JP5134980B2 - 脂肪酸アルキルエステルスルホネート製造用の水添脂肪酸アルキルエステルの製造方法、脂肪酸アルキルエステルスルホネートの製造方法 - Google Patents

脂肪酸アルキルエステルスルホネート製造用の水添脂肪酸アルキルエステルの製造方法、脂肪酸アルキルエステルスルホネートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、脂肪酸アルキルエステルスルホネート製造用の水添脂肪酸アルキルエステルの製造方法、脂肪酸アルキルエステルスルホネートの製造方法に関する。
脂肪酸アルキルエステルのスルホン化物の中和塩(脂肪酸アルキルエステルスルホネート)は、一般にα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩とも呼ばれ、耐硬水性、生分解性が良好であるうえ、洗浄力に優れ、皮膚にマイルドな界面活性剤であり、資源面からも再生可能な天然原料系でコスト的にも有利であり、地球環境保護の面からも重要視されている。
脂肪酸アルキルエステルスルホネートの製造方法としては、脂肪酸アルキルエステルを、SOガス等を用いてスルホン化してスルホン化物を得、該スルホン化物をアルカリによって中和する方法が一般的である。
脂肪酸アルキルエステルスルホネートの製造に原料として用いられる脂肪酸アルキルエステルは、一般的に、メタノール等の低級アルコールで油脂のエステル交換を行うことにより脂肪酸低級アルキルエステルを含む油相を得て、該油相から脂肪酸低級アルキルエステルを蒸留により留出させることにより製造されている。
しかし、上述のような脂肪酸アルキルエステルをそのままスルホン化した場合、得られる脂肪酸アルキルエステルスルホネートには、通常、顕著な着色がある。このような着色は、当該脂肪酸アルキルエステルスルホネートを洗浄剤等の用途に用いるうえで不都合である。
このような問題に対し、これまで、脂肪酸アルキルエステルスルホネートの色調を改善するための種々の方法、たとえば漂白処理を行う方法、スルホン化を着色抑制剤の存在下で行う方法、原料となる脂肪酸アルキルエステルについて、色調等の品質を劣化させる要因となる物性を調節する方法等が提案されている。
たとえば、脂肪酸アルキルエステルスルホネートの色調等の品質を劣化させる要因の一つとして、原料中の不飽和脂肪酸アルキルエステルの二重結合の存在がある。そこで、スルホン化を行う前に、脂肪酸アルキルエステルの水添処理を行い、二重結合を還元し、ヨウ素価を低減することが提案されている(たとえば特許文献1参照)。
特開平9−278739号公報
しかし、スルホン化の原料についてヨウ素価等の物性を一定の値に調節しても、得られる脂肪酸アルキルエステルスルホネートの色調に変動(全体の色調600〜1000程度の振れ)が生じる問題がある。色調の悪化にはSOが関係しており、スルホン化反応に消費されるはずのSOが色調の悪化分に使用されることで、スルホン化反応率を低下させてしまう。そのため、色調の変動は、スルホン化反応率の変動につながり、さらには中和工程での粘度の変動、漂白工程における過酸化水素使用量の変動等を引き起こす。
このように、色調の変動は、スルホン化から中和、漂白という一連の脂肪酸アルキルエステルスルホネートの生産プロセス全体の安定稼動に影響するため、その安定化が求められる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、色調に優れた脂肪酸アルキルエステルスルホネートを安定して製造することができ、脂肪酸アルキルエステルスルホネート製造用として有用な水添脂肪酸アルキルエステルの製造方法、該製造方法により得られる水添脂肪酸アルキルエステル、該水添脂肪酸アルキルエステルを用いた脂肪酸アルキルエステルスルホネートの製造方法および該製造方法により得られる脂肪酸アルキルエステルスルホネートを提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、スルホン化に用いられる水添脂肪酸アルキルエステル(スルホン化原料)として所定の物性のものを選択するだけでは色調の変動を抑制できないが、該スルホン化原料を水添により得る際の原料、つまり未水添脂肪酸アルキルエステル(水添原料)として所定の物性のものを選択することにより脂肪酸アルキルエステルスルホネート製造時の色調の変動を抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
上記課題を解決する本発明の第一の態様は、水添脂肪酸アルキルエステルを着色抑制剤の存在下でスルホン化し、つづいて熟成を行うスルホン化工程、得られたスルホン化物を中和する中和工程、および得られた中和物を漂白する漂白工程を含む脂肪酸アルキルエステルスルホネートの製造方法に使用される水添脂肪酸アルキルエステルの製造方法であって、
未水添脂肪酸アルキルエステルを水添し、そのヨウ素価を0.2以下とする水添工程を含み、
過酸化物価が5ミリ当量/kg以下の未水添脂肪酸アルキルエステルを選択して前記水添工程に用いることを特徴とする製造方法である。
前記第一の態様においては、前記水添工程を行う前に、対応する原料油脂から製造された過酸化物価が5ミリ当量/kg以下の未水添脂肪酸アルキルエステルを保管容器内に保管し、下記(1)〜(3)の手段によりその過酸化物価を5ミリ当量/kg以下に保つ工程を有することが好ましい。
(1)前記未水添脂肪酸アルキルエステルを、保管容器内に、空隙率が30%以下となるように収容する。
(2)前記未水添脂肪酸アルキルエステルの温度を70℃以下とする。
(3)不活性ガスの導通により、前記未水添脂肪酸アルキルエステル中の溶存酸素濃度を50ppm以下とする。
本発明の第の態様は、前記第一の態様の水添脂肪酸アルキルエステルの製造方法により水添脂肪酸アルキルエステルを製造する工程、得られた水添脂肪酸アルキルエステルを着色抑制剤の存在下でスルホン化し、つづいて熟成を行うスルホン化工程、得られたスルホン化物を中和する中和工程、および得られた中和物を漂白する漂白工程を含むことを特徴とする脂肪酸アルキルエステルスルホネートの製造方法である
本発明によれば、色調に優れた脂肪酸アルキルエステルスルホネートを安定して製造することができ、脂肪酸アルキルエステルスルホネート製造用として有用な水添脂肪酸アルキルエステルの製造方法、該製造方法により得られる水添脂肪酸アルキルエステル、該水添脂肪酸アルキルエステルを用いた脂肪酸アルキルエステルスルホネートの製造方法および該製造方法により得られる脂肪酸アルキルエステルスルホネートを提供できる。
≪水添脂肪酸アルキルエステルの製造方法、水添脂肪酸アルキルエステル≫
