JP2014100071A - レトルト殺菌システム - Google Patents

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Abstract

【課題】レトルト殺菌装置の利用効率が高く、レトルト殺菌処理のエネルギー利用効率の高いレトルト殺菌システムの提供。
【解決手段】
内容物を充填密封した容器詰め製品を殺菌するレトルト殺菌システムであって、前記容器詰め製品をレトルト殺菌するレトルト殺菌装置と、前記レトルト殺菌室から所定の温度で搬出された容器詰め製品を冷却する冷却装置とを備え、前記所定の温度が殺菌温度であるレトルト殺菌システム。
【選択図】図1

Description

本発明は、内容物を充填密封した容器詰め製品のレトルト殺菌システムに関する。
従来より行われているレトルト殺菌は、飲料、食品等の内容物を容器に充填密封した容器詰め製品をレトルト殺菌装置に収容し、レトルト殺菌工程終了後にレトルト殺菌装置内にて冷却工程を行い、容器詰め製品を通常約30乃至40℃に冷却した後に搬出している。そして、次の容器詰め製品のレトルト殺菌を、レトルト殺菌装置から容器詰め製品を搬出した後の装置内が冷えた状態から行っている。
このような従来より行われているレトルト殺菌のうち、蒸気式レトルト殺菌方法を用いた場合のレトルト殺菌システムのプロセスフローシートを図8に示す。レトルト殺菌システム100は、レトルト殺菌装置1と、レトルト殺菌装置1を加熱するための蒸気を供給する蒸気発生器4を備える。レトルト殺菌装置1に収容された容器詰め製品10は、蒸気発生器4から蒸気導入ライン12を介して供給された蒸気により加熱殺菌される(レトルト殺菌工程)。所定時間加熱殺菌した後、供給水ライン11からレトルト殺菌装置1に冷却水を供給して、容器詰め製品10を冷却する(冷却工程)。次いで、通常、容器詰め製品10を約30乃至40℃に冷却した後にレトルト殺菌装置1から搬出される。
従来のレトルト殺菌装置においては、殺菌工程終了後にレトルト殺菌装置内で冷却工程を行う場合は、レトルト殺菌装置内に供給された冷却水の顕熱のみを利用して冷却するため冷却水の使用量が増加し、また、冷却工程に時間を要してエネルギー効率が低下するという問題があった。さらに、前記冷却工程は、レトルト殺菌装置に容器詰め製品を収納、或いは積載した被殺菌物を収容して行うため、レトルト殺菌処理のサイクルタイムの短縮が不可能であった。
このようなレトルト殺菌において、レトルト殺菌処理のエネルギー効率の向上、冷却水の節約、レトルト殺菌処理のサイクルタイムの短縮に関して、特許文献1〜4の発明が開示されている。
特許文献1には、第一タンクと第二タンクの2つの熱水タンクを備えたレトルト殺菌装置が記載されている。このレトルト殺菌装置においては、第一タンクから約95℃の熱湯を殺菌釜(レトルト殺菌装置)に導入して、殺菌釜中の空気を排気すると共に缶詰(容器詰め製品)と殺菌釜を予熱した後、約85℃に低下した熱湯を排水し、第二タンクに回収すると共に高温蒸気を導入して、所定温度で缶詰のレトルト殺菌処理を行う。そして、所定時間レトルト殺菌処理を行った後、第二タンクに回収した約85℃の熱湯を導入して缶詰及び殺菌釜を冷却し、熱交換により約95℃になった熱湯を排水して第一タンクに回収し、次のレトルト殺菌処理の脱気、予熱に利用する。また、第二タンクの熱湯で冷却された缶詰は、さらに、冷水により冷却されてレトルト殺菌処理が完了する。このように、このレトルト殺菌装置においては、冷却排水を予熱水に利用し、予熱排水を冷却水に利用することにより、エネルギー効率を向上させている。
特許文献2には、チャンバー(レトルト殺菌装置)上部にオーバーフロー管を設置しておき、加熱殺菌処理後の冷却処理において冷却水をチャンバー内に導入し、レトルト食品を冷却水中で冷却しながら、冷却水をオーバーフロー管から排出する殺菌装置(レトルト殺菌装置)が記載されている。この殺菌装置においては、従来のレトルト殺菌装置に較べて冷却工程の短縮ができ、レトルト殺菌処理のサイクルタイムの短縮が可能であるとされている。
特許文献3には、加熱処理室10の前部に準備室14、後部に取出室16を備えた加熱処理装置Aが開示され、加熱処理室10と準備室14、加熱処理室10と取出室16の間に、それぞれ仕切体20、26を設けて各室を隔離している。また、加熱処理室10、準備室14、及び取出室16は、それぞれ個別に加圧され、被処理物(容器詰め製品)が準備室14に導入された後、準備室14を熱処理室10と同じ圧力まで加圧され、準備室14と熱処理室10の間の仕切体20を開放して被処理物を熱処理室10に移動させる。次いで、熱処理室10では加熱及び所定時間の殺菌処理が行われる。そして、殺菌処理が終了した被処理物は、熱処理室10と取出室16との間の仕切体26を開放して取出室16に移送される。さらに、取出室16に移送された密閉容器は、取出室16で冷却手段28によって冷却されると共に、取出室16の圧力が常圧に戻され、冷却された被処理物は取出室16から取り出される。この加熱処理装置Aによれば、被処理物を連続的に殺菌処理することができ、無駄な時間がなくなり、単位時間あたりの処理量が向上するとしている。
特許文献4には、加熱消毒瓶の冷却方法が開示されている。そして、この冷却方法は、加熱消毒された瓶を冷却する際、加熱消毒され80℃付近まで冷却された瓶を配置した密閉室内に、常温の微水粒を霧状に噴霧して充満させ、霧状の微水粒の一部が瓶に付着し、常温の微水粒の顕熱と蒸発する際の潜熱で瓶を冷却し、瓶に冷却水を灌水しても熱衝撃で破損しない温度まで冷却した後、冷却水を灌水する加熱消毒瓶の冷却方法である。この冷却方法によれば、瓶を破損することなく短時間で冷却することができ、瓶冷却の省力化、経費節減を実現し得るとされている。
特開平07−155150号公報 特開2004−275025号公報 特開平07−284384号公報 特公昭56−023858号公報
引用文献1に記載のレトルト殺菌方法においては、熱効率の向上、及び排水の再利用の観点からは改善されているが、レトルト殺菌処理時間の短縮は考慮されていない。又、予熱温水と冷却温水の温度及び流量のバランス制御が難しいと考えられる。
引用文献2に記載のレトルト殺菌装置においては、冷却時間の短縮にはそれほど大きな効果がないと考えられる。
引用文献3に記載のレトルト殺菌装置においては、連続処理によるレトルト殺菌処理時間の短縮は可能であるが、レトルト殺菌装置が複雑になり、加熱処理室、準備室、及び取出室の各室が加圧装置になっており、加圧装置全体としては大型化してしまい、また、各室の圧力や温度制御(特に取出室の温度圧力制御)が容易ではないと考えられる。
引用文献4に記載の加熱消毒瓶の冷却方法においては、瓶の破損防止や冷却の省力化に効果はあるが、エネルギー効率の向上や処理時間の短縮効果は十分ではない。
