JP2011037362A - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】故障誤判定を抑制することにより当該故障検出に対する信頼性を高めつつ故障電流に対する保護機能の向上が図られる電動パワーステアリング装置の制御装置を提供する
【解決手段】FETの駆動が制限された状態で故障検出条件が非成立である旨判定される場合(ステップS202でNO)には、モータの端子電圧に基づき設定される制限解除条件が成立する旨判定されるとき(ステップS209でYES)にのみ、FETの駆動制限が解除される。このため、FETの駆動が制限された状態で故障検出条件が非成立である旨判定される場合に、当該制限が即時に解除されることはない。したがって、故障誤判定が抑制されることにより、当該故障検出に対する信頼性を高めつつ故障電流に対する保護機能の向上が図られる。
【選択図】図5

Description

本発明は、自動車等の車両の操舵系にモータによるアシスト力(操舵補助力)を付与する電動パワーステアリング装置の制御装置に関するものである。
従来、この種の電動パワーステアリング装置の制御装置としては、車速センサを通じて検出される車速及びトルクセンサを通じて検出される操舵トルクに基づきモータを駆動制御するものがよく知られている。このモータの駆動力(回転力)が操舵補助力として歯車等からなる減速機構を介してステアリングシャフトあるいはラック軸に伝達される。これにより、ステアリング操作が補助される。
モータは複数のスイッチング素子等からなるモータ駆動回路を通じてその駆動制御が行われるところ、何らかの原因により、例えばモータとモータ駆動回路のスイッチング素子との間に地絡等の故障が発生することが想定される。この場合には、モータ駆動回路の内部のインピーダンスが著しく低下した状態になるため、過電流がモータ駆動回路に発生し、当該回路を構成するスイッチング素子等が故障するおそれがある。このため、ソフトウェアあるいはハードロジックにより過電流を検出可能とし、過電流が検出された際には、モータ駆動回路等の保護動作としてスイッチング素子の駆動を停止したり、その駆動を制限したりするようにしたものが従来提案されている。
例えば特許文献1の電動パワーステアリング装置の制御装置は、モータの端子間電圧及びバッテリ電圧に基づき地絡が発生しているおそれの有無を判定し、地絡が発生しているおそれがある旨判定された場合には、スイッチング素子の駆動を制限する。この後、当該制御装置は、先の地絡が発生しているおそれがある旨の判定の正誤を判定する。すなわち、モータの端子間電圧及びバッテリ電圧に基づき地絡が発生しているおそれの有無を再度判定し、ここで地絡が発生しているおそれはない旨判定される場合には、先の地絡が発生しているおそれがある旨の判定は誤りとしてスイッチング素子の駆動制限を解除する。これに対して、地絡が発生しているおそれがある旨判定される状態が所定時間にわたって継続する旨検出された場合には、地絡発生の蓋然性が高いとしてスイッチング素子の駆動を停止する。このようなスイッチング素子の駆動制限あるいは駆動停止を通じて、操舵フィーリング及びアシスト力の低下を抑制しつつスイッチング素子あるいはモータ駆動回路等が好適に保護される。
特開2004−338619号公報
ここで、特許文献1の制御装置において、地絡発生のおそれの有無は、正確には次の関係式で示される地絡検出条件の成立の有無に基づき判定される。
(Vm1+Vm2)−Vb<Vh
ただし、Vm1はモータの両端電圧のうち上流側(電源側)の電圧、Vm2は同じく下流側(グランド側)の電圧である。また、Vbはバッテリ電圧、Vhは地絡検出の有無を判定するべく設定される電圧判定閾値(検出スレッショルド電圧)である。
当該制御装置は、前記関係式において、左辺の値((Vm1+Vm2)−Vb)が右辺の値(Vh)よりも小さい場合には地絡が発生しているおそれがあると判定し、同じく大きい場合には地絡が発生しているおそれはないと判定する。
ところが、こうした地絡発生の有無の判定方法を採用することにより、特許文献1の制御装置には、次のような問題があった。
すなわち、特許文献1の制御装置は、前述したように、地絡検出に対する信頼性を確保するために、前記関係式が成立する旨判定した場合には即時にスイッチング素子の駆動を停止するのではなく、まずスイッチング素子の駆動を制限する。そしてその後、前述の関係式が所定時間にわたって継続して成立する旨判定してはじめて地絡故障が発生しているとしてスイッチング素子の駆動を停止する。これに対して、スイッチング素子の駆動が制限されてから前記所定時間が経過するまでの間において、前記関係式が成立しない旨判定される場合には制御装置は先の地絡判定が誤っていたとして、スイッチング素子の駆動制限を解除する。
このため、スイッチング素子の駆動が制限されてから前記所定時間が経過するまでの間において、何らかの原因で前記地絡検出条件から外れた場合には、制御装置は地絡事故が発生しているにもかかわらず正常である旨誤判定し、スイッチング素子の駆動制限を解除するおそれがある。そして地絡事故が本当に発生している場合には、モータ駆動回路に過電流が発生してそのスイッチング素子等が故障するおそれがある。
こうした誤判定の発生状況としては、例えばステアリングホイールがロックエンドまで回転操作された状態で、モータとモータ駆動回路のスイッチング素子との間に地絡等の故障が発生する場合が想定される。この場合、本来モータへ供給される電力(電流)がグランドへ供給される。すなわちモータへの給電経路が遮断されるため、当該モータの駆動を通じたステアリング操作の補助(アシスト)が行われなくなる。
そして、ロックエンドに保持されていたステアリングホイールがその中立位置(直進位置)側へ逆回転された場合、当該操作に伴いモータに発生する逆起電圧が、モータの端子電圧として検出される。すなわち、制御装置は、ステアリングホイールの前述した逆回転に伴う操舵補助がなされている正常な状態であると誤判断する。モータの逆起電圧は、モータの回転数に比例するので、ステアリングホイールの操作速度によっては前述した電圧判定閾値(検出スレッショルド電圧Vh)よりも大きな値になるおそれがある。また、当該逆起電圧がモータの実際の端子電圧に加算されるかたちになることにより、前述した関係式が成立しなくなることも考えられる。
このように、モータに発生する逆起電圧等に起因して、前述した地絡検出条件から外れる旨誤判定される状況が存在する。そして、地絡検出条件から外れた旨誤判定された場合であれ、スイッチング素子の駆動制限が即時に解除される。このため、スイッチング素子、ひいてはモータ駆動回路の保護が好適に行われない状況の発生が依然として懸念される。特許文献1の制御装置は、この点において未だ改善の余地を残すものであった。
