JP6167842B2 - 静電容量型センサ - Google Patents

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Description

本願に開示の技術は、特にMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)として構成される静電容量型センサに関するものである。
従来、MEMS技術を用いて製造される物理量センサには静電容量を用いるものがある。例えば、基板と基板から遊離して揺動可能に設けられる可動部とを備えており、基板に立設したアンカーに対して可動部が梁を介して接続されたものがある(例えば、特許文献1など)。特許文献1に開示されるセンサでは、梁が弾性変形可能に構成されており、基板の平面に対して垂直なZ方向に働く加速度に応じて梁の一端に接続された可動部がZ方向に変位する。また、可動部は、櫛歯状の可動電極が一体的に形成されており、当該可動電極の各々の電極間には基板に固定された固定電極が形成されている。センサは、基板の平面に平行な平面方向で互いに対向する可動電極及び固定電極の各々の電極でコンデンサが構成される。そして、センサは、可動部のZ方向の変位に応じて可動電極と固定電極との対向面積が変動し、対向面積の変動にともなう静電容量の変化量から加速度が検出される。
また、特許文献1に開示されるセンサは、基板を貫通する複数の突起部が形成されている。この突起部は、Z方向の加速度の向きを区別するために可動部及び可動電極の初期位置をずらす駆動電極として用いられている。詳述すると、上記したセンサは、可動電極と固定電極とがZ方向において同じ初期位置にあると、可動電極が基板から離れる+Z方向、あるいは基板に近づく−Z方向のいずれの方向に変動した場合においても固定電極と可動電極とで構成されるコンデンサの静電容量の値が同様に減少することとなる。つまり、この初期位置では、静電容量の変化から加速度を検出する処理において加速度が+Z方向あるいは−Z方向のいずれの方向に加わったのか判定できない。そこで、特許文献1に開示されるセンサは、突起部と可動部との間に駆動電圧が印加されることにより、静電気力によって可動電極の初期位置が固定電極に比べて−Z方向に変位する構成となっている。このZ方向に沿った位置がずらされた状態を可動電極の初期位置として、センサは、可動電極及び固定電極の静電容量の増加を+Z方向に加わった加速度として検出し、静電容量の減少を−Z方向に加わった加速度として検出する。
特開2012−42228号公報(段落0077〜0098、図15〜19)
しかしながら、上記したセンサの可動部及び可動電極は、可動部と突起部との間に生じる静電気力、梁のバネ定数に応じて可動部に作用する弾性力及び可動電極と固定電極との間に生じる静電気力などの複数の力が釣り合う位置が初期位置となる。可動部は、−Z方向に沿って変位しながら力が釣り合った位置において可動部全体が浮いた状態で初期位置が決定される。一方で、この種のセンサは、製造工程の精度の限界、例えば梁や可動部を形成するエッチングにおいて生じる梁の太さや可動部の膜厚にバラツキが生じる場合がある。このため、可動部と突起部との間に駆動電圧を印加して可動部を所望の初期位置まで変位させる制御は、複数の力を釣り合わせる条件や処理内容が複雑となり精度よく制御することが困難となる。その結果、このセンサでは、駆動電圧が印加され変位した可動電極の初期位置にずれが生じることで検出精度が低下する。あるいは、センサは、可動部に物理量(例えば、加速度)が印加された後に無負荷となり再び可動部が初期位置まで戻る際に可動電極の位置にずれが生じることで検出精度が低下することが問題となる。
本願に開示される技術は、上記の課題に鑑み提案されたものである。可動電極の初期位置を固定電極の初期位置に対してずらす制御を行う静電容量型センサであって、可動電極を初期位置に精度よくずらすことが可能となる静電容量型センサを提供することを目的とする。
本願に開示される技術に係る静電容量型センサは、基板と、基板から遊離して揺動可能に設けられる可動部と、可動部に設けられる可動電極と、基板に固定されて設けられ、基板の平面に平行な平面方向において離間して対向する可動電極との対向面積が可動部への物理量の印加によって変動し、対向面積の変動に応じて可動電極との静電容量が変動する固定電極と、可動部との間に駆動電圧が印加され静電気力によって基板の平面に対して垂直な方向における可動部の位置を変位させ、固定電極に対する可動電極の相対的な位置をずらして静電容量を変動させる駆動電極と、静電気力によって変位する可動部の被規制部の移動を規制し、可動部を初期位置に保持する規制部と、を有する。
当該静電容量型センサでは、基板に対して揺動可能に設けられた可動部が備える可動電極と、基板に固定されて設けられる固定電極とで構成されるコンデンサの静電容量の変化量を出力することによって可動部に印加された物理量(例えば、加速度)が検出される。また、当該センサは、可動電極の位置をずらすための駆動電極が設けられる。可動部は、駆動電極との間に駆動電圧が印加されると、静電気力によって可動電極の固定電極に対する相対的な位置がずれる。そして、静電気力によって変位する可動部は、規制部によって被規制部の移動が規制された位置が初期位置となり、その状態で当該可動部が保持される。この構成では、被規制部が規制部によって保持される可動部の初期位置が、規制部及び被規制部の位置、形状等によって一義的に定まる。これにより、センサは、可動部と駆動電極との間に駆動電圧を印加して可動部を所望の初期位置まで精度よくずらすことが可能となり、可動部が備える可動電極の初期位置のずれが防止されることによって物理量の検出精度の向上を図ることが可能となる。また、センサは、可動部に物理量が印加された後に無負荷となり再び可動部が初期位置まで戻る際に、可動電極が正しい初期位置に戻ることによっても検出精度の向上を図ることが可能となる。
本願に開示される技術に係る静電容量型センサにおいて、基板は、コア基板と、コア基板上に形成された絶縁層とを有し、規制部は、基板の平面に対して垂直な方向において被規制部と対向する位置となる絶縁層上に設けられる構成としてもよい。
