排気装置14を含む室圧制御機構10の一例を示す構成図である図1等の添付の図面を参照し、本発明に係る排気装置の詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、排気装置14を含む室圧制御機構10の構成図であり、図3は、一例として示す排気装置14の構成図である。図4は、ガラリを備えた排気ダクト収容ボックス33の一例を示す斜視図であり、図5は、図4の5−5線矢視断面図である。図1は、クリーンルーム11,12(排気対象室)を上方から示し、図2は、クリーンルーム11,12を側方から示す。図4,5では、上下方向を矢印X、横方向を矢印Yで示し(図5を除く)、前後方向を矢印Zで示す。
なお、排気対象室として半導体の製造や薬剤の製造、各種実験等に使用するクリーンルーム11,12を例示しているが、排気対象室をクリーンルーム11,12に限定するものではなく、排気対象室としてあらゆる室が含まれる。また、図1,2では2つのクリーンルーム11,12(排気対象室)を図示しているが、排気対象室を2つに限定するものではなく、1つまたは3つ以上の排気対象室にこの排気装置を適用することができる。
室圧制御機構10は、所定容積を有するクリーンルーム11,12に空気(外気)を供給する給気装置13と、クリーンルーム11,12から空気(室内空気)を排出する排気装置14とから形成されている。クリーンルーム11,12は、工場15(既設建物)内部に設置され、その四方を天井16および床17と、各側壁18とに囲繞され、高い気密性を有する。天井16には、空気をクリーンルーム11,12内に取り入れるための給気口(図示せず)が施設されている。側壁18には、クリーンルーム11,12内から空気を排出するためのガラリ排気口19が施設されている。側壁18には、クリーンルーム11,12に出入りするためのドア20が設置されている。クリーンルーム11,12の室内気圧は、あらかじめ設定された目標室内気圧に保持される。クリーンルーム11,12の目標室内気圧に特に限定はなく、クリーンルーム11,12の用途や容積等によって目標室内気圧を適宜設定することができる。
給気装置13は、クリーンルーム11,12につながる金属製の給気ダクト21と、給気ダクト21を通る空気の所定量をクリーンルーム11,12に強制的に給気する給気ファン22(送風機)と、クリーンルーム11,12に供給する空気を一定に保持する定風量ユニット23とを有する。給気装置13では、空気取込口24からクリーンルーム11,12に向かって、給気ファン22、定風量ユニット23の順に並んでいる。空気取込口24は、工場15の壁25に設置されたガラリ(図示せず)につながっている。給気ファン22は、インターフェイスを介して制御装置(図示せず)に接続されている。制御装置は、給気ファン22の出力を設定されたそれに保持し、給気ファン22から送り出される空気の圧力および量を一定に保持する。
給気ダクト21は、天井16空間に配置され、空気取込口24とクリーンルーム11,12の天井16に施設された給気口との間に延びている。給気ダクト21は、空気取込口24から流入した空気をクリーンルーム11,12に搬送する。給気ファン22は、定風量ユニット23と空気取込口24との間に延びる給気ダクト21に取り付けられている。給気ファン22は、一定量かつ一定圧の空気をクリーンルーム11,12に給気する。定風量ユニット23は、給気ファン22と給気口との間に延びる給気ダクト21に取り付けられている。定風量ユニット23は、給気ダクト21の内部気圧の変動に対してユニット23内を流れる空気量を調節し、クリーンルーム11,12に供給する空気量を常時一定に保持する。空気取込口24から流入した空気は、給気ダクト21を通って給気ファン22に流入し、給気ファン22からダクト21を通って定風量ユニット23に流入した後、ユニット23からダクト21を通り、給気口からクリーンルーム11,12内に供給される。
排気装置14は、クリーンルーム11,12につながる金属製の排気ダクト26と、クリーンルーム11,12から排出する空気を一定に保持する定風量ユニット27と、排気ダクト26を流れる空気の圧力を測定する圧力センサ28と、クリーンルーム11,12から所定量の空気を強制的に排気する排気ファン29(送風機)と、排気ダクト26を流れる空気の量を調節するモータダンパ30とを有する。排気ファン29は、インターフェイスを介して制御装置(図示せず)に接続されている。制御装置は、排気ファン29の出力を設定されたそれに保持し、排気ファン29から送り出される空気の圧力および量を一定に保持する。なお、この実施の形態では、排気装置14が定風量ユニット27を備えているが、排気装置14に定風量ユニット27が含まれていなくてもよい。
排気ダクト26は、床17の下方に配置され、クリーンルーム11,12の側壁18に施設されたガラリ排気口19と空気排気口31との間に延びている。排気ダクト26は、ガラリ排気口19から流出した空気を工場15外(クリーンルーム11,12外)に搬送する。空気排気口31を含む排気ダクト26の排気端部32は、図4,5に示すように、工場15の壁25に施設された排気ダクト収容ボックス33内に収容されている。
定風量ユニット27は、排気ファン29とガラリ排気口19との間に延びる給気ダクト26に取り付けられている。圧力センサ28は、排気ファン29と定風量ユニット27との間に延びる排気ダクト26に設置されている。排気ファン29は、定風量ユニット27と排気ダクト収容ボックス33との間に延びる排気ダクト26に取り付けられている。排気ファン29は、一定量かつ一定圧の空気をクリーンルーム11,12から排気する。モータダンパ30は、排気ファン29と空気排気口31との間に延びる排気ダクト26に設置されている。
