添付の図面を参照し、本発明に係るダクト収容ボックスの詳細を説明すると、以下のとおりである。図1,2,7では、上下方向を矢印X、横方向を矢印Y(図7を除く)で示し、前後方向を矢印Z(図2を除く)で示す。図1では、第1排気ユニット29の空気流路30が閉鎖された状態にある。図2では、ガラリ12の一部を破断して示す。なお、図1,2では、ダクト収容ボックス10Aに2本の給気ダクト11が接続されているが、ダクト11の数を2本に限定するものではなく、2本を超過する数のダクト11がボックス10A(ボックス10B〜10Gを含む)に接続される場合もある。
ダクト収容ボックス10Aは、クリーンルーム72,73(室)(図25,26参照)から延びる複数本の給気ダクト11を一纏めにした状態で、工場76(図25,26参照)(既設建物)の屋外から外気を取り入れ、その外気を給気ダクト11に供給する。ダクト収容ボックス10Aは、金属製またはプラスチック製のガラリ12と、ガラリ12につながる金属製のチャンバー13とから形成されている。ボックス10Aの内部には、所定容積の内部空間14が画成されている。
ガラリ13は、工場76の内外を隔てる壁15に作られた開口16に整合させた状態で、その壁15に取り付けられている。チャンバー13は、ガラリ12に連接されて壁15の内側に施設された横方向へ長い5面体である。チャンバー13は、上下方向へ対向する頂壁17および底壁18と、横方向へ対向する両側壁19,20と、それら両側壁19,20の間に位置する後側壁21とから形成されている。それら壁17〜21は、その平面形状が矩形に成形されている。チャンバー13では、頂底壁17,18と両側壁19,20と後側壁21とが気密に接続されている。チャンバー13は、頂底壁17,18と両側壁19,20とのうちの壁15に当接する部分が壁15に気密に固定されている。
後側壁21には、給気ダクト11の延出端部22を挿通する挿通孔23が形成されている。ダクト収容ボックス10Aでは、後側壁21の挿通孔23に給気ダクト11の延出端部22が挿通され、挿通孔23の周縁にダクト11の周面が気密に固定されている。給気ダクト11の延出端部22は、挿通孔23からチャンバー13内に引き込まれ、ボックス10Aの内部空間14に収容されている。
ダクト収容ボックス10Aの内部空間15(チャンバー13内)では、給気ダクト11の延出端部22がガラリ12に向かって前後方向前方へ直状に延び、延出端部22の開口端24がガラリ12に対向し、開口端24が工場76の外(屋外)に向かって前後方向前方へ開口している。なお、給気ダクト11はその断面形状が円形に成型されているが、断面形状を円形に限定するものではなく、四角形等の他の断面形状を有するダクト11を使用することもできる。
給気ダクト11の延出端部22の開口端24とガラリ12との間には、平面形状が円形の遮蔽板25が設置されている。遮蔽板25は、開口端24の周縁から延びる複数本の連接棒26を介して開口端24の前方に固定されている。遮蔽板25は、その面積(平面形状の面積)が延出端部22の開口端24の開口面積よりも大きく、ガラリ12に対して延出端部22の開口端24の全域を遮蔽する。遮蔽板25は、ガラリ12から進入した空気の開口端24への直接の流入を遮る。なお、遮蔽板25は、その面積が開口端24の開口面積と同一であってもよい。また、遮蔽板25は、給気ダクト11の断面形状が四角形であれば、その平面形状が四角形に成形される。
チャンバー13の後側壁21には、図1に示すように、各側壁35〜38から作られた中空四角柱状の筐体27と逆止弁ダンパ28Aとを備えた第1排気ユニット29が設置されている。逆止弁ダンパ28は、各側壁35〜38に囲繞されたユニット29の空気流路30に設置され、ガラリ12からチャンバー13内に進入した空気の圧力に応じてボックス10Aの内部空間15(チャンバー13内)の空気を内部空間15外(チャンバー13外)に逃がす。なお、第1排気ユニット29の後側壁21における設置箇所に特に限定はなく、後側壁21であればいずれの箇所に設置してもよい。
逆止弁ダンパ28は、図3,4に示すように、筐体27に回転可能に取り付けられた回転軸31(軸)と、回転軸31に取り付けられて排気ユニット29の空気流路30を開閉する旋回羽根32と、回転軸31に取り付けられて排気ユニット29の空気流路30を閉鎖する方向へ旋回羽根32を旋回させる所定重量の錘33と、ストッパー34とを有する。
回転軸31は、第1および第3側壁35,37に回転可能に取り付けられている。回転軸31は、筐体27の内側に延びる内側部分39と、第1側壁35を貫通して筐体27の外側に延びる外側部分40と、外側部分40から径方向外方に延びる錘支持棒41とを有する。旋回羽根32は、ユニット29の空気流路30と略同一の面積を有する四角形の金属板であり、回転軸31の内側部分39に旋回可能に取り付けられている。旋回羽根32は、回転軸31の回転によって空気流路30を閉鎖する方向と流路30を開放する方向とへ旋回する。
ストッパー34は、金属板から作られ、第2側壁36の内側に取り付けられて側壁36から空気流路30に向かって延びている。旋回羽根32の先端部分がストッパー34に当接すると、羽根32の旋回が停止する。排気ユニット29では、旋回羽根32によってユニット29の空気流路30が閉鎖されたときにその羽根32のそれ以上の旋回がストッパー34によって阻止され、羽根32がストッパー34の前方へ旋回することはないから、ユニット29の空気流路30に開口が形成されることはない。ゆえに、後側壁21からチャンバー13内への空気の流入を防ぐことができる。
錘支持棒41は、回転軸31の外側部分40の先端に着脱可能に取り付けられている。錘支持棒41の基端部には、装着リング42が取り付けられている。支持棒41を回転軸31に取り付けるには、リング42を回転軸31の外側部分40に嵌め込んだ後、ビス43によってそのリング42を外側部分40に固定する。ビス43を取り外し、装着リング42を回転軸31の外側部分40から抜き取ることによって支持棒41を外側部分40から取り外すことができる。
錘33は、金属を円盤状に成形したものであり、その中央に円形の挿入口が形成されている。錘33は、錘支持棒41に着脱可能に取り付けられている。錘33の両側には、固定リング44が配置されている。錘33を錘支持棒41に取り付けるには、支持棒41に一方の固定リング44を嵌め込んだ後、錘33の挿入口を支持棒41に挿入し、さらに、他方の固定リング44を支持棒41に嵌め込み、それらリング44で錘33を挟み、ビス45によってそれらリング44を支持棒41に固定する。支持棒41におけるリング44の固定位置を変えることによって、支持棒41における錘33の取り付け位置を調節することができる。ビス45を取り外し、リング44や錘33を支持棒41から抜き取ることによってリング44や錘33を支持棒41から取り外すことができる。
図5に示す旋回羽根32が空気流路30を閉じた状態または図6に示す旋回羽根32が前後方向後方へ旋回した状態において、錘33は、回転軸31の中心を通る仮想垂直線L1の左方に位置する。したがって、錘33は、その重量によって排気ユニット29の空気流路30を閉鎖する方向へ旋回羽根32を旋回させる。旋回羽根32は、錘33によって排気ユニット29の空気流路30を閉鎖する方向へ常時付勢されている。
図7に矢印A1で示すように、ガラリ12の外側近傍(工場76の屋外)で強い風が吹くと、その風の影響でガラリ12からダクト収容ボックス10Aの内部空間14(チャンバー13内)に余分な空気が一気に進入する場合がある。ガラリ12から余分な空気が進入すると、その空気が内部空間14を通って排気ユニット29に進入し、図7に矢印A3で示すように、ユニット29内に流入した空気が旋回羽根32に衝突し、その空気圧によって羽根32に所定の動圧(押圧力)が作用する。旋回羽根32に作用する動圧は、図6に示すように、錘33の重量に抗して回転軸31を時計回り方向へ回転させるように旋回羽根32を押圧する。
逆止弁ダンパ28Aでは、ダクト収容ボックス10Aの内部空間14(チャンバー13内)の第1設定圧力と錘33とが釣り合うように錘33の重量が調節されている。錘33の重量の調節は、重量の異なる錘33を錘支持棒41に取り付ける場合と支持棒41に対する錘33の固定位置を変更する場合との少なくとも一方によって行われる。第1設定圧力を高くする場合は、錘33の重量そのものを増加させてもよく、錘支持棒41における錘33の固定位置を回転軸31から離間する方向へずらしてもよい。第1設定圧力を低くする場合は、錘33の重量そのものを減少させてもよく、錘支持棒41における錘33の固定位置を回転軸31に近接する方向へずらしてもよい。
第1設定圧力は、5Pa〜40Paの範囲、好ましくは、5Pa〜20Paの範囲、より好ましくは、5Pa〜10Paの範囲に設定される。第1設定圧力が40Paを超過すると、ガラリ12からチャンバー13内に余分な空気が進入したときに、その空気をチャンバー13外に速やかに逃がすことができず、必要以上の空気の給気ダクト11への流入を防ぐことができない場合がある。ダクト収容ボックス10Aは、第1設定圧力を前記範囲にすることで、ガラリ12からチャンバー13内に余分な空気が進入したとしても、逆止弁ダンパ28Aの旋回羽根32が迅速に旋回して空気をチャンバー13外に速やかに逃がすことができ、必要以上の空気の給気ダクト11への流入を防ぐことができる。
内部空間14(チャンバー13内)の空気の圧力が錘33の重量(錘33の重量を空気圧に変換した第1設定圧力)よりも大きいと、旋回羽根32が錘33の重量に抗して空気流路30を開放する方向へ旋回する(図6では回転軸31が時計回り方向へ回転する)。旋回羽根32が空気流路30を開放する方向へ旋回すると、空気流路30に所定面積の開口46(空気排出口)が形成され、空気がその開口46を通って内部空間14の外(チャンバー13外)に排気される。逆に、内部空間14の空気の圧力が錘33の重量(第1設定圧力)よりも小さいと、錘33の重量によって旋回羽根32が空気流路30を閉鎖する方向へ旋回する(図6では回転軸31が反時計回り方向へ回転する)。
ダクト収容ボックス10Aは、チャンバー13の後側壁21に逆止弁ダンパ28Aを有する第1排気ユニット29が設置されているから、ガラリ12の外側に吹く風の影響で瞬間的に余分な空気がチャンバー13内に進入したときに、第1排気ユニット29の逆止弁ダンパ28Aを利用してチャンバー13に進入した空気をチャンバー13内からチャンバー13外に逃がすことができ、その結果、ガラリ12から直接給気ダクト11の延出端部22に向かう空気の動圧を除圧することができ、給気ダクト11への必要以上の空気の流入を防ぐことができる。
ダクト収容ボックス10Aは、遮蔽板25によって延出端部22の開口端24の全域がガラリ12に対して確実に遮蔽されるから、ガラリ12の外側に吹く風の影響で余分な空気がガラリ12から給気ダクト11に向かって進入したとしても、その空気が遮蔽板25に衝突し、チャンバー13内に進入した空気の給気ダクト11への直接の流入を防ぐことができ、給気ダクト11に流入する空気を最小限にすることができる。また、ガラリ12の外側に吹く風の影響で空気がチャンバー13から流出したとしても、遮蔽板25によって空気の給気ダクト11からの直接の流出を防ぐことができる。ダクト収容ボックス10Aは、ガラリ12の外側に強い風が吹いたとしても、空気が給気ダクト11へ一気に流入することはなく、空気が給気ダクト11から一気に流出することもないから、給気ダクト11の内部気圧の急激な変動を防ぐことができる。
