JP2011030308A - 電動車両用電源の電力供給制御装置 - Google Patents

電動車両用電源の電力供給制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011030308A
JP2011030308A JP2009171510A JP2009171510A JP2011030308A JP 2011030308 A JP2011030308 A JP 2011030308A JP 2009171510 A JP2009171510 A JP 2009171510A JP 2009171510 A JP2009171510 A JP 2009171510A JP 2011030308 A JP2011030308 A JP 2011030308A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
storage device
power storage
secondary battery
discharge
electric vehicle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2009171510A
Other languages
English (en)
Inventor
Susumu Kaneshige
進 兼重
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisan Industry Co Ltd
Original Assignee
Aisan Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisan Industry Co Ltd filed Critical Aisan Industry Co Ltd
Priority to JP2009171510A priority Critical patent/JP2011030308A/ja
Publication of JP2011030308A publication Critical patent/JP2011030308A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/72Electric energy management in electromobility

Landscapes

  • Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】電動車両用電源の劣化を抑え、その電源の長寿命化を図ると共に、その電源が放電電力不足となることを防いで電動車両が出力不足になることを防止すること。
【解決手段】電動車両用電源の電力供給制御装置は、大容量蓄電装置21と大出力蓄電装置22を複合電源として備え、電動車両への電力供給を制御するために大容量蓄電装置21及び大出力蓄電装置22による放電量及び充電量を制御するように構成される。この電力供給制御装置は、所定条件成立前は、主として大容量蓄電装置21から放電させ、所定条件成立後は、少なくとも大出力蓄電装置22から放電させるように放電対象を切り替える制御装置11、第1充放電量調整手段23及び第2充放電量調整手段24を備える。ここで、所定条件は、例えば、大容量蓄電装置21の温度に係る。制御装置11等は、温度センサ18にり検出される大容量蓄電装置21の温度に基づいて所定条件成立を判断する。
【選択図】 図2

Description

この発明は、電動車両に搭載される電動車両用電源に係り、詳しくは、その電源から電動機への電力供給を制御するように構成した電動車両用電源の電力供給制御装置に関する。
従来、この種の技術として、例えば、下記の特許文献1に記載の「二次電池の充放電制御装置」が知られている。この装置は、ハイブリッド自動車等の電動車両に搭載された二次電池の充放電電力を制御するものであり、特に、二次電池の置かれた環境や二次電池の負荷状態に基づき充放電電力を制御するように構成される。詳しくは、この装置は、二次電池の温度を検出する温度センサと、二次電池の蓄電量を検出する電圧センサ及び電流センサと、それらセンサの検出結果に基づいて二次電池の充放電電力を制御する制御CPUとを備える。制御CPUは、検出された二次電池の温度が所定温度以下である場合に、予め定められた、温度に応じて変化する充放電電力の上限値を超えないように、二次電池の充放電電力を制御するようになっている。これにより、低温時に大電流が流れることを抑制し、二次電池の端子間電圧の低下を抑えるようになっている。また、制御CPUは、検出された温度が所定温度以上である場合に、予め定められた、温度に応じて変化する充放電電力の上限値を超えないように、二次電池の充放電電力を制御するようになっている。これにより、高温時に二次電池の劣化を抑えるようになっている。更に、制御CPUは、予め定められた、蓄電量に応じて変化する充放電電力の上限値を超えないように、二次電池の充放電電力を制御するようになっている。これにより、二次電池の蓄電量が極端に減少したり、極端に増加したりすることを防止するようになっている。
一方、リチウムイオン電池に代表される二次電池を使用した電動車両では、その二次電池の温度が低いと電池出力が低下する傾向にある。このため、冷間時には、二次電池を加熱したり、保温したりする。また、二次電池を放電させれば二次電池の温度は上昇するが、二次電池を放電させて大出力を発生させると、二次電池の温度が必要以上に上昇して二次電池の寿命が短くなるおそれがあり、二次電池を冷却する必要がある。そこで、下記の特許文献2に記載の技術では、二次電池を容器に収容し、断熱材で覆って保温する。そして、二次電池の温度が上昇した場合に、断熱材の一部を開放して二次電池に冷却風を当てることにより、二次電池を冷却するように構成される。
特開平11−187577号公報 特開2008−269855号公報
ところで、特許文献1に記載の装置では、二次電池の置かれた環境や二次電池の負荷状態に応じて充放電電力を制御することにより、二次電池の劣化を抑え、二次電池の寿命を延ばしていたが、充放電の制御対象として二次電池を備えるだけであった。このため、例えば、電動車両を急加速させるような高負荷時には、二次電池に過剰な負荷がかかるおそれがあった。また、高負荷時には、二次電池からの放電電力が不足して、電動車両が出力不足となり、必要な加速感が得られなくなるおそれがあった。
また、特許文献2に記載した技術では、断熱材の一部を開放するための機構が必要になった。このため、製造コストが上昇し、断熱材の開放部位にて外気と容器内が連通し、二次電池の保温性が不十分になるという問題点があった。また、断熱材の一部を開放するため、冷間時に二次電池を加熱するのに要したエネルギーを無駄に放出してしまうこととなり、エネルギー損失が少なくなかった。
この発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、電動車両用電源の劣化を抑え、その電源の長寿命化を図ると共に、その電源が放電電力不足となることを防いで電動車両が出力不足になることを防止できる電動車両用電源の電力供給制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、大容量蓄電装置と大出力蓄電装置を複合電源として備え、電動車両への電力供給を制御するために大容量蓄電装置及び大出力蓄電装置による放電量及び充電量を制御するように構成した電動車両用電源の電力供給制御装置において、所定条件の成立前は、主として大容量蓄電装置から放電させ、所定条件の成立後は、少なくとも大出力蓄電装置から放電させるように放電対象を切り替える放電切替制御手段を備えたことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、複合電源が大容量蓄電装置と大出力蓄電装置から構成され、所定条件の成立前には、主として大容量蓄電装置から放電させるように、放電切替制御手段により、放電対象が大容量蓄電装置に切り替えられるので、大容量蓄電装置の温度上昇が早まる。また、所定条件の成立後には、少なくとも大出力蓄電装置から放電させるように、放電切替制御手段により、放電対象が大出力蓄電装置に切り替えられるので、必要十分な電力が電動車両に供給されると共に、大容量蓄電装置への負担が軽減され、その温度が適正に保たれる。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、所定条件は、大容量蓄電装置の温度に係り、大容量蓄電装置の温度を検出する温度検出手段を備え、放電切替制御手段は、温度検出手段により検出される温度に基づいて所定条件の成立を判断することを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、大容量蓄電装置の温度に基づいて所定条件の成立が判断されるので、大容量蓄電装置の活性状態が、温度により直接的に所定条件に反映される。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、所定条件は、電動車両の走行開始からの走行時間に係り、走行時間を計測する走行時間計測手段を備え、放電切替制御手段は、走行時間計測手段により計測される走行時間に基づいて所定条件の成立を判断することを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、電動車両の走行時間に基づいて所定条件の成立が判断されるので、大容量蓄電装置の活性状態が、走行時間により間接的に所定条件に反映される。
上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一つに記載の発明において、所定条件の成立後は、所定時間当たりの消費電力量から算出した平均消費電力量を大容量蓄電装置から放電させ、変動負荷と平均消費電力量との差を大出力蓄電装置から放電させ、又は大出力蓄電装置に充電させるように充放電対象を制御する充放電制御手段を備えたことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1乃至3の何れか一つに記載の発明の作用に加え、所定条件の成立後は、平均消費電力量を大容量蓄電装置から放電させ、変動負荷と平均消費電力量との差を大出力蓄電装置から放電させ、又は大出力蓄電装置に充電させるので、大容量蓄電装置に対する負担が軽減されると共に、同装置の温度が安定的に保たれる。
上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、大容量蓄電装置と大出力蓄電装置を複合電源として備え、電動車両への電力供給を制御するために大容量蓄電装置及び大出力蓄電装置による放電量及び充電量を制御するように構成した電動車両用電源の電力供給制御装置において、大容量蓄電装置を収容する断熱容器と、大容量蓄電装置の放電量を制御して大容量蓄電装置の温度を監視する温度監視手段と、変動負荷と大容量蓄電装置からの放電電力との差を大出力蓄電装置から放電させ、又は大出力蓄電装置に充電させるように制御する充放電制御手段とを備えたことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、変動負荷と大容量蓄電装置の放電電力との差が、充放電制御手段により、大出力蓄電装置から放電され、又は大出力蓄電装置に充電されるので、大容量蓄電装置への負担が軽減される。その上、大容量蓄電装置が断熱容器に収容され、温度監視手段により、大容量蓄電装置の温度が監視されながら大容量蓄電装置の放電量が制御されるので、断熱容器の中の熱が逃げにくくなり、大容量蓄電装置からの放電時には、大容量蓄電装置の温度上昇が早まり、その放電停止後には、暖まった大容量蓄電装置の温度が持続的に保たれる。この意味で、大容量蓄電装置への負担が更に軽減される。
上記目的を達成するために、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、大容量蓄電装置からの放電電力は、所定時間当たりの消費電力量から算出した平均消費電力量であることを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項5に記載の発明の作用に加え、大容量蓄電装置からの放電電力が、所定時間当たりの消費電力量から算出された平均消費電力量であるので、大容量蓄電装置から必要以上に放電することがなく、大容量蓄電装置への負担が更に軽減される。
上記目的を達成するために、請求項7に記載の発明は、大容量蓄電装置と大出力蓄電装置を複合電源として備え、電動車両への電力供給を制御するために大容量蓄電装置及び大出力蓄電装置による放電量及び充電量を制御するように構成した電動車両用電源の電力供給制御装置において、大容量蓄電装置は、第1の大容量蓄電装置と第2の大容量蓄電装置を含むことと、第1の大容量蓄電装置を収容する高断熱容器と、第2の大容量蓄電装置を収容する低断熱容器と、第1及び第2の大容量蓄電装置の放電量及び充電量を変動負荷に応じて制御する充放電制御手段とを備え、充放電制御手段は、変動負荷と第1及び第2の大容量蓄電装置ごとに異なる放電電力との差を大出力蓄電装置から放電させ、又は大出力蓄電装置に充電させるように制御することを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、大容量蓄電装置が第1の大容量蓄電装置と第2の大容量蓄電装置に分けられ、一方の第1の大容量蓄電装置が高断熱容器に収容され、他方の第2の大容量蓄電装置が低断熱容器に収容される。従って、高断熱容器と低断熱容器の中の熱が逃げ難く、第1及び第2の大容量蓄電装置の温度上昇が早まり、その温度の持続的に保たれる。また、高断熱容器と低断熱容器との間で、温度上昇と温度持続性に差が付けられる。また、変動負荷と第1及び第2の大容量蓄電装置の放電電力ごとに異なる放電電力との差が、充放電制御手段により大出力蓄電装置から放電され、又は大出力蓄電装置に充電されるので、第1及び第2の大容量蓄電装置への負担が軽減される。
上記目的を達成するために、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、充放電制御手段は、所定時間当たりの消費電力量から算出した平均消費電力量を第1及び第2の大容量蓄電装置から放電させるように制御することを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項7に記載の発明の作用に加え、所定時間当たりの消費電力量から算出された平均消費電力量を第1及び第2の大容量蓄電装置から放電させるように第1及び第2の大容量蓄電装置が充放電制御手段により制御されるので、第1及び第2の大容量蓄電装置から過剰に放電されることがなく、第1及び第2の大容量蓄電装置への負担が軽減される。
