JP6679243B2 - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は画像形成装置及び画像形成方法に関する。特に、インクジェット記録方式による有色インクの付与とは別に無色透明なクリアインクを付与して、印刷画像の光沢度を任意に制御できる画像形成装置及び画像形成方法に関する。
近年、インクジェット記録に用いられるインクは、画像の耐光性や耐水性を飛躍的に向上させるため、染料インクに換えて顔料を色材として含有する顔料インクの開発が進められている。しかし、顔料は水等の溶媒に溶解しにくいことから、記録媒体の内部へは浸透せず、記録媒体の表面に残存する傾向がある。表面平滑性の高い記録媒体に記録を行うと、顔料粒子が記録媒体表面に堆積し、記録部分のみ平滑性が損なわれる結果になる。また、記録媒体上に形成する画像の濃度や色に応じて色材の使用量が異なり、顔料が記録媒体を被覆する面積に変化が生じる。つまり、顔料の反射率と記録媒体の反射率は異なるから、記録媒体表面の平滑性の違いや、顔料が記録媒体を被覆する面積の違いにより光沢の差違が発生する。
顔料インクを用いた画像形成においては、1つの画像内に光沢が異なる領域が混在する。つまり、光沢ありと観察されるグロス領域と、光沢なしと観察されるマット領域とが1つの画像内に混在することになり、このような光沢の変化は「光沢むら」として認識される。特に写真画質を印刷した場合には、光沢むらは画像不良として認識される。
この問題を解決するために、顔料インク画像を無色透明なクリアインクでオーバーコートする方法がいくつか提案されている。例えば、特許文献1には、記録媒体の非記録部や低デューティー部にクリアインクを付与することによって、光沢度を向上させる方法が開示されている。
さらには、高い光沢度を持つ印刷物を得るだけでなく、同じ記録媒体において、ユーザーの好みや用途等に応じて、光沢の程度を制御する要望も高まりつつある。つまり、クリアインクの記録媒体への付与方法を調整することなどにより、光沢感のある画像を出力にしたり、光沢のないマット調の画像を出力したりできる装置が求められている。特許文献2には、クリアインクを用いて所定のテストパターンを記録させ、その記録パターンの光沢感に基づいてクリアインクのインク量を決定する方法が開示されている。
また、複数のクリアインクを使用するものとして、特許文献3に2種類以上のクリアインクを用いて各クリアインクの打ち込み量を画素毎にランダムに設定することで、クリアインクを使用したときの干渉色を抑制する方法が開示されている。
特開2004−306557号公報 特開2005−231350号公報 特開2012−49719号公報
しかしながら、上記特許文献のいずれの方法を用いたとしても、クリアインクを用いて、光沢むらを抑制しつつ、光沢度を任意に制御するには至らなかった。
図1は従来例において、光沢制御と光沢むらの両立ができない理由を説明するための模式図である。図1における升目は記録画像の1画素を表しており、クリアインクのみが打ち込まれた箇所1、顔料インクが打ち込まれた箇所2、それら両方が打ち込まれた箇所3、両方とも打ち込まれていない箇所4の4種類に区分して示している。なお、図1は模式的に表したものであり、実際には、インクのドット形状は円形をしており隣接する画素に打ち込まれたインクは重なり合っている。
特許文献2においては、1種類のクリアインクで光沢を制御するものであり、図1(a)のように顔料インクが打ち込まれた箇所及び顔料インクが打ち込まれていない箇所の全てにクリアインクが打ち込まれ(図中の1及び3)た場合には、印刷物表面はすべてクリアインクとなる。この結果、全体的に比較的均一な光沢が得られる。しかしながら、さらにクリアインクを付与しても、印刷物の表面は同じクリアインクなので、光沢度をほとんど変化させることはできない。一方、印刷物の光沢度を変化させるため、図1(b)のようにクリアインクの単位面積あたりの付与量を下げると、クリアインクの面積被覆率が下がるため、顔料インクや記録媒体が表面に露出する(図中の2及び4)。クリアインク、顔料インク、記録媒体それぞれの光沢度は異なるので、このような状態では部分的に光沢度が異なり、光沢のむらが大きくなってしまう。すなわち、光沢度の制御と光沢むらの抑制を両立させることはできなかった。
また、特許文献3では2種類以上のクリアインクを用いることで干渉色を抑制する方法については述べられているものの、2種類以上のクリアインクの各打ち込み量(使用比率)をランダムにすることを特徴としている。したがって、特許文献3の方法では、各クリアインクの打ち込み量を任意に変えるものではないため、条件によって光沢度が変わることがあっても、ユーザーが所望する光沢度に制御することは考慮されていない。
本発明はこのような事情を鑑みてなされたもので、印刷画像の光沢度のむらを抑制しつつ、印刷画像の光沢の程度を任意に調整することが可能な画像記録装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明者は先述した背景技術を深く鑑み、鋭意検討の結果、本発明を成すに至った。
すなわち、本発明の一形態に係る画像記録装置は、顔料を含む有色インクを吐出して記録媒体上に付与する有色インク付与手段と、前記有色インクの付与された記録媒体上に光沢度の異なる複数のクリアインクを付与するクリアインク付与手段と、前記クリアインク付与手段において付与する前記複数のクリアインクの付与量を制御するクリアインク付与制御手段と、形成される画像に付与する光沢度の光沢度データを入力保持する入力保持手段と、前記有色インクと前記複数のクリアインクを付与して形成された前記画像を加熱且つ加圧する定着手段と、を備える画像形成装置であって、前記クリアインク付与制御手段は前記入力保持手段において入力保持された光沢度データに基づいて、単位面積あたりの前記複数のクリアインクの面積被覆率が略100%となるように、前記複数のクリアインクそれぞれの使用比率を決定し、前記複数のクリアインクが、それぞれ異なるガラス転移点を有する樹脂を含有し、前記定着手段における加熱温度は、前記複数のクリアインクに含まれる樹脂の最高ガラス転移点以上の温度に設定され、前記定着手段における加熱時間は、前記画像中のクリアインクが、当該設定温度で加熱された際に前記最高ガラス転移点に到達する時間よりも短い時間に設定されることを特徴とする画像形成装置である。
また、本発明の一形態に係る画像記録方法は、顔料を含む有色インクと、光沢度がそれぞれ異なる複数のクリアインクを記録媒体上に付与して、光沢性を有する画像を形成する方法であって、画像データと光沢度データとを入力する工程と、前記画像データに基づいて前記有色インクの付与量と、前記複数のクリアインクの単位面積あたりの面積被覆率が略100%となるクリアインクの付与量とを決定する工程と、前記光沢度データに基づいて、前記複数のクリアインクのそれぞれの使用比率を決定する工程と、前記有色インクの決定された付与量に従って、前記記録媒体上に有色インクを吐出して有色インク画像を形成する工程と、前記複数のクリアインクの決定された付与量及び使用比率に従って、前記有色インクによる画像の形成された前記記録媒体上に、前記複数のクリアインクを付与する工程と、前記記録媒体上に付与された前記有色インクと前記複数のクリアインクからなる記録画像を加熱且つ加圧して定着する工程とを備え、前記複数のクリアインクが、それぞれ異なるガラス転移点を有する樹脂を含有し、前記定着する工程における加熱温度は、前記複数のクリアインクに含まれる樹脂の最高ガラス転移点以上の温度に設定され、前記定着する工程における加熱時間は、前記画像中のクリアインクが、当該設定温度で加熱された際に前記最高ガラス転移点に到達する時間よりも短い時間に設定されることを特徴とする画像形成方法である。
本発明によれば、印刷物の光沢度のむらを抑制しながら、光沢度を変化させることができる。したがって、装置ユーザーが所望する光沢度を持ち、かつ光沢むらの少ない印刷物が得ることができる。
従来例における記録媒体に対するクリアインクの記録状態を説明するための模式図。 第1の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す模式図。 第1の実施形態に係る画像形成装置の制御フローチャート。 第1の実施形態における各クリアインクの付与量を決定するためのフローチャート。 インクジェット記録工程の一例を説明するインクジェット記録装置の模式図。 冷剥離定着手段の一例を説明する模式図。 定着前後のクリアインクの状態を説明するためのクリアインク断面模式図。 実施例1における記録媒体に対するクリアインクの記録状態を説明するための模式図。 第2の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す模式図。 第2の実施形態に係るクリアインク付与制御手段の制御フローチャート。 インクジェット記録工程の別の一例を説明するインクジェット記録装置の模式図。 実施例2における記録媒体に対するクリアインクの記録状態を説明するための模式図。 第3の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す模式図。 第3の実施形態に係る画像形成装置の制御フローチャート。 第3の実施形態に係るクリアインク付与制御手段の制御フローチャート。 実施例3におけるクリアインクの打ち込み量を説明するための模式図。
本発明に係る画像形成装置は、光沢度の異なる複数のクリアインクを使用比率に基づき記録媒体に付与することで、装置ユーザーが所望の光沢度を選択することができる。さらにクリアインクの付与量を面積被覆率略100%とすることで、記録媒体や有色インク画像が表面に露出することを防ぎ、光沢度のむらを抑制することができる。
本明細書における「手段」とは、その手段が達成すべき目的を実施する構成や動作を含み、一つの構成や動作に限定されず、複数の構成や動作を含むことができる。また、同じ構成や動作が複数の手段に含まれる場合もあり、一つの手段に他の手段が含まれる場合もある。
