JP2011032251A - α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法 - Google Patents

α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】淡色であるα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を効率的に得られる製造方法。
【解決手段】脂肪酸アルキルエステルにスルホン化ガスを接触させるスルホン化工程と、前記スルホン化工程で得られた反応物を低級アルコールによってエステル化するエステル化工程と、前記エステル化工程で得られたエステル化物をエステル化工程終了後に65℃以下に冷却する冷却工程の後、アルカリ性物質を添加し中和して中和物を得る中和工程と、前記中和物を漂白して漂白物を得る漂白工程とを有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法に関する。
α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩(α−SF塩)は界面活性剤として用いられ、特に洗浄力が高く、生分解性が良好で、環境に対する影響が少ないため、洗浄剤材料としての性能が高く評価されている。α−SF塩は、脂肪酸アルキルエステルをスルホン化ガスと接触させてスルホン化し、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル(α−SF)を製造し、これを中和してペースト状のα−SF塩含有物として得るのが一般的である。
従来のα−SF塩の製造方法の一例として、原料の脂肪酸アルキルエステルにスルホン化ガスを接触(ガス接触操作)させた後、低級アルコールを添加してエステル化(エステル化操作)してスルホン化物を得(以上、スルホン化工程)、次いで得られたスルホン化物をアルカリで中和し(中和工程)、得られた中和物を漂白して(漂白工程)、α−SF塩を得る製造プロセスがある(例えば、特許文献1)。
スルホン化工程は、スルホン化ガスを導入し、脂肪酸メチルエステルをスルホン化する工程である。即ち、原料をスルホン化ガスと接触させると、以下の一般式(I)で示したように、初めにアルコキシ基にSOが挿入する反応がおこり、SO一分子付加体(以下、単に一分子付加体という)が生成し、さらにSOと反応してα位にスルホン基が導入され、SO二分子付加体(以下、単に二分子付加体という)が生成し、最後にアルコキシ基に挿入したSOが脱離してα−SFが生成する。スルホン化工程には、必要に応じて、ガス接触操作の後に、熟成操作を設けることができる。
熟成操作は、二分子付加体からのSOの脱離を促進する工程である。ガス接触操作において、スルホン化ガスと原料は、理論的には等モルで反応する。しかしながら、実際は気液反応であり、反応が逐次反応であるため、スルホン化ガスは等モルよりも過剰に用いられる。例えば、原料に対して1.2倍モルのSOを含むスルホン化ガスを用いる。そして、上述のように反応が逐次反応であるため、スルホン化ガスと接触させた反応物中には、一分子付加体、二分子付加体、未反応の脂肪酸アルキルエステル及びその他の副生物が含まれている。このため、熟成操作を設けて、二分子付加体からのSOの脱離を促進し、最終的に平衡状態とする。このように熟成操作によって平衡に達したスルホン化物中には、少なくとも原料に対して過剰分のSOのモル数に相当する二分子付加体が存在する。二分子付加体を中和すると洗浄効果に寄与しないα−スルホ脂肪酸ジアルカリ塩となるため、洗浄剤用途においては二分子付加体の含有量をできるだけ低下せしめる必要がある。
そこで、熟成操作後に、低級アルコールを添加して、以下の一般式(II)で示した反応によって、二分子付加体をα−SFとする。(II)式から判るように、二分子付加体をエステル化したα−SFが生成するため、この処理をエステル化操作と称している。
続く中和工程は、スルホン化工程で得られたα−SFをアルカリで中和して中和物(α−SF塩)を得る工程である。