このように、従来のレトルト殺菌処理において、レトルト殺菌処理のエネルギー効率の向上、冷却水の節約、レトルト殺菌処理のサイクルタイムの短縮等の課題が知られており、その改善策などが提案されているが、さらなる改善が望まれている。特に、レトルト殺菌装置の有効活用は、設備コストや運転コストに影響し、この殺菌装置の効率的な利用や温度変化の抑制によるエネルギー利用効率の向上という面からの改善が必要となる。
本願発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、レトルト殺菌装置の利用効率が高く、レトルト殺菌処理のエネルギー利用効率の高いレトルト殺菌システムを提供することを目的とする。
本発明は、内容物を充填密封した容器詰め製品を殺菌するレトルト殺菌システムである。そして、本発明の第1のレトルト殺菌システムは、前記容器詰め製品を殺菌するレトルト殺菌装置と、前記レトルト殺菌装置から所定の温度で搬出された容器詰め製品を冷却する冷却装置とを備えており、前記所定の温度は、殺菌温度である。
本発明の第1のレトルト殺菌システムによれば、容器詰め製品はレトルト殺菌装置内で殺菌後、殺菌温度のままレトルト殺菌装置から搬出した後に冷却される。このように、レトルト殺菌装置内での容器詰め製品の冷却が不要なため、レトルト殺菌装置は、容器詰め製品の排出後、効率良く、すぐに次のレトルト殺菌処理に使用でき、従来のレトルト殺菌システムに較べてレトルト殺菌装置の利用効率が格段に向上し、レトルト殺菌処理のサイクルタイムが大幅に短縮される。また、レトルト殺菌装置を開放する前の該装置内の温度は、容器詰め製品の内容物、形状、レトルト殺菌装置周辺の環境温度、レトルト殺菌装置のサイズ、容器詰め製品の収容状態、レトルト殺菌後の経過時間等により異なり、容器詰め製品の内容物の温度よりも通常数℃以上低い温度ではあるが、レトルト殺菌装置は、そのままの高温状態で次のレトルト殺菌処理が可能である。このため、次のレトルト殺菌処理のための加熱エネルギーが大幅に節約できる。このエネルギーの節約は、本発明のレトルト殺菌システムに用いるレトルト殺菌方法が蒸気式レトルト殺菌方法であれば、使用蒸気量の節減にも繋がるため、環境対策としてのCO削減にも寄与する。さらに、従来のようにレトルト殺菌装置を冷却しないため、レトルト殺菌装置内での冷却に必要であった冷却水が不要になり、また、レトルト殺菌装置を高温に保ったまま次のレトルト殺菌処理に使用できるので、レトルト殺菌装置の温度変化による劣化を防止することができる。
また、本発明の第2のレトルト殺菌システムは、容器詰め製品を殺菌及び所定の温度まで予備冷却するレトルト殺菌装置と、前記レトルト殺菌装置から搬出された容器詰め製品をさらに冷却する冷却装置とを備えており、前記所定の温度は、60℃以上殺菌温度未満である。
本発明の第2のレトルト殺菌システムによれば、レトルト殺菌装置内で殺菌後、レトルト殺菌装置内で60℃以上殺菌温度未満に予備冷却を行った後にレトルト殺菌装置から搬出され、搬出された後に冷却装置によりさらに冷却が行われる。このように、レトルト殺菌装置内での容器詰め製品の冷却が高温状態で行われるため、レトルト殺菌装置は、容器詰め製品の搬出後、高温状態から速やかに殺菌温度に上昇させて次のレトルト殺菌処理に使用でき、従来のレトルト殺菌システムに較べてレトルト殺菌装置の利用効率が向上し、レトルト殺菌処理のサイクルタイムが短縮されるため、生産効率の向上、もしくは、生産効率向上に伴うレトルト殺菌装置の縮小化が可能になる。また、このため、次のレトルト殺菌処理における加熱エネルギーが節約でき、レトルト殺菌装置内での冷却に必要であった冷却水が節約される。また、本発明のレトルト殺菌システムに用いるレトルト殺菌方法が蒸気式レトルト殺菌方法であれば、環境対策としてのCO削減にも寄与する。さらに、レトルト殺菌装置を高温に保ったまま次のレトルト殺菌処理に使用できるので、レトルト殺菌装置の変化による劣化を防止することができる。
また、本発明の第1又は第2のレトルト殺菌システムにおける冷却装置は、冷却水を導入する冷却水導入設備と、導入された前記冷却水を気化させる空気を導入する空気導入設備を備えることが好ましい。この冷却水導入設備と空気導入設備とを併用することにより、冷却水や空気の顕熱だけでなく、冷却水の潜熱を利用することができ、大幅な冷却水の節約と冷却装置の小型化が可能になる。
また、本発明の第1又は第2のレトルト殺菌システムのレトルト殺菌システムにおける冷却装置は、開放系のクーリングトンネル方式であり、前記冷却装置から排出された排水を再導入する冷却装置排水循環路を備えることが好ましい。クーリングトンネル方式では、容器詰め製品がコンベアで搬送され、連続式、又は半連続式の冷却が可能であり、冷却終了直前の冷却水のみを未使用の水道水や工業用水等とし、その他の冷却には冷却装置で使用した冷却水を循環させて再利用することにより、さらに冷却水の節約が可能になる。
また、本発明の第2のレトルト殺菌システムは、前記冷却装置から排出された排水を、前記レトルト殺菌装置に導入する冷却排水導入路を備えることが好ましい。容器詰め製品の冷却温度は、冷却装置内の方がレトルト殺菌装置内よりも低温領域であるため、冷却装置からの冷却排水はレトルト殺菌装置内の容器詰め製品を冷却するには十分低温の冷却水である。このような冷却方法を採用することにより、冷却水の節約が可能になるとともに、レトルト殺菌装置内の容器詰め製品の温度のばらつきを最小限に抑えることが可能となり、また、過度な急冷による容器詰め製品の変形や破損などを防止することができる。
また、本発明の第1または第2のレトルト殺菌システムは、前記レトルト殺菌装置で加熱する前記容器詰め製品を予備加熱する予備加熱装置を備えることが好ましい。この予備加熱装置を備えることにより、容器詰め製品を予備加熱してからレトルト殺菌装置に収容できるので、レトルト殺菌装置におけるレトルト殺菌温度までの加熱時間が短縮できる。このため、レトルト殺菌装置の利用効率はさらに高くなり、レトルト殺菌処理量の増加が図れ、レトルト殺菌装置を小型化することも可能になる。
また、本発明の第1のレトルト殺菌システムは、前記冷却装置からの排水を前記予備加熱装置に導入する温排水導入路を備えることが好ましい。このように前記予備加熱における熱源として、高温になっている冷却装置からの冷却排水を利用すれば、レトルト殺菌システムとしてのエネルギー利用効率がさらに向上する。また、予備加熱装置で使用されて低温になった排水は、冷却装置における冷却水として再利用できる。さらに、必要に応じて、クーリングタワーや河川水などの外部冷却水との熱交換器などの循環水冷却装置で予備加熱装置や冷却装置からの排水を冷却し、冷却装置の冷却水として再利用することもできる。そうすれば、熱効率の向上だけでなく、冷却水の利用効率が格段に向上する。
さらに、本発明の第2のレトルト殺菌システムは、前記レトルト殺菌装置、及び/又は前記冷却装置からの排水を前記予備加熱装置に導入する温排水導入路を備えることが好ましい。このように前記予備加熱における熱源として、高温になっているレトルト殺菌装置、及び/又は冷却装置からの冷却排水を利用すれば、レトルト殺菌システムとしてのエネルギー利用効率がさらに向上する。また、予備加熱装置で使用されて低温になった排水は、レトルト殺菌装置や冷却装置における冷却水として再利用できる。さらに、必要に応じて、クーリングタワーや河川水などの外部冷却水との熱交換器などの循環水冷却装置で予備加熱装置や冷却装置からの排水を冷却し、冷却装置やレトルト殺菌装置の冷却水として再利用することもできる。そうすれば、熱効率の向上だけでなく、冷却水の利用効率が格段に向上する。
