JP5134980B2 - 脂肪酸アルキルエステルスルホネート製造用の水添脂肪酸アルキルエステルの製造方法、脂肪酸アルキルエステルスルホネートの製造方法 - Google Patents
脂肪酸アルキルエステルスルホネート製造用の水添脂肪酸アルキルエステルの製造方法、脂肪酸アルキルエステルスルホネートの製造方法 Download PDFInfo
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Description
脂肪酸アルキルエステルスルホネートの製造方法としては、脂肪酸アルキルエステルを、SO3ガス等を用いてスルホン化してスルホン化物を得、該スルホン化物をアルカリによって中和する方法が一般的である。
脂肪酸アルキルエステルスルホネートの製造に原料として用いられる脂肪酸アルキルエステルは、一般的に、メタノール等の低級アルコールで油脂のエステル交換を行うことにより脂肪酸低級アルキルエステルを含む油相を得て、該油相から脂肪酸低級アルキルエステルを蒸留により留出させることにより製造されている。
しかし、上述のような脂肪酸アルキルエステルをそのままスルホン化した場合、得られる脂肪酸アルキルエステルスルホネートには、通常、顕著な着色がある。このような着色は、当該脂肪酸アルキルエステルスルホネートを洗浄剤等の用途に用いるうえで不都合である。
このような問題に対し、これまで、脂肪酸アルキルエステルスルホネートの色調を改善するための種々の方法、たとえば漂白処理を行う方法、スルホン化を着色抑制剤の存在下で行う方法、原料となる脂肪酸アルキルエステルについて、色調等の品質を劣化させる要因となる物性を調節する方法等が提案されている。
たとえば、脂肪酸アルキルエステルスルホネートの色調等の品質を劣化させる要因の一つとして、原料中の不飽和脂肪酸アルキルエステルの二重結合の存在がある。そこで、スルホン化を行う前に、脂肪酸アルキルエステルの水添処理を行い、二重結合を還元し、ヨウ素価を低減することが提案されている(たとえば特許文献1参照)。
このように、色調の変動は、スルホン化から中和、漂白という一連の脂肪酸アルキルエステルスルホネートの生産プロセス全体の安定稼動に影響するため、その安定化が求められる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、色調に優れた脂肪酸アルキルエステルスルホネートを安定して製造することができ、脂肪酸アルキルエステルスルホネート製造用として有用な水添脂肪酸アルキルエステルの製造方法、該製造方法により得られる水添脂肪酸アルキルエステル、該水添脂肪酸アルキルエステルを用いた脂肪酸アルキルエステルスルホネートの製造方法および該製造方法により得られる脂肪酸アルキルエステルスルホネートを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の第一の態様は、水添脂肪酸アルキルエステルを着色抑制剤の存在下でスルホン化し、つづいて熟成を行うスルホン化工程、得られたスルホン化物を中和する中和工程、および得られた中和物を漂白する漂白工程を含む脂肪酸アルキルエステルスルホネートの製造方法に使用される水添脂肪酸アルキルエステルの製造方法であって、
未水添脂肪酸アルキルエステルを水添し、そのヨウ素価を0.2以下とする水添工程を含み、
過酸化物価が5ミリ当量/kg以下の未水添脂肪酸アルキルエステルを選択して前記水添工程に用いることを特徴とする製造方法である。
前記第一の態様においては、前記水添工程を行う前に、対応する原料油脂から製造された過酸化物価が5ミリ当量/kg以下の未水添脂肪酸アルキルエステルを保管容器内に保管し、下記(1)〜(3)の手段によりその過酸化物価を5ミリ当量/kg以下に保つ工程を有することが好ましい。
(1)前記未水添脂肪酸アルキルエステルを、保管容器内に、空隙率が30%以下となるように収容する。
(2)前記未水添脂肪酸アルキルエステルの温度を70℃以下とする。
(3)不活性ガスの導通により、前記未水添脂肪酸アルキルエステル中の溶存酸素濃度を50ppm以下とする。
本発明の第二の態様は、前記第一の態様の水添脂肪酸アルキルエステルの製造方法により水添脂肪酸アルキルエステルを製造する工程、得られた水添脂肪酸アルキルエステルを着色抑制剤の存在下でスルホン化し、つづいて熟成を行うスルホン化工程、得られたスルホン化物を中和する中和工程、および得られた中和物を漂白する漂白工程を含むことを特徴とする脂肪酸アルキルエステルスルホネートの製造方法である。
本発明の水添脂肪酸アルキルエステルの製造方法は、未水添脂肪酸アルキルエステルを水添し、そのヨウ素価(IV)を0.2以下とする工程を含む。
