JP2011035978A - 永久磁石モータの駆動システム及び電動車両 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】永久磁石モータを駆動する駆動システムであって、インバータの直流母線の負極または正極とモータの固定子巻線の中性点との間に直流電源が接続され、インバータがモータの零相分電流を制御することにより直流電源の電圧を昇圧して直流母線側に供給可能とした駆動システムにおいて、モータM1の全相の相電流を検出する手段16Aと、検出した全相の相電流から零相分電流を算出し、この零相分電流の各相の分担量を各相の相電流から減じて全相の正相分電流をそれぞれ算出すると共に、算出した全相の正相分電流のうち何れかの相の正相分電流が予め設定した保護電流レベルを超えたときに過電流と判断して保護信号tripを出力する保護信号生成回路12Aと、を備える。
【選択図】図1
Description
図9は、この特許文献2に記載された回路を示している。この回路では、インバータINVの上アームまたは下アームの半導体スイッチング素子の全オンまたは全オフによりインバータINVを2象限チョッパとして動作させながらモータMの零相分電流を制御することで、直流電源Bの電圧を昇圧して直流母線側のコンデンサCに供給している。なお、MmはモータMの固定子巻線の中性点、T11〜T16は半導体スイッチング素子、Pは直流母線の正極、Nは負極である。
上記の問題を、図10を用いて説明する。
一方、モータの保護電流レベルについて考えると、特許文献1の方法ではモータの相電流(つまり正相分電流と零相分電流との加算値)に対して設定するので、図10に示すように、重畳された零相分電流(本来であれば正相分電流として流せる電流)により、正相分電流が保護電流レベルに達していないにもかかわらず、過電流保護動作が働いてしまう場合がある。
前記モータの全相の相電流を検出する手段と、
検出した全相の相電流から前記零相分電流を算出し、この零相分電流の各相の分担量を各相の相電流から減じて全相の正相分電流をそれぞれ算出する手段と、
算出した全相の正相分電流のうち何れかの相の正相分電流が予め設定した保護電流レベルを超えたときに過電流と判断して前記モータに対する保護動作を実行する手段と、を備えたものである。
前記モータの任意の一相を除いた(n−1)相の相電流を検出する手段と、
前記零相分電流を検出する手段と、
前記零相分電流のn相各相の分担量を、(n−1)相各相の相電流から減じて(n−1)相の正相分電流をそれぞれ算出する手段と、
(n−1)相の正相分電流を用いて前記任意の一相の正相分電流を算出する手段と、
算出した全相の正相分電流のうち何れかの相の正相分電流が予め設定した保護電流レベルを超えたときに過電流と判断して前記モータに対する保護動作を実行する手段と、を備えたものである。
この実施形態は、図9に示したように、電力変換器による永久磁石モータの駆動システムであって、電力変換器の直流母線の負極または正極とモータの固定子巻線の中性点との間に直流電源が接続され、電力変換器によりモータの零相分電流を制御することにより、直流電源電圧を昇圧して直流母線側に供給する機能を備えた駆動システムを対象としている。
そして、本実施形態では、上記駆動システムにおいて、モータの相電流検出値から零相分電流を除去した正相分電流を演算し、その正相分電流が予め設定した保護電流レベルを超えたら過電流と判断してモータへの通流を停止し、減磁保護を行うものである。
モータの各相インピーダンスが等しければ、零相分電流izは、各相にn分の1ずつ流れるので、各相の相電流ik、正相分電流ikM及び分担する零相分電流(iz/n)の関係は数式1となる。また、モータを駆動する正相分電流ikMは対称交流であるため、数式2が成立する。
こうして演算された各相の正相分電流ikMと減磁保護用の保護電流レベルとを比較することにより、モータの過電流を相ごとに検出すればよい。
すなわち、電流検出から除外する任意の一相の電流をinとすると、これ以外の他相の正相分電流ikMは数式5によって演算可能である。ここで、正相分電流ikMは対称交流であって前記数式2の関係があることから、電流検出から除外する任意の一相の電流inの正相分電流inMは、数式6となる。
