JP2008122582A - 定着装置及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウォーミングアップ時間を短縮するとともに、定着不良も回避し、省電力を達成できる定着装置を提供することを目的とする。
【解決手段】スリーブ状で回転可能な加熱部材72と、加熱部材72内の発熱源77と、加熱・加圧のためシートSを通過させるニップを形成するように加熱部材72と圧接され、回転駆動する加圧部材73と、ニップにおいて加圧部材73の圧力を受けるため加熱部材72の内側に加熱部材72と接して設けられる受圧部材74とを備えた定着装置1において、加熱部材72内に、受圧部材74よりも内側であって受圧部材74と接し加圧部材73の圧力を受け止めるための補強部材76を備えており、補強部材76は、複数の板部が組み合わされて構成されているとともに、板部の端部を足部として、受圧部材74に突き当てられる。
【選択図】図4
【解決手段】スリーブ状で回転可能な加熱部材72と、加熱部材72内の発熱源77と、加熱・加圧のためシートSを通過させるニップを形成するように加熱部材72と圧接され、回転駆動する加圧部材73と、ニップにおいて加圧部材73の圧力を受けるため加熱部材72の内側に加熱部材72と接して設けられる受圧部材74とを備えた定着装置1において、加熱部材72内に、受圧部材74よりも内側であって受圧部材74と接し加圧部材73の圧力を受け止めるための補強部材76を備えており、補強部材76は、複数の板部が組み合わされて構成されているとともに、板部の端部を足部として、受圧部材74に突き当てられる。
【選択図】図4
Description
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ機等の画像形成装置に用いられる定着装置及びこれを備えた画像形成装置に関する。
一般に、複写機等の電子写真方式による画像形成装置では、画像形成装置によりシート上に形成されたトナー像を加熱・加圧し、トナーを溶融させてシートに固着する手段として定着装置が用いられる。そして、定着装置は、トナーの加熱のため、通常発熱源を有している。ここで、定着装置をトナー溶融可能温度にまで急速に暖めることができれば、画像形成装置の電源投入後や、スリープモードからの復帰後の使用者の待ち時間を減らすことができ、使用者の利便性が向上する。又、画像形成装置の使用時にのみ発熱源に電力を供給することや、不使用時の定着装置の温度を従来に比べ低くしておくことも可能になり画像形成装置の消費電力を抑えることもできる。
そのため、定着装置を急速に暖めることができるように、定着装置は、スリーブ状の加熱部材と、加熱部材の内側に設けた発熱源と、加熱部材に圧接して加熱部材とニップを形成する加圧部材と、この加圧部材の圧力を受けるためニップ部分の加熱部材の内側に加熱部材と接して設けられる受圧部材等により構成されることがある。尚、このような定着装置では、加圧部材が回転駆動し、加熱部材は、これに従動するようになっている。
ここで、加熱部材は、フィルム等から構成されスリーブ形状とされる。加熱部材は、薄肉であるから、急速に発熱源により暖められる。そして、加熱部材と加圧部材、そして受圧部材により形成されるニップにトナー像が転写されたシートが進入し、ニップに挟まれつつ搬送されることで、トナーは、加熱・加圧されて溶融し、シートに固着される。
このような装置の一例として、特許文献1や特許文献2記載の発明が提案されている。特許文献1には、回動可能で、内部に支持部材(受圧部材)と輻射発熱源を備えた加熱部材と、加熱部材を加圧する加圧部材を有する定着装置において、加熱部材はフィルム等であり、支持部材は加熱部材を介して加圧部材と圧接され、定着ニップを形成する金属部材により形成されている定着装置が提案されている。このように構成することで、薄肉フィルムを加熱・駆動し、高速な加熱特性を得ようとしている(特許文献1:請求項1、図1、段落0070参照)。
又、特許文献2には、輻射光を吸収するフィルムもしくはベルト状の回動可能な加熱部材と、加熱部材内に配される輻射発熱源と、加熱部材の内面に摺動する保持部材(受圧部材)と、加熱部材を挟んで保持部材とニップを形成する加圧部材を備え、保持部材の摺動面は、クラウン形状であり、加熱部材と加圧部材の間に被加熱材を狭持搬送して加熱する加熱装置が提案されている。このように構成することで、加熱装置での加熱の高速化を図ろうとしている。尚、この加熱装置は、画像形成装置における定着装置にも用いられるものである(特許文献2:請求項1、請求項14、図2、段落0120参照)。
特開2004−094146
特開2004−062053
特許文献1及び2で示されるように、フィルム状の加熱部材に対し、例えば、加圧ローラといった加圧部材を圧接させてシートを加圧できるほどのニップを形成するためには、加熱部材の内部に加圧部材からの圧力を受けるための部材、即ち、支持部材(受圧部材)が必要となる。要するに、加圧部材からの圧力を受圧部材が受け止める。
しかし、特許文献1及び2に示されるような、例えば、断面コ字状のような支持部材のみで加圧部材からの圧力を受けようとすれば(特許文献1:図1、特許文献2:図2参照)、支持部材(受圧部材)は強度が必要であるから、支持部材(受圧部材)を大型化する必要があり、又、その板厚も厚くせざるを得ないものとなる。
そうすると、大型の支持部材(受圧部材)を用いるから、加熱部材内部に設けられた輻射発熱源からの輻射光を吸収してしまうという問題がある。従って、加熱部材を暖めるための時間が長くなり、定着装置において、加熱部材と加圧部材のニップに進入してくるシート上のトナーを溶融できる温度まで加熱部材を暖めるための時間(ウォーミングアップ時間)が長くなってしまうという問題がある。
又、支持部材(受圧部材)は、大型化せざるを得ず、その板厚も厚くせざるを得ないから、支持部材(受圧部材)の熱容量が大きくなってしまうという問題がある。熱容量が大きくなると、支持部材(受圧部材)と加熱部材はニップ領域において接して設けられるから、支持部材(受圧部材)が暖められた加熱部材から熱を奪ってしまう(熱の移動)という問題が生ずる。従って、この点においてもウォーミングアップ時間が長くなる。
