JP2011040400A - アルカリ蓄電池用ニッケル電極活物質、アルカリ蓄電池およびアルカリ蓄電池の初期化成処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電池温度が高温の場合であっても、高率放電特性を維持しつつ、高い充電効率を達成できるアルカリ蓄電池用ニッケル電極活物質を提供する。
【解決手段】アルカリ蓄電池用ニッケル電極活物質は、水酸化ニッケル系の第1成分と、スカンジウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルピウム、ツリウム、ルテチウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金および水銀からなる元素群から選択された元素を1種含む第2成分とを含んでいる。第2成分は、第1成分100重量部に対し、通常、0.5〜20重量部含まれている。
【選択図】図4
【解決手段】アルカリ蓄電池用ニッケル電極活物質は、水酸化ニッケル系の第1成分と、スカンジウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルピウム、ツリウム、ルテチウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金および水銀からなる元素群から選択された元素を1種含む第2成分とを含んでいる。第2成分は、第1成分100重量部に対し、通常、0.5〜20重量部含まれている。
【選択図】図4
Description
本発明は、活物質、蓄電池および蓄電池の初期化成処理方法、特に、アルカリ蓄電池用ニッケル電極活物質、当該活物質を用いたアルカリ蓄電池およびそのようなアルカリ蓄電池の初期化成処理方法に関する。
携帯電話、小型電動工具および小型パーソナルコンピュータ等の携帯用電子機器類用の動力源として、アルカリ蓄電池の一種であるニッケル水素蓄電池が利用されつつある。ニッケル水素蓄電池は、通常、正極側に水酸化ニッケル系材料を、また、負極側に水素吸蔵合金をそれぞれ活物質として用いたものであり、高エネルギー密度を達成できる点で優れているが、最近ではそれに加えて高率放電特性の改良がなされ、電気およびガソリンの両方をエネルギー源として利用するハイブリッド自動車や電気自動車等の高出力用途の動力源としても注目されるに至っている。
上述のようなニッケル水素蓄電池は、常温付近で用いられた場合、電解液の分解により酸素が発生する電位(酸素発生電位)と、正極活物質である水酸化ニッケルからオキシ水酸化ニッケルへの酸化反応が起こる電位(酸化反応電位)との差が大きいため、一般に高い充電効率を期待することができるが、充放電時の発熱等により温度上昇すると、この電位差が小さくなり、充電効率が低下する傾向にある。このため、ニッケル水素蓄電池は、放熱性を高めた温度上昇しにくい環境で用いられるのが好ましいが、通常は携帯電子機器類内や自動車内などの放熱しにくい狭小な空間内に配置されて用いられる場合が多いため、温度上昇が避けられず、充電効率を高く維持するのが困難な場合が多い。
そこで、ニッケル水素蓄電池については、高温下における充電効率の低下を抑制するための改良が種々検討されている。例えば、特開平3−78965号公報には、正極において、水酸化ニッケルを構成するニッケル元素の一部を周期律の第II族元素、コバルトまたはこれらの両者で置換することにより、酸素発生電位を貴にシフトさせたり、或いは水酸化ニッケルの酸化反応電位を卑にシフトさせたりし、これによって高温下であっても酸化反応電位と酸素発生電位との差が大きくなるよう設定したものが開示されている。また、特開平7−45281号公報には、ニッケル水素蓄電池において通常用いられるアルカリ電解液である水酸化カリウム電解液に水酸化リチウムを添加し、これにより酸素発生電位を貴にシフトさせる構成が開示されている。しかし、これらの公報に開示された充電効率の改良手段は、高温下における充電効率をある程度改善できるものの、その効果は必ずしも満足できるものではない。
そこで、高温特性が著しく改善されたアルカリ蓄電池として、例えば、特開平9−92279号公報には、正極のニッケル水酸化物に対してイッテルビウムまたはイッテルビウム化合物(例えばYb2O3などの酸化物)を添加したものが開示されている。また、特開平5−28992号公報には、同様に正極のニッケル水酸化物に対してイットリウムまたはイットリウム化合物(例えばY2O3やY(OH)3など)を添加したものが開示されている。これらのアルカリ蓄電池は、正極において、充電時の酸素発生電位が貴側にシフトする結果、当該電位と酸化反応電位との差が大きくなり易く、高温下における充電効率を高めることができるのであるが、イッテルビウム、イッテルビウム化合物、イットリウムまたはイットリウム化合物はニッケル水酸化物中に通常は分散し難いため、初期から充分な充電効率を得るのが困難であり、また、これらの元素および化合物は正極における導電性ネットワークの形成を妨げる場合があるので、高率放電特性を維持するのが困難である。
