JP2011038986A - 傾斜センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】回路構成の小型化ならびに簡略化を図った傾斜センサを提供することを課題とする。
【解決手段】固定電極部12と、アンカ部13にビーム部14を介して可動支持される可動電極部15とを備え、固定電極部12と可動電極部15とで静電容量が構成され、静電容量は傾斜に応じて固定電極部12と可動電極部15とが対向する対向部の対向面積が変化し、静電容量の容量値の変化として傾斜を検知する傾斜センサにおいて、傾斜センサを水平面に対して平行に配置した際に、静電容量を構成する固定電極部12と可動電極部15とが対向する対向部の対向面積が最大となることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】固定電極部12と、アンカ部13にビーム部14を介して可動支持される可動電極部15とを備え、固定電極部12と可動電極部15とで静電容量が構成され、静電容量は傾斜に応じて固定電極部12と可動電極部15とが対向する対向部の対向面積が変化し、静電容量の容量値の変化として傾斜を検知する傾斜センサにおいて、傾斜センサを水平面に対して平行に配置した際に、静電容量を構成する固定電極部12と可動電極部15とが対向する対向部の対向面積が最大となることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、静電容量の変化として傾斜を検知する傾斜センサに関する。
従来、この種の技術としては、例えば以下に示す文献に記載されたものが知られている(特許文献1参照)。この文献には、固定電極が形成された固定基板と、固定電極とギャップを存して対向配置された可動電極を有し固定基板に対して揺動可能な可動部と、可動部に設けられた重りと、固定基板と重りとの間に配置され、可動部を揺動自在に支持する支持体とを備え、可動電極と固定電極との間の静電容量を検出自在とした静電容量センサの技術が記載されている。
このような静電容量センサでは、可動部が支持体により重りの支持位置を中心としてスムーズに揺動する際に、可動部が支持体により直接または間接的に支持されているために、重りの重さによって可動部が変位することなく支持位置における可動部と固定基板とのギャップがセンサの傾斜に依らず一定に定まる。このため、固定電極と可動電極との間の静電容量はセンサの傾斜角に対して最大−90°〜+90°の範囲において極大値を持たずに1対1の関係で増減する。したがって、センサが斜めに傾いて取り付けられた場合でも、その取付位置からの傾斜や外力等の検出を行うことができる。
上記従来の傾斜センサにおいては、静電容量は傾斜角に対して極大値を持たずに1対1に変化するので、センサが設置された位置が傾斜しているか否か、すなわち傾斜しているか否かを判定する予め任意に設定された傾斜角を超えて傾斜しているか否かを判定する場合には、傾斜しているか否かを判定する際の判定値を2つ設ける必要があった。すなわ、センサが傾いていない初期位置の傾斜角0°に対して、一方側(+90°側)に傾斜したときに傾斜を判定する上限または下限の判定値と、他方側(−90°側)に傾斜したときに傾斜を判定する下限または上限の判定値との2つの判定値が必要になっていた。
このため、センサで検出された検出値と上記2つの判定値とをそれぞれ比較することで、傾斜しているか否かを判定しなければならず、これらの処理を実行する回路構成が大型化ならびに複雑化するといった不具合を招くおそれがあった。
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、回路構成の小型化ならびに簡略化を図った傾斜センサを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る傾斜センサは、固定電極部と、固定されたアンカ部にビーム部を介して可動支持される可動電極部とを備え、固定電極部と可動電極部とで静電容量が構成され、静電容量は傾斜に応じて固定電極部と可動電極部とが対向する対向部の対向面積が変化し、静電容量の容量値の変化として傾斜を検知する傾斜センサにおいて、傾斜センサを水平面に対して平行に配置した際に、静電容量を構成する固定電極部と可動電極部とが対向する対向部の対向面積が最大となることを第1の特徴とする。
