JP2011033842A - 化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用の処理液及びそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高集積かつ高精度な電子デバイスを製造するための高精度な微細パターンを安定的に形成するために、レジストパターンの面内均一性(CDU)及び欠陥性能に優れ、また処理液の使用量を低減できるレジストパターンを形成し得る化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用の処理液及びそれを用いたパターン形成方法を提供する。
【解決手段】有機溶剤に可溶な樹脂と有機溶剤とを含有する化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用の処理液、及びそれを用いたレジストパターン形成方法。
【選択図】図1
【解決手段】有機溶剤に可溶な樹脂と有機溶剤とを含有する化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用の処理液、及びそれを用いたレジストパターン形成方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、IC等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造、更にはその他のフォトファブリケーションのリソグラフィー工程に好適な化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用の処理液及びそれを用いたレジストパターン形成方法に関するものである。特に、波長が300nm以下の遠紫外線光を光源とするArF露光装置及び液浸式投影露光装置での露光に好適な化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用の処理液及びそれを用いたレジストパターン形成方法に関するものである。
KrFエキシマレーザー(248nm)用レジスト以降、光吸収による感度低下を補うために画像形成方法として化学増幅型画像形成方法が用いられている。ポジ型の化学増幅の画像形成方法を例に挙げ説明すると、露光で露光部の酸発生剤が分解し酸を生成させ、露光後のベーク(PEB:Post Exposure Bake)でその発生酸を反応触媒として利用してアルカリ不溶の基をアルカリ可溶基に変化させ、アルカリ現像により露光部を除去する画像形成方法である。
半導体素子の微細化に伴い露光光源の短波長化と投影レンズの高開口数(高NA)化が進み、現在では193nm波長を有するArFエキシマレーザーを光源とする露光機が開発されている。また、投影レンズと試料の間に高屈折率の液体(以下、「液浸液」ともいう)で満たす、所謂、液浸法も盛んに研究されている。液浸法は、現在検討されている位相シフト法、変形照明法などの超解像技術と組み合わせることも可能である。
更に解像力を高める技術として、2重露光技術(Double Exposure Technogy)や2重パターニング技術(Double Patterning Technogy)が提唱されている。
従来、半導体素子等の電子デバイスのパターン形成は、形成したいパターンサイズを4−5倍に拡大したマスク又はレチクルのパターンを、縮小投影露光装置を用いて、ウェハ等の被露光物体に縮小転写していた。
ところが、寸法の微細化に伴い、従来の露光方式では、近接するパターンに照射された光が相互に干渉し光学コントラストが減じてしまう、という問題点が生じるので、これらの技術では、露光マスクのデザインを2つ以上に分割し、それぞれのマスクを独立に露光し、イメージを合成する、という工夫を行っている。これらの2重露光方式では、露光マスクのデザインを分割し、そのデザインを被露光物体(ウェハ)上、再度イメージの合成をする必要があり、レチクル上のパターンが、被露光物体上に忠実に再現するようにマスクのデザインの分割を工夫する必要がある。
これらの2重露光方式の効果を半導体素子の微細画像パターンの転写に検討した例が、特許文献1等にて紹介されている。
ところが、寸法の微細化に伴い、従来の露光方式では、近接するパターンに照射された光が相互に干渉し光学コントラストが減じてしまう、という問題点が生じるので、これらの技術では、露光マスクのデザインを2つ以上に分割し、それぞれのマスクを独立に露光し、イメージを合成する、という工夫を行っている。これらの2重露光方式では、露光マスクのデザインを分割し、そのデザインを被露光物体(ウェハ)上、再度イメージの合成をする必要があり、レチクル上のパターンが、被露光物体上に忠実に再現するようにマスクのデザインの分割を工夫する必要がある。
これらの2重露光方式の効果を半導体素子の微細画像パターンの転写に検討した例が、特許文献1等にて紹介されている。
しかしながら、従来のレジスト組成物を、単純に2重露光方式に適用する場合、解像限界付近でパターン形成を行う必要があるため、十分な露光マージンや焦点深度が得られない、という点が問題になる。
一方、2重現像技術が特許文献2、3に記載されている。この例では、一般的な化学増幅型画像形成方法を利用しており、露光によってレジスト組成物中の樹脂の極性が、光強度の高い領域では高極性に、光強度の低い領域では低極性になることを利用して、特定のレジスト膜の高露光領域を高極性の現像液(より具体的には、従来のアルカリ水溶液)に溶解させ(ポジ型現像)、低露光領域を低極性の現像液(具体的には、有機溶剤を含有する現像液)に溶解させている(有機溶剤現像)。具体的には、図1に示すように照射光1の露光量E2以上の領域を、アルカリ水溶液を用いて溶解させ、露光量E1以下の領域を有機溶剤を含有する現像液を用いて溶解させている。これにより、図1に示すように、中間露光量(E2−E1)の領域が現像されずに残り、露光用マスク2の半ピッチを有するL/Sのパターン3をウェハ4上に形成している。
半導体素子の更なる微細化により、高集積かつ高精度な電子デバイスを製造するための高精度な微細パターンを安定的に形成するために、有機溶剤を含有する現像液を用いてレジストパターンを形成する場合における、レジストパターンの面内均一性(CDU)及び欠陥性能について、更なる改良が求められた。
本発明は、このような課題を解決できる、有機溶剤を含有しつつ、レジストパターンの面内均一性(CDU)及び欠陥性能に優れ、また処理液の使用量を低減できる化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用の処理液及びそれを用いたパターン形成方法を提供することを目的としている。
本発明は、このような課題を解決できる、有機溶剤を含有しつつ、レジストパターンの面内均一性(CDU)及び欠陥性能に優れ、また処理液の使用量を低減できる化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用の処理液及びそれを用いたパターン形成方法を提供することを目的としている。
有機溶媒系現像液で現像する場合、水系アルカリ現像液を用いた現像に比べて、溶解速度が遅い。具体的には、水系アルカリ現像液の最大溶解速度(レジスト組成物を一般的な現像条件で現像液に浸漬した際に膜厚が減少する速度)が一般に1000nm/secを超えるのに対して、有機溶媒系現像液による現像の最大溶解速度は、一般に20nm/sec程度である。
本願発明者らは、このような溶解速度の遅さが、ウェハ面内線幅均一性、欠陥性能を悪くすると推定した。つまり、面内均一性劣化には、処理液の液盛り時間差が、欠陥性能劣化には、露光部ながら露光量が不充分な部分で溶解性が不充分なレジスト成分が多く発生することが、それぞれ影響すると推定し、本願発明の構成に至った。
本発明は、下記の構成であり、これにより本発明の上記目的が達成される。
本願発明者らは、このような溶解速度の遅さが、ウェハ面内線幅均一性、欠陥性能を悪くすると推定した。つまり、面内均一性劣化には、処理液の液盛り時間差が、欠陥性能劣化には、露光部ながら露光量が不充分な部分で溶解性が不充分なレジスト成分が多く発生することが、それぞれ影響すると推定し、本願発明の構成に至った。
本発明は、下記の構成であり、これにより本発明の上記目的が達成される。
1.
有機溶剤に可溶な樹脂と有機溶剤とを含有することを特徴とする化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用の処理液。
2.
有機溶剤に可溶な樹脂が、logP値が1.3以上7.5以下の樹脂であることを特徴とする、請求項1に記載の化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用の処理液。
3.
現像液であることを特徴とする上記1又は2に記載の化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用の処理液。
4.
リンス液であることを特徴とする上記1又は2に記載の化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用の処理液。
5.
化学増幅型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成し、露光し、有機溶剤に可溶な樹脂と有機溶剤とを含有する現像液を用いて現像する工程を有することを特徴とするパターン形成方法。
6.
化学増幅型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成し、露光し、現像液を用いて現像し、有機溶剤に可溶な樹脂と有機溶剤とを含有するリンス液でリンスを行う工程を有することを特徴とするパターン形成方法。
有機溶剤に可溶な樹脂と有機溶剤とを含有することを特徴とする化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用の処理液。
2.
有機溶剤に可溶な樹脂が、logP値が1.3以上7.5以下の樹脂であることを特徴とする、請求項1に記載の化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用の処理液。
3.
現像液であることを特徴とする上記1又は2に記載の化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用の処理液。
4.
リンス液であることを特徴とする上記1又は2に記載の化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用の処理液。
5.
化学増幅型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成し、露光し、有機溶剤に可溶な樹脂と有機溶剤とを含有する現像液を用いて現像する工程を有することを特徴とするパターン形成方法。
6.
化学増幅型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成し、露光し、現像液を用いて現像し、有機溶剤に可溶な樹脂と有機溶剤とを含有するリンス液でリンスを行う工程を有することを特徴とするパターン形成方法。
以下、更に、本発明の好ましい実施の態様を挙げる。
7.
前記有機溶剤がエステル系溶剤であることを特徴とする、上記3に記載の化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用処理液。
8.
前記有機溶剤がアルコール系溶剤であることを特徴とする上記4に記載の化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用リンス液。
9.
更に、水系アルカリ現像液を用いて現像する工程を含むことを特徴とする、上記5又は6に記載のレジストパターン形成方法。
7.
前記有機溶剤がエステル系溶剤であることを特徴とする、上記3に記載の化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用処理液。
8.
前記有機溶剤がアルコール系溶剤であることを特徴とする上記4に記載の化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用リンス液。
9.
更に、水系アルカリ現像液を用いて現像する工程を含むことを特徴とする、上記5又は6に記載のレジストパターン形成方法。
本発明により、レジストパターンの面内均一性(CDU)及び欠陥性能に優れ、また処理液の使用量を低減できる化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用の処理液及びそれを用いたパターン形成方法を提供することができる。
本発明の処理液は、有機溶剤と有機溶剤に可溶な樹脂とを含有し、ウェハ面内線幅均一性、欠陥性能が改善するものである。これは、有機溶剤に可溶な樹脂が、現像液あるいはリンス液の、レジスト組成物への浸透を促進し、溶解速度を向上させるのに寄与しているものと推定される。
さらに、有機溶剤に可溶な樹脂を含有した処理液を使用した場合、少ない処理液量でも、十分な溶解性を補償できる。結果、良好なウェハ面内線幅均一性、良好な欠陥性能が得られるものと推定される。
本発明の処理液は、有機溶剤と有機溶剤に可溶な樹脂とを含有し、ウェハ面内線幅均一性、欠陥性能が改善するものである。これは、有機溶剤に可溶な樹脂が、現像液あるいはリンス液の、レジスト組成物への浸透を促進し、溶解速度を向上させるのに寄与しているものと推定される。
さらに、有機溶剤に可溶な樹脂を含有した処理液を使用した場合、少ない処理液量でも、十分な溶解性を補償できる。結果、良好なウェハ面内線幅均一性、良好な欠陥性能が得られるものと推定される。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
なお、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書中における「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等を意味する。また、本発明において光とは、活性光線又は放射線を意味する。
また、本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、EUV光などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
なお、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書中における「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等を意味する。また、本発明において光とは、活性光線又は放射線を意味する。
また、本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、EUV光などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
<処理液>
本発明の処理液は、有機溶剤に可溶な樹脂(A’)と有機溶剤とを含有する。
本発明の効果が得られるメカニズムは不明であるが、処理液に樹脂(A’)が前もって溶解していることで、レジスト膜の処理液への溶解や、処理液のレジスト膜への浸透やを促進されることが推測される。
樹脂(A’)としては、有機溶剤に可溶であれば特に制限されず、レジスト組成物に用いられる樹脂が好適に用いることができるが、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂等も使用できる。
有機溶剤に可溶な樹脂(A’)としては、例えば、以下のような繰り返し単位を有するものが挙げられる。
・酸の作用により分解し、酸基を生じる基を有する繰り返し単位
・ラクトン基を有する繰り返し単位
・水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位
・酸基を有する繰り返し単位
・極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位
・極性基も脂環炭化水素構造も有さず、酸分解性を示さない繰り返し単位
・ヒドロキシスチレン及びその誘導体由来の繰り返し単位
・側鎖に芳香環を有する(メタ)アクリルエステル繰り返し単位
以下、これらの繰り返し単位について詳述する。
本発明の処理液は、有機溶剤に可溶な樹脂(A’)と有機溶剤とを含有する。
本発明の効果が得られるメカニズムは不明であるが、処理液に樹脂(A’)が前もって溶解していることで、レジスト膜の処理液への溶解や、処理液のレジスト膜への浸透やを促進されることが推測される。
樹脂(A’)としては、有機溶剤に可溶であれば特に制限されず、レジスト組成物に用いられる樹脂が好適に用いることができるが、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂等も使用できる。
有機溶剤に可溶な樹脂(A’)としては、例えば、以下のような繰り返し単位を有するものが挙げられる。
・酸の作用により分解し、酸基を生じる基を有する繰り返し単位
・ラクトン基を有する繰り返し単位
・水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位
・酸基を有する繰り返し単位
・極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位
・極性基も脂環炭化水素構造も有さず、酸分解性を示さない繰り返し単位
・ヒドロキシスチレン及びその誘導体由来の繰り返し単位
・側鎖に芳香環を有する(メタ)アクリルエステル繰り返し単位
以下、これらの繰り返し単位について詳述する。
・酸の作用により分解し、酸基を生じる基を有する繰り返し単位
酸の作用により分解し酸基を生じる基(以下、「酸分解性基」ともいう)は、酸基を酸の作用により分解し脱離する基で保護された構造を有することが好ましい。
酸基としては、カルボキシル基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール)、スルホン酸基等が好ましい。
酸分解性基として好ましい基は、これらの酸基の水素原子を酸で脱離する基で置換した基である。
酸で脱離する基としては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、−C(R01)(R02)(OR39)等を挙げることができる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
R01、R02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。
酸分解性基としては好ましくは、クミルエステル基、エノールエステル基、アセタールエステル基、第3級のアルキルエステル基等である。更に好ましくは、第3級アルキルエステル基である。
酸の作用により分解し酸基を生じる基(以下、「酸分解性基」ともいう)は、酸基を酸の作用により分解し脱離する基で保護された構造を有することが好ましい。
酸基としては、カルボキシル基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール)、スルホン酸基等が好ましい。
酸分解性基として好ましい基は、これらの酸基の水素原子を酸で脱離する基で置換した基である。
酸で脱離する基としては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、−C(R01)(R02)(OR39)等を挙げることができる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
R01、R02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。
酸分解性基としては好ましくは、クミルエステル基、エノールエステル基、アセタールエステル基、第3級のアルキルエステル基等である。更に好ましくは、第3級アルキルエステル基である。
樹脂(A’)が含有し得る、酸分解性基を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AI)で表される繰り返し単位が好ましい。
一般式(AI)に於いて、
Xa1は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基又は−CH2−R9で表わされる基を表す。R9は、水酸基又は1価の有機基を表し、1価の有機基としては、例えば、炭素数5以下のアルキル基、アシル基が挙げられ、好ましくは炭素数3以下のアルキル基であり、更に好ましくはメチル基である。Xa1は好ましくは水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
Tは、単結合又は2価の連結基を表す。
Rx1〜Rx3は、それぞれ独立に、アルキル基(直鎖若しくは分岐)又はシクロアルキル基(単環若しくは多環)を表す。
Rx1〜Rx3の少なくとも2つが結合して、シクロアルキル基(単環若しくは多環)を形成してもよい。
Xa1は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基又は−CH2−R9で表わされる基を表す。R9は、水酸基又は1価の有機基を表し、1価の有機基としては、例えば、炭素数5以下のアルキル基、アシル基が挙げられ、好ましくは炭素数3以下のアルキル基であり、更に好ましくはメチル基である。Xa1は好ましくは水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
Tは、単結合又は2価の連結基を表す。
Rx1〜Rx3は、それぞれ独立に、アルキル基(直鎖若しくは分岐)又はシクロアルキル基(単環若しくは多環)を表す。
Rx1〜Rx3の少なくとも2つが結合して、シクロアルキル基(単環若しくは多環)を形成してもよい。
Tの2価の連結基としては、アルキレン基、−COO−Rt−基、−O−Rt−基等が挙げられる。式中、Rtは、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表す。
Tは、単結合又は−COO−Rt−基が好ましい。Rtは、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、−CH2−基、−(CH2)3−基がより好ましい。
Rx1〜Rx3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のものが好ましい。
Rx1〜Rx3のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx1〜Rx3の少なくとも2つが結合して形成されるシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。炭素数5〜6の単環のシクロアルキル基が特に好ましい。
Rx1がメチル基又はエチル基であり、Rx2とRx3とが結合して上述のシクロアルキル基を形成している態様が好ましい。
上記各基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アルキル基(炭素数1〜4)、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基(炭素数1〜4)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(炭素数2〜6)などが挙げられ、炭素数8以下が好ましい。
Tは、単結合又は−COO−Rt−基が好ましい。Rtは、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、−CH2−基、−(CH2)3−基がより好ましい。
Rx1〜Rx3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のものが好ましい。
Rx1〜Rx3のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx1〜Rx3の少なくとも2つが結合して形成されるシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。炭素数5〜6の単環のシクロアルキル基が特に好ましい。
Rx1がメチル基又はエチル基であり、Rx2とRx3とが結合して上述のシクロアルキル基を形成している態様が好ましい。
上記各基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アルキル基(炭素数1〜4)、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基(炭素数1〜4)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(炭素数2〜6)などが挙げられ、炭素数8以下が好ましい。
樹脂(A’)が含有し得る、酸分解性基を有する繰り返し単位としては、下記一般式(II−AB)で表される繰り返し単位も好ましい。
一般式(II−AB)中、
R11'及びR12'は、各々独立に、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
Z'は、結合した2つの炭素原子(C−C)を含み、脂環式構造を形成するための原子団を表す。
R11'及びR12'は、各々独立に、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
Z'は、結合した2つの炭素原子(C−C)を含み、脂環式構造を形成するための原子団を表す。
上記一般式(II−AB)で表される繰り返し単位として、下記具体例が挙げられるが、本発明はこれらの具体例に限定されない。
