JP2007236016A - 交流電動機の駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 微小なトルクの軽負荷運転のとき、電源からの供給電力を零にすることにより、電源のエネルギー量の変動や無駄な損失を抑制する。
【解決手段】 印加される直流電圧を交流電流に変換するインバータ1と、交流電流によって駆動されるPMモータ3と、入力されるトルク指令TmRefから得られるトルク電流指令IqRefに基づいて、インバータを制御する制御手段とからなるPMモータの駆動装置において、直流電圧に応じてインバータに入力される直流入力電流IdcINVを検出し、検出値を出力する電流検出器10と、トルク指令TmRefが零近傍であるか否かを判定する軽負荷判定部17と、判定の結果、トルク指令TmRefが零近傍の場合、当該検出値に基づいて直流入力電流IdcINVを零にするようにトルク電流指令IqRefを補正するための零電流制御部16及び切り替え部18とを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、交流電動機の駆動装置に係り、例えば、微小なトルクの軽負荷運転のとき、電源からの供給電力を零にすることにより、電源のエネルギー量の変動や無駄な損失を抑制し得る交流電動機の駆動装置に関する。
従来から、永久磁石同期電動機(PMSM: Permanent Magnet Synchronous Motor)などの交流電動機を駆動するための駆動装置が知られている。
図13は従来の交流電動機の駆動装置の構成を説明するための模式図である。この駆動装置は、概略的には、バッテリー4からフィルタコンデンサ2を介して供給される直流電力をインバータ1によって可変電圧可変周波数に変換し、変換後の交流電力により、永久磁石同期電動機(以下、PMモータ又はPMSMモータともいう)3を駆動するものである。
具体的には駆動装置は、直流電力を可変電圧可変周波数で変換可能なインバータ1を制御するため、電流検出器5、位置センサ6、電圧振幅演算部7、励磁電流指令演算部8、電圧検出器9、トルク電流指令演算部11、電流制御部12、座標変換器13、ゲート指令演算部14及び座標変換器15を備えている。
ここで、トルク電流指令演算部11は、与えられたトルク指令TmRefと、後述する励磁電流指令IdRefとに基づいて、トルク電流指令IqRefを算出し、このトルク電流指令IqRefを電流制御部12に送出する。
一方、座標変換器15は、電流検出器5により検出されたモータ相電流をDQ軸の電流値Id,Iqに変換し、このDQ軸の電流値Id,Iqを電流制御部12に送出する。
電流制御部12は、DQ軸の検出電流Id,Iqに基づき、検出電流Id,Iqの各々が指令値IdRef, IqRefに追従するように、PI制御器などによってDQ軸でのインバータ出力電圧指令VdRef, VqRefを生成して電圧振幅演算部7及び座標変換器13に出力する。
座標変換器13は、DQ軸座標上でのインバータ出力電圧指令VdRef, VqRefを、3相UVW座標系上での電圧指令VuRef, VvRef, VwRef に変換してゲート指令演算部14に出力する。ゲート指令演算部14は、3相電圧指令VuRef, VvRef, VwRefに基づいて、インバータ1を構成するスイッチングデバイスのオンとオフのゲート指令を生成してインバータ1に出力する。
前述した座標変換器13,15の変換位相θは、PMモータ3の回転軸に取り付けられたレゾルバなどの位置センサ6によって検出されたものである。
インバータ1の出力電圧指令が、インバータ1から出力し得る最大値を超えるような場合、高いトルク制御性を維持するように、励磁電流指令を補正する弱め界磁制御が作用する。
一方、電圧振幅演算部7は、DQ軸のインバータ出力電圧指令VdRef, VqRefに基づき、出力電圧の大きさVdqRefを演算し、出力電圧の大きさVdqRefを励磁電流指令演算部8に出力する。
励磁電流指令演算部8は、電圧検出器9によって検出された直流電圧Vdcと、計算された出力電圧の大きさVdqRefを入力として、その直流電圧Vdcによって出力し得る出力電圧と、出力電圧指令VdqRefが一致するように、励磁電流指令IdRef を制御してトルク電流指令演算部11及び電流制御部12に出力する。例えば、励磁電流指令IdRefは次の(1)式のように制御される。
Figure 2007236016
但し、Kp:比例ゲイン、Ki:積分ゲイン、s:ラプラス演算子。また、IdRef < 0 であることが条件である。なお、出力電圧が小さい、すなわち、出力電圧指令VdqRefが小さい場合には、IdRef = 0 とする。
上記の弱め界磁制御は様々な方式が存在する。
以上は、PMSMモータに対するベクトル制御やPWM(パルス幅変調)制御といった周知の技術の適用例である。また、他にも従来の駆動装置としては、例えば特許文献1に詳細に説明されている。
以上のようなPMSMモータの駆動装置は、高効率性や小型化を図れるメリットから、HEV(Hybrid Electric Vehicles:ハイブリッド電気自動車)、エレベータ、電車、汎用インバータ、などの広い分野で用いられている。
HEVなどでは、電源として、バッテリーなどの2次電池が備えられている。また今後、エネルギー蓄積要素として、電気二重層キャパシタ(EDLC: Electric Double Layer Capacitor)が様々な分野のシステムに搭載されることが予想される。
しかしながら、2次電池やエネルギー蓄積要素は、限られたシステム空間に最大のエネルギーを蓄積するように設計されるので、エネルギー量が必ずしも十分とは言えない。
一方、システムにおいては、トルクが不要な、すなわち、PMモータが駆動源として期待されない軽負荷の運転条件の場合、トルクが不要にも関わらず、励磁電流を流すことによる損失やモータの鉄損、インバータの電力などにより、微小な電力が消費される。しかしながら、トルクが不要であるのに電力が消費されることは好ましくない。特に、2次電池やエネルギー蓄積要素が電源となる場合、電源のエネルギー量が低減するので、無駄な損失を抑制したい。
また、トルク制御精度が十分でない場合、軽負荷状態で微小な回生状態となり、微小な電力が徐々に2次電池やエネルギー蓄積要素に回生され、そのエネルギー量の増大や電圧上昇を引き起こす。このような回生は、過電圧の保護動作につながる可能性がある。
一般に、HEVや電車、エレベータなど、ある程度の運転パターンを持つ用途では、将来の走行パターンを加味して、現時点でのエネルギー量を制御する場合がある。しかしながら、この種の用途においても、軽負荷状態で徐々にエネルギー量が変動していけば、エネルギー量の制御が破綻する心配がある。
特に、永久磁石同期電動機の駆動装置は、モータ誘起電圧がインバータで出力できる電圧範囲を超えた場合、磁束を弱める弱め界磁制御にて、大きな励磁電流を流す必要がある。このため、高速回転中に軽負荷運転が要求される場合、上述したエネルギーの微小な消費あるいは回生が問題となる。
特開2000−116198号公報
以上説明したように、トルクが不要な軽負荷運転の場合、2次電池やエネルギー蓄積手段のエネルギー量の変動と、無駄な損失とをそれぞれ抑制したい要望がある。また、エネルギー量の変動の抑制は、軽負荷運転後にもエネルギー量を制御可能とする観点からも必要である。
