JP2011043420A - 電気化学センサ素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な素子構造で安価に作製できる電気化学センサ素子の提供。
【解決手段】(1)ゲート電極上に、少なくともゲート絶縁層、半導体層、ソース及びドレイン電極を順に積層した電界効果型トランジスタ構造を有し、該半導体層が溶液と接する構造であり、かつ該半導体層が、インジウム、ガリウム、亜鉛を含む酸化物薄膜からなることを特徴とする電気化学センサ素子。
(2)前記半導体層が非晶質状態である(1)に記載の電気化学センサ素子。
(3)前記半導体層の膜厚が、20〜100nmの範囲にある(1)又は(2)に記載の電気化学センサ素子。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶液中の物質の吸着を電気信号に変換する電気化学センサ素子に関する。
従来、吸着溶液中の物質の有無や濃度を検出する方法として、酸化還元分子、酵素標識、金属微粒子などのマーカー分子の変化を検出する方法が用いらてきた。
しかし、近年、シリコン半導体を用いたMOS(Metal Oxide Semiconductor)構造からなる電気化学センサが注目されている。MOS構造で電界効果型トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)を形成した電気化学センサでは、吸着溶液中の物質の有無や濃度を直接電気信号として検出することができる。また、センサ駆動デバイスと集積化することによって、化学反応を可視化する2次元イメージセンサが実現できる。
例えば、特許文献1には、FET構造のイオンセンシングデバイスが開示されている。シリコン基板に作製したFET構造を基本構成として、ゲート絶縁膜上に感応膜として有機単分子膜を設けた素子構造である。
また、特許文献2には、FET構造からなるイオンセンサが開示されている。シリコン基板に作製したFET構造を基本構成として、ゲート絶縁膜上に感応膜として窒化ホウ素(BN)や炭化ホウ素(BC)を設けた素子構造である。
また、特許文献3には、FET構造からなるDNAセンサが開示されている。シリコン基板に作製したFET構造を基本構成として、ゲート絶縁膜上に生体分子の感応膜としてTa、CaOなどの非ケイ素酸化物を積層した素子構造である。
また、特許文献4には、FET構造からなるセンサが開示されている。チャネルがカーボンナノチューブ構造体からなるセンサである。
上記のように、従来の電気化学センサは、シリコン半導体製造プロセスで作製したFET構造のゲート絶縁膜上に、溶液中の物質を検出する感応膜を積層した構造が多い。これらの電気化学センサは、通常、次のような方法で作製される。
まず、シリコン基板に膜厚数十nmの酸化シリコン膜(SiO)を形成する。酸化シリコン膜は、熱酸化法により800〜1000℃の温度で形成する。このSiO膜がゲート絶縁膜になる。
次に、フォトリソグラフィー、ドライエッチング及びイオン注入法によって、シリコン基板の所定位置を低抵抗化させ、ソース・ドレイン領域を形成する。
次に、ソース・ドレイン領域を接続する金属配線を形成する。金属材料には、その後の高温熱処理プロセスに耐性のあるタングステン(W)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)などの高融点金属材料を用いる。金属薄膜をスパッタリング法で成膜し、フォトリソグラフィー及びドライエッチング法によって金属膜を配線形状に加工する。
次に、保護膜としてSiO薄膜を形成する。SiO膜の形成は、プラズマCVD(chemical vapor deposition)法で行う。次に、フォトリソグラフィー及びドライエッチング法によってゲート領域の保護膜を除去する。
次に、感応膜をゲート絶縁膜(SiO)上に形成する。感応膜としては、前記特許文献に開示されている材料や、窒化シリコン(Si)、酸化アルミニウム(Al)、酸化タンタル(Ta)が用いられている。例えば、Siの形成は減圧CVD(LP−CVD:Low−pressure chemical vapor deposition)法で行う。フォトリソグラフィー及びドライエッチング法によってイオン感応膜を加工しゲート領域のみにSiを残す。