好ましい酸分解性基を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
具体例中、Rx、Xa1は、水素原子、CH3、CF3、又はCH2OHを表す。Rxa、Rxbはそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基を表す。Zは、極性基を含む置換基を表し、複数存在する場合は各々独立である。極性基を含む置換基としては、後述する一般式(2−1)におけるR10と同様のものが挙げられる。pは0又は正の整数を表す。
具体例中、Rx、Xa1は、水素原子、CH3、CF3、又はCH2OHを表す。Rxa、Rxbはそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基を表す。Zは、極性基を含む置換基を表し、複数存在する場合は各々独立である。極性基を含む置換基としては、後述する一般式(2−1)におけるR10と同様のものが挙げられる。pは0又は正の整数を表す。
樹脂(A’)は、一般式(AI)で表される繰り返し単位として、一般式(1)で表される繰り返し単位及び一般式(2)で表される繰り返し単位の少なくともいずれかを有する樹脂であることがより好ましい。
式(1)及び(2)中、
R1、R3は、各々独立して、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基又は−CH2−R9で表わされる基を表す。R9は水酸基又は1価の有機基を表す。
R2、R4、R5、R6は、各々独立して、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Rは、炭素原子とともに脂環構造を形成するのに必要な原子団を表す。
R1、R3は、各々独立して、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基又は−CH2−R9で表わされる基を表す。R9は水酸基又は1価の有機基を表す。
R2、R4、R5、R6は、各々独立して、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Rは、炭素原子とともに脂環構造を形成するのに必要な原子団を表す。
R1は、好ましくは水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
R2におけるアルキル基は、直鎖型でも分岐型でもよく、置換基を有していてもよい。
R2におけるシクロアルキル基は、単環でも多環でもよく、置換基を有していてもよい。
R2は好ましくはアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは1〜5のものであり、例えばメチル基、エチル基が挙げられる。
R2におけるシクロアルキル基は、単環でも多環でもよく、置換基を有していてもよい。
R2は好ましくはアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは1〜5のものであり、例えばメチル基、エチル基が挙げられる。
Rは、炭素原子とともに脂環構造を形成するのに必要な原子団を表す。Rが形成する脂環構造としては、好ましくは、単環の脂環構造であり、その炭素数は好ましくは3〜7、より好ましくは5又は6である。
R3は好ましくは水素原子又はメチル基であり、より好ましくはメチル基である。
R4、R5、R6におけるアルキル基は、直鎖型でも分岐型でもよく、置換基を有していてもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のものが好ましい。
R4、R5、R6におけるシクロアルキル基は、単環でも多環でもよく、置換基を有していてもよい。シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。
R4、R5、R6におけるアルキル基は、直鎖型でも分岐型でもよく、置換基を有していてもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のものが好ましい。
R4、R5、R6におけるシクロアルキル基は、単環でも多環でもよく、置換基を有していてもよい。シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。
一般式(2)で表される繰り返し単位が、以下の一般式(2−1)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
式(2−1)中、
R3〜R5は、一般式(2)におけるものと同義である。
R10は極性基を含む置換基を表す。R10が複数存在する場合、互いに同じでも異なっていてもよい。極性基を含む置換基としては、例えば、水酸基、シアノ基、アミノ基、アルキルアミド基又はスルホンアミド基等の極性基自体、又はこれらを有する、直鎖又は分岐のアルキル基、シクロアルキル基が挙げられ、好ましくは、水酸基を有するアルキル基である。より好ましくは水酸基を有する分岐状アルキル基である。分岐状アルキル基としてはイソプロピル基が特に好ましい。
pは0〜15の整数を表す。pは好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1である。
R3〜R5は、一般式(2)におけるものと同義である。
R10は極性基を含む置換基を表す。R10が複数存在する場合、互いに同じでも異なっていてもよい。極性基を含む置換基としては、例えば、水酸基、シアノ基、アミノ基、アルキルアミド基又はスルホンアミド基等の極性基自体、又はこれらを有する、直鎖又は分岐のアルキル基、シクロアルキル基が挙げられ、好ましくは、水酸基を有するアルキル基である。より好ましくは水酸基を有する分岐状アルキル基である。分岐状アルキル基としてはイソプロピル基が特に好ましい。
pは0〜15の整数を表す。pは好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1である。
樹脂(A’)は酸分解性基を有する繰り返し単位を複数有していてもよく、複数有する場合の、好ましい組合せとしては、以下に挙げるものが好ましい。式中、Rは水素原子又はメチル基を表す。
・ラクトン基を有する繰り返し単位
樹脂(A’)は、ラクトン基を有する繰り返し単位を含有していてもよい。
ラクトン基としては、ラクトン構造を有していればいずれでも用いることができるが、好ましくは5〜7員環ラクトン構造であり、5〜7員環ラクトン構造にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているものが好ましい。下記一般式(LC1−1)〜(LC1−17)のいずれかで表されるラクトン構造を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。また、ラクトン構造が主鎖に直接結合していてもよい。好ましいラクトン構造としては(LC1−1)、(LC1−4)、(LC1−5)、(LC1−6)、(LC1−13)、(LC1−14)、(LC1−17)であり、特定のラクトン構造を用いることでLWR、現像欠陥が良好になる。
ラクトン基としては、ラクトン構造を有していればいずれでも用いることができるが、好ましくは5〜7員環ラクトン構造であり、5〜7員環ラクトン構造にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているものが好ましい。下記一般式(LC1−1)〜(LC1−17)のいずれかで表されるラクトン構造を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。また、ラクトン構造が主鎖に直接結合していてもよい。好ましいラクトン構造としては(LC1−1)、(LC1−4)、(LC1−5)、(LC1−6)、(LC1−13)、(LC1−14)、(LC1−17)であり、特定のラクトン構造を用いることでLWR、現像欠陥が良好になる。
ラクトン構造部分は、置換基(Rb2)を有していても有していなくてもよい。好ましい置換基(Rb2)としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、酸分解性基などが挙げられる。より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基、酸分解性基である。n2は、0〜4の整数を表す。n2が2以上の時、複数存在する置換基(Rb2)は、同一でも異なっていてもよい。また、複数存在する置換基(Rb2)同士が結合して環を形成してもよい。
ラクトン構造を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AII)で表される繰り返し単位が好ましい。
一般式(AII)中、
Rb0は、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rb0のアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子が挙げられる。Rb0のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。Rb0として好ましくは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基であり、水素原子、メチル基が特に好ましい。
Abは、単結合、アルキレン基、単環又は多環の脂環炭化水素構造を有する2価の連結基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、又はこれらを組み合わせた2価の連結基を表す。好ましくは、単結合、−Ab1−CO2−で表される2価の連結基である。
Ab1は、直鎖、分岐アルキレン基、単環又は多環のシクロアルキレン基であり、好ましくはメチレン基、エチレン基、シクロヘキシレン基、アダマンチレン基、ノルボルニレン基である。
Vは、ラクトン構造を有する基を表す。具体的には、例えば一般式(LC1−1)〜(LC1−17)の内のいずれかで示される構造を有する基を表す。
Rb0は、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rb0のアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子が挙げられる。Rb0のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。Rb0として好ましくは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基であり、水素原子、メチル基が特に好ましい。
Abは、単結合、アルキレン基、単環又は多環の脂環炭化水素構造を有する2価の連結基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、又はこれらを組み合わせた2価の連結基を表す。好ましくは、単結合、−Ab1−CO2−で表される2価の連結基である。
Ab1は、直鎖、分岐アルキレン基、単環又は多環のシクロアルキレン基であり、好ましくはメチレン基、エチレン基、シクロヘキシレン基、アダマンチレン基、ノルボルニレン基である。
Vは、ラクトン構造を有する基を表す。具体的には、例えば一般式(LC1−1)〜(LC1−17)の内のいずれかで示される構造を有する基を表す。
一般式(AII)で表される単位のうち、Abが単結合である場合に特に好ましいラクトン基を有する繰り返し単位としては、下記の繰り返し単位が挙げられる。具体例中、RxはH,CH3,CH2OH,又はCF3を表す。
樹脂(A’)は、下記一般式(3)で表されるラクトン構造を有する繰り返し単位を含有していてもよい。
式(3)中、
Aは、エステル結合(−COO−)又はアミド結合(−CONH−)を表す。
R0は、複数個ある場合にはそれぞれ独立にアルキレン基、シクロアルキレン基、又はその組合せを表す。
Zは、複数個ある場合にはそれぞれ独立に、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、又はウレア結合を表す。
R8は、ラクトン構造を有する1価の有機基を表す。
nは、式(3)で表わされる繰り返し単位内における−R0−Z−で表わされる構造の繰り返し数であり、1〜5の整数を表す。好ましくは0又は1である。
R7は、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有してもよいアルキル基を表す。
Aは、エステル結合(−COO−)又はアミド結合(−CONH−)を表す。
R0は、複数個ある場合にはそれぞれ独立にアルキレン基、シクロアルキレン基、又はその組合せを表す。
Zは、複数個ある場合にはそれぞれ独立に、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、又はウレア結合を表す。
R8は、ラクトン構造を有する1価の有機基を表す。
nは、式(3)で表わされる繰り返し単位内における−R0−Z−で表わされる構造の繰り返し数であり、1〜5の整数を表す。好ましくは0又は1である。
R7は、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有してもよいアルキル基を表す。
R0のアルキレン基、シクロアルキレン基は置換基を有してよい。
Zは好ましくは、エーテル結合、エステル結合であり、特に好ましくはエステル結合である。
Zは好ましくは、エーテル結合、エステル結合であり、特に好ましくはエステル結合である。
R7のアルキル基は、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。R7におけるアルキル基は置換されていてもよく、置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子やメルカプト基、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、ベンジルオキシ基等のアルコキシ基、アセチル基、プロピオニル基等のアセトキシ基が挙げられる。R7は、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基が好ましい。
R0における好ましい鎖状アルキレン基としては炭素数が1〜10の鎖状のアルキレンが好ましく、より好ましくは炭素数1〜5であり、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が挙げられる。好ましいシクロアルキレンとしては、炭素数4〜20のシクロアルキレンであり、例えば、シクロヘキシレン、シクロペンチレン、ノルボルニレン、アダマンチレン等が挙げられる。本発明の効果を発現するためには鎖状アルキレン基がより好ましく、メチレン基が特に好ましい。
R0における好ましい鎖状アルキレン基としては炭素数が1〜10の鎖状のアルキレンが好ましく、より好ましくは炭素数1〜5であり、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が挙げられる。好ましいシクロアルキレンとしては、炭素数4〜20のシクロアルキレンであり、例えば、シクロヘキシレン、シクロペンチレン、ノルボルニレン、アダマンチレン等が挙げられる。本発明の効果を発現するためには鎖状アルキレン基がより好ましく、メチレン基が特に好ましい。
R8で表されるラクトン構造を有する置換基は、ラクトン構造を有していれば限定されるものではなく、具体例として一般式(LC1−1)〜(LC1−17)で表されるラクトン構造が挙げられ、これらのうち(LC1−4)で表わされる構造が特に好ましい。また、(LC1−1)〜(LC1−17)におけるn2は2以下のものがより好ましい。
また、R8は無置換のラクトン構造を有する1価の有機基、或いはメチル基、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を置換基として有するラクトン構造を有する1価の有機基が好ましく、シアノ基を置換基として有するラクトン構造(シアノラクトン)を有する1価の有機基がより好ましい。
また、R8は無置換のラクトン構造を有する1価の有機基、或いはメチル基、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を置換基として有するラクトン構造を有する1価の有機基が好ましく、シアノ基を置換基として有するラクトン構造(シアノラクトン)を有する1価の有機基がより好ましい。
以下に一般式(3)で表されるラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
下記具体例中、Rは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又はハロゲン原子を表し、好ましくは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、アセトキシメチル基を表す。
下記具体例中、Rは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又はハロゲン原子を表し、好ましくは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、アセトキシメチル基を表す。
ラクトン構造を有する繰り返し単位としては、下記一般式(3−1)で表される繰り返し単位がより好ましい。
一般式(3−1)に於いて、
R7、A、R0、Z、及びnは、上記一般式(3)と同義である。
R9は、複数個ある場合にはそれぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、水酸基又はアルコキシ基を表し、複数個ある場合には2つのR9が結合し、環を形成していてもよい。
Xは、アルキレン基、酸素原子又は硫黄原子を表す。
mは、置換基数であって、0〜5の整数を表す。mは0又は1であることが好ましい。
R7、A、R0、Z、及びnは、上記一般式(3)と同義である。
R9は、複数個ある場合にはそれぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、水酸基又はアルコキシ基を表し、複数個ある場合には2つのR9が結合し、環を形成していてもよい。
Xは、アルキレン基、酸素原子又は硫黄原子を表す。
mは、置換基数であって、0〜5の整数を表す。mは0又は1であることが好ましい。
R9のアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、がより好ましく、メチル基が最も好ましい。シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル基を挙げることができる。エステル基としてはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等を挙げることができる。置換基としてはヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、シアノ基、フッ素原子などのハロゲン原子を挙げることができる。
R9はメチル基、シアノ基又はアルコキシカルボニル基であることがより好ましく、シアノ基であることが更に好ましい。
Xのアルキレン基としてはメチレン基、エチレン基等が挙げられる。Xは酸素原子又はメチレン基であることが好ましく、メチレン基であることが更に好ましい。
mが1以上である場合、少なくとも1つのR9はラクトンのカルボニル基のα位又はβ位に置換することが好ましく、特にα位に置換することが好ましい。
R9はメチル基、シアノ基又はアルコキシカルボニル基であることがより好ましく、シアノ基であることが更に好ましい。
Xのアルキレン基としてはメチレン基、エチレン基等が挙げられる。Xは酸素原子又はメチレン基であることが好ましく、メチレン基であることが更に好ましい。
mが1以上である場合、少なくとも1つのR9はラクトンのカルボニル基のα位又はβ位に置換することが好ましく、特にα位に置換することが好ましい。
一般式(3−1)で表されるラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。式中、Rは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又はハロゲン原子を表し、好ましくは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、アセトキシメチル基を表す。
ラクトン基を有する繰り返し単位は、通常光学異性体が存在するが、いずれの光学異性体を用いてもよい。
・水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位
樹脂(A’)は、水酸基又はシアノ基を有する、一般式(2−1)及び(3−1)以外の繰り返し単位を有していてもよい。
水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位は、水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位であることが好ましく、また酸分解性基を有さないことが好ましい。水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造に於ける、脂環炭化水素構造としては、アダマンチル基、ジアマンチル基、ノルボルニル基が好ましい。好ましい水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造としては、モノヒドロキシアダマンチル基、ジヒドロキシアダマンチル基、モノヒドロキシジアマンチル基、ジヒドロキシアダマンチル基、シアノ基で置換されたノルボルニル基等が挙げられる。
上記原子団を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AIIa)〜(AIId)で表される繰り返し単位を挙げることができる。
樹脂(A’)は、水酸基又はシアノ基を有する、一般式(2−1)及び(3−1)以外の繰り返し単位を有していてもよい。
水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位は、水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位であることが好ましく、また酸分解性基を有さないことが好ましい。水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造に於ける、脂環炭化水素構造としては、アダマンチル基、ジアマンチル基、ノルボルニル基が好ましい。好ましい水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造としては、モノヒドロキシアダマンチル基、ジヒドロキシアダマンチル基、モノヒドロキシジアマンチル基、ジヒドロキシアダマンチル基、シアノ基で置換されたノルボルニル基等が挙げられる。
上記原子団を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AIIa)〜(AIId)で表される繰り返し単位を挙げることができる。
一般式(AIIa)〜(AIId)に於いて、
R1cは、水素原子、メチル基、トリフロロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
R2c〜R4cは、各々独立に、水素原子、水酸基又はシアノ基を表す。ただし、R2c〜R4cの内の少なくとも1つは、水酸基又はシアノ基を表す。好ましくは、R2c〜R4cの内の1つ又は2つが、水酸基で、残りが水素原子である。一般式(AIIa)に於いて、更に好ましくは、R2c〜R4cの内の2つが、水酸基で、残りが水素原子である。
R1cは、水素原子、メチル基、トリフロロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
R2c〜R4cは、各々独立に、水素原子、水酸基又はシアノ基を表す。ただし、R2c〜R4cの内の少なくとも1つは、水酸基又はシアノ基を表す。好ましくは、R2c〜R4cの内の1つ又は2つが、水酸基で、残りが水素原子である。一般式(AIIa)に於いて、更に好ましくは、R2c〜R4cの内の2つが、水酸基で、残りが水素原子である。
水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
・酸基を有する繰り返し単位
樹脂(A’)は、酸基を有する繰り返し単位を有してもよい。酸基としてはカルボキシル基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、ビスルスルホニルイミド基、α位が電子求引性基で置換された脂肪族アルコール(例えばヘキサフロロイソプロパノール基)が挙げられ、カルボキシル基を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。
酸基を有する繰り返し単位としては、アクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位のような樹脂の主鎖に直接酸基が結合している繰り返し単位、あるいは連結基を介して樹脂の主鎖に酸基が結合している繰り返し単位、更には酸基を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入、のいずれも好ましく、連結基は単環又は多環の環状炭化水素構造を有していてもよい。特に好ましくはアクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位である。