本発明は上記実情を考慮してなされたもので、微小なトルクの軽負荷運転のとき、電源からの供給電力を零にすることにより、電源のエネルギー量の変動や無駄な損失を抑制し得る交流電動機の駆動装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、直流を交流に変換するインバータと、前記交流によって駆動される交流電動機と、入力されるトルク指令から得られるトルク電流指令に基づいて、前記インバータを制御する制御手段とからなる交流電動機の駆動装置において、前記インバータに入力される直流入力電流を検出し、検出値を出力する電流検出手段と、前記トルク指令が零近傍であるか否かを判定する判定手段と、前記判定の結果、前記トルク指令が零近傍の場合、前記検出値に基づいて前記直流入力電流を零にするように前記トルク電流指令を補正する電流指令補正手段とを備えた、交流電動機の駆動装置である。
なお、第1の発明は、電流指令補正手段に代えて、前記判定の結果、前記トルク指令が零近傍の場合、前記検出値に基づいて前記直流入力電流を零にするように前記トルク指令を補正するトルク指令補正手段を備えてもよい。
第2の発明は、直流を交流に変換するインバータと、前記交流によって駆動される交流電動機と、入力されるトルク指令と前記インバータの出力電圧の位相とに基づいて、前記インバータを制御する制御手段とからなる交流電動機の駆動装置において、前記インバータから交流電動機に流れる交流電流及び前記インバータに印加される直流電圧に基づいて有効電力を算出し、得られた算出値を出力する電力算出手段と、前記トルク指令が零近傍であるか否かを判定する判定手段と、前記判定の結果、前記トルク指令が零近傍の場合、前記算出値に基づいて前記有効電力を零にするように前記位相を補正する位相補正手段とを備えた、交流電動機の駆動装置である。
第3の発明は、直流を交流に変換するインバータと、前記交流によって駆動される交流電動機と、入力されるトルク指令に基づいて、前記インバータを制御する制御手段とからなる交流電動機の駆動装置において、前記インバータに印加される直流電圧を検出し、検出値を出力する電圧検出手段と、前記トルク指令が零近傍であるか否かを判定する判定手段と、前記判定の結果、前記トルク指令が零近傍の場合、前記検出値に基づいて前記直流電圧を目標値に維持するように前記トルク指令を補正するトルク指令補正手段とを備えた、交流電動機の駆動装置である。
第4の発明は、直流を交流に変換するインバータと、前記交流によって駆動される交流電動機と、入力されるトルク指令に基づいて、前記インバータを制御する制御手段とからなる交流電動機の駆動装置において、前記インバータから交流電動機に流れる交流電流及び前記インバータに印加される直流電圧に基づいて前記インバータ及び前記交流電動機の損失を算出し、得られた算出値を出力する損失算出手段と、前記トルク指令が零近傍であるか否かを判定する判定手段と、前記判定の結果、前記トルク指令が零近傍の場合、前記算出値に基づいて前記損失を相殺するように前記トルク指令を補正するトルク指令補正手段とを備えた、交流電動機の駆動装置である。
(作用)
第1の発明においては、トルク指令が零近傍であるか否かを判定し、トルク指令が零近傍の場合、インバータへの直流入力電流を零にするようにトルク電流指令又はトルク指令を補正するので、微小なトルクの軽負荷運転のとき、電源からの供給電力を零にすることにより、電源のエネルギー量の変動や無駄な損失を抑制できる。
第2の発明においては、トルク指令が零近傍であるか否かを判定し、トルク指令が零近傍の場合、インバータへの有効電力を零にするようにインバータの出力電圧の位相を補正するので、微小なトルクの軽負荷運転のとき、電源からの供給電力を零にすることにより、電源のエネルギー量の変動や無駄な損失を抑制できる。
第3の発明においては、トルク指令が零近傍であるか否かを判定し、トルク指令が零近傍の場合、インバータへの直流電圧を目標値に維持するようにトルク指令を補正するので、微小なトルクの軽負荷運転のとき、電源からの供給電力を零にすることにより、電源のエネルギー量の変動や無駄な損失を抑制できる。
第4の発明においては、トルク指令が零近傍であるか否かを判定し、トルク指令が零近傍の場合、インバータ及び交流電動機の損失を相殺するようにトルク指令を補正するので、微小なトルクの軽負荷運転のとき、電源からの供給電力を零にすることにより、電源のエネルギー量の変動や無駄な損失を抑制できる。
以上説明したように本発明によれば、微小なトルクの軽負荷運転のとき、電源からの供給電力を零にすることにより、電源のエネルギー量の変動や無駄な損失を抑制できる。
以下、本発明の各実施形態について図面を用いて説明する。なお、全ての実施形態は、微小なトルクの軽負荷運転のとき、電源からの供給電力を零にするようにインバータを制御することにより、電源のエネルギー量の変動や無駄な損失の抑制を図るものである。但し、各々の実施形態は、インバータを制御する方法が互いに異なっている。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る交流電動機の駆動装置の構成を示す模式図である。図13と同様の要素には同一符号を付してその詳しい説明を省略し、ここでは異なる部分について主に述べる。なお、以下の各実施形態も同様にして重複した説明を省略する。
本実施形態は、軽負荷運転時に電源のエネルギー量の変動や無駄な損失の抑制を図る観点から、図13に示した構成に加え、電流検出器10、零電流制御部16、軽負荷判定部17及び切り替え器18を備えている。
ここで、電流検出器10は、バッテリー4からフィルタコンデンサ2を介してインバータ1に入力される直流入力電流IdcINVを検出し、得られた検出値を零電流制御部16に送出するものである。また、バッテリー4は、直流電圧をインバータ1に印加するためのものであり、例えば、充放電可能な電源としての二次電池からなる。但し、バッテリー4としては、二次電池に限らず、例えば、充放電可能な電源としての電気二重層キャパシタを用いてもよい。これは、以下の各実施形態及び変形例でも同様である。
零電流制御部16は、電流検出器10から受けた検出値に基づいて、インバータ1に入力される直流入力電流IdcINVを零にするようにトルク電流指令IqRefを算出し、得られたトルク電流指令IqRefを切り替え器18の1側に出力するものである。
軽負荷判定部17は、トルク電流指令演算部11に与えられるトルク指令TmRefの大きさに基づき、軽負荷であるか否かを判定するものである。具体的には、軽負荷判定部17は、トルク電流指令演算部11に与えられるトルク指令TmRefが零近傍であるか否かを判定する機能と、判定結果を示すフラグFlg_LightLoadを切り替え器18に送出する機能とをもっている。
切り替え器18は、軽負荷判定部17による判定の結果、軽負荷の場合には零電流制御部16と電流制御部12とを接続し、軽負荷でない場合にはトルク電流指令演算部11と電流制御部12とを接続するものである。具体的には、切り替え器18は、軽負荷判定部17から受けたフラグFlg_LightLoadに基づいて、トルク指令TmRefが零近傍である場合には零電流制御部16の出力端子に接続された1側と電流制御部12の入力端子とを接続する機能と、トルク指令TmRefが零近傍ではない場合にはトルク電流指令演算部11の出力端子に接続された0側と電流制御部12の入力端子とを接続する機能とをもっている。
次に、以上のように構成された交流電動機の駆動装置の動作を説明する。
いま、交流電動機の駆動装置は、前述した通り、バッテリー4からフィルタコンデンサ2を介して供給される直流電力をインバータ1によって可変電圧可変周波数に変換し、変換後の交流電力により、PMモータ3を駆動しているとする。また、前述同様に、駆動装置は、各要素5〜9,11〜15により、インバータ1を制御しているとする。