更に、支持部材(受圧部材)が輻射光を吸収し、かつ、熱容量が大きいと、定着不良が生じやすいという問題も生ずる。定着装置における定着は、加熱部材と加圧部材のニップにシートを通過させることで行われるが、このニップにおいて支持部材(受圧部材)が加熱部材と接しているから、ニップにおける加熱部材の熱が支持部材(受圧部材)に移動し、加熱部材の温度が下がる場合が生ずる。そして、ニップにおける加熱部材の温度が下がると、トナーを溶融させるのに必要な温度(一般に200°C程度)にニップ部分が達しないまま定着が行われる場合が生じてしまう。特に、画像形成装置の立ち上げ時や、高速で連続して定着を行ったため加熱部材の温度が低下した等の場合、定着不良が生じやすくなる。
尚、支持部材(受圧部材)が輻射光を吸収することや、熱容量が大きい問題を解消するためには、出力の高い発熱源を用いることも考えられる。しかし、出力の高い発熱源を用いると消費電力が大幅に増加してしまうという問題が別途生じ、加熱部材を比較的小さな消費電力で急速に暖めることができるという利点を失うこととなってしまう。
このように、特許文献1及び2記載のような定着装置は、支持部材(受圧部材)が大型化し、発熱源からの熱を吸収しやすく、熱容量も大きなものであるから、ウォームアップ時間の点や定着不良の点で問題を有しうるものであり、上述したような問題に対応できないものである。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、受圧部材の大型化及び熱容量が大きくなることを回避して、ウォーミングアップ時間を短縮するとともに、定着不良も回避し、省電力を達成できる定着装置を提供することを目的とする。又、この定着装置を用いることにより、使用者の利便性が高く、形成される画像品質が良好で、省電力の画像形成装置を提供することを課題とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、スリーブ状に形成され、回転可能となっている加熱部材と、前記加熱部材内に配された発熱源と、加熱・加圧するためシートを通過させるニップを形成するように前記加熱部材と圧接されるとともに回転駆動する加圧部材と、前記加熱部材と前記加圧部材が形成するニップにおいて前記加圧部材の圧力を受けるため前記加熱部材の内側に前記加熱部材と接して設けられる受圧部材とを備えた定着装置において、前記加熱部材内に、前記受圧部材よりも内側であって前記受圧部材と接し前記加圧部材の圧力を受け止めるための補強部材を備えており、前記補強部材は、複数の板部が組み合わされて構成されているとともに、前記板部の端部を足部として、前記受圧部材に突き当てられることとした。
又、請求項2に係る発明は、請求項1記載の発明において、前記補強部材は、前記受圧部材に対して突き当てられる複数の第1板部により構成されるとともに、複数の前記第1板部をつなげる1又は複数の第2板部により構成されることとした。
又、請求項3に係る発明は、請求項2記載の発明において、前記補強部材は、複数の前記第1板部が前記受圧部材に対して垂直に突き当てられる複数の板部により構成され、1又は複数の第2板部が前記受圧部材に対して平行に設けられて構成されることとした。
又、請求項4に係る発明は、請求項2又は3記載の発明において、複数の前記第1板部の高さは、全部又は一部が異なっていることとした。
又、請求項5に係る発明は、請求項1記載の発明において、 前記補強部材は、逆Y字形の板部を有するとともに、前記受圧部材に対して突き当てられるように構成されていることとした。
又、請求項6に係る発明は、請求項1記載の発明において、前記補強部材は、半円筒状の板部を有するとともに、半円筒状の板部の周方向の端部を前記受圧部材に対して突き当てられるように構成されることとした。
又、請求項7に係る発明は、画像形成装置であって、請求項1乃至6にいずれか一項に記載の定着装置を備えることとした。
請求項1記載の発明は、補強部材が加圧部材から受圧部材に加えられる圧力を受け止めるから、受圧部材自体の大きさを小さく、厚みを薄くすることができ受圧部材を小型化できる。従って、受圧部材が、例えば輻射光のような発熱源からの熱を吸収し難くなり、又、熱容量も小さくできるからニップ部において加熱部材から熱を奪わない。即ち、受圧部材は、加熱部材の昇音を妨げ難いものとなるから、加熱部材がトナーを溶融可能な温度にまで上昇させるための時間(ウォーミングアップ時間)が短縮され、又、温度不足による定着不良をなくすことができる。このように、発熱源からの熱が効率よく加熱部材に伝わるから省電力も達成できる。しかも、補強部材の存在により、加熱部材と加圧部材のニップ部分における圧力(定着圧)が安定し、かつ、従来よりも圧力を高めることも可能となり得るものであって、ニップを通過するシートに確実に圧力を加えることができるから、この点においても定着不良をなくすことができる。
更に、補強部材は複数の板部により構成されるから、強度が確保されるとともに、同様の輪郭を有する1つのかたまりとしての部材を配するよりも熱容量を下げることが可能となる。又、板部の端部を足部として受圧部材に突き立てるから、確実に補強部材が受圧部材を支えつつも受圧部材と補強部材の接触面積を減らすことができ、受圧部材と補強部材間の熱の移動が防止される。従って、補強部材を設けることによるウォームアップ時間や、ニップにおける加熱部材の温度に対する影響を極めて少なくすることができる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加え、複数の第1板部を受圧部材に突き立てるから、ニップにおける圧力が一定の幅で確実に保たれる。又、シートのニップへの進入角度によって、受圧部材に加えられる圧力の角度に変動が生じうるが、例えば、複数の第1板部のうち一部を受圧部材に対し斜めに突き当てるようにすれば、この圧力の変動に対応することができる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の好適な実施形態の1つであって、請求項1又は2記載の発明の効果に加え、複数の第1板部を受圧部材に垂直に突き立て、第2板部は第1板部でつなぐから、加圧部材からの圧力を受圧部材及び補強部材が最も安定して受けることができる。
請求項4記載の発明によれば、上記請求項2又は3記載の発明の効果に加え、ニップへのシートの進入角度に応じて、第1板部の高さを変えることで、補強部材が受圧部材を押さえる力の分布を変えることが可能になる。従って、例えば、シートが加熱部材に対し斜めに突き当たるようにしてニップに進入してくるような定着装置の場合、シートがニップに進入してくると、受圧部材が受ける力の方向が傾くが、一部の第1板部の高さを高くししその部分において、強く受圧部材を押さえるようにすれば、このような受圧部材が受ける力の方向の傾きに対応でき、定着不良の発生を防ぐことができる。