本発明の第1のレトルト殺菌システムによれば、容器詰め製品を通常行われている約30乃至40℃までの冷却が不要となり、レトルト殺菌装置を素早く次のレトルト殺菌処理に使用でき、従来のレトルト殺菌システムに較べてレトルト殺菌装置の利用効率が各段に向上し、レトルト殺菌処理のサイクルタイムを大幅に短縮することができる。
また、容器詰め製品が殺菌温度でレトルト殺菌装置から搬出されるため、この時のレトルト殺菌装置の温度は殺菌温度に近い温度で高温となり、この状態で次のレトルト殺菌処理を行えば、レトルト殺菌処理のための加熱エネルギーが大幅に節約され、エネルギー利用効率の向上を図ることができる。加えて、加熱に蒸気を使用している場合は、前記エネルギーの節約は使用蒸気量の節減に繋がるため、環境対策としてのCO削減にも寄与することができる。
さらに、従来のようにレトルト殺菌装置を冷却しないため、レトルト殺菌装置内での冷却に必要であった冷却水が不要になり、また、レトルト殺菌装置を高温に保ったまま次のレトルト殺菌処理に使用できるので、レトルト殺菌装置の温度変化による劣化を防止することができる。
本発明の第2のレトルト殺菌システムによれば、容器詰め製品を通常行われている約30乃至40℃に冷却する必要がなく、冷却時間が短縮されると共に冷却水が節約され、レトルト殺菌装置を素早く次のレトルト殺菌処理に使用でき、従来のレトルト殺菌システムに較べてレトルト殺菌装置の利用効率が向上し、レトルト殺菌処理のサイクルタイムを短縮することができる。
また、容器詰め製品が60℃以上殺菌温度未満の所定の温度でレトルト殺菌装置から搬出されるため、この時のレトルト殺菌装置の温度は前記所定の温度に近い高温となり、この状態で次のレトルト殺菌処理を行えば、レトルト殺菌処理のための加熱エネルギーの節約が可能になり、エネルギー利用効率の向上を図ることができる。加えて、加熱に蒸気を使用している場合は、前記エネルギーの節約は使用蒸気量の節減に繋がるため、環境対策としてのCO削減にも寄与することができる。
さらに、レトルト殺菌装置を高温に保ったまま次のレトルト殺菌処理のエネルギーとして再使用できるため、レトルト殺菌装置の温度変化による劣化を防止でき、レトルト殺菌装置の長寿命化が可能になる。
本発明の第1の実施形態に係るレトルト殺菌システムのプロセスフローシートである。 本発明の第2の実施形態に係るレトルト殺菌システムのプロセスフローシートである。 本発明の第2の実施形態に係るレトルト殺菌システムにおけるレトルト殺菌処理時間と容器詰め製品の温度の関係を表すグラフの例である。 従来のレトルト殺菌システムにおけるレトルト殺菌処理時間と容器詰め製品の温度の関係を表すグラフの例である。 本発明の第3の実施形態に係るレトルト殺菌システムの概念図である。 本発明の第4の実施形態に係るレトルト殺菌システムの模式図である。 本発明の第5の実施形態に係るレトルト殺菌システムの模式図である。 従来のレトルト殺菌システムのプロセスフローシートである。
本発明のレトルト殺菌システムに係るいくつかの実施形態を説明する。なお、これらの実施形態は本発明を限定するものではなく、特許請求の範囲の記載にした範囲内で、各種の構成を変更、省略、追加をすることができる。
なお、本発明において、容器詰め製品の内容物は、各種飲料や食品等の主として人の食品に係るものであるが、容器に収容・密封してレトルト殺菌を行う公知の内容物であれば、何れも適用することができる。
内容物を充填密封する容器とは、金属缶等の金属容器、カップ状のプラスチック容器、ガラス容器、プラスチック袋、金属やプラスチックを含む多層フィルム製容器などの複合材料容器等、内容物を充填し密封できる耐熱圧容器であれば、どのようなものでもよい。
本発明の第1の実施形態に係るレトルト殺菌システム101を、図1のプロセスフローシートに示す。図1において、第1の実施形態のレトルト殺菌システム101は、レトルト殺菌装置1、冷却装置2、循環水冷却装置3、蒸気発生器4を備えている。レトルト殺菌装置1は、加圧、加熱、及び冷却が可能であり、レトルト殺菌装置1に蒸気発生器4から蒸気供給ライン12によって蒸気を供給し、蒸気により加熱されたレトルト殺菌装置1の中で飲料、食品等の内容物を容器に充填密封した容器詰め製品10aを、所定時間、所定温度に加熱、加圧して殺菌処理をする。
通常、レトルト殺菌処理の温度は、100〜150℃、好ましくは105〜128℃程度であり、対象とする飲料、食品等の内容物の性質、殺菌対象の細菌類、殺菌(滅菌)の程度、殺菌処理時間などを勘案して決められる。
レトルト殺菌処理は、容器詰め製品10aをカゴ車(図示せず)に入れ、或いはトレーに並べて、レトルト殺菌装置1に搬入する。この際、個々の容器詰め製品10aは加熱や冷却が容易なように、それぞれ間隙を置いて配置されることが好ましい。
容器詰め製品10aの搬入後、排気バルブ42を開放しながらレトルト殺菌装置1に蒸気を導入し、レトルト装置1内の空気を排出しつつ蒸気に置換して容器詰め製品10aを加熱していく。蒸気は、供給水ライン11から蒸気用給水バルブ21を介して蒸気発生器4に水を導入し発生させる。蒸気発生器4はボイラーや他の熱源との熱交換器など蒸気を発生させ得る装置で、蒸気は、蒸気供給ライン12から蒸気供給バルブ22を介してレトルト殺菌装置1に供給される。
レトルト殺菌装置1内及び容器詰め製品10a内の内容物の温度が100℃付近になり、且つ、レトルト殺菌装置1内から空気がほぼ全て排出された段階で排気バルブ42を閉止し、蒸気によりレトルト殺菌装置1内の圧力を大気圧(0.1MPa)から徐々に上げていく。また、レトルト殺菌装置1内の圧力調整は、蒸気供給ライン12からの蒸気供給量と、圧力計25aに対応する圧力調整バルブ25により行われ、圧力を下げたいときは、排気バルブ42を開放しながら圧力調整バルブ25により調整する。
レトルト殺菌装置1への蒸気導入に伴って、レトルト殺菌装置1内に凝縮水が発生し、凝縮水の一部はレトルト殺菌装置1内に滞留させているが、凝縮水が増して容器詰め製品10aを覆った場合は、レトルト殺菌装置排水バルブ24を開放してレトルト殺菌装置排水ライン17から排水すればよい。
そして、容器詰め製品10aを所定時間レトルト殺菌後、蒸気供給バルブ22を閉止して蒸気導入を停止し、第1の実施形態のうち本発明の第1のレトルト殺菌システムに対応する実施形態においては、容器詰め製品10aを殺菌温度で搬出するため予備冷却はせず、また、第1の実施形態のうち本発明の第2のレトルト殺菌システムに対応する実施形態においては、容器詰め製品10aを60℃以上殺菌温度未満で搬出するため、レトルト殺菌装置1内に冷却水を導入して予備冷却をする。