当該静電容量型センサでは、絶縁層上に設けて電気的に絶縁された規制部が、駆動電圧が印加される可動部の被規制部に接して移動を規制する。ここで、仮に規制部に駆動電圧が印加される構成としたセンサでは、規制部が可動部あるいは被規制部に接触すると短絡が生じる、あるいは静電気力によるスティッキングが生じる虞がある。これに対し、当該センサでは、絶縁された規制部を被規制部に当接等させ移動を規制することによって、被規制部を初期位置に好適に保持した状態で所望の物理量の検出が可能となる。
本願に開示される技術に係る静電容量型センサにおいて、可動部は、可動電極が設けられる本体部と、基板に固定されて設けられる固定部に本体部を接続し、本体部を固定部に対して基板の平面に対して垂直な方向に向かって揺動可能に保持する第1弾性部材と、被規制部を本体部に接続し、被規制部を本体部に対して基板の平面に対して垂直な方向に向かって揺動可能に保持する第2弾性部材と、を備える構成としてもよい。
当該静電容量型センサでは、可動電極が設けられる本体部が基板に固定されて設けられる固定部に対して第1弾性部材により接続されることによって、当該本体部が基板の平面に対して垂直な方向に向かって揺動可能に保持される。また、被規制部は、この本体部に対して第2弾性部材により接続されることによって、基板の平面に対して垂直な方向に向かって揺動可能に保持される。当該センサは、可動部と駆動電極との間に駆動電圧が印加された状態では、静電気力を作用させた被規制部を規制部に対して固定的に保持させることが可能となる。このため、当該センサは、物理量を検出する初期状態において、固定部の他に被規制部を固定した状態とすることが可能となる。そして、可動部の本体部は、所望の物理量が印加されると、固定部及び被規制部の各々に接続された第1及び第2弾性部材により基板の平面に対して垂直な方向に向かって揺動する。従って、当該センサは、可動電極の初期位置を一義的に定めて物理量の検出を開始した後に、物理量が印加されることで揺動する本体部及び可動電極を、固定部と被規制部との2つの支点で支持し安定的に揺動させることによって検出精度の向上を図ることが可能となる。
本願に開示される技術に係る静電容量型センサにおいて、本体部は、基板の平面に対して垂直な方向から視た形状が長方形となる板状に形成され、長手方向の一端部側の短辺に第1弾性部材が接続され、長手方向の他端部側の短辺に第2弾性部材が接続され、駆動電極は、基板の平面に対して垂直な方向において被規制部と対向する位置となる基板上に設けられ、被規制部との間に駆動電圧が印加される構成としてもよい。
当該静電容量型センサでは、本体部が長方形板状に形成され、長手方向の一端部側の短辺に第1弾性部材が接続され、他端部側の短辺に第2弾性部材が接続される。従って、第1及び第2弾性部材の各々に接続される固定部及び被規制部は、本体部の長手方向に対して互いに反対側となる位置に設けることが可能となる。被規制部は、駆動電極との間に駆動電極が印加され静電気力によって変位するが、基板上の対向する位置に設けられた規制部によって移動が規制される。被規制部は、静電気力が作用したまま規制部に保持された状態となる。この初期位置となる状態では、本体部及び被規制部を含む可動部が、長手方向における固定部側から被規制部側に向かって長手方向に対して角度をもって傾いた状態で保持される。本体部の可動電極と固定電極で構成されるコンデンサの静電容量は、可動電極が傾いて固定電極との対向面積が減少するのに応じて静電容量の値が減少し初期位置での値が決定される。このような構成では、可動電極及び可動部の初期位置は、本体部や第1及び第2弾性部材の長手方向に沿った長さにより調整可能となる。例えば、可動部は、本体部の長手方向に沿った長さを大きくするに従って初期位置での可動部全体の傾きを小さくすることが可能となる。従って、初期位置まで変位した可動電極と固定された固定電極との間の静電容量の変化量は、本体部の長手方向の長さを大きくすることで本体部の傾きが小さなり、変化量を小さくする調整が可能となる。
本願に開示される技術に係る静電容量型センサにおいて、基板の平面に平行な平面方向に沿って被規制部に対して対称となる位置の各々に設けられる本体部を少なくとも1組備え、1組の本体部は、一方の本体部の可動電極が設けられる位置が、他方の本体部の可動電極が設けられる位置と被規制部に対して平面方向で対称となる位置に設けられ、固定電極は、1組の本体部の各々の可動電極に対向して設けられる構成としてもよい。
当該静電容量型センサでは、被規制部に対して対称となる位置に1組の本体部が設けられる。1組の本体部は、一方の本体部の可動電極が設けられる位置が、他方の本体部の可動電極が設けられる位置と被規制部に対して平面方向で対称となる位置に設けられる。本体部の可動電極は、被規制部に対して平面方向で対称となる位置に設けられているため、所望の検出方向に物理量が印加された場合の可動電極が変動する態様を、1組の本体部で互いに同様の態様とすることが可能となる。これにより、当該センサは、各々の可動電極と固定電極との静電容量に対し本体部が物理量の検出方向とは異なる方向に回転するなどにより生じる静電容量の変動の差を、例えば1組の本体部の互いの静電容量の変化量の平均値を算出することによって低減でき加速度の検出精度の向上を図ることが可能となる。
本願に開示される技術によれば、可動電極の初期位置を固定電極の初期位置に対してずらす制御を行う静電容量型センサであって、可動電極を初期位置に精度よくずらすことが可能となる静電容量型センサを提供することができる。
第1実施例の静電容量型加速度センサの概略構成を示す平面図である。 図1のA−A線断面図である。 図2に示すセンサの動作を説明するための模式図である。 可動部が初期位置となった状態のセンサの模式図である。 −Z方向に加速度が印加されたセンサの模式図である。 +Z方向に加速度が印加されたセンサの模式図である。 第2実施例の静電容量型加速度センサの概略構成を示す平面図である。 第3実施例の静電容量型加速度センサの概略構成を示す平面図である。 第4実施例の静電容量型角速度センサの概略構成を示す平面図である。 第5実施例の静電容量型加速度センサの概略構成を示す平面図である。 図10にB−B線で示す断面であり、可動部が初期位置となった状態の模式図である。
(第1実施例)
以下、本発明を具体化した一実施例(第1実施例)について添付図面を参照しながら説明する。なお、添付図面は、説明の便宜上、実際の寸法・縮尺とは異なって図示されている部分がある。
