JP2005049810A - フォトレジスト下層膜形成材料およびパターン形成方法 - Google Patents

フォトレジスト下層膜形成材料およびパターン形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 珪素含有2層レジストプロセス用下層膜として、優れた反射防止膜として機能し、248nm、193nm、157nmの全ての波長に対応し、ポリヒドロキシスチレン、クレゾールノボラック、ナフトールノボラックなどよりも最適なn値、k値を有し、しかも基板加工におけるエッチング耐性が優れた下層膜形成材料、及びパターン形成方法を提供する。
【解決手段】 下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含んでなるポリマーを含有する、フォトレジスト層の下層膜を形成するためのフォトレジスト下層膜形成材料を提供する。
【化1】
Figure 2005049810

【選択図】 なし

Description

本発明は、半導体素子などの製造工程における微細加工に用いられる反射防止膜材料として有効な下層膜形成材料及びこれを用いた遠紫外線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光(193nm)、F2レーザー光(157nm)、Kr2レーザー光(146nm)、Ar2レーザー光(126nm)露光に好適なレジストパターン形成方法に関するものである。
近年、LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターンルールの微細化が求められている中、現在汎用技術として用いられている光露光を用いたリソグラフィーにおいては、光源の波長に由来する本質的な解像度の限界に近づきつつある。
レジストパターン形成の際に使用するリソグラフィー用の光源として、水銀灯のg線(436nm)もしくはi線(365nm)を光源とする光露光が広く用いられており、更なる微細化のための手段として、露光光を短波長化する方法が有効とされてきた。このため、64MビットDRAM加工方法の量産プロセスには、露光光源としてi線(365nm)に代わって短波長のKrFエキシマレーザー(248nm)が利用された。しかし、更に微細な加工技術(加工寸法が0.13μm以下)を必要とする集積度1G以上のDRAMの製造には、より短波長の光源が必要とされ、特にArFエキシマレーザー(193nm)を用いたリソグラフィーが検討されてきている。
一方、従来、段差基板上に高アスペクト比のパターンを形成するには2層レジスト法が優れていることが知られており、更に、2層レジスト膜を一般的なアルカリ現像液で現像するためには、ヒドロキシ基やカルボキシル基等の親水基を有する高分子シリコーン化合物が必要である。
シリコーン系化学増幅ポジ型レジスト材料としては、安定なアルカリ可溶性シリコーンポリマーであるポリヒドロキシベンジルシルセスキオキサンのフェノール性水酸基の一部をt−Boc基(t−ブトキシカルボニル基)で保護したものをベース樹脂として使用し、これと酸発生剤とを組み合わせたKrFエキシマレーザー用シリコーン系化学増幅ポジ型レジスト材料が提案された(特許文献1、非特許文献1等)。また、ArFエキシマレーザー用としては、シクロヘキシルカルボン酸を酸不安定基で置換したタイプのシルセスキオキサンをベースにしたポジ型レジストが提案されている(特許文献2〜3、非特許文献2)。更に、F2レーザー用としては、ヘキサフルオロイソプロパノールを溶解性基として持つシルセスキオキサンをベースにしたポジ型レジストが提案されている(特許文献4)。上記ポリマーは、トリアルコキシシシラン、又はトリハロゲン化シランの縮重合によるラダー骨格を含むポリシルセスキオキサンを主鎖に含むものである。
珪素が側鎖にペンダントされたレジスト用ベースポリマーとしては、珪素含有(メタ)アクリルエステル系ポリマーが提案されている(特許文献5、非特許文献3)。
2層レジスト法の下層膜としては、酸素ガスによるエッチングが可能な炭化水素化合物であり、更にその下の基板をエッチングする場合におけるマスクになるため、高いエッチング耐性を有することが必要である。酸素ガスエッチングにおいては、珪素原子を含まない炭化水素のみで構成される必要がある。また、上層の珪素含有レジストの線幅制御性を向上させ、定在波によるパターン側壁の凹凸とパターンの崩壊を低減させるためには、反射防止膜としての機能も有し、具体的には下層膜からレジスト膜内への反射率を1%以下に抑える必要がある。
ここで、単層レジストプロセス用の下地反射防止膜は、その下がポリシリコンやアルミニウムなどの高反射基板の場合では、最適な屈折率(n値)、吸光係数(k値)の材料を適切な膜厚に設定することによって、基板からの反射を1%以下に低減でき、極めて大きな効果を発揮することができる。例えば、波長193nmにおいて、レジストの屈折率が1.7として、下層反射防止膜の屈折率(屈折率の実数部)n=1.5、消光係数(屈折率の虚数部)k=0.5、膜厚42nmであれば、反射率が0.5%以下になる(図2参照)。しかし、下地に段差がある場合は、段差上で反射防止膜の膜厚が大きく変動する。下地の反射防止効果は、光の吸収だけでなく、最適な膜厚を設定することによる干渉効果も利用しているため、干渉効果が強い40〜45nmの第一底辺はそれだけ反射防止効果も高いが、膜厚の変動によって大きく反射率が変動する。反射防止膜材料に用いるベース樹脂の分子量を上げて段差上での膜厚変動を抑えコンフォーマル性を高めた材料が提案されているが(特許文献6)、ベース樹脂の分子量が高くなると、スピンコート後にピンホールが発生し易くなる問題や、濾過できなくなるといった問題、経時的に粘度変動が生じ膜厚が変化するといった問題、ノズルの先端に結晶物が析出するといった問題が生じ、また、コンフォーマル性が発揮できるのは比較的高さの低い段差に限定される。
次に、膜厚変動による反射率の変動が比較的小さい第3底辺以上の膜厚(170nm以上)を採用する方法においては、k値が0.2〜0.3の間で膜厚が170nm以上であれば膜厚の変化に対する反射率の変動が小さく、しかも反射率を1.5%以下に抑えることができる。しかしながら、上層レジストのエッチング負荷を考えると、反射防止膜の厚膜化は限界があり、せいぜい100nm以下の第2底辺程度の厚膜化が限界である。
反射防止膜の下地が酸化膜や窒化膜などの透明膜で、更にその透明膜の下に段差がある場合、透明膜の表面がCMPなどで平坦化されていたとしても、透明膜の膜厚が変動する。この場合、その上の反射防止膜の膜厚は一定にすることは可能であるが、反射防止膜の下地透明膜の膜厚が変動すると最低反射膜の厚みが透明膜の膜厚分だけずれることになる。反射防止膜の膜厚を、下地が反射膜の時の最低反射膜厚に設定しても、透明膜の膜厚変動によって反射率が高くなる場合がある。
反射防止膜の材料は、無機系と有機系に大別できる。無機系はSiON膜が挙げられる。これは、シランとアンモニアの混合ガスによるCVDなどで形成され、レジストに対するエッチング選択比が大きいため、レジストへのエッチングの負荷が小さい利点があるが、剥離が困難なため、適用できる場合に制限がある。窒素原子を含む塩基性基板であるため、ポジレジストではフッティング、ネガレジストではアンダーカットプロファイルになり易いという欠点もある。
有機系はスピンコート可能でCVDやスパッタリングなどの特別な装置を必要としない点、レジストと同時に剥離可能な点、裾引き等の発生がなく、形状が素直で、レジストとの接着性も良好である点が利点であり、多くの有機材料をベースとした反射防止膜が提案された。例えば、特許文献7に記載のジフェニルアミン誘導体とホルムアルデヒド変性メラミン樹脂との縮合体、アルカリ可溶性樹脂と吸光剤とからなるものや、特許文献8に記載の無水マレイン酸共重合体とジアミン型吸光剤の反応物、特許文献9に記載の樹脂バインダーとメチロールメラミン系熱架橋剤を含有するもの、特許文献10に記載のカルボン酸基とエポキシ基と吸光基を同一分子内に有するアクリル樹脂ベース型、特許文献11に記載のメチロールメラミンとベンゾフェノン系吸光剤からなるもの、特許文献12に記載のポリビニルアルコール樹脂に低分子吸光剤を添加したもの等が挙げられる。これらのすべては、バインダーポリマーに吸光剤を添加、あるいはポリマーに置換基として導入する方法をとっている。しかし、吸光剤の多くが芳香族基、あるいは2重結合を有するため、吸光剤の添加によってドライエッチング耐性が高まり、レジストとのドライエッチング選択比がそれほど高くないという欠点がある。微細化が進行し、レジストの薄膜化にも拍車がかかっており、更に次世代のArF露光においては、レジスト材料にアクリル又は脂環族のポリマーを使うことになるため、レジストのエッチング耐性が低下する。更に、前述の通り、反射防止膜の膜厚を厚くしなければならないという問題もある。このため、エッチングは深刻な問題であり、レジストに対してエッチング選択比の高い、即ち、エッチングスピードが速い反射防止膜が求められている。
一方、2層レジストプロセス用の下層膜における反射防止膜として要求される機能は、単層レジストのそれとは異なっている。2層レジストプロセス用の下層膜は、基板をエッチングするときのマスクとなるため、基板エッチングの条件で高いエッチング耐性を有しなければならない。単層レジストプロセスにおける反射防止膜として、単層レジストへの負荷を軽くするために早いエッチング速度が要求されるのに対して、逆の特性が要求される。また、十分な基板エッチング耐性を確保するため、下層膜の膜厚は単層レジストと同等程度又はそれ以上の300nm以上にまで厚くしなければならない。300nm以上の膜厚では、膜厚の変化による反射率の変動はほぼ収束し、位相差制御による反射防止効果は期待できない。
ここで、最大500nmの膜厚までの反射率を計算した結果を図3と図4に示す。露光波長は193nm、上層レジストのn値を1.74、k値を0.02と仮定し、図3では下層膜のk値を0.3に固定し、縦軸にn値を1.0〜2.0、横軸に膜厚0〜500nmの範囲で変動させたときの基板反射率を示す。膜厚が300nm以上の2層レジスト用下層膜を想定した場合、上層レジストと同程度かあるいはそれよりも少し屈折率が高い1.6〜1.9の範囲で反射率を1%以下にできる最適値が存在する。
図4では、n値を1.5に固定し、k値を0.1〜0.8の範囲で変動させたときの反射率を示す。k値が0.24〜0.15の範囲で反射率を1%以下にすることが可能である。一方、40nm程度の薄膜で用いられる単層レジスト用の反射防止膜の最適k値は0.4〜0.5であり、300nm以上の2層レジスト用下層の最適k値とは異なる。2層レジスト用下層では、より低いk値、即ちより高透明な下層膜が必要であることが示されている。
ここで、193nm用の下層膜形成材料として、非特許文献4に紹介されているようにポリヒドロキシスチレンとアクリルの共重合体が検討されている。ポリヒドロキシスチレンは193nmに非常に強い吸収を持ち、そのもの単独ではk値が0.6前後と高い値である。そこで、k値が殆ど0であるアクリルと共重合させることによって、k値を0.25前後に調整しているのである。
しかしながら、ポリヒドロキシスチレンに対して、アクリルの基板エッチングにおけるエッチング耐性は弱く、しかもk値を下げるためにかなりの割合のアクリルを共重合せざるを得ず、結果的に基板エッチングの耐性はかなり低下する。エッチングの耐性は、エッチング速度だけでなく、エッチング後の表面ラフネスの発生にも現れてくる。アクリルの共重合によってエッチング後の表面ラフネスの増大が深刻なほど顕著になっている。
ベンゼン環よりも193nmにおける透明性が高く、エッチング耐性が高いものの一つにナフタレン環がある。特許文献13にナフタレン環、アントラセン環を有する下層膜が提案されている。しかしながら、ナフトール共縮合ノボラック樹脂、ポリビニルナフタレン樹脂のk値は0.3〜0.4の間であり、目標の0.1〜0.3の透明性には未達であり、更に透明性を上げなくてはならない。また、ナフトール共縮合ノボラック樹脂、ポリビニルナフタレン樹脂の193nmにおけるn値は低く、本発明者らの測定した結果では、ナフトール共縮合ノボラック樹脂で1.4、ポリビニルナフタレン樹脂に至っては1.2である。特許文献14〜15で示されるアセナフチレン重合体においても、波長248nmに比べて193nmにおけるn値が低く、k値は高く、共に目標値には達していない。n値が高く、k値が低く透明でかつエッチング耐性が高い下層膜が求められている。