なお、前述した逆起電圧に起因する地絡検出条件の誤判定の問題は、ステアリングホイールがロックエンドまで操作されている場合に限らず、例えば車両が縁石等へ乗り上げた場合、同じく段差等へ落ち込んだ場合、あるいは轍にタイヤがとられた場合等、ステアリングホイールの回転トルクに対してモータが逆回転する状況であれば同様に発生し得る。また地絡のみならず、モータ駆動回路の電源側及びグランド側のスイッチング素子(FET)等の短絡あるいは天絡等の故障が発生した場合も同様である。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、故障誤判定を抑制することにより当該故障検出に対する信頼性を高めつつ故障電流に対する保護機能の向上が図られる電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、複数のスイッチング素子のスイッチング制御を通じて車両の操舵系に作動連結されるモータの駆動を制御することにより当該操舵系にステアリング操作を補助する操舵補助力を付与する電動パワーステアリング装置の制御装置において、前記モータの端子電圧に基づき設定される故障検出条件が成立する旨判定される状態が一定時間にわたって検出される場合には前記スイッチング素子のスイッチング制御の実行を制限するとともに、当該制限された状態で前記故障検出条件が非成立である旨判定される場合には、前記モータの端子電圧に基づき設定される制限解除条件が成立する旨判定されるときにのみ、前記スイッチング制御の実行の制限を解除することをその要旨とする。
モータの端子電圧に基づき設定される故障検出条件の成立の有無に基づき故障検出を行う場合には、何らかの原因により発生するモータの逆起電圧が無視できない場合がある。すなわち、モータに発生する逆起電圧等に起因して、故障検出条件から外れる旨誤判定される状況が発生し得る。特に、故障検出条件が成立する旨判定される状態が一定時間にわたって検出される場合にはスイッチング制御の実行を制限するとともに、当該制限された状態で故障検出条件が非成立である旨判定される場合には、スイッチング制御の実行の制限を即時に解除するようにしたものにおいては、スイッチング素子等の保護が好適に行われないおそれがある。これは、故障検出条件から外れた旨誤判定された場合であれ、スイッチング制御の制限が即時に解除されることによる。すなわち、故障が本当に発生している場合には、スイッチング素子に故障電流が発生して当該スイッチング素子等が破壊されるおそれがある。
この点、本発明によれば、スイッチング制御の実行が制限された状態で故障検出条件が非成立である旨判定される場合には、モータの端子電圧に基づき設定される制限解除条件が成立する旨判定されるときにのみ、スイッチング制御の実行の制限が解除される。このため、当該スイッチング制御の実行が制限された状態で故障検出条件が非成立である旨判定される場合に、当該制限が即時に解除されることはない。したがって、故障誤判定が抑制されることにより、当該故障検出に対する信頼性を高めつつ故障電流に対する保護機能の向上が図られる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置において、前記故障検出条件は、前記モータの端子電圧が故障発生の有無の判定基準となる電圧判定閾値以下であることを含み、当該電圧判定閾値は電源電圧の理論値及び前記スイッチング素子のデューティ比に基づき推定されるその時々の前記モータの端子電圧に0より大きく且つ1以下の値である係数を乗じることにより一定の制御周期毎に算出される値であって、当該係数は、故障が発生した際に想定される電源電圧の値を境界値として、実際の電源電圧の値が前記境界値未満である場合には、同じく前記境界値以上である場合よりも大きな値に設定することをその要旨とする。
本発明によれば、故障が発生した際に想定される電源電圧の値を境界値として、実際の電源電圧の値が前記境界値未満である場合には、同じく前記境界値以上である場合よりも大きな値の係数が設定される。ここで、実際の電源電圧の値が前記境界値未満である場合には、故障発生の蓋然性が高いといえる。そしてこの故障発生の蓋然性が高い状況において、係数の値が大きな値とされることにより、故障発生の有無の判定基準となる電圧判定閾値の値も大きくなる。すなわち、故障検出領域が拡大されることになるので、故障を検出しやすい状態となる。このため、前述したモータの逆起電圧の発生に起因してモータの端子電圧が増大した場合であれ、故障検出条件からはずれにくくなる。したがって、故障誤判定が抑制される。故障検出に対する信頼性がいっそう高められる。
請求項3に記載の発明は、複数のスイッチング素子のスイッチング制御を通じて車両の操舵系に作動連結されるモータの駆動を制御することにより当該操舵系にステアリング操作を補助する操舵補助力を付与する電動パワーステアリング装置の制御装置において、前記モータの端子電圧に基づき設定される故障検出条件が成立する旨判定される状態が一定時間にわたって検出される場合には前記スイッチング素子のスイッチング制御の実行を制限するとともに、当該制限された状態で前記故障検出条件が非成立である旨判定される場合には前記スイッチング制御の実行の制限を即時に解除するようにし、前記故障検出条件は、前記モータの端子電圧が故障発生の有無の判定基準となる電圧判定閾値以下であることを含み、当該電圧判定閾値は電源電圧の理論値及び前記スイッチング素子のデューティ比に基づき推定されるその時々の前記モータの端子電圧に0より大きく且つ1以下の値である係数を乗じることにより一定の制御周期毎に算出される値であって、当該係数は、故障が発生した際に想定される電源電圧の値を境界値として、実際の電源電圧の値が前記境界値未満である場合には、同じく前記境界値以上である場合よりも大きな値に設定することをその要旨とする。
本発明によれば、スイッチング素子のスイッチング制御の実行が制限された状態で前記故障検出条件が非成立である旨判定される場合に、当該スイッチング制御の実行の制限を即時に解除するようにした場合であれ、故障誤判定が抑制される。すなわち、故障が発生した際に想定される電源電圧の値を境界値として、実際の電源電圧の値が前記境界値未満である場合には、同じく前記境界値以上である場合よりも大きな値の係数が設定される。ここで、実際の電源電圧の値が前記境界値未満である場合には、故障発生の蓋然性が高いといえる。そしてこの故障発生の蓋然性が高い状況において、係数の値が大きな値とされることにより、故障発生の有無の判定基準となる電圧判定閾値の値も大きくなる。すなわち、故障検出領域が拡大されることになるので、故障を検出しやすい状態となる。このため、前述したモータの逆起電圧の発生に起因してモータの端子電圧が増大した場合であれ、故障検出条件からはずれにくくなる。したがって、故障誤判定が抑制されることにより、当該故障検出に対する信頼性を高めつつ故障電流に対する保護機能の向上が図られる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置において、前記故障検出条件は、前記モータの端子と前記スイッチング素子との間の地絡故障を検出するべく設定されてなることをその要旨とする。このように、例えば地絡故障を検出してスイッチング素子を保護することもできる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置において、前記モータはブラシ付モータであることをその要旨とする。このように、ブラシ付モータを備えて構成される電動パワーステアリング装置の制御装置として構成することができる。
本発明によれば、地絡等の故障誤判定を抑制して当該故障検出に対する信頼性をよりいっそう高めることにより過電流保護機能の向上が図られる。
電動パワーステアリング装置(EPS)の概略構成図。 電動パワーステアリング装置の電気的な構成を示す回路図。 地絡点の一例を示すモータ駆動回路の回路図。 第1の実施の形態における故障検出処理の手順を示すフローチャート。 同じく故障検出処理の手順を示すフローチャート。 同じく故障検出処理の手順を示すフローチャート。 同じく故障検出処理の手順を示すフローチャート。 同じく故障検出処理の手順を示すフローチャート。 (a),(b),(c)は、それぞれFETのデューティ比と推定端子電圧の値との関係を説明するグラフ。 地絡検出領域を示すFETのデューティ比と推定端子電圧とのグラフ。 第2の実施の形態における故障検出処理の手順を示すフローチャート。 (a)は電源電圧と検出スレッショルドゲインGとの関係を示すマップ、(b)は電源電圧及び検出スレッショルドゲインGの具体的な値の一例を示す表。
