JP2011042019A - 微細電子機械素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】対称性を向上させた微細電子機械素子を提供する。
【解決手段】可動電極108,109は、絶縁連結部材110により物理的に連結されている。これにより、第1の端子111および第2の端子112に対する駆動信号を印加すると、可動電極108,109が同様に変位するので、従来の二つのMEMSバラクタを単純に組み合わせた従来の場合と比較して、より高い対称性を得ることができる。
【選択図】 図1A

Description

本発明は、電圧を印加することにより移動する電極を備えた微細電子機械素子に関するものである。
近年、薄膜形成技術やフォトリソグラフィ技術を用いてエッチング等を行うことにより立体的な微細加工を行うMEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems)技術が脚光を浴びており、このMEMS技術を利用した微細電子機械素子の開発が行われている。この微細電子機械素子としては、例えば、無線通信回路などにおいて応用が期待されている可動電極と固定電極からなるMEMSバラクタが挙げられる(例えば、非特許文献1参照。)。このMEMSバラクタについて、図8A−図8Cを参照して説明する。
図8Aに示すように、MEMSバラクタ1000は、電気的絶縁性を有する部材からなる基板1001と、基板1001の上面に形成された固定電極1002と、基板1001上面の固定電極1002を挟む位置に配置され鉛直上方に延在する一対の柱状の支持部1003,1004と、一端が支持部1003の上端に支持され支持部1004の上端に向かって延在するバネ部1005と、一端が支持部1004の上端に支持され支持部1003の上端に向かって延在するバネ部1006と、バネ部1005,1006の他端が接続され、固定電極1002と対向配置された可動電極1007とを備えている。ここで、固定電極1002には第1の端子1008が、支持部1003には第2の端子1009がそれぞれ基板1001に設けられた電気配線を介して接続されている。また、固定電極1002、支持部1003,1004、バネ部1005,1006および可動電極1007は、導電性を有する部材から構成されている。したがって、可動電極1007は、バネ部1005および支持部1003を介して第2の端子1009と電気的に接続されることとなる。また、対向配置された固定電極1002と可動電極1007との間には、容量が形成されている。
このようなMEMSバラクタ1000の第1の端子1008と第2の端子1009の間に直流電圧を印加すると、図8Bに示すように、静電引力によって可動電極1007が固定電極1002側に引き寄せられる。これにより、固定電極1002と可動電極1007との間隔が変化するので、固定電極1002と可動電極1007との間の容量も変化する。MEMSバラクタは、従来の半導体技術を用いて作製される半導体バラクタと比べて、高い線形性や高い可変率を実現できることから、次世代の無線通信回路の実現を支える重要な素子と期待されている。
バラクタを用いる無線通信回路においては、雑音の影響を低減し、高い性能を得るため、差動回路を利用することが有効である。その差動回路では、振幅が等しく、位相が反転した二つの電圧もしくは電流からなる差動信号を処理することにより、雑音の影響を打ち消すことができる。
上述したMEMSバラクタ1000においては、第2の端子1009に図8Cに示す第1の信号(符号b)を、第1の端子1008に第1の信号を逆相となる第2の信号(符号c)を入力することにより、第1の端子1008と第2の端子1009との間に可動電極1007を変位させるためのバイアス信号に位相が互いにπだけずれた差動信号(符号b、c)を重畳して、差動回路用のバラクタとして利用することができる。
このような差動回路において、雑音低減の効果を十分に発揮するためには、回路に高い対称性が求められる。対称性が高いとは、差動信号を構成する二つの信号に対する処理が等価であることを意味し、高い対称性を備えることによって、雑音をより低減することが可能となる。高い対称性を備えた差動回路を実現するためには、回路を構成する素子自体が高い対称性を備えていることが望ましい。例えば二端子の素子においては、第一の端子から見た素子の特性と、第二の端子から見た素子の特性が等しいことが要求される。
M. V. Shakhrai, "Microelectromechanical (MEMS) Varactors for Mobile Communications," 4th Siberian Russian Workshop and Tutorials EDM’2003, Tutorials, 1-4 July, Erlagol, 2003.