このように、従来の電気化学センサは、多くの工程を要するシリコン半導体製造プロセスで作製したFET構造を利用するため高価なデバイスとなっている。
本発明は簡単な構造で安価に作製できる電気化学センサ素子の提供を目的とする。
上記課題は、次の1)〜3)の発明によって解決される。
1) ゲート電極上に、少なくともゲート絶縁層、半導体層、ソース及びドレイン電極を順に積層した電界効果型トランジスタ構造を有し、該半導体層が溶液と接する構造であり、かつ該半導体層が、インジウム、ガリウム、亜鉛を含む酸化物薄膜からなることを特徴とする電気化学センサ素子。
2) 前記半導体層が非晶質状態であることを特徴とする1)に記載の電気化学センサ素子。
3) 前記半導体層の膜厚が、20〜100nmの範囲にあることを特徴とする1)又は2)に記載の電気化学センサ素子。
本発明によれば、従来に比べて簡単な構造で安価に作製可能な電気化学センサ素子を提供できる。
本発明の電気化学センサ素子の一例の断面図。 本発明の電気化学センサ素子を用いたセンサ構成の等価回路図。 抵抗率測定用素子の断面図。 図3の素子を溶液に浸漬した際の抵抗率の変化を示す図。 本発明の電気化学センサ素子の断面図。 FET型電気化学センサ素子のVg−Ids特性を示す図。 分子吸着によるゲート電圧のしきい値電圧(Vth)の変化を示す図。 InGaZnO薄膜の結晶状態に関するX線回折測定結果を示す図。 InGaZnO薄膜の膜厚とVth変化量(△Vth)の関係を示す図。 InGaZnO薄膜の結晶状態に関するX線回折測定結果を示す図。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
本発明は、溶液又は溶液中の物質の吸着を電気信号に変換する電気化学センサ素子に係るものであって、ゲート電極上に、少なくともゲート絶縁層、半導体層、ソース及びドレイン電極を順に積層した電界効果型トランジスタ(FET)構造を有し、該半導体層は、溶液と接する構造である。この半導体層が従来技術における感応膜の役割を担う。
このように、本発明では、FET構造を単純な薄膜の積層構成としたため、素子構造が簡単になり、シリコン半導体製造プロセスを利用することなく低温プロセスを採用できることから、従来に比べて安価に電気化学センサ素子を作製できる。
上記素子では、溶液又は溶液中の物質の吸着によって半導体層の電気抵抗が変化する。半導体層の電気抵抗の変化はOH基の吸着により起こると考えられる。検出対象となる溶液としては、エタノール[CO]、メタノール[CHO]、アセトン[CO]、ヘキサン[CH(CHCH]などの有機溶剤が挙げられ、溶液の有無が検出される。また、水を溶媒として前記有機溶剤を含む溶液を検出対象とすることもできる。
前記半導体層は非晶質状態であることが好ましい。ここで、非晶質状態とは、銅のKα線を用いたX線回折測定において、回折角を2θとしたとき、全ての散乱、回折ピークの半値幅(FWHM)が5°以上である状態、又は、散乱、回折ピークが観測されない状態をいう。X線回折測定で観測されるこのような状態は、薄膜材料の粒径が非常に小さい場合に得られる。粒径が小さい半導体層とすることによって、吸着物質との実効的な接触面積を増加させ、検出感度を上げることができる。薄膜材料の粒径としては数十nm以下が好ましい。
非晶質状態の半導体層の成膜方法としては、スパッタリング法が好ましい。更に好ましくは、室温成膜(基板加熱を行わない状態)によるスパッタリング法を用いる。
スパッタリング法は、本来、粒径が小さい薄膜を形成しやすい成膜方法である。室温で成膜することによって、成膜過程におけるスパッタ粒子の成長が抑制でき、粒径が非常に小さい状態の薄膜が形成できる。
前記半導体層の膜厚は20〜100nmの範囲が好ましい。この範囲であると検出感度を上げることができる。
本発明の電気化学センサ素子では半導体層の抵抗変化を吸着物質の検出に利用する。溶液中の物質の吸着は半導体層の表面近傍のみで起こり、したがって該半導体層の抵抗変化は表面近傍のみで起こる。そのため、半導体層の膜厚が厚過ぎると、半導体層全体の抵抗値に対する変化量の比率が小さくなり、検出限界以下になってしまう。また、膜厚が薄過ぎると、半導体層は層状にはならず島状に分散した状態になり、半導体層の面方向に通電できない状態になる。よって、半導体層の膜厚を前記範囲に設定することが好ましい。
図1に、本発明の電気化学センサ素子の一例の断面図を示す。