ダクト収容ボックス10Aは、逆止弁ダンパ28Aを利用してチャンバー13に進入した空気をチャンバー13内からチャンバー13外に逃がすことができることに加え、遮蔽板25を利用して給気ダクト11への空気の直接の流入や給気ダクト11からの空気の直接の流出を防ぐことができるから、余分な空気が不定期かつ不規則に給気ダクト11に流入することはなく、空気が不定期かつ不規則に給気ダクト11から流出することもなく、一定圧かつ一定量の空気を給気ダクト11に流入させることができる。
図8は、他の一例として示すダクト収容ボックス10Bの斜視図であり、図9は、空気流路30が開放された状態の図8のB−B線矢視断面図である。図8,9では、上下方向を矢印X、横方向を矢印Yで示し、前後方向を矢印Z(図9を除く)で示す。図8では、第1および第2排気ユニット29,47の空気流路30が閉鎖された状態にある。このダクト収容ボックス10Bが図1のそれと異なるのはボックス10Bに第2排気ユニット47が設置されている点にあり、その他の構成は図1のボックス10Aのそれと同一であるから、図1と同一の符号を付すとともに、図1のボックス10Aの説明を援用することで、このボックス10Bのその他の構成の説明は省略する。
チャンバー13の側壁19には、図8に示すように、各側壁36〜38から作られた中空四角柱状の筐体27と逆止弁ダンパ28Bとを備えた第2排気ユニット47が設置されている。逆止弁ダンパ28Bは、各側壁36〜38に囲繞されたユニット47の空気流路30に設置され、ガラリ12からダクト収容ボックス10Bに進入した空気の圧力に応じてボックス10Bの内部空間14(チャンバー13内)の空気を内部空間14の外(チャンバー13外)に逃がす。なお、第2排気ユニット47の側壁19における設置箇所に特に限定はなく、側壁19であればいずれの箇所に設置してもよい。また、第2排気ユニット47は、側壁19のみならず、側壁20に設置されていてもよい。
第2排気ユニット47の構成は、図3〜7のそれと同一であるから、図3〜7と同一の符号(ただし、第1排気ユニット29の逆止弁ダンパ28Aに末尾符号Aを付け、第2排気ユニット47の逆止弁ダンパ28Bに末尾符号Bを付けることで両者を区別する)を付すとともに、図3〜7の排気ユニット29の説明を援用することで、この排気ユニット47の説明は省略する。
ガラリ12の外側近傍(工場76の屋外)に吹く風の影響で、ガラリ12から余分な空気が一気に進入すると、その空気がチャンバー13を通って第1排気ユニット29に進入し、その空気が逆止弁ダンパ28Aの旋回羽根32に衝突して羽根32に所定の動圧(押圧力)が作用する(図7援用)。さらに、後側壁21に衝突した空気によって内部空間14(チャンバー13内)の気圧が上がり、その気圧が第2排気ユニット47に作用して逆止弁ダンパ28Bの旋回羽根32に所定の静圧(押圧力)が作用する。逆止弁ダンパ28Aの旋回羽根32に作用する動圧は、錘33の重量に抗して回転軸31を回転させるように羽根32を押圧する。また、逆止弁ダンパ28Bの旋回羽根32に作用する静圧は、錘33の重量に抗して回転軸31を回転させるように羽根32を押圧する。
各逆止弁ダンパ28A,28Bでは、ダクト収容ボックス10Bの内部空間14(チャンバー13内)の第1設定圧力と錘33とが釣り合うように錘33の重量が調節されている。錘33の重量の調節は、図3〜6のそれと同様に、重量の異なる錘33を錘支持棒41に取り付ける場合と支持棒41に対する錘33の固定位置を変更する場合との少なくとも一方によって行われる。第1設定圧力を高くする場合は、錘33の重量そのものを増加させてもよく、錘支持棒41における錘33の固定位置を回転軸31から離間する方向へずらしてもよい。第1設定圧力を低くする場合は、錘33の重量そのものを減少させてもよく、錘支持棒41における錘33の固定位置を回転軸31に近接する方向へずらしてもよい。
逆止弁ダンパ28A,28Bにおける第1設定圧力は、5Pa〜40Paの範囲、好ましくは、5Pa〜20Paの範囲、より好ましくは、5Pa〜10Paの範囲に設定される。第1設定圧力が40Paを超過すると、ガラリ12からチャンバー13内に余分な空気が進入したときに、その空気をチャンバー13外に速やかに逃がすことができず、必要以上の空気の給気ダクト11への流入を防ぐことができない場合がある。ダクト収容ボックス10Bは、第1設定圧力を前記範囲にすることで、ガラリ12からチャンバー13内に余分な空気が進入したとしても、逆止弁ダンパ28A,28Bの旋回羽根32が迅速に旋回して空気をチャンバー13外に速やかに逃がすことができ、必要以上の空気の給気ダクト11への流入を防ぐことができる。
内部空間14の空気の圧力が錘33の重量(錘33の重量を空気圧に変換した第1設定圧力)よりも大きいと、旋回羽根32が錘33の重量に抗して空気流路30を開放する方向へ旋回し(図6援用)、旋回羽根32が錘33の重量に抗して空気流路30を開放する方向へ旋回する(図9参照)。逆止弁ダンパ28A,28Bの旋回羽根32が空気流路30を開放する方向へ旋回すると、空気流路30に所定面積の開口46(空気排出口)が形成され、空気がその開口46を通って内部空間13の外(チャンバー13外)に排気される。逆に、内部空間13の空気の圧力が錘33の重量(第1設定圧力)よりも小さいと、錘33の重量によって逆止弁ダンパ28A,28Bの旋回羽根32が空気流路30を閉鎖する方向へ旋回する。
ダクト収容ボックス10Bは、チャンバー13の後側壁21に逆止弁ダンパ28Aを有する第1排気ユニット29が設置され、側壁19に逆止弁ダンパ28Bを有する第2排気ユニット47が設置されているから、ガラリ12の外側に吹く風の影響で瞬間的に余分な空気がチャンバー13内に進入したときに、第1および第2排気ユニット29,47の逆止弁ダンパ28A,28Bを利用してチャンバー13に進入した空気をチャンバー13内からチャンバー13外に逃がすことができ、その結果、ガラリ12から直接給気ダクト11の延出端部22に向かう空気の動圧や逆止弁ダンパ28Bに作用する静圧を除圧することができ、必要以上の空気の給気ダクト11への流入を防ぐことができる。
ダクト収容ボックス10Bは、遮蔽板25によって延出端部22の開口端24の全域がガラリ12に対して確実に遮蔽されるから、ガラリ12の外側に吹く風の影響で余分な空気がガラリ12から給気ダクト11に向かって進入したとしても、その空気が遮蔽板25に衝突し、チャンバー13内に進入した空気の給気ダクト11への直接の流入を防ぐことができ、給気ダクト11に流入する空気を最小限にすることができる。また、ガラリ12の外側に吹く風の影響で空気がチャンバー13から流出したとしても、遮蔽板25によって空気の給気ダクト11からの直接の流出を防ぐことができる。ダクト収容ボックス10Bは、ガラリ12の外側に強い風が吹いたとしても、空気が給気ダクト11へ一気に流入することはなく、空気が給気ダクト11から一気に流出することもないから、給気ダクト11の内部気圧の急激な変動を防ぐことができる。
ダクト収容ボックス10Bは、逆止弁ダンパ28A,28Bを利用してチャンバー13に進入した空気をチャンバー13内からチャンバー13外に逃がすことができることに加え、遮蔽板25を利用して給気ダクト11への空気の直接の流入や給気ダクト11からの空気の直接の流出を防ぐことができるから、余分な空気が不定期かつ不規則に給気ダクト11に流入することはなく、空気が不定期かつ不規則に給気ダクト11から流出することもなく、一定圧かつ一定量の空気を給気ダクト11に流入させることができる。
図10は、他の一例として示すダクト収容ボックス10Cの斜視図であり、図11は、他の一例として示す排気ユニット48の斜視図である。図12は、空気流路52を開放した状態の排気ユニット48の部分破断斜視図であり、図13は、空気流路52が開放された状態の図10のC−C線矢視断面図である。図10,13では、上下方向を矢印X、横方向を矢印Y(図13を除く)で示し、前後方向を矢印Zで示す。図10では、第1排気ユニット48の空気流路52が閉鎖された状態にある。
このダクト収容ボックス10Cが図1のそれと異なるのはボックス10Cに図1とは異なる態様の第1排気ユニット48が設置されている点にあり、その他の構成は図1のボックス10Aのそれと同一であるから、図1と同一の符号を付すとともに、図1のボックス10Aの説明を援用することで、このボックス10Cのその他の構成の説明は省略する。第1排気ユニット48は、図10に示すように、周壁49から作られた中空円筒状の筐体50と逆止弁ダンパ51Aとを備え、チャンバー13の後側壁21に設置されている。
逆止弁ダンパ51Aは、周壁49に囲繞されたユニット48の空気流路52に設置され、ガラリ12からダクト収容ボックス10Cに進入した空気の圧力に応じてボックス10Cの内部空間14(チャンバー13内)の空気を内部空間14の外(チャンバー13外)に逃がす。逆止弁ダンパ51Aは、排気ユニット48に固定された支持板53に回転可能に取り付けられた軸54(蝶番)と、軸54に取り付けられて排気ユニット48の空気流路52を開閉する旋回羽根55と、ストッパー56とを有する。
旋回羽根55は、排気ユニット48の空気流路52と略同一の面積を有する略円形の金属板であり、軸54に旋回可能に取り付けられている。旋回羽根55は、軸54を中心に空気流路52を閉鎖する方向と空気流路52を開放する方向とへ旋回する。ストッパー56は、金属板から作られ、周壁49の内側に取り付けられて周壁49から空気流路52に向かって延びている。旋回羽根55の周縁部がストッパー56に当接すると、羽根55の旋回が停止する。第1排気ユニット48では、旋回羽根55によってユニット48の空気流路52が閉鎖されたときにその羽根55のそれ以上の旋回がストッパー56によって阻止され、羽根55がストッパー56の前方へ旋回することはないから、ユニット48の空気流路52に開口が形成されることはない。ゆえに、後側壁21からチャンバー13内への空気の流入を防ぐことができる。
旋回羽根55は、その自重(羽根55の重量)によって第1排気ユニット48の空気流路52を閉鎖する方向へ旋回する。ガラリ12の外側近傍(工場76の屋外)で強い風が吹くと、その風の影響でガラリ12からダクト収容ボックス10Cの内部空間14(チャンバー13内)に余分な空気が一気に進入する場合がある。ガラリ12から余分な空気が進入すると、その空気がチャンバー13を通って第1排気ユニット48に進入し、空気が旋回羽根55に衝突して羽根55に所定の動圧(押圧力)が作用する。旋回羽根55に作用する動圧は、錘33の重量に抗して軸54を回転させるように羽根55を押圧する。
