JP2011042427A - エレベータの調速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】点検用開口部を設けることなく遠隔操作によって容易且つ安全に点検作業を行なうことが出来るエレベータの調速機を提供する。
【解決手段】本発明に係るエレベータの調速機は、昇降路内の一定の高さ位置に設けられたフレーム10に、シーブ2が回転可能に支持されると共に、シーブ2に巻き付けられた調速機ロープに制動をかける制動機構が配備され、シーブ2には、遠心力を受けて回動するフライウェイト機構が配備され、フライウェイト機構と制動機構との間には、フライウェイト機構の回動量が所定量を越えたときに制動機構を非動作状態から動作状態へ移行させるトリップ機構が介在し、該トリップ機構に遠隔操作装置11が連繋している。
【選択図】図1

Description

本発明は、エレベータにおいてかごの速度が所定の閾値を越えたときにかごを非常停止させるための調速機に関し、特に機械室レスエレベータにおいて昇降路内に設置される調速機に関するものである。
従来、機械室レスエレベータにおいては、図16に示される様に、昇降路(107)内の上部に駆動装置(100)が設置されており、該駆動装置(100)を構成するシーブ(101)には主ロープ(102)が巻装され、主ロープ(102)の一端にかご(103)が連結されると共に、主ロープ(102)の他端に釣り合い重り(104)が連結されている。
昇降路(107)内には、かご(103)の昇降を案内するガイドレール(105)が設置されている。かご(103)の底部には、ガイドレール(105)に対する制動によってかご(103)を非常停止させる非常停止装置(90)が取り付けられている。
ガイドレール(105)の上端部近傍には、調速機支持部材(106)が固定されており、該調速機支持部材(106)上に、かご(103)の異常速度を検知して非常停止装置(90)を作動させる調速機(9)が支持されている。
調速機(9)は、水平軸回りに回転可能に支持されたシーブ(91)を具えている。ガイドレール(105)の下端部近傍には、プーリ(92)が支持されており、シーブ(91)とプーリ(92)の間に無端状の調速機ロープ(93)が張設されている。調速機ロープ(93)は、レバー(94)を介して非常停止装置(90)に連結されている。通常運転時には、かご(103)の昇降に伴って調速機ロープ(93)が循環移動する。
調速機(9)は更に、シーブ(91)に巻き付けられた調速機ロープ(93)に制動をかける制動機構と、制動機構を非動作状態(非制動状態)から動作状態(制動状態)へ移行させるトリップ機構を具え、シーブ(91)には、シーブ(91)の回転に応じた遠心力を受けて回動するフライウェイトが配備され、該フライウェイトの回動量が所定量を越えたときにトリップ機構を動作させ、制動機構により調速機ロープ(93)に制動をかけることによって、後述の如く非常停止装置(90)を作動させるものである。
何らかの原因によりかご(103)の速度が異常に増大し、所定の閾値(定格速度の1.4倍)を越えたときは、調速機(9)が作動して、調速機ロープ(93)の循環移動に制動がかけられる。これによって、調速機ロープ(93)と非常停止装置(90)の間に相対移動が生じ、この相対移動によってレバー(94)が動作し、その結果、非常停止装置(90)が作動して、かご(103)が非常停止することになる。
各乗り場(109)には乗り場ドア(108)が設けられ、最上階の乗り場(109)の壁部(110)には点検用開口部(111)が設けられている。
調速機(9)及び非常停止装置(90)の動作確認を行なう場合や、かご(103)の過速度によって調速機(9)が作動した後に調速機(9)を復帰させるときは、作業員が乗り場(109)側から点検用開口部(111)を経て調速機(9)にアクセスする。
調速機(9)及び非常停止装置(90)の動作確認を行なう場合は、かご(103)を停止させた状態で、手動操作により調速機(9)のトリップ機構を動作させ、この状態でかご(103)を下降させることによって、非常停止装置(90)が正常に作動するどうかを確認する。
動作確認の後、調速機(9)及び非常停止装置(90)を復帰させる場合は、先ずかご(103)を僅かに上昇させることによって、非常停止装置(90)のガイドレール(105)に対する制動を解除した後、かご(103)を停止させた状態で、手動操作により調速機(9)のトリップ機構を元の状態に復帰させる。これによって、制動機構が非制動状態に移行する。
又、作業員の遠隔操作によって復帰作業が可能な調速機が提案されている(特許文献1)。該調速機においては、シーブの回転軸と平行な軸を中心として揺動可能な復帰用レバーが設けられており、該復帰用レバーに連結された復帰用ワイヤを引くことにより、復帰用レバーを所定の角度まで揺動させる。この状態で、かごを上昇させてシーブを回転させることにより、シーブに設けられているトリップ機構が復帰用レバーにより押圧されて、元の状態に復帰する。これによって、制動機構が非制動状態に移行する。
特開2002−370879号公報
