる重送防止機構を備える。
装置本体Mの前面(図1において右側)には、手差し給紙部64が設けられる。手差し給紙部64は、給紙カセット52にセットされる用紙Tとは異なる大きさや種類の用紙Tを装置本体Mに供給することを主目的として設けられる。手差し給紙部64は、閉状態において装置本体Mの前面一部を構成する手差しトレイ65と、給紙コロ66とを備える。手差しトレイ65は、その下端が給紙コロ66の近傍に回動自在(開閉自在)に取り付けられる。開状態の手差しトレイ65には、用紙Tが載置される。給紙コロ66は、開状態の手差しトレイ65に載置された用紙Tを手差し搬送路Laに給紙する。
装置本体Mにおける上方側には、排紙部50が設けられる。排紙部50は、第3ローラ対53により用紙Tを装置本体Mの外部に排紙する。排紙部50の詳細については後述する。
用紙Tを搬送する搬送路Lは、カセット給紙部51から転写ニップNまでの第1搬送路L1と、転写ニップNから定着装置9までの第2搬送路L2と、定着装置9から排紙部50までの第3搬送路L3と、手差し給紙部64から供給される用紙を第1搬送路L1に合流させる手差し搬送路Laと、第3搬送路L3を上流側から下流側へ搬送する用紙を表裏反転させて第1搬送路L1に戻す戻り搬送路Lbとを備える。
また、第1搬送路L1の途中には、第1合流部P1及び第2合流部P2が設けられている。第3搬送路L3の途中には、第1分岐部Q1が設けられている。
第1合流部P1は、手差し搬送路Laが第1搬送路L1に合流する合流部である。第2合流部P2は、戻り搬送路Lbが第1搬送路L1に合流する合流部である。
第1分岐部Q1は、戻り搬送路Lbが第3搬送路L3から分岐する分岐部で、第1ローラ対54a及び第2ローラ対54bを有する。第1ローラ対54aの一方のローラと第2ローラ対54bの一方のローラとは兼用される。
第1合流部P1は、手差し搬送路Laが第1搬送路L1に合流する合流部である。第2合流部P2は、戻り搬送路Lbが第1搬送路L1に合流する合流部である。
第1分岐部Q1は、戻り搬送路Lbが第3搬送路L3から分岐する分岐部で、第1ローラ対54a及び第2ローラ対54bを有する。第1ローラ対54aの一方のローラと第2ローラ対54bの一方のローラとは兼用される。
第1搬送路L1の途中(詳細には、第2合流部P2と転写ローラ8との間)には、用紙Tを検出するためのセンサと、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正や画像形成部GKにおけるトナー画像の形成とタイミングを合わせるためのレジストローラ対80が配置される。センサは、用紙Tの搬送方向におけるレジストローラ対80の直前(搬送方向における上流側)に配置される。レジストローラ対80は、センサからの検出信号情報に基づいて上述の補正やタイミング調整をして用紙Tを搬送する。
戻し搬送路Lbは、用紙Tに両面印刷を行う際に、既に印刷されている面とは反対面(非印刷面)を感光体ドラム2に対向させるために設けられる搬送路である。
戻し搬送路Lbによれば、第1分岐部Q1から第1ローラ対54aにより排紙部50側に搬送された用紙Tを表裏反転させて第2ローラ対54bにより第1搬送路L1に戻して、転写ローラ8の上流側に配置されたレジストローラ対80の上流側に搬送させることができる。戻し搬送路Lbにより表裏反転された用紙Tには、感光体ドラム2により非印刷面に対して所定のトナー画像が転写される。
戻し搬送路Lbによれば、第1分岐部Q1から第1ローラ対54aにより排紙部50側に搬送された用紙Tを表裏反転させて第2ローラ対54bにより第1搬送路L1に戻して、転写ローラ8の上流側に配置されたレジストローラ対80の上流側に搬送させることができる。戻し搬送路Lbにより表裏反転された用紙Tには、感光体ドラム2により非印刷面に対して所定のトナー画像が転写される。
第3搬送路L3における端部には、排紙部50が形成される。排紙部50は、装置本体Mにおける上方側に配置される。排紙部50は、装置本体Mの前面側(図1において右側、手差し給紙部64側)に向けて開口している。排紙部50は、第3搬送路L3を搬送される用紙Tを第3ローラ対53により装置本体Mの外部に排紙する。
