JP2011033679A - 微細パターン形成用樹脂組成物および微細パターン形成方法、ならびに重合体 - Google Patents

微細パターン形成用樹脂組成物および微細パターン形成方法、ならびに重合体 Download PDF

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Abstract

【課題】熱処理により、レジストパターンを円滑に収縮させることができると共に、その後のアルカリ水溶液処理により容易に除去し得る。
【解決手段】樹脂と、この樹脂を架橋させる架橋剤と、溶媒とを含み、レジストパターンを微細化するための微細パターン形成用樹脂組成物であり、樹脂が式(1)で表される繰り返し単位(I)と、式(2)で表される繰り返し単位(II)とを含む。
Figure 2011033679

【選択図】図1

Description

本発明はフォトレジストを用いた微細加工技術に関して、パターニング後に熱処理によりパターンを収縮させる際に用いられる微細パターン形成用樹脂組成物および微細パターン形成方法、ならびに微細パターン形成用樹脂組成物に用いられる重合体に関する。さらに詳細には、シリコン原子を含む樹脂を用いることにより酸素系プラズマに対する高いエッチング耐性を付与し、また溶媒を使用することにより、フォトレジストパターンへの濡れ性が向上し、直径60nm以下のパターンを気泡を巻き込むことなく容易に被覆でき、かつ、該微細パターン形成用樹脂組成物を塗布するに際し、新たに水系の塗布カップや廃液処理設備を導入することなく、下層膜やフォトレジストを塗布時に使用しているカップや廃液処理設備をそのまま使用できる微細パターン形成用樹脂組成物および微細パターン形成方法ならびに重合体に関する。
集積回路素子の製造に代表される微細加工の分野においては、より高い集積度を得るために、最近では100nm以下のレベルでの微細加工が可能なリソグラフィ技術が必要とされている。しかし、従来のリソグラフィプロセスでは、一般に放射線としてi線等の近紫外線が用いられているが、この近紫外線では、サブクオーターミクロンレベルの微細加工が極めて困難であると言われている。そこで、100nm以下のレベルでの微細加工を可能とするために、より波長の短い放射線の利用が検討されている。このような短波長の放射線としては、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、電子線等を挙げることができるが、これらのうち、特にKrFエキシマレーザー(波長248nm)、或いはArFエキシマレーザー(波長193nm)が注目されている。
このようなエキシマレーザーによる照射に適したレジストとして、酸解離性官能基を有する成分と、放射線の照射(以下、「露光」ともいう)により酸を発生する成分(以下、「酸発生剤」ともいう)による化学増幅効果を利用したレジスト(以下、「化学増幅型レジスト」ともいう)が数多く提案されている。化学増幅型レジストとしては、例えば、カルボン酸のtert−ブチルエステル基またはフェノールのtert−ブチルカーボナート基を有する樹脂と酸発生剤とを含有するレジストが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このレジストは、露光により発生した酸の作用により、樹脂中に存在するtert−ブチルエステル基あるいはtert−ブチルカーボナート基が解離して、この樹脂がカルボキシル基あるいはフェノール性水酸基からなる酸性基を有するようになり、その結果、レジスト膜の露光領域がアルカリ現像液に易溶性となる現象を利用したものである。
このようなリソグラフィプロセスにおいては、今後は更に微細なパターン形成(例えば、線幅が45nm程度の微細なレジストパターン)が要求される。このような45nmより微細なパターン形成を達成させるためには、前述のように露光装置の光源波長の短波長化や、レンズの開口数(NA)を増大させることが考えられる。しかしながら、光源波長の短波長化には新たな高額の露光装置が必要となる。また、レンズの高NA化では、解像度と焦点深度がトレードオフの関係にあるため、解像度を上げても焦点深度が低下するという問題がある。
最近、このような問題を解決可能とするリソグラフィ技術として、液浸露光(リキッドイマージョンリソグラフィ)法という方法が報告されている(例えば、特許文献2参照))。この方法は、露光時に、レンズと基板上のレジスト膜との間の少なくともレジスト膜上に所定厚さの純水またはフッ素系不活性液体等の液状高屈折率媒体(液浸露光用液体)を介在させるというものである。この方法では、従来は空気や窒素等の不活性ガスであった露光光路空間を屈折率(n)のより大きい液体、例えば純水等で置換することにより、同じ露光波長の光源を用いてもより短波長の光源を用いた場合や高NAレンズを用いた場合と同様に、高解像性が達成されると同時に焦点深度の低下もない。このような液浸露光を用いれば、現存の装置に実装されているレンズを用いて、低コストで、より高解像性に優れ、かつ焦点深度にも優れるレジストパターンの形成を実現できるため、大変注目されており、実用化が進められつつある。
しかしながら、前述の露光技術の延長も45nmhpまでが限界といわれており、更に微細な加工を必要とする32nmhp世代へ向けた技術開発が行なわれている。また、液浸露光に使用する装置(液浸露光装置)は極めて高額なものであるために、実際の半導体製造プロセスにおいては実用性に乏しいといった実情もある。
一方、デバイスの複雑化・高密度化要求に伴い、LWR(Linewide Roughness)を低減すべく、ダミーパターンの左右の壁面に形成した薄膜を、ダミーパターン除去後にゲート電極等として利用するパターン形成方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。非特許文献1で提案されたパターン形成方法においては、トランジスタのしきい電圧のバラツキを評価し、LWRを低減している。しかしながら、より微細なパターンを形成するために利用することは困難であるといった実情がある。
露光装置の光源波長の波長限界をこえる微細パターンの形成を可能にするための研究として、ポリメチルメタクリレートなどの電子線用レジストをパターン化し、該レジストパターン上にポジ型レジストを塗布した後、加熱処理して該レジストパターンとポジレジスト層との境界に反応層を設け、ポジ型レジストの非反応部分を除去することにより、レジストパターンを微細化する方法(特許文献3)、下層レジストパターンと上層レジストとの間に酸発生剤や酸による熱架橋を利用して反応層を形成させる方法(特許文献4)、上層レジスト塗布液として、感光性成分を含まず、水溶性樹脂や水溶性架橋剤、あるいはこれらの混合物を水溶性溶媒に溶解した微細パターン形成材料を用いて半導体装置を製造する方法(特許文献5)、基板上に化学増幅型レジストからなる感光層を設け、画像形成露光後、現像処理してレジストパターンを形成させ、このレジストパターン上に、ポリビニルアセタールのような水溶性樹脂やテトラ(ヒドロキシメチル)グリコールウリルのような水溶性架橋剤とアミンのような水溶性含窒素有機化合物と、場合によりフッ素およびケイ素含有界面活性剤とを含む塗膜形成剤を塗布した後、加熱処理してレジストパターンとレジストパターン微細化用塗膜との界面に水不溶性の反応層を形成させ、次いで純水により、レジストパターン微細化用塗膜の非反応部分を除去する方法(特許文献6)などが提案されている。
これらの方法は、感光性レジスト(下層レジスト)の波長限界をこえ、微細パターン形成材料(上層レジスト)によるパターンの微細化を簡単に行なうことができるという点で好ましいものであるが、レジストパターンの底部分の不必要な部分まで微細パターン形成材料の架橋を生じたり、裾ひき形状となったり、微細パターン形成材料の断面形状の垂直性が不良になったり、あるいは上層レジストパターンサイズが架橋を起こすための加熱であるミキシングベークによりパターン形状が左右されるなどの問題があり、まだ十分に満足しうるものとはいえない。また、これらのプロセスは10数nm/℃と熱依存性が高く、基板の大型化、パターンの微細化に際し、ウエーハ面内での温度を均一に保つことは困難であるため、得られたパターンの寸法制御性が低下するという問題がある。さらに、上記の水溶性樹脂を用いた微細パターン形成材料は、水への溶解性の制限からドライエッチングに対する耐性が低いという問題がある。半導体デバイスを作製するに際し、レジストパターンをマスクにドライエッチングにより基板上にパターンを転写するが、ドライエッチング耐性が低いとレジストパターンが基板上に精度良く転写できないという問題がある。