逆止弁ダンパ51Aでは、ダクト収容ボックス10Cの内部空間14(チャンバー13内)の第1設定圧力と旋回羽根55とが釣り合うように羽根55の重量が調節されている。第1設定圧力を高くする場合は、旋回羽根55の重量を増加させる。第1設定圧力を低くする場合は、羽根55の重量を減少させる。第1設定圧力は、5Pa〜40Paの範囲、好ましくは、5Pa〜20Paの範囲、より好ましくは、5Pa〜10Paの範囲に設定される。第1設定圧力が40Paを超過すると、ガラリ12からチャンバー13内に余分な空気が進入したときに、その空気をチャンバー13外に速やかに逃がすことができず、必要以上の空気の給気ダクト11への流入を防ぐことができない場合がある。ダクト収容ボックス10Cは、第1設定圧力を前記範囲にすることで、ガラリ12からチャンバー13内に余分な空気が進入し、逆止弁ダンパ51Aの旋回羽根55に動圧が作用したとしても、羽根55が迅速に旋回して空気をチャンバー13外に速やかに逃がすことができ、必要以上の空気の給気ダクト11への流入を防ぐことができる。
内部空間14の空気の圧力が旋回羽根55の重量(羽根55の重量を空気圧に変換した第1設定圧力)よりも大きいと、羽根55がその重量に抗して空気流路52を開放する方向へ旋回する。旋回羽根55が空気流路52を開放する方向へ旋回すると、空気流路52に所定面積の開口57(空気排出口)が形成され、空気がその開口57を通って内部空間14の外(チャンバー13外)に排気される。逆に、内部空間14の空気の圧力が旋回羽根55の重量(第1設定圧力)よりも小さいと、羽根55の重量によって羽根55が空気流路52を閉鎖する方向へ旋回する。空気流路52が閉鎖された状態では、旋回羽根55の周縁部がストッパー56に当接している。
ダクト収容ボックス10Cは、チャンバー13の側壁19に逆止弁ダンパ51Aを有する第1排気ユニット48が設置されているから、図13に矢印A1で示すように、ガラリ12の外側に吹く風の影響で瞬間的に余分な空気がチャンバー13内に進入したときに、第1排気ユニット48の逆止弁ダンパ51Aを利用してチャンバー13に進入した空気をチャンバー13内からチャンバー13外に逃がすことができ、その結果、ガラリ12から直接給気ダクト11の延出端部22に向かう空気の動圧を除圧することができ、必要以上の空気の給気ダクト11への流入を防ぐことができる。
ダクト収容ボックス10Cは、遮蔽板25によって延出端部22の開口端24の全域がガラリ12に対して確実に遮蔽されるから、ガラリ12の外側に吹く風の影響で余分な空気がガラリ12から給気ダクト11に向かって進入したとしても、その空気が遮蔽板25に衝突し、チャンバー13内に進入した空気の給気ダクト11への直接の流入を防ぐことができ、給気ダクト11に流入する空気を最小限にすることができる。また、図13に矢印A2で示すように、ガラリ12の外側に吹く風の影響で空気がチャンバー13から流出したとしても、遮蔽板25によって空気の給気ダクト11からの直接の流出を防ぐことができる。ダクト収容ボックス10Cは、ガラリ12の外側に強い風が吹いたとしても、空気が給気ダクト11へ一気に流入することはなく、空気が給気ダクト11から一気に流出することもないから、給気ダクト11の内部気圧の急激な変動を防ぐことができる。
ダクト収容ボックス10Cは、逆止弁ダンパ51Aを利用してチャンバー13に進入した空気をチャンバー13内からチャンバー13外に逃がすことができることに加え、遮蔽板25を利用して給気ダクト11への空気の直接の流入や給気ダクト11からの空気の直接の流出を防ぐことができるから、余分な空気が不定期かつ不規則に給気ダクト11に流入することはなく、空気が不定期かつ不規則に給気ダクト11から流出することもなく、一定圧かつ一定量の空気を給気ダクト11に流入させることができる。
図14は、他の一例として示すダクト収容ボックス10Dの斜視図であり、図15は、空気流路52が開放された状態の図14のD−D線矢視断面図である。図14,15では、上下方向を矢印X、横方向を矢印Y(図15を除く)で示し、前後方向を矢印Zで示す。図14では、第1および第2排気ユニット48,58の空気流路52が閉鎖された状態にある。このダクト収容ボックス10Dが図10のそれと異なるのはボックス10Dに第2排気ユニット58が設置されている点にあり、その他の構成は図10のボックス10Cのそれと同一であるから、図10と同一の符号を付すとともに、図10のボックス10Cの説明を援用することで、このボックス10Dのその他の構成の説明は省略する。
チャンバー13の側壁19には、図14に示すように、周壁49から作られた中空円筒状の筐体50と逆止弁ダンパ51Bとを備えた第2排気ユニット58が設置されている。逆止弁ダンパ51Bは、周壁49に囲繞されたユニット58の空気流路52に設置され、ガラリ12からダクト収容ボックス10Dに進入した空気の圧力に応じてボックス10Dの内部空間14(チャンバー14内)の空気を内部空間14の外(チャンバー13外)に逃がす。
第2排気ユニット58の構成は、図11,12のそれと同一であるから、図11,12と同一の符号(ただし、第1排気ユニット48の逆止弁ダンパ51Aに末尾符号Aを付け、第2排気ユニット58の逆止弁ダンパ51Bに末尾符号Bを付けることで両者を区別する)を付すとともに、図11,12の排気ユニット48の説明を援用することで、この排気ユニット58の説明は省略する。
ガラリ12の外側近傍(工場76の屋外)に吹く風の影響で、ガラリ12から余分な空気が一気に進入すると、その空気がチャンバー13を通って第1排気ユニット48に進入し、ユニット48内に流入した空気が旋回羽根55に衝突し、その空気圧によって羽根55に所定の動圧(押圧力)が作用する。さらに、後側壁21に衝突した空気によって内部空間14(チャンバー13内)の気圧が上がり、その気圧が第2排気ユニット58に作用して旋回羽根55に所定の静圧(押圧力)が作用する。逆止弁ダンパ51Aの旋回羽根55に作用する動圧は、羽根55の重量に抗して軸54を回転させるように羽根55を押圧する。また、逆止弁ダンパ51Bの旋回羽根55に作用する静圧は、羽根55の重量に抗して軸54を回転させるように羽根55を押圧する。
それら逆止弁ダンパ51A,51Bでは、ダクト収容ボックス10Dの内部空間14(チャンバー13内)の第1設定圧力と旋回羽根55とが釣り合うように羽根55の重量が調節されている。第1設定圧力を高くする場合は、旋回羽根55の重量を増加させ、第1設定圧力を低くする場合は、羽根55の重量を減少させる。第1設定圧力は、5Pa〜40Paの範囲、好ましくは、5Pa〜20Paの範囲、より好ましくは、5Pa〜10Paの範囲に設定される。第1設定圧力が40Paを超過すると、ガラリ12からチャンバー13内に余分な空気が進入したときに、その空気をチャンバー13外に速やかに逃がすことができず、必要以上の空気の給気ダクト11への流入を防ぐことができない場合がある。ダクト収容ボックス10Dは、第1設定圧力を前記範囲にすることで、ガラリ12からチャンバー13内に余分な空気が進入し、逆止弁ダンパ51Aの旋回羽根55に動圧が作用するとともに逆止弁ダンパ51Bの羽根55に静圧が作用したとしても、それら旋回羽根55が迅速に旋回して空気をチャンバー13外に速やかに逃がすことができ、必要以上の空気の給気ダクト11への流入を防ぐことができる。
内部空間14の空気の圧力が旋回羽根55の重量(羽根55の重量を空気圧に変換した第1設定圧力)よりも大きいと、羽根55がその重量に抗して空気流路52を開放する方向へ旋回し(図11,12援用)、羽根55がその重量に抗して空気流路52を開放する方向へ旋回する。それら旋回羽根55が空気流路52を開放する方向へ旋回すると、空気流路52に所定面積の開口57(空気排出口)が形成され、空気がその開口57を通って内部空間14の外(チャンバー13外)に排気される。逆に、内部空間14の空気の圧力が旋回羽根55の重量(第1設定圧力)よりも小さいと、羽根55の重量によってそれら羽根55が空気流路52を閉鎖する方向へ旋回する。
ダクト収容ボックス10Dは、チャンバー13の後側壁21に逆止弁ダンパ51Aを有する第1排気ユニット48が設置され、側壁19に逆止弁ダンパ51Bを有する第2排気ユニット58が設置されているから、ガラリ12の外側に吹く風の影響で瞬間的に余分な空気がチャンバー13内に進入したときに(図13援用)、第1および第2排気ユニット48,58の逆止弁ダンパ51A,51Bを利用してチャンバー13に進入した空気をチャンバー13内からチャンバー13外に逃がすことができ、その結果、利用してガラリ12から直接給気ダクト11の延出端部22に向かう空気の動圧や逆止弁ダンパ51Bに作用する静圧を除圧することができ、必要以上の空気の給気ダクト11への流入を防ぐことができる。
ダクト収容ボックス10Dは、遮蔽板25によって延出端部22の開口端24の全域がガラリ12に対して確実に遮蔽されるから、ガラリ12の外側に吹く風の影響で余分な空気がガラリ12から給気ダクト11に向かって進入したとしても、その空気が遮蔽板25に衝突し、チャンバー13内に進入した空気の給気ダクト11への直接の流入を防ぐことができ、給気ダクト11に流入する空気を最小限にすることができる。また、ガラリ12の外側に吹く風の影響で空気がチャンバー13から流出したとしても(図13援用)、遮蔽板25によって空気の給気ダクト11からの直接の流出を防ぐことができる。ダクト収容ボックス10Dは、ガラリ12の外側に強い風が吹いたとしても、空気が給気ダクト11へ一気に流入することはなく、空気が給気ダクト11から一気に流出することもないから、給気ダクト11の内部気圧の急激な変動を防ぐことができる。
ダクト収容ボックス10Dは、逆止弁ダンパ51A,51Bを利用してチャンバー13に進入した空気をチャンバー13内からチャンバー13外に逃がすことができることに加え、遮蔽板25を利用して給気ダクト11への空気の直接の流入や給気ダクト11からの空気の直接の流出を防ぐことができるから、余分な空気が不定期かつ不規則に給気ダクト11に流入することはなく、空気が不定期かつ不規則に給気ダクト11から流出することもなく、一定圧かつ一定量の空気を給気ダクト11に流入させることができる。
図16は、他の一例として示すダクト収容ボックス10Eの斜視図であり、図17は、図16のダクト収容ボックス10Eの部分破断正面図である。図18は、図16のE−E線矢視断面図である。図16〜図18では、上下方向を矢印X、横方向を矢印Y(図18を除く)で示し、前後方向を矢印Z(図17を除く)で示す。図16では、第1排気ユニット29の空気流路30が閉鎖された状態にある。図17では、ガラリ12の一部を破断して示す。
このダクト収容ボックス10Eが図1のそれと異なるのは給気ダクト11の延出端部22に屈曲ダクト59が接続され、遮蔽板25がない点にあり、その他の構成は図1のボックス10Aのそれと同一であるから、図1と同一の符号を付すとともに、図1のボックス10Aの説明を援用することで、このボックス10Eのその他の構成の説明は省略する。
このダクト収容ボックス10Eでは、図16に示すように、チャンバー13の後側壁21に図1と同様の第1排気ユニット29が設置されているが、後側壁21に図10と同様の第1排気ユニット48が設置されていてもよい。また、チャンバー13の後側壁21と側壁19とに図8と同様の第1および第2排気ユニット29,47が設置されていてもよく、チャンバー13の後側壁21と側壁19とに図14と同様の第1および第2排気ユニット48,58が設置されていてもよい。第1設定圧力は、5Pa〜40Paの範囲、好ましくは、5Pa〜20Paの範囲、より好ましくは、5Pa〜10Paの範囲に設定される。