ここで、脂肪酸アルキルエステルのスルホン化においては、α−SFが着色するため、着色したα−SFを中和して得られるα−SF塩を漂白する漂白工程を設ける。漂白工程では、過酸化水素水溶液等の漂白剤を添加し、α−SF塩を漂白する。こうして得られたペースト状のα−SF塩含有物は、用途に応じて濃縮、さらには粉砕等の加工がなされる。
α−SF塩の製造プロセスにおいては、得られるα−SF塩の品質(色調等)向上、α−SF塩の収率向上及び製造の効率化が求められている。例えば、脂肪酸アルキルエステル中の金属の含有量を特定量以下にすることにより、効率的な漂白を行う方法が報告されている(例えば、特許文献2)。また、原料精製工程を設け脂肪酸アルキルエステル中の極性成分を除去した上で、精製原料のスルホン化反応を行う段階から単に着色抑制剤を反応系に導入することにより、漂白工程を簡略化または省略化しつつ、臭気と色調が同時に改善される方法が報告されている(例えば、特許文献3)。
特開2001−64248号公報 特開2000−128856号公報 特開2005−171137号公報
しかしながら、α−SF塩の製造方法には、淡色のα−SF塩をさらに効率的に製造することが求められている。加えて、従来の製造方法で得られたα−SF塩は、バッチ反応のため、エステル化物は、中和工程で中和処理されるまでに2〜6時間、80℃で保管される。その結果、漂白されにくい着色物質が生成し、後工程の中和物漂白工程における漂白効率が低下するという問題があった。
そこで、本発明は、淡色のα−SF塩を効率的に得られる製造方法を目的とする。
本発明のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法は、脂肪酸アルキルエステルにスルホン化ガスを接触させるスルホン化工程と、前記スルホン化工程で得られた反応物を低級アルコールによってエステル化するエステル化工程と、前記エステル化工程で得られたエステル化物をエステル化工程終了後に65℃以下に冷却する冷却工程の後、アルカリ性物質を添加し中和して中和物を得る中和工程と、前記中和物を漂白して漂白物を得る漂白工程と、を有することを特徴とする。
本発明のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法によれば、淡色のα−SF塩を効率的に得られる。
本発明のα−SF塩の製造方法は、スルホン化工程と、エステル化工程と、冷却工程と、中和工程と、漂白工程とを有するものである。
(スルホン化工程)
スルホン化工程は、脂肪酸アルキルエステルにスルホン化ガスを接触させ(ガス接触操作)、脂肪酸アルキルエステルをスルホン化してα−SFを含むスルホン化物を得る工程である。スルホン化は、例えば、以下の方法により行う。まず、反応槽内に脂肪酸アルキルエステルと、必要に応じて着色抑制剤を仕込み、加熱し、原料液相とする。次いで、この原料液相に、スルホン化ガスを、好ましくは一定流速で導入し、ガススパージャーから複数の気泡を発生させると共に撹拌機の回転によって原料液相中に分散させる。この回転によって着色抑制剤の粒子が原料液相中に均一に分散する。
脂肪酸アルキルエステルは、典型的には下記(1)式に表される物質である。
−CH−COOR ・・・(1)
[(1)式中、Rは炭素数8〜20の直鎖又は分岐のアルキル基もしくはアルケニル基であり、Rは炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基である。]
前記(1)中、Rは、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、炭素数8〜20であり、炭素数10〜18が好ましく、炭素数10〜16がより好ましい。前記(1)式中、Rは、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、炭素数1〜6であり、炭素数1〜3が好ましい。