しかしながら、壁部(110)に点検用開口部(111)を設けた従来のエレベータにおいては、壁部(110)に対する工事が必要となるばかりでなく、点検用開口部(111)は乗り場ドア(108)よりも上方の高所に位置し、調速機(9)は点検用開口部(111)よりも更に奥方に位置しているため、点検作業の作業性が悪い問題があった。
点検用開口部(111)を設けることなく、作業員がかご(103)の天井に上がって、調速機(9)にアクセスすることも可能であるが、安全性の問題や作業スペースの問題がある。
又、調速機に復帰用レバーを設けた従来のエレベータにおいては、復帰用レバーの遠隔操作によって調速機を復帰させることが出来るが、かごの速度が所定の閾値(定格速度の1.4倍)を越えてシーブが停止したときのシーブの回転角度姿勢、即ちトリップ機構の位置によっては、復帰用レバーの操作後、復帰用レバーによりトリップ機構を押圧するためにシーブを最大で約360度回転させる必要があり、かごが最上階の乗り場付近で停止している場合には、シーブを必要な角度だけ回転させる余裕がないことがあり、この様な場合は、復帰用レバーによって調速機を復帰させることが出来ない問題があった。
そこで本発明の第1の目的は、点検用開口部を設けることなく遠隔操作によって容易且つ安全に点検作業を行なうことが出来るエレベータの調速機を提供することである。
又、本発明の第2の目的は、かごの速度が所定の閾値を越えてトリップ機構が動作した場合にシーブを回転させるだけで自動復帰させることが出来るエレベータの調速機を提供することである。
本発明に係る第1のエレベータの調速機は、昇降路(107)内の一定の高さ位置に配備され、かご(103)の速度が所定の閾値を越えたとき、かご(103)に取り付けられた非常停止装置(90)を作動させるものであって、
昇降路(107)内の一定の高さ位置に設けられたフレーム(10)に、シーブ(2)が回転可能に支持されると共に、シーブ(2)に巻き付けられた調速機ロープに制動をかける制動機構が配備され、該シーブ(2)には、シーブ(2)の回転に応じた遠心力を受けて回動するフライウェイト機構が配備され、該フライウェイト機構と制動機構との間には、フライウェイト機構の回動量が所定量を越えたときに制動機構を非動作状態から動作状態へ移行させるトリップ機構が介在し、該トリップ機構には、ワイヤ(13)を介して遠隔操作装置(11)が連繋し、かご(103)の降下中に遠隔操作装置(11)を操作して、調速機ロープ(93)と非常停止装置(90)の間に相対移動を発生させることにより、非常停止装置(90)を作動させることが可能である。
上記本発明の調速機においては、かご(103)の降下中に遠隔操作装置(11)を操作してワイヤ(13)を引くと、トリップ機構が動作して、制動機構が非動作状態から動作状態へ移行する。これによって、調速機ロープ(93)の循環移動に制動がかかり、調速機ロープ(93)と非常停止装置(90)の間に相対移動が発生する。この結果、非常停止装置(90)が作動し、かご(103)が停止することになる。
具体的態様において、前記制動機構は、
前記フレーム(10)に、シーブ(2)の回転軸(20)と同軸に枢支され、外周に多数の歯(31)を有するラチェット(3)と、
ラチェット(3)に連結レバー(43)を介して連結され、ラチェット(3)の回転に伴ってシーブ(2)の外周面に接近離間する制動シュー(41)
とを具えている。
又、前記トリップ機構は、
シーブ(2)に枢支され、一方の端部にラチェット(3)の歯(31)と噛合すべき爪部(52)を有すると共に、他方の端部に係止受け部(51)を有する爪部材(5)と、
爪部材(5)をラチェット(3)との噛合方向に付勢する第1付勢手段と、
シーブ(2)に枢支され、一方の端部に、爪部材(5)の係止受け部(51)に係合して爪部材(5)の爪部(52)をラチェット(3)から離脱させた位置に保持すべき係止部(62)を有すると共に、他方の端部にカムフォロワー(61)を有するトリップレバー(6)と、
トリップレバー(6)を爪部材(5)との係合方向に付勢する第2付勢手段と、
フレーム(10)に枢支され、トリップレバー(6)のカムフォロワー(61)と摺接可能なカム面(81)を有するトリガー部材(8)
とを具えている。
そして、遠隔操作装置(11)は、トリガー部材(8)とワイヤ(13)を介して連結され、トリガー部材(8)のカム面(81)をトリップレバー(6)のカムフォロワー(61)に対して接近離間させるものである。
上記具体的態様においては、通常運転時に、トリップレバー(6)の係止部(62)が爪部材(5)の係止受け部(51)を係止して、爪部材(5)の爪部(52)をラチェット(3)の歯(31)から離間させている。これによって、シーブ(2)はかご(103)の昇降に応じて自由に回転する。
かご(103)の降下中に遠隔操作装置(11)を操作してワイヤ(13)を引くと、トリガー部材(8)が回動して、カム面(81)がトリップレバー(6)のカムフォロワー(61)と摺接する。この結果、トリップレバー(6)が第2付勢手段の付勢に抗して回動し、係止部(62)が爪部材(5)の係止受け部(51)から離脱する。これによって、爪部材(5)は第1付勢手段により付勢されて、爪部(52)がラチェット(3)の歯(31)と噛合することになる。