図1は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いて製造した本実施例に係る静電容量型の加速度センサの概略構成を示す平面図である。同図1に示すように、静電容量型の加速度センサ(以下、「センサ」という)10は、可動部11と、基板12(図2参照)とを備えている。センサ10は、可動部11の外縁を取り囲むように枠部13が形成されている。枠部13は、基板12の基板平面に対して垂直な方向から視た平面視形状が長方形枠状に形成され、内壁が内側に設けられた可動部11の外周部分と離間している。なお、以下の説明では、図1に矢印で示すように、枠部13の長手方向に沿った方向をX方向、X方向に対して直角で枠部13の短手方向に沿った方向をY方向、X方向とY方向との両方に直角となる方向をZ方向と称し、説明する。
図2は、図1のA−A線断面である。図2に示すように、枠部13は、Z方向の基端部が基板12と一体形成され、Z方向に沿って基板12から延設されている。枠部13のZ方向の先端面13Aは、可動部11の上面11A(図2における上側の面)とZ方向における位置が同一となっている。基板12は、平板状のコア基板21のZ方向の上面を覆うように絶縁層22が形成されている。絶縁層22の上には、電極23,24が形成されている。電極23は、X方向の一端側(図2における右側)でY方向の両端部分における基板12上に形成され、電極23の各々の上面にはアンカー14が形成されている。アンカー14は、基板12上に立設しZ方向に延びる直方体形状をなす。アンカー14は、導電材料が埋め込まれたスルーホール14Aが形成され、当該スルーホール14Aが電極23と電気的に接続されている。
また、図1及び図2示すように、可動部11は、本体部31と、錘部32とを備えている。本体部31は、長辺がX方向に沿った平面視略長方形の板状に形成されている。本体部31は、Y方向に沿った短辺の長さが一対のアンカー14間の距離と略同一の長さとなっている。本体部31は、アンカー14の各々と第1バネ34を介して機械的に接続されている。また、本体部31を含む可動部11は、第1バネ34及びアンカー14のスルーホール14Aを介して電極23と電気的に接続されている。可動部11は、電極23に接続される配線(図示略)により外部回路と接続される。本体部31は、X方向におけるアンカー14側の端部部分に、X方向に向かって突出する第1接続部35が形成されている。第1接続部35は、本体部31のY方向に沿った短辺の中央部に形成されている。第1バネ34の各々は、平面視形状が蛇行した形状をなしており、Y方向に蛇行しながらX方向に延びる形状をなしている。第1バネ34は、一端側の固定端34Aがアンカー14のX方向における側面に固定され、他端側の可動端34Bが第1接続部35のY方向における側面に接続されている。第1バネ34は、X方向及びZ方向の2方向に対する撓動性を備え、Y方向に対する剛性を高めて伸縮が規制される構造となっている。図2に示すように、本体部31を含む可動部11は、基板12に固定されたアンカー14に対し第1バネ34を介して支持されることによって、基板12の上に浮いたような状態で保持されている。第1実施例のセンサ10は、Z方向に加速度が印加されると、第1バネ34が弾性変形し本体部31がZ方向に変位する。
また、センサ10は、複数(本実施例では7個)の固定電極25が設けられている。固定電極25は、主面がZ方向に沿った略長方形板状に形成され、長辺がX方向に沿って形成されている。固定電極25は、互いの主面がY方向で対向するようにして並設されている。固定電極25は、X方向の一端側(図における右側)にスルーホール25Aが設けられ基板12上に形成された電極24と電気的に接続されている。固定電極25は、電極24に接続される配線(図示略)により外部回路と接続される。複数の電極24の各々は、基板12のX方向の略中央部においてY方向に沿って等間隔に形成されている。従って、固定電極25の各々は、スルーホール25Aが電極24と接続される基板12の中央部からX方向の一方側(図1における左側)に向かって延設されている。また、固定電極25は、スルーホール25Aが設けられた端部を除く部分が基板12と離間するように形成されている。
本体部31は、固定電極25に対向する可動電極36が一体形成されている。可動電極36は、図1に示す平面視において固定電極25の外周部分を囲むように形成された枠状電極部36A(主に、図1の一点鎖線で囲む部分)と、Y方向に沿って並ぶ各固定電極25の間に設けられた平板電極部36Bとを備える。枠状電極部36Aは、本体部31に一体形成される四角枠状をなし、固定電極25の各々と互いに離間している。平板電極部36Bは、固定電極25にY方向で対向するように本体部31から延設され、主面がZ方向に沿った略長方形板状に形成され長辺がX方向に沿っている。各平板電極部36Bは、X方向における両端部が枠状電極部36Aに一体形成されている。固定電極25は、スルーホール25Aが設けられた端部を除く部分のZ方向に沿った長さL1(図2参照)が枠状電極部36A及び平板電極部36BのZ方向に沿った長さと略同一に形成されている。また、固定電極25は、枠状電極部36A及び平板電極部36Bに比べてX方向に沿った長さL2が短く形成され、X方向において枠状電極部36Aとの間に隙間39を設けて固定されている。そして、固定電極25は、Y方向において枠状電極部36A及び平板電極部36Bの各々と所定の幅の隙間を隔てて対向している。
また、可動部11は、本体部31のX方向におけるアンカー14とは反対側の端部が錘部32と第2バネ41を介して接続されている。錘部32は、第2バネ41及び本体部31を介してスルーホール14Aに接続された電極23と電気的に接続されている。錘部32は、長辺がY方向に沿った平面視略長方形の板状に形成されている。錘部32は、Y方向に沿った長辺の長さが本体部31のY方向に沿った短辺の長さに比べて長い。本体部31は、X方向における第1接続部35とは反対の錘部32側の端部部分に、X方向に向かって突出する第2接続部42が形成されている。第2接続部42は、本体部31のY方向に沿った短辺の中央部に形成されている。第2バネ41の各々は、平面視形状が蛇行した形状をなしており、第1バネ34と同様にY方向に蛇行しながらX方向に延びる形状をなしている。第2バネ41は、一端側の第1端部41Aが錘部32のX方向における側面に固定され、他端側の第2端部41Bが第2接続部42のY方向における側面に接続されている。第2バネ41は、第1バネ34と同様に、X方向及びZ方向の2方向に対する撓動性を備え、Y方向に対する剛性を高めて伸縮が規制される構造となっている。このため、錘部32は、本体部31に対し第2バネ41を介して支持されZ方向に変位可能に構成されている。
