JP4278302B2 - メチルエステルのグリセロール分解に基づくモノグリセリドの製造方法 - Google Patents

メチルエステルのグリセロール分解に基づくモノグリセリドの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の分野】
本発明はメチルエステルとグリセロールとのエステル交換反応によるモノグリセリド類の製造方法に関する。
【0002】
【発明の背景】
新規な方法は、グリセロールとのエステル化によって、脂肪自体のエステル交換反応からまたは脂肪酸から開始される周知の常法に比べていくつかの利点を有する。メチルエステルのグリセロール分解の化学反応:
【0003】
【化1】
Figure 0004278302
【0004】
は可逆的で質量作用の法則により支配される。過剰なグリセロールの使用と副生成物であるメタノールの同時的な真空除去が、平衡が右へ偏らせ、それ故にモノグリセリド収量を極めて高くする。その結果、この反応には「プッシュ−プル」作用が働く。これに対し、脂肪グリセロール分解は「プッシュ」作用のみであり、すなわち、それは過剰なグリセロールの使用に応答するが、要すれば、おそらく微量の水の除去を除き真空の適用には応答しない。クラスとしてのメチルエステルは、脂肪のようなトリグリセリドまたは脂肪酸より疎水性がずっと小さいので、特にモノグリセリドの存在下でグリセロール中に非常に良好に乳化できる。さらに、熱エネルギー的優位が著しく、かつ反応成分の熱分解がずっと少ないことは、脂肪のグリセロール分解よりもメチルエステルに有利であり、例えば脂肪のグリセロール分解または脂肪酸のグリセロールによるエステル化のためには約250℃ないし280℃であるのに対して、メチルエステルのためには130℃ないし160℃である。
【0005】
一般に、さらに変性させた工業用モノグリセリドが強く求められる。ここで、メチルエステルは蒸留によって脂肪酸よりも低コストで分画できるので、メチルエステルは厳密な最終用途要求条件に沿った特注のモノグリセリド製品に対して好機を与える。一方、脂肪のグリセロール分解では、油脂に天然に見られる最終生成物におけるアシル基の分配だけを得ることができる。
最も重要な商業製品はグリセロールモノステアレート、モノオレエートおよびモノリシノレエートである。しかし、大多数のモノグリセリドが乳化剤、食物脂肪などとして食品工業において種々の混合物で適用されているが、技術的応用分野は広い。モノオレエートは安定なエマルションを形成できるので、乳化成分、例えば精密機械油として、水置換油として、また研出および艶出ペーストにおいて好適である(1) 。グリセロールモノステアレートは技術用プラスチック加工のための周知の可塑剤、潤滑剤および軟化剤である。これらいくつかの例は、数種の飽和脂肪酸に基づく混合物、または自然に形成された飽和および不飽和脂肪酸の混合物ではなく、特注のモノグリセリドを製造する必要性を示すものである。
【0006】
式1は、メチルエステルのモノグリセリドへのグリセロール分解の概略化された全化学反応を示している。それは、ある意味で簡略化されており、主として優勢な反応だけを表していて、2−アシルまたはβ−モノグリセリドの形成は示されていないが、これを省くことはできないし、この反応は、より高温(250℃のオーダー)では20%までの増加傾向をもって生じる全モノグリセリドの少なくとも5ないし8%のオーダーいずれかの温度でも起こる。この現象は直接のエステル化およびエステル交換反応における第1級および第2級水酸基の相対的化学反応性における公知の差異によるものである。しかしながら、固体段階であっても、低温下でのモノグリセリドの保存の際、保存中にα−モノグリセリドに有利となるようβ-モノグリセリドはほとんど消失するといったことが見られる。
【0007】
一般に、式1は紛らわしいが、3分子反応を示すものである。しかしながら、この反応は、異なる全反応速度を有する2つの連続式によって表される少なくとも一連の3つの段階で段階的に起こる。グリセロールおよびメチルエステルは、反応混合物中に存在する「乳化剤」であるモノグリセリドの量に応じて最初は比較的遅い反応で反応する。しかし残念なことに、下記に示されるようなさらなる平衡反応、すなわちジグリセリドとトリグリセリドが存在する:
メチルエステル+グリセロール ←→ モノグリセリド+メタノール
メチルエステル+モノグリセリド ←→ ジグリセリド+メタノール
メチルエステル+ジグリセリド ←→ トリグリセリド+メタノール