排気装置14では、クリーンルーム11,12から空気排気口31に向かって、定風量ユニット27、圧力センサ28、排気ファン29、モータダンパ30の順に並んでいる。定風量ユニット27は、排気ダクト26の内部気圧の変動に対してユニット27内を流れる空気量を調節し、クリーンルーム11,12から排出する空気量を常時一定に保持する。ガラリ排気口19から流出した空気は、定風量ユニット27に流入し、ユニット27からダクト26を通って排気ファン29に流入した後、排気ファン29からダクト26を通り、空気排気口31から工場15の屋外に排気される。
排気ダクト収容ボックス33は、工場15の壁25に取り付けられたガラリ34と、工場15の壁25から内側に延出する5面体のチャンバー35とから形成されている。チャンバー35は、金属製の5つの壁36から作られた横方向へ長い直方体であり、その内部に所定容積の内部空間36を有する。それら壁36は、互いに対向する頂壁36Aおよび底壁36Bと、互いに対向する両側壁36C,36Dと、それら両側壁36C,36Dの間に位置する後側壁36Eとから形成され、その平面形状が矩形に成形されている。
排気ダクト26は、その一部が所定の固定手段(図示せず)を介して後側壁36Eに着脱可能に取り付けられている。排気ダクト26の排気端部32は、排気ダクト収容ボックス33の内部空間37に収容されている。排気ダクト収容ボックス33の内部空間37では、排気端部32が前後方向前方へ延び、空気排気口31がガラリ34に対向し、排気口31が工場15の外(屋外)に向かって前後方向前方へ開口している。なお、図4では、排気ダクト収容ボックス33にクリーンルーム11,12から延びる2本の排気ダクト26が接続されているが、ダクト26の数を2本に限定するものではなく、2本を超過する数のダクトが排気ダクト収容ボックス33に接続される場合もある。
モータダンパ30は、モジュトロールモータ(図示せず)と、モータの回転を制御する(モータダンパ30の旋回羽根39の開度を調節する)コントローラ38(制御装置)と、モータの駆動力によって旋回する旋回羽根39とから形成されている。モータダンパ30は、旋回羽根39の旋回によって開閉される空気流路(図示せず)を有する。モータダンパ30のコントローラ38は、演算処理を行う中央処理部と各種条件を記憶可能なメモリ(記憶部)とを有するマイクロプロセッサである。
モータダンパ30では、コントローラ38からの制御信号によってモジュトロールモータが回転するとともに旋回羽根39が所定角度に旋回し、空気流路に対する羽根39の開度(旋回角度)を調整して空気流路を通過する空気量を調節する。コントローラ38には、各種条件を入力するための入力装置、入力確認のための表示装置がインターフェイスを介して接続されている(図示せず)。モータダンパ30には、平行翼ダンパまたは対向翼ダンパを使用することができる。なお、圧力センサ28は、インターフェイス40を介してモータダンパ30のコントローラ38に接続されている。
モータダンパ30のコントローラ38のメモリには、圧力センサ28によって測定された排気ダクト26の測定圧力と比較する設定圧力が格納されている。なお、設定圧力は、入力装置によって自由に設定変更することができる。設定圧力は、−1000Pa〜1000Paの範囲に設定される。
モータダンパ30のコントローラ38の中央処理部は、オペレーティングシステムによる制御に基づいてメモリに格納されたアプリケーションプログラムを起動し、起動したアプリケーションプログラムに従って以下の各手段を実行する。コントローラ38の中央処理部は、圧力センサ28から出力された排気ダクト26内の測定圧力とあらかじめ設定された設定圧力とを比較する圧力比較手段を実行する。中央処理部は、測定圧力と設定圧力とを比較した結果、測定圧力が設定圧力の範囲から外れている場合、モータダンパ30の旋回羽根39の開度を調節して測定圧力を設定圧力の範囲内に戻す圧力制御手段を実行する。
測定圧力が設定圧力の範囲から外れているとは、測定圧力が設定圧力の範囲を超過している場合と測定圧力が設定圧力の範囲未満の場合とがある。排気ダクト収容ボックス33の外部(工場15の屋外)に吹く風の影響で、空気がガラリ34を通ってボックス33の内部空間37に逆流し、空気排気口31から排気ダクト26に空気が流入すると、ダクト26内の圧力が増加する。その結果、測定圧力が設定圧力の範囲を超過する場合がある。逆に、排気ダクト収容ボックス33の外部に吹く風の影響で、空気がガラリ34を通ってボックス33の内部空間37から流出し、排気ダクト26から空気が流出すると、ダクト26内の圧力が減少する。その結果、測定圧力が設定圧力の範囲未満となる場合がある。
測定圧力が設定圧力の範囲を超過している場合、コントローラ38は、モータダンパ30の旋回羽根39が全開(開度100%)でなければ、旋回羽根39の開度を大きくし、ダンパ30の空気流路を通る空気の量を増加させる(空気排気口31から排気する空気の量を増加させる)。その結果、排気ダクト26内の圧力が下がり、測定圧力が低下して測定圧力が設定圧力の範囲内に復帰する。逆に、測定圧力が設定圧力の範囲未満の場合、コントローラ38は、旋回羽根39が最小開度(開度3〜25%)でなければ、旋回羽根39の開度を小さくし、ダンパ30の空気流路を通る空気の量を減少させ、排気ダクト26からの空気の流出を制限する。その結果、排気ダクト26内の圧力が上がり、測定圧力が増加して測定圧力が設定圧力の範囲内に復帰する。
