JP2011040774A - 固体撮像素子、カメラモジュール及び電子機器モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】裏面照射型のCMOS固体撮像素子における反射防止効率を向上して光電変換効率の向上を図る。
【解決手段】光電変換部34と複数のトランジスタ35からなる複数の画素を有する。複数のトランジスタ35は、半導体基板32の表面側に形成される。光電変換部34は、半導体基板32の表面側から裏面側に延在して形成される。半導体基板32の光照射面となる裏面とカラーフィルタ42またはオンチップレンズとの間に、半導体基板と屈折率を異にし、且つ膜厚方向に屈折率分布を有する1層膜による反射防止膜41が形成される。固体撮像素子は、裏面照射型に構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換素子で光電変換された信号電荷を電気信号に変換して出力する単位画素が複数配列されて成る固体撮像素子、この固体撮像素子を備えたカメラモジュール及び電子機器モジュールに関する。
固体撮像素子には、CMOSイメージセンサに代表されるCMOS固体撮像素子と、CCDイメージセンサに代表されるCCD固体撮像素子が知られている。CMOS固体撮像素子を例に採って、その断面構造の一例を図9に示す。
図9は、従来の表面照射型のCMOS固体撮像素子の例である。このCMOS固体撮像素子1は、第1導電型、例えばn型のシリコン半導体基板2に、第2導電型であるp型の半導体ウェル領域3を形成し、このp型半導体ウェル領域3の画素分離領域10で区画された単位画素領域に光電変換部となるフォトダイオード5及び複数のMOSトランジスタからなるMOSトランジスタ群6を形成して成る。フォトダイオード5は、画素分離領域3及びp型半導体ウェル領域3で囲まれたn型半導体領域で形成される。すなわち、表面から深い位置にある低不純物濃度のn型半導体領域(n−半導体領域)11と表面側の高不純物濃度のn型半導体領域(n+半導体領域)12により形成される。さらにn+半導体領域12の表面側の界面に暗電流発生を抑制するための高不純物濃度のp型半導体領域からなるp+アキュミュレーション層13が形成される。このフォトダイオード5は、いわゆるHAD(Hole Accumulation Diode)センサとして構成されている。
MOSトランジスタ群6は、フォトダイオードに接続された読出しトランジスタ7と、その他のMOSトランジスタ8で構成される。読出しトランジスタ7は、P型半導体ウェル領域3に形成されたn+ソース・ドレイン領域14と、フォトダイオード5のn+半導体領域12と、n+ソース・ドレイン領域14及びフォトダイオード5間の基板表面にゲート絶縁膜を介して形成したゲート電極18とにより形成される。他のMOSトランジスタ8は、P型半導体ウェル領域3に形成されたn+ソース・ドレイン領域15及び16と、両n+ソース・ドレイン領域15及び16間の基板表面にゲート絶縁膜を介して形成したゲート電極19とにより形成される。例えば4つのMOSトランジスタで構成される場合には、読出しトランジスタ、リセットトランジスタ、アンプトランジスタ及び垂直選択トランジスタで構成される。さらに、基板表面上には、層間絶縁膜23を介して多層の配線層25が形成される。また、図示せざるもカラーフィルタ、オンチップレンズ等も形成される。
フォトダイオード5に入射する光は、信号電荷蓄積、読出し動作を行うMOSトランジスタが形成されている基板表面側から照射される。このような表面照射型のCMOS固体撮像素子1においては、基板表面側フォトダイオード5への集光効率を上げるために反射防止膜26が形成される。表面照射型のCMOS固体撮像素子1では、フォトダイオード、MOSトランジスタ群及び配線層などの経時劣化を防止するための保護膜と、その下の層間絶縁膜などにより、通常4層以上のシリコン酸化(SiO)膜、シリコン窒化(SiN)膜がフォトダイオード5上に存在する。