特開平3−78965号公報
特開平7−45281号公報
特開平9−92279号公報
特開平5−28992号公報
本発明の目的は、電池温度が高温の場合であっても、高率放電特性を維持しつつ、高い充電効率を達成できるアルカリ蓄電池を実現することにある。
本発明で使用するアルカリ蓄電池用ニッケル電極活物質は、水酸化ニッケル系の第1成分と、スカンジウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルピウム、ツリウム、ルテチウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金および水銀からなる元素群から選択された元素を1種含む第2成分とを含んでいる。
ここで、第1成分の一態様は、例えば、水酸化ニッケルおよびニッケル元素以外の異種元素が固溶された水酸化ニッケルのうちの少なくとも1種と、金属コバルトおよびコバルト酸化物のうちの少なくとも1種とを含む混合物である。
また、第1成分の他の態様は、例えば、水酸化ニッケル粒子をコバルト化合物により被覆した粒子の群、およびニッケル元素以外の異種元素が固溶された水酸化ニッケル粒子をコバルト化合物により被覆した粒子の群のうちの少なくとも1種からなる粒子群である。ここで、コバルト化合物は、例えば、一酸化コバルト、2価のα型水酸化コバルト、2価のβ型水酸化コバルトおよび2価を超える高次コバルトの化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種である。
一方、第2成分は、例えば、上述の元素群から選択された元素の化合物である。なお、第2成分において、上述の元素群から選択された元素は、例えば、ホルミウム、エルビウム、ツリウムおよびルテチウムからなる群から選ばれた金属元素が好ましい。
上述のようなアルカリ蓄電池用ニッケル電極活物質は、例えば、第1成分100重量部に対し、第2成分を0.5〜20重量部含んでいる。
本発明に係るアルカリ蓄電池は、水酸化ニッケル系の第1成分と、スカンジウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルピウム、ツリウム、ルテチウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金および水銀からなる元素群から選択された元素を1種含む第2成分とを含む活物質を備えた正極、水素吸蔵合金を活物質とする負極、正極と負極との間に配置されたセパレータ、正極、負極およびセパレータを収容するケース、並びにケース内に配置された電解液を備えている。
ここで、セパレータは、例えば、ポリオレフィン樹脂系の微細繊維を用いて形成されかつ親水性を有する不織布である。
本発明のアルカリ蓄電池は、通常、初期化成処理時において、電池温度が40〜80℃に設定されている。
また、本発明に係るアルカリ蓄電池の初期化成処理方法は、水酸化ニッケル系の第1成分並びにスカンジウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルピウム、ツリウム、ルテチウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金および水銀からなる元素群から選択された元素を1種含む第2成分を含む活物質を備えた正極と、水素吸蔵合金を活物質とする負極と、正極と負極との間に配置されたセパレータと、正極、負極およびセパレータを収容するケースと、ケース内に配置された電解液とを備えたアルカリ蓄電池を、40〜80℃の電池温度に設定して充電する工程を含んでいる。
本発明では、水酸化ニッケル系の第1成分と、特定の元素群から選択された元素を1種含む第2成分とを含んでいるため、電池温度が高温の場合であっても、高率放電特性を維持しつつ、高い充電効率を示すアルカリ蓄電池を実現することができる。
また、本発明のアルカリ蓄電池は、本発明に係る上述のニッケル電極活物質を用いているため、電池温度が高温の場合であっても、高率放電特性を維持しつつ、高い充電効率を示す。特に、このアルカリ蓄電池は、セパレータとして上述のものを用いた場合、容量保持率に優れ、自己放電しにくい。
さらに、本発明に係るアルカリ蓄電池の初期化成処理方法は、本発明のアルカリ蓄電池を所定の電池温度範囲において充電する工程を含むため、当該アルカリ蓄電池の高温時における充電効率をより高めることができる。
本発明で使用するアルカリ蓄電池用ニッケル電極活物質は、水酸化ニッケル系の第1成分と、一定の元素群から選択された元素を1種含む第2成分とを含んでいる。
本発明で用いられる第1成分、すなわち、水酸化ニッケル系の成分は、水酸化ニッケルを主成分とする、ニッケル水素蓄電池等のアルカリ蓄電池に通常用いられている粒子の群であり、その種類が特に限定されるものではない。ここで、主成分である水酸化ニッケルとしては、水酸化ニッケルそのものや、高温下での充電効率をより高めることを目的として、水酸化ニッケルの結晶格子中にニッケル以外(すなわち、水酸化ニッケルの構成元素以外)の異種元素が固溶された水酸化ニッケルを用いることができる(以下、これらの水酸化ニッケルを総称して、単に「水酸化ニッケル」という場合がある)。