樹脂(A’)は、酸基を有する繰り返し単位を有してもよい。酸基としてはカルボキシル基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、ビスルスルホニルイミド基、α位が電子求引性基で置換された脂肪族アルコール(例えばヘキサフロロイソプロパノール基)が挙げられ、カルボキシル基を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。
酸基を有する繰り返し単位としては、アクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位のような樹脂の主鎖に直接酸基が結合している繰り返し単位、あるいは連結基を介して樹脂の主鎖に酸基が結合している繰り返し単位、更には酸基を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入、のいずれも好ましく、連結基は単環又は多環の環状炭化水素構造を有していてもよい。特に好ましくはアクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位である。
酸基を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。具体例中、RxはH,CH3,CH2OH,又はCF3を表す。
・極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位
樹脂(A’)は、極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位を有することが好ましい。このような繰り返し単位としては、一般式(4)で表される繰り返し単位が挙げられる。
樹脂(A’)は、極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位を有することが好ましい。このような繰り返し単位としては、一般式(4)で表される繰り返し単位が挙げられる。
一般式(4)中、R5は少なくとも一つの環状構造を有し、水酸基及びシアノ基のいずれも有さない炭化水素基を表す。
Raは水素原子、アルキル基又は−CH2−O−Ra2基を表す。式中、Ra2は、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。Raは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、水素原子、メチル基が特に好ましい。
Raは水素原子、アルキル基又は−CH2−O−Ra2基を表す。式中、Ra2は、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。Raは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、水素原子、メチル基が特に好ましい。
R5が有する環状構造には、単環式炭化水素基及び多環式炭化水素基が含まれる。単環式炭化水素基としては、たとえば、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルケニル基が挙げられる。好ましい単環式炭化水素基としては、炭素数3から7の単環式炭化水素基である。
多環式炭化水素基には環集合炭化水素基、架橋環式炭化水素基が含まれる。架橋環式炭化水素環として、2環式炭化水素環、3環式炭化水素環、4環式炭化水素環などが挙げられる。また、架橋環式炭化水素環には、縮合環式炭化水素環(例えば、5〜8員シクロアルカン環が複数個縮合した縮合環)も含まれる。好ましい架橋環式炭化水素環としてノルボニル基、アダマンチル基が挙げられる。
これらの脂環式炭化水素基は置換基を有していても良く、好ましい置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、保護基で保護されたヒドロキシル基、保護基で保護されたアミノ基などが挙げられる。好ましいハロゲン原子としては臭素、塩素、フッ素原子、好ましいアルキル基としてはメチル、エチル、ブチル、t−ブチル基が挙げられる。上記のアルキル基は更に置換基を有していても良く、更に有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、保護基で保護されたヒドロキシル基、保護基で保護されたアミノ基を挙げることができる。
保護基としては、たとえばアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、置換メチル基、置換エチル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基が挙げられる。好ましいアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基、好ましい置換メチル基としてはメトキシメチル、メトキシチオメチル、ベンジルオキシメチル、t−ブトキシメチル、2−メトキシエトキシメチル基、好ましい置換エチル基としては、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル、好ましいアシル基としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル基などの炭素数1〜6の脂肪族アシル基、アルコキシカルボニル基としては炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基などが挙げられる。
極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。式中、Raは、H、CH3、CH2OH、又はCF3を表す。
極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。式中、Raは、H、CH3、CH2OH、又はCF3を表す。
・極性基も脂環炭化水素構造も有さず、酸分解性を示さない繰り返し単位
樹脂(A’)は、極性基も脂環炭化水素構造も有さず、酸分解性を示さない繰り返し単位を含有していてもよい。このような樹脂としては、例えば前記一般式(4)において、R5が環状構造、水酸基及びシアノ基のいずれも有さずかつ酸分解性を示さない炭化水素基(例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基等、ヘプチル基等)である繰り返し単位を挙げることができる。
樹脂(A’)は、極性基も脂環炭化水素構造も有さず、酸分解性を示さない繰り返し単位を含有していてもよい。このような樹脂としては、例えば前記一般式(4)において、R5が環状構造、水酸基及びシアノ基のいずれも有さずかつ酸分解性を示さない炭化水素基(例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基等、ヘプチル基等)である繰り返し単位を挙げることができる。
極性基も脂環炭化水素構造も有さず、酸分解性を示さない繰り返し単位の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されない。
・ヒドロキシスチレン及びその誘導体由来の繰り返し単位
樹脂(A’)は、ヒドロキシスチレン及びその誘導体由来の繰り返し単位を含有することも好ましい。このような繰り返し単位としては、KrF、EUV、EB用のレジスト組成物に含まれる樹脂を構成する繰り返し単位が挙げられる。
ヒドロキシスチレン由来の繰り返し単位としては、パラヒドロキシスチレン由来の繰り返し単位か、メタヒドロキシスチレン由来の繰り返し単位であることが好ましい。
樹脂(A’)は、ヒドロキシスチレン及びその誘導体由来の繰り返し単位を含有することも好ましい。このような繰り返し単位としては、KrF、EUV、EB用のレジスト組成物に含まれる樹脂を構成する繰り返し単位が挙げられる。
ヒドロキシスチレン由来の繰り返し単位としては、パラヒドロキシスチレン由来の繰り返し単位か、メタヒドロキシスチレン由来の繰り返し単位であることが好ましい。
ヒドロキシスチレン誘導体由来の繰り返し単位としては、ヒドロキシスチレンのフェノール性水酸基を酸の作用により脱離する基で保護したものに由来する繰り返し単位が好ましい。酸の作用により脱離する基としては、−C(R01)(R02)(OR39 ’)で表される基であることが好ましい。R01、R02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。R01とR02とは互いに連結して環を形成してもよい。R39 ’はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。ここでR39 ’における各基は更に置換基を有していてもよく、有していてもよい置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アリールオキシ基等が挙げられる。
なお、ヒドロキシスチレンのフェノール性水酸基を酸の作用により脱離する基で保護したものに由来する繰り返し単位は、酸の作用により分解し、酸基を生じる基を有する繰り返し単位の一種である。
なお、ヒドロキシスチレンのフェノール性水酸基を酸の作用により脱離する基で保護したものに由来する繰り返し単位は、酸の作用により分解し、酸基を生じる基を有する繰り返し単位の一種である。
ヒドロキシスチレン誘導体由来の繰り返し単位の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されない。
・側鎖に芳香環を有する(メタ)アクリルエステル繰り返し単位
樹脂(A’)は、側鎖に芳香環を有する(メタ)アクリルエステル繰り返し単位を含んでいても良い。このような繰り返し単位としては、前記一般式(4)におけるR5が芳香環を有する基である繰り返し単位を挙げることができる。
樹脂(A’)は、側鎖に芳香環を有する(メタ)アクリルエステル繰り返し単位を含んでいても良い。このような繰り返し単位としては、前記一般式(4)におけるR5が芳香環を有する基である繰り返し単位を挙げることができる。
芳香環を有する基としては、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基又はアントリル基等の芳香族基自体、ビフェニル基、ターフェニル基等の複数の芳香環が単結合で連結している基、及びこれらが連結基を解して結合している基があげられる。
具体的には、−L−Arで表される構造が挙げられる。Lは単結合又は連結基、Arは芳香族基を表す。
連結基としてはアルキレン基、シクロアルキレン基が挙げられ、好ましくはメチレン基である。
ここで芳香環は更に置換基を有していてもよく、有していてもよい置換基としては水酸基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ基、シアノ基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基等のアルコキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、ベンジル基、フエネチル基、クミル基等のアラルキル基、アラルキルオキシ基、ホルミル基、アセチル基、ブチリル基、ベンゾイル基、シアナミル基、バレリル基等のアシル基、ブチリルオキシ基等のアシロキシ基、上記のアルケニル基、ビニルオキシ基、プロペニルオキシ基、アリルオキシ基、ブテニルオキシ基等のアルケニルオキシ基、上記のアリール基、フエノキシ基等のアリールオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアリールオキシカルボニル基等を挙げることができる。
具体的には、−L−Arで表される構造が挙げられる。Lは単結合又は連結基、Arは芳香族基を表す。
連結基としてはアルキレン基、シクロアルキレン基が挙げられ、好ましくはメチレン基である。
ここで芳香環は更に置換基を有していてもよく、有していてもよい置換基としては水酸基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ基、シアノ基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基等のアルコキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、ベンジル基、フエネチル基、クミル基等のアラルキル基、アラルキルオキシ基、ホルミル基、アセチル基、ブチリル基、ベンゾイル基、シアナミル基、バレリル基等のアシル基、ブチリルオキシ基等のアシロキシ基、上記のアルケニル基、ビニルオキシ基、プロペニルオキシ基、アリルオキシ基、ブテニルオキシ基等のアルケニルオキシ基、上記のアリール基、フエノキシ基等のアリールオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアリールオキシカルボニル基等を挙げることができる。
側鎖に芳香環を有する(メタ)アクリルエステル繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されない。
樹脂(A)は、下記一般式(VIII)で表される繰り返し単位を有してもよい。
一般式(VIII)に於いて、
Z2は、−O−又は−N(R41)−を表す。R41は、水素原子、水酸基、アルキル基又は−OSO2−R42を表す。R42は、アルキル基、シクロアルキル基又は樟脳残基を表す。R41及びR42のアルキル基は、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)等で置換されていてもよい。
Z2は、−O−又は−N(R41)−を表す。R41は、水素原子、水酸基、アルキル基又は−OSO2−R42を表す。R42は、アルキル基、シクロアルキル基又は樟脳残基を表す。R41及びR42のアルキル基は、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)等で置換されていてもよい。
樹脂(A)は、酸基を有する繰り返し単位を有することが好ましく、カルボキシル基を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。カルボキシル基を有する繰り返し単位としては、アクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位のような樹脂の主鎖に直接カルボキシル基が結合している繰り返し単位、又は連結基を介して樹脂の主鎖にカルボキシル基が結合している繰り返し単位、更には酸基を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入、のいずれも好ましく、連結基は単環又は多環の環状炭化水素構造を有していてもよい。
樹脂(A)は、更に、下記一般式(F1)で表される基を有する繰り返し単位を有していてもよい。これによりラインエッジラフネス性能が向上する。
一般式(F1)中、
R50〜R55は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。但し、R50〜R55の内、少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
Rxaは、水素原子又は有機基(好ましくは酸分解性保護基、アルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基)を表す。
R50〜R55は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。但し、R50〜R55の内、少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
Rxaは、水素原子又は有機基(好ましくは酸分解性保護基、アルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基)を表す。
R50〜R55のアルキル基は、フッ素原子等のハロゲン原子、シアノ基等で置換されていてもよく、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基、例えば、メチル基、トリフルオロメチル基を挙げることができる。
R50〜R55は、すべてフッ素原子であることが好ましい。
R50〜R55は、すべてフッ素原子であることが好ましい。
Rxaが表わす有機基としては、酸分解性保護基、置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルメチル基、アルコキシメチル基、1−アルコキシエチル基が好ましい。
一般式(F1)で表される基を有する繰り返し単位の具体例を示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
樹脂(A)は、更に、脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位を有してもよい。これにより液浸露光時にレジスト膜から液浸液への低分子成分の溶出が低減できる。このような繰り返し単位として、例えば1−アダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどによる繰り返し単位が挙げられる。
樹脂(A)は、上記の繰り返し単位以外に、例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等のモノマー由来の重合単位を有していてもよい。
樹脂(A)において、各繰り返し構造単位の含有モル比はレジストパターンのドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、更にはレジスト組成物の一般的な必要性能である解像力、耐熱性、感度等を調節するために適宜設定される。
樹脂(A)中、酸分解性基を有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中10〜60モル%が好ましく、より好ましくは20〜50モル%、更に好ましくは25〜40モル%である。
樹脂(A)中、酸分解性基を有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中10〜60モル%が好ましく、より好ましくは20〜50モル%、更に好ましくは25〜40モル%である。
また、樹脂(A’)は、その他の繰り返し単位、例えばアクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物に相当する繰り返し単位を有していてもよい。
樹脂(A’)は、ホモポリマーであってもコポリマーであってもよい。コポリマーである場合、上記各種繰り返し単位を複数種含んでいてもよい。コポリマーである場合の好ましい組成比は、以下のとおりである。
酸分解性基を有する繰り返し単位の合計としての含有率は、樹脂中の全繰り返し単位に対し、20〜70mol%が好ましく、より好ましくは30〜50mol%である。
ラクトン基を有する繰り返し単位の含有率は、樹脂中の全繰り返し単位に対し、15〜60mol%が好ましく、より好ましくは20〜50mol%、更に好ましくは30〜50mol%である。
水酸基又はシアノ基 を有する繰り返し単位の含有率は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、5〜40mol%が好ましく、より好ましくは5〜30mol%、更に好ましくは10〜25mol%である。
酸基を有する繰り返し単位の含有率は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、 0〜20mol%が好ましく、より好ましくは3〜15mol%、更に好ましくは5〜10mol%である。
極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位の含有率は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、0〜40モル%が好ましく、より好ましくは0〜20モル%である。
極性基と脂環炭化水素構造を有さず、酸分解性を示さない繰り返し単位の含有率は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、0〜40モル%が好ましく、より好ましくは0〜20モル%である。
一般式(VIII)で表される繰り返し単位の含有率は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、0〜40モル%が好ましく、より好ましくは0〜20モル%である。
一般式(F1)で表される基を有する繰り返し単位の含有率は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、0〜40モル%が好ましく、より好ましくは0〜20モル%である。
酸分解性基を有する繰り返し単位の合計としての含有率は、樹脂中の全繰り返し単位に対し、20〜70mol%が好ましく、より好ましくは30〜50mol%である。
ラクトン基を有する繰り返し単位の含有率は、樹脂中の全繰り返し単位に対し、15〜60mol%が好ましく、より好ましくは20〜50mol%、更に好ましくは30〜50mol%である。
水酸基又はシアノ基 を有する繰り返し単位の含有率は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、5〜40mol%が好ましく、より好ましくは5〜30mol%、更に好ましくは10〜25mol%である。
酸基を有する繰り返し単位の含有率は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、 0〜20mol%が好ましく、より好ましくは3〜15mol%、更に好ましくは5〜10mol%である。
極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位の含有率は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、0〜40モル%が好ましく、より好ましくは0〜20モル%である。
極性基と脂環炭化水素構造を有さず、酸分解性を示さない繰り返し単位の含有率は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、0〜40モル%が好ましく、より好ましくは0〜20モル%である。
一般式(VIII)で表される繰り返し単位の含有率は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、0〜40モル%が好ましく、より好ましくは0〜20モル%である。
一般式(F1)で表される基を有する繰り返し単位の含有率は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、0〜40モル%が好ましく、より好ましくは0〜20モル%である。
樹脂(A’)として好ましくは、繰り返し単位のすべてが(メタ)アクリレート系繰り返し単位で構成されたものである。この場合、繰り返し単位のすべてがメタクリレート系繰り返し単位であるもの、繰り返し単位のすべてがアクリレート系繰り返し単位であるもの、繰り返し単位のすべてがメタクリレート系繰り返し単位とアクリレート系繰り返し単位とによるもののいずれのものでも用いることができるが、アクリレート系繰り返し単位が全繰り返し単位の50mol%以下であることが好ましい。
より好ましくは、酸分解性基を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位20〜50モル%、ラクトン基を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位20〜50モル%、水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位5〜30モル%、更にその他の(メタ)アクリレート系繰り返し単位を0〜20モル%含む共重合ポリマーである。
より好ましくは、酸分解性基を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位20〜50モル%、ラクトン基を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位20〜50モル%、水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位5〜30モル%、更にその他の(メタ)アクリレート系繰り返し単位を0〜20モル%含む共重合ポリマーである。
・logP値
樹脂(A’)はlogP値が1.3以上のものが好ましく、より好ましくは、2.0以上である。樹脂(A’)のlogP値の上限は特に限定されないが、好ましくは7.5以下である。
logP値は、ある化学物質が親水的か親油的かを表すパラメータとして、化学分野で広く知られているパラメータであり、例えばJIS Z7260−107に記載の方法で測定できる。本発明においてはCambridgeSoft社製のChemDraw Ultra ver.8.0で計算した値である。但し、ポリマーの主鎖構造の部分に必要な水素原子を補ったモノマーに置き換えて計算し、コポリマーである場合は組成比を乗じて算出した。またシリコン原子を含有するものについてはシリコン原子を炭素原子に置き換えて計算した。
また、樹脂(A’)のlogP値は、処理液を適用する化学増幅型レジスト組成物が含有する樹脂(後述する樹脂(A))に近いlogP値であることが好ましい。具体的には、ΔlogP=|(樹脂(A)のlogP)−(樹脂(A’)のlogP)|は2.5以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましい。
樹脂(A’)はlogP値が1.3以上のものが好ましく、より好ましくは、2.0以上である。樹脂(A’)のlogP値の上限は特に限定されないが、好ましくは7.5以下である。
