JP2011038739A - 熱詰め容器の冷却装置及び冷却方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の熱詰め容器の冷却装置が必要としていた、撒水ノズルの下底部にあった貯水槽を撤廃し、装置を著しく簡素化し、小型化し、また該装置本体、特に、ダクト、配管等の定期的な微生物対策(洗浄、殺菌)を軽減する。
【解決手段】空気を通流させる手段を具備するダクト内に、一方から他方に向かって移動するコンベアを配置し、該コンベアの側面上方に流量調節弁を具備した撒水ノズルを配置し、該コンベアの内側に向かって過不足なく撒水可能としたことを特徴とする熱詰め容器の冷却装置の、該コンベア上に熱詰め容器入り飲食品を並べ、該容器の上部から過不足なく撒水し、品温のより低下した容器詰め飲食品を得る。
【選択図】 図1
【解決手段】空気を通流させる手段を具備するダクト内に、一方から他方に向かって移動するコンベアを配置し、該コンベアの側面上方に流量調節弁を具備した撒水ノズルを配置し、該コンベアの内側に向かって過不足なく撒水可能としたことを特徴とする熱詰め容器の冷却装置の、該コンベア上に熱詰め容器入り飲食品を並べ、該容器の上部から過不足なく撒水し、品温のより低下した容器詰め飲食品を得る。
【選択図】 図1
Description
本発明は、熱詰め容器の冷却装置の改良に関し、特に撒水ノズルの下底部にあった貯水槽を撤廃可能とした熱詰め容器の冷却装置及び冷却方法に関する。
従来、冷却装置本体に、コンベアを介して、熱詰め容器を搬入し、該装置本体底部の冷却水槽より冷却水を汲み上げて該容器表面に撒水すると共に、該容器の搬送路に外気を通流させる容器の冷却装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、冷却水が貯水された冷却水槽と、冷却水を容器の上方から撒水する撒水手段とを有し、容器の搬送路に通風して撒水を空気冷却する容器の処理装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、これらの装置は、冷却能力の点においていまだ改善の余地を残しており、しかも撒水ノズルの下底部に貯水槽の設置が必須となっている。そのため装置が複雑化、大型化すると共に、定期的に装置や、配管の洗浄、殺菌、水垢や黴の取除作業などが必要となり、その労力が嵩む問題を有する。また該冷却水は開放系で、微生物の生育に好適な水温で取り扱われるため、有害微生物により汚染され易く、水の循環再利用に際しては、その汚染対策も厳重に注意しなければならない欠点を有する。
また、冷却水が貯水された冷却水槽と、冷却水を容器の上方から撒水する撒水手段とを有し、容器の搬送路に通風して撒水を空気冷却する容器の処理装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、これらの装置は、冷却能力の点においていまだ改善の余地を残しており、しかも撒水ノズルの下底部に貯水槽の設置が必須となっている。そのため装置が複雑化、大型化すると共に、定期的に装置や、配管の洗浄、殺菌、水垢や黴の取除作業などが必要となり、その労力が嵩む問題を有する。また該冷却水は開放系で、微生物の生育に好適な水温で取り扱われるため、有害微生物により汚染され易く、水の循環再利用に際しては、その汚染対策も厳重に注意しなければならない欠点を有する。
本発明は、従来の熱詰め容器の冷却装置が必要としていた、撒水ノズルの下底部にあった貯水槽を撤廃し、冷却装置を著しく簡素化、小型化し、また該装置本体、特に、ダクト、配管等の定期的な微生物対策(洗浄、殺菌など)を軽減することを目的とする。また非常に少量の撒水で、熱詰め容器入り飲食品の急速冷却方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、遂に本発明を完成した。
すなわち本発明は、