光照射面側に4層以上の絶縁膜を形成するのは、多層の配線層25を有するために真ん中に厚い層間絶縁膜(シリコン酸化膜23)が必要になることも要因である。図示の例では、光照射面側にシリコン酸化(SiO)膜21、シリコン窒化(SiN)膜22、シリコン酸化(SiO)膜23及びシリコン窒化(SiN)膜24の4層膜が形成されている。
一方、表面照射型のCMOS固体撮像素子では、遮光する材料で形成される配線層が存在するため、画素内の集光の最適化をして感度向上を果たすべく、オンチップレンズとが別に層内レンズを形成する場合がある。層内レンズを有する場合には、5層、6層の屈折率の異なる絶縁膜がシリコン基板上に存在する。
CCD固体撮像素子においても、層内レンズを有する場合もあり、光照射面側に同様の4層以上のシリコン酸化(SiO)膜、シリコン窒化(SiN)膜が形成される。
特許文献1には、表面側の光照射面上に4層以上の絶縁膜を形成した表面照射型のCMOS固体撮像素子の例が提案されている。
特開2003−224249号公報
ところで、4層以上のシリコン酸化膜、シリコン窒化膜で反射防止膜を構成する場合、屈折率の膜での干渉により、短い周期で上下する所謂リップルのある分光特性となり、撮像素子の感度を損失している。図5は、光照射面上の反射防止膜の膜構成の違いによる、光電変換率の波長依存性を示すグラフである。図5の横軸は照射光の波長をある。縦軸は、光の透過率とシリコン中での光の吸収率の積(透過率×Si吸収率)、つまり光電変換効率に比例し、感度に相当する。
図5の曲線Cは、膜厚500nmのプラズマシリコン窒化(PSiN)膜と、膜厚5000nmのシリコン酸化(SiO)膜と、膜厚50nmのシリコン窒化(SiN)膜と、膜厚15nmのシリコン酸化(SiO)膜を順次下から堆積した4層膜構造の反射防止膜の分光特性を示す。曲線Cから分かるように、4層膜による反射防止膜の分光特性は、短い周期で上下するリップルのある分光特性となり、その積分値(光電変換効率の積分値)が感度になることから、感度をみると下方にシフトする。
図5の曲線Bは、膜厚500nmのプラズマシリコン窒化(PSiN)膜と、膜厚50nmのシリコン窒化(SiN)膜と、膜厚15nmのシリコン酸化(SiO)膜を下から順次堆積した3層膜構造の反射防止膜の分光特性である。これは、4層膜による反射防止膜より粗い周期で上下する分光特性となっている。
また、表面照射型の固体撮像素子において、感度を向上するために層内レンズを形成した固体撮像素子の場合、5層または6層の屈折率の異なる膜がシリコン基板上に存在するため、上述の感度損失はより顕著になる。但し、層内レンズを形成した場合には、多層膜による反射防止膜の効果より、層内レンズによる集光効率の方が大きく作用していた。反射防止膜の構成としては、膜の層数が多いほど撮像素子の感度を低下させる。
本発明は、上述の点に鑑み、反射防止効率を向上してより感度向上を可能にした固体撮像素子及びこの固体撮像素子を備えたカメラモジュール、電子機器モジュールを提供するものである。
本発明は、併せて、シェーディング、隣接画素への光学的な混色を低減した固体撮像素子、小型のセンサとレンズモジュールの実現を可能にした固体撮像素、カメラモジュール及び電子機器モジュールを提供するものである。
本発明に係る固体撮像素子は、光電変換部と複数のトランジスタからなる複数の画素を有する。複数のトランジスタは、半導体基板の表面側に形成される。光電変換部は、半導体基板の表面側から裏面側に延在して形成される。半導体基板の光照射面となる裏面とカラーフィルタまたはオンチップレンズとの間には、半導体基板と屈折率を異にし、且つ膜厚方向に屈折率分布を有する1層膜による反射防止膜が形成される。固体撮像素子は、裏面照射型に構成されている。
本発明に係るカメラモジュールは、固体撮像素子と光学レンズ系を備える。固体撮像素子は、光電変換部と複数のトランジスタからなる複数の画素を有する。複数のトランジスタは、半導体基板の表面側に形成される。光電変換部は、半導体基板の表面側から裏面側に延在して形成される。半導体基板の光照射面となる裏面とカラーフィルタまたはオンチップレンズとの間には、半導体基板と屈折率を異にし、且つ膜厚方向に屈折率分布を有する1層膜による反射防止膜が形成される。固体撮像素子は、裏面照射型に構成されている。
