JP5611694B2 - 空気調和装置 - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、水平フラップを備えた空気調和装置において、室外機の圧縮機の運転に影響することなく、水平フラップへの露付を防止できるようにすることを目的とする。
また、前記水平フラップの傾き角の設定における送風の流れ抵抗が大きくなる角度は、前記水平フラップの傾き角の設定における開状態の最上段であっても良い。
さらに、前記制御部は、前記水平フラップを前記角度に変更したことを前記室内機のリモートコントローラに表示しても良い。
また、前記水平フラップに乱流の発生を抑制する凹凸を設けても良い。
図1は、本発明の空気調和装置の冷媒回路図である。まず、空気調和装置100の冷媒回路5の構成を説明する。
空気調和装置100は、室外に設置される室外機6と、それぞれ異なる部屋の室内に設置される複数台(例えば3台)の室内機12A〜12Cとを有し、室外機6の室外冷媒配管7と室内機12A〜12Cの各室内冷媒配管14A〜14Cとが、接続配管58によって接続されている。すなわち、空気調和装置100は、一台の室外機6に対して複数台の室内機12A〜12Cが接続されるいわゆるマルチ型の空気調和装置である。
また、各室内機12A〜12Cは、送風ファン31A〜31C及び室内膨張弁30A〜30C等を制御する室内機側制御部76A〜76C(制御部)を有している。各室内機側制御部76A〜76Cには、ユーザーが各室内機12A〜12Cを操作するためのリモートコントローラ77A〜77Cがそれぞれ接続されている。
また、空気調和装置100は、圧縮機8が停止されたサーモOFFの状態で各送風ファン31A〜31Cを運転して送風する送風運転を行うことができる。
室内機12A〜12Cは、空調される室内の壁Wに取り付けられる壁掛け型の室内機である。各室内機12A〜12Cは同一に構成されているため、以下では室内機12Aについて説明する。
図2及び図3に示すように、室内機12Aは、断面略C字状に形成されたフィンアンドチューブ型の室内熱交換器29Aをフレーム3に配設し、この室内熱交換器29Aの内側に送風ファン31Aを配置して構成され、室内熱交換器29Aにはグリル10が被せられる。フレーム3は樹脂成形により断面略L字状に形成された部材であり、室内熱交換器29Aから流下するドレン水を受けるドレンパン34、及び、送風ファン31Aを収容するスクロール部32を備え、フレーム3の背面には、据付板50の係止爪51を受ける凹部が形成されている。このフレーム3及びグリル10によって室内機12Aの筐体が構成される。
フレーム3と据付板50、及び、フレーム3とグリル10とは互いにビスにより連結され、ビス止め作業を行うためのサービスホール15がグリル10の下面に開口している。サービスホール15は、通常使用時においてはキャップ14により塞がれている。
送風ファン31Aの一端にはファンモーター46が連結され、ファンモーター46が、軸受け47を介してフレーム3に取り付けられている。より詳細に説明すると、送風ファン31Aの一端には、ファンモーター46の出力軸が挿入される穴41が設けられ、この穴41に挿入されたファンモーター46の出力軸は、送風ファン31Aの側面から螺入されるセットスクリュー42によって、送風ファン31Aに固定される。また、ファンモーター46の側方には、室内機側制御部76Aを収容する電装ボックス55が配置される。
フレーム3の背面側の下部には、冷媒配管やドレン管を収容するための長手形状の空間である配管収容部33が形成され、配管収容部33内の上記配管を押さえ込む配管押え52、53が取り付けられる。
室内機12Aの下面には、前面パネル16の下縁に連続し壁W側に向けて下方に傾斜する吹き出し面35と、吹き出し面35から壁W側に略水平に延びる下端面37とが形成されている。吹き出し面35には、送風ファン31Aからの送風を吹き出す吹出口13が設けられており、吹出口13は、板状のフラップ60、60(水平フラップ)によって開閉自在に塞がれている。
また、送風ファン31Aは、回転数を高、中、低の3段階に切り替え可能に構成されており、回転数が高くなるほど送風ファン31Aの吐出風量が大きくなる。すなわち、送風ファン31Aの回転数に応じて、風量の設定が強、中、弱に変更される。
縦羽根85とフラップ60との間には、吹出口13の奥へ手を差し入れることができないようにするファンガード70が設けられている。ファンガード70は、吹出口13の長手方向に沿って、互いに平行に掛け渡された2本のワイヤー71、71と、これらワイヤー71、71の端を束ねる支持体72、73とを備えて構成される。
ファンガード70の支持体72は、長手形状の吹出口13の一端側に取り付けられ、吹出口13の他端側には支持体73が取り付けられる。
また、吹出口13には、室内機12Aの長手方向に三等分するように、フラップ60を支持する2つの支柱65が設けられる。各支柱65は、吹出口13の上縁部13aと下縁部13bとの間に掛け渡され、2枚のフラップ60、60のフラップ軸61、61が差し込まれる2つの支持穴66、66を有する。吹出口13の両端には、それぞれ、フラップ60を取り付けるためのフラップ支持部68が設けられ、これら左右のフラップ支持部68の各々は、2枚のフラップ60、60のフラップ軸61、61が差し込まれる支持穴69、69を有している。つまり、各フラップ60は、2つの支柱65及び2つのフラップ支持部68により、回動可能に支持される。ファンガード70は、ワイヤー71が、フラップ60が取り付けられる支持穴66、69よりも奥で、かつ、縦羽根85よりも前に位置するように取り付けられる。