本明細書における「面積被覆率」とは、記録媒体の単位面積に対してクリアインクが表面を覆う面積の割合である。また、「面積被覆率100%」とは、単位面積の全ての画素がクリアインクで被覆されることを意味し、図1(a)に示す状態である。実際には、画像解像度や吐出液滴量によりドット間に隙間が生じる場合もあるが、その隙間が各ドットの径よりも小さく、単位面積に打ち込み可能な全てのドットを打ち込んでいる場合もある。本明細書ではそのような許容される隙間を含む意味で「面積被覆率略100%」という。
また本明細書における「光沢度」とは、記録媒体表面の光沢の度合いを示すものであり、画像に入射した光が反射する強度を示す光沢強度や、画像表面に写る物体の像の写り具合を示す写像性等を基準として判断することができる。したがって、本明細書において光沢度を低下させるとは、光沢強度及び/又は写像性の値を低下させることを意味する。本発明の光沢度には、光沢強度と写像性の片方を用いても良いし、両方から導いた指標を用いても良い。
ここで光沢強度とは、JIS規格(Z8741)の鏡面光沢試験に基づいて得られる値である。具体的には、可視光を反射面の法線に対し60°で入射したときの鏡面反射率が10%となるような屈折率1.567のガラス面を光沢度100と規定し、この基準面と鏡面反射率を比較して得られた値が光沢強度となる。また写像性とは、JIS規格(H8686−2)の規定に基づき、光学的装置を使用して得られる値である。すなわち、光学くし(暗部明部の比は1:1、幅は0.125、0.5、1.0及び2.0mm)を移動させた際、写像性Cは、光学くしを通して得られた光量の最高波形(M)及び最低波形(m)から以下の式によって求められる。
C=(M−m)/(M+m)×100
光沢強度と写像性は、どちらも光沢性の評価に一般的に用いられる。光沢強度が反射光の強度を測る指標とされているのに対し、写像性は、その像がどの程度鮮明に、また、歪みなく映し出されるかの指標として用いられる。
本発明における「クリアインクの光沢度」とは、本発明に係る画像形成装置を用いて、実際の印刷工程でクリアインクを付与して出力した試料を上述の方法で測定した光沢強度及び/又は写像性をいう。
〔第1の実施形態〕
以下に本発明の一実施形態に係る画像形成装置200の概略を説明する。
<システム構成>
図2は、本実施形態における画像形成装置200を示す概略図であり、201は画像処理装置、202はインクジェット記録装置である。また別の構成としては、例えばインクジェット記録装置202が画像処理装置201を含む構成としても良い。例えば、画像処理装置201は一般的なパーソナルコンピュータにインストールされたプリンタドライバによって実施され得る。その場合、以下に説明する画像処理装置201の各部は、コンピュータが所定のプログラムを実行することにより実現されることになる。
画像処理装置201とインクジェット記録装置202は、回路、または装置インターフェースによって接続されている。画像処理装置201は、画像バッファ101、色分解処理部102、色分解ルックアップテーブル(色分解LUTという)103、クリアインク付与量制御部104、光沢情報格納部105、ハーフトーン処理部106及びハーフトーン画像格納バッファ107とを備えている。一方、インクジェット記録装置202は、インク色及び吐出量選択部108と、有色インクヘッド11及びクリアインクヘッド14を制御するヘッド制御部109とを備え、記録媒体31上に有色インクヘッド11から有色インクを吐出して有色インク画像32を形成した後、クリアインクヘッド14からクリアインク33を有色インク画像32上に吐出して記録画像34を形成する。
<画像処理装置>
以下、本実施形態の画像処理装置201における画像形成処理について、図2の概略図及び図3のフローチャートを用いて説明する。
まずS301において、光沢度データと多階調の入力画像データが入力端子より入力され、画像バッファ101に格納される。画像バッファ101は、形成される画像に付与する光沢度の光沢度データを入力保持する入力保持手段の一構成要素であり、記録媒体に形成される画素毎に光沢度データを入力保持することができる。なお入力画像データは、例えば、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の3つの色成分によって色情報(カラー画像データ)を構築している。
また、光沢度データは、装置ユーザーが予め印刷された光沢度の異なるテストパターンなどの印刷物を見るなどして所望の光沢度を選択し、装置に入力される。入力される光沢度データは数値であっても良いし、「高」、「中」、「低」や「A」、「B」、「C」といったような所定の光沢度を文字に置き換えたプリセットデータとして入力されるものであっても良い。また光沢度データは、印刷物全体に対して同じ光沢度を選択することもできるし、領域毎、オブジェクト毎に異なる光沢度を選択するため、画素毎に値を持たせた光沢度データをRGBのカラー画像データと共に入力することもできる。
次にS302で色分解処理部102において、画像バッファ101に格納された多階調の入力画像データ(RGBデータ)に対し、色分解LUTという103を参照して色分解処理を施す。これにより、入力されたRGBデータが、各インクそれぞれの付与量(打ち込み量)データに変換される。なお、各インクの打ち込み量は例えば0〜255の8ビットデータとして表現されるとする。しかしながら、インクの打ち込み量の表現は8ビットに限定されるものではなく、16ビット表現としても良いし、実数で表現しても良い。
ここで、本実施形態における色分解処理について説明する。有色インクについては、シアン(C)、マゼンタ(Y)、イエロー(Y)及びブラック(K)の4つの色分解LUTを用い、4プレーン分の出力値を得る構成としたが、単色の1プレーンまたは、CMYの3色の3プレーン分の出力値を得る構成としても構わない。また、有色インクには、例えば、淡シアン、淡マゼンタ、グレー等の濃度の異なるインクや、赤や緑などの特色インクを組み合わせても良く、それぞれの色毎のプレーン出力値を得る構成でも良い。クリアインクについては1つの色分解LUTを用い、1プレーン分の出力値を得る構成としたが、2つ以上複数の色分解LUTを用いて複数プレーン分の出力値を得る構成としても構わない。
色分解LUTには、例えば、多値の輝度データの色度と記録媒体に記録した画像の色度との色差が所定の範囲に含まれるような複数の階調データのうち、記録媒体に記録した画像の光沢度が所定の値に最も近くなるような階調データが前記多値の輝度データに対応して設定されている。
色分解処理部102で色分解LUT103を参照することで、RGBデータが、各カラーインクの打ち込み量、及びクリアインクの打ち込み量に色分解される。ここで、RGBデータの画像内における画素位置を座標(i,j)で表すとする。座標(i,j)におけるRGBデータ:R(i,j),G(i,j),B(i,j)から、各カラーインクの打ち込み量データ:C(i,j),M(i,j),Y(i,j),K(i,j)、及びクリアインクの打ち込み量データ:CL(i,j)への変換は下式(1)で表される。
式(1)
C(i,j)=C_LUT_3D(R(i,j),G(i,j),B(i,j))
M(i,j)=M_LUT_3D(R(i,j),G(i,j),B(i,j))
Y(i,j)=Y_LUT_3D(R(i,j),G(i,j),B(i,j))
K(i,j)=K_LUT_3D(R(i,j),G(i,j),B(i,j))
CL(i,j)=CL_LUT_3D(R(i,j),G(i,j),B(i,j))
式(1)の右辺に定義される各関数が、色分解LUT103に該当する。色分解LUT103は、R,G,Bの3入力値から、C,M,Y,K,CLの5プレーン分の出力値を得るLUT構成となる。なお、色分解LUT103としては、画像全体における光沢むらの発生を低減するために、単位面積当たりのクリアインクの付与量が面積被覆率略100%となるように、クリアインクの打ち込み量CLが設定されている。なお、面積被覆率略100%となる付与量は、画像解像度とクリアインクのドット径から計算して決定してもよいし、実験に基づいて決定しても良い。
図3に戻り、S302での計5プレーンへの色分解処理が終了すると、次にクリアインク付与量制御部104において、クリアインク打ち込み量データCLに基づき、複数のクリアインクそれぞれの打ち込み量(使用比率)を設定するクリアインク付与量制御処理S303を行う。本実施形態では、予め光沢情報格納部105に記録された光沢情報を参照して、クリアインク打ち込み量データCLのうち、入力された光沢度となる複数のクリアインクそれぞれの打ち込み量(CL1,CL2・・・)を決定する。
各クリアインクの打ち込み量が設定されると、次にハーフトーン処理部106において、色分解処理部102及びクリアインク付与量制御部104より得られた、各インクの打ち込み量データに対するハーフトーン処理S304を行う。これにより、8ビットで多値表現されている各インクの打ち込み量データが、ドットのオン/オフを示す2レベルに対応する1ビットの2値画像データへ変換される。ハーフトーン処理後の各インクの2値画像データは、S305でハーフトーン画像格納バッファ107に格納される。なお、本実施形態におけるハーフトーン処理としては、例えば周知の誤差拡散法を用いるものとする。しかしながら、本実施形態に適用可能なハーフトーン処理は誤差拡散法に限られず、例えばディザマトリックスを用いた閾値処理による2値化を行っても良い。また、各インクの2値画像データ間に何らかの補完関係、相関関係を持たせるような処理を行っても良い。
S306ではハーフトーン画像格納バッファ107に格納されたハーフトーン処理後の2値画像データが、例えば画像全体や単位記録領域のバンド幅分といった任意のサイズでインクジェット記録装置202へ入力される。そしてS307でインクジェット記録装置202において、該ハーフトーン処理後の2値画像データに基づく画像形成がなされる。
以上で、多階調の入力画像情報に対する一連の画像形成処理が完了する。以上の処理によって形成された印刷物においては、その画像全域においてクリアインクの付与量が面積被覆率略100%となるように制御されることで光沢むらが低減され、かつ、装置ユーザーが入力した光沢度を持つ印刷物が出力される。