この素子は、ゲート電極を下層に配置したボトムゲート型のFET構造であり、101は支持基板、102はゲート電極、103はゲート絶縁層、104は半導体層、105、106はソース及びドレイン電極、107は保護層、108はソースとドレイン電極間のチャネル部を示す。チャネル部分が溶液に接する構造になっている。なお、105と106の電極形状は同じであり、電源の繋ぎ方により、一方がソースとなり他方がドレイン電極となる。
支持基板101には、ガラス基板、石英基板、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエステルなどからなるプラスチック基板、シリコン基板等を用いることができる。シリコン基板を用いる場合には、低抵抗(抵抗率が数Ω・cm以下)であるためゲート電極102を兼ねてもよい。
基板の厚みは機械的強度を確保するため0.1mm以上であることが好ましい。
ゲート電極102には、アルミニウム(Al)などの金属材料を用いることができる。その成膜方法としては真空蒸着法やスパッタリング法を用いることができる。ゲート電極102の膜厚は、50〜200nm程度である。
ゲート絶縁層103には、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(Si)、酸窒化シリコン(SiON)などを用いることができる。その成膜方法としては、支持基板101がシリコン基板である場合には、熱酸化法や熱窒化法を用いることができる。支持基板101がシリコン以外で、ゲート絶縁膜103を金属のゲート電極102上に成膜する場合には、プラズマCVD法やスパッタリング法を用いることができる。
ゲート絶縁層103の膜厚は、10〜300nm程度である。
半導体層104には、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ガリウム(Ga)、酸化インジウム(In)などの金属酸化物の複合酸化物を用いることができる。以下の説明では複合酸化物をInGaZnOと記載する。その成膜方法としては、スパッタリング法、真空蒸着法などを用いることができる。
半導体層104の膜厚は、20〜100nm程度である。
ソース及びドレイン電極105、106には、アルミニウム(Al)などの金属材料を用いることができる。
その成膜方法としては、真空蒸着法やスパッタリング法を用いることができる。
ソース及びドレイン電極105、106の膜厚は、50〜200nm程度である。
保護層107には、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(Si)、酸窒化シリコン(SiON)などを用いることができる。成膜方法としては、プラズマCVD法、スパッタリング法などを用いることができる。膜厚は、100nm〜数μmである。
チャネル部分108において、半導体層104が溶液と接する構造になっており、溶液中の物質の有無や濃度をFET特性の変化により電気信号として検出する。
半導体層104は、成膜条件を調整することによって、化学量論組成から酸素が若干欠損した状態を形成することができる。金属酸化物はイオン結合性が強い材料であることから、酸素欠損することによって材料特性、特に電気抵抗が変化する。酸素欠損した状態にある半導体層表面への分子吸着による電気抵抗変化を、FET特性におけるゲート電圧のしきい値(Vth)変化として検出する。
図2に、本発明の電気化学センサ素子を用いたセンサの構成を等価回路で示す。
図2の201はFET構造の電気化学センサ素子、202はキャパシタ、203はリセット用のFET素子、204は電源線、205は出力信号線を示す。電気化学センサ素子201は、吸着溶液中の物質の吸着を電気信号に変換するセンシング機能と、電流制御のためのスィッチング機能を兼ね備えている。
以下、実施例及び参考例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
参考例1(溶液中の物質の吸着による半導体層の抵抗率の変化について)
図3に抵抗率測定用素子の断面図を示す。半導体層とするInGaZnO薄膜自体の特性を示すため、請求項1の素子構成とは異なる抵抗率測定用の素子構成になっている。
301は支持基板のガラス基板であり、基板厚は0.6mmである。
