JP2008278696A - モータおよびロータ - Google Patents
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Abstract
【課題】 ロータの1極についてV字配置の2つの永久磁石を持つ構造において、短絡磁束を防止しながら、安全性を確保したモータおよびロータを提供する。
【解決手段】 磁石埋め込み型同期モータに用いられるロータであって、ロータは、1つの磁極当り、中心側から外周側に向かって広くなるV字状に間隔をおいて配置された2つの永久磁石17を有し、2つの永久磁石の間の鉄心15内に、非磁性材料3が装着されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 磁石埋め込み型同期モータに用いられるロータであって、ロータは、1つの磁極当り、中心側から外周側に向かって広くなるV字状に間隔をおいて配置された2つの永久磁石17を有し、2つの永久磁石の間の鉄心15内に、非磁性材料3が装着されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、モータおよびロータに関し、より具体的には自動車等に用いられるモータおよびロータに関するものである。
ハイブリッド自動車や電気自動車では、自動車駆動のためにモータ(電動機)が用いられる。この自動車駆動用モータは、自動車に搭載されるため、高出力・高効率化は当然のこととして、小型化及び軽量化が、他の用途に比べて格段に強く求められる。このため、出力を低下させることなく、むしろ高出力化した上で、グラム単位およびミリメートル単位の減量および減寸が絶えず行われている。
近年、そのエネルギー効率が良いことに着目して、埋め込み磁石型同期モータ(IPM( Interior Permanent Magnet )モータ)が、ハイブリッドカーや空調機等の駆動部に用いられる傾向にある。とくに1極に2つの永久磁石をV字状に間隔をあけて配置するロータの構成により、永久磁石の磁界とステータからの磁界との磁気的相互作用によるトルク発生に加えて、2つの永久磁石間の補助磁極に起因するリラクタンストルクを利用でき、効率が高いので、今後、益々使用される趨勢にある。
しかし、上記の埋め込まれた2つの永久磁石には、2つの問題がある。一つは、局所的に高い反磁場による永久磁石の減磁という問題である。ロータコアは鉄心であり、強磁性体で形成されているため、永久磁石の装着により磁化され、永久磁石に面する部分であるスロット内面に、永久磁石表面に形成された極性と反対の極性をもつ磁極が誘起される。この結果、対向するスロット内面どうしで、永久磁石とは反対の極性の磁極が誘起され、その間に磁界を生じるが、この磁界の方向は、永久磁石の内部の磁界の方向と逆である。これが反磁場である。永久磁石の厚みが薄い場合、反磁場の強さは大きいものとなり、局所的に保磁力などの限界値を超えて、永久磁石に対して減磁作用を及ぼし、永久磁石の持つ磁化の強さを低下させる。
もう一つの問題は、トルク発生に寄与しないで、2つの永久磁石の間付近、すなわちセンターブリッジ部を、磁束が通り抜ける、短絡磁束の発生という問題である。たとえば永久磁石のN極が外周側に面しており、S極が内周側にある場合、短絡磁束は、N極を出た後、外周側に位置するステータからの磁束と磁気的相互作用をしないまま、直ちに2つの永久磁石間を通り抜けて、S極に還流する。したがって、短絡磁束はIPMモータのトルク確保に寄与せず、短絡磁束の発生はモータ効率を害する。
このため、次のような方法が提案されている。たとえばIPMモータの永久磁石の減磁の防止および短絡磁束の発生防止のために、1つの磁極を形成するV字状に組み合わせた2個の永久磁石の間の鉄心に空気穴を形成する(特許文献1)。この方法によれば、磁束密度の短絡を防止し、かつ永久磁石の局所的な減磁を防止することができる。
特開2003−143788号公報
上記の方法によれば、永久磁石の局所的な減磁および短絡磁束の生成の問題は回避できるかもしれない。しかしながら、永久磁石間の鉄心(磁性積層鋼板)に設けられた穴の角部には応力集中が生じ、積層鋼板に亀裂または変形が生じるおそれがある。この亀裂または変形は、たとえ積層鋼板のうちの1枚に生じたとしても、永久磁石のスロットと連絡すると、永久磁石の破損片がその空気穴に入り込み、ロータシャフトの軸受等を損傷する可能性がある。