クリアインク付与制御部104におけるクリアインク付与量制御処理S303について説明する。
図4は各クリアインクの付与量を決定するためのフローチャートである。図4において、S401は複数あるクリアインクの使用比率を決定する処理である。この処理では、入力された光沢度と印刷条件とから、それらの条件に合致する予め装置に記録されたクリアインクの使用比率を光沢情報格納部105から読みだして、各クリアインクの使用比率を決定するものである。S402は、各クリアインクの付与量を決定する処理である。まず、色分解処理部102において決定されたクリアインクの打ち込み量CLが入力される。続いて、決定されたクリアインク打ち込み量CLとS401で決定された各クリアインクの使用比率から各クリアインクの付与量を計算して決定する。このようにして決定された各クリアインクの付与量(CL1,CL2,・・・)をハーフトーン処理部106に出力する。
ハーフトーン処理部106ではS402で決定された各クリアインクの付与量から2値画像データを作成する(S403)。この際、各クリアインクをそれぞれ異なるインクジェット記録ヘッド14から付与する場合は、クリアインクが付与され形成されるクリアインク層の厚さをより均一にするため、それぞれのクリアインクの付与される領域(ドット)の重なる面積が小さくなるように2値画像データを作成する。このようにして作成した2値画像データはハーフトーン画像格納バッファ107に格納される。
印刷物の領域やオブジェクト毎に異なる光沢度が入力された場合には、それぞれの光沢度毎に上述のクリアインク付与制御を繰り返して、クリアインクの2値画像データを領域毎あるいはオブジェクト毎に作成する。
また、クリアインク付与制御部104では、画像の色や有色インクの付与量による光沢度の差を判定する。装置ユーザーが入力した光沢度が同じ場合でも、画像の色や有色インクの付与量によって光沢度の差が大きいと判定された場合には、光沢のむらが発生しないように、画像の色や有色インクの付与量により領域を分割する。そして分割された領域毎に、図4のフローチャートに従ってクリアインクの使用比率と付与量を決定して2値画像データを作成する。
<インクジェット記録装置>
続いてインクジェット記録装置202で印刷物を出力する際のプロセスの概略について説明する。上述の画像処理装置201において作成された有色インクとクリアインクの2値画像データはインク色及び吐出量選択部108にて、有色インクヘッド11及びクリアインクヘッド14における、印刷順序、吐出量が選択される。このとき、クリアインクが形成される画像の表層となるように印刷順序が制御される。選択された情報は、ヘッド制御部109に送られ、記録媒体31が有色インクヘッド11の位置に到達すると、有色インクヘッド11から各有色インクが吐出され、記録媒体31上に有色インク画像32が形成される。更に、クリアインクヘッド14からクリアインク33が有色インク画像32上に付与され印刷画像34が形成される。なお、有色インクヘッド11とクリアインクヘッド14の配置は、記録媒体31の移動方向の下流側にクリアインクヘッド14が別に配置される構成を示しているが、これに限定されない。例えば、有色インクヘッド11とクリアインクヘッド14とが一体化されたヘッドを用いる場合など、ヘッドの走査方向に対してクリアインクが形成される画像の表層となるように印刷順序を制御できる構成であれば良い。
本実施形態に係るインクジェット記録装置における印刷工程の具体例を図5を参照して説明する。
図5において、まず、記録媒体31にローラ式塗布装置21を利用して処理液22を塗布する。次に、有色インクヘッド11(この例ではCMYKの4種類のヘッド)から所望のカラー画像を形成する有色インクを吐出して有色インク画像32を形成し、続いて、有色インク画像32の上に各クリアインクヘッド14(この例では2種類のクリアインクヘッド)からクリアインク33を吐出し、印刷画像34を形成する。印刷画像34は、記録媒体31が送風装置12に到達すると、画像中の水分などの液体分が送風により減少除去される。最後に、記録媒体31は加圧ローラ52によって加熱及び加圧することで、印刷画像34が記録媒体31に定着される。図5に示す例では加圧ローラ52に対向して対向ローラ53を設け、両ローラの間は所定のニップ巾に設定されている。又、図5において、13はプラテンなどの支持部材である。支持部材13には、必要に応じてヒータなどの加熱機構を内在させても良く、インク付与前、付与中、付与後に記録媒体31を加熱して、インクの増粘及び乾燥を促進しても良い。
印刷が開始されると、まず記録媒体31表面に、有色インク中の成分と接触して高粘度化インク画像を形成する処理液22が付与される。なお本明細書において「記録媒体」とは、一般的な印刷で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック、フィルムその他の印刷媒体、記録メディアも含めて言う。
<処理液>
本実施形態における処理液は、インクを高粘度化する成分を含有する。ここで、インクの高粘度化とは、インクを構成している組成物の一部である色材や樹脂等がインク高粘度化成分と接触することによって化学的に反応し、あるいは物理的に吸着してインクの粘度上昇が認められる場合をいう。色材などインク組成物の一部が凝集する事により局所的に粘度上昇を生じる場合をも含む。インク高粘度化成分は記録媒体上でのインク及び/又はインク組成物の一部の流動性を低下せしめて、画像形成時のブリーディング、ビーディングを抑制する効果がある。本実施形態においてはインク高粘度化成分として、多価の金属イオン、有機酸、カチオンポリマー、多孔質性微粒子など、旧来公知の物を特に制限無く用いることができる。中でも特に多価の金属イオン及び有機酸が好適である。また複数の種類のインク高粘度化成分を含有させることも好適である。
なお、処理液中のインク高粘度化成分の含有量は、処理液全質量に対して5質量%以上であることが好ましい。
具体的にインク高粘度化成分として使用できる金属イオンとしては、例えば、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Sr2+、Ba2+及びZn2+等の二価の金属イオンや、Fe3+、Cr3+、Y3+及びAl3+等の三価の金属イオンが挙げられる。
また具体的にインク高粘度化成分として使用できる有機酸としては、例えば、シュウ酸、ポリアクリル酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、レブリン酸、コハク酸、グルタル酸、グルタミン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ビリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、オキシコハク酸、ジオキシコハク酸等が挙げられる。
本実施形態における処理液は適量の水や有機溶剤を含有していてもよい。この場合に用いる水はイオン交換等により脱イオンした水であることが好ましい。また本実施形態における処理液に用いることのできる有機溶剤としては特に限定されず、公知の有機溶剤をいずれも用いることができる。
また本実施形態における処理液には、各種樹脂を添加することもできる。適当な樹脂を添加しておくことで、最終画像の機械的強度を高めたりすることが可能であり好適である。用いられる材料としてはインク高粘度化成分と共存できるものであれば特に制限は無い。
また処理液は界面活性剤や粘度調整剤を加えてその表面張力や粘度を適宜調整して用いることができる。界面活性剤や粘度調整剤に用いられる材料としてはインク高粘度化成分と共存できるものであれば特に制限は無い。具体的に用いられる界面活性剤としては「アセチレノールE100」(商品名、川研ファインケミカル社製)等が挙げられる。
<処理液付与>
記録媒体31表面へ処理液22を付与する方法は、従来知られている各種手法を適宜用いることができる。例としてはダイコーティング、ブレードコーティング、グラビアローラーを用いる手法、オフセットローラーを用いる手法、スプレーコーティング等が挙げられる。一つの例として、図5に示したようなローラ式塗布装置21が使用できる。またインクジェット記録ヘッドを用いて付与する方法も好適である。さらにいくつかの方法を複数組み合わせることもできる。
<有色インク付与手段>
本実施形態に係る有色インク付与手段は、顔料を含む有色インクと吐出して記録媒体上に付与する手段である。本実施形態では、処理液付与に続いて、処理液22が付与された記録媒体31表面に、インクジェット記録ヘッドである有色インクヘッド11を用いて有色インクが画像様に付与される。複数色の有色インクを用いる場合、有色インクヘッド11は、色毎に異なるヘッドであってもよく、複数色に対応した一体型のヘッドであってもよい。
<インクジェット記録ヘッド>
本実施形態の有色インクヘッド11に適用されるインクジェット記録ヘッドとしては、例えば電気−熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ気泡を形成することでインクを吐出する形態、電気−機械変換体によってインクを吐出する形態、静電気を利用してインクを吐出する形態等がある。インクジェット液体吐出技術で提案される各種インクジェット記録ヘッドをいずれも用いることができる。中でも特に高速で高密度の印刷の観点からは電気−熱変換体を利用したものが好適に用いられる。
またインクジェット記録ヘッド全体の形態としては特に制限はない。記録媒体の進行方向と垂直にヘッドを走査しながら記録を行ういわゆるシャトル形態のインクジェット記録ヘッドや、記録媒体の進行方向に対し略垂直にインク吐出口をライン状に配列してなるいわゆるラインヘッド形態のインクジェット記録ヘッドを用いることもできる。
<有色インク>
本実施形態における有色インクに用いることのできる各成分について説明する。
[顔料]
本実施形態における有色インクは、色材として顔料を含む。