しかしながら、上述したMEMSバラクタ1000のような従来の微細電子機械素子では、一方の第1の端子1008が固定電極1002に接続されるのに対し、他方の第2の端子1009は支持部1003およびバネ1005部を介して可動電極1007に接続されるため、構造が非対称であり、素子の特性の対称性も低いものとなっている。このため、寄生抵抗や寄生容量、寄生インダクタンスなどが非対称に分布するので、特に高周波において、第1の端子1008と第2の端子1009とでは、それぞれの立場から見た特性が異なってしまう。このような非対称な素子を差動回路に適用すると、雑音を十分に低減できないといった問題が生じてしまう。
このような問題を解消するのに従来より半導体回路の分野で提案されている方法としては、図9に示す微細電子機械素子2000のように、同一の共通の基板101上に、二つののMEMSバラクタ1000を設けたものであり、一方のMEMSバラクタ1000の固定電極1002と他方のMEMSバラクタ1000の支持部1003とを第1の端子1008に、一方のMEMSバラクタ1000の固定電極1002と他方のMEMSバラクタ1000の支持部1003とを第2の端子1009にそれぞれ接続して、上述したMEMSバラクタ1000のような対称性が低い微細電子機械素子を二つ組み合わせて一つの素子のように扱う方法がある。
しかしながら、図9に示すように、二つのMEMSバラクタ1000を組み合わせた場合、製造上の不均一性やばらつきにより、それぞれの素子のバネの形状や、固定電極1002と可動電極1007の間隔などに差が生じる。この影響により、二つの素子の電気的特性や機械的特性に差が生じてしまうので、対称性を十分に高めることが難しくなってしまう。また、二つのMEMSバラクタ1000を組み合わせるので、占有面積も大きくなってしまう。
そこで、本願発明は、対称性を向上させた微細電子機械素子を提供することを目的とする。
上述したような課題を解決するために、本発明に係る微細電子機械素子は、第1の電極と、この第1の電極と自身とを結ぶ方向に移動可能に支持された状態で当該第1の電極と対向配置され、当該第1の電極と第1の容量電極対を構成する第2の電極と、この第2の電極と電気的に接続された第3の電極と、第1の電極と電気的に接続され、第3の電極と自身とを結ぶ方向に移動可能に支持された状態で当該第3の電極と対向配置され、第2の電極と電気的に絶縁された状態で物理的に連結され、当該第3の電極と第2の容量電極対を構成する第4の電極とを少なくとも備えることを特徴とするものである。
上記微細電子機械素子において、第1の容量電極対と第2の容量電極対とは、それぞれに含まれる電極の面積が互いに等しく、かつ、それぞれに含まれる電極の重心が互いに平面視において一致するようにしてもよい。
また、上記微細電子機械素子において、第1の容量電極対および第2の容量電極対のうち少なくとも一方を構成する二つの電極は、それぞれ複数に分割され、第2の電極および第4の電極は、物理的に連結されているようにしてもよい。
また、上記微細電子機械素子において、第5の電極と、この第5の電極と自身とを結ぶ方向に移動可能に支持された状態で当該第5の電極と対向配置され、第2の電極および第4の電極と電気的に絶縁された状態で物理的に連結され、当該第5の電極と駆動電極対を構成する第6の電極とをさらに備えるようにしてもよい。
また、上記微細電子機械素子において、駆動電極対の重心は、第1の容量電極対の重心および第2の容量電極対の重心と平面視において一致するようにしてもよい。
また、上記微細電子機械素子において、第1の電極および第2の電極が上面に固定された基板と、この基板の上面から突出した導電性を有する支持部と、一端が支持部の上端に支持され、他端が第2の電極または第4の電極に接続された導電性を有するバネ部と、基板に設けられ、支持部およびバネ部を介して第2の電極または第4の電極に接続された配線とをさらに備えるようにしてもよい。
本発明によれば、二つの容量電極対を備えた微細電子機械素子において、第1の容量電極対を構成する第2の電極と、第2の容量電極対を構成する第4の電極とが電気的に絶縁された状態で物理的に連結されているので、第2の電極および第4の電極の少なくとも一方が移動すると、この移動に連動して他方も移動するので、微細電子機械素子としての対称性を向上させることができる。
図1Aは、本発明の第1の実施の形態に係る微細電子機械素子の構成を模式的に示す平面図である。 図1Bは、図1AのI-I線断面図である。 図1Cは、本発明の第1の実施の形態に係る微細電子機械素子に印加される電圧を説明するための模式図である。 図2Aは、本発明の第2の実施の形態に係る微細電子機械素子の構成を模式的に示す平面図である。 図2Bは、図2AのII-II線断面図である。 図2Cは、図2AのIII-III線断面図である。 図3Aは、本発明の第2の実施の形態に係る微細電子機械素子の動作を説明するための要部断面図である。 図3Bは、本発明の第2の実施の形態に係る微細電子機械素子の動作を説明するための要部断面図である。 図4Aは、本発明の第3の実施の形態に係る微細電子機械素子の構成を模式的に示す平面図である。 図4Bは、図4AのIV-IV線断面図である。 図5Aは、本発明の第4の実施の形態に係る微細電子機械素子の構成を模式的に示す平面図である。 図5Bは、図5AのV-V線断面図である。 図5Cは、図5AのVI-VI線断面図である。 図6は、本発明の第5の実施の形態に係る微細電子機械素子の構成を模式的に示す平面図である。 図7は、本発明の第6の実施の形態に係る微細電子機械素子の構成を模式的に示す平面図である。 図8Aは、従来の微細電子機械素子の構成を模式的に示す側面図である。 図8Bは、図8Aの微細電子機械素子の動作を模式的に示す側面図である。 図8Cは、図8Aの微細電子機械素子に印加される電圧を説明するための模式図である。 図9は、従来の他の微細電子機械素子の構成を模式的に示す側面図である。
[実施の形態1]
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施の形態について詳細に説明する。
<微細電子機械素子の構成>
図1A,図1Bに示すように、本実施の形態に係る微細電子機械素子1は、板状の基板101と、この基板101の上面に所定間隔離間して平行に配設され、本発明における第1,第3の電極として作用する平面視略矩形の固定電極102,103と、基板101上面の固定電極102,103が並んだ方向からそれらを挟む位置に配置され鉛直上方に延在する一対の柱状の支持部104,105と、この支持部104の上端に一端が支持され支持部105の上端に向かって延在するバネ部106と、支持部105の上端に一端が支持され支持部104の上端に向かって延在するバネ部107と、固定電極102と同等の形状を有し、バネ部106の他端が接続され固定電極102と対向配置され、本発明の第2の電極として作用する可動電極108と、固定電極103と同等の形状を有し、バネ部107の他端が接続され固定電極103と対向配置され、本発明の第4の電極として作用する可動電極109と、可動電極108のバネ部106が接続された側の反対側と可動電極109のバネ部107が接続された側と反対側とを接続する絶縁連結部材110とを備えている。
