JP2011031745A - 車両の駆動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動機の駆動時における一方向動力伝達部又はブレーキが係合する際のショックを低減する車両の駆動制御装置を提供すること。
【解決手段】前後輪軸の一方の軸である第1車軸に駆動力を出力可能な駆動源と、前後輪軸の他方の軸である第2車軸に駆動力を出力可能な電動機と、電動機からの力行駆動力を第2車軸に伝達する一方向動力伝達部と、電動機が回生駆動する際に、電動機と第2車軸間で双方向の動力を伝達するブレーキとを備えた車両の駆動制御装置は、車速検出手段と、車速に基づいて電動機の目標回転数を決定する手段と、電動機の回転数を検出する手段と、駆動源による車両の走行状態で電動機の駆動を開始するとき、電動機の回転数が目標回転数に同期するよう電動機を制御し、電動機の出力トルクを制御する制御部とを備える。制御部は、電動機の回転数が目標回転数よりも低い閾回転数に到達すると、所定のトルクを出力するよう電動機を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の駆動源を併用する車両の駆動制御装置に関する。
図16は、特許文献1に記載のハイブリッド車両の全体図である。また、図17は、特許文献1に記載のハイブリッド車両に用いられるトルク伝達機構図を示す。図16及び図17に示すハイブリッド車両Hは、エンジン101及びモータ102の少なくとも一方により走行可能である。ハイブリッド車両Hは、クラッチ機構106と、接続制御機構141と、回転数制御機構122とを備える。
クラッチ機構106には、車両停車状態から走行を開始する場合にモータ102のトルクを駆動側に伝えるためのワンウェイクラッチ105と、モータ102の出力軸121を駆動軸103に油圧によって接続する油圧クラッチ104とが、駆動軸103に並列に設けられている。接続制御機構141は、モータ102の回転数が許容回転数以上になる場合は油圧クラッチ104を切断し、モータ102の回転を許容できる運転条件になる場合は油圧クラッチ104を再接続する。回転数制御機構122は、図18に示すように、再接続する際には目標回転数Rより所定数低い回転数(切替回転数r)までモータ102の回転数を急上昇させた後、目標回転数Rまではモータ102の回転数を徐々に上昇させる制御を行う。
このハイブリッド車両Hでは、回転数制御機構122が行う制御によって、モータ102の回転数が目標回転数Rに対してオーバーシュートする現象を回避でき、かつ、モータ102の出力軸121がワンウェイクラッチ105と緩やかに係合する。このため、モータ102の出力軸121がワンウェイクラッチ105に急激に係合した場合に発生する機械的ショックを回避できる。
特開2008−239041号公報
上記説明したハイブリッド車両Hでは、モータ102の回転数を制御することによって、ワンウェイクラッチが係合する際の機械的ショックを回避している。しかし、特許文献1には、ワンウェイクラッチやブレーキなどの複数の要素を備えた駆動装置でのモータ駆動時のショックの回避又は低減する方法は記載されていない。
本発明の目的は、電動機の駆動時における一方向動力伝達部又はブレーキが係合する際のショックを低減する車両の駆動制御装置を提供することである。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の発明の駆動制御装置は、前後輪軸の一方の軸である第1の車軸(例えば、実施の形態での主駆動軸8)に駆動力を出力可能な駆動源(例えば、実施の形態での内燃機関4及び電動機5)と、前記前後輪軸の他方の軸である第2の車軸(例えば、実施の形態での車軸10A、10B)に駆動力を出力可能な電動機(例えば、実施の形態での電動機2A、2B)と、前記第2の車軸と前記電動機の間の動力伝達経路上に設けられ、前記電動機からの力行駆動力を前記第2の車軸に伝達する一方向動力伝達部(例えば、実施の形態での一方向クラッチ50)と、前記第2の車軸と前記電動機の間の動力伝達経路上に前記一方向動力伝達部と並列に設けられ、前記電動機が回生駆動する際に、前記電動機と前記第2の車軸間において双方向の動力を伝達するブレーキ(例えば、実施の形態での油圧ブレーキ60A、60B)と、を備えた車両(例えば、実施の形態での車両3)の駆動制御装置であって、前記車両の速度又は前記第2の車軸の回転数を検出する第1検出部(例えば、実施の形態での車速センサ117又は回転数センサ117a、117b)と、前記検出部が検出した前記車両の速度又は前記第2の車軸の回転数に基づいて、前記電動機の目標回転数を決定する目標回転数決定部(例えば、実施の形態でのマネジメントECU9)と、前記電動機の回転数を検出する第2検出部(例えば、実施の形態でのレゾルバ20A、20B及びマネジメントECU9)と、前記駆動源からの駆動力によって前記車両が走行している状態で前記電動機の駆動を開始するとき、前記電動機の回転数が前記目標回転数に同期するよう前記電動機を制御し、かつ、前記電動機の出力トルクを制御する制御部(例えば、実施の形態でのマネジメントECU9)と、を備え、前記制御部は、前記電動機の回転数が前記目標回転数よりも低い閾回転数に到達すると、所定のトルクを出力するよう前記電動機を制御することを特徴としている。