排紙部50における開口側には、排紙集積部M1が形成される。排紙集積部M1は、装置本体Mにおける上面(外面)に形成される。排紙集積部M1は、装置本体Mにおける上面が下方に窪んで形成された部分である。排紙集積部M1の底面は、装置本体Mにおける上面の一部を構成する。排紙集積部M1には、所定のトナー画像が形成され排紙部50から排紙された用紙Tが積層して集積される。
なお、各搬送路の所定位置には用紙検出用のセンサが配置される。
なお、各搬送路の所定位置には用紙検出用のセンサが配置される。
以下、図面を参照して、第1実施形態のプリンタ1における特徴部分に係る構成について説明する。図2は、第1実施形態の定着装置9を示す斜視図である。図3は、第1実施形態の定着装置9の構成を示す概略図である。
図2及び図3に示すように、第1実施形態の定着装置9は、筐体910と、第1回転体としての加熱回転ベルト9aと、第2回転体としての加圧ローラ9bと、受圧部材940と、支持部材960と、2つのヒータ920と、を備える。
図2に示すように、筐体910は、加熱回転ベルト9a及び加圧ローラ9bの軸線方向(第2方向)D2と平行な方向に長く形成される。筐体910は、主として、矩形状の上面板911と上面板911の長手方向(第2方向D2)の端部に取り付けられた一対の側面板912,912との3つの部材から構成される。筐体910は、用紙Tの搬送方向D1から視て略コの字状に形成される。一対の側面板912,912それぞれには、長孔形状の貫通孔914が設けられている。
加熱回転ベルト9aは、ロール状(無端ベルト状)に形成されると共に耐熱性を有する。加熱回転ベルト9aは、用紙Tの搬送方向D1と直交する第2方向D2に延びる回転軸を中心に回転可能になされて構成される。例えば、加熱回転ベルト9aは、肉厚が30μm程度のSUS(ステンレス鋼)などの金属ベルトの外周面に、厚さが0.3mm程度のシリコンゴムの弾性層を設け、更に、この弾性層の外周面に、肉厚が30μm程度のPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素樹脂製の耐熱性フィルムからなる離型層を設けることで構成される。
図2に示すように、加圧ローラ9bは、その外周面が、加熱回転ベルト9aの外周面に当接するように配置される。加圧ローラ9bは、加熱回転ベルト9aよりも軸線方向(第2方向)D2に長く形成されている。加圧ローラ9bの軸線方向の中点と加熱回転ベルト9aの軸線方向の中点とは略一致している。
加圧ローラ9bは、加熱回転ベルト9aの軸線と平行な回転軸(第2方向D2)を中心に回転可能に構成される。詳述すると、加圧ローラ9bは、直径が14mm程度のアルミニウムや鉄などの芯金の外周面に、肉厚5.5mm程度のシリコンゴムなどの弾性層を設け、更に、この弾性層の表面に厚み50μm程度のPFAやPTFEなどのフッ素樹脂からなる離型層を設けることで構成される。
加圧ローラ9bは、加熱回転ベルト9aの軸線と平行な回転軸(第2方向D2)を中心に回転可能に構成される。詳述すると、加圧ローラ9bは、直径が14mm程度のアルミニウムや鉄などの芯金の外周面に、肉厚5.5mm程度のシリコンゴムなどの弾性層を設け、更に、この弾性層の表面に厚み50μm程度のPFAやPTFEなどのフッ素樹脂からなる離型層を設けることで構成される。
また、図2に示すように、加圧ローラ9bの軸線方向(第2方向D2)の両端部から、回転軸となるローラ軸931が突出している。このローラ軸931は、プリンタ1における装置本体Mのケースやその他の部材により回転可能に支持される。
加圧ローラ9bのローラ軸931には、加圧ローラ9bを回転駆動させる第2回転体駆動部としての電動モータなどの加圧ローラ駆動部(図示せず)が直結される。この加圧ローラ駆動部により、加圧ローラ9bが所定速度で回転駆動されると共に、加圧ローラ9bの回転に従動して、加圧ローラ9bの外周面に当接する加熱回転ベルト9aが回転される。これにより、加圧ローラ9bと加熱回転ベルト9aとの間で、トナー画像が転写された用紙Tを挟持する定着ニップN9が形成される。