本発明に係る傾斜センサは、上記第1の特徴の傾斜センサにおいて、傾斜方向が異なる傾斜に対して対向面積が変化する静電容量を複数設けたことを第2の特徴とする。
本発明に係る傾斜センサは、上記第1または第2の特徴の傾斜センサにおいて、SOI基板に傾斜センサを形成したことを第3の特徴とする。
本発明に係る傾斜センサは、上記第1〜第3の特徴のいずれか1つの特徴の傾斜センサにおいて、ビーム部には、ビーム部の撓みを補正する補正膜が形成され、補正膜は、傾斜センサを水平面に対して平行に配置した際に、静電容量を構成する固定電極部と可動電極部とが対向する対向部の対向面積が最大となるように、可動電極部を補正配置することを第4の特徴とする。
本発明に係る傾斜センサは、上記第1〜第4の特徴のいずれか1つの特徴の傾斜センサにおいて、静電容量は、ハイパスフィルタを構成する抵抗が接続されていることを第5の特徴とする。
本発明に係る傾斜センサは、上記第1〜第4の特徴のいずれか1つの特徴の傾斜センサにおいて、静電容量は、ロウパスフィルタを構成する抵抗が接続されていることを第6の特徴とする。
本発明に係る第1の特徴の傾斜センサは、簡単な構成ならびに簡便な処理で傾斜を検知することができる。
本発明に係る第2の特徴の傾斜センサは、設置平面に対して如何なる方向の傾斜も検知することが可能である。
本発明に係る第3の特徴の傾斜センサは、高精度に傾斜センサを形成することが可能となる。
本発明に係る第4の特徴の傾斜センサは、加工処理の手間を省き容易に傾斜センサを製造することが可能となる。
本発明に係る第5の特徴の傾斜センサは、高周波の入力信号に対してスイッチとして機能させることが可能となる。
本発明に係る第6の特徴の傾斜センサは、高周波の入力信号に対してスイッチとして機能させることが可能となる。
以下、図面を用いて本発明を実施するための実施形態を説明する。
図1は本発明の実施例1に係る傾斜センサの構成を示す図であり、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のA−A線の断面図である。
図1において、傾斜センサは、静電容量の変化として傾斜(重力加速度)を検知するセンサとして機能し、公知の半導体プロセスによって半導体基板を選択的に除去することで、フレーム部11、固定電極部12、アンカ部13、ビーム部14、可動電極部15等が形成されている。
略正方形の枠状に形成されたフレーム部11の隅部11−1〜11−4に連結されてフレーム部11の略中央で交差するように十字状の固定電極部12が、略均一の厚さで形成され、傾斜を検知する静電容量の一方の電極を構成する。固定電極部12が交差する交点12aとフレーム部11の隅部11−1〜11−4との間で形成される各固定電極部12−1〜12−4には、各固定電極部12−1〜12−4が連結されたフレーム部11の隅部11−1〜11−4で直交する二辺に向かって突出部12−1x,12−1y〜12−4x,12−4yが形成されている。
すなわち、固定電極部12の交点12aとフレーム部11の隅部11−1との間で形成される固定電極部12−1には、フレーム部11の隅部11−1と隅部11−2とを結ぶフレーム辺に向かって突出する突出部12−1xが形成され、フレーム部11の隅部11−1と隅部11−4とを結ぶフレーム辺に向かって突出する突出部12−1yが形成されている。固定電極部12の交点12aとフレーム部11の隅部11−2との間で形成される固定電極部12−2には、フレーム部11の隅部11−1と隅部11−2とを結ぶフレーム辺に向かって突出する突出部12−2xが形成され、フレーム部11の隅部11−2と隅部11−3とを結ぶフレーム辺に向かって突出する突出部12−2yが形成されている。固定電極部12の交点12aとフレーム部11の隅部11−3との間で形成される固定電極部12−3には、フレーム部11の隅部11−3と隅部11−4とを結ぶフレーム辺に向かって突出する突出部12−3xが形成され、フレーム部11の隅部11−2と隅部11−3とを結ぶフレーム辺に向かって突出する突出部12−3yが形成されている。固定電極部12の交点12aとフレーム部11の隅部11−4との間で形成される固定電極部12−4には、フレーム部11の隅部11−3と隅部11−4とを結ぶフレーム辺に向かって突出する突出部12−4xが形成され、フレーム部11の隅部11−1と隅部11−4とを結ぶフレーム辺に向かって突出する突出部12−4yが形成されている。