さらに、請求項2に記載の発明の駆動制御装置では、前記制御部は、前記電動機が回生駆動する際には、前記電動機の回転数が前記目標回転数に同期すると、前記ブレーキを締結することを特徴としている。
さらに、請求項3に記載の発明の駆動制御装置では、前記駆動源からの駆動力によって前記車両が走行している状態で前記電動機の力行駆動を開始するとき、前記制御部は、前記電動機の回転数が前記目標回転数に同期すると、要求されたトルクを出力するよう前記電動機を制御することを特徴としている。
さらに、請求項4に記載の発明の駆動制御装置では、前記駆動源からの駆動力によって前記車両が走行している状態で前記電動機の回生駆動を開始するとき、前記制御部は、前記電動機の回転数が前記目標回転数に同期すると、前記電動機の出力トルクを0に制御することを特徴としている。
さらに、請求項5に記載の発明の駆動制御装置では、前記制御部は、前記電動機の回転数が前記閾回転数を超えて前記目標回転数に到達したとき、前記電動機の回転数が前記目標回転数に同期したと判断することを特徴としている。
さらに、請求項6に記載の発明の駆動制御装置では、前記制御部は、前記所定のトルクを出力するよう前記電動機の制御を開始してから所定時間が経過したとき、前記電動機の回転数が前記目標回転数に同期したと判断することを特徴としている。
さらに、請求項7に記載の発明の駆動制御装置では、前記所定のトルクは、前記電動機の回転数が前記目標回転数に同期するために必要な一定のトルクであることを特徴としている。
請求項1〜7に記載の発明の駆動制御装置によれば、電動機が所定のトルクを出力した結果、電動機の回転数が目標回転数に同期すると一方向動力伝達部による係合が行われ、電動機の回転数が目標回転数に同期した状態でブレーキが締結される。このため、電動機の駆動時における一方向動力伝達部又はブレーキが係合する際のショックを低減できる。
駆動装置を適用可能な車両の一実施形態であるハイブリッド車両の概略構成を示すブロック図 駆動装置の縦断面図 図2に示す駆動装置の部分拡大図 駆動装置がフレームに搭載された状態を示す斜視図 車両の停車中における駆動装置の共線図 駆動装置がドライブ側となって前進走行する場合の駆動装置の共線図 駆動装置がコースト側となって前進走行する場合であって電動機が停止する場合の駆動装置の共線図 駆動装置がコースト側となって前進走行する場合であって電動機が回生する場合の駆動装置の共線図 車両3の走行状態における電動機2A、2Bの状態と切離機構の状態を示した図 車両3が高速クルーズから減速回生に移行する際の各種パラメータを示すタイミングチャート 車両3の走行状態における電動機2A、2Bの状態と切離機構の状態を示した図 自然減速していた車両3が加速する際の各種パラメータを示すタイミングチャート マネジメントECU9が行う制御の内容を示すフローチャート マネジメントECU9が行う他の制御の内容を示すフローチャート 駆動装置を適用可能な車両の他の実施形態であるハイブリッド車両の概略構成を示すブロック図 特許文献1に記載のハイブリッド車両の全体図 特許文献1に記載のハイブリッド車両に用いられるトルク伝達機構図 図17に示したハイブリッド車両が備える回転数制御機構が行うモータの回転数制御を示すタイムチャート
以下、この発明の一実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。
駆動装置1は、電動機2A、2Bを車軸駆動用の駆動源とするものであり、例えば、図1に示すような駆動システムの車両3に用いられる。
図1に示す車両3は、内燃機関4と電動機5が直列に接続された駆動ユニット6を車両前部に有するハイブリッド車両であり、この駆動ユニット6の動力がトランスミッション7及び主駆動軸8を介して前輪Wfに伝達される一方で、この駆動ユニット6と別に車両後部に設けられた駆動装置1の動力が後輪Wr(RWr、LWr)に伝達されるようになっている。駆動ユニット6の電動機5と後輪Wr側の駆動装置1の電動機2A、2Bは、図示しないPDU(パワードライブユニット)を介してバッテリに接続され、バッテリからの電力供給と、バッテリへのエネルギー回生がPDUを介して行われるようになっている。また、マネジメントECU(MG ECU)9は、駆動装置1に含まれる電動機2A、2B及び油圧ブレーキ60A、60Bの各動作を制御する。
図2は、駆動装置1の全体の縦断面図を示すものであり、同図において、10A、10Bは、車両3の後輪Wr側の左右の車軸であり、車幅方向に同軸上に配置されている。駆動装置1の減速機ケース11は全体が略円筒状に形成され、その内部には、車軸駆動用の電動機2A、2Bと、この電動機2A、2Bの駆動回転を減速する遊星歯車式減速機12A、12Bとが、車軸10A、10Bと同軸上に配置されている。この電動機2A及び遊星歯車式減速機12Aは左後輪LWrを制御し、電動機2B及び遊星歯車式減速機12Bは右後輪RWrを制御し、電動機2A及び遊星歯車式減速機12Aと電動機2B及び遊星歯車式減速機12Bは、減速機ケース11内で車幅方向に左右対称に配置されている。そして、減速機ケース11は、図4に示すように、車両3の骨格となるフレームの一部であるフレーム部材13の支持部13a、13bと、不図示の駆動装置1のフレームで支持されている。支持部13a、13bは、車幅方向でフレーム部材13の中心に対し左右に設けられている。なお、図4中の矢印は、駆動装置1が車両3に搭載された状態における位置関係を示している。