請求項5及び6に係る発明は、請求項1記載の発明の好適な実施形態の1つであって、請求項1記載の発明と同様の効果を有する。
請求項7記載の発明によれば、請求項1乃至6にいずれかに記載の定着装置を用いるから、ウォーミングアップ時間が短く、定着不良が生じないから、使用者の利便性が高く、形成される画像の品質が高く、かつ安定した画像形成装置を提供できる。又、出力の高い発熱源を用いずとも定着装置が急速に効率よく暖められるから、省電力化された画像形成装置を提供できる。
以下、本発明の第1の実施形態について図1〜6を参照しつつ説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
まず、図1を用いて、本発明の第1の実施形態における定着装置1を備えた電子写真方式でフルカラー対応の画像形成装置2の概略を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置2の概略構成を示す正面から見た模型的断面図である。
図1に示すように、画像形成装置2は、箱形を呈したケース2aを有する。このケース2a内に、画像形成部10、中間転写部20、2次転写部30、シート供給部40、シート搬送路50、定着装置1、排出部60等を備えている。
前記画像形成部10は、画像形成装置2に入力された画像データに基づき、トナー像を形成するためのものである。画像形成部10は、画像形成装置2の内部の上方に位置するように設けられる。図1に示すように、画像形成部10は、ブラックの画像を形成する画像形成ユニット10Bと、イエローの画像を形成する画像形成ユニット10Yと、シアンの画像を形成する画像形成ユニット10Cと、マゼンタの画像を形成する画像形成ユニット10Mの4つの画像形成ユニット10B、10Y、10C、10Mを備えている。これにより、画像形成装置2は、フルカラーの画像形成を行えるようになっている。
4つの画像形成ユニット10B、10Y、10C、10Mは、図1の紙面の左側から右側へ向けて、順次、10B(ブラック)、10Y(イエロー)、10C(シアン)、10M(マゼンダ)の順に配される。尚、各画像形成ユニット10B、10Y、10C、10Mの構成は同様であるから、以下では、ブラックの画像を形成する画像形成ユニット10Bを例として説明する。従って、他の画像形成ユニット10Y、10C、10M、も同様に説明でき、以下、特に説明がない限り画像形成ユニット10Bについての説明は、他の画像形成ユニット10Y、10C、10Mにもあてはまる。
図1に示すように、画像形成ユニット10Bは、像担持体としての感光体ドラム11、帯電ローラ12、露光装置13、現像装置14、1次転写ローラ15、ドラムクリーニングローラ16等がそれぞれ設けられている。
前記感光体ドラム11は、その周面上に静電潜像が形成された後、トナーTが供給されることで、トナー像を形成するためのものである。感光体ドラム11は、画像形成ユニット10Bの中央位置に配されている。例えば、感光体ドラム11は、アルミニウム製のドラムの外周面上に正帯電のOPCやアモルファスシリコンの感光層を有するように構成されていて、駆動装置(不図示)によって所定のプロセススピードで図1の正面視反時計方向に回転駆動される。
前記帯電ローラ12は、所定の電位で感光体ドラム11の周面を帯電させるためのものである。そのため帯電ローラ12には、所定の電圧が印加されるようになっている。そして、帯電ローラ12は、図1において感光体ドラム11上方に配されていて、所定のプロセススピードで図1の正面視時計方向に回転するようになっている。
前記露光装置13は、帯電ローラ12によって一様に帯電された感光体ドラム11の周面に、画像形成装置2に入力された形成すべき画像データに基づき、レーザ光を感光体ドラム11に対し照射し、感光体ドラム11の周面を走査・露光するためのものである。これにより、感光体ドラム11の周面上に静電潜像が形成される。そして、図1において、露光装置13は感光体ドラム11の上方であって、帯電ローラ12の感光体ドラム11の回転方向下流側に位置するように配されている。
前記現像装置14は、感光体ドラム11の周面上に形成された静電潜像に向けて、トナーTを供給するものである。感光体ドラム11上の静電潜像に現像装置14からトナーTが供給されることで、感光体ドラム11の周面上にトナー像が形成されることになる。そして、現像装置14は、図1において感光体ドラム11の左側方に設けられていて、感光体ドラム11と所定の隙間が設けられつつ対向する位置に現像ローラ14aが設けられている。又、現像ローラ14aは、所定のプロセススピードで図1の正面視時計又は反時計方向に回転するようになっている。
そして、現像装置14は、主としてブラックのトナーTからなる現像剤を収容している(尚、画像形成ユニット10Yの現像装置14はイエローのトナーTを含む現像剤を、画像形成ユニット10Cの現像装置14はシアンのトナーTを含む現像剤を、画像形成ユニット10Mの現像装置14はマゼンタのトナーTを含む現像剤を収納している)。現像剤は、現像ローラ14aの上方において現像装置14内に収容されている。又、現像ローラ14aの斜め上方に配されたトナー供給ローラ14bは、現像ローラ14aの周面にトナーTの薄層が形成されるように、適切な量のトナーT(現像剤)を現像ローラ14aに供給するためのものである。
前記1次転写ローラ15は、後述する中間転写部20において張架されている中間転写ベルト24に、感光体ドラム11上に形成されたトナー像を転写するためのものである。そして、1次転写ローラ15は、感光体ドラム11の下方に配され、感光体ドラム11と無端状の中間転写ベルト24を介して当接し、1次転写のためのニップを形成する。1次転写ローラ15には、トナー像の転写のため所定の電圧が印加される。又、1次転写ローラ15は、図1において感光体ドラム11及び中間転写ベルト24に従動し、図1の正面視反時計方向に回転するようになっている。
前記ドラムクリーニングローラ16は、感光体ドラム11の表面に残った1次転写残トナーTを除去して回収するためのものであり、次に形成されるトナー像が適切に形成されるようにするためのものである。例えば、前記ドラムクリーニングローラ16は、周面がEPDMのような素材で、円筒状に形成されていて、所定のプロセススピードで図1の正面視反時計方向に回転駆動されている。