特開平6−118651号公報 特開平10−324748号公報 特開平11−302382号公報 特開2002−55456号公報 特開平9−110938号公報 特開平10−69072号公報 特公平7−69611号公報 米国特許第5294680号明細書 特開平6−118631号公報 特開平6−118656号公報 特開平8−87115号公報 特開平8−179509号公報 特開2002−14474号公報 特開2001−40293号公報 特開2002−214777号公報 特開2000−294504号公報 SPIE vol.1925(1993) p377 SPIE vol.3333(1998) p62 J. Photopolymer Sci. and Technol. Vol. 9 No.3(1996) p435−446 SPIE Vol.4345 (2001)p50 Proc. SPIE Vol.2195、p225−229(1994)
本発明が解決しようとする課題は、特に、珪素含有2層レジストプロセス用下層膜として、優れた反射防止膜として機能し、248nm、193nm、157nmの全ての波長に対応し、ポリヒドロキシスチレン、クレゾールノボラック、ナフトールノボラックなどよりも最適なn値、k値を有し、しかも基板加工におけるエッチング耐性が優れた下層膜形成材料、及びパターン形成方法を提供するものである。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、所定の置換基で置換された置換ポリヒドロキシスチレンにおいて、置換基の種類と置換率によって248nm、193nm、157nmにおいて最適なn値、k値を有し、かつエッチング耐性にも優れる珪素含有2層レジストプロセス用下層膜として有望な材料であることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、珪素含有バイレイヤープロセスに適用可能な新規な下層膜として、特に波長248nm、193nm、157nmにおける膜厚200nm以上の反射防止効果に優れ、かつエッチング耐性に優れる、所定の置換基で置換された置換ポリスチレンをベースにする材料を提案するもので、このものは、最適なn値、k値を有することによって膜厚200nm以上における基板反射を抑えることが可能であり、基板エッチングの条件におけるエッチング耐性に優れる特徴がある。
従って、本発明は、下記のパターン形成方法及びこれに用いる下層膜形成材料を提供する。
下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含んでなるポリマーを含有する、フォトレジスト層の下層膜を形成するためのフォトレジスト下層膜形成材料を提供する。
Figure 2005049810
(一般式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のヒドロキシ基含有アルキル基、炭素数1〜10のアシル基、又はグリシジル基を表し、R3は一般式(2)で示される1価の有機基である。一般式(2)中、R4は炭素数1〜4のアルキレン基を表し、R5は炭素数4〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を表し、ヒドロキシ基、エーテル基又はエステル基を含んでいてもよい。mは1又は2、nは1又は2である。)
また、この材料を用いて基板上に下層膜を形成するステップと、該下層膜の上にフォトレジスト組成物を用いてフォトレジスト膜を形成するステップと、該フォトレジスト膜のパターン回路領域を露光するステップと、その後の現像液で現像して該フォトレジスト膜にレジストパターンを形成するステップと、該レジストパターンが形成されたフォトレジスト膜をマスクにして該下層膜及び該基板をエッチングするステップを含んでなるパターン形成方法を提供する。
さらに、この材料を用いて基板上に下層膜を形成するステップと、該下層膜の上にフォトレジスト組成物を用いてフォトレジスト膜を形成するステップと、該フォトレジスト膜のパターン回路領域を露光するステップと、その後の現像液で現像して該フォトレジスト膜にレジストパターンを形成するステップと、該レジストパターンが形成されたフォトレジスト膜をマスクにして該下層膜をエッチングするステップと、さらにパターンが形成された下層膜をマスクにして該基板をエッチングして該基板にパターンを形成するステップを含んでなるパターン形成方法を提供する。
なお、露光は、好ましくは波長300nm以下の高エネルギー線又は電子線を用い、より好ましくは、遠紫外線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光(193nm)、F2レーザー光(157nm)、Kr2レーザー光(146nm)、Ar2レーザー光(126nm)を用いる。
本発明の下層膜形成材料は、屈折率のn値が1.5〜1.9、k値が0.15〜0.4の範囲であり、200nm以上の膜厚で十分な反射防止効果を発揮できるだけの吸光係数であり、基板加工に用いられるCF4/CHF3ガス及びCl2/BCl3系ガスエッチングの速度もノボラック樹脂と同程度であり、高いエッチング耐性を有する。また、パターニング後のレジスト形状も良好である。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のパターン形成方法は、フォトレジスト下層膜として所定の置換基で置換された置換ポリスチレンを含むフォトレジスト下層膜を基板上に適用し、該下層膜の上にフォトレジスト組成物の層を適用し、パターン回路領域に放射線を照射し、現像液で現像してレジストパターンを形成し、ドライエッチング装置でフォトレジスト層をマスクにして下層膜層及び基板を加工するものである。ここで用いる下層膜形成材料は、(A)所定の置換基で置換された置換ポリスチレンを必須成分とし、好ましくは、(B)有機溶剤、(C)架橋剤、及び(D)酸発生剤からなる一群から選ばれる一以上を含むものである。
上記(A)成分の所定の置換基で置換された置換ポリスチレンとしては、上記一般式(1)で表されるものが好ましい。
一般式(1)に挙げられる繰り返し単位を得るためのヒドロキシスチレンは、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、αメチル−p−ヒドロキシスチレン、p−アセトキシスチレン、p−ピバロイロキシスチレン、p−エトキシエトキシスチレン、p−tブトキシスチレン、p−tアミロキシスチレン等を挙げることができる。
一般式(2)で示される置換基−R4−R5は、具体的には下記に挙げることができる。
Figure 2005049810
これらの中で248nm用には、アントラセンメチル基が最も好ましく用いられる。エッチング耐性と193nmでの透明性向上のためには脂環構造を持つものや、ナフタレン構造を持つものが好ましく用いられる。一方、波長157nmにおいてベンゼン環は透明性が向上するウィンドウがあるため、吸収波長をずらして吸収を上げてやる必要がある。フラン環はベンゼン環よりも吸収が短波長化して157nmの吸収が若干向上するが効果は小さい。ナフタレン環やアントラセン環、ピレン環は吸収波長が長波長化することによって吸収が増大し、これらの芳香族環はエッチング耐性も向上する効果もあり好ましく用いられる。
一般式(2)の置換基の導入方法としては下記一般式(3)で示されるアルコールを酸触媒存在下フェノールのヒドロキシ基のオルソ位に導入する方法が挙げられる。
Figure 2005049810
一般式(2)の置換基は、重合前のモノマーに導入することができるし、重合後のポリマーに導入することもできる。
本発明は、置換スチレンの重合体をベースとするが、他のモノマーと共重合したものを用いることもできる。共重合可能なモノマーとしては、インデン、インドール、アクリル誘導体、メタクリル誘導体、ノルボルナジエン誘導体、ノルボルネン誘導体、無水マレイン酸、マレイミド誘導体、アセナフチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、ビニルアントラセン誘導体、ビニルエーテル誘導体、アリルエーテル誘導体、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルピロリドン、テトラフルオロエチレンなどが挙げられ、これらのものを加えた2元以上の共重合体であっても構わない。
なお、一般式(2)の置換基がペンダントされていないヒドロキシスチレンを共重合することもできる。
共重合体を用いる場合には、本発明の置換スチレンモノマーを、好ましくは、5モル%以上100モル%未満含有する重合体とする。
本発明の用いる共重合体としては、好ましくは、一般式(1)と(2)の繰り返し単位に加えて、下記一般式(4)〜(6)から選ばれる繰り返し単位を含む。
Figure 2005049810
一般式(4)〜(6)中、R6とR7は独立して炭素数1〜6の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基を表し、R8は水素原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、ヒドロキシ基、又はアルコキシカルボニル基を表し、Xはメチレン基、酸素原子、又は硫黄原子を表し、pとqはそれぞれ独立して0又は1〜4の整数である。
これら、高分子化合物を合成するには、1つの方法としてはヒドロキシスチレンモノマーを有機溶剤中、ラジカル開始剤を加え加熱重合を行う。ヒドロキシ基を含むモノマーを共重合させることもできるが、アセトキシ基で置換させておき、得られた高分子化合物を有機溶剤中アルカリ加水分解を行い、アセトキシ基を脱保護した方が分子量を狭分散化できる利点がある。
重合時に使用する有機溶剤としては、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン等が例示できる。重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等が例示でき、好ましくは50℃から80℃に加熱して重合できる。反応時間としては2〜100時間、好ましくは5〜20時間である。アルカリ加水分解時の塩基としては、アンモニア水、トリエチルアミン等が使用できる。また反応温度としては−20〜100℃、好ましくは0〜60℃であり、反応時間としては0.2〜100時間、好ましくは0.5〜20時間である。
本発明に用いるポリマーの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いポリスチレン換算で1,500〜200,000の範囲が好ましく、より好ましくは2,000〜100,000の範囲である。分子量分布は特に制限がなく、分画によって低分子体及び高分子体を除去し、分散度を小さくすることも可能であり、分子量、分散度が異なる2つ以上の一般式(1)の重合体の混合、あるいは組成比の異なる2種以上一般式(1)の重合体を混合してもかまわない。
本発明の一般式(1)の樹脂の193nmにおける透明性を更に向上させるために、水素添加を行うことができる。好ましい水素添加の割合は、フェノールなどの芳香族基の80モル%以下である。
本発明の下層膜形成材料用のベース樹脂は、特定置換基含有ポリスチレンを含むことを特徴とするが、前述の反射防止膜材料として挙げられている従来のポリマーとブレンドすることもできる。置換ポリヒドロキシスチレンのガラス転移点は150℃以上であり、このもの単独ではビアホールなどの深いホールの埋め込み特性が劣る場合がある。ホールをボイドを発生させずに埋め込むためには、ガラス転移点の低いポリマーを用い、架橋温度よりも低い温度で熱フローさせながらホールの底にまで樹脂を埋め込む手法がとられる(特許文献16)。ガラス転移点の低いポリマー、特にガラス転移点が180℃以下、とりわけ100〜170℃のポリマー、例えばアクリル誘導体、ビニルアルコール、ビニルエーテル類、アリルエーテル類、スチレン誘導体、アリルベンゼン誘導体、エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのオレフィン類、メタセシス開環重合などによるポリマーとブレンドすることによってガラス転移点を低下させ、ビアホールの埋め込み特性を向上させることができる。
もう一つのガラス転移点を下げるための方法としては、置換ポリヒドロキシスチレンのヒドロキシ基の水酸基を炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、t−ブチル基、t−アミル基、アセタールなどの酸不安定基、アセチル基、ピバロイル基などで置換する方法を挙げることができる。
このときの置換率は、置換ポリヒドロキシスチレンの水酸基の10〜60モル%、好ましくは15〜50モル%の範囲である。