減速機ケース11の左右両端側内部には、それぞれ電動機2A、2Bのステータ14A、14Bが固定され、このステータ14A、14Bの内周側に環状のロータ15A、15Bが回転可能に配置されている。ロータ15A、15Bの内周部には車軸10A、10Bの外周を囲繞する円筒軸16A、16Bが結合され、この円筒軸16A、16Bが車軸10A、10Bと同軸で相対回転可能となるように減速機ケース11の端部壁17A、17Bと中間壁18A、18Bに軸受19A、19Bを介して支持されている。また、円筒軸16A、16Bの一端側の外周であって減速機ケース11の端部壁17A、17Bには、ロータ15A、15Bの回転位置情報をマネジメントECU9にフィードバックするためのレゾルバ20A、20Bが設けられている。なお、マネジメントECU9は、レゾルバ20A、20Bからの信号に基づいて、から電動機2A、2Bの回転数を検出できる。
また、遊星歯車式減速機12A、12Bは、サンギヤ21A、21Bと、このサンギヤ21に噛合される複数のプラネタリギヤ22A、22Bと、これらのプラネタリギヤ22A、22Bを支持するプラネタリキャリア23A、23Bと、プラネタリギヤ22A、22Bの外周側に噛合されるリングギヤ24A、24Bと、を備え、サンギヤ21A、21Bから電動機2A、2Bの駆動力が入力され、減速された駆動力がプラネタリキャリア23A、23Bを通して出力されるようになっている。
サンギヤ21A、21Bは円筒軸16A、16Bに一体に形成されている。また、プラネタリギヤ22A、22Bは、例えば図3に示すように、サンギヤ21A、21Bに直接噛合される大径の第1ピニオン26A、26Bと、この第1ピニオン26A、26Bよりも小径の第2ピニオン27A、27Bを有する2連ピニオンであり、これらの第1ピニオン26A、26Bと第2ピニオン27A、27Bが同軸にかつ軸方向にオフセットした状態で一体に形成されている。このプラネタリギヤ22A、22Bはプラネタリキャリア23A、23Bに支持され、プラネタリキャリア23A、23Bは、軸方向内側端部が径方向内側に伸びて車軸10A、10Bにスプライン嵌合され一体回転可能に支持されるとともに、軸受33A、33Bを介して中間壁18A、18Bに支持されている。
なお、中間壁18A、18Bは電動機2A、2Bを収容する電動機収容空間と遊星歯車式減速機12A、12Bを収容する減速機空間とを隔て、外径側から内径側に互いの軸方向間隔が広がるように屈曲して構成されている。そして、中間壁18A、18Bの内径側、且つ、遊星歯車式減速機12A、12B側にはプラネタリギヤ22A、22Bを支持する軸受33A、33Bが配置されるとともに中間壁18A、18Bの外径側、且つ、電動機2A、2B側にはステータ14A、14B用のバスリング41A、41Bが配置されている(図2参照)。
リングギヤ24A、24Bは、その内周面が小径の第2ピニオン27A、27Bに噛合されるギヤ部28A、28Bと、ギヤ部28A、28Bより小径で減速機ケース11の中間位置で互いに対向配置される小径部29A、29Bと、ギヤ部28A、28Bの軸方向内側端部と小径部29A、29Bの軸方向外側端部を径方向に連結する連結部30A、30Bとを備えて構成されている。この実施形態の場合、リングギヤ24A、24Bの最大半径は、第1ピニオン26A、26Bの車軸10A、10Bの中心からの最大距離よりも小さくなるように設定されている。小径部29A、29Bは、それぞれ後述する一方向クラッチ(ワンウェイクラッチ)50のインナーレース51とスプライン嵌合し、リングギヤ24A、24Bは一方向クラッチ50のインナーレース51と一体回転するように構成されている。
ところで、減速機ケース11とリングギヤ24A、24Bの間には円筒状の空間部が確保され、その空間部内に、リングギヤ24A、24Bに対する制動手段を構成する油圧ブレーキ60A、60Bが第1ピニオン26A、26Bと径方向でラップし、第2ピニオン27A、27Bと軸方向でラップして配置されている。油圧ブレーキ60A、60Bは、減速機ケース11の内径側で軸方向に伸びる筒状の外径側支持部34の内周面にスプライン嵌合された複数の固定プレート35A、35Bと、リングギヤ24A、24Bの外周面にスプライン嵌合された複数の回転プレート36A、36Bが軸方向に交互に配置され、これらのプレート35A、35B,36A、36Bが環状のピストン37A、37Bによって係合及び開放操作されるようになっている。ピストン37A、37Bは、減速機ケース11の中間位置から内径側に延設された左右分割壁39と、左右分割壁39によって連結された外径側支持部34と内径側支持部40間に形成された環状のシリンダ室38A、38Bに進退自在に収容されており、シリンダ室38A、38Bへの高圧オイルの導入によってピストン37A、37Bを前進させ、シリンダ室38A、38Bからオイルを排出することによってピストン37A、37Bを後退させる。なお、油圧ブレーキ60A、60Bは図4に示すように、前述したフレーム部材13の支持部13a、13b間に配置されたオイルポンプ70に接続されている。