加圧ローラ9bのローラ軸931には、加圧ローラ9bを回転駆動させる第2回転体駆動部としての電動モータなどの加圧ローラ駆動部(図示せず)が直結される。この加圧ローラ駆動部により、加圧ローラ9bが所定速度で回転駆動されると共に、加圧ローラ9bの回転に従動して、加圧ローラ9bの外周面に当接する加熱回転ベルト9aが回転される。これにより、加圧ローラ9bと加熱回転ベルト9aとの間で、トナー画像が転写された用紙Tを挟持する定着ニップN9が形成される。
図3に示すように、2つのヒータ920,920は、加熱回転ベルト9aと加圧ローラ9bとの当接部である定着ニップN9を加熱する。このヒータ920は、例えば、ハロゲンヒータやセラミックヒータから構成される。
2つのヒータ920,920は、第1ヒータ920A及び第2ヒータ920Bにより構成される。第1ヒータ920Aは、加熱回転ベルト9aの内部における支持部材960よりも搬送方向D1の下流側(図3において左側)に配置される。第2ヒータ920Bは、加熱回転ベルト9aの内部における支持部材960よりも搬送方向D1の上流側(図3において右側)に配置される。
そして、ヒータ920は、加熱回転ベルト9aと加圧ローラ9bとの間に挟み込まれた状態で搬送される用紙Tに加熱回転ベルト9aを介して熱を付与する。これにより、トナー画像が転写された用紙Tを定着ニップN9に搬送し、通過させることで、用紙T上のトナーTNが溶融して用紙Tに定着される。
2つのヒータ920,920は、第1ヒータ920A及び第2ヒータ920Bにより構成される。第1ヒータ920Aは、加熱回転ベルト9aの内部における支持部材960よりも搬送方向D1の下流側(図3において左側)に配置される。第2ヒータ920Bは、加熱回転ベルト9aの内部における支持部材960よりも搬送方向D1の上流側(図3において右側)に配置される。
そして、ヒータ920は、加熱回転ベルト9aと加圧ローラ9bとの間に挟み込まれた状態で搬送される用紙Tに加熱回転ベルト9aを介して熱を付与する。これにより、トナー画像が転写された用紙Tを定着ニップN9に搬送し、通過させることで、用紙T上のトナーTNが溶融して用紙Tに定着される。
図2に示すように、受圧部材940は、加熱回転ベルト9aの内部において、加熱回転ベルト9aの軸線方向(第2方向)D2に長く延びて形成される。受圧部材940は、その長手方向の両端それぞれにおいて、固定部材950,950により固定される。詳細には、固定部材950,950は、筐体910の長手方向の両端に位置する側面板912,912の内側と外側とに跨るようにして、貫通孔914,914の下部に配置される。固定部材950,950は、加熱回転ベルト9aの軸線方向(第2方向)D2から視て凸型の形状を有し、筐体910に固定される。
受圧部材940は、加熱回転ベルト9aを介して加圧ローラ9bとの間に定着ニップN9を形成する部材である。受圧部材940には、加圧ローラ9bから加熱回転ベルト9aが受ける圧力を受け止めるために、一定以上の強度が必要である。また、受圧部材940は、加熱回転ベルト9aの内周面と接しているため、熱容量、耐熱性、耐摩耗性などにも優れていることが必要である。更に、受圧部材940は、ヒータ920,920から放射される赤外線を透過させるために光透過性にも優れていることが好ましい。
受圧部材940は、これらの必要条件を備えるため、例えば、ヒータ920,920から放射される赤外線を透過する透過部材を主体として構成される。「透過部材を主体として構成される」とは、例えば、全体が透過部材から構成される場合の他、大部分が透過部材から構成され、残りの部分が非透過部材から構成される場合も含む。例えば、受圧部材940のうち、他の部材との連結に用いられる部分や補強すべき部分のみに金属部材(SUSなど)を用いてもよい。透過部材は、ガラスからなることが好ましいが、光透過性を有する耐熱性樹脂からなってもよい。
受圧部材940の具体的な構成について説明する。受圧部材940における加熱回転ベルト9aの内周面と摺動しながら接触する摺接面941と、摺接面941よりも搬送方向D1の下流側(図3において左側)及び摺接面941よりも搬送方向D1の上流側(図3において右側)に形成される2つの傾斜面942,942とを有する。受圧部材940は、例えば、厚みが3.8mm程度のガラスを主体として構成される。受圧部材940は、例えば、耐摩耗性を向上させるために、受圧部材940の固定部材950,950と接触する部位をSUSで構成し、受圧部材940の他の部位をガラスで構成することができる。