そのほか、基板上にフォトレジストパターンを形成した後、それに熱または放射線照射を施し、フォトレジストパターンを流動化させ、パターン寸法を解像限界よりも小さくする、いわゆる熱フロープロセスを発展させた方法として、基板上にフォトレジストパターンを形成した後、その上に水溶性樹脂膜を設け、フォトレジストの流動を制御する方法(特許文献7)が提案されているが、この方法で用いられるポリビニルアルコールのような水溶性樹脂は、水による除去時に必要とされる溶解性や経時安定性が不十分であり、残留分を生じるという欠点がある。
あるいは、フォトレジストを用いて形成されたレジストパターンを熱収縮させて、微細レジストパターンを形成する際に、レジストパターン上に被覆形成剤を設け、熱処理により、レジストパターンを熱収縮させ、水洗により除去し得るレジストパターン微細化用被覆形成剤、およびこのものを用いて効率よく微細レジストパターンを形成させる方法(特許文献8)が提案されているが、この方法ではレジストパターン微細化用被覆形成剤は水系であり、直径60nm以下のコンタクトホール等の微細なパターンへの被覆性が不十分であり、かつ水系であるため塗布時に専用のカップが必要になるためコストアップとなり、さらに、輸送などで低温となる場合、凍結・析出が生じるという問題がある。
シリコン原子含有アクリルモノマーを分子内に含む高分子として、特定のシリコン原子含有置換基を含む高分子化合物が知られている(例えば、特許文献9参照)。しかし、この高分子は、フェノール類に由来する水酸基を側鎖に有するモノマーとの共重合体について開示されていない。
特開平5−232704号公報 特開平10−303114号公報 特許第2723260号公報 特開平6−250379号公報 特開平10−73927号公報 特開2001−19860号公報 特開平7−45510号公報 特開2003−195527号公報 特開2001−278918号公報
International Electron Devices Meeting Technical Digest,pp.863−866,Dec.2005
本発明は、このような問題に対処するためになされたもので、レジストパターンを熱処理することにより微細パターンを形成するに際し、該レジストパターン上に塗布され、熱処理により、より微細なパターンを簡便かつ効率的に形成可能であるとともに、半導体の製造プロセスに適用することのできる、実用性の高いパターン形成方法、およびそれに用いられる樹脂組成物、ならびにこの樹脂組成物に用いることができる重合体の提供を目的にする。
本発明の微細パターン形成用樹脂組成物は、樹脂と、この樹脂を架橋させる架橋剤と、溶媒とを含み、基板上に形成されているレジストパターンを微細化するための微細パターン形成用樹脂組成物であって、上記樹脂が、フェノール類に由来する水酸基を側鎖に有する繰り返し単位(I)と、シリコン原子を含む基を側鎖に有する繰り返し単位(II)とを含むことを特徴とする。
また、上記繰り返し単位(I)が下記式(1)で表される繰り返し単位であることを特徴とする。
Figure 2011033679
式(1)において、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は単結合、メチレン基、炭素数2〜5の鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、−NH−基、−O−基、−COO−基、または−CONH−基を表し、R3はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の飽和鎖状炭化水素基、炭素数3〜8の単環式炭化水素基、または炭素数7〜10の多環式炭化水素基を表し、m=1〜2、n=0〜2を表す。
また、上記繰り返し単位(II)が下記式(2)で表される繰り返し単位であることを特徴とする。
Figure 2011033679
式(2)において、R1は水素原子またはメチル基を表し、Xはメチレン基、メチリデン基、炭素数2〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、炭素数3〜12の2価の脂環式炭化水素基、または−NH−基を表し、R4はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、または−O−Si−R’3基を表し、R’はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または炭素数1〜10のアルコキシル基を表す。
本発明の微細パターン形成用樹脂組成物を構成する樹脂は、上記繰り返し単位(I)および繰り返し単位(II)と共に、下記式(3)で表される繰り返し単位および下記式(4)で表される繰り返し単位から選ばれる少なくとも1つの繰り返し単位(III)を含むことを特徴とする。
Figure 2011033679
式(3)において、R1'は水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を表し、R5は単結合、メチレン基、炭素数2〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、炭素数4〜12の2価の脂環式炭化水素基、またはアルキレングリコールもしくはアルキレンエステルに由来する2価の基を表し、式(4)において、R6は水素原子、炭素数1〜8の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシル基、ベンジロキシル基、tert−ブトキシカルボニル基、またはtert−ブチルジメチルシロキシル基を表す。
また、上記繰り返し単位(II)は、樹脂成分全体に含まれる全繰り返し単位を100モル%としたときに、20〜80モル%含まれることを特徴とする。
本発明の微細パターン形成方法は、基板上にレジストパターンを形成するパターン形成工程と、このレジストパターン上に上記本発明の微細パターン形成用樹脂組成物を被覆する被覆工程と、この被膜工程後の基板を加熱処理する工程と、アルカリ水溶液により現像する工程と、エッチング処理する工程とを含むことを特徴とする。
本発明の重合体は、上記式(1)で表される繰り返し単位(I)と、上記式(2)で表される繰り返し単位(II)とを含み、ゲルパーミエーションクロマトグラフィにより測定される重量平均分子量が1,000〜500,000であることを特徴とする。
また、上記式(3)で表される繰り返し単位および上記式(4)で表される繰り返し単位から選ばれる少なくとも1つの繰り返し単位(III)を含むことを特徴とする。
本発明の微細パターン形成用樹脂組成物は、フェノール類に由来する水酸基を側鎖に有する繰り返し単位(I)と、分子内にシリコン原子を含む基を側鎖に有する繰り返し単位(II)とを含む樹脂成分を用いるので、より微細なレジストパターンを簡便かつ効率的に形成することができる。このため、本発明のパターン形成方法は実用性が高く、半導体の製造プロセスに適用することができる。
ホールパターンの断面形状 ホールパターンの断面形状
本発明者らは、熱処理によりレジストパターンを円滑に収縮させることができると共に、その後のアルカリ水溶液処理により容易に除去し得る樹脂組成物について、鋭意研究を重ねた結果、フェノール類に由来する水酸基を側鎖に有する繰り返し単位(I)と、分子内にシリコン原子を含む基を側鎖に有する繰り返し単位(II)とを含む樹脂成分を用い、架橋剤と、溶媒とを含有する樹脂組成物を用いることにより、効率よく微細パターンを形成しエッチングによりレジストパターンのみを除去し側壁パターンを得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