また、さらに詳細には、ピストン37A、37Bは、軸方向前後に第1ピストン壁63A、63Bと第2ピストン壁64A、64Bを有し、これらのピストン壁63A、63B,64A、64Bが円筒状の内周壁65A、65Bによって連結されている。したがって、第1ピストン壁63A、63Bと第2ピストン壁64A、64Bの間には径方向外側に開口する環状空間が形成されているが、この環状空間は、シリンダ室38A、38Bの外壁内周面に固定された仕切部材66A、66Bによって軸方向前後に仕切られている。減速機ケース11の左右分割壁39と第2ピストン壁64A、64Bの間は高圧オイルが直接導入される第1作動室とされ、仕切部材66A、66Bと第1ピストン壁63A、63Bの間は、内周壁65A、65Bに形成された貫通孔を通して第1作動室と導通する第2作動室とされている。第2ピストン壁64A、64Bと仕切部材66A、66Bの間は大気圧に導通している。
この油圧ブレーキ60A、60Bでは、第1作動室と第2作動室に高圧オイルが導入され、第1ピストン壁63A、63Bと第2ピストン壁64A、64Bに作用するオイルの圧力によって固定プレート35A、35Bと回転プレート36A、36Bを相互に押し付けが可能である。したがって、軸方向前後の第1,第2ピストン壁63A、63B,64A、64Bによって大きな受圧面積を稼ぐことができるため、ピストン37A、37Bの径方向の面積を抑えたまま固定プレート35A、35Bと回転プレート36A、36Bに対する大きな押し付け力を得ることができる。
この油圧ブレーキ60A、60Bの場合、固定プレート35A、35Bが減速機ケース11から伸びる外径側支持部34に支持される一方で、回転プレート36A、36Bがリングギヤ24A、24Bに支持されているため、両プレート35A、35B,36A、36Bがピストン37A、37Bによって押し付けられると、両プレート35A、35B,36A、36B間の摩擦係合によってリングギヤ24A、24Bに制動力が作用し固定され、その状態からピストン37A、37Bによる係合が開放されると、リングギヤ24A、24Bの自由な回転が許容される。
また、軸方向で対向するリングギヤ24A、24Bの連結部30A、30B間にも空間部が確保され、その空間部内に、リングギヤ24A、24Bに対し一方向の動力のみを伝達し他方向の動力を遮断する一方向クラッチ50が配置されている。一方向クラッチ50は、インナーレース51とアウターレース52との間に多数のスプラグ53を介在させたものであって、そのインナーレース51がスプライン嵌合によりリングギヤ24A、24Bの小径部29A、29Bと一体回転するように構成されている。またアウターレース52は、内径側支持部40により位置決めされるとともに、回り止めされている。一方向クラッチ50は、車両3が前進する際に係合してリングギヤ24A、24Bの回転をロックするように構成されている。より具体的に、一方向クラッチ50は、リングギヤ24A、24Bに作用するトルクの作用方向によってリングギヤ24A、24Bをロック又は切り離すように構成されており、車両3が前進する際のサンギヤ21A、21Bの回転方向を正転方向とするとリングギヤ24A、24Bに逆転方向のトルクが作用する場合にリングギヤ24A、24Bの回転をロックする。
次に、このように構成された駆動装置1の制御について説明する。なお、図5〜図8は各状態における共線図を表わし、左側のS、Cはそれぞれ電動機2Aに連結された遊星歯車式減速機12Aのサンギヤ21A、車軸10Aに連結されたプラネタリキャリア23A、右側のS、Cはそれぞれ電動機2Bに連結された遊星歯車式減速機12Bのサンギヤ21B、車軸10Bに連結されたプラネタリキャリア23B、Rはリングギヤ24A、24B、BRKは油圧ブレーキ60A、60B、OWCは一方向クラッチ50を表わす。以下の説明において前進時のサンギヤ21A、21Bの回転方向を正転方向とする。また、図中、停車中の状態から上方が正転方向の回転、下方が逆転方向の回転であり、矢印は、上方が正転方向のトルクを表し、下方が逆転方向のトルクを表す。
図5は、車両3の停車中における共線図である。このとき、電動機2A、2Bは停止するとともに車軸10A、10Bは停止しているため、いずれの要素にもトルクは作用していない。
図6は、車両3が駆動装置1の電動機2A、2Bのモータトルクにより前進走行する場合、即ち駆動装置1がドライブ側となって車両3が前進する場合における共線図である。電動機2A、2Bを駆動すると、サンギヤ21A、21Bには正転方向のトルクが付加される。このとき、前述したように一方向クラッチ50によりリングギヤ24A、24Bはロックされて、逆転方向に回転しようとするリングギヤ24A、24Bに正転方向のロックトルクが付加される。これによりプラネタリキャリア23A、23Bは正転方向に回転し前進走行がなされる。なお、プラネタリキャリア23A、23Bには車軸10A、10Bからの走行抵抗が逆転方向に作用する。このように車両3の走行時には、イグニッションをONにして電動機2A、2Bのトルクをあげることで、一方向クラッチ50が機械的に係合してリングギヤ24A、24Bがロックされるので、油圧ブレーキ60A、60Bを駆動するオイルポンプ70を作動させずに車両3を発進することができる。これにより、車両3発進時の応答性を向上させることができる。