まず、図1は、実施例1を示す構成図であり、請求項1,3に対応している。なお、この実施例1及び後述する実施例2は、三相の永久磁石モータの駆動システムを備えた電動車両に本発明を適用した場合のものである。
モータM1の出力軸3には、減速ギア、差動ギア等からなる差動装置4を介して左右の車輪5が連結されている。
制御装置10Aにおいて、11Aはモータ・昇圧制御回路であり、モータM1に発生させるトルク指令としての加速指令及び制動指令と、前記電圧Edc、各相電流検出値並びに磁極位置に基づいて、後述の零相電圧指令値vz *を含んだ各相の出力電圧指令値vu1 *,vv1 *,vw1 *を生成し、モータM1の速度及びトルクを所定値に制御すると共に、直流電源1の昇圧動作を制御するものである。なお、このモータ・昇圧制御回路11Aは、記憶機能を備えたマイクロプロセッサと、外部との間で信号を入出力するためのインターフェース回路とによって構成されている。
ここで、保護電流レベル設定回路13は、インバータINVを構成する半導体スイッチング素子T11〜T16の電流耐量とモータM1の電流耐量とに基づき、モータM1の各相電流の許容値を保護電流レベルとして設定し、保護信号生成回路12Aに出力する。
また、PWM生成回路14は、保護信号生成回路12Aから保護信号tripが入力されると、瞬時に上記ゲート信号GT11〜GT16を遮断してモータM1、スイッチング素子T11〜T16等を保護する機能を備えている。なお、PWM生成回路14には、後述するごとくトリップ解除信号も入力されている。
図2において、121は抵抗、122〜126はオペアンプ、127,128は比較器であり、オペアンプ122〜125により、後述する数式7の演算を行ってモータM1のU相に流れる正負の正相分電流iuMを求めている。ここで、数式7は、前述した数式4に対応する。
なお、正負のU相電流iuは、図2の比較器128においてスイッチング素子の過電流保護用の保護電流レベルItrip I Levelと比較され、U相電流iuが保護電流レベルItrip I Levelを上回った場合にも保護信号tripが出力されるようになっている。ここで、オペアンプ126は負のU相電流iuを得るためのものである。
つまり、オペアンプ126、比較器128等は、U相のスイッチング素子T11,T14の過電流保護のために設けられている。
以上のようにして生成された保護信号tripは、図1のPWM生成回路14に入力される。
このPWM生成回路14は、各相電圧指令値vu1 *,vv1 *,vw1 *を比較器141〜143により三角波とそれぞれ比較してパルス幅変調し、非反転バッファ145及び反転バッファ146、並びにアンドゲート147を介して6個のゲート信号GT11〜GT16を生成する。なお、144はラッチ回路であり、保護信号trip及びトリップ解除信号を入力として前記アンドゲート147の制御信号を出力する。ラッチ回路144は、保護信号tripがアクティブとなったときにゲート信号GT11〜GT16をオフさせる出力を生じ、この状態を、外部からトリップ解除信号が入力されるまで保持する機能を有している。
まず、第1の制御内容は、入力された加速指令及び制動指令に基づいてモータ制御部111によりモータM1の電流を制御してトルク制御を行うものであり、その具体的内容は周知であるため説明を省略する。
ここで、本実施例ではモータM1の中性点Mmを利用して零相分電流を通流させるので、各相の電流検出値iu,iv,iwには零相分電流が含まれている。そこで、電流演算部113により数式7〜数式9の演算を行って各相電流から零相分電流を除去した正相分電流検出値iuM,ivM,iwMを求め、これらの電流検出値をモータ制御部111に入力して電流制御を行う。
なお、数式7〜数式9の演算は、前述した数式3、数式4に対応している。
図4における昇圧制御部114は、インバータINVを2象限チョッパとして動作させることにより、モータM1の中性点Mmに接続された直流電源1の電圧を昇圧し、インバータINVを介して直流母線の電圧Edcが目標値となるように制御するためのものである。
本実施例では、直流電源1をモータM1の中性点Mmと直流母線の負極Nとの間に接続した場合につき説明したが、直流電源1をモータM1の中性点Mmと直流母線の正極Pとの間に接続しても同様の作用効果を得ることができる。