また、基板12は、錘部32をZ方向に変位させる駆動電極27が設けられている。駆動電極27は、長辺がY方向に沿った平面視略長方形に形成され、絶縁層22の上面において錘部32とZ方向で対向するように広がって形成されている。駆動電極27は、錘部32を含む可動部11との間に駆動電圧が印加されることにより、静電気力によって可動部11のZ方向における位置を変位させる。また、基板12は、Z方向に変位する錘部32が駆動電極27に衝突するのを防止するためのストッパ29が設けられている。ストッパ29は、例えば、駆動電極27のX方向の両側における絶縁層22に一体形成され電気的に絶縁されている。ストッパ29は、駆動電極27のX方向の一方側において複数(図示例では3個)設けられている。なお、図1及び図2に示すストッパ29の形状、数及び位置は一例であり、センサ10の構成に応じて適宜変更される。ストッパ29の各々は、X方向において駆動電極27との間に所定の幅の隙間を隔てて設けられている。また、ストッパ29は、Z方向における高さが駆動電極27に比べて大きく形成されている。従って、ストッパ29は、Z方向に沿った錘部32との間の隙間が、駆動電極27と錘部32との間の隙間に比べて狭くなっている。このため、錘部32は、基板12側に向かってZ方向に沿って変位した場合に、駆動電極27に衝突する前にストッパ29に衝突することとなる。
上記した構成のセンサ10は、可動部11の可動電極36と基板12の固定電極25とで平行平板コンデンサが構成される。この平行平板コンデンサは、センサ10に作用するZ方向の加速度に応じて可動部11が変動することによって、固定電極25の各々と可動電極36との対向面積が変動し静電容量が変化する。センサ10は、可動電極36のZ方向における変位にともなって変化する平行平板コンデンサの静電容量を外部回路により測定する。センサ10の外部回路は、例えばCV変換により静電容量の変化量を電気信号に変換及び増幅等し加速度信号として抽出することによってZ方向に対する加速度を検出する。この際に、第1及び第2バネ34,41がY方向に対する剛性を高めた構造となっているため、センサ10は、Z方向に作用する加速度が検出される一方で、可動部11のY方向への変動が抑制されるため、Y方向に対する他軸感度を抑制でき検出精度の向上を図ることが可能となる。また、センサ10は、可動部11のY方向への変動が抑制されるため、可動電極36と固定電極25とが衝突して短絡が生じるのを防止することが可能となる。
なお、センサ10の製造方法としては、例えば、基板12のコア基板21上に絶縁層22(例えば、窒化シリコン)、電極23,24や配線(図示略)などを形成し、この絶縁層22に対し犠牲層を(例えば、二酸化シリコン)を介して低抵抗の電極層(例えば、ポリシリコン)を形成する。この電極層は、エッチング処理が施されることにより、本体部31、錘部32、第1及び第2バネ34,41及びアンカー14などが形成される。犠牲層は、図示しないエッチング孔などを介してエッチング液が導入されてエッチングされる。
次に、可動部11の初期位置の設定について説明する。
図3は、図2に示すセンサ10の模式図である。なお、以下の説明では、図3に示すように、可動部11が基板12から離れる方向を+Z方向、可動部11が基板12に近づく方向を−Z方向と称して説明する。センサ10は、Z方向の加速度が印加されない状態においては可動部11の可動電極36と固定電極25のZ方向における位置が一致している。センサ10は、この状態でZ方向に加速度が印加されると、基板12に固定されている固定電極25が変位しない一方で、アンカー14に対し第1バネ34を介して保持される本体部31及び可動電極36がZ方向に相対的に変位する。この際に、センサ10は、固定電極25と可動電極36との対向面積が減少し静電容量の値が減少することを検出することによってZ方向の加速度が検出される。しかしながら、センサ10は、図3に示すように可動電極36と固定電極25のZ方向における位置が一致している状態では、+Z方向と−Z方向のいずれの方向に加速度が印加された場合も静電容量の値が減少することとなる。即ち、センサ10は、静電容量の変化量に基づいて加速度の向き(+Z方向あるいは−Z方向)が判定できない。そこで、本実施例のセンサ10は、加速度の検出に先立ち、印加される加速度の向きを判定可能とするために可動部11の位置を変更する。
図4は可動部11が初期位置となった状態のセンサ10を示している。図4に示すように、センサ10は、例えば、可動電極36と固定電極25との間に電圧が印加された状態で、駆動電極27と錘部32との間に駆動電圧が印加され静電気力によって可動部11全体が−Z方向に変位する。一例として、錘部32及び本体部31の電位は7Vである。駆動電極27の電位は4Vである。固定電極25の電位は0Vである。ここで、錘部32及び本体部31は、仮にストッパ29がない状態では、錘部32と駆動電極27との間に生じる静電気力、第1バネ34のバネ定数に応じて本体部31に作用する弾性力及び可動電極36と固定電極25との間に生じる静電気力などの複数の力がつり合う位置まで−Z方向に変位する。このため、錘部32及び本体部31を−Z方向に沿って所望の初期位置まで移動させる制御は、複数の力を釣り合わせる条件や処理内容が複雑となり精度よく制御することが困難となる。そこで、本実施例のセンサ10は、駆動電圧が印加され−Z方向に変位する錘部32の移動をストッパ29により規制し本体部31を初期位置とする。