測定圧力が設定圧力の範囲内にある場合、コントローラ38は、旋回羽根39が全開であれば、羽根39の全開を保持するとともに、旋回羽根39が最小開度であれば、羽根39の最小開度を保持する。または、旋回羽根39が全開でなければ、そのときの旋回羽根39の開度を保持するとともに、旋回羽根39が最小開度でなければ、そのときの旋回羽根39の開度を保持する。コントローラ38は、測定圧力が設定圧力の範囲から外れた後、旋回羽根39の開度を調節したことによって測定圧力が設定圧力の範囲内に戻ると、そのときの旋回羽根39の開度を保持する。
モータダンパ30の旋回羽根39の旋回速度は、1〜30s/Full Scaleの範囲、好ましくは、1〜5s/Full Scaleの範囲にある。旋回速度が30s/Full Scaleを超えると、モータダンパ30のレスポンスが低下し、排気ダクト収容ボックス33の外部に吹く風の影響で、空気排気口31から排気ダクト26に空気が流入し、または、ダクト26から空気が流出して測定圧力が急激に変化したときに、旋回羽根39の旋回がそれに迅速に対応することができず、ダンパ30の空気流路を通過する空気量の調節が遅れ、排気ファン29やモータダンパ30を利用して一定量かつ一定圧の空気をクリーンルーム11,12から排気できなくなる場合がある。モータダンパ30では、その旋回羽根39の旋回速度が1〜30s/Full Scaleの範囲にあるから、測定圧力が急激に変化したとしても、旋回羽根39の旋回がそれに迅速に対応し、ダンパ30の空気流路を通過する空気量を速やかに調節し、測定圧力を設定圧力の範囲内に速やかに復帰させる。
モータダンパ30の旋回羽根39の開度を小さくしたときの羽根39の最小開度は、3〜25%の範囲、好ましくは、5〜20%に設定されている。したがって、旋回羽根39の開度を最小にしたとしても、羽根39が全閉(開度0%)になることはない。開度3〜25%は、羽根39が全開のときを開度100%とし、その開度に対する割合である。たとえば、開度3%では、羽根全開100%に対して3%だけ開いた状態を示し、開度25%では、羽根全開100%に対して25%だけ開いた状態を示す。
給気ダクト21や排気ダクト26に取り付けられた定風量ユニット23,27は、図示はしていないが、モータダンパおよび風速センサと、制御装置と、それらを収容する筐体とから形成されている。定風量ユニット23,27のモータダンパは、モータダンパ30と同一である。それら定風量ユニット23,27では、制御装置からの制御信号によってモジュトロールモータが回転するとともに旋回羽根が所定角度に旋回する。定風量ユニット23,27の制御装置は、演算処理を行う中央処理部と各種条件を記憶可能なメモリ(記憶部)とを有するマイクロプロセッサである。制御装置には、各種条件を入力するための入力装置、入力確認のための表示装置がインターフェイスを介して接続されている(図示せず)。
定風量ユニット23,27の制御装置のメモリには、クリーンルーム11,12の目標室内気圧と、定風量ユニット23,27を通過する空気通過量との相関関係が格納され、目標室内気圧に対応する空気通過量と、その空気通過量に対応するモータダンパの旋回羽根の開度(旋回角度)との相関関係が格納されている。目標室内気圧は、入力装置によって自由に設定変更することができる。定風量ユニット23,27の制御装置は、目標室内気圧が入力されると、メモリに格納された相関関係に基づいて目標室内気圧に対応する空気流路における空気通過量を決定し、空気流路を通過する空気通過量が決定したそれになるように、相関関係に基づいてモータダンパの旋回羽根の開度を決定した後、旋回羽根の開度を決定したそれに保持する。
それら定風量ユニット23,27は、給気ダクト21や排気ダクト26の内部気圧の変動に対してユニット23,27内を通る空気通過量を目標室内気圧に対応するそれに調節し、クリーンルーム11,12へ供給する空気量を一定に保持するとともに、クリーンルーム11,12から排気する空気量を一定に保持する。具体的には以下のとおりである。定風量ユニット23,27の制御装置は、風速センサから出力された風速からモータダンパの空気流路を通る空気通過量を演算し、演算した空気通過量と目標室内気圧に対応する空気通過量とを比較する。
定風量ユニット23の制御装置は、演算した空気通過量が目標室内気圧に対応するそれよりも多い場合、モータダンパの旋回羽根の開度を小さくし、空気流路を通過する空気通過量を少なくする。定風量ユニット23の制御装置は、旋回羽根の開度を小さくした後、演算した空気通過量が目標室内気圧に対応するそれの範囲に入ると、そのときの旋回羽根の開度を維持する。演算した空気通過量が目標室内気圧に対応するそれよりも少ない場合、定風量ユニット23の制御装置は、モータダンパの旋回羽根の開度を大きくし、空気流路を通過する空気通過量を多くする。定風量ユニット23の制御装置は、旋回羽根の開度を大きくした後、演算した空気通過量が目標室内気圧に対応するそれの範囲に入ると、そのときの旋回羽根の開度を維持する。
定風量ユニット27の制御装置は、演算した空気通過量が目標室内気圧に対応するそれよりも多い場合、モータダンパの旋回羽根の開度を大きくし、空気流路を通過する空気通過量を多くする。定風量ユニット27の制御装置は、旋回羽根の開度を大きくした後、演算した空気通過量が目標室内気圧に対応するそれの範囲に入ると、そのときの旋回羽根の開度を維持する。演算した空気通過量が目標室内気圧に対応するそれよりも少ない場合、定風量ユニット27の制御装置は、モータダンパの旋回羽根の開度を小さくし、空気流路を通過する空気通過量を少なくする。定風量ユニット27の制御装置は、旋回羽根の開度を小さくした後、演算した空気通過量が目標室内気圧に対応するそれの範囲に入ると、そのときの旋回羽根の開度を維持する。
