JP2011037015A - インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】全体が光沢性に優れ、且つ光沢ムラが大幅に低減された記録物を作製することが可能なインクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】着色剤として顔料を含む、種類の異なる複数のカラーインクと、着色剤を含まないクリアインクとを記録媒体上に付与することにより画像を形成するインクジェット記録方法。記録媒体の単位領域に付与される複数のカラーインクそれぞれの量に基づき、単位領域に付与されるクリアインクの量を調節する。単位領域に付与されるカラーインクの量だけでなくその種類にも基づいてクリアインクの量を調節するので、単位領域毎のクリアインク付与量をより適切化でき、光沢ムラを大幅に低減できる。
【選択図】図4
【解決手段】着色剤として顔料を含む、種類の異なる複数のカラーインクと、着色剤を含まないクリアインクとを記録媒体上に付与することにより画像を形成するインクジェット記録方法。記録媒体の単位領域に付与される複数のカラーインクそれぞれの量に基づき、単位領域に付与されるクリアインクの量を調節する。単位領域に付与されるカラーインクの量だけでなくその種類にも基づいてクリアインクの量を調節するので、単位領域毎のクリアインク付与量をより適切化でき、光沢ムラを大幅に低減できる。
【選択図】図4
Description
本発明はインクジェット記録方法および記録装置に係り、特に、光沢性に優れた記録物を作成するのに好適なインクジェット記録方法および記録装置に関する。
インクジェット記録方法は、インクの小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体上に付着させて記録を行うものであり、近年の技術進歩により高精細印刷の分野でも広く適用されるようになってきている。近年は、耐光性、耐ガス性、耐水性等に優れる顔料インクが使用されることが多くなってきている。銀塩写真調の高精細画質を得るべく開発されたインクジェット光沢紙のような表面が平滑な記録媒体上に顔料インクで記録した場合、顔料インク中の顔料粒子による光の乱反射により、記録部分の発色性や光沢性が損なわれるという問題がある。
この問題を解決するため、透明樹脂で記録物を被覆する方法が開発されている。例えば特許文献1に記載のインクジェット記録方法においては、顔料インクの付与量に応じてクリアインクの付与量を決めている。顔料インク付与量が多い部分ではクリアインク付与量を減らし、顔料インク付与量が少ない部分ではクリアインク付与量を増やし、記録物全体において単位面積あたりの合計インク付与量を均一にしている。これは記録物上の光沢性の均一化を目的としている。
しかしながら、本発明者の検討によれば、顔料インクの種類によってもクリアインクの浸透性及び樹脂成分の表層への残存状態は異なると考えられ、単位面積あたりの合計インク付与量を均一にしただけでは光沢ムラができてしまうと考えられる。また、顔料インクが所定量(合計インク付与量の目標値)付与されている部分ではクリアインクは付与されず、顔料インク自体の持つ光沢性までは向上させられない。クリアインクは、顔料インク塗布部に過剰に付与すると必要以上に残ってしまい光沢性を下げてしまう。その為、顔料インクが所定量付与されている部分ではクリアインクを付与していないものと考えられる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、全体が光沢性に優れ、且つ光沢ムラが大幅に低減された記録物を作製することが可能なインクジェット記録方法およびインクジェット記録装置を提供することにある。
本発明の一形態によれば、着色剤として顔料を含む、種類の異なる複数のカラーインクと、着色剤を含まないクリアインクとを記録媒体上に付与することにより画像を形成するインクジェット記録方法であって、前記記録媒体の単位領域に付与される前記複数のカラーインクそれぞれの量に基づき、その単位領域に付与される前記クリアインクの量を調節することを特徴とするインクジェット記録方法が提供される。
本発明の他の形態によれば、着色剤として顔料を含む、種類の異なる複数のカラーインクと、着色剤を含まないクリアインクとを記録媒体上に付与する記録手段を用いて画像を形成するインクジェット記録装置であって、前記記録媒体の単位領域に付与される前記複数のカラーインクそれぞれの量に基づき、前記単位領域に付与される前記クリアインクの量を調節する調節手段を備えることを特徴とするインクジェット記録装置が提供される。