本発明の水添脂肪酸アルキルエステルの製造方法は、未水添脂肪酸アルキルエステルを水添し、そのヨウ素価(IV)を0.2以下とする工程を含む。

本発明においては、未水添脂肪酸アルキルエステルとして、過酸化物価(POV)が5ミリ当量/kg(以下、meq/kg)以下の未水添脂肪酸アルキルエステルを選択して用いる。未水添脂肪酸アルキルエステルのPOVは、4.5meq/kg以下が好ましく、3.0meq/kg以下がより好ましく、1.0meq/kg以下がさらに好ましい。POVの下限は特に限定されず、0meq/kgであってもよい。実用上、0.1meq/kg以上であれば本発明の効果が充分に得られる。
ここで、「未水添脂肪酸アルキルエステル」は、少なくとも不飽和脂肪酸アルキルエステルを含むものである。
POVは、「試料にヨウ化カリウムを加えた場合に遊離されるヨウ素をヨードメトリーにより定量し、試料1kgに対するミリ当量(meq)で表したもの」と定義される(単位:meq/kg)。
脂肪酸アルキルエステルのPOVは、「基準油脂分析試験法」((社)日本油化学会、過酸化物価 2.5.2.1−2003過酸化物価(酢酸−イソオクタン法))に準拠して測定できる。
未水添脂肪酸アルキルエステルに含まれる脂肪酸アルキルエステルは、1種類であってもよく、2種以上であってもよい。また、未水添脂肪酸アルキルエステルは、不飽和脂肪酸アルキルエステルのみから構成されてもよく、不飽和脂肪酸アルキルエステルと飽和脂肪酸アルキルエステルとの混合物であってもよい。
未水添脂肪酸アルキルエステルに含まれる脂肪酸アルキルエステルは、炭素数10〜22の脂肪酸と、低級アルキルアルコールとのエステルが好ましい。
低級アルキルアルコールは、炭素数1〜4のアルキルアルコールであり、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどが挙げられる。これらの中でもメタノールが特に好ましい。すなわち、脂肪酸アルキルエステルとしては、脂肪酸メチルエステルが特に好ましい。
未水添脂肪酸アルキルエステルとしては、市販のものを用いてもよく、対応する原料油脂から公知の手法により製造してもよい。
本発明において好適に用いられる未水添脂肪酸アルキルエステルとしては、動植物油脂を原料として製造された脂肪酸アルキルエステルが挙げられる。
前記脂肪酸アルキルエステルの原料として使用される動植物油脂は、動物(微生物を含む)や植物に由来し、油脂(脂肪酸トリグリセライド)を主成分とするものである。また、該動植物油脂には、通常、油脂の他に、不純物として、リン脂質を主成分とするガム質、カロチン、リン脂質、タンパク質、樹脂状物質、遊離している脂肪酸(以下、遊離脂肪酸という場合もある。)などが含まれている。
動物由来の油脂としては、牛脂、豚脂などが挙げられ、植物由来の油脂としては、ヤシ油、パーム核油、パーム油、ナタネ油、大豆油、ヒマワリ油、コーン油などが挙げられる。これらの中でも、菜種油、大豆油、パーム油、パーム核油などの、炭素数10〜22の脂肪酸(飽和、不飽和)の油脂を有する植物油が好ましい。
このような動植物油脂を原料とする脂肪酸アルキルエステルは、市販のものを用いても良く、製造してもよい。
動植物油脂を原料とする脂肪酸アルキルエステルは、一般的に、上記原料と低級アルキルアルコールとを反応させることにより製造される。
前記脂肪酸アルキルエステルの製造方法として、好ましい具体例としては、原料中の脂肪酸を低級アルキルアルコールでエステル化して、エステル混合油を含む反応混合物を得るプレエステル化工程と、該エステル混合油中の油脂を、アルカリ触媒を使用し、低級アルキルアルコールでエステル交換するエステル交換工程と、該エステル交換工程で得た油相の減圧蒸留を行い、脂肪酸低級アルキルエステルを留出させる蒸留工程と、を含む方法が挙げられる。
つまり、本発明において、水添工程に用いられる未水添脂肪酸アルキルエステルとしては、前記蒸留工程にて得られる脂肪酸アルキルエステルが好ましい。このような脂肪酸アルキルエステルを水添原料として用いた場合、従来、上述したような色調の変動が生じやすい。
プレエステル化工程は、カチオン交換樹脂を使用して行うことが好ましい。これにより、原料をカチオン交換樹脂に接触させる簡単な方法で、連続的にエステル化を進行させることができる。また、固体触媒を使用する方法や、硫酸などの酸を加える方法などの他のプレエステル化方法に比べて、高いエステル化反応率が達成できる。また、酸を加える方法では、原料である動植物油脂の品質劣化や、装置の腐食などの問題もあるが、カチオン交換樹脂を使用した方法では、このような問題も生じない。
エステル交換工程で使用するアルカリ触媒として、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラートなどが挙げられ、水酸化ナトリウムが最も好ましい。エステル交換工程は、たとえば攪拌機を備えた塔型反応槽等のエステル交換反応装置により実施できる。
このようなエステル交換反応により、脂肪酸低級アルキルエステルを主成分とする油相と、グリセリンを主成分とする相(以下、グリセリン相という。)との混合物が得られる。油相とグリセリン相とは、静置分離、遠心分離等により分離され、油相は次の蒸留工程に供される。
蒸留工程では、たとえば蒸留塔にて前記エステル交換工程で得た油相の減圧蒸留を行うことにより、油相に含まれる不純物を残留物として塔底に残し、かつ、目的物である脂肪酸アルキルエステルを留出液として高純度で得ることができる。
上記製造方法では、原料として粗パーム油等の未精製油脂を用いる場合、エステル化工程の前に、原料からガム質を除去する脱ガム工程を行ってもよい。
また、上記製造方法では、エステル交換工程で副生するセッケンを酸で分解し、生成した脂肪酸を、前記エステル化工程または該エステル化工程よりも前段側の工程に返送するリサイクル工程を行ってもよい。
上記製造方法は、たとえば特開2007−176973号公報に記載の製造方法に従って実施できる。
一般的に、上記のように対応する原料油脂から製造された未水添脂肪酸アルキルエステルのPOVは、原料油脂の種類によっても異なるが、通常、0.1〜5meq/kg程度である。
しかし、水添脂肪酸アルキルエステルを製造する場合、特に工業的規模で実施する場合、未水添脂肪酸アルキルエステルは、水添工程を行う前に、保管容器内に保管される。本発明者の検討によれば、保管容器内での保管時や、保管容器内への輸送の際に、水添原料のPOVが大幅に増大することがわかった。
そこで、本発明者らは、この知見に基づきさらなる検討を行った結果、所定の条件で保管することにより、未水添脂肪酸アルキルエステルのPOVを5meq/kg以下に保つことができることを見出した。