この本発明の第2のレトルト殺菌システムに対応する第1の実施形態での予備冷却は、レトルト殺菌装置1上部から冷却水の散水、シャワー、噴霧などによる冷却が適しているが、レトルト殺菌装置1内の容器詰め製品10aを水中に冠水させて、冷却水を撹拌する方法でもよい。冷却排水は、レトルト殺菌装置排水ライン17から排水ライン13へ排水すればよい。レトルト殺菌装置1内に冷却水を導入すると、レトルト殺菌装置1内が冷却され蒸気が凝縮して圧力が低下するので、空気導入ライン14の圧力調整用空気供給バルブ41により圧力調整しながら予備冷却する。
レトルト殺菌装置1から搬出される容器詰め製品10aの内容物の温度は、本発明の第1のレトルト殺菌システムに対応する第1の実施形態では殺菌温度であり、本発明の第2のレトルト殺菌システムに対応する第1の実施形態では60℃以上殺菌温度未満である。容器詰め製品10aを搬出する際の温度は、加熱エネルギーを節約し、エネルギー利用効率を上げ、冷却水の節水効果を上げるためには搬出温度は高い方がよく、一方、容器詰め製品10aをレトルト殺菌装置1内から安全に取り出すには搬出温度は低い方が望ましく、このため、容器詰め製品10aをレトルト殺菌装置1から搬出する際の内容物の温度は、前述した殺菌温度、もしくは、予備冷却を行って60℃以上殺菌温度未満とすればよい。容器詰め製品10aを搬出する際の内容物温度が60℃以上殺菌温度未満の場合は、好ましくは85℃以上110℃以下、より好ましくは90℃以上105度未満である。
これら容器詰め製品10aの内容物の温度は、充填密封後の容器詰め製品のうち温度測定用モデル缶を少なくとも1缶、通常は数缶作成し、レトルト殺菌装置1内の最遅速熱伝達箇所に設置して、リアルタイムの温度測定用モデル缶の内容物の温度を測定する。最遅速熱伝達箇所とは、レトルト殺菌装置1内の容器詰め製品の加熱・冷却に際して、内容物の温度変化が最も遅い箇所であり、レトルト殺菌時には最遅速加熱箇所(いわゆるコールドスポット)となり、冷却時には最遅速冷却箇所(いわゆるホットスポット)となるため、言い換えれば、冷却中の内容物の温度が最も高い容器詰め製品が配置されている領域である。なお、最遅速熱伝達箇所は、レトルト殺菌装置の形状、加熱又は冷却媒体の導入位置、容器詰め製品の形状、配置状態などにより変化する。
温度測定には、公知の有線式温度センサーを用い、充填密封後の容器詰め製品内に固定・密封して測定をする。前記内容物の温度が殺菌温度、もしくは、予備冷却後の60℃以上殺菌温度未満になった段階を搬出のタイミングとし、後述する搬出準備を行い、レトルト殺菌装置1から搬出する。そうすれば、全ての容器詰め製品の内容物の温度が目標とする所定の温度以下となってから搬出される。なお、予備冷却を行う容器詰め製品の内容物の温度が60℃以上殺菌温度以下の実生産の場合には、内容物・容器種類・容器内容量・充填量別に前記方法を用いてテストをし、目標の冷却温度になるレトルト殺菌終了後の経過時間と温度測定用モデル缶の温度変化との関係を計測しておき、レトルト殺菌後の経過時間を温度管理の代わりに用いて冷却終了及び搬出のタイミングとしたり、レトルト殺菌装置1内に設置した該装置の所定箇所の温度変化と温度測定用モデル缶の温度変化との関係を計測しておき、レトルト殺菌装置1の所定箇所の温度から冷却終了のタイミングを決めたりしても良い。
本発明の第1のレトルト殺菌システムに対応する第1の実施形態のように、レトルト殺菌装置から殺菌後に搬出する容器詰め製品の内容物10aの温度が殺菌温度の場合は、容器詰め製品10aを搬出するためにレトルト殺菌装置1を開放する前のレトルト殺菌装置内の温度は、容器詰め製品の内容物、形状、レトルト殺菌装置周辺の環境温度、レトルト殺菌装置のサイズ、容器詰め製品の収容状態、レトルト殺菌後の経過時間等により異なるが、容器詰め製品10aの温度よりも数℃以上低いと想定される。
また、本発明の第2のレトルト殺菌システムに対応する第1の実施形態のように、予備冷却の後に搬出する容器詰め製品の内容物の温度が60℃以上殺菌温度未満の場合は、冷却終了後、容器詰め製品10aを搬出するためにレトルト殺菌装置1を開放する前のレトルト殺菌装置1内の温度は、容器詰め製品の内容物、形状、レトルト殺菌装置周辺の環境温度、冷却水の温度、レトルト殺菌装置のサイズ、容器詰め製品の収容状態等により異なるが、容器詰め製品10aの内容物の温度よりも5℃以上低いと想定される。レトルト殺菌装置1の冷却温度を必要以上に低くすると冷却時間が長くなり、冷却水を多量に使用することになり、また、レトルト殺菌装置1の利用効率を下げ、次のレトルト殺菌時のレトルト殺菌装置1の加熱エネルギーの増大を招くため好ましくない。
そして、前述した本発明の第2のレトルト殺菌システムに対応する第1の実施形態のようにレトルト殺菌装置で予備冷却を行う場合は、レトルト殺菌装置1の冷却初期に極端に冷たい冷却水を導入すると、レトルト殺菌装置1内の温度が急速に下がって蒸気が一気に凝縮し、レトルト殺菌装置1内の圧力が急速に低下する。これに対しては、冷却水を導入すると同時に空気導入ライン14から空気を導入し、圧力調整用空気供給バルブ41を調整してレトルト殺菌装置1内の圧力を保つようにすればよいが、冷却水として、追って説明する冷却装置2からの冷却排水を利用すれば、冷却装置2による容器詰め製品の冷却後の温度の高い冷却水が利用でき、レトルト殺菌装置1内の急激な圧力低下を緩和できる。冷却装置2からの冷却排水は、冷却装置排水循環ライン18中に貯槽を設けておき(図示せず)、必要なタイミングで冷却装置排水循環バルブ32を開いて供給してもよい。
レトルト殺菌装置1の予備冷却で使用する冷却水としては、レトルト殺菌装置1内の温度が高いときは冷却装置排水循環ライン18からの冷却装置排水を利用し、レトルト殺菌装置1内の温度がある程度低下したら後述の冷却水循環ライン16からの循環冷却水、又は供給水ライン11からの供給水を共用してもよい。これらの冷却水は、レトルト殺菌装置1内の温度、冷却装置排水や循環冷却水の量や温度などを勘案して、冷却水供給バルブ23、冷却水循環バルブ31、冷却装置排水循環バルブ32、排水ライン13から冷却水循環ライン16への排水循環バルブ29などを調整して制御すればよい。尚、本発明の第1のレトルト殺菌システムに対応する第1の実施形態においてはレトルト殺菌装置での予備冷却が不要なため、前述した冷却水供給バルブ23、冷却水循環バルブ31、冷却装置排水循環バルブ32、排水ライン13から冷却水循環ライン16への循環水バルブ29など及びその調整、制御は不要である。
容器詰め製品10aの殺菌、或いは殺菌および予備冷却が終了したら、容器詰め製品10aを搬出するための搬出準備として、レトルト殺菌装置1の圧力を大気圧(0.1MPa)に戻し、レトルト殺菌装置1内の容器詰め製品10aを冷却装置2に搬送する。レトルト殺菌装置1内の容器詰め製品10aを冷却装置2に搬送する搬送装置は、ローラコンベア、ベルトコンベア、台車、クレーンなどでもよいし、カゴ車やトレーだけでもよい。