本発明においては、未水添脂肪酸アルキルエステルとして、過酸化物価(POV)が5ミリ当量/kg(以下、meq/kg)以下の未水添脂肪酸アルキルエステルを選択して用いる。未水添脂肪酸アルキルエステルのPOVは、4.5meq/kg以下が好ましく、3.0meq/kg以下がより好ましく、1.0meq/kg以下がさらに好ましい。POVの下限は特に限定されず、0meq/kgであってもよい。実用上、0.1meq/kg以上であれば本発明の効果が充分に得られる。
ここで、「未水添脂肪酸アルキルエステル」は、少なくとも不飽和脂肪酸アルキルエステルを含むものである。
POVは、「試料にヨウ化カリウムを加えた場合に遊離されるヨウ素をヨードメトリーにより定量し、試料1kgに対するミリ当量(meq)で表したもの」と定義される(単位:meq/kg)。
脂肪酸アルキルエステルのPOVは、「基準油脂分析試験法」((社)日本油化学会、過酸化物価 2.5.2.1−2003過酸化物価(酢酸−イソオクタン法))に準拠して測定できる。
未水添脂肪酸アルキルエステルに含まれる脂肪酸アルキルエステルは、炭素数10〜22の脂肪酸と、低級アルキルアルコールとのエステルが好ましい。
低級アルキルアルコールは、炭素数1〜4のアルキルアルコールであり、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどが挙げられる。これらの中でもメタノールが特に好ましい。すなわち、脂肪酸アルキルエステルとしては、脂肪酸メチルエステルが特に好ましい。
本発明において好適に用いられる未水添脂肪酸アルキルエステルとしては、動植物油脂を原料として製造された脂肪酸アルキルエステルが挙げられる。
前記脂肪酸アルキルエステルの原料として使用される動植物油脂は、動物(微生物を含む)や植物に由来し、油脂(脂肪酸トリグリセライド)を主成分とするものである。また、該動植物油脂には、通常、油脂の他に、不純物として、リン脂質を主成分とするガム質、カロチン、リン脂質、タンパク質、樹脂状物質、遊離している脂肪酸(以下、遊離脂肪酸という場合もある。)などが含まれている。
動物由来の油脂としては、牛脂、豚脂などが挙げられ、植物由来の油脂としては、ヤシ油、パーム核油、パーム油、ナタネ油、大豆油、ヒマワリ油、コーン油などが挙げられる。これらの中でも、菜種油、大豆油、パーム油、パーム核油などの、炭素数10〜22の脂肪酸(飽和、不飽和)の油脂を有する植物油が好ましい。
このような動植物油脂を原料とする脂肪酸アルキルエステルは、市販のものを用いても良く、製造してもよい。
前記脂肪酸アルキルエステルの製造方法として、好ましい具体例としては、原料中の脂肪酸を低級アルキルアルコールでエステル化して、エステル混合油を含む反応混合物を得るプレエステル化工程と、該エステル混合油中の油脂を、アルカリ触媒を使用し、低級アルキルアルコールでエステル交換するエステル交換工程と、該エステル交換工程で得た油相の減圧蒸留を行い、脂肪酸低級アルキルエステルを留出させる蒸留工程と、を含む方法が挙げられる。
つまり、本発明において、水添工程に用いられる未水添脂肪酸アルキルエステルとしては、前記蒸留工程にて得られる脂肪酸アルキルエステルが好ましい。このような脂肪酸アルキルエステルを水添原料として用いた場合、従来、上述したような色調の変動が生じやすい。
エステル交換工程で使用するアルカリ触媒として、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラートなどが挙げられ、水酸化ナトリウムが最も好ましい。エステル交換工程は、たとえば攪拌機を備えた塔型反応槽等のエステル交換反応装置により実施できる。
このようなエステル交換反応により、脂肪酸低級アルキルエステルを主成分とする油相と、グリセリンを主成分とする相(以下、グリセリン相という。)との混合物が得られる。油相とグリセリン相とは、静置分離、遠心分離等により分離され、油相は次の蒸留工程に供される。
蒸留工程では、たとえば蒸留塔にて前記エステル交換工程で得た油相の減圧蒸留を行うことにより、油相に含まれる不純物を残留物として塔底に残し、かつ、目的物である脂肪酸アルキルエステルを留出液として高純度で得ることができる。
上記製造方法では、原料として粗パーム油等の未精製油脂を用いる場合、エステル化工程の前に、原料からガム質を除去する脱ガム工程を行ってもよい。
また、上記製造方法では、エステル交換工程で副生するセッケンを酸で分解し、生成した脂肪酸を、前記エステル化工程または該エステル化工程よりも前段側の工程に返送するリサイクル工程を行ってもよい。
上記製造方法は、たとえば特開2007−176973号公報に記載の製造方法に従って実施できる。
しかし、水添脂肪酸アルキルエステルを製造する場合、特に工業的規模で実施する場合、未水添脂肪酸アルキルエステルは、水添工程を行う前に、保管容器内に保管される。本発明者の検討によれば、保管容器内での保管時や、保管容器内への輸送の際に、水添原料のPOVが大幅に増大することがわかった。