これらの反応とは別に、1分子のジグリセリドとグリセロールを生じる2分子のモノグリセリドの変換のような他の反応も起こる。いずれにしてもこの一連の反応は定性的に示されており、グリセリドの形成はモノグリセリドから始まってα位に優先的に起こり、次いで最終的にトリグリセリドが生じるまで高含量の1,2−ジグリセリドを含むジグリセリドが生じる。すべての反応段階においてメタノールが生じる。メチルエステルからモノグリセリドへの反応速度は、モノグリセリドからジグリセリドへのエステル交換の反応速度よりずっと遅い。
【0008】
反応速度が異なる理由の1つは、例えばWollmanら(2) が示しているように、モノグリセリドの特異な乳化特性に見出すことができる。グリセロールはメチルエステルにもグリセリドにも完全には可溶ではないので、反応条件には常に2つの液相が存在している。モノグリセリドはメチルエステルともグリセロールとも完全には混和しないが、その構造のためにメチルエステルともグリセロールとも類似性を有し、それ故、グリセロールおよびエチルエステルに関して優れた乳化特性を有する。
【0009】
従って、この物質移動は高含量のモノグリセリド下で最良であり、それまでのまた次の反応段階に対してのものよりも物質移動抵抗性が小さいので、モノグリセリドからジグリセリドへの反応速度が大きくなる。反応平衡をグリセリド側へ傾けるには、グリセロールが大過剰となるのを避けるとすれば、生じるメタノールを除去しなければならない。
これらの反応は相溶性の範囲内で可逆的であり、質量作用の法則に従う。それ故、モノグリセリドに理論的に必要とされる1モル過剰のグリセロールは、平衡をより高いモノグリセリド濃度に傾けることになる。一方、過剰なグリセリドは反応混合物中でなお不変であり、これをその後除去しなければならないので、質量作用の法則はこの反応自体を逆転させる。このため、必ずしもそうではないが一般に、触媒は非触媒系の正・逆両方向の実質的に低い反応速度を利用するために中和される。このようにモノグリセリド形成のピーク時、従って反応混合物中のモノグリセリド含量が最高時に触媒を完全に中和し、粗反応混合物は過剰なグリセロールの溶解度が、この過剰量のうちのいくらかが溶液の外へ追いやられ、より重いほとんどがグリセロールである相とより軽い主としてグリセリドを含有する相の2相へ分離されるような程度まで低下する時間の間冷却しなければならない(さらに詳細については(3)を参照)。
【0010】
質量作用の法則に完全に従えば、特に高温では全反応混合物は極めて速やかに新たな平衡状態に到達する。一般にジグリセリドの含量は大部分はモノグリセリドのために増加する。しかしながら、触媒系の場合よりも逆反応速度はずっと遅い。有意な逆反応が起こる前に過剰なグリセリドを十分早く除去し、反応混合物を十分迅速に冷却することを主たる目的とすべきである。このように、触媒の除去または中和は、過剰なグリセロールおよびおそらくはメチルエステルの除去とともにモノグリセリドの経済的な製造の鍵となる段階となる。触媒の完全な除去または中和による触媒の破壊は、それぞれ冷却や過剰量のグリセロールおよびメチルエステルの除去が迅速でなければ、そのまま逆反応または再構成が起こらないことを保証するものではない。
【0011】
グリセロール分解反応はNaOH、KOH、LiOHおよびCA(OH)2、またはメタノール、エタノール、ter−ブタノールもしくはグリセロールのようなトリオールなどの低級脂肪族アルコールのナトリウム塩のようなアルカリ性触媒によって触媒可能である。これらの中でも、ナトリウムメチレートおよびグリセロレート、NaOHまたはKOHが非常に一般的である。文献では、乳化剤としてのアルカリ性触媒作用のいくつかの参考が見出せる。グリセロールおよび脂肪性物質の混合物を含有する石鹸についての公知の乳化特性を考慮すれば、これらのアルカリ触媒はほとんどの油脂中に少なくとも少量存在する遊離脂肪酸から少量の石鹸を生成し得る。いずれにしても、そうでなければほとんど混和しない2種の反応物が互いに緊密に接触するようになるので、乳化は反応性の助けとなる。「触媒」と「乳化剤」という用語間の線引きはむしろあいまいで、ともかくグリセロール分解においては不明確であり、結果、両者間の区別は難しい。
【0012】
【発明の要旨】