本発明に用いることのできる顔料としては特に限定されず、公知の無機顔料・有機顔料を用いることができる。具体的にはC.I.(カラーインデックス)ナンバーであらわされるシアン(C.I.ブルー#)、マゼンタ(C.I.レッド#)、イエロー(C.I.イエロー#)などの各色に対応した顔料を用いることができる。また、黒色顔料としては、カーボンブラックを用いることも好ましい。有色インク中の顔料の含有量は、有色インク全質量に対し0.5質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがより好ましい。
[顔料分散剤]
本実施形態における有色インクは、顔料を分散させる分散剤を含むことができる。顔料分散剤としては、従来公知のインクジェット記録用インクに用いられるものであればいずれも使用することができる。中でも本実施形態においては構造中に親水性部と疎水性部とを併せ持つ水溶性の分散剤を用いることが好ましい。特に、少なくとも親水性のモノマーと疎水性のモノマーとを含んで共重合させた樹脂からなる顔料分散剤が好ましく用いられる。ここで用いられる各モノマーについては特に制限はなく、旧来公知の物が好適に用いられる。具体的には、疎水性モノマーとしてはスチレン、スチレン誘導体、アルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また親水性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等が挙げられる。
顔料分散剤の酸価は50mgKOH/g以上550mgKOH/g以下であることが好ましい。また、顔料分散剤の重量平均分子量は1,000以上50,000以下であることが好ましい。
なお、顔料と顔料分散剤との質量比としては1:0.1〜1:3の範囲であることが好ましい。
また顔料分散剤を用いず、顔料自体を表面改質して分散可能としたいわゆる自己分散性顔料を用いることも好適である。
[樹脂粒子]
本実施形態における有色インクには、無色のあるいは有色の各種粒子を含有させて用いることができる。中でも樹脂粒子は画像品位や定着性の向上に効果がある場合があり好適である。
本実施形態に用いることのできる樹脂粒子を構成する樹脂としては、特に限定されず公知の樹脂を適宜用いることができる。具体的には、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリ尿素、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸及びその塩、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル、ポリジエン等の単独重合物もしくはこれらを複数組み合わせた共重合物が挙げられる。該樹脂の重量平均分子量は、1,000以上2,000,000以下の範囲が好適である。また有色インク中における樹脂粒子の量は、有色インク全質量に対して1質量%以上50質量%以下が好ましく、より好ましくは2質量%以上40質量%以下である。
さらに本実施形態においては、該樹脂粒子が液中に分散した樹脂粒子分散体として用いることが好ましい。分散の手法については特に限定はないが、解離性基を有するモノマーを単独重合もしくは複数種共重合させた樹脂を用いて分散させた、いわゆる自己分散型樹脂粒子分散体は好適である。ここで解離性基としてはカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等が挙げられ、この解離性基を有するモノマーとしてはアクリル酸やメタクリル酸等が挙げられる。また、乳化剤により樹脂粒子を分散させた、いわゆる乳化分散型樹脂粒子分散体も、同様に本発明の一態様に好適に用いることができる。ここで言う乳化剤としては、低分子量、高分子量に関わらず公知の界面活性剤が好適に用いられる。該界面活性剤はノニオン性か、もしくは樹脂粒子と同じ極性(正又は負)の電荷を持つ物が好適である。
本実施形態に用いる樹脂粒子分散体は、インクジェット記録ヘッドによるインク吐出に影響しない限りは特に制限はないが、10nm以上1μm以下の分散粒径をもつことが好ましく、さらに50nm以上500nm以下がより好ましい。
また本実施形態に用いることのできる樹脂粒子分散体を調製する際に、安定化のために各種添加剤を加えておくことも好ましい。該添加剤は、例えば、n−ヘキサデカン、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、クロロベンゼン、ドデシルメルカプタン、オリーブ油、ブルーイング剤(Blue70)、ポリメチルメタクリレート等が好適である。
[界面活性剤]
本実施形態に用いることのできる有色インクは樹脂粒子分散体に含まれる界面活性剤とは別に界面活性剤を含んでもよい。このような界面活性剤としては、具体的には、「アセチレノ−ルEH」(商品名、川研ファインケミカル社製)等が挙げられる。インク中の界面活性剤の量は、インク全質量に対して0.01質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。
[水及び水溶性有機溶剤]
本実施形態に用いることのできる有色インクは、溶剤として水及び/または水溶性有機溶剤を含むことができる。水は、イオン交換等により脱イオンした水であることが好ましい。また、有色インク中の水の含有量は、インク全質量に対して30質量%以上97質量%以下であることが好ましい。
また水溶性有機溶剤の種類は特に限定されず、公知の水溶性を有する有機溶剤をいずれも用いることができる。具体的には、グリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、2−ピロリドン等が挙げられる。また、有色インク中の水溶性有機溶剤の含有量は、インク全質量に対して3質量%以上70質量%以下であることが好ましい。
[その他添加剤]
本実施形態に用いることのできる有色インクは、上記成分以外にも必要に応じて、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、水溶性樹脂及びその中和剤、粘度調整剤など種々の添加剤を含有してもよい。
次に有色インクが付与された記録媒体表面にクリアインクが付与される。
<クリアインク付与手段>
本実施形態に係るクリアインク付与手段は、光沢度の異なる複数のクリアインクを前記記録媒体上にそれぞれ別々に付与するものである。クリアインク付与手段は、有色インクと同様、インクジェット記録ヘッド14を用いて付与する手段であることが好適である。しかしながら、本発明に係るクリアインク付与手段は、これに限られるものではなく、画素毎あるいはマトリクス単位毎など単位面積毎のクリアインクの付与量を個別に設定できる各種手段を適宜用いることができる。例としてはグラビアローラーを用いる手段、オフセットローラーを用いる手段等が挙げられる。またさらにいくつかの手段を複数組み合わせることもできる。
<クリアインク>
本実施形態に用いるクリアインクは、無色透明な液体であり、肉眼で色相を確認できるような色材を実質的に含まない液体である。本実施形態に用いるクリアインクは少なくとも高分子化合物を含む液体組成物であることが好ましい。
本実施形態に用いるクリアインクには、顔料を含む有色インクから顔料などの色材を除いた各成分を適宜含有することができる。クリアインクに含有される高分子化合物は、顔料分散剤の項で説明した水溶性樹脂や、無色の樹脂粒子を単独で用いても良いし、混合して用いても良い。特にクリアインクとしては、水溶性樹脂、樹脂粒子を含む樹脂成分、有色インクと同様の界面活性剤、水及び水溶性有機溶剤を含有することが好ましい。各成分の含有量は水溶性樹脂、樹脂粒子を含む樹脂成分は1質量%以上10質量%以下、界面活性剤は0.01質量%以上5質量%以下、水は30質量%以上90質量%以下、水溶性有機溶剤は3質量%以上50質量%以下であることが好ましい。
クリアインクに含有される成分の種類や組成比が変わることでクリアインク光沢度は変化する。より具体的には、成分(例えば高分子化合物)の屈折率や、樹脂粒子の粒径や樹脂成分のガラス転移点が異なることによる定着時の変形具合の違いによっても光沢度は変化する。したがって、目的の光沢度に合わせて成分や組成比を選択することが好ましい。例えば、2種類のクリアインクを使用する場合、最高光沢度の第1クリアインクと、最低光沢度の第2クリアインクを準備して、2種類のクリアインク使用比率(それぞれ、0〜100%)により最高光沢度と最低光沢度の間の任意の光沢度に調整することが可能となる。
<液体分減少工程>
本実施形態においては、各インクジェット記録ヘッド(11,14)により形成された印刷画像34から液体分を減少させる工程を設けることも好ましい。該印刷画像の液体分が過剰であると画像乱れの原因となりうる。
液体分を減少させる手法としては旧来用いられている各種手法がいずれも好適に適用できる。加熱による方法、低湿空気を送風する方法、減圧する方法、吸収体を接触させる方法、またこれらを組み合わせる手法がいずれも好適に用いられる。また、自然乾燥により行うことも可能である。図5に示すインクジェット記録装置では送風装置12を用いて液体分を減少させる。また、支持部材13に加熱機構を内在させて加熱と送風を組み合わせることもできる。
<定着>
本実施形態では、液体分を減少除去した後、定着手段を用いて定着を行うことができる。定着手段では、クリアインクで覆われた印刷画像が記録された記録媒体を加圧し、クリアインク表面を平滑化させる。この時、クリアインクを加熱することでクリアインクに含まれる樹脂の粘性を下げ、さらに加圧することでクリアインク表面を変形させる。定着後のクリアインク表面の平滑度を上げるために、記録媒体に表面平滑度の高い各種シートを重ねてから定着することは好ましい。該シートの材料としては特に限定されず、金属、樹脂、ゴムなどの材料から選択することができる。