摺接面941には、受圧部材940と加熱回転ベルト9aの内周面との摩擦抵抗を低減する多数の微細な凹凸が形成される。「多数の微細な凹凸」とは、平滑な面ではなく、且つ巨視的に視て明確な凹凸が形成されない凹凸をいう。また、「摩擦抵抗を低減する」とは、具体的には、摺接面941に形成される多数の微細な凹凸により受圧部材940と加熱回転ベルト9aの内周面との接触面積が減少するため、摩擦抵抗が低減することをいう。摺接面941における多数の微細な凹凸の形成には、例えば、サンドブラスト加工を用いることができる。また、2つの傾斜面942,942は、加熱回転ベルト9aの内周面側に凸の曲面形状を有する。受圧部材940は、摺接面941及び摺接面941の両側に2つの傾斜面942,942を有し、且つ摺接面941に多数の微細な凹凸が形成されることで、受圧部材940に対する加熱回転ベルト9aの摺動が滑らかになる。
図3に示すように、支持部材960は、受圧部材940が加圧ローラ9bから受ける圧力を受け止めて支持するために、すなわち、受圧部材940を補強するために、加熱回転ベルト9aの内部に配置される。支持部材960は、加熱回転ベルト9aの回転軸方向(第2方向)D2の断面において、略矩形状を有する。また、第2方向D2の断面における受圧部材940と支持部材960とが接続される部位の左右両側は、不図示の締結部材で保持されている。
支持部材960は、加熱回転ベルト9aよりも加熱回転ベルト9aの回転軸方向(第2方向)D2に長く形成される。支持部材960の長手方向(第2方向D2)の中点は、加熱回転ベルト9aの軸方向の中点と略一致している。そのため、支持部材960の長手方向の両端部は、加熱回転ベルト9aの外部に配置される。
図2に示すように、支持部材960の長手方向の両端部は、固定部材950,950の溝部951に差し込まれた状態で配置される。
支持部材960は、ヒータ920,920から放射される赤外線を透過する透過部材を主体として構成される。「透過部材を主体として構成される」とは、受圧部材940の場合と同様に、例えば、全体が透過部材から構成される場合の他、大部分が透過部材から構成され、残りの部分が非透過部材から構成される場合も含む。例えば、支持部材960のうち、他の部材との連結に用いられる部分や補強すべき部分のみに金属部材(SUSなど)を用いてもよい。透過部材は、前述した受圧部材940と同様に、ガラスからなることが好ましい。具体的には、支持部材960は、厚みが10mm程度のガラスを主体として構成される。詳細には、支持部材960は、例えば、耐摩耗性を向上させるために、支持部材960の長手方向の両端部をSUSで構成し、他の部位をガラスで構成することができる。また、支持部材960は、前述した受圧部材940と同様に、熱容量、耐熱性、耐摩耗性及び光透過性を有している。
このような支持部材960の存在により、定着ニップN9における圧力(定着圧)が安定し、定着ニップN9を通過する用紙Tに強い圧力を加えることが可能となり、定着不良を防止できる。
次に、ヒータ920,920から放射される赤外線により加熱回転ベルト9aの内周面が加熱される際の作用について説明する。
ヒータ920,920を点灯させると、ヒータ920,920は、赤外線を放射する。放射された赤外線は、ガラスを主体として構成された受圧部材940及び支持部材960を透過し、加熱回転ベルト9aの内周面全体に対して直接的に照射される。すなわち、加熱回転ベルト9aの内周面全体は、ヒータ920,920から放射される赤外線により均一に加熱される。
また、定着ニップN9は、受圧部材940及び支持部材960を透過した赤外線により加熱回転ベルト9aを介して間接的に加熱される。
