JP2011043147A - 車両用エンジンの制御装置 - Google Patents

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Toshiyuki Miyata
敏行 宮田
Katsunori Ueda
克則 上田
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

【課題】迅速且つ正確に燃料噴射量を制御し、エンジンの空燃比を安定化させることが出来るようにする。
【解決手段】 外乱の影響を反映するパラメータに応じて推定空燃比AFestを設定する推定空燃比設定手段74と、燃料噴射手段22からの燃料噴射量の実補正量KINJを設定する実噴射量補正量演算手段73と、推定空燃比AFestと実補正量KINJとに基づき目標補正量ΔATを求める目標補正量演算手段75と、目標補正量ΔATに基づき空燃比補正ゲインGAFを設定する空燃比補正ゲイン設定手段76と、空燃比補正ゲインGAFを用いてエンジン12の制御を行なうエンジン作動制御手段78とを備えて構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用エンジンの制御装置に関するものである。
従来より、車両に搭載されたエンジンからの排気の空燃比を理論空燃比(ストイキ)で安定させるように燃料噴射量をフィードバック制御することで、排気浄化触媒の処理性能を高め、排気性能を向上させる技術が知られている。しかしながら、排気空燃比は様々な要因による外乱の影響を受けるため、実際にストイキで安定させることは容易ではない。
ここで、排気空燃比の外乱となる要因としては、例えば、キャニスタからパージされた蒸発燃料(キャニスタパージ燃料)や、オイル中の燃料(オイル希釈燃料)が蒸発し吸気系に流入することや、ブレーキ倍力装置のマスターシリンダから新気が吸気系に流入することなどが挙げられる。
つまり、上記のフィードバック制御により排気空燃比をストイキで安定させていたとしても、吸気系へ蒸発燃料が流入することで排気空燃比は突発的にリッチ化し、或いは、吸気系へ新気が流入することで排気空燃比は突発的にリーン化してしまうのである。
なお、このような外乱が生じた際における燃料噴射量の制御に関する技術を示す文献としては、例えば、以下の特許文献1が挙げられる。
特開2002−13433号公報
ところで、実際の排気空燃比を理想とする空燃比(例えば、ストイキ)に維持するフィードバック制御においては、燃料噴射量を適宜補正する手法が採られることが通常である。また、このようなフィードバック制御の噴射量補正においては、単位期間当たりの変更量が定まっていることが一般的である。
しかしながら、上述したような空燃比の外乱、即ち、追加的な蒸発燃料や新気が流入するタイミングや量を予測或いは検出することは極めて困難であり、従来の一般的なフィードバック制御による燃料噴射量の補正では、外乱による空燃比の変動に追従できず、理想とする空燃比を維持することが困難であるという事態が生じている。
本発明はこのような課題に鑑み案出されたもので、エンジンの制御をより正確に行なうことが出来る、車両用エンジンの制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の車両用エンジンの制御装置(請求項1)は、エンジンの実空燃比を検出する空燃比検出手段と、外乱の影響を反映するパラメータに応じて推定空燃比を設定する推定空燃比設定手段と、該空燃比検出手段により検出された該実空燃比に応じて該燃料噴射手段からの燃料噴射量の実補正量を設定する実噴射量補正量演算手段と、該推定空燃比設定手段により設定された該推定空燃比と該実噴射量補正量演算手段により設定された該実補正量とに基づき目標補正量を求める目標補正量演算手段と、該目標補正量演算手段によって求められた該目標補正量に基づき空燃比補正ゲインを設定する空燃比補正ゲイン設定手段と、該空燃比補正ゲイン設定手段によって設定された該空燃比補正ゲインを用いて該エンジンの制御を行なうエンジン作動制御手段とを備えることを特徴としている。
また、本発明の車両用エンジンの制御装置(請求項2)は、請求項1記載の内容において、該目標補正量演算手段は、該推定空燃比設定手段により前回演算された該推定空燃比の前回値と該推定空燃比設定手段により今回演算された該推定空燃比の今回値とに基づいて該目標補正量を求め、該空燃比補正ゲイン設定手段は、該目標補正量演算手段によって求められた該目標補正量に応じて該空燃比補正ゲインを設定することを特徴としている。
また、本発明の車両用エンジンの制御装置(請求項3)は、請求項2記載の内容において、該目標補正量演算手段は、該推定空燃比の今回値に対してフィルタ処理を施して得られた推定なまし空燃比と該推定空燃比の今回値との差を該目標補正量として求めることを特徴としている。
また、本発明の車両用エンジンの制御装置(請求項4)は、請求項2記載の内容において、該目標補正量演算手段は、該推定空燃比の前回値と該推定空燃比の今回値との差を該目標補正量として求めることを特徴としている。
また、本発明の車両用エンジンの制御装置(請求項5)は、請求項1〜4いずれか1項に記載の内容において、該推定空燃比設定手段は、
該推定空燃比として推定当量比を設定することを特徴としている。
本発明の車両用エンジンの制御装置によれば、空燃比の推定値(推定空燃比)を用いて得られた目標補正量に基づいて空燃比補正ゲインを設定することで、エンジンの制御をより正確に行なうことが出来る。(請求項1)
また、目標補正量に応じて、燃料噴射量の単位期間当たりの補正変化量、即ち、空燃比補正ゲインを適時設定することが出来る。(請求項2)
また、フィルタ処理を施して得られた推定なまし空燃比と推定空燃比との差である目標補正量に応じて、燃料噴射量の単位期間当たりの補正変化量、即ち、空燃比補正ゲインを適時設定することで、この空燃比補正ゲイン自体が突発的に変化する事態を抑制することも出来る。(請求項3)