以下、本発明をパワーアシストユニット及びその制御装置等がステアリングコラムに設けられる、いわゆるコラム型の電動パワーステアリング装置(EPS)に具体化した第1の実施形態を説明する。
<概略構成>
まず電動パワーステアリング装置の概略的な構成について説明する。図1に示すように、電動パワーステアリング装置1において、ステアリングホイール2と一体回転するステアリングシャフト3は、ステアリングホイール2側からコラムシャフト8、インターミディエイトシャフト9及びピニオンシャフト10の順に連結されてなる。ピニオンシャフト10はこれに直交して設けられるラック軸5のラック部分5aに噛合されている。ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ピニオンシャフト10及びラック部分5aからなるラックアンドピニオン機構4によりラック軸5の往復直線運動に変換される。当該往復直線運動が、ラック軸5の両端に連結されたタイロッド11を介して図示しないナックルアームに伝達されることにより、転舵輪12の舵角が変更される。
また、電動パワーステアリング装置1は、操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置(パワーアシストユニット)13、及び操舵力補助装置13の作動を制御する電子制御装置(ECU)14を備えてなる。
操舵力補助装置13の駆動源であるモータ15は、歯車等からなる減速機構16を介してコラムシャフト8に作動連結されている。モータ15の回転力は減速機構16により減速されてこれがアシスト力として操舵系、正確にはコラムシャフト8に伝達される。電子制御装置14は、このアシスト力を次のようにして制御する。すなわち、電子制御装置14は、転舵輪12等に設けられる車速センサ17を通じて車速Vを取得する。また、電子制御装置14は、コラムシャフト8に設けられるトルクセンサ18及び舵角センサ19を通じて、ステアリングホイール2に印加される操舵トルクτ、及びステアリングホイール2の操舵角(回転角)θsを取得する。そして電子制御装置14は、これら車速V、操舵トルクτ、操舵角θsに基づき目標アシスト力を算出し、この算出される目標アシスト力を発生させるべくモータ15の給電制御を行う。このモータ15の給電制御を通じて操舵系に印加されるアシスト力が制御される。なお、本例では、モータ15として、ブラシ付モータが採用されている。ただし、ブラシレスモータを採用することも可能である。
<電気的な構成>
次に、電動パワーステアリング装置の電気的な構成について説明する。図2に示すように、電子制御装置14は、モータ制御信号を生成するマイクロコンピュータ20、及び当該モータ制御信号に基づきモータ15へ電力を供給するモータ駆動回路30を備えてなる。
マイクロコンピュータ20は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23を備えてなる。また、マイクロコンピュータ20は、第1のカウンタ24、第2のカウンタ25及び第3のカウンタ26を備えてなる。
ROM22には、CPU21が実行する各種の制御プログラム(アシスト制御プログラム及び地絡等の故障検出プログラムを含む)、各種のデータ、及び各種のアシストトルクマップ等が格納されている。このアシストトルクマップは操舵トルクτと当該操舵トルクτに対する最適な目標アシストトルクとの関係を定めたものであり、所定の車速域毎に作成されている。例えば低速域(0〜5Km/h)、中低速域(5〜20Km/h)、中高速域(20〜40Km/h)、高速域(40〜70Km/h以上)にそれぞれ対応したものが作成されている。アシストトルクマップは、車両モデルによる実験データ及び周知の理論計算等によって予め求められる。RAM23は、ROM22に書き込まれた各種の制御プログラムを展開してCPU21が各種の演算処理を実行するためのデータ作業領域である。
CPU21は、車速センサ17、トルクセンサ18、電源回路27、エンジン回転数センサ28及びモータ駆動回路30がそれぞれ図示しない入出力インターフェイスを介して接続されてなる。電源回路27は、電源ラインL1を介してバッテリBATのプラス端子に接続されるとともに、バッテリBATの電圧(例えば12V〜24V)を所定電圧(例えば5V)に変換してこれをマイクロコンピュータ20の各部に供給する。電源ラインL1上には、イグニッションスイッチIGが設けられている。イグニッションスイッチIGがオン(閉動作)されると電源ラインL1は導通状態となり、オフ(開動作)されると電源ラインL1は遮断状態となる。エンジン回転数センサ28は、エンジン(図示略)の回転数NEを検出する。
<モータ駆動回路>
モータ駆動回路30は、4個の電界効果トランジスタ(以下、「FET31〜34」という。)がモータ15に対してHブリッジ型に接続されてなる。具体的には、FET31,33の直列回路とFET32,34の直列回路とが並列に接続されている。両FET31,33間にはモータ15のプラス端子が電源ラインL2を介して接続されている。両FET32,34間にはモータ15のマイナス端子が電源ラインL3を介して接続されている。さらに、モータ15の両端子はそれぞれ図示しないモータ端子電圧検出回路を介してCPU21に接続されている。なお、各FET31〜34として、「200A(アンペア)−100ms」の耐電流性能を有するものが採用されている。すなわち、各FET31〜34のドレインに流れる電流とチャネル温度とが、FETを破壊しない程度に設定されている。また、各FET31〜34においては、それらにおける接合温度が素子を破壊しないように設定されている。
電源ラインL3上にはモータリレー36が設けられている。モータリレー36は、図示しないリレー駆動回路を介してCPU21に接続されるとともに、CPU21からの開閉制御信号に基づいて開閉動作する。モータリレー36がオン(閉動作)すると電源ラインL3は導通状態となり、オフ(開動作)すると電源ラインL3は遮断状態となる。なお、各FET31〜34のゲートはそれぞれ図示しないPWM(パルス幅変調)駆動回路を介してCPU21に接続されている。各FET31〜34はそれぞれCPU21からPWM駆動回路を通じて供給されるモータ制御信号(PWM駆動信号)に基づきスイッチング動作する。
モータ駆動回路30の両端、具体的にはFET31,33の直列回路とFET32,34の直列回路との両端における接続部分は、それぞれ電源ラインL4,L5を介してバッテリBATのプラス端子及びマイナス端子(接地端子)に接続されている。電源ラインL4上には電源リレー37及びシャント抵抗38の直列回路が設けられている。当該シャント抵抗38の両端は図示しない過電流検出回路を介してCPU21に接続されている。電源リレー37は図示しないリレー駆動回路を介してCPU21に接続されるとともに、CPU21からの開閉制御信号に基づいて開閉動作する。電源リレー37がオン(閉動作)すると電源ラインL4は導通状態となり、オフ(開動作)すると電源ラインL4は遮断状態となる。電源ラインL5上にはシャント抵抗39が設けられるとともに、当該シャント抵抗39の両端は図示しないモータ制御電流検出回路を介してCPU21に接続されている。