ヒータ920,920を点灯させると、ヒータ920,920は、赤外線を放射する。放射された赤外線は、ガラスを主体として構成された受圧部材940及び支持部材960を透過し、加熱回転ベルト9aの内周面全体に対して直接的に照射される。すなわち、加熱回転ベルト9aの内周面全体は、ヒータ920,920から放射される赤外線により均一に加熱される。
また、定着ニップN9は、受圧部材940及び支持部材960を透過した赤外線により加熱回転ベルト9aを介して間接的に加熱される。
次に、図1を参照して、第1実施形態のプリンタ1の動作について、簡単に説明する。
まず、給紙カセット52に収容された用紙Tに片面印刷を行う場合について説明する。
給紙カセット52に収容された用紙Tは、前送りコロ61及び給紙ローラ対63によって第1搬送路L1に送り出され、その後、第1合流部P1及び第1搬送路L1を介してレジストローラ対80に搬送される。
レジストローラ対80においては、用紙Tのスキュー補正や、トナー画像とのタイミング調整が行われる。
まず、給紙カセット52に収容された用紙Tに片面印刷を行う場合について説明する。
給紙カセット52に収容された用紙Tは、前送りコロ61及び給紙ローラ対63によって第1搬送路L1に送り出され、その後、第1合流部P1及び第1搬送路L1を介してレジストローラ対80に搬送される。
レジストローラ対80においては、用紙Tのスキュー補正や、トナー画像とのタイミング調整が行われる。
レジストローラ対80から排出された用紙Tは、第1搬送路L1を介して感光体ドラム2と転写ローラ8との間に導入される。そして、用紙Tには、感光体ドラム2と転写ローラ8との間において、トナー画像が転写される。
その後、用紙Tは、感光体ドラム2と転写ローラ8との間から排出され、第2搬送路L2を介して、定着装置9における加熱回転ベルト9aと加圧ローラ9bとの間の定着ニップN9に導入される。そして、定着ニップN9においてトナーTNが溶融し、トナーTNが用紙Tに定着される。
その後、用紙Tは、感光体ドラム2と転写ローラ8との間から排出され、第2搬送路L2を介して、定着装置9における加熱回転ベルト9aと加圧ローラ9bとの間の定着ニップN9に導入される。そして、定着ニップN9においてトナーTNが溶融し、トナーTNが用紙Tに定着される。
次いで、用紙Tは、第1ローラ対54aにより第3搬送路L3を通して排紙部50に搬送され、第3ローラ対53により排紙部50から排紙集積部M1に排出される。
このようにして、給紙カセット52に収容された用紙Tの片面印刷が完了する。
このようにして、給紙カセット52に収容された用紙Tの片面印刷が完了する。
手差しトレイ65に載置された用紙Tに片面印刷を行う場合には、手差しトレイ65に載置された用紙Tは、給紙コロ66によって手差し搬送路Laに送り出され、その後、第1合流部P1及び第1搬送路L1を介して、レジストローラ対80に搬送される。それ以降の動作は、前述した、給紙カセット52に収容された用紙Tの片面印刷の動作と同様であり、説明を省略する。
次に、両面印刷を行う場合のプリンタ1の動作について説明する。
片面印刷の場合には、前述した通り、片面印刷がされた用紙Tが、排紙部50から排紙集積部M1に排出されて印刷動作が完了する。
これに対し、両面印刷を行う場合には、片面印刷された用紙Tが、戻し搬送路Lbを介して、片面印刷時とは表裏反転して、レジストローラ対80に再度搬送されることにより、用紙Tに両面印刷が施される。
片面印刷の場合には、前述した通り、片面印刷がされた用紙Tが、排紙部50から排紙集積部M1に排出されて印刷動作が完了する。
これに対し、両面印刷を行う場合には、片面印刷された用紙Tが、戻し搬送路Lbを介して、片面印刷時とは表裏反転して、レジストローラ対80に再度搬送されることにより、用紙Tに両面印刷が施される。
詳述すると、片面印刷がされた用紙Tが第3ローラ対53により排紙部50から排出されるまでは、前述した片面印刷の動作と同様である。而して、両面印刷の場合には、片面印刷がされた用紙Tが第3ローラ対53により保持されている状態において、第3ローラ対53の回転を停止させ、逆方向に回転させる。このように第3ローラ対53を逆方向に回転させると、第3ローラ対53に保持されている用紙Tは、第3搬送路L3を逆方向(排紙部50から第1分岐部Q1に向かう方向)に搬送される。