また、エンジンの推定空燃比の変化量である目標補正量に応じて、燃料噴射量の単位期間当たりの補正変化量を適時設定することが出来る。(請求項4)
エンジンの推定空燃比を示す具体的なパラメータとして当量比を用いることが出来る。(請求項6)
本発明の第1実施形態に係る車両用エンジンの制御装置の全体構成を示す、模式的なブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用エンジンの制御装置の動作を示す、模式的なフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る車両用エンジンの制御装置の動作を示す、模式的なタイムチャートである。 本発明の第2実施形態に係る車両用エンジンの制御装置の全体構成を示す模式的なブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る車両用エンジンの制御装置の動作を示す、模式的なフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る車両用エンジンの制御装置の全体構成を示す模式的なブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る車両用エンジンの制御装置の動作を示す、模式的なフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る車両用エンジンの制御装置の動作を示す、模式的なフローチャートである。 従来の車両用エンジンの制御装置の動作を示す、模式的なタイムチャートである。
図1,図2および図3を用いて、本発明の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、車両10のエンジンルーム11には、主にシリンダブロック13とシリンダヘッド14とから成るエンジン12が設けられている。なお、このエンジン12は、アルコールとガソリンとを混合した混合燃料を主燃料としている。したがって、この車両10は、FFV(Flexible Fuel Vehicle)とも呼ばれる。
エンジン12のシリンダブロック13の底部には、エンジンオイル40を溜めるオイルパン37が設けられている。
シリンダヘッド14には、シリンダ20の燃焼室17に連通する吸気ポート15および排気ポート16が形成されている。
吸気ポート15と燃焼室17との間には吸気バルブ18が設けられている。
排気ポート16と燃焼室17との間には排気バルブ19が設けられている。
吸気ポート15には吸気マニホールド21が接続され、排気ポート16には排気マニホールド25が接続されている。
また、吸気ポート15にはインジェクタ(燃料噴射手段)22が設けられ、吸気ポート15内に混合燃料を噴射することが出来るようになっている。
また、吸気マニホールド21の上流端には、スロットルバルブ23を有するスロットルボディ24が接続されている。さらに、このスロットルボディ24の上流端には、エアフィルタ39を有する吸気通路26が接続されている。
また、吸気通路26内にはエアフローセンサ27が設けられている。このエアフローセンサ27は、エアフィルタ39によってろ過され、スロットルバルブ23を通過する新気の流量Qinを検出するものである。なお、このエアフローセンサ27による検出結果Qinは、後述するECU(Electronic Control Unit)70によって読み込まれるようになっている。
スロットルバルブ23は、その開度θTHを変更することで、新気流量Qinを変更するものである。なお、このスロットルバルブ23は図示しないモータアクチュエータによって駆動される、いわゆる、電子制御式スロットルバルブである。また、スロットルバルブ23の開度θTHは、スロットルボディ24に設けられたスロットルバルブ開度センサ28によって検出されるようになっている。なお、このスロットルバルブ開度センサ28による検出結果θTHも、ECU70によって読み込まれるようになっている。
また、吸気マニホールド21に形成されたサージタンク29と、シリンダヘッド14の上端部とは、蒸発燃料通路31により接続されている。
この蒸発燃料通路31は、シリンダブロック13およびシリンダヘッド14内に存する蒸発燃料EGASをサージタンクへ戻すものであって、その入口にはPCVバルブ(Positive Crankcase Ventilation valve)32が設けられている。
このPCVバルブ32は、シリンダヘッド14と蒸発燃料通路31との間に設けられたワンウェイバルブであって、以下の式(1)として示す開放条件、即ち、蒸発燃料通路31の出口が接続された吸気マニホールド21のサージタンク29内における気圧PSTと蒸発燃料通路31の入口が接続されたシリンダヘッド14内の気圧PCHとの間の気圧差ΔPが、気圧差閾値ΔPthを超えたという条件が満たされると、開放されるように調整されている。
ST −PCH = ΔP > ΔPth ・・・ (1)
ここで、蒸発燃料EGASは、ピストン30のピストンリング(図示略)とシリンダライナ33との間から漏れ出た未燃燃料や、オイル中に混入した燃料(いわゆる、オイル希釈燃料)が蒸発したものである。そして、この蒸発燃料EGASは、大気に対する質量比(即ち、大気に対する比重)が小さいため、エンジン12内の上方、即ち、シリンダヘッド14内の上端部に集まるようになっている。
したがって、上記の開放条件が成立しPCVバルブ32が開放されると、蒸発燃料EGASは、シリンダヘッド14から蒸発燃料通路31を通って負圧となっているサージタンク29へ流入し、その後、スロットルバルブ23を通過した新気とともに吸気ポート15へ流入するようになっている。