水酸化ニッケルに固溶される異種元素としては、例えば、亜鉛やコバルトを挙げることができる。このような異種元素は、単体(金属)として水酸化ニッケルの結晶格子中に固溶されていてもよく、水酸化物や酸化物などの化合物として水酸化ニッケルの結晶格子中に固溶されていてもよい。また、異種元素は、2種以上のものが同時に固溶されていてもよい。さらに、水酸化ニッケルの結晶格子中におけるこのような異種元素の含有量は、通常、異種元素としての重量換算で、水酸化ニッケルの重量に対して少なくとも2重量部以上に設定されているのが好ましい。
また、水酸化ニッケル系の成分としては、水酸化ニッケルに導電性を付与してその利用率を高めることを目的として、上述のような水酸化ニッケルからなる主成分に対し、コバルト系の副成分を混合したものが用いられてもよい。ここで用いられるコバルト系の副成分としては、通常、金属コバルトやコバルト酸化物(例えば一酸化コバルト)の粒子状物(粉状物)を例示することができる。これらは適宜併用されてもよい。このような水酸化ニッケル系の成分、すなわち第1成分は、後述する第2成分を混合した後であっても導電性を高めるための導電性ネットワークが形成され易く、高温時における充電効率および高率放電特性が良好な活物質を達成し易くなる。
さらに、水酸化ニッケル系の成分としては、水酸化ニッケルの粒子の表面に導電性を付与して活物質における導電性ネットワークが形成され易くし、同時に電池の充放電サイクルの繰り返しにより水酸化ニッケルが膨潤して電池寿命が短縮されるのを防止するために、水酸化ニッケルの粒子または異種元素が固溶された水酸化ニッケルの粒子の表面をコバルト化合物により被覆したものが用いられてもよい。また、これらを適宜混合したものが用いられてもよい。ここで用いられるコバルト化合物は、活物質として用いられる水酸化ニッケルの粒子を上述の目的で被覆するために通常用いられているものであれば特に限定されるものではないが、好ましくは一酸化コバルト、2価のα型水酸化コバルト、2価のβ型水酸化コバルトおよび2価を超える高次コバルトの化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種である。このような水酸化ニッケル系の成分、すなわち第1成分は、後述する第2成分を混合した後であっても導電性を高めるための導電性ネットワークが形成され易く、高温時における充電効率および高率放電特性が良好なアルカリ蓄電池を達成し易くなる。
一方、本発明で用いられる第2成分は、一定の元素、すなわち、スカンジウム(Sc)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルピウム(Er)、ツリウム(Tm)、ルテチウム(Lu)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)および水銀(Hg)の元素群から選択された1種の元素を含むものである。
本発明で用いられる第2成分において、上述の元素群から選択された元素の含有形態は特に限定されるものではない。すなわち、第2成分には、上述の元素群から選択された元素が、単体または化合物の形態で含まれていればよい。ここで、元素の化合物としては、例えば、酸化物、水酸化物、ハロゲン化物および炭酸化物を挙げることができる。また、当該元素の化合物は、同じ元素の2種以上の化合物が混合されたものであってもよい。なお、元素の化合物として好ましいものは、酸化物および水酸化物のうちの1種である。
本発明で用いられる第2成分として好ましいものは、上述の元素群のうち、Ho、Er、TmおよびLuからなる群(以下、特定元素群という場合がある)、より好ましくはEr、TmおよびLuからなる群から選ばれた金属元素の単体、または当該金属元素の化合物である。これらの元素、特に、それらの酸化物を含む第2成分を用いた活物質を備えたニッケル電極は、図1に示すように、40℃および60℃のいずれの温度においても他の元素に比べて酸素発生電位と水酸化ニッケルの酸化反応電位との差が大きい。これは、このような元素を含む本発明の活物質が酸素発生電位をより貴側にシフトさせるためであり、これによりアルカリ蓄電池の充電末期に発生する競争反応である水の酸化分解を抑制することができ、その結果、高温時におけるアルカリ蓄電池の充電効率をより効果的に高めることができる。