本発明に係る電子機器モジュールは、固体撮像素子と光学レンズ系と信号処理手段を備える。固体撮像素子は、光電変換部と複数のトランジスタからなる複数の画素を有する。複数のトランジスタは、半導体基板の表面側に形成される。光電変換部は、半導体基板の表面側から裏面側に延在して形成される。半導体基板の光照射面となる裏面とカラーフィルタまたはオンチップレンズとの間には、半導体基板と屈折率を異にし、且つ膜厚方向に屈折率分布を有する1層膜による反射防止膜が形成される。固体撮像素子は、裏面照射型に構成されている。
上述の本発明における固体撮像素子では、裏面照射型に構成され、半導体基板の光照射面となる裏面とカラーフィルタまたはオンチップレンズとの間に、半導体基板と屈折率を異にし、且つ膜厚方向に屈折率分布を有する1層膜による反射防止膜を形成することにより、反射防止効率が向上し光電変換効率が向上する。
本発明の固体撮像素子によれば、裏面照射型固体撮像素子の裏面の光照射面とカラーフィルタまたはオンチップレンズとの間に、半導体基板と屈折率を異にし、且つ膜厚方向に屈折率分布を有する1層膜による反射防止膜を形成することにより、光電変換効率が向上し、裏面照射型固体撮像素子の感度をより向上することができる。
また、オンチップレンズと光電変換する半導体基板面が近づくので、画面内の入射角の違いに起因するシェーディングと、隣接画素への光学的な混色を低減することができる。また、シェーディングと、光学的な混色を従来の表面照射型固体撮像素子と同等まで許容すれば、撮像領域周辺での入射角を大きくとることができ、すなわち射出瞳距離を短くすることができ、固体撮像素子とレンズを一体化して1つのデバイスとして構成した小型モジュール(例えばカメラモジュール、電子モジュール等)の実現を可能にする。さらに、反射防止膜を2層膜とするときは、工程数の削減が可能になり、コスト低減を図ることができる。
本発明に係るカメラモジュールによれば、上記固体撮像素子を備えることにより、感度向上し、シェーディング、隣接画素への光学的な混色を低減し、さらに小型のカメラモジュールを実現することができる。
本発明に係る電子機器モジュールによれば、上記固体撮像素子を備えることにより、感度向上し、シェーディング、隣接画素への光学的な混色を低減し、さらに小型の電子機器モジュールを実現することができる。
本発明に係る裏面照射型のCMOS固体撮像素子の実施の形態を示す概略構成図である。 図1に示す実施の形態のCMOS固体撮像素子における1画素の断面構造の一例を示す断面図である。 図1に示す実施の形態のCMOS固体撮像素子における反射防止膜の実施の形態を示す模式図である。 A〜C 本発明に係る2層膜の反射防止膜の例を示す断面図である。 光照射面上の膜構造の違いによる光電変換率の波長依存性を示すグラフである。 本発明に係る反射防止膜の他の実施の形態を示す構成図である。 本発明を固体撮像素子と光学レンズ系を備えたモジュール、あるいは撮像カメラに適用した場合の、カラーフィルタの配置の他の例を示す概略構成図である。 本発明に係るモジュールの実施の形態を示す概略構成図である。 従来の表面照射型のCMOS固体撮像素子の構成図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明に係る固体撮像素子を、裏面照射型のCMOS固体撮像素子に適用した一実施の形態を示す画素部分の概略構成図である。図2は、その1画素の詳細断面図である。
本実施の形態に係る裏面照射型のCMOS固体撮像素子31は、図1に示すように、第1導電型のシリコン半導体基板32に第2導電型の半導体領域からなる画素分離領域33を形成し、この画素分離領域33で区画された各画素領域内に第2導電型半導体領域で囲われるように、光電変換部となるフォトダイオード34と、このフォトダイオード34に蓄積された信号電荷を読み出すための所要数のMOSトランジスタ35を形成して構成さる。画素分離領域33は、基板32の表面から裏面に至ように深さ方向に形成される。MOSトランジスタ35は基板32の表面側に形成され、フォトダイオード34は一部MOSトランジスタ35の下方に延びるように基板32の裏面側に延在して形成される。