すなわち、本発明においては、水添工程を行う前に、対応する原料油脂から製造されたPOVが5meq/kg以下の未水添脂肪酸アルキルエステルを保管容器内に保管する場合、下記(1)〜(3)の手段によりそのPOVを5meq/kg以下に保つ工程(以下、保管工程という。)を有することが好ましい。
(1)前記未水添脂肪酸アルキルエステルを、保管容器内に、空隙率が30%以下となるように収容する。
(2)前記未水添脂肪酸アルキルエステルの温度を70℃以下とする。
(3)不活性ガスの導通により、前記未水添脂肪酸アルキルエステル中の溶存酸素濃度を50ppm以下とする。
保管工程では、まず、POVが5meq/kg以下の未水添脂肪酸アルキルエステルを保管容器内に、空隙率が30%以下となるように収容する。該空隙率が30%を超えると、POVを5meq/kg以下に維持することが難しい。
「空隙率」は、保管容器内において、未水添脂肪酸アルキルエステルで満たされていない部分(空間部)が占める割合(体積%)である。
たとえば図1に示すように保管容器1内に未水添脂肪酸アルキルエステル2を収容した場合を例に挙げて説明する。保管容器1内上部の空間部の体積(上部空間体積)をA、保管容器1内に収容された未水添脂肪酸アルキルエステル2の体積(液部体積)をBとすると、空隙率(%)は、{A/(A+B)}×100により算出される。
本発明においで、空隙率は20%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。空隙率の下限は、特に限定されず、0%であってもよい。
保管容器としては、ポリエチレン内封のドラム、ステンレス製のドラム、タンク、コンテナ等があげられるが、これらに制限されるものではない。
(2)の手段では、保管容器内の未水添脂肪酸アルキルエステルの温度(以下、保管温度という。)を70℃以下とする。該保管温度が70℃を超えると、POVを5meq/kg以下に維持することが難しい。
該保管温度は、60℃以下が好ましく、50℃以下がより好ましい。該保管温度が低いほど、未水添脂肪酸アルキルエステルのPOVを低減できる。また、最終的に得られる水添脂肪酸アルキルエステルをスルホン化する際のスルホン化反応率や、得られる脂肪酸アルキルエステルスルホネートの色調も向上する。
保管温度の下限は、未水添脂肪酸アルキルエステルが液状を保持する温度、つまり未水添脂肪酸アルキルエステルの融点以上であればよい。
保管温度の制御方法は、限定されないが、保管容器内の温度を検出し、該保管容器に給される温水、スチーム等の熱媒流量または加熱用電熱器にフィードバックして制御するのが好ましい。
(3)の手段では、不活性ガスの導通により前記未水添脂肪酸アルキルエステル中の溶存酸素濃度を50ppm以下とする。
不活性ガスは、酸素を含まないガスであればよく、たとえば窒素、二酸化炭素、アルゴン等が挙げられる。これらはいずれか一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。不活性ガスとしては、窒素原子が特に好ましい。
不活性ガスの導通方法は特に限定されず、保管容器内の液部(未水添脂肪酸アルキルエステル中)に導通させてもよく、また、保管容器内に空間部がある場合は該空間部に導通させてもよい。好ましくは液部に導通させる。液部への不活性ガスの導通は、たとえば保管容器内に未水添脂肪酸アルキルエステルを収容した状態で、所定の不活性ガスを保管容器内の下方に供給し、液内を浮上流通させて行うことができる。
不活性ガスの導通量は、1時間あたり、保管容器内の総体積(たとえば図1におけるAとBとの合計量)の0.001〜0.5体積%が好ましく、0.01〜0.2体積%がより好ましく、0.01〜0.1体積%がさらに好ましい。
本発明において、「未水添脂肪酸アルキルエステル中の溶存酸素濃度」は、(2)の手段の保管温度とした状態で測定される値で測定される値である。
未水添脂肪酸アルキルエステル中の溶存酸素濃度は、公知のDO(溶存酸素濃度)メーターを用いて測定できる。
(3)の手段では、未水添脂肪酸アルキルエステル中の溶存酸素濃度を30ppm以下とすることが好ましく、10ppm以下とすることがより好ましい。該溶存酸素濃度が低いほど、未水添脂肪酸アルキルエステルのPOVを低減できる。また、最終的に得られる水添脂肪酸アルキルエステルをスルホン化する際のスルホン化反応率や、得られる脂肪酸アルキルエステルスルホネートの色調も向上する。
溶存酸素濃度の下限は特に限定されないが、実用的には0.1ppm程度である。
上記溶存酸素濃度は、不活性ガスの導通量、導通時間等を調節することにより調節できる。
保管工程を行う場合、前記未水添脂肪酸アルキルエステルを保管容器内に保管する時間(保管時間)としては、対応する原料油脂からエステル交換反応により製造された未水添脂肪酸アルキルエステルを、製造後、100時間以内にスルホン化原料として使用することが望ましい。
上記保管工程を行うことにより、未水添脂肪酸アルキルエステルのPOVを5meq/kg以下に保つことができる。
保管工程においては、たとえば前記(1)〜(3)の条件、保管容器内での保管時間等を調節することにより、POVの上昇抑制効果を調節できる。たとえば、保管容器内での最終的な溶存酸素濃度を低くするほど、POVの上昇抑制効果が向上する。
上記水添原料(POVが5meq/kg以下の未水添脂肪酸アルキルエステル)の水添処理は、得られる水添脂肪酸アルキルエステルのIVが0.2以下となるように実施する。
水添処理には従来公知の方法を利用できる。具体的には、たとえば、前記水添原料を、必要に応じて水添触媒とともにオートクレーブ等の反応器に収容し、反応器内を水素雰囲気とするか、または反応器内に水素ガスを導通させて、当該反応器内を所定の処理温度にまで加熱し、該処理温度を所定の時間保持することにより実施できる。
水素ガスは単独で用いてもよく、他の不活性ガス(たとえば窒素ガス)と混合して用いてもよい。
反応器内を水素雰囲気とするには、たとえば反応器内に水添原料を収容した後、トップスペースの空気を所定のガスで置換すればよい。
水素ガスの導通は、前記(2)の処理と同様にして実施できる。また水素ガスを導通させる際、必要に応じ、攪拌によって気液接触を促進することもできる。
水添処理時に反応器内に導通させるガス(流通ガス)の流量は、特に限定されないが、水添原料1kgに対し、1時間あたり1L〜1000L(以下、1〜1000L/kg/hと表す)を流通させることが好ましく、1〜100L/kg/hがより好ましく、10〜80L/kg/hがさらに好ましい。
水添処理の処理温度は、100℃以上が好ましく、120℃以上が好ましく、160℃以上がさらに好ましい。また、処理温度は、脂肪酸アルキルエステル製造上、250℃以下が好ましく、230℃以下がより好ましく、215℃以下がさらに好ましい。