上述のような第1成分および第2成分を含む本発明のアルカリ蓄電池用ニッケル電極活物質において、第1成分と第2成分との配合割合は、通常、第1成分100重量部に対し、第2成分を0.5〜20重量部に設定するのが好ましく、2〜5重量部に設定するのがより好ましい。第2成分の配合割合が0.5重量部未満の場合は、アルカリ蓄電池において、酸素発生電位を貴にシフトさせる効果が低下する場合があり、高温時におけるアルカリ蓄電池の充電効率を高めるのが困難になるおそれがある。逆に、第2成分の配合割合が20重量部を超える場合は、活物質の第1成分において導電性ネットワークの形成が阻害される可能性があり、その結果、アルカリ蓄電池の高率放電特性が低下するおそれがある。また、第2成分は、活物質において充放電に直接関与する成分ではないため、その配合割合が増加するに従って相対的に第1成分の配合割合が低下することになり、結果的に第1成分の絶対量が減少してアルカリ蓄電池のエネルギー密度を低下させるおそれもある。
本発明のアルカリ蓄電池用ニッケル電極活物質は、上述の第1成分と第2成分とを別個に用意し、第1成分に対し、好ましくは上述の所定の割合で第2成分を添加して均一に混合すると調製することができる。このようにして調製された活物質は、通常、カルボキシメチルセルロース等の結着剤と混合してペースト状に調製され、このペーストをニッケル製の多孔質基板に塗布すると、アルカリ蓄電池用の正極を構成することができる。
本発明に係るアルカリ蓄電池用ニッケル電極活物質は、上述の第1成分に対して上述のような第2成分を添加して混合したものであるため、それを用いたアルカリ蓄電池において、酸素発生電位を貴にシフトさせることができ、その結果、当該酸素発生電位と第1成分である水酸化ニッケル系成分側の酸化反応電位との差を大きく設定することができる。この結果、本発明のニッケル電極活物質を用いたアルカリ蓄電池は、高温時においても充電効率が低下しにくく、高い充電効率を維持し得る。なお、本発明の活物質において、第2成分は、第1成分から独立した状態で含まれているため、第1成分における導電性ネットワークの形成を阻害しにくい。したがって、本発明の活物質は、アルカリ蓄電池において、高率放電特性を維持しつつ、高温時における充電効率を高めることができる。
次に、図2を参照して、本発明の実施の一形態に係るアルカリ蓄電池について説明する。図において、アルカリ蓄電池1は、ニッケル水素蓄電池であり、ケース2と、当該ケース2内に配置された正極3、負極4、セパレータ5および電解液(図示せず)を主に備えている。
ケース2は、上部に開口部2aを有する概ね円筒状の容器であり、その底面部が負極端子に設定されている。正極3、負極4およびセパレータ5は、いずれも柔軟性を有する帯状の部材であり、正極3と負極4とはセパレータ5を挟みつつ渦巻き状に巻き取られた状態でケース2内に配置されている。また、ケース2の開口部2aは、ケース2内に電解液が注入された状態で、絶縁ガスケット6を挟んで封口板7により液密に封鎖されている。なお、封口板7は、上面に正極端子8を有している。この正極端子8は、封口板7と正極3とを電気的に接続する集電体9により、正極3に接続されている。
このようなアルカリ蓄電池1において用いられる正極3は、柔軟性を有する発泡ニッケル板などのニッケル製多孔質基板に対し、本発明に係る上述のニッケル電極活物質を含むペーストを均一に塗布して乾燥させたものである。
また、負極4は、例えば柔軟性を有する穿孔鋼板に対し、水素吸蔵合金の粉末と増粘剤とを含むペーストを均一に塗布して乾燥させたものである。ここで用いられる水素吸蔵合金は、ニッケル水素蓄電池において用いられている各種のものであって特に限定されるものではないが、例えば、CaCu5型構造を有するAB5系合金、MgCu2型やMgZn2型等のラーベス相構造を有するAB2系合金、CsCl型構造を有するAB系合金、またはMg2Ni型構造を有するA2B系合金等である。
セパレータ5は、例えば、ポリエチレン樹脂繊維やポリプロピレン樹脂繊維などのポリオレフィン樹脂系繊維、好ましくは平均繊維径が3〜25μm程度の微細繊維を用いて形成された通気性の不織布からなる。この不織布は、目付量が40〜80g/m2に設定されているのが好ましい。目付量がこのように設定されている場合、当該不織布は、電池反応により負極4の水素吸蔵合金において発生した水素ガスが正極3側に移動するのを効果的に抑制しつつアルカリ蓄電池1の内圧上昇を抑制できる程度の通気度、具体的には6〜40cc/cm2/秒程度の通気度に設定され得る。この結果、正極3において、水素ガスによる還元反応が起こりにくくなり、アルカリ蓄電池1の自己放電が抑制されることになる。
また、セパレータ5を構成する不織布は、親水性を有するものが好ましい。親水性を有する不織布は、例えば、上述の繊維からなる不織布を発煙硫酸に浸漬してスルホン化処理する方法、光増感剤を含むビニルモノマー溶液に不織布を浸漬した後、当該不織布に対して紫外線を照射してカルボキシル基を導入する方法等により実現することができる。また、ポリオレフィン樹脂系繊維として、予めアクリル酸系のモノマーがグラフト重合されたものを用いた場合も、親水性を有する不織布を得ることができる。