ここで、第1の容量電極対を構成する固定電極102と第2の容量電極対の一部を構成する支持部105とは、基板101に設けられた電気配線を介して第1の端子111に接続されている。同様に、第2の容量電極対を構成する固定電極103と第1の容量電極対の一部を構成する支持部104とは、基板101に設けられた電気配線を介して第2の端子112に接続されている。
また、第1の容量電極対を構成する固定電極102と可動電極108との間には、第1の容量113が形成されている。同様に、第2の容量電極対を構成する固定電極103と可動電極109との間には第2の容量114が形成されている。
基板101は、例えば表面にシリコン酸化膜などの絶縁膜を形成したシリコン基板や、アルミナ基板、ガラス基板などの絶縁物から構成され、固定電極102,103および支持部104,105をそれぞれ絶縁している。
固定電極102,103、支持部104,105、バネ部106,107、可動電極108,109は、例えば、Au、Al、Cu、Niなどの導電性を有する部材から構成されている。
このように、支持部104,105、バネ部106,107、可動電極108,109は、導電性を有する部材から構成されている。したがって、可動電極108は、バネ部106および支持部104を介して第1の端子111と電気的に接続されることとなる。同様に、可動電極109は、バネ部107および支持部105を介して第2の端子112と電気的に接続されることとなる。
絶縁連結部材110は、例えば、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜などの絶縁材料から構成され、可動電極108,109と一体となって両者を物理的に連結している。このような絶縁連結部材110は、剛体として作用するのが望ましい。
このような微細電子機械素子1は、公知のマイクロマシン製造技術を利用して、成膜や選択的エッチング等を行うことによって作製できる。
<微細電子機械素子の動作>
本実施の形態に係る微細電子機械素子1は、第1の端子111と第2の端子112に駆動信号が印加されると、第1の容量電極対を構成する固定電極102と可動電極108との間、および、第2の容量電極対を構成する固定電極103と可動電極109との間に電位差が生じ、この電位差に基づく静電引力によって可動電極108が固定電極102の側に、可動電極109が固定電極103の側に、それぞれ引き寄せられる。このとき、可動電極108,109は、絶縁連結部材110により物理的に連結されているので、一体となって(連動して)変位することとなる。このように、第1の容量電極対の電極間のギャップや第2の容量電極対の電極間ギャップが変化すると、第1の容量113と第2の容量114の大きさも変化する。この容量の変化を用いることにより、微細電子機械素子1は、例えばバラクタとして利用することができる。
なお、微細電子機械素子1をバラクタとして利用する場合、電圧信号が駆動信号として用いられる。この場合、図1Cに符号bで示す上部の波形を第1の端子111に入力し、符号cで示す下部の波形を第2の端子112に入力することによって、第1の端子111と第2の端子112の間に駆動バイアス電圧(符号a)を有する駆動信号を印加する。符号bで示す信号と符号cで示す信号とは、互いに振幅が等しく、位相が反転している。このような駆動信号を印加すると、第1,第2の容量電極対の間に静電引力が発生し、可動電極108,109が変位して、固定電極102,103の側に方向に引き付けられる。このとき、可動電極108,109は、絶縁連結部材110により物理的に連結されているので、一体となって(連動して)変位することとなる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、第1の端子111および第2の端子112に対する駆動信号の印加に応じて可動電極108,109が同様に変位するので、微細電子機械素子における対称性を向上させることができる。すなわち、可動電極108,109が絶縁連結部材110により物理的に連結されており、第1の端子111,112に対する駆動信号の印加に応じて可動電極108,109が一体となって(連動して)変位するようになっているので、図9に示した微細電子機械素子2000ように二つのMEMSバラクタ1000を単純に組み合わせた場合と比較して、より高い対称性を得ることができる。
また、微細電子機械素子1は、第1の端子111および第2の端子112のそれぞれに固定電極と可動電極とが接続されているので、高い対象性を得ることができる。
また、バネ部106,107など一部の構成要素を容量電極対毎に設けなくてよいので、図9に示した微細電子機械素子2000よりも占有面積を低減することができ、結果として小型化も実現することができる。
なお、本実施の形態においては、微細電子機械素子1を主にバラクタとして利用する場合を例に説明したが、微細電子機械素子1の用途はバラクタに限定されず、適宜自由に適用することができる。例えば、加速度センサに微細電子機械素子1を応用することもできる。この場合、外部環境から印加された加速度を駆動信号として利用する。微細電子機械素子1に差動の容量センス回路を接続し、加速度の印加により生じた可動電極108,109の変位を、第1,第2容量113,114の変化として検出することによって、加速度信号を検出することが可能となる。この場合にも、対称性に優れた微細電子機械素子1を、差動の容量センス回路と組み合わせて利用することによって、雑音などの影響を低減した高性能な加速度センサを実現することができる。
また、本実施の形態においては、固定電極102,103を基板101上に配設するようにしたが、可動電極108,109と同様に、固定電極102,103を変位可能な構成としてもよい。
また、本実施の形態においては、第1,第2の容量電極対が平行平板型の場合を例に説明したが、第1,第2の容量電極対の構成は並行平板型に限定されず、例えば櫛歯型など適宜自由に適用することができる。また、可動電極108,109の変位方向についても、基板101に対して垂直方向に限らず、水平方向やその他の方向に対して変位するようにしてもよい。
[実施の形態2]