但し、この駆動装置では、前述とは異なり、軽負荷運転のとき、電源からの供給電力を零にするための要素10,16〜18が動作している。
具体的には、軽負荷判定部17では、トルク指令TmRefの大きさに基づき、軽負荷であるか、否かを例えば、次式のように判定する。
if |TmRef | > α (2)
Flg_LightLoad = 0
Else
Flg_LightLoad = 1
但し、|x|は、xの絶対値を得る演算であり、αは正の値とする。軽負荷状態であることを表すフラグをFlg_LightLoadとし、Flg_LightLoad = 1で軽負荷、Flg_LightLoad = 0で通常負荷と定義する。
軽負荷である場合(Flg_LightLoad=1)、トルク電流指令IqRefは、切り替え器18によって、零電流制御部16より与えられるようになる。
零電流制御部16では、電流検出器10によって検出されたインバータ1への入力電流IdcINVが零になるように、トルク電流指令IqRefを、例えば、次式のようにPI制御によって演算する。
IqRef = (Kp・s + Ki) /s ・ IdcINV (3)
以上によれば、トルク指令の絶対値が小さくなり、軽負荷であると判定した場合、すなわち、トルクの出力が不要となる軽負荷運転時には、トルク指令TmRefに一致したトルクを出力するのではなく、インバータ1への入力電流が0になるように、トルク電流指令IqRefを制御する。ここで、トルク電流指令IqRefを変化させると、トルクが変化するので、結果的にトルクを補正している。
上述したように本実施形態によれば、トルク指令TmRefが零近傍であるか否かを判定し、トルク指令TmRefが零近傍の場合、インバータ1への直流入力電流IdcINVを零にするようにトルク電流指令IqRefを補正するので、微小なトルクの軽負荷運転のとき、電源からの供給電力を零にすることにより、電源のエネルギー量の変動や無駄な損失を抑制することができる。
補足すると、本実施形態においては、トルク不要な軽負荷状態において、電源側に対するエネルギー授受を零にでき、電源から見て不要なエネルギー消費(授受)をせず、システムとして省エネルギー運転を実行している。
また一般に、電源としてバッテリーを搭載した場合、エネルギー容量には限りがある。しかしながら、本実施形態では、トルク不要な運転状態において、エネルギー量の増減を抑制することにより、過電圧といった問題の回避や、その後の運転におけるエネルギー不足、あるいは、過剰(回生できなくなる)といった問題を回避し、最適なエネルギー管理を遂行することができる。
また一般に、PMモータの駆動においては、弱め界磁状態での軽負荷時にも、励磁電流を流すことが必要で、エネルギー損失が生じる。PMモータの駆動は、IMモータの駆動に比べ、高効率というメリットがあると言われるが、この弱め界磁領域で軽負荷である場合には、IMモータの方が電流値が小さく、低損失である。
しかしながら、本実施形態によれば、このような弱め界磁制御時に、電源からのエネルギー損失を抑えるため、電源系に対しては、高効率運転を維持することができる。
なお、本実施形態では、軽負荷か否かの判定はトルク指令TmRefの大きさを根拠とするが、これに限らず、無意味なバッテリーのように、電源からの無意味なエネルギー損失を抑制したい等の条件に応じて、軽負荷と判定する根拠を設定可能である。
また、本実施形態においては、電動機がIM(誘導電動機)やSM(同期電動機)のいずれであっても、同様にして、軽負荷運転時に、電源系からみたエネルギー損失を抑制することができる。
(第2の実施形態)
図2は本発明の第2の実施形態に係る交流電動機の駆動装置の構成を示す模式図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、図1に示した構成に対し、バッテリー4とフィルタコンデンサ2との間にDC/DCチョッパ20を備えた点と、零電流制御部16とトルク電流指令演算部11との間に加算器19を備えた点との2点で大きく相違する。なお、第1の相違点は、バッテリー4とインバータ1との間にある回路(DC/DCチョッパ20等)での損失を避けるため、直接にバッテリー4の充放電電流IdcBATを0にするものであり、第2の相違点は、トルクを補正するために、トルク指令を補正するものである。2つの相違点の作用効果は互いに独立している。
また、DC/DCチョッパ20を備えた点に伴い、電流検出器10による検出箇所を変更している。すなわち、電流検出器10は、インバータ1直前の入力電流IdcINVを検出するのではなく、バッテリー4とDC/DCチョッパ20との間で、バッテリー4からの充放電電流IdcBATを検出し、検出値を零電流制御部16に送出している。
また、加算器19を備えた点に伴い、切り替え器18による切り替え箇所を変更している。すなわち、切り替え器18は、トルク電流指令演算部11の出力と零電流制御部16の出力とを切り替えるのではなく、零電流制御部16の出力と零値とを切り替えて、零電流制御部16の出力又は零値をトルク指令への補正量TmCmpとして加算器19に送出している。
換言すると、切り替え器18は、軽負荷判定部17による判定の結果、軽負荷の場合には零電流制御部16と加算器19とを接続し、軽負荷でない場合には零値を保持したメモリと加算器19とを接続するものである。具体的には、切り替え器18は、軽負荷判定部17から受けたフラグFlg_LightLoadに基づいて、トルク指令TmRefが零近傍である場合には零電流制御部16の出力端子に接続された1側と加算器19の入力端子とを接続する機能と、トルク指令TmRefが零近傍ではない場合には零値を保持したメモリに接続された0側と加算器19の入力端子とを接続する機能とをもっている。
加算器19は、与えられるトルク指令TmRefに、切り替え器18から出力されるトルク指令への補正量TmCmpを加算し、加算結果をトルク指令TmRefとしてトルク電流指令演算部11に出力するものである。
なお、トルク電流指令演算部11の出力IqRefは、第1の実施形態とは異なり、切り替え器18を介さずに、電流制御器12に入力される。
次に、以上のように構成された交流電動機の駆動装置の動作を説明する。
いま、交流電動機の駆動装置は、バッテリー4からDC/DCチョッパ20及びフィルタコンデンサ2を介して供給される直流電力をインバータ1によって可変電圧可変周波数に変換し、変換後の交流電力により、PMモータ3を駆動しているとする。また、前述同様に、駆動装置は、各要素5〜9,11〜15により、インバータ1を制御しているとする。
但し、この駆動装置では、前述とは異なり、軽負荷運転のとき、電源からの供給電力を零にするための要素10,16〜19が動作している。
ここで、電流検出器10は、バッテリー4とDC/DCチョッパ20との間で、バッテリー4からの充放電電流IdcBATを検出し、検出値を零電流制御部16に送出する。
零電流制御部16は、この検出値に基づいて、バッテリー4の充放電電流IdcBATを零にするように、例えば次式に示すようにトルク指令の補正量TmCmpを算出する。
TmCmp = (Kp・s + Ki) /s ・ IdcBAT (3’)
しかる後、零電流制御部16は、得られたトルク指令の補正量TmCmpを切り替え器18の1側に出力する。
一方、軽負荷判定部17は、与えられるトルク指令TmRefが零近傍であるか否かを判定し、判定結果を示すフラグFlg_LightLoadを切り替え器18に送出する。