室内機12Aでは、フラップ60、60は、その開度を5段階に調整可能に構成されている。詳細には、フラップ60、60は、図2に示す吹出口13の全閉状態を最上段とし、図5及び図6に示すように、フラップ60、60が段階毎に鉛直方向に徐々に傾く方向に傾き角が変更される。フラップ60、60の調整範囲の最下段では、フラップ60、60の傾き角は、調整可能な範囲において最も鉛直方向に近くなる。
フラップ60、60が傾き角P1にある場合には、フラップ60、60の傾き角は開状態において最も水平に近い角度となり、この角度は冷房運転に適した角度であるとともに、フラップ60、60によってガイドされる空気は、最も遠くまで到達する。フラップ60、60の傾き角が下方に傾斜するに従って、フラップ60、60によってガイドされる空気は下向きになって到達距離が短くなる。
図6に示すように、傾き角P2にある状態では、フラップ60、60を通って吹き出される気流Zに対する通風抵抗が小さい状態にあり、フラップ60、60の下面には、乱流Dはほとんど発生しない。このため、傾き角P2にある状態では、フラップ60、60の下面に露付きが発生しない。すなわち、冷房運転時において、フラップ60、60を傾き角P2にして運転することで、フラップ60、60への露付きが防止される。
風量が弱の冷房運転時において、フラップ60、60を傾き角P1から傾き角P2に変更することで露付きが防止されることは、実機での実験によって確認されている。
図7は、露付き防止運転の処理を示すフローチャートである。
まず、室内機12Aの運転中において、室内機側制御部76Aは、露付き防止フラグがON状態にあるか否かを判別する(ステップS11)。ここで、上記露付き防止フラグは、後述する条件に基づいて、フラップ60、60に露付きが生じる可能性が高いと考えられる場合にON状態になるフラグであり、室内機側制御部76Aのメモリに書き込まれる。
ステップS11の判別において、露付き防止フラグがON状態にない場合(ステップS11:No)、室内機側制御部76Aは、室内機12Aが暖房運転中、または、送風運転中以外の運転であるか否かを判別する(ステップS12)。
ステップS13の判別において、サーモON中である場合(ステップS13:Yes)、室内機側制御部76Aは、送風ファン31Aの風量の設定が弱であるか否かを判別する(ステップS14)。
ステップS14の判別において送風ファン31Aの風量の設定が弱である場合(ステップS14:Yes)、室内機側制御部76Aは、フラップ60、60のポジションが傾き角P1であるか否かを判別する(ステップS15)。
ステップS17の判別において、タイマーのカウント値が所定時間Tに達した場合(ステップS17:Yes)、室内機側制御部76Aは、露付き防止フラグをON状態にする(ステップS18)。
また、ステップS12の判別で室内機12Aが暖房運転中、または、送風運転中である場合(ステップS12:No)、ステップS13の判別でサーモOFFである場合(ステップS13:No)、ステップS14の判別で送風ファン31Aの風量の設定が中または強である場合(ステップS14:No)、及び、ステップS15の判別でフラップ60、60が傾き角P1以外の傾き角にあった場合(ステップS15:No)、室内機側制御部76Aは、ステップS16のタイマーのカウント値をクリアし(ステップS19)、露付き防止運転の処理を終了する。
ステップS22の判別において、送風ファン31Aの風量の設定が弱から変更されていない場合(ステップS22:No)、室内機側制御部76Aは、フラップ駆動モーター63を制御して、フラップ60、60の傾き角を傾き角P1から傾き角P2に変更し(ステップS23)、次いで、リモートコントローラ77Aに、露付き防止制御によってフラップ60、60を傾き角P2に変更したことを表示する。その後、室内機側制御部76Aは、は、露付き防止運転の処理を終了する。
ここで、傾き角の変更の指示、暖房運転への変更等の運転モードの変更の指示、及び、送風ファン31Aの風量の設定の変更の指示は、ユーザーにより操作されるリモートコントローラ77Aによって行われる。
さらに、フラップ60、60の傾き角が傾き角P1でなければ傾き角は傾き角P2に変更されないため、露付きの発生の可能性がほとんどない運転状態である場合に、傾き角が傾き角P2に勝手に変更されることがなく、ユーザーの意図に沿った風向きで運転を行うことができる。
また、空気調和装置100では、室内機側制御部76Aによって、フラップ60、60の傾き角を傾き角P2に制御することで室内機12A側で露付きを防止できるため、露付きを防止するために送風ファン31Aの回転数を変更する必要がない。これにより、露付き防止運転によって室内熱交換器29Aの冷媒の蒸発量が変化しないため、室外機6の圧縮機8の回転数が露付き防止運転に影響されることを防止できる。