次に、本発明に係る第2の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態は、第1の実施の形態に係る微細電子機械素子1を二つ並べたものに相当する。
図2A〜図2Cに示すように、本実施の形態に係る微細電子機械素子2は、板状の基板200と、基板200の上面に配置された固定電極201〜204と、基板200の正面に設けられた支持部211〜214と、一端が支持部211〜214の上端に支持されたバネ部221〜224と、このバネ部221〜224の他端が接続された可動電極231〜234と、この可動電極231〜234を連結する絶縁連結部材241とを備えている。ここで、固定電極201、支持部212、支持部213および固定電極204は、基板200に設けられた電気配線を介して第1の端子251に接続されている。同様に、固定電極202、支持部211、固定電極203および支持部214は、基板200に設けられた電気配線を介して第2の端子252に接続されている。
基板200は、例えば表面にシリコン酸化膜などの絶縁膜を形成したシリコン基板や、アルミナ基板、ガラス基板などの絶縁物から構成され、固定電極201〜204および支持部211〜214それぞれを絶縁している。
固定電極201は、平面視略矩形の形状を有し、基板200の上面に配置され、本発明の第1の電極を分割したものとして作用する。
固定電極202は、固定電極201と同等の形状を有し、固定電極201に対して第1の方向に所定間隔離間して配置され、本発明の第3の電極を分割したものとして作用する。
固定電極203は、固定電極201と同等の形状を有し、固定電極201に対して第2の方向に所定間隔離間して配置され、本発明の第3の電極を分割したものとして作用する。
固定電極204は、固定電極201と同等の形状を有し、固定電極202に対して第2の方向に、固定電極203に対して第1の方向に、それぞれ所定間隔離間した配置され、本発明の第1の電極を分割したものとして作用する。
このような固定電極201〜204は、例えば、Au、Al、Cu、Niなどの導電性を有する部材から構成されており、基板200上では互いに絶縁されている。
支持部211,212は、鉛直上方の延在する柱状の形状を有し、基板200上面の固定電極201,202を挟む位置に配設される。
支持部213,214は、支持部211,212と同等の形状を有し、基板200上面の固定電極203,204を挟む位置に配設される。
このような支持部211〜214は、例えば、Au、Al、Cu、Niなどの導電性を有する部材から構成されている。
バネ部221は、一端が支持部211の上端に支持され支持部212の上端に向かって延在する構成を有する。
バネ部222は、一端が支持部212の上端に支持され支持部211の上端に向かって延在する構成を有する。
バネ部223は、一端が支持部213の上端に支持され支持部214の上端に向かって延在する構成を有する。
バネ部224は、一端が支持部214の上端に支持され支持部213の上端に向かって延在する構成を有する。
このようなバネ部221〜224は、例えば、Au、Al、Cu、Niなどの導電性を有する部材から構成されている。
可動電極231は、固定電極201と同等の形状を有し、バネ部221の他端が接続され、固定電極201と対向配置され、本発明の第2の電極を分割したものとして作用する。
可動電極232は、可動電極231と同等の形状を有し、バネ部222の他端が接続され、固定電極202と対向配置され、本発明の第4の電極を分割したものとして作用する。
可動電極233は、可動電極231と同等の形状を有し、バネ部223の他端が接続され、固定電極203と対向配置され、本発明の第4の電極を分割したものとして作用する。
可動電極234は、可動電極231と同等の形状を有し、バネ部224の他端が接続され、固定電極204と対向配置され、本発明の第2の電極を分割したものとして作用する。
このような可動電極231〜234は、例えば、Au、Al、Cu、Niなどの導電性を有する部材から構成されている。
絶縁連結部材241は、平面視略十字の形状を有し、隣り合う可動電極231〜234と一体となってそれらを所定間隔離間させた状態で物理的に連結している。このような絶縁連結部材241は、例えば、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜などの絶縁材料から構成されており、剛体として作用することが望ましい。
このような構成を有する微細電子機械素子2は、公知のマイクロマシン製造技術を利用して、成膜や選択的エッチング等を行うことによって作製できる。
微細電子機械素子2において、対向配置された固定電極201と可動電極231は、第1の容量電極対領域を構成しており、これらの間には第1の容量261が形成されている。同様に、対向配置された固定電極202と可動電極232、固定電極203と可動電極233、固定電極204と可動電極234は、第2〜第4の容量電極対領域を構成しており、それらの間には第2〜第4の容量262〜264が形成されている。このような第1〜第4の容量電極対領域のうち、第1,第4の容量電極対領域は第1の容量電極対を構成し、第2,第3の容量電極対領域は第2の容量電極対を構成する。
第1の容量電極対と第2の容量電極対は、それぞれが有する固定電極および可動電極の面積が等しくなるように形成されている。また、平面視において、第1の容量電極対の重心と、第2の容量電極対の重心が一致するように、第1〜第4の容量電極対領域が配置されている。
このような構成を有する微細電子機械素子2は、第1の端子251と第2の端子252に駆動信号が印加されると、第1〜第4の容量電極対領域を構成する固定電極と可動電極との間に電位差が生じ、この電位差に基づく静電引力によってそれぞれの可動電極が対向配置された固定電極の側にそれぞれ引き寄せられる。このとき、可動電極231〜234は、絶縁連結部材241により物理的に連結されているので、一体となって(連動して)変位することとなる。このように、第1〜第4の容量電極対領域における固定電極と可動電極との間隔が変化すると、第1〜第4の容量261〜264の大きさも変化する。この容量の変化を用いることにより、微細電子機械素子2は、例えばバラクタとして利用することができる。
なお、本実施の形態では、二つの容量電極対の重心が一致するように各容量電極対領域が配置されている。これにより、より高い対称性を得ることができる。このことについて、図3を用いて説明する。