本発明の微細パターン形成用樹脂組成物は、樹脂と架橋剤と溶媒とからなる組成物である。
本発明で使用できる樹脂は、フェノール類に由来する水酸基を有する繰り返し単位(以下、繰り返し単位(I)とする)を含有する。フェノール類は水酸基が直接芳香族環に結合している化合物である。この繰り返し単位は、下記式(1)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
Figure 2011033679
式(1)において、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は単結合、メチレン基、炭素数2〜5の鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、−NH−基、−O−基、−COO−基、または−CONH−基を表し、R3はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の飽和鎖状炭化水素基、炭素数3〜8の単環式炭化水素基、または炭素数7〜10の多環式炭化水素基を表し、mは1〜2、nは0〜2の整数である。
炭素数2〜5の鎖状もしくは分岐状のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられる。
炭素数1〜6の飽和鎖状炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられ、炭素数3〜8の単環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基が挙げられ、炭素数7〜10の多環式炭化水素基としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル基、テトラシクロ[6.2.13,6.02,7]ドデカニル基、アダマンチル基が挙げられる。
その他繰り返し単位(I)を生成するフェノール性水酸基を有する単量体としては、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、α−メチル−p−ヒドロキシスチレン、α−メチル−m−ヒドロキシスチレン、α−メチル−o−ヒドロキシスチレン、2−アリルフェノール、4−アリルフェノール、2−アリル−6−メチルフェノール、2−アリル−6−メトキシフェノール、4−アリル−2−メトキシフェノール、4−アリル−2,6−ジメトキシフェノール、4−アリルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン等を例示することができ、これらの中で、p−ヒドロキシスチレンまたはα−メチル−p−ヒドロキシスチレンが好ましい。
繰り返し単位(I)は、フェノール類に由来する水酸基を有し、かつ重合性不飽和結合を有する単量体を重合することにより得られる。
また、繰り返し単位(I)は、樹脂成分全体に含まれる全繰り返し単位を100モル%としたときに、通常20〜80モル%、好ましくは30〜80モル%である。20モル%未満であると、後述する架橋剤との反応部位が少なすぎ、パターンの収縮を起こすことができず、80モル%をこえると現像時に膨潤を起こしパターンを埋めてしまうおそれがある。
また、共重合後に、フェノール性水酸基に変換できる官能基を有する単量体を共重合することもでき、例えば、p−アセトキシスチレン、α−メチル−p−アセトキシスチレン、p−ベンジロキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、p−tert−ブトキシカルボニロキシスチレン、p−tert−ブチルジメチルシロキシスチレン等が挙げられる。これらの官能基含有化合物を用いた場合には、得られた樹脂は、適当な処理、例えば塩酸等を用いた加水分解を行なうことにより、容易に上記官能基をフェノール性水酸基に変換することができる。これらのフェノール性水酸基に変換する前および変換後の単量体由来の繰り返し単位は、樹脂を構成する全繰り返し単位を100モル%としたとき、通常20〜80モル%である。
本発明に使用できる樹脂は、上記繰り返し単位(I)と、シリコン原子を含む基を側鎖に有する繰り返し単位(II)の両方とを含有する。繰り返し単位(II)としては、上記式(2)で表される繰り返し単位が好ましい。
式(2)において、R1は水素原子またはメチル基を表し、Xはメチレン基(−CH2−)、メチリデン基(−CH<)、炭素数2〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、炭素数3〜12の2価の脂環式炭化水素基、または−NH−基を表し、R4はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、または−O−Si−R’3基を表す。R’はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または炭素数1〜10のアルコキシル基を表す。
炭素数2〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基等が挙げられる。
炭素数3〜12の2価の脂環式炭化水素基としては、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基、アダマンチレン基、ノルボルニレン基等が挙げられる。
炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、 プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。
炭素数1〜10のアルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
上記式(2)で表される繰り返し単位の例としては、下記式(2−1)〜式(2−18)が挙げられ、この中でも式(2−4)、式(2−9)、式(2−10)、式(2−13)、式(2−16)が好ましい。なお、式(2−1)〜式(2−18)は、式(2)の(メタ)アクリル酸の末端酸素原子を含む側鎖基のみを表す。
Figure 2011033679
繰り返し単位(II)を生成する単量体は、例えば上記式(2)に対応する(メタ)アクリル酸誘導体が好ましく挙げられる。
繰り返し単位(II)は、樹脂を構成する全繰り返し単位を100モル%とするとき、通常20〜80モル%、好ましくは30〜70モル%である。20モル%未満では収縮寸法が増加せず、80モル%をこえると現像液に対する溶解性が悪くなる。
また、繰り返し単位(II)を含んで、シリコン原子の含有量は、樹脂を構成する全繰り返し単位を100モル%とするとき、2〜50モル%であることが好ましい。2モル%未満では、エッチング工程におけるエッチング耐性不足となり、50モル%をこえると組成物の現像液に対する溶解性が悪くなる。
本発明で使用できる樹脂は、上記繰り返し単位(I)および繰り返し単位(II)とともに、上記式(3)で表される繰り返し単位および上記式(4)で表される繰り返し単位から選ばれる少なくとも1つの繰り返し単位(III)を含むことができる。
上記式(3)中、R5で表される基の好適例としては、メチレン基、エチレン基、1,3−プロピレン基および1,2−プロピレン基等のプロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、1−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,2−プロピレン基、1−メチル−1,4−ブチレン基、2−メチル−1,4−ブチレン基、メチリデン基、エチリデン基、1−プロピリデン基、2−プロピリデン基等の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基;1,3−シクロブチレン基等のシクロブチレン基、1,3−シクロペンチレン基等のシクロペンチレン基、1,4−シクロヘキシレン基等のシクロヘキシレン基、1,5−シクロオクチレン基等のシクロオクチレン基等の炭素数4〜10のシクロアルキレン基等の単環式炭化水素基;1,4−ノルボルニレン基および2,5−ノルボルニレン基等のノルボルニレン基、1,5−アダマンチレン基および2,6−アダマンチレン基等のアダマンチレン基等の2〜4環式の炭素数4〜12の炭化水素環基等の架橋環式炭化水素基;エチレングリコール、プロピレングリコール等の炭素数1〜10のアルキレングリコールに由来する2価の基;エチレンエステル、プロピレンエステル等の炭素数1〜10のアルキレンエステルに由来する2価の基等を挙げることができる。なかでも、2,5−ノルボルニレン基を含む炭化水素基、エチレン基、プロピレン基が更に好ましい。