(1)空気を通流させる手段を具備するダクト内に、一方から他方に向かって移動するコンベアを配置し、該コンベアの側面上方に流量調節弁を具備した撒水ノズルを配置し、該コンベアの内側に向かって過不足なく撒水可能としたことを特徴とする熱詰め容器の冷却装置。
(2)撒水粒径が10〜150μmである前記(1)に記載の冷却装置。
(3)撒水量が、熱詰め容器の冷却有効表面に対し毎分0.87〜1.74ml/cm2の割合で噴霧する前記(1)に記載の冷却装置。
(4)ダクトがステンレス製である前記(1)に記載の冷却装置。
(5)前記(1)記載の熱詰め容器の冷却装置の、該コンベア上に熱詰め容器入り飲食品を並べ、該容器の上部から過不足なく撒水し、品温のより低下した容器詰め飲食品を得ることを特徴とする熱詰め容器の冷却方法。
(6)飲食品が液体状又はペースト状食品である前記(5)に記載の冷却方法。
である。
すなわち本発明は、
(1)空気を通流させる手段を具備するダクト内に、一方から他方に向かって移動するコンベアを配置し、該コンベアの側面上方に流量調節弁を具備した撒水ノズルを配置し、該コンベアの内側に向かって過不足なく撒水可能としたことを特徴とする熱詰め容器の冷却装置。
(2)撒水粒径が10〜150μmである前記(1)に記載の冷却装置。
(3)撒水量が、熱詰め容器の冷却有効表面に対し毎分0.87〜1.74ml/cm2の割合で噴霧する前記(1)に記載の冷却装置。
(4)ダクトがステンレス製である前記(1)に記載の冷却装置。
(5)前記(1)記載の熱詰め容器の冷却装置の、該コンベア上に熱詰め容器入り飲食品を並べ、該容器の上部から過不足なく撒水し、品温のより低下した容器詰め飲食品を得ることを特徴とする熱詰め容器の冷却方法。
(6)飲食品が液体状又はペースト状食品である前記(5)に記載の冷却方法。
である。
本発明によれば、従来の熱詰め容器の冷却装置が必要としていた、撒水ノズルの下底部にあった貯水槽を撤廃し、該冷却装置を著しく簡素化し、小型化することができる。また熱詰め容器の冷却装置本体、特に、ダクト、配管等の定期的な微生物対策(洗浄、殺菌など)を軽減することができる。
以下本発明を添付した図面に沿って説明する。
図1は、本発明の熱詰め容器の冷却装置の一具体例を示す概略説明図であって、1は、空気を通流させる手段で、送風器、換気扇、その他空気を送気又は排気する装置が挙げられる。これにより、ダクト内はその一方の開口部(空気供給口)から他方の開口部(空気排出口)に向かって空気が通流する。矢印は、ダクト内を左方向に通流することを意味する。通流は、1〜5m/秒とすることが好ましく、2〜4m/秒がより好ましい。空気の通流方向は、特に制限はないが、被冷却容器の進行方向に対向する(向流する)向きとすることが好ましい。
2はダクトで、断面は長方形、正方形など四角形のものが好ましい。そして、その素材は、清掃が簡単で、汚れや、微生物が付着しにくいステンレス製のものが好ましい。
3はコンベアで、モーター(図面簡略のため図示せず)により駆動する駆動軸(図示せず)と従動軸3aの間で支持されている。
移送速度は、容器の材質(樹脂、ガラスや缶等)、容器の形態(ペットボトル、レトルトパウチ、アルミパウチ、可撓性プラスチック容器、フィルム状袋容器、壜容器、缶容器等)、また飲食品の種別(液体状、ペースト状、ゼリー状)によって決定することが好ましい。例えば、プラスチック樹脂製のペットボトル容器に詰められた液体状食品の場合は、2〜8m/分が好ましく、3〜6m/分がより好ましい。
移送速度は、容器の材質(樹脂、ガラスや缶等)、容器の形態(ペットボトル、レトルトパウチ、アルミパウチ、可撓性プラスチック容器、フィルム状袋容器、壜容器、缶容器等)、また飲食品の種別(液体状、ペースト状、ゼリー状)によって決定することが好ましい。例えば、プラスチック樹脂製のペットボトル容器に詰められた液体状食品の場合は、2〜8m/分が好ましく、3〜6m/分がより好ましい。
4は、流量調節弁で、弁座と弁の組み合わせからなり、弁を弁座に対して前進、後退させて流路を調節する、例えばグローブバルブ、あるいはボール弁などが挙げられる。