従来より、微細電子機械素子では、製造上の不均一性やばらつきなどの影響により、可動電極が傾くといった現象が発生しており、このような場合には、素子の特性が変動し、対称性が劣化していた。本実施の形態に係る微細電子機械素子2では、図3A,図3Bに示すように、可動電極が傾いた場合、図3Aに示すように、第1の容量電極対領域の第1の容量261は小さくなり、第2の容量電極対領域の第2の容量262は大きくなるが、図3Bに示すように、第4の容量電極対領域の第4の容量264は大きくなり、第3の容量電極対領域の第3の容量264は小さくなる。したがって、第1の容量電極対を構成する第1,第4の容量電極対領域の容量の合計は、第2の容量電極対を構成する第2,第3の容量電極対領域の容量の合計と等しくなる。この結果、第1の端子251から見た微細電子機械素子2の特性と、第2の端子252から見た微細電子機械素子2の特性が等しくなるので、傾きが発生した場合にも高い対称性を得ることができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、絶縁連結部材241により可動電極231〜234を物理的に連結することにより、第1の端子251および第2の端子252に対する駆動信号の印加に応じて可動電極231〜234が一体となって(連動して)変位するので、微細電子機械素子における対称性を向上させることができる。
また、本実施の形態の微細電子機械素子2では、第1の容量電極対と第2の容量電極対を複数の領域に分割しているので、第1の容量電極対と第2の容量電極対の重心を一致させるのを容易に行うことができる。
また、本実施の形態では、第1の容量電極対と第2の容量電極対を複数の領域に分割しているので、駆動電極の移動をバランスよく行わせることができる。
[実施の形態3]
次に、本発明に係る第3の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態に係る微細電子機械素子3は、第1の実施の形態に係る微細電子機械素子1の第1の容量電極対と第2の容量電極対の間に第3の容量電極対を設けたものに相当する。
図4A,図4Bに示すように、本実施の形態に係る微細電子機械素子3は、板状の基板300と、この基板300の上面に第1の方向に沿って所定間隔離間して配列された平面視略形の固定電極301,303,302と、基板300上面の固定電極301,303,302を挟む位置および固定電極301,303,302の配列方向に対して直交する方向における固定電極303の近傍に配設され、鉛直上方に延在する柱状の支持部311〜313と、一端が支持部311の上端に支持され支持部312の上端に向かって延在するバネ部321と、一端が支持部312の上端に支持され支持部311の上端に向かって延在するバネ部322と、一端が支持部313の上端に支持され水平面内において固定電極303に向かって延在するバネ部323と、バネ部321の他端が接続され固定電極301と対向配置されその固定電極301と同等の形状を有する可動電極331と、バネ部322の他端が接続され固定電極302と対向配置されその固定電極302と同等の形状を有する可動電極332と、一端が絶縁連結部材341を介して可動電極331に、他端が絶縁連結部材342を介して可動電極332に接続され、固定電極303と対向配置されその固定電極303と同等の形状を有する可動電極333とを備えている。
ここで、第1の容量電極対を構成する固定電極301および第2の容量電極対の一部を構成する支持部312は、第1の端子351に接続されている。また、第2の容量電極対を構成する固定電極302および第1の容量電極対の一部を構成する支持部311は、第2の端子352に接続されている。また、固定電極303は第3の端子353に、支持部313は第4の端子354に接続されている。
基板300は、例えば表面にシリコン酸化膜などの絶縁膜を形成したシリコン基板や、アルミナ基板、ガラス基板などの絶縁物から構成され、固定電極301〜303および支持部311〜313をそれぞれ絶縁している。
固定電極301〜303、支持部311〜313、バネ部321〜323、可動電極331〜333は、例えば、Au、Al、Cu、Niなどの導電性を有する部材から構成されている。
ここで、固定電極301は、本発明における第1の電極として作用する。また、固定電極302は、本発明における第3の電極として作用する。また、可動電極331は、本発明における第2の電極として作用する。また、可動電極332は、本発明における第4の電極として作用する。
絶縁連結部材341,342は、例えば、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜などの絶縁材料から構成され、可動電極331〜333と一体となってそれらを物理的に連結している。このような絶縁連結部材341,342は、剛体として作用するのが望ましい。
このような微細電子機械素子3は、公知のマイクロマシン技術を利用して膜の積層や加工を行うことによって作製できる。
本実施の形態に係る微細電子機械素子3において、対向配置された固定電極301と可動電極331は、第1の容量電極対を構成しており、これらの間には第1の容量が形成されている。また、対向配置された固定電極302と可動電極332は、第2の容量電極対を構成しており、これらの間には第2の容量が形成されている。さらに、対向配置された固定電極303と可動電極333とは、駆動電極対を構成する。
このような微細電子機械素子3において、第3の端子353と第4の端子354の間に電圧を印加すると、駆動電極対を構成する固定電極303と可動電極333の間に静電引力が生じ、可動電極333が固定電極303の方に引き寄せられる。このとき、可動電極333には絶縁連結部材341,342を介して可動電極331,332が機械的に接続されているので、可動電極333の移動に伴って可動電極331,332も一体となって(連動して)固定電極301,302の方に向かって移動する。これにより、固定電極301と可動電極331との間隔および固定電極302と可動電極332との間隔が変化するので、第1の容量や第2の容量の大きさも変化することとなる。
図8A,図8Bに示したMEMSバラクタ1000の場合では、駆動電極対を有しないので、図8Cに示したように、第1の端子1008と第2の端子1009に、交流信号と重畳して駆動バイアス電圧を印加する必要がある。このため、第1の端子1008と第2の端子1009に駆動バイアス電圧を印加するための回路を接続しなければならず、この回路の影響によって、対称性が劣化することがあった。これに対して、本実施の形態に係る微細電子機械素子3では、第1および第2の容量電極対に加えて、固定電極303と可動電極333から構成される駆動電極対を有するので、対称性を劣化させることなく、駆動電極対に対する駆動電圧の印加によって容量の変化を実現することができる。
また、本実施の形態では、第1および第2の容量電極対および駆動電極対という3つの電極対を備えているので、駆動電極をバランスよく移動させることができる。
[第4の実施の形態]
次に、本発明に係る第4の実施の形態について説明する。