電源リレー37とシャント抵抗38との接続点は、電源ラインL6を介して、イグニッションスイッチIGと電源回路27との接続点に接続されている。このため、電源リレー37のオン状態においてはイグニッションスイッチIGのオンオフ状態に関わらず、マイクロコンピュータ20には電源ラインL6を介して動作電力が供給される。
マイクロコンピュータ20(正確にはCPU21)は、FET31,34がオンのときはFET32,33がオフとなるように、逆にFET32,33がオンのときはFET31,34がオフとなるように、各FET31〜34をそれぞれオンオフ制御する。モータ駆動回路30において、FET31,34をオン、FET32,33をオフとすれば、モータ15のプラス端子はバッテリBATのプラス端子に接続され、モータ15のマイナス端子はバッテリBATのマイナス端子に接続されるので、モータ15は正方向に回転する。これに対して、FET31,34をオフ、FET32,33をオンとすれば、モータ15のプラス端子はバッテリBATのマイナス端子に接続され、モータ15のマイナス端子はバッテリBATのプラス端子に接続されるので、モータ15は逆方向に回転する。
また、マイクロコンピュータ20(正確には、そのPWM駆動回路)は、トルクセンサ18により検出される操舵トルクτに応じたモータ電流を実現するデューティ比(各FET31〜34に対し通電すべき時間)のPWM駆動信号を生成し、これをモータ制御信号として各FET31〜34へ供給する。このモータ制御信号に基づく各FET31〜34のスイッチングを通じてモータ15が駆動することにより、操舵トルクτに応じたアシストトルクが発生する。
なお、イグニッションスイッチIGがオン操作されて、バッテリBATからの電力が電子制御装置14の各部へ供給されたとき、マイクロコンピュータ20は、アシスト起動条件の入力待機状態となる。すなわち、マイクロコンピュータ20は、エンジン回転数センサ28により検出されるエンジンの回転数NEが所定値(例えば470rpm)に達したとき、アシスト制御を起動する。マイクロコンピュータ20は、エンジンの回転数NEが所定値に達するまではアシスト起動条件の入力待機状態を維持する。
なお、本例とは異なり、エンジン停止時にアシスト制御を実行する車両も存在するところ、このような車両に適用することも可能である。また、本例では、エンジンを駆動源とする車両への適用を想定しているものの、モータを駆動源とするEV(electric vehicle)若しくはEVモードを有する車両に適用することも可能である。そしてこれらの車両に適用する場合には、マイクロコンピュータ20は、エンジン回転数とは別の信号及び条件によってアシスト制御を起動する。ちなみに、EVモードとは、ガソリンを使用せず、バッテリによりモータのみを駆動させて走行する車両の走行モードをいう。
さらに、電子制御装置14は、モータリレー36又は電源リレー37をオフすることにより過電流あるいは回生ロック等の発生を回避するフェールセーフ機能を備えている。回生ロックとは、各FET31〜34のうちいずれかのFETの短絡故障等によって、モータ15のコイルの両端子が相互に接続された状態となってモータ15に回生制動力が発生することにより、モータ15に作動連結されたステアリングホイール2が操舵困難になる現象をいう。
例えば、前記モータ制御電流検出回路により検出される実際のモータ制御電流値が目標のモータ制御電流値よりも極端に増加し、各FET31〜34のうちいずれかのFETが短絡故障を起こしたと推定される場合、CPU21は電源リレー37をオフして電源ラインL4を瞬時に遮断する。これにより、モータ15の誤動作や損傷等が回避される(過電流保護機能)。モータ15とモータ駆動回路30の各FET31〜34との間に地絡故障が発生した場合も同様に前述の過電流保護機能が動作する。なお、この地絡故障の検出処理については、後に詳述する。
またこのとき、CPU21は電源リレー37をオフすると同時に、モータリレー36をオフして電源ラインL3を遮断する。これにより、モータ15の回生ロックが回避される。
<地絡故障の検出処理>
次に、モータ15とモータ駆動回路30の各FET31〜34との間に発生する地絡故障の検出処理について図4〜図8のフローチャートに従って説明する。これらフローチャートは、ROM22に格納された故障検出プログラムに基づき実行される。各フローチャートに示される処理は、イグニッションスイッチIGがオンされて動作電力が電子制御装置14の各部に供給されることを契機として、それぞれ並行して実行される。
また、本例では、図3に示されるように、モータ駆動回路30における上流側(電源PIG側)のモータ端子(プラス端子)に地絡故障が発生したものとする。この場合、同図に矢印で示されるように、電源PIGから供給される電流の経路は、「FET31→電源ラインL2→モータ15→電源ラインL3→グランド」という本来の電流経路ではなく、「FET31→電源ラインL2→地絡点P」という経路になる。
さて、図4のフローチャートに示されるように、地絡検出処理の実行に際して、マイクロコンピュータ20は、まず検出スレッショルド電圧を算出する(ステップS101)。
検出スレッショルド電圧は、地絡故障等に起因してモータ駆動回路30等に発生する故障電流(ここでは、地絡電流)の有無を検出する際の基準となる値(電圧値)である。この検出スレッショルド電圧Vhは、次式により算出される。
Vh=Vm×G
ただし、Vmは、モータ15のプラス端子電圧(推定値)及びマイナス端子電圧(推定値)の和の値(以下、「推定端子電圧和」という。)である。プラス端子電圧及びマイナス端子電圧の推定値は、電源電圧Vpig(理論値)に駆動側のFETのデューティ比(図3の例ではD2)を乗ずることにより得られる。Gは、検出スレッショルドゲイン(係数)である。検出スレッショルドゲインGは、1よりも小さな値に設定されるところ、本例では0.7に設定されている。
なお、本例では、モータ15の推定端子電圧和Vmは、モータ15のプラス端子電圧Vm1の値とされる。これは、次の理由による。すなわち、地絡故障においては、モータ15の両端子のうち一方の電位が0mV近傍の値に低下するという故障モードの特性がある。このため、地絡故障の検出性を高めるために、あえて一方の電位を使用している。逆に、検出スレッショルド電圧Vhを本来のモータ15の両端子電圧の和(=Vm1+Vm2)に基づき算出するようにした場合には、地絡故障の検出に関して純粋な誤検出性が高まる。この観点からも、あえて一方の電位のみを使用している。
また、本例では、電源側のFET31のデューティ比をD2(%)とグランド側のFET34のデューティ比D1(%)との和の値に応じて、モータ15のプラス端子電圧Vm1、すなわち推定端子電圧和Vmの値を異ならせている。これはFET31,34のデューティ比D2,D1に応じて故障電流の有無を検出する際の基準となる好適な値が異なるからである。
図9(a)に示されるように、「1.25<D1+D2」の関係が成立する場合、モータのプラス端子電圧Vm1及びマイナス端子電圧Vm2の値は次のようになる。なお、「1.25」は、「125%」を示す。
・Vm1=Vpig
・Vm2=(1−D1)×Vpig
前述したように、本例ではプラス端子電圧Vm1を推定端子電圧和Vmとして使用するので、推定端子電圧和Vmは次のように表される。Vpigは、電源電圧(PIG電圧)である。
