JP2011032212A - アゾール系抗真菌剤を含む毛髪化粧料 - Google Patents

アゾール系抗真菌剤を含む毛髪化粧料 Download PDF

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Abstract

【課題】ふけ防止効果が高く、使用感に優れた医薬品、医薬部外品または化粧品用の毛髪化粧料の提供。
【解決手段】アゾール系抗真菌剤、アシル化加水分解コラーゲンおよびカチオン界面活性剤を配合してなる抗真菌剤含有毛髪化粧料。
【選択図】なし

Description

本発明は、アゾール系抗真菌剤を含む、製剤安定性および使用感に優れた医薬品、医薬部外品または化粧品である毛髪化粧料に関するものである。
アゾール系抗真菌剤であるミコナゾール硝酸塩は、水またはジエチルエーテルに極めて溶けにくく、溶解性が悪い。そこで、溶解性を改善する様々な工夫が研究されてきた(特許文献1、2)。そして現在では、ふけ防止効果および安全性が極めて高く、シャンプーとしても使用できるふけ防止剤(特許文献3)も知られている。しかし、満足なふけ防止効果が得られていない場合もあった。
特開2007−277227号公報 特許第4255965号公報 特許第3645287号公報
本発明者らは、一部、満足なふけ防止効果が得られていない消費者のニーズにこたえるべく、アゾール系抗真菌剤、中でも、既に安全性も確認され、シャンプーとしての使用実績もあるミコナゾール硝酸塩を、シャンプーの後に使用するリンス等の毛髪化粧料に配合することで、高いふけ防止効果を得られるのではないかと考え、毛髪化粧料の開発を行った。ミコナゾール硝酸塩は元来、難溶性であることが知られているが、今回我々は、カチオン界面活性剤を含む基剤においては、極めて溶解性が悪く、また、溶解させた後に乳化したとしても経時的に、特に低温時において結晶が析出し、製剤安定性が悪いという問題があることに気付いた。また、結晶が析出していない場合も、基剤の組み合わせによって、抗真菌活性が低いこともある。
そこで、本発明は、結晶析出の抑制、優れた製剤安定性、高い抗真菌活性、毛髪化粧料としての優れた使用感、以上の1つ以上の課題を解決する医薬品、医薬部外品、化粧品である毛髪化粧料を提供しようとするものである。
本発明者らは、製剤安定性を有するアゾール系抗真菌剤を配合した毛髪化粧料に付き鋭意検討した結果、アシル化加水分解コラーゲンが、カチオン界面活性剤を含む基剤においてアゾール系抗真菌剤の結晶析出を抑制することを見出し、アシル化加水分解コラーゲンを配合することで、結晶析出が抑制された、アゾール系抗真菌剤を含み、製剤安定性が高い毛髪化粧料を完成させた。
すなわち本発明は、
(1)(A)アゾール系抗真菌剤、(B)アシル化加水分解コラーゲンおよび(C)カチオン界面活性剤を含有する毛髪化粧料である。
具体的には、本発明は、
(2)(A)成分が、ミコナゾールまたはその塩である(1)に記載の毛髪化粧料である。
また、本発明は、
(3)(D)高級アルコールおよび/または(E)炭素数3〜8のアルカンジオールをさ
らに含有する(1)または(2)に記載の毛髪化粧料、
(4)(B)成分が、イソステアロイル加水分解コラーゲンである(1)〜(3)のいずれか一つに記載の毛髪化粧料、
(5)(E)成分が、プロピレングリコールである(1)〜(4)いずれか一つに記載の毛髪化粧料、
(6)(F)シリコーンまたはシリコーン誘導体、エステル油および炭化水素油より選ばれる1種または2種以上のコンディショニング成分をさらに含有する(1)〜(5)いずれか一つに記載の毛髪化粧料、
(7)(G)pH調整剤をさらに含有する(1)〜(6)いずれか一つに記載の毛髪化粧料、
(8)(1)〜(7)のいずれか一つに記載の毛髪化粧料であって、毛髪化粧料の質量に基づいて、(A)成分の配合量が0.1質量%〜2.0質量%、(B)成分の配合量が0.015質量%〜0.3質量%、(C)成分の配合量が0.1質量%〜20.0質量%、(D)の配合量が1.0質量%〜20.0質量%、(E)成分の配合量が0.1質量%〜20.0質量%および(F)成分の配合量が0質量%〜30.0質量%である毛髪化粧料、
(9)毛髪化粧料が、リンス、コンディショナー、トリートメントまたはリンスインシャンプーである(1)〜(8)のいずれか一つに記載の毛髪化粧料である。
本発明の毛髪化粧料は、アゾール系抗真菌剤を溶解することができる。また、優れた製剤安定性が確保され、経時的な結晶析出が抑制される。さらに、優れた使用感が保たれる。
また、毛髪化粧料として優れた製剤安定性が発揮され、優れた抗真菌作用、ふけ防止効果が発揮される。
本発明により、アゾール系抗真菌剤およびカチオン界面活性剤等を含有する、製剤安定性の優れた毛髪化粧料が提供される。さらに、シリコーンまたはシリコーン誘導体、エステル油および炭化水素油等のコンディショニング成分を配合した、コンディショニング効果に優れ、製剤安定性の優れた組成物が提供される。また、アゾール系抗真菌剤の中でも、ミコナゾール硝酸塩を含む毛髪化粧料が提供される。