そこで、本発明者らは、この知見に基づきさらなる検討を行った結果、所定の条件で保管することにより、未水添脂肪酸アルキルエステルのPOVを5meq/kg以下に保つことができることを見出した。
すなわち、本発明においては、水添工程を行う前に、対応する原料油脂から製造されたPOVが5meq/kg以下の未水添脂肪酸アルキルエステルを保管容器内に保管する場合、下記(1)〜(3)の手段によりそのPOVを5meq/kg以下に保つ工程(以下、保管工程という。)を有することが好ましい。
(1)前記未水添脂肪酸アルキルエステルを、保管容器内に、空隙率が30%以下となるように収容する。
(2)前記未水添脂肪酸アルキルエステルの温度を70℃以下とする。
(3)不活性ガスの導通により、前記未水添脂肪酸アルキルエステル中の溶存酸素濃度を50ppm以下とする。
「空隙率」は、保管容器内において、未水添脂肪酸アルキルエステルで満たされていない部分(空間部)が占める割合(体積%)である。
たとえば図1に示すように保管容器1内に未水添脂肪酸アルキルエステル2を収容した場合を例に挙げて説明する。保管容器1内上部の空間部の体積(上部空間体積)をA、保管容器1内に収容された未水添脂肪酸アルキルエステル2の体積(液部体積)をBとすると、空隙率(%)は、{A/(A+B)}×100により算出される。
本発明においで、空隙率は20%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。空隙率の下限は、特に限定されず、0%であってもよい。
保管容器としては、ポリエチレン内封のドラム、ステンレス製のドラム、タンク、コンテナ等があげられるが、これらに制限されるものではない。
該保管温度は、60℃以下が好ましく、50℃以下がより好ましい。該保管温度が低いほど、未水添脂肪酸アルキルエステルのPOVを低減できる。また、最終的に得られる水添脂肪酸アルキルエステルをスルホン化する際のスルホン化反応率や、得られる脂肪酸アルキルエステルスルホネートの色調も向上する。
保管温度の下限は、未水添脂肪酸アルキルエステルが液状を保持する温度、つまり未水添脂肪酸アルキルエステルの融点以上であればよい。
保管温度の制御方法は、限定されないが、保管容器内の温度を検出し、該保管容器に給される温水、スチーム等の熱媒流量または加熱用電熱器にフィードバックして制御するのが好ましい。
不活性ガスは、酸素を含まないガスであればよく、たとえば窒素、二酸化炭素、アルゴン等が挙げられる。これらはいずれか一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。不活性ガスとしては、窒素原子が特に好ましい。
不活性ガスの導通方法は特に限定されず、保管容器内の液部(未水添脂肪酸アルキルエステル中)に導通させてもよく、また、保管容器内に空間部がある場合は該空間部に導通させてもよい。好ましくは液部に導通させる。液部への不活性ガスの導通は、たとえば保管容器内に未水添脂肪酸アルキルエステルを収容した状態で、所定の不活性ガスを保管容器内の下方に供給し、液内を浮上流通させて行うことができる。
不活性ガスの導通量は、1時間あたり、保管容器内の総体積(たとえば図1におけるAとBとの合計量)の0.001〜0.5体積%が好ましく、0.01〜0.2体積%がより好ましく、0.01〜0.1体積%がさらに好ましい。
本発明において、「未水添脂肪酸アルキルエステル中の溶存酸素濃度」は、(2)の手段の保管温度とした状態で測定される値で測定される値である。
未水添脂肪酸アルキルエステル中の溶存酸素濃度は、公知のDO(溶存酸素濃度)メーターを用いて測定できる。
(3)の手段では、未水添脂肪酸アルキルエステル中の溶存酸素濃度を30ppm以下とすることが好ましく、10ppm以下とすることがより好ましい。該溶存酸素濃度が低いほど、未水添脂肪酸アルキルエステルのPOVを低減できる。また、最終的に得られる水添脂肪酸アルキルエステルをスルホン化する際のスルホン化反応率や、得られる脂肪酸アルキルエステルスルホネートの色調も向上する。
溶存酸素濃度の下限は特に限定されないが、実用的には0.1ppm程度である。
上記溶存酸素濃度は、不活性ガスの導通量、導通時間等を調節することにより調節できる。
保管工程においては、たとえば前記(1)〜(3)の条件、保管容器内での保管時間等を調節することにより、POVの上昇抑制効果を調節できる。たとえば、保管容器内での最終的な溶存酸素濃度を低くするほど、POVの上昇抑制効果が向上する。
水添処理には従来公知の方法を利用できる。具体的には、たとえば、前記水添原料を、必要に応じて水添触媒とともにオートクレーブ等の反応器に収容し、反応器内を水素雰囲気とするか、または反応器内に水素ガスを導通させて、当該反応器内を所定の処理温度にまで加熱し、該処理温度を所定の時間保持することにより実施できる。
水素ガスは単独で用いてもよく、他の不活性ガス(たとえば窒素ガス)と混合して用いてもよい。
