JP2011058364A - 空燃比制御装置 - Google Patents

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【課題】触媒による排気ガス浄化能率を高く保ち、HC、CO及びNOxの排出量の一層の低減を図る。
【解決手段】内燃機関2の排気通路に装着された排気ガス浄化用の触媒3の上流に設けられる第一の空燃比センサ11と、触媒3の下流に設けられる第二の空燃比センサ12と、少なくとも第一の空燃比センサ11の出力を参照して空燃比のフィードバック制御を行う空燃比制御部5とを具備する空燃比制御装置において、空燃比制御部5が、触媒3内に吸蔵した酸素量と当該触媒の酸素吸蔵能との比である酸素割合のモデル数式に則り、現在の酸素割合を推算してその酸素割合を目標値に制御するものとした。
【選択図】図2

Description

本発明は、触媒による排気ガス浄化能率を高める目的で実施される空燃比の制御に関する。
一般に、自動車等の排気通路には、内燃機関から排出される排気ガス中に含まれるHC、CO及びNOxを酸化/還元して無害化する三元触媒が装着されている。HC、CO及びNOxの全てを効率よく浄化するには、空燃比をウィンドウと称する理論空燃比近傍の一定範囲に収束させる必要がある。
そのために、触媒の上流及び下流にそれぞれ空燃比センサを配し、空燃比センサの出力を目標値に制御するフィードバック制御を行うことが通例となっている(例えば、下記特許文献を参照)。従来からある空燃比制御方法では、触媒下流の空燃比センサの出力がリッチであるかリーンであるかを判定し、その判定結果に応じて補正量を算定する。この補正量は、触媒上流の空燃比センサの出力を参照した空燃比フィードバック制御における制御中心をリーン側あるいはリッチ側に変位させ、触媒内でのガスの空燃比をウィンドウ内に維持する役割を果たす。
近時では、強化された排気ガス規制に対応して、触媒の酸素吸蔵能(OSC)が大きくなる傾向にある。酸素吸蔵能が大きいと、触媒の上流で空燃比が変動したとしても、触媒下流の空燃比センサの出力信号にはすぐには変化が現れない。それ故、触媒下流の空燃比センサの出力がリーンからリッチへの遷移を示したときには、既に触媒内の酸素が不足してしまっており、HC及びCOの排出量が増加することがあり得た。逆に、触媒下流の空燃比センサの出力がリッチからリーンへの遷移を示したときには、既に触媒内が酸素過多であり、今度はNOxの排出量の増加を招いていた。
特許第2790896号公報 特許第2912478号公報 特開2007−187119号公報 特開2008−248862号公報
以上に鑑みてなされた本発明は、触媒による排気ガス浄化能率を高く保ち、HC、CO及びNOxの排出量の一層の低減を図ることを所期の目的としている。
本発明では、内燃機関の排気通路に装着された排気ガス浄化用の触媒の上流に設けられる第一の空燃比センサと、前記触媒の下流に設けられる第二の空燃比センサと、少なくとも前記第一の空燃比センサの出力を参照して空燃比のフィードバック制御を行う空燃比制御部とを具備する空燃比制御装置において、前記空燃比制御部が、前記触媒内に吸蔵した酸素量と当該触媒の酸素吸蔵能との比である酸素割合のモデル数式に則り、酸素割合をリアルタイムで推算してその酸素割合を目標値に制御する、または、触媒内に酸素吸蔵能まで酸素を吸蔵し酸素が充満した状態を基準としてこの状態から酸素を放出した量をリアルタイムで推算してその放出量を目標値に制御するものとした。本発明によれば、触媒下流にある第二の空燃比センサの出力信号の変動が触媒内の空燃比の変動に対して遅延する問題を有効に回避でき、触媒の排気ガス浄化能率を高く保つことが可能となる。加えて、触媒に使用する貴金属量の削減にも資する。