反射防止膜を含む下層膜に要求される性能の一つとして、レジストとのインターミキシングがないこと、レジスト層ヘの低分子成分の拡散がないことが挙げられる(非特許文献5)。これらを防止するために、一般的に反射防止膜のスピンコート後のベークで熱架橋するという方法がとられている。そのため、反射防止膜材料の成分として架橋剤を添加する場合、ポリマーに架橋性の置換基を導入する方法がとられることがある。
本発明で使用可能な架橋剤の具体例を列挙すると、メチロール基、アルコキシメチル基、アシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの基で置換されたメラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物又はウレア化合物、エポキシ化合物、チオエポキシ化合物、イソシアネート化合物、アジド化合物、アルケニルエーテル基などの2重結合を含む化合物を挙げることができる。これらは添加剤として用いてもよいが、ポリマー側鎖にペンダント基として導入してもよい。また、ヒドロキシ基を含む化合物も架橋剤として用いられる。
架橋剤として使用できる前記諸化合物のうち、エポキシ化合物を例示すると、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリメチロールメタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリエチロールエタントリグリシジルエーテルなどが例示される。
メラミン化合物を具体的に例示すると、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンの1〜6個のメチロール基がメトキシメチル化した化合物及びその混合物、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサアシロキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜6個がアシロキシメチル化した化合物又はその混合物が挙げられる。
グアナミン化合物としては、テトラメチロールグアナミン、テトラメトキシメチルグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜4個のメチロール基がメトキシメチル化した化合物及びその混合物、テトラメトキシエチルグアナミン、テトラアシロキシグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜4個のメチロール基がアシロキシメチル化した化合物及びその混合物が挙げられる。
グリコールウリル化合物としては、テトラメチロールグリコールウリル、テトラメトキシグリコールウリル、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜4個がメトキシメチル基化した化合物、又はその混合物、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜4個がアシロキシメチル化した化合物又はその混合物が挙げられる。
ウレア化合物としてはテトラメチロールウレア、テトラメトキシメチルウレア、テトラメチロールウレアの1〜4個のメチロール基がメトキシメチル基化した化合物又はその混合物、テトラメトキシエチルウレアなどが挙げられる。
架橋剤として使用できる、アルケニルエーテル基を含む化合物としては、エチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,2−プロパンジオールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、テトラメチレングリコールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ソルビトールテトラビニルエーテル、ソルビトールペンタビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテルなどが挙げられる。
一般式(1)のフェノール−ジシクロペンタジエン樹脂のヒドロキシ基がグリシジル基で置換されている場合は、ヒドロキシ基を含む化合物の添加が有効である。特に分子内に2個以上のヒドロキシ基を含む化合物が好ましい。例えば、ナフトールノボラック、m−及びp−クレゾールノボラック、ナフトール−ジシクロペンタジエンノボラック、m−及びp−クレゾール−ジシクロペンタジエンノボラック、4,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]−デカン、ペンタエリトリトール、1,2,6−ヘキサントリオール、4,4’,4’’−メチリデントリスシクロヘキサノール、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスシクロヘキサノール、[1,1’−ビシクロヘキシル]−4,4’−ジオール、メチレンビスシクロヘキサノール、デカヒドロナフタレン−2,6−ジオール、[1,1’−ビシクロヘキシル]−3,3’,4,4’−テトラヒドロキシなどのアルコール基含有化合物、ビスフェノール、メチレンビスフェノール、2,2’−メチレンビス[4−メチルフェノール]、4,4’−メチリデン−ビス[2,6−ジメチルフェノール]、4,4’−(1−メチル−エチリデン)ビス[2−メチルフェノール]、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール、4,4’−(1,3−ジメチルブチリデン)ビスフェノール、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[2,6−ジーメチルフェノール]、4,4’−オキシビスフェノール、4,4’−メチレンビスフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタノン、4,4’−メチレンビス[2−メチルフェノール]、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール、4,4’−(1,2−エタンジイル)ビスフェノール、4,4’−(ジエチルシリレン)ビスフェノール、4,4’−[2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチリデン]ビスフェノール、4,4’,4’’−メチリデントリスフェノール、4,4’−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、2,6−ビス[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、4,4’,4’’−エチリジントリス[2−メチルフェノール]、4,4’,4’’−エチリジントリスフェノール、4,6−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]1,3−ベンゼンジオール、4,4’−[(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2−メチルフェノール]、4,4’,4’’,4’’’−(1,2−エタンジイリデン)テトラキスフェノール、4,4’,4’’,4’’’−エタンジイリデン)テトラキス[2−メチルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール]、4,4’,4’’,4’’’−(1,4−フェニレンジメチリジン)テトラキスフェノール、2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニルメチル)1,3−ベンゼンジオール、2,4’,4’’−メチリデントリスフェノール、4,4’,4’’’−(3−メチル−1−プロパニル−3−イリデン)トリスフェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3−フロロフェニル)メチル]−4−フルオロフェノール、2,6−ビス[4−ヒドロキシ−3−フルオロフェニル]メチル]−4−フルオロフェノール、3,6−ビス「(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル」1,2−ベンゼンジオール、4,6−ビス「(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル」1,3−ベンゼンジオール、p−メチルカリックス[4]アレン、2,2’−メチレンビス[6−[(2,5/3,6−ジメチル−4/2−ヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス[6−[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、4,4’,4’’,4’’’−テトラキス[(1−メチルエチリデン)ビス(1,4−シクロヘキシリデン)]フェノール、6,6’−メチレンビス[4−(4−ヒドロキシフェニルメチル)−1,2,3−ベンゼントリオール、3,3’,5,5’−テトラキス[(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)メチル]−[(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジオール]などのフェノール低核体が挙げられる。
本発明における架橋剤の配合量は、ベース樹脂(全樹脂分)100重量部に対して5〜50重量部が好ましく、特に10〜40重量部が好ましい。5重量部未満であるとレジストとミキシングを起こす場合があり、50重量部を超えると反射防止効果が低下したり、架橋後の膜にひび割れが入ることがある。
本発明においては、熱による架橋反応を更に促進させるための酸発生剤を添加することができる。酸発生剤は熱分解によって酸を発生するものや、光照射によって酸を発生するものがあるが、いずれのものも添加することができる。
本発明で使用される酸発生剤としては、
i.下記一般式(P1a−1)、(P1a−2)、(P1a−3)又は(P1b)のオニウム塩、
ii.下記一般式(P2)のジアゾメタン誘導体、
iii.下記一般式(P3)のグリオキシム誘導体、
iv.下記一般式(P4)のビススルホン誘導体、
v.下記一般式(P5)のN−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル、
vi.β−ケトスルホン酸誘導体、
vii.ジスルホン誘導体、
viii.ニトロベンジルスルホネート誘導体、
ix.スルホン酸エステル誘導体
等が挙げられる。
Figure 2005049810
(上式中、R101a、R101b、R101cはそれぞれ炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルケニル基、オキソアルキル基又はオキソアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基又はアリールオキソアルキル基を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部がアルコキシ基等によって置換されていてもよい。また、R101bとR101cとは環を形成してもよく、環を形成する場合には、R101b、R101cはそれぞれ炭素数1〜6のアルキレン基を示す。K-は非求核性対向イオンを表す。R101d、R101e、R101f、R101gは、R101a、R101b、R101cに水素原子を加えて示される。R101dとR101e、又はR101dとR101eとR101fとは環を形成してもよく、環を形成する場合には、R101dとR101e又はR101dとR101eとR101fは炭素数3〜10のアルキレン基、又は式(P1a−3)中の窒素原子を環の中に有する複素芳香族環を示す。)