レトルト殺菌装置1は、前述したように殺菌温度より数℃低いか、容器詰め製品10aの温度よりも5℃以上低い状態で次のレトルト殺菌処理に供されるので、レトルト殺菌装置1の加熱エネルギー(加熱蒸気)の使用量が節約でき、所定の加熱温度までの加熱時間も短縮できる。また、前述したレトルト殺菌処理を繰り返している間は、レトルト殺菌装置1内は殺菌温度より数℃低い程度か、65℃以上殺菌温度未満の高温のまま(例えば、65〜123℃)であり、従来のレトルト殺菌室内のような室温程度からレトルト殺菌温度までの温度変化(20℃〜123℃)がなく、レトルト殺菌装置1の温度変化による劣化を防止し、レトルト殺菌装置1の長寿命化に寄与する。
レトルト殺菌装置1から冷却装置2に搬送された容器詰め製品を、容器詰め製品10bと呼ぶ。容器詰め製品10bは、冷却装置2においてさらに必要な温度、通常の30乃至40℃まで冷却される。冷却装置2においては、レトルト殺菌装置1から搬出された容器詰め製品10bを冷却するため、冷却水循環ライン16からの循環冷却水、又は供給水ライン11からの供給水を使用する。冷却は、冷却装置2上部からの冷却水の灌水、散水、シャワー、噴霧などが適しているが、冷却装置2内の容器詰め製品10bを水中に冠水させて、冷却水を撹拌する方法でもよい。冷却排水は、冷却装置排水ライン15から排水すればよい。
冷却装置排水ライン15からの冷却排水は、冷却装置排水循環バルブ28を介して循環水冷却装置3(例えば、クーリングタワー)で冷却され、冷却水循環ライン16を介して冷却装置2に循環使用される。冷却装置2の運転開始時や、冷却水循環ライン16からの循環冷却水だけで足りないときは、供給水ライン11から冷却水供給バルブ26を介して供給水を供給する。また、本発明の第2のレトルト殺菌システムに対応する第1の実施形態のようにレトルト殺菌装置1内で予備冷却を行う場合は、レトルト殺菌装置1からの排水も、レトルト殺菌装置排水ライン17、レトルト殺菌装置排水バルブ24、排水ライン13、排水循環バルブ29を介して循環水冷却装置3に供給して冷却し、再利用してもよい。
容器詰め製品10bへの冷却水の供給と同時に、ブロー用空気供給バルブ43を開放して空気導入ライン14からブロー用の空気を導入してもよい。この場合、冷却装置排水ライン15の代わりに冷却装置排水循環ライン18を利用して、冷却装置排水自己循環バルブ44を介して冷却装置2に冷却排水を供給し、そのまま循環使用することができる。ブロー用の空気は、容器詰め製品10bに付着した冷却水などを蒸発させ、蒸発潜熱を利用して容器詰め製品10bを冷却する。また、容器詰め製品10bに付着した冷却水を移動させたり、撹拌したりすることにより、容器詰め製品10bと冷却水の熱伝導効率を向上させる効果がある。
そして、容器詰め製品10bを所定温度まで冷却後、冷却水の供給を停止し、冷却用空気のみを供給し、容器詰め製品10bの表面から冷却水を蒸発或いは吹き飛ばし、容器詰め製品10bの表面を乾燥させる。なお、冷却装置2内の容器詰め製品10bを連続的に冷却するときには、容器詰め製品10bの出口側で空気ブローを行えば、水濡れのない容器詰め製品10bが得られる。
本実施形態のレトルト殺菌システム101において、本発明の第1のレトルト殺菌システムに対応する第1の実施形態では、レトルト殺菌装置1の加熱時間が大幅に短縮でき、レトルト殺菌装置1の加熱エネルギーが格段に節約でき、また、レトルト殺菌装置1での冷却水が不要となり、冷却水を節約できる。また、本実施形態のレトルト殺菌システム101において、本発明の第2のレトルト殺菌システムに対応する第1の実施形態では、レトルト殺菌装置1の冷却時間及び加熱時間が短縮でき、レトルト殺菌装置1の加熱エネルギーが節約でき、レトルト殺菌装置1の冷却水として冷却装置2からの排水がそのままレトルト殺菌装置1の冷却水として利用でき、冷却水を節約できる。
本発明の第2の実施形態に係るレトルト殺菌システム102について、図2を参照しながら説明する。本実施形態に係るレトルト殺菌システム102は、第1の実施形態に係るレトルト殺菌システム101に、予備加熱装置5及びこれに付随する予熱水の供給設備や予熱排水の回収、再利用配管などを追加したシステムである。第1の実施形態に係るレトルト殺菌システム101と同様の設備、装置の機能、作用の説明は省略し、主に相違する部分について説明する。
図2においては、レトルト殺菌装置1、冷却装置2、循環水冷却装置3、蒸気発生器4の配置、及び、これらの装置、設備への供給水や空気の供給、排水やその循環については、図1に示したレトルト殺菌システム101と同じ符号を付している。
第2の実施形態に係るレトルト殺菌システム102においては、第1の実施形態に係るレトルト殺菌システム101に、レトルト殺菌装置1で加熱殺菌する容器詰め製品10aを予熱する予備加熱装置5を備えている。この予備加熱装置5では、レトルト殺菌装置1に搬入する前の容器詰め製品10(図示せず)を、レトルト殺菌装置1での加熱殺菌が効果的に行われる沸騰温度未満(通常100℃未満)の温度に予熱している。予備加熱装置5での予備加熱は、予備加熱装置5に容器詰め製品10cを搬入し、予備加熱装置5に予備加熱水を導入して容器詰め製品10cを予熱する。
予備加熱水は、予備加熱水加熱装置6により製造する。予備加熱水加熱装置6には、供給水ライン11からの供給水と、蒸気導入ライン12からの蒸気が導入されて所定温度の予備加熱水が製造され、予備加熱装置5に供給される。供給水ライン11からの供給水の代わりに、予備加熱水循環ライン20を介して、予備加熱装置5からの排水、冷却装置2からの排水を導入してもよい。第1の実施形態における第2のレトルト殺菌システムのように予備冷却を行う場合は、レトルト殺菌装置1からの排水も導入してもよい。予備加熱装置5からの排水や前記予備冷却を行った場合のレトルト殺菌装置1からの排水は、温度が比較的高く、蒸気導入ライン12からの蒸気の節約ができ、供給水の節約にもなる。
予備加熱装置5からの排水は、供給水ライン11からの供給水より温度が高いので、第1の実施形態における第2のレトルト殺菌システムのように予備冷却を行う場合のレトルト殺菌装置1の冷却水としても利用できる。予備加熱装置排水を予備加熱装置排水ライン19から予備加熱装置排水利用バルブ40を介して冷却装置排水循環ライン18に供給すればよい。また、それぞれの装置からの排水は全て循環水冷却装置3に循環させて、再利用することができる。
なお、図1、2に示したレトルト殺菌システムのプロセスフローシートにおいては、レトルト殺菌装置1におけるレトルト殺菌が蒸気の場合について説明をしたが、蒸気以外にもレトルト殺菌装置1内を熱水で満たして加熱殺菌する熱水式や、熱水をシャワーやスプレーにより容器詰め製品10aに散水、噴霧して加熱殺菌する方式(以下、シャワー方式と言う)など公知の殺菌方法を用いることができる。熱水方式やシャワー方式などの熱水を用いた殺菌の場合は、予備加熱装置5や冷却装置2の排水を循環させて再利用すると、節水効果がより増すため好ましい。また、冷却装置2は、冷却室、冷却槽、冷却タンク内で容器詰め製品に冷却水などの冷却媒体を接触させてもよいし、開放系の冷却装置2に容器詰め製品10を配置して、冷却水などの冷却媒体に接触させるだけでもよい。