切り替え器18は、このフラグFlg_LightLoadに基づいて、トルク指令TmRefが零近傍である場合には零電流制御部16の出力をトルク指令への補正量TmCmpとし、トルク指令TmRefが零近傍ではない場合にはメモリ内の零値をトルク指令への補正量TmCmpとして、いずれかの補正量TmCmpを加算器19に送出する。
加算器19は、与えられるトルク指令TmRefに、このトルク指令への補正量TmCmpを加算し、加算結果をトルク指令TmRefとしてトルク電流指令演算部11に出力する。
これにより、トルク電流指令演算部11に与えられるトルク指令TmRefは、軽負荷の場合には元のトルク指令TmRefに零電流制御部16の出力を加算した値に補正される。なお、軽負荷でない場合には元のトルク指令TmRefに零値が加算されるので、トルク指令TmRefは補正されない。
よって、トルク電流指令演算部11は、軽負荷の場合には、補正されたトルク指令TmRefと、励磁電流指令IdRefとに基づいて、バッテリー4の充放電電流IdcBATを零にするようにトルク電流指令IqRefを算出し、このトルク電流指令IqRefを電流制御部12に送出する。
従って、駆動装置においては、このトルク電流指令IqRefに基づいて、バッテリー4の充放電電流IdcBATを零にするようにインバータ1を制御する。
上述したように本実施形態によれば、トルク指令TmRefが零近傍であるか否かを判定し、トルク指令TmRefが零近傍の場合、バッテリー4の充放電電流IdcBATを零にするようにトルク指令TmRefを補正するので、微小なトルクの軽負荷運転のとき、電源からの供給電力を零にすることにより、電源のエネルギー量の変動や無駄な損失を抑制できる。
補足すると、本実施形態においては、軽負荷状態となった場合、バッテリー4へのエネルギー授受を零にすることができる。従って、電源、すなわち、バッテリーなどの2次電池や、図示しないEDLCなどのエネルギー蓄積要素へのエネルギー授受を抑制することができる。
例えば、第1の実施形態では、インバータ1に流れる直流入力電流IdcINV(あるいは図2のDC/DCチョッパ20とフィルタコンデンサ2の間を流れる直流入力電流IdcINV)を検出し、その直流入力電流IdcINVを零にすることは可能であるが、DC/DCチョッパなど中間回路の損失(スイッチング損失)をバッテリー4から供給する必要がある。
一方、本実施形態によれば、直接にエネルギー源の充放電電流IdcBATを0にすることが可能であるため、軽負荷運転におけるエネルギー変動を最も低減することができる。
また、本実施形態では、トルク指令TmRefを直接に補正するので、PMモータ3の出力トルクを制御することができる。なお、トルクを可変することで、インバータ直流側入力電流(電力)を制御できることは言うまでもない。
(第3の実施形態)
図3は本発明の第3の実施形態に係る交流電動機の駆動装置の構成を示す模式図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、図1に示した構成に対し、電流検出部10及び零電流制御部16を省略し、電力演算部21及び零電力制御部22を備えた点と、零電力制御部22の出力側を切り替え器18及び加算器19を介して位置センサ6の出力側に接続した点との2点で大きく相違する。なお、第1の相違点は、インバータでの電力に基づいてトルクを補正するものであり、第2の相違点は、トルクを補正するために磁極位相を補正するものである。2つの相違点の作用効果は互いに独立している。
ここで、電力演算部21は、インバータ1からPMモータ3に流れる交流電流及びインバータ1に印加される直流電圧に基づいて有効電力を算出し、得られた算出値PowerINV を零電力制御部22に出力するものである。具体的には電力演算部21は、座標変換器15から出力されたDQ軸の電流値Id,Iqと、電流制御部12から出力されたDQ軸電圧電圧指令VdRef,VqRefに基づいて、インバータの電力PowerINV を算出している。ここで、インバータの電力PowerINV とは、モータの機械出力、モータの銅損・鉄損などの損失あるいは漂遊負荷損、また、インバータ自体の損失を含むものである。
零電力制御部22は、電力演算部21から受けた算出値PowerINV に基づいて、インバータの電力PowerINV を零にするように磁極位相の補正量θCmpを算出し、この補正量θCmpを切り替え器18の1側に出力するものである。
切り替え器18は、軽負荷判定部17から受けたフラグFlg_LightLoadに基づいて、トルク指令TmRefが零近傍である場合には零電力制御部22の出力端子に接続された1側と加算器19の入力端子とを接続する機能と、トルク指令TmRefが零近傍ではない場合には零値を保持したメモリに接続された0側と加算器19の入力端子とを接続する機能とをもっている。
加算器19は、位置センサ6により検出された磁極位相θに、切り替え器18から出力される磁極位相の補正量θCmpを加算し、加算結果を磁極位相θとして座標変換器13,15に出力するものである。
次に、以上のように構成された交流電動機の駆動装置の動作を説明する。
いま、交流電動機の駆動装置は、バッテリー4からフィルタコンデンサ2を介して供給される直流電力をインバータ1によって可変電圧可変周波数に変換し、変換後の交流電力により、PMモータ3を駆動しているとする。また、前述同様に、駆動装置は、各要素5〜9,11〜15により、インバータ1を制御しているとする。
さらに、駆動装置では、軽負荷運転のとき、電源からの供給電力を零にするための要素17〜19,21,22が動作している。
ここで、電力演算部21は、インバータの電力を、DQ軸電圧指令VdRef, VqRef、DQ軸検出電流値Id,Iqに基づき算出している。簡単には、例えば、次式のように示される(ここではインバータ自体の損失はないと仮定する)。
PowerINV = VdRef × Id + VqRef × Iq (4)
このインバータの電力を求める方法は、様々であって、本実施形態では、それを限定するものではない。
しかる後、電力演算部21は、得られた算出値PowerINVを零電力制御部22に送出する。
零電力制御部22では、この算出値PowerINVに基づいて、インバータの電力PowerINVが零になるように、PI制御などによって、座標系の位相θ、すなわち、磁極位相の(読み込み値の)補正量θCmpを算出する。この位相の補正量θCmpは切り替え器18の1側に出力される。
切り替え器18は、軽負荷判定部17からのフラグFlg_LightLoadに基づいて、トルク指令TmRefが零近傍である場合には零電力制御部22の出力を磁極位相の補正量θCmpとし、トルク指令TmRefが零近傍ではない場合にはメモリ内の零値を磁極位相の補正量θCmpとして、いずれかの補正量θCmpを加算器19に送出する。
加算器19は、与えられる磁極位相θに、この磁極位相への補正量θCmpを加算し、加算結果を磁極位相θとして座標変換器13,15に出力する。
これにより、座標変換器13,15に与えられる磁極位相θは、軽負荷の場合には元の磁極位相θに零電力制御部22の出力を加算した値に補正される。なお、軽負荷でない場合には元の磁極位相θに零値が加算されるので、磁極位相θは補正されない。
従って、駆動装置においては、軽負荷の場合には補正された磁極位相θに基づいて、インバータの電力PowerINVを零にするようにインバータ1を制御する。