図4に示すように、可動部11は、−Z方向へ変位する錘部32にストッパ29が当接し移動が規制される。錘部32は、−Z方向に向かう静電気力が作用したままストッパ29に当接した状態となるため、静電気力によってストッパ29に押しつけられ+Z方向へも移動しない状態となる。可動部11は、X方向におけるアンカー14側から錘部32側に向かうに従って基板12との距離が短くなるように傾いた状態で保持される。可動部11の本体部31及び可動電極36は、このようにして初期位置に保持される。可動電極36及び本体部31の初期位置は、例えば、図3に示す状態での本体部31と基板12との間のギャップの1/2となる高さの位置を設定する。可動電極36と固定電極25で構成されるコンデンサの静電容量は、可動電極36が−Z方向に移動し固定電極25との対向面積が減少するのに応じて減少し初期位置での値が決定される。
この可動電極36の初期位置は様々な条件に基づいて設定可能である。例えば、可動電極36の初期位置は、ストッパ29の高さ、可動部11と基板12とのZ方向における距離(ギャップ)や第1及び第2バネ34,41のバネ定数に基づいて調整可能である。また、可動電極36の初期位置は、本体部31や第1及び第2バネ34,41のX方向に沿った長さにより調整可能である。例えば、可動部11全体は、本体部31のX方向に沿った長さを大きくするに従って、錘部32とストッパ29とが当接する位置がX方向に沿ってアンカー14からより離れた位置となり、初期位置でのX方向に対して−Z方向に傾く角度が小さくなる。このため、可動電極36は、本体部31のX方向の長さを大きくすることで初期位置での−Z方向に傾く角度が小さくなる。これにより、初期位置まで変位する可動電極36と固定電極25との間の静電容量の変化量は、本体部31のX方向の長さを大きくすることで可動電極36及び本体部31を−Z方向に傾ける角度が小さくなり、変化量を小さくする調整が可能となる。なお、初期位置での静電容量の値は、本体部31以外の他の部材(第1及び第2バネ34,41、錘部32など)のX方向に沿った長さを変更することでも同様の調整が可能である。
また、センサ10は、可動電極36及び固定電極25の位置や形状等を変更することによっても初期位置での静電容量の値が調整可能である。例えば、図4に示す初期位置の本体部31及び可動電極36は、X方向におけるアンカー14側から錘部32側に向かって傾いた状態で保持される。従って、可動電極36及び固定電極25は、X方向に沿ってアンカー14側から錘部32側に向かって可動電極36及び固定電極25を設ける位置を変更すると、対向面積が減少し初期位置での静電容量の値が減少する。同様に、可動電極36及び固定電極25は、錘部32側からアンカー14側に向かって設ける位置を変更すると対向面積が増大し初期位置での静電容量の値が増大する。従って、センサ10は、可動電極36及び固定電極25の位置を変更することで初期位置の静電容量の値が調整される。
そして、本実施例のセンサ10は、上記した条件に基づいて可動電極36の初期位置や静電容量の値が調整可能であることに加え、ストッパ29を設けたことで駆動電極27と錘部32とに印加する駆動電圧として錘部32がストッパ29に当接することを条件とした値が設定できる。換言すれば、初期位置を定める駆動電圧の電圧値は、錘部32がストッパ29に当接する電圧値以上の値であれば許容されることとなる。これにより、錘部32及び本体部31を含む可動部11を−Z方向に沿って所望の初期位置まで移動させる電圧制御が容易となり精度よく制御することが可能となる。
図4に示す状態においてセンサ10は、−Z方向に加速度が印加されると、図5に示すように本体部31が初期位置から−Z方向に変位する。この場合、固定電極25と可動電極36との間の静電容量の値は、固定電極25と可動電極36との対向面積が小さくなり初期位置の値に比べて減少することになる。本体部31は、第1バネ34を介して接続されたアンカー14に対して−Z方向に相対的に変位しようとする。また、本体部31は、駆動電圧の静電気力によってストッパ29に押しつけられた錘部32に第2バネ41を介して接続されており、当該錘部32に対しても−Z方向に相対的に変位しようとする。つまり、錘部32は、駆動電極27との静電気力とストッパ29とによりZ方向の位置が固定されることによって、アンカー14と同様に本体部31に対する見かけ上の固定部分として機能する。これにより、本体部31は、X方向の両側においてアンカー14及び錘部32の2つの支点で支持された状態となるため、加速度を検出するZ方向以外への揺動が低減され他軸感度を抑制でき検出精度の向上を図ることが可能となる。
一方で、図4に示す状態においてセンサ10は、+Z方向に加速度が印加されると、図6に示すように本体部31が+Z方向に変位する。この場合、固定電極25と可動電極36の間の静電容量の値は、固定電極25と可動電極36との対向面積が大きくなり初期位置の値に比べて増加することになる。このようにして、センサ10は、+Z方向に加速度が印加されると静電容量が増加し(図6参照)、−Z方向に加速度が印加されると静電容量が減少する(図5参照)。このため、センサ10は、Z方向における向きが反対で同じ大きさの加速度が印加される場合であっても、静電容量の値の増減から+Z方向あるいは−Z方向を判定して加速度が検出可能となる。
なお、本実施例のセンサ10は、第1バネ34がX方向に対する撓動性を備えており、可動部11の変位にともなって可動電極36がX方向に変位する可能性があるが、静電気力によって錘部32がストッパ29に対し固定的に保持されることによって可動電極36のX方向への変位が抑制される。また、センサ10は、固定電極25がX方向において枠状電極部36Aとの間に隙間39(図1参照)を設けて固定されているため、可動電極36のX方向への変位にともなう固定電極25と枠状電極部36Aとの衝突の防止が図られている。
以上、上記した第1実施例によれば、以下の効果を奏する。