容器詰め製品に冷却媒体を接触冷却方法としては、流動水中での接触冷却、灌水、散水や水噴霧による冷却、空気ブローによる冷却、灌水、散水や水噴霧と空気ブローの併用による冷却等の方法を用いることができる。さらに、循環水冷却装置3は、必要に応じて設置すればよく、排水の温度管理が不必要な場合には設置しなくても良い。
図3、4を用いて、前述した本発明のレトルト殺菌システムの第2の実施形態における第2のレトルト殺菌システム、即ち、容器詰め製品をレトルト殺菌装置で殺菌及び予備冷却を行い、搬出後、容器詰め製品をさらに冷却するレトルト殺菌システムについて、レトルト殺菌装置の利用効率、エネルギー効率、及び冷却水利用効率の優位性を説明する。なお、共通する前提として、充填後の容器詰め製品の温度(開始温度)は40℃、容器詰め製品(内容物)のレトルト殺菌処理は125℃で20分、冷却終了時の容器詰め製品の温度は40℃とし、レトルト殺菌処理を連続して繰り返し実施している場合を想定した。
また、容器詰め製品の温度については、容器内に有線式の温度センサー(Ellab社製 E−Val)を、容器内の最遅速熱伝達箇所に温度センサーの先端がくるように挿入し密封した容器詰め製品(以下、モデル缶という)を5缶作製してレトルト殺菌装置の最遅速熱伝達箇所に配置し、それらモデル缶の平均温度を容器詰め製品の内容物の温度とした。
図3は、前述した本発明の第2の実施形態に係るレトルト殺菌システムにおける第2のレトルト殺菌システム、即ち、レトルト殺菌装置内での予備冷却を必要とする場合の、レトルト殺菌処理時間に対する容器詰め製品の温度変化及びレトルト殺菌装置内の温度変化を示している。そして、実線が容器詰め製品の温度、破線がレトルト殺菌装置内の温度を表している。なお、予備加熱装置における加熱(最初の約10分間)及び冷却装置(予備加熱装置における予熱開始からの経過時間72〜85分の間)による冷却においては、容器詰め製品の温度のみを示している。また、図中の経過時間の括弧書きは、レトルト殺菌装置での加熱上昇、レトルト殺菌、冷却に要した時間、すなわちレトルト殺菌装置の正味のサイクルタイムを表す。
容器詰め製品は、予備加熱装置で90〜95℃の温水により約40℃から80℃まで予備加熱される。予備加熱された容器詰め製品は、予備加熱装置からレトルト殺菌装置に搬入され、レトルト殺菌装置で蒸気により加熱される。このとき、予備加熱装置からレトルト殺菌装置への搬入時間は2〜3分である(図3ではグラフを見やすくするために5分としている)。レトルト殺菌装置内は、前回のレトルト殺菌処理終了後の冷却温度の残存の影響で70℃〜80℃になっているので、レトルト殺菌装置は、70〜80℃からレトルト殺菌処理温度である125℃に加熱すればよい。そのため、容器詰め製品は昇温開始後約7分で100℃以上となり、容器詰め製品が100℃以上になってから15分間レトルト殺菌装置をその温度に保持し、レトルト殺菌装置内の全ての容器詰め製品を均一の温度にした後、5分間昇温して125℃まで上昇させた。レトルト殺菌装置内でここまでに要した時間は27分であった。
その後、125℃20分間のレトルト殺菌処理を行った後、レトルト殺菌装置内の温度を70℃まで冷却して容器詰め製品の温度を90℃程度まで予備冷却した。このレトルト殺装置における予備冷却に5分を要した。予備冷却後、レトルト殺菌装置から容器詰め製品を搬出し、冷却装置に搬入した。冷却装置に搬入された容器詰め製品は、冷却装置内で15分間冷却し、90℃程度から40℃程度となり、レトルト殺菌処理を完了した。
そして、レトルト殺菌装置は、容器詰め製品を搬出したらすぐに、予備加熱装置において加熱された次の容器詰め製品を搬入して、次のレトルト殺菌処理を行う。なお、レトルト殺菌装置からレトルト殺菌済みの容器詰め製品を搬出し、次のレトルト殺菌用の容器詰め製品を搬入する時間は5分間を要した。1回のレトルト殺菌処理に要するレトルト殺菌装置での必要時間(サイクルタイム)は、57分(27分+20分+5分+5分)であった。
一方、図4には、従来のレトルト殺菌システムにおける、レトルト殺菌処理時間に対する容器詰め製品の温度変化及びレトルト殺菌装置の温度変化を示している。実線が容器詰め製品の温度、破線がレトルト殺菌装置の温度を表している。
容器詰め製品は、約40℃のままレトルト殺菌装置に搬入され、レトルト殺菌装置で蒸気により加熱される。レトルト殺菌装置は、前回のレトルト殺菌処理が終了した時点で約40℃になっているので、レトルト殺菌装置は約40℃からレトルト殺菌処理温度である125℃まで加熱される。容器詰め製品は昇温開始後約15分で100℃以上となり、この後、レトルト殺菌装置を100℃以上で15分間保持して容器詰め製品全体の温度の均一化をした後、5分間昇温して125℃まで上昇させた。レトルト殺菌装置内でここまでに要した時間は35分であった。
その後、125℃20分間のレトルト殺菌処理を行った後、レトルト殺菌装置内を38℃に冷却して容器詰め製品を40℃に冷却し、レトルト殺菌装置による冷却に17分を要した。1回のレトルト殺菌装置のサイクルタイムは、容器詰め製品の搬出、搬入時間5分を加えて、77分(35分+20分+17分+5分)であった。
このように、本発明の第2の実施形態に係るレトルト殺菌システムにおける第2のレトルト殺菌システムにおいて、レトルト殺菌装置の使用時間(図3参照)は、合計57分であった。これに対し、従来のレトルト殺菌システムにおけるレトルト殺菌装置の使用時間(図4参照)は、合計77分であった。従って、本発明の第2の実施形態に係るレトルト殺菌システムにおける第2のレトルト殺菌システムによれば、レトルト殺菌処理サイクルタイムが約28%短縮された。この結果、レトルト殺菌装置の生産効率の約28%の向上、或いは生産効率向上に伴うレトルト殺菌装置の約28%の縮小化が可能となる。
また、前回のレトルト殺菌処理終了後のレトルト殺菌装置内温度の残存の影響で、レトルト殺菌装置を常に70℃以上にして稼働できるため、レトルト殺菌装置の加熱エネルギーが節約される。例えば、レトルト殺菌装置(レトルト釜重量;3213kg)において冷却温度を40℃から80℃に変更した場合、次式の計算より、1バッチあたりの蒸気使用量を約30kg削減できると算出される。
レトルト釜重量(kg)×鉄の比熱(kcal・℃)×冷却温度差(℃)
=3213×0.12×(80−40)
≒ 15422.4(kcal)
15542.4(kcal)÷539.31(kcal:蒸気潜熱)
≒28.59kg
≒30kg
さらに、レトルト殺菌装置、冷却装置、予備加熱装置を個別に稼働できるため、冷却装置や予備加熱装置の冷却排水をレトルト殺菌装置の冷却水に利用し、レトルト殺菌装置の冷却排水を予備加熱装置の温水に利用することにより、冷却や予熱のためのエネルギー、水、時間を節約できる。また、予備加熱装置及び冷却装置は、レトルト殺菌装置のサイクルタイムに合わせて、図3に示したタイムスケジュールよりも長時間使用することが可能で、この場合、冷却水の有効利用やエネルギーの使用効率がさらに向上する。