フレーム部11の一辺と、その一辺の両隅部に連結された2つの各固定電極部12−1〜12−4で囲まれた各領域内には、アンカ部13がそれぞれ形成されている。各アンカ部13は、図1(b)に示すようにフレーム部11の対応する辺に沿って矩形断面を有する柱状に形成されている。
各アンカ部13には、ビーム部14を介して可動電極部15が連結されている。ビーム部14は、センサの平面方向と直交する厚み方向(図1(b)では上下方向)に薄く一定の矩形断面を有する揺動体とし形成され、アンカ部13と可動電極部15とを連結している。
可動電極部15は、重り部15aと電極部15bとを有して構成されている。重り部15aは、センサの平面方向と直交する垂直方向(図1(b)では上下方向)に延設された柱状の錘体として形成され、その重心位置は、ビーム部14との連結位置よりも下方に設定されている。電極部15bは、固定電極部12と対向する対向部して所定の対向面積で形成され、傾斜を検知する静電容量の他方の電極を構成する。
各可動電極部15−1〜15−4には、櫛歯部15−1x〜15−4yが形成されている。すなわち、フレーム部11の隅部11−1と隅部11−2とを結ぶフレーム辺と固定電極部12−1、12−2とで囲まれた領域に配置形成された可動電極部15−1には、櫛歯部15−1xが形成され、この櫛歯部15−1xは、固定電極部12−1に形成された突出部12−1xならびに固定電極部12−2に形成された突出部12−2xと噛み合わされている。同様に、フレーム部11の隅部11−2と隅部11−3とを結ぶフレーム辺と固定電極部12−2、12−3とで囲まれた領域に配置形成された可動電極部15−2には、櫛歯部15−2yが形成され、この櫛歯部15−2yは、固定電極部12−2に形成された突出部12−2yならびに固定電極部12−3に形成された突出部12−3yと噛み合わされている。フレーム部11の隅部11−3と隅部11−4とを結ぶフレーム辺と固定電極部12−3、12−4とで囲まれた領域に配置形成された可動電極部15−3には、櫛歯部15−3xが形成され、この櫛歯部15−3xは、固定電極部12−3に形成された突出部12−3xならびに固定電極部12−4に形成された突出部12−4xと噛み合わされている。フレーム部11の隅部11−1と隅部11−4とを結ぶフレーム辺と固定電極部12−1、12−4とで囲まれた領域に配置形成された可動電極部15−4には、櫛歯部15−4yが形成され、この櫛歯部15−4yは、固定電極部12−1に形成された突出部12−1yならびに固定電極部12−4に形成された突出部12−4yと噛み合わされている。各可動電極部15−1〜15−4は電気的に接続されている。
これにより、各可動電極部15−1〜15−4の電極部15bがそれぞれ対応した固定電極部12−1〜12−4との間で対向面を形成し、傾斜を検知する静電容量を構成している。この実施例1では、可動電極部15の電極部15bと固定電極部12とが対向する対向部の対向面積は、センサが水平面に対して傾斜していない傾斜角0°(初期位置)で最大となるように設定されている。
ビーム部14は、アンカ部13に対して可動電極部15を弾性的に可動支持するバネ要素として機能する。ビーム部14は、厚み方向に薄く形成されているので厚み方向に撓みやすくなり、センサの傾斜方向に応じて可動電極部15の重り部15aの重心の移動により各ビーム部14が撓む。これにより、固定電極部12と可動電極部15の電極部15bとの対向面積が最大から減少変化する。
すなわち、図2(a)の断面図に示すように、センサが水平面に対して傾斜していない傾斜角0°である場合には、同図(a)の破線で囲まれた部分に示すように固定電極部12に対する可動電極部15の電極部15bの対向面積は最大となり、固定電極部12と可動電極部15とで構成される静電容量の容量値は最大となる。一方、センサが水平面に対して例えば+90°もしくは−90°程度傾斜した場合には、図2(b)または同図(c)に示すように、可動電極部15の重り部15aの重心移動によりビーム部14が撓み、可動電極部15が変位する。これにより、図2(b)、(c)の破線で囲まれた部分に示すように固定電極部12に対する可動電極部15おける電極部15bの対向面積は傾斜角0°の場合に比べて減少し、固定電極部12と可動電極部15とで構成される静電容量の容量値は傾斜角0°の場合に比べて減少する。固定電極部12と可動電極部15の電極部15bとの対向面積は傾斜角度が大きくなるにしたがって減少し、それにともなって静電容量の容量値も減少する。