logP値は、ある化学物質が親水的か親油的かを表すパラメータとして、化学分野で広く知られているパラメータであり、例えばJIS Z7260−107に記載の方法で測定できる。本発明においてはCambridgeSoft社製のChemDraw Ultra ver.8.0で計算した値である。但し、ポリマーの主鎖構造の部分に必要な水素原子を補ったモノマーに置き換えて計算し、コポリマーである場合は組成比を乗じて算出した。またシリコン原子を含有するものについてはシリコン原子を炭素原子に置き換えて計算した。
また、樹脂(A’)のlogP値は、処理液を適用する化学増幅型レジスト組成物が含有する樹脂(後述する樹脂(A))に近いlogP値であることが好ましい。具体的には、ΔlogP=|(樹脂(A)のlogP)−(樹脂(A’)のlogP)|は2.5以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましい。
本発明の樹脂(A’)の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、好ましくは3,000〜25,000であり、より好ましくは5,000〜15,000である。
樹脂(A’)の分散度(分子量分布)は、好ましくは1.2〜3.0、更に好ましくは1.4〜1.8である。
樹脂(A’)の分散度(分子量分布)は、好ましくは1.2〜3.0、更に好ましくは1.4〜1.8である。
樹脂(A’)の処理液全体中の配合量は、処理液全量に対して0.0001〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.001〜5質量%である。
また、樹脂(A’)は、処理液中に1種含まれていても複数含まれていてもよい。
また、樹脂(A’)は、処理液中に1種含まれていても複数含まれていてもよい。
本発明の樹脂(A’)は、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種及び開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤にモノマー種と開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。反応溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド溶剤、更には後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノンのような本発明の組成物を溶解する溶媒が挙げられる。より好ましくは本発明の組成物に用いられる溶剤と同一の溶剤を用いて重合することが好ましい。これにより保存時のパーティクルの発生が抑制できる。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は5〜50質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、更に好ましくは60〜100℃である。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は5〜50質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、更に好ましくは60〜100℃である。
本発明の処理液が含有する有機溶剤としては、上記樹脂(A’)を溶解するものであれば特に制限されず、レジスト組成物の塗布溶媒として用いられているもの等を使用することができる。具体的には以下に述べる現像液としての有機溶剤又はリンス液としての有機溶剤が好ましい。
本発明の化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用の処理液は、化学増幅型レジスト組成物の現像工程又はリンス工程に用いられる、現像液又はリンス液であることが好ましい。
処理液が現像液の場合、現像液と機能するもの、好ましくは露光強度の低いレジスト組成物を溶解可能で、露光強度の高いレジスト組成物を溶解しにくいものが好ましく、より具体的には、図1における露光量E1以下の領域を溶解させることができるものが好ましい。
処理液がリンス液の場合、レジスト組成物を溶解しないものの、現像処理後の現像残渣を洗い流せるものが好ましい。
処理液が現像液の場合、現像液と機能するもの、好ましくは露光強度の低いレジスト組成物を溶解可能で、露光強度の高いレジスト組成物を溶解しにくいものが好ましく、より具体的には、図1における露光量E1以下の領域を溶解させることができるものが好ましい。
処理液がリンス液の場合、レジスト組成物を溶解しないものの、現像処理後の現像残渣を洗い流せるものが好ましい。
有機溶剤系現像液
樹脂(A’)と有機溶剤とを含有する化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用の現像液の有機溶剤としては、未露光部のレジストパターンの一部を溶解するものであれば特に制限はなく、一般的な有機溶剤を使用することができ、好ましくはケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤等の極性溶剤及び炭化水素系溶剤を用いることができ、エステル系溶剤であることが更に好ましい。
樹脂(A’)と有機溶剤とを含有する化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用の現像液の有機溶剤としては、未露光部のレジストパターンの一部を溶解するものであれば特に制限はなく、一般的な有機溶剤を使用することができ、好ましくはケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤等の極性溶剤及び炭化水素系溶剤を用いることができ、エステル系溶剤であることが更に好ましい。
ケトン系溶剤としては、例えば、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、アセトン、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、イソホロン、プロピレンカーボネート等を挙げることができる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA;1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチルー3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等を挙げることができる。特に、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミルなどの酢酸アルキルエステルが好ましい。
アルコール系溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、4−メチルー2−ペンタノール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デカノール等のアルコールや、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME;1−メトキシ−2−プロパノール)、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤等を挙げることができる。
エーテル系溶剤としては、例えば、上記グリコールエーテル系溶剤の他、ジオキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
アミド系溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が使用できる。
炭化水素系系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA;1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチルー3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等を挙げることができる。特に、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミルなどの酢酸アルキルエステルが好ましい。
アルコール系溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、4−メチルー2−ペンタノール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デカノール等のアルコールや、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME;1−メトキシ−2−プロパノール)、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤等を挙げることができる。
エーテル系溶剤としては、例えば、上記グリコールエーテル系溶剤の他、ジオキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
アミド系溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が使用できる。
炭化水素系系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
有機溶剤としては、下記一般式(1)で表される構造を有するものがより好ましく、一般式(2)で表される構造を有するものが更に好ましい。
一般式(1)に於いて、
R及びR’は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。R及びR’は、互いに結合して環を形成してもよい。
R及びR’は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。R及びR’は、互いに結合して環を形成してもよい。
一般式(2)に於いて、
R’’及びR’’’’は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。R’’及びR’’’’は、互いに結合して環を形成してもよい。
R’’’は、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表す。
R’’及びR’’’’は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。R’’及びR’’’’は、互いに結合して環を形成してもよい。
R’’’は、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表す。
R〜R’’’’における各基の炭素数は、特に限定されないが、1〜10のものが好ましく、1〜8のものがより好ましい。
上記の溶剤は、複数混合してもよく、エステル系溶剤とケトン系溶剤を併用することが好ましい。
また、有機溶剤は、性能を有する範囲内で、上記以外の溶剤や水と混合し使用してもよい。但し、本発明の効果を十二分に奏するためには、現像液全体としての含水率が10質量%未満であることが好ましく、実質的に水分を含有しないことがより好ましい。
すなわち、現像液に対する有機溶剤の使用量は、現像液の全量(樹脂(A’)等を含むリンス液全量)に対して、90質量%以上99.9999質量%以下であることが好ましく、95質量%以上99.999質量%以下であることがより好ましい。
また、有機溶剤は、性能を有する範囲内で、上記以外の溶剤や水と混合し使用してもよい。但し、本発明の効果を十二分に奏するためには、現像液全体としての含水率が10質量%未満であることが好ましく、実質的に水分を含有しないことがより好ましい。
すなわち、現像液に対する有機溶剤の使用量は、現像液の全量(樹脂(A’)等を含むリンス液全量)に対して、90質量%以上99.9999質量%以下であることが好ましく、95質量%以上99.999質量%以下であることがより好ましい。
有機溶剤を含有する現像液の蒸気圧は、20℃に於いて、5kPa以下が好ましく、3kPa以下が更に好ましく、2kPa以下が特に好ましい。現像液の蒸気圧を5kPa以下にすることにより、現像液の基板上又は現像カップ内での蒸発が抑制され、ウェハ面内の温度均一性が向上し、結果としてウェハ面内の寸法均一性が良化する。
5kPa以下の蒸気圧を有する具体的な例としては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等のエステル系溶剤、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、4−メチルー2−ペンタノール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デカノール等のアルコール系溶剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドのアミド系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
特に好ましい範囲である2kPa以下の蒸気圧を有する具体的な例としては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等のエステル系溶剤、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、4−メチルー2−ペンタノール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デカノール等のアルコール系溶剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドのアミド系溶剤、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
5kPa以下の蒸気圧を有する具体的な例としては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等のエステル系溶剤、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、4−メチルー2−ペンタノール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デカノール等のアルコール系溶剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドのアミド系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
特に好ましい範囲である2kPa以下の蒸気圧を有する具体的な例としては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等のエステル系溶剤、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、4−メチルー2−ペンタノール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デカノール等のアルコール系溶剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドのアミド系溶剤、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
有機溶剤系リンス液
樹脂(A’)と有機溶剤とを含有する化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用のリンス液の有機溶剤としては、露光部のレジストパターンを溶解しなければ特に制限はなく、一般的な有機溶剤を使用することができる。前記リンス液の有機溶剤としては、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤から選択される有機溶剤を用いることが好ましい。より好ましくは、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤から選択される有機溶剤を含有するリンス液を挙げることができる。更に好ましくは、アルコール系溶剤又はエステル系溶剤を含有するリンス液であり、より好ましくは、アルコール系溶剤、例えば1価アルコールを含有するリンス液を挙げることができる。特に好ましくは、炭素数5以上の1価アルコールを含有するリンス液を挙げることができる。ここで、1価アルコールとしては、直鎖状、分岐状、環状の1価アルコールが挙げられ、具体的には、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、tert―ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノール、4−メチルー2−ペンタノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−ヘキサノール、シクロペンタノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、3−ヘキサノール、3−ヘプタノール、3−オクタノール、4−オクタノールなどを用いることができ、特に好ましい炭素数5以上の1価アルコールとしては、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、4−メチルー2−ペンタノール、1−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノールなどを用いることができる。
樹脂(A’)と有機溶剤とを含有する化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用のリンス液の有機溶剤としては、露光部のレジストパターンを溶解しなければ特に制限はなく、一般的な有機溶剤を使用することができる。前記リンス液の有機溶剤としては、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤から選択される有機溶剤を用いることが好ましい。より好ましくは、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤から選択される有機溶剤を含有するリンス液を挙げることができる。更に好ましくは、アルコール系溶剤又はエステル系溶剤を含有するリンス液であり、より好ましくは、アルコール系溶剤、例えば1価アルコールを含有するリンス液を挙げることができる。特に好ましくは、炭素数5以上の1価アルコールを含有するリンス液を挙げることができる。ここで、1価アルコールとしては、直鎖状、分岐状、環状の1価アルコールが挙げられ、具体的には、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、tert―ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノール、4−メチルー2−ペンタノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−ヘキサノール、シクロペンタノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、3−ヘキサノール、3−ヘプタノール、3−オクタノール、4−オクタノールなどを用いることができ、特に好ましい炭素数5以上の1価アルコールとしては、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、4−メチルー2−ペンタノール、1−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノールなどを用いることができる。
前記各成分は、複数混合してもよく、アルコール系溶剤とエーテル系溶剤を併用することが好ましい。また、上記以外の有機溶剤と混合し使用してもよい。
化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用のリンス液中の含水率は、10質量%未満が好ましく、より好ましくは5質量%未満、特に好ましくは3質量%未満である。含水率を10質量%未満にすることで、良好な現像特性を得ることができる。
すなわち、化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用のリンス液に対する有機溶剤の使用量は、リンス液の全量(樹脂(A’)等を含むリンス液全量)に対して、90質量%以上99.9999質量%以下であることが好ましく、95質量%以上99.999質量%以下であることがより好ましく、97質量%以上99.999質量%以下であることが最も好ましい。
すなわち、化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用のリンス液に対する有機溶剤の使用量は、リンス液の全量(樹脂(A’)等を含むリンス液全量)に対して、90質量%以上99.9999質量%以下であることが好ましく、95質量%以上99.999質量%以下であることがより好ましく、97質量%以上99.999質量%以下であることが最も好ましい。
有機溶剤を含有する現像液による現像後に用いる化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用のリンス液の蒸気圧は、20℃に於いて0.05kPa以上、5kPa以下が好ましく、0.1kPa以上、5kPa以下が更に好ましく、0.12kPa以上、3kPa以下が最も好ましい。リンス液の蒸気圧を0.05kPa以上、5kPa以下にすることにより、ウェハ面内の温度均一性が向上し、更にはリンス液の浸透に起因した膨潤が抑制され、ウェハ面内の寸法均一性が良化する。
界面活性剤
本発明の化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用の処理液は、界面活性剤を含有していてもよい。界面活性剤は、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤及びシリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤)のいずれか、又は2種以上を含有することがより好ましい。
本発明の化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用の処理液は、界面活性剤を含有していてもよい。界面活性剤は、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤及びシリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤)のいずれか、又は2種以上を含有することがより好ましい。
これらのフッ素及び/又はシリコン系界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431、4430(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、F113、F110、F177、F120、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)、GF−300、GF−150(東亜合成化学(株)製)、サーフロンS−393(セイミケミカル(株)製)、エフトップEF121、EF122A、EF122B、RF122C、EF125M、EF135M、EF351、352、EF801、EF802、EF601((株)ジェムコ製)、PF636、PF656、PF6320、PF6520(OMNOVA社製)、FTX−204D、208G、218G、230G、204D、208D、212D、218、222D((株)ネオス製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
また、界面活性剤としては、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)若しくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を有する重合体を用いた界面活性剤を用いることが出来る。フルオロ脂肪族化合物は、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することが出来る。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布していても、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。更に、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
例えば、市販の界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(大日本インキ化学工業(株)製)を挙げることができる。更に、C6F13基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C6F13基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C8F17基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C8F17基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、などを挙げることができる。