本発明は、動物油脂または植物油脂由来のメチルエステルのグリセロール分解によるモノグリセリドの製造方法であって、メチルエステルに対して0.1ないし3モル過剰のグリセロールを混合し、反応混合物を200ないし400ミリバールの減圧下、130℃ないし160℃の間の反応温度に曝し、アルカリ性触媒を加え、さらにグリセリド量が40ないし60%の濃度に達し、かつ、モノグリセリドとジグリセリドの濃度比が3ないし10の間にあるときに反応混合物を急速冷却しかつアルカリ性触媒を破壊することにより反応を停止させる工程を含む方法を開示する。本発明は、反応混合物中に触媒を残して反応器内の下流の反応を触媒させ、反応器内の過剰なメチルエステルおよびグリセロールを分離し、さらにリセリド量が40ないし60%の濃度に達し、かつ、モノグリセリドとジグリセリドの濃度比が3ないし10の間にある際に、反応混合物を急速冷却し、アルカリ性触媒を破壊することにより反応を停止させるさらなる工程を含む。アルカリ性触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたはナトリウムメチレートまたはナトリウムグリセロレートのような0.1ないし1%濃度の低級脂肪族アルコールのいずれかのナトリウム塩がある。触媒により生成した石鹸は水による抽出工程によりグリセリド混合物から分離され、それに次ぐ酸による、好ましくはリン酸または硫酸による酸性化工程において脂肪酸と塩へ分解される。触媒としてメチレートが使用される場合、反応は、酸の添加または水の添加により停止する。
【0013】
【発明の説明】
本発明は、前記にて要約された相互関係および順序に基づくメチルエステルのグリセロール分解のための方法に関する。脂肪を基にした通常のグリセロール分解、およびグリセロールによる脂肪酸のエステル化における利点が理解されてきた。本発明によれば、本方法の好適な開始原料は植物または動物起源の油脂に由来するメチルエステルである。これらのメチルエステルは油脂のエステル交換によるか、またはメタノールによる脂肪酸のエステル化によるいずれかで生成でき、最終用途要求条件に応じ、後に分留により異なる鎖長のものへ容易に分離できる。もう1つの可能性として、例えば親水性化工程(4) のような十分に確立された結晶化工程による不飽和および飽和画分への分離があり、これによりモノオレエートが生成できる。別法として、脂肪酸の硬化に対して確立された水素化工程により全ての二重結合を硬化させてもよい。また、かかる生成物はグリセロールによる脂肪酸のエステル化により製造可能であるが、熱安定性が低いという不都合がある。そのため、これらは結果として生ずる香味への影響により質が低下しやすいものである。
【0014】
本発明の工程では、メチルエステルを混合物として、または純粋な画分の形でのいずれかでグリセロールと混合し、アルカリ性触媒の存在下、完全攪拌バッチか、または連続反応器で反応させる。グリセロールに対するメチルエステルのモル比は1:1ないし1:4と多様であり、触媒濃度はメチルエステルの量に基づき、0.1ないし1%の範囲にある。反応条件は、それがグリセロールの長期熱安定性の限界であるため、120℃ないし200℃であり、好ましくは130℃ないし160℃である。反応器内の圧力は、反応中に生成したメタノールの迅速な蒸留およびその経済的な縮合のために、例えば300ミリバールのオーダーで調整される。
【0015】
モノグリセリド形成のピーク付近、よって、大量のジグリセリドがなお連続的な反応によりもたらされる許容限界内にある範囲で、この反応を停止させなければならない。この反応がさらに下流、現反応器の後へ、例えば、反応器内よりいっそう高温にある蒸留装置内でかつ特に触媒がなお存在している時点へと進行し得るため、関連する下流の作用を全て考慮し、それに応じて停止基準が選択されなければならない。「凍結」反応に対する確実な基準(モル比,メチルエステル/グリセロール 1:1.2ないし1:2)は、ジグリセリドの再循環流、例えば経済的許容限界内のエステル交換を維持するためにモノグリセリドが40ないし50%、ジグリセリドが10%未満の濃度範囲に達した後である。その後、ジグリセリド濃度が高まることでグリセリドが再構成されることを避けるため、この時点において触媒を迅速に中和し、反応混合物を100℃より低い温度まで冷却しなければならない。別法は、反応混合物を可能な限り低い温度まで急速冷却する、すなわちクエンチ冷却式であり、凝固、次いで水による触媒の除去が至当に避けられる。この最終工程では触媒、特に石鹸が別々にされており、それ故、石鹸を酸性化した後の脂肪酸による粗反応混合物の汚染が避けられるという利点を有する。これらの石鹸、脂肪酸それぞれが、後に示される再循環流においていくつかの問題を引き起こす。
【0016】