上記式(3)中のR5が、2価の脂環式炭化水素基である場合には、この2価の脂環式炭化水素基と、ビストリフルオロメチル−ヒドロキシメチル基(−C(CF32OH)との間に、炭素数1〜4のアルキレン基がスペーサーとして導入されていることが好ましい。
繰り返し単位(3)を生成する単量体(以下、「単量体(3)」ともいう)の好適例としては、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−3−プロピル)エステル、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ブチル)エステル、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−5−ペンチル)エステル、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ペンチル)エステル、(メタ)アクリル酸2−((5−(1',1',1'−トリフルオロ−2'−トリフルオロメチル−2'−ヒドロキシ)プロピル)ビシクロ[2.2.1]ヘプチル)エステル、(メタ)アクリル酸3−((8−(1',1',1'−トリフルオロ−2'−トリフルオロメチル−2'−ヒドロキシ)プロピル)テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデシル)エステル等を挙げることができる。なお、重合体には、繰り返し単位(3)が1種類のみ含まれていてもよく、2種類以上の繰り返し単位(3)が含まれていてもよい。
重合体に含まれる繰り返し単位(3)の割合は、全繰り返し単位100モル%中、0〜70モル%であることが好ましく、10〜50モル%であることが更に好ましい。
上記式(4)中、R6は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、または炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシル基、またはベンジロキシル基、tert−ブトキシカルボニル基もしくはtert−ブチルジメチルシロキシル基を示す。なお、上記式(4)中のR6は、tert−ブチル基、アセトキシ基、または1−エトキシエトキシ基が好ましく、tert−ブチル基が更に好ましい。また、繰り返し単位(4)を生成する単量体は、共重合後にフェノール性水酸基に変換可能な特定の官能基を有するスチレン誘導体であることが好ましい。このような特定の官能基を有するスチレン誘導体の具体例としては、p−アセトキシスチレン、α−メチル−p−アセトキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン等を挙げることができる。これらのスチレン誘導体は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、これらのスチレン誘導体を共重合させた後、例えば塩酸等を用いて加水分解すれば、特定の官能基をフェノール性水酸基へと容易に変換することができる。
重合体に含まれる繰り返し単位(4)の割合は、全繰り返し単位100モル%中、0〜65モル%であることが好ましく、10〜50モル%であることが更に好ましい。
本発明で使用できる樹脂は、他の繰り返し単位を含有することができる。他の繰り返し単位を生成できる単量体としては、アルコール性水酸基を含有する単量体、カルボン酸等の有機酸由来の水酸基を含有する単量体を挙げることができる。
アルコール性水酸基を含有する単量体としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、グリセロールモノメタクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを例示することができ、好ましくは、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートである。これらの単量体は単独でもしくは2種以上組み合わせて使用できる。
アルコール性水酸基を含有する単量体由来の繰り返し単位は、樹脂を構成する全繰り返し単位100モル%に対して、通常0〜40モル%、好ましくは5〜30モル%である。
カルボン酸等の有機酸由来の水酸基を含有する単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−サクシノロイルエチル(メタ)アクリレート、2−マレイノロイルエチル(メタ)アクリレート、2−ヘキサヒドロフタロイルエチル(メタ)アクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸ダイマー、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、t−ブトキシメタクリレート、t−ブチルアクリレートなどのモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸などのジカルボン酸などのカルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸誘導体などを例示することができ、これらの化合物は単独でもしくは2種以上組み合わせて使用できる。なお、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレートの市販品としては、例えば東亞合成(株)製アロニックスM−5300が、アクリル酸ダイマーの市販品としては、例えば同社製アロニックスM−5600が、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートの市販品としては、例えば同社製アロニックスM−5700がそれぞれ例示できる。
これらの中ではアクリル酸、メタクリル酸、2−ヘキサヒドロフタロイルエチルメタクリレートが好ましい。
カルボン酸由来の水酸基を含む単量体由来の繰り返し単位は、樹脂を構成する全繰り返し単位100モル%に対して、通常0〜60モル%、好ましくは、10〜50モル%である。
上記樹脂は、例えば、各単量体の混合物を、ヒドロパーオキシド類、ジアルキルパーオキシド類、ジアシルパーオキシド類、アゾ化合物等のラジカル重合開始剤を使用し、必要に応じて連鎖移動剤の存在下、適当な溶媒中で重合することにより製造することができる。
上記重合に使用される溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の飽和カルボン酸エステル類;γ−ブチロラクトン等のアルキルラクトン類;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル類;2−ブタノン、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン等のアルキルケトン類;シクロヘキサノン等のシクロアルキルケトン類;2−プロパノール、1−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類等を挙げられる。これらの溶媒は、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、上記重合における反応温度は、通常、40〜120℃、好ましくは50〜100℃であり、反応時間は、通常、1〜48時間、好ましくは1〜24時間である。