反応器内を水素雰囲気とするには、たとえば反応器内に水添原料を収容した後、トップスペースの空気を所定のガスで置換すればよい。
水素ガスの導通は、前記(2)の処理と同様にして実施できる。また水素ガスを導通させる際、必要に応じ、攪拌によって気液接触を促進することもできる。
水添処理時に反応器内に導通させるガス(流通ガス)の流量は、特に限定されないが、水添原料1kgに対し、1時間あたり1L〜1000L(以下、1〜1000L/kg/hと表す)を流通させることが好ましく、1〜100L/kg/hがより好ましく、10〜80L/kg/hがさらに好ましい。
水添処理において、水添原料の加熱は1段階で行ってもよく、2段階以上に分けて加熱してもよい。
たとえば加熱を2段階で行う例としては、空気雰囲気下で70℃程度の温度に加熱した後、水素雰囲気とし、その後、所定の処理温度として水素ガスを導通させる方法が挙げられる。かかる方法は、水添触媒を均一に分散できるという利点を有することから好ましい。
前記処理温度を保持する時間(処理時間)は、製造しようとする水添脂肪酸アルキルエステルの目標ヨウ素価(IV)、処理温度等によっても異なるが、0.5時間以上が好ましく、1時間以上がより好ましい。また、処理時間の上限は、特に限定されないが、脂肪酸アルキルエステル製造上、3時間以下が好ましく、2.5時間以下がより好ましく、2時間以下がさらに好ましい。
処理を行う圧力は、特に限定されないが、常圧〜10MPaが好ましく、常圧〜1MPaがより好ましく、0.5〜1MPaがさらに好ましい。
このような触媒として、具体的には、たとえばニッケル、パラジウム、プラチナ等の金属の単体、金属塩、有機化合物との錯体等の金属触媒が挙げられる。
本発明においては、水添触媒として、担体に担持された金属触媒(以下、担持金属触媒という。)を用いることが好ましい。担持金属触媒を用いることにより、触媒活性が増強され、より少ない触媒金属量で効率よく反応を行う事ができる。
担体としては、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、シリカアルミナなどの金属酸化物及びこれらの複合酸化物、ケイソウ土、活性炭、ベントナイト、モンモリロナイト、酸性白土、セラミック等が挙げられる。
水添触媒は、市販のものを利用できる。
水添触媒は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
水添触媒の使用量(総質量(担持金属触媒の場合は金属触媒と担体との合計量)は、水添原料に対し、0.01質量%以上が好ましく、0.035質量%以上がより好ましい。
水添触媒の使用量の上限は特に限定されないが、経済的合理性を考慮すると、0.5質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましい。
水添脂肪酸アルキルエステルのIVは、0.1以下が好ましく、0.05以下がより好ましい。下限は特に限定されない。なお、IVの検出限界値は0.01程度である。
水添脂肪酸アルキルエステルのIVは、「基準油脂分析試験法」((社)日本油化学会、ヨウ素価3.3.3−1996 ヨウ素価(ウィイス−シクロヘキサン法))に準拠して測定できる。
水添脂肪酸アルキルエステルのIVは、前記水添処理条件を調節することにより調節できる。
一方、水添原料として、POVが5meq/kg以下の未水添脂肪酸アルキルエステルを選択せずに得られる水添脂肪酸アルキルエステル(従来の通常の水添脂肪酸アルキルエステル)は、たとえIVやPOVが本発明の水添脂肪酸アルキルエステルと同レベルであっても、脂肪酸アルキルエステルスルホネート製造時の色調の変動が生じやすい。
本発明の脂肪酸アルキルエステルスルホネートの製造方法は、水添脂肪酸アルキルエステルを着色抑制剤の存在下でスルホン化し、つづいて熟成を行うスルホン化工程、得られたスルホン化物を中和する中和工程、および得られた中和物を漂白する漂白工程を含む。
以下、該製造方法を、好ましい実施形態を示して説明する。
本実施形態の脂肪酸アルキルエステルスルホネートの製造方法は、以下の(A)〜(D)の工程を有する。
(A)脂肪酸アルキルエステルを着色抑制剤の存在下でスルホン化し、つづいて熟成を行うスルホン化工程。
(B)スルホン化工程で得られるスルホン化物に対して、低級アルキルアルコールを用いてエステル化処理を行うエステル化工程。
(C)エステル化処理後のスルホン化物に対して中和処理を行う中和工程。
(D)中和工程で得られる中和物を漂白する漂白工程。
(A)スルホン化工程においては、脂肪酸アルキルエステルをスルホン化してスルホン化物(α−スルホ脂肪酸アルキルエステル)を得る。
本工程では、脂肪酸アルキルエステルとして、前記本発明の水添脂肪酸アルキルエステルの製造方法により得られる水添脂肪酸アルキルエステルが用いられる。
