JP2009065803A - 磁石同期機 - Google Patents

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和成 奥本
Arata Kusase
草瀬  新
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Abstract

【課題】経済的であり、弱め磁束制御能力に優れた表面磁石同期機を提供すること。
【解決手段】磁石ロータ部2に軸方向に隣接して磁気誘導部3を設ける。磁気誘導部3はd軸方向に磁気突極部32をもつことができる。このようにすれば、磁気誘導部3を設けない場合に比べて高速回転時のトルクを大幅に改善できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、磁石同期機に関し、詳しくは磁石同期機の弱め磁束特性に優れたロータ構造に関する。
磁石ロータ型同期機としては、表面磁石同期機(SPM)と埋込磁石型同期期(IPM)とが知られている。表面磁石同期機としては、電気角πごとに極性交互に永久磁石片が固定され、各永久磁石片の間に非磁性領域が存在するタイプがある。あるいは円筒状の永久磁石を軟磁性のロータコアの表面に嵌着してもよい。これらのタイプの表面磁石同期機では、ほとんどリラクタンストルクが期待できないため、非突極機と呼ばれる。これに対して、軟磁性のロータコア各永久磁石片の間に軟磁性の磁気突極部が突出するタイプも知られており、このタイプの表面磁石同期機は、突極機と呼ばれる。ただ、突極機といえども表面磁石同期機のリラクタンストルクはIPMのそれよりも小さいのが一般的である。この種の表面磁石同期機としては、たとえば下記の特許文献1のものが知られている。
しかしながら、表面磁石同期機は、IPMに比べて、弱め磁束特性が劣るため、高速回転時のトルク低下が顕著であることが広く知られている。特に、自動車用同期機では高速回転時のトルク確保が重要なため、この欠点は、自動車用途において重大である。表面磁石同期機の弱め磁束特性がIPMのそれに比べて劣るのは、表面磁石同期機におけるd軸磁束が流れる磁気回路の磁気抵抗がIPMのそれに比べて大きいため、実用的に通電可能なd軸電流量により形成される磁石磁束φmを弱める向き(負の向き)のd軸磁束量がIPMのそれに比べて小さいためである。つまり、表面磁石同期機のd軸インダクタンスが小さいため、弱め磁束制御においてd軸電流が増大するため弱め磁束能力が劣る訳である。
また、従来のIPMにおいても、弱め磁束制御性能には限界があり、その向上が望まれていた。
特開2005−20876号公報
(発明の目的)
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、弱め磁束制御能力を向上した磁石同期機を提供することをその目的としている。
(発明の要約)
上記目的を達成する本発明の磁石同期機は、回転軸に固定されてステータコアの内周面に面しつつ回転する磁石ロータ部を有し、前記磁石ロータ部は、回転軸に固定された軟磁性のロータコアと、該ロータコアに固定される永久磁石とを有する磁石式同期機において、前記ロータコアは、前記永久磁石を有して前記ステータコアの周面に小電磁ギャップを隔てて対面する磁石ロータ部と、前記磁石ロータ部に対して軸方向に隣在するとともに前記ステータコアの周面に小電磁ギャップを隔てて対面するディスク状軟磁性部材からなる磁気誘導部とを有することをその特徴としている。
すなわち、この発明の磁石同期機は、磁石ロータ部に対して軸方向に隣在してディスク状軟磁性部材からなる磁気誘導部を設けた点にその特徴がある。この磁気誘導部の周面は、磁石ロータ部のそれと同様にステータコアの周面に微小電磁ギャップを隔てて対面している。ただし、磁石ロータ部の周面とそれに対面する軟磁性ロータ部の周面との間のいわゆる電磁ギャップの径方向幅は、磁石ロータ部の周面の各部において変化してもよい。