また、本発明では、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を使用することもできる。具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤等を挙げることができる。
界面活性剤は、単独で使用してもよいし、また、いくつかの組み合わせで使用してもよい。
界面活性剤の含有量は、化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用の処理液全量(樹脂(A’)等も含む)に対して、好ましくは0.0001〜10質量%、より好ましくは0.001〜5質量%である。
<レジストパターン形成方法>
本発明のレジストパターン形成方法は、上記処理液、好ましくは樹脂(A’)と有機溶剤とを含有する処理液を、現像液又はリンス液として使用することを特徴とする。
好ましくは、化学増幅型レジスト組成物を用いて膜を形成する工程、該膜を露光する工程、及び現像液を用いて現像する工程をこの順で有する。現像後に、更にリンス液を用いてリンスする工程を含むことが好ましい。
本発明のパターン形成方法は、該現像する工程が、前記有機溶剤に可溶な樹脂と有機溶剤とを含有する現像液を使用する工程であるか、或いは、更に該リンスする工程を含み、リンス液として前記有機溶剤に可溶な樹脂と有機溶剤とを有するリンス液を用いる工程を含むか、又はその両方を行うものである。
製膜後、露光工程の前に、前加熱工程(PB;Prebake)を含むことも好ましい。
また、露光工程の後かつ現像工程の前に、露光後加熱工程(PEB;Post Exposure Bake)を含むことも好ましい。
加熱温度はPB、PEB共に70〜120℃で行うことが好ましく、100〜120℃で行うことがより好ましい。
加熱時間は30〜300秒が好ましく、30〜180秒がより好ましく、30〜90秒が更に好ましい。
加熱は通常の露光・現像機に備わっている手段で行うことができ、ホットプレート等を用いて行っても良い。
ベークにより露光部の反応が促進され、感度やパターンプロファイルが改善する。
本発明のレジストパターン形成方法は、上記処理液、好ましくは樹脂(A’)と有機溶剤とを含有する処理液を、現像液又はリンス液として使用することを特徴とする。
好ましくは、化学増幅型レジスト組成物を用いて膜を形成する工程、該膜を露光する工程、及び現像液を用いて現像する工程をこの順で有する。現像後に、更にリンス液を用いてリンスする工程を含むことが好ましい。
本発明のパターン形成方法は、該現像する工程が、前記有機溶剤に可溶な樹脂と有機溶剤とを含有する現像液を使用する工程であるか、或いは、更に該リンスする工程を含み、リンス液として前記有機溶剤に可溶な樹脂と有機溶剤とを有するリンス液を用いる工程を含むか、又はその両方を行うものである。
製膜後、露光工程の前に、前加熱工程(PB;Prebake)を含むことも好ましい。
また、露光工程の後かつ現像工程の前に、露光後加熱工程(PEB;Post Exposure Bake)を含むことも好ましい。
加熱温度はPB、PEB共に70〜120℃で行うことが好ましく、100〜120℃で行うことがより好ましい。
加熱時間は30〜300秒が好ましく、30〜180秒がより好ましく、30〜90秒が更に好ましい。
加熱は通常の露光・現像機に備わっている手段で行うことができ、ホットプレート等を用いて行っても良い。
ベークにより露光部の反応が促進され、感度やパターンプロファイルが改善する。
現像方法としては、たとえば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液吐出ノズルをスキャンしながら現像液を吐出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)などを適用することができる。
上記各種の現像方法が、現像装置の現像ノズルから現像液をレジスト膜に向けて吐出する工程を含む場合、吐出される現像液の吐出圧(吐出される現像液の単位面積あたりの流速)は好ましくは2mL/sec/mm2以下、より好ましくは1.5mL/sec/mm2以下、更に好ましくは1mL/sec/mm2以下である。流速の下限は特に無いが、スループットを考慮すると0.2mL/sec/mm2以上が好ましい。
吐出される現像液の吐出圧を上記の範囲とすることにより、現像後のレジスト残渣に由来するパターンの欠陥を著しく低減することができる。
このメカニズムの詳細は定かではないが、恐らくは、吐出圧を上記範囲とすることで、現像液がレジスト膜に与える圧力が小さくなり、レジスト膜・レジストパターンが不用意に削られたり崩れたりすることが抑制されるためと考えられる。
なお、現像液の吐出圧(mL/sec/mm2)は、現像装置中の現像ノズル出口における値である。
上記各種の現像方法が、現像装置の現像ノズルから現像液をレジスト膜に向けて吐出する工程を含む場合、吐出される現像液の吐出圧(吐出される現像液の単位面積あたりの流速)は好ましくは2mL/sec/mm2以下、より好ましくは1.5mL/sec/mm2以下、更に好ましくは1mL/sec/mm2以下である。流速の下限は特に無いが、スループットを考慮すると0.2mL/sec/mm2以上が好ましい。
吐出される現像液の吐出圧を上記の範囲とすることにより、現像後のレジスト残渣に由来するパターンの欠陥を著しく低減することができる。
このメカニズムの詳細は定かではないが、恐らくは、吐出圧を上記範囲とすることで、現像液がレジスト膜に与える圧力が小さくなり、レジスト膜・レジストパターンが不用意に削られたり崩れたりすることが抑制されるためと考えられる。
なお、現像液の吐出圧(mL/sec/mm2)は、現像装置中の現像ノズル出口における値である。
処理液の吐出圧を調整する方法としては、例えば、ポンプなどで吐出圧を調整する方法や、加圧タンクからの供給で圧力を調整することでを変える方法などを挙げることができる。
また、現像を行う工程の後に、他の溶媒に置換しながら、現像を停止する工程を実施してもよい。
リンス工程においては、現像を行ったウェハを有機溶剤に可溶な樹脂と有機溶剤とを含有するリンス液を用いてリンス(洗浄処理)する。リンスの方法は特に限定されないが、たとえば、一定速度で回転している基板上にリンス液を吐出しつづける方法(回転塗布法)、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)、などを適用することができ、この中でも回転塗布方法で洗浄処理を行い、洗浄後に基板を1000rpm〜4000rpmの回転数で回転させ、リンス液を基板上から除去することが好ましい。
本発明の方法において現像方式は、パドルを形成しないダイナミック現像でも、パドル
を形成する静置現像でも、パドルを形成しつつ揺動させる現像方式のいずれも適用できる
。
ダイナミック現像では、ウェハを回転させながら現像ノズルから有機溶媒系現像液を吐出し、有機溶媒系現像液吐出終了後すぐにリンスノズルに切り替えてリンス液を吐出する。
有機溶媒系現像液の吐出時間は、2〜100秒とすることが好ましく、5〜60秒とすることがより好ましい。
有機溶媒系現像液の総吐出量は、一般的な8〜12インチウェハの場合、3〜50mlとすることが好ましく、5〜15mlとすることがより好ましい。
ウェハの回転速度は、一般的な8〜12インチウェハの場合、50〜2000rpmとすることが好ましく、100〜1800rpmとすることがより好ましい。
リンス液の吐出時間は、2〜100秒とすることが好ましく、5〜60秒とすることがより好ましい。
ウェハの回転速度は、一般的な8〜12インチウェハの場合、50〜2000rpmとすることが好ましく、100〜1800rpmとすることがより好ましい。
パドル形成・静置現像では、ウェハを回転させながら現像ノズルから有機溶媒系現像液を吐出してパドルを形成し、所定時間ウェハを静置した後に、ウェハを回転させ、リンスノズルからリンス液を吐出する。ウェハの回転とリンス液の吐出は同時であってもよい。
有機溶媒系現像液の吐出時間は、2〜30秒とすることが好ましく、5〜20秒とすることがより好ましい。
有機溶媒系現像液の総吐出量は、一般的な8〜12インチウェハの場合、3〜50mlとすることが好ましく、5〜15mlとすることがより好ましい。
ウェハの回転速度は、一般的な8〜12インチウェハの場合、5〜500rpmとすることが好ましく、5〜250rpmとすることがより好ましい。
ウェハの静置時間は、2〜100秒とすることが好ましく、5〜60秒とすることがより好ましい。
リンス液の吐出時間は、2〜100秒とすることが好ましく、5〜60秒とすることがより好ましい。
ウェハの回転速度は、一般的な8〜12インチウェハの場合、50〜2000rpmとすることが好ましく、100〜1800rpmとすることがより好ましい。
パドル形成・揺動現像では、ウェハを回転させながら現像ノズルから有機溶媒系現像液を吐出してパドルを形成し、所定時間ウェハを少し回転させて揺動させた後に、ウェハを回転させると同時にリンスノズルからリンス液を吐出する。 有機溶媒系現像液の吐出時間は、2〜30秒とすることが好ましく、5〜20秒とすることがより好ましい。
有機溶媒系現像液の総吐出量は、一般的な8〜12インチウェハの場合、3〜50mlとすることが好ましく、5〜15mlとすることがより好ましい。
ウェハの回転速度は、一般的な8〜12インチウェハの場合、5〜500rpmとすることが好ましく、5〜250rpmとすることがより好ましい。
ウェハの揺動時間は、2〜100秒とすることが好ましく、5〜60秒とすることがより好ましい。
ウェハの揺動は、1〜10秒間隔で、0.1〜5秒間、ウェハを5〜100rpmの速度で回転させることが好ましい。
リンス液の吐出時間は、2〜100秒とすることが好ましく、5〜60秒とすることがより好ましい。
ウェハの回転速度は、一般的な8〜12インチウェハの場合、50〜2000rpmとすることが好ましく、100〜1800rpmとすることがより好ましい。
なお、現像方式の詳細については、特許第3765411号公報、特開2001−85
217号公報、特開2007−319087号公報などに記載の方式を挙げることができ
る。
を形成する静置現像でも、パドルを形成しつつ揺動させる現像方式のいずれも適用できる
。
ダイナミック現像では、ウェハを回転させながら現像ノズルから有機溶媒系現像液を吐出し、有機溶媒系現像液吐出終了後すぐにリンスノズルに切り替えてリンス液を吐出する。
有機溶媒系現像液の吐出時間は、2〜100秒とすることが好ましく、5〜60秒とすることがより好ましい。
有機溶媒系現像液の総吐出量は、一般的な8〜12インチウェハの場合、3〜50mlとすることが好ましく、5〜15mlとすることがより好ましい。
ウェハの回転速度は、一般的な8〜12インチウェハの場合、50〜2000rpmとすることが好ましく、100〜1800rpmとすることがより好ましい。
リンス液の吐出時間は、2〜100秒とすることが好ましく、5〜60秒とすることがより好ましい。
ウェハの回転速度は、一般的な8〜12インチウェハの場合、50〜2000rpmとすることが好ましく、100〜1800rpmとすることがより好ましい。
パドル形成・静置現像では、ウェハを回転させながら現像ノズルから有機溶媒系現像液を吐出してパドルを形成し、所定時間ウェハを静置した後に、ウェハを回転させ、リンスノズルからリンス液を吐出する。ウェハの回転とリンス液の吐出は同時であってもよい。
有機溶媒系現像液の吐出時間は、2〜30秒とすることが好ましく、5〜20秒とすることがより好ましい。
有機溶媒系現像液の総吐出量は、一般的な8〜12インチウェハの場合、3〜50mlとすることが好ましく、5〜15mlとすることがより好ましい。
ウェハの回転速度は、一般的な8〜12インチウェハの場合、5〜500rpmとすることが好ましく、5〜250rpmとすることがより好ましい。
ウェハの静置時間は、2〜100秒とすることが好ましく、5〜60秒とすることがより好ましい。
リンス液の吐出時間は、2〜100秒とすることが好ましく、5〜60秒とすることがより好ましい。
ウェハの回転速度は、一般的な8〜12インチウェハの場合、50〜2000rpmとすることが好ましく、100〜1800rpmとすることがより好ましい。
パドル形成・揺動現像では、ウェハを回転させながら現像ノズルから有機溶媒系現像液を吐出してパドルを形成し、所定時間ウェハを少し回転させて揺動させた後に、ウェハを回転させると同時にリンスノズルからリンス液を吐出する。 有機溶媒系現像液の吐出時間は、2〜30秒とすることが好ましく、5〜20秒とすることがより好ましい。
有機溶媒系現像液の総吐出量は、一般的な8〜12インチウェハの場合、3〜50mlとすることが好ましく、5〜15mlとすることがより好ましい。
ウェハの回転速度は、一般的な8〜12インチウェハの場合、5〜500rpmとすることが好ましく、5〜250rpmとすることがより好ましい。
ウェハの揺動時間は、2〜100秒とすることが好ましく、5〜60秒とすることがより好ましい。
ウェハの揺動は、1〜10秒間隔で、0.1〜5秒間、ウェハを5〜100rpmの速度で回転させることが好ましい。
リンス液の吐出時間は、2〜100秒とすることが好ましく、5〜60秒とすることがより好ましい。
ウェハの回転速度は、一般的な8〜12インチウェハの場合、50〜2000rpmとすることが好ましく、100〜1800rpmとすることがより好ましい。
なお、現像方式の詳細については、特許第3765411号公報、特開2001−85
217号公報、特開2007−319087号公報などに記載の方式を挙げることができ
る。
本発明のパターン形成方法には、有機溶剤に可溶な樹脂と有機溶剤とを含有する現像液による現像工程に加え、水系アルカリ現像液を使用した現像工程(ポジ型パターンの形成工程)を含んでもよい。即ち、レジスト膜の高露光領域を水系アルカリ水溶液に溶解させ、低露光領域を有機溶剤に可溶な樹脂と有機溶剤とを含有する現像液に溶解させる、2重パターニングを行ってもよい。これにより、図1に示すように、中間露光量(E2−E1)の領域が現像されずに残り、露光用マスク2の半ピッチを有するL/Sのパターン3をウェハ4上に形成できる。水系アルカリ現像液を使用した現像工程は、有機溶剤に可溶な樹脂と有機溶剤とを含有する現像液による現像工程の後であっても前であってもよいが、有機溶剤に可溶な樹脂と有機溶剤とを含有する現像液による現像工程の前に行うことが好ましい。また、各現像工程のそれぞれの前に加熱工程を行うことが好ましい。
水系アルカリ現像液は特に限定されないが、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液が通常用いられる。アルカリ現像液にはアルコール類、有機溶剤に可溶な樹脂を適当量添加してもよい。
水系アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
水系アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
特に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38質量%の水溶液が望ましい。
水系アルカリ現像液は特に限定されないが、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液が通常用いられる。アルカリ現像液にはアルコール類、有機溶剤に可溶な樹脂を適当量添加してもよい。
水系アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
水系アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
特に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38質量%の水溶液が望ましい。
水系アルカリ現像液を使用した現像の後に行うリンス処理におけるリンス液としては、純水を使用し、水に可溶な樹脂や界面活性剤を適当量添加して使用することもできる
本発明における露光装置に用いられる光源波長に制限は無いが、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)とF2エキシマレーザー(波長157nm)、EUV(波長13nm)、電子線(EB)、X線等を適用できる。
本発明のレジスト膜に対しては、活性光線又は放射線の照射時に膜とレンズの間に空気よりも屈折率の高い液体(液浸媒体)を満たして露光(液浸露光)を行ってもよい。これにより解像性を高めることができる。用いる液浸媒体としては、空気よりも屈折率の高い液体であればいずれのものでも用いることができるが、好ましくは純水である。
この場合、化学増幅型レジスト組成物に、後述する疎水性樹脂(HR)を予め添加しておいてもよいし、また、レジスト膜を形成した後に、その上に液浸液難溶性膜(以下、「トップコート」ともいう)を設けてもよい。
トップコートに求められる性能、その使用法などについては、シーエムシー出版「液浸リソグラフィのプロセスと材料」の第7章に解説されている。
トップコートは、波長193nmのレーザーに対する透明性という観点からは、芳香族を豊富に含有しないポリマーが好ましく、具体的には、炭化水素ポリマー、アクリル酸エステルポリマー、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、シリコン含有ポリマー、フッ素含有ポリマーなどが挙げられる。後述する疎水性樹脂(HR)はトップコートとしても好適なものである。また、市販のトップコート材料も適宜使用可能である。
露光後にトップコートを剥離する際は、現像液を使用してもよいし、別途剥離剤を使用してもよい。剥離剤としては、膜への浸透が小さい溶剤が好ましい。剥離工程が膜の現像処理工程と同時にできるという点では、現像液により剥離できることが好ましい。
この場合、化学増幅型レジスト組成物に、後述する疎水性樹脂(HR)を予め添加しておいてもよいし、また、レジスト膜を形成した後に、その上に液浸液難溶性膜(以下、「トップコート」ともいう)を設けてもよい。
トップコートに求められる性能、その使用法などについては、シーエムシー出版「液浸リソグラフィのプロセスと材料」の第7章に解説されている。
トップコートは、波長193nmのレーザーに対する透明性という観点からは、芳香族を豊富に含有しないポリマーが好ましく、具体的には、炭化水素ポリマー、アクリル酸エステルポリマー、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、シリコン含有ポリマー、フッ素含有ポリマーなどが挙げられる。後述する疎水性樹脂(HR)はトップコートとしても好適なものである。また、市販のトップコート材料も適宜使用可能である。
露光後にトップコートを剥離する際は、現像液を使用してもよいし、別途剥離剤を使用してもよい。剥離剤としては、膜への浸透が小さい溶剤が好ましい。剥離工程が膜の現像処理工程と同時にできるという点では、現像液により剥離できることが好ましい。
本発明において膜を形成する基板は特に限定されるものではなく、シリコン、SiN、SiO2やSiN等の無機基板、SOG等の塗布系無機基板等、IC等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造工程、更にはその他のフォトファブリケーションのリソグラフィー工程で一般的に用いられる基板を用いることができる。更に、必要に応じて有機反射防止膜を膜と基板の間に形成させても良い。
本発明の処理液は、化学増幅型画像形成方法、好ましくは、組成物中の保護された極性基が、酸の作用により脱保護されることで組成物の極性が変化し、現像液に対する溶解性が変化することで画像形成を行う化学増幅型画像形成方法に用いられるものである。即ち、化学増幅型レジスト組成物の現像・リンス処理に用いられるものであり、より好ましくはArFプロセス(ArFエキシマレーザー露光によるパターン形成プロセス)に用いられる。
化学増幅型レジスト組成物は、(A)酸の作用により極性が増大し、有機溶剤を含有する現像液に対する溶解度が減少する樹脂と、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物とを含有する、いわゆる化学増幅型ポジ型レジスト組成物が好ましい。
化学増幅型レジスト組成物は、(A)酸の作用により極性が増大し、有機溶剤を含有する現像液に対する溶解度が減少する樹脂と、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物とを含有する、いわゆる化学増幅型ポジ型レジスト組成物が好ましい。
<化学増幅型レジスト組成物>
以下、本発明で使用することができる化学増幅型レジスト組成物について説明する。
以下、本発明で使用することができる化学増幅型レジスト組成物について説明する。
[1]酸の作用により極性が増大し、有機溶剤を含有する現像液に対する溶解度が減少する樹脂
本発明の化学増幅型レジスト組成物に用いられる、酸の作用により極性が増大し、有機溶剤を含有する現像液に対する溶解度が減少する樹脂としては、例えば、樹脂の主鎖又は側鎖、又は、主鎖及び側鎖の両方に、酸の作用により分解し、酸基を生じる基(以下、「酸分解性基」ともいう)を有する樹脂(以下、「酸分解性樹脂」又は「樹脂(A)」ともいう)を挙げることができ、なお、この樹脂は、酸の作用により極性が増大し、ポジ型現像液(水系アルカリ現像液)に対する溶解度が増大する樹脂でもある。
樹脂(A)としては、単環又は多環の脂環炭化水素構造を有し、酸の作用により極性が増大し、水系アルカリ現像液に対する溶解度が増大し、有機溶剤に対する溶解度が減少する樹脂(以下、「脂環炭化水素系酸分解性樹脂」ともいう)であることが好ましい。
また、脂環炭化水素系酸分解性樹脂樹は、ArFエキシマレーザー光を照射する場合に好適に使用することができる。
本発明の化学増幅型レジスト組成物に用いられる、酸の作用により極性が増大し、有機溶剤を含有する現像液に対する溶解度が減少する樹脂としては、例えば、樹脂の主鎖又は側鎖、又は、主鎖及び側鎖の両方に、酸の作用により分解し、酸基を生じる基(以下、「酸分解性基」ともいう)を有する樹脂(以下、「酸分解性樹脂」又は「樹脂(A)」ともいう)を挙げることができ、なお、この樹脂は、酸の作用により極性が増大し、ポジ型現像液(水系アルカリ現像液)に対する溶解度が増大する樹脂でもある。
樹脂(A)としては、単環又は多環の脂環炭化水素構造を有し、酸の作用により極性が増大し、水系アルカリ現像液に対する溶解度が増大し、有機溶剤に対する溶解度が減少する樹脂(以下、「脂環炭化水素系酸分解性樹脂」ともいう)であることが好ましい。
また、脂環炭化水素系酸分解性樹脂樹は、ArFエキシマレーザー光を照射する場合に好適に使用することができる。
樹脂(A)は、酸分解性基を有する繰り返し単位を有する酸分解性樹脂である。酸分解性基は前記樹脂(A’)におけるものと同様のものである。
樹脂(A)は、更に下記のような繰り返し単位を含有することが好ましい。
・ラクトン基を有する繰り返し単位
・水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位
・酸基を有する繰り返し単位
・極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位
・極性基も脂環炭化水素構造も有さず、酸分解性を示さない繰り返し単位
その他、樹脂(A)における一般式(VIII)で表される繰り返し単位、一般式(F1)で表される基を有する繰り返し単位を有してもよい。
これらの繰り返し単位も、具体的には、各々樹脂(A’)におけるものと同様のものが挙げられる。
樹脂(A)が水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位を有することにより基板密着性、現像液親和性が向上する。
樹脂(A)は、更に下記のような繰り返し単位を含有することが好ましい。
・ラクトン基を有する繰り返し単位
・水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位
・酸基を有する繰り返し単位
・極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位
・極性基も脂環炭化水素構造も有さず、酸分解性を示さない繰り返し単位
その他、樹脂(A)における一般式(VIII)で表される繰り返し単位、一般式(F1)で表される基を有する繰り返し単位を有してもよい。
これらの繰り返し単位も、具体的には、各々樹脂(A’)におけるものと同様のものが挙げられる。
樹脂(A)が水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位を有することにより基板密着性、現像液親和性が向上する。
樹脂(A)において、各繰り返し構造単位の含有モル比はレジストパターンのドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、更にはレジスト組成物の一般的な必要性能である解像力、耐熱性、感度等を調節するために適宜設定される。
樹脂(A)中、酸分解性基を有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中10〜60モル%が好ましく、より好ましくは20〜50モル%、更に好ましくは25〜40モル%である。
樹脂(A)中、一般式(pI)〜(pV)で表される脂環式炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中20〜70モル%が好ましく、より好ましくは20〜50モル%、更に好ましくは25〜40モル%である。
樹脂(A)中、一般式(II−AB)で表される繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中10〜60モル%が好ましく、より好ましくは15〜55モル%、更に好ましくは20〜50モル%である。