脂肪酸アルキルエステルのスルホン化は、たとえば、脂肪酸アルキルエステルとスルホン化ガスとを接触させることにより実施できる。
スルホン化反応方式としては、槽型反応方式、フィルム型反応方式、管型気液混相流反応方式等が用いられ、特に限定するものではない。
スルホン化に用いるスルホン化ガスとしては、SO3ガスの他に発煙硫酸等が用いられるが、好ましくはSO3であり、通常、脱湿空気又は窒素などの不活性ガスでSO3濃度3〜30容量%に希釈したSO3ガスが使用される。
SO3は、脂肪酸アルキルエステルの1.0モルに対して1.0〜2.0モルの割合で使用される。1.0倍モル未満ではスルホン化反応が十分に進行せず、2.0倍モルを越えると、スルホン化反応がより過激になるため局所熱に起因する着色が著しくなり、淡色の目的物を得難いことがある。
なお、スルホン化反応時の着色を抑制するための添加剤として、一価の金属塩を有する無機化合物を添加することがより好ましい。一価の金属塩としては、例えば硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム等の無機硫酸塩が挙げられる。
スルホン化反応における反応温度は、脂肪酸アルキルエステルが流動性を有する温度であればよく、一般に、脂肪酸アルキルエステルの融点〜該融点より70℃程度高い温度の範囲内の温度が適用される。
反応時間は、薄膜式スルホン化法では5〜120秒、回分式スルホン化法では10〜180分程度である。
ここで記載されている機構は、上述の(A)スルホン化工程を行うと、脂肪酸アルキルエステルの1分子にSO3が1分子付加した1分子付加体が生成し、更にこの1分子付加体にSO3が1分子付加して2分子付加体が生成し、2分子付加体からSO3が1分子脱離してα−スルホ脂肪酸アルキルエステルが生じるというものである。
たとえば下記一般式(I)で表される脂肪酸アルキルエステル(I)を例に挙げてより具体的に説明すると、以下に示すように、脂肪酸アルキルエステル(I)から下記一般式(I’)で表されるSO3一分子付加体(I’)が生成し、該SO3一分子付加体(I’)から下記一般式(I”)で表されるSO3二分子付加体(I”)が生成し、該SO3二分子付加体(I”)から下記一般式(II)で表されるα−スルホ脂肪酸アルキルエステルが生成する。
よって、(B)エステル化工程は必須ではないが、これを行うと副生物を低減することができるため、行うことが好ましい。
着色抑制剤としては、一価の金属塩である有機酸塩、無機硫酸塩等が用いられ、好ましくは無機硫酸塩が用いられる。有機酸塩としては、例えば蟻酸ナトリウム、蟻酸カリウム、酢酸ナトリウム等を例示できる。無機硫酸塩は、一価の金属塩である粉末状の無水塩であれば特に限定されず、例えば硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム等が挙げられる。無機硫酸塩は着色抑制効果が高く、安価なものが多く、さらに洗浄剤に配合される成分なので、洗浄剤用途のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩製造の場合は、無機硫酸塩をα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩から除去する必要がないので好ましい。
また、着色抑制剤の平均粒子径は250μm以下が好ましく、特に100μm以下が好ましい。このような粒径にする理由は、例えば無機硫酸塩は反応中原料液相にはその表面がわずかに溶解する程度でほとんど溶解せず、原料液相中に分散している。従って、上述のように粒径の小さい無機硫酸塩を用いることにより、原料液相との接触面積が大きくなり、分散性が向上し、より効果を高めることができる。
着色抑制剤の添加量は、原料脂肪酸アルキルエステルに対して0.1〜30質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜20質量%、さらに好ましくは3〜20質量%である。添加量が30質量%を超える場合は効果が飽和する場合がある。
次に、前記(A)スルホン化工程で得られるスルホン化物に対して、低級アルキルアルコールを用いてエステル化処理を行う。これにより、α−スルホ脂肪酸アルキルエステルの収率が向上し、副生物の生成も抑制される。
このエステル化工程においては、スルホン化物中に、中間体であるSO3二分子付加体が残留している場合に、該SO3二分子付加体のアルコキシ基部分のエステル化が進行する。
すなわち、下記のように、アルコール(R3−OH)により、SO3二分子付加体(I”)のアルコキシ基部分に挿入されていたSO3の脱離とエステル交換とが進行し、下記一般式(II’)で表されるα−スルホ脂肪酸アルキルエステル(II’)が生成する。したがって、α−スルホ脂肪酸アルキルエステルの収率が向上する。