この撒水量の調節は、本発明において極めて重要であって、過不足なく行う必要がある。撒水量が多すぎるときは、撒水が容器表面に留まることができなくなって、雫となって滴下し、ダクト内に水溜りが形成され、一方、冷却に寄与しない無駄な撒水が増加して、コンベアの表面やダクト内周壁に付着、凝集して底壁に流れ落ち、ダクト底部が水溜(貯水槽)となるので、排水処理が必要になり、またその水嵩(貯水量)が膨大となる場合には貯水槽を設置し、循環再利用を検討しなければならないので好ましくない。
また反対に少なすぎるときは、排水処理及び貯水槽は不要となるが、冷却効率が低下し、熱詰め容器を短時間に所定品温まで低下させることができない。
したがって、流量調節弁を調整して、冷却効率が最大で、しかもダクト内周壁及びコンベアからダクト底面に水滴の流下、あるいは滴下を殆ど生じさせない撒水量とすることが好ましい。
また反対に少なすぎるときは、排水処理及び貯水槽は不要となるが、冷却効率が低下し、熱詰め容器を短時間に所定品温まで低下させることができない。
したがって、流量調節弁を調整して、冷却効率が最大で、しかもダクト内周壁及びコンベアからダクト底面に水滴の流下、あるいは滴下を殆ど生じさせない撒水量とすることが好ましい。
本発明において、過不足なく撒水とは、コンベアやダクトの内周壁に多少の濡れはあってもよく、またダクト底面を水平に保持したときに該底面が全面に渡って水没しないことを意味する。
この程度であるときは、冷却作業終了後において、短時間通気するだけで、コンベア、ダクト内周壁(底面を含む)などを簡単に乾燥することが可能となる。
なお、本発明は、殆ど排水を生じないので廃水処理設備は不要であるが、ダクト内洗浄のため、ダクトの底面は、排水勾配を設け、その下端部に排水管を設けてもよいことは言うまでもない。
この程度であるときは、冷却作業終了後において、短時間通気するだけで、コンベア、ダクト内周壁(底面を含む)などを簡単に乾燥することが可能となる。
なお、本発明は、殆ど排水を生じないので廃水処理設備は不要であるが、ダクト内洗浄のため、ダクトの底面は、排水勾配を設け、その下端部に排水管を設けてもよいことは言うまでもない。
過不足なく撒水するには、例えば撒水粒径(外径)が10〜150μmであるスプレーノズルを用い、撒水を、容器の冷却有効表面に対し、毎分0.87〜1.74ml/cm2の割合で行うことが挙げられる。
なお、粒径の測定はレーザー解折によるものである。
具体的には、加熱殺菌後、品温68℃でペットボトル(直径4cm、高さ10.5cmの胴部と、直径2.5cm、高さ2cmの首部と、両者を接続する高さ1cmの肩部とを有する、醤油100ml収納用のペットボトル)に詰められた熱詰めボトルの場合、該ボトルに、水道水を約0.4mmの撒水ノズルから微水滴を毎分約100〜200mlの割合で霧状に噴霧(撒水)して、無数の微水滴をボトル表面へ付着させ、ダクト内で、通流速度約2〜4m/秒の空気に当接させることにより実施される。
なお、粒径の測定はレーザー解折によるものである。
具体的には、加熱殺菌後、品温68℃でペットボトル(直径4cm、高さ10.5cmの胴部と、直径2.5cm、高さ2cmの首部と、両者を接続する高さ1cmの肩部とを有する、醤油100ml収納用のペットボトル)に詰められた熱詰めボトルの場合、該ボトルに、水道水を約0.4mmの撒水ノズルから微水滴を毎分約100〜200mlの割合で霧状に噴霧(撒水)して、無数の微水滴をボトル表面へ付着させ、ダクト内で、通流速度約2〜4m/秒の空気に当接させることにより実施される。
5は、撒水ノズルであって、給水管5aに所定間隔で設置されている。撒水は、先ず、容器の片側面上方(即ち1箇所のノズル)から撒水し、次いでボトルを移動し、他の片側面上方(1箇所のノズル)から撒水し、以下順次交互に片側面づつ撒水する方法(位相をずらして撒水する方法)(図3参照)、あるいは容器の両側面上方2箇所のノズルから同時に撒水する方法が挙げられるが、前者は後者にくらべて非常に少ない撒水量で冷却できる利点があるので好ましい。