本発明の毛髪化粧料は、少なくとも以上の効果の1つ以上を発揮する。
本発明における毛髪化粧料とは、リンスに限定されるものではなく、コンディショナー、トリートメント、パック、マスク、リンスインシャンプー等としても適用される。
毛髪化粧料の使用目的としては、毛髪の帯電防止、ごわつきの抑制、ツヤを出す、櫛どおりや手触りをなめらかにする、シャンプー等による洗浄後に開いたキューティクルを元に戻す、髪に残留してコーティングする等が挙げられる。
本発明での成分(A)のアゾール系抗真菌剤としては、たとえばミコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、チオコナゾール、オキシコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、クロコナゾール、ネチコナゾール、イソコナゾール、スルコナゾール、ビフォナゾール、ナノコナゾール、ルリコナゾールおよびそれらの塩などが挙げられる。前記塩としては、硝酸塩、塩酸塩等が挙げられ、好ましいのは硝酸塩である。本発明ではこれらアゾール系抗真菌剤の2種以上を毛髪化粧料中に含ませることもできる。これらのうちでも、好ましいのはミコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、チオコナゾール、オキシコナゾール、スルコナゾール、ビフォナゾールおよびそれらの
塩であり、さらに好ましいのはミコナゾールまたはその塩であり、配合のしやすさなどの点から、とりわけ好ましいのはミコナゾール硝酸塩である。上記アゾール系抗真菌剤はいずれも市販品として入手可能である。
本発明の毛髪化粧料への(A)成分の配合量は、特に限定されないが、毛髪化粧料の質量に基づいて、通常0.1質量%〜2.0質量%であり、また抗真菌剤が具体的にミコナゾール硝酸塩の場合には、その配合量は、毛髪化粧料の質量に基づいて、0.1質量%〜1.0質量%が好ましく、0.2質量%〜0.8質量%がより好ましい。
本発明の毛髪化粧料で用いる(B)アシル化加水分解コラーゲンとは、コラーゲンタンパク質を加水分解して得られるポリペプタイドとイソステアリン酸等の脂肪酸との縮合物である。
加水分解コラーゲンは、コラーゲンをアルカリ、酸または酵素存在下で常法に従って加水分解して得られる加水分解物である。コラーゲンの起源としては、牛、豚、鳥等の陸上生物および魚類、貝類、クラゲ類、海綿類等の海洋生物が挙げられ、人体への安全性、製剤としての安定性、匂いの問題、生産性および経済性から、海洋生物を起源とするコラーゲンが好ましい。なかでも、エタノール、水、塩化ナトリウム溶液などにより抽出して得られる水溶性コラーゲンがより好ましい。
本発明の毛髪化粧料で用いる(B)成分としては、例えば、ココイル加水分解コラーゲン、ウンデシレノイル加水分解コラーゲン、イソステアロイル加水分解コラーゲン、ロジン加水分解コラーゲン等が挙げられる。本発明の毛髪化粧料では、これらの2種以上を含ませることもできる。これらのうちでも、好ましいのはイソステアロイル加水分解コラーゲンである。上記アシル化加水分解コラーゲンはいずれも市販品として入手可能である。市販品の例としては、例えば、プロモイスEU−118(IS)(成和化成社製:3%イソステアロイル加水分解コラーゲン−イソステアリン酸溶液)、プロモイスE−118(IS)(成和化成社製:イソステアロイル加水分解コラーゲン−イソステアリン酸溶液)、プロモイスEUCP(成和化成社製:ココイル加水分解コラーゲン−水溶液)等が挙げられる。
また、本発明の毛髪化粧料で用いる(B)成分は、医薬部外品原料規格2006(2006年6月発行、薬事日報社)に収載されたものを使用することもでき、イソステアロイル加水分解コラーゲンとしては、医薬部外品原料規格に収載されているイソステアロイル加水分解コラーゲン(1)、イソステアロイル加水分解コラーゲン液(2)、イソステアロイル加水分解コラーゲン液(3)またはイソステアロイル加水分解コラーゲン(4)を用いることもできる。
本発明の毛髪化粧料への(B)成分の配合量は、特に限定されないが、毛髪化粧料の質量に基づいて、通常0.015質量%〜0.3質量%であり、また(B)成分が具体的にイソステアロイル加水分解コラーゲンの場合には、その配合量は、毛髪化粧料の質量に基づいて、0.015質量%〜0.3質量%が好ましく、0.03質量%〜0.12質量%がより好ましい。医薬部外品原料規格2006に収載されているイソステアロイル加水分解コラーゲン液(2)を用いる場合は、その配合量は、毛髪化粧料の質量に基づいて、0.5質量%〜10.0質量%が好ましく、1.0質量%〜4.0質量%がより好ましい。