本製造方法においては、エステル化工程を行うことにより、副生物の一つであるα−スルホ脂肪酸ジアルカリ塩の生成を抑制することができる。このように、α−スルホ脂肪酸アルキルエステルの収率が向上し、また副生物の生成が抑制されることにより、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の収率が向上する。
反応温度は50〜100℃が好ましく、50〜90℃がより好ましい。
反応時間は5〜180分が好ましく、10〜60分がより好ましい。
エステル化処理は、一般的な撹拌槽あるいは流通管を用いて行うことができ、滞留時間分布を狭くするために、2個以上の仕切られた混合スペースを有する連続式多段撹拌槽を用いることが好ましい。
低級アルキルアルコールは、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、1価アルコールが好ましい。特に、原料の水添脂肪酸アルキルエステルのアルコール残基の炭素数(たとえば式(I)中のR2の炭素数)と等しい炭素数の低級アルキルアルコールが好ましく、該アルコール残基におけるアルキル基と同じアルキル基を有する低級アルキルアルコールがより好ましい。
低級アルキルアルコールの添加量は、熟成後の生成物100質量%に対して1〜10質量%が好ましく、2〜5質量%がより好ましい。低級アルキルアルコールの添加量が1質量%以上であると、エステル化処理の効果が充分に得られ、10質量%以下であると、過剰分の低級アルキルアルコールを回収する工程を行う必要がなく、効率的である。
次に、前記エステル化処理後のスルホン化物(エステル化物)に対して中和処理を行う。これにより、エステル化物中のα−スルホ脂肪酸アルキルエステルから、脂肪酸アルキルエステルスルホネート(α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩)が生成する。たとえば原料として上記脂肪酸アルキルエステル(I)を用いた場合は、主に、下記一般式(IV)で表される脂肪酸アルキルエステルスルホネート(IV)が生成する。
アルカリ水溶液としては、目的とする塩を形成することができるもの、たとえば上述した一般式(I)中のMを形成するものであればよく、たとえば、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の水酸化物、アンモニア、エタノールアミン等が挙げられる。
アルカリ水溶液の濃度は、下記中和物のAI濃度となるように調整する。
ここで、「AI」とは、生成物中に含まれる、界面活性剤としての機能を有する化合物である。本発明の製造方法により得られる生成物中には、通常、脂肪酸アルキルエステルスルホネートのほか、副生物としてα−スルホ脂肪酸ジアルカリ塩が含まれる。α−スルホ脂肪酸ジアルカリ塩も、脂肪酸アルキルエステルスルホネートと同様、界面活性剤としての機能を有している。したがって、本発明において、AI濃度は、脂肪酸アルキルエステルスルホネートと、副生物の1つであるα−スルホ脂肪酸ジアルカリ塩との合計の濃度として求められる。
中和物中のAI濃度は、10〜80質量%が好ましい。10質量%以上であると製造効率が向上し、80質量%以下であるとハンドリング性に優れる。特に、粘度が適度に低く、製造効率、ハンドリング性ともに優れることから、AI濃度は、60〜80質量%がより好ましく、62〜75質量%がさらに好ましい。
中和時間は、5〜60分間が好ましく、20〜60分間がより好ましい。
中和時のpHは、生成した脂肪酸アルキルエステルスルホネートの加水分解を防止するために、酸性あるいは弱いアルカリ性の範囲(pH4〜9)が好ましい。この範囲外では、脂肪酸アルキルエステルスルホネートのエステル結合が切断されやすくなる可能性がある。
かかる中和処理としては、ループ中和方式が挙げられる。この方式は、ループ状の配管(リサイクルループ)内で、中和処理した中和物の一部(リサイクル中和物)を循環させ、該リサイクル中和物を、エステル化工程後の未中和の生成物に添加して中和を行う方式である。
ループ中和方式において、中和は、たとえばリサイクル中和物と未中和の生成物との混合物に対してアルカリ水溶液を接触させて行ってもよく、また、前記リサイクル中和物と、未中和の生成物と、アルカリ水溶液とを、強力なせん断力の元で瞬時に混合して行ってもよい。
リサイクル中和物の添加量は、未中和の生成物とアルカリ水溶液との合計量の5〜25質量倍が好ましく、10〜20質量倍がより好ましい。未中和の生成物とアルカリ水溶液との合計量に対するリサイクル中和物の添加量の比、すなわちリサイクル比が5以上であると副生物の生成抑制効果に優れ、25以下であると製造効率が向上する。
金属炭酸塩または炭酸水素塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウムなどの無水塩、水和塩、またはこれらの混合物などが挙げられる。