定着手段としては、図5に示すような加熱された加圧ローラ52と対向ローラ53との間に画像の形成された記録媒体を通過させる構成が採用できる。さらに、図6に示すような冷剥離定着機構を採用した定着手段を用いることもできる。図6では、印刷画像34が記録された記録媒体31は、加熱された定着ローラ52と対向ローラ53によって、定着ベルト51と共に挟まれ、熱と圧力が加えられる。その後、印刷画像34と定着ベルト51は冷却手段55によって冷却される。そして、温度が下がった後に印刷画像表面に重ねられた定着ベルト51が剥離ローラ54で剥離される。定着ベルト51には、上記のシート材料を用いることができる。
このように印刷画像34と定着ベルト51の温度を下げてから印刷画像34から定着ベルト51を剥離することで、定着ベルト51への各種インクの付着を防ぎ、印刷画像表面の凹凸形状を一定とすることができる。これにより、印刷画像の光沢度の均一性を上げ、光沢度を高めることが可能となる。
図7は樹脂粒子を含むクリアインク表面部分の拡大断面模式図である。図7中の円は樹脂粒子701を表している。図7(a)はクリアインク付与後の表面部分の形状を表している。樹脂粒子701を含むクリアインクを用いた場合、定着前のクリアインク表面は樹脂粒子701が露出して凹凸形状となっている。図7(b)はガラス転移点の高い樹脂粒子701aを使用したときの定着後のクリアインク表面の形状を示している。ガラス転移点が高い樹脂粒子701aは定着により加熱、加圧されても変形し難く、凹凸形状が残っている。一方、図7(c)はガラス転移点の低い樹脂粒子701bを用いたときの定着後のクリアインク表面の形状を示している。樹脂のガラス転移点が低い樹脂粒子701bは加熱、加圧により変形しやすく、表面の平滑な部分が大きくなっている。樹脂粒子の粒径によって平滑部と非平滑部の割合も変化する。このように樹脂のガラス転移点や粒径によって定着後のクリアインク表面の平滑性が変化する。これにより、印刷物の光沢度を変化させることができる。光沢情報格納部105には、定着後の各クリアインクの光沢度情報が格納される。
定着手段における加熱温度や加圧力などの条件によって、図7で説明したようにクリアインクで覆われた印刷画像表面の形状が変化する。複数のクリアインクにそれぞれガラス転移点の異なる樹脂を含有させることで、同条件で定着した場合でも表面形状を異ならせて画像の光沢度を変えることができる。例えば、定着手段における加熱温度を、複数のクリアインクに含まれる樹脂の最高ガラス転移点以上の温度に設定する。その上で、画像の温度が樹脂の細孔ガラス転移点に達しない時間以内に定着時間(加熱時間)を設定し、樹脂が変形し難い状態のまま定着することで、クリアインク表面の平滑度を上げずに光沢度を抑えることができる。このように、出力すべき光沢度と使用するクリアインクに含有される樹脂のガラス転移点などの特性に合わせて、定着条件を決定する。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の別の実施形態について説明する。
<システム構成>
図9は、本実施形態における画像形成装置900の模式図を示している。本実施形態では、インクジェット記録装置902内のクリアインク混合部20において、クリアインクタンク18に入れられた複数のクリアインクをクリアインク混合装置19で混合した後、一つのクリアインクヘッド14から記録媒体31に付与する。画像形成装置900において、図2と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
本実施形態における各インク付与量の決定方法について説明する。まず、画像処理装置901にて、画像情報バッファ101に入力保持された画像データ及び光沢度データから、光沢度データをクリアインク付与量制御部104に入力する。次いで、予め光沢情報格納部105に記録された光沢情報に基づいて、入力された光沢度となるクリアインクの使用比率(組み合わせ及び混合比)を決定する。
各クリアインクの使用比率が設定されると、まず、クリアインク混合部20に各クリアインクの使用比率情報が送られる。クリアインクタンク18から使用比率情報に基づいて各クリアインクがクリアインク混合装置19に送られ、混合されてクリアインクヘッド14に搬送される。
次に本実施形態の画像処理装置901における画像形成処理について図3のフローチャートを用いて説明する。第1の実施形態と同様に、S302でC,M,Y,K,CLの計5プレーンへの色分解処理を行う。次にS303でクリアインク付与量制御部104において、クリアインク打ち込み量CLに基づき、混合クリアインクの打ち込み量CLMを設定するクリアインク付与量制御処理を行う。
次にS304でハーフトーン処理部105において、色分解処理部102及びクリアインク付与制御部104より得られた、各インクの打ち込み量データに対するハーフトーン処理を行う。これにより、8ビットで多値表現されている各インクの打ち込み量データが、ドットのオン/オフを示す2レベルに対応する1ビットの2値画像データへ変換される。ハーフトーン処理後の各インクの2値画像データは、S305でハーフトーン画像格納バッファ106に格納される。なお、本実施形態におけるハーフトーン処理としては、例えば周知の誤差拡散法を用いるとする。しかしながら、本実施形態に適用可能なハーフトーン処理は誤差拡散法に限られず、例えばディザマトリックスを用いた閾値処理による2値化を行っても良い。また、各インクの2値画像データ間に何らかの補完関係、相関関係を持たせるような処理を行っても良い。
S306ではハーフトーン画像格納バッファ106に格納されたハーフトーン処理後の2値画像データが、例えば画像全体や単位記録領域のバンド幅分といった任意のサイズでインクジェット記録装置902へ入力される。そしてS307でインクジェット記録装置902において、該ハーフトーン処理後の2値画像データに基づく画像形成がなされる。
以上で、多階調のカラー入力画像データに対する一連の画像形成処理が完了する。以上の処理によって形成された印刷物においては、その画像全域においてクリアインク付着量が面積被覆率100%となるように制御されることで光沢むらが低減され、かつ、装置ユーザーが入力した光沢度を持つ印刷物が出力される。
続いて、本実施形態におけるクリアインク付与制御について説明する。
<クリアインク付与制御>
複数のクリアインクは、クリアインク付与制御部104において、装置ユーザーによって入力された光沢度に基づいて使用比率(組み合わせ及び混合比)が決定される。光沢度が入力されると、予め光沢情報が記録されている光沢情報格納部105からその光沢度を実現するための各クリアインクの使用比率を読みだす。読みだした使用比率データはクリアインク混合部20に送られる。クリアインクタンク18から使用比率データに基づいて各クリアインクがクリアインク混合装置19に送られ、混合されてクリアインクヘッド14に搬送され、記録媒体上に付与される。
図10はクリアインク付与方法を決定するためのフローチャートである。図10において、S1001は複数あるクリアインクの使用比率を決定する処理である。この処理では、入力された光沢度と印刷の各プロセスの設定条件とから、それらの条件に合致する予め装置に記録されたクリアインクの使用比率を光沢情報格納部105から読みだして、各クリアインクの組み合わせ及び混合比率を決定するものである。S1002は、S1001で決定した各クリアインクの使用比率データをクリアインク混合部20に出力するものである。出力された使用比率データはクリアインク混合部に入力され、その使用比率データの通りにクリアインク混合装置19で複数のクリアインクを混合する。S1003は、クリアインクの付与量を決定する処理である。色分解処理部102において面積被覆率が略100%になるように決定されたクリアインクの付与量(打ち込み量CL)が入力され決定される。クリアインク付与量は、クリアインク付与制御部104において、S1001で決定された使用比率データに基づき、混合クリアインク付与量(打ち込み量CLM)が決定される(S1004)。決定された打ち込み量CLMをハーフトーン処理部106に出力する。
ハーフトーン処理部106ではS1004で決定された混合クリアインクの付与量から2値画像データを作成する(S1005)。最後に作成した2値画像データはハーフトーン画像格納バッファ107に格納される。
その後は、インクジェット記録装置902にて、クリアインク混合装置19にて混合された混合クリアインクがクリアインクヘッド14から記録媒体に打ち込まれて、クリアインク画像33が形成される(S1006)。
本実施形態において、各クリアインクは必ずしも混合して使用されるわけではなく、選択された光沢度によっては、1つのクリアインクのみがそのまま付与されることがある。
本実施形態に係るインクジェット記録装置における印刷工程の具体例を図11を参照して説明する。なお、図5と同じ構成には同じ符号を付して、説明を省略する。
図11において、まず、記録媒体31にローラ式塗布装置21を利用して処理液22を塗布する。次に、有色インクヘッド11(この例ではCMYKの4種類のヘッド)から所望のカラー画像を形成する有色インクを吐出して有色インク画像32を形成する。クリアインク混合部20のクリアインクタンク18(この例では3種類のクリアインク)から、上記説明した使用比率データに基づいてクリアインク混合装置19にて混合クリアインクが調製される。混合クリアインクはクリアインクヘッド14に送られ、有色インク画像32の上にクリアインク33を吐出し、印刷画像34を形成する。印刷画像34は、記録媒体31が送風装置12に到達すると、画像中の水分などの液体分が送風により減少除去される。図11の例では、図5に示したような定着手段を備えていない構成を示しているが、定着手段を有していてもよい。
〔第3の実施形態〕
次に、本発明のさらに別の実施形態について説明する。
<システム構成>
第1の実施形態と同様、本実施形態でも、2種類のクリアインクを用いて、それぞれ別々にインクジェット記録ヘッドから記録媒体へ吐出する例を説明する。
図13は本実施形態における画像形成装置1300の概略図である。