脂肪酸アルキルエステルは、牛脂、魚油、ラノリン等から誘導される動物系油脂;ヤシ油、パ−ム油、大豆油等から誘導される植物系油脂;α−オレフィンのオキソ法から誘導される合成脂肪酸アルキルエステル等のいずれでもよく、特に限定はされない。具体的には、ラウリン酸メチル、エチル又はプロピル;ミリスチン酸メチル、エチル又はプロピル;パルミチン酸メチル、エチル又はプロピル;ステアリン酸メチル、エチル又はプロピル;硬化牛脂脂肪酸メチル、エチル又はプロピル;硬化魚油脂肪酸メチル、エチル又はプロピル;ヤシ油脂肪酸メチル、エチル又はプロピル;パ−ム油脂肪酸メチル、エチル又はプロピル;パ−ム核油脂肪酸メチル、エチル又はプロピル等を例示することができ、これらは単独、あるいは2種以上混合して用いることができる。また、ヨウ素価は、低い方が色調と臭気の両観点において望ましく、好ましくは0.5以下、さらに好ましくは0.2以下とされる。
スルホン化工程で得られるα−SFは、典型的には下記(2)式に表される物質である。
−CH(SOH)−COOR ・・・(2)
[(2)式中、Rは(1)式中のRと同じであり、Rは(1)式中のRと同じである。]
スルホン化ガスとしては、例えば、SOガスや発煙硫酸又はこれらを脱湿した空気で希釈したものが挙げられる。
スルホン化ガスの添加量は、脂肪酸アルキルエステルに対して、等倍モル以上であり、1.0〜2.0倍モルが好ましく、1.1〜1.5倍モルがより好ましい。
着色抑制剤としては、一価の金属イオンを有し、平均粒径250μm以下の無機硫酸塩又は有機酸塩が好適である。無機硫酸塩は、一価の金属イオンを有する粉末状の無水塩であれば特に限定されず、例えば硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム等が例示される。無機硫酸塩は、着色抑制効果が高く、安価なものが多く、さらに洗浄剤に配合される成分なので、最終的にα−SF塩(製品)から除去する必要がない。また、有機酸塩としては蟻酸ナトリウム、蟻酸カリウム、酢酸ナトリウム等が好ましい。
着色抑制剤の添加量は、原料の脂肪酸アルキルエステルに対して0.1〜30質量%、好ましくは0.1〜20質量%、さらに好ましくは2〜20質量%である。0.1質量%未満の場合は添加効果が得られない。30質量%を超えて添加しても、着色抑制効果が飽和し、もはや着色抑制効果の向上が図れない場合がある。
スルホン化工程のガス接触操作における反応温度は、脂肪酸アルキルエステルが流動性を有する温度とされ、脂肪酸アルキルエステルの融点以上であり、好ましくは融点以上であって、融点より70℃高い温度までの範囲で決定することが好ましい。
スルホン化工程におけるスルホン化ガスの導入時間は、10〜240分程度とされる。
スルホン化の方法としては、流下薄膜式スルホン化法、回分式スルホン化法等のいずれのスルホン化法であってもよい。また、スルホン化反応方式としては槽型反応、フィルム反応、管型気液混相反応等の方式が用いられる。着色抑制剤を原料中に均一に分散させた状態でスルホン化ガスと接触させることが好ましいため、特に回分式スルホン化法においては、槽反応方式が好適である。
<熟成操作>
スルホン化工程には、ガス接触操作の後、必要に応じて熟成操作を設けることができる。α−SF塩の収率向上の観点からは、熟成操作を設けることが好ましい。
熟成操作は、スルホン化工程の後、所定の温度に維持して、スルホン化工程で生成した二分子付加体からのSOの脱離を促進する工程である。
熟成操作は、例えば、原料液層とスルホン化ガスとを接触させた反応槽内で、攪拌して熟成することができる。また、例えば、スルホン化工程にフィルム式反応、管型気液混相反応等を用いた場合には、スルホン化物を他の槽型反応器に移して、熟成操作を行う。
熟成操作における反応温度(熟成温度)は、例えば、70〜100℃の範囲で決定することができる。熟成温度が70℃未満であると反応が速やかに進行しにくく、100℃を超えると着色が著しくなるためである。熟成操作における反応時間(熟成時間)は、例えば、1〜120分間の範囲で決定することが好ましい。
(エステル化工程)
スルホン化工程には、熟成操作の後、必要に応じてエステル化操作を設けることができる。α−SF塩の収率向上の観点からは、エステル化操作を設けることが好ましい。
