JP2011035997A - Ipmモータ用ロータとipmモータ - Google Patents

Ipmモータ用ロータとipmモータ Download PDF

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雅文 鈴木
Mayumi Nakanishi
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Abstract

【課題】永久磁石からの漏れ磁束を効果的に低減しながら、しかも、永久磁石からステータ側に発生する磁束やリラクタンストルクに寄与するロータを通過する磁束の流れを阻害せず、もってトルク性能の極めて高いIPMモータとそのためのロータを提供する。
【解決手段】 ロータコアの外周側に広がるように間隔を置いて配された2つの磁石スロット内にそれぞれ永久磁石31,31が埋設されて1つの磁極30を成し、これが周方向に複数設けられた、IPMモータ用ロータ10であり、ロータコアのうち、2つの磁石スロットの外周側の前記間隔に対応する領域であって、それぞれの永久磁石31,31からステータ側に発生する磁束と交差しない領域である、非交差外周側領域HGにおいて、フラックスバリア50Aが形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ステータの内側に配されたロータ内に磁石が埋設されている、IPMモータ用ロータと、該ロータを具備するIPMモータに関するものである。
自動車産業においては、ハイブリッド自動車や電気自動車のさらなる走行性能の向上を目指して、駆動用モータの高出力化、軽量化、小型化への開発が日々進められている。また、家電製品メーカーにおいても、各種家電製品に内蔵されるモータのさらなる小型化、高性能化への開発に余念がない。
上記するモータには、ステータ内部に配されたロータが回転するインナーロータ型モータと、ステータの外周に筒状のロータが回転するアウターロータ型モータが存在する。
ところで、インナーロータ型、アウターロータ型のいずれの形態であっても、永久磁石の端部からの漏れ磁束がモータトルク低減の一要因であることから、この漏れ磁束を低減して、磁石の磁束をより有効利用することでモータのトルク性能の向上を図ろうとする研究が日々進められている。
上記する永久磁石に関してより詳細に説明するに、ロータ内部では、2つの永久磁石で一つの磁極を形成するように、双方の永久磁石の平面視で長手方向をロータの周方向に配すとともに、2つの永久磁石をステータ側に広げるように配して略Vの字状の磁極を形成してなるロータが、通常一般に適用されている。
この略Vの字状の2つの永久磁石を具備するロータを、図6に示している。図6で示すように、ステータS内で回転するロータRに開設された磁石用スリットR1は、永久磁石Eよりも大きめに形成されており、永久磁石Eが挿通された姿勢において、その両端部にできる隙間には、永久磁石固定用の樹脂Jが充填硬化されるようになっており、このようなロータが特許文献1に開示されている。
ここで、漏れ磁束にはいくつかの種類があり、同図において、永久磁石Eの端部から流れ出て、該永久磁石Eの端部に流れ込む磁束が漏れ磁束MJ1であり、任意の磁極を形成する永久磁石E(の例えばN極)から、それに隣接する磁極を形成する永久磁石E(のS極)に流れ込む磁束が漏れ磁束MJ2である。ここで、漏れ磁束MJ1はモータトルクに寄与しないものであることより、その低減を図ることが好ましい一方で、漏れ磁束MJ2に関しては、N極からS極への内部磁束(反磁場)を低減する効果があることが分かっている(永久磁石E内部の磁束MJ2’)。したがって、漏れ磁束の中でも、この漏れ磁束MJ2の流れに関しては、この流れを阻害しないことで、間接的に、永久磁石から発生する磁束に起因するマグネットトルクに寄与することとなる。
図6で示すように、永久磁石Eからは、ステータSのティースT側に向かう磁束MGJ(マグネットトルクに寄与する磁束)と、ステータSのティースTからロータRを介して別途のティースTへ流れる磁束(リラクタンストルクに寄与する磁束)と、が発生し、これらの磁束がモータのトルク性能の決定要因となる。したがって、上記するように、漏れ磁束を低減することに加えて、これらの磁束MGJ等の流れを阻害しないことは、モータトルクにとって重要な要素となる。