このノズルは、任意のものが採用可能であり、例えば、スプレーイング・システム・ジャパン社製のものが挙げられる。なお、6はスプレーしている状態を意味する。
このノズルは、任意のものが採用可能であり、例えば、スプレーイング・システム・ジャパン社製のものが挙げられる。なお、6はスプレーしている状態を意味する。
本発明を実施するには、上記の熱詰め容器の冷却装置の、該コンベア上に熱詰め(例えば品温60℃以上で詰められた)容器入り飲食品を並べ、該容器の上部から過不足のない冷却水を撒水し、品温のより低下した(例えば、品温40℃以下である)該容器詰め飲食品を得ることで実施される。
従来、液体食品は、プレートヒーターや、チューブヒーター等の熱交換器で加熱殺菌した後、熱いまま(60℃以上の品温で)、ガラス、樹脂や缶等の包装容器に熱詰め(ホット・パック又はホット・フィルとも言う)され、次いで、その内容成分の熱変性、香味の劣化、及び非酵素的褐変を防止するため、その品温が40℃以下になるまで急速に冷却される。
本発明の冷却方法は、先ず熱詰め容器(例えば品温60℃以上の飲食品が入っている)に対し、微水滴を霧状に噴霧(撒水)して、無数の微水滴を容器表面へ付着させ、付着した微水滴を瞬時に容器の表面温度まで上昇させ、微水滴が気化する際の蒸発潜熱により該容器を冷却し、容器内の飲食品を所定の温度(例えば40℃以下)にまで冷却するものである。本発明は、上記の熱詰め容器の急速冷却に非常に好適であり、この際、撒水を過不足なく行う必要性があることは、前述した通りである。
上記飲食品としては、熱詰めに適したものが挙げられる。
例えば液体調味料(例えば、醤油、食酢、みりん、ソース、ポン酢、たれ、及びつゆ等)、ジュース(例えば野菜ジュース、果物ジュース)、清涼飲料、茶飲料、乳飲料、アルコール飲料等の液体状の食品、ケチャップ、ピューレ等のペースト状の食品が挙げられる。
例えば液体調味料(例えば、醤油、食酢、みりん、ソース、ポン酢、たれ、及びつゆ等)、ジュース(例えば野菜ジュース、果物ジュース)、清涼飲料、茶飲料、乳飲料、アルコール飲料等の液体状の食品、ケチャップ、ピューレ等のペースト状の食品が挙げられる。
以下実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
空気を通流させる手段1を直径40cmの冷却用ファンとし、ダクト2を縦60cm、横35cm、長さ12mのステンレス製ダクトとし、一方から他方に向かって移動するコンベア3を幅10cmの無端コンベアとし、流量調節弁4をグローブバルブとし、撒水ノズル5をスプレーイング・システム・ジャパン社製のUnijet・スプレーノズル(ダクトの長さ方向に50cm間隔で1個づつ、その開口部がボトル面に臨む位置に配置されている)とし、熱詰めボトル7を、「直径4cm、高さ10.5cmの胴部と、直径2.5cm、高さ2cmの首部と、両者を連結する高さ1cmの肩部とを有する、醤油100ml収納用のペットボトル」であって、醤油を80℃で加熱殺菌(火入れ)し、72℃で詰められた醤油熱詰めボトルとして、図1の如く醤油熱詰めボトルの冷却装置をセットした。
なお、7は醤油熱詰めボトルであって、搬入手段(図面簡略のため図示せず)により連続的にベルトコンベア上に供給され、またボトルの冷却終了後は搬出手段(図面簡略のため図示せず)によりベルトコンベアから取り出されるようになっている(白抜きの矢印ハは、ベルトコンベア上でのボトルの移送方向を意味する)。
なお、7は醤油熱詰めボトルであって、搬入手段(図面簡略のため図示せず)により連続的にベルトコンベア上に供給され、またボトルの冷却終了後は搬出手段(図面簡略のため図示せず)によりベルトコンベアから取り出されるようになっている(白抜きの矢印ハは、ベルトコンベア上でのボトルの移送方向を意味する)。