図7は、車両3が駆動ユニット6により前進走行している状態で電動機2A、2Bを停止する場合、即ち駆動装置1がコースト側で且つ電動機2A、2Bが停止する場合における共線図である。図6の状態から電動機2A、2Bを停止すると、プラネタリキャリア23A、23Bには車軸10A、10Bから前進走行を続けようとする正転方向のトルクが作用するので、リングギヤ24A、24Bには逆転方向のトルクが作用し一方向クラッチ50が開放される。従って、リングギヤ24A、24Bはプラネタリキャリア23A、23Bより早い速度で空転する。これにより、電動機2A、2Bで回生する必要がない場合に、油圧ブレーキ60A、60Bによりリングギヤ24A、24Bを固定しなければ、電動機2A、2Bは停止し、電動機2A、2Bの連れ回りを防止することができる。なお、このとき、電動機2A、2Bには正転方向のコギングトルクが作用し、コギングトルクとリングギヤ24A、24Bのフリクションと釣り合う合計トルク分は車軸10A、10Bの車軸ロスとなる。
図8は、車両3が駆動ユニット6により前進走行し、かつアクセルオフでの自然減速状態や、ブレーキにて制動減速している状態において、電動機2A、2Bにより回生する場合、即ち駆動装置1がコースト側で且つ電動機2A、2Bが回生する場合における共線図である。図6の状態から電動機2A、2Bを回生すると、プラネタリキャリア23A、23Bには車軸10A、10Bから前進走行を続けようとする正転方向のトルクが作用するので、リングギヤ24A、24Bには逆転方向のトルクが作用し一方向クラッチ50が開放される。このとき、油圧ブレーキ60A、60Bを係合してリングギヤ24A、24Bに逆転方向のロックトルクを付加することにより、リングギヤ24A、24Bは固定されるとともに電動機2A、2Bには逆転方向の回生トルクが作用する。これにより、電動機2A、2Bで回生充電することができる。
図9は、車両3の走行状態における電動機2A、2Bの状態と切離機構(一方向クラッチ50と油圧ブレーキ60A、60B)の状態を示した図である。なお、「フロント」とは前輪Wfを駆動する駆動ユニット6、「リア」とは後輪Wrを駆動する駆動装置1を表わし、○が作動(駆動、回生含む)、×が非作動(停止)を意味する。また、「MOT状態」とは、駆動装置1の電動機2A、2Bの状態を意味する。さらに「OWC」は一方向クラッチ50を意味し、「BRK」は油圧ブレーキ60A、60Bを意味する。
停車中は、駆動装置1の電動機2A、2Bは停止するとともに、前輪Wf側の駆動ユニット6、後輪Wr側の駆動装置1はいずれも停止しており、図5で説明したように切離機構も非作動状態となっている。
そして、イグニッションをONにした後、EV発進時は、後輪Wrの駆動装置1の電動機2A、2Bが駆動する。このとき、図6で説明したように、切離機構は一方向クラッチ50によりロックされ、電動機2A、2Bの動力が車軸10A、10Bに伝達される。
続いて加速時には、前輪Wf側の駆動ユニット6と後輪Wr側の駆動装置1の四輪駆動となり、このときも図6で説明したように、切離機構は一方向クラッチ50によりロックされ、電動機2A、2Bの動力が車軸10A、10Bに伝達される。
低・中速域のEVクルーズでは、モータ効率が良いため前輪Wf側の駆動ユニット6が非作動状態で、後輪Wr側の駆動装置1により後輪駆動となる。このときも図6で説明したように、切離機構は一方向クラッチ50によりロックされ、電動機2A、2Bの動力が車軸10A、10Bに伝達される。
一方、高速域の高速クルーズでは、エンジン効率が良いため前輪Wf側の駆動ユニット6による前輪駆動となる。このとき、図7で説明したように、切離機構の一方向クラッチ50が切り離される(OWCフリー)とともに油圧ブレーキ60A、60Bを作動しないため、電動機2A、2Bは停止する。
また、自然減速する場合も、図7で説明したように、切離機構の一方向クラッチ50が切り離される(OWCフリー)とともに油圧ブレーキ60A、60Bを作動しないため、電動機2A、2Bは停止する。
一方、減速回生する場合、例えば前輪Wf側の駆動ユニット6の駆動力により駆動する場合は、図8で説明したように、切離機構の一方向クラッチ50は切り離される(OWCフリー)が、油圧ブレーキ60A、60Bを係合することで、電動機2A、2Bで回生充電がなされる。
以下、図9及び図10を参照して、車両3が高速クルーズから減速回生に移行する際にマネジメントECU9が駆動装置1の電動機2A、2B及び油圧ブレーキ60A、60Bに対して行う制御について説明する。なお、図9には、車両3が高速クルーズから減速回生に移行するタイミングが楕円の点線で示されている。図10は、車両3が高速クルーズから減速回生に移行する際の各種パラメータを示すタイミングチャートである。
図9に示すように、車両3が高速クルーズ時は、前輪Wf側の駆動ユニット6による走行が行われ、駆動装置1の電動機2A、2Bは停止している。電動機2A、2Bは停止しているため、切離機構の一方向クラッチ50は切り離されている(OWCフリー)。さらに、油圧ブレーキ60A、60Bも作動していない。したがって、車両3は前輪駆動によって走行している。この状態でドライバが減速要求を行うと、マネジメントECU9は、電動機2A、2Bの回転数(モータ回転数)を目標回転数Nmrまで上げる指令(回転数同期指令)を行う。
なお、ドライバによる減速要求の有無は、図1に示したブレーキペダル踏力Brに基づいてマネジメントECU9が判断する。また、マネジメントECU9は、車速又は車軸10A、10Bの回転数に基づいて目標回転数Nmrを決定する。さらに、車速は、図1に示した車速センサ117からの信号に基づいてマネジメントECU9が判断し、車軸10A、10Bの回転数は、図1に示した回転数センサ117a,117bからの信号に基づいてマネジメントECU9が判断する。
