JP2011042308A - 自動車用ウインドガラスの閉忘れ防止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウインドガラスが開いている場合に、その状態を外方に明瞭にアピールする。
【解決手段】ドア2が昇降により開閉されるウインドガラス3を有しているとともに、ウインドガラスの開状態を発光を利用して外方から認識可能にしたウインドガラスの閉忘れ防止装置であって、ウインドガラス3の上側に設けられた発光体30と、ドア2の内部に配置されてウインドガラスの下側よりガラス厚さ内に沿って上方に向けて入射して発光体30を発光させるための光源9(11)と、ウインドガラスの上端又はその上端と対向する窓枠の対向部の何れかに設けられて、ウインドガラスの閉状態において光源9(11)を非点灯とし、ウインドガラスの開状態のときにだけ光源を点灯するスイッチ手段16とを備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、ドアのウインドガラスの閉忘れ防止装置に関し、特にウインドガラスの開状態を発光を利用して認識可能にするウインドガラスの閉忘れ防止装置に関する。
乗用車では、運転者などが就寝中の乳幼児や、犬猫などのペットを車室においたまま車から一時的に離れることもあり、例えば日中の駐車場などに車を残置した場合には、日射による過度の車室の温度上昇により、当該車室に残された乳幼児或いはペットが気分を悪くしたり、極端な場合には熱射病を発症する虞もある。従って、ウィンドガラスを半開し、車室内の通気性を確保しておいたり、非ロック状態とすることにより、運転者などの関係者、或いは第三者が気がつけば直ちにドアを開放して何らかの処置を施すことができる。
しかし、直ぐに車内を開け放てるようにした場合には防盗上の問題が生ずる。またドアロックにより防盗処置を施したとしても、ウインドガラスを開けたままだと、悪意の第三者がウインドガラスの上部開口よりドアの内側に手や工具を差し込んで、ロックが解除されてしまう虞もある。
何れの場合においても、ウィンドガラスが開いていることを明確に認識可能にしたり表示できれば、ウインドガラスの閉忘れに起因した盗難や雨の侵入により車室を汚す虞、逆に幼児やペットが車室にいることを当事者はもちろん第三者にアピールできるが、実際にはこの種の表示は実用化されていなかった。
ところで、特許文献1には、ドアの内側の下方に設けられて、ドアの開閉と連動してついたり消えたりするカーテシランプを利用してウインドガラスを照光するウインドガラス閉忘れ防止装置が開示されている。すなわち、この閉忘れ防止装置では、カーテシランプが夜間ドアの開放時に点灯すると、その発光の一部が光ファイバケーブルを通してウインドガラス下端に設けられた導光部材に入射するとともに、レンズカット部を介して上方へ光反射され、その反射光がウインドガラス内を透光してガラス上端縁から光放射される。これにより、この構造では、ドアの開放時にウインドガラスが開いていると、ガラス上端縁が発光することによりドアの閉め忘れを警報したり認識可能にしたものである。また、特許文献2には、自動車盗難などの車両犯罪を未然防止する防犯ドアとして、ウインドガラスと平行して昇降可能な防犯板を配置し、それぞれを個別のレギュレータで昇降させる構造が開示されている。
特開平8−30100号公報 特開2007−1353号公報
特許文献1の構造は、あくまでもドアの開状態においてウインドガラスの閉忘れを防止するための安全確認用であり、ドア閉状態において、ウインドガラスが開いていることを認識可能にしたり表示するものではない。
特許文献2の構造では、防盗用としては好適ではあるものの、操作が面倒である。また、幼児、ペットなどの閉じこめ防止策としては不適な構造である。
本発明者はウインドガラスが開いていることを外方から明確に目視確認したり、注目を集めることができれば、逆に当事者はもちろん第三者の注意を喚起し、防盗防止上有利であること、及び上記したような閉じ込め防止対策としても好適であることに着目した。