・Vm=Vpig
図9(b)に示されるように、「1≦D1+D2<1.25」の関係が成立する場合、モータのプラス端子電圧Vm1及びマイナス端子電圧Vm2の値は次のようになる。なお、「1」は、「100%」を示す。
・Vm1=D2×Vpig
・Vm2=(1−D1)×Vpig
したがって、推定端子電圧和Vmは次のように表される。
・Vm=D2×Vpig
図9(c)に示されるように、「D1+D2<1」の関係が成立する場合、モータのプラス端子電圧Vm1及びマイナス端子電圧Vm2の値は次のようになる。なお、次の関係式において、「0.5」は係数であって、製品仕様等に応じて適宜変更される。
・Vm1=(1−D1+D2)×Vpig×0.5
・Vm2=(1−D1+D2)×Vpig×0.5
したがって、推定端子電圧和Vmは次のように表される。
・Vm=(1−D1+D2)×Vpig×0.5
また、検出スレッショルド電圧Vhは、図10のグラフに示されるように、グランド側のFET34のデューティ比D1と電源側のFET31のデューティ比D2との和の値と、実際のプラス端子電圧Vm1及びマイナス端子電圧Vm2の和の値(以下、「実モータ端子電圧和Vadd」という。)との関数として表される。なお、当該グラフにおいて、横軸は「D1+D2」を、縦軸は実モータ端子電圧和Vaddである。また、当該グラフにおいて、上側の折れ線は「D1+D2」の値の変化に対する推定端子電圧和Vmの値の変化を示す。また、同じく下側の折れ線は、「D1+D2」の値の変化に対する検出スレッショルド電圧Vhの値の変化を示す。
当該グラフに示されるように、「D1+D2<1」のとき、推定端子電圧和Vmの値は、「電源電圧Vpig×検出スレッショルドゲインG」の値以下をとる。また、「1≦D1+D2<1.25」のとき、推定端子電圧和Vmの値は、「電源電圧Vpig×検出スレッショルドゲインG」の値を超え、且つ電源電圧Vpig以下の値をとる。さらに、「1.25<D1+D2」のとき、推定端子電圧和Vmの値は、電源電圧Vpigの値と同じになる(一定)。
検出スレッショルド電圧Vhは、前述した推定端子電圧和Vmよりも小さな値をとるとともに、当該推定端子電圧和Vmに沿うかたちで変化する。すなわち、当該グラフに示されるように、「D1+D2<1」のとき、検出スレッショルド電圧Vhの値は、「電源電圧Vpig×検出スレッショルドゲインG」の値よりも小さな値をとる。また、「1≦D1+D2<1.25」のときにも、検出スレッショルド電圧Vhの値は、「電源電圧Vpig×検出スレッショルドゲインG」の値よりも小さな値をとる。ただし、傾きは「D1+D2<1」の場合に比べて大きくなる。さらに、「1.25<D1+D2」のとき、検出スレッショルド電圧Vhの値は、「電源電圧Vpig×検出スレッショルドゲインG」の値と同じになる(一定)。
そして当該グラフにおいて、下側の折れ線よりも下側の部分が、地絡検出領域とされている。すなわち、検出スレッショルド電圧Vhは、地絡故障の検出条件の一つであって、実モータ端子電圧和Vaddの値が、検出スレッショルド電圧Vhの値以下となる場合には、地絡故障が発生しているおそれがある旨判定される。
次に、先のステップS101の処理を通じて検出スレッショルド電圧Vhの算出を完了したマイクロコンピュータ20は、地絡検出条件の成立の有無を判断する(ステップS102)。マイクロコンピュータ20は、地絡検出条件が成立する旨判断した場合(ステップS102でYES)には、第1のカウンタ24を1だけカウントアップして(ステップS103)、処理を終了する。これに対し、マイクロコンピュータ20は、地絡検出条件が成立しない旨判断した場合(ステップS102でNO)には、第1のカウンタ24をクリア(リセット)して(ステップS104)、処理を終了する。
この第1のカウンタ24の値は、地絡故障が発生しているおそれがあるかどうかの判断に使用される。すなわち、マイクロコンピュータ20は、所定の制御周期で図4のフローチャートで示される処理を繰り返す。そして先のステップS102における地絡検出条件が継続して成立する旨判断される場合には、当該処理が繰り返されるたびに第1のカウンタ24の値はインクリメントされる。このため、第1のカウンタ24の値が分かれば、マイクロコンピュータ20の制御周期(時間)に基づき、前述の地絡検出条件が最初に成立してからの経過時間を求めることが可能となる。地絡故障が発生しているおそれがあるとして設定される地絡検出条件がある程度の時間にわたって成立する旨判断される場合には、地絡故障が発生している蓋然性は高いといえる。
ちなみに、本例では、前述した地絡検出条件として、以下に示す3つの条件が設定されている。これら条件がすべて成立する旨判定されてはじめて地絡故障が発生しているおそれがある旨判定される。
1.実モータ端子電圧和Vadd≦検出スレッショルド電圧Vh
2.D1+D2≧20%
3.モータ電流≦20A
なお、モータ電流は、モータ15に供給される電流であってその値は、モータ駆動回路30とグランドとの間に設けられたシャント抵抗39の両端間の電圧に基づき算出される。
<故障判定>
次に、マイクロコンピュータ20は、地絡故障が発生していることについての確からしさを判定し、その判定結果に応じた保護機能を実行する。
すなわち、図5のフローチャートに示されるように、マイクロコンピュータ20は、第1のカウンタ24の値及び第3のカウンタ26の値を読み込む(ステップS201)。なお、第3のカウンタ26の値の読み込み処理は、後述するステップS209における第3のカウンタ26の値の判断が行われる前であれば、その実行タイミングを適宜変更してもよい。
次に、マイクロコンピュータ20は、第1のカウンタ24の値(正確には、当該値に基づき算出される時間)が、例えば1.6ms以上であるかどうかを判断する(ステップS202)。
マイクロコンピュータ20は、第1のカウンタ24の値に基づき算出される時間が、1.6ms以上である旨判断した場合には(ステップS202でYES)、地絡故障検出中である旨示すフラグをRAM23の所定領域にセットする(ステップS203)。
次に、マイクロコンピュータ20は、第1のカウンタ24の値に基づき算出される時間が、例えば10ms以上であるかどうかを検出する(ステップS204)。
マイクロコンピュータ20は、第1のカウンタ24の値に基づき算出される時間が、例えば10ms以上である旨判断した場合には(ステップS204でYES)、地絡故障が発生している蓋然性が高いとして、各FET31〜34の駆動、すなわちモータ駆動回路30のPWM駆動を停止して(ステップS205)、処理を終了する。具体的には、各FET31〜34のデューティ比を0%とする。先の図3に示される例では、電源側のFET31及びグランド側のFET34のデューティ比をそれぞれ0%にする。
これに対し、マイクロコンピュータ20は、第1のカウンタ24の値に基づき算出される時間が、例えば10ms未満である旨判断した場合には(ステップS204でNO)、各FET31〜34の駆動、すなわちモータ駆動回路30のPWM駆動を制限して(ステップS206)、処理を終了する。具体的には、各FET31〜34のデューティ比を制限する。先の図3に示される例では、電源側のFET31及びグランド側のFET34のデューティ比をそれぞれ30%に制限する。
なお、先のステップS202の判断において、マイクロコンピュータ20は、第1のカウンタ24の値に基づき算出される時間が、1.6ms以上ではない旨判断した場合には(ステップS202でNO)、地絡故障の検出判定に誤りのおそれがあるとして、PWM駆動制限の解除処理を実行する。なお、このPWM駆動制限の解除処理については、後に詳述する。