給気ダクト11の延出端部22には、ガラリ12に対向しない方向へ屈曲する屈曲ダクト59が接続されている。屈曲ダクト59は、給気ダクト11の延出端部22の開口端24から流入する空気の流れをガラリ12に対向しない方向へ向ける。屈曲ダクト59は、給気ダクト11の延出端部22の開口端24に気密に接合された第1開口端60と、第1開口端60の反対側に位置して空気が流入する第2開口端61とを有する。
屈曲ダクト59は、給気ダクト11の延出端部22の軸線L2に対して略90度で上下方向上方へ屈曲している。屈曲ダクト59の第2開口端61は、チャンバー13の頂壁17に向かって上下方向上方へ開口している。ガラリ12からボックス10Eの内部空間14に流入した空気は、頂壁17に向かって開口する屈曲ダクト59の第2開口端61からダクト59に流入し、ダクト59を通って給気ダクト11に流入する。
なお、屈曲ダクト59が給気ダクト11の延出端部22の軸線L2に対して略90度で上下方向下方へ屈曲していてもよい。屈曲ダクト59が上下方向下方へ屈曲する場合は、第2開口端61がチャンバー13の底壁18に向かって上下方向下方へ開口する。また、屈曲ダクト59が給気ダクト11の延出端部22の軸線L2に対して略90度で横方向へ屈曲していてもよい。屈曲ダクト59が横方向へ屈曲する場合は、第2開口端61がチャンバー13の側壁19,20に向かって横方向左方または横方向右方へ開口する。屈曲ダクト59は、延出端部22の軸線L2に対して90〜180度の範囲で上下方向または横方向へ屈曲していればよい。屈曲ダクト59が延出端部22の軸線L2に対して180度で上下方向または横方向へ屈曲する場合は、屈曲ダクト59の第2開口端61がチャンバー13の後側壁21に向かって前後方向後方へ開口する。
ダクト収容ボックス10Eは、チャンバー13の後側壁21に逆止弁ダンパ28Aを有する第1排気ユニット29が設置されているから、図18に矢印A1で示すように、ガラリ12の外側に吹く風の影響で瞬間的に余分な空気がチャンバー13内に進入したときに、第1排気ユニット29の逆止弁ダンパ28Aを利用してチャンバー13に進入した空気をチャンバー13内からチャンバー13外に逃がすことができ、その結果、利用してガラリ12から直接給気ダクト11の延出端部22に向かう空気の動圧を除圧することができ、必要以上の空気の給気ダクト11への流入を防ぐことができる。
ダクト収容ボックス10Eは、屈曲ダクト59が上下方向上方へ屈曲してガラリ12に対向しない方向へ延出し、屈曲ダクト59の第2開口端61がチャンバー13の頂壁17に向かって開口(ガラリ12に対向しない方向へ開口)するから、図18に矢印A1で示すように、ガラリ12の外側に吹く風の影響で余分な空気がボックス10Eの内部空間14(チャンバー13内)に進入したとしても、その空気が屈曲ダクト59の周面に衝突し、空気がダクト59の第2開口端61に直接進入することはなく、内部空間14に進入した空気の給気ダクト11への直接の流入を防ぐことができ、ダクト11に流入する空気を最小限にすることができる。また、図18に矢印A2で示すように、ガラリ12の外側に吹く風の影響で空気がチャンバー13から流出したとしても、空気が屈曲ダクト59の第2開口端61から直接流出することはなく、空気の給気ダクト11からの直接の流出を防ぐことができる。
ダクト収容ボックス10Eは、逆止弁ダンパ28Aを利用してチャンバー13に進入した空気をチャンバー13内からチャンバー13外に逃がすことができることに加え、屈曲ダクト59を利用して給気ダクト11への空気の直接の流入や給気ダクト11からの空気の直接の流出を防ぐことができるから、余分な空気が不定期かつ不規則に給気ダクト11に流入することはなく、空気が不定期かつ不規則に給気ダクト11から流出することもなく、一定圧かつ一定量の空気を給気ダクト11に流入させることができる。
図19は、他の一例として示すダクト収容ボックス10Fの斜視図であり、図20は、図19のダクト収容ボックス10Fの部分破断正面図である。図21は、図19のF−F線矢視断面図である。図19〜図21では、上下方向を矢印X、横方向を矢印Y(図21を除く)で示し、前後方向を矢印Z(図20を除く)で示す。図19では、第1排気ユニット29の空気流路30が閉鎖された状態にある。図20では、ガラリ12の一部を破断して示す。
このダクト収容ボックス10Fが図1のそれと異なるのは給気ダクト11の延出端部22に接続ダクト62が接続され、遮蔽板25がない点にあり、その他の構成は図1のボックス10Aのそれと同一であるから、図1と同一の符号を付すとともに、図1のボックス10Aの説明を援用することで、このボックス10Fのその他の構成の説明は省略する。
このダクト収容ボックス10Fでは、図19に示すように、チャンバー13の後側壁21に図1と同様の第1排気ユニット29が設置されているが、後側壁21に図10と同様の第1排気ユニット48が設置されていてもよい。また、チャンバー13の後側壁21と側壁19とに図8と同様の第1および第2排気ユニット29,47が設置されていてもよく、チャンバー13の後側壁21と側壁19とに図14と同様の第1および第2排気ユニット48,58が設置されていてもよい。第1設定圧力は、5Pa〜40Paの範囲、好ましくは、5Pa〜20Paの範囲、より好ましくは、5Pa〜10Paの範囲に設定される。
給気ダクト11の延出端部22には、上下方向(ガラリ12に対向しない方向)へ直状に延びる接続ダクト62が接続されている。接続ダクト62は、給気ダクト11の延出端部22の開口端24から流入する空気の流れをガラリ12に対向しない方向へ向ける。接続ダクト62は、給気ダクト11の延出端部22の開口端24に接続された中央開口端63と、中央開口端63の両側に位置して空気が流入する両側開口端64とを有する。
接続ダクト62の中央開口端63は、その周縁が延出端部11の開口端24の周縁に気密に接合されている。接続ダクト62の両側開口端64の一方は、チャンバー13の頂壁17に向かって上下方向上方へ開口し、両側開口端64の他方は、チャンバー13の底壁18に向かって上下方向下方へ開口している。ガラリ12からボックス10Fの内部空間14に流入した空気は、頂底壁17,18に向かって開口する接続ダクト62の両側開口端64からダクト62に流入し、ダクト62を通って給気ダクト11に流入する。
接続ダクト62は、その軸線L3が給気ダクト11の延出端部22の軸線L2に対して直交している。換言すれば、接続ダクト62と延出端部22との交差角度が90度であり、接続ダクト62と延出端部22との側面形状がT字形を呈する。なお、接続ダクト62の軸線L3が給気ダクト11の延出端部22の軸線L2に対して90度未満で交差していてもよく、接続ダクト62の軸線L3がダクト11の延出端部22の軸線L3に対して90度を超過して交差していてもよい。また、接続ダクト62が横方向(ガラリ12に対向しない方向)へ直状に延びていてもよい。接続ダクト62が横方向へ延びる場合は、両側開口端64がチャンバー13の側壁19,20に向かって横方向左方と横方向右方とへ開口する。
ダクト収容ボックス10Fは、チャンバー13の後側壁21に逆止弁ダンパ28Aを有する第1排気ユニット29が設置されているから、図21に矢印A1で示すように、ガラリ12の外側に吹く風の影響で瞬間的に余分な空気がチャンバー13内に進入したときに、第1排気ユニット29の逆止弁ダンパ28Aを利用してチャンバー13に進入した空気をチャンバー13内からチャンバー13外に逃がすことができ、その結果、利用してガラリ12から直接給気ダクト11の延出端部22に向かう空気の動圧を除圧することができ、必要以上の空気の給気ダクト11への流入を防ぐことができる。
ダクト収容ボックス10Fは、接続ダクト62が上下方向へ延びていてガラリ12に対向しない方向へ延出し、接続ダクト62の両側開口端64がチャンバー13の頂底壁17,18に向かって開口(ガラリ12に対向しない方向へ開口)するから、図21に矢印A1で示すように、ガラリ12の外側に吹く風の影響で余分な空気がボックス10Fの内部空間14(チャンバー13内)に進入したとしても、その空気が接続ダクト62の周面に衝突し、空気が接続ダクト62の両側開口端64に直接進入することはなく、内部空間14に進入した空気の給気ダクト11への直接の流入を防ぐことができ、ダクト11に流入する空気を最小限にすることができる。また、図21に矢印A2で示すように、ガラリ12の外側に吹く風の影響で空気がチャンバー13から流出したとしても、空気が接続ダクト62の両側開口端64から直接流出することはなく、空気の給気ダクト11からの直接の流出を防ぐことができる。
ダクト収容ボックス10Fは、逆止弁ダンパ28Aを利用してチャンバー13に進入した空気をチャンバー13内からチャンバー13外に逃がすことができることに加え、接続ダクト62を利用して給気ダクト11への空気の直接の流入や給気ダクト11からの空気の直接の流出を防ぐことができるから、余分な空気が不定期かつ不規則に給気ダクト11に流入することはなく、空気が不定期かつ不規則に給気ダクト11から流出することもなく、一定圧かつ一定量の空気を給気ダクト11に流入させることができる。
図22は、他の一例として示すダクト収容ボックス10Gの斜視図であり、図23は、図22のダクト収容ボックス10Gの部分破断正面図である。図24は、図22のF−F線矢視断面図である。図22〜図24では、上下方向を矢印X、横方向を矢印Y(図24を除く)で示し、前後方向を矢印Z(図23を除く)で示す。図22では、第1排気ユニット29の空気流路30が閉鎖された状態にある。図23では、ガラリ12の一部を破断して示す。
このダクト収容ボックス10Gが図1のそれと異なるのは給気ダクト11の延出端部22に第1接続ダクト65が接続されているとともに、第1接続ダクト65に第2接続ダクト66が接続され、遮蔽板25がない点にあり、その他の構成は図1のボックス10Aのそれと同一であるから、図1と同一の符号を付すとともに、図1のボックス10Aの説明を援用することで、このボックス10Gのその他の構成の説明は省略する。
このダクト収容ボックス10Gでは、図23に示すように、チャンバー13の後側壁21に図1と同様の第1排気ユニット29が設置されているが、後側壁21に図10と同様の第1排気ユニット48が設置されていてもよい。また、チャンバー13の後側壁21と側壁19とに図8と同様の第1および第2排気ユニット29,47が設置されていてもよく、チャンバー13の後側壁21と側壁19とに図14と同様の第1および第2排気ユニット48,58が設置されていてもよい。第1設定圧力は、5Pa〜40Paの範囲、好ましくは、5Pa〜20Paの範囲、より好ましくは、5Pa〜10Paの範囲に設定される。
給気ダクト11の延出端部22には、横方向(ガラリ12に対向しない方向)へ直状に延びる1本の第1接続ダクト65が接続されている。第1接続ダクト65には、上下方向(ガラリ12に対向しない方向)へ直状に延びる2本の第2接続ダクト66が接続されている。第1および第2接続ダクト65,66は、給気ダクト11の延出端部22の開口端24から出入する空気の流れをガラリ12に対向しない方向へ向ける。
