JP2011033683A - レンズ鏡筒および光学機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 部品精度を高くすることなく、製造誤差による中心コマ収差の発生を軽減することができるレンズ鏡筒を得ること。
【解決手段】 カメラ本体に取り付けられる固定筒と、該固定筒に対し回転可能に保持された回転部材と、該回転部材に固定された回転伝達部材と、該回転伝達部材によって光軸中心に回転し、光軸方向へ移動されるレンズ保持枠を有するレンズ鏡筒において、該レンズ保持枠には、該回転伝達部材と係合可能な係合部が複数設けられており、前記複数の係合部の内、いずれか一つの係合部と回転伝達部材が係合されていること。
【選択図】 図3

Description

本発明は、レンズ鏡筒及びそれを有する光学機器に関し、例えばスチルカメラ、デジタルカメラ、ビデオカメラ等に好適なものである。
一眼レフカメラ用の交換レンズ(レンズ鏡筒)には、使用者(撮影者)が手動で被写体に焦点を合わせるためのフォーカスリングや、手動でズーミングをするためのズームリング等の手動操作環が設けられている。これらの交換レンズでは、フォーカスレンズ群、もしくはズームレンズ群を保持するレンズ支持枠に設けられた係合部と手動操作環が直接又は別部材を介して間接的に回転伝達可能に係合している(特許文献1、2)。特許文献1では、レンズ保持枠に固定された回転伝達アームと、フォーカス操作環に固定されたフォーカスレバーが係合し、フォーカス操作環の回転駆動力をレンズ保持枠に伝達している。特許文献2に開示されているズームレンズを保持するレンズ鏡筒では、フォーカスレンズ群(第2レンズ群)を光軸方向に進退させる手段として、特許文献1と同様の回転伝達方法を利用している。
特開2002−236244号公報 特開2008−216440号公報
特許文献1のレンズ鏡筒は、レンズ保持枠に回転伝達アームをビス等で固定しているが、レンズ保持枠に設けられた概ビスの固定箇所が円周上に1箇所しかない。このため、フォーカスレバーに対するレンズ保持枠の組立位相が限定されてしまう。フォーカスレバー側もフォーカス操作環に対する固定箇所が1箇所しかないため、上記構成の場合、他のレンズ群に対するレンズ保持枠の組立位相が限定される。特許文献2のズームレンズでは、フォーカスレンズ群内のレンズ相互間での傾き・平行偏芯によって生ずる中心コマ収差に対する敏感度が高い。このフォーカスレンズ群内で発生する中心コマ収差を他のレンズ群で発生する中心コマ収差と打ち消すことで、部品精度・組立精度等の製造上の誤差により発生した中心コマ収差を補正することができる。しかしながら、特許文献1のレンズ鏡筒では、フォーカスレンズ群以外の他のレンズ群に対するフォーカスレンズ群の組立位相が限定される。このため、前述した中心コマ収差の補正を行うことができない。そのため、個々の部品精度を高める必要があったり、組立精度を高める必要がある。この結果、部品の精度が高くなり製造が困難になる傾向がある。
本発明は、被駆動レンズ保持枠の組立位相の自由度を増すことで、部品精度が高くすることなく、製造誤差による中心コマ収差の発生を軽減することができるレンズ鏡筒の提供を目的とする。
本発明のレンズ鏡筒は、カメラ本体に取り付けられる固定筒と、該固定筒に対し回転可能に保持された回転部材と、該回転部材に固定された回転伝達部材と、該回転伝達部材によって光軸中心に回転し、光軸方向へ移動されるレンズ保持枠を有するレンズ鏡筒において、該レンズ保持枠には、該回転伝達部材と係合可能な係合部が複数設けられており、前記複数の係合部の内、いずれか一つの係合部と回転伝達部材が係合されていることを特徴としている。
この他、該回転部材には、該回転伝達部材が固定可能な固定部が複数設けられており、前記複数の固定部の内、いずれか一つの固定部に該回転伝達部材が固定されていることを特徴としている。
本発明によれば、部品精度を高くすることなく、製造誤差による中心コマ収差の発生を軽減することができるレンズ鏡筒が得られる。
本発明の実施形態であるレンズ鏡筒の断面図である。 上記レンズ鏡筒の要部斜視図である。 上記レンズ鏡筒の要部分解斜視図である。
本発明のレンズ鏡筒は、マウント101を介してカメラ本体100に取り付けられる固定筒102と、固定筒102にバヨネット構造又はその他の構造で回転可能に保持された回転部材(フォーカスリング)122とを有している。そして回転部材122の端部にビス等で固定された回転伝達部材(フォーカスキー)123と、回転伝達部材123によって光軸中心に回転し、光軸方向に移動するレンズ保持枠121を有している。