図5は、本発明の第3の実施形態に係るレトルト殺菌システムにおける冷却装置の概念図を示す。本実施形態は、前述した本発明の第1の実施形態に係るレトルト殺菌システム101、第2の実施形態に係るレトルト殺菌システム102において、冷却装置2をさらに効率的な形態とした冷却装置2aを備えるレトルト殺菌システムであり、前記第1の実施形態及び第2の実施形態に係るレトルト殺菌システム101、102と同様の設備、装置の性能、作用についての説明は省略し、主に相違する部分について説明する。
本実施形態の冷却装置2aは、図示しないが、多段のトレーに縦10缶×横10缶×上下5缶の500缶の容器詰め製品10(飲料缶を想定)を配置したカゴ車を収納する。冷却水(給水)は供給水ライン11を介して冷却装置2aの上部から容器詰め製品全体を濡らすように散水し、冷却排水は、冷却装置2aの下部の冷却装置排水ライン15から排出する。
この冷却装置2aには、給気ファン201を備えた空気導入ライン14と、排気ファン202を備えた排気ライン203が設置されている。空気導入ライン14と排気ライン203はそれぞれ冷却装置2aの上部、下部両方の給排気口211a、211bに接続されている。なお、空気導入ライン14と排気ライン203は、バルブ212a、212bの切換により、それぞれ上部、又は下部の給排気口211a、211bに導通される。
例えば、図5においては、空気導入ライン14は冷却装置2aの下部の給排気口211bと導通して給気が下部から導入され、冷却装置2aの上部の給排気口211aから排気がなされている。このとき、同時に上部の供給水ライン11から導入された冷却水が散水されており、容器詰め製品10(図示せず)に付着しながら流下している。流下している冷却水の一部は気化して導入空気と一緒に冷却装置2aの上部の給排気口211aから排出される。そうすれば、冷却水の気化熱を容器詰め製品10の冷却に利用でき、冷却水の節約が可能となる。また、空気導入ライン14と排気ライン203は切換バルブ212a、212bの切換により、給気口と排気口を上下逆にすることができ、冷却水量、給気ファン201からの給気量等により、冷却水と気化空気の流動方向を向流(図5参照)、或いは並流(図示せず)とすることができる。
冷却水と給気が向流になっている状態では、容器詰め製品と冷却水の温度差が比較的大きく、除去熱量が比較的多い場合に適している。一方、冷却水と給気が並流になっている状態は、給水量が比較的少量の場合に適している。なお、冷却工程の途中で、給気を向流にしたり並流にしたりすることもできる。
前記のように、本実施形態1〜3の冷却装置2、2aにおいては、冷却水の使用量を削減できる。本発明の発明者は、前述した多段のトレーに縦10缶×横10缶×上下5缶の500缶の容器詰め製品10を配置したカゴ車において、従来のレトルト殺菌システムと、本発明の第2のレトルト殺菌システムに対応する実施形態、即ち、レトルト殺菌装置1内で予備冷却をした後に冷却装置2において再冷却をする場合の、容器詰め製品の内容物のみを冷却するために必要な熱量を計測し、比較した。
これによると、従来のレトルト殺菌システムで容器詰め製品の内容物のみを125℃から40℃に冷却するために必要な冷却熱量を100%とした場合、本発明の第2のレトルト殺菌システムに対応する実施形態において、レトルト殺菌装置1内で125℃から90℃まで予備冷却し、本実施形態の冷却装置2aにおいて空気ブローにより冷却水の一部を蒸発させる蒸発潜熱を用いて90℃から40℃まで冷却した場合は、蒸発潜熱により約30%の冷却がなされ、冷却水の顕熱により約70%の冷却がなされることがわかり、蒸発潜熱による冷却分の冷却水が節減できることがわかった。実際には、上述のように容器詰め製品の内容物のみを冷却するのではなく、容器詰め製品に使用する容器自体の冷却やレトルト殺菌装置の冷却のための冷却水も必要となるため、前述した冷却水の節減量よりもさらに多くの量の節減がなされることとなる。
また、本実施形態のレトルト殺菌システムにおいて、前述した本発明の第1のレトルト殺菌システムに対応する実施形態のように、レトルト殺菌装置1から殺菌温度にて搬出し、冷却装置のみにて冷却を行った場合は、前述した本発明の第2のレトルト殺菌システムに対応する実施形態における冷却水の節減よりもさらに節減となる。
更に、本実施形態の冷却装置2aを用いて冷却水と冷却水を気化させる空気を導入する設備を導入することにより、冷却水や空気の顕熱だけでなく、冷却水の潜熱を利用することができるため、冷却装置を小型化することも可能になる。
図6は、本発明の第4の実施形態に係るレトルト殺菌システムを示し、本実施形態は、前述した本発明の第1の実施形態に係るレトルト殺菌システム101、第2の実施形態に係るレトルト殺菌システム102において、前述した第3の実施形態と同様に冷却装置2をさらに効率的な形態とした冷却装置2bを備えるレトルト殺菌システムであり、前記第1の実施形態に係るレトルト殺菌システム101、第2の実施形態に係るレトルト殺菌システ102と同様の設備、装置の性能、作用についての説明は省略し、主に相違する部分について説明する。
本実施形態においては、レトルト殺菌装置1内にてレトルト殺菌終了後の殺菌温度、もしくは、60℃以上殺菌温度未満の所定の温度まで予備冷却された容器詰め製品10aを収容したカゴ車311aを搬出し、コンベア301で冷却装置2bへ搬送して再冷却を行うが、冷却装置2bは開放系のクーリングトンネル方式となっており、連続式、又は半連続式の冷却が可能となっている。本実施形態の冷却装置2bにおいては、カゴ車311bに積み込まれた容器詰め製品10b(図示せず)が連続的、又は断続的に左から右へコンベア301で搬送しながら冷却されている。
図6の冷却装置2b内の左端のカゴ車311b−1に載った容器詰め製品10bがレトルト殺菌装置1から搬出された直後の容器詰め製品10bであり、右へ行くほど冷却時間が長い容器詰め製品10bのカゴ車311bである。それぞれのカゴ車311bには冷却水(後述する循環水及び供給水)が散水されており、下部からはファン302により空気が送られている。カゴ車311b内の容器詰め製品10bは、冷却水の顕熱と蒸発潜熱により冷却され、冷却装置2bの右側に到達する。冷却装置2bの右側に到達したカゴ車311b−2には、水道水や工業用水の比較的冷たい供給水が供給水ライン11を通って導入、散水され、カゴ車311b内の容器詰め製品の冷却が完了する。この供給水は未使用の水であるため、冷却の最終工程として使用するには最適である。一方、他のカゴ車311b−1、311bには、冷却装置2bの下部から回収した排水を、ポンプ303を用いて冷却装置排水循環ライン18を循環させた循環水として使用する。