また、磁石ロータ部の永久磁石は、軟磁性のロータコアの表面に円筒状の永久磁石を嵌着する他、軟磁性のロータコアの表面に周方向一定ピッチで固定された円弧状又は平板状の永久磁石片としてもよい。もちろん、円筒状の永久磁石は、周方向一定ピッチで極性交互に磁化される。なお、磁気誘導部は、本質的に永久磁石を持たないが、d軸磁石磁束を増加することなく、q軸インダクタンスを低減するための永久磁石を有していてもよい。
このようにすれば、軸方向のほとんどの領域において、表面磁石構造を採用するにもかかわらず、優れた弱め磁束制御能力を得られ、高速回転時のトルク特性を改善できることがわかった。
好適な態様において、永久磁石は磁石ロータ部の周面に固定され、磁石ロータ部は、表面磁石型同期機のロータを構成する。このようにすれば、従来ほとんど弱め磁束制御ができなかった表面磁石型同期機において弱め磁束制御を実現することができる。
好適な態様において、永久磁石は磁石ロータ部に埋設され、磁石ロータ部は、埋め込み磁石型同期機のロータを構成する。このようにすれば、埋め込み磁石型同期機の弱め磁束制御能力を向上することができる。
好適な態様において、磁気誘導部は、磁石ロータ部のd軸位置にて磁石ロータ部のq軸位置よりもステータコアの周面に向けて突出する磁気突極部を有する。このようにすれば、上記効果を一層向上できることがわかった。
好適な態様において、磁気誘導部は、磁石ロータ部のq軸位置にて略周方向に幅広の断面形状を有して軸方向へ形成されてq軸磁束φqを抑制するフラックスバリアと、フラックスバリアに径方向に隣接配置されてd軸磁束φdを周方向へ流すd軸磁束磁路とを有する。このようにすれば、上記効果を一層向上できることがわかった。
好適な態様において、磁気誘導部は、ステータコアの周面に対面する円筒状の周面を有する。この場合においても、表面磁石構造を採用するにもかかわらず、優れた弱め磁束制御能力を得られ、高速回転時のトルク特性を改善できることがわかった。
好適な態様において、磁気誘導部は、磁石ロータ部に対して軸方向へ所定幅の非磁性部を介して隣接し、非磁性部は、磁石ロータ部と磁気誘導部との間における軸方向への磁束流れを低減する。このようにすれば、磁石ロータ部が発生する磁石磁束Φmがロータ内を軸方向に流れて磁気誘導部に−d軸磁束を与えるのを減らすことができる分だけ、高速回転時において−d軸磁束を与える弱め磁束制御を磁気誘導部のd軸領域の磁気飽和なしに十分に実施することができる。
好適な態様において、ステータコアは、磁石ロータ部に径方向に対面する磁石ロータ対面ステータコア部と、磁気誘導部に径方向に対面する軟磁性ロータ対面ステータコア部とを有し、両ステータコア部は、軸方向へ所定幅の非磁性部を介して隣接し、非磁性部は、前記両ステータコア部の間における軸方向への磁束流れを低減する。このようにすれば、磁石ロータ部が発生する磁石磁束Φmがステータ内を軸方向に流れて磁気誘導部に−d軸磁束を与えるのを減らすことができる分だけ、高速回転時において−d軸磁束を与える弱め磁束制御を磁気誘導部のd軸領域の磁気飽和なしに十分に実施することができる。
本発明の表面磁石同期機の好適実施形態を図面を参照して説明する。もちろん、本発明は下記の実施例に限定されるものではなく、本発明の技術思想を他の公知の技術要素又はそれに相当する技術要素を組み合わせて実現してもよいことは当然である。なお、下記の実施形態ではアウターロータ構造を説明するが、周知のインナーロータ構造への変更は当然可能である。
(実施形態1)
実施形態1の表面磁石同期機の全体構造を図1、図2に示す。図1はその軸方向模式断面図、図2(a)は磁石ロータ部2の径方向模式部分断面図、図2(b)は磁気誘導部3の径方向模式部分断面図である。
(構造)
1はロータ、2は磁石ロータ部、3は磁気誘導部、4は回転軸、5はステータ、6はステータコア、7はステータコイルである。
ステータ5は、従来の磁石界磁同期機と同じく、積層電磁鋼板からなるステータコア6と、このステータコア6に巻装されたステータコイル7とからなり、ステータコア6は図略のハウジングの内周面に固定されている。