本発明によれば、全体が光沢性に優れ、且つ光沢ムラが大幅に低減された記録物を作製することができるという、優れた効果が発揮される。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳述する。
図1に、本実施形態において使用されるシリアル型インクジェット記録装置を示す。図中1〜5は記録ヘッドであり、これら記録ヘッド1〜5には、インクを吐出する吐出口(又はノズル)およびインクを吐出するための熱エネルギーを発生する電気熱変換体が複数配列されている。11〜15はインクタンクであり、これらインクタンク11〜15にはそれぞれブラック(Bk)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(Cy)およびクリア(Cl)のインクが収容されている。これらインクタンク11〜15はそれぞれ記録ヘッド1〜5にインクを供給する。これら記録ヘッド1〜5及びインクタンク11〜15はカートリッジに一体化され、キャリッジ6はこのカートリッジを搭載した状態で走査方向A(図の左右方向)に移動走査される。
キャリッジ6の移動走査は、連動する駆動ベルト7を介し、ガイドシャフト8およびリニアエンコーダ9により案内支持されながら、キャリッジモータ10の駆動により行われる。このとき、キャリッジ6の移動に伴って、リニアエンコーダ9からは記録ヘッド1〜5の記録素子を駆動するタイミングが読みとられ、記録ヘッド1〜5内部の電気熱変換体には、このタイミングに従った駆動信号が転送される。
この駆動信号によって記録ヘッド1〜5の電気熱変換体が急速に加熱され、これに接するインク内に発泡が起こり、この発泡体積の膨張に応じた量のインク滴が吐出口から飛翔することで、インクの吐出が行われる。
かかる駆動信号を含む記録ヘッド1〜5への制御信号は、フレキシブルケーブル16を介して送られる。
他方、記録がなされる記録媒体Eは、不図示の搬送ローラを経て排紙ローラ17に挟持されながら搬送モータ18の駆動に伴い、副走査方向B(図の矢印方向)に送られる。なお副走査方向Bは、搬送方向とも称され、走査方向Aと直交している。記録媒体Eは様々な種類のものであってよく、例えば紙、普通紙、高品位の記録画像を得るのに適した専用紙、OHPシート、光沢紙、光沢フィルムまたは葉書であってよい。
図2に、記録ヘッド1〜5における記録素子の構造を示す。記録素子21は、複数の電気熱変換体22が形成されたヒータボード23と、このヒータボード23上に積層され、インクの流路を形成する天板24とから概略構成されている。天板24には、複数の電気熱変換体22にそれぞれ対応した複数の吐出口(ノズル)25が形成されており、各吐出口25の後方には、各吐出口25に連通するトンネル状の液路26が複数形成されている。また、各液路26は、その後方において1つのインク液室(図示せず)に共通に配路されており、更にインク液室にはインク供給口およびインクチューブ(いずれも図示せず)を介していずれかのインクタンク11〜15からインクが供給されている。
図3に、インクジェット記録装置の制御系の構成を示す。31は画像データ入力部であり、スキャナやデジタルカメラ等から入力された画像データや、パーソナルコンピュータのハードディスク等に保存されている画像データを入力する手段である。32は操作部であり、オペレータが各種パラメータの設定および記録の開始等を指示するための各種キーを備えている。33は中央処理装置であるCPUで、記憶媒体34中のプログラムに従って記録装置全体の制御を行う。
記憶媒体34には、ROM、FD、CD―ROM、HD、メモリカードおよび光磁気ディスクなどを適用することができる。記憶媒体34に格納される記憶内容としては、記録媒体の種類に関する情報34a、インクに関する情報34bが含まれる。また、不良ノズルの有無および位置に関する情報34c、記録時の温度や湿度などの環境に関する情報34d、および各種の制御プログラム34eなども含まれる。
35はRAMであり、記憶媒体34に格納された各種プログラムを実行する際のワークエリアとして、またエラー処理時における所要データの一時退避エリアとして利用される。更にRAM35には、記憶媒体34に格納された各種データを一時コピーしておくことも出来る。CPU33は、記憶媒体34内におけるこのコピー済みのデータ内容を変更したり、更に変更後のデータを参照しながら画像処理を進めることも可能である。