第1接続ダクト65は、給気ダクト11の延出端部22の開口端24に接続された第1中央開口端67と、第1中央開口端67の両側に位置する第1両側開口端68とを有する。第1接続ダクト65の第1中央開口端67は、その周縁が延出端部22の開口端24の周縁に気密に接合されている。それら第2接続ダクト66は、第1接続ダクト65の第1両側開口端68に接続された第2中央開口端69と、第2中央開口端69の両側に位置して空気が流入する第2両側開口端70とを有する。第2接続ダクト66の第2中央開口端69は、その周縁が第1接続ダクト65の第1両側開口端67に気密に接合されている。
第2接続ダクト66の第2両側開口端70の一方は、チャンバー13の頂壁17に向かって上下方向上方へ開口し、第2両側開口端70の他方は、チャンバー13の底壁18に向かって上下方向下方へ開口している。ガラリ12からボックス10Gの内部空間14に流入した空気は、頂底壁17,18に向かって開口する第2接続ダクト66の第2両側開口端70からダクト66に流入し、第1および第2接続ダクト65,66を通って給気ダクト11に流入する。
第1接続ダクト65は、その軸線L3が給気ダクト11の延出端部22の軸線L2に対して直交している。換言すれば、接続ダクト65と延出端部22との交差角度が90度である。第2接続ダクト66は、その軸線L4が第1接続ダクト66の軸線L3に対して直交している。換言すれば、第1接続ダクト65と第2接続ダクト66との交差角度が90度である。第1および第2接続ダクト65,66の正面形状はH形を呈する。
なお、第1接続ダクト65の軸線L3が給気ダクト11の延出端部22の軸線L2に対して90度未満で交差していてもよく、第1接続ダクト65の軸線L3が延出端部22の軸線L2に対して90度を超過して交差していてもよい。また、第2接続ダクト66の軸線L4が第1接続ダクト65の軸線L3に対して90度未満で交差していてもよく、接続ダクト66の軸線L4が接続ダクト65の軸線L3に対して90度を超過して交差していてもよい。さらに、第1接続ダクト65が上下方向(ガラリ12に対向しない方向)へ直状に延びていてもよい。第1接続ダクト65が上下方向へ延びる場合は、第2接続ダクト66が横方向へ直状に延び、接続ダクト66の第2両側開口端70の一方がチャンバー13の側壁19に向かって横方向左方へ開口し、第2両側開口端70の他方がチャンバー13の側壁20に向かって横方向右方へ開口する。
ダクト収容ボックス10Gは、チャンバー13の後側壁21に逆止弁ダンパ28Aを有する第1排気ユニット29が設置されているから、図24に矢印A1で示すように、ガラリ12の外側に吹く風の影響で瞬間的に余分な空気がチャンバー13内に進入したときに、第1排気ユニット29の逆止弁ダンパ28Aを利用してチャンバー13に進入した空気をチャンバー13内からチャンバー13外に逃がすことができ、その結果、利用してガラリ12から直接給気ダクト11の延出端部22に向かう空気の動圧を除圧することができ、必要以上の空気の給気ダクト11への流入を防ぐことができる。
ダクト収容ボックス10Gは、第1接続ダクト65が横方向へ延びていてガラリ12に対向しない方向へ延出し、第2接続ダクト66が上下方向へ延びていてガラリ12に対向しない方向へ延出し、第2接続ダクト66の第2両側開口端70が頂底壁17,18に向かって開口(ガラリ12に対向しない方向へ開口)するから、図24に矢印A1で示すように、ガラリ12の外側に吹く風の影響で余分な空気がボックス10Gの内部空間14(チャンバー13内)に進入したとしても、その空気が第1および第2接続ダクト65,66の周面に衝突し、空気が第2接続ダクト66の第2両側開口端70に直接進入することはなく、内部空間14に進入した空気の給気ダクト11への直接の流入を防ぐことができ、給気ダクト11に流入する空気を最小限にすることができる。また、図24に矢印A2で示すように、ガラリ12の外側に吹く風の影響で空気がチャンバー13から流出したとしても、空気が第2接続ダクト66の第2両側開口端70から直接流出することはなく、空気の給気ダクト11からの直接の流出を防ぐことができる。
ダクト収容ボックス10Gは、逆止弁ダンパ28Aを利用してチャンバー13に進入した空気をチャンバー13内からチャンバー13外に逃がすことができることに加え、第1および第2接続ダクト65,66を利用して給気ダクト11への空気の直接の流入や給気ダクト11からの空気の直接の流出を防ぐことができるから、余分な空気が不定期かつ不規則に給気ダクト11に流入することはなく、空気が不定期かつ不規則に給気ダクト11から流出することもなく、一定圧かつ一定量の空気を給気ダクト11に流入させることができる。
図25,26は、給気装置74を含む室圧制御機構71の一例を示す構成図であり、図27は、一例として示す給気装置74の構成図である。図25は、クリーンルーム72,73(室)を上方から示し、図26は、クリーンルーム72,73を側方から示す。なお、図25,26の室圧制御機構71では、室として半導体の製造や薬剤の製造、各種実験等に使用するクリーンルーム72,73を例示しているが、室をクリーンルーム72,73に限定するものではなく、室としてクリーンルーム72,73を含むあらゆる室が含まれる。また、2つのクリーンルーム72,73を図示しているが、室を2つに限定するものではなく、1つまたは3つ以上の室にこの給気装置74を適用することができる。
図25の室圧制御機構71では、クリーンルーム72,73から延びる給気ダクト11がダクト収容ボックス10A〜10Gのうちのいずれかの態様のボックスに接続されている。なお、給気ダクト11の延出端部22には、遮蔽板25や屈曲ダクト59、接続ダクト62,65,66のいずれかが接続されている。室圧制御機構71は、所定容積を有するクリーンルーム72,73に空気(外気)を供給する給気装置74と、クリーンルーム72,73から空気を排出する排気装置75とから形成されている。クリーンルーム72,73は、工場76(既設建物)内部に設置され、その四方を天井77および床78と、各側壁79とに囲繞され、高い気密性を有する。
天井77には、空気をクリーンルーム72,73内に取り入れるための給気口(図示せず)が施設されている。側壁79には、クリーンルーム72,73内から空気を排出するためのガラリ排気口80が施設されている。側壁79には、クリーンルーム72,73に出入りするためのドア81が設置されている。クリーンルーム72,73の室内気圧は、あらかじめ設定された目標室内気圧に保持される。クリーンルーム72,73の目標室内気圧に特に限定はなく、クリーンルーム72,73の用途や容積等によって目標室内気圧を適宜設定することができる。
給気装置74は、クリーンルーム72,73につながる金属製の給気ダクト11と、給気ダクト11を通る空気(外気)の所定量をクリーンルーム72,73に強制的に送り込む給気ファン82(送風機)と、給気ファン82に流入する空気の量を調節するモータダンパ83と、給気ダクト11を通る空気の圧力を測定する圧力センサ84と、クリーンルーム72,73に給気する空気を一定に保持する定風量ユニット85とを有する。
給気ファン82は、インターフェイスを介して制御装置(図示せず)に接続されている。制御装置は、給気ファン82の出力を設定されたそれに保持し、給気ファン82から送り出される空気の圧力および量を一定に保持する。なお、この実施の形態では、給気装置74が定風量ユニット85を備えているが、給気装置74に定風量ユニット85が含まれていなくてもよい。
給気ダクト11は、天井77空間に配置され、天井77に施設された給気口と工場76の壁15に施設されたダクト収容ボックス10A〜10Gとの間に延びている。給気ダクト11は、ガラリ12から流入した空気をクリーンルーム72,73内に搬送する。給気ダクト11の延出端部22は、ダクト収容ボックス10A〜10Gの内部空間14(チャンバー13内)に収容されている。モータダンパ83は、ダクト収容ボックス10A〜10Gと給気ファン82との間に延びる給気ダクト11に設置されている。圧力センサ84は、モータダンパ83と給気ファン82との間に延びる給気ダクト11に設置されている。定風量ユニット85は、給気ファン82とクリーンルーム72,73と間に延びる給気ダクト11に取り付けられている。
給気装置74では、ダクト収容ボックス10A〜10Gからクリーンルーム72,73に向かって、モータダンパ83、圧力センサ84、給気ファン82、定風量ユニット85の順に並んでいる。定風量ユニット85は、給気ダクト82の内部気圧の変動に対してユニット85内を流れる空気量を調節し、クリーンルーム72,73に供給する空気量を常時一定に保持する。ガラリ12からダクト収容ボックス10A〜10Gに流入した空気は、給気ダクト11を通ってモータダンパ83から給気ファン82に流入し、給気ファン82からダクト11を通って定風量ユニット85に流入した後、ユニット85からダクト11を通り、給気口からクリーンルーム72,73内に供給される。
モータダンパ83は、モジュトロールモータ(図示せず)と、モータの回転を制御する(モータダンパ83の旋回羽根87の開度を調節する)コントローラ86(制御装置)と、モータの駆動力によって旋回する旋回羽根87とから形成されている。モータダンパ83は、旋回羽根87の旋回によって開閉される空気流路(図示せず)を有する。モータダンパ83のコントローラ86は、演算処理を行う中央処理部と各種条件を記憶可能なメモリ(記憶部)とを有するマイクロプロセッサである。
モータダンパ83では、コントローラ86からの制御信号によってモジュトロールモータが回転するとともに旋回羽根87が所定角度に旋回し、空気流路に対する羽根87の開度(旋回角度)を調整して空気流路を通過する空気量を調節する。コントローラ86には、各種条件を入力するための入力装置、入力確認のための表示装置がインターフェイスを介して接続されている(図示せず)。モータダンパ83には、平行翼ダンパまたは対向翼ダンパを使用することができる。圧力センサ84は、インターフェイス88を介してモータダンパ83のコントローラ86に接続されている。
モータダンパ83のコントローラ86のメモリには、圧力センサ84によって測定された給気ダクト11の測定圧力と比較する第2設定圧力が格納されている。なお、第2設定圧力は、入力装置によって自由に設定変更することができる。第2設定圧力は、−1000Pa〜1000Paの範囲に設定される。なお、逆止弁ダンパ28A,28B,51A,51Bの第1設定圧力は、5Pa〜40Paの範囲、好ましくは、5Pa〜20Paの範囲、より好ましくは、5Pa〜10Paの範囲に設定されており、第2設定圧力のプラス側の設定値よりも低く設定される(第2設定圧力(+)>第1設定圧力(+))。
モータダンパ83のコントローラ86の中央処理部は、オペレーティングシステムによる制御に基づいてメモリに格納されたアプリケーションプログラムを起動し、起動したアプリケーションプログラムに従って以下の各手段を実行する。コントローラ86の中央処理部は、圧力センサ84から出力された給気ダクト11内の測定圧力とあらかじめ設定された第2設定圧力とを比較する圧力比較手段を実行する。中央処理部は、測定圧力と第2設定圧力とを比較した結果、測定圧力が第2設定圧力の範囲から外れている場合、モータダンパ83の旋回羽根87の開度を調節して測定圧力を第2設定圧力の範囲内に戻す圧力制御手段を実行する。なお、測定圧力が第2設定圧力の範囲から外れているとは、測定圧力が第2設定圧力の範囲を超過している場合と測定圧力が第2設定圧力の範囲未満の場合とがある。