図1において、コンベア3の上に、醤油熱詰めボトル(詰後約1分経過し、品温が68℃となっている)を置き、該ボトルの片側面の上方(仰角45度で10cm隔てた1箇所)から、スプレーノズルを介して、毎分100ml(本発明1)、130ml(本発明2)、200ml(本発明3)又は600ml(比較例1)撒水し(気温25℃、水温20℃)、またダクト内の空気通流速度を約3m/秒として、それぞれ品温40℃となるまで、ダクト内に保持した。その結果、いずれの区分も、冷却開始後、40℃の品温の容器詰め醤油をほぼ3〜4分で得ることができた。
なお、温度の測定は、ボトルの首部(キャップ天井面)中央より10cm下端の温度を、温度計:チノー ND500(熱伝対)で測定した。
この結果、本発明1〜3、比較例1のいずれの区分も醤油熱詰めボトルを急冷することが可能であるが、毎分600ml撒水区(比較例1)は、撒水量が多すぎて、ダクト内下底部に滴下が多くみられ、底面に水溜りが発生することが判明した。これに対し、毎分100ml撒水区(本発明1)及び130ml撒水区(本発明2)、200ml撒水区(本発明3)は、ダクト内下底部に滴下が殆ど見られず、ダクトの側壁および底部は、一部濡れていたが、底部に水溜りは殆ど発生しないことが判明した。
なお、温度の測定は、ボトルの首部(キャップ天井面)中央より10cm下端の温度を、温度計:チノー ND500(熱伝対)で測定した。
この結果、本発明1〜3、比較例1のいずれの区分も醤油熱詰めボトルを急冷することが可能であるが、毎分600ml撒水区(比較例1)は、撒水量が多すぎて、ダクト内下底部に滴下が多くみられ、底面に水溜りが発生することが判明した。これに対し、毎分100ml撒水区(本発明1)及び130ml撒水区(本発明2)、200ml撒水区(本発明3)は、ダクト内下底部に滴下が殆ど見られず、ダクトの側壁および底部は、一部濡れていたが、底部に水溜りは殆ど発生しないことが判明した。
(比較実験例1)
また、比較のため、実施例2において、スプレーノズルの代わりに、撒水ノズル(孔径1mm、撒水量:毎分232ml)(対照1)、撒水ノズル(孔径2mm、撒水量:毎分440ml)(対照2)、撒水ノズル(孔径3mm、撒水量:毎分1160ml)(対照3)、撒水ノズル(孔径4mm、撒水量:2520ml)(対照4)を用い、該ボトルの両側面の上方2箇所(仰角45度で10cm隔てた箇所)から、撒水(投射)する以外は全く同様にして、それぞれ品温40℃の該容器詰め醤油を得た。
また、比較のため、実施例2において、スプレーノズルの代わりに、撒水ノズル(孔径1mm、撒水量:毎分232ml)(対照1)、撒水ノズル(孔径2mm、撒水量:毎分440ml)(対照2)、撒水ノズル(孔径3mm、撒水量:毎分1160ml)(対照3)、撒水ノズル(孔径4mm、撒水量:2520ml)(対照4)を用い、該ボトルの両側面の上方2箇所(仰角45度で10cm隔てた箇所)から、撒水(投射)する以外は全く同様にして、それぞれ品温40℃の該容器詰め醤油を得た。
(比較実験例2)
また、比較のため、実施例2において、スプレーノズル又は撒水ノズルによる撒水を全く行うことなく、そのまま通風のみによる冷却を行ない、品温40℃の容器詰め醤油を得た(対照5)。
また、比較のため、実施例2において、スプレーノズル又は撒水ノズルによる撒水を全く行うことなく、そのまま通風のみによる冷却を行ない、品温40℃の容器詰め醤油を得た(対照5)。
以上の結果をまとめて表1に示す。
実施例1及び表1の比較例1の結果から、撒水量が多すぎるときは、撒水がボトル表面に留まることができなくなって、雫となって、滴下し、ダクト内に水溜りが形成され、また、冷却に寄与しない無駄な撒水が増加して、コンベアの表面や、ダクト内周壁に付着、凝集して底壁に流れ落ち、ダクト底部の水溜りが大きくなり、その結果、冷却装置が有害微生物に汚染され易い環境となるため、その汚染対策が必要となり、またダクト底部の水溜りが大きくなって、該底部が水没し、貯水槽となるため、排水処理が必要となることが判る。