とくに永久磁石のスロットと、上記の空気穴とを連続させる構造の場合、永久磁石は、保護膜や接着層(装着層)等で被覆されるかもしれないが、最初から空気穴に面することになるので、靱性に乏しい永久磁石構成材料の損傷→損傷片の空気穴への入り込み、を生じる。空気穴へ入り込んだ永久磁石片は、ロータ内の周囲の永久磁石やステータからの磁束を受けて予測不能な動きをして、ついには高い確率でトラブルの原因となることが想定される。
上述の2つの問題のうち、永久磁石の局所的な減磁の問題は、永久磁石の厚みを厚くすること、および永久磁石の材料の進歩により保磁力および主要性能にも卓越したものが見出され、問題の深刻度は緩和されている。しかしながら、硬質磁性材料の性能が向上し、また厚く構成することのために、その多くの磁束を、より効率良く利用することが、モータ出力を向上させる上で大きな問題として浮上してきた。すなわち、上述のトラブル発生原因がないようにした上で、短絡磁束を抑制することが緊急を要する大きな課題となっている。
上述の事情の下、高出力を維持しながら、永久磁石の破損またはモータのロータシャフトの軸受の損傷などの可能性のないIPMモータの開発が、強く望まれている。本発明は、このような要望に応えるものであり、ロータの1極についてV字配置の2つの永久磁石を持つ構造において、短絡磁束を抑制しながら、安全性を確保したモータおよびロータを提供することを目的とする。
本発明のロータは、磁石埋め込み型同期モータに用いられるロータである。このロータは、1つの磁極当り、内周側から外周側に向かって広くなるV字状に間隔をおいて配置された2つの永久磁石を有し、2つの永久磁石の間の鉄心内に、非磁性材料が装着されていることを特徴とする。
上記の構成によれば、空気穴などを設けることはなく、埋め込み磁石同期モータに本来備わっている安全保持機構をそのまま維持する。このため、永久磁石の損傷等の可能性は小さく、かつ損傷が生じた場合でも、埋め込み磁石同期モータに本来備わっている永久磁石飛散防止機構の作用により、永久磁石の破損片の飛散の可能性を除くことができ、安全性を確保することができる。すなわち、本発明が対象としているIPMモータは、その名前の由来のとおり永久磁石をロータ内に埋め込む構造を有するが、その大きな利点として、永久磁石が埋め込まれるため飛散防止が自動的になされることが挙げられている。上記の構成では、永久磁石の埋め込み構造に変化はなく、永久磁石の飛散は防止されることになる。また、1つの磁極を形成する2つの永久磁石の間の鉄心内に非磁性材料が装着されるため、センターブリッジ部を通る経路の磁気抵抗を高める。直接、非磁性材料を横切らなくても、非磁性材料の配置によって永久磁石間の部分の断面積は狭められ、磁気抵抗は高くなる。このため、短絡磁束の生成量を抑制することができる。
上記の非磁性材料を、鉄心のロータ軸線方向の長さにわたって延在させることができる。これによって、ロータ長さにわたって鉄心内の短絡磁束の生成を漏れなく防止することができる。
上記の非磁性材料は、2つの永久磁石間に延在し、該非磁性材料の両端が、それぞれ永久磁石に接するようにできる。この構成により、2つの永久磁石の間を通る磁束の経路(仮想経路)は、非磁性材料を横切らざるをえず、すべて磁気抵抗が高い経路となる。このため、実際上、上記のような、永久磁石間のセンターブリッジ部を通る磁束はなくなり、短絡磁束の生成は、より確実に防止される。また、非磁性材料を永久磁石に接するように配置しても、空間ではなく非磁性材料を装着するので、永久磁石の動きは許容されず、破損の発生を防止し、万一、永久磁石の破損が生じても破損片の移動を防止して、トラブルが生じないようにできる。
上記の非磁性材料およびロータの鉄心は、非磁性材料がロータの鉄心に係止される係止部を有する構成とすることができる。これにより、靭性に乏しい永久磁石に対して非磁性材料が応力を大きく付加することがないので、永久磁石を破損することを抑制することができる。また、万一、永久磁石が破損しても、非磁性材料は、永久磁石の形状や位置に無関係に独立してその位置および形状を維持するので、埋め込み磁石型同期モータの磁石飛散防止の機構に変化はなく、磁石の飛散は防止される。
上記の非磁性材料を、非磁性金属または樹脂とすることができる。この構成により、上述のトラブルの可能性を除去した上で、非磁性材料を金属または樹脂とすることで、取り扱いが容易になり、鉄心内への装着工程を容易化することができる。また、樹脂の場合は、絶縁性があるので、渦電流損などを減少させることができる。