従って、メチルエステルからモノグリセリドへのグリセロール分解には、反応器内での実際の操作を除く、反応の継続またはグリセリド間の厳密な再構成へと導く下流の作用全てを含む必要がある。これらの相互作用を考慮し、同時に10%未満のジグリセリド濃度を有する最大収量のモノグリセリドの「凍結」基準を反応器に応じて選択する必要がある。
例えば反応直後のリン酸による触媒の中和に関して、もし別の工程が選択されるなら、モノグリセリド生成のピークは確かに反応器自体にある。かかる工程にはグリセロール分解中にNaOHのような触媒から形成される石鹸が酸性化により脂肪酸へと変わるという不都合がある。これらの脂肪酸は反応混合物においては異質種であり、純度96%を超える高濃度のモノグリセリドを得るための蒸留手順中に生成したメチルエステルおよびグリセロールの再循環流を複雑にする。さらに詳細については実施例(7) を参照。
【0017】
特に本発明のテーマである工程の変形では、実際のグリセロール分解反応器の後で、触媒作用を十分に残すことにより脂肪酸に関する問題を克服する。次のフラッシュ蒸留では、選択された装置に応じ、蒸留温度が230℃のオーダーでより高いため、過剰のメチルエステルおよびグリセロールがグリセリドから分離され、それにより反応は実に高速で進行する。一方、蒸留装置には、特にグリセロールの質の低下を避けるために2分のオーダーの非常に短い滞留時間を設計しなければならない。従って、反応器内のグリセロール分解は低温(130℃ないし160℃)および長い滞留時間(1ないし2時間)を特徴としているが、蒸留装置では約230℃の高温および数分のオーダーの比較可能な非常に短い滞留時間である。
【0018】
研究室規模での試験調査に基づき、この反応速度および速度論は一般に温度に従い求めることができる。これらのデータに基づき、この反応を停止させるための「凍結」基準は反応器内および蒸留装置内で、それに応じて選択され、その結果、蒸留装置残液生成物流におけるモノグリセリドが最大濃度に達する。ここで、モノグリセリド濃度によるジグリセリドの増加を避けるためにグリセリド流を非常に迅速に冷却することが必須である。次の段階は水の助けを借りての、例えば向流2段階ミキサー−沈降タンク装置での触媒の除去である。触媒、実際には石鹸は水の助けを借りて消耗する。次の、例えば硫酸による酸性化において、石鹸は脂肪酸と硫酸ナトリウムへと変換される。この手順により脂肪酸を別々にしておくことができ、さらなる生成物流とすることができる。
【0019】
グリセリド流を常法により、純度96%を超える高濃度のモノグリセリド生成物とグリセロール分解の入口に再循環できる全ての残渣を含んだジグリセリド流へ分画する。この工程では、一方のメチルエステルおよびグリセロールと他方のグリセリド間の相対揮発度が大きいため、モノグリセリドは97%のオーダーより高純度でさえ達することが可能である。
以下、本発明の別法を下記の実施例により示す。
【0020】
【実施例】
実施例1
試験装備は調節可能な回転制御付攪拌機を装備した500mlガラス反応器からなった。反応器内の温度は電気加熱により調整し、摂氏1度以内の調整が可能であった。反応中に生成したメタノールは水で冷却するガラス冷却器で凝縮させた。隔膜真空ポンプは、真空制御器により、反応中300ミリバールで必要真空を維持した。以後記載される全ての試験は、回分式に常に同じ装置を用いて行われた。
【0021】
反応混合物:
272.2g C16−メチルエステル(1.01モル)
94.0g グリセロール(1.02モル)
0.89% ナトリウムメチレート(触媒)
反応条件:
温度 130℃
圧力 300ミリバール
攪拌機 300回毎分
【0022】
【表1】
Figure 0004278302
【0023】
ジグリセリドの最大許容濃度10%に対する限界を設ける場合、モノグリセリドのピークは約60分の反応時間後に42%に達する。従って反応を前記で選択された反応条件下、55ないし60分後に停止させる必要がある。
実施例2
反応混合物:
222.8g C16−メチルエステル,JZ=0.5 (0.82モル)
92.9g グリセロール(1.01モル)
0.3% ナトリウムメチレート(触媒)
反応条件:
温度 130℃
圧力 300ミリバール
攪拌機 350回毎分
【0024】
【表2】
Figure 0004278302
【0025】
この実施例については、モノグリセリド濃度が50%に達し、同時にジグリセリド濃度が8ないし9%に達する約120分の反応時間後に反応を停止させる必要がある。
実施例3
反応混合物:
219.1g 硬化パーム油メチルエステル,JZ=0.5 (0.81モル)