このハウジングに回転自在に支承された回転軸4には、磁石ロータ部2と磁気誘導部3とが嵌着、固定されている。この実施形態では、磁気誘導部3は、磁石ロータ部2の軸方向両端に隣接配置されている。磁石ロータ部2及び磁気誘導部3の外周面は、ステータコア6の内周面に微小ギャップを隔てて対面している。
磁石ロータ部2は、図2(a)に示すように積層電磁鋼板からなる円筒状のロータコア21と、ロータコア21の外周面に嵌着、固定された円筒状の永久磁石22とからなり、ロータコア21は、回転軸4に嵌着、固定されている。円筒状の永久磁石22は、電気角πピッチにて周方向極性交互に径方向へ磁化されている。なお、永久磁石22をそれぞれ所定の周方向幅をもつ永久磁石片にて構成してもよく、この場合に各永久磁石片の間においてロータコア21の外周部を径方向外側に突出させて、q軸磁気突極部としてもよい。更に、このq軸磁気突極部で永久磁石片の肩部を押さえるようにして、永久磁石片の耐遠心力性能を向上させてもよい。なお、この実施形態では、図2(a)に示すように、永久磁石22は、4極を有しているが、磁石ロータ部2の周方向磁極数は必要に応じて決定すればよい。なお、図2(a)には、それぞれロータの90度を占有する4つの磁極のうちの一つのN極が示されている。
磁気誘導部3は、図2(b)に示すように積層電磁鋼板により構成されている。磁気誘導部3は、回転軸4に嵌着、固定された円筒状のヨーク部31と、ヨーク部31の外周面から周方向電気角πピッチで径方向外側へ突出する磁気突極部32とからなる。磁気突極部32は、磁石ロータ部2の各磁極の周方向中心位置(d軸)を中心として周方向等幅に形成されている。磁気誘導部3の軸方向幅合計幅は、磁石ロータ部2のそれの2〜40%更に好適には5〜20%とされているが、それに限定されるものではない。
(動作)
この表面磁石同期機の動作を以下に説明する。図示しないモータコントローラは、図略の回転位置センサからの信号によりあるいはセンサレス方式で検出したロータ角度位置と、入力されるトルク指令に基づいて3相のステータコイル7に通電される3相電流をPWM制御し、トルク指令に対応するトルクを発生する。この制御は通常のベクトル制御と同じである。
ロータ1のトルクは、磁石ロータ部2のトルクと磁気誘導部3のトルクとの合計となる。磁石ロータ部2の永久磁石22からステータコア6に流入し、ステータコア6内を軸方向に流れて磁気誘導部3の磁気突極部32に入り、磁気誘導部3から軸方向に流れて磁気突極部32の永久磁石22に戻る磁路(以下、軸方向磁路とも言う)の磁束(軸方向磁束とも言う)を無視して考えれば、この表面磁石同期機は、通常のSPMとシンクロナスリラクタンスモータ(SRM)とを組み合わせたトルク特性をもつことになる。
この表面磁石同期機の高速回転時の動作を考えると、磁石ロータ部2の永久磁石22がd軸方向へ発生する磁石磁束Φmは、ステータコイル7に磁石起電力を発生する。したがって、この高速回転時に必要トルクを発生するための電流を電源から流すには、−d軸電流を流して磁石ロータ部2と磁気誘導部3とのd軸磁束の合計を減らす弱め磁束制御が行われる。
ただし、磁石ロータ部2のd軸磁束(磁石磁束)を低減するには、磁石ロータ部2のd軸インダクタンスLdが永久磁石22の存在のため小さいため、非常に大きな−d軸電流を流す必要がある。これに対して、磁気誘導部3のd軸インダクタンスLdは永久磁石22が存在しないため格段に大きくなり、したがって−d軸電流を上記のように大幅に増大することなく、磁気誘導部3のd軸磁束を大幅に減らす(又は磁石ロータ部2の磁石磁束方向と逆方向とする)ことができる。
したがって、この実施形態によれば、高速回転時において、直流電源が供給可能な電圧、電流範囲内にてステータコイル7と鎖交する合計d軸磁束量を低減することができ、いわゆる弱め磁束制御を行って、トルクを発生することができる。
(効果)