本発明は以上のような着眼点に基づきなされたものである。その目的は、ウインドガラスが開いている場合に、車から離れた当事者(運転者、その他の乗員)はもちろん第三者にも明確にアピールできるようにした自動車用ドアウインドガラスの閉忘れ防止装置を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明は、ドアが昇降により開閉されるウインドガラスを有しているとともに、前記ウインドガラスの開状態を発光を利用して外方から認識可能にしたウインドガラスの閉忘れ防止装置であって、前記ウインドガラスの上側に設けられた発光体と、前記ドアの内部に配置されて前記ウインドガラスの下側よりガラス厚さ内に沿って上方に向けて入射して前記発光体を発光させるための光源と、前記ウインドガラスの上端又はその上端と対向する窓枠の対向部の何れかに設けられて、前記ウインドガラスの閉状態において前記光源を非点灯とし、前記ウインドガラスの開状態のときにだけ前記光源を点灯するスイッチ手段とを備えていることを特徴とする。
以上の発明において、光源としては、形態のごとくウインドガラスの下側に装着されてウインドガラスの昇降に追随する構成、ドアの内部定位置に配置されそこからウインドガラス下側よりガラス厚さ内に沿って光を入射する構成の何れでもよい。光源の光つまり点灯光は、特定の色で構成する以外に複数色にて構成するようにしてもよい。スイッチ手段としては、ウインドガラスが閉状態から開になったときに光源に通電し、再び開状態から閉になったとき光源に対する通電を遮断するよう作動すればよく、例えば既存のパワーウインドウマスタースイッチ又はそれに類似したスイッチ類から適宜に選択される。
以上の本発明は、次のように具体化されることがより好ましい。すなわち、
(1)前記発光体が、前記ウインドガラスの上縁又は該上縁より所定距離だけ下側に内装(インサート)されて前記光源の点灯光を受光することにより自己発光する蛍光物質からなる構成である(請求項2)。
(2)前記発光体が、前記ウインドガラスの上縁に沿って形成された光散乱面である構成である(請求項3)。
請求項1の発明では、ウインドガラスが少しでも開いていると、その上縁部が発光することによって運転者などの当事者はもちろん、第三者にもウインドガラスの開状態を確実に認識されるようにし、それにより防盗防止上好ましいだけでなく、課題に挙げたようなウインドガラスの開状態に対する注意喚起に最適なものとなり、加えてウインドガラスの開状態において、新奇な意匠が形成されるためウインドガラスの外形を縁取る一種のディスプレイとしても機能できる。
請求項2の発明では、ウインドガラスの上縁又は上縁より少し下側に沿って蛍光物質が自己発光することから日中でもその輪郭が人目に付き易いものとなって、課題に挙げたような点からより好適なものとなる。
請求項3の発明では、ウインドガラスの上縁に凹凸加工により乱反射面を形成すればよいので、簡易な構成により日中でもその輪郭が人目に付き易いものとなって、課題に挙げたような点からより好適なものとなる。
(a),(b)は本発明に係る閉忘れ防止装置を備えた乗用車のウインドガラス全閉時と、半開時の状態を模式的に示す側面図である。 (a)は上記ウインドガラスを有したドアの内部構成を模式的に示すウインドガラスの閉状態での側面図、(b)はそのA部拡大図である。 (a)は上記ウインドガラスを有したドアの内部構成を模式的に示すウインドガラスの開状態での側面図、(b)はそのB部拡大図である。 (a)は図3の開状態において発光体として蛍光物質を用いた構成における一部省略した模式断面図、(b)はその変形例である。 図3の開状態において発光体としてウインドガラスの上縁に凹凸加工を施した構成を示す要部拡大断面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照しながら説明する。この説明では、ウインドガラスの閉忘れ防止装置の構造、その作動の順に詳述する。
(構造)図1の乗用車1は、サイドドアが片側2つ、合計4つのドア2を備えている。各ドア2は、昇降式のウインドガラス3を有しており、(a)に示すウインドガラス3の全閉状態から、(b)に示す半開から全開状態となると、ウインドガラス3の上縁3aが照光して、その開状態を表示可能となっている。