ところで、ロータRは一般に、電磁鋼板が積層してなる鋼板積層体や、軟磁性金属粉末を加圧成形してなる圧粉磁心から形成されている。そして、たとえば、図6で示すように同磁極を形成する2つの永久磁石E,Eの間や、永久磁石Eとロータコアの端部の間は、一般にブリッジ部と称されている。そして、電磁鋼板からなるロータコアのこのブリッジ部は、永久磁石E側方の固定用樹脂Jに比して磁気抵抗が小さいことから、上記する漏れ磁束MJ1は、それぞれの永久磁石E端部からブリッジ部を通り、該永久磁石E端部に回り込むような態様で生じているのである。
そこで、この漏れ磁束MJ1を低減するべく、このブリッジ部を可及的に狭くすることで磁気飽和を起こし、磁気抵抗を上げることで漏れ磁束の通過を阻害することも考えられるが、このような方策の場合には、電磁鋼板自体の強度を極めて大きくする必要があり、電磁鋼板の素材自体の開発が要求されるために得策とは言い難い。
ここで、従来の公開技術に目を転じるに、図6で示すような略Vの字状に配された2つの永久磁石の内側、すなわち、これらの永久磁石のロータ中央側(ステータ側ではない)にフラックスバリアを配した電動機が特許文献2,3に開示されている。なお、図6において、永久磁石Eのロータ中央側に開設されたフラックスバリアFB2を図示しており、これに対応するフラックスバリアが特許文献2,3に開示されている。
しかし、上記特許文献2,3や図6で示すように、フラックスバリアFB2を単に永久磁石Eのロータ中央側に配しただけでは、図6で示すように、漏れ磁束MJ1の初期漏れ(N極から出てS極に回りこむ漏れ磁束の初期漏れ)を効果的に抑制できない。さらには、上記するように、間接的に、永久磁石から発生する磁束に起因するマグネットトルクに寄与することとなる漏れ磁束MJ2の流れを完全に遮断してしまい、漏れ磁束MJ2が全くトルクに寄与しないものとなってしまう。
また、別途の特許文献4〜6のように、略Vの字状に配された2つの永久磁石の外周側、すなわち、これらの永久磁石のステータ側に配した電動機も開示されている。
しかし、これらの電動機では、いずれも、永久磁石からステータ側へ発生する磁束をフラックスバリア自体が阻害してしまい、これでは、漏れ磁束を抑制できたとしても、モータトルクを低減させてしまう可能性が極めて高い。なお、図6において、永久磁石Eの外周側(ステータ側)に開設されたフラックスバリアFB1を図示している。これらの特許文献に開示のフラックスバリアは、図6で示すフラックスバリアFB1のごとく、永久磁石Eからステータ側へ発生する磁束MGJの一部を完全に遮断するものとなっている。
特開2006−311730号公報 特開2003−116235号公報 特許第3835231号公報 特開2001−95182号公報 特許第4070630号公報 特許第3816727号公報
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、永久磁石からの漏れ磁束を効果的に低減しながら、しかも、永久磁石からステータ側に発生する磁束やリラクタンストルクに寄与するロータを通過する磁束の流れを阻害せず、もってトルク性能の極めて高いIPMモータとそのためのロータを提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明によるIPMモータ用ロータは、ロータコアの外周側に広がるように間隔を置いて配された2つの磁石スロット内にそれぞれ永久磁石が埋設されて1つの磁極を成し、これが周方向に複数設けられた、IPMモータ用ロータであって、前記ロータコアのうち、2つの前記磁石スロットの前記外周側の前記間隔に対応する領域であって、それぞれの永久磁石からステータ側に発生する磁束と交差しない領域である、非交差外周側領域において、フラックスバリアが形成されているものである。
本発明のロータは、ロータコア内に埋設され、一つの磁極を形成する2つの永久磁石が間隔を置いて、たとえば略Vの字状に配されたものにおいて、この2つの磁石スロットの外周側(ステータ側)の上記する間隔に対応する領域であって、かつ、それぞれの永久磁石からステータ側に発生する磁束(マグネットトルクに寄与する磁束)と交差しない領域である、「非交差外周側領域」にフラックスバリアが形成されているロータである。