表面磁石同期機の弱め磁束特性がIPMのそれに比べて劣るのは、表面磁石同期機におけるd軸磁束が流れる磁気回路の磁気抵抗がIPMのそれに比べて大きいため、直流電源から通電可能なd軸電流量により形成される磁石磁束φmを弱める向き(負の向き)のd軸磁束量がIPMのそれに比べて小さいためである。つまり、表面磁石同期機のd軸インダクタンスが小さいため、弱め磁束制御においてd軸電流が増大するため弱め磁束能力が劣る訳である。これに対して、この実施形態では、高速回転時に磁石磁束と逆向きのd軸磁束を形成するためにステータコイル7にd軸電流を流すことにより、磁石磁束と逆向きのd軸磁束を大量に磁気誘導部3に発生させることができる。このため、ステータコイル7から見た磁石磁束を含むd軸磁束の合計が小さくなり、その結果として、直流電源の給電可能な電圧、電流範囲にて必要なトルクを発生するベクトル電流を流すことができ、良好に弱め磁束制御を実現することができる。
また、この実施形態によれば、磁気誘導部3の磁気突極部32が永久磁石22の軸方向端面に接着乃至係合するため、永久磁石22に生じる遠心力を磁気突極部32で一部担持することができる利点も生じる。
更に、この実施形態によれば、単位トルク当たりの磁石量の低減によりコストダウンが可能な表面磁石同期機において弱め磁束制御能力を向上できるうえ、磁気誘導部3のリラクタンストルクも利用できるため、高速回転にも対応可能なPMを経済的に実現できる利点もある。
(変形態様)
変形態様を図3に示す。
この変形態様によれば、図1に示す磁石ロータ部2の軸方向両端の磁気誘導部3に加えて磁石ロータ部2の軸方向中央部にも磁気誘導部30が追加されている。このようにすれば、上記効果を更に向上することができる。なお、図3において、軸方向中央部の磁気誘導部30だけを残し、軸方向両端の磁気誘導部3を省略しても上記と同じ効果を奏することは明白である。
(実施形態2)
実施形態2の表面磁石同期機を図4を参照して説明する。図4(a)は磁石ロータ部2の径方向模式部分断面図、図4(b)は磁気誘導部3の径方向模式部分断面図である。
この実施形態は、図2(b)において磁気突極部32の周方向両側に円弧状のフラックスバリア33設け、径方向に隣接するフラックスバリア33、33の間にd軸磁束Φdを周方向へ流すためのd軸磁束磁路34を設けたものである。このようにすれば、q軸磁束が流れる磁路のq軸インダクタンスLqが3段に配置されたフラックスバリア33により減少するため、リラクタンストルクを確保しつつ弱め磁束制御能力を向上することができる。
(実施形態3)
実施形態3の表面磁石同期機を図5を参照して説明する。図5は磁石ロータ部2の径方向模式部分断面図である。
この実施形態は、図1において磁石ロータ部2と磁気誘導部3との間にディスク状の非磁性部9を介設し、この非磁性部9と軸方向同位置においてステータコア6にも非磁性部8を介設したものである。
非磁性部8、9は、たとえば樹脂製であって2〜8mmの軸方向厚さを有している。非磁性部9はステータコイル7が軸方向に貫通するスロットをもつ。非磁性部8は永久磁石22の端面に接着されることができる。非磁性部8、9は、非磁性材料により構成されている。このようにすれば、永久磁石22から出た磁石磁束Φmがロータコア21内、ステータコア6内を軸方向に流れて磁気突極部32に弱め磁束方向のd軸磁束を発生させるのを抑止することができる。
(実施形態4)
実施形態4の表面磁石同期機を図6を参照して説明する。図6(a)は磁石ロータ部2の径方向模式部分断面図、図6(b)は磁気誘導部3の径方向模式部分断面図である。
この実施形態は、図2(b)において、磁気誘導部3の全周にわたってその外径を等しくしたものである。この外径は図2(bの)磁気突極部32の外径に等しい。つまり、この実施形態の磁気誘導部3は、円筒状に形成されており磁気突極性をもたない。
この場合には、磁気誘導部3のリラクタンストルクは期待できないものの、磁気誘導部3のd軸磁束が流れる磁路のインダクタンスであるd軸インダクタンスLdは、上記各実施形態以上に大きくすることができるため、−d軸電流を流して弱め磁束制御を十分に行うことができる。その結果、上記実施形態と同様に、高速回転時において電源が給電可能な電圧、電流範囲にて磁石起電圧を弱めてトルク発生のためのベクトル電流を通電して、必要なトルクを発生することができる。