上記目的を達成するために、請求項9に記載の発明は、請求項7又は8に記載の発明において、高断熱容器は、第1の大容量蓄電装置を加熱する加熱手段を備えたことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項7又は8に記載の発明の作用に加え、冷間時に加熱手段を作動させることで、第1の大容量蓄電装置を速やかに加熱できる。
上記目的を達成するために、請求項10に記載の発明は、請求項7又は8に記載の発明において、高断熱容器は、真空断熱構造を備えたことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項7又は8に記載の発明の作用に加え、真空断熱構造であることから、高断熱容器が軽量化される。
上記目的を達成するために、請求項11に記載の発明は、請求項7乃至10の何れか一つに記載の発明において、高断熱容器に収容された第1の大容量蓄電装置と、低断熱容器に収容された第2の大容量蓄電装置は、出力電力が互いに異なる割合に設定されることを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項7乃至10の何れか一つに記載の発明の作用に加え、第1の大容量蓄電装置と第2の大容量蓄電装置は、出力電力が互いに異なる割合に設定されるので、それぞれの割合に応じて第1及び第2の大容量蓄電装置を使い分けることが可能となる。
請求項1に記載の発明によれば、大容量蓄電装置の劣化を抑えることができ、大容量蓄電装置の長寿命化を図ることができると共に、電源が放電電力不足となることを防いで電動車両が出力不足となることを防止することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、大容量蓄電装置の温度の管理を正確に行いながら、その大容量蓄電装置の寿命を更に延ばすことができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、大容量蓄電装置の温度の管理を温度検出手段を使うことなく行いながら、その大容量蓄電装置の寿命を更に延ばすことができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の何れか一つに記載の発明の効果に加え、大容量蓄電装置の温度を適正に管理することができ、大容量蓄電装置の劣化を抑えることができ、その大容量蓄電装置を更に長寿命化することができる。
請求項5に記載の発明によれば、大容量蓄電装置の温度を速やかに適正に管理することができ、大容量蓄電装置の劣化を抑えることができ、その大容量蓄電装置を更に長寿命化することができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載の発明の効果に対し、大容量蓄電装置の劣化を効果的抑えることができ、大容量蓄電装置の長寿命化を助長することができる。
請求項7に記載の発明によれば、第1及び第2の大容量蓄電装置の温度管理が容易となり、各大容量蓄電装置の冷却が容易となる。このため、各大容量蓄電装置をそれぞれ速やかに冷却することができ、それらを冷却するために、高断熱断容器及び低断熱容器を開放状態にするなどの特別な構造を別途設ける必要がない。
請求項8に記載の発明によれば、請求項7に記載の発明の効果に加え、第1及び第2の大容量蓄電装置の劣化を抑えることができ、各大容量蓄電装置の長寿命化を図ることができる。また、複合電源が放電電力不足となることを防いで電動車両が出力不足となることを防止することができる。
請求項9に記載の発明によれば、請求項7又は8に記載の発明の効果に加え、第1の大容量蓄電装置を早期に活性化させて放電させることができ、冷間時から電動車両を早期に安定走行させることができる。
請求項10に記載の発明によれば、請求項7又は8に記載の発明の効果に加え、複合電源全体の重量化を防止することができる。
請求項11に記載の発明によれば、請求項7乃至10の何れか一つに記載の発明の効果に加え、2つの大容量蓄電装置の温度管理を容易にすることができる。
第1実施形態に係り、電動車両を示す概略構成図。 同じく、電動車両の電気的構成を示すブロック図。 同じく、大容量蓄電装置の充電量及び放電量を算出するための処理内容を示すフローチャート。 同じく、大出力蓄電装置の充電量及び放電量を算出するための処理内容を示すフローチャート。 同じく、大容量蓄電装置の電圧及び電動機の誘導起電圧を制御するための処理内容を示すフローチャート。 同じく、大出力蓄電装置の電圧、電動機の誘導起電圧及び大出力蓄電装置の電動機側の電圧を制御するための処理内容を示すフローチャート。 同じく、電力供給装置と一つの電動機(直流モータ)の関係を示す回路構成図。 同じく、所定条件成立前の力行時における電力供給装置と一つの直流モータとの間の電流方向、電圧の大小関係等を示す回路構成図。 同じく、所定条件成立前の回生時における電力供給装置と一つの直流モータとの間の電流方向、電圧の大小関係等を示す回路構成図。 同じく、所定条件成立後の高負荷時における電力供給装置と一つの直流モータとの間の電流方向、電圧の大小関係等を示す回路構成図。 同じく、所定条件成立後の低負荷時における電力供給装置と一つの直流モータとの間の電流方向、電圧の大小関係等を示す回路構成図。 同じく、所定条件成立後の回生時における電力供給装置と一つの直流モータとの間の電流方向、電圧の大小関係等を示す回路構成図。 同じく、「10・15モード」で電動車両を走行させた場合の二次電池の出力(放電電力)とキャパシタの出力(放電電力)の変化のシミュレーションを示すグラフ。 同じく、「10・15モード」で電動車両を走行させた場合の二次電池温度の変化のシミュレーションを示すグラフ。 第2実施形態に係り、大容量蓄電装置(二次電池)の保温構造を示す断面図。 同じく、「10・15モード」で電動車両を走行させた場合の所定条件成立前における電動車両の走行負荷の変化のシミュレーションを示すグラフ。 同じく、「10・15モード」で電動車両を走行させた場合の所定条件成立後における大容量蓄電装置(二次電池)の出力(放電電力)と大出力蓄電装置(キャパシタ)の出力(放電電力)の変化のシミュレーションを示すグラフ。 同じく、電力制御を行った場合の大容量蓄電装置(二次電池)の温度変化のシミュレーションを示すグラフ。 同じく、二次電池の保温特性を示すグラフ。 同じく、二次電池温度と二次電池の内部抵抗との関係を示すグラフ。 第3実施形態に係り、電動車両の電気的構成を示すブロック図。 同じく、第1大容量蓄電装置の高断熱構造等を示す断面図。 同じく、第2大容量蓄電装置の低断熱構造等を示す断面図。 同じく、第1及び第2の大容量蓄電装置の充電量及び放電量を算出するための処理内容を示すフローチャート。 同じく、大出力蓄電装置の充電量及び放電量を算出するための処理内容を示すフローチャート。 同じく、第1及び第2の大容量蓄電装置の電圧及び電動機の誘導起電圧を制御するための処理内容を示すフローチャート。 同じく、大出力蓄電装置の電圧、電動機の誘導起電圧及び各大容量蓄電装置の電動機側電圧を制御するための処理内容を示すフローチャート。 同じく、電力供給装置と一つの直流モータの関係を示す回路構成図。 同じく、所定条件成立前の力行時における電力供給装置と一つの直流モータとの間の電流方向、電圧の大小関係等を示す回路構成図。 同じく、所定条件成立前の回生時における電力供給装置と一つの直流モータとの間の電流方向、電圧の大小関係等を示す回路構成図。 同じく、所定条件成立後の高負荷時における電力供給装置と一つの直流モータとの間の電流方向、電圧の大小関係等を示す回路構成図。 同じく、所定条件成立後の低負荷時における電力供給装置と一つの電動機直流モータとの間の電流方向、電圧の大小関係等を示す回路構成図。 同じく、所定条件成立後の回生時における電力供給装置と一つの直流モータとの間の電流方向、電圧の大小関係等を示す回路構成図。 同じく、「10・15モード」で電動車両を走行させた場合の所定条件成立前の走行負荷の変化のシミュレーションを示すグラフ。 同じく、「10・15モード」で電動車両を走行させた場合の所定条件成立後の二次電池の出力(放電電力)とキャパシタの出力(放電電力)の変化のシミュレーションを示すグラフ。 同じく、「10・15モード」で電動車両を走行させた場合の二次電池の温度の変化のシミュレーションを示すグラフ。 同じく、二次電池温度の経時変化(二次電池保温特性)を示すグラフ。 同じく、二次電池温度と二次電池内部抵抗との関係(二次電池内部抵抗特性)を示すグラフ。 第4実施形態に係り、電動車両の電気的構成を示すブロック図。 同じく、電動車両の走行前に二次電池の温度を上げるための処理内容を示すフローチャート。 同じく、電動車両の走行時に二次電池の温度を低減させるための処理内容を示すフローチャート。 同じく、電動車両の停車前に二次電池の温度を上昇させるための処理内容を示すフローチャート。 同じく、「1日前」〜「7日前」の7日分の位置情報履歴をグループ化したグループデータを示すタイムチャート。 同じく、4つのグループデータのそれぞれから選択された「7日前」、「14日前」、「21日前」及び「28日前」の位置情報履歴を上下に並べて示すタイムチャート。 同じく、二次電池温度と二次電池の内部抵抗との関係を示すグラフ。 同じく、充放電制御に参照される、「7日前」の電動車両の位置情報、車両消費電力情報、二次電池充放電情報及びキャパシタ充放電情報の関係を概念的に示すタイムチャート。 同じく、「当日」の改善後の電動車両の位置情報、車両消費電力情報、二次電池充放電情報及びキャパシタ充放電情報の関係を概念的に示すタイムチャート。 同じく、電動車両放置後の二次電池温度の変化を示すグラフ。 同じく、電動車両の走行負荷の変化を示すグラフ。 同じく、二次電池及びキャパシタの出力変化を示すグラフ。 同じく、各種条件下で充放電制御を行った場合の二次電池温度の変化を示すグラフ。
[第1実施形態]
以下、本発明における電動車両用電源の電力供給制御装置を具体化した第1実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
図1に、この実施形態の電動車両1を概略構成図により示す。この電動車両1は、左右一対の操舵輪2,3と、それら操舵輪2,3を操作するためのハンドル4を含む操舵装置5と、左右一対の駆動輪6,7と、各駆動輪6,7を駆動するための一対の電動機8,9とを備える。各電動機8,9の出力軸8a,9aは、対応する駆動輪6,7に連結される。この他、電動車両1は、各電動機8,9に電力と駆動信号を供給する電力供給装置10と、この電力供給装置10を制御するための制御装置11とを備える。この電動車両1には、その運転状態を検出するために、各電動機8,9の回転を各駆動輪6,7の回転としてそれぞれ検出する回転センサ12,13と、操舵装置5に設けられて操舵輪2,3の舵角を検出する舵角センサ14と、電動車両1の車速SPを検出する車速センサ15と、運転者の加速操作を検出するアクセルセンサ16と、運転者の減速操作を検出するブレーキセンサ17と、電力供給装置10を構成する大容量蓄電装置21(図2参照)の温度THdを検出する温度センサ18とを備える。この温度センサ18は、本発明の温度検出手段に相当する。回転センサ12,13は、各電動機8,9の回転数Nmを検出する。アクセルセンサ16は、アクセルペダル19の開度(アクセル開度)ACPを検出し、ブレーキセンサ17は、ブレーキペダル20の踏力BTfを検出する。各センサ等12〜18は制御装置11に接続される。制御装置11は、電動車両1を制御するために、すなわち各電動機8,9を制御するために、各センサ等12〜18からの検出信号に基づき電力供給装置10を制御するようになっている。
図2に、電動車両1の電気的構成をブロック図により示す。電力供給装置10は、大容量蓄電装置21、大出力蓄電装置22、第1充放電量調整手段23及び第2充放電量調整手段24を備える。大容量蓄電装置21と大出力蓄電装置22は複合電源を構成する。第1充放電量調整手段23は、大容量蓄電装置21の充電量及び放電量を調整するようになっている。第2充放電量調整手段24は、大出力蓄電装置22の充電量及び放電量を調整するようになっている。制御装置11は、第1充放電量調整手段23及び第2充放電量調整手段24を制御するようになっている。大容量蓄電装置21として、リチウムイオン電池等からなる二次電池を使用することができる。大出力蓄電装置22として、キャパシタ(コンデンサ)を使用することができる。第1及び第2の充放電量調整手段23,24として、双方向昇降圧コンバータを使用することができる。
この実施形態で、電動機8,9として、一般的な直流モータを使用することができ、インバータを使えば交流モータを使用することもできる。直流モータを使用した場合、直流モータには、その回転数に比例して誘導起電圧が発生する。また、減速比を固定した場合、直流モータの回転数は、車速SPに比例することとなる。このため、車速を入力し、誘導起電圧に打ち勝つ電力を電動機8,9(直流モータ)に供給できる電圧値となるよう、制御装置11が第1及び第2の充放電量調整手段23,24を制御するようになっている。
この実施形態で、制御装置11には、電動車両1の走行時間TIt、電動車両1の消費電力量EW、大容量蓄電装置21の温度THd、アクセル開度ACP、ブレーキ踏力BTf及び車速SP(回転数Nm)が入力されるようになっている。アクセル開度ACP、ブレーキ踏力BTf及び車速SP(回転数Nm)は、電動車両1の運転状態を示すパラメータである。制御装置11は、走行時間TIt、消費電力量EW、大容量蓄電装置21の温度THd、アクセル開度ACP及びブレーキ踏力BTf等に基づき大容量蓄電装置21の放電量DVd及び充電量CVdを算出する。そして、制御装置11は、その算出された放電量DVdを大容量蓄電装置21から放電させ、その算出された充電量CVdを大容量蓄電装置21に充電するために、第1充放電量調整手段23を制御するようになっている。同様に、制御装置11は、走行時間TIt、消費電力量EW、大容量蓄電装置21の温度THd、アクセル開度ACP及びブレーキ踏力BTf等に基づき大出力蓄電装置22の放電量DVc及び充電量CVcを算出する。そして、制御装置11は、その算出された放電量DVcを大出力蓄電装置22から放電させ、その算出された充電量CVcを大出力蓄電装置22に充電するために、第2充放電量調整手段24を制御するようになっている。
上記した電動車両1の消費電力量EWは、制御装置11が各電動機8,9における電流値と電圧値の積を積分することで求めることができる。大出力蓄電装置22の蓄電残量は、同装置22の電圧値から算出することができる。制御装置11は、各センサ等12〜18による車速SP(回転数Nm)、アクセル開度ACP及びブレーキ踏力BTfの検出信号に基づき、電動車両1が必要とする電力、運転状態を判断し、その必要な電力と大容量蓄電装置21から放電される電力との差を、第2充放電量調整手段24を介して大出力蓄電装置22から電動機8,9へ放電させるようになっている。運転者による加速度及び一定速度の要求はアクセル開度ACPに反映される。アクセル開度ACPが大きいほど、その加速度の要求値は高く、電動車両1が必要とする電力も大きくなる。制御装置1は、アクセル開度ACPの検出信号から必要な電力を判断し、電動機8,9へ供給されるべき電力を決定するようになっている。