エンジン12には、クランクシャフト35の角度θCRを検出するクランク角度センサ34が設けられている。なお、このクランク角度センサ34による検出結果θCRは、ECU70によって読み込まれるようになっている。
また、エンジン12には、冷却水温度TWAを検出する水温センサ41と、エンジンオイル40の温度TOIを検出するオイル温度センサ42とが設けられている。なお、水温センサ41による検出結果TWAと、オイル温度センサ42による検出結果TOIとは、いずれもECU70によって読み込まれるようになっている。
また、エンジン12には、排気マニホールド25が設けられている。また、この排気マニホールド25の下流には前段触媒36および後段触媒(図示略)が接続されている。
また、この排気マニホールド25には、LAFS(Linear Air-Fuel ratio Sensor,全領域空燃比センサ)38が設けられている。このLAFS38は、排気中の実酸素濃度を排気空燃比AFとしてリーン領域からリッチ領域まで連続的に検出するものであって、検出結果AFはECU70によって読み込まれるようになっている。
そして、この車両10には、ECU70が設けられている。このECU70は、いずれも図示しないCPU(Central Processing Unit),メモリおよびインタフェースを有する電子制御ユニットである。
また、このECU70のメモリには、いずれもソフトウェアとして、基本燃料噴射量設定部(基本燃料噴射量設定部)71,推定噴射量補正係数演算部(推定噴射量補正量演算手段)72,実噴射量補正係数演算部(実噴射量補正量演算手段)73,推定当量比設定部(推定空燃比設定手段)74,目標補正量演算部(目標補正量演算手段)75,空燃比補正ゲイン設定部(空燃比補正ゲイン設定手段)76および燃料噴射量補正部(燃料噴射量補正手段)77およびエンジン作動制御部(エンジン作動制御手段)78とが記録されている。
これらのうち、基本燃料噴射量設定部71は、インジェクタ22により噴射される燃料の基本的な噴射量(基本燃料噴射量)FINJbを設定するものである。より具体的に、この基本燃料噴射量設定部71は、クランク角度センサ34によって検出されたクランクシャフト角度θCRに基づいてエンジン回転数Neを演算するとともに、スロットルバルブ開度センサ28によって検出されたスロットルバルブ開度θTHを読み込み、さらに、エアフローセンサ27によって検出された新気流量Qinを読み込むようになっている。
そして、この基本燃料噴射量設定部71は、エンジン回転数Ne,スロットルバルブ開度θTHおよび新気流量Qinに応じて基本燃料噴射量FINJbを設定するようになっている。
推定噴射量補正係数演算部72は、水温センサ41によって検出された冷却水温度TWAおよびオイル温センサ42によって検出されたオイル温度TOIを読み込み、これらの冷却水温度TWAおよびオイル温度TOIに基づいて推定噴射量補正係数KINJemを設定するものである。なお、この推定噴射量補正係数KINJemは、実排気空燃比AFaをストイキに一致させるためには、基本燃料噴射量FINJbをどの程度補正すればよいのかという推定を示す補正係数である。つまり、これらの冷却水温度TWAやオイル温度TOIといったパラメータを参照することで、オイル希釈燃料の蒸発量や、蒸発燃料が吸気ポート15へ流入する量といった外乱量を推定することが出来るのである。
したがって、この推定噴射量補正係数演算部72は、この外乱量を加味して、推定噴射量補正係数KINJemを設定するようになっている。
実噴射量補正係数演算部73は、基本燃料噴射量FINJbに対する実際の補正係数である実噴射量補正係数KINJaを設定するものである。より具体的に、実噴射量補正係数演算部73は、実噴射量補正係数KINJaが推定噴射量補正係数KINJemと一致している(KINJ =KINJem)場合は、燃料噴射量補正係数KINJをそのまま維持するようになっている。
一方、この目標噴射量補正係数演算部73は、実噴射量補正係数KINJaが推定噴射量補正係数KINJemに対して不足している(KINJ <KINJem)、或いは、過剰である(KINJ >KINJem)場合、実燃料噴射量補正係数KINJと推定噴射量補正係数KINJtとが一致するように、実噴射量補正係数KINJaを変更するようになっている。
また、この目標噴射量補正係数演算部73による噴射量補正係数KINJの変更割合は、1回の制御周期当たり(単位期間当たり)の変更量である空燃比補正ゲインGAFとして規定されている。なお、この空燃比補正ゲインGAFは、後述する空燃比補正ゲイン設定部76により設定されるようになっている。
推定当量比設定部74は、推定噴射量補正係数演算部72により設定された推定噴射量補正係数KINJemの逆数を推定当量比φestとして設定するものである。
目標補正量演算部75は、以下の式(2)に示すように、実噴射量補正係数演算部73により設定された実噴射量補正係数KINJaと、推定当量比設定部74により設定された推定当量比φestとの差である目標補正量ΔATを求めるものである。
ΔAT =KINJ −φest ・・・(2)
空燃比補正ゲイン設定部76は、目標補正量演算部75によって設定された目標補正量ΔATの絶対値|ΔAT|に基づき、空燃比補正ゲインGAFを設定するものである。ここで空燃比補正ゲインGAFとは、目標燃料噴射量FINJtの単位期間当たりの変更量である。より具体的に、この空燃比補正ゲイン設定部76は、目標補正量ΔATの絶対値|ΔAT|が大きくなるに連れて、空燃比補正ゲインGAFを大きく設定するようになっている。
空燃比補正ゲインGAFについてもう少し詳しく説明すると、例えば、空燃比補正ゲインGAFが1である場合に、インジェクタ22に対する目標燃料噴射量FINJtを示す駆動信号パルスの長さが0.1%ずつ変更されるという設定が基準値(即ち、初期設定)であるとすれば、空燃比補正ゲインGAFが3である場合、駆動信号パルスの長さは0.3%(=0.1[%]×3)ずつ変更されるという設定になる