302はInGaZnO薄膜であり、スパッタリング法で成膜した。スパッタリングターゲットには、InとGaとZnOの混合ターゲット(In:Ga:ZnO=1:1:1)を用いた。成膜雰囲気はアルゴン(Ar)と酸素(O)の混合ガス雰囲気であり、Oの混合比率[O/(Ar+O)]は1.7%である。成膜温度は室温(基板加熱をしない状態)である。InGaZnO薄膜の膜厚は70nmである。
303と304は2端子電極のアルミニウム(Al)である。Al電極は蒸着法でInGaZnO薄膜上に成膜した。Al電極の膜厚は100nmである。
305は端子電極間を示し、溶液中の物質が吸着する部分である。電極間距離505は0.1mmである。
図4に、図3の素子を溶液に浸漬した際の抵抗率の変化を示す。抵抗率は、アルミニウム電極303と304間に10Vを印加した状態で電流値を測定し、電極形状とInGaZnO薄膜の膜厚から計算した値である。
図4の401は溶液に浸漬する前(処理前)の抵抗率、402は溶液としてエタノール(CO)に浸漬した後に乾燥窒素(N)で液滴を除去した後の抵抗率、403はエタノールに浸漬後に60℃の加熱状態で10分間乾燥した後の抵抗率、404はエタノールに浸漬後に60℃の加熱状態で90分間乾燥した後の抵抗率をそれぞれ示す。
図から分かるように、エタノール浸漬による分子吸着によって抵抗率が約1桁増加し、その後の乾燥によって吸着分子を除去することにより抵抗率は処理前の値に戻った。
以上のように、金属酸化物であるInGaZnO薄膜は、分子吸着により抵抗値が変化するので、この抵抗変化を利用し、分子吸着の状態を電気信号として検出することができる。
実施例1
図5にFET構造を有する電気化学センサ素子の断面図を示す。
501は支持基板とゲート電極を兼ねたシリコン基板である。シリコン基板としては、p型のSi(100)基板を用いた。Si基板の抵抗率は0.02Ω・cmである。
503はゲート絶縁層であるSiOを示す。SiOは、シリコン基板を950℃の窒素(N)雰囲気中で熱処理して作製した熱酸化膜である。SiOの膜厚は200nmである。
504は半導体層であるInGaZnO(In:Ga:ZnO=1:1:1)薄膜であり、膜厚は70nmである。
InGaZnO薄膜はスパッタリング法で成膜した。スパッタリングターゲットには、InとGaとZnOの混合ターゲット(In:Ga:ZnO=1:1:1)を用いた。成膜雰囲気はアルゴン(Ar)と酸素(O)の混合ガス雰囲気であり、Oの混合比率[O/(Ar+O)]は1.7%である。成膜温度は室温(基板加熱をしない状態)である。
505と506はソース又はドレイン電極である。その材料はアルミニウム(Al)であり、膜厚は100nmである。Al薄膜は抵抗加熱蒸着法で成膜した。成膜温度は室温(基板加熱をしない状態)である。
507はチャネル部(ソース−ドレイン電極間)であり、その幅は0.1mmである。
図6には、図5に示すFET型電気化学センサ素子のVg−Ids特性を示す。
ソース−ドレイン電極(505と506)間に20Vを印加した状態で、ゲート電極501に、−10〜20Vの範囲の電圧を印加した。ゲート電極に正バイアスを印加した状態でソース−ドレイン電極間に電流が流れるN型のトランジスタ特性を示す。
Vg−Ids特性から求めたキャリア移動度は9.7(cm/V・s)であり、on/off比は1.06E+09であった。
図7には、Vg−Ids特性により、分子吸着によるゲート電圧のしきい値電圧(Vth)の変化(Vthシフト)を示す。溶液としてエタノールを用いて、図5に示した電気化学センサ素子の動作を確認した。センサをエタノールに浸漬し、乾燥窒素で液滴を除去し、FET特性を評価した。
図7の701はエタノール浸浸前(処理前)の特性を示し、Vg−Ids曲線から求めたVthは4.7Vであった。702はエタノール浸漬後の特性を示し、Vthは5.9Vであった。図示したように、エタノール浸漬による分子吸着によって、Vthは1.2V、正電圧側にシフトする。
以上のように、本実施例の電気化学センサ素子は、分子吸着による半導体層の抵抗変化に伴うVthのシフトから、分子吸着の状態を電気信号として検出することができる。
参考例2(半導体層の状態について)
図8に、実施例1に記載したInGaZnO薄膜をガラス基板上に成膜したときの結晶状態に関するX線回折測定結果を示す。薄膜の結晶状態を評価するために請求項1とは異なるX線回折測定用のサンプル構成になっている。