樹脂は、純度が高いことが好ましく、ハロゲン、金属等の不純物の含有量が少ないだけでなく、残留する単量体やオリゴマー成分が既定値以下、例えばHPLCによる分析で0.1質量%以下等であることが好ましい。これによって、樹脂を含有する本発明の微細パターン形成用樹脂組成物としてのプロセス安定性、パターン形状等をさらに改善することができるだけでなく、液中異物や感度等の経時変化がない微細パターン形成用樹脂組成物を提供することができる。
上記のような方法で得られた樹脂の精製方法として、以下の方法が挙げられる。金属等の不純物を除去する方法としては、ゼータ電位フィルターを用いて重合溶液中の金属を吸着させる方法、蓚酸、スルホン酸等の酸性水溶液で重合溶液を洗浄することで金属をキレート状態にして除去する方法等が挙げられる。また、残留する単量体やオリゴマー成分を規定値以下に除去する方法としては、水洗や適切な溶媒を組み合わせることにより残留する単量体やオリゴマー成分を除去する液々抽出法、特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限外濾過等の溶液状態での精製方法、重合溶液を貧溶媒へ滴下することで樹脂を貧溶媒中に凝固させることにより残留する単量体等を除去する再沈澱法、濾別した樹脂スラリー貧溶媒で洗浄する等の固体状態での精製方法等が挙げられる。また、これらの方法を組み合わせてもよい。
このようにして得られる樹脂の重量平均分子量Mwはゲルパーミエーションクロマト法ポリスチレン換算で通常1,000〜500,000、好ましくは1,000〜50,000、特に好ましくは1,000〜20,000である。分子量が大きすぎると、熱硬化後に現像液で除去することができなくなるおそれがあり、小さすぎると塗布後に均一な塗膜を形成できないおそれがある。
本発明の微細パターン形成用樹脂組成物において、上記樹脂を架橋させる架橋剤としては、下記式(5)で表される2つ以上の環状エーテルを有する化合物(以下、「架橋成分I」という)を含有することが好ましい。
Figure 2011033679
式(5)において、AおよびDは相互に独立に、単結合、メチレン基、炭素数2〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、または、炭素数3〜20の2価の環状炭化水素基を表し、Eは炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜20の1価の環状炭化水素基を表し、pは2〜4の整数、qは0または1を表す。
式(5)におけるAおよびDで表される炭素数2〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基としては、エチレン基、1,3−プロピレン基もしくは1,2−プロピレン基などのプロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等が挙げられる。
また、炭素数3〜20の2価の環状炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘチル基、シクロオクチル基、1,4−ノルボルニレン基もしくは2,5−ノルボルニレン基などのノルボルニレン基、1,5−アダマンチレン基、2,6−アダマンチレン基などのアダマンチレン基等が挙げられる。
式(5)におけるEで表される炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基、イソプロピル基、イソブチル基等が挙げられる。
mは2〜4の整数、好ましくは2であり、nは0または1、好ましくは1である。
好ましい架橋成分Iとしては、1,2−ベンゼンジカルボン酸ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]エステル、1,4−ベンゼンジカルボン酸ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]エステル、イソフタル酸ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]エステルが好ましい。
上述した架橋成分Iは、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明に用いられる架橋剤は、上記架橋成分Iに、下記式(6)で表される基を有する化合物(以下、「架橋成分II」という)を含むことができる。
Figure 2011033679
式(6)において、R7およびR8は、水素原子、または下記式(7)で表される基を表し、R7およびR8の少なくとも1つは下記式(7)で表される基である。
Figure 2011033679
式(7)におけるR9およびR10は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシアルキル基、または、R9とR10とが互いに連結した炭素数2〜10の環を表し、R11は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
式(6)で表される化合物(架橋成分II)は、分子内に官能基としてイミノ基、メチロール基およびメトキシメチル基等を有する化合物であり、(ポリ)メチロール化メラミン、(ポリ)メチロール化グリコールウリル、(ポリ)メチロール化ベンゾグアナミン、(ポリ)メチロール化ウレアなどの活性メチロール基の全部または一部をアルキルエーテル化した含窒素化合物を挙げることができる。ここで、アルキル基としてはメチル基、エチル基、ブチル基、またはこれらを混合したものを挙げることができ、一部自己縮合してなるオリゴマー成分を含有していてもよい。具体的にはヘキサメトキシメチル化メラミン、ヘキサブトキシメチル化メラミン、テトラメトキシメチル化グリコールウリル、テトラブトキシメチル化グリコールウリルなどを例示できる。
市販されている化合物としては、サイメル300、同301、同303、同350、同232、同235、同236、同238、同266、同267、同285、同1123、同1123−10、同1170、同370、同771、同272、同1172、同325、同327、同703、同712、同254、同253、同212、同1128、同701、同202、同207(以上、日本サイテック社製)、ニカラックE−6401、ニカラックMW−30M、同30、同22、同24X、ニカラックMS−21、同11、同001、ニカラックMX−002、同730、同750、同708、同706、同042、同035、同45、同410、同302、同202、ニカラックSM−651、同652、同653、同551、同451、ニカラックSB−401、同355、同303、同301、同255、同203、同201、ニカラックBX−4000、同37、同55H、ニカラックBL−60(以上、三和ケミカル社製)などを挙げることができる。好ましくは、式6におけるR7、R8のどちらか1つが水素原子であり、すなわち、イミノ基を含有する架橋成分であるサイメル325、同327、同703、同712、同254、同253、同212、同1128、同701、同202、同207が好ましい。
上記架橋剤は上述した樹脂および/または架橋剤が相互に酸および熱の作用により反応する架橋剤(硬化成分)として作用するものである。
本発明における架橋剤の配合量は、樹脂100質量部に対して、1〜100質量部、好ましくは5〜70質量部である。配合量が1質量部未満では硬化が不十分になり、パターンの収縮が起こらないおそれがあり、100質量部をこえると硬化が進みすぎ、パターンが埋まってしまうおそれがある。また、全架橋成分のうち架橋成分Iが1〜100質量部、好ましくは5〜90質量部である。
また、樹脂および架橋剤の合計量は、後述するアルコール溶媒を含めた樹脂組成物全体に対して、0.1〜30質量%、好ましくは1〜20質量%である。水酸基を有する樹脂および架橋剤の合計量が、0.1質量%未満では塗膜が薄くなりすぎパターンエッチ部に膜切れを起こすおそれがあり、30質量%をこえると粘度が高くなりすぎ微細なパターンへ埋め込むことができないおそれがある。
本発明に使用できる溶媒はアルコール溶媒が好ましく、特にアルコール溶媒は、樹脂および架橋剤を十分に溶解し、かつフォトレジスト膜上に塗布するに際し、フォトレジスト膜とインターミキシングを起こさない溶媒であれば使用できる。