上記R101a、R101b、R101c、R101d、R101e、R101f、R101gは、互いに同一であっても異なっていてもよく、具体的には、アルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロプロピルメチル基、4−メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロぺニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。オキソアルキル基としては、2−オキソシクロペンチル基、2−オキソシクロヘキシル基等が挙げられ、2−オキソプロピル基、2−シクロペンチル−2−オキソエチル基、2−シクロヘキシル−2−オキソエチル基、2−(4−メチルシクロヘキシル)−2−オキソエチル基等を挙げることができる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等や、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、p−tert−ブトキシフェニル基、m−tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基等のアルキルフェニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基等のアルキルナフチル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル基等のアルコキシナフチル基、ジメチルナフチル基、ジエチルナフチル基等のジアルキルナフチル基、ジメトキシナフチル基、ジエトキシナフチル基等のジアルコキシナフチル基等が挙げられる。アラルキル基としてはベンジル基、フェニルエチル基、フェネチル基等が挙げられる。アリールオキソアルキル基としては、2−フェニル−2−オキソエチル基、2−(1−ナフチル)−2−オキソエチル基、2−(2−ナフチル)−2−オキソエチル基等の2−アリール−2−オキソエチル基等が挙げられる。
-の非求核性対向イオンとしては、塩化物イオン、臭化物イオン等のハライドイオン、トリフレート、1,1,1−トリフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート等のフルオロアルキルスルホネート、トシレート、ベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、1,2,3,4,5−ペンタフルオロベンゼンスルホネート等のアリールスルホネート、メシレート、ブタンスルホネート等のアルキルスルホネートが挙げられる。
また、R101d、R101e、R101f、R101gが式(P1a−3)中の窒素原子を環の中に有する複素芳香族環は、イミダゾール誘導体(例えばイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等)、ピラゾール誘導体、フラザン誘導体、ピロリン誘導体(例えばピロリン、2−メチル−1−ピロリン等)、ピロリジン誘導体(例えばピロリジン、N−メチルピロリジン、ピロリジノン、N−メチルピロリドン等)、イミダゾリン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ピリジン誘導体(例えばピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン、4−(1−ブチルペンチル)ピリジン、ジメチルピリジン、トリメチルピリジン、トリエチルピリジン、フェニルピリジン、3−メチル−2−フェニルピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ジフェニルピリジン、ベンジルピリジン、メトキシピリジン、ブトキシピリジン、ジメトキシピリジン、1−メチル−2−ピリドン、4−ピロリジノピリジン、1−メチル−4−フェニルピリジン、2−(1−エチルプロピル)ピリジン、アミノピリジン、ジメチルアミノピリジン等)、ピリダジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾリジン誘導体、ピペリジン誘導体、ピペラジン誘導体、モルホリン誘導体、インドール誘導体、イソインドール誘導体、1H−インダゾール誘導体、インドリン誘導体、キノリン誘導体(例えばキノリン、3−キノリンカルボニトリル等)、イソキノリン誘導体、シンノリン誘導体、キナゾリン誘導体、キノキサリン誘導体、フタラジン誘導体、プリン誘導体、プテリジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントリジン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、1,10−フェナントロリン誘導体、アデニン誘導体、アデノシン誘導体、グアニン誘導体、グアノシン誘導体、ウラシル誘導体、ウリジン誘導体等が例示される。
(P1a−1)と(P1a−2)は光酸発生剤、熱酸発生剤の両方の効果があるが、(P1a−3)は熱酸発生剤として作用する。
Figure 2005049810
(上式中、R102a、R102bはそれぞれ独立して炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R103は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を示す。R104a、R104bはそれぞれ独立して炭素数3〜7の2−オキソアルキル基を示す。K-は非求核性対向イオンを表す。)
上記R102a、R102bとして、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルメチル基、4−メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。
103としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、1,4−シクロへキシレン基、1,2−シクロへキシレン基、1,3−シクロペンチレン基、1,4−シクロオクチレン基、1,4−シクロヘキサンジメチレン基等が挙げられる。
104a、R104bとしては、2−オキソプロピル基、2−オキソシクロペンチル基、2−オキソシクロヘキシル基、2−オキソシクロヘプチル基等が挙げられる。
-は、式(P1a−1)、(P1a−2)及び(P1a−3)で説明したものと同様のものを挙げることができる。
Figure 2005049810
(上式中、R105、R106は独立して炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン化アリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基を示す。)
105、R106のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、アミル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。ハロゲン化アルキル基としてはトリフルオロメチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、1,1,1−トリクロロエチル基、ノナフルオロブチル基等が挙げられる。
105、R106のアリール基としては、フェニル基、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、p−tert−ブトキシフェニル基、m−tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基等のアルキルフェニル基が挙げられる。ハロゲン化アリール基としてはフルオロフェニル基、クロロフェニル基、1,2,3,4,5−ペンタフルオロフェニル基等が挙げられる。
105、R106のアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
Figure 2005049810
(上式中、R107とR108とR109は独立して炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン化アリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基を示す。R108とR109は互いに結合して環状構造を形成してもよく、環状構造を形成する場合、R108とR109はそれぞれ独立して炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。)
107、R108、R109のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、アラルキル基としては、R105、R106で説明したものと同様の基が挙げられる。なお、R108、R109のアルキレン基としてはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。
Figure 2005049810
(上式中、R101a、R101bは上記と同様である。)
Figure 2005049810
(上式中、R110は炭素数6〜10のアリーレン基、炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数2〜6のアルケニレン基を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部は更に炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基もしくはアルコキシ基、ニトロ基、アセチル基、又はフェニル基で置換されていてもよい。R111は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は置換のアルキル基、アルケニル基もしくはアルコキシアルキル基、フェニル基、又はナフチル基を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部は更に炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基;炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ニトロ基又はアセチル基で置換されていてもよいフェニル基;炭素数3〜5のヘテロ芳香族基;又は塩素原子、又はフッ素原子で置換されていてもよい。)
110のアリーレン基としては、1,2−フェニレン基、1,8−ナフチレン基等が挙げられ、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、フェニルエチレン基、ノルボルナン−2,3−ジイル基等が挙げられ、アルケニレン基としては、1,2−ビニレン基、1−フェニル−1,2−ビニレン基、5−ノルボルネン−2,3−ジイル基等が挙げられる。
111のアルキル基としては、R101a〜R101cと同様のものが挙げられ、アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、1−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプレニル基、1−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、ジメチルアリル基、1−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、3−ヘプテニル基、6−ヘプテニル基、7−オクテニル基等が挙げられ、アルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、ペンチロキシメチル基、ヘキシロキシメチル基、ヘプチロキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、プロポキシエチル基、ブトキシエチル基、ペンチロキシエチル基、ヘキシロキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、プロポキシプロピル基、ブトキシプロピル基、メトキシブチル基、エトキシブチル基、プロポキシブチル基、メトキシペンチル基、エトキシペンチル基、メトキシヘキシル基、メトキシヘプチル基等が挙げられる。
なお、更に置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。
炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ニトロ基又はアセチル基で置換されていてもよいフェニル基としては、フェニル基、トリル基、p−tert−ブトキシフェニル基、p−アセチルフェニル基、p−ニトロフェニル基等が挙げられ、炭素数3〜5のヘテロ芳香族基としては、ピリジル基、フリル基等が挙げられる。