上述したように本実施形態によれば、トルク指令TmRefが零近傍であるか否かを判定し、トルク指令TmRefが零近傍の場合、インバータ1への有効電力PowerINVを零にするようにインバータ1の出力電圧の位相θを補正するので、微小なトルクの軽負荷運転のとき、電源からの供給電力を零にすることにより、電源のエネルギー量の変動や無駄な損失を抑制できる。
補足すると、本実施形態においては、インバータ1の電力を、電動機駆動として元来必要な電圧指令やモータ電流から演算し、この電力演算値が0になるようにトルクを補正している。インバータ1の入力電流は、インバータ1の電力に応じて流れるため、インバータ1の電力自体を零にするよう制御すれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。特に、余分な直流検出器を用いない分、システムの小型・軽量・低コスト化を図ることができる。
また、本実施形態においては、トルクを補正する手段として、磁極位相を補正している。補正しない場合、D軸は磁石軸に一致しているが、磁極位相を補正することで、D軸と磁石軸を不一致にすることに相当する。同一の電流を流すことを仮定すれば、D軸と磁石軸の位相角を変えることは、電流と磁束の角度を変化させることに相当する。
なお、本実施形態では、PMモータ3を対象に例を示している。このため、零電力制御部22は、出力電圧の位相角を補正しているが、これに限定されない。例えば図4に示すように、誘導電動機(IM: Induction motor)3’などを対象にするように変形してもよい。誘導電動機3’が対象の場合、出力電圧の周波数fを補正することが適している。
このような変形例としても、トルク指令TmRefが零近傍であるか否かを判定し、トルク指令TmRefが零近傍の場合、インバータ1への有効電力PowerINVを零にするようにインバータ1の出力電圧の周波数fを補正するので、微小なトルクの軽負荷運転のとき、電源からの供給電力を零にすることにより、電源のエネルギー量の変動や無駄な損失を抑制できる。
(第4の実施形態)
図5は本発明の第4の実施形態に係る交流電動機の駆動装置の構成を示す模式図である。本実施形態は、第2の実施形態の変形例であり、図2に示した構成に対し、電流検出部10及び零電流制御部16を省略し、定電圧制御部23及び電圧検出器24を備えた点で相違する。この相違点は、バッテリー4の直流電圧VdcBATに基づいてトルク指令TmRefを補正するためのものである。
ここで、定電圧制御部23は、電圧検出器24から受けたバッテリー4の直流電圧の検出値VdcBATと、軽負荷判定部17から受けたフラグFlg_LightLoadとに基づいて、バッテリー4の直流電圧VdcBATを目標値に維持するようにトルク指令の補正量TmCmpを算出し、この補正量TmCmpを切り替え器18の1側に出力するものである。
具体的には定電圧制御部23は、図6に示すように、目標値保持部25、切り替え器26、減算器27及びPI制御器28を備えている。
目標値保持部25は、切り替え器26の出力を今回の目標値として保持すると共に、前回の目標値を切り替え器26の1側に出力するものである。切り替え器26の1側が減算器27に接続される場合、目標値保持部25は、前回値の記憶器として機能する。
切り替え器26は、軽負荷判定部17から受けたフラグFlg_LightLoadに基づいて、トルク指令TmRefが零近傍である場合には目標値保持部25の出力端子に接続された1側と減算器27の正側入力端子とを接続する機能と、トルク指令TmRefが零近傍ではない場合には電圧検出器24に接続された0側と減算器27の正側入力端子とを接続する機能とをもっている。
減算器27は、切り替え器26から出力される直流電圧の目標値VdcBATRefから、電圧検出器24から受ける検出値VdcBATを減算し、減算結果を電圧偏差としてPI制御部28に送出するものである。
PI制御器28は、軽負荷判定部17から受けたフラグFlg_LightLoadに基づいて、トルク指令TmRefが零近傍である場合には減算器27から受けた電圧偏差を零にするようにトルク指令の補正量TmCmpを算出し、この補正量TmCmpを切り替え器18の1側に出力する機能と、トルク指令TmRefが零近傍ではない場合にはPI制御の積分器(図示せず)を0にクリアする機能とをもっている。
なお、切り替え器18は、軽負荷判定部17から受けたフラグFlg_LightLoadに基づいて、トルク指令TmRefが零近傍である場合には定電圧制御部23の出力端子に接続された1側と加算器19の入力端子とを接続する機能と、トルク指令TmRefが零近傍ではない場合には零値を保持したメモリに接続された0側と加算器19の入力端子とを接続する機能とをもっている。
次に、以上のように構成された交流電動機の駆動装置の動作を説明する。
いま、交流電動機の駆動装置は、バッテリー4からDC/DCチョッパ20及びフィルタコンデンサ2を介して供給される直流電力をインバータ1によって可変電圧可変周波数に変換し、変換後の交流電力により、PMモータ3を駆動しているとする。また、前述同様に、駆動装置は、各要素5〜9,11〜15により、インバータ1を制御しているとする。
さらに、この駆動装置では、軽負荷運転のとき、電源からの供給電力を零にするための要素17〜19,23〜28が動作している。
ここで、電圧検出器24は、バッテリー4とDC/DCチョッパ20との間で、バッテリー4の直流電圧VdcBATを検出し、検出値を定電圧制御部23に送出する。
定電圧制御部23では、軽負荷と判定された場合(Flg_LightLoad=1)、バッテリー電圧をその目標値に維持しようとする。目標値VdcBATRefは、軽負荷でないと判定された場合、バッテリ電圧VdcBATがそのまま、切り替え器26によって、セットされる。軽負荷と判断された場合、切り替え器26は、目標値保持部25から受ける目標値の前回値を選択出力し、前回の値を維持することになる。すなわち、軽負荷でない通常状態から、軽負荷へと切り替わったときの電圧を記憶し、目標値として出力する。
減算器27では、目標電圧値VdcBATRef から、検出されたバッテリー電圧値VdcBATが減算され、PI制御器28へ入力される。
PI制御器28は、入力の電圧偏差が0になるように、トルクへの補正量を定電圧制御器23から出力する。但し、軽負荷でない場合(Flg_LightLoad=0)、PI制御の積分器は0にクリアすることが望ましい。
定電圧制御器23の出力は、切り替え器18に入力される。切り替え器18は、軽負荷の場合(Flg_LightLoad=1)には、定電圧制御器23の出力をトルク指令への補正量TmCmpとして加算器19に出力するとして、軽負荷でない場合(Flg_LightLoad=0)には、零値をトルク指令への補正量TmCmpとして加算器19に出力する。
これにより、加算器19を介してトルク電流指令演算部11に与えられるトルク指令TmRefは、軽負荷の場合には元のトルク指令TmRefに定電圧制御部23の出力を加算した値に補正される。なお、軽負荷でない場合には元のトルク指令TmRefに零値が加算されるので、トルク指令TmRefは補正されない。
よって、トルク電流指令演算部11は、軽負荷の場合には、補正されたトルク指令TmRefと、励磁電流指令IdRefとに基づいて、バッテリー4の直流電圧VdcBATを目標値VdcBATRefに維持するようにトルク電流指令IqRefを算出し、このトルク電流指令IqRefを電流制御部12に送出する。
従って、駆動装置においては、このトルク電流指令IqRefに基づいて、バッテリー4の直流電圧VdcBATを目標値VdcBATRefに維持するようにインバータ1を制御する。