前記モデル数式は、例えば、下式(数1)の形で表される。
Figure 2011058364
触媒は、経時変化によって貴金属が粒成長し、酸素吸蔵能及び酸素放出能が徐々に低下する宿命にある。触媒の劣化は無論、酸素吸蔵速度、酸素放出速度にも影響を及ぼす。このような触媒の劣化に対処するには、モデルパラメータθiをオンライン同定するか、あるいは触媒の劣化の影響を受けないモデルパラメータθiを考える必要がある。
前者の場合には、前記空燃比制御部が、前記内燃機関における燃料カットの実行開始から前記触媒内に酸素が充満するまでの時間を計測することを通じて、モデルパラメータθiをオンライン同定する。
また、後者の場合には、モデルパラメータθiを、前記触媒における酸素吸蔵速度と酸素放出速度との比に基づいて定めることが好適である。詳しくは後述するが、酸素吸蔵速度と酸素放出速度との比は触媒の劣化の影響を受けにくいことが、本発明の発明者の尽力によって今般明らかとなった。
本発明によれば、触媒の排気ガス浄化能率を高く保つことができ、HC、CO及びNOxの排出量の一層の低減を図り得る。
本発明の実施の形態の空燃比制御装置の構成要素を説明する図。 同空燃比制御装置のハードウェア資源構成を示す図。 燃料カット時のリア空燃比信号出力と酸素割合との関係を示す図。 フロント空燃比信号出力とリア空燃比信号出力との関係を示す図。 酸素吸蔵時間と酸素放出時間との関係を示す図。 流入空気量と反応速度比との関係を示す図。 流入空気量と反応速度比との関係を示す図。 流入ガスの温度と酸素吸蔵能との関係を示す図。 流入ガスの温度と酸素吸蔵能との関係を示す図。 燃料カット終了後の酸素放出量の制御の態様を示す図。
<第一実施形態>本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。本空燃比制御装置1は、内燃機関2で燃料を燃焼させることにより発生する有害物質HC、CO、NOxを無害化する触媒3における空燃比を制御するものであって、図1に示すように、触媒3の上流側における空燃比または酸素濃度に応じた出力信号を出力する第一の空燃比センサ11と、触媒3の下流側における空燃比または酸素濃度に応じた出力信号を出力する第二の空燃比センサ12と、両センサ11、12の出力信号を参照して空燃比制御を実施する空燃比制御部13とを具備する。
図2に、ハードウェア構成の概要を示す。内燃機関2は、例えば自動車用の多気筒の燃料噴射式エンジンである。内燃機関2で生成された燃焼ガスは、排気ポートから排気マニホルド41、排気管42及び触媒3を通じて大気中に放出される。空燃比センサ11、12は、排気ガスに接触して反応することにより、排気ガス中の酸素濃度に応じた電圧信号を出力する。触媒3上流にある第一の空燃比センサ11は、排気ガスの空燃比に比例した信号を出力するリニアA/Fセンサとすることが好ましい。触媒3下流にある第二の空燃比センサ12は、リニアA/Fセンサであってもよく、排気ガスの空燃比に対して非線形な出力特性を有するO2センサであってもよい。
第一の空燃比センサ11、第二の空燃比センサ12は、吸気負圧センサ、エンジン回転数センサ、車速センサ、冷却水温センサ、カムポジションセンサ、スロットルセンサ等の各種センサ(図示せず)とともに、電子制御装置(ECU)5に電気的に接続している。電子制御装置5は、プロセッサ51、RAM52、ROM(または、フラッシュメモリ)53、I/Oインタフェース54等を包有するマイクロコンピュータシステムである。I/Oインタフェース54は、各種センサの出力信号の受信や制御信号の送信を担うもので、A/D変換回路及び/またはD/A変換回路を含む。プロセッサ51が実行するべきプログラムはROM53に格納されており、その実行の際にROM53からRAM52へ読み込まれ、プロセッサ51によって解読される。しかして、電子制御装置5は、プログラムに従い、空燃比制御部13としての機能を発揮する。