燃料噴射量補正部77は、基本燃料噴射量FINJbを補正することでインジェクタ22から噴射されるべき燃料量、即ち、目標燃料噴射量FINJtを設定するものである。つまり、この燃料噴射量補正部77は、以下の式(3)に示すように、基本燃料噴射量FINJbに対して実噴射量補正係数KINJaを乗算することで、目標燃料噴射量FINJtを演算するようになっている。
INJt = KINJ × FINJb・・・(3)
エンジン作動制御部78は、燃料噴射量補正部77によって設定された目標燃料噴射量FINJtに対応する長さのパルスを有する駆動信号をインジェクタ22に対して出力することで、インジェクタ22を制御するものである。
本発明の第1実施形態に係る車両用エンジンの制御装置は上述のように構成されているので、以下のような作用および効果を奏する。
図2のフローチャートに示すように、ステップS11において、ECU70が、LAFS38によって検出された実排気空燃比AFaと、水温センサ41によって検出された冷却水温度TWAと、油温センサ42によって検出されたオイル温度TOIとを読み込む。
そして、推定噴射量補正係数演算部72が、ステップS11で読み込まれた冷却水温度TWAとオイル温度TOIと基づき、推定噴射量補正係数KINJemを設定する(ステップS12)。
次に、実噴射量補正係数演算部73が、空燃比補正ゲインGAFを用いて実噴射量補正係数KINJaを設定する(ステップS13)。
その後、推定当量比設定部74が、ステップS12において、推定噴射量補正係数演算部72により設定された推定噴射量補正係数KINJemの逆数を推定当量比φestとして設定する(ステップS14)。
そして、目標補正量演算部75が、上記の式(2)に示すように、ステップS13において設定された実噴射量補正係数KINJaの逆数と、ステップS14において設定された推定当量比φestとの差である目標補正量ΔATを演算する(ステップS15)。
その後、空燃比補正ゲイン設定部76が、ステップS15において設定された目標補正量ΔATの絶対値|ΔAT|に基づき、空燃比補正ゲインGAFを設定する(ステップS16)。つまり、空燃比補正ゲイン設定部76は、目標補正量ΔATの絶対値|ΔAT|が大きくなるに連れて、空燃比補正ゲインGAFを大きく設定する。
そして、燃料噴射量補正部77が、インジェクタ22から噴射されるべき燃料量、即ち、目標燃料噴射量FINJtを設定する(ステップS17)。つまり、この燃料噴射量補正部77は、上記の式(3)に示すように、基本燃料噴射量FINJbに対して実噴射量補正係数KINJaを乗算することで、目標燃料噴射量FINJtを演算する。
その後、燃料噴射制御部78が、ステップS17において設定された目標燃料噴射量FINJtに対応する長さのパルスを有する駆動信号をインジェクタ22に対して出力することで、インジェクタ22による燃料噴射を制御する(ステップS18)。
このように、様々な要因による外乱の影響を受けて変化する排気空燃比AFがステップS11において検出されたとしても、ステップS16において迅速に空燃比補正ゲインGAFが設定されるので、ステップS17およびS18において外乱に追従しながらインジェクタ22による燃料噴射制御を素早く行うことが可能となる。つまり、排気空燃比AFが乱れたとしても、すぐに安定化させることが出来るのである。
ここで、改めて、図3のタイムチャートを用いて、本発明の第1実施形態に係る車両用エンジンの制御装置による排気空燃比の補正制御について説明する。また、本発明との比較例として従来技術による排気空燃比の補正制御のタイムチャートを図9に示し、これらの図3と図9とを主に比較しながら説明する。なお、これらの図3および図9のタイムチャートでは、説明の都合上、排気流れによる時間の遅れを実質的に無視しているものとする。
図3中、時点t1において、エンジン12内に存する蒸発燃料EGASが、蒸発燃料通路31およびPCVバルブ32を通じてサージタンク29へ流入すると、図3(A)中符号A3で示すように、実排気空燃比AFaは急激にリッチ化する。なお、実排気空燃比AFaのリッチ化はLAFS38により検出される。
すると、噴射量補正係数演算部72によりLAFS38から実排気空燃比AFaが読み込まれ、オイル希釈燃料の蒸発量や、蒸発燃料が吸気ポート15へ流入する量から、図3(B)に示すように、推定噴射量補正係数KINJemが推定される。
このとき、図3(C)に示すように、推定当量比設定部74によって推定された推定噴射量補正係数KINJemの逆数が推定当量比φestとして設定される。また、推定当量比φestと実噴射量補正係数KINJaとの差である目標補正量ΔATが、目標補正量演算部75により演算される。
そして、図3(E)に示すように、空燃比補正ゲイン設定部76によって、目標補正量ΔATの絶対値|ΔAT|の増大に基づいて空燃比補正ゲインGAFが増大される(符号A1参照)。
これにより、図3(D)に示すように、インジェクタ22に対する目標燃料噴射量FINJtを示す駆動信号パルスの長さが、空燃比補正ゲインGAFの増大に伴い短くなる、即ち、リーン化方向に修正され、インジェクタ22から噴射される燃料量は減じられる。
したがって、図3(A)中符号A3に示すように、突発的にリッチ化した実排気空燃比AFaを即座にストイキで安定させることが可能となる。これにより、前段触媒36および後段触媒(図示略)の浄化性能を高め、環境保護に寄与することが出来る。
その後、図3中、時点t3においてPCVバルブ32が閉鎖され、蒸発燃料通路31を通じたサージタンク29への蒸発燃料EGASの流入が停止すると、図3(A)中符号A4に示すように、実排気空燃比AFaは急激にリーン化する。なお、実排気空燃比AFaのリーン化もLAFS38により検出される。