上述したように本実施形態によれば、トルク指令TmRefが零近傍であるか否かを判定し、トルク指令TmRefが零近傍の場合、インバータ1への直流電圧VdcBATを目標値VdcBATRefに維持するようにトルク指令TmRefを補正するので、微小なトルクの軽負荷運転のとき、電源からの供給電力を零にすることにより、電源のエネルギー量の変動や無駄な損失を抑制できる。
補足すると、本実施形態は、他の実施形態とは異なり、インバータ1やバッテリー4の直流電流IdcINV, IdcBATを零にするものではなく、バッテリー4の直流電圧VdcBATを目標値に維持するように制御するものである。ここで、目標値は、軽負荷状態になった時点の値である。すなわち、本実施形態では、軽負荷状態になった状態から、電源(本実施形態ではバッテリー4)とのエネルギー授受が無いことになる。つまり、電源からの入力電流を零にすることは、このようなエネルギー蓄積装置などの電圧の変化が起こらない状態に相当するものである。
電源の電圧変動がないことは、電源から流出する不要な損失を抑えている、あるいは、微小な回生を抑制するという点で、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。
なお、本実施形態では、エネルギー蓄積要素としてのバッテリー4の直流電圧VdcBATに基づくものであるが、インバータ1の直流入力電圧VdcINVを検出しても同様な効果を得ることができる。但し、第2の実施形態で説明したように、DC/DCチョッパ20など、インバータ1と電源との間に中間回路が入る場合、電源側の直流電圧VdcBATを検出した方が、効果が顕著となる。
(第5の実施形態)
図7は本発明の第5の実施形態に係る交流電動機の駆動装置の構成を示す模式図である。本実施形態は、第3の実施形態の変形例であり、図3に示した構成に対し、切り替え器18、加算器19、電力演算部21及び零電力制御部22を省略し、切り替え器29、損失演算部30、トルク補正量演算部31及び速度演算部32を備えた点と、トルク指令TmRefの入力側及びトルク補正量演算部31の出力側を切り替え器29を介してトルク電流指令演算部11の入力側に接続した点との2点で大きく相違する。なお、第1の相違点は、インバータとモータの損失に基づいてトルクを補正するものであり、第2の相違点は、トルクを補正するためにトルク指令を補正するものである。2つの相違点の作用効果は互いに独立している。
ここで、切り替え器29は、軽負荷判定部17から受けたフラグFlg_LightLoadに基づいて、トルク指令TmRefが零近傍である場合にはトルク補正量演算部31の出力端子に接続された1側とトルク電流指令演算部11の入力端子とを接続する機能と、トルク指令TmRefが零近傍ではない場合には、与えられるトルク指令TmRefが入力される0側とトルク電流指令演算部11の入力端子とを接続する機能とをもっている。
損失演算部30は、インバータ1からPMモータ3に流れる交流電流及びインバータ1に印加される直流電圧と、PMモータ3の角速度ωmとに基づいて、インバータ1及びPMモータ3の損失を算出し、得られた算出値Ploss をトルク補正量演算部31に出力するものである。具体的には損失演算部30は、座標変換器15から出力されたDQ軸の電流値Id,Iqと、電流制御部12から出力されたDQ軸電圧電圧指令VdRef,VqRefと、トルク指令TmRefと、速度演算部32から受けた角速度ωmとに基づいて、インバータ1及びPMモータ3の損失Ploss を算出している。
トルク補正量演算部31は、損失演算部30から受けた算出値Ploss 及び速度演算部32から受けた角速度ωmに基づいて、インバータ1及びPMモータ3の損失Ploss を相殺するようにトルク指令の補正量TmCmpを算出し、この補正量TmCmpを切り替え器29の1側に出力するものである。
速度演算部32は、位置センサ6により検出された磁極位相θを微分してPMモータ3の角速度ωmを算出し、この角速度ωmを損失演算部30及びトルク補正量演算部31に出力するものである。
次に、以上のように構成された交流電動機の駆動装置の動作を説明する。
いま、交流電動機の駆動装置は、バッテリー4からフィルタコンデンサ2を介して供給される直流電力をインバータ1によって可変電圧可変周波数に変換し、変換後の交流電力により、PMモータ3を駆動しているとする。また、前述同様に、駆動装置は、各要素5〜9,11〜15により、インバータ1を制御しているとする。
さらに、駆動装置では、軽負荷運転のとき、電源からの供給電力を零にするための要素17〜19,29〜32が動作している。
ここで、損失演算部30は、インバータ1とPMモータ3の損失Plossを算出する。
算出された損失Plossは、トルク補正量演算部31へと入力される。この損失Plossは、例えば、モータ損失MOTlossとインバータ損失INVlossとの和として演算できる。
ここで、モータ損失MOTlossは、巻線抵抗での損失であるとすれば、MOTloss = R × (Id2 + Iq2)と演算できる。
あるいは、モータ端電力から機械出力を減算して、モータ損失MOTlossを求めることもできる。
MOTloss = VdRef × Id + VqRef × Iq − ωm × TmRef
また、インバータ損失INVlossは、スイッチングデバイスの、オン損失とすれば、
Figure 2007236016
として計算できる(但し、Von:スイッチングデバイスのオン損失)。
実際には、更に、スイッチング損失などを考慮する方が厳密である。
Plossは、モータ損失MOTlossとインバータ損失INVlossを加算して得られる。
Ploss = MOTloss + INVloss
算出された損失Plossは、トルク補正量演算部31へと入力される。一方、速度演算部32は、位置センサ6から得られる位相θを微分して速度ωmを演算し、この速度ωmをトルク補正量演算部31に入力する。
トルク補正量演算部31では、例えば、入力の損失Plossと速度ωmを用いて、次式のように、トルク補正量TmCmpを計算する。
TmCmp = Ploss / ωm (5)
切り替え器29では、軽負荷でない通常の場合には、トルク指令TmRefを真のトルク指令としてトルク電流指令演算部11に出力し、軽負荷である場合(Flg_LightLoad=1)にはトルク補正量TmCmpをトルク電流指令演算部11に出力する。
よって、トルク電流指令演算部11は、軽負荷の場合には、補正されたトルク指令TmRefと、励磁電流指令IdRefとに基づいて、インバータ1及びPMモータ3の損失Plossを相殺するようにトルク電流指令IqRefを算出し、このトルク電流指令IqRefを電流制御部12に送出する。
従って、駆動装置においては、このトルク電流指令IqRefに基づいて、インバータ1及びPMモータ3の損失Plossを相殺するようにインバータ1を制御する。
上述したように本実施形態によれば、トルク指令TmRefが零近傍であるか否かを判定し、トルク指令TmRefが零近傍の場合、インバータ1及びPMモータ3の損失を相殺するようにトルク指令TmRefを補正するので、微小なトルクの軽負荷運転のとき、電源からの供給電力を零にすることにより、電源のエネルギー量の変動や無駄な損失を抑制できる。
補足すると、本実施形態は、現状の運転状態に発生するモータ3やインバータ1での総損失を計算し、それを相殺するようなトルク指令を与えることで、結果的にインバータ1の総電力を零にして、電源からの電力供給を零にするものである。