実施例1と異なる点は、モータM1の相電流を検出する相を二相に削減する一方で、零相分電流を別途検出する手段を設けた点にある。
図5において、16BはU相、W相の相電流を検出するための電流検出手段、18は零相分電流を検出するための電流検出手段、10Bは制御装置であり、前記電流検出手段16B,18による電流検出値が保護信号生成回路12Bに入力されている。なお、11Bはモータ・昇圧制御回路である。
一方、正相分電流は対称三相交流であるため数式13が成立し、この数式13により、相電流を検出していないV相の正相分電流ivMを求める。
ここで、実施例2における数式11〜数式13は、前述した数式7〜数式9に対応している。
以上のようにして求めたすべての相の正相分電流iuM,ivM,iwMを図6と同様に保護電流レベルとそれぞれ比較することにより、相ごとに保護信号tripを生成することができる。
2:キャパシタ
3:出力軸
4:差動装置
5:車輪
10A,10B:制御装置
11A,11B:モータ・昇圧制御回路
12A,12B:保護信号生成回路
13:保護電流レベル設定回路
14:PWM生成回路
15:電圧検出手段
16A,16B,18:電流検出手段
17:磁極位置検出手段
111:モータ制御部
112:加算手段
113,119:電流演算部
114:昇圧制御部
115,117:減算手段
116:電圧調節手段
118:電流調節手段
121:抵抗
122〜126,129:オペアンプ
127,128,141〜143:比較器
144:ラッチ回路
145:非反転バッファ
146:反転バッファ
147:アンドゲート
M1:永久磁石モータ
Mm:中性点
INV:三相電圧形インバータ
T11〜T16:半導体スイッチング素子
U,V,W:出力端子
P:直流母線の正極
N:直流母線の負極
Claims (3)
- 半導体スイッチング素子からなる電力変換器により永久磁石モータを駆動する駆動システムであって、前記電力変換器の直流母線の負極または正極と前記モータの固定子巻線の中性点との間に直流電源が接続され、前記電力変換器が前記モータの零相分電流を制御することにより前記直流電源の電圧を昇圧して前記直流母線側に供給可能とした駆動システムにおいて、
前記モータの全相の相電流を検出する手段と、
検出した全相の相電流から前記零相分電流を算出し、この零相分電流の各相の分担量を各相の相電流から減じて全相の正相分電流をそれぞれ算出する手段と、
算出した全相の正相分電流のうち何れかの相の正相分電流が予め設定した保護電流レベルを超えたときに過電流と判断して前記モータに対する保護動作を実行する手段と、
を備えたことを特徴とする永久磁石モータの駆動システム。 - 半導体スイッチング素子からなる電力変換器によりn(nは2以上の自然数)相の永久磁石モータを駆動する駆動システムであって、前記電力変換器の直流母線の負極または正極と前記モータの固定子巻線の中性点との間に直流電源が接続され、前記電力変換器が前記モータの零相分電流を制御することにより前記直流電源の電圧を昇圧して前記直流母線側に供給可能とした駆動システムにおいて、
前記モータの任意の一相を除いた(n−1)相の相電流を検出する手段と、
前記零相分電流を検出する手段と、
前記零相分電流のn相各相の分担量を、(n−1)相各相の相電流から減じて(n−1)相の正相分電流をそれぞれ算出する手段と、
(n−1)相の正相分電流を用いて前記任意の一相の正相分電流を算出する手段と、
算出した全相の正相分電流のうち何れかの相の正相分電流が予め設定した保護電流レベルを超えたときに過電流と判断して前記モータに対する保護動作を実行する手段と、
を備えたことを特徴とする永久磁石モータの駆動システム。 - 請求項1または2に記載した永久磁石モータの駆動システムを搭載したことを特徴とする電動車両。
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JP2008306914A (ja) * | 2007-05-10 | 2008-12-18 | Denso Corp | 回転電機制御装置 |
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