空燃比制御部13たる電子制御装置5は、第一の空燃比センサ11、第二の空燃比センサ12やその他のセンサから出力される信号を、I/Oインタフェース54を介して受信する。そして、要求される燃料噴射量を算出し、この要求燃料噴射量に対応した制御信号をI/Oインタフェース54を介して燃料噴射弁21に入力、内燃機関2の燃料噴射を制御する。要求燃料噴射量は、吸気管内負圧及びエンジン回転数等を参照して基本噴射量を求め、その基本噴射量に、エンジン冷却水温等の環境条件に応じた環境補正、並びに下記フィードバック制御による補正を加えて、最終的に決定する。
本実施形態では、空燃比の制御にあたり、第二の空燃比センサ12の出力信号を制御量(制御出力)とするのではなく、触媒3内に現在吸蔵している酸素の量と触媒3の酸素吸蔵能との比(触媒内酸素吸蔵量/酸素吸蔵能)である酸素割合を制御量として、この酸素割合を所要の目標値に到達させるフィードバック制御を実施する。
触媒3に吸蔵した酸素量は、触媒3に流入する酸素の流量の時間積分に、反応速度係数を乗じたものと考えることができる。反応速度係数は、触媒3が酸素を吸蔵する速度を示す。反応速度係数と酸素吸蔵能との比(反応速度係数/酸素吸蔵能)をモデルパラメータθ1とおけば、酸素濃度Oのモデル数式を下式(数2)の如く規定することができる。
Figure 2011058364
αは空気中に含まれる酸素の割合であり、Gaは触媒3に流入する空気の流量である。αの値は、例えば0.21とする。αは、モデルパラメータθ1に組み入れてしまっても構わない。その場合、θ1=α×(反応速度係数/酸素吸蔵能)となる。流入空気量Gaは、第一の空燃比センサ11を介して検出した流入ガスの空燃比に、電子制御装置5にて算出した要求燃料噴射量を乗じて算定する。このようにすれば、Gaを計測するために高価なエアフローセンサを使用せずに済む上、Gaの値の精度も向上する。尤も、吸気管内負圧及びエンジン回転数からGaを推測することを妨げるものではない。
λは、排気ガスの空燃比の目標空燃比からの乖離を示す空気過剰率である。空気過剰率λは、第一の空燃比センサ11を介して検出したガスの空燃比と、最終的に実現するべき目標空燃比との比(上流側実測空燃比/目標空燃比)である。目標空燃比は、通常は理論空燃比(ガソリンエンジンにあっては、14.7)であるが、リーンバーン運転している最中等、理論空燃比よりも増減することがある。
酸素割合Oの値は、当然ながら、0≦O≦1の範囲をとる。電子制御装置5は、酸素割合Oに適宜に目標値を設定し、モデル数式(数2)に則って推算した酸素割合Oをその目標値に収束させるフィードバック制御を実施する。即ち、推算した現在の酸素割合Oとその目標値との偏差に基づいて燃料噴射量のフィードバック補正量を算出し、要求燃料噴射量に加味する。これにより、空燃比の振動を抑圧してウィンドウ内に維持する。
ところで、触媒3の酸素吸蔵能、酸素吸蔵速度、酸素放出速度は、おしなべて触媒3の経時劣化の影響を受ける。つまり、モデルパラメータθ1は、触媒3の経時劣化の影響を受ける。従って、モデルパラメータθ1はオンライン同定することが望ましい。モデルパラメータθ1の同定を行うタイミングは、燃料カットの実行時がよい。燃料カットを実行すると、触媒3には燃料成分を含まない空気が流入し、触媒3内が酸素で満たされて酸素割合が1に限りなく近づくことが保証されるからである。しかも、燃料カットの機会は自動車の運転中しばしば訪れるので、自然にθ1の同定回数を増やすことができる。