<効果1>センサ10は、可動電極36を備える本体部31のZ方向における位置をずらすための駆動電極27が基板12上に設けられている。可動部11は、駆動電極27と錘部32との間に駆動電圧が印加されると、静電気力によって可動電極36の固定電極25に対するZ方向に沿った相対的な位置がずれる。そして、静電気力によって変位する可動部11は、ストッパ29によって錘部32の移動が規制された位置が初期位置となる。この構成では、可動部11は、錘部32がストッパ29によって保持される初期位置がストッパ29及び錘部32の位置、形状等によって一義的に定まる。そして、センサ10は、駆動電極27と錘部32とに印加する駆動電圧を錘部32がストッパ29に当接する条件となる値が設定できる。換言すれば、初期位置を定める駆動電圧の電圧値は、錘部32がストッパ29に当接する電圧値以上の値であれば許容されることとなる。これにより、錘部32及び本体部31を含む可動部11を−Z方向に沿って所望の初期位置まで移動させる電圧制御が容易となり精度よく制御することが可能となる。結果として、センサ10は、可動電極36の初期位置のずれが防止されることによって加速度の検出精度の向上を図ることが可能となる。また、センサ10は、可動部11に加速度が印加された後に無負荷となり再び可動部11が初期位置まで戻る際に、錘部32とアンカー14とが固定された状態となっており可動電極36が正しい初期位置に戻ることによっても検出精度の向上を図ることが可能となる。
<効果2>ストッパ29の各々は、駆動電極27のX方向の両側における絶縁層22に一体形成され電気的に絶縁されている。ここで、上記した特許文献に開示されるセンサでは、ストッパ(突起部)に駆動電圧が印加されるため、仮にストッパが可動部(錘部)に接触すると短絡が生じる、あるいは静電気力によるスティッキングが生じる虞があり、本実施例のようにストッパ29を可動部11に接触させた状態での加速度の検出は難しい。これに対し、本実施例のセンサ10では、絶縁されたストッパ29を錘部32(可動部11)に当接させ移動を規制することによって、錘部32を初期位置に好適に保持した状態で所望の加速度の検出が可能となる。
<効果3>センサ10は、−Z方向に加速度が印加されると本体部31が初期位置から−Z方向に変位する(図5参照)。この際、本体部31は、第2バネ41を介して接続された錘部32が駆動電極27との静電気力によってストッパ29に押しつけられた状態となっている。従って、錘部32は、Z方向の位置が固定されることによって、アンカー14と同様に本体部31に対する見かけ上の固定部分として機能する。これにより、本体部31は、X方向の両側においてアンカー14及び錘部32の2つの支点で支持された状態となるため、加速度を検出するZ方向以外への揺動が低減され他軸感度を抑制でき検出精度の向上を図ることが可能となる。
<効果4>センサ10は、本体部31が長方形板状に形成されその長手方向となるX方向の一端部側の短辺に第1バネ34を介してアンカー14が接続され、他端部側の短辺に第2バネ41を介して錘部32が接続されている。このような構成では、例えば、可動部11は、本体部31のX方向に沿った長さを大きくするに従って錘部32とストッパ29とが当接する位置をX方向に沿ってアンカー14からより離れた位置に調整可能となり、初期位置でのX方向に対して−Z方向に傾く角度を小さくできる。従って、初期位置まで変位する可動電極36と固定された固定電極25との間の静電容量の変化量は、本体部31のX方向の長さを大きくすることで本体部31を−Z方向に傾ける角度が小さくなり、変化量を小さくする調整が可能となる。
(第2実施例)
次に、図7を参照して第2実施例について説明する。なお、第1実施例と同様の構成のものについては同一符号を付し、その説明を適宜省略する。第2実施例に係るセンサ10Aは、第1バネ51と第2バネ52の構成が第1実施例と相違する。詳述すると、第1バネ51の各々は、平面視形状が蛇行した形状をなしており、X方向に蛇行しながらY方向に延びる形状をなしている。第1バネ51は、一端側の固定端51Aがアンカー14のX方向における側面に固定され、他端側の可動端51Bが第1接続部35のY方向における側面に接続されている。また、第2バネ52の各々は、第1バネ51と同様にX方向に蛇行しながらY方向に延びる形状をなしている。第2バネ52は、一端側の第1端部52Aが錘部32のX方向における側面に接続され、他端側の第2端部52Bが第2接続部42のY方向における側面に接続されている。第1及び第2バネ51,52は、Y方向及びZ方向の2方向に対する撓動性を備え、X方向に対する剛性を高めて伸縮が規制される構造となっている。また、固定電極25は、主面がZ方向に沿った略長方形板状に形成され、第1実施例とは異なり長辺がY方向に沿って形成されている。また、枠状電極部36A及び平板電極部36Bは、固定電極25とX方向で対向するようにして設けられている。このような構成のセンサ10Aにおいても、上記第1実施例のセンサ10と同様に、錘部32と駆動電極27との間に駆動電圧が印加されると、第1及び第2バネ51,52が弾性変形し本体部31及び錘部32がZ方向に変位することとなり、錘部32がストッパ29に当接して可動部11の初期位置が精度よく設定可能となる。
(第3実施例)
次に、図8を参照して第3実施例について説明する。なお、第1実施例と同様の構成のものについては同一符号を付し、その説明を適宜省略する。第3実施例に係るセンサ10Bは、第1バネ34がトーションバー61に変更されている構成が第1実施例と相違する。詳述すると、図8に示すセンサ10Bは、1つのアンカー62に対して接続されている一対のトーションバー61を備える。アンカー62は、基板12(図2参照)上のX方向における一端側においてY方向の中央部に形成されZ方向に沿って立設している。アンカー62は、Y方向における側面の各々にトーションバー61が形成されている。トーションバー61は、Y方向に沿って形成された棒状をなす。トーションバー61は、Y方向の一端部がアンカー62と接続され、他端部が本体部31の第1接続部63と接続されている。
本体部31は、アンカー62側の短辺の両端部にX方向に突出する一対の第1接続部63がそれぞれ形成され、当該第1接続部63がトーションバー61を介してアンカー14に支持されている。センサ10Bは、アンカー62によって支持された状態の本体部31のY方向における中央を通りX方向に平行な直線上にアンカー62が設けられている。トーションバー61及びアンカー62は、Y方向で対向する位置にある一対の第1接続部63の間に設けられている。これにより、錘部32及び本体部31は、トーションバー61を介してアンカー14に対して回転可能に支持されている。本体部31は、トーションバー61のX方向の中央部を通りY方向に沿った回転軸線を中心に回転する。このような構成のセンサ10Bは、上記第1実施例のセンサ10と同様に、錘部32と駆動電極27との間に駆動電圧が印加されると、トーションバー61が捻れるようにして本体部31及び錘部32が回転軸線を中心にZ方向に回転することとなる。センサ10Bは、錘部32がストッパ29に当接して可動部11の初期位置が精度よく設定可能となる。