また、本発明の毛髪化粧料へ配合されるアゾール系抗真菌剤とアシル化加水分解コラーゲンとの配合比は、1:0.015〜3.0が好ましく、1:0.06〜0.3がより好ましい。
また、本発明の毛髪化粧料へのイソステアロイル加水分解コラーゲンの配合量が毛髪化粧料の質量に基づいて0.12質量%以上の場合、コラーゲン由来の臭いおよび色が強くなるため、香料等によるマスクすることが望ましい。
本発明の毛髪化粧料で用いる(C)カチオン界面活性剤としては、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム
、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化イソステアリルラウリルジメチルアンモニウム等の第4級アンモニウム塩、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド等の脂肪酸アミドアミン塩、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジメチルステアリルアミン、トリラウリルアミン等のアルキルアミン塩等が挙げられ、毛髪化粧料として使用できるカチオン界面活性剤であれば特に限定されない。その他、カチオン界面活性剤として、医薬部外品原料規格2006に収載されているもののうち、毛髪化粧料に通常使用されるカチオン界面活性剤も適宜用いることができる。本発明の毛髪化粧料では、これらの2種以上を含ませることもできる。これらのなかでも、アルキルトリメチルアンモニウム塩、脂肪酸アミドアミン塩が好ましく、具体的には、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウムが好ましい。これらは全て市販品として入手可能である。
カチオン界面活性剤は、毛髪化粧料全量に対する界面活性剤成分の質量%として、通常、0.1質量%〜20.0質量%程度、好ましくは0.5質量%〜7.0質量%である。
本発明の毛髪化粧料で用いる(D)高級アルコールとしては、ドデカノール(=ラウリルアルコール)、トリデカノール、テトラデカノール(=ミリスチルアルコール)、ペンタデカノール、ヘキサデカノール(=セチルアルコール、セタノール)、ヘプタデカノール、オクタデカノール(=ステアリルアルコール)、イソオクタデカノール(=イソステアリルアルコール)、ノナデカノール、イコサノール(=アラキルアルコール)、ヘンイコサノール、ドコサノール(=ベヘニルアルコール)、トリコサノール、テトラコサノール(=カルナービルアルコール)、ペンタコサノール、ヘキサコサノール(=セリルアルコール)、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール等が挙げられ、毛髪化粧料として使用できる高級アルコールであれば特に限定されない。
本発明の毛髪化粧料では、これらの2種以上を含ませることもできる。本発明の毛髪化粧料では製剤の安定性及び製剤の毛髪への塗布のしやすさなどの点からセタノール、オクチルドデカノール、ステアリルアルコールが好ましい。これらは全て市販品として入手可能である。
本発明の毛髪化粧料への(D)成分の配合量は、特に限定されないが、毛髪化粧料の質量に基づいて、通常1.0質量%〜20.0質量%であり、2.0質量%〜10.0質量%がより好ましい。
本発明の毛髪化粧料で用いる(E)炭素数3〜8のアルカンジオールとしては、具体的には、ブタンジオール、プロパンジオール(1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール)、ペンタンジオール、ヘキサンジオールまたはオクタンジオール等が挙げられ、毛髪化粧料として使用できる炭素数3〜8のアルカンジオールであれば特に限定されない。本発明の毛髪化粧料では、これらの2種以上を含ませることもできる。このなかでも、1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール)、1.3−ブタンジオール(1.3−ブチレングリコール)が好ましい。これらは全て市販品として入手可能である。
本発明の毛髪化粧料への(E)成分の配合量は、特に限定されないが、毛髪化粧料の質量に基づいて、通常0.1質量%〜20.0質量%であり、炭素数3〜8のアルカンジオールが具体的にプロピレングリコールの場合には、その配合量は、毛髪化粧料の質量に基づいて、1.0質量%〜20.0質量%が好ましく、5.0質量%〜10.0質量%がより好ましい。
本発明の毛髪化粧料は、前述の成分に加えてさらに、必要に応じて(F)シリコーンまたはシリコーン誘導体、エステル油または炭化水素油を含むことができる。