図7、図13、図18、図21、図24に矢印A1で示すように、工場76の壁15に取り付けられたガラリ12の外側近傍で強い風が吹くと、その風の影響で空気がガラリ12を通ってダクト収容ボックス10A〜10Gの内部空間14(チャンバー13内)に進入する場合がある。空気がガラリ12を通ってボックス10A〜10Gの内部空間14に進入したとしても、第1排気ユニット29,48や第2排気ユニット48,58の逆止弁ダンパ28A,28B,51A,51Bを利用して、チャンバー13内の空気をチャンバー13外に排気するから、余分な空気が給気ダクト11に流入することはなく、余分な空気がダクト11に流入したとしても、定風量ユニット85によってクリーンルーム72,73に供給する空気量が一定に保持される。また、風の影響で、空気がガラリ12を通ってボックス28A,28B,51A,51Bの内部空間14に一気に進入したとしても、上述のとおり、給気ダクト11の延出端部22に接続された遮蔽板25や屈曲ダクト59、接続ダクト62,65,66によって空気が給気ダクト11に直接流入することはない。
しかし、逆止弁ダンパ28A,28B,51A,51Bの排気機能を超過する量の空気がチャンバー13内に一気に流入した場合、その空気によってダクト収容ボックス10A〜10G内の気圧が一気に上昇し、それによって、空気が給気ダクト11に流入する場合がある。給気ダクト11に空気が流入すると、ダクト11内の圧力が増加する。その結果、測定圧力が第2設定圧力の範囲を超過する場合がある。なお、定風量ユニット85では、後記するモータダンパの旋回羽根の開度を調節することで、そこを通る空気の通過量を一定に保持するが、一度に余分な空気が給気ダクト11に一気に流入すると、モータダンパがそれに追い付かず、ユニット85を通って余分な空気がクリーンルーム72,73内に流入する場合があり、クリーンルーム72,73内を目標室内気圧に保持することができない場合がある。
それとは逆に、図7、図13、図18、図21、図24に矢印A2示すように、工場76の壁15に取り付けられたガラリ12の外側近傍で強い風が吹くと、その風の影響で空気がガラリ12を通ってダクト収容ボックス10A〜10Gの内部空間14(チャンバー13内)から工場76の屋外に流出する場合がある。空気がボックス10A〜10Gの内部空間14からガラリ12を通って流出したとしても、定風量ユニット85によってクリーンルーム72,73に供給する空気量が一定に保持される。また、風の影響で、空気がボックス10A〜10Gの内部空間14から流出したとしても、上述のとおり、給気ダクト11の延出端部22に接続された遮蔽板25や屈曲ダクト59、接続ダクト62,65,66によって空気が給気ダクト11から直接流出することはない。しかし、ダクト収容ボックス10A〜10Gの内部空間14(チャンバー13)から流出した空気によって内部空間14の気圧が一気に下降し、それによって、空気が給気ダクト11から流出しようとする場合がある。
給気ダクト11から空気が流出しようとすると、ダクト11内の圧力が減少する。その結果、測定圧力が第2設定圧力の範囲未満となる場合がある。なお、定風量ユニット85では、モータダンパの旋回羽根の開度を調節することで、そこを通る空気の通過量を一定に保持するが、一度に余分な空気が給気ダクト11から一気に流出しようとすると、モータダンパがそれに追い付かず、クリーンルーム72,73内を目標室内気圧に保持することができない場合がある。クリーンルーム72,73ではその内部気圧を厳格に管理する必要があるが、給気ダクト11内の圧力変動による影響でクリーンルーム72,73の内部気圧が変動する場合があり、給気ダクト11内の圧力変動による影響を無視することはできない。
測定圧力が第2設定圧力の範囲を超過している場合、コントローラ86は、モータダンパ83の旋回羽根87が最小開度でなければ、羽根87の開度を小さくし、ダンパ83の空気流路を通る空気の量を減少させる(給気ダクト11を通る空気の量を減少させる)。その結果、給気ダクト11内の圧力が下がり、測定圧力が低下して測定圧力が第2設定圧力の範囲内に復帰する。逆に、測定圧力が第2設定圧力の範囲未満の場合、コントローラ86は、旋回羽根87が全開(開度100%)でなければ、羽根87の開度を大きくし、ダンパ83の空気流路を通る空気の量を増加させる(給気ダクト11を通る空気の量を増加させる)。その結果、給気ダクト11内の圧力が上がり、測定圧力が増加して測定圧力が第2設定圧力の範囲内に復帰する。
測定圧力が第2設定圧力の範囲内にある場合、コントローラ86は、旋回羽根87が全開であれば、羽根87の全開を保持するとともに、旋回羽根87が最小開度であれば、羽根87の最小開度を保持する。または、旋回羽根87が全開でなければ、そのときの羽根87の開度を保持するとともに、旋回羽根87が最小開度でなければ、そのときの羽根87の開度を保持する。コントローラ86は、測定圧力が第2設定圧力の範囲から外れた後、旋回羽根87の開度を調節したことによって測定圧力が第2設定圧力の範囲内に戻ると、そのときの羽根87の開度を保持する。
モータダンパ83の旋回羽根87の旋回速度は、1〜30s/Full Scaleの範囲、好ましくは、1〜5s/Full Scaleの範囲にある。旋回速度が30s/Full Scaleを超えると、モータダンパ83のレスポンスが低下し、ガラリ12の外側近傍に吹く風の影響で、給気ダクト11に空気が流入し、または、給気ダクト11から空気が流出しようとして測定圧力が急激に変化したときに、旋回羽根87の旋回がそれに迅速に対応することができず、ダンパ83の空気流路を通過する空気量の調節が遅れ、給気ファン82やモータダンパ83を利用して一定量かつ一定圧の空気をクリーンルーム72,73に給気することができなくなる場合がある。モータダンパ83では、その旋回羽根87の旋回速度が1〜30s/Full Scaleの範囲にあるから、測定圧力が急激に変化したとしても、羽根87の旋回がそれに迅速に対応し、ダンパ83の空気流路を通過する空気量を速やかに調節し、測定圧力を第2設定圧力の範囲内に速やかに復帰させる。
モータダンパ83の旋回羽根87の開度を小さくしたときの羽根87の最小開度は、3〜25%の範囲、好ましくは、5〜20%に設定されている。したがって、旋回羽根87の開度を最小にしたとしても、羽根87が全閉(開度0%)になることはない。開度3〜25%は、羽根87が全開のときを開度100%とし、その開度に対する割合である。たとえば、開度3%では、羽根全開100%に対して3%だけ開いた状態を示し、開度25%では、羽根全開100%に対して25%だけ開いた状態を示す。
排気装置75は、クリーンルーム72,73につながる金属製の排気ダクト89と、クリーンルーム72,73から所定量の空気を強制的に排気する排気ファン90(送風機)と、クリーンルーム72,73から排気する空気を一定に保持する定風量ユニット91とを有する。排気ファン90は、インターフェイスを介して制御装置(図示せず)に接続されている。制御装置は、排気ファン90の出力を設定されたそれに保持し、排気ファン90から送り出される空気の圧力および量を一定に保持する。
排気ダクト89は、床78の下方に配置され、クリーンルーム72,73の側壁79に施設されたガラリ排気口80と空気排気口92との間に延びている。排気ダクト89は、その詳細な図示は省略するが、その延出端部がダクト収容ボックス10A〜10Gのうちのいずれかの態様のボックスに接続されている。なお、排気給気ダクト89の延出端部には、遮蔽板25や屈曲ダクト59、接続ダクト62,65,66のいずれかが接続されている。空気排気口92は、工場76の壁15に設置されたガラリ(図示せず)である。排気装置75では、空気排気口92からクリーンルーム72,73に向かって、排気ファン90、定風量ユニット91の順に並んでいる。排気ダクト89は、ガラリ排気口80から流出した空気を工場76外(クリーンルーム72,73外)に搬送する。
排気ファン90は、定風量ユニット91と空気排気口92との間に延びる排気ダクト89に取り付けられている。定風量ユニット91は、排気ファン90とガラリ排気口80との間に延びる排気ダクト89に取り付けられている。排気ファン90は、一定量かつ一定圧の空気をクリーンルーム72,73から排気する。定風量ユニット91は、排気ダクト89の内部気圧の変動に対してユニット91内を流れる空気量を調節し、クリーンルーム72,73から排出する空気量を常時一定に保持する。ガラリ排気口80から流出した空気は、定風量ユニット91に流入し、ユニット91から排気ダクト89を通って排気ファン90に流入した後、排気ファン90からダクト89を通り、空気排気口92から工場76の屋外に排気される。
給気ダクト11や排気ダクト89に取り付けられた定風量ユニット85,91は、図示はしていないが、モータダンパおよび風速センサと、制御装置と、それらを収容する筐体とから形成されている。定風量ユニット85,91のモータダンパは、モータダンパ83と同一である。それら定風量ユニット85,91では、制御装置からの制御信号によってモジュトロールモータが回転するとともに旋回羽根が所定角度に旋回する。定風量ユニット85,91の制御装置は、演算処理を行う中央処理部と各種条件を記憶可能なメモリ(記憶部)とを有するマイクロプロセッサである。制御装置には、各種条件を入力するための入力装置、入力確認のための表示装置がインターフェイスを介して接続されている(図示せず)。
定風量ユニット85,91の制御装置のメモリには、クリーンルーム72,73の目標室内気圧と、定風量ユニット85,91を通過する空気通過量との相関関係が格納され、目標室内気圧に対応する空気通過量と、その空気通過量に対応するモータダンパの旋回羽根の開度(旋回角度)との相関関係が格納されている。目標室内気圧は、入力装置によって自由に設定変更することができる。定風量ユニット85,91の制御装置は、目標室内気圧が入力されると、メモリに格納された相関関係に基づいて目標室内気圧に対応する空気流路における空気通過量を決定し、モータダンパの空気流路を通過する空気通過量が決定したそれになるように、相関関係に基づいてモータダンパの旋回羽根の開度を決定した後、旋回羽根の開度を決定したそれに保持する。
それら定風量ユニット85,91は、給気ダクト11や排気ダクト89の内部気圧の変動に対してユニット85,91内を通る空気通過量を目標室内気圧に対応するそれに調節し、クリーンルーム72,73へ供給する空気量を一定に保持するとともに、クリーンルーム72,73から排気する空気量を一定に保持する。具体的には以下のとおりである。定風量ユニット85,91の制御装置は、風速センサから出力された風速からモータダンパの空気流路を通る空気通過量を演算し、演算した空気通過量と目標室内気圧に対応する空気通過量とを比較する。
給気装置11の定風量ユニット85の制御装置は、演算した空気通過量が目標室内気圧に対応するそれよりも多い場合、モータダンパの旋回羽根の開度を小さくし、空気流路を通過する空気通過量を少なくする。定風量ユニット85の制御装置は、旋回羽根の開度を小さくした後、演算した空気通過量が目標室内気圧に対応するそれの範囲に入ると、そのときの旋回羽根の開度を維持する。演算した空気通過量が目標室内気圧に対応するそれよりも少ない場合、定風量ユニット85の制御装置は、モータダンパの旋回羽根の開度を大きくし、空気流路を通過する空気通過量を多くする。定風量ユニット85の制御装置は、旋回羽根の開度を大きくした後、演算した空気通過量が目標室内気圧に対応するそれの範囲に入ると、そのときの旋回羽根の開度を維持する。