水添処理において、水添原料の加熱は1段階で行ってもよく、2段階以上に分けて加熱してもよい。
たとえば加熱を2段階で行う例としては、空気雰囲気下で70℃程度の温度に加熱した後、水素雰囲気とし、その後、所定の処理温度として水素ガスを導通させる方法が挙げられる。かかる方法は、水添触媒を均一に分散できるという利点を有することから好ましい。
前記処理温度を保持する時間(処理時間)は、製造しようとする水添脂肪酸アルキルエステルの目標ヨウ素価(IV)、処理温度等によっても異なるが、0.5時間以上が好ましく、1時間以上がより好ましい。また、処理時間の上限は、特に限定されないが、脂肪酸アルキルエステル製造上、3時間以下が好ましく、2.5時間以下がより好ましく、2時間以下がさらに好ましい。
処理を行う圧力は、特に限定されないが、常圧〜10MPaが好ましく、常圧〜1MPaがより好ましく、0.5〜1MPaがさらに好ましい。
水添触媒としては、これまで、水添処理に使用される触媒として提案されているもののなかから適宜選択して用いればよい。
このような触媒として、具体的には、たとえばニッケル、パラジウム、プラチナ等の金属の単体、金属塩、有機化合物との錯体等の金属触媒が挙げられる。
本発明においては、水添触媒として、担体に担持された金属触媒(以下、担持金属触媒という。)を用いることが好ましい。担持金属触媒を用いることにより、触媒活性が増強され、より少ない触媒金属量で効率よく反応を行う事ができる。
担体としては、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、シリカアルミナなどの金属酸化物及びこれらの複合酸化物、ケイソウ土、活性炭、ベントナイト、モンモリロナイト、酸性白土、セラミック等が挙げられる。
水添触媒は、市販のものを利用できる。
水添触媒は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
水添触媒の使用量(総質量(担持金属触媒の場合は金属触媒と担体との合計量)は、水添原料に対し、0.01質量%以上が好ましく、0.035質量%以上がより好ましい。
水添触媒の使用量の上限は特に限定されないが、経済的合理性を考慮すると、0.5質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましい。
上記水添処理により、水添原料中に存在する不飽和結合が還元される。その結果、得られる水添脂肪酸アルキルエステルのIVが低下し、また、POVも、水添原料のPOVからさらに低減(たとえば検出限界以下)する。
上記製造方法により得られる水添脂肪酸アルキルエステルは、IVが0.2以下である。これにより、SO等のスルホン化剤と反応させ、脂肪酸アルキルエステルスルホネートを製造する際に、不飽和結合に起因による着色を抑える事ができる。
水添脂肪酸アルキルエステルのIVは、0.1以下が好ましく、0.05以下がより好ましい。下限は特に限定されない。なお、IVの検出限界値は0.01程度である。
水添脂肪酸アルキルエステルのIVは、「基準油脂分析試験法」((社)日本油化学会、ヨウ素価3.3.3−1996 ヨウ素価(ウィイス−シクロヘキサン法))に準拠して測定できる。
水添脂肪酸アルキルエステルのIVは、前記水添処理条件を調節することにより調節できる。
上記製造方法により製造される水添脂肪酸アルキルエステルは、色調に優れた脂肪酸アルキルエステルスルホネートを安定して製造することができる。このことは、スルホン化から中和、漂白という一連の脂肪酸アルキルエステルスルホネートの生産プロセス全体の安定稼動に寄与する。そのため、本発明の水添脂肪酸アルキルエステルは、脂肪酸アルキルエステルスルホネート製造用として有用である。
一方、水添原料として、POVが5meq/kg以下の未水添脂肪酸アルキルエステルを選択せずに得られる水添脂肪酸アルキルエステル(従来の通常の水添脂肪酸アルキルエステル)は、たとえIVやPOVが本発明の水添脂肪酸アルキルエステルと同レベルであっても、脂肪酸アルキルエステルスルホネート製造時の色調の変動が生じやすい。
≪脂肪酸アルキルエステルスルホネートの製造方法、脂肪酸アルキルエステルスルホネート≫
本発明の脂肪酸アルキルエステルスルホネートの製造方法は、水添脂肪酸アルキルエステルを着色抑制剤の存在下でスルホン化し、つづいて熟成を行うスルホン化工程、得られたスルホン化物を中和する中和工程、および得られた中和物を漂白する漂白工程を含む。
以下、該製造方法を、好ましい実施形態を示して説明する。
本実施形態の脂肪酸アルキルエステルスルホネートの製造方法は、以下の(A)〜(D)の工程を有する。
(A)脂肪酸アルキルエステルを着色抑制剤の存在下でスルホン化し、つづいて熟成を行うスルホン化工程。
(B)スルホン化工程で得られるスルホン化物に対して、低級アルキルアルコールを用いてエステル化処理を行うエステル化工程。
(C)エステル化処理後のスルホン化物に対して中和処理を行う中和工程。
(D)中和工程で得られる中和物を漂白する漂白工程。
<(A)スルホン化工程>
(A)スルホン化工程においては、脂肪酸アルキルエステルをスルホン化してスルホン化物(α−スルホ脂肪酸アルキルエステル)を得る。
本工程では、脂肪酸アルキルエステルとして、前記本発明の水添脂肪酸アルキルエステルの製造方法により得られる水添脂肪酸アルキルエステルが用いられる。
脂肪酸アルキルエステルのスルホン化は、たとえば、脂肪酸アルキルエステルとスルホン化ガスとを接触させることにより実施できる。
スルホン化反応方式としては、槽型反応方式、フィルム型反応方式、管型気液混相流反応方式等が用いられ、特に限定するものではない。
スルホン化に用いるスルホン化ガスとしては、SOガスの他に発煙硫酸等が用いられるが、好ましくはSOであり、通常、脱湿空気又は窒素などの不活性ガスでSO濃度3〜30容量%に希釈したSOガスが使用される。
SOは、脂肪酸アルキルエステルの1.0モルに対して1.0〜2.0モルの割合で使用される。1.0倍モル未満ではスルホン化反応が十分に進行せず、2.0倍モルを越えると、スルホン化反応がより過激になるため局所熱に起因する着色が著しくなり、淡色の目的物を得難いことがある。
なお、スルホン化反応時の着色を抑制するための添加剤として、一価の金属塩を有する無機化合物を添加することがより好ましい。一価の金属塩としては、例えば硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム等の無機硫酸塩が挙げられる。
スルホン化反応における反応温度は、脂肪酸アルキルエステルが流動性を有する温度であればよく、一般に、脂肪酸アルキルエステルの融点〜該融点より70℃程度高い温度の範囲内の温度が適用される。