上記の非磁性材料が樹脂である場合、その樹脂の圧縮強さ100MPa以上とすることができる。これにより、2つの永久磁石の局所的な反磁界を抑制し、また短絡磁束の発生も抑止した上で、より確実に安全性を向上させることができる。なお、樹脂の圧縮応力は、破壊圧縮応力ではなく、降伏圧縮応力とするのがよい。
本発明のモータは、上記のいずれかのロータを組み込んだものであることを特徴とする。
上記の構成により、ロータ内の永久磁石の局所的な減磁を防止し、短絡磁束の生成を防止した上で、安全性の高いモータを得ることができる。
本発明により、短絡磁束を抑制しながら安全性を確保したモータを提供することができる。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるモータ10の一部分(ロータの1磁極部分)を示す図である。モータ10は、埋め込み磁石型同期モータまたはIPM( Interior Permanent Magnet)モータとして知られるブラシレスモータである。図1において、ロータコア(鉄心)15には、1ロータ当り磁極数の2倍の数の永久磁石15が埋め込まれており、図1は、12極のロータの場合のそのうちの1極部分を示している。ステータ21には、図示しないバスバーを経て、ロータ15またはロータシャフト13の回転に同期させて電流が流され、ロータ15にトルクを発生させる。
図1は、本発明の実施の形態1におけるモータ10の一部分(ロータの1磁極部分)を示す図である。モータ10は、埋め込み磁石型同期モータまたはIPM( Interior Permanent Magnet)モータとして知られるブラシレスモータである。図1において、ロータコア(鉄心)15には、1ロータ当り磁極数の2倍の数の永久磁石15が埋め込まれており、図1は、12極のロータの場合のそのうちの1極部分を示している。ステータ21には、図示しないバスバーを経て、ロータ15またはロータシャフト13の回転に同期させて電流が流され、ロータ15にトルクを発生させる。
ロータ15は、永久磁石17が、外周側に開いたV字状に埋め込まれた埋込磁石形ロータであり、永久磁石をロータ表面に貼り付けるタイプのモータに比べて、(1)高速回転しても永久磁石の飛散を防止することができ、かつ(2)永久磁石間の補助突極に起因するリラクタンストルクを用いることができる、という2点で有利である。永久磁石17は、ロータシャフト13に並行に、ほぼロータ長さと等しい長さを有する。永久磁石17には、SmやCo等を用いた希土類磁石、とくにNdを用いた高性能のネオジウム磁石を用いるのがよい。
上記の永久磁石の局所的な減磁および短絡磁束という2つの問題のうち、永久磁石の局所的な減磁の問題は、永久磁石の厚みを大きくすることで、ある程度は緩和されているが、短絡磁束の問題は大きな問題として残っている。本実施の形態では、図1に示すように、2つの永久磁石17の間のセンターブリッジ部Aに、2つの永久磁石17に接して橋渡しするように非磁性材料3を装着する点に特徴を有する。すなわち、磁束がセンターブリッジ部Aを通る場合には、非磁性材料3を避けることができない構造とする。ロータコア15には、非磁性材料3の装着用のスロット15bが設けられている。このスロット15bに、図2に示す形状の非磁性材料を装着する。
非磁性材料には、アルミニウム等の非磁性金属を用いるか、または樹脂を用いることができる。樹脂を用いる場合には、圧縮応力100MPa以上のポリイミドなどの高強度樹脂を用いるのがよい。上記の非磁性材料の装着により、永久磁石17の表層は非磁性材料の当接面3aに接するが、非磁性材料3はロータコア15に係止されるように、ロータコア15および非磁性材料3に、それぞれ係止部15c,3bを有するので、靭性に乏しい永久磁石17に応力を付加することはない。このため、永久磁石17は破損しにくく、また万一、破損した場合でも、非磁性材料3があるので、永久磁石17が飛散することはなく、安全性は確保される。すなわち、埋め込み磁石型同期モータに本来備わっている、図示されていない永久磁石の飛散防止の機構により、その機能が維持される。