次に、中間転写部20について説明する。前記中間転写部20は、感光体ドラム11上に形成されたトナー像が転写され、転写されたトナー像をシートSに転写するためのものである。そして、中間転写部20は、本実施形態における画像形成装置2内のほぼ中心に配され、駆動ローラ21、2本のテンションローラ22、23、中間転写ベルト24、ベルトクリーニング装置25等を備えている。
駆動ローラ21は、画像形成ユニット10Bの下方に位置するように配されていて、中間転写ベルト24を回転させるためのものであり、モータ(不図示)から回転駆動力が伝達される。テンションローラ22、23は各画像形成ユニット10B、10Y、10C、10Mにおける各感光体ドラム11と各1次転写ローラ15の間のニップにおいて、中間転写ベルト24が一直線となるように、図1において、画像形成ユニット10Bの感光体ドラム11の左方に1つ、画像形成ユニット10Mの右方に1つ設けられ、回転可能に支持されている。
そして、中間転写ベルト24は、これらの駆動ローラ21、テンションローラ22、23、各1次転写ローラ15に張架されていて、駆動ローラ21が回転することで、図1の正面視反時計方向に回転駆動される。又、中間転写ベルト24は上述したように、感光体ドラム11と1次転写ローラ15が形成するニップを通るように張架されていて、感光体ドラム11上のトナー像は、所定のタイミングで1次転写ローラ15に転写電圧を印加することで、中間転写ベルト24上に1次転写される。
尚、ベルトクリーニング装置25は、中間転写ベルト24の表面に残った2次転写残トナーTを清掃し、除去して回収するためのものであり、中間転写ベルト24に接離機構(不図示)により接離自在となっていて、図1において、駆動ローラ21及びテンションローラ22の左方に設けられている。
前記2次転写部30は、主として2次転写ローラ31及び駆動ローラ21から構成されている。前記2次転写ローラ31は、中間転写ベルト24上に1次転写されたトナー像を、用紙等のシートSに転写する2次転写を行うためのものである。そして、2次転写ローラ31は、中間転写ベルト24を介し、所定のタイミングで、接離機構(不図示)により、駆動ローラ21に圧接される。この際、2次転写ローラ31には、転写電圧が印加され、トナー像がシートSに転写される。
前記シート供給部40は、2次転写部30に向けて、例えば、コピー用紙、OHPシートS、ラベル用紙等のシートSを供給するためのものである。シート供給部40は、カセット41、ピックアップローラ42、重送防止ローラ対43等から構成されている。カセット41は、複数のシートSを収容するためのものであって、函型かつ上面が開放されている。又、カセット41内には複数のシートSが載置される載置板44が設けられている。又、図1におけるカセット41の右上方位置にピックアップローラ42が設けられる。具体的なシート供給動作をみると、載置板44に設けられたリフト機構(不図示)により、載置された最上位のシートSがピックアップローラ42に当接し、ピックアップローラ42の駆動により、シートSが1枚ずつシート搬送路50に送り出される。尚、ピックアップローラ42の近傍かつシート搬送方向下流側には、重送防止ローラ対43が設けられている。重送防止ローラ対43は、それぞれのローラが同方向に回転するようになっていて、シートSが重なったまま搬送されること防ぐ。
前記シート搬送路50は、シート供給部40から、2次転写部30及び定着装置1を経て排出部60までシートSを搬送するためのものであり、複数のガイド51や搬送ローラ対52で構成されている。尚、2次転写部30のシート搬送方向上流側には、レジストローラ対53が設けられている、レジストローラ対53は、一旦、搬送されてきたシートSを止め、2次転写部30でシートSの適切な位置でトナー像が転写されるように、所定のタイミングと速度でシートSを2次転写部30に送り出す。尚、図1において、シートの搬送方向を破線で示している。
定着装置1は、シートSに2次転写されたトナー像を加圧・加熱し、トナーTを溶融し、シートSに固着させるためのものであるが、詳細は後述する。
排出部60は、画像が形成されたシートSを画像形成装置2内から排出するためのものであり、排出口には、シートSを排出するための排出ローラ対61が設けられている。更に、画像形成装置2の上面には、排出されたシートSを受け止めるための排出トレイ61が設けられ、一定部数の画像形成済みのシートSが載置可能となっている。
次に、上記した画像形成装置2による画像形成動作について説明する。
画像形成開始信号が発せられると、所定のプロセススピードで回転駆動される感光体ドラム11は、帯電ローラ12によって一様に正極性に帯電される。そして、露光装置13は、入力される画像信号を光信号にそれぞれ変換し、レーザを帯電された感光体ドラム11上を走査露光する。これにより、静電潜像が形成される。
そして、感光体ドラム11上に形成された静電潜像は、感光体ドラム11の帯電極性(正極性)と同極性の現像バイアスが印加された現像装置14によりトナーTの供給を受け、トナー像として可視像化される。その後、トナー像は、感光体ドラム11と転写ローラ間の1次転写部にて1次転写バイアス(トナーTと逆極性(負極性))が印加された転写ローラにより、回転(移動)している中間転写ベルト24上に1次転写される。
ここで、カラーの画像を形成する場合、上記と同様のプロセスで、まず画像形成ユニット10Bにてブラックのトナー像を中間転写ベルト24に一時転写する。次に、画像形成ユニット10Yに中間転写ベルト24の当該部分は回転移動される。そして、画像形成部10Yにおいてイエローのトナー像が、重ね合わされる。これを繰り返し、画像形成ユニット10Cにおいてシアンのトナー像が、画像形成部10Mにおいてマゼンダのトナー像上に重ね合わされる。このようにして、中間転写ベルト24に1次転写され、中間転写ベルト24を1回転させるだけで、フルカラーのトナー像が形成される。
そして、中間転写ベルト24上で重ね合わせられたトナー像は2次転写部50で搬送されてきたシートSに二次転写され、シートSは定着装置1に搬送されてトナー像が溶融、固着された後、排出部60より排出される。