この状態で、かご(103)の降下に伴ってシーブ(2)が回転すると、この回転が爪部材(5)を介してラチェット(3)に伝えられる。このラチェット(3)の回転トルクによって制動シュー(41)が牽引され、該制動シュー(41)がシーブ(2)に巻き付けられた調速機ロープ(93)に押し付けられて、調速機ロープ(93)の循環移動に制動をかける。
この結果、調速機ロープ(93)と非常停止装置(90)の間に相対移動が発生し、これによって非常停止装置(90)が作動し、かご(103)が停止することになる。
又、本発明に係る第2のエレベータの調速機は、昇降路(107)内の一定の高さ位置に配備され、かご(103)の速度が所定の閾値を越えたとき、かご(103)に取り付けられた非常停止装置(90)を作動させるものであって、
昇降路(107)内の一定の高さ位置に設けられたフレーム(10)に、シーブ(2)が回転可能に支持されると共に、シーブ(2)に巻き付けられた調速機ロープに制動をかける制動機構が配備され、該シーブ(2)には、シーブ(2)の回転に応じた遠心力を受けて回動するフライウェイト機構が配備され、該フライウェイト機構と制動機構との間には、フライウェイト機構の回動量が所定量を越えたときに制動機構を非動作状態から動作状態へ移行させるトリップ機構が介在し、
少なくとも制動機構の動作状態でシーブ(2)のかご上昇回転と同一方向の回転が規制されている部材には、シーブ(2)の回転軸(20)を中心とする円周線上に1又は複数の突片(33)が配備されると共に、前記トリップ機構には、トリップ解除レバー(7)が連繋し、該トリップ解除レバー(7)には、前記円周線の内側へ向けて突出する凸部(71)が形成され、該トリップ解除レバー(7)は、前記トリップ機構が制動機構を動作させていない状態では、前記凸部(71)を前記円周線上から後退させた後退位置に保持され、前記トリップ機構が制動機構を動作させた状態では、前記凸部(71)を前記円周線上へ進出させた進出位置に設定され、
トリップ解除レバー(7)は、進出位置でのシーブ(2)のかご上昇回転に伴って凸部(71)が1つの突片(33)により押圧され、該トリップ解除レバー(7)の進出位置から後退位置へ向かう移動によりトリップ機構を逆向きに動作させて、制動機構を動作状態から非動作状態に復帰させる。
上記本発明の調速機においては、トリップ機構により制動機構が非制動状態に保持された通常運転で、トリップ解除レバー(7)は後退位置に保持され、凸部(71)は突片(33)が配列されている円周線上から後退している。
従って、シーブ(2)の回転に伴ってトリップ解除レバー(7)が突片(33)と衝突することはない。
かご(103)の速度が所定の閾値を越えることにより、若しくは動作確認のために、トリップ機構が制動機構を非制動状態から制動状態に移行させると、トリップ解除レバー(7)は進出位置に設定され、突片(33)が配列されている円周線上へ凸部(71)が進出する。
この状態で、かご(103)を僅かに上昇させて、シーブ(2)を僅かに回転させると、1つの突片(33)によって、進出位置のトリップ解除レバー(7)の凸部(71)が押圧され、トリップ解除レバー(7)が駆動される。これによって、トリップ機構が逆向きに動作して制動機構を制動状態から非制動状態へ復帰させる。
具体的態様において、前記制動機構は、
前記フレーム(10)に、シーブ(2)の回転軸(20)と同軸に枢支され、外周に多数の歯(31)を有するラチェット(3)と、
ラチェット(3)に連結レバー(43)を介して連結され、ラチェット(3)の回転に伴ってシーブ(2)の外周面に接近離間する制動シュー(41)
とを具えている。
又、前記トリップ機構は、
シーブ(2)に枢支され、一方の端部にラチェット(3)の歯(31)と噛合すべき爪部(52)を有すると共に、他方の端部に係止受け部(51)を有する爪部材(5)と、
爪部材(5)をラチェット(3)との噛合方向に付勢する第1付勢手段と、
シーブ(2)に枢支され、一方の端部に、爪部材(5)の係止受け部(51)に係合して爪部材(5)の爪部(52)をラチェット(3)から離脱させた位置に保持すべき係止部(62)を有するトリップレバー(6)と、
トリップレバー(6)を爪部材(5)との係合方向に付勢する第2付勢手段と、
とを具えている。
そして、前記トリップ解除レバー(7)は、爪部材(5)に連繋している。又、前記1又は複数の突片(33)は、ラチェット(3)に固定された部材に設けられている。
上記具体的態様によれば、突片(33)によってトリップ解除レバー(7)が駆動されると、トリップ解除レバー(7)の回動に伴って爪部材(5)が回動し、爪部(52)がラチェット(3)の歯(31)から離脱すると共に、係止受け部(51)がトリップレバー(6)の係止部(62)に係合し、該トリップレバー(6)によって、爪部材(5)はラチェット(3)から離脱した位置に保持される。この結果、ラチェット(3)の回転が自由となって、制動シュー(41)がシーブ(2)の外周面から離間し、シーブ(2)に巻き付けられている調速機ロープに対する制動が解除される。