36は画像データ処理部である。この画像データ処理部36は、画像データ入力部31から入力された多値の画像データを、記録ヘッドが記録可能なより低レベル値の吐出データに変換する量子化処理等を行う。例えば、画像データ入力部31から入力されてきたデータが、8bit(256階調)×3色(RGB)で表現される多値画像データであった場合に、画像データ処理部36においてはまずこれを4枚(CyMYBk)のグレースケールデータに分割する。次に、分割された各色のグレースケールデータに基づいて、対応する記録ヘッドが記録可能なドット配置データに変換する。ここで、記録ヘッドが吐出と不吐出の2つの情報でのみ記録可能な場合は、記録及び非記録のどちらか一方に定義付けされたパターンに従って、データを2値に変換する。また、記録ヘッドが複数段階に分けて吐出量の制御が可能である場合には、記録可能な段階数までデータ値を低減する。このとき、適用される減色の方法としては、一般的に知られている多値誤差拡散法を用いてもよい。またこの他にも平均濃度保存法やディザマトリックス法等、任意の中間調処理方法を適用することができる。
更に、マルチパス記録を行う場合や記録ヘッドが同一色のノズル列を複数有する場合には、画像データ処理部36において更なる画像分割が行われる。すなわち、マルチパス記録の場合には複数の記録走査に、複数ノズルを有する場合にはそのノズル列に、吐出を分散する。その方法は、前記グレースケールデータを作成する際により多くの(濃度の低い)データに分割する場合や、前記ドット配置データに対してパス毎・ノズル列毎に定めたマスクを積算する方法などがある。
37は画像出力を行う画像記録部であり、画像データ処理部36で作成された吐出パターンに従って記録ヘッドを駆動するためのパルスを発生し、記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させる。
38は各種データを転送するバスであり、記録装置内のアドレス信号、データおよび制御信号などを伝送する。
次に、上記インクジェット記録装置を用いた本実施形態のインクジェット記録方法について説明する。
本実施形態のインクジェット記録方法においては、着色剤として顔料を含むカラーインクと、着色剤を含まないクリアインクとを用い、これらインクを紙などの記録媒体上に付与または吐出することにより画像を形成する。ここでカラーインクは、インクタンク11〜14にそれぞれ収容された種類ないし色の異なるブラック(Bk)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)およびシアン(Cy)のインクであり、クリアインクはインクタンク15に収容されたクリア(Cl)のインクである。特に本実施形態では、ビニル樹脂(スチレンアクリル酸系樹脂、酸価140)を水に溶解し、有機溶剤、界面活性剤を含有させてなるクリアインクを使用するのが好適である。
クリアインクは、カラーインク記録面及び記録媒体上に付与することにより、皮膜化し、記録表面を滑らかにすることで光沢性を向上させる。一方、本発明者の検討によれば、クリアインク付与部分のカラーインク及び記録媒体の種類により、所定の光沢度を得るのに必要なクリアインク付与量が異なることが明らかになった。
図4は試験結果の一例である。ここでは各種類すなわち各色Bk,Cy,M,Yのカラーインクの75%デューティー記録物と、カラーインクが付与されていない無記録物すなわち記録媒体(紙)自体とに、クリアインクを付与している。そしてその上で、クリアインクの付与量すなわちデューティーを変化させ、各クリアインク付与量に対する20度光沢度を調べている。図4より、20度光沢度を所定の目標値(ここでは60)とするのに必要なクリアインク付与量は、カラーインクの種類すなわち色によって異なることがわかる。そして記録媒体の種類によってもその必要なクリアインク付与量は異なる。
また、カラーインクの種類だけでなく、カラーインクの付与量によっても、目標値に等しい光沢度を得るのに必要なクリアインク付与量は異なる。図5は試験結果の一例であり、シアン(Cy)インクを25%、50%、75%デューティーで印字した記録物それぞれに、クリアインクを付与したときの20度光沢度を示す。図5より、20度光沢度が目標値となるために必要なクリアインク付与量が、カラーインク付与量によって異なることがわかる。
以上より、記録物の光沢性を向上させつつ光沢ムラを低減するためには、記録媒体の微小な単位領域(或いは単位面積)に付与されるカラーインクの量だけでなく、その種類にも基づいて、クリアインクの付与量を調節するのが望ましい。従ってこれを実行するのが本実施形態である。以下、具体的な記録方法について説明する。
まず、図6を用いて、制御系で実行される画像データの入力からインク付与までの手順を説明する。
最初に、画像データ入力部31に入力されてきた入力画像データ40に対し、画像データ処理部36において、カラーインクの各色毎に単色処理をおこない、色及び記録媒体毎の位置情報、濃度情報をもつグレースケールデータ41を作成する。