InGaZnO薄膜の成膜方法は参考例1や実施例1の場合と同じである。膜厚はX線回折強度を上げるため200nmと厚くした。X回折測定装置には、Philips社製のX′pert MRDを使用した。光源にはCuのKα線を用い、X線の管電圧45kV、管電流40mAに設定した。
図の2θ=21°及び32°付近にブロードな回折ピークが観測される。回折ピークの半値幅は何れも5°以上である。そのほかの散乱、回折ピークは観測されない。
したがって、電気化学センサ素子に用いたInGaZnO薄膜は、非結晶状態であり、粒径が非常に小さい状態になっていることが分かる。
図10には、結晶化した状態のInGaZnO薄膜のX線回折測定結果を示す。サンプルの構成は図8の測定に用いたサンプルと同じである。成膜後にサンプルを熱処理して結晶化させた。熱処理の条件は、温度700℃、時間30分間、である。成膜後の熱処理によってInGaZnO薄膜が結晶化する。2θ=32°付近の回折ピーク(1001)の半値幅は約2°であった。
以上のように、半導体層とするInGaZn薄膜は成膜後の熱処理により結晶化させて用いることもできる。しかしながら、結晶化させるためには、高温で長時間熱処理する必要があり、作製プロセスが煩雑になってくる。したがって、請求項2及び図8に示したように、非結晶状態であるInGaZnO薄膜を半導体層として用いる方が、作製プロセスがより簡単になるので好ましい。
実施例2
図9に、図5のFET構造からなる電気化学センサ素子の半導体層であるInGaZnO薄膜504の膜厚とVth変化量(△Vth)の関係を示す。エタノール漬浸前後の素子について、Vg−Ids特性からゲート電圧のしきい値電圧(Vth)を求めた。
図9には、エタノール浸漬によるゲート電圧のしきい値電圧の変化量(△Vth)を示す。図のように、△VthはInGaZnO膜厚によって変化する。
膜厚5nmではエタノールに浸漬してもVthは変化しない。膜厚が薄いため、InGaZnOが薄膜にならず島状に分散した状態になり、薄膜の面方向に通電しないことが原因と推定される。また、膜厚150nmでもVthは殆ど変化しない。これは、エタノール分子の吸着は薄膜の表面近傍で起こるため、膜厚が厚くなるとFET特性にたいする分子吸着の影響が低減するためと推定される。
以上のように、実施例1に示した電気化学センサ素子には、半導体層としたInGaZnO薄膜の膜厚に好ましい範囲が存在し、本実施例の場合は20〜100nmである。
101:支持基板
102:ゲート電極
103:ゲート絶縁層
104:半導体層
105:ソース又はドレイン電極
106:ソース又はドレイン電極
107:保護層
108:チャネル部
201:FET構造の電気化学センサ素子
202:キャパシタ
203:リセット用FET素子
204:電源線
205:出力信号線
301:ガラス基板
302:InGaZnO薄膜
303:アルミニウム(Al)電極
304:アルミニウム(Al)電極
305:端子電極間(吸着物質検出部)
401:溶液浸漬前(処理前)の抵抗率
402:エタノール浸漬後の抵抗率
403:60℃加熱乾燥後の抵抗率
404:60℃加熱乾燥後の抵抗率
501:シリコン基板
503:SiO
504:InGaZnO薄膜
505:アルミニウム(Al)電極
506:アルミニウム(Al)電極
507:チャネル部(吸着物質検出部)
701:エタノール浸浸前(処理前)のVg−Ids特性
702:エタノール浸漬後のVg−Ids特性
703:Vthのシフト
1001:InGaZnO薄膜のX線回折ピーク
特許第4150794号公報 特許第2636147号公報 国際公開05/090961号パンフレット 特開2005−079342号公報

Claims (3)

  1. ゲート電極上に、少なくともゲート絶縁層、半導体層、ソース及びドレイン電極を順に積層した電界効果型トランジスタ構造を有し、該半導体層が溶液と接する構造であり、かつ該半導体層が、インジウム、ガリウム、亜鉛を含む酸化物薄膜からなることを特徴とする電気化学センサ素子。
  2. 前記半導体層が非晶質状態であることを特徴とする請求項1に記載の電気化学センサ素子。
  3. 前記半導体層の膜厚が、20〜100nmの範囲にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気化学センサ素子。
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