気化した冷却水を含む空気は、冷却装置2b上部から排気されるが、排気中の水分を凝縮させ回収した凝縮水を循環水に加えて冷却水として使用することも可能である。また、冷却装置2bの最も右の(取り出し直前の)カゴ車311b−2には供給水を散水せずに、ブロアーからの送風のみとして、容器詰め製品10b表面を乾燥させてもよい。その際、供給水の散水は、その左隣のカゴ車(乾燥直前のカゴ車)に行ってもよい。本実施形態によれば、冷却装置2bを連続的に利用でき、時間的な面からも、冷却水利用効率やエネルギー利用面からも効率的な冷却が可能になる。
図7は、本発明の第5の実施形態に係るレトルト殺菌システムを示し、本実施形態は前述した本発明の第2の実施形態(図2参照)に係るレトルト殺菌システム102において、予備加熱装置5をさらに効率的な形態とした予備加熱装置5aを備えるレトルト殺菌システムであり、前記第2の実施形態に係るレトルト殺菌システ102と同様の設備、装置の性能、作用についての説明は省略し、主に相違する部分について説明する。
本実施形態においては、予備加熱装置5aにて後述する所定温度まで予熱を行った後、容器詰め製品10c(図示せず)を収容したカゴ車311cを搬出してコンベア301でレトルト殺菌装置1へ搬送し、加熱殺菌を行う。
本実施形態の予備加熱装置5a(プレヒートバス)においては、カゴ車311cに積み込まれた容器詰め製品10cが予備加熱装置5aに搬入され、上部から温水を散水して容器詰め製品10cが予熱される。通常、予備加熱装置5に搬入される容器詰め製品10cの温度は、20〜40℃程度であるため、予備加熱装置5aで散水する温水の温度は70〜95℃程度とし、容器詰め製品10c(内容物)の温度を70〜90℃程度に予熱することが好ましい。
この予熱用の温水は、予備加熱水加熱装置6a(一次排水回収タンク)で製造されるが、予備加熱装置5aからの排水以外にも、前述した第2のレトルト殺菌システムに対応する実施形態の予備冷却を行う場合のレトルト殺菌装置1からの排水(一次排水)や、冷却装置2からの排水も利用できる(装置等は図2を参照)。又、熱源としては、蒸気発生器4からの蒸気の他に、レトルト殺菌装置1から排出される排気蒸気を予備過熱水加熱装置6aに導入するラインやバルブを設置し、使用することもできる。予備加熱装置5aで加熱される容器詰め製品10cの温度は、100℃未満でより温度が高い方が、レトルト殺菌装置1での加熱時間が短くなり、レトルト殺菌装置1の利用効率やエネルギー効率が向上するが、予備加熱装置5aのエネルギー効率は落ちる。両者のバランスを勘案すれば、予備加熱装置5aでの予熱温度は70〜95℃程度が好ましいが、他の条件も勘案して最適な条件を選べばよい。例えば、容器詰め製品10が、予備加熱装置5aに90℃で搬入されてくる場合は、予備加熱装置5aを設けてもほとんど意味がなく、不要とすれば良い。
本実施形態のように、予備加熱装置5aを用いて容器詰め製品10cを予備加熱することにより、レトルト殺菌装置におけるレトルト殺菌温度までの加熱時間が短縮できる。このため、レトルト殺菌装置の利用効率はさらに高くなり、レトルト殺菌処理量の増加が図れるため、レトルト殺菌装置の小型化することも可能になる。
また、これら第1〜5の実施形態を併用し、レトルト殺菌装置の専用使用時間を短縮しつつ、予備加熱装置、冷却装置を同時に使用してレトルト殺菌システム全体に係る時間を継続して短縮することにより、レトルト殺菌処理量は更に増加が図れるため、レトルト殺菌装置の小型化や設置台数を減らすなどの、レトルト殺菌装置自体に係る費用を抑えることが可能になる。
1.レトルト殺菌装置
2,2a,2b.冷却装置
3.循環水冷却装置
4.蒸気発生器
5,5a.予備加熱装置
6.6a.予備加熱水加熱装置
10,10a,10b,10c.容器詰め製品
11.供給水ライン
12.蒸気導入ライン
13.排水ライン
14.空気導入ライン
15.冷却装置排水ライン
16.冷却水循環ライン
17.レトルト殺菌装置排水ライン
18.冷却装置排水循環ライン
19.予備加熱装置排水ライン
20.予備加熱水循環ライン
21.蒸気用供給水バルブ
22.蒸気供給バルブ
23.冷却水供給バルブ
24.レトルト殺菌装置排水バルブ
25.圧力調整バルブ
25a.圧力計
26.冷却水供給バルブ
28.冷却装置排水循環バルブ
29.排水循環バルブ
31.冷却水循環バルブ
32.冷却装置排水循環バルブ
40.予備加熱装置排水利用バルブ
41.圧力調整用空気供給バルブ
42.排気バルブ
43.ブロー用空気供給バルブ
44.冷却装置排水自己循環バルブ
101.レトルト殺菌システム(第1の実施形態)
102.レトルト殺菌システム(第2の実施形態)
201.給気ファン
202.排気ファン
211a,211b.給排気口
212a,212b.切換バルブ
301.コンベア
302.ファン
303.ポンプ
311a,311b,311c.カゴ車

Claims (8)

  1. 内容物を充填密封した容器詰め製品を殺菌するレトルト殺菌システムであって、
    前記容器詰め製品を殺菌するレトルト殺菌装置と、
    前記レトルト殺菌装置から所定の温度で搬出された容器詰め製品を冷却する冷却装置と、
    を備え、
    前記所定の温度が、殺菌温度であることを特徴とする
    レトルト殺菌システム。
  2. 内容物を充填密封した容器詰め製品を殺菌するレトルト殺菌システムであって、
    前記容器詰め製品を殺菌及び所定の温度まで予備冷却するレトルト殺菌装置と、
    前記レトルト殺菌装置から搬出された容器詰め製品をさらに冷却する冷却装置と、
    を備え、
    前記所定の温度が、60℃以上殺菌温度未満であることを特徴とするレトルト殺菌システム。
  3. 前記冷却装置は、
    冷却水を導入する冷却水導入設備と、
    導入された前記冷却水を気化させる空気を導入する空気導入設備と、
    を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のレトルト殺菌システム。
  4. 前記冷却装置は、
    開放系のクーリングトンネル方式であり、
    前記冷却装置から排出された排水を再導入する冷却装置排水循環路を備えることを特徴とする
    請求項3に記載のレトルト殺菌システム。
  5. 前記冷却装置から排出された排水を、
    前記レトルト殺菌装置に導入する冷却排水導入路を備えることを特徴とする
    請求項2に記載のレトルト殺菌システム。
  6. 前記容器詰め製品を予備加熱する予備加熱装置を備えることを特徴とする
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のレトルト殺菌システム。
  7. 前記冷却装置からの排水を、
    前記予備加熱装置に導入する温排水導入路を備えることを特徴とする
    請求項1、3、4、6、及び7のいずれか一項に記載のレトルト殺菌システム。
  8. 前記レトルト殺菌装置、及び/又は前記冷却装置からの排水を、
    前記予備加熱装置に導入する温排水導入路を備えることを特徴とする
    請求項2〜6のいずれか一項に記載のレトルト殺菌システム。
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