そのような溶媒としては、炭素数1〜8の1価アルコールであることが好ましい。例えば、1−プロパノール、イソプロバノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、2−メチル−2−ヘプタノール、2−メチル−3−ヘプタノールなどが挙げられ、1−ブタノール、2−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノールが好ましい。これらのアルコール溶媒は、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、アルコール溶媒は、全溶媒に対して10質量%以下、好ましくは1質量%以下の水を含むことができる。10質量%をこえると樹脂の溶解性が低下する。より好ましくは、水を含有しない無水アルコール溶媒である。
本発明の微細パターン形成用樹脂組成物は、フォトレジスト膜上に塗布するに際し、塗布性を調整する目的で、他の溶媒を混合することもできる。他の溶媒は、フォトレジスト膜を浸食せずに、かつ微細パターン形成用樹脂組成物を均一に塗布する作用がある。
他の溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類;エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジアセトンアルコールなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、水が挙げられる。これらのうち、環状エーテル類、多価アルコールのアルキルエーテル類、多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類、ケトン類、エステル類、水が好ましい。
上記、他の溶媒の配合割合は、全溶媒中の30質量%以下であり、好ましくは20質量%以下である。30質量%をこえると、フォトレジスト膜を浸食し、微細パターン形成用樹脂組成物との間にインターミキシングを起こすなどの不具合を発生し、レジストパターンを埋めてしまうおそれがある。なお、水が混合される場合、10質量%以下である。
本発明の微細パターン形成用樹脂組成物には、塗布性、消泡性、レベリング性などを向上させる目的で界面活性剤を配合することもできる。
そのような界面活性剤としては、例えばBM−1000、BM−1100(以上、BMケミー社製)、メガファックF142D、同F172、同F173、同F183(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145(以上、旭硝子(株)製)、SH−28PA、同−190、同−193、SZ−6032、SF−8428(以上、東レダウコーニングシリコーン(株)製)などの商品名で市販されているフッ素系界面活性剤を使用することができる。
これらの界面活性剤の配合量は、水酸基を有する樹脂100質量部に対して好ましくは5質量%以下である。
上記微細パターン形成用樹脂組成物を用いて、次の方法で微細パターンが形成される。
(1)レジストパターンの形成
スピンコートなどの従来公知の方法により8インチあるいは12インチのシリコンウエハ基板上に反射防止膜(有機膜あるいは無機膜)を形成する。次いで、スピンコートなどの従来公知の方法によりフォトレジストを塗布し、例えば、80℃〜140℃程度、60〜120秒程度の条件でプリベーク(PB)を行なう。その後、g線、i線などの紫外線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、X線、電子線などで露光をし、例えば、80℃〜140℃程度の条件でポストイクスポージャーベーク(PEB)を行なった後、現像し、レジストパターンを形成する。
(2)微細パターンの形成
上記レジストパターンが形成された基板に、スピンコートなどの従来公知の方法により上記本発明の微細パターン形成用樹脂組成物を塗布する。スピンコートのみで溶剤が揮散し被覆膜を形成する場合がある。また、必要に応じて、例えば、80℃〜110℃程度、60〜120秒程度のプリベーク(PB)し、微細パターン形成用樹脂組成物の被覆膜を形成する。
次いで、このレジストパターンを微細パターン形成用樹脂組成物により被覆した基板を熱処理する。熱処理により、フォトレジスト由来の酸がフォトレジストとの界面から微細パターン形成用樹脂組成物層中に拡散し、微細パターン形成用樹脂組成物は架橋反応を起こす。フォトレジスト界面からの架橋反応状態は、微細パターン形成用樹脂組成物の材料、使用されるフォトレジスト、ベーク処理温度およびベーク処理時間により決定される。熱処理温度および熱処理時間は、通常90℃〜160℃程度の温度で、60〜120秒程度で行なわれる。
次いで、微細パターン形成用樹脂組成物の被覆膜を、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)などのアルカリ水溶液などにより現像処理(例えば、60〜120秒程度)して、未架橋の微細パターン形成用樹脂組成物の被覆膜を溶解させて除去する。最後に水で洗浄処理することにより、ホールパターンや楕円パターン、トレンチパターンなどを微細化することができる。
(3)エッチング処理によるレジストパターンの除去
レジストパターンの側壁として形成された微細パターン形成用樹脂組成物に対してエッチング処理を施すことにより、レジストパターンを先行して除去し、側壁の微細パターン形成用樹脂組成物を残存させることにより、微細な回路パターンを転写する。
以下に本発明をその実施例をもって説明するが、本発明の態様はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。以下、各実施例および比較例に用いた樹脂の合成例等について説明する。
実施例1
Figure 2011033679
p−ヒドロキシメタクリルアニリド(m−1)41.64g、上記単量体(m−2)を58.36g、アゾビスイソブチロニトリル8.49gをイソプロパノール(IPA)300gに溶解し、還流条件(82℃)にて6時間重合反応を行なった。反応容器を流水にて冷却した後、重合溶液に対して酢酸エチル200g、IPA140g、メタノール140gを加えて均一化し、そこに水を600g加えて1時間静置した。下層に沈降した粘性のポリマーを回収し50℃の温度にて真空乾燥した。Mw14,000、Mw/Mn2.45で、[単量体(m−1)由来の繰り返し単位/単量体(m−2)由来の繰り返し単位]=45.4/54.6(モル%)、Si含有率5.6(モル%)からなる重合体を得た。この重合体を樹脂P−1とする。なお、[単量体(m−1)由来の繰り返し単位/単量体(m−2)由来の繰り返し単位]は、13C NMRの測定結果より算出し、Si含有率は、Siを含有する単量体中のSiの含有モル率を化学式から算出し、その値をもとに樹脂中における実組成のモル量から換算した値とした。以降、重合体における各単量体由来の繰り返し単位の含有率およびSi含有率は実施例1と同様に算出したものとする。
樹脂P−1のMwおよびMnの測定は、東ソー(株)社製GPCカラム(G2000HXL2本、G3000HXL1本、G4000HXL1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶剤テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。
実施例2
Figure 2011033679
p−ヒドロキシメタクリルアニリド(m−1)57.39g、上記単量体(m−3)42.61g、アゾビスイソブチロニトリル7.09gをイソプロパノール(IPA)300gに溶解し、還流条件(82℃)にて6時間重合反応を行なった。反応容器を流水にて冷却した後、重合溶液に対して酢酸エチル200g、IPA140g、メタノール140gを加えて均一化し、そこに水を600g加えて1時間静置した。下層に沈降した粘性のポリマーを回収し50℃の温度にて真空乾燥した。実施例1と同様にしてMwおよびMn等を測定した結果、Mw8,300、Mw/Mn1.36、[単量体(m−1)由来の繰り返し単位/単量体(m−3)由来の繰り返し単位]=75.4/24.6(モル%)、Si含有率7.1モル%からなる重合体を得た。この重合体を樹脂P−2とする。