すると、噴射量補正係数演算部72により、LAFS38から実排気空燃比AFaが読み込まれ、オイル希釈燃料の蒸発量や、蒸発燃料が吸気ポート15へ流入する量から、図3(B)に示すように、推定噴射量補正係数KINJemが推定される。
このとき、図3(C)に示すように、推定当量比設定部74によって、リッチ化した推定噴射量補正係数KINJemの逆数が推定当量比φestとして設定される。また、目標補正量演算部75により、リッチ方向に修正された推定当量比φestと実噴射量補正係数KINJaとの差である目標補正量ΔATが演算される。
そして、図3(E)に示すように、目標補正量ΔATの絶対値|ΔAT|の増大に基づいて、空燃比補正ゲイン設定部76により空燃比補正ゲインGAFが増大される(符号A2参照)。
これにより、図3(D)に示すように、インジェクタ22に対する目標燃料噴射量FINJtを示す駆動信号パルスの長さが、空燃比補正ゲインGAFの増大に伴い長くなる、即ち、リッチ化方向に修正され、インジェクタ22から噴射される燃料量が基準値まで増加する。
したがって、開いていたPCVバルブ32が閉じた場合でも、図3(E)に示すように、突発的にリーン化した実排気空燃比AFaを即座にストイキに戻し且つ保つことが可能となる。これにより、前段触媒36および後段触媒(図示略)の浄化性能を高め、環境保護に寄与することが出来る。
これに対して、図9(A)のタイムチャートに示すように、従来技術による排気空燃比の補正制御では、実排気空燃比AFaをストイキで一定にすることが出来ない。
つまり、時点t1において蒸発燃料EGASがサージタンクへ流入すると、実排気空燃比AFaがリッチ化し(図9(A)参照)、リーン化された推定噴射量補正係数KINJemが推定されるとともに(図9(B)参照)、推定当量比φestがリーン化する(図9(C)参照)。
しかしながら、図9(E)における符号B1で示すように、従来技術では、空燃比補正ゲインGAFが一定である。
このため、制御サイクル当たりの目標燃料噴射量FINJtを示す駆動信号パルスが徐々にしか短くならず、インジェクタ22から噴射される燃料量は減じられるものの、実排気空燃比AFaをストイキに戻すには比較的長い時間を要してしまう。
つまり、本実施形態に係る本発明によれば、図3(D)に示すように、目標燃料噴射量FINJtを即座に減少(リーン化)させることが出来ているのに対し、従来技術においては、図9(D)に示すように、時点t2〜時点t5の時間の経過を待たないと、目標燃料噴射量FINJtを必要なだけ減少させることが出来ないのである。
蒸発燃料EGASの流入が停止した場合も同様である。
つまり、図9における時点t7において、サージタンクへ流入していた蒸発燃料EGASが停止すると実排気空燃比AFaが急激にリーン化し、このため、リッチ化された推定噴射量補正係数KINJemが推定され(図9(B)参照)、推定当量比φestもリッチする(図9(C)参照)。
しかしながら、従来技術においては、図9(E)における符号B2で示すように、空燃比補正ゲインGAFは一定で、変化しない。
このため、インジェクタ22から噴射される燃料量は増やされるものの、制御サイクル当たりの目標燃料噴射量FINJtを示す駆動信号パルスは徐々にしか長くならず、実排気空燃比AFaをストイキに戻すには長い時間を要する。
つまり、本実施形態に係る本発明によれば、図3(D)に示すように、時点t4における制御を実行するだけで目標燃料噴射量FINJtを必要なだけ増大させることが出来ているのに対し、従来技術では、図9(D)に示すように、時点t8〜時点t11の間、繰り返し制御を実行しなければ目標燃料噴射量FINJtを必要なだけ増大させることが出来ないのである。
このように、本発明の第1実施形態に係る車両用エンジンの制御装置によれば、空燃比補正ゲイン設定部76が、目標補正量演算部75によって求められた目標補正量ΔATに応じて空燃比補正ゲインGAFを設定するようになっている。したがって、推定当量比φestと実噴射量補正係数KINJaとの差である目標補正量ΔATに応じて、インジェクタによる燃料噴射量の単位期間当たりの補正変化量、即ち、空燃比補正ゲインGAFを適時設定することが出来る。これにより、迅速且つ正確に燃料噴射量を制御し、エンジン12の排気空燃比を安定化させる、即ち、図3(E)に示すように、実排気空燃比AFaをストイキで概ね一定にすることが出来る。したがって、前段触媒36および後段触媒(図示略)の浄化性能を高め、環境保護に寄与することが出来る。
次に、図4および図5を用いて、本発明の第2実施形態について説明する。なお、上述の第1実施形態と本実施形態との間で共通する構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略し、ここでは第1実施形態との相違点に重点を置いて説明する。
図4に示す本実施形態と、図1に示す第1実施形態との違いはECUである。つまり、図1に示す第1実施形態においては「ECU70」が車両10に搭載されているのに対し、図4に示す本実施形態においては「ECU80」が車両10に搭載されている点で、両者は異なっている。
そして、図4に示すECU80のメモリ(図示略)においては、図1に示すECU70の「目標補正量演算部75」に代えて、「目標補正量演算部85」が記録されている。
目標補正量演算部85は、以下の式(4)に示すように、推定なまし空燃比AFestFの今回値AFestF(n)を求めるものである。
AFestF(n) = KF × AFestF(n-1) × (1−KF)×AFest(n) ・・・(4)
つまり、目標補正量演算部85は、上記の式(4)に示すように、推定当量比設定部74により演算された推定空燃比AFestの今回値AFest(n)および推定なまし空燃比AFestFの前回値AFestF(n-1)に対して、フィルタ係数KFを用いたフィルタ処理を施すことにより、推定なまし空燃比AFestFの今回値AFestF(n)を求めるようになっている。