次に、図2に基づき、本発明の第1の実施形態における定着装置1の各部材の配置、構造について述べる。図2は、本発明の第1の実施形態に係る定着装置1の斜視図である。
図2に示すように、本実施形態における定着装置1は、筐体71、加熱部材72、加圧部材73、受圧部材74、固定部材75、補強部材76等から構成されている。
前記筐体71は、図2における左右方向に長く形成されている。即ち、加熱部材72や加圧部材73の軸線方向と平行な方向に長く形成されている。そして、筐体71は基本的に3つの部材から構成されている。具体的には、矩形状の上面板71aと上面板71aの長手方向の端部で取り付けられた断面が略L字上の2枚の側面板71b、71cから構成されている。又、2枚の側面板71b、71cには小判形状の貫通孔71dが設けられている。このように構成される筐体71は、上面板71aの長手方向と垂直な方向から見て断面が略コの字状となっている。
図2に示すように、前記加熱部材72は、スリーブ状となっていて、本実施形態における加熱部材72は、円筒形状となっている。そして、加熱部材72の下方には、加熱部材72と接するようにして、加熱部材72の軸線と平行になるようにローラ状の加圧部材73が設けられている。又、加圧部材73の両端部からは、ローラ軸73aが突出していて、別途、画像形成装置1のケースその他の部材により回転可能に支持され、このローラ軸73aに駆動機構(不図示)及びモータ(不図示)を接続することにより、加圧部材73は所定の速さで回転駆動する。従って、加熱部材72と加圧部材73は接しているから、加圧部材73の回転に従動して加熱部材72も回転するようになっている。尚、加圧部材73は、加熱部材72よりも軸線方向において長く形成されており、又、加熱部材72の軸線の中点と、加圧部材73の軸線の中点がほぼ一致するように配されている。
筐体71の長手方向において、側面板71b、71cの内側と外側に跨るようにして、貫通孔71dの下部に固定部材75が配されている。固定部材75は、加熱部材72の軸線方向から見て凸型の形状となっている。又、固定部材75は、最終的に筐体71と結合され、固定される。
そして、図2に示すように、固定部材75と固定部材75に挟まれるようにして、受圧部材74及び補強部材76が、加熱部材72の内側で固定部材75により固定されている。図2及び3で示すように、受圧部材74の上面に受圧部材74と接して補強部材76が設けられている。尚、加熱部材72と受圧部材74と補強部材76との位置関係の詳細は後述する。
次に、図3に基づき、第1の実施形態に係る定着装置1の詳細な構造について述べる。図3は、本発明に係る第1の実施形態に係る定着装置1の模型的断面図である。尚、以下に示す図面では、説明の便宜上、筐体71及び固定部材75を省略して示す。
図3に示すように、第1の実施形態に係る定着装置1は、少なくとも、加熱部材72と、発熱源77と、加圧部材73と、受圧部材74と、補強部材76を備えていて、加熱部材72と加圧部材73の間で形成されるニップにトナーTが載置されたシートSが進入、通過して定着が行われるようになっている。
図3に示すように、前記加熱部材72は、薄肉に形成されたフィルム状又はベルト状のものであり、スリーブ状、円筒状に形成されている。本実施形態における加熱部材72は、例えば、厚さを30μm程度とすることが可能である。又、加熱部材72は、熱容量、強度、耐熱性、耐摩耗性等を鑑みて、例えば、SUS(ステンレス鋼)を用いることができる。尚、加熱部材72には、金属だけでなく、例えばポリイミドのような樹脂を用いることも可能である。又、加熱部材72の表面(周面)をフッ素樹脂等により離型性を高められた離型層を有するようにしてもよい。これにより、ニップを通過したシートSで溶融・固着されたトナーTの粘着性により加熱部材72にシートSが貼り付いてしまうことを防ぐことができ、定着装置1でシートSが詰まることを防ぐことができる。
本実施形態では、前記発熱源77は、加熱部材72内に、加熱部材72の軸線方向に沿って2本設けられている。この発熱源77は、加熱部材72を暖めるためのものである。そして、発熱源77には、例えば輻射発熱源を用いることが可能であり、ハロゲンランプを用いることが可能である。尚、発熱源77としては、ハロゲンランプに限られるものではなく、公知のものを用いることが可能であり、加熱部材72を暖めることができるものであればよい。この発熱源77による輻射熱等により、薄肉に形成された加熱部材72はトナーTを溶融させるのに必要な200°C程度まで急速に暖められる。
前記加圧部材73は、加熱部材72と圧接するようにして設けられる。例えば、加圧部材73は円筒状のゴムにより形成される。そして、加圧部材73が加熱部材72に圧接されることで、加圧部材73と加熱部材72との間でニップが形成される。このニップにトナー像が転写されたシートSを通過させることで、シートSを加熱部材72により加熱し、加圧部材73により加圧する。これにより、シートS上のトナーTが溶融し、シートSに定着される。
図3に示すように、前記受圧部材74は、加熱部材72の内側で、加熱部材72の軸線方向に伸びて形成されていて、加熱部材72と加圧部材73のニップにおいて加圧部材73の圧力を受けるためのものであり、加熱部材72と接して設けられる。即ち、受圧部材74は、加熱部材72を介し、加圧部材73とニップを形成しているといえる。受圧部材74は圧力を受け止めるため一定の強度が必要であり、例えば、SUS(ステンレス鋼)を用いることができる。又、受圧部材74は、摺動する加熱部材72と接しているから熱容量、強度、耐熱性だけでなく、耐摩耗性にも優れたものである必要がある。尚、上記条件を備えるならば、樹脂を用いることも可能である。
ここで、受圧部材74の具体的な形状をみると、受圧部材74は、図3において、断面が略C字状となっており、加熱部材72と接触する接触面部74aとこれに対し略垂直な2つの側壁部74bを有している。そして、接触面部74aと側壁部74bをつなぐ接続面74cが形成されていてC面を形成している。このC面を有することで、加熱部材72の摺動が滑らかになる。
前記補強部材76は、受圧部材74が加圧部材73から受ける圧力を受け止めるため、即ち、受圧部材74を補助、補強するために設けられている。尚、補強部材76の詳細
については後述する。
については後述する。
次に、図4に基づき、第1の実施形態に係る定着装置1の補強部材76の詳細な構造について述べる。図4は、本発明に係る第1の実施形態に係る定着装置1の加熱部材72と加熱部材73のニップ部Nにおける模型的拡大断面図である。