この実施形態では、制御装置11と第1充放電量調整手段23及び第2充放電量調整手段24により本発明の放電切替制御手段、充放電制御手段が構成される。また、制御装置11は、本発明の走行時間計測手段に相当する。
ここで、大容量蓄電装置21の充電量CVd及び放電量DVdを算出するために制御装置11が実行する処理内容を、図3に示すフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップ100で、制御装置11は、所定条件成立前か否かを判断する。制御装置11は、この判断を、例えば、電動車両1の走行開始からの走行時間TIt、又は、大容量蓄電装置21の温度THdに基づいて行う。すなわち、走行時間TItが所定時間Ti1(例えば「1200秒」)に達し、又は、温度THdが所定温度Th1(例えば「30℃」)に達した場合を、「所定条件成立後」とし、それ以外を、「所定条件成立前」とすることができる。この判断結果が肯定となる場合、制御装置11は、処理をステップ110へ移行し、この判断結果が否定となる場合、制御装置11は、処理をステップ140へ移行する。
ステップ100から移行してステップ110で、制御装置11は、アクセルペダル19が踏み込まれたか否かを判断する。制御装置11は、この判断をアクセルセンサ16の検出信号に基づいて行う。この判断結果が肯定となる場合、ステップ120で、制御装置11は、所定のマップ(関数データ)を参照することで、アクセル開度ACPに比例した放電量DVdを算出した後、処理をステップ100へ戻る。
ステップ110の判断結果が否定となる場合、ステップ130で、制御装置11は、所定のマップ(関数データ)を参照することで、ブレーキ踏力BTfに比例した充電量CVdを算出した後、処理をステップ100へ戻る。
一方、ステップ100から移行してステップ140では、制御装置11は、消費電力量EWの平均値である平均消費電力量EWmを算出する。制御装置11は、この算出を、現時点までの消費電力量EWを走行時間TItで除算することで行う。
その後、ステップ150で、制御装置11は、上記算出された平均消費電力量EWmを放電量DVdとした後、処理をステップ100へ戻る。
次に、大出力蓄電装置22の充電量CVc及び放電量DVcを算出するために制御装置11が実行する処理内容を、図4に示すフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップ200で、制御装置11は、図3のステップ100に準ずる方法で、所定条件成立後か否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合、制御装置11は、処理をステップ210へ移行し、この判断結果が否定となる場合、制御装置11は、処理をステップ200へ戻る。
ステップ210で、制御装置11は、図3のステップ110と同様の方法で、アクセルペダル19が踏み込まれたか否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合、制御装置11は、処理をステップ220へ移行し、この判断結果が否定となる場合、制御装置11は、処理をステップ250へ移行する。
ステップ220で、制御装置11は、アクセル開度ACPが所定値A1より大きいか否かを判断する。この所定値A1は、アクセル開度ACPが相対的に大きいこと、すなわち加速要求が大きいことを意味する。この判断結果が肯定となる場合、ステップ230で、制御装置11は、所定のマップ(関数データ)を参照することで、アクセル開度ACPに比例した放電量DVcを算出した後、処理をステップ200へ戻る。
ステップ220の判断結果が否定となる場合、ステップ240で、制御装置11は、所定のマップ(関数データ)を参照することで、アクセル開度ACPに反比例した充電量CVcを算出した後、処理をステップ200へ戻る。
一方、ステップ210から移行してステップ250で、制御装置11は、所定のマップ(関数データ)を参照することで、ブレーキ踏力BTfに比例した充電量CVcを算出した後、処理をステップ200へ戻る。
次に、大容量蓄電装置21の電圧Vd及び電動機8,9の誘導起電圧Vmを制御するために制御装置11が実行する処理内容を、図5に示すフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップ300で、制御装置11は、図3のステップ100と同様の方法で、所定条件成立前か否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合、制御装置11は、処理をステップ310へ移行し、この判断結果が否定となる場合、制御装置11は、処理をステップ380へ移行する。
ステップ310で、制御装置11は、図3のステップ110と同様の方法で、アクセルペダル19が踏み込まれたか否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合、制御装置11は、処理をステップ320へ移行し、この判断結果が否定となる場合、制御装置11は、処理をステップ350へ移行する。
ステップ320で、制御装置11は、電動機8,9の回転数Nmが所定値N1より大きいか否かを判断する。この所定値N1は、回転数Nmが相対的に高いこと、すなわち電動車両1の車速SPがある程度高いことを意味する。この判断結果が肯定となる場合、制御装置11は、ステップ330で、上記算出された放電量DVdに基づき第1充放電量調整手段23を制御して大容量蓄電装置21の電圧Vdを昇圧させ、大容量蓄電装置21から電動機8,9へ向けて放電させる。これにより、大容量蓄電装置21からの放電量を調整した後、処理をステップ300へ戻る。
ステップ320の判断結果が否定となる場合、制御装置11は、ステップ340で、上記算出された放電量DVdに基づき第1充放電量調整手段23を制御して大容量蓄電装置21の電圧Vdを降圧させ、大容量蓄電装置21から電動機8,9へ向けて放電させる。これにより、大容量蓄電装置21からの放電量を調整した後、処理をステップ300へ戻る。
一方、ステップ310から移行してステップ350で、制御装置11は、電動機8,9の回転数Nmが所定値N1より大きいか否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合、制御装置11は、ステップ360で、上記算出された充電量CVdに基づき第1充放電量調整手段23を制御して電動機8,9の誘導起電圧Vmを降圧させ、電動機8,9の発電を大容量蓄電装置21へ充電させる。これにより、大容量蓄電装置21への充電量を調整した後、処理をステップ300へ戻る。
ステップ350の判断結果が否定となる場合、制御装置11は、ステップ370で、上記算出された充電量CVdに基づき第1充放電量調整手段23を制御して電動機8,9の誘導起電圧Vmを昇圧させ、電動機8,9の発電を大容量蓄電装置21へ充電させる。これにより、大容量蓄電装置21への充電量を調整した後、処理をステップ300へ戻る。
一方、ステップ300から移行してステップ380では、制御装置11は、電動機8,9の回転数Nmが所定値N1より大きいか否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合、制御装置11は、ステップ390で、上記算出された放電量DVdに基づき第1充放電量調整手段23を制御して大容量蓄電装置21の電圧Vdを昇圧させ、大容量蓄電装置21から電動機8,9へ向けて放電させる。これにより、大容量蓄電装置21からの放電量を調整した後、処理をステップ300へ戻る。
ステップ380の判断結果が否定となる場合、制御装置11は、ステップ400で、上記算出された放電量DVdに基づき第1充放電量調整手段23を制御して大容量蓄電装置21の電圧Vdを降圧させ、大容量蓄電装置21から電動機8,9へ向けて放電させる。これにより、大容量蓄電装置21からの放電量を調整した後、ステップ300へ戻る。
次に、大出力蓄電装置22の電圧Vc、電動機8,9の誘導起電圧Vm及び大出力蓄電装置22の電動機8,9の側の電圧V1mをそれぞれ制御するために制御装置11が実行する処理内容を、図6に示すフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップ500で、制御装置11は、図3のステップ100に準ずる方法で、所定条件成立後か否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合、制御装置11は、処理をステップ510へ移行し、この判断結果が否定となる場合、制御装置11は、処理をステップ500へ戻る。
ステップ510で、制御装置11は、図3のステップ110と同様の方法で、アクセルペダル19が踏み込まれたか否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合、制御装置11は、処理をステップ520へ移行し、この判断結果が否定となる場合、制御装置11は、処理をステップ590へ移行する。
ステップ520で、制御装置11は、アクセル開度ACPが所定値A1より大きいか否かを判断する。この所定値A1は、アクセル開度ACPが相対的に大きいこと、すなわち加速要求がある程度大きいことを意味する。この判断結果が肯定となる場合、制御装置11は、処理をステップ530へ移行し、この判断結果が否定となる場合、制御装置11は、処理をステップ560へ移行する。
ステップ530で、制御装置11は、電動機8,9の回転数Nmが所定値N1より大きいか否かを判断する。この所定値N1は、回転数Nmが相対的に高いこと、すなわち電動車両1の車速SPがある程度高いことを意味する。この判断結果が肯定となる場合、制御装置11は、ステップ540で、上記算出された放電量DVcに基づき第2充放電量調整手段24を制御して大出力蓄電装置22の電圧Vcを昇圧させ、大出力蓄電装置22から電動機8,9へ向けて放電させる。これにより、大出力蓄電装置22からの放電量を調整した後、処理をステップ500へ戻る。
ステップ530の判断結果が否定となる場合、制御装置11は、ステップ550で、上記算出された放電量DVcに基づき第2充放電量調整手段24を制御して大出力蓄電装置22の電圧Vcを降下させ、大出力蓄電装置22から電動機8,9へ向けて放電させる。これにより、大出力蓄電装置22からの放電量を調整した後、処理をステップ500へ戻る。
一方、ステップ520から移行してステップ560で、制御装置11は、電動機8,9の回転数Nmが所定値N1より大きいか否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合、制御装置11は、ステップ570で、上記算出された充電量CVcに基づき第2充放電量調整手段24を制御して第1充放電量調整手段23の電動機8,9の側の電圧V1mを降圧させ、大容量蓄電装置21の電力を大出力蓄電装置22に充電させる。これにより、大出力蓄電装置22への充電量を調整した後、処理をステップ500へ戻る。
ステップ560の判断結果が否定となる場合、制御装置11は、ステップ580で、上記算出された充電量CVcに基づき第2充放電量調整手段24を制御して第1充放電量調整手段23の電動機8,9の側の電圧V1mを昇圧させ、大容量蓄電装置21の電力を大出力蓄電装置22に充電させる。これにより、大出力蓄電装置22への充電量を調整した後、処理をステップ500へ戻る。
一方、ステップ510から移行してステップ590では、制御装置11は、電動機8,9の回転数Nmが所定値N1より大きいか否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合、制御装置11は、ステップ600で、上記算出された充電量CVcに基づき第2充放電量調整手段24を制御して電動機8,9の誘導起電圧Vmを降圧させ、電動機8,9の発電を大出力蓄電装置22に充電させる。これにより、大出力蓄電装置22への充電量を調整した後、処理をステップ500へ戻る。
ステップ590の判断結果が否定となる場合、制御装置11は、ステップ610で、上記算出された充電量CVcに基づき第2充放電量調整手段24を制御して電動機8,9の誘導起電圧Vmを昇圧させ、電動機8,9の発電を大出力蓄電装置22に充電させる。これにより、大出力蓄電装置22への充電量を調整した後、処理をステップ500へ戻る。
ここで、上記した各種制御に係り、電力供給装置10と一つの電動機8の関係を、図7〜図12に示す回路構成図を参照して具体的に説明する。以下、図7〜図12に示すように、電動機8を「直流モータ8A」に、大容量蓄電装置21を「二次電池21A」に、大出力蓄電装置22を「キャパシタ22A」に、第1充放電量調整手段23を「第1双方向昇降圧コンバータ23A」に、第2充放電量調整手段24を「第2双方向昇降圧コンバータ24A」に、それぞれ置き換えて説明する。
この実施形態の電力供給制御装置によれば、電力制御の方法は、所定条件成立の前か後かにより大きく分けられる。この実施形態では、複合電源が二次電池21Aとキャパシタ22Aにより構成される。そして、所定条件成立前には、主として二次電池21Aから放電させるように、あるいは、二次電池21Aに充電させるように、制御装置11及び第1双方向昇降圧コンバータ23Aにより、放電対象又は充電対象を二次電池21Aに切り替える。これにより、二次電池21Aの温度THdの上昇が早められる。また、所定条件成立後には、少なくともキャパシタ22Aから放電させるように、あるいは、キャパシタ22Aに充電させるように、制御装置11及び第2双方向昇降圧コンバータ24Aにより、放電対象をキャパシタ22Aに切り替えられる。これにより、必要十分な放電電力が電動車両1の直流モータ8Aに供給されると共に、二次電池21Aの負担が軽減され、その温度THdが適正に保たれる。このため、複合電源を構成する二次電池21Aの温度THdを適正に管理することができ、二次電池21Aの劣化を抑えることができ、二次電池21Aの長寿命化を図ることができる。また、複合電源が放電電力不足となることを防いで電動車両1が出力不足となることを防止することができる。
図8及び図9は、所定条件成立前の各種運転条件における電流方向、各電圧V1m,Vmの大小関係を示す。図8及び図9において、「Vd」は二次電池21Aの電圧(二次電池電圧)を、「Vm」は直流モータ8Aの誘導起電圧(直流モータ誘導起電圧)を、「Vc」はキャパシタ22Aの電圧(キャパシタ電圧)を、「V1m」は第1双方向昇降圧コンバータ23Aの「モータ側電圧」を、「V1b」は第1双方向昇降圧コンバータ23Aの「二次電池側電圧」を、それぞれ示す。また、図8及び図9において、矢印は電流の方向を示す。直流モータ8Aは、その回転数Nmに比例して誘導起電圧Vmを発生させ、減速比を固定した場合に回転数Nmは車速SPに比例する。