図5A〜図5Cに示すように、本実施の形態に係る微細電子機械素子4は、板状の基板400と、この基板400上に設けられた固定電極401〜405と、基板400上に設けられた支持部411〜418と、この支持部411〜418に一端が支持されたバネ部421〜428と、固定電極401〜405と対向配置された可動電極431〜435と、絶縁連結部材441〜444とを備えている。固定電極402,404および支持部414,418は、第1の端子451に接続されている。また、固定電極403,405および支持部412,416は、第2の端子452に接続されている。また、固定電極401は第3の端子453に、支持部411は第4の端子454に接続されている。
基板400は、例えば表面にシリコン酸化膜などの絶縁膜を形成したシリコン基板や、アルミナ基板、ガラス基板などの絶縁物から構成され、固定電極401〜405および支持部411〜418をそれぞれ絶縁している。
固定電極401は、円形の形状を有し、基板400上面の略中央部に配設される。一方、固定電極402〜405は、固定電極401と同心の円を4等分した略扇形の形状を有し、固定電極401の周囲に固定電極401の中心に対してそれぞれが点対称にとなるよう所定間隔離間して配置される。ここで、固定電極402は、本発明における第1の電極を分割したものとして作用する。また、固定電極403は、本発明における第3の電極を分割したものとして作用する。また、固定電極404は、本発明における第1の電極を分割したものとして作用する。また、固定電極405は、本発明における第3の電極を分割したものとして作用する。
このような固定電極401〜405は、例えば、Au、Al、Cu、Niなどの導電性を有する部材から構成されている。
支持部411〜418は、鉛直上方に延在する柱状の形状を有し、基板400上面の固定電極402〜405の外側に、固定電極401の中心に対して点対称にそれぞれ所定間隔離間して配置される。このような支持部411〜318は、例えば、Au、Al、Cu、Niなどの導電性を有する部材から構成されている。
バネ部421〜428は、一端が支持部411〜418の上端に支持され、その支持部と対向配置された支持部の上端に向かって延在する。このようなバネ部421〜428は、例えば、Au、Al、Cu、Niなどの導電性を有する部材から構成されている。
可動電極431は、固定電極401と同等の形状を有し、バネ部421,423,425,427の他端が接続され、固定電極401と対向配置されている。
また、可動電極432は、固定電極402と同等の形状を有し、弧の中央部にバネ部422の他端が接続され、弧の部分を除く周囲が絶縁連結部材441によりバネ部421,423および可動電極431と連結されて、固定電極402と対向配置され、本発明における第2の電極を分割したものとして作用する。
また、可動電極433は、固定電極403と同等の形状を有し、弧の中央部にバネ部424の他端が接続され、弧の部分を除く周囲が絶縁連結部材442によりバネ部423,425および可動電極431と連結されて、固定電極403と対向配置され、本発明における第4の電極を分割したものとして作用する。
また、可動電極434は、固定電極404と同等の形状を有し、弧の中央部にバネ部426の他端が接続され、弧の部分を除く周囲が絶縁連結部材443によりバネ部425,427および可動電極431と連結されて、固定電極404と対向配置され、本発明における第2の電極を分割したものとして作用する。
また、可動電極435は、固定電極405と同等の形状を有し、弧の中央部にバネ部428の他端が接続され、弧の部分を除く周囲が絶縁連結部材444によりバネ部427,421および可動電極431と連結されて、固定電極405と対向配置され、本発明における第4の電極を分割したものとして作用する。
このような可動電極431〜435は、例えば、Au、Al、Cu、Niなどの導電性を有する部材から構成されている。
また、絶縁連結部材441〜445は、例えば、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜などの絶縁材料から構成されており、可動電極431〜435と一体となってそれらを物理的に連結している。このような絶縁連結部材441〜445は、剛体として作用するのが望ましい。
このような微細電子機械素子4は、公知のマイクロマシン製造技術を利用して、成膜や選択的エッチング等を行うことによって作製できる。
本実施の形態に係る微細電子機械素子4において、対向配置された固定電極402と可動電極432は、第1の容量電極対領域を構成しており、これらの間には第1の容量が形成されている。同様に、対向配置された固定電極403と可動電極433、固定電極404と可動電極434、固定電極405と可動電極435は、第2〜第4の容量電極対領域を構成しており、それらの間には第2〜第4の容量が形成されている。このような第1〜第4の容量電極対領域のうち、固定電極401を挟んで対向配置された、第1,第3の容量電極対領域は第1の容量電極対を構成し、第2,第4の容量電極対領域は第2の容量電極対を構成する。このような第1の容量電極対と第2の容量電極対は、それぞれが有する固定電極および可動電極の面積が等しくなるように形成されている。また、第1の容量電極対の重心と、第2の容量電極対の重心が一致するように、第1〜第4の容量電極対領域が配置されている。
一方、対向配置された固定電極401と可動電極431は、駆動電極対を構成する。
このような微細電子機械素子4において、第3の端子453と第4の端子454の間に電圧を印加すると、駆動電極対を構成する固定電極401と可動電極431の間に静電引力が生じ、可動電極431が固定電極401の方に引き寄せられる。このとき、可動電極431には絶縁連結部材441〜444を介して可動電極432〜445が機械的に接続されているので、可動電極431の移動に伴って可動電極432〜445も可動電極431と一体となって(連動して)固定電極402〜405の方に向かって移動する。これにより、第1〜第4の容量電極対領域の固定電極と可動電極の間隔が変化するので、第1〜第4の容量の大きさも変化することとなる。
このとき、本実施の形態に係る微細電子機械素子4では、上述した第2の実施の形態と同様に、第1の容量電極対と第2の容量電極対がそれぞれ二つの容量電極対領域によって構成されていおり、それらの容量電極対は、各々の重心が一致するように配置されている。これにより、製造上の不均一性やばらつきにより第1の容量と第2の容量の値に差が生じるのを防ぐことができる。