上述の親水性を有するセパレータ5は、好ましくはイオン交換能を有するものである。この場合、セパレータ5のイオン交換能は、カリウムイオンの交換量として、0.05〜1ミリ当量/gが好ましい。セパレータ5は、このようなイオン交換能を有する場合、電解液中に存在するNO3 −、NO2 −、NH4 +および負極4から溶出した遷移金属イオンなどの各種の不純物イオンを吸着し、これらの不純物イオンに起因するアルカリ蓄電池1の自己放電を効果的に抑制することができる。
因みに、アルカリ蓄電池1の自己放電は、アルカリ蓄電池1の充電時に正極3の活物質において生成するオキシ水酸化ニッケル(NiOOH)の自己分解現象、および正極3中に含まれる場合がある不純物である上述のNO3 −、NO2 −、NH4 +等のイオンによるシャトル効果、すなわち、正極3においてNO2 −イオンがNO3 −イオンに酸化され、同時に負極4においてNO3 −イオンがNO2 −イオンに還元される現象等により生じるものと見なされている。
さらに、このアルカリ蓄電池1において用いられる電解液は、各種のアルカリ水溶液であり、特に限定されるものではないが、例えば、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムなどが溶解された水溶液である。
本発明に係る上述のアルカリ蓄電池1は、正極3において本発明に係る上述のニッケル電極活物質を用いているため、酸素発生電位を貴にシフトさせることができ、その結果、当該酸素発生電位と第1成分である水酸化ニッケル系成分側の酸化反応電位との差を大きく設定することができる。この結果、このアルカリ蓄電池1は、高温時においても、高率放電特性を維持しつつ、高い充電効率を達成し得る。
なお、上述のアルカリ蓄電池1は、通常、初期化成処理時の温度を40〜80℃に設定して用いるのが好ましい。初期化成処理時の温度をこのように設定した場合は、正極3において、ニッケル電極活物質中に含まれる第2成分の第1成分中への溶解または分散が促進され易く、酸素発生電位をより貴にシフトさせ易い。この結果、アルカリ蓄電池1は、酸素発生電位と酸化反応電位との差がより大きくなり、高温時における充電効率がより高められることになる。
なお、初期化成処理時の温度を80℃より高く設定した場合は、電解液がケース2から外部に漏れ出すおそれがあり、また、負極4において水素吸蔵合金の腐食が進行し易くなり、結果的にアルカリ蓄電池1の寿命が短くなる可能性がある。
因みに、初期化成処理の方法としては、例えば、アルカリ蓄電池1の温度を上述の範囲に設定し、その状態で、1/20CmA以下の充電電流で10時間以下充電した後、1/10CmA以上の充電電流でさらに10時間以上充電する方法を採用することができるが、温度設定が上述のようにされていれば、他の充電方法が採用されてもよい。
実施例1〜14
(正極の製造)α型水酸化コバルトが表面に被覆されかつ亜鉛およびコバルトがそれぞれ3重量部および6重量部固溶された水酸化ニッケルの粉末(A)と、表1に示す元素化合物(B)とをA:B=96.5:3.5の重量比で混合し、正極活物質を得た。次に、得られた活物質80重量部と、カルボキシメチルセルロース水溶液20重量部とを混合してペーストを調製した。集電体であるニッケル多孔体基板にこのペーストを均一に塗布して乾燥した後、多孔体基板をAAサイズの電池用の電極サイズに加圧、切断した。これにより、容量が1,500mAhの正極を得た。
(正極の製造)α型水酸化コバルトが表面に被覆されかつ亜鉛およびコバルトがそれぞれ3重量部および6重量部固溶された水酸化ニッケルの粉末(A)と、表1に示す元素化合物(B)とをA:B=96.5:3.5の重量比で混合し、正極活物質を得た。次に、得られた活物質80重量部と、カルボキシメチルセルロース水溶液20重量部とを混合してペーストを調製した。集電体であるニッケル多孔体基板にこのペーストを均一に塗布して乾燥した後、多孔体基板をAAサイズの電池用の電極サイズに加圧、切断した。これにより、容量が1,500mAhの正極を得た。
(負極の製造)MmNi3.5Co0.8Mn0.4Al0.3の組成(Mmは、La,Ce,Pr,NdおよびSm等の希土類元素の混合物であるミッシュメタルを意味している。以下の実施例においても同じである)で示されるCaCu5型構造を有する水素吸蔵合金粉末に増粘剤を加えてペーストを調製した。このペーストを穿孔鋼板に塗布して乾燥した後、穿孔鋼板をAAサイズの電池用の電極サイズに加圧、切断した。これにより、負極を得た。
(ニッケル水素蓄電池の製造)アクリル酸がグラフト重合されたポリプロピレン樹脂系不織布からなるセパレータを挟んで上述の正極と負極とを巻き込み、これを円筒形のケース内に配置した。そして、当該ケース内に濃度が6.8mol/dm3の水酸化カリウム水溶液と濃度が0.5mol/dm3の水酸化リチウム水溶液との混合液からなる電解液を注入し、容量が1,500mAhの円筒形AAサイズ密閉形のアルカリ蓄電池(ニッケル水素蓄電池)を製造した。
比較例1
表1に示される元素化合物を用いなかった点を除いて実施例1〜14の場合と同様にして正極を製造し、この正極を用いて実施例1〜14の場合と同様のニッケル水素蓄電池を製造した。なお、ここで製造した正極の容量は、1,500mAhであった。