図2のドア2は運転席側のフロントドア2の内部を模式的に示している。このドア構造では、ウインドガラス3の閉忘れ防止装置として、ウインドガラス3の上側に設けられた発光体30又は31と、ウインドガラス3の下側よりガラス厚さ内に沿って上方に向けて入射して発光体30又は31を発光させるための光源である照明具11と、ウインドガラス3の上端又はその上端と対向する窓枠つまりガラス支持フレーム5aの対向部の何れかに設けられて、ウインドガラス3の閉状態において光源11を非点灯とし、ウインドガラスの開状態のときにだけ照明具11を点灯するスイッチ手段としてのマイクロスイッチ16とを備えている。
また、車体パネルの開口部(不図示)に対し上下1対のヒンジ4を介して開閉可能に取付けられる点、不図示のドアロックノブ及びロック機構を介して車体側にロックされる点、ドアパネル5がインナパネル及びアウタパネル等からなっていて、ウインドガラス3などを格納する下側空間を形成し、ウインドガラス3で開閉される枠部つまりガラス支持フレーム5aを形成している点、ドアパネル5のウエスト部及び支持フレーム5aの内側に設けられた弾性ガスケットなどを有し、ウインドガラス3が開閉時にドアパネル5に直に接しないようにしたりシール性を確保している点で従来と同じ。このため、ここではそれらの説明を省く。
ウインドガラス3は、下縁の前後部に装着された複数の支持体7を有し、各支持体7がドアパネル5の前後にあってパネル上下に配設されたガイド部材6に沿って摺動されるとともに、不図示のウインドウレギュレータを介して昇降される。なお、図2中、符号8はそのウインドレギュレータ用のモータであり、ガイド部材6の上部側に設けた固定プーリと支持体7に設けられた可動プーリとの間にワイヤをたすきがけに掛け回し、モータ8の正逆転によるワイヤの巻取、繰出しに伴い支持体7をウインドガラス3とともにガイド部材6に沿って昇降可能としている。この操作は、ドアパネル5の対応部に添設される不図示のドアトリムに設けられたコントロールスイッチによって行われる。
また、ウインドガラス3の下縁には、照明具9がガラス下端面に沿って配置されている。この照明具9は、ウインドガラス3の下縁側に一体的に取付けられ、上側だけ光透過可能にしたシリンドリカルレンズ10と、シリンドリカルレンズ10の前後に対向配置された1対のランプ11とを有し、全体がウインドガラス3とともに昇降可能となっている。ランプ11としては高輝度LEDが用いられている。但し、ランプとしてはその他の各種ランプ、特に照射時に蛍光体を自己発光させるに好適なものであればよい。
各ランプ11及びモータ8は、ドアパネル5のヒンジ側(図2の左側)にあって、蛇腹ホース12を通じて車体の電源供給部からドアパネル5内に引込んだ給電線14,15に接続されている。各ランプ11の給電線15は、ガラス支持フレーム5a内の上内側に設けたマイクロスイッチ16により点灯及び消灯(非点灯)されるようになっている。マイクロスイッチ16は、図2(b)に模式的に拡大したごとくそのアクチュエータ16aが、ウインドガラス3の上縁に接することにより電源をオフし、かつ、図3(b)に模式的に拡大したごとくウインドガラス3の上縁が離間した状態、すなわちウインドガラス3が下げられてガラス支持フレーム5aの内側が少しでも開放されると、電源をオンする圧接ないしは感圧タイプ、ないしは市販されているパワーウインドウマスタースイッチ又はそれの改良スイッチ類である。
(作動)以上のウインドガラスの閉忘れ防止装置では、各ドア2がウインドガラス3の閉状態において、マイクロスイッチ16が電源をオフし、照明具9のランプ11が消灯(非点灯)されているためドア外観的に従来と同様であるが、ウインドガラス3が閉状態から少しでも下降されて開状態に切り換えられると、マイクロスイッチ16が電源をオンする。すると、この構造では、ランプ11が点灯し、その結果、図4(a)のごとく、点灯光ないしは光源光がシリンドリカルレンズ10の上出光面から矢印に示すごとく、ウインドガラス3の厚み内で適度に反射屈折しつつ上縁3aに至り、この部分に沿ってコーティングなどによって一体化された蛍光物質30を照射し、この蛍光物質30の自己発光により、上縁部3aのみを所定の輝度で光らせる。これによって、この構造では、外方からでも容易にウインドガラス30が開けっ放しであることを視認でき、自動車を離れた運転手などの当事者、或いは第三者に明瞭にアピールすることができるのである。