図6は、モータダンパ30のコントローラ38が実行する各手段の一例を示すフローチャートである。図6のフローチャートに基づき、コントローラ38によって実行される排気装置14のプロセスの一例を説明すると、以下のとおりである。室圧制御機構10を起動すると、給気ファン13および排気ファン14、定風量ユニット23,27、圧力センサ28、モータダンパ30が稼動する。圧力センサ28は、排気ダクト26内を流れる空気の圧力を測定し、その測定圧力をコントローラ38に出力する。
室圧制御機構10では、図1,2に矢印A1で示すように、給気ファン22や排気ダクト21を介してクリーンルーム11,12内へ所定量の空気が給気され、矢印A2で示すように、排気ファン29や排気ダクト26を介してクリーンルーム11,12から工場15の屋外に所定量の空気が排気される。室圧制御機構10の運転開始時点では、設定圧力に対応する量の空気がモータダンパ30の空気流路を通過するように、旋回羽根39の開度が所定開度に調節され、給気ファン22や排気ファン29の出力が調節されているとともに、定風量ユニット23,27の空気通過量が調節されており、圧力センサ28から出力された測定圧力が設定圧力の範囲内にある(S−1)。
また、室圧制御機構10では、給気ファン22と定風量ユニット23との間に延びる給気ダクト21において、そこを流れる空気に圧力変動が生じたとしても、定風量ユニット23によってダクト21の空気通過量が一定に保持され、常時一定量の空気がクリーンルーム11,12に給気される。また、定風量ユニット27と排気ファン29との間に延びる排気ダクト26において、そこを流れる空気に圧力変動が生じたとしても、定風量ユニット27によってダクト26の空気通過量が一定に保持され、常時一定量の空気がクリーンルーム11,12から排気される。
図5に矢印A3で示すように、工場15の壁25に取り付けられたガラリ34の外側近傍で強い風が吹くと、その風の影響で空気が排気ダクト収容ボックス33の内部空間37に進入し、さらに、空気排気口31から排気ダクト26内へ不要かつ余分な空気が一気に流入する場合がある。空気排気口31からダクト26内へ空気が流入すると、その空気がダクト26を通って排気ファン29の内部に流入し、ダクト26(定風量ユニット27と排気ファン29との間に延びる排気ダクト26)内の圧力が増加し、測定圧力が設定圧力の範囲を超過する場合がある。また、図5に矢印A4で示すように、ガラリ34の外側近傍で吹く風の影響で空気が排気ダクト26から一気に流出する場合がある。排気ダクト26から空気が流出すると、ダクト26(定風量ユニット27と排気ファン29との間に延びる排気ダクト26)内の圧力が減少し、測定圧力が設定圧力の範囲未満となる場合がある。
定風量ユニット27では、モータダンパの旋回羽根の開度を調節することで、そこを通る空気の通過量を一定に保持するが、余分な空気が排気ダクト26に一気に流入し、または、余分な空気が排気ダクト26から一気に流出すると、定風量ユニット27のモータダンパがそれに追い付かず、排気ダクト26内の圧力が急激に変化する場合がある。排気ダクト26内の圧力の変化によって、余分な空気がダクト26からクリーンルーム11,12内に流入し、または、余分な空気がクリーンルーム11,12から流出すると、クリーンルーム11,12の内部気圧を目標室内気圧に保持することができない場合がある。クリーンルーム111,12ではその内部気圧を厳格に管理する必要があるが、排気ダクト26内の圧力変動による影響でクリーンルーム11,12の内部気圧が変動する場合があり、排気ダクト26内の圧力変動による影響を無視することはできない。
しかし、この室圧制御機構10における排気装置14では、排気ダクト26を通過する空気の圧力(モータダンパ30の空気流路を通過する空気量)を監視し、ダクト26を通る空気の量(空気圧)を一定に保持するから、排気ファン29に余分な空気が不定期かつ不規則に流入することや排気ダクト26から余分な空気が不定期かつ不規則に流出することはない。具体的にモータダンパ30のコントローラ38は、圧力センサ28から出力された測定圧力とメモリに格納した設定圧力とを比較する(圧力比較手段)(S−2)。次に、コントローラ38は、測定圧力と設定圧力とを比較した結果、測定圧力が設定圧力の範囲内にあるかを判断する(S−3)。
モータダンパ30のコントローラ38は、測定圧力が設定圧力の範囲内にあると判断すると、そのときの旋回羽根39の開度を保持する。次に、コントローラ38は、室圧制御機構10を停止するかを判断する(S−4)。室圧制御機構10の停止指示があると、コントローラ38は、排気装置14の運転を停止する。室圧制御機構10を継続して運転する場合、ステップ2(S−2)に戻って測定圧力と設定圧力とを比較し、ステップ2(S−2)からのプロセスを繰り返す。
ステップ3(S−3)においてモータダンパ30のコントローラ38は、測定圧力が設定圧力の範囲内になく、測定圧力が設定圧力の範囲を超過していると判断すると、旋回羽根39が全開(開度100%)でなければ、旋回羽根39の開度を大きくする(S−5)。なお、旋回羽根39が全開であれば、全開を保持する(S−5)。
モータダンパ30のコントローラ38は、排気ダクト26を通る空気の設定圧力とその設定圧力に対応する空気通過量との相関関係、圧力センサ28から出力される各測定圧力とそれら測定圧力に対応する空気通過量との相関関係、測定圧力に対応する空気通過量から設定圧力に対応する空気通過量を差し引いた空気通過量に対応する旋回羽根39の開度(旋回角度)に基づいて、旋回羽根39の開度を決定することもできる。この場合、コントローラ38のメモリには、それら相関関係や旋回羽根39の開度が格納されている。