<地絡確定処理>
また、マイクロコンピュータ20は、地絡故障が発生している旨の判定の正誤を再度確認した上で、地絡故障が発生している旨の判定を確定する地絡確定処理を所定の制御周期で実行する。
<正誤判定処理>
すなわち、図6のフローチャートに示されるように、マイクロコンピュータ20は、地絡故障が発生している旨の判定の正誤を再度確認するに際して、第1のカウンタ24の値に基づき、PWM駆動の停止の有無を判断する(ステップS301)。具体的には、先の図5のフローチャートのステップS204と同様の判断を行い、第1のカウンタ24の値に基づき算出される時間が例えば10ms以上である旨判断される場合には、PWM駆動が停止されていると判断する。そしてマイクロコンピュータ20は、PWM駆動が停止されている旨判断される場合には(ステップS301でYES)、実モータ端子電圧和Vaddの値が「0.7×電源電圧Vpig」の値以下であるかどうかを判断する(ステップS302)。すなわち、当該ステップにおいて、マイクロコンピュータ20は、次の関係式の成立の有無の判断を通じて地絡故障の発生の有無を再度確認する。
・Vadd=Vm1+Vm2≦0.7×電源電圧Vpig
ただし、右辺の「0.7」は、地絡故障の発生の有無に対する誤判定を回避するために設定される値(係数)であって、「1」より小さな値とされる。
マイクロコンピュータ20は、実モータ端子電圧和Vaddの値が「0.7×電源電圧Vpig」の値以下である旨判断される場合には(ステップS302でYES)、第2のカウンタ25をインクリメントして(ステップS303)、処理を終了する。これに対して、マイクロコンピュータ20は、実モータ端子電圧和Vaddの値が「0.7×電源電圧Vpig」の値以下ではない旨判断される場合には(ステップS302でNO)、第2のカウンタ25の値をクリアして(ステップS304)、処理を終了する。
第2のカウンタ25の値は、地絡故障が発生している旨確定するために使用される。すなわち、マイクロコンピュータ20は、所定の制御周期で図6のフローチャートで示される処理を繰り返す。そして先のステップS302における判断において、実モータ端子電圧和Vaddの値が「0.7×電源電圧Vpig」の値以下である旨継続して判断される場合には、当該処理が繰り返されるたびに第2のカウンタ25の値はインクリメントされる。このため、第2のカウンタ25の値が分かれば、マイクロコンピュータ20の制御周期(時間)に基づき、実モータ端子電圧和Vaddの値が「0.7×電源電圧Vpig」の値以下である旨最初に判断されてからの経過時間を求めることが可能となる。地絡故障が発生していない場合には、実モータ端子電圧和Vaddの値が「0.7×電源電圧Vpig」の値以下になることはない。このため、例えば実モータ端子電圧和Vaddの値が「0.7×電源電圧Vpig」の値以下となる状態がある程度の時間継続すれば、地絡故障が発生しているといえる。
<確定処理>
そして次に、図7のフローチャートに示されるように、マイクロコンピュータ20は、地絡故障が発生している旨の判定を確定するに際して、まず第2のカウンタ25の値を読み込む(ステップS401)。
マイクロコンピュータ20は、第2のカウンタ25の値に基づき算出される時間が、例えば500ms以上ではない旨判断される場合には(ステップS402でNO)、地絡故障が発生している旨判定を確定することなく、処理を終了する。
これに対して、マイクロコンピュータ20は、第2のカウンタ25の値に基づき算出される時間が、例えば500ms以上である旨判断される場合には(ステップS402でYES)、地絡故障が発生している旨判定を確定して(ステップS403)、処理を終了する。
なお、マイクロコンピュータ20は、地絡故障の発生している旨の判定を確定した場合には、モータ駆動回路30等の保護機能として、先の図2に示されるモータリレー36及び電源リレー37をそれぞれオフ(開動作)する。これにより、モータ15の誤動作及び損傷等が回避される。モータ15の回生ロック等も回避される。さらに、地絡故障が発生した旨を車室内に設けられる図示しないランプあるいはブザー等の作動を通じて報知することも可能である。
<PWM駆動制限の解除処理>
次に、先の図5のフローチャートにおけるステップS202の判断において、マイクロコンピュータ20が、第1のカウンタ24の値に基づき算出される時間が、1.6ms以上ではない旨判断した場合(ステップS202でNO)に実行されるPWM駆動制限の解除処理について説明する。
さて、図8のフローチャートに示されるように、マイクロコンピュータ20はまず、RAM23の所定領域に、地絡故障検出中である旨示すフラグがセットされた状態(オン状態)かどうかを判断する(ステップS501)。
マイクロコンピュータ20は、地絡故障検出中である旨示すフラグがセットされた状態(オン状態)である旨判断される場合(ステップS501でYES)には、実モータ端子電圧和Vaddの値が「0.7×電源電圧Vpig」の値よりも大きな値であるかどうかを判断する(ステップS502)。すなわち、当該ステップにおいて、マイクロコンピュータ20は、次の関係式の成立の有無の判断を通じて地絡故障が発生していない旨再度確認する。
・Vadd=Vm1+Vm2>0.7×電源電圧Vpig
ただし、右辺の「0.7」は、地絡故障の発生の有無に対する誤判定を回避するために設定される値(係数)であって、「1」より小さな値とされる。
マイクロコンピュータ20は、実モータ端子電圧和Vaddの値が「0.7×電源電圧Vpig」の値よりも大きな値である旨判断される場合には(ステップS502でYES)、地絡故障が発生していないとして、第3のカウンタ26をインクリメントして(ステップS503)、処理を終了する。これは、例えばモータ15のプラス端子側で地絡故障(本例では、短絡部の抵抗値は、0mΩとする。)が発生している場合、実モータ端子電圧和Vadd(=Vm1+Vm2)の値は、グランド電圧値に相当する値、例えば「0.1×Vpig」の値以下になる。すなわち、地絡故障が発生している場合には、実モータ端子電圧和Vaddが「0.7×電源電圧Vpig」の値よりも大きな値になることはないからである。
これに対して、マイクロコンピュータ20は、実モータ端子電圧和Vaddの値が「0.7×電源電圧Vpig」の値よりも大きな値ではない旨判断される場合には(ステップS502でNO)、第3のカウンタ26の値をクリアして(ステップS504)、処理を終了する。
第3のカウンタ26の値は、先の図5のフローチャートにおけるステップS202の判断において、地絡故障の検出判定に誤りのおそれがあると判断された場合(ステップS202でNO)に、当該判定が正しいかどうかを判定するために使用される。すなわち、マイクロコンピュータ20は、所定の制御周期で図8のフローチャートで示される処理を繰り返す。そして先のステップS502における判断において、実モータ端子電圧和Vaddの値が「0.7×電源電圧Vpig」の値よりも大きな値である旨継続して判断される場合には、当該処理が繰り返されるたびに第3のカウンタ26の値はインクリメントされる。このため、第3のカウンタ26の値が分かれば、マイクロコンピュータ20の制御周期(時間)に基づき、実モータ端子電圧和Vaddの値が「0.7×電源電圧Vpig」の値よりも大きな値である旨最初に判断されてからの経過時間を求めることが可能となる。地絡故障が発生している場合には、実モータ端子電圧和Vaddの値が「0.7×電源電圧Vpig」の値よりも大きな値になることはない。このため、例えば実モータ端子電圧和Vaddの値が「0.7×電源電圧Vpig」の値よりも大きな値となる状態がある程度の時間継続すれば、地絡故障は発生していないといえる。