このように、固定電極部12と可動電極部15の電極部15bとで構成される静電容量は、その容量値が図3に示すように傾斜角0°で最大となり、センサが方向によらず傾斜するにしたがっては減少する特性を有する。この特性を利用して、傾斜しているものと判定する際の判定傾斜角をセンサの用途に応じて予め設定し、この判定傾斜角に対応した判定容量しきい値を予め実験等により求めて用意することで、センサが地平面に対して傾くことで検出された容量値が先の判定容量しきい値に達した場合に傾斜を検知することが可能となる。
このような特性を利用して傾斜を検知することで、傾斜を判定する際の容量しきい値を1つだけ設定すればよいことになる。これに対して、前述したように従来の構成では、図4に示すように、傾斜角に応じて得られる容量値は傾斜角0°に対してリニアに増減変化するので、傾斜を検知する際には、傾斜角0°の容量値に対して上限と下限の2つの判定容量しきい値を設定し、回路的に処理する必要がある。このため、既述したような不具合を招くおそれがあったが、この実施例1では、上述したような本発明に特徴的な技術思想を採用することで、回路構成が簡単になることに加えて、傾斜の判定処理も簡便に実行することが可能となる。
また、この実施例1では、図1(a)に示すように、x方向成分を含む傾斜方向により対向面積が変化する静電容量、すなわち固定電極部12−1,12−2と可動電極部15−1とで構成される静電容量ならびに固定電極部12−3,12−4と可動電極部15−3とで構成される静電容量と、y方向成分を含む傾斜方向により対向面積が変化する静電容量、すなわち固定電極部12−2,12−3と可動電極部15−2とで構成される静電容量ならびに固定電極部12−1,12−4と可動電極部15−4とで構成される静電容量とを設けることで、傾斜方向が異なる傾斜に対して対向面積が変化する静電容量を複数設けることが可能となる。これにより、傾斜センサの設置平面に対して如何なる方向の傾斜でも検知することが可能となる。
なお、傾斜センサが特定の方向の傾斜だけを検知するような用途に使用するのであれば、検知したい傾斜方向に応じて電極間の対向面積が変化する静電容量だけを設けるようにすればよい。
SOI(silicon on insulator)基板を用いて上記センサを形成した場合には、絶縁膜を挟んで双方の主面側のシリコンを選択的にエッチング除去してセンサの各部を形成する際に、双方の主面側のシリコンに挟まれた絶縁膜がエッチングの際のストッパーとして機能することになる。これにより、固定電極部12ならびに可動電極部15の厚みを精度よく形成することが可能となり、固定電極部12と可動電極部15の電極部15bとの対向部を高精度に形成することができ、容量値のばらつきを抑えることができる。
図5ならびに図6は本発明の実施例2に係る傾斜センサを用いたフィルタの構成を示す図である。この実施例2の特徴とするところは、先の実施例1の傾斜センサで構成された静電容量と抵抗とを組み合わせてフィルタを構成したことにある。
すなわち、図5に示すように、傾斜センサで構成された静電容量Cと抵抗Rとを接続してハイパスフィルタを構成する。このようなハイパスフィルタにおいて、傾斜センサで傾斜が検知されて傾斜センサの静電容量Cが減少すると、ハイパスフィルタのカットオフ周波数が大きくなる。このような周波数特性を利用して、入力信号の周波数が傾斜が検知される前後のカットオフ周波数の間となるように静電容量Cの容量値と抵抗Rの抵抗値を適宜設定することで、ハイパスフィルタは高周波の入力信号に対してスイッチとして機能する。すなわち、入力信号に対して、傾斜が検知されていないときにはオン状態となる一方、傾斜が検知されるとオフ状態となるスイッチとして機能させることが可能となる。
もしくは、図6に示すように、傾斜センサで構成された静電容量Cと抵抗Rとを接続してロウパスフィルタを構成する。このようなロウパスフィルタにおいて、傾斜センサで傾斜が検知されて傾斜センサの静電容量Cが減少すると、ハイパスフィルタのカットオフ周波数が大きくなる。このような周波数特性を利用して、入力信号の周波数が傾斜が検知される前後のカットオフ周波数の間となるように静電容量Cの容量値と抵抗Rの抵抗値を適宜設定することで、ロウパスフィルタは高周波の入力信号に対してスイッチとして機能する。すなわち、入力信号に対して、傾斜が検知されていないときにはオフ状態となる一方、傾斜が検知されるとオン状態となるスイッチとして機能させることが可能となる。