レンズ保持枠121には、光軸方向に延出し、回転伝達部材と係合可能な係合部(フォーカスキー係合部)121aが複数設けられている。そしてレンズ保持枠121と回転部材122とを組み立てるときは中心コマ収差の発生が少なくなるようにレンズ保持枠121に設けた複数の係合部121aの内、いずれか一つの係合部と回転伝達部材123が係合されるようにしている。この他の構成として回転部材(フォーカスリング)122には、回転伝達部材(フォーカスキー)123を固定するための固定箇所300が複数設けられている。そしてレンズ保持枠121と回転部材122とを組み立てるときは中心コマ収差の発生が少なくなるように回転部材122に設けた複数の固定箇所の内、いずれか一つの固定部300に回転伝達部材123が固定されるようにしている。
[実施例1]
本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態のレンズ鏡筒を光学機器として交換可能な一眼レフカメラのカメラ本体に取り付けたときのレンズ鏡筒の内部構造の概略を示す断面図である。図2は、レンズ鏡筒の一部分の要部斜視図である。図3は、レンズ鏡筒の一部分の要部分解斜視図である。図中、100は本実施形態のレンズ鏡筒が着脱自在に取り付けられるカメラ本体である。カメラ本体100は、撮像素子100aその他の部材を有するが、図1では簡単のため撮像素子100aのみを示している。
本実施形態のレンズ鏡筒が有する交換レンズ(撮影レンズ)は、物体側から像側へ順に、第1〜第5レンズ群L1〜L5を有する5群構成のズームレンズである。全てのレンズ群L1〜L5は、ズーム動作(ズーミング)に際し光軸方向に移動する。第2レンズ群L2は、フォーカス動作に際し光軸方向に移動する合焦レンズ群を兼ねている。またズーム動作時には、第3レンズ群L3と第5レンズ群L5とが一体的に移動する。第4レンズ群L4は、第4aレンズ群L4aと第4bレンズ群L4bの2つの部分レンズ群を有し、物体側に位置する第4aレンズ群L4aは、光軸方向への移動とは別に、像振れ補正動作を行うために光軸に対し直交方向にも移動する。
101はマウントで、カメラ本体100に取り付けるためのバヨネット部を有しており、固定筒102にビス止め固定されている。103は外装環で、マウント101と固定筒102との間に挟み込まれて固定されている。外装環103には、SW(スイッチ)パネル部が一体成型されており、SWパネル部に設けられたスイッチを切り換えることによって、オートフォーカスや振れ補正などの撮影機能を選択して使用している。104は案内筒で、固定筒102がビス止めされている。これらはカメラ本体100に対して固定部を構成している。案内筒104の外周には、バヨネット部によって光軸回りに回転可能となっているカム筒105が嵌合している。
これにより、カム筒105を回転させると、案内筒104に設けられた光軸方向の案内溝104aとカム筒105に設けられたカム溝105aの交点が移動する。この交点には、第3レンズ群L3を保持する3群保持枠106に、ビス止めされたコロが配置され、このコロを介してコロの移動に従って光軸方向へ3群保持枠106と5群鏡筒110を一体的に移動させることができる。同様に、第4レンズ群L4を保持する振れ補正ユニット107、および直進筒108を、それぞれにビス止めされたコロを介して光軸方向へ移動させることができる。
3群保持枠106には、絞り駆動部と絞り羽根部とから構成される電磁絞りユニット109が、ビスにより固定されている。また3群保持枠106の延出部後端には、第5レンズ群L5を保持する5群保持枠110が、3群保持枠106にビス止めされた5群保持板111に狭持されることにより保持されている。振れ補正ユニット107は、第4aレンズ群L4aを光軸に対し直交方向に駆動可能に保持しており、マグネットおよびコイルとから構成される駆動部によって第4aレンズ群L4aを駆動する。また3群保持枠106の延出部後端には、第4bレンズ群L4bを保持する4b群保持枠112が、補強板(不図示)を介してビス止めされている。直進筒108の先端付近には、第1レンズ群L1を保持する1群保持枠113が、ビスにより固定されている。ズーミングに際して直進筒108の移動に伴って第1レンズ群L1は移動する。直進筒108の先端外周には、バヨネット部が、内周にはネジ部がそれぞれ設けられており、それぞれフード、フィルター等のアクセサリーが装着可能となっている。
114は化粧環で、前面にレンズ名称等の表示が印刷されている。115はズーム操作環で、固定筒102に対して、公知のバヨネット構造により回転可能に保持されている。ズーム操作環115は、ズーム操作時に使用者が回転操作する部材である。ズーム操作環115には、ズーム連動ビス116と係合する長穴部が形成されている。ズーム連動ビス116はカム筒105にビス止めされたズームキー117とネジ結合されている。このため、ズーム操作環115を回転すると、ズーム操作環115に設けた長穴部に係合したズーム連動ビス116が移動する。そうするとズーム連動ビス116にネジ結合されたズームキー117を介してズーム操作環115と一体的にカム筒105を回転させることができる。