そして前述したように、マイクロコンピュータ20は、先の図5のフローチャートにおけるステップS202において、第1のカウンタ24の値に基づき算出される時間が、1.6ms以上ではない旨判断した場合には(ステップS202でNO)、PWM駆動制限の解除処理を実行する。
すなわち、図5のフローチャートに示されるように、マイクロコンピュータ20は、第1のカウンタ24の値に基づき算出される時間が、1.6ms以上ではない旨判断した場合には(ステップS202でNO)、RAM23の所定領域に、地絡故障検出中である旨示すフラグがセットされた状態(オン状態)かどうかを判断する(ステップS207)。
マイクロコンピュータ20は、地絡故障検出中である旨示すフラグがセットされていない状態(オフ状態)である旨判断した場合(ステップS207でNO)には、PWM駆動制限を解除して(ステップS208)、処理を終了する。
これに対して、マイクロコンピュータ20は、地絡故障検出中である旨示すフラグがセットされている状態(オン状態)である旨判断した場合(ステップS207でYES)には、第3のカウンタ26の値が、例えば100ms以上であるかどうかを判断する(ステップS209)。
マイクロコンピュータ20は、第3のカウンタ26の値に基づき算出される時間が、例えば100ms以上ではない旨判断される場合には(ステップS209でNO)、先のステップS204へ処理を移行する。これに対して、マイクロコンピュータ20は、第3のカウンタ26の値が、例えば100ms以上である旨判断される場合には(ステップS209でYES)、地絡故障検出中である旨示すフラグをオフ状態とする(ステップS210)。そしてこの後、マイクロコンピュータ20は、PWM駆動制限を解除して(ステップS208)、処理を終了する。
なお、先のステップS209において、地絡故障が発生していない旨再判定する際の基準となる第3のカウンタ26の値に基づき算出される時間(100ms)は、各FET31〜34の耐電流性能(200A−100ms)に基づき設定される。これにより、各FET31〜34を確実に保護可能となる。
ここで、先の図5のフローチャートにおけるステップS202の判断において、マイクロコンピュータ20が、第1のカウンタ24の値に基づき算出される時間が、1.6ms以上ではない旨判断した場合(ステップS202でNO)に、即時にPWM駆動制限を解除することも考えられる。しかし、この場合には、背景技術の欄にも記載したように、モータ15に発生する逆起電圧等に起因して、地絡事故が発生しているにもかかわらず、前述した地絡検出条件から外れる、正確には先の「1.実モータ端子電圧和Vadd≦検出スレッショルド電圧Vh」の関係式が成立しない旨誤判定される状況が存在する。先の図3に示される場合には、プラス端子電圧Vm1の値が増大することにより当該状況が発生し得る。そしてこれも前述したように、地絡検出条件から外れた旨誤判定された場合であれ、各FET31〜34の駆動制限(PWM制限)が即時に解除されるため、各FET31〜34、ひいてはモータ駆動回路30の保護が好適に行われない状況の発生が懸念される。
この点、本例によれば、地絡検出条件から外れた場合(ステップS202でNO)に、即時にPWM駆動制限を解除するのではなく、再度の地絡判定処理を実行することにより、モータ15に発生する逆起電圧等に起因する誤判定が抑制される。すなわち、このような誤判定が発生する状況としては、前述したように、例えばロックエンドに保持されていたステアリングホイールがその中立位置(直進位置)側へ逆回転された場合が想定されるところ、当該ステアリング操作に伴いモータ15に逆起電圧が発生する時間はわずかであると考えられる。このため、地絡故障が発生していれば、モータ15の端子電圧は再びグランド電位まで低下する。したがって、地絡故障の判定期間中に、正常な端子電圧がある程度の時間にわたって検出されたときに、はじめて地絡故障は発生していないとして、PWM駆動制限を解除することにより、前述した逆起電圧の発生等に起因して正常と誤認識することを抑制することができる。
<実施の形態の効果>
したがって、本実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)PWM駆動制限を、正常と誤認識した瞬間に解除するのではなく、PWM駆動制限の解除条件(第3のカウンタ26の値に基づき算出される時間)を別途設け、正常と誤検出した場合に即時にPWM駆動制限を解除しないようにした。すなわち、ステアリングホイール2の逆回転による逆起電圧の発生は、長くは継続しないと想定される。すなわち実モータ端子電圧和Vaddの値が瞬間的に正常値になったとしても、本当に故障していれば、グランド電位まで再び低下する。これを見てPWM駆動制限を本当に解除するかどうかを判定することにより、逆起電圧に起因するPWM駆動制限の解除条件が成立する旨誤判定を抑制することができる。
(2)先のステップS209(図5参照)において、地絡故障が発生していない旨再判定する際の基準となる第3のカウンタ26の値に基づき算出される時間(100ms)は、各FET31〜34の耐電流性能に基づき設定するようにした。本例では、各FET31〜34の耐電流性能が200A−100msであるので、地絡故障が発生していない旨再判定する際の基準となる第3のカウンタ26の値に基づき算出される時間を100ms以上とした。これにより、各FET31〜34を確実に保護可能となる。
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。本例は、基本的には先の図1及び図2に示される構成と同様の構成を備えてなる。また、地絡検出処理の内容についても、基本的には先の図4〜図8のフローチャートに示される処理手順と同様である。
本例は、図11のフローチャートに示されるように、検出スレッショルド電圧Vhの算出処理(ステップS101)に先立ち、検出スレッショルドゲインGの設定処理(ステップS100)を実行する点で、前記第1の実施の形態と異なる。
すなわち、ステップS100において、マイクロコンピュータ20は、図12(a)に示されるマップに基づき、電源電圧Vpigの値に応じて検出スレッショルドゲインGの値を設定する。具体的には、図12(b)の表に示されるように、マイクロコンピュータ20は、電源電圧Vpigの値が8V未満である場合には、検出スレッショルドゲインGの値を1.0とし、電源電圧Vpigの値が8V以上である場合には、検出スレッショルドゲインGの値を0.7とする。ちなみに、前記第1の実施の形態においては、検出スレッショルドゲインGの値は一律に0.7とされていた。なお、図12(a)に示されるマップは、ROM22(図2参照)に格納される。