所定条件成立前の電動車両1の「力行時」には、二次電池21Aから直流モータ8Aへ電力が供給されることとなり、二次電池電圧Vdが誘導起電圧Vmに打ち勝って直流モータ8Aに必要な電力を供給できるように、制御装置11は、回転数Nm(車速SP)に基づいて第1双方向昇降圧コンバータ23Aを制御する。これに対し、所定条件成立前の「回生時」には、直流モータ8Aで発生した電力が二次電池21Aに充電されることとなり、制御装置11は、回転数Nm(車速SP)に基づいて第1双方向昇降圧コンバータ23Aを制御する。
このように所定条件成立前の電動車両1の「力行時」には、図8に示すように、二次電池21Aから直流モータ8Aへ電力を供給する。図8において、低回転時には「Vd>V1m」となり、高回転時には「Vd<V1m」となる。また、「回生時」には、図9に示すように、直流モータ8Aから二次電池21Aへ電力を充電する。図9において、低回転時には「V1b>Vm」となり、高回転時には「V1b<Vm」となる。この場合、二次電池21Aだけを使用して電力制御を行えばよく、例えば、電動車両1に急加速の要求があり、二次電池21Aだけでは電力不足となるような場合だけ補足的にキャパシタ22Aを使用して直流モータ8Aへ電力を供給すればよい。
図10〜図12は、所定条件成立後の各種運転条件下における電流方向、各電圧の大小関係を示す。図10〜図12において、「V2m」は第2双方向昇降圧コンバータ24Aの「モータ側電圧」を、「V2c」は第2双方向昇降圧コンバータ24Aの「キャパシタ側電圧」を、それぞれ示す。また、図10〜図12において、矢印は電流の方向を示す。
所定条件成立後の電動車両1の「高負荷時」、すなわち、急加速等のように消費電力が急激に増加するような場合には、図10に示すように、第1双方向昇降圧コンバータ23Aのモータ側電圧V1mが直流モータ8Aの誘導起電圧Vmより大きく、第2双方向昇降圧コンバータ24Aのモータ側電圧V2mが直流モータ8Aの誘導起電圧Vmより大きくなる。従って、二次電池21Aから直流モータ8Aへ供給される電力の変動は極わずかとなるが、電動車両1に必要な電力と、直流モータ8Aへ供給される電力との間に差が生じる。このため、その電力差の存在を制御装置11が判断し、第2双方向昇降圧コンバータ24Aを制御してキャパシタ22Aから直流モータ8Aへ不足分の電力を供給する。図10において、低回転時には「Vd>V1m,Vc>V2m」となり、高回転時には「Vd<V1m,Vc<V2m」となる。
逆に、所定条件成立後の電動車両1の「低負荷時」、すなわち、直流モータ8Aの消費電力が少なくなるような場合には、図11に示すように、第1双方向昇降圧コンバータ23Aのモータ側電圧V1mが直流モータ8Aの誘導起電圧Vmより大きく、第2双方向昇降圧コンバータ24Aのキャパシタ側電圧V2cがキャパシタ電圧Vcより大きくなる。従って、二次電池21Aから供給される平均消費電力EWmの余剰分の存在を制御装置11が判断し、第2双方向昇降圧コンバータ24Aを制御してキャパシタ22Aに余剰分の電力を充電させる。図11において、低回転時には「Vd>V1m,V2c>V1m」となり、高回転時には「Vd<V1m,V2c<V1m」となる。
一方、所定条件成立後の電動車両1の「回生時」、すなわち、運転者がアクセルペダル19から足を離したような場合には、図12に示すように、第1双方向昇降圧コンバータ23Aのモータ側電圧V1mが直流モータ8Aの誘導起電圧Vmより大きく、第2双方向昇降圧コンバータ24Aのキャパシタ側電圧V2cがキャパシタ電圧Vcより大きくなる。従って、電動車両1が減速状態になったと制御装置11が判断すると、ブレーキ操作量に比例して直流モータ8Aから回生電力が発生し、その回生電力と二次電池21Aからの電力が併せてキャパシタ22Aに充電される。図12において、低回転時には「Vd>V1m,V2c>Vm」となり、高回転時には「Vd<V1m,V2c<Vm」となる。
所定条件成立後は、所定条件成立前とは異なり、電動車両1の走行状況に関係なく二次電池21Aからは放電のみ行い、放電量も極力安定した値であるほど二次電池21Aの温度THdの上昇を抑えることができる。例えば、図3のフローチャートにより説明したように、走行時間TItと消費電力量EWから平均消費電力量EWmを算出し、この平均消費電力量EWmの電力を二次電池21Aから直流モータ8Aへ供給するようになっている。
キャパシタ22Aの充電及び放電は、「高負荷時」、「低負荷時」及び「回生時」の3つの場合に分けられる。そして、「高負荷時」には、電動車両1が急加速等して消費電力量EWが急激に増加しても、前述のように二次電池21Aから直流モータ8Aへの電力供給は、平均消費電力量EWmにより行われる。これにより、二次電池21Aから直流モータ8Aへの電力供給量の増加はわずかで済む。このため、電動車両1が必要とする電力と二次電池21Aから直流モータ8Aへ供給される電力との間に差が発生し、その電力差の存在を制御装置11が判断して、第2双方向昇降圧コンバータ24Aによりキャパシタ22Aから直流モータ8Aへ不足分の電力を供給するようになっている。従って、所定条件成立後は、平均消費電力量EWmを二次電池21Aから放電させ、変動負荷と平均消費電力量EWmとの差をキャパシタ22Aから放電させるので、二次電池21Aに対する負担が軽減されると共に、同電池21Aの温度THdが安定的に保たれる。この結果、二次電池21Aの温度THdを適正に管理することができ、二次電池21Aの劣化を抑えることができ、二次電池21Aを更に長寿命化することができる。
一方、「低負荷時」に、直流モータ8Aの消費電力量EWが少なくなった場合には、二次電池21Aから直流モータ8Aへ供給される電力の余剰分の存在を制御装置11が判断し、その余剰分の電力を第2双方向昇降圧コンバータ24Aによりキャパシタ22Aに充電するようになっている。
また、運転者がアクセルペダル19から足を離したような場合には、電動車両1が「回生時」になったと制御装置11が判断し、ブレーキ操作量TBfに比例した直流モータ8Aからの回生電力と二次電池21Aからの電力を併せて第2双方向昇降圧コンバータ24Aによりキャパシタ22Aに充電するようになっている。上記のように電動車両1の運転状態の変化による電力供給の変動のほとんどは、キャパシタ22Aにより吸収されることとなる。
上記のように二次電池21A及びキャパシタ22Aに充電及び放電を行わせるための電力制御の内容は、図5及び図6のフローチャートにより既に説明した。この制御の基本的な考え方は、直流モータ8Aに電力を供給する場合は、直流モータ8Aの回転数に比例した誘導起電圧Vmに打ち勝ち、必要なトルクを発生させることのできる電流値となる電圧を二次電池21A及びキャパシタ22Aにより発生させることであり、二次電池21A及びキャパシタ22Aに充電する場合は、その充電に必要な電流値を発生させることのできる電圧を発生させればよい。
図13に、この実施形態の電力供給制御装置につき、「10・15モード」で電動車両1を走行させた場合の二次電池21Aの出力(放電電力)とキャパシタ22Aの出力(放電電力)の変化のシミュレーションをグラフにより示す。図13において、「所定条件」は、走行開始から走行時間TItが「1200秒(2サイクル)」に達したときとする。所定条件成立前は、電動車両1の走行に必要な電力はすべて二次電池21Aが賄うことから、二次電池21Aの出力は走行負荷と相関する。
所定条件成立後は、「1200秒」の間の消費電力量EWから算出した平均消費電力量EWmを二次電池21Aにより賄い、走行負荷との差をキャパシタ22Aにより補うかたちとなる。1200秒間の平均消費電力量EWmを二次電池21Aにより賄うため、モード後半の負荷が高くなる領域では、二次電池21Aの出力(放電電力)が増大するが、所定条件成立前に比べると格段に安定することが分かる。
図14に、この実施形態の電力供給制御につき、「10・15モード」で電動車両1を走行させた場合の二次電池21Aの温度THdの変化のシミュレーションをグラフにより示す。比較のために、同じ走行を二次電池のみの電力供給で行った場合と、二次電池とキャパシタを併用して走行開始当初から電力供給を行った場合を示す。
ここでは、外気温度が「25℃」のときを想定して計算を行った。二次電池のみの電力供給では、二次電池の温度THdの上昇が早い利点があるが、「4800秒」後には、二次電池の温度THdが「43℃」という高めの温度に達してしまい、二次電池の寿命の点で不利であることが分かる。二次電池とキャパシタを最初から併用した電力供給では、二次電池の負荷が少なく、発熱量が非常に少ないので、二次電池の寿命の点で有利であるが、「4800秒」後には、二次電池の温度THdが「30℃」にも達せず、同温度THdの上昇の点では不利であることが分かる。
これに対し、本実施形態では、電動車両1の走行開始から「1200秒」経過前(所定条件成立前)は、二次電池21Aのみによる電力供給となるので、二次電池のみの電力供給と同じ温度上昇により早期に二次電池21Aの温度を高めることができる。電動車両1の走行開始から「1200秒」経過後(所定条件成立後)は、二次電池21Aとキャパシタ22Aによる電力供給を行うことから、二次電池の温度THdが「32℃」程度でほぼ一定となり、適正な二次電池の温度THdを維持できることが分かる。
上記のシミュレーションは、「所定条件」を、走行開始からの走行時間(1200秒)に基づいて判断するようにしたが、二次電池温度THdが所定温度(例えば「30℃」)になることを基準に判断するようにしても同様の効果を得ることができる。また、上記のシミュレーションは、走行に必要な負荷と同じ電力を二次電池21Aにより賄っているが、必要とする電力以上の電力を二次電池21Aより供給し、余った電力をキャパシタ22Aに充電するようにすれば、上記の結果よりさらに二次電池温度THdの上昇を早めることができる。
この実施形態で、温度センサ18により検出される二次電池21Aの温度THdに基づいて所定条件の成立が判断されるので、二次電池21Aの活性状態が、二次電池21Aの温度THdにより直接的に所定条件に反映される。このため、二次電池21の温度THdの管理を正確に行いながら、その二次電池21Aの寿命を更に延ばすことができる。
また、この実施形態で、電動車両1の走行時間TItに基づいて所定条件の成立を判断した場合は、二次電池21Aの活性状態が、走行時間TItにより間接的に所定条件に反映される。このため、二次電池21の温度THdの管理を温度センサを使うことなく行いながら、その電池21Aの寿命を更に延ばすことができる。この場合は、温度センサを省略できるので、装置の構成を簡略化することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明における電動車両用電源の電力供給制御装置を具体化した第2実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明において、第1実施形態と同等の構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なった点を中心に説明する。
この実施形態で、大容量蓄電装置21(二次電池21A)は断熱構造を備えた点で第1実施形態と構成が異なる。図15に、この実施形態の大容量蓄電装置21(二次電池21A)の保温構造を断面図により示す。この実施形態で、大容量蓄電装置21(二次電池21A)は、複数の二次電池ユニット31を配線32により直列に接続することで構成される。この断熱構造は、大容量蓄電装置21(二次電池21A)を収容する断熱容器33を備える。この断熱容器33は、外壁33aと内壁33bにより二重構造の箱形に形成される。外壁33aと内壁33bとの間は、真空断熱層34、すなわち真空断熱構造となっている。二次電池ユニット31の一つには、その温度を検出するための温度センサ18が取り付けられる。断熱容器33の開口部33cには、蓋35が取付鋲36により固定される。蓋35には、電力用コネクタ37と、センサ用コネクタ38が設けられる。電力用コネクタ37には、二次電池ユニット31に接続された配線32が接続され、センサ用コネクタ38には、温度センサ18の配線39が接続される。
この実施形態で、制御装置11及び第1充放電量調整手段23(第1双方向昇降圧コンバータ23A)(図1及び図2参照)は、大容量蓄電装置21の放電量を制御して大容量蓄電装置21の温度を監視するように構成される。これら制御装置11及び第1充放電量調整手段23(第1双方向昇降圧コンバータ23A)は、本発明の温度監視手段を構成する。また、制御装置11は、電動車両1の変動負荷と大容量蓄電装置21(二次電池21A)からの放電電力との差を大出力蓄電装置22(キャパシタ22A)から放電させ、又は大出力蓄電装置22(キャパシタ22A)に充電させるように第2充放電量調整手段24(第2双方向昇降圧コンバータ24A)を制御するように構成される。この制御手段は、本発明の充放電制御手段に相当する。ここで、制御装置11は、大容量蓄電装置21(二次電池21A)からの放電電力として、所定時間当たりの消費電力量から平均消費電力量EWmを算出するようになっている。
図16に、この実施形態の電力供給制御装置につき、「10・15モード」で電動車両1を走行させた場合の、「所定条件成立前」における電動車両1の走行負荷の変化のシミュレーションをグラフにより示す。「所定条件成立前」は、電動車両1の走行に必要な電力はすべて大容量蓄電装置21(二次電池21A)が賄うことから、電動車両1の走行負荷の変化は、大容量蓄電装置21(二次電池21A)の出力(放電電力)と相関する。
図17に、同じく、この実施形態の電力供給制御装置につき、「10・15モード」で電動車両1を走行させた場合の、「所定条件成立後」における大容量蓄電装置21(二次電池21A)の出力(放電電力)と大出力蓄電装置22(キャパシタ22A)の出力(放電電力)の変化のシミュレーションをグラフにより示す。この実施形態で「所定条件」は、大容量蓄電装置21(二次電池21A)の温度THbが「35℃」になることとする。図17に示すように、「所定条件成立後」は、「1200秒」の間の消費電力量から算出した平均消費電力量EWmを大容量蓄電装置21(二次電池21A)より電動機8(直流モータ8A)に供給し、電動車両1の走行負荷との差を大出力蓄電装置22(キャパシタ22A)から放電させ、あるいは、大出力蓄電装置22(キャパシタ22A)に充電させる。
図17に示すように、「1200秒」の平均消費電力量EWmを大容量蓄電装置21(二次電池21A)より電動機8(直流モータ8A)に供給しているため、モード後半の走行負荷が高くなった領域では、大容量蓄電装置21(二次電池21A)の出力が増しているが、「所定条件成立前」(図16参照)と比べると、出力が格段に安定すること分かる。