(シミュレーション結果1)
シミュレーション結果を以下に説明する。図7は、磁気誘導部3として図2(b)に示す磁気突極部32を採用したタイプと、図2において磁気誘導部3を省略したタイプとを比較したものである。磁気誘導部3の有無を除いて寸法等の条件は同等としている。図7において、「両端鍔つき」は、図2に示すロータ構造を意味し、「鍔なし」は、図2において磁気誘導部3を省略したロータ構造を意味する。なお、ステータコイル7に給電する直流電源の最大電圧値、最大電流値は上記両者において同じとした。
図7からわかるように、表面磁石同期機の磁石ロータ部2の両側に磁気誘導部3を設けることにより、その高速回転時における最大トルクを大幅に改善できることがわかった。すなわち、破線で示すように磁気誘導部3が無い場合でも、多少の弱め磁束制御(−d軸電流の通電)によるトルクアップは可能であるが、磁気誘導部3を設けることによりその効果を大幅に向上できることが判明した。これにより、幅広い回転数で運転される車両用モータに磁石使用量が少なく経済的な表面磁石同期機の採用が可能となった。
(シミュレーション結果2)
シミュレーション結果を以下に説明する。図8は、磁気誘導部3として図6(b)に示す磁気突極部32をもたない円筒状の磁気誘導部3を採用したタイプと、図6において磁気誘導部3を省略したタイプとを比較したものである。磁気誘導部3の有無を除いて寸法等の条件は同等としている。図8において、「両端鍔つき」は、図6に示すロータ構造を意味し、「鍔なし」は、図6において磁気誘導部3を省略したロータ構造を意味する。なお、ステータコイル7に給電する直流電源の最大電圧値、最大電流値は上記両者において同じとした。
図8からわかるように、表面磁石同期機の磁石ロータ部2の両側に磁気誘導部3を設けることにより、その高速回転時における最大トルクを大幅に改善できることがわかった。すなわち、破線で示すように磁気誘導部3が無い場合でも、多少の弱め磁束制御(−d軸電流の通電)によるトルクアップは可能であるが、磁気誘導部3を設けることによりその効果を大幅に向上できることが判明した。これにより、幅広い回転数で運転される車両用モータに磁石使用量が少なく経済的な表面磁石同期機の採用が可能となった。
更に、図7と図8とを比較すると、磁気誘導部3として、磁気突極タイプ(図2(b))と、磁気突極部32をもたない円筒状の磁気非突極タイプ(図6(b)とで、磁気誘導部3の追加による弱め磁束制御能力の増大効果はほぼ等しいことがわかった。ただし、磁気突極部32の磁気突極比の増大などにより高速回転時の最大トルクの値は変化すること、かつ、磁気突極部32によるリラクタンストルクの利用が可能な点から、総合的には磁気突極タイプ(図2(b)の採用はより有効であると考えられる。
(実施形態5)
実施形態5の埋め込み磁石型同期機の全体構造を図9、図10に示す。図9はその軸方向模式断面図、図10はその磁石ロータ部2の径方向模式部分断面図、図11はその磁気誘導部の径方向模式部分断面図である。なお、磁気誘導部3の形状配置は実施形態1と同じである。
この実施形態は、いわゆる埋め込み磁石型同期機の磁石ロータ部2の両端面に隣設して実施形態1で説明したディスク状軟磁性部材からなる磁気誘導部3を設けたものである。ロータコア2のヨーク部21には永久磁石22が埋め込まれている。埋め込み磁石型の磁石ロータ部2は従来の埋め込み磁石型同期機のそれと同じであるため、これ以上の説明は省略する。なお、埋め込み磁石型同期機の磁石ロータ部2の磁石配置としては多数の方式が公知であるが、それらの採用は当然可能である。
この場合においても、弱め磁束制御を行うことにより磁気誘導部3に流れる−d軸磁束量の増大により、ステータコイルと鎖交するd軸磁束量合計を減少させることができ、その分だけ埋め込み磁石型同期機の弱め磁束制御性能を更に向上することができる。