表1に示される元素化合物を用いなかった点を除いて実施例1〜14の場合と同様にして正極を製造し、この正極を用いて実施例1〜14の場合と同様のニッケル水素蓄電池を製造した。なお、ここで製造した正極の容量は、1,500mAhであった。
評価1
実施例1〜14および比較例1の各ニッケル水素蓄電池を、電解液を注入して密閉した後に2時間放置し、その後、先ず、電池温度を40℃に維持して初期化成処理した。ここでは、電池温度を40℃に維持した状態で、1/50CmAの充電電流で10時間充電した後、更に1/10CmAの充電電流で10時間充電した。そして、この初期化成処理に続けて、当該電池を1/5CmAの放電電流で電池電圧が1.0Vになるまで定電流放電することにより、1サイクル目の充放電処理を実施した。次に、2サイクル目以降の充放電処理では、1/10CmAの充電電流で15時間定電流充電し、1/5CmAの放電電流で1.0Vまで定電流放電した。
実施例1〜14および比較例1の各ニッケル水素蓄電池を、電解液を注入して密閉した後に2時間放置し、その後、先ず、電池温度を40℃に維持して初期化成処理した。ここでは、電池温度を40℃に維持した状態で、1/50CmAの充電電流で10時間充電した後、更に1/10CmAの充電電流で10時間充電した。そして、この初期化成処理に続けて、当該電池を1/5CmAの放電電流で電池電圧が1.0Vになるまで定電流放電することにより、1サイクル目の充放電処理を実施した。次に、2サイクル目以降の充放電処理では、1/10CmAの充電電流で15時間定電流充電し、1/5CmAの放電電流で1.0Vまで定電流放電した。
上述の充放電サイクル処理の後、各電池の放電容量が安定したところで、各電池について20℃、50℃、60℃および70℃の温度環境下での充電効率を調べた。ここでは、電池温度を20℃、50℃、60℃または70℃にそれぞれ保ちつつ、放電容量が一定になるまで上述の2サイクル目以降と同じ条件で充放電を繰り返し、その際の放電容量を充電効率とした。結果を図3に示す。なお、図3では、20℃の電池温度において0.2CmAの放電電流で定電流放電した場合の放電容量(充電効率)を基準(100%)として示している。図3から、実施例1〜14の電池は、比較例1の電池に比べ、電池温度が高温の場合でも充電効率の低下しにくいことが判る。特に、60℃の温度環境下において、実施例9、10および11の電池は充電効率の高いことが判る。
評価2
実施例11および比較例1の電池について、評価1における初期化成処理時の温度を20℃、40℃、60℃および80℃にそれぞれ設定した。そして、これらの電池について、電池温度を60℃に設定した場合の充電効率を評価1の場合と同様にして調べた。結果を図4に示す。図4から、初期化成処理時の温度が20℃の場合でも、実施例11の電池は、比較例1の電池に比べて充電効率が著しく高まっていることが判るが、初期化成処理時の温度を40℃以上に設定した場合は、充電効率がさらに高まることが判る。
実施例11および比較例1の電池について、評価1における初期化成処理時の温度を20℃、40℃、60℃および80℃にそれぞれ設定した。そして、これらの電池について、電池温度を60℃に設定した場合の充電効率を評価1の場合と同様にして調べた。結果を図4に示す。図4から、初期化成処理時の温度が20℃の場合でも、実施例11の電池は、比較例1の電池に比べて充電効率が著しく高まっていることが判るが、初期化成処理時の温度を40℃以上に設定した場合は、充電効率がさらに高まることが判る。
実施例15〜17
実施例1〜14において用いた水酸化ニッケルの粉末(A)100重量部に対し、元素化合物(B)として、表2に示すものを同表に示す割合で混合したものを用いた点を除き、実施例1〜14の場合と同様にして正極を製造した。そして、この正極を用いて実施例1〜14の場合と同様のニッケル水素蓄電池を製造した。
実施例1〜14において用いた水酸化ニッケルの粉末(A)100重量部に対し、元素化合物(B)として、表2に示すものを同表に示す割合で混合したものを用いた点を除き、実施例1〜14の場合と同様にして正極を製造した。そして、この正極を用いて実施例1〜14の場合と同様のニッケル水素蓄電池を製造した。
評価3
実施例15〜17の各電池について、評価1の場合と同様の方法により40℃で初期化成処理し、その後、60℃の温度環境下での充電効率を評価1の場合と同様にして調べた。結果を表2に示す。表2から、各実施例の電池は、正極において、水酸化ニッケルの粉末(A)100重量部に対して元素化合物(B)を0.5〜20重量部の範囲で混合している場合、そのような元素化合物(B)を含まない場合(比較例1:図4参照)に比べて充電効率の高いことが判る。