実施例3
Figure 2011033679
p−ヒドロキシメタクリルアニリド(m−1)62.38g、上記単量体(m−4)37.62g、アゾビスイソブチロニトリル7.71gをイソプロパノール(IPA)300gに溶解し、還流条件(82℃)にて6時間重合反応を行なった。反応容器を流水にて冷却した後、重合溶液に対して酢酸エチル200g、IPA140g、メタノール140gを加えて均一化し、そこに水を600g加えて1時間静置した。下層に沈降した粘性のポリマーを回収し50℃の温度にて真空乾燥した。実施例1と同様にしてMwおよびMn等を測定した結果、Mw8,500、Mw/Mn1.40、[単量体(m−1)由来の繰り返し単位/単量体(m−4)由来の繰り返し単位]=74.4/25.6(モル%)、Si含有率6.7モル%からなる重合体を得た。この重合体を樹脂P−3とする。
実施例4
Figure 2011033679
p−ヒドロキシメタクリルアニリド(m−1)38.22g、上記単量体(m−3)38.70g、上記単量体(m−5)23.07g、アゾビスイソブチロニトリル6.44gをイソプロパノール(IPA)300gに溶解し、還流条件(82℃)にて6時間重合反応を行なった。反応容器を流水にて冷却した後、重合溶液に対して酢酸エチル200g、IPA140g、メタノール140gを加えて均一化し、そこに水を600g加えて1時間静置した。下層に沈降した粘性のポリマーを回収し50℃の温度にて真空乾燥した。実施例1と同様にしてMwおよびMn等を測定した結果、Mw8,600、Mw/Mn1.45、[単量体(m−1)由来の繰り返し単位/単量体(m−3)由来の繰り返し単位/単量体(m−5)由来の繰り返し単位]=54.3/25.6/20.1(モル%)、Si含有率5.7モル%からなる重合体を得た。この重合体を樹脂P−4とする。
実施例5
Figure 2011033679
p−ヒドロキシメタクリルアニリド(m−1)49.75g、上記単量体(m−3)42.63g、上記単量体(m−6)7.61g、アゾビスイソブチロニトリル7.09gをイソプロパノール(IPA)300gに溶解し、還流条件(82℃)にて6時間重合反応を行なった。反応容器を流水にて冷却した後、重合溶液に対して酢酸エチル200g、IPA140g、メタノール140gを加えて均一化し、そこに水を600g加えて1時間静置した。下層に沈降した粘性のポリマーを回収し50℃の温度にて真空乾燥した。実施例1と同様にしてMwおよびMn等を測定した結果、Mw8,000、Mw/Mn1.42、[単量体(m−1)由来の繰り返し単位/単量体(m−3)由来の繰り返し単位/単量体(m−6)由来の繰り返し単位]=64.5/25.0/10.5(モル%)、Si含有率7.1モル%からなる重合体を得た。この重合体を樹脂P−5とする。
比較例1
Figure 2011033679
p−ヒドロキシメタクリルアニリド(m−1)50.13g、上記単量体(m−6)49.87g、アゾビスイソブチロニトリル10.22gをイソプロパノール(IPA)300gに溶解し、還流条件(82℃)にて6時間重合反応を行なった。反応容器を流水にて冷却した後、重合溶液に対して酢酸エチル200g、IPA140g、メタノール140gを加えて均一化し、そこに水を600g加えて1時間静置した。下層に沈降した粘性のポリマーを回収し50℃の温度にて真空乾燥した。実施例1と同様にしてMwおよびMn等を測定した結果、Mw6,700、Mw/Mn1.56、[単量体(m−1)由来の繰り返し単位/単量体(m−6)由来の繰り返し単位]=50.5/49.5(モル%)からなる重合体を得た。この重合体を樹脂P−6とする。
実施例6〜実施例15および比較例2
表1に示す割合で、樹脂、架橋剤、アルコール溶媒およびその他添加剤を加え、3時間攪拌したのち、孔径0.03μmのフィルターを使用して濾過して、微細パターン形成用樹脂組成物を得た。
各実施例および比較例に用いた架橋剤およびアルコール溶媒を以下に示す。
架橋剤
C−1:1,3−ベンゼンジカルボン酸ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]エステル
C−2:ニカラックE−6401[メラミン樹脂](日本カーバイド社製、商品名)
アルコール溶媒
S−1:1−ブタノール
S−2:4−メチル−2−ペンタノール
得られた微細パターン形成用樹脂組成物を評価するために、レジストパターン付きの評価用基板を以下の方法で作製した。
8インチシリコンウェハ上に下層反射防止膜ARC29A(ブルワーサイエンス社製)をCLEAN TRACK ACT8(東京エレクトロン(株))でスピンコートにより膜厚77nm(PB205℃、60秒)で塗膜を形成した後、JSR ArF AR2676J(JSR株式会社製、脂環族系感放射線性樹脂組成物)のパターニングを実施する。AR2676Jは、同CLEAN TRACK ACT8にてスピンコート、PB(115℃、60秒)、冷却(23℃、30秒)により膜厚150nmの塗布膜を形成し、ArF投影露光装置S306C(ニコン(株))で、NA:0.78、シグマ:0.85、Quadrupoleの光学条件にて露光(露光量30mJ/cm2)を行ない、同CLEAN TRACK ACT8ホットプレートにてPEB(115℃、60秒)、冷却(23℃、30秒)後、現像カップのLDノズルにて2.38質量%TMAH水溶液を現像液としてパドル現像(60秒間)、超純水にてリンス、次いで4000rpmで15秒間振り切りによりスピンドライし、評価用基板を得た。この工程で得られた基板を評価用基板Aとする。同一条件で作製した評価用基板Aを複数枚準備した。
得られた評価用基板を走査型電子顕微鏡(日立計測器(株)製S−9380)で90nm径ホールパターン、90nmスペースのマスクパターン(バイアス+30nm/マスク上は120nm径パターン/60nmスペース)に該当するパターンを観察し、レジストパターンのホール径を測定した。
レジストパターン付き評価基板を表1記載の実施例において、微細パターン形成用樹脂組成物を以下の方法で評価した。各評価結果をそれぞれ表2に示す。
(1)収縮寸法およびベーク温度依存性の評価
上記評価用基板A上に、表1記載の微細パターン形成用樹脂組成物をCLEAN TRACK ACT8にてスピンコートにて膜厚150nmで塗布した後、レジストパターンと微細パターン形成用樹脂組成物を反応させるため、表1記載の収縮評価ベーク条件でベークを行なった。ついで同CLEAN TRACK ACT8で23℃、30秒の冷却プレートで冷却後、現像カップでLDノズルにて2.38質量%TMAH水溶液を現像液としてパドル現像(60秒間)、超純水にてリンス、次いで4000rpmで15秒間振り切りによりスピンドライした。この工程で得られた基板を評価用基板Bとする。パターン寸法の収縮測定は、走査型電子顕微鏡(日立計測器(株)製S−9380)で約60〜90nm径ホールパターン、90〜120nmスペースのマスクパターン(バイアス+30nm/マスク上は120nm径パターン/60nmスペース)に該当するパターンを観察し、パターンのホール径を測定した。
収縮寸法(nm)=φ1−φ2
φ1:評価用基板Aのレジストパターンホール径(nm)
φ2:評価用基板Bのレジストパターンホール径(nm)
収縮の判定として、収縮が確認され、収縮寸法が10nm以上のときを「〇」、収縮が確認されないもしくはパターンがつぶれてしまっているとき、もしくは収縮寸法が10nm未満のものを「×」とした。
(2)不溶物の確認評価
評価用基板Bを走査型電子顕微鏡(日立計測器(株)製S−4800)で60〜90m径ホールパターン、90〜120nmスペースのマスクパターン(バイアス+30nm/マスク上は120nm径パターン/60nmスペース)に該当するパターンの断面を観察し、開口部底部に不溶物がないとき「〇」、不溶物が観察されたとき「×」とした。
(3)パターン収縮後形状評価