具体的には、オニウム塩として、例えばトリフルオロメタンスルホン酸テトラメチルアンモニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸テトラメチルアンモニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸トリエチルアンモニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸ピリジニウム、カンファースルホン酸トリエチルアンモニウム、カンファースルホン酸ピリジニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸テトラn−ブチルアンモニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸テトラフェニルアンモニウム、p−トルエンスルホン酸テトラメチルアンモニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、p−トルエンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、ブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリメチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジメチルフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ジメチルフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリナフチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(2−ノルボニル)メチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、エチレンビス[メチル(2−オキソシクロペンチル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート]、1,2’−ナフチルカルボニルメチルテトラヒドロチオフェニウムトリフレート等が挙げられる。
ジアゾメタン誘導体としては、ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(キシレンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロペンチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−アミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソアミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−アミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−アミルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(tert−アミルスルホニル)ジアゾメタン、1−tert−アミルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
グリオキシム誘導体としては、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(メタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(トリフルオロメタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(1,1,1−トリフルオロエタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(tert−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(パーフルオロオクタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(シクロヘキサンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(ベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−フルオロベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(キシレンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(カンファースルホニル)−α−ジメチルグリオキシム等が挙げられる。
ビススルホン誘導体としては、ビスナフチルスルホニルメタン、ビストリフルオロメチルスルホニルメタン、ビスメチルスルホニルメタン、ビスエチルスルホニルメタン、ビスプロピルスルホニルメタン、ビスイソプロピルスルホニルメタン、ビス−p−トルエンスルホニルメタン、ビスベンゼンスルホニルメタン等が挙げられる。
β−ケトスルホン誘導体としては、2−シクロヘキシルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、2−イソプロピルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン等が挙げられる。
ニトロベンジルスルホネート誘導体としては、p−トルエンスルホン酸2,6−ジニトロベンジル、p−トルエンスルホン酸2,4−ジニトロベンジル等が挙げられる。
スルホン酸エステル誘導体としては、1,2,3−トリス(メタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(p−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼン等が挙げられる。
N−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体としては、N−ヒドロキシスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−ペンタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−オクタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドp−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドp−メトキシベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−クロロエタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド−2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−ナフタレンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−ナフタレンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−2−フェニルスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシマレイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシマレイミドエタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−2−フェニルマレイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシグルタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシグルタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドp−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドp−トルエンスルホン酸エステル等が挙げられる
好ましくは、トリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリナフチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(2−ノルボニル)メチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、1,2’−ナフチルカルボニルメチルテトラヒドロチオフェニウムトリフレート等のオニウム塩、ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン等のジアゾメタン誘導体、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム等のグリオキシム誘導体、ビスナフチルスルホニルメタン等のビススルホン誘導体、N−ヒドロキシスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−ペンタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドp−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル等のN−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体が用いられる。
上記酸発生剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸発生剤の添加量は、ベース樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1〜50重量部、より好ましくは0.5〜40重量部である。0.1重量部より少ないと酸発生量が少なく、架橋反応が不十分な場合があり、50重量部を超えると上層レジストへ酸が移動することによるミキシング現象が起こる場合がある。
更に、本発明の下層膜形成材料には、保存安定性を向上させるための塩基性化合物を配合することができる。
塩基性化合物としては、酸発生剤より微量に発生した酸が架橋反応を進行させるのを防ぐための、酸に対するクエンチャーの役割を果たす。
このような塩基性化合物としては、第一級、第二級、第三級の脂肪族アミン類、混成アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシ基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、水酸基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド誘導体、イミド誘導体等が挙げられる。
具体的には、第一級の脂肪族アミン類として、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、tert−アミルアミン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、セチルアミン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン等が例示される。
第二級の脂肪族アミン類として、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジセチルアミン、N,N−ジメチルメチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルテトラエチレンペンタミン等が例示される。
第三級の脂肪族アミン類として、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリペンチルアミン、トリシクロペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミン、トリセチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルテトラエチレンペンタミン等が例示される。
また、混成アミン類としては、例えばジメチルエチルアミン、メチルエチルプロピルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ベンジルジメチルアミン等が例示される。