具体的には以下のとおりである。モータダンパ30のコントローラ38は、測定圧力が設定圧力の範囲を超過している場合、設定圧力とその設定圧力に対応する空気通過量との相関関係に基づいて、設定圧力に対応する空気通過量を決定するとともに、測定圧力とその測定圧力に対応する空気通過量との相関関係に基づいて、圧力センサ28から出力された測定圧力に対応する空気通過量を決定する。測定圧力に対応する空気通過量は、設定圧力に対応する空気通過量よりも多い。
さらに、モータダンパ30のコントローラ38は、測定圧力に対応する空気通過量から設定圧力に対応する空気通過量を差し引いた空気通過量を算出する。算出した空気通過量はプラスとなる。コントローラ38は、設定圧力に対応する空気通過量から測定圧力に対応する空気通過量を差し引いた空気通過量(プラス)に対応するモータダンパ30の旋回羽根39の開度に基づいて、算出した空気通過量に対応する旋回羽根39の開度を決定する。なお、旋回羽根39の開度はプラスになる。したがって、コントローラ38は、旋回羽根39の開度が全開であれば、旋回羽根39の開度を全開に保持し、旋回羽根39の開度が全開でなければ、旋回羽根39の開度を大きくする(S−5)。
モータダンパ30のコントローラ38は、旋回羽根39の開度を全開に保持し、または、旋回羽根39の開度を大きくした後、室圧制御機構10を停止するかを判断する(S−4)。室圧制御機構10の停止指示があると、コントローラ38は、排気装置14の運転を停止する。室圧制御機構10を継続して運転する場合、開度全開または大きくした開度を保持した状態で室圧制御機構10が運転され、ステップ2(S−2)に戻って圧力センサ28から出力された測定圧力とメモリに格納した設定圧力とを比較する(圧力比較手段)(S−2)。旋回羽根39の開度が全開または大きくなると、モータダンパ30の空気流路を通過する空気量が増加し、測定圧力が低下して測定圧力が設定圧力の範囲内に復帰する(圧力制御手段)。ゆえに、空気排気口31から不要かつ余分な空気が排気ダクト26に流入したとしても、排気ファン29を介して排気する空気量を設定圧力に対応するそれに保持することができる。
ステップ3(S−3)においてモータダンパ30のコントローラ38は、測定圧力が設定圧力の範囲内になく、測定圧力が設定圧力の範囲未満であると判断すると、旋回羽根39が最小開度(開度3〜25%)でなければ、旋回羽根39の開度を小さくする(S−5)。なお、旋回羽根39が最小開度(開度3〜25%)であれば、その開度を保持し(S−5)、最小開度未満にすることはなく、旋回羽根39が全閉になることはない。
メモリに格納された各相関関係や旋回羽根39の開度に基づいて、開度を決定する場合は以下のとおりである。モータダンパ30のコントローラ38は、測定圧力が設定圧力の範囲未満である場合、設定圧力とその設定圧力に対応する空気通過量との相関関係に基づいて、設定圧力に対応する空気通過量を決定するとともに、測定圧力とその測定圧力に対応する空気通過量との相関関係に基づいて、圧力センサ28から出力された測定圧力に対応する空気通過量を決定する。測定圧力に対応する空気通過量は、設定圧力に対応する空気通過量よりも少ない。
さらに、モータダンパ30のコントローラ38は、測定圧力に対応する空気通過量から設定圧力に対応する空気通過量を差し引いた空気通過量を算出する。算出した空気通過量はマイナスとなる。コントローラ38は、測定圧力に対応する空気通過量から設定圧力に対応する空気通過量を差し引いた空気通過量(マイナス)に対応するモータダンパ30の旋回羽根39の開度に基づいて、算出した空気通過量に対応する旋回羽根39の開度を決定する。なお、旋回羽根39の開度はマイナスになる。したがって、コントローラ38は、旋回羽根39が最小開度でなければ、旋回羽根39の開度を小さくする(S−5)。
モータダンパ30のコントローラ38は、旋回羽根39を最小開度に保持し、または、旋回羽根39の開度を小さくした後、室圧制御機構10を停止するかを判断する(S−4)。室圧制御機構10の停止指示があると、コントローラ38は、排気装置14の運転を停止する。室圧制御機構10を継続して運転する場合、旋回羽根39を最小開度または小さくした開度を保持した状態で室圧制御機構10が運転され、ステップ2(S−2)に戻って圧力センサ28から出力された測定圧力とメモリに格納した設定圧力とを比較する(圧力比較手段)(S−2)。旋回羽根39の開度が最小開度または小さくなると、モータダンパ30の空気流路を通過する空気量が減少し、排気ダクト26からの空気の排気を制限することで、測定圧力が上昇して測定圧力が設定圧力の範囲内に復帰する(圧力制御手段)。ゆえに、空気排気口31から不要かつ余分な空気が流出したとしても、排気ファン29を介して排気する空気量を設定圧力に対応するそれに保持することができる。
工場15の壁25に取り付けられたガラリ34の外側近傍に吹いていた風が納まり、空気排気口31から排気ダクト26への余分な空気の流入が停止すると、モータダンパ30の空気流路を通過する空気量が旋回羽根39の開度を大きくした直後の空気流路を通過するそれに比較して増加し、圧力センサ28から出力される測定圧力も低下する。測定圧力と設定圧力との比較(S−2)においてモータダンパ30のコントローラ38は、ステップ3(S−3)において測定圧力が設定圧力の範囲内にあると判断すると、そのときの旋回羽根39の開度を保持し、室圧制御機構10を継続して運転する場合、ステップ2(S−2)に戻って測定圧力と設定圧力とを比較し、ステップ2(S−2)からのプロセスを繰り返す。なお、旋回羽根39の開度を大きくした後、圧力センサ28から出力される測定圧力が低下し、測定圧力が設定圧力の範囲未満になると、コントローラ38は、旋回羽根39の開度を再び小さくする(S−5)。