図18に、上記した電力制御を行った場合の大容量蓄電装置21(二次電池21A)の温度THbの変化のシミュレーションをグラフにより示す。比較のために、同じ走行を、本実施形態と同様に高断熱の断熱容器に収容した二次電池のみを使用した場合と、低断熱の容器に収容した二次電池のみを使用した場合とを示す。図19に、本実施形態の二次電池21Aの保温特性(二次電池21Aをその温度が「40℃」のときから放置したときの温度変化)をグラフにより示す。比較のために、低断熱の断熱容器に収容した二次電池のみを使用した場合を示す。図20に、本実施形態に係り、二次電池温度(THd)と二次電池21Aの内部抵抗との関係をグラフにより示す。
図18に示すように、この場合、外気温が「−30℃」のときにシミュレーションを開始している。高断熱の断熱容器に収容した二次電池のみを使用した場合は、電動車両1の走行開始後「4200秒」で二次電池温度が「50℃」を超えてしまい、二次電池の寿命の点で不利である。これに対し、本実施形態の場合は、二次電池温度が「35℃」になるまでは、大容量蓄電装置21(二次電池21A)のみを使用して電動機8(直流モータ8A)に電力を供給しているので、高断熱の断熱容器に収容した二次電池のみを使用した場合と同じように、二次電池温度が上昇するが、二次電池温度が「35℃」になった後は、大容量蓄電装置21(二次電池21A)と大出力蓄電装置22(キャパシタ22A)の両方により電力制御を行い、最終的な二次電池温度を「40℃」に止めることができる。
一方、低断熱の断熱容器に収容した二次電池のみを使用した場合は、本実施形態と同様に最終的な二次電池温度を「40℃」に止めることができたが、図19に示す電池保温特性を見た場合、「10時間」経過後には、二次電池温度がほぼ外気温(−30℃)に低下してしまう。二次電池温度と二次電池の内部抵抗との関係特性は、図20に示すように、二次電池温度が「0℃」を下回るときに、内部抵抗が急激に増加することが分かる。従って、電動車両を毎日走行させる場合に、理想的な二次電池の使用方法は、二次電池温度が、内部抵抗が急増する「0℃」を下回らないことであり、本実施形態では、二次電池保温特性が、1日(24時間)経過後に「0℃」となり、翌日の電動車両走行開始時における二次電池出力特性を格段に改善することが可能となる。
この実施形態では、図15に示すように、大容量蓄電装置21(二次電池21A)が、真空断熱層34を有する断熱容器33に収容されるので、大容量蓄電装置21(二次電池21A)の温度が持続的に保たれる。また、大容量蓄電装置21(二次電池21A)の温度を調整するために、断熱容器33の開口部33cを開放する必要がないため、蓋35を開閉させる必要がなく、断熱容器33の内部を完全に外気から遮断することができ、断熱容器33の保温性能を高めることができる。
二次電池温度のシミュレーションでは、「−30℃」の極低温からの電動車両の走行開始を想定した場合であり、二次電池温度を急速に高めるために、走行初期に二次電池のみにより充電又は放電をさせているが、外気温度がさほど低くない場合は、急速に二次電池を暖める必要がない。また、次の走行時に、二次電池温度が走行に支障を与えるほど低下することがないので、走行初期より大出力蓄電装置22(キャパシタ22A)を用いて大容量蓄電装置21(二次電池21A)より安定した電力を供給することができる。また、逆に、夏場等に車両室内が非常に高くなった場合でも、二次電池温度があまり高くならないようにする効果も期待できる。
以上説明したように、この実施形態の電力供給制御装置によれば、変動負荷と大容量蓄電装置21(二次電池21A)の放電電力との差が、制御装置11等により、大出力蓄電装置22(キャパシタ22A)から放電され、又は大出力蓄電装置22(キャパシタ22A)に充電されるので、大容量蓄電装置21(二次電池21A)への負担が軽減される。その上、大容量蓄電装置21(二次電池21A)が断熱容器33に収容され、制御装置11等により、大容量蓄電装置21(二次電池21A)の温度THdが監視されながら大容量蓄電装置21(二次電池21A)の放電量が制御される。従って、断熱容器33の中の熱が逃げにくくなり、大容量蓄電装置21(二次電池21A)からの放電時には、その大容量蓄電装置21(二次電池21A)の温度上昇が早まり、放電停止後には、暖まった大容量蓄電装置21(二次電池21A)の温度THdを持続的に保たれる。この意味で、大容量蓄電装置21(二次電池21A)への負担が更に軽減される。この結果、大容量蓄電装置21(二次電池21A)の温度THdを速やかに適正に管理することができ、大容量蓄電装置21(二次電池21A)の劣化を抑えることができ、その大容量蓄電装置21(二次電池21A)を更に長寿命化することができる。
また、この実施形態では、大容量蓄電装置21(二次電池21A)からの放電電力が、所定時間当たりの消費電力量EWから算出された平均消費電力量EWmであるので、大容量蓄電装置21(二次電池21A)から必要以上に放電することがなく、大容量蓄電装置21(二次電池21A)への負担が更に軽減される。この意味からも、大容量蓄電装置21(二次電池21A)の劣化を効果的抑えることができ、大容量蓄電装置21(二次電池21A)の長寿命化を助長することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明における電動車両用電源の電力供給制御装置を具体化した第3実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
この実施形態では、大容量蓄電装置21の他に別の大容量蓄電装置25を備え、第1充放電量調整手段23の他に別の大容量蓄電装置25による充放電量を調整するための別の充放電量調整手段26を備えた点で第1及び第2の実施形態と構成が異なる。以下の説明では、大容量蓄電装置21を、第1大容量蓄電装置21と称し、別の大容量蓄電装置25を、第2大容量蓄電装置25と称し、別の充放電量調整手段26を、第3充放電量調整手段26と称するものとする。
図21に、この実施形態における電動車両1の電気的構成をブロック図により示す。電力供給装置10は、第1大容量蓄電装置21、第2大容量蓄電装置25、大出力蓄電装置22、第1充放電量調整手段23、第2充放電量調整手段24及び第3充放電量調整手段26を備える。第1大容量蓄電装置21、第2大容量蓄電装置25及び大出力蓄電装置22は複合電源を構成する。第1充放電量調整手段23は、第1大容量蓄電装置21の充電量及び放電量を調整するようになっている。第2充放電量調整手段24は、大容量蓄電装置22の充電量及び放電量を調整するようになっている。第3充放電量調整手段26は、第2大容量蓄電装置25の充電量及び放電量を調整するようになっている。制御装置11は、第1充放電量調整手段23、第2充放電量調整手段24及び第3充放電量調整手段26を制御するようになっている。第1大容量蓄電装置21には、その温度THd1を検出する温度センサ18が設けられ、第2大容量蓄電装置25には、その温度THd2を検出する温度センサ27が設けられる。第1大容量蓄電装置21及び第2大容量蓄電装置25として、リチウムイオン電池等からなる二次電池を使用することができる。大出力蓄電装置22として、キャパシタ(コンデンサ)を使用することができる。また、第1乃至第3の充放電量調整手段23,24,26として、双方向昇降圧コンバータを使用することができる。
この実施形態で、電動機8,9として、一般的な直流モータを使用することができ、インバータを使えば交流モータを使用することもできる。直流モータを使用した場合、直流モータには、その回転数に比例して誘導起電圧が発生する。また、減速比を固定した場合、直流モータの回転数は、車速SPに比例することとなる。このため、車速を入力し、誘導起電圧に打ち勝つ電力を電動機8,9(直流モータ)に供給できる電圧値となるよう、制御装置11が第1〜第3の充放電量調整手段23,24,26を制御するようになっている。
この実施形態で、制御装置11には、電動車両1の走行時間TIt、電動車両1の消費電力量EW、第1大容量蓄電装置21の温度THd1、第2大容量蓄電装置25の温度THd2、アクセル開度ACP、ブレーキ踏力BTf及び車速SP(回転数Nm)が入力されるようになっている。制御装置11は、走行時間TIt、消費電力量EW、第1及び第2の大容量蓄電装置21,25の温度THd1,THd2、アクセル開度ACP及びブレーキ踏力BTf等に基づき第1及び第2の大容量蓄電装置21,25の放電量DVd及び充電量CVdを算出する。そして、制御装置11は、その算出された放電量DVdを第1及び第2の大容量蓄電装置21,25から放電させ、その算出された充電量CVdを第1及び第2の大容量蓄電装置21,25に充電するために、第1及び第3の充放電量調整手段23,26を制御するようになっている。また、制御装置11は、走行時間TIt、消費電力量EW、大容量蓄電装置21の温度THd、アクセル開度ACP及びブレーキ踏力BTf等に基づき大出力蓄電装置22の放電量DVc及び充電量CVcを算出する。そして、制御装置11は、その算出された放電量DVcを大出力蓄電装置22から放電させ、その算出された充電量CVcを大出力蓄電装置22に充電するために、第2充放電量調整手段24を制御するようになっている。
この実施形態では、制御装置11と第1〜第3の充放電量調整手段23,24,26により本発明の放電切替制御手段、充放電制御手段が構成される。また、制御装置11は、本発明の走行時間計測手段に相当する。
この実施形態で、第1大容量蓄電装置21は高断熱構造と加熱手段を備える。図22に、この実施形態における第1大容量蓄電装置21の高断熱構造等を断面図により示す。第1大容量蓄電装置21は、複数の二次電池ユニット31を配線32により直列に接続することで構成される。この高断熱構造は、第1大容量蓄電装置21を収容する断熱容器33を備える。この断熱容器33は、外壁33aと内壁33bにより二重構造の箱形に形成され、外壁33aと内壁33bとの間は、真空断熱層34となっている。すなわち、この断熱容器33は、本発明の真空断熱構造を備える。二次電池ユニット31の一つには、温度センサ18が取り付けられる。断熱容器33の開口部33cには、蓋35が取り付けられる。断熱容器33の内部には、各二次電池ユニット31を加熱する本発明の加熱手段としての熱線よりなる電気ヒータ40が設けられる。上記のような断熱容器33が高断熱構造を有することで、第1大容量蓄電装置21につき高い保温性を確保することができる。また、断熱容器33を開放する必要がないため、開口部33cも蓋25により完全に外気から遮断することができる。これによっても、第1大容量蓄電装置21につき保温性を高めることができる。また、必要に応じて電気ヒータ40を作動させることにより、各二次電池ユニット31を加熱することができる。また、冷却を不要としているため、加熱に要した電力を無駄にすることもない。
図23に、この実施形態における第2大容量蓄電装置25の低断熱構造を断面図により示す。第2大容量蓄電装置25は、容器41に収容された複数の二次電池ユニット31を配線32により直列に接続することで構成される。容器41の開口部41aは、蓋35で塞がれる。この実施形態では、第2大容量蓄電装置25に、高い保温性を確保する必要がなく、冷却の必要もないことから、容器41には、単に金属や樹脂などの断熱性のそれほど高くない材料が使用される。二次電池ユニット31の一つには、温度センサ27が取り付けられる。なお、この実施形態では、上記した高断熱構造の断熱容器33により、本発明の高断熱容器が構成され、容器41により、本発明の低断熱容器が構成される。ここで、高断熱容器と低断熱容器の高低の違いは、絶対的なものでなく、相対的なものである。
ここで、第1及び第2の大容量蓄電装置21,25の充電量CVd及び放電量DVdを算出するために制御装置11が実行する処理内容を、図24に示すフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップ700で、制御装置11は、所定条件成立前か否かを判断する。制御装置11は、この判断を、例えば、第1及び第2の大容量蓄電装置21,25の温度THd1,THd2に基づいて行う。すなわち、温度THd1,THd2が所定温度Th1(例えば「30℃」)に達した場合を、「所定条件成立後」とし、それ以外を「所定条件成立前」とすることができる。この判断結果が肯定となる場合、制御装置11は、処理をステップ710へ移行し、この判断結果が否定となる場合、制御装置11は、処理をステップ750へ移行する。
ステップ710で、制御装置11は、電気ヒータ40をオンして第1大容量蓄電装置21を加熱する。
次に、ステップ720で、制御装置11は、アクセルペダル19が踏み込まれたか否かを判断する。制御装置11は、この判断をアクセルセンサ16の検出信号に基づいて行う。この判断結果が肯定となる場合、ステップ730で、制御装置11は、所定のマップ(関数データ)を参照することで、アクセル開度ACPと第1割合α又は第2割合βとの乗算結果に比例した放電量DVdを算出した後、処理をステップ700へ戻る。ここで、第1割合αは、第1大容量蓄電装置21が分担する出力電力の割合を意味し、第2割合βは、第2大容量蓄電装置25が分担する出力電力の割合を意味し、「α+β=1」となる。つまり、この実施形態では、高断熱の断熱容器33に収容された第1二次電池21Aと、低断熱の容器41に収容された第2二次電池25Aが、出力電力が互いに異なる割合α,βに設定される。
ステップ720の判断結果が否定となる場合、ステップ740で、制御装置11は、所定のマップ(関数データ)を参照することで、ブレーキ踏力BTfと第1割合α又は第2割合βとの乗算結果に比例した充電量CVdを算出した後、処理をステップ700へ戻る。
一方、ステップ700から移行してステップ750では、制御装置11は、電気ヒータ40をオフして第1大容量蓄電装置21の加熱を停止する。
次に、ステップ760で、制御装置11は、消費電力量EWを走行時間TItで除算することで、消費電力量EWの平均値である平均消費電力量EWmを算出する。
その後、ステップ770で、制御装置11は、上記算出された平均消費電力量EWmと第1割合α又は第2割合βとの乗算結果を放電量DVdとして算出した後、処理をステップ700へ戻る。
次に、大出力蓄電装置22の充電量CVc及び放電量DVcを算出するために制御装置11が実行する処理内容を、図25に示すフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップ800で、制御装置11は、図24のステップ700に準ずる方法で、所定条件成立後か否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合、制御装置11は、処理をステップ810へ移行し、この判断結果が否定となる場合、制御装置11は、処理をステップ800へ戻る。
ステップ810で、制御装置11は、図24のステップ720と同様の方法で、アクセルペダル19が踏み込まれたか否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合、制御装置11は、処理をステップ820へ移行し、この判断結果が否定となる場合、制御装置11は、処理をステップ850へ移行する。