このような傾斜センサでは、簡単かつ小型な構成で傾斜を検知する機能に加えてスイッチ機能を兼備することが可能となり、傾斜を検知した際にスイッチ機能により例えば電源をオンまたはオフして装置の動作を開始または停止させるような装置に適用することができる。
図7は本発明の実施例3に係る傾斜センサの構成を示す断面図である。図7において、この実施例3の特徴とするところは、可動電極部15の重り部15aが形成されるいる側と逆側のビーム部14の表面側に、ビーム部14を形成する半導体とは異なる材質で、ビーム部14の撓みを補正する補正膜71を形成したことにある。この補正膜71は、シリコンの半導体でビーム部14を形成した場合には、例えばシリコン酸化膜もしくはシリコン窒化膜等で構成される。
このような補正膜71が形成されていない場合には、図8の断面図に示すように、傾斜が検知されていない初期位置では、可動電極部15の重り部15aにおける重心位置に応じた垂直重力加速度によりビーム部14が重り部15a側(図8の下方側)に撓み、可動電極部15の電極部15bは地平面に対して下方に変位している。このため、初期位置において、前述したように可動電極部15の電極部15bと固定電極部12とが対向する対向部の対向面積を最大にするためには、例えば以下のような加工が必要となる。
すなわち、図8に示すように、可動電極部15の重り部15aが形成されている側(図8では下側)と逆側の固定電極部12とアンカ部13との表面(図8では上側)が同一水平面とすると、アンカ部13とビーム部14との接合部分の厚み方向の段差量をA2とし、ビーム部14の厚み方向(図8では下方)の撓み量を△zとすると、可動電極部15の電極部15bと対向する固定電極部12の対向部における上端部と固定電極部12の表面との厚み方向の距離A1は、次式(1)で表される。
(数1)
A1=A2+△z …(1)
したがって、固定電極部12は、可動電極部15の電極部15bと対向する対向部の上端部と表面との距離が、ビーム部14の撓み量△zを考慮して上記段差量A2とは異なるA1となるように加工形成する必要がある。
A1=A2+△z …(1)
したがって、固定電極部12は、可動電極部15の電極部15bと対向する対向部の上端部と表面との距離が、ビーム部14の撓み量△zを考慮して上記段差量A2とは異なるA1となるように加工形成する必要がある。
これに対して、この実施例3で採用した補正膜71では、補正膜71を形成した際の形成温度からセンサを使用する際の使用温度に低下した際に、この温度差により残留膜応力が生じ、この残留応力により上記ビーム部14の撓みを補正している。すなわち、初期位置において、上記可動電極部15の垂直加速度によりビーム部14が撓む方向(図7、図8では下方)と逆方向(図7、図8では上方)に、上記撓み量△zと同等の補正量△m(=−△z)がビーム部14で生じるように補正膜71の残留膜応力を調整設定する。これにより、上式(1)は次式(2)となる。
(数2)
A1=A2+△z−△m=A2 …(2)
したがって、可動電極部15の電極部15bと対向する固定電極部12の対向部における上端部と固定電極部12の表面との厚み方向の距離A1とアンカ部13とビーム部14との接合部分の厚み方向の段差量A2とを同じにすることができる。これにより、図8で説明したようなビーム部14の撓み量△zを考慮した加工を施すことなく、固定電極部12と可動電極部の電極部15bとが対向する対向部の対向面積を最大となるように固定電極部12ならびに可動電極部15を配置形成することが可能となる。これにより、上記加工処理の手間を省いて傾斜センサを製造することが可能となる。
A1=A2+△z−△m=A2 …(2)
したがって、可動電極部15の電極部15bと対向する固定電極部12の対向部における上端部と固定電極部12の表面との厚み方向の距離A1とアンカ部13とビーム部14との接合部分の厚み方向の段差量A2とを同じにすることができる。これにより、図8で説明したようなビーム部14の撓み量△zを考慮した加工を施すことなく、固定電極部12と可動電極部の電極部15bとが対向する対向部の対向面積を最大となるように固定電極部12ならびに可動電極部15を配置形成することが可能となる。これにより、上記加工処理の手間を省いて傾斜センサを製造することが可能となる。
11…フレーム部
11−1〜11−4…隅部
12(12−1,12−2,12−3,12−4)…固定電極部
12−1x…突出部
12−1x,12−1y,12−2x,12−2y,12−3x,12−3y,12−4x,12−4y…突出部