マネジメントECU9は、モータ回転数が目標回転数Nmrよりも所定値低い値(Nmr−A)まで上がると、一定のトルクを出力するよう電動機2A、2Bを制御する。
マネジメントECU9は、電動機2A、2Bが一定のトルクを出力する制御を開始した後に、電動機2A、2Bの回転数同期が完了したと判断する。マネジメントECU9が電動機2A、2Bの回転数同期が完了したと判断するタイミングは、電動機2A、2Bの回転数が目標回転数Nmrに到達した時点、又は一定のトルクを出力するよう電動機2A、2Bの制御を開始してから所定時間が経過した時点である。
マネジメントECU9が電動機2A、2Bの回転数同期が完了したと判断すると、マネジメントECU9は、電動機2A、2Bの出力トルクを0に制御する。このとき、電動機2A、2Bには一方向クラッチ50が係合しない方向に回生トルクがかかっている。したがって、リングギヤ24A、24Bのロックを維持するために、マネジメントECU9は、油圧ブレーキ60A、60Bの駆動指令を行う。当該駆動指令に応じてオイルポンプ70から油圧ブレーキ60A、60Bにオイルが供給され、遊星歯車式減速機12A、12Bのリングギヤ24A、24Bは油圧ブレーキ60A、60Bによってロックされる。このようにして、油圧ブレーキ60A、60Bによりリングギヤ24A、24Bがロックされるため、電動機2A、2Bによる回生制動が行われ、車両3は減速する。
なお、マネジメントECU9による油圧ブレーキ60A、60Bの駆動指令のタイミングと、油圧ブレーキ60A、60Bによってリングギヤ24A、24Bがロックされるタイミングは同時ではない。すなわち、オイルポンプ70から油圧ブレーキ60A、60Bにオイルを供給するために要する時間やオイルの粘性等によって、リングギヤ24A、24Bがロックされるまでには時間を要する。
上記説明したように、本実施形態では、電動機2A、2Bが一定トルクを出力している状態で油圧ブレーキ60A、60Bが作動する。電動機2A、2Bの回生トルクが増大中に油圧ブレーキ60A、60Bが作動するとトルクが急激に伝達されるため、走行中の車両3にショックが発生する。しかし、上述したように、本実施形態では、油圧ブレーキ60A、60Bの作動時には、切離機構が一方向クラッチ50によりロックされている状態である。このとき、電動機2A、2Bの回転数が同期しており、リングギヤ24A、24Bは回転していないため、油圧ブレーキ60A、60Bの締結時も電動機2A、2Bの回生制御時にもショックが発生しない。
次に、図11及び図12を参照して、自然減速していた車両3が加速する際にマネジメントECU9が駆動装置1の電動機2A、2Bに対して行う制御について説明する。図11は、車両3の走行状態における電動機2A、2Bの状態と切離機構(一方向クラッチ50と油圧ブレーキ60A、60B)の状態を示した図である。なお、図11には、自然減速していた車両3が加速するタイミングが楕円の点線で示されている。図12は、自然減速していた車両3が加速する際の各種パラメータを示すタイミングチャートである。
図11に示すように、車両3が自然減速時は、駆動装置1の電動機2A、2Bは停止している。電動機2A、2Bは停止しているため、切離機構の一方向クラッチ50は切り離されている(OWCフリー)。さらに、油圧ブレーキ60A、60Bも作動していない。この状態でドライバが加速要求を行うと、マネジメントECU9は、電動機2A、2Bの回転数(モータ回転数)を目標回転数Nmrまで上げる指令(回転数同期指令)を行う。
なお、ドライバによる加速要求の有無は、図1に示したアクセルペダル開度Apに基づいてマネジメントECU9が判断する。また、マネジメントECU9は、車速又は車軸10A、10Bの回転数に基づいて目標回転数Nmrを決定する。さらに、車速は、図1に示した車速センサ117からの信号に基づいてマネジメントECU9が判断し、車軸10A、10Bの回転数は、図1に示した回転数センサ117a,117bからの信号に基づいてマネジメントECU9が判断する。
マネジメントECU9は、モータ回転数が目標回転数Nmrよりも所定値低い値(Nmr−A)まで上がると、一定のトルクを出力するよう電動機2A、2Bを制御する。マネジメントECU9は、電動機2A、2Bが一定のトルクを出力する制御を開始した後に、電動機2A、2Bの回転数同期が完了したと判断する。マネジメントECU9が電動機2A、2Bの回転数同期が完了したと判断するタイミングは、電動機2A、2Bの回転数が目標回転数Nmrに到達した時点、又は一定のトルクを出力するよう電動機2A、2Bの制御を開始してから所定時間が経過した時点である。
なお、マネジメントECU9が電動機2A、2Bの回転数同期が完了したと判断する前には、一方向クラッチ50によって遊星歯車式減速機12A、12Bのリングギヤ24A、24Bはロックされる。このとき、電動機2A、2Bは一方向クラッチ50が係合する方向に駆動トルクを出力している。マネジメントECU9は、電動機2A、2Bの回転数同期が完了したと判断すると、要求トルクを出力するよう電動機2A、2Bを制御する。このように、電動機2A、2Bからの出力トルクは後輪Wrに伝達され、車両3は加速する。