排気装置75の定風量ユニット91の制御装置は、演算した空気通過量が目標室内気圧に対応するそれよりも多い場合、モータダンパの旋回羽根の開度を大きくし、空気流路を通過する空気通過量を多くする。定風量ユニット91の制御装置は、旋回羽根の開度を大きくした後、演算した空気通過量が目標室内気圧に対応するそれの範囲に入ると、そのときの旋回羽根の開度を維持する。演算した空気通過量が目標室内気圧に対応するそれよりも少ない場合、定風量ユニット91の制御装置は、モータダンパの旋回羽根の開度を小さくし、空気流路を通過する空気通過量を少なくする。定風量ユニット91の制御装置は、旋回羽根の開度を小さくした後、演算した空気通過量が目標室内気圧に対応するそれの範囲に入ると、そのときの旋回羽根の開度を維持する。
図28は、モータダンパ83のコントローラ86が実行する各手段の一例を示すフローチャートである。図28のフローチャートに基づき、コントローラ86によって実行される給気装置74のプロセスの一例を説明すると、以下のとおりである。室圧制御機構71を起動すると、給気ファン82および排気ファン90、定風量ユニット85,91、圧力センサ84、モータダンパ83が稼動する。圧力センサ84は、給気ダクト11内を流れる空気の圧力を測定し、その測定圧力をコントローラ86に出力する。
室圧制御機構では、図25,26に矢印A4で示すように、給気ファン82や給気ダクト11を介してクリーンルーム72,73内へ所定量の空気が供給され、矢印A5で示すように、排気ファン90や排気ダクト89を介してクリーンルーム72,73から工場76の屋外に所定量の空気が排気される。室圧制御機構71の運転開始時点では、第2設定圧力に対応する量の空気がモータダンパ83の空気流路を通過するように、旋回羽根87の開度が所定開度に調節され、給気ファン82や排気ファン90の出力が調節されているとともに、定風量ユニット85,91の空気通過量が調節されており、圧力センサ84から出力された測定圧力が第2設定圧力の範囲内にある(S−1)。
また、室圧制御機構71では、給気ファン82と定風量ユニット85との間に延びる給気ダクト11において、そこを流れる空気に圧力変動が生じたとしても、定風量ユニット85によってダクト11の空気通過量が一定に保持され、常時一定量の空気がクリーンルーム72,73に給気される。また、定風量ユニット91と排気ファン90との間に延びる排気ダクト89において、そこを流れる空気に圧力変動が生じたとしても、定風量ユニット91によってダクト89の空気通過量が一定に保持され、常時一定量の空気がクリーンルーム72,73から排気される。
既述のように、工場76の壁15に取り付けられたガラリ12の外側近傍で強い風が吹くと、その風の影響で空気がガラリ12を通ってダクト収容ボックス10A〜10Gの内部空間14(チャンバー13内)に進入し、内部空間14の気圧が一気に上昇して空気が給気ダクト11に流入する場合がある。
しかし、この室圧制御機構71における給気装置74では、給気ダクト11を通過する空気の圧力(モータダンパ83の空気流路を通過する空気量)を監視し、ダクト11を通る空気の量(空気圧)を一定に保持するから、給気ファン82に余分な空気が不定期かつ不規則に流入することや給気ダクト11から余分な空気が不定期かつ不規則に流出することはない。
具体的にモータダンパ83のコントローラ86は、圧力センサ84から出力された測定圧力とメモリに格納した第2設定圧力とを比較する(圧力比較手段)(S−2)。次に、コントローラ86は、測定圧力と第2設定圧力とを比較した結果、測定圧力が第2設定圧力の範囲内にあるかを判断する(S−3)。
モータダンパ83のコントローラ86は、測定圧力が第2設定圧力の範囲内にあると判断すると、そのときの旋回羽根87の開度を保持する。次に、コントローラ86は、室圧制御機構71を停止するかを判断する(S−4)。室圧制御機構71の停止指示があると、コントローラ86は、給気装置74の運転を停止する。室圧制御機構71を継続して運転する場合、ステップ2(S−2)に戻って測定圧力と第2設定圧力とを比較し、ステップ2(S−2)からのプロセスを繰り返す。
第1設定圧力は第2設定圧力未満であり、たとえば、第2設定圧力のプラス側が41Pa以上に設定され、第1設定圧力が5Pa〜40Paに設定されている場合、風の影響で余分な空気がダクト収容ボックス10A〜10Gの内部空間14(チャンバー13内)に進入したときのチャンバー13内の空気の圧力が第2設定圧力以内にあっても、チャンバー13内の空気の圧力が錘33の重量(第1設定圧力)よりも大きくなる場合がある。この場合は、逆止弁ダンパ28A,28Bの旋回羽根32が錘33の重量に抗して空気流路30を開放する方向へ旋回し、第1排気ユニット29や第2排気ユニット47の空気流路30に所定面積の開口46が形成され、空気がその開口46を通ってチャンバー13外に排気される。空気が排気ユニット29,47からチャンバー13外に排気され、チャンバー13内の空気の圧力が錘33の重量よりも小さくなると、錘33の重量によって旋回羽根32が空気流路30を閉鎖する方向へ旋回し、羽根32によって空気流路30が閉鎖される。空気流路30が閉鎖された状態では、旋回羽根32の先端部がストッパー34に当接する。
また、チャンバー13内の空気の圧力が第2設定圧力以内にあっても、チャンバー13内の空気の圧力が旋回羽根55の重量(第1設定圧力)よりも大きくなる場合がある。この場合は、逆止弁ダンパ51A,51Bの旋回羽根55がその重量に抗して空気流路52を開放する方向へ旋回し、第1排気ユニット48や第2排気ユニット58の空気流路52に所定面積の開口57が形成され、空気がその開口57を通ってチャンバー13外に排気される。空気が排気ユニット48,58からチャンバー13外に排気され、チャンバー13内の空気の圧力が旋回羽根55の重量よりも小さくなると、羽根55の重量によって羽根55が空気流路52を閉鎖する方向へ旋回し、羽根55によって空気流路52が閉鎖される。空気流路52が閉鎖された状態では、旋回羽根55の先端部がストッパー56に当接する。
空気が排気ユニット29,47,48,58からチャンバー13外に排気されたにもかかわらず、空気が給気ダクト11に流入し、測定圧力が第2設定圧力を超過すると、ステップ3(S−3)においてモータダンパ83のコントローラ86は、測定圧力が第2設定圧力の範囲内になく、測定圧力が第2設定圧力の範囲を超過していると判断する。この場合、コントローラ86は、旋回羽根87の開度が最小開度(開度3〜5%)であれば、その開度を保持し、羽根87の開度が最小開度(開度3〜5%)でなければ、羽根87の開度を小さくする(S−5)。なお、旋回羽根87の開度を小さくしたとしても、開度を3〜25%未満にすることはなく、羽根87が全閉になることはない。
モータダンパ83のコントローラ86は、給気ダクト11を通る空気の第2設定圧力とその設定圧力に対応する空気通過量との相関関係、圧力センサ84から出力される各測定圧力とそれら測定圧力に対応する空気通過量との相関関係、測定圧力に対応する空気通過量から第2設定圧力に対応する空気通過量を差し引いた空気通過量に対応するモータダンパ83の旋回羽根87の開度(旋回角度)に基づいて、羽根87の開度を決定することもできる。この場合、コントローラ86のメモリには、それら相関関係や旋回羽根87の開度が格納されている。
具体的には以下のとおりである。モータダンパ83のコントローラ86は、測定圧力が第2設定圧力の範囲を超過している場合、第2設定圧力とその設定圧力に対応する空気通過量との相関関係に基づいて、第2設定圧力に対応する空気通過量を決定するとともに、測定圧力とその測定圧力に対応する空気通過量との相関関係に基づいて、圧力センサ84から出力された測定圧力に対応する空気通過量を決定する。測定圧力に対応する空気通過量は、第2設定圧力に対応する空気通過量よりも多い。
さらに、モータダンパ83のコントローラ86は、測定圧力に対応する空気通過量から第2設定圧力に対応する空気通過量を差し引いた空気通過量を算出する。算出した空気通過量はプラスとなる。コントローラ86は、測定圧力に対応する空気通過量から第2設定圧力に対応する空気通過量を差し引いた空気通過量(プラス)に対応するモータダンパ83の旋回羽根87の開度に基づいて、算出した空気通過量に対応する羽根87の開度を決定する。なお、旋回羽根87の開度はマイナスになる。したがって、コントローラ86は、旋回羽根87の開度が最小開度であれば、羽根87の開度を最小開度に保持し、羽根87の開度が最小開度でなければ、羽根87の開度を小さくする(S−5)。
なお、測定圧力が第2設定圧力の範囲を超過すると、チャンバー13内の空気の圧力が錘33の重量(第1設定圧力)よりも大きくなり、旋回羽根32が錘33の重量に抗して空気流路30を開放する方向へ旋回し、空気流路30に所定面積の開口46が形成され、空気がその開口46を通ってチャンバー13外に排気される。空気がチャンバー13外に排気され、チャンバー13内の空気の圧力が錘33の重量よりも小さくなると、錘33の重量によって旋回羽根32が空気流路30を閉鎖する方向へ旋回し、羽根32によって空気流路30が閉鎖される。
また、測定圧力が第2設定圧力の範囲を超過すると、チャンバー13内の空気の圧力が旋回羽根55の重量(第1設定圧力)よりも大きくなり、羽根55がその重量に抗して空気流路52を開放する方向へ旋回し、空気流路52に所定面積の開口57が形成され、空気がその開口57を通ってチャンバー13外に排気される。空気がチャンバー13外に排気され、チャンバー13内の空気の圧力が旋回羽根55の重量よりも小さくなると、羽根55の重量によって羽根55が空気流路52を閉鎖する方向へ旋回し、羽根55によって空気流路52が閉鎖される。
モータダンパ83のコントローラ86は、旋回羽根87の開度を最小開度に保持し、または、羽根87の開度を小さくした後、室圧制御機構71を停止するかを判断する(S−4)。室圧制御機構71の停止指示があると、コントローラ86は、給気装置74の運転を停止する。室圧制御機構71を継続して運転する場合、旋回羽根87の開度を最小開度または小さくした開度を保持した状態で室圧制御機構71が運転され、ステップ2(S−2)に戻って圧力センサ84から出力された測定圧力とメモリに格納した第2設定圧力とを比較する(圧力比較手段)(S−2)。
旋回羽根87の開度が最小開度または小さくなると、モータダンパ83の空気流路を通過する空気量が減少し、測定圧力が低下して測定圧力が第2設定圧力の範囲内に復帰する(圧力制御手段)。ゆえに、ダクト収容ボックス10A〜10Gから余分な空気が給気ダクト11に流入したとしても、給気ファン82に流入する空気量を第2設定圧力に対応するそれに保持することができる。
ステップ3(S−3)においてモータダンパ83のコントローラ86は、測定圧力が第2設定圧力の範囲内になく、測定圧力が第2設定圧力の範囲未満であると判断すると、旋回羽根87が全開(開度100%)であれば、その開度を保持し、羽根87が全開でなければ、羽根87の開度を大きくする(S−5)。この場合、排気ユニット29,47,48,58の空気流路30,52は、旋回羽根32,55によって閉鎖されている。