芳香族アミン類及び複素環アミン類の具体例としては、アニリン誘導体(例えばアニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、エチルアニリン、プロピルアニリン、トリメチルアニリン、2−ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン、2,4−ジニトロアニリン、2,6−ジニトロアニリン、3,5−ジニトロアニリン、N,N−ジメチルトルイジン等)、ジフェニル(p−トリル)アミン、メチルジフェニルアミン、トリフェニルアミン、フェニレンジアミン、ナフチルアミン、ジアミノナフタレン、ピロール誘導体(例えばピロール、2H−ピロール、1−メチルピロール、2,4−ジメチルピロール、2,5−ジメチルピロール、N−メチルピロール等)、オキサゾール誘導体(例えばオキサゾール、イソオキサゾール等)、チアゾール誘導体(例えばチアゾール、イソチアゾール等)、イミダゾール誘導体(例えばイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等)、ピラゾール誘導体、フラザン誘導体、ピロリン誘導体(例えばピロリン、2−メチル−1−ピロリン等)、ピロリジン誘導体(例えばピロリジン、N−メチルピロリジン、ピロリジノン、N−メチルピロリドン等)、イミダゾリン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ピリジン誘導体(例えばピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン、4−(1−ブチルペンチル)ピリジン、ジメチルピリジン、トリメチルピリジン、トリエチルピリジン、フェニルピリジン、3−メチル−2−フェニルピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ジフェニルピリジン、ベンジルピリジン、メトキシピリジン、ブトキシピリジン、ジメトキシピリジン、1−メチル−2−ピリドン、4−ピロリジノピリジン、1−メチル−4−フェニルピリジン、2−(1−エチルプロピル)ピリジン、アミノピリジン、ジメチルアミノピリジン等)、ピリダジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾリジン誘導体、ピペリジン誘導体、ピペラジン誘導体、モルホリン誘導体、インドール誘導体、イソインドール誘導体、1H−インダゾール誘導体、インドリン誘導体、キノリン誘導体(例えばキノリン、3−キノリンカルボニトリル等)、イソキノリン誘導体、シンノリン誘導体、キナゾリン誘導体、キノキサリン誘導体、フタラジン誘導体、プリン誘導体、プテリジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントリジン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、1,10−フェナントロリン誘導体、アデニン誘導体、アデノシン誘導体、グアニン誘導体、グアノシン誘導体、ウラシル誘導体、ウリジン誘導体等が例示される。
更に、カルボキシ基を有する含窒素化合物としては、例えばアミノ安息香酸、インドールカルボン酸、アミノ酸誘導体(例えばニコチン酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、グリシルロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、リジン、3−アミノピラジン−2−カルボン酸、メトキシアラニン)等が例示される。
スルホニル基を有する含窒素化合物として3−ピリジンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム等が例示される。
水酸基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物としては、2−ヒドロキシピリジン、アミノクレゾール、2,4−キノリンジオール、3−インドールメタノールヒドレート、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2,2’−イミノジエタノール、2−アミノエタノ−ル、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、1−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]ピペラジン、ピペリジンエタノール、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリジノン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、3−ピロリジノ−1,2−プロパンジオール、8−ヒドロキシユロリジン、3−クイヌクリジノール、3−トロパノール、1−メチル−2−ピロリジンエタノール、1−アジリジンエタノール、N−(2−ヒドロキシエチル)フタルイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)イソニコチンアミド等が例示される。
アミド誘導体としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド等が例示される。イミド誘導体としては、フタルイミド、サクシンイミド、マレイミド等が例示される。
塩基性化合物の配合量は、全ベース樹脂100重量部に対して0.001〜2重量部、特に0.01〜1重量部が好適である。配合量が0.001重量部より少ないと配合効果がない場合があり、2重量部を超えると熱で発生した酸を全てトラップして架橋しなくなる場合がある。
本発明の下層膜形成材料において使用可能な有機溶剤としては、前記のベース樹脂、酸発生剤、架橋剤、その他添加剤等が溶解するものであれば特に制限はない。その具体例を列挙すると、シクロヘキサノン、メチル−2−アミルケトン等のケトン類;3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル,プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテルアセテート等のエステル類が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合使用できるが、これらに限定されるものではない。本発明においては、これら有機溶剤の中でもジエチレングリコールジメチルエーテルや1−エトキシ−2−プロパノール、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びこれらの混合溶剤が好ましく使用される。
溶剤の配合量は、全ベース樹脂100重量部に対して200〜10,000重量部が好ましく、特に300〜5,000重量部とすることが好ましい。
本発明は、このフォトレジスト下層膜形成材料を用いて基板上に下層膜を形成するステップと、該下層膜の上にフォトレジスト組成物を用いてフォトレジスト膜を形成するステップと、該フォトレジスト膜のパターン回路領域を露光するステップと、その後の現像液で現像して該フォトレジスト膜にレジストパターンを形成するステップと、該レジストパターンが形成されたフォトレジスト膜をマスクにして該下層膜及び該基板をエッチングするステップを含んでなるパターン形成方法を提供する。
また、本発明は、フォトレジスト膜形成材料を用いて基板上に下層膜を形成するステップと、該下層膜の上にフォトレジスト組成物を用いてフォトレジスト膜を形成するステップと、該フォトレジスト膜のパターン回路領域を露光するステップと、その後の現像液で現像して該フォトレジスト膜にレジストパターンを形成するステップと、該レジストパターンが形成されたフォトレジスト膜をマスクにして該下層膜をエッチングするステップと、さらにパターンが形成された下層膜をマスクにして該基板をエッチングして該基板にパターンを形成するステップを含んでなるパターン形成方法を提供する。
これらのパターン形成方法について図1を参照して説明する。
本発明の下層膜10は、フォトレジストと同様にスピンコート法などで被加工基板上に作製することが可能である。スピンコート後、溶媒を蒸発し、上層レジストとミキシング防止のため、架橋反応を促進させるためにベークをすることが望ましい。ベーク温度は80〜300℃の範囲内で、10〜300秒の範囲内が好ましく用いられる。なお、この下層膜の厚さは適宜選定されるが、100〜20,000nm、特に150〜15,000nmとすることが好ましい。下層膜を作製した後、その上にフォトレジスト膜11を作製する。
このレジスト層を形成するためのフォトレジスト組成物としては、公知のものを使用することができる。酸素ガスエッチング耐性の点から好ましくは、ベースポリマーとしてポリシルセスキオキサン誘導体又はビニルシラン誘導体等の珪素原子含有ポリマーを使用し、更に有機溶剤、酸発生剤、必要により塩基性化合物等を含むポジ型のフォトレジスト組成物が使用される。ポリシルセスキオキサン誘導体としては、好ましくは、酸不安定基で置換されたカルボキシレートをペンダントとするラダー骨格の繰り返し単位を有するシルセスキオキサンであり、ビニルシラン誘導体としては、好ましくは、(a)ビニルシランと、(b)無水マレイン酸と、(c)酸不安定基で置換されたメタクリレート、酸不安定基で置換されたアクリレート及び酸不安定基で置換されたノルボルニルカルボキシレートからなる一群から選ばれる一つとの三元共重合体である。珪素原子含有ポリマーとしては、これに限定されず、この種のレジスト組成物に用いられる公知のポリマーを使用することができる。レジスト組成物に用いる有機溶剤、酸発生剤、塩基性化合物の種類や添加量は、例えば、下層膜形成材料の(B)である有機溶剤、(D)成分である酸発生剤、塩基性化合物と同様である。また、レジスト組成物中のベース樹脂の添加量も、例えば、下層膜形成材料の(A)成分である一般式(1)のポリマーの添加量と同様である。
上記フォトレジスト組成物によりレジスト膜11を形成する場合、下層膜10を形成する場合と同様に、スピンコート法が好ましく用いられる。レジストをスピンコート後、プリベークを行うが、80〜180℃で10〜300秒の範囲が好ましい。その後常法に従い、露光を行い、ポストエクスポジュアーベーク(PEB)、現像を行い、レジストパターンを得る(図1(a))。なお、レジスト膜の厚さは特に制限されないが、30〜500nm、特に50〜400nmが好ましい。
次に、得られたレジストパターンをマスクにして、好ましくはドライエッチング、より好ましくは酸素ガスを主体とするエッチングを行う。このエッチングは常法によって行うことができる。この時、酸素ガスに加えて、He、Arなどの不活性ガスや、CO、CO2、NH3、SO2、N2、NO2ガスを加えることも可能である。特に後者のガスはパターン側壁のアンダーカット防止のための側壁保護のために用いられる。
次の基板12のエッチングは、常法、好ましくはドライエッチングによって行うことができ、例えば下地基板12b上の被加工基板12aがSiO2、SiNであればフロン系ガスを主体としたエッチング、p−SiやAl、Wでは塩素系、臭素系ガスを主体としたエッチングを行う。基板ドライエッチング後のパターンのパターンを図1(b)に示す。本発明の下層膜は、これら被加工基板12aのエッチング耐性に優れる特徴がある。
なお、被加工基板12aは、下地基板12b上に形成される。
基板としては、特に限定されるものではなく、Si、α−Si、p−Si、SiO2、SiN、SiON、W、TiN、Al等で被加工膜(被加工基板)と異なる材質のものが用いられる。被加工膜としては、Si、SiO2、SiON、SiN、p−Si、α−Si、W、W−Si、Al、Cu、Al−Si等種々のLow−k膜及びそのストッパー膜が用いられ、通常50〜10,000nm、特に100〜5,000nm厚さに形成し得る。
以下、合成例、重合例及び実施例と比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの記載によって限定されるものではない。
合成例1
300mLのフラスコに重量平均分子量(Mw)14000、重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)1.67のポリ−p−ヒドロキシスチレン120g、9−アントラセンメタノール41gをTHF溶媒に溶解させ、トシル酸0.5gを加え、80℃で24時間撹拌させた。水洗により触媒と金属不純物を除去し、THFを減圧除去することによって、155gのポリマー1を得た。
GPCにより重量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を求め、1H−NMR分析によりポリマー中のアントラセンメチル基の比率を求め、以下の結果を得た。
共重合組成比 p−ヒドロキシ−m−アントラセンメチルスチレン:p−ヒドロキシスチレン(モル比)=0.20:0.80、
重量平均分子量(Mw)=15,000
分子量分布(Mw/Mn)=1.70であった。
Figure 2005049810
合成例2