実施形態1の表面磁石同期機の軸方向模式断面図である。 図1の表面磁石同期機の径方向部分断面図である。図2(a)は磁石ロータ部の径方向模式部分断面図、図2(b)は磁気誘導部の径方向模式部分断面図である。 変形態様の表面磁石同期機の軸方向模式断面図である。 実施形態2の表面磁石同期機の径方向部分断面図である。図4(a)は磁石ロータ部の径方向模式部分断面図、図4(b)は磁気誘導部の径方向模式部分断面図である。 実施形態3の表面磁石同期機の軸方向模式断面図である。 実施形態4の表面磁石同期機の径方向部分断面図である。図6(a)は磁石ロータ部の径方向模式部分断面図、図6(b)は磁気誘導部の径方向模式部分断面図である。 実施形態1の表面磁石同期機と従来の表面磁石同期機の回転数−最大トルク特性のシミュレーション結果を示す図である。 実施形態4の表面磁石同期機と従来の表面磁石同期機の回転数−最大トルク特性のシミュレーション結果を示す図である。 実施形態5の埋め込み磁石型同期機の軸方向模式断面図である。 図9の埋め込み磁石型同期機の磁石ロータ部の径方向模式部分断面図である。 図9の埋め込み磁石型同期機の磁気誘導部の径方向模式部分断面図である。
符号の説明
1 ロータ
2 磁石ロータ部
3 磁気誘導部
4 回転軸
5 ステータ
6 ステータコア
7 ステータコイル
8 非磁性部
9 非磁性部
21 ロータコア
22 永久磁石
30 磁気誘導部
31 ヨーク部
32 磁気突極部
33 フラックスバリア
34 軸磁束磁路

Claims (8)

  1. 回転軸に固定されてステータコアの内周面に面しつつ回転する磁石ロータ部を有し、前記磁石ロータ部は、回転軸に固定された軟磁性のロータコアと、該ロータコアに固定される永久磁石とを有する磁石式同期機において、
    前記ロータコアは、前記永久磁石を有して前記ステータコアの周面に小電磁ギャップを隔てて対面する磁石ロータ部と、前記磁石ロータ部に対して軸方向に隣在するとともに前記ステータコアの周面に小電磁ギャップを隔てて対面するディスク状軟磁性部材からなる磁気誘導部とを有することを特徴とする磁石式同期機。
  2. 請求項1記載の磁石式同期機において、
    前記永久磁石は前記磁石ロータ部の周面に固定され、前記磁石ロータ部は、表面磁石型同期機のロータを構成する磁石式同期機。
  3. 請求項1記載の磁石式同期機において、
    前記永久磁石は前記磁石ロータ部に埋設され、前記磁石ロータ部は、埋め込み磁石型同期機のロータを構成する磁石式同期機。
  4. 請求項1記載の磁石同期機において、
    前記磁気誘導部は、前記磁石ロータ部のd軸位置にて前記磁石ロータ部のq軸位置よりも前記ステータコアの周面に向けて突出する磁気突極部を有する磁石同期機。
  5. 請求項1記載の磁石同期機において、
    前記磁気誘導部は、
    前記磁石ロータ部のq軸位置にて略周方向に幅広の断面形状を有して軸方向へ形成されてq軸磁束φqを抑制するフラックスバリアと、
    前記フラックスバリアに径方向に隣接配置されてd軸磁束φdを周方向へ流すd軸磁束磁路とを有する磁石同期機。
  6. 請求項1記載の磁石同期機において、
    前記磁気誘導部は、前記ステータコアの周面に対面する円筒状の周面を有することを特徴とする磁石同期機。
  7. 請求項1乃至6のいずれか記載の磁石同期機において、
    前記磁気誘導部は、前記磁石ロータ部に対して軸方向へ所定幅の非磁性部を介して隣接し、前記非磁性部は、前記磁石ロータ部と前記軟磁性ロータ部との間における軸方向への磁束流れを低減する磁石同期機。
  8. 請求項1乃至7のいずれか記載の磁石同期機において、
    前記ステータコアは、前記磁石ロータ部に径方向に対面する磁石ロータ対面ステータコア部と、前記磁気誘導部に径方向に対面する軟磁性ロータ対面ステータコア部とを有し、
    前記両ステータコア部は、軸方向へ所定幅の非磁性部を介して隣接し、前記非磁性部は、前記両ステータコア部の間における軸方向への磁束流れを低減する磁石同期機。
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