他の具体的な態様において、前記トリップ解除レバー(7)は、爪部材(5)に取り付けられた支持ベース(74)に一定の角度範囲で回動可能に枢支されると共に、進出位置でのシーブ(2)のかご上昇回転に伴って凸部(71)が1つの突片(33)により押圧されたときの回転方向とは逆向きに回転付勢されている。
上記具体的態様によれば、復帰動作におけるトリップ解除レバー(7)の凸部(71)と突片(33)との衝突に伴う衝撃が、トリップ解除レバー(7)の付勢に抗した回動によって緩和される。
更に具体的な態様において、前記トリップ解除レバー(7)の凸部(71)には、トリップ解除レバー(7)の進出位置でのシーブ(2)のかご上昇回転に伴って突片(33)が当接すべき第1押圧受け面(72)と、トリップ解除レバー(7)の進出位置でのシーブ(2)のかご下降回転に伴って突片(33)が当接すべき第2押圧受け面(73)とが形成され、第2押圧受け面(73)は、第1押圧受け面(72)よりも、突片(33)との接触角が小さく設定されている。
上記具体的態様によれば、かご(103)の速度が所定の閾値を越えて、トリップレバー(6)が回動し、爪部材(5)がラチェット(3)との噛合位置へ向けて回動する過程で、該爪部材(5)の回動に伴ってトリップ解除レバー(7)の凸部(71)が突片(33)と衝突し得る位置へ移動したとしても、シーブ(2)のかご下降回転によって突片(33)はトリップ解除レバー(7)の第2押圧受け面(73)に摺接するものの、第2押圧受け面(73)の接触角は小さいために、トリップ解除レバー(7)は僅かな力により僅かに回動するだけで、シーブ(2)のかご下降回転に支障は生じない。従って、シーブ(2)のかご下降回転をラチェット(3)に伝え、該ラチェット(3)の回転トルクによって制動シュー(41)を牽引して調速機ロープに制動をかける制動動作が、正常に実行される。
本発明に係る第1のエレベータの調速機によれば、乗り場の壁に点検用開口部を設けることなく遠隔操作によって容易且つ安全に点検作業を行なうことが出来る。
又、本発明に係る第2のエレベータの調速機によれば、かごの速度が所定の閾値を越えてトリップ機構が動作した場合にシーブを回転させるだけで調速機を自動復帰させることが出来る。特に突片を複数配備した場合は、かごの速度が所定の閾値を越えてシーブが停止したときのシーブの回転角度姿勢に拘わらず、僅かにシーブを回転させるだけで自動復帰を実現することが出来る。
図1は、本発明に係る調速機の斜視図である。 図2は、本発明に係る調速機の側面図である。 図3は、遠隔操作装置が繋がっている部分を示す側面図である。 図4は、トリップ動作開始時における調速機の要部を示す側面図である。 図5は、トリップ動作の中間時点における調速機の要部を示す側面図である。 図6は、トリップ動作終了時における調速機の要部を示す側面図である。 図7は、トリップ動作開始時における調速機の要部を示す他の側面図である。 図8は、トリップ動作の中間時点における調速機の要部を示す他の側面図である。 図9は、トリップ動作終了時における調速機の要部を示す他の側面図である。 図10は、トリップ解除動作開始時における調速機の要部を示す側面図である。 図11は、トリップ解除動作開始時における調速機の要部を示す他の側面図である。 図12は、トリップ解除動作の中間時点における調速機の要部を示す側面図である。 図13は、トリップ解除動作終了時における調速機の要部を示す側面図である。 図14は、トリップ解除レバーの回転中心から突片との接触点までの半径方向距離を説明する図である。 図15は、トリップ動作時におけるトリップ解除レバーと突片との接触状態を示す側面図である。 図16は、機械室レスエレベータにおける調速機の設置状態を示す図である。
以下、本発明の実施の形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
本発明に係るエレベータの調速機は、かごの速度が第1の閾値(定格速度の1.3倍)に達すると、電気接点を遮断してブレーキを動作させ、その後もかごが停止せず、かごの速度が第2の閾値(定格速度の1.4倍)に達すると、後述のトリップ動作により非常停止装置を作動させて、かごを非常停止させるものである。
尚、かごの速度が第1の閾値(定格速度の1.3倍)に達したときの具体的な動作については説明を省略する。
1.全体構成
図1に示す如く調速機(1)は、エレベータ昇降路内の上部に支持されるべきU字状のフレーム(10)を具え、該フレーム(10)には、調速機ロープを巻き付けるべきシーブ(2)が、水平の回転軸(20)によって回転可能に支持されると共に、揺動アーム(4)が、その基端部にて、シーブ(2)の外周面に対して接近離間可能に枢支されている。揺動アーム(4)には、シーブ(2)の外周面との対向部に、シーブ(2)に巻き付けられた調速機ロープに接触して制動をかける制動シュー(41)が取り付けられている。