また、微細電子機械素子4は、駆動電極対を備えており、この駆動電極対は、その重心が第1の容量電極対および第2の容量電極対の重心と一致するように配置されている。これにより、駆動電極対に電圧を印加して変位させた際に、電極の傾きなどが発生しても、第1〜第4の容量の変化を均一化することが可能となり、微細電子機械素子としての対称性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、4つの容量電極対領域を備えているので、駆動電極の移動をバランス良く行わせることができる。
なお、本実施の形態では、固定電極および可動電極全体の形状を円形とした場合を例に説明したが、電極の形状は円形に限定されず、例えば、四角形や台形など、適宜自由に設定することができる。
[第5の実施の形態]
次に、本発明に係る第5の実施の形態について説明する。
図6に示すように、本実施の形態に係る微細電子機械素子5は、板状の基板500と、この基板500の上面に形成され、本発明における第1の電極として作用する円形の固定電極501と、この固定電極501の周囲に形成され、本発明における第3の電極として作用する平面視略Cの字の形状を有する固定電極502と、固定電極501の中心および固定電極502の間隙とを通る直線上の固定電極501,502を挟む位置に配設され鉛直上方に延在する一対の柱状の支持部511,512と、一端が支持部511の上端に支持され支持部512の上端に向かって延在するバネ部521と、一端が支持部512の上端に支持され支持部511の上端に向かって延在するバネ部522と、固定電極501と同等の形状を有し、バネ部522の他端が接続され固定電極501と対向配置され、本発明における第2の電極として作用する可動電極531と、固定電極502と同等の形状を有し、バネ部の他端が間隙の反対側に接続されて鉛直方向から見たときに固定電極502と重なり合うように固定電極502と対向配置され、本発明における第4の電極として作用する可動電極532と、可動電極531と可動電極532の間に設けられこれらを接続する絶縁連結部材541とを備えている。ここで、第1の容量電極対を構成する固定電極501と第2の容量電極対の一部を構成する支持部511とは、基板500に設けられた電気配線を介して第1の端子551に接続されている。また、第2の容量電極対を構成する固定電極502と第1の容量電極対の一部を構成する支持部512とは、基板500に設けられた電気配線を介して第2の端子552に接続されている。
基板500は、例えば表面にシリコン酸化膜などの絶縁膜を形成したシリコン基板や、アルミナ基板、ガラス基板などから構成され、固定電極501,502および支持部511,512をそれぞれ絶縁している。
固定電極501,502、支持部511,512、バネ部521,522、可動電極531,532は、例えば、Au、Al、Cu、Niなどの導電性を有する部材から構成されている。
絶縁連結部材541は、例えば、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜などの絶縁材料から構成され、可動電極531,532と一体となって両者を物理的に連結しているこのような絶縁連結部材541は、剛体として作用するのが望ましい。
このような微細電子機械素子5は、公知のマイクロマシン技術を利用して膜の積層や加工を行うことによって作製できる。
このような微細電子機械素子5において、対向配置された固定電極501と可動電極531は、第1の容量電極対を構成しており、これらの間には第1の容量が形成される。同様に、対向配置された固定電極502と可動電極532は、第2の容量電極対を構成しており、これらの間には第2の容量が形成される。
第1の容量電極対と第2の容量電極対は、それぞれが有する固定電極および可動電極の面積が等しくなり、かつ、鉛直方向から見たときの重心が一致するように形成されている。
このような微細電子機械素子5において、第1の端子551と第2の端子552の間に電圧を印加すると、第1の容量電極対を構成する固定電極501と可動電極531の間、および、第2の容量電極対を構成する固定電極502と可動電極532の間に静電引力が生じる。このとき、可動電極531および可動電極532は、絶縁連結部材541により物理的に連結されているので、一体となって(連動して)変位することとなる。このように第1の容量電極対の電極間の間隔や第2の容量電極対の電極間の間隔が変化すると、それぞれの容量も変化する。この容量の変化を用いることにより、微細電子機械素子5は、例えばバラクタとして利用することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、絶縁連結部材541により可動電極531,532を物理的に連結することにより、第1の端子551および第2の端子552に対する駆動信号の印加に応じて可動電極551,552が同様に変位するので、微細電子機械素子における対称性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、上述した第4の実施の形態等のように必ずしも容量電極対が複数の領域に分割されていなくて、第4の実施の形態等と同等の作用効果を実現することができる。
[第6の実施の形態]
次に、本発明に係る第6の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態に係る微細電子機械素子6は、上述した第2の実施の形態に係る微細電子機械素子2における可動電極232と可動電極233とを連結したものである。したがって、本実施の形態において、第2の実施の形態と同等の構成要素については、同じ名称および符号を付し、適宜説明を省略する。
図7に示すように、本実施の形態に係る微細電子機械素子6は、板状の基板200と、基板200の上面に配置された固定電極201,601,204と、基板200の正面に設けられた支持部211〜214と、一端が支持部211〜214の上端に支持されたバネ部221〜224と、このバネ部221〜224の他端が接続された可動電極231,6#1,234と、この可動電極231,631,234を連結する絶縁連結部材641,642とを備えている。ここで、固定電極201、支持部212、支持部213および固定電極204は、基板200に設けられた電気配線を介して第1の端子251に接続されている。同様に、固定電極601、支持部211および支持部214は、基板200に設けられた電気配線を介して第2の端子252に接続されている。
ここで、固定電極601は、第2の実施の形態における固定電極202および固定電極の隣接する角部を直線状の部材で連結した形状を有し、本発明における第2の電極として作用する。
また、可動電極631は、固定電極601と同等の形状を有し、本発明における第4の電極として作用する。
絶縁連結部材641は、平面視略Lの字状の形状を有し、隣り合う可動電極231,601を所定間隔離間させた状態で連結する。