また、フラップ60、60が水平に近い傾き角P1に設定され、送風ファン31Aが最も低の回転数に設定され、かつ、冷房運転の継続時間が所定時間Tに達したときに、室内機側制御部76Aがフラップ60、60を水平から離れる下向きの傾き角P2に変更し、冷房運転の継続時間に基づいてフラップ60、60を下向きの角度に変更する。このため、フラップ60、60の傾き角を変更するだけで露付きを防止でき、室外機6の圧縮機8の運転に影響することなく、フラップ60、60への露付きを防止できる。さらに、フラップ60、60の傾き角を開状態において最も水平に近い傾き角P1から一段だけ下向きの傾き角P2に変更するため、フラップ60、60の角度が変更されたことが目立つことを防止できる。
また、フラップ60、60が開状態時に最も水平に近い角度となる設定は、フラップ60、60の傾き角の設定における開状態の最上段である傾き角P1であり、傾き角P1から一段だけ下向きの傾き角P2にするだけで、フラップ60、60の露付きを防止できる。また、一段だけ下向きの傾き角P2に傾き角を変更するため、露付きを防止しつつ、送風の到達距離を確保できる。
また、フラップ60、60の上下面に設けたディンプル60Aによって乱流Dの発生を抑制できるため、フラップ60、60の露付きを防止できる。
上記実施の形態では、フラップ60、60の開状態の最上段である傾き角P1では、フラップ60、60を通る気流の通風抵抗が大きくなるものとして説明したが、これに限らず、水平フラップを通る気流の通風抵抗は、吹出口13の形状や水平フラップの配置位置等によって異なり、必ずしも水平フラップの最上段で大きくなるものではない。すなわち、吹出口13の形状や水平フラップの配置位置によっては、傾き角P1で通風抵抗が小さくなり、傾き角P2の状態で通風抵抗が大きくなって傾き角P2の状態で水平フラップの露付きが多く発生することが考えられる。この場合、水平フラップを傾き角P2で冷房運転している状態において、傾き角を一段上方に変更して傾き角P1とすることで通風抵抗を小さくでき、水平フラップへの露付きを防止することができる。つまり、上記実施の形態では、傾き角P1で露付きが発生することが考えられたので、その傾き角を一段下向きの傾き角P2に変更したが、これに限定されるものではなく、要するに、露付きが発生すると考えられるポジションでの運転が所定時間Tに達したらそのポジションを変更するということであり、従って、その変更ポジションは、少なくとも一段上向きを含む上向きの角度であっても良い。
さらに、上記実施形態においては、空気調和装置100がマルチ型の空気調和装置である例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、一台の室外機に対して一台の室内機が設けられる空気調和装置に本発明を適用しても良い。
P1 傾き角(流れ抵抗が大きくなる角度)
P2 傾き角(下向きの角度)
12A、12B、12C 室内機
13 吹出口
31A、31B、31C 送風ファン
60、60 フラップ(水平フラップ)
60A ディンプル(凹凸)
75 室外機側制御部
76A、76B、76C 室内機側制御部(制御部)
77A、77B、77C リモートコントローラ
100 空気調和装置
Claims (6)
- 壁掛け型の室内機の吹出口に送風ファンからの送風の角度を上下方向に調整する水平フラップを備えた空気調和装置において、
前記水平フラップの傾き角が送風の流れ抵抗が大きくなる角度に設定され、前記送風ファンの回転数が低回転数に設定され、かつ、冷房運転の継続時間が所定の時間に達したときに、前記水平フラップの傾き角を送風の流れ抵抗が小さくなるように下向きの角度に変更する制御部を備え、
前記制御部は、前記水平フラップの傾き角が複数段階のうち、最も水平に近い傾き角に設定され、前記送風ファンの回転数が複数段階のうち、最も低の回転数に設定され、かつ、冷房運転の継続時間が所定の時間に達したときに、露付き防止フラグをオンにして前記水平フラップの傾き角を少なくとも一段下向きの傾き角に強制的に変更し、前記室内機のリモートコントローラの指示によって前記送風ファンの回転数が高い回転数に変更された場合、前記露付き防止フラグをオフにして前記水平フラップの傾き角を変更可能にすることを特徴とする空気調和装置。 - 前記室内機は、室外機に複数の前記室内機が接続されるマルチ型の空気調和装置に接続されていることを特徴とする請求項1記載の空気調和装置。
- 前記水平フラップの傾き角の設定における送風の流れ抵抗が大きくなる角度は、前記水平フラップの傾き角の設定における開状態の最上段であることを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和装置。
- 前記制御部は、前記水平フラップを前記角度に変更したことを前記室内機のリモートコントローラに表示することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の空気調和装置。
- 前記制御部は、前記水平フラップを前記角度に変更した後に、前記水平フラップの傾き角の変更の指示、暖房運転或いは送風運転への変更の指示、及び、前記送風ファンの回転数の変更の指示のいずれかの指示がなされるまでは、前記角度を維持することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の空気調和装置。
- 前記水平フラップに乱流の発生を抑制する凹凸を設けたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の空気調和装置。
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