調速機(1)には、保守点検時に乗り場側から操作すべき2つの遠隔操作装置(11)(12)が接続されている。一方の遠隔操作装置(12)は、上述の電気接点を復旧させるものであり、他方の遠隔操作装置(11)は、調速機(1)及び非常停止装置の動作確認を目的として、遠隔操作によって調速機(1)を強制的にトリップさせるためのものである。
遠隔操作装置(11)(12)と調速機(1)のフレーム(10)との間には可撓性を有するチューブ(15)(16)が伸びており、該チューブ(15)(16)には金属製のワイヤ(13)(14)が挿通されており、該ワイヤ(13)(14)の一端が遠隔操作装置(11)(12)にそれぞれ連結されると共に、該ワイヤ(13)(14)の他端が、フレーム(10)に設けられた可動部(82)(19)にそれぞれ連結されている。可動部(82)(19)は、コイルバネ(17)(18)によって、遠隔操作装置(11)(12)の操作方向とは逆向きに付勢されている。
従って、遠隔操作装置(11)(12)を操作してワイヤ(13)(14)を牽引すると、可動部(82)(19)がコイルバネ(17)(18)の付勢に抗して移動し、その後、遠隔操作装置(11)(12)に対する操作力を解除すると、可動部(82)(19)がコイルバネ(17)(18)の付勢によって元の位置に戻ることになる。
2.制動機構及びトリップ機構、並びにそれらの動作
図2に示す如く、シーブ(2)は、かごの上昇に伴って図2における時計方向に回転し、かごの下降に伴って図2における反時計方向に回転するものである。以下、かごが上昇するときのシーブ(2)の回転をかご上昇降回転と呼び、かごが下降するときのシーブ(2)の回転をかご下降回転と呼ぶ。
シーブ(2)の側面には、シーブ(2)の回転に応じた遠心力を受けて回動する一対のフライウェイト(21)(21)が配備され、両フライウェイト(21)(21)は、リンク(22)によって互いに連結されると共に、図1に示す平衡バネ(23)によって、遠心力に抗する付勢力が与えられている。
従って、シーブ(2)の回転速度が増大すると、一対のフライウェイト(21)(21)が回転速度に応じた遠心力を受けて拡開方向に回動し、遠心力と平衡バネ(23)の付勢力とが平衡した姿勢に設定されることになる。
フレーム(10)には、シーブ(2)の回転軸(20)と同軸上に、周囲に多数の歯(31)を有するラチェット(3)が回転可能に支持されている。
揺動アーム(4)の上端部には軸(44)が貫通しており、該軸(44)の先端部が連結レバー(43)を介してラチェット(3)の側面と連結されると共に、該軸(44)の基端部にはバネ受け部材(45)が取り付けられ、揺動アーム(4)の上端部とバネ受け部材(45)との間にコイルバネ(42)が介装されている。
従って、ラチェット(3)が反時計方向に回転駆動されると、該ラチェット(3)の回転トルクによって連結レバー(43)及び軸(44)が左方に牽引され、その牽引力がコイルバネ(42)を介して揺動アーム(4)の上端部に作用する。これによって、コイルバネ(42)が圧縮されると共に、揺動アーム(4)が反時計方向に回動し、制動シュー(41)がシーブ(2)に巻き付けられた調速機ロープに押し付けられることになる。
その後、ラチェット(3)の回転駆動が停止されると、コイルバネ(42)が弾性復帰して、制動シュー(41)による制動が解除される。
斯くして、ラチェット(3)、揺動アーム(4)及び制動シュー(41)によって、調速機ロープに制動をかける制動機構が構成される。
図4に示す如く、シーブ(2)の側面には、トリップ機構を構成すべきトリップレバー(6)と爪部材(5)とが、それぞれシーブ(2)の回転軸と平行な枢軸(60)(50)を中心に回動可能に支持されている。
トリップレバー(6)は、枢軸(60)を中心として、一方の端部に係止部(62)を有すると共に、他方の端部にカムフォロワー(61)を有している。爪部材(5)は、枢軸(50)を中心として、一方の端部に、トリップレバー(6)の係止部(62)によって係止されるべき係止受け部(51)を有すると共に、他方の端部に、ラチェット(3)の歯(31)と噛合すべき爪部(52)を有している。
トリップレバー(6)はトーションバネ(63)によって時計方向に回転付勢され、爪部材(5)はコイルバネ(53)によって反時計方向に回転付勢されている。
調速機(1)の通常運転状態では、図4の如くトリップレバー(6)の係止部(62)が爪部材(5)の係止受け部(51)を係止して、爪部材(5)の爪部(52)をラチェット(3)の歯(31)から離間させた状態に保持している。
従って、この状態でラチェット(3)は回転が可能であり、前述の制動機構による制動は解除されている。
トリップレバー(6)には、係止部(62)の近傍位置に突子(64)が取り付けられており、該突子(64)は、図2に示す一方のフライウェイト(21)の自由端側の端部に当接しており、かごの昇降に伴うシーブ(2)の回転によってフライウェイト(21)が回動する過程で、かご速度が前記第2の閾値を越えたとき、フライウェイト(21)が突子(64)を押圧して、トリップレバー(6)を反時計方向に回動させることが可能となっている。