画像処理装置1301とインクジェット記録装置1302は、回路、または装置インターフェースによって接続されている。画像処理装置1301は、不図示の入力端子より印刷物の光沢度と印刷対象のカラー画像データとを入力し、その画像データを画像バッファ101に格納する。本実施形態ではクリアインク付与制御部104において、光沢情報格納部105からの情報と、入力されたカラー画像データに基づいて、2種類のクリアインクそれぞれの色分解用のLUT(LUT CL1,LUT CL2)を作成する。次に、色分解処理部102は入力されたカラー画像データを、インクジェット記録装置1302が備えるインク色毎の打込み量を示すデータに色分解する。このとき、先のクリアインク2種類の色分解用のLUTを含む色分解LUT103が参照される。本実施形態におけるインク色とは、CMYKの各色に2種類のクリアインクを加えた6色を例として、第1の実施形態とは異なり、クリアインクについての打込み量としては、2種類のクリアインクの打込み量(CL1,CL2)が色分解処理部102でそれぞれ別に決定される。次にハーフトーン処理部106は、C,M,Y,Kの各色に2種類のクリアインク(CL1,CL2)を加えた計6色のインク色について、その多階調値(3階調以上)を2値(1bit)画像データに変換する。そしてハーフトーン画像格納バッファ107には、ハーフトーン処理部106で得られた各インク色の2値画像データが格納され、その2値画像データはインクジェット記録装置1302に入力される。
インクジェット記録装置1302では、各インク色をインクジェット記録ヘッド11及び14から吐出して各色の2値画像データを記録媒体上に形成する。インク色及び吐出量選択部108は、画像処理装置1301で形成された、2種類のクリアインクを含む各色の2値画像データに基づいて、記録ヘッドに搭載されるインク色とヘッドが吐出可能なインク吐出量の中から、インク色とその吐出量を選択する。
なお、本実施形態においても、インクジェット記録装置の構成は図5に示す処理液付与部21と定着手段を有する構成が採用できる。
<画像処理>
以下、本実施形態の画像処理装置1301における画像形成処理について、図14のフローチャートを用いて説明する。
まずS1401において、光沢度データと多階調のカラー入力画像データが入力端子より入力され、画像バッファ101に格納される。なお入力画像データは、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の3つの色成分によってカラー画像データを構築している。
次にS1402ではクリアインク付与量制御部104において、光沢情報格納部105に記録された光沢データから、入力された光沢度となる2種類のクリアインクそれぞれの画像データの画素毎の付与量を決定する。続いて、画像データの画素毎の付与量を基にS1403において2種類のクリアインクそれぞれの色分解用のLUT(LUT CL1,LUT CL2)を作成する。
次にS1404で色分解処理部102において、画像バッファ101に格納された多階調のカラー画像データに対し、色分解LUT103を用いた色分解処理を施す。これにより、入力されたRGBデータが、カラーインク(C,M,Y,K)の各色と、2種類のクリアインク(CL1、CL2)の各クリアインク、計6色のそれぞれの打ち込み量データに変換される。なお、この色分解時には、クリアインクについてはクリアインク付与制御部104で作成されたLUT CL1,LUT CL2によって打ち込み量を決定する。そのため本実施形態では入力されたRGBデータを、CMYKの各カラーインクの打ち込み量を示す4プレーンと、2種類のクリアインクのそれぞれ打ち込み量を示す2プレーンとの計6プレーンへの色分解を行う。なお、各インクの打ち込み量は例えば0〜255の8ビットデータとして表現されるとする。しかしながらインクの打ち込み量の表現は8ビットに限定されるものではなく、16ビット表現としても良いし、実数で表現しても良い。
ここで、本実施形態における色分解処理について説明する。
色分解処理部102で色分解LUT103を参照することで、入力RGBデータが、各カラーインクの打ち込み量(有色インクの打ち込み量)、及び2種類のクリアインクのそれぞれの打ち込み量に色分解される様子を示している。ここで、入力画像データの画像内における画素位置を座標(i,j)で表すとする。座標(i,j)における入力画像データRGBから、各カラーインクの打ち込み量データCMYK、及びクリアインクのそれぞれの打ち込み量データCL1、CL2への変換は下式(2)で表される。
式(2)
C(i,j)=C_LUT_3D(R(i,j),G(i,j),B(i,j))
M(i,j)=M_LUT_3D(R(i,j),G(i,j),B(i,j))
Y(i,j)=Y_LUT_3D(R(i,j),G(i,j),B(i,j))
K(i,j)=K_LUT_3D(R(i,j),G(i,j),B(i,j))
CL1(i,j)=CL1_LUT_3D(R(i,j),G(i,j),B(i,j))
CL2(i,j)=CL2_LUT_3D(R(i,j),G(i,j),B(i,j))
式(2)の右辺に定義される各関数が、色分解LUT103に該当する。色分解LUT103は、R,G,Bの3入力値から、C,M,Y,K,CL1,CL2の6プレーン分の出力値を得るLUT構成となる。なお、色分解LUT103としては、画像全体における光沢むらの発生を低減するために、クリアインクの付着量が面積被覆率略100%となるように、クリアインクそれぞれの打ち込み量CL1,CL2が設定されている。なお、面積被覆率略100%となる付着量は、画像解像度とクリアインクのドット径から計算して決定してもよいし、実験に基づいて決定しても良い。
S1404で計6プレーンへの色分解処理が終了すると、次にS1405でハーフトーン処理部106において、色分解処理部102より得られた、各インクの打ち込み量データに対するハーフトーン処理を行う。S1405からS1408については第1の実施形態で説明した図3におけるS304からS307の処理と同様にして2値画像データに基づく画像形成がなされる。
以上で、多階調のカラー入力画像データに対する一連の画像形成処理が完了する。以上の処理によって形成された印刷物においては、その画像全域においてクリアインク付着量が面積被覆率略100%となる。加えて画像の画素毎に打ち込み量が制御されていることで、第1の実施形態よりもさらに光沢むらが低減され、かつ、装置ユーザーは画素毎に光沢度が指定できる。
<インクジェット記録装置>
本実施形態におけるインクジェット記録装置及び印刷物を出力する際のプロセスは、「クリアインク付与制御」を除いて第1の実施形態と同様である。したがって、本実施形態での「クリアインク付与制御」について詳細に説明する。
<クリアインク付与制御>
本実施形態においては、クリアインクはクリアインク付与制御部104において、装置ユーザーによって入力された光沢度データに基づいて、それぞれの使用比率が決定される。光沢度と画像データが入力されると、予め光沢情報が記録されている光沢情報格納部から、画像データの画素毎にその光沢度を実現するための各クリアインクの打ち込み量を読みだす。読みだした打ち込み量となるように、各クリアインクの色分解LUTを作成してカラーインクの色分解LUTと共に色分解処理部へ出力する。この時、クリアインクの色分解LUTはすべてのクリアインクを付与した時に面積被覆率略100%となるように作成される。
クリアインク付与制御部におけるクリアインク付与制御方法について説明する。
図15はクリアインク付与方法を決定するためのフローチャートである。図15において、S1501は複数あるクリアインクの使用比率を決定する処理である。この処理では、入力された光沢度データと、印刷する際の各工程の設定条件とから、予め装置に記録されたクリアインクの使用比率を光沢情報格納部から読みだして、各クリアインクの使用比率を決定するものである。S1502は、各クリアインクの色分解LUTを作成する処理である。S1501で決定された各クリアインクの使用比率と画像データをもとに各クリアインクの色分解LUTを作成する。有色インクとクリアインクの色分解LUTは色分解処理部102に出力され、画像データは有色インク(C,M,Y,K)の4色とクリアインク2色の合計6色に分解され、各有色インクの付与量と各クリアインクの付与量が決定される(S1503)。クリアインクの付与量は2種類合わせて、面積被覆率が略100%になるように色分解LUTが作成されている。
本実施形態では、複数のクリアインクそれぞれの色分解LUTを作成して、それぞれのクリアインク付与量を決定することで、第1の実施形態の場合と比較して光沢度の均一性がさらに向上する。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。本発明はその要旨を超えない限り、下記の実施例によって限定されるものではない。尚、文中「部」、及び「%」とあるものは、特に断りのない限り質量基準である。
(実施例1)
本実施例では、2種類のクリアインクを用いて、それぞれ別々にインクジェット記録ヘッドから記録媒体へ吐出する場合について述べる。
(クリアインクの調製)
下記の処方の組成からなるクリアインクを2種類調製した。具体的には、下記の処方の成分を各々混合し、十分攪拌した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧濾過することにより調製した。
(クリアインク1処方)
・樹脂粒子分散体(濃度約20%)
<粒径約100nm、分子量約100000> 50部
・グリセリン 5部
・ジエチレングリコール 7部
・界面活性剤(アセチレノ−ルEH) 0.5部
・イオン交換水 37.5部
(クリアインク2処方)
・スチレンアクリル酸樹脂(濃度約20%)
<酸価150、重量平均分子量8,000> 50部
・グリセリン 5部
・ジエチレングリコール 7部
・界面活性剤(アセチレノ−ルEH) 0.5部
・イオン交換水 37.5部
(クリアインクの光沢度測定)