ステップ820で、制御装置11は、アクセル開度ACPが所定値A1より大きいか否かを判断する。この所定値A1は、アクセル開度ACPが相対的に大きいこと、すなわち加速要求が大きいことを意味する。この判断結果が肯定となる場合、ステップ830で、制御装置11は、所定のマップ(関数データ)を参照することで、アクセル開度ACPに比例した放電量DVcを算出した後、処理をステップ800へ戻る。
ステップ820の判断結果が否定となる場合、ステップ840で、制御装置11は、所定のマップ(関数データ)を参照することで、アクセル開度ACPに反比例した充電量CVcを算出した後、処理をステップ800へ戻る。
一方、ステップ810から移行してステップ850で、制御装置11は、所定のマップ(関数データ)を参照することで、ブレーキ踏力BTfに比例した充電量CVcを算出した後、処理をステップ800へ戻る。
次に、第1及び第2の大容量蓄電装置21,25の電圧Vd,Ve及び電動機8,9の誘導起電圧Vmを制御するために制御装置11が実行する処理内容を、図26に示すフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップ900で、制御装置11は、図24のステップ700と同様の方法で、所定条件成立前か否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合、制御装置11は、処理をステップ910へ移行し、この判断結果が否定となる場合、制御装置11は、処理をステップ980へ移行する。
ステップ910で、制御装置11は、図24のステップ720と同様の方法で、アクセルペダル19が踏み込まれたか否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合、制御装置11は、処理をステップ920へ移行し、この判断結果が否定となる場合、制御装置11は、処理をステップ950へ移行する。
ステップ920で、制御装置11は、電動機8,9の回転数Nmが所定値N1より大きいか否かを判断する。この所定値N1は、回転数Nmが相対的に高いこと、すなわち電動車両1の車速SPがある程度高いことを意味する。この判断結果が肯定となる場合、制御装置11は、ステップ930で、上記算出された放電量DVdに基づき第1及び第3の充放電量調整手段23,26を制御して第1及び第2の大容量蓄電装置21,25の電圧Vd,Veを昇圧させ、第1及び第2の大容量蓄電装置21,25から電動機8,9へ向けて放電させる。これにより、第1及び第2の大容量蓄電装置21,25の放電量を調整した後、処理をステップ900へ戻る。
ステップ920の判断結果が否定となる場合、制御装置11は、ステップ940で、上記算出された放電量DVdに基づき第1及び第3の充放電量調整手段23,26を制御して第1及び第2の大容量蓄電装置21,25の電圧Vd,Veを降圧させ、第1及び第2の大容量蓄電装置21,25から電動機8,9へ向けて放電させる。これにより、第1及び第2の大容量蓄電装置21,25の放電量を調整した後、処理をステップ900へ戻る。
一方、ステップ910から移行してステップ950で、制御装置11は、電動機8,9の回転数Nmが所定値N1より大きいか否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合、制御装置11は、ステップ960で、上記算出された充電量CVdに基づき第1及び第3の充放電量調整手段23,26を制御して動機8,9の誘導起電圧Vmを降圧させ、電動機8,9の発電を第1及び第2の大容量蓄電装置21,25に充電させる。これにより、第1及び第2の大容量蓄電装置21,25の充電量を調整した後、処理をステップ900へ戻る。
ステップ950の判断結果が否定となる場合、制御装置11は、ステップ970で、上記算出された充電量CVdに基づき第1及び第3の充放電量調整手段23,26を制御して電動機8,9の誘導起電圧Vmを昇圧させ、電動機8,9の発電を第1及び第2の大容量蓄電装置21,25に充電させる。これにより、第1及び第2の大容量蓄電装置21,25の充電量を調整した後、処理をステップ900へ戻る。
一方、ステップ900から移行してステップ980では、制御装置11は、電動機8,9の回転数Nmが所定値N1より大きいか否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合、制御装置11は、ステップ990で、上記算出された放電量DVdに基づき第1及び第3の充放電量調整手段23,26を制御して第1及び第2の大容量蓄電装置21,25の電圧Vd,Veを昇圧させ、第1及び第2の大容量蓄電装置21,25の電力を電動機8,9へ放電させる。これにより、第1及び第2の大容量蓄電装置21,25の放電量を調整した後、処理をステップ900へ戻る。
ステップ980の判断結果が否定となる場合、制御装置11は、ステップ1000で、上記算出された放電量DVdに基づき第1及び第3の充放電量調整手段23,26を制御して第1及び第2の大容量蓄電装置21,25の電圧Vd,Veを降圧させ、第1及び第2の大容量蓄電装置21,25から電動機8,9へ向けて放電させる。これにより、第1及び第2の大容量蓄電装置21,25の放電量を調整した後、処理をステップ900へ戻る。
次に、大出力蓄電装置22の電圧Vc、電動機8,9の誘導起電圧Vm及び各大容量蓄電装置21,25の電動機8,9の側の電圧V1m,V3mをそれぞれ制御するために制御装置11が実行する処理内容を、図27に示すフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップ1100で、制御装置11は、図25のステップ800に準ずる方法で、所定条件成立後か否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合、制御装置11は、処理をステップ1110へ移行し、この判断結果が否定となる場合、制御装置11は、処理をステップ1100へ戻る。
ステップ1110で、制御装置11は、図24のステップ720と同様の方法で、アクセルペダル19が踏み込まれたか否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合、制御装置11は、処理をステップ1120へ移行し、この判断結果が否定となる場合、制御装置11は、処理をステップ1190へ移行する。
ステップ1120で、制御装置11は、アクセル開度ACPが所定値A1より大きいか否かを判断する。この所定値A1は、アクセル開度ACPが相対的に大きいこと、すなわち加速要求がある程度大きいことを意味する。この判断結果が肯定となる場合、制御装置11は、処理をステップ1130へ移行し、この判断結果が否定となる場合、制御装置11は、処理をステップ1160へ移行する。
ステップ1130で、制御装置11は、電動機8,9の回転数Nmが所定値N1より大きいか否かを判断する。この所定値N1は、回転数Nmが相対的に高いこと、すなわち電動車両1の車速SPがある程度高いことを意味する。この判断結果が肯定となる場合、制御装置11は、ステップ1140で、上記算出された放電量DVcに基づき第2充放電量調整手段24を制御して大出力蓄電装置22の電圧Vcを昇圧させ、大出力蓄電装置22の電力を電動機8,9へ放電させる。これにより、大出力蓄電装置22からの放電量を調整した後、処理をステップ1100へ戻る。
ステップ1130の判断結果が否定となる場合、制御装置11は、ステップ1150で、上記算出された放電量DVcに基づき第2充放電量調整手段24を制御して大出力蓄電装置22の電圧Vcを降圧させ、大出力蓄電装置22の電力を電動機8,9へ放電させ
る。これにより、大出力蓄電装置22からの放電量を調整した後、処理をステップ1100へ戻る。
一方、ステップ1120から移行してステップ1160で、制御装置11は、電動機8,9の回転数Nmが所定値N1より大きいか否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合、制御装置11は、ステップ1170で、上記算出された充電量CVcに基づき第2充放電量調整手段24を制御して第1及び第2の大容量蓄電装置21,25の電動機8,9の側の電圧V1m,V3mを降圧させ、第1及び第2の大容量蓄電装置21,25の電力を大出力蓄電装置22に充電させる。これにより、大出力蓄電装置22への充電量を調整した後、処理をステップ1100へ戻る。
ステップ1160の判断結果が否定となる場合、制御装置11は、ステップ1180で、上記算出された充電量CVcに基づき第2充放電量調整手段24を制御して第1及び第2の大容量蓄電装置21,25の電動機8,9の側の電圧V1m,V3mを昇圧させ、第1及び第2の大容量蓄電装置21,25の電力を大出力蓄電装置22に充電させる。これにより、大出力蓄電装置22への充電量を調整した後、処理をステップ1100へ戻る。
一方、ステップ1110から移行してステップ1190では、制御装置11は、電動機8,9の回転数Nmが所定値N1より大きいか否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合、制御装置11は、ステップ1200で、上記算出された充電量CVcに基づき第2充放電量調整手段24を制御して電動機8,9の誘導起電圧Vmを降圧させ、電動機8,9の発電を大出力蓄電装置22に充電させる。これにより、大出力蓄電装置22への充電量を調整した後、処理をステップ1100へ戻る。
ステップ1190の判断結果が否定となる場合、制御装置11は、ステップ1210で、上記算出された充電量CVcに基づき第2充放電量調整手段24を制御して電動機8,9の誘導起電圧Vmを昇圧させ、電動機8,9の発電を大出力蓄電装置22に充電させる。これにより、大出力蓄電装置22への充電量を調整した後、処理をステップ1100へ戻る。
ここで、上記した各種制御に係り、電力供給装置10と一つの電動機8の関係を、図28〜図33に示す回路構成図を参照して具体的に説明する。以下、図28〜図33に示すように、電動機8を「直流モータ8A」に、第1大容量蓄電装置21を「第1二次電池21A」に、第2大容量蓄電装置25を「第2二次電池25A」に、大出力蓄電装置22を「キャパシタ22A」に、第1充放電量調整手段23を「第1双方向昇降圧コンバータ23A」に、第2充放電量調整手段24を「第2双方向昇降圧コンバータ24A」に、第3充放電量調整手段26を「第3双方向昇降圧コンバータ26A」に、それぞれ置き換えて説明する。
この実施形態の電力供給制御装置によれば、電力制御の方法は、所定条件成立の前か後かにより大きく分けられる。この実施形態では、複合電源が第1二次電池21A、第2二次電池25A及びキャパシタ22Aにより構成される。そして、所定条件成立前には、主として第1及び第2の二次電池21A,25Aから放電させるように、あるいは、第1及び第2の二次電池21A,25Aに充電させるように、制御装置11及び第1及び第3の双方向昇降圧コンバータ23A,26Aにより、放電対象又は充電対象を第1及び第2の二次電池21A,25Aに切り替える。これにより、第1及び第2の二次電池21A,25Aの温度THd1,THd2の上昇が早められる。また、所定条件成立後には、少なくともキャパシタ22Aから放電させるように、あるいは、キャパシタ22Aに充電させるように、制御装置11及び第2双方向昇降圧コンバータ24Aにより、放電対象をキャパシタ22Aに切り替える。これにより、必要十分な放電電力が電動車両1の直流モータ8Aに供給されると共に、第1及び第2の二次電池21A,25Aの負担が軽減され、その温度THd1,THd2が適正に保たれる。このため、複合電源を構成する第1及び第2の二次電池21A,25Aの温度THd1,THd2を適正に管理することができ、第1及び第2の二次電池21A,25Aの劣化を抑えることができ、第1及び第2の二次電池21A,25Aの長寿命化を図ることができる。また、複合電源が放電電力不足となることを防いで電動車両1が出力不足となることを防止することができる。
図29及び図30は、所定条件成立前の各種運転条件における電流方向、各電圧V1m,V1b,V3m,V3b,Vmの大小関係を示す。図29及び図30において、「Vd」は第1二次電池21Aの電圧(第1二次電池電圧)を、「Ve」は第2二次電池25Aの電圧(第2二次電池電圧)を、「Vm」は直流モータ8Aの誘導起電圧(直流モータ誘導起電圧)を、「Vc」はキャパシタ22Aの電圧(キャパシタ電圧)を、「V1m」は第1双方向昇降圧コンバータ23Aの「モータ側電圧」を、「V1b」は第1双方向昇降圧コンバータ23Aの「二次電池側電圧」を、「V3m」は第3双方向昇降圧コンバータ26Aの「モータ側電圧」を、「V3b」は第3双方向昇降圧コンバータ26Aの「二次電池側電圧」を、それぞれ示す。また、図29及び図30において、矢印は電流の方向を示す。直流モータ8Aは、その回転数Nmに比例して誘導起電圧Vmを発生させ、減速比を固定した場合に回転数Nmは車速に比例する。
所定条件成立前の電動車両1の「力行時」には、第1及び第2の二次電池21A,25Aから直流モータ8Aへ電力が供給されることとなり、第1二次電池電圧Vd及び第2二次電池電圧Veが誘導起電圧Vmに打ち勝って直流モータ8Aに必要な電力を供給できるように、制御装置11は、回転数Nm(車速SP)に基づいて第1及び第3の双方向昇降圧コンバータ23A,26Aをそれぞれ制御する。これに対し、所定条件成立前の「回生時」には、直流モータ8Aで発生した電力が第1及び第2の二次電池21A,25Aに充電されることとなり、制御装置11は、回転数Nm(車速SP)に基づいて第1及び第3の双方向昇降圧コンバータ23A,26Aをそれぞれ制御する。
このように所定条件成立前の電動車両1の「力行時」には、図29に示すように、第1及び第2の二次電池21A,25Aから直流モータ8Aへ電力を供給する。図29において、低回転時には「Vd>V1m,Ve>V3m」となり、高回転時には「Vd<V1m,Ve<V3m」となる。また、所定条件成立前の電動車両1の「回生時」には、図30に示すように、直流モータ8Aから第1及び第2の二次電池21A,25Aへ電力を供給する。図30において、低回転時には「V1b>Vm,V3b>Vm」となり、高回転時には「V1b<Vm,V3b<Vm」となる。この場合、第1二次電池21Aだけを使用して電力制御を行えばよく、例えば、電動車両1に急加速の要求があり、第1二次電池21Aだけでは電力不足となるような場合だけ補足的に第2二次電池25Aを使用して直流モータ8Aへ電力を供給すればよい。
図31〜図33は、所定条件成立後の各種運転条件下における電流方向、各電圧の大小関係を示す。図31〜図33において、「V2m」は第2双方向昇降圧コンバータ24Aの「モータ側電圧」を、「V2c」は第2双方向昇降圧コンバータ24Aの「キャパシタ側電圧」を、それぞれ示す。また、図31〜図33において、矢印は電流の方向を示す。