118はズーム操作環115の外周に巻き付けられたズームゴムである。119は弾性部材で、ズーム操作環115の内周面に圧縮接触しており、固定筒102に設けられているズームゴム保持部内102cに収納されている。120はフォーカスカム筒で、内径円筒部にカム溝120aが設けられている。またフォーカスカム筒120にはテーパーコロ131がビスにて保持されている。フォーカスカム筒120に設けたテーパーコロ131は案内筒104に設けられたカム溝104bと、カム筒105に設けられた案内溝105bにそれぞれ係合している。フォーカスカム筒120はカム筒105の回転により光軸方向へ移動する。また、フォーカスカム筒120の外周部と案内筒104の内周部は嵌合している。121は第2レンズ群L2を保持する2群保持枠(レンズ保持枠)である。2群保持枠121の周囲に円周3等分に設けられたカムフォロア部121bが、フォーカスカム筒120の内径円筒部に設けられたカム溝120aに係合する。フォーカスカム筒120の移動に伴って2群保持枠121は移動する。また、カムフォロア部121bと同位相に設けられた外周嵌合面121cとフォーカスカム筒120の内周面が嵌合している。
122は回転部材であるフォーカスリングである。フォーカスリング122は固定筒102に公知のバヨネット構造又はその他の公知の構造により回転可能に取り付けられており、端部には回転伝達部材であるフォーカスキー123がビスにより固定されている。2群保持枠121から光軸方向に延出したフォーカスキー係合部121aは、フォーカスリング122に取り付けられているフォーカスキー123と一体的に回転するよう2群保持枠係合部123cに係合している。フォーカスキー係合部121aは2群保持枠121の周方向に複数設けられており、2群保持枠係合面123cはそのうちの1つと係合している。
これにより2群保持枠121は、ズーミングに際してカム筒105が回転する(フォーカスリング122は停止)と光軸方向に進退する。このときの2群保持枠121の進退量は、案内筒104のカム溝104bとカム筒105の案内溝105bに係合するフォーカスカム筒120に固定されたテーパーコロ131の係合点の光軸方向変化量で決まる。また、2群保持枠121はフォーカスリング122が回転する(カム筒105は停止)と、回転しながらフォーカスカム筒120のカム溝120aと係合する2群保持枠121に設けられたカムフォロア部121bの係合点の光軸方向の変化量に応じて進退する。本実施形態の交換レンズ(撮影レンズ)では、インナーフォーカスにおける焦点距離変化に伴う焦点位置ずれを、このように機構的に補償して、第2レンズ群L2を光軸方向に進退させる。
124はフォーカスブラシであり、フォーカスキー123にビスにて固定されている。125はズームブラシであり、ズームキー117にビスにて固定されている。126はエンコーダーパターンフレキであり、両面テープで固定筒102に固定されている。エンコーダーパターンフレキ126は不図示のエンコーダーパターンを有し、フォーカス位置及びズーム位置をフォーカスブラシ124及びズームブラシ125でそれぞれ読み取っている。127はメイン基板で、電磁絞りユニット109、振れ補正ユニット107等と可撓性フレキシブル基板を介して電気的に接続され、各種の制御を行う。128はマウント101にビス止めされ、メイン基板127とフレキシブル基板を介して接続された接点ブロックであり、カメラ本体との通信および電源の供給を行うために設けられている。129は裏蓋で、マウント101に弾性結合して有害光をカットしている。130は、裏蓋129に弾性結合している保護ゴムリングである。
以上のように構成されたレンズ鏡筒では、ズーム操作環115を回転させると、ズームキー117を介してカム筒105が回転する。カム筒105の回転に伴って上記機構に従い全てのレンズ群L1〜L5が光軸方向に進退してズーミングが行われる。なお、この際、第3レンズ群L3と第5レンズ群L5とは一体的に進退する。一方、オートフォーカス時には不図示のモータの駆動により、マニュアルフォーカス時には手動により、それぞれフォーカスリング122を回転させる。これにより、上記機構に従い、第2レンズ群L2が進退し、フォーカシングを行うことができる。