基板32の表面上には、MOSトランジスタ35のゲート電極37が形成されると共に、その上に層間絶縁膜38を介して多層の配線層39が形成され、さらに層間絶縁膜38上に支持基板40が形成される。支持基板40としては、例えばシリコン基板を用いることができる。一方、半導体基板32の裏面上に後述する本発明に係る反射防止膜41を介してオンチップカラーフィルタ42が形成され、このカラーフィルタ42上に各画素に対応するようにオンチップレンズ43が形成される。このCMOS固体撮像素子31においては、基板裏面よりオンチップレンズ43を通してフォトダイオード34に対して光Lが照射されるようになされる。
この固体撮像素子31の単位画素の具体的構成の一例を図2に示す。この例では、第1導電型であるn型のシリコン半導体基板32に各画素領域101を区画するように第2導電型であるp型の半導体領域からなる画素分離領域33が形成される。この画素分離領域33は比較的低濃度のp型半導体領域で形成される。画素領域101のn型半導体基板32には、その表面にp型画素分離領域33に接続して一部画素領域101内に延在するようにp型半導体ウェル領域51が形成される。光電変換部となるフォトダイオード34は、p型画素分離領域33及びp型半導体ウェル領域51により囲まれたn型半導体基板32で形成される。すなわち、フォトダイオード34は、n半導体領域32Aとその表面側の高不純物濃度のn+半導体領域32Bとにより形成される。n+半導体領域32Bの表面側の界面には、暗電流発生を抑制するための高不純物濃度のp型半導体領域からなるp+アキュミュレーション層53が形成される。さらに、各画素領域に共通に、n型半導体基板32の裏面、すなわちn半導体領域32Aの裏面側の界面に暗電流発生を抑制するための高不純物濃度のp型半導体領域からなるp+アキュミュレーション層54が形成される。
このフォトダイオード34は、n+半導体領域32Bの表面及びn半導体領域32Aの裏面にp+アキュミュレーション層53及び54を有するので、いわゆるHADセンサとして構成される。また、フォトダイオード34は、n半導体領域32Aがp型半導体ウェル領域51の下方に延在するので、画素領域の全体にわたるように大面積で形成される。
一方、MOSトランジスタ35は、p型半導体ウェル領域51に形成される。すなわち、例えば1画素を1フォトダイオードと4つのMOSトランジスタで構成するときは、MOSトランジスタ35は、読出しトランジスタ、リセットトランジスタ、アンプトランジスタ及び垂直選択トランジスタを有する。図2では、p型半導体ウェル領域51内にフォトダイオード34に近接して一方n+ソース・ドレイン領域61が形成され、この一方のn+ソース・ドレイン領域61と他方のソース・ドレイン領域を兼ねるフォトダイオード34のn+半導体領域52間のp型半導体ウェル領域51上にゲート絶縁膜を介してゲート電極37が形成されて読出しトランジスタTr1 が形成される。
そして、p型半導体ウェル領域51の他部に、各対応したn+ソース・ドレイン領域62、63が形成され、両n+ソース・ドレイン領域62及び63間のp型半導体ウェル領域51上にゲート絶縁膜を介してゲート電極37が形成されて、他のMOSトランジスタ、すなわちリセットトランジスタTr2、アンプトランジスタTr3、垂直選択トランジスタTr4が形成される。
半導体基板の表面上には、例えばシリコン酸化膜等による層間絶縁膜38を介して多層の配線層39が形成され、層間絶縁膜38上に例えばシリコン基板による支持基板40が接合される。半導体基板の裏面の光照射面56には、本発明の反射防止膜41が形成され、の反射防止膜41上にオンチップカラーフィルタ42を介してオンチップレンズ43が形成される。