この構成によれば、電源電圧Vpigの値が小さい領域(本例では、8V未満)における地絡検出領域が拡大される。換言すれば、地絡等の故障が発生した際に想定される電源電圧の値を境界値(本例では8V)として、実際の電源電圧Vpigの値が境界値未満である場合には、同じく境界値以上である場合よりも大きな値に、検出スレッショルドゲインGの値が設定される。すなわち、電源電圧Vpigの値が8V未満の領域においては、検出スレッショルドゲインGの値が大きくされる分、ステップS101で算出される検出スレッショルド電圧Vhの値が大きくなる。換言すれば、先の図3に示される下側の折れ線を上側へシフトする。このため、地絡故障をいっそう検出しやすい状態とすることができる。このため、前述した逆起電力の発生に起因して例えばプラス端子電圧Vm1の値が増大した場合であれ、地絡検出条件からはずれにくくなる。したがって、モータ15に発生する逆起電圧等に起因して、地絡事故が発生しているにもかかわらず、地絡検出条件から外れた旨誤判定することが抑制される。また、故障の検出精度が高められる。故障の早期検出も可能になる。
なお、図12(b)に示される検出スレッショルドゲインGの値は適宜変更して設定してもよい。本例では、地絡故障が発生した場合には、電源電圧Vpigの値が例えば8V以下の値に低下することに基づき、電源電圧Vpigの値が8Vになったときを境として、検出スレッショルドゲインGの値を増大させている。
<他の実施の形態>
なお、前記両実施の形態は、次のように変更して実施してもよい。
・本例では、地絡故障が発生した場合について説明したが、例えば天絡故障(FETと電源との間の短絡)等の検出に適用することも可能である。また、グランド側且つ非駆動側のFETの短絡故障の検出に適用することも可能である。故障判定条件等については、製品仕様等(マイクロコンピュータの内部抵抗、スイッチング素子性能、バッテリと電子制御装置との間のハーネス抵抗、モータと電子制御装置との間のハーネス抵抗等)に応じて適宜設定する。
・前記第2の実施の形態では、前記第1の実施の形態を前提として構成したが、次のようにしてもよい。すなわち、先の図5のフローチャートにおけるステップS202の判断において、マイクロコンピュータ20は、第1のカウンタ24の値に基づき算出される時間が、1.6ms以上ではない旨判断した場合には(ステップS202でYES)、即時にPWM駆動制限を解除する(ステップS208)。この場合、図5のフローチャートにおけるステップS203、ステップS207、ステップS209、ステップS210の各処理、並びに図8のフローチャートに係る全ての処理を省略することができる。このため、マイクロコンピュータ20による故障検出処理に係る処理負担が軽減される。なお、このようにした場合であれ、図12(a)に示されるマップに基づき、電源電圧Vpigの値に応じて検出スレッショルドゲインGの値が設定されるので、前述した逆起電力の発生に起因して例えばプラス端子電圧Vm1の値が増大した場合であれ、地絡検出条件からはずれにくくなるという効果を得ることができる。したがって、モータ15に発生する逆起電圧等に起因して、地絡事故が発生しているにもかかわらず、地絡検出条件から外れた旨誤判定することが抑制される。
・本例では、第1〜第3のカウンタ24〜26のカウントアップ時の増分を「1」としたが、この増分は「1」以外の値でもよい。例えば第1〜第3のカウンタ24〜26の増分を、「2」あるいは「3」等の値に設定してもよい。また、第1〜第3のカウンタ24〜26のクリアについては、他のカウンタの状態によって、クリアまたは「1」あるいは「1」以外の値にカウントダウンするようにしてもよい。
<他の技術的思想>
次に、前記実施の形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
・請求項1又は請求項3に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置において、前記制限解除条件は、前記モータの端子電圧が故障発生時には取り得ない電圧値となる状態が一定時間にわたって継続して検出されることを含んで設定されてなる電動パワーステアリング装置の制御装置。この構成によれば、故障検出条件から外れた旨の誤判定を好適に抑制することができる。
1…電動パワーステアリング装置、15…モータ、31,32,33,34…FET(スイッチング素子)、20…マイクロコンピュータ(制御装置)。

Claims (5)

  1. 複数のスイッチング素子のスイッチング制御を通じて車両の操舵系に作動連結されるモータの駆動を制御することにより当該操舵系にステアリング操作を補助する操舵補助力を付与する電動パワーステアリング装置の制御装置において、
    前記モータの端子電圧に基づき設定される故障検出条件が成立する旨判定される状態が一定時間にわたって検出される場合には前記スイッチング素子のスイッチング制御の実行を制限するとともに、当該制限された状態で前記故障検出条件が非成立である旨判定される場合には、前記モータの端子電圧に基づき設定される制限解除条件が成立する旨判定されるときにのみ、前記スイッチング制御の実行の制限を解除する電動パワーステアリング装置の制御装置。
  2. 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置において、
    前記故障検出条件は、前記モータの端子電圧が故障発生の有無の判定基準となる電圧判定閾値以下であることを含み、当該電圧判定閾値は電源電圧の理論値及び前記スイッチング素子のデューティ比に基づき推定されるその時々の前記モータの端子電圧に0より大きく且つ1以下の値である係数を乗じることにより一定の制御周期毎に算出される値であって、当該係数は、故障が発生した際に想定される電源電圧の値を境界値として、実際の電源電圧の値が前記境界値未満である場合には、同じく前記境界値以上である場合よりも大きな値に設定する電動パワーステアリング装置の制御装置。
  3. 複数のスイッチング素子のスイッチング制御を通じて車両の操舵系に作動連結されるモータの駆動を制御することにより当該操舵系にステアリング操作を補助する操舵補助力を付与する電動パワーステアリング装置の制御装置において、
    前記モータの端子電圧に基づき設定される故障検出条件が成立する旨判定される状態が一定時間にわたって検出される場合には前記スイッチング素子のスイッチング制御の実行を制限するとともに、当該制限された状態で前記故障検出条件が非成立である旨判定される場合には前記スイッチング制御の実行の制限を即時に解除するようにし、
    前記故障検出条件は、前記モータの端子電圧が故障発生の有無の判定基準となる電圧判定閾値以下であることを含み、当該電圧判定閾値は電源電圧の理論値及び前記スイッチング素子のデューティ比に基づき推定されるその時々の前記モータの端子電圧に0より大きく且つ1以下の値である係数を乗じることにより一定の制御周期毎に算出される値であって、当該係数は、故障が発生した際に想定される電源電圧の値を境界値として、実際の電源電圧の値が前記境界値未満である場合には、同じく前記境界値以上である場合よりも大きな値に設定する電動パワーステアリング装置の制御装置。
  4. 請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置において、
    前記故障検出条件は、前記モータの端子と前記スイッチング素子との間の地絡故障を検出するべく設定されてなる電動パワーステアリング装置の制御装置。
  5. 請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置において、前記モータはブラシ付モータである電動パワーステアリング装置の制御装置。
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