図5に示す如く、トリップレバー(6)がトーションバネ(63)に抗して反時計方向に回動すると、トリップレバー(6)の係止部(62)が爪部材(5)の係止受け部(51)から離脱し、これによって爪部材(5)はコイルバネ(53)の付勢を受けて反時計方向に回動し、最終的に図6の如く爪部材(5)の爪部(52)がラチェット(3)の歯(31)と噛合することになる。
この状態で、シーブ(2)が更にかご下降回転を続けると、該シーブ(2)の回転によってラチェット(3)が爪部材(5)により押圧されて、反時計方向に回転駆動される。
この結果、制動シュー(41)がシーブ(2)に巻き付けられた調速機ロープに押し付けられ、調速機ロープに制動をかけると、調速機ロープとかごとの間に相対移動が生じて、非常停止装置が作動し、かごが非常停止することになる。
3.リモートトリップ機構及びトリップ動作
図2に示す如く、フレーム(10)には、シーブ(2)の外周部に沿う位置に、トリガー部材(8)が配備され、該トリガー部材(8)は、一方の端部が枢軸(80)により枢支されて揺動が可能である。
図3に示す如く、トリガー部材(8)の揺動端部には可動部(82)が連結されており、前述の遠隔操作装置(11)によりワイヤ(13)を牽引することによって、トリガー部材(8)をコイルバネ(17)の付勢に抗して反時計方向に回動させることが可能である。
トリガー部材(8)には、図4の如くトリップレバー(6)のカムフォロワー(61)との対向部に、カムフォロワー(61)と摺接可能なカム面(81)が形成されている。
調速機(1)の通常運転状態では、図3に示すコイルバネ(17)の付勢によってトリガー部材(8)は時計方向の回動端に保持されており、図4及び図7に示す様に、トリガー部材(8)のカム面(81)はトリップレバー(6)のカムフォロワー(61)から僅かに離間している。
保守点検時において、乗り場側から遠隔操作装置(11)の操作によって調速機(1)をトリップさせるべく、かごの降下中に遠隔操作装置(11)を操作してワイヤ(13)を引くと、図5及び図8に示す様に、トリガー部材(8)が反時計方向に回動し、シーブ(2)のかご下降回転に伴って、トリガー部材(8)のカム面(81)がトリップレバー(6)のカムフォロワー(61)と摺接する。
この結果、トリップレバー(6)がトーションバネ(63)の付勢に抗して反時計方向に回動し、トリップレバー(6)の係止部(62)が爪部材(5)の係止受け部(51)から離脱する。これによって、爪部材(5)はコイルバネ(53)により付勢されて、図6に示す様に、爪部(52)がラチェット(3)の歯(31)と噛合することになる。
この状態で、かごの降下に伴ってシーブ(2)が更に反時計方向に回転すると、この回転が爪部材(5)を介してラチェット(3)に伝えられる。このラチェット(3)の回転トルクによって図2に示す連結レバー(43)が牽引され、これによって制動シュー(41)がシーブ(2)に巻き付けられた調速機ロープに押し付けられ、調速機ロープに制動がかけられる。
この結果、図16に示す調速機ロープ(93)と非常停止装置(90)の間に相対移動が発生し、この相対移動がレバー(94)を介して非常停止装置(90)に伝わり、非常停止装置(90)が作動する。これによってかご(103)は非常停止することになる。
4.自動復帰機構及び復帰動作
図2に示す如く、ラチェット(3)の側面には、外周に複数(12個)の突片(33)を一定の角度ピッチ(30度間隔)で形成した円板(32)が固定されており、これらの突片(33)は、シーブ(2)の回転軸(20)を中心とする円周線上に並んでいる。
又、図4に示す如く、爪部材(5)には支持ベース(74)が固定され、該支持ベース(74)上に、爪部材(5)の枢軸(50)と平行な枢軸(70)によって枢支されたトリップ解除レバー(7)が配備されている。
トリップ解除レバー(7)は、シーブ(2)の回転軸側に、略三角形状に突出する凸部(71)を有し、枢軸(70)を中心として一定角度範囲内で回動が許容されると共に、支持ベース(74)との間に張設されたコイルバネ(75)によって反時計方向に回転付勢されている。
図14及び図15に示す如く、トリップ解除レバー(7)の凸部(71)には、トリップ解除レバー(7)の進出位置でのシーブ(2)のかご上昇回転に伴って突片(33)が当接すべき第1押圧受け面(72)と、トリップ解除レバー(7)の進出位置でのシーブ(2)のかご下降回転に伴って突片(33)が当接すべき第2押圧受け面(73)とが形成され、第2押圧受け面(73)は、第1押圧受け面(72)よりも、突片(33)との接触角が小さく設定されている。
トリップ解除レバー(7)は、図4に示す調速機(1)の通常運転状態では、シーブ(2)の外周寄りの位置(後退位置)に保持されているが、図5及び図6に示す様に、トリップ時の爪部材(5)の反時計方向の回動に伴って、トリップ解除レバー(7)はシーブ(2)の回転軸側へ移動し、図9及び図10に示すトリップ状態では、複数の突片(33)が並ぶ円周線上へトリップ解除レバー(7)の凸部(71)を進出させた位置(進出位置)まで移動することになる。