次にこれらのクリアインクの光沢度を測定した。まず、図2に示すインクジェット記録装置202を用いて、記録媒体(王子製紙製キャストコート紙「ミラーコートゴールド」(商品名))上に、後述の処理液を1g/m付与する。次にインクジェット記録ヘッドを用いて、1200dpi(ドット/インチ)の解像度において、1画素あたり4plのクリアインクを全画素に付与する。このときのクリアインクの面積被覆率100%となる。その後、温風乾燥などでクリアインクの水分を取り除く。さらに、温度120℃、圧力39.2N/cm(4kgf/cm)、加圧時間150ミリ秒の条件で定着ローラを通して定着した。その後、写像性測定器ICM−1T(スガ試験機社製)を用いて写像性を測定したところ、クリアインク1は69、クリアインク2は83であった。またGMX−203(村上色彩技術研究所製)で光沢強度を測定したところ、クリアインク1は41、クリアインク2は84であった。
(インクジェット記録条件)
第1の実施形態で説明した画像形成装置200を用いて印刷を実施した。記録媒体31としては、キャストコート紙である王子製紙製「ミラーコートゴールド」を使用した。記録動作において、有色インク、クリアインク共に記録ヘッドからの吐出量は4plであった。
(評価画像の記録)
1200dpi(ドット/インチ)の解像度において、全画素に対する記録率25%、50%、100%、200%でCMYKインク各色の画像データを装置に入力した。この画像上にクリアインクの使用比率を異ならせて記録する。
実施例1では、装置ユーザーが入力できる光沢度として、4段階の光沢度を用意した。すなわち、クリアインク2を使用して光沢性の高い画像を出力する光沢度Aと、クリアインク1を使用して光沢性の低い画像を出力する光沢度Dと、光沢度Aより光沢性の低い光沢度Bと、光沢度Bより低く光沢度Dより光沢性の高い光沢度Cを用意する。光沢度B及びCでは、2種類の光沢度の異なるクリアインクをそれぞれ順に記録媒体上に付与する。そして、記録媒体の単位面積あたりに吐出するそれぞれのクリアインクの使用比率を変えることで、それぞれのクリアインクによる記録媒体の被覆率を異ならせる。
まず、色分解処理部102において、画像バッファ101に格納された多階調のカラー画像データに対し、色分解LUT103を用いた色分解処理を施す。本実施例でインク色とは、CMYKの各色にクリアインクを加えた5色であり、クリアインクについての打込み量としては、2種類のクリアインクの合計打込み量が決定される。
色分解処理により、入力されたRGBデータが、複数色の有色インク(CMYK)の各色と、2種類のクリアインク(CL1、CL2)を1色とした、計5色のそれぞれの打ち込み量データに変換される。なおこの色分解時には、上述したようにクリアインクについては2種類それぞれの打ち込み量を決定するのではなく、2種類のクリアインクの合計打ち込み量を決定する。そのため本実施例では入力されたRGBデータを、C,M,Y,Kの各有色インクの打ち込み量を示す4プレーンと、2種類のクリアインクの合計打ち込み量を示す1プレーンとの計5プレーンへの色分解を行う。色分解LUT103は、R,G,Bの3入力値から、C,M,Y,K,CLの5プレーン分の出力値を得るLUT構成となる。
計5プレーンへの色分解処理が終了すると、次にクリアインク付与量制御部104において、クリアインク合計打ち込み量CLに基づき、2種類のクリアインクそれぞれの打ち込み量(CL1,CL2)を設定する。本実施例では、予め光沢情報格納部105に記録された光沢情報に基づいて、入力された光沢度となる2種類のクリアインクそれぞれの打ち込み量を決定した。本実施例では光沢度Bは光沢度の低いクリアインク1と光沢度の高いクリアインク2の使用比率を6対10、光沢度Cでは、クリアインク1とクリアインク2の使用比率を11対5と決定した。
図8(a)及び(b)は、本実施例における記録媒体に対するクリアインクの記録状態を説明するための図である。図8(a)は、光沢度Bにおけるクリアインク記録状態、図8(b)は光沢度Cにおけるクリアインクの記録状態をそれぞれ示している。図中に示した格子線は、記録装置の記録解像度を示すための補助線であり、本実施例では、各格子線の交点(画素)に1つずつインク滴あるいはクリアインクを記録する。また、801は光沢度の低いクリアインク1のドット、802は光沢度の高いクリアインク2のドットを示している。この例では有色インクの付与量が4×4のマトリクス単位で同じ場合を示しており、画素(ドット)毎に有色インクの付与量が異なる場合は、画素(ドット)毎にクリアインクの付与比率を設定する。
図8(a)で示した光沢度Bでは、光沢度の低いクリアインク1と光沢度の高いクリアインク2の使用比率を6対10、つまり、ドット801を6個、ドット802を10個で付与している。クリアインク1とクリアインク2とを合わせて面積被覆率は100%となっている。クリアインク1を先に付与して、その次にクリアインク2を付与している。そのためドットが重なり合う部分は先に付与するクリアインク1が後に付与するクリアインク2で覆われることになり、先に付与されるクリアインク1の画像表面の面積比率は使用比率よりも小さくなる。光沢度Bでは後述する光沢度Cよりも光沢度の高いクリアインク2の面積比率が大きいので、印刷物の光沢度は光沢度Cよりも高くなる。光沢度の高いクリアインク2のみ使用した光沢度Aに比較して、光沢度の低いクリアインク1を付与する分だけ光沢度は低くなる。
一方、図8(b)で示した光沢度Cでは、クリアインク1とクリアインク2の使用比率を11対5、つまり、ドット801を11個、ドット802を5個で付与している。光沢度Cでもクリアインク1とクリアインク2とを合わせた面積被覆率は100%となっている。光沢度Cでは光沢度Bよりも光沢度の低いクリアインク1の画像表面の面積比率が大きいので、印刷物の光沢度は光沢度Bよりも低くなる。光沢度の低いクリアインク1のみ使用した光沢度Dに比較して、光沢度の高いクリアインク2を付与する分だけ光沢度は高くなる。
なお、図8に示すマトリクス単位の処理では、クリアインク1とクリアインク2の配置に偏りが発生しないように、ハーフトーン処理部での処理を行う。
(画像評価)
出力された印刷物に対し、写像性測定器ICM−1T(スガ試験機社製)を用いてスリット幅2mmで写像性を測定した。またGMX−203(村上色彩技術研究所製)で光沢強度を測定した。記録したCMYKインク各色、全画素に対する記録率25%、50%、100%、200%の各画像について光沢強度と写像性を測定してその平均値を印刷物の光沢度とした。また、各画像の光沢強度と写像性の最大値と最小値の差を算出して、その値で光沢のむらを評価した。値の差が大きいと光沢むらが多く、値の差が小さいと光沢むらが少ないと判断した。
表1がその測定結果である。比較のためにクリアインクを付与しない場合の値も測定し記載した。
Figure 0006679243
本実施例においては記録媒体の単位面積あたりに付与する各クリアインクの使用比率を変えることにより、光沢度の異なる各クリアインクの被覆率を光沢度に応じて変更している。これにより、ユーザーは、用途や好みに応じて装置に入力する光沢度を選択して、出力される印刷物の光沢感を制御することが可能となる。またクリアインクを面積被覆率100%で付与することで光沢強度、写像性の差を小さくできた。すなわち、光沢むらの少ない印刷物を出力することができた。
(実施例2)
本実施例では、3種類のクリアインクを用いて、予め混合してからインクジェット記録ヘッドから記録媒体へ吐出する場合について述べる。処理液、有色インク、記録媒体、評価画像については実施例1と同様の物を使用した。また本実施例で使用した3種類のクリアインクは、実施例1で使用したクリアインク1,2に加え、クリアインク1、2とは屈折率の異なる下記処方のクリアインク3を用いた。実施例1に記載の方法でクリアインク3の光沢度を測定したところ、写像性は65、光沢強度は50であった。また屈折率を測定するとクリアインク1とクリアインク2は約1.5、クリアインク3は約1.3であった。
(クリアインク3処方)
・フッ素樹脂分散体(濃度約20%)
<分子量約10000> 50部
・グリセリン 5部
・ジエチレングリコール 7部
・界面活性剤(アセチレノ−ルEH) 0.5部
・イオン交換水 37.5部
本実施例では、第2の実施形態で説明したように、予め光沢情報格納部に記録された光沢情報に基づいて、入力された光沢度となるクリアインクの使用比率(混合比)を決定する。本実施例において、光沢度Bではクリアインク1とクリアインク2とクリアインク3を混合比1対5対1、光沢度Cではクリアインク1とクリアインク2とクリアインク3を混合比3対1対2と決定した。
図12(a)及び(b)は、本実施例における記録媒体に対するクリアインクの記録状態を説明するための図である。図12(a)は、光沢度Bにおけるクリアインクの記録状態、図12(b)は光沢度Cにおけるクリアインクの記録状態をそれぞれ示している。
光沢度Bでは、クリアインク混合装置でクリアインク1とクリアインク2とクリアインク3を使用比率1対5対1で混合して均一に撹拌した混合クリアインク1201を記録媒体に付与した。光沢度Cでは、同様に使用比率3対1対2で混合して均一に撹拌した混合クリアインク1202を記録媒体に付与した。図12(a)、(b)に示すように、光沢度B、光沢度Cともに記録媒体に対して面積被覆率100%となるようにクリアインクを付与している。
光沢度Bでは記録媒体に付与する混合クリアインク1201は、光沢度Cよりも光沢度の高いクリアインク2の使用比率が高い。したがって、出力される印刷物の光沢度は光沢度Cの印刷物よりも高くなる。
一方、光沢度Cでは記録媒体に付与する混合クリアインク1202は光沢度Bよりも光沢度の低いクリアインク1、クリアインク3の使用比率が高い。したがって、出力される印刷物の光沢度は光沢度Bの印刷物よりも低くなる。
(画像評価)
実施例1と同様、出力された印刷物に対し、写像性測定器ICM−1T(スガ試験機社製)を用いてスリット幅2mmで写像性を測定した。またGMX−203(村上色彩技術研究所製)で光沢強度を測定した。記録したCMYKインク各色、全画素に対する記録率25%、50%、100%、200%の各画像について光沢強度と写像性を測定してその平均値を印刷物の光沢度とした。表2がその測定結果である。
Figure 0006679243