ここで、このマグネットトルクに寄与する磁束は、永久磁石のステータ側側面に対して垂直方向に発生することより、たとえば、略Vの字状に配された2つの永久磁石の外周側で上記間隔に対応する位置において、双方の永久磁石のそれぞれのステータ側側面から垂直方向に発生している磁束に交差しない領域は、自ずと、略三角形の領域に規定されることとなり、この略三角形の領域が、上記する「非交差外周側領域」となる。尤も、同磁極を形成する2つの永久磁石の間の間隔の大きさや、略Vの字状の勾配により、形成される非交差外周側領域の大きさは変化することは理解に易い。
本発明のロータでは、この形成された非交差外側領域にたとえば貫通孔からなるフラックスバリアを設けたものであり、従来構造のロータに対してフラックスバリアの形成位置を変更しただけの極めて簡易な構造変更により、当該フラックスバリアが、永久磁石端部からの漏れ磁束を効果的に遮断してその発生を抑止するとともに、永久磁石のステータ側側面から該側面に垂直方向に発生している、マグネットトルクに寄与する磁束の流れを阻害することなく、もって、トルク性能に優れたIPMモータ用のロータとなる。
ここで、上記するフラックスバリアの形態としては、ロータコアに単に開設された貫通孔のほか、この貫通孔内に、非磁性の樹脂体や非磁性の金属体(金属素材として、アルミニウムやその合金、銅やその合金など)が形成された形態などがある。単に貫通孔からなるフラックスバリアの場合には、製造効率性がよく、低コストで製造できるという利点、さらには相対的にロータの軽量化が図れるという利点があり、この貫通孔に非磁性体が形成された形態では、貫通孔のみの場合に比してロータコアの剛性低下を抑制する効果を期待できる。
また、本発明によるIPMモータ用ロータの他の実施の形態は、ロータコアの外周側に広がるように間隔を置いて配された2つの磁石スロット内にそれぞれ永久磁石が埋設されて1つの磁極を成し、これが周方向に複数設けられた、IPMモータ用ロータであって、前記ロータコアのうち、2つの前記磁石スロットの中央側の前記間隔に対応する領域であって、一方の永久磁石からロータの該中央側を通って隣接する磁極を形成する他方の永久磁石に流れる磁束と交差しない領域である、非交差中央側領域において、フラックスバリアが形成されているものである。
この形態は、たとえば略Vの字状の2つの永久磁石の外周側(ステータ側)ではなくて、ロータコアの中央側(中央シャフト側)であって、2つの永久磁石の間隔に対応する領域であり、しかも、隣接する磁極を形成する、一方の磁極の永久磁石から他方の磁極の永久磁石へ流れる磁束(この磁束は、図6で示す漏れ磁束MJ2に相当)と交差しない領域である、「非交差中央側領域」にフラックスバリアが形成されているロータである。
ここで、この磁束(漏れ磁束)は、永久磁石の中央側側面から発生し、該中央側側面に対して垂直方向に流れ出し、隣接する磁極の永久磁石の中央側側面に対して同様にその垂直方向に入り込むことが分かっている。したがって、たとえば、略Vの字状に配された2つの永久磁石の中央側で上記間隔に対応する位置において、この漏れ磁束の流れを阻害しない領域は、上記する「非交差外周側領域」となる上記略三角形の領域を、ロータコア中央側に拡大した領域となる。
この形態のロータでは、形成された非交差中央側領域にたとえば貫通孔からなるフラックスバリアを設けたものであり、既述するロータと同様に、従来構造のロータに対してフラックスバリアの形成位置を変更しただけの極めて簡易な構造変更により、当該フラックスバリアが、間接的にマグネットトルクに寄与し得る漏れ磁束の流れを阻害することがなく、もって、トルク性能に優れたIPMモータ用のロータとなる。
また、本発明によるIPMモータ用ロータの好ましい実施の形態は、上記する2つの形態のフラックスバリアを有するもの、すなわち、ロータコアのうち、2つの前記磁石スロットの前記外周側の前記間隔に対応する領域であって、それぞれの永久磁石からステータ側に発生する磁束と交差しない領域である、非交差外周側領域において、フラックスバリアが形成されており、ロータコアのうち、2つの前記磁石スロットの中央側の前記間隔に対応する領域であって、一方の永久磁石からロータの該中央側を通って隣接する磁極を形成する他方の永久磁石に流れる磁束と交差しない領域である、非交差中央側領域において、別途のフラックスバリアが形成されているものである。