樹脂(A)中、ラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中10〜70モル%が好ましく、より好ましくは20〜60モル%、更に好ましくは25〜40モル%である。
樹脂(A)中、極性基を有する有機基を有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中1〜40モル%が好ましく、より好ましくは5〜30モル%、更に好ましくは5〜20モル%である。
酸基を有する繰り返し単位の含有率は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、0〜20mol%が好ましく、より好ましくは3〜15mol%、更に好ましくは5〜10mol%である。
極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位の含有率は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、0〜40モル%が好ましく、より好ましくは0〜20モル%である。
極性基と脂環炭化水素構造を有さず、酸分解性を示さない繰り返し単位の含有率は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、0〜40モル%が好ましく、より好ましくは0〜20モル%である。
一般式(VIII)で表される繰り返し単位の含有率は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、0〜40モル%が好ましく、より好ましくは0〜20モル%である。
一般式(F1)で表される基を有する繰り返し単位の含有率は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、0〜40モル%が好ましく、より好ましくは0〜20モル%である。
樹脂(A)中、酸分解性基を有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中10〜60モル%が好ましく、より好ましくは20〜50モル%、更に好ましくは25〜40モル%である。
樹脂(A)中、一般式(pI)〜(pV)で表される脂環式炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中20〜70モル%が好ましく、より好ましくは20〜50モル%、更に好ましくは25〜40モル%である。
樹脂(A)中、一般式(II−AB)で表される繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中10〜60モル%が好ましく、より好ましくは15〜55モル%、更に好ましくは20〜50モル%である。
樹脂(A)中、ラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中10〜70モル%が好ましく、より好ましくは20〜60モル%、更に好ましくは25〜40モル%である。
樹脂(A)中、極性基を有する有機基を有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中1〜40モル%が好ましく、より好ましくは5〜30モル%、更に好ましくは5〜20モル%である。
酸基を有する繰り返し単位の含有率は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、0〜20mol%が好ましく、より好ましくは3〜15mol%、更に好ましくは5〜10mol%である。
極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位の含有率は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、0〜40モル%が好ましく、より好ましくは0〜20モル%である。
極性基と脂環炭化水素構造を有さず、酸分解性を示さない繰り返し単位の含有率は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、0〜40モル%が好ましく、より好ましくは0〜20モル%である。
一般式(VIII)で表される繰り返し単位の含有率は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、0〜40モル%が好ましく、より好ましくは0〜20モル%である。
一般式(F1)で表される基を有する繰り返し単位の含有率は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、0〜40モル%が好ましく、より好ましくは0〜20モル%である。
また、上記更なる共重合成分の単量体に基づく繰り返し構造単位の樹脂中の含有量も、所望のレジストの性能に応じて適宜設定することができる。
本発明の化学増幅型レジスト組成物がArF露光用であるとき、ArF光への透明性の点から、樹脂(A)は芳香族基を有さないことが好ましい。また、樹脂(A)は、後述の、膜表面に偏在する樹脂との相溶性の観点から、フッ素原子及び珪素原子を有さないことが好ましい。
樹脂(A)は、常法に従って(例えばラジカル重合)合成、そして精製することができる。合成方法や精製方法に関しては、丸善株式会社発行「第5版 実験化学講座26 高分子化学」の2章「高分子合成」の記載などを参照されたい。樹脂(A)の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、好ましくは1,000〜200,000であり、更に好ましくは1,000〜20,000、特に好ましくは1,000〜15,000である。
分散度(分子量分布)は、通常1〜5であり、好ましくは1〜3、更に好ましくは1.2〜3.0、特に好ましくは1.2〜2.0の範囲のものが使用される。分散度が小さいほどリソグラフィー性能に優れる。
分散度(分子量分布)は、通常1〜5であり、好ましくは1〜3、更に好ましくは1.2〜3.0、特に好ましくは1.2〜2.0の範囲のものが使用される。分散度が小さいほどリソグラフィー性能に優れる。
本発明の化学増幅型レジスト組成物において、樹脂(A)の組成物全体中の配合量は、全固形分中50〜99.9質量%が好ましく、より好ましくは60〜99.0質量%である。
また、本発明において、樹脂は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
また、本発明において、樹脂は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
[2]活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物
本発明の化学増幅型レジスト組成物は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、「酸発生剤」ともいう)を含有する。
酸発生剤としては、公知のものであれば特に限定されないが、好ましくは下記一般式(ZI)、(ZII)、(ZIII)で表される化合物を挙げることができる。
本発明の化学増幅型レジスト組成物は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、「酸発生剤」ともいう)を含有する。
酸発生剤としては、公知のものであれば特に限定されないが、好ましくは下記一般式(ZI)、(ZII)、(ZIII)で表される化合物を挙げることができる。
上記一般式(ZI)において、
R201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
R201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
Z-は、非求核性アニオン(求核反応を起こす能力が著しく低いアニオン)を表す。
R201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
R201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
Z-は、非求核性アニオン(求核反応を起こす能力が著しく低いアニオン)を表す。
Z-としては、例えば、スルホン酸アニオン(脂肪族スルホン酸アニオン、芳香族スルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオンなど)、カルボン酸アニオン(脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン、アラルキルカルボン酸アニオンなど)、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、弗素化燐、弗素化硼素、弗素化アンチモン等を挙げることができる。
Z-としては、スルホン酸の少なくともα位がフッ素原子で置換された脂肪族スルホン酸アニオン、フッ素原子又はフッ素原子を有する基で置換された芳香族スルホン酸アニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンが好ましい。非求核性アニオンとして、より好ましくはパーフロロ脂肪族スルホン酸アニオン(更に好ましくは炭素数4〜8)、フッ素原子を有するベンゼンスルホン酸アニオン、更により好ましくはノナフロロブタンスルホン酸アニオン、パーフロロオクタンスルホン酸アニオン、ペンタフロロベンゼンスルホン酸アニオン、3,5−ビス(トリフロロメチル)ベンゼンスルホン酸アニオンである。
酸強度の観点からは、発生酸のpKaが−1以下であることが、感度向上のために好ましい。
酸強度の観点からは、発生酸のpKaが−1以下であることが、感度向上のために好ましい。
R201、R202及びR203の有機基としては、アリール基(炭素数6〜15が好ましい)、直鎖又は分岐のアルキル基(炭素数1〜10が好ましい)、シクロアルキル基(炭素数3〜15が好ましい)などが挙げられる。
R201、R202及びR203のうち、少なくとも1つがアリール基であることが好ましく、三つ全てがアリール基であることがより好ましい。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などの他に、インドール残基、ピロール残基などのヘテロアリール基も可能である。これらアリール基は更に置換基を有していてもよい。その置換基としては、ニトロ基、フッ素原子などのハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、R201、R202及びR203から選ばれる2つが、単結合又は連結基を介して結合していてもよい。連結基としてはアルキレン基(炭素数1〜3が好ましい)、−O−,−S−,−CO−,−SO2−などがあげられるが、これらに限定されるものではない。
R201、R202及びR203のうち、少なくとも1つがアリール基であることが好ましく、三つ全てがアリール基であることがより好ましい。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などの他に、インドール残基、ピロール残基などのヘテロアリール基も可能である。これらアリール基は更に置換基を有していてもよい。その置換基としては、ニトロ基、フッ素原子などのハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、R201、R202及びR203から選ばれる2つが、単結合又は連結基を介して結合していてもよい。連結基としてはアルキレン基(炭素数1〜3が好ましい)、−O−,−S−,−CO−,−SO2−などがあげられるが、これらに限定されるものではない。
R201、R202及びR203のうち少なくとも1つがアリール基でない場合の好ましい構造としては、特開2004−233661号公報の段落0047,0048、特開2003−35948号公報の段落0040〜0046、米国特許出願公開第2003/0224288A1号明細書に式(I-1)〜(I-70)として例示されている化合物、米国特許出願公開第2003/0077540A1号明細書に式(IA-1)〜(IA-54)、式(IB-1)〜(IB-24)として例示されている化合物等のカチオン構造を挙げることができる。
特に、R201、R202及びR203のうち少なくとも1つがアリール基でない場合、特に、以下の(1)又は(2)の態様が好ましい。
(1) R201、R202及びR203のうち少なくとも1つが、Ar−CO−X−で表される構造であり、残りの2つが、直鎖若しくは分岐のアルキル基、又はシクロアルキル基である場合。このとき、残りの2つの直鎖若しくは分岐のアルキル基、又はシクロアルキル基は、互いに結合して環構造を形成してもよい。ここで、Arは置換基を有していてもよいアリール基を表し、具体的には、R201、R202及びR203としてのアリール基と同様である。好ましくは置換基を有していてもよいフェニル基である。Xは置換基を有してもよいアルキレン基を表す。具体的には、炭素数1〜6のアルキレン基である。好ましくは炭素数1〜3の直鎖構造又は分岐構造のアルキレン基である。残り2つの直鎖若しくは分岐のアルキル基、又はシクロアルキル基は、好ましくは炭素数1〜6である。これら原子団は更に置換基を有していてもよい。また、互いに結合して環構造(好ましくは5〜7員環)を形成していていることが好ましい。
(2) R201、R202及びR203のうち少なくとも1つが、置換基を有していてもよいアリール基であり、残りの2つが直鎖若しくは分岐のアルキル基、又はシクロアルキル基である場合。このとき、上記アリール基としては、具体的には、R201、R202及びR203としてのアリール基と同様であり、フェニル基又はナフチル基が好ましい。また、アリール基は、水酸基、アルコキシ基、アルキル基のいずれかを置換基として有することが好ましい。置換基としより好ましくは炭素数1〜12のアルコキシ基、更に好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基である。残り2つの直鎖若しくは分岐のアルキル基、又はシクロアルキル基は、好ましくは炭素数1〜6である。これら原子団は更に置換基を有していてもよい。また、互いに結合して環構造を形成していてもよい。
特に、R201、R202及びR203のうち少なくとも1つがアリール基でない場合、特に、以下の(1)又は(2)の態様が好ましい。
(1) R201、R202及びR203のうち少なくとも1つが、Ar−CO−X−で表される構造であり、残りの2つが、直鎖若しくは分岐のアルキル基、又はシクロアルキル基である場合。このとき、残りの2つの直鎖若しくは分岐のアルキル基、又はシクロアルキル基は、互いに結合して環構造を形成してもよい。ここで、Arは置換基を有していてもよいアリール基を表し、具体的には、R201、R202及びR203としてのアリール基と同様である。好ましくは置換基を有していてもよいフェニル基である。Xは置換基を有してもよいアルキレン基を表す。具体的には、炭素数1〜6のアルキレン基である。好ましくは炭素数1〜3の直鎖構造又は分岐構造のアルキレン基である。残り2つの直鎖若しくは分岐のアルキル基、又はシクロアルキル基は、好ましくは炭素数1〜6である。これら原子団は更に置換基を有していてもよい。また、互いに結合して環構造(好ましくは5〜7員環)を形成していていることが好ましい。
(2) R201、R202及びR203のうち少なくとも1つが、置換基を有していてもよいアリール基であり、残りの2つが直鎖若しくは分岐のアルキル基、又はシクロアルキル基である場合。このとき、上記アリール基としては、具体的には、R201、R202及びR203としてのアリール基と同様であり、フェニル基又はナフチル基が好ましい。また、アリール基は、水酸基、アルコキシ基、アルキル基のいずれかを置換基として有することが好ましい。置換基としより好ましくは炭素数1〜12のアルコキシ基、更に好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基である。残り2つの直鎖若しくは分岐のアルキル基、又はシクロアルキル基は、好ましくは炭素数1〜6である。これら原子団は更に置換基を有していてもよい。また、互いに結合して環構造を形成していてもよい。
一般式(ZII)、(ZIII)中、
R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
R204〜R207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基としては、前述の化合物(ZI−1)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基として説明したアリール基、アルキル基、シクロアルキル基と同様である。
R204〜R207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。この置換基としても、前述の化合物(ZI−1)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基が有していてもよいものが挙げられる。
R204〜R207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。この置換基としても、前述の化合物(ZI−1)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基が有していてもよいものが挙げられる。
Z-は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるZ-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
酸発生剤として、更に、下記一般式(ZIV)、(ZV)、(ZVI)で表される化合物も挙げられる。
一般式(ZIV)〜(ZVI)中、
Ar3及びAr4は、各々独立に、アリール基を表す。
R208、R209及びR210は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
Ar3及びAr4は、各々独立に、アリール基を表す。
R208、R209及びR210は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
酸発生剤の中で、特に好ましい例を以下に挙げるが、本発明は、これに限定されるものではない。
酸発生剤は、1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
酸発生剤の化学増幅型レジスト組成物中の含有率は、組成物の全固形分を基準として、0.1〜30質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましく、更に好ましくは0.5〜15質量%、特に好ましくは1〜13質量%である。
酸発生剤の化学増幅型レジスト組成物中の含有率は、組成物の全固形分を基準として、0.1〜30質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましく、更に好ましくは0.5〜15質量%、特に好ましくは1〜13質量%である。
[3]塩基性化合物
本発明の化学増幅型レジスト組成物は、塩基性化合物を含有することが好ましい。
塩基性化合物は、含窒素有機塩基性化合物であることが好ましい。
使用可能な化合物は特に限定されないが、例えば以下の(1)〜(4)に分類される化合物が好ましく用いられる。
本発明の化学増幅型レジスト組成物は、塩基性化合物を含有することが好ましい。
塩基性化合物は、含窒素有機塩基性化合物であることが好ましい。
使用可能な化合物は特に限定されないが、例えば以下の(1)〜(4)に分類される化合物が好ましく用いられる。
(1)下記一般式(BS−1)で表される化合物
一般式(BS−1)中、
Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基(直鎖又は分岐)、シクロアルキル基(単環又は多環)、アリール基、アラルキル基の何れかを表す。但し、三つのRの全てが水素原子とはならない。
Rとしてのアルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常1〜20、好ましくは1〜12である。
Rとしてのシクロアルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常3〜20、好ましくは5〜15である。
Rとしてのアリール基の炭素数は特に限定されないが、通常6〜20、好ましくは6〜10である。具体的にはフェニル基やナフチル基などが挙げられる。
Rとしてのアラルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常7〜20、好ましくは7〜11である。具体的にはベンジル基等が挙げられる。
Rとしてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基は、水素原子が置換基により置換されていてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。
一般式(BS−1)で表される化合物は、3つのRの1つのみが水素原子、又は全てのRが水素原子でないことが好ましい。
Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基(直鎖又は分岐)、シクロアルキル基(単環又は多環)、アリール基、アラルキル基の何れかを表す。但し、三つのRの全てが水素原子とはならない。
Rとしてのアルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常1〜20、好ましくは1〜12である。
Rとしてのシクロアルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常3〜20、好ましくは5〜15である。
Rとしてのアリール基の炭素数は特に限定されないが、通常6〜20、好ましくは6〜10である。具体的にはフェニル基やナフチル基などが挙げられる。
Rとしてのアラルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常7〜20、好ましくは7〜11である。具体的にはベンジル基等が挙げられる。
Rとしてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基は、水素原子が置換基により置換されていてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。
一般式(BS−1)で表される化合物は、3つのRの1つのみが水素原子、又は全てのRが水素原子でないことが好ましい。
一般式(BS−1)の化合物の具体例としては、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリイソデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ジデシルアミン、メチルオクタデシルアミン、ジメチルウンデシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、メチルジオクタデシルアミン、N,N−ジブチルアニリン、N,N−ジヘキシルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン、2,4,6−トリ(t−ブチル)アニリンなどが挙げられる。
また、一般式(BS−1)において、少なくとも1つのRが、ヒドロキシル基で置換されたアルキル基である化合物が、好ましい態様の1つとして挙げられる。具体的化合物としては、トリエタノールアミン、N,N−ジヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
また、一般式(BS−1)において、少なくとも1つのRが、ヒドロキシル基で置換されたアルキル基である化合物が、好ましい態様の1つとして挙げられる。具体的化合物としては、トリエタノールアミン、N,N−ジヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
また、Rとしてのアルキル基は、アルキル鎖中に、酸素原子を有し、オキシアルキレン鎖が形成されていてもよい。オキシアルキレン鎖としては−CH2CH2O−が好ましい。具体的例としては、トリス(メトキシエトキシエチル)アミンや、米国特許第6040112号明細書のカラム3、60行目以降に例示の化合物などが挙げられる。
(2)含窒素複素環構造を有する化合物
複素環構造としては、芳香族性を有していてもいなくてもよい。また、窒素原子を複数有していてもよく、更に、窒素以外のヘテロ原子を含有していてもよい。具体的には、イミダゾール構造を有する化合物(2−フェニルベンゾイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾールなど)、ピペリジン構造を有する化合物(N−ヒドロキシエチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートなど)、ピリジン構造を有する化合物(4−ジメチルアミノピリジンなど)、アンチピリン構造を有する化合物(アンチピリン、ヒドロキシアンチピリンなど)が挙げられる。また、環構造を2つ以上有する化合物も好適に用いられる。具体的には1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−ウンデカ−7−エンなどが挙げられる。