反応時間は、薄膜式スルホン化法では5〜120秒、回分式スルホン化法では10〜180分程度である。
熟成は、スルホン化反応後、所定の温度条件で保持し、反応を促進させる。熟成温度は50〜100℃が好ましく、熟成時間は1〜120分であることが好ましい。
脂肪酸アルキルエステルをSOによりスルホン化してα−スルホ脂肪酸アルキルエステルとする機構は、Smith and Stirton:JAOCS vol.44, P.405(1967)およびSchmid, Baumann,Stein, Dolhaine:Proceeding of the World Surfactants Congress Munchen, vol.2, P.105, Gelnhausen, Kurle(1984)およびH.Yoshimura:油化学(JJOCS),41巻,10頁(1992)に記載されており、ここに前記2分子付加体についての説明が記載されている。
ここで記載されている機構は、上述の(A)スルホン化工程を行うと、脂肪酸アルキルエステルの1分子にSOが1分子付加した1分子付加体が生成し、更にこの1分子付加体にSOが1分子付加して2分子付加体が生成し、2分子付加体からSOが1分子脱離してα−スルホ脂肪酸アルキルエステルが生じるというものである。
たとえば下記一般式(I)で表される脂肪酸アルキルエステル(I)を例に挙げてより具体的に説明すると、以下に示すように、脂肪酸アルキルエステル(I)から下記一般式(I’)で表されるSO一分子付加体(I’)が生成し、該SO一分子付加体(I’)から下記一般式(I”)で表されるSO二分子付加体(I”)が生成し、該SO二分子付加体(I”)から下記一般式(II)で表されるα−スルホ脂肪酸アルキルエステルが生成する。
Figure 0005134980
[式中、Rは炭素数9〜21の直鎖または分岐鎖状のアルキル基またはアルケニル基を表し、Rは炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表す。]
この機構においては、2分子付加体からSOが1分子脱離する反応が律速である。そのため、(A)スルホン化工程を経た脂肪酸アルキルエステルをスルホン化した反応生成物には、通常、α−スルホ脂肪酸アルキルエステルとともに2分子付加体が含まれている。そこで、この2分子付加体を、(B)エステル化工程を行って、低級アルコ−ルによりエステル化すると、α−スルホ脂肪酸アルキルエステルとすることができる。
よって、(B)エステル化工程は必須ではないが、これを行うと副生物を低減することができるため、行うことが好ましい。
(A)スルホン化工程は、着色抑制剤の存在下にて行う。これにより、より淡色なα−スルホ脂肪酸アルキルエステルが得られる。
着色抑制剤としては、一価の金属塩である有機酸塩、無機硫酸塩等が用いられ、好ましくは無機硫酸塩が用いられる。有機酸塩としては、例えば蟻酸ナトリウム、蟻酸カリウム、酢酸ナトリウム等を例示できる。無機硫酸塩は、一価の金属塩である粉末状の無水塩であれば特に限定されず、例えば硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム等が挙げられる。無機硫酸塩は着色抑制効果が高く、安価なものが多く、さらに洗浄剤に配合される成分なので、洗浄剤用途のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩製造の場合は、無機硫酸塩をα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩から除去する必要がないので好ましい。
また、着色抑制剤の平均粒子径は250μm以下が好ましく、特に100μm以下が好ましい。このような粒径にする理由は、例えば無機硫酸塩は反応中原料液相にはその表面がわずかに溶解する程度でほとんど溶解せず、原料液相中に分散している。従って、上述のように粒径の小さい無機硫酸塩を用いることにより、原料液相との接触面積が大きくなり、分散性が向上し、より効果を高めることができる。
着色抑制剤の添加量は、原料脂肪酸アルキルエステルに対して0.1〜30質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜20質量%、さらに好ましくは3〜20質量%である。添加量が30質量%を超える場合は効果が飽和する場合がある。
<(B)エステル化工程>
次に、前記(A)スルホン化工程で得られるスルホン化物に対して、低級アルキルアルコールを用いてエステル化処理を行う。これにより、α−スルホ脂肪酸アルキルエステルの収率が向上し、副生物の生成も抑制される。
このエステル化工程においては、スルホン化物中に、中間体であるSO二分子付加体が残留している場合に、該SO二分子付加体のアルコキシ基部分のエステル化が進行する。
すなわち、下記のように、アルコール(R−OH)により、SO二分子付加体(I”)のアルコキシ基部分に挿入されていたSOの脱離とエステル交換とが進行し、下記一般式(II’)で表されるα−スルホ脂肪酸アルキルエステル(II’)が生成する。したがって、α−スルホ脂肪酸アルキルエステルの収率が向上する。
Figure 0005134980
[式中、RおよびRは、それぞれ、上記式(I)中のRおよびRと同じであり、Rは炭素数1〜4のアルキル基である。]
また、スルホン化物中にSO二分子付加体が残存している場合、該スルホン化物を、エステル化工程を行わずにそのまま中和すると、下記一般式(III)に示すようなα−スルホ脂肪酸ジアルカリ塩が生成しやすい。該α−スルホ脂肪酸ジアルカリ塩は、界面活性剤としての機能は有しているものの、その性能はα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩に比べて低く、最終生成物(製品)中に多量に存在すると、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の洗浄力、水溶性等を低下させ、ひいては、当該製品が用いられる洗浄剤等の性能の低下を引き起こすおそれがある。
本製造方法においては、エステル化工程を行うことにより、副生物の一つであるα−スルホ脂肪酸ジアルカリ塩の生成を抑制することができる。このように、α−スルホ脂肪酸アルキルエステルの収率が向上し、また副生物の生成が抑制されることにより、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の収率が向上する。
Figure 0005134980
[式中、Rは、上記式(I)中のRと同じである。]
エステル化処理は、たとえば、スルホン化物に低級アルキルアルコールを添加し、これを、所定の反応温度で所定の反応時間保持することにより行うことができる。