調速機(1)の保守点検の後、調速機(1)を自動復帰させるときは、かごを僅かに上昇させて、図11及び図12の如くシーブ(2)を僅かに回転させる。かごの上昇に伴って、非常停止装置のガイドレールに対する制動状態が解除される。
又、シーブ(2)のかご上昇回転によって、トリップ解除レバー(7)の凸部(71)が1つの突片(33)に当接する。この時点でラチェット(3)は爪部材(5)の爪部(52)により押圧されて、時計方向の回転が規制されているため、突片(33)は一定位置に固定されている。従って、トリップ解除レバー(7)は、凸部(71)の第1押圧受け面(72)を突片(33)によって押圧され、コイルバネ(75)の付勢に抗して時計方向に回動することになる。
尚、トリップ解除レバー(7)の凸部(71)が突片(33)に衝突したとしても、トリップ解除レバー(7)を付勢しているコイルバネ(75)が弾性変形することにより、衝撃力が緩和される。
トリップ解除レバー(7)が回動する過程で、図14に示す様に、トリップ解除レバー(7)の枢軸(70)から突片(33)との接触点までの、枢軸(70)−回転軸(20)間の半径線に沿う距離Aは、トリップ解除レバー(7)の回動に伴って徐々に増大するので(図11〜図12参照)、シーブ(2)の回転は、爪部材(5)をも枢軸(50)を中心として時計方向に回動させることとなる。
この結果、図13に示す様に、爪部材(5)の係止受け部(51)がトリップレバー(6)の係止部(62)に係合し、爪部材(5)は、図7に示す如く爪部(52)をラチェット(3)から離脱させた姿勢に保持される。
尚、図13に示す様にトリップレバー(6)の係止部(62)が爪部材(5)の係止受け部(51)を係止した状態では、トリップ解除レバー(7)は、複数の突片(33)が並ぶ円周線上から後退する。
上記のトリップ解除動作によって、ラチェット(3)の時計方向の回転が可能となり、これによって図2に示す連結レバー(43)の牽引が解除され、制動シュー(41)がシーブ(2)に巻き付けられた調速機ロープから離間した非制動状態に復帰することなる。
図4〜図6に示すトリップ動作の過程で、トリップ解除レバー(7)は後退位置から前進位置まで移動し、トリップ解除レバー(7)の凸部(71)が図15の如く2つの突片(33)(33)の間へ介入するので、シーブ(2)のかご下降回転によってトリップ解除レバー(7)の第2押圧受け面(73)が突片(33)に接触することになる。しかしながら、第2押圧受け面(73)に対する突片(33)の接触角Cは、第1押圧受け面(72)に対する突片(33)の接触角よりも小さく、第2押圧受け面(73)に作用する力Fは、接触点と爪部材(5)の回転中心を結ぶ直線よりも内側を向いており、トリップ解除レバー(7)を回転付勢するコイルバネ(75)の弾性によって生じるトルクは爪部材(5)を回転付勢するコイルバネ(53)の弾性によって生じるトルクよりも充分に小さく、然も、回転軸(20)を通過する半径線に沿う方向の、第2押圧受け面(73)の突片(33)との接触領域Bが非常に狭いので、トリップ解除レバー(7)は突片(33)との衝突で僅かな力により僅かに回動するに過ぎず、シーブ(2)のかご下降回転、即ちトリップ動作に支障は生じない。
この結果、シーブ(2)のかご下降回転をラチェット(3)に伝えて、該ラチェット(3)の回転トルクによって制動シュー(41)を牽引して調速機ロープに制動をかける制動動作は、正常に実行される。
上述の如く、本発明に係るエレベータの調速機によれば、乗り場の壁に点検用開口部を設けることなく、乗り場側から遠隔操作装置(11)を操作することによって容易にトリップ動作を行なわせることができ、これによって作業員は安全に点検作業を行なうことが出来る。
又、かごの速度が第2の閾値を越えてシーブ(2)が停止したときのシーブ(2)の回転角度姿勢に拘わらず、突片(33)の間隔に応じた僅かな角度(上記実施態様では最大で約30度)だけシーブ(2)を回転させることによって、調速機(1)を自動復帰させることが出来る。これによって復帰作業の効率が向上する。
本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、突片(33)の数は12個に限らず、任意の個数とすることが出来る。
(1) 調速機
(10) フレーム
(11) 遠隔操作装置
(2) シーブ
(3) ラチェット
(33) 突片
(41) 制動シュー
(5) 爪部材
(50) 枢軸
(51) 係止受け部
(52) 爪部
(6) トリップレバー
(60) 枢軸
(61) カムフォロワー
(62) 係止部
(7) トリップ解除レバー
(70) 枢軸
(71) 凸部
(72) 第1押圧受け面
(73) 第2押圧受け面
(8) トリガー部材
(81) カム面

Claims (6)

  1. 昇降路内の一定の高さ位置に配備され、かごの速度が所定の閾値を越えたとき、かごに取り付けられた非常停止装置を作動させるエレベータの調速機において、