前述したように、用紙Tが、第3搬送路L3を逆方向に搬送されると、(第1ローラ対54aではなく、)第2ローラ対54bに導入される。そして、用紙Tは、戻し搬送路Lb及び第2合流部P2を介して、第2搬送路L2に合流する。ここで、用紙Tは、片面印刷時とは表裏反転している。
更に、用紙Tは、レジストローラ対80により前記補正又は前記調整が行われ、第1搬送路L1を介して、感光体ドラム2と転写ローラ8との間に導入される。用紙Tは、戻し搬送路Lbを経由することにより、非印刷面が感光体ドラム2に対向するので、非印刷面にトナー画像が転写され、その結果、両面印刷が施される。
次に、図1から図3を参照して、第1実施形態のプリンタ1の特徴部分である定着装置9の動作について説明する。
第1実施形態のプリンタ1においては、プリンタ1の電源をONにすると、電源部から帯電部10、レーザスキャナユニット4、現像器16、転写ローラ8、プリンタ制御部(図示せず)及び定着装置9それぞれへ電力が供給されると共に、プリンタ制御部からの制御信号により帯電部10、レーザスキャナユニット4、現像器16、転写ローラ8及び定着装置9がそれぞれ制御される。そして、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程及び定着工程の各工程が順に行われる。
具体的には、第1実施形態のプリンタ1においては、レジストローラ対80から送り出された用紙Tは、第1搬送路L1を通って感光体ドラム2と転写ローラ8との間の転写ニップNへ搬送される。このように用紙Tが感光体ドラム2へ向かって搬送されるとき、まず、帯電部10が、帯電工程において感光体ドラム2の表面全体を帯電させると共に、レーザスキャナユニット4が、露光工程においてレーザ光源(図示せず)から感光体ドラム2へ向けてレーザ光を照射し、感光体ドラム2の表面のうちレーザ光が照射された部分に静電潜像を形成する。
次に、現像器16が、現像工程において帯電したトナーを現像ローラ17により感光体ドラム2へ供給することで、感光体ドラム2の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させて、トナー画像を現像する。続いて、転写ローラ8が、転写工程において感光体ドラム2と転写ローラ8との間を通過する用紙Tに、感光体ドラム2の表面に付着したトナー画像を転写する。
そして、転写工程においてトナー画像が転写された用紙Tは、第2搬送路L2を通って定着装置9へ向けて搬送され、定着装置9における加熱回転ベルト9aと加圧ローラ9bとの間の定着ニップN9へ搬送される。
また、プリンタ制御部から前述の加圧ローラ駆動部へ出力される制御信号をONとすることで、電源部から加圧ローラ駆動部への電力の供給が開始されて、加圧ローラ9bが回転駆動されると共に、加圧ローラ9bの回転駆動に伴って、加熱回転ベルト9aが従動回転される。これによって、定着装置9は、定着工程において加熱回転ベルト9aと加圧ローラ9bとの間の定着ニップN9を通過する用紙Tに付着したトナーTNを、ヒータ920から加熱回転ベルト9aを介してトナーTNに付与された熱によって溶解させると共に、加圧ローラ9bによって用紙Tに圧力を加えることで、トナー画像が用紙Tに定着される。
第1実施形態の定着装置9によれば、次のような効果が奏される。
第1実施形態においては、支持部材960は、ヒータ920,920から放射される赤外線を透過する透過部材を主体として構成される。ヒータ920,920から放射される赤外線は、支持部材960を透過し、加熱回転ベルト9aの内周面全体に対して直接的に照射される。そのため、ヒータ920,920により加熱回転ベルト9aの内周面を全体的に加熱することができる。従って、加熱回転ベルト9aの内周面全体の加熱を均一に行うことができる。
第1実施形態においては、支持部材960は、ヒータ920,920から放射される赤外線を透過する透過部材を主体として構成される。ヒータ920,920から放射される赤外線は、支持部材960を透過し、加熱回転ベルト9aの内周面全体に対して直接的に照射される。そのため、ヒータ920,920により加熱回転ベルト9aの内周面を全体的に加熱することができる。従って、加熱回転ベルト9aの内周面全体の加熱を均一に行うことができる。