これらのシリコーンまたはシリコーン誘導体、エステル油または炭化水素油は、毛髪化粧料として使用できれば特に限定されないが、有効成分の効能の発現のしやすさ、使用感、毛髪化粧料の材質および組成との相性等に応じて選択使用され、1種または2種以上を併せて使用することができる。本発明においては、(F)成分の組成物への合計配合量は、0質量%〜30.0質量%が好ましく、0質量%〜10.0質量%がより好ましく、0質量%〜5.0質量%がさらに好ましい。
本発明のシリコーンまたはシリコーン誘導体としては、例えばメチルポリシロキサン、ジメチルシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルアミノプロピルシロキサン、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン、シリコーンゴム、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、デカメチルポリシロキサン、メチル(アミノプロピル)シロキサン等が挙げられる。本発明ではこれらの2種以上を別々の成分として、または1種または2種以上を重合体として毛髪化粧料中に含ませることもできる。このなかでも、メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン重合体、デカメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、高重合ジメチルシロキサン・メチル(アミノプロピル)シロキサン共重合体/メチルポリシロキサンが好ましい。これらは全て市販品から入手可能である。
本発明のエステル油としては、例えばミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸エチル、オレイン酸エチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、カプリル酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、リシノール酸セチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸2−ヘキシルデシル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸2−オクチルドデシル、リシノール酸2−オクチルドデシル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキサン酸セトステアリル、2−エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジ2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、テトラミリスチン酸ペンタエリスリトール、テトライソステアリン酸ペンタエリスリトール、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル(1)、ネオペンタン酸2−オクチルドデシル、2−エチルヘキサン酸2−ヘキシルデシル、2−エチルヘキサン酸イソステアリル、イソノナン酸2−エチルヘキシル、ジメチルオクタン酸2−ヘキシルデシル、ジメチルオクタン酸2−オクチルドデシル、イソパルミチン酸2−エチルヘキシル、イソステアリン酸2−ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸2−オクチルドデシル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、乳酸2−オクチルドデシル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリ2−エチルヘキシル、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリ2−オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジ
イソブチル、アジピン酸ジ2−エチルヘキシル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチルオクチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、イソステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソセチル、12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸ステアリル、12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソステアリル、酢酸ポリオキシエチレン(3)モノオキシプロピレンセチルエーテル、酢酸ポリオキシエチレン(3)モノオキシプロピレンイソセチルエーテル等が挙げられる。本発明ではこれらの2種以上を毛髪化粧料中に含ませることもできる。このなかでも、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル(1)、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ミリスチン酸イソプロピルが好ましい。これらは全て市販品から入手可能である。