複素環構造としては、芳香族性を有していてもいなくてもよい。また、窒素原子を複数有していてもよく、更に、窒素以外のヘテロ原子を含有していてもよい。具体的には、イミダゾール構造を有する化合物(2−フェニルベンゾイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾールなど)、ピペリジン構造を有する化合物(N−ヒドロキシエチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートなど)、ピリジン構造を有する化合物(4−ジメチルアミノピリジンなど)、アンチピリン構造を有する化合物(アンチピリン、ヒドロキシアンチピリンなど)が挙げられる。また、環構造を2つ以上有する化合物も好適に用いられる。具体的には1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−ウンデカ−7−エンなどが挙げられる。
(3)フェノキシ基を有するアミン化合物
フェノキシ基を有するアミン化合物とは、アミン化合物のアルキル基の窒素原子と反対側の末端にフェノキシ基を有するものである。フェノキシ基は、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、スルホン酸エステル基、アリール基、アラルキル基、アシロキシ基、アリールオキシ基等の置換基を有していてもよい。
より好ましくは、フェノキシ基と窒素原子との間に、少なくとも1つのオキシアルキレン鎖を有する化合物である。1分子中のオキシアルキレン鎖の数は、好ましくは3〜9個、更に好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン鎖の中でも−CH2CH2O−が好ましい。
具体例としては、2−[2−{2―(2,2―ジメトキシ−フェノキシエトキシ)エチル}−ビス−(2−メトキシエチル)]−アミンや、米国特許出願公開第2007/0224539A1号明細書の段落[0066]に例示されている化合物(C1-1)〜(C3-3)などが挙げられる。
フェノキシ基を有するアミン化合物とは、アミン化合物のアルキル基の窒素原子と反対側の末端にフェノキシ基を有するものである。フェノキシ基は、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、スルホン酸エステル基、アリール基、アラルキル基、アシロキシ基、アリールオキシ基等の置換基を有していてもよい。
より好ましくは、フェノキシ基と窒素原子との間に、少なくとも1つのオキシアルキレン鎖を有する化合物である。1分子中のオキシアルキレン鎖の数は、好ましくは3〜9個、更に好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン鎖の中でも−CH2CH2O−が好ましい。
具体例としては、2−[2−{2―(2,2―ジメトキシ−フェノキシエトキシ)エチル}−ビス−(2−メトキシエチル)]−アミンや、米国特許出願公開第2007/0224539A1号明細書の段落[0066]に例示されている化合物(C1-1)〜(C3-3)などが挙げられる。
(4)アンモニウム塩
アンモニウム塩も適宜用いられる。好ましくはヒドロキシド又はカルボキシレートである。より具体的にはテトラブチルアンモニウムヒドロキシドに代表されるテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドが好ましい。
アンモニウム塩も適宜用いられる。好ましくはヒドロキシド又はカルボキシレートである。より具体的にはテトラブチルアンモニウムヒドロキシドに代表されるテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドが好ましい。
その他、本発明の化学増幅型レジスト組成物に使用可能なものとして、特開2002−363146号公報の実施例で合成されている化合物、特開2007−298569号公報の段落0108に記載の化合物などが挙げられる。
塩基性化合物は、単独で又は2種以上併用して用いられる。
塩基性化合物の使用量は、化学増幅型レジスト組成物の固形分を基準として、通常、0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。
酸発生剤/塩基性化合物のモル比は、2.5〜300であることが好ましい。即ち、感度、解像度の点からモル比が2.5以上が好ましく、露光後加熱処理までの経時でのパターンの太りによる解像度の低下抑制の点から300以下が好ましい。このモル比としてより好ましくは5.0〜200、更に好ましくは7.0〜150である。
塩基性化合物の使用量は、化学増幅型レジスト組成物の固形分を基準として、通常、0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。
酸発生剤/塩基性化合物のモル比は、2.5〜300であることが好ましい。即ち、感度、解像度の点からモル比が2.5以上が好ましく、露光後加熱処理までの経時でのパターンの太りによる解像度の低下抑制の点から300以下が好ましい。このモル比としてより好ましくは5.0〜200、更に好ましくは7.0〜150である。
[4]界面活性剤
本発明の化学増幅型レジスト組成物は、更に界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤としては、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤が好ましい。
これらに該当する界面活性剤としては、大日本インキ化学工業(株)製のメガファックF176、メガファックR08、OMNOVA社製のPF656、PF6320、トロイケミカル(株)製のトロイゾルS−366、住友スリーエム(株)製のフロラードFC430、信越化学工業(株)製のポリシロキサンポリマーKP−341などが挙げられる。
また、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を使用することもできる。より具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類などが挙げられる。
本発明の化学増幅型レジスト組成物は、更に界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤としては、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤が好ましい。
これらに該当する界面活性剤としては、大日本インキ化学工業(株)製のメガファックF176、メガファックR08、OMNOVA社製のPF656、PF6320、トロイケミカル(株)製のトロイゾルS−366、住友スリーエム(株)製のフロラードFC430、信越化学工業(株)製のポリシロキサンポリマーKP−341などが挙げられる。
また、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を使用することもできる。より具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類などが挙げられる。
その他、公知の界面活性剤が適宜使用可能である。使用可能な界面活性剤としては、例えば、米国特許出願公開第2008/0248425A1号明細書の[0273]以降に記載の界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤を使用する場合の使用量は、レジスト組成物の全固形分に対し、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.001〜1質量%である。
一方、界面活性剤の添加量を少なく、或いは不使用とすることで、疎水性樹脂の表面偏在性があがり、それにより、レジスト膜表面をより疎水的にすることができ、液浸露光時の水追随性を向上させることが出来る。その観点では、界面活性剤の添加量を10ppm以下とすることも好ましく、界面活性剤を含有しないことがより好ましい。
界面活性剤を使用する場合の使用量は、レジスト組成物の全固形分に対し、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.001〜1質量%である。
一方、界面活性剤の添加量を少なく、或いは不使用とすることで、疎水性樹脂の表面偏在性があがり、それにより、レジスト膜表面をより疎水的にすることができ、液浸露光時の水追随性を向上させることが出来る。その観点では、界面活性剤の添加量を10ppm以下とすることも好ましく、界面活性剤を含有しないことがより好ましい。
[5]溶剤
化学増幅型レジスト組成物を調製する際に使用できる溶剤としては、各成分を溶解するものである限り特に限定されないが、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA;1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)など)、アルキレングリコールモノアルキルエーテル(プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME;1−メトキシ−2−プロパノール)など)、乳酸アルキルエステル(乳酸エチル、乳酸メチルなど)、環状ラクトン(γ−ブチロラクトンなど、好ましくは炭素数4〜10)、鎖状又は環状のケトン(2−ヘプタノン、シクロヘキサノンなど、好ましくは炭素数4〜10)、アルキレンカーボネート(エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなど)、カルボン酸アルキル(酢酸ブチルなどの酢酸アルキルが好ましい)、アルコキシ酢酸アルキル(エトキシプロピオン酸エチル)などが挙げられる。その他使用可能な溶媒として、例えば、米国特許出願公開第2008/0248425A1号明細書の[0244]以降に記載されている溶剤などが挙げられる。
化学増幅型レジスト組成物を調製する際に使用できる溶剤としては、各成分を溶解するものである限り特に限定されないが、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA;1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)など)、アルキレングリコールモノアルキルエーテル(プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME;1−メトキシ−2−プロパノール)など)、乳酸アルキルエステル(乳酸エチル、乳酸メチルなど)、環状ラクトン(γ−ブチロラクトンなど、好ましくは炭素数4〜10)、鎖状又は環状のケトン(2−ヘプタノン、シクロヘキサノンなど、好ましくは炭素数4〜10)、アルキレンカーボネート(エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなど)、カルボン酸アルキル(酢酸ブチルなどの酢酸アルキルが好ましい)、アルコキシ酢酸アルキル(エトキシプロピオン酸エチル)などが挙げられる。その他使用可能な溶媒として、例えば、米国特許出願公開第2008/0248425A1号明細書の[0244]以降に記載されている溶剤などが挙げられる。
上記のうち、乳酸アルキルエステル、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート及びアルキレングリコールモノアルキルエーテルが好ましい。
これら溶媒は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合する場合、水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤とを混合することが好ましい。水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤との質量比は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜60/40である。
水酸基を有する溶剤としてはアルキレングリコールモノアルキルエーテル及び乳酸アルキルエステルが好ましく、水酸基を有しない溶剤としてはアルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートが好ましい。
水酸基を有する溶剤としてはアルキレングリコールモノアルキルエーテル及び乳酸アルキルエステルが好ましく、水酸基を有しない溶剤としてはアルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートが好ましい。
[6]疎水性樹脂
本発明の化学増幅型レジスト組成物を、いわゆる液浸露光に適用する場合、組成物に更に疎水性樹脂(HR)を添加することができる。これにより、レジスト膜表層に疎水性樹脂(HR)が偏在し、液浸媒体が水の場合、レジスト膜とした際の水に対するレジスト膜表面の後退接触角を向上させ、液浸水追随性を向上させることができる。疎水性樹脂(HR)としては、表面の後退接触角が添加することにより向上する樹脂であれば何でもよいが、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する樹脂であることが好ましい。
本発明の化学増幅型レジスト組成物を、いわゆる液浸露光に適用する場合、組成物に更に疎水性樹脂(HR)を添加することができる。これにより、レジスト膜表層に疎水性樹脂(HR)が偏在し、液浸媒体が水の場合、レジスト膜とした際の水に対するレジスト膜表面の後退接触角を向上させ、液浸水追随性を向上させることができる。疎水性樹脂(HR)としては、表面の後退接触角が添加することにより向上する樹脂であれば何でもよいが、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する樹脂であることが好ましい。
疎水性樹脂(HR)は、フッ素原子を有する部分構造として、フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、又は、フッ素原子を有するアリール基を有する樹脂であることが好ましい。
フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、又は、フッ素原子を有するアリール基として、好ましくは、下記一般式(F2)〜(F4)で表される基を挙げることができるが、本発明は、これに限定されるものではない。
フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、又は、フッ素原子を有するアリール基として、好ましくは、下記一般式(F2)〜(F4)で表される基を挙げることができるが、本発明は、これに限定されるものではない。
一般式(F2)〜(F4)中、
R57〜R68は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。但し、R57〜R61、R62〜R64及びR65〜R68の内、少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)を表す。R57〜R61及びR65〜R67は、全てがフッ素原子であることが好ましい。R62、R63及びR68は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)が好ましく、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基であることが更に好ましい。R62とR63は、互いに連結して環を形成してもよい。
R57〜R68は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。但し、R57〜R61、R62〜R64及びR65〜R68の内、少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)を表す。R57〜R61及びR65〜R67は、全てがフッ素原子であることが好ましい。R62、R63及びR68は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)が好ましく、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基であることが更に好ましい。R62とR63は、互いに連結して環を形成してもよい。
疎水性樹脂(HR)は、珪素原子を有する部分構造として、アルキルシリル構造(好ましくはトリアルキルシリル基)、又は環状シロキサン構造を有する樹脂であることが好ましい。
アルキルシリル構造、又は環状シロキサン構造としては、具体的には、下記一般式(CS−1)〜(CS−3)で表される基などが挙げられる。
アルキルシリル構造、又は環状シロキサン構造としては、具体的には、下記一般式(CS−1)〜(CS−3)で表される基などが挙げられる。
一般式(CS−1)〜(CS−3)に於いて、
R12〜R26は、各々独立に、直鎖若しくは分岐アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)又はシクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)を表す。
L3〜L5は、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、アルキレン基、フェニレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、ウレタン基、又はウレア基よりなる群から選択される単独又は2つ以上の基の組み合わせを挙げられる。
nは、1〜5の整数を表す。
R12〜R26は、各々独立に、直鎖若しくは分岐アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)又はシクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)を表す。
L3〜L5は、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、アルキレン基、フェニレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、ウレタン基、又はウレア基よりなる群から選択される単独又は2つ以上の基の組み合わせを挙げられる。
nは、1〜5の整数を表す。
更に、疎水性樹脂(HR)は、下記(x)〜(z)の群から選ばれる基を少なくとも1つを有していてもよい。
(x)酸基
(y)水系アルカリ現像液の作用により分解し、水系アルカリ現像液中での溶解度が増大する基
(z)酸の作用により分解する基
(x)酸基
(y)水系アルカリ現像液の作用により分解し、水系アルカリ現像液中での溶解度が増大する基
(z)酸の作用により分解する基
(x)酸基としては、フェノール性水酸基、カルボン酸基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基等が挙げられる。好ましい酸基としては、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール)、スルホンイミド基、ビス(カルボニル)メチレン基が挙げられる。
(y)水系アルカリ現像液の作用により分解し、水系アルカリ現像液中での溶解度が増大する基としては、例えば、ラクトン構造を有する基、酸無水物基、酸イミド基などが挙げられ、好ましくはラクトン構造を有する基である。
水系アルカリ現像液の作用により分解し、水系アルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)を有する繰り返し単位としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルによる繰り返し単位のように、樹脂の主鎖に水系アルカリ現像液の作用により分解し、水系アルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)が結合している繰り返し単位、又は水系アルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入、のいずれも好ましい。
水系アルカリ現像液の作用により分解し、水系アルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)を有する繰り返し単位としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルによる繰り返し単位のように、樹脂の主鎖に水系アルカリ現像液の作用により分解し、水系アルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)が結合している繰り返し単位、又は水系アルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入、のいずれも好ましい。
水系アルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)を有する繰り返し単位の具体例としては、前述の樹脂で挙げたラクトン構造を有する繰り返し単位と同様のものを挙げることができる。
疎水性樹脂(HR)に於ける、酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位は、前述の樹脂で挙げた酸分解性基を有する繰り返し単位と同様のものが挙げられる。
疎水性樹脂(HR)は、更に、下記一般式(III)で表される繰り返し単位を有していてもよい。
一般式(III)に於いて、
Rc31は、水素原子、アルキル基、又はフッ素で置換されていても良いアルキル基、シアノ基又は−CH2−O−Rac2基を表す。式中、Rac2は、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。Rc31は、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、水素原子、メチル基が特に好ましい。
Rc32は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基を有する基を表す。これら基はフッ素原子、珪素原子で置換されていても良い。
Lc3は、単結合又は2価の連結基を表す。
Rc31は、水素原子、アルキル基、又はフッ素で置換されていても良いアルキル基、シアノ基又は−CH2−O−Rac2基を表す。式中、Rac2は、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。Rc31は、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、水素原子、メチル基が特に好ましい。
Rc32は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基を有する基を表す。これら基はフッ素原子、珪素原子で置換されていても良い。
Lc3は、単結合又は2価の連結基を表す。
一般式(III)に於ける、Rc32のアルキル基は、炭素数3〜20の直鎖若しくは分岐状アルキル基が好ましい。
シクロアルキル基は、炭素数3〜20のシクロアルキル基が好ましい。
アルケニル基は、炭素数3〜20のアルケニル基が好ましい。
シクロアルケニル基は、炭素数3〜20のシクロアルケニル基が好ましい。
Rc32は無置換のアルキル基又はフッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。
Lc3の2価の連結基は、エステル基、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜5)、オキシ基、フェニレン基、エステル結合(−COO−で表される基)が好ましい。
シクロアルキル基は、炭素数3〜20のシクロアルキル基が好ましい。
アルケニル基は、炭素数3〜20のアルケニル基が好ましい。
シクロアルケニル基は、炭素数3〜20のシクロアルケニル基が好ましい。
Rc32は無置換のアルキル基又はフッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。
Lc3の2価の連結基は、エステル基、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜5)、オキシ基、フェニレン基、エステル結合(−COO−で表される基)が好ましい。
疎水性樹脂(HR)がフッ素原子を有する場合、フッ素原子の含有量は、疎水性樹脂(HR)の分子量に対し、10〜80モル%であることが好ましい。また、フッ素原子を含む繰り返し単位が、疎水性樹脂(HR)の全繰り返し単位中30〜100質量%であることが好ましい。
疎水性樹脂(HR)が珪素原子を有する場合、珪素原子の含有量は、疎水性樹脂(HR)の分子量に対し、2〜30モル%であることが好ましい。また、珪素原子を含む繰り返し単位は、疎水性樹脂(HR)の全繰り返し単位中20〜100質量%であることが好ましい。
疎水性樹脂(HR)が珪素原子を有する場合、珪素原子の含有量は、疎水性樹脂(HR)の分子量に対し、2〜30モル%であることが好ましい。また、珪素原子を含む繰り返し単位は、疎水性樹脂(HR)の全繰り返し単位中20〜100質量%であることが好ましい。
疎水性樹脂(HR)の標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜100,000で、より好ましくは1,000〜50,000、更により好ましくは2,000〜15,000である。また、分子量分布(Mw/Mn、分散度ともいう)は、好ましくは1〜3、更に好ましくは1〜2の範囲である。
疎水性樹脂(HR)は、(B)成分の樹脂同様、金属等の不純物が少ないのは当然のことながら、残留単量体やオリゴマー成分が限りなく0に近い方が好ましい。