所定条件成立後の電動車両1の「高負荷時」、すなわち、急加速等のように消費電力が急激に増加するような場合には、図31に示すように、第1双方向昇降圧コンバータ23Aのモータ側電圧V1mが直流モータ8Aの誘導起電圧Vmより大きく、第3双方向昇降圧コンバータ26Aのモータ側電圧V3mが直流モータ8Aの誘導起電圧Vmより大きく、第2双方向昇降圧コンバータ24Aのモータ側電圧V2mが直流モータ8Aの誘導起電圧Vmより大きくなる。従って、第1及び第2の二次電池21A,25Aから直流モー
タ8Aへ供給される電力の変動は極わずかとなるが、電動車両1に必要な電力と、直流モータ8Aへ供給される電力との間に差が生じる。このため、その電力差の存在を制御装置11が判断し、第2双方向昇降圧コンバータ24Aを制御してキャパシタ22Aから直
流モータ8Aへ不足分の電力を供給する。図31において、低回転時には「Vd>V1m,Ve>V3m,Vc>V2m」となり、高回転時には「Vd<V1m,Ve<V3m,Vc<V2m」となる。
逆に、所定条件成立後の電動車両1の「低負荷時」、すなわち、直流モータ8Aの消費電力が少なくなるような場合には、図32に示すように、第1及び第3の双方向昇降圧コンバータ23A,26Aのモータ側電圧V1m,V3mが直流モータ8Aの誘導起電圧Vmより大きく、第2双方向昇降圧コンバータ24Aのキャパシタ側電圧V2cがキャパシタ電圧Vcより大きくなる。従って、第1及び第2の二次電池21A,25Aから供給される平均消費電力EWmの余剰分の存在を制御装置11が判断し、第2双方向昇降圧コンバータ24Aを制御してキャパシタ22Aに余剰分の電力を充電させる。図32において、低回転時には「Vd>V1m,Ve>V3m,V2c>V1m,V2c>V3m」となり、高回転時には「Vd<V1m,Ve<V3m,V2c<V1m,V2c<V3m」となる。
一方、所定条件成立後の電動車両1の「回生時」、すなわち、運転者がアクセルペダル19から足を離したような場合には、図33に示すように、第1及び第3の双方向昇降圧コンバータ23A,26Aのモータ側電圧V1m,V3mが直流モータ8Aの誘導起電圧Vmより大きく、第2双方向昇降圧コンバータ24Aのキャパシタ側電圧V2cがキャパシタ電圧Vcより大きくなる。従って、電動車両1が減速状態になったと制御装置11が判断すると、ブレーキ操作量に比例して直流モータ8Aから回生電力が発生し、その回生電力と第1及び第2の二次電池21A,25Aからの電力が併せてキャパシタ22Aに充電される。図33において、低回転時には「Vd>V1m,Ve>V3m,V2c>Vm」となり、高回転時には「Vd<V1m,Ve<V3m,V2c<Vm」となる。
所定条件成立後は、所定条件成立前とは異なり、電動車両1の走行状況に関係なく第1及び第2の二次電池21A,25Aからは放電のみ行い、放電量も極力安定した値であるほど二次電池21A,25Aの温度THd1,THd2の上昇を抑えることができる。例えば、図24のフローチャートにより説明したように、走行時間TItと消費電力量EWから平均消費電力量EWmを算出し、この平均消費電力量EWmを第1割合αと第2割合βで第1及び第2の二次電池21A,25Aに分担させて直流モータ8Aへ供給するようになっている。
キャパシタ22Aの充電及び放電は、「高負荷時」、「低負荷時」及び「回生時」の3つの場合に分けられる。そして、「高負荷時」には、電動車両1が急加速等して消費電力量EWが急激に増加しても、前述のように二次電池21A,25Aから直流モータ8Aへの電力供給は、平均消費電力量EWmにより行われる。これにより、二次電池21A,25Aから直流モータ8Aへの電力供給量の増加はわずかで済む。このため、電動車両1が必要とする電力と二次電池21A,25Aから直流モータ8Aへ供給される電力との間に差が発生し、その電力差の存在を制御装置11が判断して、第2双方向昇降圧コンバータ24Aによりキャパシタ22Aから直流モータ8Aへ不足分の電力を供給するようになっている。従って、所定条件成立後は、平均消費電力量EWmを二次電池21A,25Aから放電させ、変動負荷と平均消費電力量EWmとの差をキャパシタ22Aから放電させるので、二次電池21A,25Aの負荷が軽減されると共に、同電池21A,25Aの温度THd1,THd2が安定的に保たれる。この結果、二次電池21A,25Aの温度THd1,THd2を適正に管理することができ、二次電池21A,25Aの劣化を抑えることができ、二次電池21A,25Aを更に長寿命化することができる。
一方、「低負荷時」に、直流モータ8Aの消費電力量EWが少なくなった場合、二次電池21A,25Aから直流モータ8Aへ供給される電力の余剰分の存在を制御装置11が判断し、その余剰分の電力を第2双方向昇降圧コンバータ24Aによりキャパシタ22Aに充電するようになっている。
また、運転者がアクセルペダル19から足を離したような場合には、電動車両1が「回生時」になったと制御装置11が判断し、ブレーキ操作量TBfに比例した直流モータ8Aからの回生電力と二次電池21A,25Aからの電力を併せて第2双方向昇降圧コンバータ24Aによりキャパシタ22Aに充電するようになっている。上記のように電動車両1の運転状態の変化による電力供給の変動のほとんどは、キャパシタ22Aにより吸収されることとなる。
上記のように第1二次電池21A、第2二次電池25A及びキャパシタ22Aに充電及び放電を行わせるための第1〜第3の双方向昇降圧コンバータ23A,24A,26Aによる電力制御の内容は、図27及び図28のフローチャートにより既に説明した。この制御の基本的な考え方は、直流モータ8Aに電力を供給する場合は、直流モータ8Aの回転数に比例した誘導起電圧Vmに打ち勝ち、必要なトルクを発生させることのできる電流値となる電圧を第1二次電池21A、第2二次電池25A及びキャパシタ22Aにより発生させることであり、第1二次電池21A、第2二次電池25A及びキャパシタ22Aに充電する場合は、その充電に必要な電流値を発生させることのできる電圧を発生させればよい。
図34に、この実施形態の電力供給制御装置につき、所定条件成立前に「10・15モード」で電動車両1を走行させた場合の電動車両1の走行負荷の変化のシミュレーションをグラフにより示す。図35に、この実施形態の電力供給制御装置につき、所定条件成立後に「10・15モード」で電動車両1を走行させた場合の第1及び第2の二次電池21A,25Aの出力(放電電力)とキャパシタ22Aの出力(放電電力)の変化のシミュレーションをグラフにより示す。ここで、「所定条件」は、第1及び第2の二次電池21A,25Aの温度THd1,THd2が「30℃」に達したときとする。
所定条件成立前は、電動車両1の走行に必要な電力はすべて第1及び第2の二次電池21A,25Aが賄うことから、第1及び第2の二次電池21A,25Aの出力の変化が、図34に示す走行負荷の変化と同じになる。
所定条件成立後は、所定条件成立前の1200秒間の消費電力量EWから算出した平均消費電力量EWmを第1及び第2の二次電池21A,25Aにより賄い、走行負荷との差をキャパシタ22Aにより補うかたちとなる。ここでは、1200秒間の平均消費電力量EWmを第1及び第2の二次電池21A,25Aにより賄うため、図35に示すように、モード後半の負荷が高くなる領域では、各二次電池21A,25Aの出力(放電電力)が増大するが、所定条件成立前に比べると格段に出力が安定することが分かる。
図36に、この実施形態の電力供給制御につき、「10・15モード」で電動車両1を走行させた場合の二次電池の温度の変化のシミュレーションをグラフにより示す。比較のために、同じ走行を低断熱の容器に入れた二次電池のみの電力供給で行った場合と、同じ走行を高断熱の容器に入れた二次電池のみの電力供給で行った場合を示す。また、図37に、二次電池温度の経時変化(二次電池保温特性)をグラフにより示す。図38に、二次電池温度と二次電池内部抵抗との関係(二次電池内部抵抗特性)をグラフに示す。
図38に示すように、二次電池温度が「0℃」を下回ると二次電池の内部抵抗が急激に増加するので、電動車両1の走行開始時には二次電池温度を「0℃」以上にすることが望ましい。また、二次電池温度が「30℃」以上になると、二次電池の内部抵抗の変化が少なく、一般に二次電池温度が高くなるほど二次電池の劣化が早まる。そこで、二次電池温度を「30℃」まで急速に暖めて「30℃」付近に保持することで、二次電池の出力特性と寿命を両立させることが可能となる。
図36に示すように、外気温が「−30℃」の条件から計算を行い、高断熱の容器に入れた二次電池のみの電力供給によれば、走行時間TItが「4200秒」に達すると、二次電池温度が「50℃」を超えてしまい、二次電池の寿命の点から不利である。
図36は、高断熱構造の断熱容器33に収容した第1二次電池21Aと、低断熱の容器41に収容した第2二次電池25Aを互いに同じ質量とし、それらの放電電力の分配率としては、第1二次電池21Aの第1割合αを「0.45」とし、第2二次電池25Aの第2割合βを「0.55」とした結果を示す。低断熱の容器41に収容した第2二次電池25Aは、放電電力の分配率が相対的に高いので、高断熱の断熱容器に収容した二次電池のみの電力供給の場合と同等の昇温特性を示す。しかも、所定条件成立後(「30℃」到達後)は、電動車両1の走行負荷変動分をキャパシタ22Aが負担することから、第1及び第2の二次電池21A,25Aの発熱量が少なくなり、各二次電池温度21A,25Aを「30℃」に保持可能となる。
この実施形態では、第1二次電池21Aの電力出力に係る分配率が第2二次電池25Aのそれよりも少し低いことから、第1二次電池21Aの昇温に少し余分に時間がかかる。しかし、電動車両1を毎日使用した場合には、後述するように二次電池温度を「0℃」以上とすることができるので、第2二次電池25Aと同等以上の昇温特性となる。
二次電池温度が「30℃」に到達した後の温度上昇を見ると、この実施形態では、低断熱の容器に収容した二次電池のみの電力供給の場合より低い温度上昇となる。このため、本実施形態によれば、各二次電池21A,25Aの昇温時間を短縮することができ、その短縮により出力特性の改善を図ることができ、適正な温度保持により各二次電池21A,25Aの寿命延長を図ることができる。
今回の計算では、第1二次電池21Aと第2二次電池25Aの出力の分配率(第1割合α、第2割合β)を一定としているが、電動車両1の走行状況に応じて出力の分配率(第1割合α、第2割合β)を適宜に変更することもできる。例えば、第1二次電池21Aと第2二次電池25Aの温度をそれぞれ監視し、第1割合αと第2割合βを相互に変更することにより、第1及び第2の二次電池21A,25Aの両方を同じ温度にすることも可能である。
一方、低断熱の容器に収容した二次電池のみの電力供給では、本実施形態と同様に最終的に二次電池温度を「40℃」以下に留めることができる。しかし、図37の電池保温特性を見た場合、「10時間」後には、二次電池温度がほぼ外気温(−30℃)と同じになってしまう。電動車両を毎日走行させた場合、本実施形態によれば、1日(24時間)経過後の二次電池温度は「0℃」となり、翌日の走行開始時の二次電池出力特性を格段に改善可能となる。
上記した二次電池温度の計算は、電動車両を「−30℃」の極低温から走行させた場合を想定する。そして、二次電池温度を急速に高めるために、走行初期には二次電池のみにより充放電させるが、外気温度がさほど低くない場合は、急速に二次電池を暖める必要がなく、次の走行時に二次電池の出力に支障を与えるほど新居電池温度が低下することはない。このため、走行初期からキャパシタ22Aを補足的に使用することで、二次電池からは安定した電力を出力できるように制御すればよい。
この実施形態の制御装置によれば、第1及び第2の大容量蓄電装置21,25の温度を監視しながらそれらの放電電力を制御し、電動車両1の負荷変動と、第1及び第2の大容量蓄電装置21,25の出力との差を大出力蓄電装置22から放電させ、又は大出力蓄電装置22に充電させるので、第1及び第2の大容量蓄電装置21,25への負担が低減される。この結果、第1及び第2の大容量蓄電装置21,25の発熱を低減することができる。
また、この実施形態では、大容量蓄電装置が第1大容量蓄電装置21と第2大容量蓄電装置25に分けられ、第1大容量蓄電装置21が高断熱の断熱容器33に収容され、第2大容量蓄電装置25が低断熱の容器41に収容される。従って、高断熱の断熱容器33と低断熱の容器41の中の熱が逃げ難く、各大容量蓄電装置21,25の温度上昇が早まり、その温度の持続的に保たれる。また、高断熱の断熱容器33と低断熱の容器41との間で、温度上昇と温度持続性に差が付けられる。このため、電動車両1の走行負荷が高まり、各大容量蓄電装置21,25の発熱量が多くなった場合に、断熱性の低い容器41に収容された第2大容量蓄電装置25の放電量を断熱性の高い断熱容器33に収容された第1大容量蓄電装置21の放電量より多くすることで、第1大容量蓄電装置21の発熱量が低減され、第2大容量蓄電装置25の発熱は、比較的容易に放散可能となる。この結果、第1及び第2の大容量蓄電装置21,25の温度管理が容易となり、各大容量蓄電装置21,25の冷却が容易となる。このため、各大容量蓄電装置21,25をそれぞれ速やかに冷却することができ、それらを冷却するために、高断熱の断熱容器33及び低断熱の容器41を開放状態にするなどの特別な構造を別途設ける必要がない。また、各大容量蓄電装置21,25を設置又は交換するために開閉される蓋35以外の構成を一体形成することができる。また、蓋35と容器33,41との接合部もシール剤等を使用することで、保温性を高めることができる。また、各大容量蓄電装置21,25を加熱するのに要したエネルギーを大気に放出することがなく、エネルギー損失を低減することができる。
この実施形態によれば、冷間時に電気ヒータ40を作動させることで、第1大容量蓄電装置21を速やかに加熱できる。このため、第1大容量蓄電装置21を早期に活性化させて放電させることができ、冷間時から電動機8,9を速やかに安定駆動させて電動車両1を早期に安定走行させることができる。
この実施形態によれば、高断熱の断熱容器33が真空断熱構造を有することから、その断熱容器33が軽量化される。このため、複合電源全体の重量化を防止することができる。
また、この実施形態では、変動負荷と第1及び第2の大容量蓄電装置21,25の放電電力ごとに異なる放電電力との差が、制御装置11等により大出力蓄電装置22から放電され、又は大出力蓄電装置22に充電されるので、第1及び第2の大容量蓄電装置21,25への負担が軽減される。このため、複合電源を構成する第1及び第2の大容量蓄電装置21,25の温度THd1,THd2を適正に管理することができ、各大容量蓄電装置21,25の劣化を抑えることができ、各大容量蓄電装置21,25の長寿命化を図ることができる。また、複合電源が放電電力不足となることを防いで電動車両1が出力不足となることを防止することができる。