反応温度は50〜100℃が好ましく、50〜90℃がより好ましい。
反応時間は5〜180分が好ましく、10〜60分がより好ましい。
エステル化処理は、一般的な撹拌槽あるいは流通管を用いて行うことができ、滞留時間分布を狭くするために、2個以上の仕切られた混合スペースを有する連続式多段撹拌槽を用いることが好ましい。
低級アルキルアルコールは、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、1価アルコールが好ましい。特に、原料の水添脂肪酸アルキルエステルのアルコール残基の炭素数(たとえば式(I)中のRの炭素数)と等しい炭素数の低級アルキルアルコールが好ましく、該アルコール残基におけるアルキル基と同じアルキル基を有する低級アルキルアルコールがより好ましい。
低級アルキルアルコールの添加量は、熟成後の生成物100質量%に対して1〜10質量%が好ましく、2〜5質量%がより好ましい。低級アルキルアルコールの添加量が1質量%以上であると、エステル化処理の効果が充分に得られ、10質量%以下であると、過剰分の低級アルキルアルコールを回収する工程を行う必要がなく、効率的である。
<(C)中和工程>
次に、前記エステル化処理後のスルホン化物(エステル化物)に対して中和処理を行う。これにより、エステル化物中のα−スルホ脂肪酸アルキルエステルから、脂肪酸アルキルエステルスルホネート(α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩)が生成する。たとえば原料として上記脂肪酸アルキルエステル(I)を用いた場合は、主に、下記一般式(IV)で表される脂肪酸アルキルエステルスルホネート(IV)が生成する。
Figure 0005134980
[式中、RおよびRは、それぞれ、上記式(I)中のRおよびRと同じであり、Mは対イオンを示す。]
Mの対イオンとしては、R−CH(CO−O−R)−SO とともに水溶性の塩を形成するものであればよい。該水溶性の塩としては、たとえば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;エタノールアミン塩等が挙げられる。
中和は、たとえば、エステル化物と、アルカリ水溶液とを接触させることにより実施できる。
アルカリ水溶液としては、目的とする塩を形成することができるもの、たとえば上述した一般式(I)中のMを形成するものであればよく、たとえば、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の水酸化物、アンモニア、エタノールアミン等が挙げられる。
アルカリ水溶液の濃度は、下記中和物のAI濃度となるように調整する。
ここで、「AI」とは、生成物中に含まれる、界面活性剤としての機能を有する化合物である。本発明の製造方法により得られる生成物中には、通常、脂肪酸アルキルエステルスルホネートのほか、副生物としてα−スルホ脂肪酸ジアルカリ塩が含まれる。α−スルホ脂肪酸ジアルカリ塩も、脂肪酸アルキルエステルスルホネートと同様、界面活性剤としての機能を有している。したがって、本発明において、AI濃度は、脂肪酸アルキルエステルスルホネートと、副生物の1つであるα−スルホ脂肪酸ジアルカリ塩との合計の濃度として求められる。
中和物中のAI濃度は、10〜80質量%が好ましい。10質量%以上であると製造効率が向上し、80質量%以下であるとハンドリング性に優れる。特に、粘度が適度に低く、製造効率、ハンドリング性ともに優れることから、AI濃度は、60〜80質量%がより好ましく、62〜75質量%がさらに好ましい。
中和温度は、30〜140℃が好ましく、50〜140℃がより好ましく、30〜80℃がさらに好ましい。
中和時間は、5〜60分間が好ましく、20〜60分間がより好ましい。
中和時のpHは、生成した脂肪酸アルキルエステルスルホネートの加水分解を防止するために、酸性あるいは弱いアルカリ性の範囲(pH4〜9)が好ましい。この範囲外では、脂肪酸アルキルエステルスルホネートのエステル結合が切断されやすくなる可能性がある。
また、中和工程においては、生成した脂肪酸アルキルエステルスルホネートの加水分解とそれに伴う副生物の生成を防止するために、過激な中和操作を避け、極力マイルドな中和処理を行うことが好ましい。
かかる中和処理としては、ループ中和方式が挙げられる。この方式は、ループ状の配管(リサイクルループ)内で、中和処理した中和物の一部(リサイクル中和物)を循環させ、該リサイクル中和物を、エステル化工程後の未中和の生成物に添加して中和を行う方式である。
ループ中和方式において、中和は、たとえばリサイクル中和物と未中和の生成物との混合物に対してアルカリ水溶液を接触させて行ってもよく、また、前記リサイクル中和物と、未中和の生成物と、アルカリ水溶液とを、強力なせん断力の元で瞬時に混合して行ってもよい。
リサイクル中和物の添加量は、未中和の生成物とアルカリ水溶液との合計量の5〜25質量倍が好ましく、10〜20質量倍がより好ましい。未中和の生成物とアルカリ水溶液との合計量に対するリサイクル中和物の添加量の比、すなわちリサイクル比が5以上であると副生物の生成抑制効果に優れ、25以下であると製造効率が向上する。
中和工程は、アルカリ水溶液を用いる以外に、固体の金属炭酸塩または炭酸水素塩を用いることによっても行うことができる。特に固体の金属炭酸塩(濃厚ソーダ灰)による中和は、濃厚ソーダ灰が他のアルカリよりも安価であるため好ましい。また、固体の金属炭酸塩で中和を行うと、生成物と混合した際に、その混合物に含まれる水分量が少なく強アルカリ性になりにくく、また、中和時の中和熱が金属水酸化物の場合よりも低いため、脂肪酸アルキルエステルスルホネートの加水分解を抑制でき、有利である。
金属炭酸塩または炭酸水素塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウムなどの無水塩、水和塩、またはこれらの混合物などが挙げられる。
<(D)漂白工程>
次に、前記中和工程で得られる中和物(脂肪酸アルキルエステルスルホネート)を漂白する。
(D)漂白工程は、常法により行うことができ、たとえば中和物と漂白剤を混合し、該混合物を、所定の漂白温度で、所定の漂白時間維持する方法により行われる。
漂白剤としては、例えば過酸化水素、次亜塩素酸塩などの水溶液が好ましく用いられる。
漂白剤の使用量は、AIに対して純分で0.1〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。
漂白温度は、使用する漂白剤に適した温度とすればよい。たとえば過酸化水素を用いる場合は50〜140℃が好ましく、80〜140℃がより好ましい。また、次亜塩素塩酸を用いる場合は30〜80℃が好ましい。