こうして得られたグレースケールデータ41の各単位領域毎のカラーインクのデューティーに基づいて、各単位領域に対するクリアインクの付与量を決定する。この決定プロセスでは、クリアインク付与量決定用テーブル44が参照される。なお後述の実施例で使用される具体的なクリアインク付与量決定用テーブル44は、図8および図9に示す通りである。
このテーブル44は、単位領域に付与されるカラーインクの量および種類(具体的には色)と、その同一の単位領域に付与されるクリアインクの量との間の関係を規定している。なおカラーインクの量がゼロである場合も含み、この場合には、記録媒体Eの単位領域あたりに付与されるクリアインクの量が規定されている。なお、このような関係ないしクリアインク量は、記録媒体Eの種類毎に規定してもよい。
またこのテーブル44は、単位領域における20度光沢度が所定の目標レベルとなるようなクリアインクの量を規定している。本実施形態の場合、目標レベルは、20度光沢度において60からそれを上回る同等レベルの所定値までの範囲とされている。
そしてテーブル44は、例えば図4および図5の試験結果等に基づいて予め作製され、且つ記憶媒体34に記憶されている。このテーブル44の内容に従って、単位領域毎に、クリアインクの付与量が決定される。こうしたテーブル44を用いてクリアインク付与量を決定することにより、カラーインクの量および種類に応じたクリアインク付与量を容易且つ適切に決定することができる。
次に、決定されたクリアインク付与量を、これに対応したデューティーに変換し、クリアインク付与量データ42を作成する。なお前記決定プロセスでクリアインク付与量をデューティーの単位を有するものとして直接導出してもよい。さらにクリアインク付与量データ42を二値化しマスク処理することで、クリアインク付与用二値画像データ43を得る。
このように生成されたクリアインク付与用二値画像データ43を、必要に応じ所定の情報を付加して画像記録部37に送信する。そして各単位領域毎に、カラーインク用記録ヘッド1〜4からカラーインクを吐出させ、カラーインクを印刷した直後に、クリアインク用記録ヘッド5からクリアインクを吐出させ、クリアインクを付着させる。この動作を単位領域毎に繰り返し実行し、且つ記録媒体Eの記録領域全体に対し実行する。ここで記録領域とは、カラーインクおよびクリアインクの少なくとも一方が付与される領域であり、つまり記録媒体Eから余白の部分を除いた部分である。
これにより、単位領域に付与されるクリアインクの量は、その単位領域に付与されるカラーインクの量および種類に基づき調節されることとなる。なおカラーインクの量および種類とクリアインク量との関係を記録媒体Eの種類毎に規定した場合には、さらに記録媒体Eの種類にも基づいてクリアインク量が調節されることとなる。
記録領域においては、カラーインクの付与領域および無付与領域のいずれも、結果的に目標レベルに等しい均一な光沢度を有するようになる。また記録領域内の個々の単位領域全てにおいて、目標レベルに等しい均一の光沢度を有するようになる。そのため、記録領域全体で見て、光沢ムラを大幅に低減することが可能となる。つまり個々の単位領域に対し一定光沢度となるようにクリアインクを付与するので、記録領域全体における光沢度のバラツキを大幅に低減することができる。さらにクリアインクの過剰付与、およびこれに起因した光沢性低下も確実に防止することが可能である。
よって、全体が光沢性に優れ、且つ光沢ムラが大幅に低減された記録物を作製することが可能である。
なお、補足すると、「デューティー」とは、デューティー(%)=実印字ドット数/(縦画素数×横画素数)×100の式で算出される値である。式中、「実印字ドット数」は単位領域あたりの実印字ドット数である。また「縦画素数」及び「横画素数」はそれぞれ単位領域あたりの縦画素数及び横画素数である。
ちなみに、後述の実施例のように8パスのマルチパス記録を行う場合、単位領域の縦画素数は記録ヘッドのノズル配列長の1/8相当とすることができる。また単位領域の横画素数は縦画素数と同じ画素数とすることができる。ここで縦画素列の解像度は1200dpi、横画素列の解像度は2400dpiである。
ところで、上記方法でクリアインクを付与すると、クリアインクが浸透しやすい部分(例えば記録媒体が露出した部分)が目止めされて浸透しにくくなり、記録領域全体のクリアインクの浸透しやすさが均一になると考えられる。また、浸透性の高いクリアインクであっても複数回に分けて塗布することで記録媒体上にクリアインクが残りやすくなることがわかっている。