電子制御装置5は、所定の燃料カット条件が成立し、内燃機関2の気筒への燃料供給(燃料噴射)を一時中断する燃料カットを実行するときに、モデルパラメータθ1を同定する。燃料カット条件は、既存の自動車用内燃機関2に準ずる。例えば、エンジン回転数が一定以上あり、かつアイドルスイッチがONになった(または、アクセルペダルの踏込量が閾値以下となった)ことを条件とする。燃料カットは、エンジン回転数が所定の復帰回転数以下まで下がったり、アイドルスイッチがOFFになったりすると終了(燃料供給を再開)する。
その上で、電子制御装置5は、燃料カットの実行開始時点t0から、触媒3内の酸素割合Oが1の近傍に達した時点t1までの経過時間を計測する。電子制御装置5は、触媒3下流の第二の空燃比センサ12の出力信号を観測し、図3に示すように、その出力が完全なリーンを示す所定の閾値に到達した時点をt1と判断する。また、電子制御装置5は、時点t0から時点t1までの期間における流入空気量Ga及び空気過剰率λをも計測する。
燃料カットの実行開始直前における触媒3内の酸素割合をO(t0)とおくと、時点t0から時点t1までの期間における計測値Ga、λについて、下式(数3)が成立する。
Figure 2011058364
なお、式(数3)の左辺第二項のO(t0)に、燃料カットの実行開始直前における酸素割合Oの目標値を代入してもよい。
電子制御装置5は、式(数3)からモデルパラメータθ1を逆算することで、θ1を同定する。同定したθ1は、RAM52またはROM53に学習値として記憶し、燃料供給再開後の空燃比制御に用いる。
本実施形態によれば、内燃機関2の排気通路に装着された排気ガス浄化用の触媒3の上流に設けられる第一の空燃比センサ11と、前記触媒3の下流に設けられる第二の空燃比センサ12と、少なくとも前記第一の空燃比センサ11の出力を参照して空燃比のフィードバック制御を行う空燃比制御部13とを具備する空燃比制御装置1において、前記空燃比制御部13が、前記触媒3内に吸蔵した酸素量と当該触媒3の酸素吸蔵能との比である酸素割合Oのモデル数式に則り、酸素割合Oをリアルタイムで推算してその酸素割合Oを目標値に制御するものとしたため、触媒3下流にある第二の空燃比センサ12の出力信号の変動が触媒3内の空燃比の変動に対して遅延する問題を有効に回避でき、触媒3の排気ガス浄化能率を高く保つことが可能となる。加えて、触媒3に使用する貴金属量の削減にも資する。
酸素割合Oは、触媒3内に酸素が充満した状態を基準(O=1)とする値であり、これを制御量としていることで、触媒3の酸素吸蔵能の劣化の度合いに応じた目標値の設定変更が不要となっている。また、燃料カットを実行する度、酸素割合Oの値が1にリセットされ、推算誤差もリセットされることから、高精度のフィードバック制御が実現される。
前記空燃比制御部13が、前記内燃機関2における燃料カットの実行開始時点t0から前記触媒3内に酸素が充満する時点t1までの時間を計測することを通じて、モデルパラメータθ1をオンライン同定するため、触媒3の経時劣化に起因するモデル化誤差を効果的に縮小することができる。
<第二実施形態>次に述べる第二実施形態は、モデルパラメータθiのオンライン同定を伴わない制御手法である。以降、第一実施形態との相異点を中心に説明する。特記しない要素については、第一実施形態と同様に構成してよい。
図4は、触媒3に流入するガスの空燃比を意図的に上下させる実験を行い、第一の空燃比センサ11の出力信号及び第二の空燃比センサ12の出力信号を観測したものである。第一の空燃比センサ11の出力は、触媒3に流入するガスの空燃比をそのまま表示していると言える。一方で、第二の空燃比センサ12の出力は、第一の空燃比センサ11の出力、ひいては触媒3に流入するガスの空燃比の変動に対して遅れている。