また、第1実施形態においては、受圧部材940は、ヒータ920,920から放射される赤外線を透過する透過部材を主体として構成される。そのため、定着ニップN9を受圧部材940及び支持部材960を透過した赤外線により加熱回転ベルト9aを介して間接的に加熱する。従って、定着ニップN9の加熱性をより向上させることができる。
また、第1実施形態においては、受圧部材940及び支持部材960を主体として構成する透過部材は、ガラスからなる。ガラスは、耐熱性、光透過性を有する部材であるため、受圧部材940及び支持部材960は、耐熱性、光透過性を好適に発揮することができる。また、第1実施形態においては、透過部材がガラスからなることで、受圧部材940及び支持部材960の構造を単純化することができる。また、第1実施形態においては、受圧部材940及び支持部材960の構造を単純化することにより部品点数を削減することができる。
また、第1実施形態においては、摺接面941には、受圧部材940と加熱回転ベルト9aの内周面との摩擦抵抗を低減する多数の微細な凹凸が形成される。摺接面941は、多数の微細な凹凸により加圧ローラ9bとの接触面積を減少させる。従って、摺接面941と加圧ローラ9bとの摺動をより滑らかに行うことができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態については、主として、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、詳しい説明を省略する。第2実施形態において、特に説明しない点は、第1実施形態についての説明が適宜適用される。また、第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が奏される。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態については、主として、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、詳しい説明を省略する。第2実施形態において、特に説明しない点は、第1実施形態についての説明が適宜適用される。また、第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が奏される。
第2実施形態のプリンタ1における定着装置92の構成について説明する。図4は、第2実施形態の定着装置92の構成を示す概略図(図3対応図)である。図4に示すように、第2実施形態の定着装置92は、第1実施形態の定着装置9に比して、受圧部材940及び支持部材960の構成並びにヒータ920,920の配置が異なる。
具体的には、第2実施形態の定着装置92では、受圧部材940と支持部材960とは、一体的に形成された単一の部材で構成される。「一体的に形成された単一の部材」とは、例えば、完全に一体的に単一の部材から形成される場合の他、大部分が単一の部材から形成され、残りの部分が金属などの他の部材から形成され、全体として一体的に形成される場合も含む。詳細には、受圧部材940及び支持部材960は、例えば、耐摩耗性を向上させるために、受圧部材940の固定部材950,950と接触する部位及び支持部材960の長手方向の両端部をSUSで構成し、他の部位をガラスからなる単一の透過部材から構成する。つまり、受圧部材940及び支持部材960は、ガラスを主体とし、SUSを補強部材又は連結部材として使用して、全体として一体的に形成される。また、受圧部材940及び支持部材960は、第1実施形態と同様に、熱容量、耐熱性、耐摩耗性及び光透過性を有している。
また、第2実施形態の定着装置92では、ヒータ920,920は、支持部材960の上面から所定の間隔で離間した位置に配置されている。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