500mLのフラスコに4−ヒドロキシスチレン80g、2,5−ノルボルナジエン−2−カルボン酸メチル45g、溶媒としてトルエンを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素フローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBNを4.1g加え、80℃まで昇温後、24時間反応させた。この反応溶液を1/2まで濃縮し、メタノール300mL、水50mLの混合溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体98gを得た。
得られた重合体を1H−NMR、及び、GPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比 4−ヒドロキシスチレン:2,5−ノルボルナジエン−2−カルボン酸メチル=0.67:0.33
重量平均分子量(Mw)=8120
分子量分布(Mw/Mn)=1.96
次いで、300mLのフラスコに上記方法によって得られたポリ−4−ヒドロキシスチレン−2,5−ノルボルナジエン−2−カルボン酸メチル98gと9−アントラセンメタノール33gをTHF溶媒に溶解させ、トシル酸0.5gを加え、80℃で24時間撹拌させた。水洗により触媒と金属不純物を除去し、THFを減圧除去することによって、124gのポリマー2を得た。
得られた重合体の1H−NMR及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比 p−ヒドロキシ−m−アントラセンメチルスチレン:4−ヒドロキシスチレン:2,5−ノルボルナジエン−2−カルボン酸メチル=0.23:0.37:0.33
重量平均分子量(Mw)=9100
分子量分布(Mw/Mn)=1.88
Figure 2005049810
合成例3
300mLのフラスコにポリ−4−ヒドロキシスチレン−2,5−ノルボルナジエン−2−カルボン酸メチル98gと1−アダマンタンメタノール78gをTHF溶媒に溶解させ、トシル酸0.5gを加え、80℃で24時間撹拌させた。 水洗により触媒と金属不純物を除去し、THFを減圧除去することによって、124gのポリマー3を得た。
得られた重合体を1H−NMR、及び、GPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比 p−ヒドロキシ−m−アダマンタンメチルスチレン:4−ヒドロキシスチレン:2,5−ノルボルナジエン−2−カルボン酸メチル=0.58:0.09:0.33
重量平均分子量(Mw)=9200
分子量分布(Mw/Mn)=1.86
Figure 2005049810
合成例4
300mLのフラスコに重量平均分子量(Mw)13300、分子量分布(Mw/Mn)1.55の20モル%が水素添加されたポリ−4−ヒドロキシスチレン114gと1−アダマンタンメタノール78gをTHF溶媒に溶解させ、トシル酸0.5gを加え、80℃で24時間撹拌させた。水洗により触媒と金属不純物を除去し、THFを減圧除去することによって、153gのポリマー4を得た。
得られた重合体を1H−NMR、及び、GPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比 p−ヒドロキシ−m−アダマンタンメチルスチレン:4−ヒドロキシスチレン:水素添加4−ヒドロキシスチレン=0.85:0.15:0.20
重量平均分子量(Mw)=14300
分子量分布(Mw/Mn)=1.56
Figure 2005049810
合成例5
500mLのフラスコに4−ヒドロキシスチレン80g、2−アクリル酸―1−アダマンタン64g、溶媒としてトルエンを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素フローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBNを4.1g加え、80℃まで昇温後、24時間反応させた。この反応溶液を1/2まで濃縮し、メタノール300mL、水50mLの混合溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体134gを得た。
得られた重合体を1H−NMR、及び、GPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比 4−ヒドロキシスチレン:2−アクリル酸―1−アダマンタン=0.69:0.31
重量平均分子量(Mw)=11600
分子量分布(Mw/Mn)=1.71
次いで300mLのフラスコに上記方法によって得られたポリ−ヒドロキシスチレン−2−アクリル酸―1−アダマンタン134gと1−アダマンタンメタノール88gをTHF溶媒に溶解させ、トシル酸0.5gを加え、80℃で24時間撹拌させた。 水洗により触媒と金属不純物を除去し、THFを減圧除去することによって、178gのポリマー5を得た。
得られた重合体を1H−NMR、及び、GPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比 p−ヒドロキシ−m−アダマンタンメチルスチレン:4−ヒドロキシスチレン:2−アクリル酸―1−アダマンタン=0.53:0.18:0.32
重量平均分子量(Mw)=12900
分子量分布(Mw/Mn)=1.68
Figure 2005049810
合成例6
500mLのフラスコに4−ヒドロキシスチレン80g、ビニルナフタレン68g、溶媒としてトルエンを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素フローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBNを4.1g加え、80℃まで昇温後、24時間反応させた。この反応溶液を1/2まで濃縮し、メタノール300mL、水50mLの混合溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体139gを得た。
得られた重合体を1H−NMR、及び、GPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比 4−ヒドロキシスチレン:ビニルナフタレン=0.52:0.48
重量平均分子量(Mw)=10900
分子量分布(Mw/Mn)=1.71
500mLのフラスコに上記ポリ−4−ヒドロキシスチレン−ビニルナフタレン120gと1−アダマンタンメタノール88gをTHF溶媒に溶解させ、トシル酸0.5gを加え、80℃で24時間撹拌させた。水洗により触媒と金属不純物を除去し、THFを減圧除去することによって、188gのポリマー6を得た。
得られた重合体を1H−NMR、及び、GPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比
p−ヒドロキシ−m−アダマンタンメチルスチレン:4−ヒドロキシスチレン:ビニルナフタレン=0.44:0.08:0.48
重量平均分子量(Mw)=15,100
分子量分布(Mw/Mn)=1.68
Figure 2005049810
合成例7
300mLのフラスコにMw14000、Mw/Mn1.67のポリ−p−ヒドロキシスチレン120g、1−ピレンメタノール62gをTHF溶媒に溶解させ、トシル酸0.5gを加え、80℃で24時間撹拌させた。水洗により触媒と金属不純物を除去し、THFを減圧除去することによって、166gのポリマー7を得た。
GPCにより分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を求め、1H−NMR分析によりポリマー中のアントラセンメチル基の比率を求めると、以下の結果となった。
共重合組成比 p−ヒドロキシ−m−ピレンメチルスチレン:p−ヒドロキシスチレン(モル比)=0.23:0.77
重量平均分子量(Mw)=15,900
分子量分布(Mw/Mn)=1.70
Figure 2005049810
合成例8
300mLのフラスコにMw8,000、Mw/Mn2.01のポリ−p−ヒドロキシスチレン−co−インデン70:30を120g、9−アントラセンメタノール41gをTHF溶媒に溶解させ、トシル酸0.5gを加え、80℃で24時間撹拌させた。 水洗により触媒と金属不純物を除去し、THFを減圧除去することによって、153gのポリマー8を得た。なお、「ポリ−モノマー1−co−モノマー2」の表現は、モノマー1と2を含んでなる共重合体を表す。
GPCにより分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を求め、1H−NMR分析によりポリマー中のアントラセンメチル基の比率を以下のように求めた。
ポリマー1;p−ヒドロキシ−m−アントラセンメチルスチレン:p−ヒドロキシスチレン:インデン(モル比)=0.20:0.50:0.3 Mw8,800、Mw/Mn2.06
Figure 2005049810
合成例9
300mLのフラスコにMw7,000、Mw/Mn2.11のポリ−p−ヒドロキシスチレン−co−アセナフチレン 70:30を120g、9−アントラセンメタノール41gをTHF溶媒に溶解させ、トシル酸0.5gを加え、80℃で24時間撹拌させた。 水洗により触媒と金属不純物を除去し、THFを減圧除去することによって、156gのポリマー9を得た。
GPCにより分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を求め、1H−NMR分析によりポリマー中のアントラセンメチル基の比率を以下のように求めた。
ポリマー1;p−ヒドロキシ−m−アントラセンメチルスチレン:p−ヒドロキシスチレン:アセナフチレン(モル比)=0.20:0.50:0.3 Mw7,900、Mw/Mn2.13
Figure 2005049810
合成例10
300mLのフラスコにMw7,600、Mw/Mn2.05のポリ−p−ヒドロキシスチレン−co−2,5−ノルボルナジエン−2−カルボン酸メチル 70:30を120g、9−アントラセンメタノール41gをTHF溶媒に溶解させ、トシル酸0.5gを加え、80℃で24時間撹拌させた。 水洗により触媒と金属不純物を除去し、THFを減圧除去することによって、151gのポリマー10を得た。
GPCにより分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を求め、1H−NMR分析によりポリマー中のアントラセンメチル基の比率を以下のように求めた。
ポリマー1;p−ヒドロキシ−m−アントラセンメチルスチレン:p−ヒドロキシスチレン:2,5−ノルボルナジエン−2−カルボン酸メチル(モル比)=0.20:0.50:0.3 Mw8,500、Mw/Mn2.16
Figure 2005049810
比較合成例1
500mLのフラスコに4−ヒドロキシスチレン96g、2−メタクリル酸―1−アントラセンメチル55g、溶媒としてトルエンを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素フローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBNを4.1g加え、80℃まで昇温後、24時間反応させた。この反応溶液を1/2まで濃縮し、メタノール300mL、水50mLの混合溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体140gを得た。
得られた重合体を1H−NMR、及び、GPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比 4−ヒドロキシスチレン:2−メタクリル酸―1−アントラセンメチル=79:21
重量平均分子量(Mw)=13200
分子量分布(Mw/Mn)=1.75
比較合成例2
500mLのフラスコに4−ヒドロキシスチレン40g、2−メタクリル酸―1−アダマンタン160g、溶媒としてトルエンを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素フローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBNを4.1g加え、80℃まで昇温後、24時間反応させた。この反応溶液を1/2まで濃縮し、メタノール300mL、水50mLの混合溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体188gを得た。
得られた重合体を1H−NMR、及び、GPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比 4−ヒドロキシスチレン:2−メタクリル酸―1−アダマンタン=0.32:0.68
重量平均分子量(Mw)=10900
分子量分布(Mw/Mn)=1.77