そして、本実施の形態においては、特に図3に示すように、基板裏面側の光照射面56上の反射防止膜41が、シリコン基板32と屈折率の異なる2層の膜66、67による反射防止膜411によって形成される。なお、図3では反射防止膜411の構成を明瞭にするため、反射防止膜411以外の部分は図1及び図2と同様であるので、フォトダイオード、MOSトランジスタ及び配線層等を省略した。この2層膜の反射防止膜411は、シリコン酸化(SiO)膜、シリコン窒化(SiN)膜、シリコン酸化窒化(SiON)膜、多結晶シリコンから選ばれた2層の膜66、67で形成することができる。図4は反射防止膜411の構成例を示している。
図4Aでは、シリコン基板裏面の光照射面56上にシリコン酸化(SiO)膜66、シリコン窒化(SiN)膜67を順次堆積させて2層膜の反射防止膜411を構成する。
図4Bでは、シリコン基板裏面の光照射面56上にシリコン酸化(SiO)膜66、シリコン酸化窒化(SiON)膜67を順次堆積させて2層膜の反射防止膜411を構成する。
図4Cでは、シリコン基板裏面の光照射面56上にシリコン酸化窒化(SiON)膜66、シリコン窒化(SiN)膜67を順次堆積させて2層膜の反射防止膜411を構成する。
シリコン酸化窒化膜は、窒素Nの組成比で屈折率が変わり、窒素Nの組成比が多くなるにつれて屈折率が大きくなる。膜66、67は、光照射面56から屈折率の小さい膜の順に堆積される。
反射防止膜411としては、シリコン酸化(SiO)膜66とシリコン窒化(SiN)膜67の組み合わせが好ましい。このとき、シリコン酸化(SiO)膜66の膜厚としては、25nm以下(0を含まず)とすることが好ましい。シリコン酸化膜の膜厚は、1nm程度でも可能であり、限りなく薄くても可能である。また、シリコン窒化膜67の膜厚は、40nm〜60nmの範囲とするこが好ましい。シリコン酸化膜66の膜厚が25nm以下であれば、後述する図5の曲線Aで示す本発明に係る分光特性が、4層膜(曲線C参照)の平均的な分光特性よりも高くなり、光電変換効率の向上が図れる。シリコン窒化膜67の膜厚が40nm〜60nmの範囲であれば、上記と同様の理由により光電変換効率の向上が図れる。
図5において、曲線Aは本実施の形態に係るシリコン酸化膜66とシリコン窒化膜67の2層膜による反射防止膜411の光電変換効率の波長依存性を示す分光特性である。この曲線Aは、シリコン酸化膜66の膜厚15nm程度、シリコン窒化膜67の膜厚を50nm程度としたときの特性である。4層膜(曲線C参照)、3層膜(曲線B)に比べて光電変換効率が向上し、撮像素子の感度が向上している。
本実施の形態に係る裏面照射型のCMOS固体撮像素子31によれば、基板裏面の光照射面に2層膜による反射防止膜411、好ましくはシリコン酸化膜とシリコン窒化膜の2層膜の反射防止膜を形成することにより、入射光の反射防止効率が向上し、撮像素子の感度を向上することができる。
2層膜による反射防止膜411の形成は、特に裏面照射型のCMOS固体撮像素子であるために、多層の配線層の制約を受けずに形成可能となる。
本実施の形態の固体撮像素子31では、基板裏面に臨むフォトダイオード34が画素領域全体に形成されるので、フォトダイオード34の開口が100%になり、光電変換効率の更なる向上が得られ、高感度の固体撮像素子が得られる。
また、2層膜の反射防止膜411を有するので、光照射面の最上層であるオンチップレンズ43と光電変換するシリコン面が近づくことにより、撮像面内の入射角の違いに起因するシェーディングと、隣接画素への光学的な混色を低減することができる。
また、シェーディングと光学的混色を従来の表面照射型のCMOS固体撮像素子と同等まで許容すれば、撮像領域周辺での入射角を大きくとることができ、いわゆる出射瞳距離を短くすることができ、固体撮像素子とレンズを一体化して1つのデバイスとして構成した小型モジュール(例えばカメラモジュール、電子モジュール等)の実現を可能にする。 さらに2層膜による反射防止膜411を有することで、製造工程の削減、及び工程削減によるコストダウンを図ることができる。
図1で示す本発明に係る反射防止膜41として、図4では、2層膜の反射防止膜411を構成したが、その他、図6に示すように、1層膜による反射防止膜422を構成することができる。この場合の1層膜の反射防止膜412は、膜厚方向で屈折率がステップ的に異なるように形成する。例えばシリコン酸化窒化(SiON)膜を用い、その窒素組成比を膜厚方向で変えて1層膜の反射防止膜を形成することができる。