エステル化操作は、ガス接触操作、さらには熟成操作を経て得られたスルホン化物に、低級アルコールを添加し、エステル反応を進行させるものである。エステル化操作は、例えば、スルホン化物に低級アルコールを添加し、所定の温度に維持しながら攪拌するものが挙げられる。
エステル化操作で用いる低級アルコールとは、炭素数1〜6のものである。中でも、低級アルコールは、その炭素数が原料の脂肪酸アルキルエステルのアルコール残基の炭素数と等しいものが好ましい。
低級アルコールの添加量は二分子付加体に対して0.5〜50倍モルであり、好ましくは0.8〜2.0倍モルである。
エステル化操作における反応温度は、60〜100℃であり、好ましくは60〜90℃である。エステル化操作における反応時間は、5〜120分間の範囲で決定することが好ましい。特に反応温度との関係から決定される場合は、例えば80℃では10〜120分が望ましく、70℃では、20分〜180分が望ましい。
(冷却工程)
エステル化反応終了後、エステル化工程で得られた反応物を、ジャケットや熱交換器等を用いて65℃以下まで冷却する工程である。冷却速度は好ましくは0.05℃/min以上で、より好ましくは0.1℃/minである。冷却手段は特に制限されないが、外部循環熱交換器が挙げられ、使用する冷却媒体は反応物の融点(40〜50℃)以上が望ましい。融点より低い温度の媒体で冷却した場合、壁面で反応液が固化し、総括伝熱係数(U値)が下がり熱交換効率が低下するかもしくは冷却不能となる場合がある。
(中和工程)
中和工程は、漂白工程で得られた漂白物にアルカリ性物質を添加し、pH4.0〜7.0に調整して、中和物としてα−SF塩を含むペースト状のα−SF塩含有物(α−SF塩含有ペースト)を得る工程である。
α−SF塩は、典型的には下記(3)式で表される物質である
−CH(SO)−COOR ・・・(3)
(3)式中、Rは(1)式中のRと同じであり、Rは(1)式中のRと同じである。Mは、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニア又はエタノールアミンであり、中でもアルカリ金属イオンが好ましく、ナトリウム又はカリウムイオンがより好ましい。xは、アルカリ金属イオン、アンモニア又はエタノールアミンの場合は1であり、アルカリ土類金属の場合は1/2である。
中和工程に用いるアルカリ性物質は、金属炭酸塩、炭酸水素塩、金属水酸化物等が挙げられ、中でも、金属炭酸塩、炭酸水素塩が好ましい。金属炭酸塩、炭酸水素塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられ、無水塩、水和塩又はこれらの混合物等を用いることができる。
中和工程におけるアルカリ性物質は、固体として添加してもよいし、水溶液として添加してもよい。特に、固体の金属炭酸塩である無水炭酸ナトリウム(濃厚ソーダ灰)による中和は、他のアルカリ性物質よりも安価であるため、経済面で好ましい。また、固体の金属炭酸塩を中和工程に用いると、反応混合物中の水分が少なくなりpHの上昇を防ぐことができる。さらに、金属水酸化物を添加する場合に比べて、α−SFの中和時の中和熱が低いため、除熱しやすく有利である。
水溶液として添加する場合、水溶液中のアルカリ性物質の濃度は、2〜50質量%の範囲であることが好ましい。
中和工程のpHは、4.0〜7.0であり、4.5〜6.5が好ましい。後述する漂白工程で、pHが上記範囲内の中和物を漂白することで、エステル結合の加水分解を抑制できるためである。pH4.0未満であると、α−SF塩は加水分解されやすくなり、α−SF塩の色調の劣化(褐色化)が生じると共に、α−SFよりも洗浄力が低いα−スルホ脂肪酸エステル塩が増加する傾向にあり好ましくない。pH7.0を超えると、α−SFよりも洗浄力が低いα−スルホ脂肪酸エステル塩が増加する傾向にあり好ましくない。
なお、α−スルホ脂肪酸アルキル塩は、典型的には下記(4)式で表される物質であり、いわゆるジ塩である。
−CH(SO)−COOM ・・・(4)
[(4)式中、Rは(1)式中のRと同じである。Mは、(3)式中のMと同じであり、xは(3)式中のxと同じである。]