なお、初回の制御サイクルにおいて上記の式(4)の演算が行なわれる場合は、ECU80の図示しないメモリに記録された初期値が、推定なまし空燃比AFestFの前回値AFestF(n-1)として用いられるようになっている。
そして、目標補正量演算部85は、以下の式(5)に示すように、推定当量比設定部74により演算された推定空燃比AFestの今回値AFest(n)から、推定なまし空燃比AFestFの今回値AFestF(n)を減じた値の絶対値|AFest(n) − AFestF(n)|を目標補正量ΔATとして演算するようになっている。
ΔAT= |AFest(n) − AFestF(n)| ・・・(5)
本発明の第2実施形態に係る車両用エンジンの制御装置は上述のように構成されているので、以下のような作用および効果を奏する。
図5のフローチャートに示すように、ステップS21において、ECU80が、LAFS38によって検出された実排気空燃比AFaと、水温センサ41によって検出された冷却水温度TWAと、油温センサ42によって検出されたオイル温度TOIとを読込む。
そして、推定噴射量補正係数演算部72は、ステップS21で読み込まれた冷却水温度TWAとオイル温度TOIとに基づき、推定噴射量補正係数KINJemを設定する(ステップS22)。
次に、実噴射量補正係数演算部73は、空燃比補正ゲインGAFを用いて実噴射量補正係数KINJaを設定する(ステップS23)。
その後、推定当量比設定部74は、ステップS22において、推定噴射量補正係数演算部72により設定された推定噴射量補正係数KINJemの逆数を推定当量比φestとして設定する(ステップS24)。
そして、目標補正量演算部85が、上記の式(4)に示すように、前回の制御サイクルのステップS25において得られた推定なまし空燃比AFestFの前回値AFestF(n-1)に対してフィルタ係数KFを用いたフィルタ処理した値と、今回の制御サイクルのステップS24において設定された推定空燃比AFestの今回値AFest (n)に対してフィルタ係数KFを用いたフィルタ処理した値とに基づいて、推定なまし空燃比AFestFの今回値AFestF(n)を演算する(ステップS25)。
さらに、この目標補正量演算部85が、上記の式(5)に示すように、今回の制御サイクルのステップS24において設定された推定空燃比AFestの今回値AFest (n)から、ステップS25において演算された推定なまし空燃比AFestFの今回値AFestF(n)を減じた値の絶対値を目標補正量ΔATとして演算する(ステップS26)。
その後、空燃比補正ゲイン設定部76が、ステップS26において設定された目標補正量ΔATの絶対値|ΔAT|に基づき、空燃比補正ゲインGAFを設定する(ステップS27)。
そして、燃料噴射量補正部77が、インジェクタ22から噴射されるべき燃料量、即ち、目標燃料噴射量FINJtを設定する(ステップS28)。
その後、燃料噴射制御部78が、ステップS28において設定された目標燃料噴射量FINJtに対応する長さのパルスを有する駆動信号をインジェクタ22に対して出力することで、インジェクタ22による燃料噴射量を制御する(ステップS29)。
このように、本発明の第2実施形態に係る車両用エンジンの制御装置によれば、フィルタ処理を施して得られた推定なまし空燃比AFestFと推定空燃比AFestとの差である目標補正量ΔATに応じて、燃料噴射量の単位期間当たりの補正変化量、即ち空燃比補正ゲインGAFを適時設定することで、排気空燃比を安定させつつ、空燃比補正ゲインGAF自体が突発的に変化する事態を抑制ことが出来る。
したがって、迅速且つ正確に燃料噴射量を制御し、実排気空燃比AFaをストイキで一定にすることが可能となり、これにより、前段触媒36および後段触媒(図示略)の浄化性能を高め、環境保護に寄与することが出来る。
次に、図6および図7を用いて、本発明の第3実施形態について説明する。なお、上述の第1実施形態と本実施形態との間で共通する構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略し、ここでは第1実施形態との相違点に重点を置いて説明する。
図6に示す本実施形態と、図1に示す第1実施形態との違いはECUである。つまり、図1に示す第1実施形態においては「ECU70」が車両10に搭載されているのに対し、図6に示す本実施形態においては「ECU90」が車両10に搭載されている点で、両者は異なっている。
そして、図6に示すECU90のメモリ(図示略)においては、図1に示すECU70の「目標補正量演算部75」に代えて、「目標補正量演算部95」が記録されている点で、第1実施形態のECU70と比べて本実施形態のECU90は異なっている。さらに、図6に示すECU90のメモリにおいては、図1に示すECU70の「空燃比補正ゲイン設定部76」に代えて、「空燃比補正ゲイン設定部96」が記録されている点で、第1実施形態のECU70と比べて本実施形態のECU90は異なっている。
さらに、本実施形態のECU90のメモリには、第1実施形態のECU70のメモリには記録されていなかった「カウンタタイマ99」が記録されている。
このカウンタタイマ99は、ECU90の制御サイクル毎にタイマー値TMをカウントアップするソフトウェアである。また、このカウンタタイマ99による1回のカウントアップ量(即ち、タイマーゲイン)GTMは、ECU90のメモリに固定値として記録されている。
また、このカウンタタイマ99は、目標補正量演算部95によって設定された目標補正量ΔATの絶対値|ΔAT|が補正量閾値ΔAthを上回ると(|ΔAT|>ΔAth)、タイマー値TMのカウントアップを開始するようになっている。なお、カウンタタイマ99は、カウントアップしたタイマー値TMをECU90のメモリに逐次記録するようになっている。