したがって、単位領域にカラーインクおよびクリアインクの少なくとも一方を付与した後、その同一の単位領域に一定量のクリアインクをさらに付与(オーバーコート)するのも好ましい。この場合、クリアインク用記録ヘッド5の複数の吐出口25を2グループに分け、第1グループで1回目のクリアインク付与を行い、第2グループで2回目の付与を行ってもよい。こうすると1走査でオーバーコートを同時に実行することができる。或いは、記録媒体全体の1回目のクリアインク付与を終えた後、記録媒体を最初の記録開始位置に戻して再度搬送し、2回目のクリアインク付与を行ってもよい。
このようなオーバーコートを実行することで、記録面をさらに滑らかな状態に被膜でき、より光沢性が向上した記録物を得ることができる。オーバーコートに用いる単位領域毎のクリアインク量は一定量であるので、オーバーコート実行による光沢ムラの発生も抑止可能である。
以下に、本発明の実施例を示す。
<カラーインク>
着色剤としての顔料を含有する以下のインクである。
ブラック : PFI-103Bk(キヤノン製)
マゼンタ : PFI-101M(キヤノン製)
イエロー : PFI-101Y(キヤノン製)
シアン : PFI-101C(キヤノン製)
<クリアインク>
スチレンアクリル酸系樹脂(酸価140) 4部
1,2−ヘキサンジオール 7.5部
界面活性剤(BYK333) 1部
純水 残部
光沢性の評価には20度光沢度計((株)村上色彩技術研究所製GMX−203)を用いた。記録媒体は、光沢タイプのインクジェット記録用紙(三菱製紙製UF170)を使用した。
<カラーインク>
着色剤としての顔料を含有する以下のインクである。
ブラック : PFI-103Bk(キヤノン製)
マゼンタ : PFI-101M(キヤノン製)
イエロー : PFI-101Y(キヤノン製)
シアン : PFI-101C(キヤノン製)
<クリアインク>
スチレンアクリル酸系樹脂(酸価140) 4部
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界面活性剤(BYK333) 1部
純水 残部
光沢性の評価には20度光沢度計((株)村上色彩技術研究所製GMX−203)を用いた。記録媒体は、光沢タイプのインクジェット記録用紙(三菱製紙製UF170)を使用した。
図7に、本実施例で使用する画像を示す。この画像は、ブラック色領域51、マゼンタ色領域52、シアン色領域53、イエロー色領域54、及び記録媒体Eの地色である白色領域55から成る。白色領域55を除く各色領域の濃度は解像度1200×2400dpiにおける75%デューティーである。
前述したように、クリアインク付与量を決定する際には、クリアインク付与量決定用テーブル44を参照する必要がある。以下にこのテーブルの作製方法を示す。
インクジェットプリンタ(キヤノン製BJF900)に、上記ブラック、マゼンタ、イエロー、シアンの4色カラーインクと、上記クリアインクとを搭載する。そしてインクジェット記録用紙の被記録面に対して、各色カラーインクを用い、解像度1200×2400dpiにて、75%デューティーの画像をマルチパスで8回(8パス)に分けて記録する。その直後にクリアインクを0〜100%デューティーで1回塗布する。
こうして作成された記録物の各印字部分についての入射角20度における鏡面光沢度を、光沢度計を用いて測定する。この結果は図4に示した通りである。
上記結果より、各カラーインク75%印刷物及び記録媒体上において20度鏡面光沢度が目標レベルとなるような、単位領域当たりのクリアインク付与量、すなわちクリアインクデューティーを決定する。決定されたクリアインク付与量は図8に示す通りである。なお図中、グラフの縦軸の単位はデューティー%である。この図8に示すテーブルをクリアインク付与量決定用テーブル44として用いる。
次に、本実施例に係るインクジェット記録方法を図9を参照しつつ説明する。
まず、画像データ入力部31に入力されてきた入力画像データ50に対し、画像データ処理部36において、カラーインク4色の色毎に単色処理をおこない、色及び記録媒体における位置情報、濃度情報をもつグレースケールデータ56を作成する。
こうして得られたグレースケールデータ56の各情報と、各カラーインク及び記録媒体毎に予め取得しておいたクリアインク付与量決定用テーブル44により、各単位領域毎に、クリアインク付与量データ57を作成する。本実施例で印刷するカラー印刷部は各色とも75%デューティーであるので、図8に示すクリアインク付与量決定用テーブル44が使用される。
次いで、クリアインク付与量データ57を二値化しマスク処理することで、クリアインク付与用二値画像データ58を得る。