第2実施形態の定着装置92によれば、第1実施形態における効果と同様の効果が奏される。また、第2実施形態によれば、受圧部材940と支持部材960とは、一体的に形成された単一の部材で構成される。そのため、第1実施形態の定着装置9に比して、部品点数を更に削減することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、上述の各実施形態においては、加圧ローラ9b(第2回転体)を回転駆動させ、加熱回転ベルト9a(第1回転体)を従動回転させているが、これに制限されず、第1回転体を回転駆動させ、第2回転体を従動回転させてもよい。
また、第2回転体として、加圧ローラ9bを用いたが、これに代えて、無端状に形成されたフレキシブルなベルトからなる加圧回転体を用いることができる。
例えば、上述の各実施形態においては、加圧ローラ9b(第2回転体)を回転駆動させ、加熱回転ベルト9a(第1回転体)を従動回転させているが、これに制限されず、第1回転体を回転駆動させ、第2回転体を従動回転させてもよい。
また、第2回転体として、加圧ローラ9bを用いたが、これに代えて、無端状に形成されたフレキシブルなベルトからなる加圧回転体を用いることができる。
本発明の画像形成装置の種類は、特に限定がなく、コピー機、プリンタ、ファクシミリ、又はこれらの複合機などであってもよい。
本発明の定着装置は、ユニット化され、画像形成装置の装置本体から着脱自在に構成されていてもよく、あるいは、画像形成装置の装置本体と一体的に構成されていてもよい。
シート状の被転写材は、用紙に制限されず、例えば、フィルムシートであってもよい。
本発明の定着装置は、ユニット化され、画像形成装置の装置本体から着脱自在に構成されていてもよく、あるいは、画像形成装置の装置本体と一体的に構成されていてもよい。
シート状の被転写材は、用紙に制限されず、例えば、フィルムシートであってもよい。
1……プリンタ(画像形成装置)、2……感光体ドラム(像担持体)、16……現像器、9……定着装置、9a……加熱回転体(第1回転体)、9b……加圧回転体(第2回転体)、920(920A,920B)……ヒータ、940……受圧部材、960……支持部材、T……用紙(被転写材)、TN……トナー
Claims (6)
- 画像形成装置に設けられた状態で、シート状の被転写材に転写されたトナー画像を構成するトナーを溶融して前記被転写材に定着させる定着装置であって、
無端ベルト状で周方向に回転可能な第1回転体と、
前記第1回転体の内部に配置され、該第1回転体を内側から加熱するヒータと、
前記第1回転体の内部に配置され、該第1回転体の内周面に当接する受圧部材と、
前記第1回転体の内部に配置され、前記受圧部材を支持し、前記ヒータから放射される赤外線を透過する透過部材を主体として構成される支持部材と、
前記第1回転体を介して前記受圧部材との間で前記被転写材を挟持して定着ニップを形成する回転可能な第2回転体と、を備える
定着装置。 - 前記受圧部材は、前記透過部材を主体として構成される
請求項1に記載の定着装置。 - 前記受圧部材と前記支持部材とは、一体的に形成された単一の部材で構成される
請求項1又は2に記載の定着装置。 - 前記透過部材は、ガラスからなる
請求項1から3のいずれかに記載の定着装置。 - 前記受圧部材における前記第1回転体の内周面との接触面には、前記受圧部材と前記第1回転体の前記内周面との摩擦抵抗を低減する多数の微細な凹凸が形成される
請求項1から4のいずれかに記載の定着装置。 - 表面に静電潜像が形成される像担持体と、
前記像担持体に形成された静電潜像にトナー画像を現像する現像器と、
前記像担持体に形成されたトナー画像を直接的又は間接的にシート状の被転写材に転写する転写部と、
請求項1から5のいずれかに記載の定着装置と、を備える
画像形成装置。
Priority Applications (1)
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JP2009191774A JP2011043669A (ja) | 2009-08-21 | 2009-08-21 | 定着装置及び画像形成装置 |
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