一方、このカウンタタイマ99は、タイマー値TMがタイマー閾値TMthを上回ると(TM>TMth)、タイマー値TMのカウントアップを停止するようになっている。
なお、このカウンタタイマ99は、過去にカウントアップされたタイマー値TMがECU90のメモリに記録されていた場合には、この過去のタイマー値TMをゼロに設定する処理(リセット処理)を行なった後に、タイマー値TMのカウントアップを開始するようになっている。
目標補正量演算部95は、以下の式(6)に示すように、推定当量比設定部74により演算された推定空燃比AFestの今回値AFest(n)から、推定空燃比AFestの前回値AFest (n-1)を減算した値の絶対値|AFest(n) − AFest(n-1)|を目標補正量ΔATとして求めるものである。
ΔAT = |AFest(n) − AFest(n-1)| ・・・(6)
空燃比補正ゲイン設定部96は、カウンタタイマ99によるタイマー値TMのカウントアップが開始された場合、(即ち、目標補正量ΔATの絶対値|ΔAT|が補正量閾値ΔAthを上回った場合)、空燃比補正ゲインGAFを演算開始値GAFstに設定するものである。
また、この空燃比補正ゲイン設定部96は、タイマカウンタ99がタイマー値TMのカウントアップを行なっている間、タイマカウンタ99によって設定されたタイマー値TMが増大するに連れて、空燃比補正ゲインGAFを減少させるものである。
なお、上述のように、タイマカウンタ99は、目標補正量演算部95によって設定された目標補正量ΔATの絶対値|ΔAT|が補正量閾値ΔAthを上回った(|ΔAT|>ΔAth)ことを条件にタイマー値TMのカウントアップを開始し、一方、タイマー値TMがタイマー閾値TMthを上回った(TM>TMth)ことを条件にタイマー値TMのカウントアップを停止するようになっている。
したがって、この空燃比補正ゲイン設定部96は、タイマー値TMがタイマー閾値TMthを上回った(TM>TMth)場合には、空燃比補正ゲインGAFを演算開始値GAFstに設定することも無ければ、空燃比補正ゲインGAFをタイマー値TMに応じて減少させることもなく、空燃比補正ゲインGAFをECU90のメモリに記録された初期値で固定するようになっている。
本発明の第3実施形態に係る車両用エンジンの制御装置は上述のように構成されているので、以下のような作用および効果を奏する。
図7のフローチャートに示すように、ステップS31において、ECU90が、LAFS38によって検出された実排気空燃比AFaと、水温センサ41によって検出された冷却水温度TWAと、油温センサ42によって検出されたオイル温度TOIとを読込む。
そして、推定噴射量補正係数演算部72が、ステップS31で読み込まれた冷却水温度TWAとオイル温度TOIとに基づき、推定噴射量補正係数KINJemを設定する(ステップS32)。
次に、実噴射量補正係数演算部73が、空燃比補正ゲインGAFを用いて実噴射量補正係数KINJaを設定する(ステップS33)。
その後、推定当量比設定部74が、ステップS32において、推定噴射量補正係数演算部72により設定された推定噴射量補正係数KINJemの逆数を推定当量比φestとして設定する(ステップS34)。
そして、目標補正量演算部95が、上記の式(6)に示すように、推定当量比設定部74により演算された推定空燃比AFestの今回値AFest (n)から、推定空燃比AFestの前回値AFest (n-1)を減算した値の絶対値を目標補正量ΔATとして求める(ステップS35)。
その後、タイマカウンタ99が、目標補正量演算部95によって設定された目標補正量ΔATの絶対値|ΔAT|が補正量閾値ΔAthを上回っているか否かを判定する(ステップS36)。
ここで、目標補正量ΔATの絶対値|ΔAT|が偏差閾値ΔAthを上回っている場合(ステップS36のYesルート)、タイマカウンタ99は、ECU90のメモリに記録されたタイマー値TMをゼロにするリセット処理を行なう(ステップS37)。
また、空燃比補正ゲイン設定部96は、空燃比補正ゲインGAFを演算開始値GAFstに設定する(ステップS37)。
その後、空燃比補正ゲイン設定部96は、タイマー値TMの増大に応じて、空燃比補正ゲインGAFを、ステップS37において設定された演算開始値GAFstから減少させる(ステップS38)。
そして、タイマカウンタ99は、タイマー値TMの前回値TM(n-1)に対してタイマーゲインGTMを加算することで、タイマー値TMの今回値TM(n)を求める(ステップS39)。なお、初回の制御サイクルにおいては、タイマー値TMの前回値TM(n-1)に代えて、ECU90に記録されているタイマー値TMの初期値が用いられる。
その後、タイマカウンタ99は、ステップS39で得られたタイマー値TMの今回値TM(n)がタイマー閾値TMthを上回ったか否かを判定する(ステップS40)。
ここで、タイマカウンタ99が、タイマー値TMの今回値TM(n)がタイマー閾値TMth以下であると判定した場合には(ステップS40のNoルート)、再び、空燃比補正ゲインGAFがタイマー値TMの増大に応じて減少し(ステップS38)、且つ、タイマー値TMに対するタイマーゲインGTMの加算が行なわれる(ステップS39)。
そして、タイマカウンタ99が、タイマー値TMの今回値TM(n)がタイマー閾値TMthを上回ったと判定した場合(ステップS40のYesルート)、タイマカウンタ99がタイマー値TMのカウントアップを停止する(ステップ図示略)。
その後、空燃比補正ゲイン設定部96が、タイマー値TMに関わらず、空燃比補正ゲインGAFをECU90のメモリに記録された初期値で固定する(ステップS41)。