触媒3に流入するガスの空燃比がリーンな期間では、触媒3に酸素が吸蔵される。触媒3に流入するガスの空燃比がリッチな期間では、触媒3に吸蔵されていた酸素が放出される。図4中、空燃比リッチだった流入ガスが空燃比リーンとなった後、再び空燃比リッチとなるまでの期間T1が、触媒3に酸素が吸蔵される期間である。そして、空燃比リーンだった流入ガスが空燃比リッチとなった後、第二の空燃比センサ12の出力信号がリーンからリッチへと反転するまでの期間T2が、触媒3から酸素が放出される期間である。第二の空燃比センサ12の出力がリーンからリッチへと反転したことは、触媒3からの酸素の放出が衰えたことを暗示している。
図5は、流入空気量Gaを一定として上記実験を行い、酸素吸蔵期間T1と酸素放出期間T2とをそれぞれ計測してプロットしたものである。図5では、触媒3に流入するガスの空燃比のリーン時の値とリッチ時の値との組合せを、三通りに変えて実験した結果を示している。流入ガスの空燃比の値によらず、酸素吸蔵期間T1と酸素放出期間T2との間には一定の比例関係が存在している。ここではその比例係数、即ち図5中に引いた直線の傾きを、反応速度比と呼称する。反応速度比は、酸素放出速度に対する酸素吸蔵速度の比(T1/T2)を示す。
図6は、流入空気量Gaを変えて上記実験を行い、反応速度比を計測したものである。並びに、図7は、同様の実験を、新しい触媒3と古い劣化した触媒3とを用いてそれぞれ行った結果である。図7から明らかなように、反応速度比は触媒3の経時劣化によらず一定であると見なすことができる。
因みに、図8は、触媒3に流入するガスの温度と、触媒3の酸素吸蔵能との関係をプロットしたものである。酸素吸蔵能は、同触媒3が放出することのできる酸素量の最大値と考えることができる。図9に示しているように、流入ガスの温度と酸素吸蔵能との関係は、触媒3の経時劣化の影響を受ける。
本実施形態では、触媒3内に酸素吸蔵能まで酸素を吸蔵した状態を基準とし、この状態から酸素を放出した量をモデル数式によって推算する。そして、推算した酸素放出量を制御量として、これを所要の目標値に到達させるフィードバック制御を実施する。
既に述べた通り、内燃機関2の気筒への燃料供給を一時中断する燃料カットを実行すると、触媒3に燃料成分を含まない空気が流入し、触媒3内に酸素が充満する。よって、燃料カットを終了して燃料供給を再開する直前の時点t2では、触媒3内に酸素吸蔵能一杯まで酸素を吸蔵している。酸素吸蔵能は触媒3の経時劣化とともに低下するため、時点t2において触媒3に吸蔵している酸素の絶対量は不明である。だが、図10に示すように、燃料供給再開後に触媒3から放出した酸素の量Oを考えれば、燃料供給再開時点t2における酸素放出量Oを常に0とすることができる。
第一実施形態において述べたモデル数式(数2)を援用し、モデルパラメータθ1を酸素吸蔵速度または酸素放出速度を示すモデルパラメータをθ2に置き換えると、酸素放出量Oのモデル数式として下式(数4)を得られる。
Figure 2011058364
酸素放出量Oの値は、0≦O≦酸素吸蔵能の範囲をとる。
モデルパラメータθ2は、触媒3が酸素を放出する(λ≦1となる)期間と、触媒3が酸素を吸蔵する(λ>1となる)期間とで相異する。しかしながら、反応速度比は、触媒3の経時劣化によらず一定であることが分かっている。図6に示している反応速度比k(Ga)を用いれば、モデルパラメータθ2を下式(数5)のように設定することができる。
Figure 2011058364
上式(数5)のモデルパラメータθ2は、マップデータとしてRAM52またはROM53に記憶保持させておけばよい。