次に、図2および図3を用いて、本発明の特徴である被駆動部であるレンズ保持枠121の組立位相の自由度を増す構造について説明する。なお、図2は、レンズ保持枠121と回転伝達部材(フォーカスキー)123の係合部(フォーカスキー係合部)121aを説明するため、回転部材であるフォーカスリング122とズームリング115を不図示とした要部斜視図としている。固定筒102は、ズームリング115と径嵌合するための嵌合部102aを有し、ズームリング115の嵌合部115aと嵌合部している。また、ズームリング115を定位置回転させるためのバヨネット部102bを円周3箇所に有し、ズームリング115に設けられたバヨネットフランジ面115bを保持している。さらに、固定筒102には、弾性部材119を収納するための形状102cを有し、弾性部材119はズームリング115の内周面115cと圧縮接触している。これにより、ズームリング115の作動トルクを増加させると共に、作動感触を高品位化できる。
フォーカスリング122も同様に、固定筒102に設けられたバヨネット爪102dによって定位置回転可能に保持されている。フォーカスリング122の端面には、フォーカスキー123がビスにより固定されている。ここで、フォーカスリング122を図2に示す無限方向に回転させると、フォーカスキー123の無限側端面123aと固定筒の無限側端面102eが当接しフォーカスリングの回転が制限される。逆に、フォーカスリング122を至近方向に回転させると、フォーカスキー123の至近側端面123bと固定筒の至近側端面102fが当接しフォーカスリングの回転が制限される。
2群保持枠121には光軸方向に延伸したフォーカスキー係合部121aが複数設けられている。例えば円周3箇所等分に一体形成されている。2群保持枠121のフォーカスキー係合部121aは、フォーカスキー123の2群保持枠係合部123cと係合することで、フォーカスリング122の回転が伝達される。2群保持枠121は、フォーカスリング122が回転すると同期して光軸周りに回転し、前述の通り、フォーカスカム筒120のカム溝120aに係合しているカムフォロア121bを介してカム溝120aの軌跡に乗って光軸方向に進退する。
ここで、2群保持枠121にはフォーカスキー係合部121aが円周3箇所等分に一体形成されている。このため、フォーカスキー121の2群保持枠係合部123cへの組立位相を結像性能を観察しながら、例えば中心コマ収差の状態をみながら3箇所のうちから1つを自由に選択することができる。したがって、2群レンズ群L2内で発生する部品精度誤差による中心コマ収差の方向を確認し、他のレンズ群で発生する中心コマ収差を打ち消す方向に2群保持枠121を組み込むことができる。これにより交換レンズとして中心コマ収差を光学系全体で補正しながら組立ることができる。また、本実施例では、2群保持枠121とフォーカスキー係合部121aが一体形成されているので、フォーカスキー123と係合する部品を2群保持枠121に固定する必要がない。そのため、部品点数の増加を防止することができる。
以上実施例は、2群保持枠121にフォーカスキー123と係合することができるフォーカスキー係合部121aを複数設ける場合を挙げた。これに対して、フォーカスリング122にフォーカスキー123が固定可能な箇所(固定部)300を複数設けても良い。そして複数の固定部のうちの1つを中心コマ収差を軽減するように選択し、固定部にフォーカスキー123を固定するようにしても良い。これによれば2群保持枠121のフォーカスキー係合部121aを1箇所とすることができる。以上、本発明のレンズ鏡筒とそれを有する光学機器の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
102 固定筒、104 案内筒、105 カム筒、108 直進筒、115 ズームリング、116 ズーム連動ビス、117 ズームキー、120 フォーカスカム筒、121 2群保持枠、122 フォーカスリング、123 フォーカスキー、300 固定部

Claims (3)

  1. カメラ本体に取り付けられる固定筒と、該固定筒に対し回転可能に保持された回転部材と、該回転部材に固定された回転伝達部材と、該回転伝達部材によって光軸中心に回転し、光軸方向へ移動されるレンズ保持枠を有するレンズ鏡筒において、該レンズ保持枠には、該回転伝達部材と係合可能な係合部が複数設けられており、前記複数の係合部の内、いずれか一つの係合部と回転伝達部材が係合されていることを特徴とするレンズ鏡筒。
  2. カメラ本体に取り付けられる固定筒と、該固定筒に対し回転可能に保持された回転部材と、該回転部材に固定された回転伝達部材と、該回転伝達部材によって光軸中心に回転し、光軸方向へ移動されるレンズ保持枠を有するレンズ鏡筒において、該回転部材には、該回転伝達部材が固定可能な固定部が複数設けられており、前記複数の固定部の内、いずれか一つの固定部に該回転伝達部材が固定されていることを特徴とするレンズ鏡筒。
  3. 請求項1又は2に記載のレンズ鏡筒を有することを特徴とする光学機器。
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