中和物のpH調整は、公知の方法を用いることができる。例えば、塩酸水溶液等の酸性水溶液、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ性水溶液を用いて、pH調整する方法が挙げられる。
中和工程における反応温度は、50〜100℃であり、60〜90℃が好ましい。50℃未満では、中和物の粘度が上昇し、移送や攪拌等の製造適正が悪化する場合がある。100℃を超えるとα−SF塩は加水分解されやすくなり、α−SF塩の色調劣化が生じると共に、α−SF塩よりも洗浄力が低いジ塩が増加する傾向にあり好ましくない。
中和工程における滞留時間は、添加するアルカリ性物質の種類や添加方法を勘案して決定することができ、例えば10〜60分間の範囲で決定することが好ましい。
中和工程における中和方法としては、例えば、反応槽内にスルホン化物を投入し、所定の温度に維持したまま、アルカリ性物質を添加・混合する方法が挙げられる。また、例えば、反応槽で得られた中和物の一部を再び反応槽に戻す循環系を設け、該循環系にスルホン化物を添加し、次いでアルカリ性物質を添加する方法が挙げられる。
(漂白工程)
漂白工程は、中和工程で得られた中和物を漂白する工程である。漂白工程は、中和物に漂白剤を添加して、中和物を漂白する。
漂白剤は、過酸化水素の水溶液である。漂白剤中の過酸化水素の濃度は、漂白工程における水分量や反応時間(漂白時間)や漂白工程における反応温度(漂白温度)を勘案して決定することができる。
漂白剤の添加量は、中和物におけるアニオン界面活性剤濃度に対して、純分で0.1〜10質量%の範囲であり、0.1〜5質量%であることが好ましく、0.1〜3.0質量%であることがより好ましい。ここで「アニオン界面活性剤濃度」とは、洗浄有効成分であるα−SF塩とジ塩との合計量を意味する。
漂白温度は、漂白剤中の過酸化水素の濃度、漂白剤の添加量、漂白時間を勘案して決定することができ、例えば、50〜120℃の範囲で決定することが好ましく、60〜90℃の範囲で決定することがより好ましい。50℃未満では、漂白物の粘度が上昇し、移送や攪拌等の製造適正が悪化する。120℃を超えるとα−SF塩は加水分解されやすくなり、α−SF塩の色調劣化が生じると共に、α−SF塩よりも洗浄力が低いジ塩が増加する傾向にあり好ましくない。
漂白時間は、漂白剤中の過酸化水素の濃度、漂白剤の添加量、漂白温度を勘案して決定することができ、例えば、30〜480分間の範囲で決定することが好ましい。
漂白工程における漂白方法としては、例えば、反応槽内に中和物を投入し、所定の温度に維持したまま、漂白剤を添加・混合する方法が挙げられる。また、例えば、反応槽で得られた漂白物の一部を再び反応槽に戻す循環系を設け、該循環系に中和物を添加し、次いで漂白剤を添加する方法が挙げられる。
以下に実施例及び比較例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合の組成は「%」は質量%を示した。
(実施例1)
α−スルホ脂肪酸アルキルエステルナトリウム塩(α−SFNa塩)の製造
槽型スルホン化反応器(槽内径0.6mφ、容量200L)に撹拌翼として6枚羽根傾斜パドル(up−pumping、羽根翼径=0.24mφ)を取り付けたものを用いて、スルホン化反応をα−スルホ脂肪酸アルキルエステルを製造した。槽型反応器は、ジャケット冷却、攪拌機付きのSUS316L製であって、外部循環ラインによって反応温度をコントロールするようになっているものを用いた。外部循環にはバイキングポンプ(東興産業社製)、プレート型熱交換器(日阪製作所製)を用いた。
原料は、パーム核油、ヤシ油をそれぞれエステル化して蒸留した脂肪酸メチルエステルであるパルミチン酸メチル(ライオン株式会社製、商品名:パステルM−16)とステアリン酸メチル(ライオン株式会社製、商品名:パステルM−180)を質量比6:4の比率に混合した後、さらに下記の水添処理することにより、ヨウ素価(以下、IVと記す場合もある)をIV=0.03に低減して精製したものを用いた。水添処理は常法に従い、水添触媒として、商品名SO−850(堺化学社製)を、脂肪酸メチルエステルに対して0.1質量%添加し、170℃、1時間の条件で行った。なお水添処理の後、濾過により触媒を除去した。