上記説明したように、本実施形態では、電動機2A、2Bが一定トルクを出力している状態で一方向クラッチ50によるリングギヤ24A、24Bのロックが行われる。電動機2A、2Bの出力トルクが増大中にリングギヤ24A、24Bがロックされるとトルクが急激に後輪Wr伝達されるため、走行中の車両3にショックが発生する。しかし、上述したように、本実施形態では、一方向クラッチ50によってリングギヤ24A、24Bがロックされるときの電動機2A、2Bの出力トルクは一定であるため、ショックが発生しない。なお、上記説明は、自然減速していた車両3が加速する際の例についてであるが、高速クルーズ中の車両3がさらに加速する際にも同様の制御が行われる。
以上説明したマネジメントECU9が駆動装置1の電動機2A、2B及び油圧ブレーキ60A、60Bに対して行う制御をフローチャートに基づいて説明する。図13は、マネジメントECU9が行う制御の内容を示すフローチャートである。図13に示すように、マネジメントECU9は、ブレーキペダル踏力Brに基づいて、ドライバからの減速要求の有無を判断する(ステップS101)。減速要求がある場合にはステップS103に進み、減速要求がない場合にはステップS121に進む。
ステップS103では、マネジメントECU9は、回転数センサ117a,117bからの信号に基づいて車軸10A、10Bの回転数を検出する。次に、マネジメントECU9は、当該回転数に基づいて目標回転数Nmrを決定する(ステップS105)。次に、マネジメントECU9は、電動機2A、2Bの回転数(モータ回転数)Nmfを目標回転数Nmrまで上げる指令(回転数同期指令)を行う(ステップS107)。マネジメントECU9は、モータ回転数Nmfが目標回転数Nmrよりも所定値低い値(Nmr−A)に到達したかを判断する(ステップS109)。
Nmf≧Nmr−Aの関係を満たすと、マネジメントECU9は、一定のトルクTを出力するよう電動機2A、2Bを制御する(ステップS111)。さらに、マネジメントECU9は、油圧ブレーキ60A、60Bの駆動指令を行う(ステップS113)。次に、マネジメントECU9は、モータ回転数Nmfが目標回転数Nmrに到達したかを判断する(ステップS115)。Nmf=Nmrの関係を満たすと、マネジメントECU9は、電動機2A、2Bの回転数同期が完了したと判断する(ステップS117)。ステップS115で回転数同期が完了したとマネジメントECU9が判断したとき、電動機2A、2Bには一方向クラッチ50が係合しない方向に回生トルクがかかっている。このため、マネジメントECU9は、当該判断後も油圧ブレーキ60A、60Bの駆動指令を出し続ける。したがって、電動機2A、2Bによる回生制動が行われ、車両3は減速する。
一方、減速要求がなくステップS121に進んだ場合、マネジメントECU9は、アクセルペダル開度Apに基づいて、ドライバからの加速要求の有無を判断する。加速要求がある場合にはステップS123に進み、加速要求がない場合にはステップS101に戻る。
ステップS123では、マネジメントECU9は、回転数センサ117a,117bからの信号に基づいて車軸10A、10Bの回転数を検出する。次に、マネジメントECU9は、当該回転数に基づいて目標回転数Nmrを決定する(ステップS125)。次に、マネジメントECU9は、電動機2A、2Bの回転数(モータ回転数)Nmfを目標回転数Nmrまで上げる指令(回転数同期指令)を行う(ステップS127)。マネジメントECU9は、モータ回転数Nmfが目標回転数Nmrよりも所定値低い値(Nmr−A)に到達したかを判断する(ステップS129)。
Nmf≧Nmr−Aの関係を満たすと、マネジメントECU9は、一定のトルクTを出力するよう電動機2A、2Bを制御する(ステップS131)。次に、マネジメントECU9は、モータ回転数Nmfが目標回転数Nmrに到達したかを判断する(ステップS133)。Nmf=Nmrの関係を満たすと、マネジメントECU9は、電動機2A、2Bの回転数同期が完了したと判断する(ステップS135)。マネジメントECU9は、電動機2A、2Bの回転数同期が完了したと判断すると、要求トルクを出力するよう電動機2A、2Bを制御する。したがって、電動機2A、2Bからの出力トルクが後輪Wrに伝達され、車両3は加速する。
上記説明した図13のフローチャートでは、ステップS115,S133で、モータ回転数Nmfが目標回転数Nmrに到達したかをマネジメントECU9が判断する。しかし、図14に示すように、ステップS115,S133の代わりに、マネジメントECU9は、電動機2A、2Bが一定のトルクTを出力する制御(ステップS111,S131)の開始からの経過時間tをカウントして(ステップS316,S334)、経過時間tが所定時間Bに達したかを判断しても良い(ステップS315,S333)。
以上説明したように、本実施形態では、車両3が高速クルーズから減速回生に移行する際には、電動機2A、2Bが一定トルクを出力している状態で油圧ブレーキ60A、60Bが作動するため、走行中の車両3にショックは発生しない。また、自然減速又は高速クルーズしていた車両3が加速する際には、電動機2A、2Bが一定トルクを出力している状態で一方向クラッチ50によるリングギヤ24A、24Bのロックが行われるため、走行中の車両3にショックは発生しない。