この非磁性材料3の装着により、永久磁石17の外周側に位置するN極を発した磁束は、センターブリッジ部Aを通る経路は、磁気抵抗が高くなるので、この経路を避けるようになり、ほとんど全ての磁束はロータコア15内のステータ21側に向かってから、V字状永久磁石の両側を回って、それぞれのS極側に戻る経路をとる。その結果、ステータからの磁束と磁気的相互作用して、トルク発生に寄与することになる。また、局所的な反磁場による永久磁石17の減磁の問題は、たとえばコーナーCにおける反磁場は、短絡磁束がほとんどなくなり、センターブリッジ部Aへと外周側から回り込む磁束がなくなるので、その分、小さくなり、永久磁石17の減磁を実質的に発生するレベルには届かないようにできる。また、永久磁石17の厚みdを厚くすることにより、さらに反磁場は弱くなり、永久磁石の減磁の問題は緩和される。
図3および図4は、本実施の形態のロータの変形例を示す図である。この変形例では、非磁性材料3は、永久磁石17のコーナーCを覆うような形状および位置を有する点に特徴を有する。このような形状および配置により、コーナーCにおける反磁場は問題にならなくなり、また短絡磁束の経路が非磁性材料3によって遮断される。ただ、ステータ側に向かう永久磁石からの磁束は、コーナー部では非磁性材料のギャップ分、磁気抵抗が高くなり、減少することになる。この磁束の減少を小さくするためには、コーナーCの外周側に位置する非磁性材料をできるだけ少なくするのがよく、その極限が、図1に示す非磁性材料である。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2におけるモータ10の一部分(ロータの1磁極部分)を示す図である。また、図6は、非磁性材料3を示す斜視図である。本実施の形態では、非磁性材料3を、永久磁石17の間のセンターブリッジ部Aの内周側(ロータシャフト13側)に配置した点に特徴を有する。このような非磁性材料3の配置により、永久磁石17からステータ21側に向かう磁束に影響を及ぼさず、できるだけ多くの磁束をステータからの磁束と相互作用させてトルク発生に寄与させることができる。上述の永久磁石17のN極からステータ21側に向かった磁束は、V字状の2つの永久磁石の両側を回って各永久磁石のS極に還流する。
図5は、本発明の実施の形態2におけるモータ10の一部分(ロータの1磁極部分)を示す図である。また、図6は、非磁性材料3を示す斜視図である。本実施の形態では、非磁性材料3を、永久磁石17の間のセンターブリッジ部Aの内周側(ロータシャフト13側)に配置した点に特徴を有する。このような非磁性材料3の配置により、永久磁石17からステータ21側に向かう磁束に影響を及ぼさず、できるだけ多くの磁束をステータからの磁束と相互作用させてトルク発生に寄与させることができる。上述の永久磁石17のN極からステータ21側に向かった磁束は、V字状の2つの永久磁石の両側を回って各永久磁石のS極に還流する。
また、本実施の形態における非磁性材料は、永久磁石のコーナーCに対向する内周側のコーナーDにおいて、永久磁石の内周側面(S極面)に交差する方向に延びる端部を持つ。このため、永久磁石17のS極面に対向するロータコアに誘起されるN極部は、コーナーCから遠くに位置に離れることになり、またその誘起されるN極の大きさも小さくなる。この結果、コーナーCに生じる反磁場が、問題にならないレベルに小さくなり、短絡磁束だけでなく、永久磁石の減磁の問題も解消される。上記の短絡磁束と反磁場との2つの問題は、多くの電磁気現象に見られるように、相互に無関係ではない。
上記の非磁性材料の装着により、永久磁石17の表層は非磁性材料の当接面3aに直接、面するが、非磁性材料3はロータコア15に係止されるように、ロータコア15および非磁性材料3に、それぞれ係止部15c,3bを有するので、靭性に乏しい永久磁石17に応力を付加することはない。このため、永久磁石17は破損しにくく、また万一、破損した場合でも、非磁性材料3があるので、永久磁石17が飛散することはなく、安全性は確保される。すなわち、埋め込み磁石型同期モータに本来備わっている、図示されていない永久磁石の飛散防止の機構により、その機能が維持される。
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3におけるモータ10の一部分(ロータの1磁極部分)を示す図である。また、図8は、非磁性材料3を示す斜視図である。本実施の形態では、非磁性材料3を、永久磁石17のコーナーCにのみ配置した点に特徴を有する。本実施の形態の非磁性材料3は、永久磁石17の厚みdが薄く、センターブリッジ部Aの幅が狭い場合に、短絡磁束を抑制し、永久磁石の減磁の防止する上で、大きな効果を有する。