評価用基板Aにおいて、走査型電子顕微鏡(日立計測器(株)製S−4800)で60〜90nm径ホールパターン、90〜120nmスペースのマスクパターン(バイアス+30nm/マスク上は120nmパターン/60nmスペース)に該当し、かつ同位置に存在するパターンの断面をそれぞれ観察する。断面形状を図1および図2に示す。基板1に対するホールパターン2の側壁2aの角度がパターン収縮前の角度θ(図1(a))とパターン収縮後の角度θ'(図1(b))で3度以下の差であること(図1参照)、かつ評価用基板A(図2(a))におけるレジストの膜厚tを100として、基板1からレジストの膜厚t−t'が80をこえる部分でのみ評価用基板B上のパターンに劣化部分t'が認められるものを良好とし(図2(b))、その他は不良とした(図2参照)。
Figure 2011033679
Figure 2011033679
本発明の微細パターン形成用樹脂組成物は、レジストパターンのパターン間隙を実効的に、精度よく微細化することができ、波長限界をこえるパターンを良好かつ経済的に形成できるので、今後ますます微細化が進行するとみられる集積回路素子の製造に代表される微細加工の分野で極めて好適に使用することができる。
1 基板
2 ホールパターン

Claims (8)

  1. 樹脂と、この樹脂を架橋させる架橋剤と、溶媒とを含み、基板上に形成されているレジストパターンを微細化するための微細パターン形成用樹脂組成物であって、
    前記樹脂が、フェノール類に由来する水酸基を側鎖に有する繰り返し単位(I)と、シリコン原子を含む基を側鎖に有する繰り返し単位(II)とを含むことを特徴とする微細パターン形成用樹脂組成物。
  2. 前記繰り返し単位(I)が下記式(1)で表される繰り返し単位であることを特徴とする請求項1に記載の微細パターン形成用樹脂組成物。
    Figure 2011033679
    (式(1)において、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は単結合、メチレン基、炭素数2〜5の鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、−NH−基、−O−基、−COO−基、または−CONH−基を表し、R3はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の飽和鎖状炭化水素基、炭素数3〜8の単環式炭化水素基、または炭素数7〜10の多環式炭化水素基を表し、m=1〜2、n=0〜2を表す。)
  3. 前記繰り返し単位(II)が下記式(2)で表される繰り返し単位であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の微細パターン形成用樹脂組成物。
    Figure 2011033679
    (式(2)において、R1は水素原子またはメチル基を表し、Xはメチレン基、メチリデン基、炭素数2〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、炭素数3〜12の2価の脂環式炭化水素基、または−NH−基を表し、R4はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、または−O−Si−R’3基を表し、R’はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または炭素数1〜10のアルコキシル基を表す。)
  4. 前記樹脂は、下記式(3)で表される繰り返し単位および下記式(4)で表される繰り返し単位から選ばれる少なくとも1つの繰り返し単位(III)を含むことを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の微細パターン形成用樹脂組成物。
    Figure 2011033679
    (式(3)において、R1'は水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を表し、R5は単結合、メチレン基、炭素数2〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、炭素数4〜12の2価の脂環式炭化水素基、またはアルキレングリコールもしくはアルキレンエステルに由来する2価の基を表し、
    式(4)において、R6は水素原子、炭素数1〜8の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシル基、ベンジロキシル基、tert−ブトキシカルボニル基、またはtert−ブチルジメチルシロキシル基を表す。)
  5. 前記繰り返し単位(II)は、樹脂を構成する全繰り返し単位を100モル%としたときに、20〜80モル%含まれることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の微細パターン形成用樹脂組成物。
  6. 基板上にレジストパターンを形成するパターン形成工程と、このレジストパターン上に請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の微細パターン形成用樹脂組成物を被覆する被覆工程と、前記被膜工程後の基板を加熱処理する工程と、アルカリ水溶液により現像する工程と、エッチング処理する工程とを含む微細パターン形成方法。
  7. 下記式(1)で表される繰り返し単位(I)と、下記式(2)で表される繰り返し単位(II)とを含み、ゲルパーミエーションクロマトグラフィにより測定される重量平均分子量が1,000〜500,000である重合体。
    Figure 2011033679
    (式(1)および式(2)において、R1は水素原子またはメチル基を表し、
    式(1)において、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は単結合、メチレン基、炭素数2〜5の鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、−NH−基、−O−基、−COO−基、または−CONH−基を表し、R3はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の飽和鎖状炭化水素基、炭素数3〜8の単環式炭化水素基、または炭素数7〜10の多環式炭化水素基を表し、m=1〜2、n=0〜2を表し、
    式(2)において、Xはメチレン基、メチリデン基、炭素数2〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、炭素数3〜12の2価の脂環式炭化水素基、または−NH−基を表し、R4はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、または−O−Si−R’3基を表し、R’はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または炭素数1〜10のアルコキシル基を表す。)
  8. 下記式(3)で表される繰り返し単位および下記式(4)で表される繰り返し単位から選ばれる少なくとも1つの繰り返し単位(III)を含むことを特徴とする請求項7記載の重合体。
    Figure 2011033679
    (式(3)において、R1'は水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を表し、R5は単結合、メチレン基、炭素数2〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、炭素数4〜12の2価の脂環式炭化水素基、またはアルキレングリコールもしくはアルキレンエステルに由来する2価の基を表し、
    式(4)において、R6は水素原子、炭素数1〜8の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシル基、ベンジロキシル基、tert−ブトキシカルボニル基、またはtert−ブチルジメチルシロキシル基を表す。)
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