実施例15〜17の各電池について、評価1の場合と同様の方法により40℃で初期化成処理し、その後、60℃の温度環境下での充電効率を評価1の場合と同様にして調べた。結果を表2に示す。表2から、各実施例の電池は、正極において、水酸化ニッケルの粉末(A)100重量部に対して元素化合物(B)を0.5〜20重量部の範囲で混合している場合、そのような元素化合物(B)を含まない場合(比較例1:図4参照)に比べて充電効率の高いことが判る。
また、40℃で初期化成処理した実施例16の電池について、元素化合物(B)を25重量部混合したものをさらに設定し、20℃の温度環境下での高率放電特性を調べた結果を図5に示す。なお、ここでの高率放電特性は、電池を1/10CmAの充電電流で15時間定電流充電し、その後1/2CmA、1CmAおよび3CmAの放電電流で1.0Vまで定電流放電することにより調べた結果である。図5から、実施例16の電池は、元素化合物(B)の混合割合が20重量部を超える場合、充電効率は高いものの(表2参照)、高率放電特性は低下していることが判る。これは、正極活物質において元素化合物(B)を20重量部より多く混合した場合、正極において導電性ネットワークの形成が不十分になり、電池のエネルギー密度が低下するためと考えられる。
実施例18
(正極の製造)亜鉛およびコバルトを固溶体添加した水酸化ニッケル粒子に水酸化コバルトを被覆した。この水酸化ニッケル粒子群からなる第1成分95重量%と、第2成分としてのLu2O3 5重量%とを混合し、正極活物質を調製した。
(正極の製造)亜鉛およびコバルトを固溶体添加した水酸化ニッケル粒子に水酸化コバルトを被覆した。この水酸化ニッケル粒子群からなる第1成分95重量%と、第2成分としてのLu2O3 5重量%とを混合し、正極活物質を調製した。
次に、得られた正極活物質と、カルボキシメチルセルロースの2%水溶液とを混合してペーストを調製した。そして、面密度450g/m2、多孔度が約95%のニッケル金属多孔基板にこのペーストを均一に塗布して乾燥した後、多孔基板をAAサイズの電池用の電極サイズに加圧、切断した。これにより、正極を得た。
(負極の製造)MmNi3.55Co0.75Mn0.4Al0.3の組成で示されるAB5型構造を有する水素吸蔵合金を、湿式ボールミルを用いて粉砕し、平均粒径が25μmの水素吸蔵合金粉末を製造した。そして、この水素吸蔵合金粉末に増粘剤(ポリテトラフルオロエチレン)を加えてペーストを調製した。このペーストをパンチングメタルに塗布して乾燥した後、パンチングメタルをAAサイズの電池用の電極サイズに加圧、切断して、負極を得た。
(セパレータの製造)平均繊維径が10μmのポリオレフィン系分割型繊維を湿式抄紙法により抄紙し、目付量が50〜60g/m2の不織布を得た。この不織布を、高圧水流法により分割処理して微細化した後に熱カレンダーロールで圧着、調圧し、厚さを0.12〜0.15mm、通気度を10〜20cc/cm2/秒に設定した。次に、この不織布を、光増感剤を含むビニルモノマー溶液中に浸漬し、さらに当該不織布に対して紫外線を照射した。これにより、カルボキシル基が導入されたセパレータを得た。このセパレータのカルボキシル基量、すなわち、イオン交換能は、カリウムイオンの交換量にして0.2〜0.5ミリ当量/gであった。
(ニッケル水素蓄電池の製造)上述のセパレータを挟んで上述の正極と負極とを巻き込み、これを円筒型のケース内に配置した。そして、ケース内に水酸化カリウム水溶液からなる電解液を注入し、容量が1,500mAhの円筒状アルカリ蓄電池(ニッケル水素蓄電池)を製造した。
実施例19
セパレータとして実施例18におけるセパレータの製造過程で得られたカルボキシル基導入前の不織布に対してコロナ放電処理を施しただけのものを用いた点を除き、実施例18の場合と同様のニッケル水素蓄電池(容量=1,500mAh)を製造した。
セパレータとして実施例18におけるセパレータの製造過程で得られたカルボキシル基導入前の不織布に対してコロナ放電処理を施しただけのものを用いた点を除き、実施例18の場合と同様のニッケル水素蓄電池(容量=1,500mAh)を製造した。
比較例2
第1成分のみを用いて(すなわち、第1成分に対して第2成分を混合せずに)実施例18の場合と同様にして正極を製造した。そして、この正極を用いた点を除き、実施例18の場合と同様のニッケル水素蓄電池(容量=1,500mAh)を製造した。
第1成分のみを用いて(すなわち、第1成分に対して第2成分を混合せずに)実施例18の場合と同様にして正極を製造した。そして、この正極を用いた点を除き、実施例18の場合と同様のニッケル水素蓄電池(容量=1,500mAh)を製造した。
評価4
実施例18,19および比較例2の各ニッケル水素蓄電池を、20℃に保ち、この状態で0.1CmAの充電電流で15時間定電流充電した後、0.2CmAの放電電流で電池電圧が1.0Vになるまで定電流放電した。各電池の容量が安定した後(各電池の充放電容量が略一致した後)、各電池を0.1CmAの充電電流で15時間定電流充電し、45℃の恒温槽内で1週間保存した。保存期間中、1日毎に、各電池を20℃に保ちながら0.2CmAの放電電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電して残存容量を測定した。その結果に基づいて、保存期間中における各電池の容量保持率の変化を求めた。結果を図6に示す。図6から明らかなように、実施例18の電池は、1週間保存後であっても実施例19および比較例2の電池に比べて容量保持率が約15%高く、自己放電しにくいことが判る。