この形態のロータによれば、非交差外周側領域に設けられたフラックスバリアによる効果、および、非交差中央側領域に設けられたフラックスバリアによる効果、の双方の効果を期待することができ、より一層トルク性能に優れたIPMモータ用のロータとなる。
上記する本発明によるIPMモータ用ロータを備えたIPMモータは、従来構造のロータに対してフラックスバリアの形成位置を適所に変更しただけであることより、その製造コストを何等高騰させるものではなく、しかも、この簡易な構造変更によって、トルクに寄与しない漏れ磁束を効果的に低減でき、トルクに間接的に寄与し得る漏れ磁束の流れを遮断することなく、さらには、マグネットトルク等に直接的に寄与する磁束の流れを阻害しないことから、トルク性能に優れたIPMモータとなる。したがって、近時その量産が盛んになっており、かつ、その車載機器に高い出力性能を期待する、ハイブリッド自動車や電気自動車の駆動用モータに好適である。
以上の説明から理解できるように、本発明のIPMモータ用ロータとこれを具備するIPMモータによれば、ロータコアに形成されるフラックスバリアを所望する磁束と交差しない適所に配しただけの極めて簡易な構造変更により、トルク性能に優れたIPMモータを得ることができる。
本発明のIPMモータ用ロータの一実施の形態を具備するIPMモータの一部を拡大した図である。 本発明のIPMモータ用ロータの他の実施の形態を具備するIPMモータの一部を拡大した図である。 本発明のIPMモータ用ロータのさらに他の実施の形態を具備するIPMモータの一部を拡大した図である。 図3で示すロータを具備するIPMモータの全体斜視図である。 トルク性能を比較した解析で使用される、比較例と実施例の各解析モデルの一部を示した模式図と、解析結果をともに示した図である。 従来構造のモータにおいて、漏れ磁束、マグネットトルクに寄与する磁束、永久磁石の外周側および中央側に形成されたフラックスバリア、等を説明した模式図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、図示例において、ティース周りに形成されているコイルは断面円形の導線からなるものであるが、コイル占積率を高めるべく、平角導線を使用してコイルが形成されるものであってもよい。
図1〜図3はそれぞれ、本発明のIPMモータ用ロータの一実施の形態を具備するIPMモータの一部を拡大した図である。
各図で共通する構成として、まず、ステータ20は、略円環状のヨーク22と、このヨーク22から径方向内側に突出するティース21,…と、から形成されており、このティース21,…の先端で形成される平面視円形空間において、本発明のIPMモータ用ロータ10が回転自在に配設されている。そして、各ティース21周りには導線が巻装されてコイル40を形成しており、各ティース21周りに1相の導線が巻装されてなる集中巻き形態、U相、V相、W相の各コイル用導線が不図示の相間インシュレータを介して分布巻きされた形態などにより、ステータが構成されている。
ロータ10を形成するロータコアには、その中央位置に回転シャフト用の貫通孔11が開設されており、その外周側には、平面視が略Vの字状に配された2つの永久磁石31,31が磁石用スロット内に埋設され、その端部に磁石固定用樹脂体12,12が形成されることで一つの磁極30を形成し、これが、ロータコアの周方向に所望の磁極数だけ形成されている。
隣接する2つの磁極を形成する各永久磁石31,31は、相互にN極とS極が反転するようにしてロータコア内に配されている。
そして、一つの磁極を形成する2つの永久磁石31,31の間の間隔(離間)に対応する領域であって、その外周側(ステータ側)の領域には、平面視が円形の貫通孔からなるフラックスバリア50Aが形成されている。
なお、このフラックスバリアの平面形状は、図示例に何等限定されるものではなく、平面視認が矩形や正方形等の方形、楕円形、ブーメラン状など、適宜の形状が適用できる。
そして、図1で示すロータにおけるフラックスバリア50Aの配設位置をより詳細に説明すると、2つの永久磁石31,31の各端辺から延びる垂直線SL1,SL1(永久磁石31のステータ側側面に対して垂直なライン)と、これら2つの永久磁石31,31と、で包囲される領域である、非交差外周側領域HGに設けられている。
この構成により、永久磁石31の端部から漏れ出して該永久磁石31に回り込むようにして流れ込む漏れ磁束MJ1の流れを効果的に遮断することができ、当該漏れ磁束MJ1を抑制してモータトルクの向上を図ることができる。