(第4実施例)
次に、図9を参照して第4実施例について説明する。なお、第1実施例と同様の構成のものについては同一符号を付し、その説明を適宜省略する。第4実施例に係るセンサ10Cは、第1実施例のセンサ10が加速度センサとして構成されたのに対し、本体部31を振動させる振動部70が追加され角速度センサとして構成されている点が第1実施例と相違する。図9に示す角速度センサ10Cは、X方向及びZ方向の2方向に変位可能な可動部11(本体部31)をX方向に振動させた状態でY方向を回転軸としたY軸回転(図中の回転を示す矢印を参照)の角速度が作用したときに、本体部31及び可動電極36がコリオリ力(慣性力)によりZ方向に変位するのを利用して角速度を検出する構成となっている。
詳述すると、角速度センサ(以下、「センサ」という)10Cは、本体部31のX方向における可動電極36とは反対側の領域に振動部70が設けられている。振動部70は、基板12上の電極や配線(共に図示略)を介して外部回路に接続された第1振動用電極71と、本体部31に一体的に形成された第2振動用電極72とを備える。第1振動用電極71は、X方向に向かって突出して形成される電極71AがY方向に沿って等間隔に形成された櫛歯状に形成されている。第1振動用電極71は、一対の組み合わせが複数組(図示例では2組)設けられている。第1振動用電極71は、各組の第1振動用電極71がY方向に沿った直線に対して互いに対象となる位置に設けられ、櫛歯状の電極71Aの各々がX方向で互いに対向している。複数の第1振動用電極71は、X方向に沿って並設されている。一対の第1振動用電極71は、X方向の間に第2振動用電極72が設けられている。第2振動用電極72は、一対の第1振動用電極71のX方向における中間となる位置に設けられたY方向に延びる棒状の電極からX方向の両側に突出して形成される電極72Aが設けられている。第2振動用電極72はY方向に延びる棒状の電極の両端部が本体部31に一体形成されている。第2振動用電極72は、X方向の両側で対向する第1振動用電極71の電極71Aの間に電極72Aが挿入されるようにして設けられる。第1及び第2振動用電極71,72は、Y方向において互いに所定の隙間を設けて対向する電極71A,72Aにより平行平板コンデンサが構成される。そして、第1振動用電極71の電極71Aは、外部回路から交流の駆動信号が印加されることにより、各第2振動用電極72の電極72Aとの間でX方向に沿って且つ向きが反対の静電気力を交互に発生させ、本体部31をX方向(図中の左右方向)に振動させる。
角速度の検出動作では、例えば、センサ10Cは、駆動電極27と錘部32との間に外部回路から駆動電圧が印加され、錘部32が−Z方向(図3参照)に変位しストッパ29により移動が規制され可動電極36を含む本体部31が初期位置に保持される。次に、センサ10Cは、第1振動用電極71に外部回路から駆動信号が印加されると、電極71A,72Aの間にX方向の静電気力が発生し本体部31が振動する。そして、センサ10Cは、この状態でY軸回転の角速度が本体部31に作用すると、本体部31にはZ方向のコリオリ力が作用する。このため、本体部31及び可動電極36は、Y軸回転の角速度の大きさに応じてZ方向(+Z方向又は−Z方向)に変位する。センサ10Cは、可動電極36の変位に応じて可動電極36及び固定電極25の対向面積が変動し、両電極間の静電容量の変化量に応じた検出信号に基づいて角速度が検出される。従って、このような角速度センサのセンサ10Cは、上記第1実施例のセンサ10と同様に、錘部32がストッパ29に当接して可動部11の初期位置が精度よく設定された状態で角速度の検出が可能となる。
(第5実施例)
次に、図10及び図11を参照して第5実施例について説明する。なお、図7に示す第2実施例と同様の構成のものについては同一符号を付し、その説明を適宜省略する。第5実施例に係るセンサ10Dは、第2実施例のセンサ10Aが可動電極36及び固定電極25が1箇所に設けられた構成であったのに対し、可動電極36及び固定電極25が2箇所の対象な位置に設けられた点が第2実施例と相違する。図10に示すセンサ10Dは、錘部32を共有する2つの可動部81,82が設けられている。
センサ10Dは、X方向の両側に設けられたアンカー14に接続された第1バネ51により可動部81,82の各々が保持されている。可動部81,82は、センサ10DのX方向における中央部に設けられた1つの錘部32に第2バネ52を介して接続されている。基板12(図11参照)上に設けられた駆動電極27は、錘部32とZ方向で対向する位置に設けられている。また、基板12は、駆動電極27のX方向の両側にストッパ29が設けられ、当該ストッパ29がZ方向で錘部32と対向している。可動部81,82の各々には、基板12に固定された固定電極25と対向する可動電極36がそれぞれ形成されている。固定電極25及び可動電極36は、X方向で対向し平行平板コンデンサを構成する。可動部81,82の各々に設けられた可動電極36は、錘部32のX方向における中央部を通るY方向に沿った直線に対しX方向で対象な位置となる。このような構成のセンサ10Dでは、錘部32と駆動電極27との間に駆動電圧が印加されると、第1及び第2バネ51,52が弾性変形し、可動部81,82の各々の本体部31及び可動部81,82が共有する1つの錘部32がZ方向に変位することとなる。センサ10Dは、X方向における中央部に設けられた錘部32がZ方向に変位し、錘部32がストッパ29に当接して可動部81,82の初期位置が精度よく設定される。