なお、本実施形態では、状態に応じて、損失Plossを計算し、損失Plossに基づきトルク補正量TmCmpを算出しているが、トルク補正量TmCmpの算出に限らず、予め損失Plossとトルク補正量TmCmpとを互いに関連付けしたテーブルデータを記憶し、このテーブルデータを参照しながら、トルク指令TmRefを補正するように変形してもよい。この変形例は、損失Plossに基づいてテーブルデータからトルク補正量TmCmpを読み出す構成なので、損失Plossに基づいてトルク補正量を算出する場合よりも、処理速度の向上を期待することができる。
なお、本願発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。例えば、上記各実施形態では、位置センサ6を用いる場合を説明したが、これに限らず、位置センサ6や速度センサを用いない位置センサレス制御あるいは速度センサレス制御に変形しても、各実施形態を同様に実施して同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組合せてもよい。このように組み合わせた変形例として、以下の(I)〜(V)を代表に挙げて述べる。
(I)この変形例Iは、図8に示すように、第1及び第3の実施形態を互いに組み合わせたものである。具体的には、零電流制御部16をインバータ1の直流入力電流IdcINVに基づいて、インバータ1の直流入力電流IdcINVを零にするように磁極位相の補正量θCmpを算出するものとしている。そして、軽負荷時には、切り替え部18が零電流制御部16の出力を加算器19に入力し、加算器19が、位置センサ6から受けた磁極位相θに、零電流制御部16から出力される磁極位相の補正量θCmpを加算し、加算結果を座標変換部13,15に送出する。なお、軽負荷時でない場合、切り替え部18は零値を加算器19に出力することは前述同様である。
このように、変形例Iは、軽負荷時には、インバータ1の直流入力電流IdcINVを零にするようにインバータ1の出力電圧の位相θを補正する構成により、微小なトルクの軽負荷運転のとき、電源からの供給電力を零にするので、電源のエネルギー量の変動や無駄な損失を抑制できる。
(II)この変形例IIは、図9に示すように、第1の実施形態と第3の実施形態の変形例とを組み合わせたものである。具体的には、誘導電動機3’を対象とした場合に、零電流制御部16をインバータ1の直流入力電流IdcINVに基づいて、インバータ1の直流入力電流IdcINVを零にするように出力電圧の周波数fCmpを算出するものとしている。そして、軽負荷時には、切り替え部18が零電流制御部16の出力を加算器19に入力し、加算器19が、位置センサ6から受けた周波数fに、零電流制御部16から出力される周波数の補正量fCmpを加算し、加算結果を座標変換部13,15に送出する。なお、軽負荷時でない場合、切り替え部18は零値を加算器19に出力することは前述同様である。
このように、変形例IIは、軽負荷時には、インバータ1の直流入力電流IdcINVを零にするようにインバータ1の出力電圧の周波数fを補正する構成により、微小なトルクの軽負荷運転のとき、電源からの供給電力を零にするので、電源のエネルギー量の変動や無駄な損失を抑制できる。
(III)この変形例IIIは、図10に示すように、第3及び第5の実施形態を互いに組み合わせたものである。具体的には、零電力制御部22をインバータ1の有効電力PowerINVに基づいて、インバータ1の有効電力PowerINVを零にするようにトルク指令の補正量TmCmpを算出するものとしている。そして、軽負荷時には、切り替え部29が零電力制御部22の出力をトルク電流指令演算部11に入力する。なお、軽負荷時でない場合、切り替え部29は零値をトルク電流指令演算部11に入力することは前述同様である。
このように、変形例IIIは、軽負荷時には、インバータ1の有効電力PowerINVを零にするようにトルク指令TmCmpを補正する構成により、微小なトルクの軽負荷運転のとき、電源からの供給電力を零にするので、電源のエネルギー量の変動や無駄な損失を抑制できる。
(IV)この変形例IVは、図11に示すように、第5及び第3の実施形態を互いに組み合わせたものである。具体的には、トルク補正量演算部31に代えて、損失制御部33を設け、損失制御部33をインバータ1及びPMモータ3の損失Plossに基づいて、この損失Plossを零にするように磁極位相の補正量θCmpを算出するものとしている。そして、軽負荷時には、切り替え部18が損失制御部33の出力を加算器19に入力し、加算器19が、位置センサ6から受けた磁極位相θに、損失制御部33から出力される磁極位相の補正量θCmpを加算し、加算結果を座標変換部13,15に送出する。なお、軽負荷時でない場合、切り替え部18は零値を加算器19に出力することは前述同様である。
このように、変形例IVは、軽負荷時には、インバータ1及びPMモータ3の損失Plossを零にするようにインバータ1の出力電圧の位相θを補正する構成により、微小なトルクの軽負荷運転のとき、電源からの供給電力を零にするので、電源のエネルギー量の変動や無駄な損失を抑制できる。
(V)この変形例Vは、図12に示すように、第5の実施形態と第3の実施形態の変形例とを組み合わせたものである。具体的には、誘導電動機3’を対象とした場合に、トルク補正量演算部31に代えて、損失制御部33’を設け、損失制御部33’をインバータ1及び誘導電動機3’の損失Plossに基づいて、この損失Plossを零にするように出力電圧の周波数fCmpを算出するものとしている。そして、軽負荷時には、切り替え部18が損失制御部33’の出力を加算器19に入力し、加算器19が、位置センサ6から受けた周波数fに、損失制御部33’から出力される周波数の補正量fCmpを加算し、加算結果を座標変換部13,15に送出する。なお、軽負荷時でない場合、切り替え部18は零値を加算器19に出力することは前述同様である。
このように、変形例Vは、軽負荷時には、インバータ1及び誘導電動機3’の損失Plossを零にするようにインバータ1の出力電圧の周波数fを補正する構成により、微小なトルクの軽負荷運転のとき、電源からの供給電力を零にするので、電源のエネルギー量の変動や無駄な損失を抑制できる。
その他、本願発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
本発明の第1の実施形態に係る交流電動機の駆動装置の構成を示す模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る交流電動機の駆動装置の構成を示す模式図である。 本発明の第3の実施形態に係る交流電動機の駆動装置の構成を示す模式図である。 同実施形態における変形例の構成を示す模式図である。 本発明の第4の実施形態に係る交流電動機の駆動装置の構成を示す模式図である。 同実施形態における定電圧制御部の構成を示す模式図である。 本発明の第5の実施形態に係る交流電動機の駆動装置の構成を示す模式図である。 本発明の第1及び第3の実施形態を互いに組み合わせた変形例Iの構成を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態と第3の実施形態の変形例とを組み合わせた変形例IIの構成を示す模式図である。 本発明の第3及び第5の実施形態を互いに組み合わせた変形例IIIの構成を示す模式図である。 本発明の第5及び第3の実施形態を互いに組み合わせた変形例IVの構成を示す模式図である。 本発明の第5の実施形態と第3の実施形態の変形例とを組み合わせた変形例Vの構成を示す模式図である。 従来の交流電動機の駆動装置の構成を示す模式図である。