上述したように、補強部材76は、受圧部材74が加圧部材73から受ける圧力を受け止めるためのものであり、加熱部材72の軸線方向に伸びるようにして構成されており、受圧部材74に突き当てられるようにして、固定部材75(図2参照)に支持固定される。この補強部材76の存在により、ニップ部Nにおける圧力(定着圧)が安定し、かつ、従来よりも圧力を高めることも可能となり、ニップ部Nを通過するシートSに確実に圧力を加えることができ、定着不良をなくすことができる。
又、補強部材76は、シート搬送方向(図4において破線矢印にて図示)上流側から順に設けられた複数の板部80A、80B、80Cと、シート搬送方向に沿って設けられた板部80Dが組み合わされて構成されている。又、板部80A、80B、80Cの下方の端部を足部80a、80b、80cとして受圧部材74の接触面部74aに突き当てられている。一方で、板部80Dは、板部80A、80B、80Cを1つにつなぐように配されている。
このように、補強部材76を複数の板部80A、80B、80C、80Dを組み合わせるように構成し、受圧部材74に突き当てることで、受圧部材74のみで加圧部材73の圧力を受けずにすみ、受圧部材74自体の強度が従来よりも必要でなくなる。即ち、受圧部材74を薄く小さくでき、更に、補強部材76は、板部80A、80B、80C、80Dといった薄い板状部材が組み合わされたものにすぎないから、例えば輻射光といった発熱源からの熱を吸収し難くなる。又、受圧部材74及び補強部材76の熱容量も小さくできニップ部Nにおいて加熱部材73から熱を奪わない。従って、ウォーミングアップ時間を従来よりも短くでき、又、温度不足による定着不良をなくすことができる。更に、発熱源からの熱が効率よく加熱部材に伝わるから省電力も達成できる。
更に、補強部材76は、受圧部材74に足部80a、80b、80cで突き当てられるから、受圧部材74と補強部材76間の熱の移動が防止され、補強部材76を設けることによるウォームアップ時間や、ニップ部Nにおける加熱部材72の温度に対する影響を極めて少なくすることができる。
ここで、図4に示すように、本実施形態における補強部材76にあっては、補強部材76を軸線方向から見た補強部材76の幅は(図4の紙面左右方向)、ニップ部Nの幅よりも狭くすることができるものである。加圧部材73が受圧部材74に圧接されるためとも言えるが、板部80A、80B、80C、80Dを組み合わせて一定の強度を有する補強部材76の足部80a、80b、80cを突き当てているためとも言えるものである。このように、定着装置1で形成すべきニップ部Nの幅よりも狭く補強部材の幅を形成できるから、ニップ部Nの熱を補強部材76が奪うことが尚更少なくなる。又、補強部材76が小さくてすむから、熱容量も小さくできるという利点がある。
ここで、各板部は、その役割が異なるから、受圧部材74に対して突き当てられる複数の板部80A、80B、80Cを第1板部801、第1板部802をつなげる板部80Dを第2板部802と定義する。
本実施形態では、第1板部801は、板部80A、80B、80Cとして受圧部材74に対し3枚突き当てられている。このように、複数の第1板部を受圧部材に突き立てるから、ニップ部Nにおける圧力が一定の幅で確実に保たれる。尚、この3枚の板部の内、シート搬送方向において中間に位置する板部80Bが他の2枚の板部80A、80Cより長く形成されているのは、この板部80Bの上端を固定部材75の溝部75b(図2参照)に差し込むことで補強部材76の位置を支持固定するためである。
尚、本実施形態に示すように第1板部801が3枚であり、第2板部802が1枚である必要は必ずしもなく、各画像形成装置に用いられる定着装置1の形式毎や、加圧部材73から受圧部材74が受ける圧力の大きさや、加圧部材73と加熱部材72で形成するニップ部N等にあわせて、第1板部801及び第2板部802の枚数を適宜変更してもよい。例えば、第1板部を2枚とし、第2板部を2枚としてもよいし、第1板部801を4枚以上としてもよいし、適宜設定可能である。
又、図4に示すように、本実施形態では、補強部材76は、第1板部801、即ち、板部80A、80B、80Cが受圧部材74に対して垂直に突き当てられ、第2板部802、即ち、板部80Dが受圧部材74に対して平行に設けられて構成されている。このように構成すれば、加圧部材73からの圧力を受圧部材74及び補強部材76が最も安定して受けるものとなる。
そして、このような複数の板部を有する補強部材76は、例えば、一体成形により得られるものであり、耐熱性や成形性を考慮して、例えばステンレス鋼や樹脂等の素材を用いることが可能である。
次に本発明における第2〜第5の実施形態について、図5〜8に基づいて説明する。第2〜第5実施形態は、第1の実施形態における補強部材76の板部の組み合わせ方に、差異を設けたものである。
尚、第2〜第5の実施形態の基本的な構成は、図1〜4を用いて説明した上記の第1の実施形態と同じであるから、上記の実施形態と共通する構成については、図面の記載及び説明、作用効果については説明を省略する。即ち、補強部材76の板部の組み合わせ方における差異以外は、図1〜4を用いて説明した実施形態1と同様にすればよく、実施形態1と基本的に同様の効果を有するものである。
まず、図5を用いて、本発明に係る第2の実施形態について説明する。図5は、本発明に係る第1の実施形態に係る定着装置1の加熱部材72と加熱部材73のニップ部Nにおける模型的拡大断面図である。
第2の実施形態に係る補強部材76は、複数の板部からなり受圧部材74に突き当てられる第1板部811及び第1板部811をつなげる第2板部812から構成される点で第1の実施形態と同様であるが、第1板部811のうち、シート搬送方向の最も上流側に位置する板部81Aが受圧部材74に対し斜めに突き当てられている点で異なる。その他、第1板部811を構成する板部81B、81C及び第2板部812を構成する板部81Dを有する点や足部81a、81b、81cを有する点は同様である。