モータダンパ30のコントローラ38は、ガラリ34の外側近傍で再び強い風が吹き、その風の影響で余分な空気が再び排気ダクト26に流入し、測定圧力が設定圧力の範囲外になり、測定圧力が設定圧力を超過すると、旋回羽根39の開度が全開であれば、旋回羽根39の開度を全開に保持し、旋回羽根39の開度が全開でなければ、旋回羽根39の開度を大きくする(S−5)。コントローラ38は、旋回羽根39の開度を大きくした後、大きくした開度を保持した状態で、ステップ2(S−2)に戻って圧力センサ28から出力された測定圧力とメモリに格納した設定圧力とを比較する(圧力比較手段)(S−2)。
工場15の壁25に取り付けられたガラリ34の外側近傍に吹いていた風が納まり、排気ダクト26からの不要かつ余分な空気の流出が停止すると、モータダンパ30の空気流路を通過する空気量が旋回羽根39の開度を小さくした直後の空気流路を通過するそれに比較して減少し、圧力センサ28から出力される測定圧力も上昇する。測定圧力と設定圧力との比較(S−2)においてモータダンパ30のコントローラ38は、ステップ3(S−3)において測定圧力が設定圧力の範囲内にあると判断すると、そのときの旋回羽根39の開度を保持し、室圧制御機構10を継続して運転する場合、ステップ2(S−2)に戻って測定圧力と設定圧力とを比較し、ステップ2(S−2)からのプロセスを繰り返す。なお、旋回羽根39の開度を小さくした後、圧力センサ28から出力される測定圧力が上昇し、測定圧力が設定圧力を超過すると、コントローラ38は、旋回羽根39の開度を再び大きくする(S−5)。
排気装置14は、工場15の壁25に取り付けられたガラリ34の外側近傍(工場15の屋外)に吹く風の影響で不要かつ余分な空気が排気ダクト26に流入し、それによって測定圧力が設定圧力の範囲を超過すると、モータダンパ30の旋回羽根39の開度を大きくしてモータダンパ30の空気流路を通過する空気量を増加させるから、空気排気口31から排気する空気の量を増加させることができ、排気ファン29やモータダンパ30を利用して一定圧かつ一定量の空気を安定してクリーンルーム11,12外に排気することができる。
排気装置14は、ガラリ34の外側近傍に吹く風の影響で不要かつ余分な空気が排気ダクト26から流出し、それによって測定圧力が設定圧力の範囲未満になると、モータダンパ30の旋回羽根39の開度を小さくしてモータダンパ30の空気流路を通過する空気量を減少させるから、空気排気口31から排気する空気の量を減少させることができ、排気ファン29やモータダンパ30を利用して一定圧かつ一定量の空気を安定してクリーンルーム11,12外に排気することができる。また、測定圧力が設定圧力の範囲に戻ると、そのときのモータダンパ30の旋回羽根39の開度を保持するから、排気ファン29やモータダンパ30を利用して一定圧かつ一定量の空気を安定してクリーンルーム11,12外に排気することができる。
排気装置14は、それを利用することで、クリーンルーム11,12から排気する空気を一定に保持することができ、クリーンルーム11,12の室内気圧を目標室内気圧に維持することができる。この排気装置14は、排気ファン29から排気する空気の圧力や量を厳密に管理することが要求されるクリーンルーム11,12での使用に特に有効であり、クリーンルーム11,12において室内気圧の変動がない空調環境を作ることが可能である。
一定圧かつ一定量の空気を安定して空気排気口31からクリーンルーム11,12外に排気させるには排気ダクト26内が正圧に保持される必要があるが、この排気装置14は、設定圧力が−1000Pa〜1000Paの範囲にあるから、空気排気口31から空気が排気ダクト26に流入し、または、空気が排気ダクト26から流出したとしても、モータダンパ30の旋回羽根39が迅速に作動し、排気ダクト26内の空気の圧力が負圧になることを防ぐことができる。
排気装置14は、モータダンパ30の旋回羽根39の旋回速度が1〜30s/Full Scaleの範囲にあるから、空気排気口31から空気が排気ダクト26に流入し、または、空気が排気ダクト26から流出することで排気ダクト26の内部気圧が変動したとしても、モータダンパ30の旋回羽根39が前記旋回速度で瞬時に旋回し、測定圧力を設定圧力の範囲内に速やかに戻すことができ、排気ダクト26内の空気の圧力変動を確実に防ぐことができる。排気装置14は、余分な空気が不定期かつ不規則に排気ファン29内に流入することはなく、余分な空気が不定期かつ不規則に排気ダクト26から流出することもないから、排気ファン29やモータダンパ30を利用して一定圧かつ一定量の空気をクリーンルーム11,12外に排気することができ、クリーンルーム11,12から排気する空気を一定に保持することができる。
旋回羽根39の開度が全閉(0%)なると、クリーンルーム11,12から空気が排気されず、排気ファン29内への空気の流入が停止し、排気ファン29を介して空気をクリーンルーム11,12外に排気することができないが、この排気装置14は、モータダンパ30の旋回羽根39の開度を小さくしたときの羽根39の最小開度が3〜25%の範囲にあるから、旋回羽根39の開度が全閉(0%)なることはなく、クリーンルーム11,12外への空気の未排気状態が回避され、クリーンルーム11,12の室内気圧の極端な上昇を防ぐことができるとともに、排気ファン29やモータダンパ30を利用して一定圧かつ一定量の空気をクリーンルーム11,12外に排気することができる。