    昇降路内の一定の高さ位置に設けられたフレームに、シーブが回転可能に支持されると共に、シーブに巻き付けられた調速機ロープに制動をかける制動機構が配備され、該シーブには、シーブの回転に応じた遠心力を受けて回動するフライウェイト機構が配備され、フライウェイト機構と制動機構との間には、該フライウェイト機構の回動量が所定量を越えたときに制動機構を非動作状態から動作状態へ移行させるトリップ機構が介在し、該トリップ機構には、ワイヤを介して遠隔操作装置が連繋し、かごの降下中に遠隔操作装置を操作して、調速機ロープと非常停止装置の間に相対移動を発生させることにより、非常停止装置を作動させることが可能であることを特徴とするエレベータの調速機。
  2. 前記制動機構は、
    前記フレームに、シーブの回転軸と同軸に枢支され、外周に多数の歯を有するラチェットと、
    ラチェットに連結レバーを介して連結され、ラチェットの回転に伴ってシーブの外周面に接近離間する制動シュー
    とを具え、
    前記トリップ機構は、
    シーブに枢支され、一方の端部にラチェットの歯と噛合すべき爪部を有すると共に、他方の端部に係止受け部を有する爪部材と、
    爪部材をラチェットとの噛合方向に付勢する第1付勢手段と、
    シーブに枢支され、一方の端部に、爪部材の係止受け部に係合して爪部材の爪部をラチェットから離脱させた位置に保持すべき係止部を有すると共に、他方の端部にカムフォロワーを有するトリップレバーと、
    トリップレバーを爪部材との係合方向に付勢する第2付勢手段と、
    フレームに枢支され、トリップレバーのカムフォロワーと摺接可能なカム面を有するトリガー部材
    とを具え、遠隔操作装置は、トリガー部材とワイヤを介して連結され、トリガー部材のカム面をトリップレバーのカムフォロワーに対して接近離間させるものである請求項1に記載のエレベータの調速機。
  3. 昇降路内の一定の高さ位置に配備され、かごの速度が所定の閾値を越えたとき、かごに取り付けられた非常停止装置を作動させるエレベータの調速機において、
    昇降路内の一定の高さ位置に設けられたフレームに、シーブが回転可能に支持されると共に、シーブに巻き付けられた調速機ロープに制動をかける制動機構が配備され、該シーブには、シーブの回転に応じた遠心力を受けて回動するフライウェイト機構が配備され、該フライウェイト機構と制動機構との間には、フライウェイト機構の回動量が所定量を越えたときに制動機構を非動作状態から動作状態へ移行させるトリップ機構が介在し、
    少なくとも制動機構の動作状態でシーブのかご上昇回転と同一方向の回転が規制されている部材には、シーブの回転軸を中心とする円周線上に1又は複数の突片が配備されると共に、前記トリップ機構には、トリップ解除レバーが連繋し、該トリップ解除レバーには、前記円周線の内側へ向けて突出する凸部が形成され、該トリップ解除レバーは、前記トリップ機構が制動機構を動作させていない状態では、前記凸部を前記円周線上から後退させた後退位置に保持され、前記トリップ機構が制動機構を動作させた状態では、前記凸部を前記円周線上へ進出させた進出位置に設定され、
    トリップ解除レバーは、進出位置でのシーブのかご上昇回転に伴って凸部が1つの突片により押圧され、該トリップ解除レバーの進出位置から後退位置へ向かう移動によりトリップ機構を逆向きに動作させて、制動機構を動作状態から非動作状態に復帰させることを特徴とするエレベータの調速機。
  4. 前記制動機構は、
    前記フレームに、シーブの回転軸と同軸に枢支され、外周に多数の歯を有するラチェットと、
    ラチェットに連結レバーを介して連結され、ラチェットの回転に伴ってシーブの外周面に接近離間する制動シュー
    とを具え、
    前記トリップ機構は、
    シーブに枢支され、一方の端部にラチェットの歯と噛合すべき爪部を有すると共に、他方の端部に係止受け部を有する爪部材と、
    爪部材をラチェットとの噛合方向に付勢する第1付勢手段と、
    シーブに枢支され、一方の端部に、爪部材の係止受け部に係合して爪部材の爪部をラチェットから離脱させた位置に保持すべき係止部を有するトリップレバーと、
    トリップレバーを爪部材との係合方向に付勢する第2付勢手段
    とを具え、前記トリップ解除レバーは、爪部材に連繋し、前記1又は複数の突片は、ラチェットに固定された部材に設けられている請求項3に記載のエレベータの調速機。
  5. 前記トリップ解除レバーは、爪部材に取り付けられた支持ベースに一定の角度範囲で回動可能に枢支されると共に、進出位置でのシーブのかご上昇回転に伴って凸部が1つの突片により押圧されたときの回転方向とは逆向きに回転付勢されている請求項4に記載のエレベータの調速機。
  6. 前記トリップ解除レバーの凸部には、トリップ解除レバーの進出位置でのシーブのかご上昇回転に伴って突片が当接すべき第1押圧受け面と、トリップ解除レバーの進出位置でのシーブのかご下降回転に伴って突片が当接すべき第2押圧受け面とが形成され、第2押圧受け面は、第1押圧受け面よりも、突片との接触角が小さく設定されている請求項5に記載のエレベータの調速機。
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