第2の実施形態に係る補強部材76は、基本的に第1の実施形態に係る補強部材76と同様の効果を有するものであるが、複数の板部からなる第1板部811のうち一部の板部81Aを受圧部材74に対し斜めに突き当てる点で異なっている。これは、図5において一点鎖線で示すような角度でシートがニップに進入しようとすると、図5において、受圧部材74には左斜め上方に向けての力がかかる。即ち、ニップ部NへのシートSの進入角度によって加熱部材72や受圧部材74等に力がかかる。このような力がかかると、ニップ部Nの幅やニップ部Nにおける圧力等に影響を与えることがある。しかし、板部81Aを斜めにすれば、このような力に対抗でき、定着が安定しやすくなる。
このように、補強部材76を複数の板部からなる第1板部811と1又は複数の第2板部812から構成した場合、板部81Aに限らず、シートSのニップ部Nへの進入方向及び排出方向を考慮して第1板部811を構成する板部を受圧部材に対し斜めに突き当てるようにしてもよい。更にいえば、第2板部812を構成する板部も、必ずしも第1板部811に対して垂直とされるものではない。
次に、図6を用いて、本発明に係る第3の実施形態について説明する。図6は、本発明に係る第3の実施形態に係る定着装置1の加熱部材72と加熱部材73のニップ部Nにおける模型的拡大断面図である。
第3の実施形態に係る補強部材76は、複数の板部からなり受圧部材74に突き当てられる第1板部821及び第1板部821をつなげる第2板部822から構成される点で第1の実施形態と同様であるが、第1板部821は、シート搬送方向の最も上流側から順に配される板部82A、82B、82Cの高さがそれぞれ異なっているという点で異なる。その他、第2板部812を構成する板部82Dを有する点や足部82a、82b、82cを有する点は同様である。
第3の実施形態に係る補強部材76は、基本的に第1の実施形態に係る補強部材76と同様の効果を有するものであるが、複数の板部からなる第1板部821のうち板部82A82A、82B、82Cの高さが異なっている。これは、第2の実施形態と同様に、図6において一点鎖線で示すような角度でシートがニップに進入しようとすると、図5において、受圧部材74には左斜め上方に向けての力がかかる。ここで、板部82A、82B、82Cの高さを変えて、受圧部材74を押さえる力に変化を持たせることで、このような力の方向の傾きに対抗でき、定着が安定しやすくなる。尚、この場合、固定部材75の溝部75aの位置、形状を変えること等により、補強部材76を支持固定することが可能である。
次に、図7を用いて、本発明に係る第4の実施形態について説明する。図7は、本発明に係る第4の実施形態に係る定着装置1の加熱部材72と加熱部材73のニップ部Nにおける模型的拡大断面図である。
第4の実施形態に係る補強部材76は、複数の板部から構成されるが、その板部は逆Y字形の板部83を有するように構成され、受圧部材74に対して突き当てられるようになっている。このように構成しても、実施形態1の補強部材76と同様の作用効果を有するものである。
尚、受圧部材74には、完全な逆Y字状の補強部材76を受圧部材74突き当ててはおらず、Y字を構成する板部83の交叉点から更に1枚の板部83Aが突出して形成されていて、3本の足部83aが受圧部材74に突き当てられるようになっている。これは、足部83aが2本であると、補強部材76の有する弾性により、足部83aが広がってしまう場合もあり、加圧部材83からの圧力に対抗できない場合もあるためである。尚、加圧部材73からの圧力に対抗できるのであれば、完全な逆Y字状の補強部材76を用いてもよい。尚、固定部材75への固定方法は、実施形態1と同様に逆Y字形の補強部材76の図7における上端部を固定部材75の溝部75bに差し込めば本実施形態に係る補強部材76を支持固定できる。
次に、図8を用いて、本発明に係る第5の実施形態について説明する。図8は、本発明に係る第5の実施形態に係る定着装置1の加熱部材72と加熱部材73のニップ部Nにおける模型的拡大断面図である。
第5の実施形態に係る補強部材76は、複数の板部から構成されるが、半円筒状の板部84を有するとともに、半円筒状の板部84の周方向の端部を足部84aとして受圧部材74に対して突き当てるように構成されることとした。このように構成しても、実施形態1の補強部材76と同様の作用効果を有するものである。
尚、本実施形態における補強部材76においても受圧部材74には、完全な半円筒状の補強部材76を受圧部材74突き当ててはおらず、半円筒状の板部84の内部を分割するようにして1枚の板部84Aが設けられており、3本の足部84aが突き当てられるようになっている。これは、実施形態4と同様に足部84aが2本であると、加圧部材83からの圧力に対抗できない場合があるためである。尚、加圧部材73からの圧力に対抗できるのであれば、完全な逆Y字状の補強部材76を用いてもよい。尚、固定部材75への固定方法は、実施形態1と同様に補強部材76の上端部を固定部材75の溝部75bに差し込めば本実施形態に係る補強部材76を支持固定できる。
このようにして、スリーブ状に形成され、回転可能となっている加熱部材72と、加熱部材内に配された発熱源77と、加熱・加圧するためシートを通過させるニップ部Nを形成するように加熱部材72と圧接されるとともに回転駆動する加圧部材73と、加熱部材72と加圧部材73が形成するニップ部Nにおいて加圧部材73の圧力を受けるため加熱部材72の内側に加熱部材72と接して設けられる受圧部材74とを備えた定着装置1において、加熱部材72内に、受圧部材74よりも内側であって受圧部材74と接し加圧部材73の圧力を受け止めるための補強部材76を備えており、補強部材76は、実施形態1乃至5で示すように複数の板部が組み合わされて構成されているとともに、板部の端部を足部として、受圧部材74に突き当てられるようにすれば、補強部材76が加圧部材73から受圧部材74に加えられる圧力を受け止めるから、受圧部材74自体の大きさを小さく、厚みを薄くすることができ受圧部材74を小型化できる。従って、受圧部材74が、例えば輻射光のような発熱源からの熱を吸収し難くなり、又、熱容量も小さくできるからニップ部Nにおいて加熱部材72から熱を奪わない。即ち、受圧部材74は、加熱部材72の昇音を妨げ難いものとなるから、加熱部材72をトナーT溶融可能な温度にまで上昇させるための時間(ウォーミングアップ時間)が短縮され、又、温度不足による定着不良をなくすことができる。このように、発熱源77からの熱が効率よく加熱部材72に伝わるから省電力も達成できる。しかも、補強部材76の存在により、加熱部材72と加圧部材73のニップ部Nにおける圧力(定着圧)が安定し、かつ、従来よりも圧力を高めることも可能となり得るものであって、ニップを通過するシートSに確実に圧力を加えることができるから、この点においても定着不良をなくすことができる。