次に、前記中和工程で得られる中和物(脂肪酸アルキルエステルスルホネート)を漂白する。
(D)漂白工程は、常法により行うことができ、たとえば中和物と漂白剤を混合し、該混合物を、所定の漂白温度で、所定の漂白時間維持する方法により行われる。
漂白剤としては、例えば過酸化水素、次亜塩素酸塩などの水溶液が好ましく用いられる。
漂白剤の使用量は、AIに対して純分で0.1〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。
漂白温度は、使用する漂白剤に適した温度とすればよい。たとえば過酸化水素を用いる場合は50〜140℃が好ましく、80〜140℃がより好ましい。また、次亜塩素塩酸を用いる場合は30〜80℃が好ましい。
漂白時間は、所望の色調に漂白されるまで行えばよく、実用上は30分〜7日程度が実用的である。
(D)漂白工程は、pHは4〜9の条件下で行うことが好ましい。これにより、優れた漂白効果が発揮され、良好な色調の脂肪酸アルキルエステルスルホネートが得られる。
上記(C)中和工程後、(D)漂白工程を行う前に、中和物を加熱処理する加熱工程を行ってもよい。該加熱工程を行うと、さらに、得られる製品の色調が向上する。
加熱処理は、中和物を所定の温度に加熱し、該温度を所定時間保持することによって行うことができ、加熱温度は、70℃以上が好ましく、70〜120℃がより好ましい。また、加熱時間は、0.5時間〜7日間が好ましく、1時間〜5日間がより好ましく、2〜24時間がさらに好ましい。
<実施例1〜4、比較例1〜4>
原料(脂肪酸メチルエステル。以下、原料メチルエステルという。)としては、表1に示す2種(ライオンケミカル株式会社製のパステルM16およびパステルM182)の混合物(パステルM16:パステルM182=60:40(質量比))を使用した。
上記原料メチルエステルについて、以下の分析方法で過酸化物価(POV)および溶存酸素濃度を測定した。その結果、原料メチルエステルのPOVは0.2meq/kg、溶存酸素濃度は5ppmであった。
(過酸化物価(POV))
POVは、「基準油脂分析試験法」((社)日本油化学会、過酸化物価 2.5.2.1−2003過酸化物価(酢酸−イソオクタン法))に準拠して測定した。
(溶存酸素濃度)
溶存酸素濃度は、上記保管温度にて、(株)東興化学研究所製DOメーター(TOX−90i)を用いて測定した。
上記のようにして得られた脂肪酸メチルエステル(未水添脂肪酸メチルエステル)について、上記と同様にしてPOVを測定した。その結果を表2に示す。
次に、オートクレーブ中の空気を窒素ガスにて置換し、190℃まで昇温すると同時に、反応容器下方に挿入した管から水素ガスを60L/分/kgで吹き込み、この状態を 1時間保持した。吹き込みの際、反応器上部空隙に抜けた所定ガスは、容器内圧力が0.6MPaとなるように設定した背圧弁により、順次容器外に排出した。
得られた脂肪酸メチルエステル(水添脂肪酸メチルエステル)について、上記と同様にしてPOVを測定した。その結果を表2に示す。
また、該水添脂肪酸メチルエステルについて、「基準油脂分析試験法」((社)日本油化学会、ヨウ素価3.3.3−1996 ヨウ素価(ウィイス−シクロヘキサン法))に準拠してヨウ素価(IV)を測定した。その結果を表2に示す。
水添脂肪酸メチルエステル200gおよび着色抑制剤(硫酸ナトリウム)5gを、ジャケット冷却、撹拌器付き300mlガラス製反応器に入れ、温度を80℃に保ちながら、N2ガスで7体積%に希釈した無水硫酸ガスを、水添後脂肪酸メチルエステル1モルに対して1.2モルの割合で60分間かけて等速で導入した。導入後、85℃に保ちながら30分間撹拌し、粗製α−スルホ脂肪酸メチルを製造した。
得られた粗製α−スルホ脂肪酸メチルをコンデンサー付き300mlの三角フラスコにとり、撹拌しながらこのフラスコ中に、粗製α−スルホ脂肪酸メチル100質量部当たりメタノール溶液を20質量部の割合で添加し、80℃、30分間攪拌することでエステル化工程を行い、α−スルホ脂肪酸メチルエステルを得た。得られたα−スルホ脂肪酸メチルエステルを、2質量%の水酸化ナトリウム水溶液でpHが7〜8となるように中和し、更に、過酸化水素を、中和物100質量部当たり2.5質量部の割合で添加し、80℃で155分間撹拌して漂白した。
[スルホン化反応率]
スルホン化に使用する原料(脂肪酸メチルエステル)の標準品0.02,0.1,0.2gを50mlのメスフラスコに正確に量りとり、メタノールを標線まで加え超音波を用いて溶解させた。溶解後、約25℃まで冷却し、これを標準液とした。この標準液約2mlを、0.45μmのクロマトディスクを用いて濾過後、下記測定条件の高速液体クロマトグラフィーを行い、ピーク面積から検量線を作成した。
(高速液体クロマトグラフィー測定条件)
・装置:LC−10AT(島津製作所製).