漂白時間は、所望の色調に漂白されるまで行えばよく、実用上は30分〜7日程度が実用的である。
(D)漂白工程は、pHは4〜9の条件下で行うことが好ましい。これにより、優れた漂白効果が発揮され、良好な色調の脂肪酸アルキルエステルスルホネートが得られる。
<他の任意の工程>
上記(C)中和工程後、(D)漂白工程を行う前に、中和物を加熱処理する加熱工程を行ってもよい。該加熱工程を行うと、さらに、得られる製品の色調が向上する。
加熱処理は、中和物を所定の温度に加熱し、該温度を所定時間保持することによって行うことができ、加熱温度は、70℃以上が好ましく、70〜120℃がより好ましい。また、加熱時間は、0.5時間〜7日間が好ましく、1時間〜5日間がより好ましく、2〜24時間がさらに好ましい。
(D)漂白工程後、さらに、得られた脂肪酸アルキルエステルスルホネートを熟成する工程を行ってもよい。これにより、色調の良好なペーストを得ることができる。ここで熟成とは、所定温度で所定時間保持することをいう。熟成温度は好適には60〜90℃、好ましくは70〜80℃であり、熟成時間は好適には1〜48時間、好ましくは2〜24時間、より好ましくは2〜12時間である。熟成温度が60℃未満又は熟成時間が1時間未満であると、ペーストの色調が改善されない場合があり、熟成温度が90℃、熟成時間が48時間を超えると、脂肪酸アルキルエステルスルホネートが加水分解する場合がある。
上記製造方法では、水添脂肪酸アルキルエステルとして、前記本発明の製造方法により製造された水添脂肪酸アルキルエステルを用いることにより、色調の変動が抑制されており、色調の良好な脂肪酸アルキルエステルスルホネートを安定的に製造できる。そのため、スルホン化から中和、漂白という一連の脂肪酸アルキルエステルスルホネートの生産プロセス全体を安定して実施できる。
上述のようにして製造された脂肪酸アルキルエステルスルホネートは、そのまま製品としてもよく、液体洗浄剤組成物等の調製に用いてもよい。また、粉状、粒状、フレーク状、ヌードル状等の形状に成形し、粉末洗浄剤組成物、固体洗浄剤等の調製に用いてもよい。
以下、本発明について、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1〜4、比較例1〜4>
原料(脂肪酸メチルエステル。以下、原料メチルエステルという。)としては、表1に示す2種(ライオンケミカル株式会社製のパステルM16およびパステルM182)の混合物(パステルM16:パステルM182=60:40(質量比))を使用した。
上記原料メチルエステルについて、以下の分析方法で過酸化物価(POV)および溶存酸素濃度を測定した。その結果、原料メチルエステルのPOVは0.2meq/kg、溶存酸素濃度は5ppmであった。
(過酸化物価(POV))
POVは、「基準油脂分析試験法」((社)日本油化学会、過酸化物価 2.5.2.1−2003過酸化物価(酢酸−イソオクタン法))に準拠して測定した。
(溶存酸素濃度)
溶存酸素濃度は、上記保管温度にて、(株)東興化学研究所製DOメーター(TOX−90i)を用いて測定した。
Figure 0005134980
保管容器(容量:10L、SUS304製)内に、上記原料メチルエステル(70℃)を、表2に示す空隙率(%)で収容した。保管容器内の温度を、温度調節装置を用いて表2に示す保管温度(℃)としつつ、それと同時に、原料メチルエステル中に、窒素ガスを、1時間あたり(容器体積×0.1%)の導通量で、表2に示す溶存酸素濃度(ppm)となるまで導通させた。
上記のようにして得られた脂肪酸メチルエステル(未水添脂肪酸メチルエステル)について、上記と同様にしてPOVを測定した。その結果を表2に示す。
次に、上記未水添脂肪酸メチルエステルを、Ni触媒(フレークニッケル触媒SO−850、堺化学工業(株)製、組成:ニッケル−ケイソウ土−硬化油、金属含有率20%)0.1質量%と共に4Lオートクレーブに仕込んだ。そして、攪拌を開始すると共に、70℃にまで原料を昇温した。
次に、オートクレーブ中の空気を窒素ガスにて置換し、190℃まで昇温すると同時に、反応容器下方に挿入した管から水素ガスを60L/分/kgで吹き込み、この状態を 1時間保持した。吹き込みの際、反応器上部空隙に抜けた所定ガスは、容器内圧力が0.6MPaとなるように設定した背圧弁により、順次容器外に排出した。
得られた脂肪酸メチルエステル(水添脂肪酸メチルエステル)について、上記と同様にしてPOVを測定した。その結果を表2に示す。
また、該水添脂肪酸メチルエステルについて、「基準油脂分析試験法」((社)日本油化学会、ヨウ素価3.3.3−1996 ヨウ素価(ウィイス−シクロヘキサン法))に準拠してヨウ素価(IV)を測定した。その結果を表2に示す。
また、各水添脂肪酸メチルエステルを原料として用いて、下記の手順で脂肪酸アルキルエステルスルホネートを製造した。
水添脂肪酸メチルエステル200gおよび着色抑制剤(硫酸ナトリウム)5gを、ジャケット冷却、撹拌器付き300mlガラス製反応器に入れ、温度を80℃に保ちながら、Nガスで7体積%に希釈した無水硫酸ガスを、水添後脂肪酸メチルエステル1モルに対して1.2モルの割合で60分間かけて等速で導入した。導入後、85℃に保ちながら30分間撹拌し、粗製α−スルホ脂肪酸メチルを製造した。
得られた粗製α−スルホ脂肪酸メチルをコンデンサー付き300mlの三角フラスコにとり、撹拌しながらこのフラスコ中に、粗製α−スルホ脂肪酸メチル100質量部当たりメタノール溶液を20質量部の割合で添加し、80℃、30分間攪拌することでエステル化工程を行い、α−スルホ脂肪酸メチルエステルを得た。得られたα−スルホ脂肪酸メチルエステルを、2質量%の水酸化ナトリウム水溶液でpHが7〜8となるように中和し、更に、過酸化水素を、中和物100質量部当たり2.5質量部の割合で添加し、80℃で155分間撹拌して漂白した。
上記脂肪酸アルキルエステルスルホネートの製造において、該粗製α−スルホ脂肪酸メチルを得る際(スルホン化)のスルホン化反応率と、エステル化工程で得られたα−スルホ脂肪酸メチル(中和および漂白を行う前のα−スルホ脂肪酸メチル)の色調(酸カラー色調)(5%Klett)を下記の手順で評価した。その結果を表2に示す。
[スルホン化反応率]
スルホン化に使用する原料(脂肪酸メチルエステル)の標準品0.02,0.1,0.2gを50mlのメスフラスコに正確に量りとり、メタノールを標線まで加え超音波を用いて溶解させた。溶解後、約25℃まで冷却し、これを標準液とした。この標準液約2mlを、0.45μmのクロマトディスクを用いて濾過後、下記測定条件の高速液体クロマトグラフィーを行い、ピーク面積から検量線を作成した。
(高速液体クロマトグラフィー測定条件)
・装置:LC−10AT(島津製作所製).