本発明に係る反射防止膜41〔411〜413〕、422は、裏面照射型のCCD固体撮像素子に適用することができる。本例の裏面照射型のCCD固体撮像素子は、図示せざるも、半導体基板の表面側に光電変換部(フォトダイオード)における高不純物濃度の電荷蓄積領域と、この光電変換部からの信号電荷を読み出すための垂直転送レジスタが形成され、半導体基板の裏面側に臨む光電変換部の界面に暗電流発生を抑制するための高不純物濃度のアキュミュレーション層が形成される。この裏面側のアキュミュレーション層上にカラーフィルタを介してオンチップレンズが形成される。また、表面側では補強用の支持基板が貼り合わされる。
そして、本例においては、裏面側のアキュミュレーション層の面、すなわち裏面側の光照射面87に前述した本発明に係る例えば2層膜の反射防止膜411、あるいは1層膜の反射防止膜422が形成される。
本実施の形態に係る裏面照射型のCCD固体撮像素子においても、前述の裏面照射型のCMOS固体撮像素子と同様に、入射光の反射防止効率が向上し、撮像素子の感度を向上することができる。また、基板裏面に臨む光電変換部(フォトダイオード)が画素領域全体に形成可能であるので、フォトダイオード74の開口が100%になり、光電変換効率の更なる向上が得られ、高感度の固体撮像素子が得られる。
光照射面の最上層であるオンチップレンズと光電変換するシリコン面が近づくことにより、撮像面内の入射角の違いに起因するシェーディングと、隣接画素への光学的な混色を低減することができる。
また、シェーディングと光学的混色を従来の表面照射型のCMOS固体撮像素子と同等まで許容すれば、撮像領域周辺での入射角を大きくとることができ、いわゆる出射瞳距離を短くすることができ、固体撮像素子とレンズを一体化して1つのデバイスとして構成した小型モジュール(例えばカメラモジュール、電子モジュール等)の実現を可能にする。
なお、上例では、本発明に係る反射防止膜41を裏面照射型の固体撮像素子に適用したが、その他、表面照射型のCMOS固体撮像素子あるいはCCD固体撮像素子に適用することができる。表面照射型のCMOS固体撮像素子、CCD固体撮像素子に適用する場合には、例えば、シリコン直上の配線層間絶縁膜を除去し、ここに本発明の反射防止膜のみを形成することができる。若しくは反射防止膜及びオンチップカラーフィルタ、オンチップレンズの構成とすることもできる。
本発明は、上述した実施の形態固体撮像素子を組み込んで撮像カメラ、各種モジュールを構成することができる。図7は、裏面の光照射面に2層膜または1層膜の反射防止膜41を形成した、上述の裏面照射型のCMOS固体撮像素子31、あるいは裏面照射型のCCD固体撮像素子と光学レンズ系85の部分の実施の形態を示す。カラーフィルタは、反射防止膜41とオンチップレンズ43(または89)との間に配置することもでき、または撮像カメラ、モジュールの機種に応じて図7に示すように、光学レンズ系85側において、その固体撮像素子に対抗する側またはその反対側に配置することもできる。
図8は、本発明に係る電子機器モジュール、カメラモジュールの実施の形態を示す概略構成を示す。図8のモジュール構成は、電子機器モジュール、カメラモジュールの双方に適用可能である。本実施の形態のモジュール110は、上述した実施の形態のいずれかの固体撮像素子、例えば裏面照射型固体撮像素子31、光学レンズ系111、入出力部112信号処理装置(Digital Signal Processors)113、光学レンズ系制御用の中央演算装置(CPU)114を1つに組み込んでモジュールを形成する。また、電子機器モジュール、あるいはカメラモジュール115としては、例えば裏面照射型固体撮像素子31あるいは71、光学レンズ系111及び入出力部112のみでモジュールを形成することもできる。また、例えば裏面照射型固体撮像素子31あるいは71、光学レンズ系111、入出力部112及び信号処理装置(Digital Signal Processors)113を備えたモジュール116を構成することもできる。