図7は、本発明の実施の形態3におけるモータ10の一部分(ロータの1磁極部分)を示す図である。また、図8は、非磁性材料3を示す斜視図である。本実施の形態では、非磁性材料3を、永久磁石17のコーナーCにのみ配置した点に特徴を有する。本実施の形態の非磁性材料3は、永久磁石17の厚みdが薄く、センターブリッジ部Aの幅が狭い場合に、短絡磁束を抑制し、永久磁石の減磁の防止する上で、大きな効果を有する。
図7および図8の非磁性材料3の形状および配置により、まずコーナーCにおいて反磁場が小さくなることは明白である。また、コーナーCは非磁性材料3で覆われるため、短絡磁束を形成するためには、コーナーCの非磁性材料3を回りこんでセンターブリッジ部Aに入ってくる必要があり、磁路は長くなり、かつセンターブリッジ部Aの入口の断面積は、非磁性材料3がセンターブリッジ部Aにはみ出す分、狭くなる。上記の非磁性材料3の効果は、係止部3bを、センターブリッジ部Aの幅を狭めるように幅中央に両側から突き出すように配置することで、補強される。この結果、短絡磁束にとって磁気抵抗が高くなり、短絡磁束を形成しにくくなる。
上記の非磁性材料の装着により、永久磁石17の表層は非磁性材料に直接、面するが、非磁性材料3は、約(3/4)周分がロータコア15に取り囲まれるので、ロータコア15および非磁性材料3に、1箇所だけ係止部3b,15cを設ければ回転の自由度がなくなり、スロット15bに拘束され、靭性に乏しい永久磁石17に応力を付加することはない。このため、永久磁石17は破損しにくく、また万一、破損した場合でも、非磁性材料3があるので、永久磁石17が飛散することはなく、安全性は確保される。すなわち、埋め込み磁石型同期モータに本来備わっている、図示されていない永久磁石の飛散防止の機構により、その機能が維持される。
上記において、本発明の実施の形態について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明のロータおよびモータを用いることにより、短絡磁束を抑制して、またロータ内の永久磁石の厚みが薄い場合等でも減磁を防止し、かつ安全性を向上することができる。
3 非磁性材料、3a 当接面、3b 係止部、10 IPMモータ、13 ロータシャフト、15 ロータコア、15a 永久磁石用スロット、15b 非磁性材料用スロット、15c 係止部、17 永久磁石、21 ステータ、A センターブリッジ部、C 外周側コーナー、D 内周側コーナー。
Claims (7)
- 磁石埋め込み型同期モータに用いられるロータであって、
1つの磁極当り、内周側から外周側に向かって広くなるV字状に間隔をおいて配置された2つの永久磁石を有し、
前記2つの永久磁石の間の鉄心内に、非磁性材料が装着されていることを特徴とする、ロータ。 - 前記非磁性材料は、前記鉄心のロータ軸線方向の長さにわたって延在していることを特徴とする、請求項1に記載のロータ。
- 前記非磁性材料は、前記2つの永久磁石間に延在し、該非磁性材料の両端が、それぞれ前記永久磁石に接することを特徴とする、請求項1または2に記載のロータ。
- 前記非磁性材料および前記ロータの鉄心は、前記非磁性材料が前記ロータの鉄心に係止される係止部を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のロータ。
- 前記非磁性材料が、非磁性金属または樹脂であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のロータ。
- 前記非磁性材料が樹脂である場合、その樹脂は圧縮強さ100MPa以上を有することを特徴とする、請求項5に記載のロータ。
- 前記請求項1〜6のいずれかに記載のロータが組み込まれたことを特徴とする、モータ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2011132250A1 (ja) * | 2010-04-19 | 2011-10-27 | トヨタ自動車株式会社 | 磁石埋め込み型同期モータ用ロータ |
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