93.5g グリセロール(1.02モル)
1.0% ナトリウムメチレート(触媒)
反応条件:
温度 130℃
圧力 300ミリバール
攪拌機 350回毎分
【0026】
【表3】
Figure 0004278302
【0027】
触媒濃度がナトリウムメチレート1%であるため、モノグリセリドは70分後すでに40%を超える高濃度に達するが、ジグリセリドの形成はなお増進される、その結果、非常に限られた時間の回廊だけが反応の「凍結」の基準として定義できる。
実施例4
反応混合物:
230g 硬化獣脂メチルエステル,JZ=0.2 (0.85モル)
155g グリセロール(1.68モル)
0.3% ナトリウムメチレート
反応条件:
温度 160℃
圧力 300ミリバール
攪拌機 350回毎分
【0028】
【表4】
Figure 0004278302
【0029】
過剰なグリセロールのため、触媒濃度がこれまでに記載された他の実施例に比べ比較的低いのにかかわらず、70分後すでに反応を停止させる時点に達した。
実施例5
反応混合物:
235g 大豆油メチルエステル(0.84モル)
156g グリセロール(1.70モル)
0.4% ナトリウムメチレート
反応条件:
温度 160℃
圧力 300ミリバール
攪拌機 350回毎分
【0030】
【表5】
Figure 0004278302
【0031】
不飽和大豆油から生成したメチルエステルは飽和油脂に見られるようにグリセロール分解反応において類似した挙動を示す。40%のモノグリセリド、同時に10%未満のジグリセリド濃度を得るために、再度、反応を70分の反応時間後に停止させる必要がある。
実施例6
反応混合物:
230g 硬化パーム油メチルエステル,JZ=0.5 (0.85モル)
160g グリセロール(1.70)
0.5% ナトリウムメチレート
反応条件:
温度 160℃
圧力 300ミリバール
攪拌機 300回毎分
前記の実施例と同様に、バッチ反応を行った。しかしながら、次の濃度:
1% メタノール
40% メチルエステル
28% グリセロール
26% モノグリセリド
5% ジグリセリド
(0.5% ナトリウムメチレート(触媒))
に達した50分後に反応を停止させた。
【0032】
反応を停止させた直後に、なお存在する触媒を含んだ混合物を230℃の蒸留温度まで加熱し、グリセロールとメチルエステルを試験薄膜エバポレーター内のグリセリドから分離した(230℃、4ミリバール)。より高温での滞留時間を約4ないし5分の間評価した。この間、反応はさらに進行し、強く増進さえした。
80% モノグリセリド
15% ジグリセリド
2% 残渣
を含む残液生成物を90℃の抽出温度まで直ちに冷却した。この温度で生成した触媒をグリセリド混合物から洗浄し、グリセリドがより高いジグリセリドまたはトリグリセリドまでもの濃度へ厳密に再構成されることなく、分子蒸留によりモノグリセリドの共通継続濃度が与えられた。
【0033】
実施例7
前記の実施例で記載したバッチ反応と同じ手順を繰り返した。メタノール中10%溶液を用いて触媒だけをNaOHへと変えた;有効な触媒濃度はメチルエステルに基づき0.3%であった。この反応は70分後に停止させた。後に行った解析で次の濃度:
0.01% メタノール
23% メチルエステル
23% グリセロール
44% モノグリセリド
10% ジグリセリド
が明らかになった。
【0034】
直ちに混合物をn/10リン酸で中和し、触媒の反応性を破壊した。反応中に形成された石鹸は脂肪酸とリン酸ナトリウムへ分解された。同時に反応混合物を90℃まで冷却した。迅速に中和したにもかかわらず、モノグリセリドによりジグリセリド濃度が2%ずつ高まるため、グリセリドの再構成を回避することができなかった。
中和後、反応混合物にはほぼ3%の脂肪酸が含まれていた。メチルエステルとグリセロールのグリセロール分解への再循環が開始される前に脂肪酸を分離しなければならない。原則として、それらは再循環流で鹸化され、グリセロール分解用の触媒として用いられる。しかしながら、それらの触媒作用はあまりにも弱く、新たなナトリウムメチレートを加えて、石鹸、脂肪酸それぞれの集積を誘導しなければならない。
【0035】
従って、脂肪酸を取り除く唯一の経済的な方法ではそれらを石鹸へと変えて抽出し、さらに実施例6で示されるように進行させる。
当業者には本明細書に記載される本発明が厳密に記載されたこれらのもの以外の変形および改良が可能であることが理解されるであろう。本発明がかかる全ての変形および改良を包含していることが理解されるべきである。