12a…交点
13…アンカ部
14…ビーム部
15(15−1,15−2,15−3,15−4)…可動電極部
15−1x,15−2y,15−3x,15−4y,…櫛歯部
15a…重り部
15b…電極部
71…補正膜
11−1〜11−4…隅部
12(12−1,12−2,12−3,12−4)…固定電極部
12−1x…突出部
12−1x,12−1y,12−2x,12−2y,12−3x,12−3y,12−4x,12−4y…突出部
12a…交点
13…アンカ部
14…ビーム部
15(15−1,15−2,15−3,15−4)…可動電極部
15−1x,15−2y,15−3x,15−4y,…櫛歯部
15a…重り部
15b…電極部
71…補正膜
Claims (6)
- 固定電極部と、固定されたアンカ部にビーム部を介して可動支持される可動電極部とを備え、前記固定電極部と前記可動電極部とで静電容量が構成され、前記静電容量は傾斜に応じて前記固定電極部と前記可動電極部とが対向する対向部の対向面積が変化し、前記静電容量の容量値の変化として傾斜を検知する傾斜センサにおいて、
前記傾斜センサを水平面に対して平行に配置した際に、前記静電容量を構成する前記固定電極部と前記可動電極部とが対向する対向部の対向面積が最大となる
ことを特徴とする傾斜センサ。 - 傾斜方向が異なる傾斜に対して対向面積が変化する前記静電容量を複数設けた
ことを特徴とする請求項1に記載の傾斜センサ。 - SOI基板に前記傾斜センサを形成した
ことを特徴とする請求項1または2に記載の傾斜センサ。 - 前記ビーム部には、前記ビーム部の撓みを補正する補正膜が形成され、
前記補正膜は、前記傾斜センサを水平面に対して平行に配置した際に、前記静電容量を構成する前記固定電極部と前記可動電極部とが対向する対向部の対向面積が最大となるように、前記可動電極部を補正配置する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の傾斜センサ。 - 前記静電容量は、ハイパスフィルタを構成する抵抗が接続されている
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の傾斜センサ。 - 前記静電容量は、ロウパスフィルタを構成する抵抗が接続されている
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の傾斜センサ。
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JP2009189092A Withdrawn JP2011038986A (ja) | 2009-08-18 | 2009-08-18 | 傾斜センサ |
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JP (1) | JP2011038986A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020041888A (ja) * | 2018-09-10 | 2020-03-19 | Koa株式会社 | 傾斜センサ |
JP2020041887A (ja) * | 2018-09-10 | 2020-03-19 | Koa株式会社 | 傾斜センサ |
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2009
- 2009-08-18 JP JP2009189092A patent/JP2011038986A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020041888A (ja) * | 2018-09-10 | 2020-03-19 | Koa株式会社 | 傾斜センサ |
JP2020041887A (ja) * | 2018-09-10 | 2020-03-19 | Koa株式会社 | 傾斜センサ |
JP7191601B2 (ja) | 2018-09-10 | 2022-12-19 | Koa株式会社 | 傾斜センサ |
JP7212482B2 (ja) | 2018-09-10 | 2023-01-25 | Koa株式会社 | 傾斜センサ |
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