本発明の炭化水素油としては、オゾケライト、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、合成スクワラン、植物性スクワラン、スクワラン、セレシン、パラフィン、ポリエチレン末、ポリブテン、流動イソパラフィン、流動パラフィン、スクワレン、プリスタン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。本発明ではこれらの2種以上を毛髪化粧料中に含ませることもできる。これらは全て市販品から入手可能である。
本発明の毛髪化粧料は、さらに(G)pH調整剤を含むことができる。
本発明の(G)pH調整剤としては、具体的には、酸として、クエン酸、グリコール酸、リンゴ酸、酢酸、乳酸、蓚酸、酒石酸、レブリン酸、コハク酸、リン酸、塩酸等、アルカリとして、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、コハク酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノプロパノール等、アミノ酸として、L−アルギニン、アラニン、L−スレオニン等が挙げられ、毛髪化粧料として使用できるものであれば特に限定されない。本発明の毛髪化粧料ではこれらの2種以上を含ませることもできる。酸またはアルカリであるそれぞれの塩を使ってpHを調整してもよい。また、水酸化ナトリウムや塩酸等の酸・塩基を用いてpHを調整することもできる。これらは全て市販品として入手可能である。
本発明の毛髪化粧料への(G)成分の配合量は、特に限定されないが、通常は最終処方物のpHが3.0〜5.5になる量を配合するのが好ましく、pHが3.3〜4.5になる量を配合するのがより好ましい。
本発明の毛髪化粧料は、さらに、保湿剤、カチオン性ポリマーを含むことができる。
本発明の保湿剤としては、具体的には、トリメチルグリシン、塩化N−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]加水分解コムギたん白液、濃グリセリン、ソルビット、キシリトール、ヒアルロン酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等が挙げられ、毛髪化粧料として使用できれば特に限定されない。本発明ではこれらの2種以上を毛髪化粧料中に含ませることもできる。このなかでは、トリメチルグリシン、塩化N−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]加水分解コムギたん白液、グリセリン、ベタイン、ホホバ油、加水分解ケラチン(羊毛)が好ましい。これらは全て市販品から入手可能である。
本発明の毛髪化粧料への保湿剤の配合量は、特に限定されないが、毛髪化粧料の質量に基づいて、通常0.1質量%〜30.0質量%好ましい。
本発明のカチオン性ポリマーとしては、低窒素ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム液、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、塩化ジメチルジアリル
アンモニウム・アクリル酸共重合体、アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体、アクリル酸・塩化メタクリルプロピルトリメチルアンモニウム・メチルアクリレート共重合体、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]グアーガム、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガム等が挙げられる。その他、医薬部外品原料規格2006に収載されているもののうち、毛髪化粧料に通常使用されるカチオン性ポリマーとして、ポリクオタニウム−4、ポリクオタニウム−6、ポリクオタニウム−7、ポリクオタニウム−10、ポリクオタニウム−22、ポリクオタニウム−39、ポリクオタニウム−47等として含むことができる。本発明ではこれらの2種以上を毛髪化粧料中に含ませることもできる。このなかでも、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ) プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、カチオン化セルロースが好ましい。これらは全て市販品から入手可能である。