符号の説明
1…インバータ、2…フィルタコンデンサ、3…PMSMモータ、3’…誘導電動機、4…バッテリー、5…電流検出器、6…位置センサ、7…電圧振幅演算器、8…励磁電流指令演算部、9…直流電圧検出器、10…直流電流検出器、11…トルク電流指令演算部、12…電流制御部、13,15…座標変換部、14…ゲート指令演算部、16…零電流制御部、17…軽負荷判定部、18,26,29…切り替え器、19…加算器、20…DC/DCチョッパ、21…電力演算部、22…零電力制御部、23…定電圧制御部、24…電圧検出器、25…前回値の記憶器、27…PI制御器、28…減算器、30…損失演算部、31…トルク補正量演算器、32,32’…速度演算部、33,33’…損失制御部。

Claims (15)

  1. 直流を交流に変換するインバータと、
    前記交流によって駆動される交流電動機と、
    入力されるトルク指令から得られるトルク電流指令に基づいて、前記インバータを制御する制御手段とからなる交流電動機の駆動装置において、
    前記インバータに入力される直流入力電流を検出し、検出値を出力する電流検出手段と、
    前記トルク指令が零近傍であるか否かを判定する判定手段と、
    前記判定の結果、前記トルク指令が零近傍の場合、前記検出値に基づいて前記直流入力電流を零にするように前記トルク電流指令を補正する電流指令補正手段と、
    を備えたことを特徴とする交流電動機の駆動装置。
  2. 請求項1に記載の交流電動機の駆動装置において、
    充放電可能な電源としての二次電池又は電気二重層キャパシタからなり、前記直流電圧をインバータに供給する電源手段を備えたことを特徴とする交流電動機の駆動装置。
  3. 請求項2に記載の交流電動機の駆動装置において、
    前記電流検出手段は、前記電源手段の充放電電流を前記直流入力電流として検出することを特徴とする交流電動機の駆動装置。
  4. 請求項1に記載の交流電動機の駆動装置において、
    前記交流電動機は、永久磁石同期電動機であり、
    前記電流指令補正手段は、弱め界磁制御時に動作することを特徴とする交流電動機の駆動装置。
  5. 請求項1に記載の交流電動機の駆動装置において、
    前記電流指令補正手段に代えて、
    前記判定の結果、前記トルク指令が零近傍の場合、前記検出値に基づいて前記直流入力電流を零にするように前記トルク指令を補正するトルク指令補正手段を備えたことを特徴とする交流電動機の駆動装置。
  6. 請求項1に記載の交流電動機の駆動装置において、
    前記制御手段は、前記トルク電流指令と前記インバータの出力電圧の位相とに基づいて、前記インバータを制御するものであり、
    前記電流指令補正手段に代えて、
    前記判定の結果、前記トルク指令が零近傍の場合、前記検出値に基づいて前記直流入力電流を零にするように前記位相を補正する位相補正手段を備えたことを特徴とする交流電動機の駆動装置。
  7. 請求項1に記載の交流電動機の駆動装置において、
    前記制御手段は、前記トルク電流指令と前記インバータの出力電圧の周波数とに基づいて、前記インバータを制御するものであり、
    前記電流指令補正手段に代えて、
    前記判定の結果、前記トルク指令が零近傍の場合、前記検出値に基づいて前記直流入力電流を零にするように前記周波数を補正する周波数補正手段を備えたことを特徴とする交流電動機の駆動装置。
  8. 直流を交流に変換するインバータと、
    前記交流によって駆動される交流電動機と、
    入力されるトルク指令に基づいて、前記インバータを制御する制御手段とからなる交流電動機の駆動装置において、
    前記インバータから交流電動機に流れる交流電流及び前記インバータに印加される直流電圧に基づいて有効電力を算出し、得られた算出値を出力する電力算出手段と、
    前記トルク指令が零近傍であるか否かを判定する判定手段と、
    前記判定の結果、前記トルク指令が零近傍の場合、前記算出値に基づいて前記有効電力を零にするように前記トルク指令を補正するトルク指令補正手段と、
    を備えたことを特徴とする交流電動機の駆動装置。
  9. 請求項8に記載の交流電動機の駆動装置において、
    前記制御手段は、前記トルク指令と前記インバータの出力電圧の位相とに基づいて、前記インバータを制御するものであり、
    前記トルク指令補正手段に代えて、
    前記判定の結果、前記トルク指令が零近傍の場合、前記検出値に基づいて前記有効電力を零にするように前記位相を補正する位相補正手段を備えたことを特徴とする交流電動機の駆動装置。
  10. 請求項8に記載の交流電動機の駆動装置において、
    前記制御手段は、前記トルク指令と前記インバータの出力電圧の周波数とに基づいて、前記インバータを制御するものであり、
    前記トルク指令補正手段に代えて、
    前記判定の結果、前記トルク指令が零近傍の場合、前記検出値に基づいて前記有効電力を零にするように前記周波数を補正する周波数補正手段を備えたことを特徴とする交流電動機の駆動装置。
  11. 直流を交流に変換するインバータと、
    前記交流によって駆動される交流電動機と、
    入力されるトルク指令に基づいて、前記インバータを制御する制御手段とからなる交流電動機の駆動装置において、
    前記インバータに印加される直流電圧を検出し、検出値を出力する電圧検出手段と、
    前記トルク指令が零近傍であるか否かを判定する判定手段と、
    前記判定の結果、前記トルク指令が零近傍の場合、前記検出値に基づいて前記直流電圧を目標値に維持するように前記トルク指令を補正するトルク指令補正手段と、
    を備えたことを特徴とする交流電動機の駆動装置。
  12. 請求項11に記載の交流電動機の駆動装置において、
    充放電可能な電源としての二次電池又は電気二重層キャパシタからなり、前記直流電圧をインバータに供給する電源手段を備えたことを特徴とする交流電動機の駆動装置。
  13. 請求項11に記載の交流電動機の駆動装置において、
    前記電圧検出手段は、前記電源手段から印加される直流電圧を検出することを特徴とする交流電動機の駆動装置。
  14. 直流を交流に変換するインバータと、
    前記交流によって駆動される交流電動機と、
    入力されるトルク指令に基づいて、前記インバータを制御する制御手段とからなる交流電動機の駆動装置において、
    前記インバータから交流電動機に流れる交流電流及び前記インバータに印加される直流電圧に基づいて前記インバータ及び前記交流電動機の損失を算出し、得られた算出値を出力する損失算出手段と、
    前記トルク指令が零近傍であるか否かを判定する判定手段と、
    前記判定の結果、前記トルク指令が零近傍の場合、前記算出値に基づいて前記損失を相殺するように前記トルク指令を補正するトルク指令補正手段と、
    を備えたことを特徴とする交流電動機の駆動装置。
  15. 請求項14に記載の交流電動機の駆動装置において、
    前記制御手段は、前記トルク指令と前記インバータの出力電圧の位相とに基づいて、前記インバータを制御するものであり、
    前記トルク指令補正手段に代えて、
    前記判定の結果、前記トルク指令が零近傍の場合、前記検出値に基づいて前記損失を相殺するように前記位相を補正する位相補正手段を備えたことを特徴とする交流電動機の駆動装置。
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