スルホン化ガスは、希釈ガスとして乾燥空気(露点−50℃)を用い、商品名日曹サルファン(日曹金属化学社製)を気化させ、4%濃度に希釈したSOガスを用いた。着色抑制剤は、工業グレードの微粉芒硝(硫酸ナトリウム、四国化成社製;粒径40〜50μm)を使用した。脂肪酸アルキルエステルとSOのモル比は1.2、スルホン化反応時間180分、スルホン化反応温度80℃の条件でスルホン化反応を行い、終了後熟成温度80℃、熟成時間30分の条件で、熟成反応を行った。得られた反応生成物に、反応物液温80℃で反応生成物100重量部あたり3重量部のメタノール(住友化学工業社製メタノール:工業グレード水分500ppm以下)を15分で添加し、添加終了後80℃、15分の熟成を行い、エステル化反応物を得た。
得られたエステル化反応物を、外部循環熱交換器(プレート型熱交換器(日阪製作所)、冷却媒体:温水、冷却媒体温度:55℃)を用いて一定の冷却速度(エステル化酸冷却温度:0.19℃/min)で所定温度(エステル化酸保管温度:60℃)まで冷却し、所定時間(エステル化酸保管時間:実施例1では0時間)保管した。
さらに、前記保管後のエステル化反応物を、ラインミキサーを用いて当量のNaOH(ダイソー株式会社製苛性ソーダ:工業グレード)水溶液を添加することにより連続的に中和を行い、中和物を得た。
ついで、この中和物を漂白剤混合ラインに注入し、35%過酸化水素水(三菱ガス化学社製35%工業用過酸化水素:工業グレード)を純分換算で、アニオン界面活性剤濃度(α−スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム塩(α−SFNa塩)とα−スルホ脂肪酸ジナトリウム塩(di−Na塩)との合計濃度)に対して1.5質量%を供給、混合し、80℃に保ち漂白を行い、ペースト状のα−SFNa塩を得た。
80℃、5時間後の中和物カラーを測定した。その結果を表1に併記する。
(実施例2〜6)
原料脂肪酸メチルエステルの質量比、エステル化酸冷却速度、エステル化酸保管温度、冷却媒体温度、エステル化酸保管時間、過酸化水素水添加量を表1〜2記載のように変えた以外は、実施例1と同様にしてペースト状のα−SFNa塩を得た。結果を表1〜2に併記する。なお、表中の原料の「C16/18=6/4」とは、パルミチン酸メチル/ステアリン酸メチルの質量比が6/4であることを示す。
(比較例1〜4)
エステル化酸冷却速度、エステル化酸保管温度、冷却媒体温度、エステル化酸保管時間、過酸化水素水添加量を表3〜4記載のように変えた以外は、実施例1と同様にしてペースト状のα−SFNa塩を得た。結果を表3〜4に併記する。なお、比較例1、3、4は冷却手段を使用しなかった例である。
〔評価方法〕
<色調測定>
試料を溶媒で希釈してアニオン界面活性剤濃度5質量%の溶液とし、該溶液について40mm光路長、No.42ブルーフィルターを用いてクレット光電光度計で測定した。エステル化酸の測定の場合は溶媒にエタノールを使用し、中和物等のα−SF塩含有ペーストの場合は溶媒に水を使用した。色調の測定結果は、数値が小さいほど白色に近く、測定値が50以下であれば良好な淡色であると判断できる。

Claims (1)

  1. 脂肪酸アルキルエステルにスルホン化ガスを接触させるスルホン化工程と、前記スルホン化工程で得られた反応物を低級アルコールによってエステル化するエステル化工程と、前記エステル化工程で得られたエステル化物をエステル化工程終了後に65℃以下に冷却する冷却工程の後、アルカリ性物質を添加し中和して中和物を得る中和工程と、前記中和物を漂白して漂白物を得る漂白工程とを有することを特徴とするα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法。
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