・カラム:Inertsil ODS−2(ジーエルサイエンス社製).
・カラム温度:40℃.
・検出器:示差屈折率検出器RID−6A(島津製作所製).
・移動相:HO/CHOH=5/95(体積比)混合溶液.
・流量:1.0mL/min.
・注入量:100μL.
試料(粗製α−スルホ脂肪酸メチル)5.0gを50mlのメスフラスコに正確に量りとり、メタノールを標線まで加え超音波を用いて溶解させた。溶解後、約25℃まで冷却し、これを試験溶液とした。この試験溶液約2mlを、0.45μmのクロマトディスクを用いて濾過後、上記と同じ測定条件の高速液体クロマトグラフィーで分析し、上記で作成した検量線を用いて、試料溶液中の未反応の原料の濃度を求めた。この未反応の原料の濃度から、反応した原料の濃度を求め、その値から、使用した原料中の、反応した原料の割合(スルホン化反応率(質量%))を算出した。
[酸カラー色調(5%Klett)]
α−スルホ脂肪酸メチルの5質量%エタノール溶液を調製し、該溶液の光度を、40mm光路長、No.42ブルーフィルターを用いてクレット光電光度計で測定した値である。
<比較例5>
前記と同じ原料メチルエステルについて、保管容器での保管を行わずにそのまま、4Lオートクレーブに仕込んだ。そして、攪拌を開始すると共に、70℃にまで原料を昇温した。
次に、オートクレーブ中の空気を窒素ガスにて置換し、120℃まで昇温すると同時に、反応容器下方に挿入した管から空気を0.5L/分/kgで吹き込み、この状態を16時間保持した。吹き込みの際、反応器上部空隙に抜けた所定ガスは、順次容器外に排出した。
しかし、この比較例5では水添反応が進行せず、水添脂肪酸メチルエステルが得られなかったため、以降の評価を行わなかった。
Figure 0005134980
上記結果から明らかなように、実施例1〜4で得られた水添脂肪酸メチルエステルは、当該水添脂肪酸メチルエステルを用いてα−スルホ脂肪酸メチルエステルを製造した際のスルホン化反応率がいずれも99%以上と高かった。また、得られたα−スルホ脂肪酸メチルエステルの色調も、いずれの例でも1000以下と良好であった。酸カラーの色調が1000以下であると、中和・漂白を行った後、脂肪酸アルキルエステルスルホネートを洗浄剤等の用途に用いる際に問題ない色調を確保できる。また、実施例1〜4では、同じ操作を複数回実施した際、得られるα−スルホ脂肪酸メチルの色調はいずれも上記結果と同レベルであり、安定していた。
一方、比較例1〜3で得られた水添脂肪酸メチルエステルは、IVやPOVの値が実施例1〜4と同レベルであったにもかかわらず、スルホン化反応率が低く、得られたα−スルホ脂肪酸メチルエステルの色調も悪かった。また、比較例1〜3では、同じ操作を複数回実施した際、得られるα−スルホ脂肪酸メチルの色調は、上記結果よりも悪化する場合があるなど、不安定であった。
また、水添脂肪酸メチルエステルのIVが0.25の比較例4でも、スルホン化反応率が低く、α−スルホ脂肪酸メチルエステルの色調が悪かった。
また、比較例5では、水添脂肪酸メチルエステルが得られなかった。
空隙率(%)を説明する概略図である。
符号の説明
1…保管容器、2…原料脂肪酸アルキルエステル。

Claims (3)

  1. 水添脂肪酸アルキルエステルを着色抑制剤の存在下でスルホン化し、つづいて熟成を行うスルホン化工程、得られたスルホン化物を中和する中和工程、および得られた中和物を漂白する漂白工程を含む脂肪酸アルキルエステルスルホネートの製造方法に使用される水添脂肪酸アルキルエステルの製造方法であって、
    未水添脂肪酸アルキルエステルを水添し、そのヨウ素価を0.2以下とする水添工程を含み、
    過酸化物価が5ミリ当量/kg以下の未水添脂肪酸アルキルエステルを選択して前記水添工程に用いることを特徴とする製造方法。
  2. 前記水添工程を行う前に、対応する原料油脂から製造された過酸化物価が5ミリ当量/kg以下の未水添脂肪酸アルキルエステルを保管容器内に保管し、下記(1)〜(3)の手段によりその過酸化物価を5ミリ当量/kg以下に保つ工程を有する請求項1記載の水添脂肪酸アルキルエステルの製造方法。
    (1)前記未水添脂肪酸アルキルエステルを、保管容器内に、空隙率が30%以下となるように収容する。
    (2)前記未水添脂肪酸アルキルエステルの温度を70℃以下とする。
    (3)不活性ガスの導通により、前記未水添脂肪酸アルキルエステル中の溶存酸素濃度を50ppm以下とする。
  3. 請求項1または2に記載の水添脂肪酸アルキルエステルの製造方法により水添脂肪酸アルキルエステルを製造する工程、得られた水添脂肪酸アルキルエステルを着色抑制剤の存在下でスルホン化し、つづいて熟成を行うスルホン化工程、得られたスルホン化物を中和する中和工程、および得られた中和物を漂白する漂白工程を含むことを特徴とする脂肪酸アルキルエステルスルホネートの製造方法。
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