絶縁連結部材642は、平面視略Lの字状の形状を有し、隣り合う可動電極234,601を所定間隔離間させた状態で接続する。
したがって、絶縁連結部材641,642は、可動電極231,234,601と一体となってそれらを物理的に連結することとなる。このような絶縁連結部材641,642は、剛体として作用するのが望ましい。
このような微細電子機械素子6において、対向配置された固定電極201と可動電極231は、第1の容量電極対領域を構成しており、これらの間には第1の容量が形成されている。また、固定電極204と可動電極234は、第2の容量電極対領域を構成しており、これらの間には第2の容量が形成されている。これらの第1,第2の容量電極対領域は、第1の容量電極対を構成する。
一方、対向配置された固定電極601と可動電極631は、駆動電極対第2の容量電極対を構成している。これらの間には、第3の容量が形成されている。
ここで、第1の容量電極対と第2の容量電極対は、それぞれが有する固定電極および可動電極の面積が等しくなるように形成されている。また、第1の容量電極対の重心と、第2の容量電極対の重心が一致するように、第1〜第4の容量電極対領域が配置されている。
このような構成を有する微細電子機械素子6は、第1の端子251と第2の端子252に駆動信号が印加されると、第1〜第3の容量電極対領域を構成する固定電極と可動電極との間に電位差が生じ、この電位差に基づく静電引力によってそれぞれの可動電極が対向配置された固定電極の側にそれぞれ引き寄せられる。このとき、可動電極231,631,234は、絶縁連結部材641,642により物理的に連結されているので、連動して変位することとなる。このように、第1,第2の容量電極対に含まれる固定電極と可動電極との間隔が変化すると、第1〜第3の容量の大きさも変化する。この容量の変化を用いることにより、微細電子機械素子6は、例えばバラクタとして利用することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、絶縁連結部材641,642により可動電極231,631,234を物理的に連結することにより、第1の端子251および第2の端子252に対する駆動信号の印加に応じて可動電極231,631,234が同様に変位するので、微細電子機械素子における対称性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、上述した構成を採っても、第2の実施の形態と同等の作用効果を得ることができる。したがって、容量電極対が複数存在する場合において、各容量電極対の容量電極対領域を構成する固定電極や可動電極が、容量電極対領域毎にそれぞれ分割されていなくてもよい。
本発明は、MEMSバラクタなどMEMS技術を利用した各種微細電子機械素子に適用することができる。
1〜6…微細電子機械素子、101…基板、102,103…固定電極、104,105…支持部、106,107…バネ部、108,109…可動電極、110…絶縁連結部材,111,112…端子、113…第1の容量、114…第2の容量、200…基板、201〜204…固定電極、211,212…支持部、221〜224…バネ部、231〜234…可動電極、241…絶縁連結部材、251…第1の端子、252…第2の端子、261〜264…第1〜第4の容量、300…基板、301〜303…固定電極、311〜313…支持部、321〜323…バネ部、331〜333…可動電極、341,342…絶縁連結部材、351〜354…第1〜第4の端子、400…基板、401〜405…固定電極、411〜418…支持部、421〜428…バネ部、431〜435…可動電極、441〜444…絶縁連結部材、451〜454…第1〜第4の端子、500…基板、501,502…固定電極、511,512…支持部、521,522…バネ部、531,532…可動電極、541…絶縁連結部材、551…第1の端子、552…第2の端子、601…固定電極、631…可動電極。

Claims (6)

  1. 第1の電極と、
    この第1の電極と自身とを結ぶ方向に移動可能に支持された状態で前記第1の電極と対向配置され、前記第1の電極と第1の容量電極対を構成する第2の電極と、
    この第2の電極と電気的に接続された第3の電極と、
    前記第1の電極と電気的に接続され、前記第3の電極と自身とを結ぶ方向に移動可能に支持された状態で前記第3の電極と対向配置され、前記第2の電極と電気的に絶縁された状態で物理的に連結され、前記第3の電極と第2の容量電極対を構成する第4の電極と
    を少なくとも備えることを特徴とする微細電子機械素子。
  2. 請求項1記載の微細電子機械素子において、
    前記第1の容量電極対と前記第2の容量電極対とは、それぞれに含まれる電極の面積が互いに等しく、かつ、それぞれに含まれる電極の重心が互いに平面視において一致する
    ことを特徴とする微細電子機械素子。
  3. 請求項1または2記載の微細電子機械素子において、
    前記第1の容量電極対および前記第2の容量電極対のうち少なくとも一方を構成する2つの電極は、それぞれ複数に分割され、
    前記第2の電極および前記第4の電極は、物理的に連結されている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の微細電子機械素子。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載された微細電子機械素子において、
    第5の電極と、
    この第5の電極と自身とを結ぶ方向に移動可能に支持された状態で前記第5の電極と対向配置され、前記第2の電極および前記第4の電極と電気的に絶縁された状態で物理的に連結され、前記第5の電極と駆動電極対を構成する第6の電極と
    をさらに備えることを特徴とする微細電子機械素子。
  5. 請求項4記載の微細電子機械素子において、
    前記駆動電極対の重心は、前記第1の容量電極対の重心および前記第2の容量電極対の重心と平面視において一致する
    ことを特徴とする微細電子機械素子。
  6. 請求項1乃至5の何れか1項に記載の微細電子機械素子において、
    前記第1の電極および前記第2の電極が上面に固定された基板と、
    この基板の上面から突出した導電性を有する支持部と、
    一端が前記支持部の上端に支持され、他端が前記第2の電極または前記第4の電極に接続された導電性を有するバネ部と、
    前記基板に設けられ、前記支持部およびバネ部を介して前記第2の電極または前記第4の電極に接続された配線と
    をさらに備えることを特徴とする微細電子機械素子。
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