以上説明したように、本実施例においては記録媒体に付与する光沢度の異なるクリアインクの使用比率を変えて混合して使用することにより、記録媒体を被覆するクリアインクの光沢度を入力された光沢度に応じて変更している。これにより、ユーザーは、用途や好みに応じて装置に入力する光沢度を選択して、出力される印刷物の光沢感を制御することが可能となる。
(実施例3)
本実施例では、第3の実施形態で説明した画像形成方法について述べる。
本実施例では、図13の画像形成装置1300を用いて、実施例1と同じ処理液、有色インク、クリアインク、記録媒体、画像を使用して印刷物を出力した。
本実施例においては、実施例1に記載した光沢度の高い画像を出力する光沢度Bを装置に入力した場合について述べる。但し本実施例では、第3の実施形態で説明したように、クリアインク付与制御部において、光沢度と画像データからクリアインク1とクリアインク2について色分解LUTを作成した。さらに、有色インク(CMYK)の4色とクリアインクCL1、CL2の2色の色分解LUTを参照して画像データを色分解した。画素毎に入力された光沢度と画像データをもとにクリアインクの色分解LUTを作成することで、画像の画素毎にクリアインクの打ち込み比率を変えている。それにより、画像の色やインクの付与量による光沢度のむらを抑制する。
図16は、本実施例における画素毎のクリアインク付与量を説明する図である。図16(a)は画素毎のクリアインクの合計打ち込み量を簡易的に4段階で示した図である。図16(b)は画素毎のクリアインクの打ち込み比率を説明する図であり、上段にクリアインク2(CL2)の打ち込み量、下段にクリアインク1(CL1)の打ち込み量を示す。このように、本実施例では画素毎にクリアインクの合計打ち込み量を変えると共に、打ち込み比率を変えている。本実施例においても、光沢度の低いクリアインク1を先に打ち込む。
(画像評価)
実施例1と同様、出力された印刷物に対し、写像性測定器ICM−1T(スガ試験機社製)を用いてスリット幅2mmで写像性を測定した。またGMX−203(村上色彩技術研究所製)で光沢強度を測定した。記録したCMYKインク各色、全画素に対する記録率25%、50%、100%、200%の各画像について光沢強度と写像性を測定してその平均値を印刷物の光沢度とした。また、各画像の光沢強度と写像性の最大値と最小値の差を算出して、その値で光沢のむらを評価した。表3がその測定結果である。参考として、実施例1の光沢度Bの結果を合わせて記載する。
Figure 0006679243
本実施例においてはクリアインク付与制御手段において、画素毎に入力された光沢度と画像データを参照することによって、画像の画素毎に記録媒体を被覆するクリアインク打ち込み量をクリアインク毎に変更している。これにより、実施例1と比較しても光沢強度の差、写像性の差共に小さくなった。すなわち、更に光沢のむらを抑制した印刷物を出力することができた。
本明細書で述べた画像形成装置を用いて印刷物を印刷することにより、クリアインクが面積被覆率略100%で付与されることで記録媒体や有色インクによる光沢のむらを抑制しつつ、装置ユーザーが所望する光沢度を持つ印刷物を印刷することができる。
1 クリアインクのみが打ち込まれた画素
2 顔料インクのみが打ち込まれた画素
3 顔料インクがクリアインクによって被覆された画素
4 クリアインク、顔料インクともに打ち込まれず記録媒体が露出している画素
101 入力画像バッファ
102 色分解処理部
103 色分解LUT
104 クリアインク付与制御部
105 光沢情報格納部
106 ハーフトーン処理部
107 ハーフトーン画像格納バッファ
108 インク色及び吐出量選択部
109 ヘッド制御部
200、900、1300 画像形成装置
201、901、1301 画像処理装置
202、902、1302 インクジェット記録装置
11 有色インクヘッド
12 送風装置
13 支持部材
14 クリアインクヘッド
18 クリアインクタンク
19 クリアインク混合装置
20 クリアインク混合部
21 ローラ式塗布装置
22 反応液
31 被記録媒体
32 有色画像
33 クリアインク
34 印刷画像
51・・・定着ベルト
52・・・定着ローラ
53・・・対向ローラ
54・・・剥離ローラ
55・・・冷却装置
701 樹脂微粒子
801 クリアインク1のドット
802 クリアインク2のドット
1201、1202 混合クリアインク

Claims (14)

  1. 顔料を含む有色インクを吐出して記録媒体上に付与する有色インク付与手段と、
    前記有色インクの付与された記録媒体上に光沢度の異なる複数のクリアインクを付与するクリアインク付与手段と、
    前記クリアインク付与手段において付与する前記複数のクリアインクの付与量を制御するクリアインク付与制御手段と、
    形成される画像に付与する光沢度の光沢度データを入力保持する入力保持手段と、
    前記有色インクと前記複数のクリアインクを付与して形成された前記画像を加熱且つ加圧する定着手段と、
    を備える画像形成装置であって、
    前記クリアインク付与制御手段は前記入力保持手段において入力保持された光沢度データに基づいて、単位面積あたりの前記複数のクリアインクの面積被覆率が略100%となるように、前記複数のクリアインクそれぞれの使用比率を決定し、
    前記複数のクリアインクが、それぞれ異なるガラス転移点を有する樹脂を含有し、
    前記定着手段における加熱温度は、前記複数のクリアインクに含まれる樹脂の最高ガラス転移点以上の温度に設定され、
    前記定着手段における加熱時間は、前記画像中のクリアインクが、当該設定温度で加熱された際に前記最高ガラス転移点に到達する時間よりも短い時間に設定されることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記入力保持手段は、前記記録媒体に形成される画素毎に光沢度データを入力保持する請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記クリアインク付与制御手段は、前記光沢度データと共に、前記有色インクの付与量に基づいて、前記クリアインクの使用比率を決定する請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記クリアインク付与手段は、前記クリアインクを吐出して付与する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記クリアインク付与手段は、前記複数のクリアインクをそれぞれ別々に付与する手段である請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記クリアインク付与手段は、光沢度の低いクリアインクを先に付与する請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記クリアインク付与手段は、前記複数のクリアインクを混合し、混合クリアインクとして前記記録媒体に付与する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 有色インク付与手段は、複数色の有色インクを付与する手段であり、前記画像形成装置は、形成する画像の色情報を含む画像データに基づいて、単位面積あたりの各色の有色インクの付与量と、単位面積あたりの前記複数のクリアインクの面積被覆率が略100%となる付与量を設定する色分解手段をさらに有する請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 顔料を含む有色インクと、光沢度がそれぞれ異なる複数のクリアインクを記録媒体上に付与して、光沢性を有する画像を形成する方法であって、
    画像データと光沢度データとを入力する工程と、
    前記画像データに基づいて前記有色インクの付与量と、前記複数のクリアインクの単位面積あたりの面積被覆率が略100%となるクリアインクの付与量とを決定する工程と、
    前記光沢度データに基づいて、前記複数のクリアインクのそれぞれの使用比率を決定する工程と、
    前記有色インクの決定された付与量に従って、前記記録媒体上に有色インクを吐出して有色インク画像を形成する工程と、
    前記複数のクリアインクの決定された付与量及び使用比率に従って、前記有色インクによる画像の形成された前記記録媒体上に、前記複数のクリアインクを付与する工程と
    前記記録媒体上に付与された前記有色インクと前記複数のクリアインクからなる記録画像を加熱且つ加圧して定着する工程と
    を備え
    前記複数のクリアインクが、それぞれ異なるガラス転移点を有する樹脂を含有し、
    前記定着する工程における加熱温度は、前記複数のクリアインクに含まれる樹脂の最高ガラス転移点以上の温度に設定され、
    前記定着する工程における加熱時間は、前記画像中のクリアインクが、当該設定温度で加熱された際に前記最高ガラス転移点に到達する時間よりも短い時間に設定されることを特徴とする画像形成方法。
  10. 前記記録媒体に形成される画素毎に前記光沢度データを入力する請求項に記載の画像形成方法。
  11. 前記複数のクリアインクはそれぞれ個別に前記記録媒体上に付与され、前記クリアインクの使用比率を参照して、各クリアインクの付与量を決定する工程を有する請求項または10に記載の画像形成方法。
  12. 光沢度の低いクリアインクを先に付与する請求項11に記載の画像形成方法。
  13. 前記クリアインクの使用比率に基づいて、各クリアインクに対して色分解用のルックアップテーブルを作成し、前記ルックアップテーブルを参照して、単位面積あたりの各色の有色インクの付与量と、単位面積あたりの前記複数のクリアインクの面積被覆率が略100%となる付与量を設定する色分解工程を行う請求項11または12に記載の画像形成方法。
  14. 前記複数のクリアインクは混合して前記記録媒体上に付与され、前記クリアインクの使用比率を参照して混合比率を決定する、請求項または10に記載の画像形成方法。
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