疎水性樹脂(HR)は、各種市販品を利用することもできるし、常法に従って(例えばラジカル重合)合成・精製することができる。詳細な合成・精製方法は、前述の樹脂(A’)で説明した方法や、丸善株式会社発行「第5版 実験化学講座26 高分子化学」の2章「高分子合成」の記載などを参照されたい。
以下に疎水性樹脂(HR)の具体例を示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
[7]その他成分
本発明の化学増幅型レジスト組成物は、上記に説明した成分以外にも、カルボン酸オニウム塩、Proceeding of SPIE, 2724,355 (1996)等に記載の分子量3000以下の溶解阻止化合物、染料、可塑剤、光増感剤、光吸収剤などを適宜含有することができる。
本発明の化学増幅型レジスト組成物は、上記に説明した成分以外にも、カルボン酸オニウム塩、Proceeding of SPIE, 2724,355 (1996)等に記載の分子量3000以下の溶解阻止化合物、染料、可塑剤、光増感剤、光吸収剤などを適宜含有することができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
合成例1<樹脂(4)の合成>
窒素気流下、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルの6/4(質量比)の混合溶剤20gを3つ口フラスコに入れ、これを80℃に加熱した(溶剤1)。ブチロラクトンメタクリレート、ヒドロキシアダマンタンメタクリレート、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートをモル比50/10/40の割合でプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルの6/4(質量比)の混合溶剤に溶解し、22質量%のモノマー溶液(200g)を調製した。更に、重合開始剤V−601(和光純薬工業(株)製)をモノマーに対し8mol%を加え、溶解させた溶液を、(溶剤1)に対して6時間かけて滴下した。滴下終了後、更に80℃で2時間反応させた。反応液を放冷後ヘキサン1800ml/酢酸エチル200mlに注ぎ、析出した粉体をろ取、乾燥すると、樹脂(4)が37g得られた。
窒素気流下、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルの6/4(質量比)の混合溶剤20gを3つ口フラスコに入れ、これを80℃に加熱した(溶剤1)。ブチロラクトンメタクリレート、ヒドロキシアダマンタンメタクリレート、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートをモル比50/10/40の割合でプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルの6/4(質量比)の混合溶剤に溶解し、22質量%のモノマー溶液(200g)を調製した。更に、重合開始剤V−601(和光純薬工業(株)製)をモノマーに対し8mol%を加え、溶解させた溶液を、(溶剤1)に対して6時間かけて滴下した。滴下終了後、更に80℃で2時間反応させた。反応液を放冷後ヘキサン1800ml/酢酸エチル200mlに注ぎ、析出した粉体をろ取、乾燥すると、樹脂(4)が37g得られた。
ポリスチレンを標準としたGPC測定の結果、得られた樹脂(4)の重量平均分子量(Mw)は、8800、分散度(Mw/Mn)は、1.8であった。
同様にして、樹脂(1)、(2)、(3)、(5)、及び疎水性樹脂(1b)、(2b)、(3b)を合成した。
同様にして、樹脂(1)、(2)、(3)、(5)、及び疎水性樹脂(1b)、(2b)、(3b)を合成した。
樹脂(1)〜(5)、及び疎水性樹脂(1b)〜(3b)の構造を以下に示し、繰り返し単位の組成(各繰り返し単位と左から順に対応)、重量平均分子量(Mw)及び分散度(Mw/Mn)を下記表1に示す。
[ポジ型レジスト組成物の調製]
下記表2に示す成分を溶剤に溶解させ、それぞれについて固形分濃度3.5質量%の溶液を調製し、これをポアサイズ0.1μmのポリエチレンフィルターで濾過してポジ型レジスト組成物(Ar−01)〜(Ar−05)を調製した。
下記表2に示す成分を溶剤に溶解させ、それぞれについて固形分濃度3.5質量%の溶液を調製し、これをポアサイズ0.1μmのポリエチレンフィルターで濾過してポジ型レジスト組成物(Ar−01)〜(Ar−05)を調製した。
表2に示されている(b)酸発生剤、(c)塩基性化合物、(d)界面活性剤、及び溶剤は、以下の通りである。
〔(b)酸発生剤〕
〔(c)塩基性化合物〕
TPI:2,4,5−トリフェニルイミダゾール
PEA:N−フェニルジエタノールアミン
DPA:2,6−ジイソプロピルフェニルアルコール
PBI:2−フェニルベンゾイミダゾール
TPI:2,4,5−トリフェニルイミダゾール
PEA:N−フェニルジエタノールアミン
DPA:2,6−ジイソプロピルフェニルアルコール
PBI:2−フェニルベンゾイミダゾール
〔(d)界面活性剤〕
W−1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素系)
W−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素及びシリコン系)
W−3:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)(シリコン系)
W−1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素系)
W−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素及びシリコン系)
W−3:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)(シリコン系)
〔溶剤〕
A1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
A2:γ−ブチロラクトン
A3:シクロヘキサノン
B1:プロピレングリコールモノメチルエーテル
B2:乳酸エチル
A1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
A2:γ−ブチロラクトン
A3:シクロヘキサノン
B1:プロピレングリコールモノメチルエーテル
B2:乳酸エチル
[有機溶媒系現像液及び有機溶媒系リンス液の調製]
下記表3、4に示す成分を、表3、4に示す質量比で混合し、有機溶媒系現像液(D−01)〜(D−12)、(Dr−01)及び有機溶媒系リンス液(R−01)〜(R−12)、(Rr−01)を調製した。
下記表3、4に示す成分を、表3、4に示す質量比で混合し、有機溶媒系現像液(D−01)〜(D−12)、(Dr−01)及び有機溶媒系リンス液(R−01)〜(R−12)、(Rr−01)を調製した。
表4中の略号は、次の通りである。
〔溶剤〕
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
〔界面活性剤〕
S−1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製、アニオン系、フッ素系)
S−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製、ノニオン系、フッ素系)
S−3:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製、ノニオン系、シリコン系)
S−1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製、アニオン系、フッ素系)
S−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製、ノニオン系、フッ素系)
S−3:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製、ノニオン系、シリコン系)
実施例1−1〜1−15及び比較例1−1〜1−3
8インチシリコンウェハ上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、膜厚86nmの反射防止膜を形成した。その上にポジ型レジスト組成物(Ar−01)を塗布し、115℃で、60秒間ベーク(PB)を行い、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。得られたウェハを、ArFエキシマレーザースキャナー(NA0.75)を用い、露光マスク(ライン/スペース=1/1)を使用して、パターン露光を行った。その後105℃で、60秒間加熱(PEB)した後、有機溶媒系現像液(D−01)で30秒間現像(有機溶剤現像)し、有機溶媒系リンス液(R−01)でリンスした後、4000rpmの回転数で30秒間ウェハを回転させることにより、90nm(1:1)のラインアンドスペースのレジストパターンを得た。
実施例1−2〜1−15及び比較例1−1〜1−3として、下記表6に示すポジ型レジスト組成物、有機溶媒系現像液、有機溶媒系リンス液を用い、表6に示すPB条件、PEB条件とする他は、実施例1−1と同様にして、90nm(1:1)のラインアンドスペースのレジストパターンを得た。
8インチシリコンウェハ上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、膜厚86nmの反射防止膜を形成した。その上にポジ型レジスト組成物(Ar−01)を塗布し、115℃で、60秒間ベーク(PB)を行い、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。得られたウェハを、ArFエキシマレーザースキャナー(NA0.75)を用い、露光マスク(ライン/スペース=1/1)を使用して、パターン露光を行った。その後105℃で、60秒間加熱(PEB)した後、有機溶媒系現像液(D−01)で30秒間現像(有機溶剤現像)し、有機溶媒系リンス液(R−01)でリンスした後、4000rpmの回転数で30秒間ウェハを回転させることにより、90nm(1:1)のラインアンドスペースのレジストパターンを得た。
実施例1−2〜1−15及び比較例1−1〜1−3として、下記表6に示すポジ型レジスト組成物、有機溶媒系現像液、有機溶媒系リンス液を用い、表6に示すPB条件、PEB条件とする他は、実施例1−1と同様にして、90nm(1:1)のラインアンドスペースのレジストパターンを得た。
実施例2−1及び比較例2−1
8インチシリコンウェハ上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、膜厚86nmの反射防止膜を形成した。その上にポジ型レジスト組成物(Ar−01)を塗布し、115℃で、60秒間ベーク(PB)を行い、膜厚150nmのレジスト膜を形成した。得られたウェハをArFエキシマレーザースキャナー(NA0.75)を用い、露光マスク(ライン/スペース=1/1)を介して、パターン露光を行った。その後105℃で、60秒間加熱(PEB)した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)(ポジ型現像液)で30秒間現像(ポジ型現像)し、純水でリンスし、ピッチ600nm、線幅450nmのパターンを得た。次に、有機溶媒系現像液(D−01)で30秒間現像(有機溶剤現像)し、有機溶媒系リンス液(R−01)でリンスした後、4000rpmの回転数で30秒間ウェハを回転させることにより、150nm(1:1)のラインアンドスペースのレジストパターンを得た。
比較例2−1として、有機溶媒系現像液(Dr−01)を用いる他は、実施例2−1と同様にして、150nm(1:1)のラインアンドスペースのレジストパターンを得た。
8インチシリコンウェハ上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、膜厚86nmの反射防止膜を形成した。その上にポジ型レジスト組成物(Ar−01)を塗布し、115℃で、60秒間ベーク(PB)を行い、膜厚150nmのレジスト膜を形成した。得られたウェハをArFエキシマレーザースキャナー(NA0.75)を用い、露光マスク(ライン/スペース=1/1)を介して、パターン露光を行った。その後105℃で、60秒間加熱(PEB)した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)(ポジ型現像液)で30秒間現像(ポジ型現像)し、純水でリンスし、ピッチ600nm、線幅450nmのパターンを得た。次に、有機溶媒系現像液(D−01)で30秒間現像(有機溶剤現像)し、有機溶媒系リンス液(R−01)でリンスした後、4000rpmの回転数で30秒間ウェハを回転させることにより、150nm(1:1)のラインアンドスペースのレジストパターンを得た。
比較例2−1として、有機溶媒系現像液(Dr−01)を用いる他は、実施例2−1と同様にして、150nm(1:1)のラインアンドスペースのレジストパターンを得た。
実施例3−1及び比較例3−1
8インチシリコンウェハ上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、膜厚86nmの反射防止膜を形成した。その上にポジ型レジスト組成物(Ar−01)を塗布し、115℃で、60秒間ベーク(PB)を行い、膜厚150nmのレジスト膜を形成した。得られたウェハをArFエキシマレーザースキャナー(NA0.75)を用い、露光マスク(ライン/スペース=1/1)を介して、パターン露光を行った。その後105℃で、60秒間加熱(PEB)した後、有機溶媒系現像液(D−01)で30秒間現像(有機溶剤現像)し、有機溶媒系リンス液(R−01)でリンスした後、4000rpmの回転数で30秒間ウェハを回転させることにより、ピッチ600nm、線幅450nmのパターンを得た。次に、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)(ポジ型現像液)で30秒間現像(ポジ型現像)し、純水でリンスして、150nm(1:1)のラインアンドスペースのレジストパターンを得た。
比較例3−1として、有機溶媒系現像液(Dr−01)を用いる他は、実施例3−1と同様にして、150nm(1:1)のラインアンドスペースのレジストパターンを得た。
8インチシリコンウェハ上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、膜厚86nmの反射防止膜を形成した。その上にポジ型レジスト組成物(Ar−01)を塗布し、115℃で、60秒間ベーク(PB)を行い、膜厚150nmのレジスト膜を形成した。得られたウェハをArFエキシマレーザースキャナー(NA0.75)を用い、露光マスク(ライン/スペース=1/1)を介して、パターン露光を行った。その後105℃で、60秒間加熱(PEB)した後、有機溶媒系現像液(D−01)で30秒間現像(有機溶剤現像)し、有機溶媒系リンス液(R−01)でリンスした後、4000rpmの回転数で30秒間ウェハを回転させることにより、ピッチ600nm、線幅450nmのパターンを得た。次に、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)(ポジ型現像液)で30秒間現像(ポジ型現像)し、純水でリンスして、150nm(1:1)のラインアンドスペースのレジストパターンを得た。
比較例3−1として、有機溶媒系現像液(Dr−01)を用いる他は、実施例3−1と同様にして、150nm(1:1)のラインアンドスペースのレジストパターンを得た。
実施例4−1及び比較例4−1
8インチシリコンウェハ上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、膜厚86nmの反射防止膜を形成した。その上にポジ型レジスト組成物(Ar−01)を塗布し、115℃で、60秒間ベーク(PB)を行い、膜厚150nmのレジスト膜を形成した。得られたウェハをArFエキシマレーザースキャナー(NA0.75)を用い、露光マスク(ライン/スペース=1/1)を介して、第1のパターン露光を行った。次いで、同マスクを、第1の露光と直交する方向に回転し、これを介して、第2のパターン露光を行った。その後105℃で、60秒間加熱(PEB)した後、有機溶媒系現像液(D−01)で30秒間現像(有機溶剤現像)し、有機溶媒系リンス液(R−01)でリンスした後、4000rpmの回転数で30秒間ウェハを回転させることにより、ピッチ180nm、ホールサイズ90nmのホールパターンを得た。
比較例4−1として、有機溶媒系現像液(Dr−01)を用いる他は、実施例4−1と同様にして、ピッチ180nm、ホールサイズ90nmのホールパターンを得た。
8インチシリコンウェハ上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、膜厚86nmの反射防止膜を形成した。その上にポジ型レジスト組成物(Ar−01)を塗布し、115℃で、60秒間ベーク(PB)を行い、膜厚150nmのレジスト膜を形成した。得られたウェハをArFエキシマレーザースキャナー(NA0.75)を用い、露光マスク(ライン/スペース=1/1)を介して、第1のパターン露光を行った。次いで、同マスクを、第1の露光と直交する方向に回転し、これを介して、第2のパターン露光を行った。その後105℃で、60秒間加熱(PEB)した後、有機溶媒系現像液(D−01)で30秒間現像(有機溶剤現像)し、有機溶媒系リンス液(R−01)でリンスした後、4000rpmの回転数で30秒間ウェハを回転させることにより、ピッチ180nm、ホールサイズ90nmのホールパターンを得た。
比較例4−1として、有機溶媒系現像液(Dr−01)を用いる他は、実施例4−1と同様にして、ピッチ180nm、ホールサイズ90nmのホールパターンを得た。
実施例5−1及び比較例5−1
12インチシリコンウェハ上に有機反射防止膜ARC29SR(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、膜厚97nmの反射防止膜を形成した。その上にポジ型レジスト組成物(Ar−01)を塗布し、115℃で、60秒間ベーク(PB)を行い、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。得られたウェハをArFエキシマレーザー液浸スキャナー(NA1.20)を用い、露光マスク(ライン/スペース=1/1)を介して、パターン露光を行った。液浸液として純水を使用した。その後105℃で、60秒間加熱(PEB)した後、有機溶媒系現像液(D−01)で30秒間現像(有機溶剤現像)し、有機溶媒系リンス液(R−01)でリンスした後、1200rpmの回転数で30秒間ウェハを回転させることにより、60nm(1:1)のラインアンドスペースのパターンを得た。
比較例5−1として、有機溶媒系現像液(Dr−01)を用いる他は、実施例5−1と同様にして、60nm(1:1)のラインアンドスペースのレジストパターンを得た。
12インチシリコンウェハ上に有機反射防止膜ARC29SR(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、膜厚97nmの反射防止膜を形成した。その上にポジ型レジスト組成物(Ar−01)を塗布し、115℃で、60秒間ベーク(PB)を行い、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。得られたウェハをArFエキシマレーザー液浸スキャナー(NA1.20)を用い、露光マスク(ライン/スペース=1/1)を介して、パターン露光を行った。液浸液として純水を使用した。その後105℃で、60秒間加熱(PEB)した後、有機溶媒系現像液(D−01)で30秒間現像(有機溶剤現像)し、有機溶媒系リンス液(R−01)でリンスした後、1200rpmの回転数で30秒間ウェハを回転させることにより、60nm(1:1)のラインアンドスペースのパターンを得た。
比較例5−1として、有機溶媒系現像液(Dr−01)を用いる他は、実施例5−1と同様にして、60nm(1:1)のラインアンドスペースのレジストパターンを得た。
実施例6−1及び比較例6−1
12インチシリコンウェハ上に有機反射防止膜ARC29SR(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、膜厚97nmの反射防止膜を形成した。その上にポジ型レジスト組成物(Ar−01)を塗布し、115℃で、60秒間ベーク(PB)を行い、膜厚150nmのレジスト膜を形成した。得られたウェハをArFエキシマレーザー液浸スキャナー(NA1.20)を用い、露光マスク(ライン/スペース=1/1)を介して、第1のパターン露光を行った。液浸液として純水を使用した。次いで、同マスクを、第1の露光と直交する方向に回転し、これを介して、第2のパターン露光を行った。その後105℃で、60秒間加熱(PEB)した後、有機溶媒系現像液(D−01)で30秒間現像(有機溶剤現像)し、有機溶媒系リンス液(R−01)でリンスした後、1200rpmの回転数で30秒間ウェハを回転させることにより、ピッチ90nm、ホールサイズ45nmのホールパターンを得た。
比較例6−1として、有機溶媒系現像液(Dr−01)を用いる他は、実施例6−1と同様にして、ピッチ90nm、ホールサイズ45nmのホールパターンを得た。
12インチシリコンウェハ上に有機反射防止膜ARC29SR(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、膜厚97nmの反射防止膜を形成した。その上にポジ型レジスト組成物(Ar−01)を塗布し、115℃で、60秒間ベーク(PB)を行い、膜厚150nmのレジスト膜を形成した。得られたウェハをArFエキシマレーザー液浸スキャナー(NA1.20)を用い、露光マスク(ライン/スペース=1/1)を介して、第1のパターン露光を行った。液浸液として純水を使用した。次いで、同マスクを、第1の露光と直交する方向に回転し、これを介して、第2のパターン露光を行った。その後105℃で、60秒間加熱(PEB)した後、有機溶媒系現像液(D−01)で30秒間現像(有機溶剤現像)し、有機溶媒系リンス液(R−01)でリンスした後、1200rpmの回転数で30秒間ウェハを回転させることにより、ピッチ90nm、ホールサイズ45nmのホールパターンを得た。
比較例6−1として、有機溶媒系現像液(Dr−01)を用いる他は、実施例6−1と同様にして、ピッチ90nm、ホールサイズ45nmのホールパターンを得た。
<評価方法>
〔欠陥〕
上記実施例及び比較例で作製したパターン付きウェハの現像欠陥数をケーエルエー・テンコール(株)製KLA−2360を用いて測定し、得られた数値を検査領域の面積で割った値を欠陥数(個数/cm2)と定義した。この値が小さいほど欠陥性能が良好であることを示す。
〔欠陥〕
上記実施例及び比較例で作製したパターン付きウェハの現像欠陥数をケーエルエー・テンコール(株)製KLA−2360を用いて測定し、得られた数値を検査領域の面積で割った値を欠陥数(個数/cm2)と定義した。この値が小さいほど欠陥性能が良好であることを示す。
〔面内均一性(CDU)〕
上記実施例及び比較例で作製したパターンの線幅を、日立製作所(株)製9380−IIを用いて測定し、ウェハ面内の全域からランダムに、50ポイント測定し、この標準偏差を求めた。この値が小さいほど面内均一性が良好であることを示す。
評価結果を表6に示す。
上記実施例及び比較例で作製したパターンの線幅を、日立製作所(株)製9380−IIを用いて測定し、ウェハ面内の全域からランダムに、50ポイント測定し、この標準偏差を求めた。この値が小さいほど面内均一性が良好であることを示す。
評価結果を表6に示す。
表6から、本発明の化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用の処理液を用いることにより、レジストパターンの面内均一性(CDU)及び欠陥性能に優れたレジストパターンを形成し得ることが明らかである。
1 照射光
2 露光マスク
3 レジストパターン
4 ウェハ
2 露光マスク
3 レジストパターン
4 ウェハ
Claims (6)
- 有機溶剤に可溶な樹脂と有機溶剤とを含有することを特徴とする化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用の処理液。
- 有機溶剤に可溶な樹脂が、logP値が1.3以上7.5以下の樹脂であることを特徴とする、請求項1に記載の化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用の処理液。
- 現像液であることを特徴とする請求項1又は2に記載の化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用の処理液。
- リンス液であることを特徴とする請求項1又は2に記載の化学増幅型レジスト組成物によるパターン形成用の処理液。
- 化学増幅型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成し、露光し、有機溶剤に可溶な樹脂と有機溶剤とを含有する現像液を用いて現像する工程を有することを特徴とするパターン形成方法。
- 化学増幅型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成し、露光し、現像液を用いて現像し、有機溶剤に可溶な樹脂と有機溶剤とを含有するリンス液でリンスする工程を有することを特徴とするパターン形成方法。
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