メモリに格納された各相関関係や旋回羽根87の開度に基づいて、開度を決定する場合は以下のとおりである。モータダンパ83のコントローラ86は、測定圧力が第2設定圧力の範囲未満である場合、第2設定圧力とその設定圧力に対応する空気通過量との相関関係に基づいて、第2設定圧力に対応する空気通過量を決定するとともに、測定圧力とその測定圧力に対応する空気通過量との相関関係に基づいて、圧力センサ84から出力された測定圧力に対応する空気通過量を決定する。測定圧力に対応する空気通過量は、第2設定圧力に対応する空気通過量よりも少ない。
さらに、モータダンパ83のコントローラ86は、測定圧力に対応する空気通過量から第2設定圧力に対応する空気通過量を差し引いた空気通過量を算出する。算出した空気通過量はマイナスとなる。コントローラ86は、測定圧力に対応する空気通過量から第2設定圧力に対応する空気通過量を差し引いた空気通過量(マイナス)に対応するモータダンパ83の旋回羽根87の開度に基づいて、算出した空気通過量に対応する羽根87の開度を決定する。なお、旋回羽根87の開度はプラスになる。したがって、コントローラ86は、旋回羽根87が全開であれば、羽根87の開度を全開に保持し、羽根87が全開でなければ、羽根87の開度を大きくする(S−5)。
モータダンパ83のコントローラ87は、旋回羽根87の開度を全開に保持し、または、羽根87の開度を大きくした後、室圧制御機構71を停止するかを判断する(S−4)。室圧制御機構71の停止指示があると、コントローラ86は、給気装置74の運転を停止する。室圧制御機構71を継続して運転する場合、旋回羽根87の開度を全開または大きくした開度を保持した状態で室圧制御機構71が運転され、ステップ2(S−2)に戻って圧力センサ84から出力された測定圧力とメモリに格納した第2設定圧力とを比較する(圧力比較手段)(S−2)。
旋回羽根87の開度が全開または大きくなると、モータダンパ83の空気流路を通過する空気量が増加し、測定圧力が上昇して測定圧力が第2設定圧力の範囲内に復帰する(圧力制御手段)。ゆえに、給気ファン82内への空気の流入減を防ぐことができ、給気ファン82に流入する空気量を第2設定圧力に対応するそれに保持することができる。
工場76の壁15に取り付けられたガラリ12の外側近傍に吹いていた風が納まり、ダクト収容ボックス10A〜10Gから給気ダクト11への余分な空気の流入が停止すると、モータダンパ83の空気流路を通過する空気量が旋回羽根87の開度を小さくした直後の空気流路を通過するそれに比較して減少し、圧力センサ84から出力される測定圧力も低下する。測定圧力と第2設定圧力との比較(S−2)においてモータダンパ83のコントローラ86は、ステップ3(S−3)において測定圧力が第2設定圧力の範囲内にあると判断すると、そのときの旋回羽根87の開度を保持し、室圧制御機構71を継続して運転する場合、ステップ2(S−2)に戻って測定圧力と第2設定圧力とを比較し(圧力比較手段)(S−2)、ステップ2(S−2)からのプロセスを繰り返す。なお、旋回羽根87の開度を小さくした後、圧力センサ84から出力される測定圧力が低下し、測定圧力が第2設定圧力の範囲未満になると、羽根87の開度を大きくする(S−5)。
モータダンパ83のコントローラ86は、ガラリ12の外側近傍で再び風が吹き、その風の影響で余分な空気が再びダクト収容ボックス10A〜10Gに進入して空気が給気ダクト11に流入し、測定圧力が第2設定圧力の範囲外になり、測定圧力が第2設定圧力を超過すると、旋回羽根87が最小開度であれば、羽根87の開度を最小開度に保持し、羽根87が最小開度でなければ、羽根87の開度を小さくする(S−5)。コントローラ86は、旋回羽根87の開度を小さくした後、小さくした開度を保持した状態で、ステップ2(S−2)に戻って圧力センサ84から出力された測定圧力とメモリに格納した第2設定圧力とを比較し(給気圧力比較手段)(S−2)、ステップ2(S−2)からのプロセスを繰り返す。
測定圧力が第2設定圧力を再び超過すると、チャンバー13内の空気の圧力が錘33の重量(第1設定圧力)よりも大きくなり、旋回羽根32が錘33の重量に抗して空気流路30を開放する方向へ旋回し、空気流路30に所定面積の開口46が形成され、空気がその開口46を通ってチャンバー13外に排気される。また、測定圧力が第2設定圧力の範囲を超過すると、チャンバー13内の空気の圧力が旋回羽根55の重量(第1設定圧力)よりも大きくなり、羽根55がその重量に抗して空気流路52を開放する方向へ旋回し、空気流路52に所定面積の開口57が形成され、空気がその開口57を通ってチャンバー13外に排気される。
モータダンパ83のコントローラ86は、ガラリ12の外側近傍で再び風が吹き、その風の影響で空気が再びチャンバー13から流出して空気が給気ダクト11から流出しようとし、測定圧力が第2設定圧力の範囲外になり、測定圧力が第2設定圧力未満になると、旋回羽根87の開度を大きくする(S−5)。コントローラ86は、旋回羽根87の開度を大きくした後、大きくした開度を保持した状態で、ステップ2(S−2)に戻って圧力センサ84から出力された測定圧力とメモリに格納した第2設定圧力とを比較し(給気圧力比較手段)(S−2)、ステップ2(S−2)からのプロセスを繰り返す。
給気装置74を備えたダクト収容ボックス10A〜10Gは、ガラリ12の外側に吹く風の影響で余分な空気がボックス10A〜10Gの内部空間14(チャンバー13内)に進入したとしても、遮蔽板25や屈曲ダクト59、接続ダクト62,65,66によってチャンバー13内に進入した空気の給気ダクト11への直接の流入を防ぐことができ、ダクト11に流入する空気を最小限にすることができる。また、ガラリ12の外側に吹く風の影響で空気がチャンバー13から流出したとしても、遮蔽板25や屈曲ダクト59、接続ダクト62,65,66によって空気の給気ダクト11からの直接の流出を防ぐことができる。
給気装置74を備えたダクト収容ボックス10A〜10Gは、ガラリ12の外側に吹く風の影響で余分な空気がチャンバー13内に進入したときに、第1排気ユニット29,48や第2排気ユニット47,58の逆止弁ダンパ28A,28B,51A,51Bを利用してチャンバー13に進入した空気をチャンバー13内からチャンバー13外に逃がすことができ、必要以上の空気の給気ダクト11への流入を防ぐことができる。また、第1排気ユニット29,48の逆止弁ダンパ28A,51Aを利用してガラリ12から直接給気ダクト11の延出端部22に向かう空気の動圧を除圧することができ、第2排気ユニット47,58の逆止弁ダンパ28B,51Bを利用してチャンバー13の側壁19に向かう空気の静圧を除圧することができるから、余分な空気が不定期かつ不規則に給気ダクト11に流入することはなく、一定圧かつ一定量の空気を給気ダクト11に確実に流入させることができる。
給気装置74を備えたダクト収容ボックス10A〜10Gは、ガラリ12の外側近傍に吹く風の影響で、余分な空気がボックス10A〜10Gの内部空間14(チャンバー13内)に進入して空気が給気ダクト11に流入し、それによって測定圧力が第2設定圧力の範囲を超過すると、モータダンパ83の旋回羽根87の開度を小さくして空気の給気ファン82内への流入を制限するから、一定圧かつ一定量の空気を安定して給気ファン82に流入させることができ、給気ファン82やモータダンパ83を利用してクリーンルーム72,73に一定圧かつ一定量の空気を安定して流入させることができる。
給気装置74を備えたダクト収容ボックス10A〜10Gは、ガラリ12の外側近傍に吹く風の影響で、余分な空気がチャンバー13内から流出して空気が給気ダクト11から流出しようとし、測定圧力が第2設定圧力の範囲未満になると、モータダンパ83の旋回羽根87の開度を大きくして給気ファン82内への空気の流入減を防ぐから、一定圧かつ一定量の空気を安定して給気ファン82に流入させることができ、給気ファン82やモータダンパ83を利用してクリーンルーム72,73に一定圧かつ一定量の空気を安定して流入させることができる。また、測定圧力が第2設定圧力の範囲に戻ると、そのときの旋回羽根87の開度を保持するから、一定圧かつ一定量の空気を安定して給気ファン82に流入させることができ、給気ファン82やモータダンパ83を利用してクリーンルーム72,73に一定圧かつ一定量の空気を安定して流入させることができる。
給気装置74を備えたダクト収容ボックス10A〜10Gは、それを利用することで、クリーンルーム72,73に給気する空気を一定に保持することができ、クリーンルーム72,73の室内気圧を目標室内気圧に維持することができる。給気装置74を備えたダクト収容ボックス10A〜10Gは、給気ファン82から給気する空気の圧力や量を厳密に管理することが要求されるクリーンルーム72,73での使用に特に有効であり、クリーンルーム72,73において室内気圧の変動がない空調環境を作ることが可能である。
一定圧かつ一定量の空気を安定して給気ダクト11からクリーンルーム72,73に給気させるには給気ダクト11内の空気の圧力が負圧に保持される必要があるが、給気装置74を備えたダクト収容ボックス10A〜10Gは、その第2設定圧力が−1000Pa〜1000Paの範囲にあるから、空気が給気ダクト11に流入し、または、空気が給気ダクト11から流出しようとしたとしても、モータダンパ83の旋回羽根87が迅速に作動し、給気ダクト11内の空気の圧力が正圧になることを防ぐことができ、ダクト11内の空気の圧力を負圧に保持することができる。
給気装置74を備えたダクト収容ボックス10A〜10Gは、モータダンパ83の旋回羽根87の旋回速度が1〜30s/Full Scaleの範囲、好ましくは、1〜5s/Full Scaleの範囲にあるから、給気ダクト11に空気が流入し、または、空気が給気ダクト11から流出しようとして給気ダクト11の内部気圧が変動したとしても、モータダンパ83の旋回羽根87が前記旋回速度で瞬時に旋回し、測定圧力を第2設定圧力の範囲内に速やかに戻すことができ、給気ダクト11内の空気の圧力変動を確実に防ぐことができる。給気装置74を備えたダクト収容ボックス10A〜10Gは、余分な空気が不定期かつ不規則に給気ファン82内に流入することはなく、余分な空気が不定期かつ不規則に給気ダクト11から流出することもないから、給気ファン82やモータダンパ83を利用して一定圧かつ一定量の空気をクリーンルーム72,73に給気することができ、クリーンルーム72,73に給気する空気を一定に保持することができる。
旋回羽根87の開度が全閉(0%)なると、クリーンルーム72,73に空気が給気されず、給気ファン82内への空気の流入が停止し、給気ファン82を介して空気をクリーンルーム72,73に給気することができないが、給気装置74を備えたダクト収容ボックス10A〜10Gは、モータダンパ83の旋回羽根87の開度を小さくしたときの羽根87の最小開度が3〜25%の範囲にあるから、羽根87の開度が全閉(0%)なることはなく、クリーンルーム72,73への空気の未給気状態が回避され、クリーンルーム72,73の室内気圧の極端な下降を防ぐことができるとともに、給気ファン82やモータダンパ83を利用して一定圧かつ一定量の空気をクリーンルーム72,73に給気することができる。