さらに、このような領域にフラックスバリア50Aが存在することで、永久磁石31のステータ側側面からティース21に向かって、該側面に直交する方向に流れる磁束MGJの流れを当該フラックスバリア50Aが阻害することが確実に回避される。したがって、このフラックスバリア50Aは、漏れ磁束を効果的に低減しながらも、マグネットトルクに寄与する磁束の流れを阻害することがなく、モータトルクの向上に寄与するものとなる。
一方、図2で示すロータにおいては、一つの磁極を形成する2つの永久磁石31,31の間の間隔に対応する領域であって、ロータコアの中央側の領域であり、さらには、ロータコアの中央側に延びている上記する垂直線SL1,SL1の間の領域に、フラックスバリア50Bが形成されている。
なお、図示するフラックスバリア50Bは、その平面視形状が若干湾曲した横長楕円形であるが、フラックスバリア50Aと同様に、多様な平面形状の中から適宜の形状を適用できるものである。
このフラックスバリア50Bは、隣接する磁極間に跨る漏れ磁束MJ2、すなわち、隣接する磁極を形成する一方の永久磁石31から他方の永久磁石31へロータコアの中央側を通り、該他方の永久磁石31の中央側側面に対して、該側面の垂線方向に流れ込む漏れ磁束MJ2の流れを阻害しない領域である、非交差中央側領域HCに配されている。
フラックスバリア50Bが漏れ磁束MJ2の流れを阻害しないことで、永久磁石31のS極に流入する該漏れ磁束MJ2により、永久磁石31内の反磁場が低減されることでマグネットトルクに寄与する磁束MGJの量や流れが促進され(永久磁石31内における磁束MJ2’)、モータトルクの向上を図ることができる。
図3は、図1,2で示す非交差外周側領域HGにおけるフラックスバリア50Aと、非交差中央側領域HCにおけるフラックスバリア50Bの双方を具備するロータである。
このロータでは、フラックスバリア50A,50B双方の効果を同時に享受でき、より一層トルク性能に優れたIPMモータを得ることが可能となる。
なお、フラックスバリア50A,50Bともに、単に貫通孔からなる形態以外にも、非磁性の樹脂体や、アルミニウムやその合金、銅やその合金などの非磁性の金属体から形成された形態などであってもよく、この形態の場合には、フラックスバリア用の貫通孔を形成した際のロータコアの強度低下を抑止することができる。
図4は、図3で示したロータを具備する本発明のIPMモータの全体斜視図である。なお、理解を容易とするべく、コイルの図示を省略している。
図示するステータ20、ロータ10ともに、それぞれ、電磁鋼板2,…が積層されて形成されている鋼板積層体、円盤状の電磁鋼板1,…が積層されてなる鋼板積層体から大略構成されるものである。なお、ステータ20、ロータ10ともに、電磁鋼板を積層した形態以外にも、鉄、鉄−シリコン系合金、鉄−窒素系合金、鉄−ニッケル系合金、鉄−炭素系合金、鉄−ホウ素系合金、鉄−コバルト系合金、鉄−リン系合金、鉄−ニッケル−コバルト系合金および鉄−アルミニウム−シリコン系合金などの軟磁性金属粉末、もしくは軟磁性金属酸化物粉末がシリコーン樹脂等の樹脂バインダーで被覆された磁性粉末などからなる圧粉磁心にて成形されるものであってもよい。
また、ロータコア内に埋設される永久磁石31は、希土類磁石やフェライト磁石、アルニコ磁石等を包含するものであり、希土類磁石としては、ネオジムに鉄とボロンを加えた3成分系のネオジム磁石(Nd−Fe−B系焼結永久磁石)、サマリウムとコバルトとの2成分系の合金からなるサマリウムコバルト磁石、サマリウム鉄窒素磁石、プラセオジム磁石などを挙げることができる。中でも、希土類磁石はフェライト磁石やアルニコ磁石に比して最大エネルギー積(BH)maxが高いことから、高出力が要求されるハイブリッド車等の駆動用モータへの適用に好適である。
[従来構造のIPMモータと、本発明のIPMモータと、で双方のトルクを比較した解析とその結果]
本発明者等は、図1〜3で示す態様のフラックスバリアを有するロータを備えたIPMモータのトルク性能の向上を確認するべく、図5で示すように、複数種の形態のロータモデルをコンピュータ内で作成し、これらのロータモデルを具備するIPMモータモデルで発生するトルク値を算出し、各トルク値の比較をおこなった。