更に、補強部材76は実施形態1乃至5に示すように、複数の板部により構成されるから、強度が確保されるとともに、同様の輪郭を有する1つのかたまりとしての部材を配するよりも熱容量を下げることが可能となる。又、板部の端部を足部として受圧部材74に突き当てるから、確実に補強部材76が受圧部材74を支えつつも受圧部材74と補強部材76の接触面積を減らすことができ、受圧部材74と補強部材76間の熱の移動が防止される。従って、補強部材76を設けることによるウォームアップ時間や、ニップにおける加熱部材の温度に対する影響を極めて少なくすることができる。
又、実施形態1乃至3で示すように、補強部材76は、受圧部材74に対して突き当てられる複数の第1板部801、811、821により構成されるとともに、複数の第1板部801、811、821をつなげる1又は複数の第2板部802、812、822により構成されるようにすれば、複数の第1板部801、811、821を受圧部材74に突き立てるから、ニップ部Nにおける圧力が一定の幅で確実に保たれる。
又、第1の実施形態で示すように、補強部材76は、複数の第1板部801が受圧部材74に対して垂直に突き当てられる複数の板部80A、80B、80Cにより構成され、第2板部802としての板部80Dが受圧部材74に対して平行に設けられて構成されるようにすれば、加圧部材73からの圧力を受圧部材74及び補強部76材が最も安定して受けることができる。
又、第2の実施形態で示すように、シートSのニップ部Nへの進入角度によって、受圧部材74に加えられる圧力の角度に変動が生じうるが、例えば、複数の第1板部811のうち一部の板部81Aを受圧部材74に対し斜めに突き当てるようにすれば、この圧力の変動に対応することができる。
又、第3の実施形態で示すように、複数の第1板部821の高さは、全部又は一部が異なるようにすれば、ニップ部NへのシートSの進入角度に応じて、第1板部821の高さを変えることで、補強部材76が受圧部材74を押さえる力の分布を変えることが可能になる。従って、例えば、シートが加熱部材72に対し斜めに突き当たるようにしてニップ部Nに進入してくるような定着装置1の場合、シートSがニップに進入してくると、受圧部材74が受ける力の方向が傾くが、一部の第1板部821の高さを高くししその部分において、強く受圧部材74を押さえるようにすれば、このような受圧部材74が受ける力の方向が傾きに対応でき、定着不良の発生を防ぐことができる。
又、第4の実施形態で示すように、補強部材76は、逆Y字形の板部83を有するとともに、受圧部材74に対して突き当てられるようにしたり、第5の実施形態で示すように補強部材76は、半円筒状の板部84を有するとともに、半円筒状の板部84の周方向の端部84aを受圧部材74に対して突き当てるように構成しても上記した補強部材76と同様の作用効果を有する。
又、画像形成装置1に上記の定着装置1を備えるようにすれば、ウォーミングアップ時間が短く、定着不良が生じないから、使用者の利便性が高く、形成される画像の品質が高く、かつ安定した画像形成装置1を提供できる。又、出力の高い発熱源を用いずとも定着装置が急速に効率よく暖められるから、省電力化された画像形成装置1を提供できる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
本発明は、画像形成装置における定着装置及びこれを用いた画像形成装置において利用可能である。
1 定着装置
2 画像形成装置
72 加熱部材
73 加圧部材
74 受圧部材
76 補強部材
77 発熱源
80A〜D、81A〜D、82A〜D、83、83A、84、84A、 板部
80a〜c、81a〜c、82a〜c、83a、84a 足部
801、811、821 第1板部
802、812、822 第2板部
N ニップ部
2 画像形成装置
72 加熱部材
73 加圧部材
74 受圧部材
76 補強部材
77 発熱源
80A〜D、81A〜D、82A〜D、83、83A、84、84A、 板部
80a〜c、81a〜c、82a〜c、83a、84a 足部
801、811、821 第1板部
802、812、822 第2板部
N ニップ部
Claims (7)
- スリーブ状に形成され、回転可能となっている加熱部材と、前記加熱部材内に配された発熱源と、加熱・加圧するためシートを通過させるニップを形成するように前記加熱部材と圧接されるとともに回転駆動する加圧部材と、前記加熱部材と前記加圧部材が形成するニップにおいて前記加圧部材の圧力を受けるため前記加熱部材の内側に前記加熱部材と接して設けられる受圧部材とを備えた定着装置において、
前記加熱部材内に、前記受圧部材よりも内側であって前記受圧部材と接し前記加圧部材の圧力を受け止めるための補強部材を備えており、
前記補強部材は、複数の板部が組み合わされて構成されているとともに、前記板部の端部を足部として、前記受圧部材に突き当てられることを特徴とする定着装置。 - 前記補強部材は、前記受圧部材に対して突き当てられる複数の第1板部により構成されるとともに、複数の前記第1板部をつなげる1又は複数の第2板部により構成されていることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記補強部材は、複数の前記第1板部が前記受圧部材に対して垂直に突き当てられる複数の板部により構成され、1又は複数の第2板部が前記受圧部材に対して平行に設けられて構成されていることを特徴とする請求項2記載の定着装置。
- 複数の前記第1板部の高さは、全部又は一部が異なっていることを特徴とする請求項2又は3記載の定着装置。
- 前記補強部材は、逆Y字形の板部を有するとともに、前記受圧部材に対して突き当てられるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記補強部材は、半円筒状の板部を有するとともに、半円筒状の板部の周方向の端部を前記受圧部材に対して突き当てられるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記請求項1乃至6にいずれか一項に記載の定着装置を備えた画像形成装置。
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