本発明はまた、工程、特徴、組成物、および参照とされたまたは本明細書で示された化合物の全てを、個別にまたは選択的に、さらにはいずれかの前記工程または特徴の2つ以上の組合せいずれか全てを包含している。
【0036】
文献
1.Meffert, A;脂肪酸エステルの技術的使用 J. Am. Oil Chem. Soc. 61 (1984), 255
2.Wollmann, G Gutsche, B Peukert, E Jeromin, L;グリセロール分解−不混和液の化学反応の設計 Fat Sci. Technol. 90 (1988), 507
3.Sanchez, N Martinez, M Aracil, J ;グリセリンのグリセロールモノオレエートへの選択的エステル化 1.運動模型 Ind. Eng. Chem. Res. 36 (1997), 1524
4.Dieckelmann, G Heinz, H;工業用オレオ化学の原理 Press Peter Pomp GmbH, Essen 1988 ISBN 3-89355-008-9

Claims (18)

  1. グリセロール分解によるモノグリセリドの製造方法であって、
    i) メチルエステルに対して0.1ないし3モル過剰のグリセロールを混合す
    ることによって動物油脂または植物油脂由来のメチルエステルを反応させ;
    ii) 反応混合物を200ないし400ミリバールの減圧下、130℃ないし160℃の間の反応温度に曝し;
    iii) アルカリ性触媒を加え;さらに
    iv) グリセリド量が40ないし60%の濃度に達し、かつ、モノおよびジグリセリドの濃度比が3ないし10の間にある際に、反応混合物を急速冷却してアルカリ性触媒を破壊することにより反応を停止させること
    を含んでなる方法。
  2. i) 反応混合物中に触媒を残して反応器内の下流の反応を触媒させ;
    ii) 反応器内の過剰なメチルエステルとグリセロールを分離し;さらに
    iii) グリセリド量が40ないし60%の濃度に達し、かつ、モノグリセリドとジグリセリドの濃度比が3ないし10の間にある際に、反応混合物を急速冷却し、アルカリ性触媒を破壊することにより反応を停止させる
    工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
  3. アルカリ性触媒が0.1ないし1%濃度の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、または低級脂肪族アルコールのいずれかのナトリウム塩である、請求項1記載の方法。
  4. 低級脂肪族アルコールのナトリウム塩がナトリウムメチレートまたはナトリウムグリセロレートである、請求項1記載の方法。
  5. モノグリセリドとジグリセリドの濃度比が4ないし8の間にある、請求項1記載の方法。
  6. 触媒により生成した石鹸が、水による抽出工程によりグリセリド混合物から分解され、それに次ぐ酸による、好ましくはリン酸または硫酸による酸性化工程において脂肪酸と塩へ分解される、請求項1記載の方法。
  7. 酸の添加、またはメチレートの場合は水の添加で触媒を不活性化することにより反応が停止される、請求項1記載の方法。
  8. メチルエステルがモノグリセリドの最終用途要求条件に応じ、異なる炭素数で分画される、請求項1記載の方法。
  9. 最終用途要求条件に応じた結晶化工程によりメチルエステルが飽和種および不飽和種として分離される、請求項1記載の方法。
  10. 不飽和種メチルエステルが水素化(硬化)してグリセロール分解のための完全飽和原料を得る、請求項1記載の方法。
  11. 分画と結晶化が併用される、請求項8記載の方法。
  12. 分画と水素化が併用される、請求項8記載の方法。
  13. 結晶化と水素化が併用される、請求項9記載の方法。
  14. 反応速度を高めるためにモノグリセリドがグリセロール分解の入口に再循環される、請求項1記載の方法。
  15. 植物油がパーム油である、請求項1記載の方法。
  16. 低級脂肪族アルコールのナトリウム塩がナトリウムグリセロレートのナトリウムメチレートである、請求項3記載の方法。
  17. 分画と結晶化が併用される、請求項9記載の方法。
  18. 分画と水素化が併用される、請求項10記載の方法。
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