図5の解析モデルにおいて、まず、その上段には、左欄より順に、比較例1はフラックスバリアなしのモデル、比較例2は永久磁石の外周側において非交差外周側領域を逸脱する範囲にまでフラックスバリアを有するモデル、比較例3は永久磁石の中央側において非交差中央側領域を逸脱する範囲にまでフラックスバリアを有するモデル、をそれぞれ示している。さらに、その下段には、左欄より順に、実施例1は図1で示すフラックスバリアを有するモデル、実施例2は図2で示すフラックスバリアを有するモデル、実施例3は図3で示すフラックスバリアを有するモデル、をそれぞれ示している。
ここで、解析モデルを構成する磁極は12極(各磁極を2つの略Vの字状の永久磁石が形成)であり、電流印加条件は、最大トルク発生時の電流条件とした。
図5において、比較例1のモデルのトルク値を100に正規化し、他の比較例および実施例のトルク値を比較例1の結果に対する比率で示している。
同図より、比較例1に対して比較例2,3のトルク値は0.5%、4%低減する結果となり、その配設位置を考慮することなく、単にフラックスバリアを設けただけでは、むしろモータトルクが低減するという、極めて重大な知見を得ることができた。
一方、比較例1に対して、実施例1は0.8%、実施例2は0.2%、実施例3はこれらの総和の1%と、トルク値が確実に増加することが実証された。これらの結果より、本発明のIPMモータ用ロータの構成のごとく、フラックスバリアを、非交差外周側領域、もしくは、非交差中央側領域、もしくはそれらの双方に形成するだけで、モータトルクを効果的に向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1,2…電磁鋼板、10…ロータ、20…ステータ、30…磁極、31…永久磁石、40…コイル、50A,50B…フラックスバリア、100…IPMモータ

Claims (6)

  1. ロータコアの外周側に広がるように間隔を置いて配された2つの磁石スロット内にそれぞれ永久磁石が埋設されて1つの磁極を成し、これが周方向に複数設けられた、IPMモータ用ロータであって、
    前記ロータコアのうち、2つの前記磁石スロットの前記外周側の前記間隔に対応する領域であって、それぞれの永久磁石からステータ側に発生する磁束と交差しない領域である、非交差外周側領域において、フラックスバリアが形成されている、IPMモータ用ロータ。
  2. ロータコアの外周側に広がるように間隔を置いて配された2つの磁石スロット内にそれぞれ永久磁石が埋設されて1つの磁極を成し、これが周方向に複数設けられた、IPMモータ用ロータであって、
    前記ロータコアのうち、2つの前記磁石スロットの中央側の前記間隔に対応する領域であって、一方の永久磁石からロータの該中央側を通って隣接する磁極を形成する他方の永久磁石に流れる磁束と交差しない領域である、非交差中央側領域において、フラックスバリアが形成されている、IPMモータ用ロータ。
  3. ロータコアの外周側に広がるように間隔を置いて配された2つの磁石スロット内にそれぞれ永久磁石が埋設されて1つの磁極を成し、これが周方向に複数設けられた、IPMモータ用ロータであって、
    前記ロータコアのうち、2つの前記磁石スロットの前記外周側の前記間隔に対応する領域であって、それぞれの永久磁石からステータ側に発生する磁束と交差しない領域である、非交差外周側領域において、フラックスバリアが形成されており、
    前記ロータコアのうち、2つの前記磁石スロットの中央側の前記間隔に対応する領域であって、一方の永久磁石からロータの該中央側を通って隣接する磁極を形成する他方の永久磁石に流れる磁束と交差しない領域である、非交差中央側領域において、別途のフラックスバリアが形成されている、IPMモータ用ロータ。
  4. 前記フラックスバリアは、ロータコアに開設された貫通孔である、請求項1〜3のいずれかに記載のIPMモータ用ロータ。
  5. 前記フラックスバリアは、ロータコアに開設された貫通孔に、非磁性の樹脂体、もしくは、非磁性の金属体が形成されたものである、請求項1〜3のいずれかに記載のIPMモータ用ロータ。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のロータと、その外側に配されたステータと、からなる、IPMモータ。
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