排気装置14は、空気排気口31を含む排気ダクト26の排気端部32が排気ダクト収容ボックス33の内部空間37に収容されるから、排気端部32が外気に直接曝露されている場合と比較し、工場15の屋外に吹く風の影響を受け難く、工場15の屋外に吹く風の空気排気口31への進入や排気ダクト26からの空気の流出を最小限にすることができ、モータダンパ30の旋回羽根39の開度調節と相俟って、一定圧かつ一定量の空気を安定してクリーンルーム11,12外に排気することができ、クリーンルーム11,12から排気する空気を一定に保持することができるとともに、クリーンルーム11,12の室内気圧を一定に保持することができる。
図7は、一例として示す排気ダクト26の排気端部32を収容した排気ダクト収容ボックス33の斜視図であり、図8は、図7の8−8線矢視断面図である。図7,8では、上下方向を矢印X、横方向を矢印Yで示し(図8を除く)、前後方向を矢印Zで示す。排気ダクト26は、その一部が所定の固定手段を介してチャンバー35の後側壁36Eに着脱可能に取り付けられている。排気ダクト26の排気端部32は、排気ダクト収容ボックス33の内部空間37に収容されている。排気端部32は、内部空間37において前後方向前方へ延びた後、上下方向上方へ屈曲して上方へ延びている。この排気ダクト26では、空気排気口31がチャンバー35の頂壁36Aに対向し、排気口31が頂壁36Aに向かって上下方向上方へ開口している。
なお、図示はしていないが、排気端部32が内部空間37において前後方向前方へ延びた後、上下方向下方へ屈曲して下方へ延びていてもよい。この場合は、空気排気口31がチャンバー35の底壁36Bに対向し、排気口31が底壁36Bに向かって上下方向下方へ開口する。また、排気端部32が内部空間37において前後方向前方へ延びた後、横方向左方と横方向右方とのいずれか一方へ屈曲して横方向へ延びていてもよい。この場合は、空気排気口31がチャンバー35の両側壁36C,36Dのいずれかに対向し、排気口31が両側壁36C,36Dのいずれかに向かって横方向へ開口する。
この排気ダクト26では、その排気端部32がガラリ34の外側に吹く風(空気の動圧)の影響を直接受けることがない方向へ延出し、それによって空気排気口31がガラリ34の外側に吹く風(空気の動圧)の影響を直接受けることがない方向に向いている。ガラリ34の外側近傍で強い風が吹き、図8に矢印A3で示すように、その風の影響で空気がガラリ34を通って排気ダクト収容ボックス33の内部空間37に進入し、空気が空気排気口31に流入しようとしても、排気口31が頂壁36Aに向かって開口しているから(排気口31が底壁36Bや両側壁36C,36Dに向かって開口する場合もある)、空気が排気口31から進入し難く、排気ダクト26内への空気の流入を最小限にすることができる。排気ダクト26の排気端部32は、排気ファン29から排気する空気の圧力や量を厳密に管理することが要求されるクリーンルーム11,12での使用に特に有効である。
この排気ダクト26の排気端部32を備えた排気装置14のモータダンパ30のコントローラ38が実行する各手段は図1のそれと同一であり、図6およびその説明を援用することで、各手段の説明は省略する。排気ダクト26の排気端部32を備えた排気装置14は、図1に示す排気装置14が有する効果に加え、以下の効果を有する。
図7の排気端部32を備えた排気装置14は、ガラリ34の外側近傍に吹く風(空気)がガラリ34を通って排気ダクト収容ボックス33の内部空間37に進入し、その風の影響で空気が空気排気口31に流入しようとしても、排気口31がチャンバー35の頂壁36Aに対向し、排気口31がガラリ34の外側に吹く風の影響を直接受けることがない方向に向いているから、空気がボックス33の内部空間37に進入したとしても、わずかな空気(静圧)のみが排気ダクト26内へ流入するに過ぎない。
この排気装置14は、わずかな空気が排気ダクト26内へ流入し、それによって測定圧力が設定圧力の範囲を超過したとしても、モータダンパ30の旋回羽根39の開度を大きくしてダンパ30の空気流路を通過する空気量を増加させ、空気排気口31から排気する空気の量を増加させるから、ダンパ30を利用してガラリ34の外側近傍に吹く風の影響を打ち消すことができ、一定圧かつ一定量の空気を安定してクリーンルーム11,12外に排気することができる。この排気装置14は、クリーンルーム11,12において室内気圧の変動がない空調環境を確実に作ることが可能である。
図9は、他の一例として示す排気ダクト26の排気端部32を収容した排気ダクト収容ボックス33の斜視図であり、図10は、図9の10−10線矢視断面図である。図9,10では、上下方向を矢印X、横方向を矢印Yで示し(図10を除く)、前後方向を矢印Zで示す。排気ダクト26は、その一部が所定の固定手段を介してチャンバー35の後側壁36Eに着脱可能に取り付けられている。排気ダクト26の排気端部32は、排気ダクト収容ボックス33の内部空間37に収容されている。
排気端部32は、内部空間37において前後方向前方へ延びる水平部分32Aと、空気排気口31を有して上下方向へ延びる垂直部分32Bとから形成されている。垂直部分32Bは、水平部分32Aの先端につながっている。水平部分32Aと垂直部分32Bとは、溶接によって気密に接続されている。この排気ダクト26では、空気排気口31がチャンバー35の頂壁36Aと底壁36Bとに対向し、排気口31が頂壁36Aと底壁36Bとに向かって上下方向へ開口している。