本実施の形態に係るカメラモジュール、電子機器モジュールによれば、固体撮像素子への入射光の反射防止効率が向上し、モジュールおける固体撮像素子の感度を向上することができる。また、撮像面内の入射角の違いに起因するシェーディングと、隣接画素への光学的な混色が低減する。シェーディングと光学的混色を従来の表面照射型の固体撮像素子と同等まで許容すれば、出射瞳距離を短くすることができ、より小型のモジュールを実現することができる。
なお、本発明の固体撮像素子、特に裏面照射型の固体撮像素子を撮像カメラに適用した場合にも、固体撮像素子への入射光の反射防止効率が向上し、撮像カメラの感度を向上することができる。また、撮像面内の入射角の違いに起因するシェーディングと、隣接画素への光学的な混色が低減する。シェーディングと光学的混色を従来の表面照射型の固体撮像素子と同等まで許容すれば、出射瞳距離を短くすることができ、より小型の撮像カメラを実現することができる。
31・・裏面照射型のCMOS固体撮像素子、32・・半導体基板、32A・・n半導体領域、33・・画素分離領域、34・・フォトダイオード、35・・MOSトランジスタ、Tr1 ・・読み出しトランジスタ、37・・ゲート電極、38・・層間絶縁膜、39・・多層の配線層、40・・支持基板、41〔411〜413〕、422・・反射防止膜、42・・カラーフィルタ、43・・オンチップレンズ、51・・p型半導体ウェル領域、52・・n+半導体領域、53、54・・p+アキュミュレーション層、56・・光照射面、66、67・・絶縁膜

Claims (6)

  1. 光電変換部と複数のトランジスタからなる複数の画素を有し、
    前記複数のトランジスタは、半導体基板の表面側に形成され、
    前記光電変換部は、前記半導体基板の表面側から裏面側に延在して形成され、
    前記半導体基板の光照射面となる裏面とカラーフィルタまたはオンチップレンズとの間に、前記半導体基板と屈折率を異にし、且つ膜厚方向に屈折率分布を有する1層膜による反射防止膜が形成され、
    裏面照射型に構成されている
    固体撮像素子。
  2. 前記反射防止膜が、窒素組成比を膜厚方向で変えたシリコン酸化窒化膜による1層膜で形成されている
    請求項1記載の固体撮像素子。
  3. 固体撮像素子と光学レンズ系を備え、
    前記固体撮像素子は、
    光電変換部と複数のトランジスタからなる複数の画素を有し、
    前記複数のトランジスタは、半導体基板の表面側に形成され、
    前記光電変換部は、前記半導体基板の表面側から裏面側に延在して形成され、
    前記半導体基板の光照射面となる裏面とカラーフィルタまたはオンチップレンズとの間に、前記半導体基板と屈折率を異にし、且つ膜厚方向に屈折率分布を有する1層膜による反射防止膜が形成され、
    裏面照射型に構成されている
    カメラモジュール。
  4. 前記反射防止膜が、窒素組成比を膜厚方向で変えたシリコン酸化窒化膜による1層膜で形成されている
    請求項3記載のカメラモジュール。
  5. 固体撮像素子と光学レンズ系と信号処理手段を備え、
    前記固体撮像素子は、
    光電変換部と複数のトランジスタからなる複数の画素を有し、
    前記複数のトランジスタは、半導体基板の表面側に形成され、
    前記光電変換部は、前記半導体基板の表面側から裏面側に延在して形成され、
    前記半導体基板の光照射面となる裏面とカラーフィルタまたはオンチップレンズとの間に、前記半導体基板と屈折率を異にし、且つ膜厚方向に屈折率分布を有する1層膜による反射防止膜が形成され、
    裏面照射型に構成されている
    電子機器モジュール。
  6. 前記反射防止膜が、窒素組成比を膜厚方向で変えたシリコン酸化窒化膜による1層膜で形成されている
    請求項5記載の電子機器モジュール。
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