電子制御装置5は、酸素放出量Oに適宜に目標値を設定し、モデル数式(数4)及び(数5)に則って推算した酸素放出量Oをその目標値に収束させるフィードバック制御を実施する。即ち、推算した現在の酸素放出量Oとその目標値との偏差に基づいて燃料噴射量のフィードバック補正量を算出し、要求燃料噴射量に加味する。これにより、空燃比の振動を抑圧してウィンドウ内に維持する。
本実施形態によれば、内燃機関2の排気通路に装着された排気ガス浄化用の触媒3の上流に設けられる第一の空燃比センサ11と、前記触媒3の下流に設けられる第二の空燃比センサ12と、少なくとも前記第一の空燃比センサ11の出力を参照して空燃比のフィードバック制御を行う空燃比制御部13とを具備する空燃比制御装置1において、前記空燃比制御部13が、前記触媒3内に吸蔵した酸素量と当該触媒3の酸素吸蔵能との比である酸素割合Oのモデル数式に則り、触媒3内に酸素吸蔵能まで酸素を吸蔵し酸素が充満した状態を基準としてこの状態から酸素を放出した量Oをリアルタイムで推算してその放出量Oを目標値に制御するするものとしたため、触媒3下流にある第二の空燃比センサ12の出力信号の変動が触媒3内の空燃比の変動に対して遅延する問題を有効に回避でき、触媒3の排気ガス浄化能率を高く保つことが可能となる。加えて、触媒3に使用する貴金属量の削減にも資する。
酸素放出量Oは、触媒3内に酸素が充満した状態を基準(O=0)とする値であり、これを制御量としていることで、触媒3の酸素吸蔵能の劣化の度合いに応じた目標値の設定変更が不要となっている。また、燃料カットを実行する度、酸素放出量Oの値が0にリセットされ、推算誤差もリセットされることから、高精度のフィードバック制御が実現される。
前記空燃比制御部13が、モデルパラメータθ2を、前記触媒3における酸素吸蔵速度と酸素放出速度との比kに基づいて定めるため、触媒3の経時劣化に起因するモデル化誤差を効果的に縮小することができる。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、自動車等に搭載される内燃機関の制御に利用することができる。
1…空燃比制御装置
11…第一の空燃比センサ
12…第二の空燃比センサ
13、5…空燃比制御部(電子制御装置)
2…内燃機関
3…触媒

Claims (3)

  1. 内燃機関の排気通路に装着された排気ガス浄化用の触媒の上流に設けられる第一の空燃比センサと、
    前記触媒の下流に設けられる第二の空燃比センサと、
    少なくとも前記第一の空燃比センサの出力を参照して空燃比のフィードバック制御を行う空燃比制御部と
    を具備しており、
    前記空燃比制御部は、前記触媒内に吸蔵した酸素量と当該触媒の酸素吸蔵能との比である酸素割合のモデル数式に則り、酸素割合を推算してその酸素割合を目標値に制御する、または、触媒内に酸素吸蔵能まで酸素を吸蔵し酸素が充満した状態を基準としてこの状態から酸素を放出した量を推算してその放出量を目標値に制御する
    ことを特徴とする空燃比制御装置。
  2. 前記モデル数式が、式(数6)の形で表されるとともに、
    前記空燃比制御部が、前記内燃機関における燃料カットの実行開始から前記触媒内に酸素が充満するまでの時間を計測することを通じて、モデルパラメータθiをオンライン同定する請求項1記載の空燃比制御装置。
    Figure 2011058364
  3. 前記モデル数式が、式(数6)の形で表されるとともに、
    モデルパラメータθiを、前記触媒における酸素吸蔵速度と酸素放出速度との比に基づいて定めている請求項1記載の空燃比制御装置。
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