実施例18,19および比較例2の各ニッケル水素蓄電池を、20℃に保ち、この状態で0.1CmAの充電電流で15時間定電流充電した後、0.2CmAの放電電流で電池電圧が1.0Vになるまで定電流放電した。各電池の容量が安定した後(各電池の充放電容量が略一致した後)、各電池を0.1CmAの充電電流で15時間定電流充電し、45℃の恒温槽内で1週間保存した。保存期間中、1日毎に、各電池を20℃に保ちながら0.2CmAの放電電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電して残存容量を測定した。その結果に基づいて、保存期間中における各電池の容量保持率の変化を求めた。結果を図6に示す。図6から明らかなように、実施例18の電池は、1週間保存後であっても実施例19および比較例2の電池に比べて容量保持率が約15%高く、自己放電しにくいことが判る。
また、実施例18,19の電池および比較例2の各電池を70℃において0.1CmAの充電電流で15時間定電流充電し、そのときの充電容量を常温(20℃)において同条件で充電した場合の充電容量と比較して高温充電効率を調べた。結果を図7に示す。なお、図7において、70℃の充電効率は、20℃の充電効率を基準(100%)とし、それに対する割合で示している。また、図7には、45℃で1週間保存後の容量保持率を併せて示している。図7から、実施例18の電池は、正極において第2成分を含み、また、上述の特徴のセパレータを用いているため、実施例19に比べて容量保持率に優れ、また、比較例2に比べて高温充電効率および容量保持率の両方に優れていることがわかる。
1 アルカリ蓄電池
2 ケース
3 正極
4 負極
5 セパレータ
2 ケース
3 正極
4 負極
5 セパレータ
Claims (6)
- 水酸化ニッケル系の第1成分並びにスカンジウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルピウム、ツリウム、ルテチウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金および水銀からなる元素群から選択された元素を1種含む第2成分を含む活物質を備えた正極と、水素吸蔵合金を活物質とする負極と、前記正極と前記負極との間に配置されたセパレータと、前記正極、前記負極および前記セパレータを収容するケースと、前記ケース内に配置された電解液とを備えたアルカリ蓄電池を40〜80℃の電池温度に設定して充電することによって初期化成処理をする工程を含む、アルカリ蓄電池の製造方法。
- 水酸化ニッケル系の第1成分と、スカンジウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルピウム、ツリウム、ルテチウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金および水銀からなる元素群から選択された元素を1種含む第2成分とを含む活物質を備えた正極と、水素吸蔵合金を活物質とする負極と、前記正極と前記負極との間に配置されたセパレータと、前記正極、前記負極および前記セパレータを収容するケースと、前記ケース内に配置された電解液とを備えたこと、および、初期化成処理時において電池温度が40〜80℃に設定されていることを特徴とするアルカリ蓄電池。
- 前記第1成分は、水酸化ニッケルおよびニッケル元素以外の異種元素が固溶された水酸化ニッケルのうちの少なくとも1種と、金属コバルトおよびコバルト酸化物のうちの少なくとも1種とを含む混合物である、請求項1に記載のアルカリ蓄電池の製造方法。
- 前記第1成分は、水酸化ニッケル粒子をコバルト化合物により被覆した粒子の群、およびニッケル元素以外の異種元素が固溶された水酸化ニッケル粒子をコバルト化合物により被覆した粒子の群のうちの少なくとも1種からなる粒子群である、請求項1または3に記載のアルカリ蓄電池の製造方法。
- 前記コバルト化合物は、一酸化コバルト、2価のα型水酸化コバルト、2価のβ型水酸化コバルトおよび2価を超える高次コバルトの化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種である、請求項4に記載のアルカリ蓄電池の製造方法。
- 前記第1成分100重量部に対し、前記第2成分を0.5〜20重量部含んでいる、請求項1、3、4または5に記載のアルカリ蓄電池の製造方法。
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