また、表1の対照1〜4の結果から、孔径が1〜4mmの撒水ノズルを介して撒水する場合には、ダクト底面への滴下が非常に多くなり(やがて底面が水没し、貯水槽となるので)、多量の排水が生じ、水資源節約のため該貯水槽から水を汲み上げ、これを再度撒水として利用するための設備が必要となり、装置の構造が複雑化、大型化を余儀なくされることが判る。また、ダクトの内部(装置、内周壁面)は、微生物の生育に好適な水温の水が付着し、滞留するため、有害微生物により汚染され易く、その汚染対策も厳重に注意しなければならない欠点を有することが判る。
これに対し、本発明1〜3及び比較例1の結果から、容器の冷却有効表面に対し、毎分0.87〜1.74ml/cm2の割合で噴霧することが好ましいことが判る。
また、本発明は、撒水量を必要最小限に制御し、過不足なく行うことで、ダクト底面に水溜りは殆ど発生することなく、しかも初発品温が68℃のボトル内の醤油を、3分20秒〜3分40秒という短時間で、品温40℃以下に急速冷却できることが判る。また、従来の熱詰め容器の冷却装置が必要としていた、撒水ノズルの下底部の貯水槽が不要となり、装置を著しく簡素化できることが判る。また、冷却装置の有害微生物の汚染対策が軽減され、また液体状の食品(この実施例では醤油)の内容成分の熱変性、香味の劣化、及び非酵素的褐変を防止できることが判る。
また、表1の対照1〜4の結果から、孔径が1〜4mmの撒水ノズルを介して撒水する場合には、ダクト底面への滴下が非常に多くなり(やがて底面が水没し、貯水槽となるので)、多量の排水が生じ、水資源節約のため該貯水槽から水を汲み上げ、これを再度撒水として利用するための設備が必要となり、装置の構造が複雑化、大型化を余儀なくされることが判る。また、ダクトの内部(装置、内周壁面)は、微生物の生育に好適な水温の水が付着し、滞留するため、有害微生物により汚染され易く、その汚染対策も厳重に注意しなければならない欠点を有することが判る。
これに対し、本発明1〜3及び比較例1の結果から、容器の冷却有効表面に対し、毎分0.87〜1.74ml/cm2の割合で噴霧することが好ましいことが判る。
また、本発明は、撒水量を必要最小限に制御し、過不足なく行うことで、ダクト底面に水溜りは殆ど発生することなく、しかも初発品温が68℃のボトル内の醤油を、3分20秒〜3分40秒という短時間で、品温40℃以下に急速冷却できることが判る。また、従来の熱詰め容器の冷却装置が必要としていた、撒水ノズルの下底部の貯水槽が不要となり、装置を著しく簡素化できることが判る。また、冷却装置の有害微生物の汚染対策が軽減され、また液体状の食品(この実施例では醤油)の内容成分の熱変性、香味の劣化、及び非酵素的褐変を防止できることが判る。
1・・・空気を通流させる手段、2・・・ダクト、3・・・コンベア、3a・・・従動軸、4・・・流量調節弁、5・・・撒水ノズル、6・・・スプレー、7・・・容器
Claims (6)
- 空気を通流させる手段を具備するダクト内に、一方から他方に向かって移動するコンベアを配置し、該コンベアの側面上方に流量調節弁を具備した撒水ノズルを配置し、該コンベアの内側に向かって過不足なく撒水可能としたことを特徴とする熱詰め容器の冷却装置。
- 撒水粒径が10〜150μmである請求項1に記載の冷却装置。
- 撒水量が、熱詰め容器の冷却有効表面に対し、毎分0.87〜1.74ml/cm2の割合で噴霧する請求項1に記載の冷却装置。
- ダクトがステンレス製である請求項1に記載の冷却装置。
- 請求項1記載の熱詰め容器の冷却装置の、該コンベア上に熱詰め容器入り飲食品を並べ、該容器の上部から過不足なく撒水し、品温のより低下した容器詰め飲食品を得ることを特徴とする熱詰め容器の冷却方法。
- 飲食品が液体状又はペースト状食品である請求項5に記載の冷却方法。
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