実施例、比較例
ポリマー1〜10で示される樹脂、比較例1、2で示される樹脂、珪素含有中間層用ポリマー、AG1,2で示される酸発生剤、CR1,2で示される架橋剤を、FC−430(住友スリーエム社製)0.1重量%を含む溶媒中に表1に示す割合で溶解させ、0.1μmのフッ素樹脂製のフィルターで濾過することによって下層膜溶液と中間層膜溶液をそれぞれ調製した。
下層膜形成材料の溶液と中間層膜溶液の溶液をシリコン基板上に塗布して、200℃で60秒間ベークして膜厚500nmの下層膜を形成し(以下、UDL1〜11と略称する)、膜厚100nmの珪素含有膜を形成し(以下、SOG1、2と略称する)、J.A.ウーラム社の入射角度可変の分光エリプソメーター(VASE)で波長248nm、193nm、157nmにおけるUDL1〜11、SOG1、2の屈折率(n,k)を求め、結果を表1に示した。
Figure 2005049810
Figure 2005049810
下層膜形成材料の溶液(UDL−1、2、7、8)を膜厚300nmのSiO2基板上に塗布して、200℃で60秒間ベークして膜厚500nmの下層膜を形成した。表2に示す組成でKrF珪素含有ポリマー1、酸発生剤PAG1、塩基添加剤TMMEA、溶媒からなるKrF用珪素含有レジスト液1を調製した。このレジスト液を上記下層膜UDL−1、2、7上に塗布して、120℃で60秒間ベークし、膜厚200nmの珪素含有レジスト膜層を形成した。次いで、KrF露光装置(ニコン社製;S203B、NA0.68、σ0.75、2/3輪体照明、Crマスク)で露光し、130℃で90秒間ベーク(PEB)し、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で60秒間現像し、ポジ型のパターンを得た。得られたパターンの0.15μmL/Sのパターン形状を観察し、表3に示すように基板付近で裾引きやアンダーカット、インターミキシング現象が起きておらず、矩形のパターンが得られていることを確認した。
下層膜形成材料の溶液(UDL−3、4、5、6)を膜厚300nmのSiO2基板上に塗布して、200℃で60秒間ベークして膜厚500nmの下層膜を形成した。表2に示す組成でArF珪素含有ポリマー1、2、酸発生剤PAG1、塩基添加剤TAEA、溶媒からなるArF用珪素含有レジスト液1、2を調製した。このレジスト液を上記下層UDL−3、4、5、6上に塗布して、110℃で60秒間ベークし、膜厚200nmの珪素含有レジスト膜層を形成した。次いで、ArF露光装置(ニコン社製;S305B、NA0.68、σ0.85、2/3輪体照明、Crマスク)で露光し、110℃で90秒間ベーク(PEB)し、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で60秒間現像し、ポジ型のパターンを得た。得られたパターンの0.12μmL/Sのパターン形状を観察し、表3に示すように基板付近で裾引きやアンダーカット、インターミキシング現象が起きておらず、矩形のパターンが得られていることを確認した。
下層膜形成材料の溶液(UDL−8)を膜厚300nmのSiO2基板上に塗布して、200℃で60秒間ベークして膜厚500nmの下層膜を形成した。その上に珪素含有中間層材料溶液SOG1を塗布して200℃で60秒間ベークして膜厚100nmの中間層を形成した。表2に示す組成でKrFレジスト5溶液を調製した。このレジスト液を上記中間層SOG1上に塗布して、120℃で60秒間ベークし、膜厚200nmの単層レジスト膜層を形成した。 次いで、KrF露光装置(ニコン社製;S203B、NA0.68、σ0.75、2/3輪体照明、Crマスク)で露光し、120℃で90秒間ベーク(PEB)し、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で60秒間現像し、ポジ型のパターンを得た。得られたパターンの0.15μmL/Sのパターン形状を観察し、表3に示すように基板付近で裾引きやアンダーカット、インターミキシング現象が起きておらず、矩形のパターンが得られていることを確認した。
下層膜形成材料の溶液(UDL−9、10)を膜厚300nmのSiO2基板上に塗布して、200℃で60秒間ベークして膜厚500nmの下層膜を形成した。その上に珪素含有中間層材料溶液SOG2を塗布して200℃で60秒間ベークして膜厚100nmの中間層を形成した。 表2に示す組成でArFレジスト6溶液を調製した。このレジスト液を上記中間層SOG1上に塗布して、120℃で60秒間ベークし、膜厚200nmの単層レジスト膜層を形成した。次いで、ArF露光装置(ニコン社製;S305B、NA0.68、σ0.85、2/3輪体照明、Crマスク)で露光し、120℃で90秒間ベーク(PEB)し、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で60秒間現像し、ポジ型のパターンを得た。得られたパターンの0.25μmL/Sのパターン形状を観察し、表3に示すように基板付近で裾引きやアンダーカット、インターミキシング現象が起きておらず、矩形のパターンが得られていることを確認した。
次いで、ドライエッチング耐性のテストを行った。まず、前記屈折率測定に用いたものと同じ下層膜(UDL1〜11)を作製し、これらの下層膜のCHF3/CF4系ガスでのエッチング試験として下記(1)の条件で試験した。この場合、東京エレクトロン株式会社製ドライエッチング装置TE−8500Pを用い、エッチング前後の下層膜及びレジストの膜厚差を測定した。結果を表4に示す。
(1)CHF3/CF4系ガスでのエッチング試験
エッチング条件は、下記に示す通りである。
チャンバー圧力 40.0Pa
RFパワー 1,300W
ギャップ 9mm
CHF3ガス流量 30ml/min
CF4ガス流量 30ml/min
Arガス流量 100ml/min
時間 60sec
更に、上記下層膜(UDL1〜11)を用いて、下記(2)の条件でCl2/BCl3系ガスでのエッチング試験を行った。この場合、日電アネルバ株式会社製ドライエッチング装置L−507D−Lを用い、エッチング前後のポリマー膜の膜厚差を求めた。結果を表5に示す。
(2)Cl2/BCl3系ガスでのエッチング試験
エッチング条件は下記に示す通りである。
チャンバー圧力 40.0Pa
RFパワー 300W
ギャップ 9mm
Cl2ガス流量 30ml/min
BCl3ガス流量 30ml/min
CHF3ガス流量 100ml/min
2ガス流量 2ml/min
時間 60sec
一方、上記ArF露光と現像後にて得られた0.10μmL/Sパターンの珪素含有レジストを酸素ガスによるエッチングを行った。
エッチング条件は下記に示す通りである。
チャンバー圧力 450mTorr
RFパワー 600W
Arガス流量 40sccm
2ガス流量 60sccm
ギャップ 9mm
時間 20sec
次に、(1)に示される条件でCHF3/CF4系ガスでのエッチングを行い、SiO2基板を加工した。
現像後、2層プロセスの場合は、酸素ガスエッチング後、基板加工のCHF3/CF4系ガスエッチング後のパターンの断面を、3層プロセスの場合は、珪素含有中間層の加工のCF4系ガスエッチング、下層膜加工の酸素ガスエッチング後、基盤加工のCHF3/CF4系ガスエッチング後のパターン断面を日立製作所製電子顕微鏡(S−4700)にて観察し、形状を比較し、表3、表6にまとめた。現像後は珪素含有レジストの断面形状、酸素エッチング後とCHF3/CF4エッチング後は下層膜の断面形状を観察した。
Figure 2005049810
Figure 2005049810
Figure 2005049810
Figure 2005049810
Figure 2005049810
Figure 2005049810
Figure 2005049810
Figure 2005049810
表1に示すように、本発明の下層膜の屈折率のn値が1.5〜1.9、k値が0.15〜0.4の範囲であり、これは200nm以上の膜厚で十分な反射防止効果を発揮できるだけの最適な屈折率(n)と消光係数(k)であり、また表5と表6に示すように、CF4/CHF3ガス及びCl2/BCl3系ガスエッチングの速度もノボラック樹脂と同程度であり、ポリヒドロキシスチレン/ヒドロキシエチルアクリレート共重合に比べるとエッチング速度が低く、高いエッチング耐性を有する。また、表3と表4に示すように、現像後のレジスト形状、酸素エッチング後、基板加工エッチング後の下層膜の形状も良好であることが認められた。
本発明のパターン形成方法に関する説明であり、(a)現像後のレジストパターン、(b)基板ドライエッチング後のパターンを示す。 反射防止膜の膜厚と反射率の関係を示すグラフである。 下層膜屈折率k値が0.3固定で、n値を1.0〜2.0の範囲で変化させた下層膜の膜厚と反射率の関係を示すグラフである。 下層膜屈折率n値が1.5固定で、n値を0.1〜1.0の範囲で変化させた下層膜の膜厚と反射率の関係を示すグラフである。
符号の説明
10 下層膜
11 フォトレジスト膜
12 基板
12a 被加工基板
12b 下地基板

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含んでなるポリマーを含有する、フォトレジスト層の下層膜を形成するための材料。
    Figure 2005049810
    (一般式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のヒドロキシ基含有アルキル基、炭素数1〜10のアシル基、又はグリシジル基を表し、R3は一般式(2)で示される1価の有機基である。一般式(2)中、R4は炭素数1〜4のアルキレン基を表し、R5は炭素数4〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を表し、ヒドロキシ基、エーテル基又はエステル基を含んでいてもよい。mは1又は2、nは1又は2である。)
  2. 上記ポリマーが、更に、下記一般式(4)〜(6)から選ばれる繰り返し単位を含んでなる請求項1に記載の下層膜を形成するための材料。
    Figure 2005049810
    (一般式(4)〜(6)中、R6とR7は独立して炭素数1〜6の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基を表し、R8は水素原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、ヒドロキシ基、又はアルコキシカルボニル基を表し、Xはメチレン基、酸素原子、又は硫黄原子を表し、pとqはそれぞれ独立して0又は1〜4の整数である。)
  3. 更に、有機溶剤及び酸発生剤を含有する請求項1又は請求項2に記載の下層膜形成材料。
  4. 更に、架橋剤を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の下層膜形成材料。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の材料を用いて基板上に下層膜を形成するステップと、該下層膜の上にフォトレジスト組成物を用いてフォトレジスト膜を形成するステップと、該フォトレジスト膜のパターン回路領域を露光するステップと、その後の現像液で現像して該フォトレジスト膜にレジストパターンを形成するステップと、該レジストパターンが形成されたフォトレジスト膜をマスクにして該下層膜及び該基板をエッチングするステップを含んでなるパターン形成方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の材料を用いて基板上に下層膜を形成するステップと、該下層膜の上にフォトレジスト組成物を用いてフォトレジスト膜を形成するステップと、該フォトレジスト膜のパターン回路領域を露光するステップと、その後の現像液で現像して該フォトレジスト膜にレジストパターンを形成するステップと、該レジストパターンが形成されたフォトレジスト膜をマスクにして該下層膜をエッチングするステップと、さらにパターンが形成された下層膜をマスクにして該基板をエッチングして該基板にパターンを形成するステップを含んでなるパターン形成方法。
  7. 上記フォトレジスト組成物が、珪素原子含有ポリマーを含んでなる請求項5又は請求項6に記載のパターン形成方法。
  8. 上記フォトレジスト膜をマスクにして上記下層膜をエッチングするステップが、酸素ガスエッチングを含み、上記下層膜をマスクにしてパターンを形成するステップが、ドライエッチングを含む請求項6に記載のパターン形成方法。
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