・カラム:Inertsil ODS−2(ジーエルサイエンス社製).
・カラム温度:40℃.
・検出器:示差屈折率検出器RID−6A(島津製作所製).
・移動相:H2O/CH3OH=5/95(体積比)混合溶液.
・流量:1.0mL/min.
・注入量:100μL.
α−スルホ脂肪酸メチルの5質量%エタノール溶液を調製し、該溶液の光度を、40mm光路長、No.42ブルーフィルターを用いてクレット光電光度計で測定した値である。
前記と同じ原料メチルエステルについて、保管容器での保管を行わずにそのまま、4Lオートクレーブに仕込んだ。そして、攪拌を開始すると共に、70℃にまで原料を昇温した。
次に、オートクレーブ中の空気を窒素ガスにて置換し、120℃まで昇温すると同時に、反応容器下方に挿入した管から空気を0.5L/分/kgで吹き込み、この状態を16時間保持した。吹き込みの際、反応器上部空隙に抜けた所定ガスは、順次容器外に排出した。
しかし、この比較例5では水添反応が進行せず、水添脂肪酸メチルエステルが得られなかったため、以降の評価を行わなかった。
一方、比較例1〜3で得られた水添脂肪酸メチルエステルは、IVやPOVの値が実施例1〜4と同レベルであったにもかかわらず、スルホン化反応率が低く、得られたα−スルホ脂肪酸メチルエステルの色調も悪かった。また、比較例1〜3では、同じ操作を複数回実施した際、得られるα−スルホ脂肪酸メチルの色調は、上記結果よりも悪化する場合があるなど、不安定であった。
また、水添脂肪酸メチルエステルのIVが0.25の比較例4でも、スルホン化反応率が低く、α−スルホ脂肪酸メチルエステルの色調が悪かった。
また、比較例5では、水添脂肪酸メチルエステルが得られなかった。
Claims (3)
- 水添脂肪酸アルキルエステルを着色抑制剤の存在下でスルホン化し、つづいて熟成を行うスルホン化工程、得られたスルホン化物を中和する中和工程、および得られた中和物を漂白する漂白工程を含む脂肪酸アルキルエステルスルホネートの製造方法に使用される水添脂肪酸アルキルエステルの製造方法であって、
未水添脂肪酸アルキルエステルを水添し、そのヨウ素価を0.2以下とする水添工程を含み、
過酸化物価が5ミリ当量/kg以下の未水添脂肪酸アルキルエステルを選択して前記水添工程に用いることを特徴とする製造方法。 - 前記水添工程を行う前に、対応する原料油脂から製造された過酸化物価が5ミリ当量/kg以下の未水添脂肪酸アルキルエステルを保管容器内に保管し、下記(1)〜(3)の手段によりその過酸化物価を5ミリ当量/kg以下に保つ工程を有する請求項1記載の水添脂肪酸アルキルエステルの製造方法。
(1)前記未水添脂肪酸アルキルエステルを、保管容器内に、空隙率が30%以下となるように収容する。
(2)前記未水添脂肪酸アルキルエステルの温度を70℃以下とする。
(3)不活性ガスの導通により、前記未水添脂肪酸アルキルエステル中の溶存酸素濃度を50ppm以下とする。 - 請求項1または2に記載の水添脂肪酸アルキルエステルの製造方法により水添脂肪酸アルキルエステルを製造する工程、得られた水添脂肪酸アルキルエステルを着色抑制剤の存在下でスルホン化し、つづいて熟成を行うスルホン化工程、得られたスルホン化物を中和する中和工程、および得られた中和物を漂白する漂白工程を含むことを特徴とする脂肪酸アルキルエステルスルホネートの製造方法。
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