図11に示すように、錘部32と駆動電極27との間に駆動電圧が印加された初期位置の状態では、センサ10Dは、X方向の両側から中央部に向かって対称(図11において左右対称)に傾斜した状態で可動部81,82が初期位置に保持される。ここで、可動部81,82は、X方向の両側のアンカー14側から中央部の錘部32側に向かうに従って基板12との距離が短くなるように傾いた状態で保持される。可動部81,82は、X方向に沿って並ぶ可動電極36が−Z方向に変位した状態となる。可動部81,82が傾くことで、可動電極36の平板電極部36Bは、本体部31とともに−Z方向に変位し、X方向において錘部32により近い平板電極部36Bになればなるほど−Z方向に変位する微細な移動量(例えば、数ナノメートルオーダーの移動量)が大きくなっている。従って、平板電極部36Bの各々は、基板12に固定されている固定電極25が変位しない一方で、−Z方向に異なった移動量で変位するため、錘部32により近い平板電極部36Bになればなるほど対向する固定電極25との静電容量の変化量が大きくなる。このようなセンサ10Dは、例えば、加速度の検出において可動部81,82(各本体部31)に回転等が生じると各平板電極部36Bと固定電極25との間の静電容量に異なる変位量の変動が生じ加速度の検出精度に影響を及ぼす虞がある。
そこで、当該センサ10Dでは、可動部81,82の各々の可動電極36及び固定電極25がX方向において対称な位置に設けられることによって、各平板電極部36Bと固定電極25との静電容量に生じる変動の差を低減する構成となっている。例えば、センサ10Dは、この変動の差が加速度の検出精度に影響を与えないように、加速度に応じて変動する可動部81,82の互いの静電容量の変化量の平均値を算出するように外部回路が構成される。これにより、センサ10Dは、可動電極36(特に、平板電極部36B)と固定電極25の各々との静電容量に対して可動部81,82の回転等によって生じる変動の差を低減でき、加速度の検出精度の向上を図ることが可能となる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内での種々の改良、変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記した各実施例のセンサ10,10A〜10Dで検出される物理量(加速度及び角速度)及び当該物理量が検出可能な方向(Z方向など)は一例であり、適宜変更できる。
また、各部材の形状・構成等は一例であり、適宜変更してもよい。例えば、上記した各実施例では、ストッパ29を基板12上に設けたが、枠部13の内壁から突出形成してもよい。
ちなみに、センサ10,10A〜10Dは、静電容量型センサの一例である。可動部11は、可動部の一例である。基板12は、基板の一例である。アンカー14は、固定部の一例である。コア基板21は、コア基板の一例である。絶縁層22は、絶縁層の一例である。固定電極25は、固定電極の一例である。可動部11の錘部32との間に駆動電圧が印加される駆動電極27は、駆動電極の一例である。ストッパ29は、規制部の一例である。本体部31は、本体部の一例である。錘部32は、可動部の被規制部の一例である。枠状電極部36A及び平板電極部36Bを含む可動電極36は、可動電極の一例である。第1バネ34,51及びトーションバー61は、第1弾性部材の一例である。第2バネ41,52は、第2弾性部材の一例である。X方向及びY方向は、基板の平面に平行な平面方向の一例である。Z方向は、基板の平面に対して垂直な方向の一例である。
10,10A〜10D 静電容量型センサ、11 可動部、12 基板、14 アンカー、21 コア基板、22 絶縁層、25 固定電極、27 駆動電極、29 ストッパ、31 本体部、32 錘部、36 可動電極、34,51 第1バネ、41,52 第2バネ。

Claims (5)

  1. 基板と、
    前記基板から遊離して揺動可能に設けられる可動部と、
    前記可動部に設けられる可動電極と、
    前記基板に固定されて設けられ、前記基板の平面に平行な平面方向において離間して対向する前記可動電極との対向面積が前記可動部への物理量の印加によって変動し、前記対向面積の変動に応じて前記可動電極との静電容量が変動する固定電極と、
    前記可動部との間に駆動電圧が印加され静電気力によって前記基板の平面に対して垂直な方向における前記可動部の位置を変位させ、前記固定電極に対する前記可動電極の相対的な位置をずらして前記静電容量を変動させる駆動電極と、
    前記静電気力によって変位する前記可動部の被規制部の移動を規制し、前記可動部を初期位置に保持する規制部と、
    を有することを特徴とする静電容量型センサ。
  2. 前記基板は、コア基板と、前記コア基板上に形成された絶縁層とを有し、
    前記規制部は、前記基板の平面に対して垂直な方向において前記被規制部と対向する位置となる前記絶縁層上に設けられることを特徴とする請求項1に記載の静電容量型センサ。
  3. 前記可動部は、
    前記可動電極が設けられる本体部と、
    前記基板に固定されて設けられる固定部に前記本体部を接続し、前記本体部を前記固定部に対して前記基板の平面に対して垂直な方向に向かって揺動可能に保持する第1弾性部材と、
    前記被規制部を前記本体部に接続し、前記被規制部を前記本体部に対して前記基板の平面に対して垂直な方向に向かって揺動可能に保持する第2弾性部材と、
    を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の静電容量型センサ。
  4. 前記本体部は、前記基板の平面に対して垂直な方向から視た形状が長方形となる板状に形成され、長手方向の一端部側の短辺に前記第1弾性部材が接続され、長手方向の他端部側の短辺に前記第2弾性部材が接続され、
    前記駆動電極は、前記基板の平面に対して垂直な方向において前記被規制部と対向する位置となる前記基板上に設けられ、前記被規制部との間に前記駆動電圧が印加されることを特徴とする請求項3に記載の静電容量型センサ。
  5. 前記基板の平面に平行な前記平面方向に沿って前記被規制部に対して対称となる位置の各々に設けられる前記本体部を少なくとも1組備え、
    1組の前記本体部は、一方の前記本体部の前記可動電極が設けられる位置が、他方の前記本体部の前記可動電極が設けられる位置と前記被規制部に対して前記平面方向で対称となる位置に設けられ、
    前記固定電極は、1組の前記本体部の各々の前記可動電極に対向して設けられることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の静電容量型センサ。
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