本発明の毛髪化粧料は、毛髪化粧料の質量に基づいて、アゾール系抗真菌剤の配合量が0.1質量%〜2.0質量%、アシル化加水分解コラーゲンの配合量が0.015質量%〜0.3質量%、カチオン界面活性剤の配合量が0.1質量%〜20.0質量%、高級アルコールの配合量が1.0質量%〜20.0質量%、炭素数3〜8のアルカンジオールの配合量が0.1質量%〜20.0質量%であることが好ましい。より好ましくは、ミコナゾール硝酸塩の配合量が0.1質量%〜1.0質量%、イソステアロイル加水分解コラーゲンの配合量が0.015質量%〜0.3質量%、カチオン界面活性剤の配合量が0.5質量%〜7.0質量%、高級アルコールの配合量が2.0質量%〜10.0質量%、プロピレングリコールの配合量が1.0質量%〜20.0質量%で用いることができる。さらに、保湿剤、pH調整剤を配合させる場合は、保湿剤の配合量が0.1質量%〜30.0質量%が好ましく、pH調整剤の配合量は、最終処方物のpHが3. 0〜5.5になる量の配合が好ましい。さらに、シリコーンまたはシリコーン誘導体、エステル油または炭化水素油を配合させる場合は、配合量が0質量%〜30.0質量%が好ましい。
本発明の毛髪化粧料には、アゾール系抗真菌剤以外の他のふけ防止効果を有する有効成分として、例えば、ピロクトンオラミン、ジンクピリチオン、二硫化セレン、イオウ等を配合することができ、さらに通常の毛髪化粧料に用いられる成分として、例えば、グリチルリチン酸ジカリウム等、色素、顔料等の着色剤、メチルセルロース、ポリエチレングリコール等の粘度調整剤、ジステアリン酸グリコール、ジステアリン酸エチレングリコール等のパール光沢付与剤、モノステアリン酸グリセリン等の乳化剤、塩化ナトリウム等の塩類、植物エキス類、防腐剤、ビタミン剤、香料、紫外線吸収剤、抗酸化剤、湿潤剤、キレート剤、水等を適宜配合することができる。
本発明の毛髪化粧料の製造方法は、例えば、イオン交換水に水溶性成分を加熱撹拌して混合し、これに同様に加熱撹拌して混合した油性成分を加え、乳化した後に、55〜65℃でアシル化加水分解コラーゲンを添加して製剤を得る方法が挙げられる。尚、本発明の毛髪化粧料に用いるアゾール系抗真菌剤は、通常使用されている公知の溶解補助剤を用い、水相に混合する。これらの方法に特に限定されるものではない。
以下に、本発明の毛髪化粧料の実施例および試験例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
前記製法により、表1の実施例1〜19および比較例1、表3の比較例2〜5の毛髪化粧料を製造した。尚、表1〜3に記載の実施例1〜19および比較例2〜5の各成分の配合量は、表中に記載の規格による各成分を配合した量である。
[試験例1]
前記製法により製造した直後の結晶析出を観察し、溶解性の有無を確認した。結晶析出について、第1法としては0℃で2ヶ月保存したときの結晶析出の有無を検体からミニス
パチュラで3箇所、それぞれ約0.05g採取し、スライドグラスに塗布し、カバーガラスで圧着して、顕微鏡下400倍で視野全部を観察した。また、第2法としては−20℃凍結、25℃2時間解凍を1サイクルとして4サイクル行った後の結晶析出を同じく顕微鏡下400倍で観察した。実施例1〜8および比較例1の結果を表2に示した。尚、結晶析出の評価方法としては、結晶が確認されないものを「−」として、結晶析出量の増加または結晶の大きさに伴い、ごく小さな結晶がある、または結晶数が1〜2個を「±」、観察視野内の大きさの結晶がある、または結晶数が10個までを「+」、観察視野より大きい結晶がある、または結晶数が10個より多いものを「++」と段階を付けて判定した。
Figure 2011032212
Figure 2011032212
表2の結果から、イソステアロイル加水分解コラーゲンを配合していない比較例1で結晶析出が認められたが、イソステアロイル加水分解コラーゲンを配合した実施例1〜8で十分な結晶析出の抑制効果が確認された。
また、0℃で2ヶ月保存時の顕微鏡下400倍の観察による結晶析出で実施例1は「−」であり、比較例1は「++」であったのに対し、−20℃凍結、25℃2時間解凍を1サイクルとして4サイクル行ったときの顕微鏡下400倍の観察による結晶析出でも実施例1は「−」、比較例1は「++」であり、第1法と第2法で同等の結果が得られた。
[試験例2]
可溶化剤であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油または2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインを配合した、表3の処方で製造した毛髪化粧料に、ミコナゾール硝酸塩の結晶析出の有無を確認した。結晶析出の有無は、0℃で2ヶ月保存したときの結晶析出の有無を試験例1と同じく顕微鏡下400倍で観察する方法、または同期間経過前に触感による判定でざらつきが感じられるものについては結晶有と判断することにより確認し、結果を表3に示した。