こうして生成されたクリアインク付与用二値画像データ58を、インクジェットプリンタの画像記録部37に送信する。そしてカラーインク4色を8回に分けて印刷した後、クリアインクをクリアインク付与用二値画像データ58に従って付与する。
例えば、シアンCyが印刷された領域には、テーブル44に従って50%デューティーのクリアインクが付与される。同様に、マゼンダMが印刷された領域には40%デューティーのクリアインクが、イエローYが印刷された領域には20%デューティーのクリアインクが付与される。ブラックBkが印刷された領域には、テーブル44によれば0%デューティーであるので、クリアインクは付与されない(即ち、0%デューティーのクリアインクが付与される)。いずれの色も印刷されていない領域には、紙に対する60%デューティーのクリアインクが付与される。こうして記録領域の何れの箇所においても光沢度が一定の目標レベルとなるようにクリアインク付与量が調節され、結果的に記録領域全体で光沢度が均一となり、光沢ムラが大幅に低減される。
なお、単位領域におけるカラーインクのドットパターンに対して、クリアインクのドットパターンは任意に設定可能である。例えば、カラーインクのドットパターンに拘わらずクリアインクのドットパターンをランダムに設定することができる。
この実施例では単位領域あたりに一色のカラーインクが一定量(75%デューティー)付与される場合を説明した。しかしながら、単位領域あたりに複数色のカラーインクが付与される場合や、単位領域あたりのカラーインク総量が異なる場合であっても、本発明は適用可能である。この場合、カラーインクの色の組み合わせ毎、付与量或いは付与量割合毎に、光沢度を目標レベルとするようなクリアインク付与量をテーブル等の形態で予め設定しておき、この関係に従ってクリアインク付与量を決定、調節すればよい。
以上、本発明の実施形態について述べたが、本発明は他の実施形態を採ることも可能である。例えばカラーインクの種類について、前記実施形態では色を例示したが、例えば含有成分等としてもよい。また光沢度について、前記実施形態では20度光沢度であったが、他の角度の光沢度、例えば60度光沢度等であってもよい。同様に光沢度の目標レベルも他の数値レベルに変更可能である。
本発明の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本発明に含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1〜5 記録ヘッド
11〜15 インクタンク
44 クリアインク付与量決定用テーブル
E 記録媒体
11〜15 インクタンク
44 クリアインク付与量決定用テーブル
E 記録媒体
Claims (6)
- 着色剤として顔料を含む、種類の異なる複数のカラーインクと、着色剤を含まないクリアインクとを記録媒体上に付与することにより画像を形成するインクジェット記録方法であって、前記記録媒体の単位領域に付与される前記複数のカラーインクそれぞれの量に基づき、前記単位領域に付与される前記クリアインクの量を調節することを特徴とするインクジェット記録方法。
- 前記単位領域における光沢度が所定の目標レベルとなるように、前記クリアインクの量を調節することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
- 前記単位領域に付与される前記カラーインクそれぞれの量と、前記単位領域に付与される前記クリアインクの量との間の予め定められた関係に基づき、前記単位領域に付与される前記クリアインクの量を決定することを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録方法。
- 前記複数のカラーインクは、それぞれ色が異なることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記単位領域に前記複数のカラーインクおよび前記クリアインクの少なくとも一方を付与した後、前記単位領域に前記クリアインクをさらに付与することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 着色剤として顔料を含む、種類の異なる複数のカラーインクと、着色剤を含まないクリアインクとを記録媒体上に付与する記録手段を用いて画像を形成するインクジェット記録装置であって、前記記録媒体の単位領域に付与される前記複数のカラーインクそれぞれの量に基づき、前記単位領域に付与される前記クリアインクの量を調節する調節手段を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
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