ここで、図4(a)はウインドガラス3の上縁3aに蛍光体として蛍光物質30を一体化した構成である。これに対し、図4(b)は蛍光体としての蛍光物質31をウインドガラス3の上縁3aより所定距離だけ下側で、上縁3aと略平行となるようインサートした構成である。この場合も、ウインドガラス3が閉状態から少しでも下降されて開状態に切り換えられると、マイクロスイッチ16が電源をオンし、ランプ11が点灯することで、ランプ11の光がウインドガラス3の厚み内で適度に反射屈折しつつ蛍光物質31に照射し、この蛍光物質31の自己発光により、ウインドガラス30が開けっ放しであることを視認可能にする。
図5は蛍光体を簡略化した一例である。すなわち、この構成では、ウインドガラス3の上縁3aに凹凸加工などによる光散乱面32を形成している。この光散乱面32は、ウインドガラスの製造過程で簡単に形成可能であり、上記した蛍光物質30と同様に機能し、昼光下ではあまり目立たないが、夜あるいはトンネルなどの暗部においてウインドガラス3の輪郭を明瞭に際だたせることができる。
なお、本発明に係るウインドガラスの閉忘れ防止装置は、各請求項で特定される構成を実質的に備えておればよく、細部は形態及び変形例を参考にして変更可能なものである。例えば、以上の形態では、本発明を4ドア車に適用した場合を説明したが、2ドア車であってウインドガラスが昇降するタイプであれば適用可能である。
また、蛍光体としては、上述したウインドガラスの上縁又は/及び該上縁より所定距離(例えば、上端より5〜15cm程度)下側部分に蛍光物質やそれに類似するものを内装(インサート)しておく構成でもよい。この場合は、ウインドガラスの上縁より少し下がったガラス部分で光源の点灯光を受光して自己発光することから、ウインドガラスの開状態に対する注意喚起に加え、新奇な意匠も容易に実現可能となる。また、本発明のスイッチ手段は、ガラス支持フレーム側ではなくウインドガラスの上縁に付設するようにしてもよい。
1…自動車
2…ドア
3…ウインドガラス(3aは上縁)
4…ヒンジ
5…ドアパネル(5aはガラス支持フレーム)
6…昇降ガイド部材
7…支持体
8…モータ
9…照明具(光源に相当し、10はシリンドリカルレンズ、11はランプ)
14,15…給電線
16…マイクロスイッチ(スイッチ手段に相当し、16aはアクチュエータ)
30,31…蛍光物質(蛍光体に相当し)
32…光散乱面(蛍光体に相当し)

Claims (3)

  1. ドアが昇降により開閉されるウインドガラスを有しているとともに、前記ウインドガラスの開状態を発光を利用して外方から認識可能にしたウインドガラスの閉忘れ防止装置であって、
    前記ウインドガラスの上側に設けられた発光体と、
    前記ドアの内部に配置されて前記ウインドガラスの下側よりガラス厚さ内に沿って上方に向けて入射して前記発光体を発光させるための光源と、
    前記ウインドガラスの上端又はその上端と対向する窓枠の対向部の何れかに設けられて、前記ウインドガラスの閉状態において前記光源を非点灯とし、前記ウインドガラスの開状態のときにだけ前記光源を点灯するスイッチ手段
    とを備えていることを特徴とする自動車用ウィンドガラスの閉忘れ防止装置。
  2. 前記発光体が、前記ウインドガラスの上縁又は該上縁より所定距離だけ下側に内装されて前記光源の点灯光を受光することにより自己発光する蛍光物質からなることを特徴とする請求項1に記載の自動車用ウインドガラスの閉忘れ防止装置。
  3. 前記発光体が、前記ウインドガラスの上縁に沿って形成された光散乱面であることを特徴とする請求項1に記載の自動車用ウインドガラスの閉忘れ防止装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013193534A (ja) * 2012-03-19 2013-09-30 Shimizu Katsura 自動車用ウインドガラスの閉忘れ防止装置
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