なお、ステップS36において、タイマカウンタ99が、目標補正量演算部95によって設定された目標補正量ΔATの絶対値|ΔAT|が補正量閾値ΔAth以下であると判定した場合(ステップS36のNoルート)、上記のステップS37〜ステップS39がスキップされる(ステップS41)。
そして、図8に示すように、ステップS42において、燃料噴射量補正部77が、インジェクタ22から噴射されるべき燃料量、即ち、目標燃料噴射量FINJtを設定する。つまり、この燃料噴射量補正部77は、上記の式(3)に示すように、基本燃料噴射量FINJbに対して実噴射量補正係数KINJaを乗算することで目標燃料噴射量FINJtを演算する。
その後、燃料噴射制御部78が、ステップS42において設定された目標燃料噴射量FINJtに対応する長さのパルスを有する駆動信号をインジェクタ22に対して出力することで、インジェクタ22による燃料噴射を制御する(ステップS43)。
このように、本発明の第3実施形態に係る車両用エンジンの制御装置によれば、推定当量比の前回値φest(n-1)と今回値φest(n)との変化量を目標補正量ΔATとして求め、この目標補正量ΔATに応じて空燃比補正ゲインGAFを適時設定することで、空燃比補正ゲインGAFを速やかに制御することが出来る。
また、空燃比補正ゲイン設定部96が、空燃比補正ゲインGAFをタイマー値TMが増大するに連れて徐々に減少させるようになっているので、排気空燃比を迅速に安定させ、且つ、その後、安定した排気空燃比を維持することが出来る。
以上、本発明の第1〜第3実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが出来る。その一例を以下に示す。
上述の実施形態においては、オイル温センサ42によりオイル温度TOIを直接的に検出する場合を例にとって説明したが、これに限定されるものではなく、オイル温度TOIを間接的に推定してもよい。
また、上述の実施形態においては、カウンタタイマ99が、タイマー値TMのカウントアップを実行する場合について説明したが、これに限定するものではなく、カウントダウンするようにしてもよい。
上述の実施形態においては、LAFS38により排気の実排気空燃比AFaを検出する場合を例にとって説明したが、これに限定するものではない。例えば、LAFS38に代えてストイキ近傍の空燃比を検出する一般的なOセンサを用いるようにしても良い。
上述の実施形態においては、エンジン12が混合燃料エンジンである場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ガソリンエンジンであっても良いし、ディーゼルエンジンであっても良い。
上述の実施形態においては、エンジン作動制御部78が、インジェクタ22を制御するものとして説明したが、これに限定されるものではない。例えば、エンジン作動制御部78が、インジェクタ22の制御のみならず、実噴射量補正係数KINJaを推定噴射量補正係数KINJemで除算した値(即ち、KINJa/KINJem)に基づいて混合燃料中のアルコール濃度を推定するようにしても良い。
本発明は、車両の製造産業などに利用可能である。
本発明は、自動車産業や動力出力装置の製造産業などにも利用可能である。
10 車両
12 エンジン
22 インジェクタ(燃料噴射手段)
38 LAFS(実空燃比検出手段)
72 推定噴射量補正係数演算部(推定噴射量補正係数演算手段)
74 推定当量比設定部(推定空燃比設定手段)
75,85,95 目標補正量演算部(目標補正量演算手段)
76 空燃比補正ゲイン設定部(空燃比補正ゲイン設定手段)
77 燃料噴射量補正部(燃料噴射量補正手段)
AF エンジンの実空燃比
AF 空燃比補正ゲイン
INJem 推定噴射量補正係数
ΔAT 目標補正量
Φest 推定当量比(推定空燃比)

Claims (5)

  1. エンジンの実空燃比を検出する空燃比検出手段と、
    外乱の影響を反映するパラメータに応じて推定空燃比を設定する推定空燃比設定手段と、
    該空燃比検出手段により検出された該実空燃比に応じて該燃料噴射手段からの燃料噴射量の実補正量を設定する実噴射量補正量演算手段と、
    該推定空燃比設定手段により設定された該推定空燃比と該実噴射量補正量演算手段により設定された該実補正量とに基づき目標補正量を求める目標補正量演算手段と、
    該目標補正量演算手段によって求められた該目標補正量に基づき空燃比補正ゲインを設定する空燃比補正ゲイン設定手段と、
    該空燃比補正ゲイン設定手段によって設定された該空燃比補正ゲインを用いて該エンジンの制御を行なうエンジン作動制御手段と
    を備えることを特徴とする、エンジンの制御装置。
  2. 該目標補正量演算手段は、
    該推定空燃比設定手段により前回演算された該推定空燃比の前回値と該推定空燃比設定手段により今回演算された該推定空燃比の今回値とに基づいて該目標補正量を求め、
    該空燃比補正ゲイン設定手段は、
    該目標補正量演算手段によって求められた該目標補正量に応じて該空燃比補正ゲインを設定する
    ことを特徴とする、請求項1記載の車両用エンジンの制御装置。
  3. 該目標補正量演算手段は、
    該推定空燃比の今回値に対してフィルタ処理を施して得られた推定なまし空燃比と該推定空燃比の今回値との差を該目標補正量として求める
    ことを特徴とする、請求項2記載の車両用エンジンの制御装置。
  4. 該目標補正量演算手段は、
    該推定空燃比の前回値と該推定空燃比の今回値との差を該目標補正量として求める
    ことを特徴とする、請求項2記載の車両用エンジンの制御装置。
  5. 該推定空燃比設定手段は、
    該推定空燃比として推定当量比を設定する
    ことを特徴とする、請求項1〜4いずれか1項に記載の車両用エンジンの制御装置。
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