なお、本実施形態では、駆動装置1の電動機2A及び遊星歯車式減速機12Aは左後輪LWrを制御し、駆動装置1の電動機2B及び遊星歯車式減速機12Bは右後輪RWrを制御する。したがって、車両3が旋回中に電動機2A、2Bの駆動が必要な場合には、マネジメントECU9は、左右の電動機2A、2Bに対してそれぞれ異なるトルク要求を行う。すなわち、マネジメントECU9は、このときの車両3の走行状態に基づいて、左右の電動機2A、2Bに対する各要求トルクを算出する。マネジメントECU9は、これら2つの要求トルクの合計値が0以上か否かを判断する。当該合計値が0以上の場合、マネジメントECU9は、図13及び図14に示したステップS103〜S117の処理を行う。一方、当該合計値が0未満の場合、マネジメントECU9は、図13及び図14に示したステップS123〜S135の処理を行う。
また、本実施形態の駆動装置1には、左右の後輪Wrにそれぞれ対応した2つの電動機2A、2B及び2つの遊星歯車式減速機12A、12Bが設けられている。しかし、図15に示すように、左右の後輪Wrに共通した1つの電動機2及び遊星歯車式減速機12が設けられた形態であっても良い。但し、この場合、車両3が旋回できるよう、電動機2と車軸の間にはディファレンシャルギヤ118が設けられる。
1 駆動装置
2A 電動機
2B 電動機
4 内燃機関
5 電動機
6 駆動ユニット
7 トランスミッション
9 マネジメントECU
117 車速センサ
117a,117b 回転数センサ
10A 車軸
10B 車軸
11 減速機ケース
12A 遊星歯車式減速機
12B 遊星歯車式減速機
13 フレーム部材
13a 支持部
13b 支持部
16A、16B 円筒軸
18A、18B 中間壁
20A、20B レゾルバ
21A、21B サンギヤ
23A、23B プラネタリキャリア
24A、24B リングギヤ
26A、26B 第1ピニオン
27A、27B 第2ピニオン
33A、33B 軸受
41A、41B バスリング
50 一方向クラッチ
60A 油圧ブレーキ
60B 油圧ブレーキ
70 オイルポンプ
Wf 前輪
LWr 左後輪
RWr 右後輪

Claims (7)

  1. 前後輪軸の一方の軸である第1の車軸に駆動力を出力可能な駆動源と、
    前記前後輪軸の他方の軸である第2の車軸に駆動力を出力可能な電動機と、
    前記第2の車軸と前記電動機の間の動力伝達経路上に設けられ、前記電動機からの力行駆動力を前記第2の車軸に伝達する一方向動力伝達部と、
    前記第2の車軸と前記電動機の間の動力伝達経路上に前記一方向動力伝達部と並列に設けられ、前記電動機が回生駆動する際に、前記電動機と前記第2の車軸間において双方向の動力を伝達するブレーキと、を備えた車両の駆動制御装置であって、
    前記車両の速度又は前記第2の車軸の回転数を検出する第1検出部と、
    前記検出部が検出した前記車両の速度又は前記第2の車軸の回転数に基づいて、前記電動機の目標回転数を決定する目標回転数決定部と、
    前記電動機の回転数を検出する第2検出部と、
    前記駆動源からの駆動力によって前記車両が走行している状態で前記電動機の駆動を開始するとき、前記電動機の回転数が前記目標回転数に同期するよう前記電動機を制御し、かつ、前記電動機の出力トルクを制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記電動機の回転数が前記目標回転数よりも低い閾回転数に到達すると、所定のトルクを出力するよう前記電動機を制御することを特徴とする駆動制御装置。
  2. 請求項1に記載の駆動制御装置であって、
    前記制御部は、前記電動機が回生駆動する際には、前記電動機の回転数が前記目標回転数に同期すると、前記ブレーキを締結することを特徴とする駆動制御装置。
  3. 請求項1に記載の駆動制御装置であって、
    前記駆動源からの駆動力によって前記車両が走行している状態で前記電動機の力行駆動を開始するとき、
    前記制御部は、前記電動機の回転数が前記目標回転数に同期すると、要求されたトルクを出力するよう前記電動機を制御することを特徴とする駆動制御装置。
  4. 請求項1又は2に記載の駆動制御装置であって、
    前記駆動源からの駆動力によって前記車両が走行している状態で前記電動機の回生駆動を開始するとき、
    前記制御部は、前記電動機の回転数が前記目標回転数に同期すると、前記電動機の出力トルクを0に制御することを特徴とする駆動制御装置。
  5. 請求項1に記載の駆動制御装置であって、
    前記制御部は、前記電動機の回転数が前記閾回転数を超えて前記目標回転数に到達したとき、前記電動機の回転数が前記目標回転数に同期したと判断することを特徴とする駆動制御装置。
  6. 請求項1に記載の駆動制御装置であって、
    前記制御部は、前記所定のトルクを出力するよう前記電動機の制御を開始してから所定時間が経過したとき、前記電動機の回転数が前記目標回転数に同期したと判断することを特徴とする駆動制御装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の駆動制御装置であって、
    前記所定のトルクは、前記電動機の回転数が前記目標回転数に同期するために必要な一定のトルクであることを特徴とする駆動制御装置。
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