Figure 2011032212
可溶化剤を配合していない比較例2、可溶化剤として両性界面活性剤である2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインを配合した比較例3、ノニオン界面活性剤であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を配合した比較例4およびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油と2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインを配合した比較例5では、ミコナゾール硝酸塩の結晶析出を抑制することができなかった。
抗真菌活性試験
1.試験菌
Malassezia furfur (臨床分離菌株1)
Malassezia furfur (臨床分離菌株2)
Malassezia furfur (標準菌株:IFO 0656)
2.測定検体調製
測定検体は滅菌精製水(D.W.)で希釈し、良く振り混ぜ、10%、5. 0%、1. 0%、0.5%、0.1%、0.05%となるように調製した。
3.前培養および菌液調製
Dixon 寒天培地で35℃、3〜5日間培養後、さらにDixon 液体培地に接種し、35℃、72時間培養した。培養後の菌液を1/15Mリン酸緩衝液(pH7.0)で希釈し、血球計算板を用いて菌数を106 cells/mLに調製した。
4.測定方法
1)培地作製
Dixon 液体培地中に測定検体の最終濃度が1.0%、0.5%、0.1%、0.05%、0.01%、0.005%となるように、各検体を10%ずつ添加し調整した。
また、対照としてDixon 液体培地にD.W.を10%添加した培地を作製した。
2)菌液接種および培養
測定培地2mLに対し、3.で調製した菌液30μLを接種し、35℃、3日間培養す
る。培養後、測定培地100μLをDixon 寒天培地に滴下し、コンラージ塗抹を行い、35℃、3日間培養した。但し対照培地での発育状況によって培養時間は適宜延長した。
3)判定
対照培地における菌の発育を確認した後、各培地における菌の発育の有無を判定した。5.試験検体
アゾール系抗真菌剤としてミコナゾール硝酸塩を用い、精製水を加え全量を100質量%とする。
試験検体には、ミコナゾール硝酸塩配合リンス(実施例5)と実施例5からミコナゾール硝酸塩を除いた水で全量を調製したミコナゾール硝酸塩非配合リンス(比較例6)を用いた。
6.試験結果
Malassezia furfur に対する、ミコナゾール硝酸塩配合リンス(実施例5)とミコナゾール硝酸塩非配合リンス(比較例6)のin vitro抗菌活性試験結果を下記表4に示す。この結果から、実施例5の抗真菌活性が確認された。
Figure 2011032212

Claims (9)

  1. (A)アゾール系抗真菌剤、(B)アシル化加水分解コラーゲンおよび(C)カチオン界面活性剤を含有する毛髪化粧料。
  2. (A)成分が、ミコナゾールまたはその塩である請求項1に記載の毛髪化粧料。
  3. さらに(D)高級アルコールおよび/または(E)炭素数3〜8のアルカンジオールをさらに含有する請求項1または2に記載の毛髪化粧料。
  4. (B)成分が、イソステアロイル加水分解コラーゲンである請求項1〜3いずれか一項記載の毛髪化粧料。
  5. (E)成分が、プロピレングリコールである請求項1〜4いずれか一項記載の毛髪化粧料。
  6. さらに(F)シリコーンまたはシリコーン誘導体、エステル油および炭化水素油より選ばれる1種または2種以上のコンディショニング成分をさらに含有する請求項1〜5のいずれか一項記載の毛髪化粧料。
  7. pH調整剤をさらに含有する請求項1〜6のいずれか一項記載の毛髪化粧料。
  8. (A)成分の配合量が0.1質量%〜2.0質量%、(B)成分の配合量が0.015質量%〜0.3質量%、(C)成分の配合量が0.1質量%〜20.0質量%、(D)成分の配合量が1.0質量%〜20.0質量%、(E)成分の配合量が0.1質量%〜20.0質量%および(F)成分の配合量が0質量%〜30.0質量%である請求項1〜7のいずれか一項記載の毛髪化粧料。
  9. 毛髪化粧料が、リンス、コンディショナー、トリートメント、リンスインシャンプーのいずれかである請求項1〜8のいずれか一項記載の毛髪化粧料。
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