この排気ダクト26では、その排気端部32の垂直部分32Bがガラリ34の外側に吹く風(空気の動圧)の影響を直接受けることがない方向へ延出し、それによって空気排気口31がガラリ34の外側に吹く風(空気の動圧)の影響を直接受けることがない方向に向いている。ガラリ34の外側近傍で強い風が吹き、図10に矢印A3で示すように、その風の影響で空気がガラリ34を通って排気ダクト収容ボックス33の内部空間37に進入し、空気が空気排気口31に流入しようとしても、排気口31が頂壁36Aと底壁36Bとに向かって開口しているから、空気が排気口31から進入し難く、排気ダクト26内への空気の流入を最小限にすることができる。排気ダクト26の排気端部32は、排気ファン29から排気する空気の圧力や量を厳密に管理することが要求されるクリーンルーム11,12での使用に特に有効である。
この排気ダクト26の排気端部32を備えた排気装置14のモータダンパ30のコントローラ38が実行する各手段は図1のそれと同一であり、図6およびその説明を援用することで、各手段の説明は省略する。排気ダクト26の排気端部32を備えた排気装置14は、図1に示す排気装置14が有する効果に加え、以下の効果を有する。
図9の排気端部32を備えた排気装置14は、ガラリ34の外側近傍に吹く風(空気)がガラリ34を通って排気ダクト収容ボックス33の内部空間37に進入し、その風の影響で空気が空気排気口31に流入しようとしても、排気端部32の垂直部分32Bがガラリに向かって延びておらず、排気口31がチャンバー35の頂壁36Aと底壁36Bとに対向し、排気口31がガラリ34の外側に吹く風の影響を直接受けることがない方向に向いているから、空気がボックス33の内部空間37に進入したとしても、わずかな空気(静圧)のみが排気ダクト26内へ流入するに過ぎない。
この排気装置14は、わずかな空気が排気ダクト26内へ流入し、それによって測定圧力が設定圧力の範囲を超過したとしても、モータダンパ30の旋回羽根39の開度を大きくしてダンパ30の空気流路を通過する空気量を増加させ、空気排気口31から排気する空気の量を増加させるから、ダンパ30を利用してガラリ34の外側近傍に吹く風の影響を打ち消すことができ、一定圧かつ一定量の空気を安定してクリーンルーム11,12外に排気することができる。この排気装置14は、クリーンルーム11,12において室内気圧の変動がない空調環境を確実に作ることが可能である。
図11は、他の一例として示す排気ダクト26の排気端部32を収容した排気ダクト収容ボックス33の斜視図であり、図12は、図11の12−12線矢視断面図である。図11,12では、上下方向を矢印X、横方向を矢印Yで示し(図12を除く)、前後方向を矢印Zで示す。排気ダクト26は、その一部が所定の固定手段を介してチャンバー35の後側壁36Eに着脱可能に取り付けられている。排気ダクト26の排気端部32は、排気ダクト収容ボックス33の内部空間37に収容されている。
排気端部32は、内部空間37において前後方向前方へ延びる第1水平部分32Aと、横方向へ延びる第2水平部分32Bと、空気排気口31を有して上下方向へ延びる2本の垂直部分32Cとから形成されている。第2水平部分32Bは、第1水平部分32Aの先端につながり、垂直部分32Bは、第2水平部分32Bの横方向両端につながっている。第1水平部分32Aと第2水平部分32Bとは、溶接によって気密に接続されている。第2水平部分32Bと垂直部分32Cとは、溶接によって気密に接続されている。この排気ダクト26では、空気排気口31がチャンバー35の頂壁36Aと底壁36Bとに対向し、排気口31が頂壁36Aと底壁36Bとに向かって上下方向へ開口している。
この排気ダクト26では、その排気端部32の垂直部分32Cがガラリ34の外側に吹く風(空気の動圧)の影響を直接受けることがない方向へ延出し、それによって空気排気口31がガラリ34の外側に吹く風(空気の動圧)の影響を直接受けることがない方向に向いている。ガラリ34の外側近傍で強い風が吹き、図12に矢印A3で示すように、その風の影響で空気がガラリ34を通って排気ダクト収容ボックス33の内部空間37に進入し、空気が空気排気口31に流入しようとしても、排気口31が頂壁36Aと底壁36Bとに向かって開口しているから、空気が排気口31から進入し難く、排気ダクト26内への空気の流入を最小限にすることができる。排気ダクト26の排気端部32は、排気ファン29から排気する空気の圧力や量を厳密に管理することが要求されるクリーンルーム11,12での使用に特に有効である。
この排気ダクト26の排気端部32を備えた排気装置14のモータダンパ30のコントローラ38が実行する各手段は図1のそれと同一であり、図6およびその説明を援用することで、各手段の説明は省略する。排気ダクト26の排気端部32を備えた排気装置14は、図1に示す排気装置14が有する効果に加え、以下の効果を有する。
図11の排気端部32を備えた排気装置14は、ガラリ34の外側近傍に吹く風(空気)がガラリ34を通って排気ダクト収容ボックス33の内部空間37に進入し、その風の影響で空気が空気排気口31に流入しようとしても、排気端部32のそれら垂直部分32Cがガラリに向かって延びておらず、排気口31がチャンバー35の頂壁36Aと底壁36Bとに対向し、排気口31がガラリ34の外側に吹く風の影響を直接受けることがない方向に向いているから、空気がボックス33の内部空間37に進入したとしても、わずかな空気(静圧)のみが排気ダクト26内へ流入するに過ぎない。
この排気装置14は、わずかな空気が排気ダクト26内へ流入し、それによって測定圧力が設定圧力の範囲を超過したとしても、モータダンパ30の旋回羽根39の開度を大きくしてダンパ30の空気流路を通過する空気量を増加させ、空気排気口31から排気する空気の量を増加させるから、ダンパ30を利用してガラリ34の外側近傍に吹く風の影響を打ち消すことができ、一定圧かつ一定量の空気を安定してクリーンルーム11,12外に排気することができる。この排気装置14は、クリーンルーム11,12において室内気圧の変動がない空調環境を確実に作ることが可能である。