この実施形態によれば、所定時間当たりの消費電力量EWから算出された平均消費電力量EWmを第1及び第2の大容量蓄電装置21,25から放電させるように第1及び第2の大容量蓄電装置21,25が制御装置11等により制御されるので、第1及び第2の大容量蓄電装置21,25から過剰に放電されることがなく、第1及び第2の大容量蓄電装置21,25への負担が軽減される。この意味でも、各大容量蓄電装置21,25の劣化を抑えることができ、各大容量蓄電装置21,25の長寿命化を図ることができる。また、複合電源が放電電力不足となることを防いで電動車両1が出力不足となることを防止することができる。
この実施形態によれば、第1大容量蓄電装置21と第2大容量蓄電装置25は、出力電力の分担が互いに異なる第1割合α、第2割合βに設定されるので、それぞれの割合α,βに応じて第1及び第2の大容量蓄電装置21,25を使い分けることが可能となる。この意味で、2つの大容量蓄電装置21,25の温度管理を容易にすることができる。
[第4実施形態]
次に、電動車両用電源の電力供給制御方法を具体化した第4実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
図39に、この実施形態における電動車両の電気的構成をブロック図により示す。この実施形態で、電力供給装置10は、大容量蓄電装置としての二次電池51と、大出力蓄電装置としてのキャパシタ52と、インバータ53と、双方向昇降圧コンバータ54とを備える。二次電池51とキャパシタ52は複合電源を構成する。インバータ53には、交流モータ55が接続される。インバータ53は双方向昇降圧コンバータ54に接続される。二次電池51は、インバータ51と双方向昇高圧コンバータ54の両方に接続される。インバータ53と双方向昇降圧コンバータ54は、それぞれ制御装置11に接続される。二次電池51として、例えば、リチウムイオン電池を採用することができる。
インバータ53は、二次電池51の充電量及び放電量を調整するようになっている。双方向昇降圧コンバータ54は、キャパシタ52の充電量及び放電量を調整するようになっている。制御装置11は、二次電池51及びキャパシタ52の充電量及び放電量を調整するためにインバータ53及び双方向昇降圧コンバータ54を制御するようになっている。インバータ53と二次電池51との間には、二次電池51の端子間電圧を計測するための第1電圧計56と、二次電池51の放電電流及び充電電流を計測するための第1電流計57が設けられる。双方向昇降圧コンバータ54とキャパシタ52との間には、キャパシタ52の端子間電圧を計測するための第2電圧計58と、キャパシタ52の放電電流及び充電電流を計測するための第2電流計59が設けられる。二次電池51には、二次電池51の温度(二次電池温度)を検出するための温度センサ60が設けられる。温度センサ60は、制御装置11に接続される。制御装置11には、アクセル開度ACP、ブレーキ踏力BTf、車速SP(回転数Nm)及び二次電池温度に係る信号が入力されるようになっている。
この他、電動車両には、その走行位置及び走行経路を計測するためのナビゲーション装置61と、ナビゲーション装置61で計測された走行位置及び走行経路に係る位置情報を履歴として記憶するための位置情報履歴記憶手段62と、二次電池温度と外気温度に関する温度情報を履歴として記憶するための温度情報履歴記憶手段63と、各電圧計56,58及び各電流計57,59で計測される電圧値及び電流値に基づき電動車両の消費電力を算出するための消費電力算出手段64と、この消費電力算出手段64で算出された消費電力情報を履歴として記憶するための消費電力情報履歴記憶手段65とが設けられる。これらの装置61及び手段62〜65は、制御装置11に接続される。
交流モータ55は、電動車両の駆動輪(図示略)に連結され、電動車両の走行状態に応じて二次電池51及びキャパシタ52から電力の供給を受けたり、二次電池51及びキャパシタ52へ回生電力を供給したりするようになっている。なお、この実施形態では交流モータ55を採用しているが、交流モータ55の代わりに直流モータを使用することもできる。この場合、インバータ55を省略することができる。
ナビゲーション装置61は、中央処理装置(CPU)及びメモリ等と、周知のGPS機能等とを備える。各種記憶手段62,63,65は、読み出し書き換えメモリ(RAM)等の記憶素子から構成される。消費電力算出手段64は、CPU等から構成される。
上記構成によれば、電動車両を加速走行させるような「力行時」には、制御装置11が、アクセル開度ACPと車速SPの信号に基づいてインバータ53及び双方向昇降圧コンバータ54を制御し、二次電池51及びキャパシタ52から交流モータ55へ必要な電力を出力(放電)させるようになっている。一方、電動車両の走行を減速させるような「回生時」には、制御装置11が、ブレーキ踏力BTfと車速SPの信号に基づいてインバータ53及び双方向昇降圧コンバータ54を制御し、交流モータ55で生じる回生電力を二次電池51及びキャパシタ52へ充電させるようになっている。
電動車両の交流モータ55で消費され、あるいは交流モータ55で回生される電力は、二次電池51に設けられた第1電圧計56及び第1電流計57により電圧値及び電流値として計測され、その計測された電圧値及び電流値が消費電力算出手段64へ送られる。消費電力算出手段64では、これら電圧値及び電流値に基づいて二次電池51による放電量(放電電力)及び充電量(充電電力)が算出され、その算出結果が二次電池51による消費電力情報として消費電力情報履歴記憶手段65に記憶される。また、キャパシタ52に設けられた第2電圧計58及び第2電流計59により計測される電圧値及び電流値は、消費電力算出手段64へ送られることで、キャパシタ52による放電量(放電電力)及び充電量(充電電力)が算出され、その算出結果がキャパシタ充放電情報として消費電力情報履歴記憶手段65に記憶される。電動車両の走行に要した消費電力と、キャパシタ52から交流モータ55へ供給された電力との差は、二次電池51から交流モータ55へ供給された電力となるため、この電力差が消費電力情報履歴記憶手段65にて二次電池充放電情報として記憶される。
この実施形態では、ナビゲーション装置61で計測される毎日の位置情報は、位置情報履歴記憶手段62へ送られて、7日間毎のデータにグループ分けされて記憶されるようになっている。消費電力算出手段64から消費電力情報履歴記憶手段65へ送られる毎日の消費電力情報等は、7日間毎のデータにグループ分けされて記憶されるようになっている。また、温度センサ60により検出される毎日の二次電池温度、外気温度は、温度情報履歴記憶手段63へ送られて、7日間毎のデータにグループ分けされて記憶されるようになっている。
次に、電動車両の走行前に二次電池51の温度を上げるために制御装置11が実行する処理内容を図40に示すフローチャートを参照して説明する。
電動車両の走行前に二次電池51が低温状態にある場合は、二次電池51の本来の能力を早期に発揮させるために、制御装置11は、以下のような制御を実行する。
処理がこのルーチンへ移行すると、ステップ1300で、制御装置11は、位置情報履歴記憶手段62に記憶された複数日分の位置情報履歴に重なりがあるか否かを判断する。すなわち、制御装置11は、本日と同じ曜日に係る過去の複数日分の位置情報履歴を相互に比較することで、それら複数日分の位置情報履歴の中に共通する位置情報があるか否かを判断する。この判断結果が否定である場合、制御装置11は、そのまま処理を終了する。この判断結果が肯定である場合、制御装置11は、処理をステップ1310へ移行する。
ステップ1310で、制御装置11は、電動車両の現在の停車位置が、重なりのあった位置情報履歴の中のいつもの停車位置であるか否かを判断する。すなわち、制御装置11は、電動車両の現在の停車位置が、複数日分の位置情報履歴の中の同じ時刻の停車位置と同じであるか否かを判断する。この判断結果が否定である場合、制御装置11は、そのまま処理を終了する。この判断結果が肯定である場合、制御装置11は処理をステップ1320へ移行する。
ステップ1320で、制御装置11は、温度センサ60の検出値に基づき、現在の二次電池温度が第1の所定温度(例えば「0℃」)以下であるか否かを判断する。すなわち、制御装置11は、現在の二次電池温度が、二次電池51の本来の能力を発揮させ難い低温か否かを判断する。この判断結果が否定である場合、制御装置11は、そのまま処理を終了する。この判断結果が肯定である場合、制御装置11は、処理をステップ1330へ移行する。
ステップ1330で、制御装置11は、インバータ53及び双方向昇降圧コンバータ54を制御することで、二次電池51からキャパシタ52へ放電させ、その後の処理を終了する。
つまり、上記制御では、電動車両がいつもと同じ停車位置から走行を開始しようとしているときに、二次電池51が第1の所定温度(0℃)以下の低温状態にあるときは、走行開始前に予め二次電池51からキャパシタ52へ放電させることで、二次電池51の温度を上昇させるようにしている。
次に、電動車両の走行時に二次電池51の温度を低減させるために制御装置11が実行する処理内容を図41に示すフローチャートを参照して説明する。
電動車両の走行時に二次電池51が高温状態になると、二次電池51の劣化が進みその寿命が短くなることから、これを防止するために、制御装置11は、以下のような制御を実行する。
処理がこのルーチンへ移行すると、ステップ1400で、制御装置11は、位置情報履歴記憶手段62に記憶された複数日分の位置情報履歴に重なりがあるか否かを判断する。この判断の詳細は、図40のステップ1300の処理に準ずる。この判断結果が否定である場合、制御装置11は、そのまま処理を終了する。この判断結果が肯定である場合、制御装置11は処理をステップ1410へ移行する。
ステップ1410で、制御装置11は、今回の走行経路が、重なりのあった位置情報履歴の走行経路と同じか否かを判断する。この判断結果が否定である場合、制御装置11は、そのまま処理を終了する。この判断結果が肯定である場合、制御装置11は処理をステップ1420へ移行する。
ステップ1420で、制御装置11は、温度センサ60で検出された過去の二次電池温度が第2の所定温度(例えば「40℃」)以上であるか否かを判断する。すなわち、制御装置11は、現在の二次電池51が、このまま過去の履歴記憶情報と同じ経路を走行する場合、劣化を招くおそれのある高温状態になる危険性があるか否かを判断する。この判断結果が否定である場合、制御装置11は、そのまま処理を終了する。この判断結果が肯定である場合、制御装置11は、処理をステップ1430へ移行する。
ステップ1430で、制御装置11は、インバータ53及び双方向昇降圧コンバータ54を制御することにより、二次電池51の出力(放電)をある上限値に平滑化させると共に、不足分の電力をキャパシタ52から出力(放電)させ、その後処理を終了する。
つまり、上記制御では、電動車両がいつもの走行経路を走行中に、二次電池51が第2の所定温度以上の高温状態になる危険性があるときは、二次電池51から交流モータ55への出力(放電)をある上限値で一定とし、不足分の電力をキャパシタ52から出力(放電)させて補うこととし、二次電池温度を低減させるようにしている。
次に、電動車両の停車前に二次電池の温度を上昇させるために制御装置11が実行する処理内容を図42に示すフローチャートを参照して説明する。
電動車両の走行開始時には、二次電池51の本来の能力を速やかに発揮させるために、二次電池51がある程度暖まっていることが望ましい。そこで、次回の走行開始時まで二次電池51を暖状態に保つために、制御装置11は、以下のような制御を実行する。
処理がこのルーチンへ移行すると、ステップ1500で、制御装置11は、位置情報履歴記憶手段62に記憶された複数日分の位置情報履歴に重なりがあるか否かを判断する。この判断の詳細は、図40のステップ1300の処理に準ずる。この判断結果が否定である場合、制御装置11は、そのまま処理を終了する。この判断結果が肯定である場合、制御装置11は処理をステップ1510へ移行する。
ステップ1510で、制御装置11は、現在の走行経路が、重なりのあった位置情報履歴の走行経路と同じか否かを判断する。この判断結果が否定である場合、制御装置11は、そのまま処理を終了する。この判断結果が肯定である場合、制御装置11は、処理をステップ1520へ移行する。
ステップ1520で、制御装置11は、今回の走行終了時に二次電池51に必要とされる温度(必要温度)を算出する。この必要温度は、その後、電動車両が走行を終了して放置され、次回の走行を開始するときに、二次電池51が第1の所定温度以下にならないようにするために必要となる走行終了時の温度を意味する。制御装置11は、現在の走行経路と二次電池温度に基づいてこの必要温度を推定的に算出する。
次に、ステップ1530で、制御装置11は、温度情報履歴記憶手段63に記憶されている現在の位置情報に対応した温度情報履歴が、上記算出された必要温度以下であるか否かを判断する。この判断結果が否定である場合、制御装置11は、そのまま処理を終了する。この判断結果が肯定である場合、制御装置11は、処理をステップ1540へ移行する。
ステップ1540で、制御装置11は、現在、交流モータ55へ電力を供給するために併用されている二次電池51とキャパシタ52のうち、キャパシタ52の出力(放電)を必要な分だけ低減させてから、その後の処理を終了する。これにより、二次電池51の出力(放電)が相対的に増大し、走行終了時には二次電池温度を高めることができる。
つまり、上記制御では、次回の走行開始時に二次電池51を暖状態に保てるようにするために、電動車両がいつもの走行経路を走行中に、必要に応じて走行終了時の二次電池温度を高めるために、二次電池51とキャパシタ52の出力(放電)を制御する。
図43に、位置情報履歴記憶手段62に記憶された位置情報履歴の一例をタイムチャートにより示す。図43には、「1日前」〜「7日前」の7日分の位置情報履歴をグループ化したグループデータが示される。図44に、図43に示すように7日分の位置情報履歴にグループ化された4つのグループデータのそれぞれから選択された「7日前」、「14日前」、「21日前」及び「28日前」の位置情報履歴を上下に並べてタイムチャートにより示す。図44において、「7日前」〜「28日前」の4日分の位置情報履歴のうち、「21日前」を除く3日分のデータにつき、「0時〜6時」、「8時〜18時」及び「20時〜24時」の各時間帯で位置情報に共通する部分、すなわち「重なり」があることが分かる。
ここで、当日と同じ曜日に係る複数日分の位置情報履歴において、当日と同じ時間帯の位置情報履歴に重なりがあり、当日もその位置情報と同じ場所に電動車両が位置している場合に、制御装置11は、二次電池温度が最良の値となる二次電池51及びキャパシタ52の放電量及び充電量を決定し、それら放電量及び充電量となるようにインバータ53及び双方向昇降圧コンバータ54を制御するようになっている。
ここで、例えば、キャパシタ52を優先的に放電させる場合は、二次電池51より高い電圧でキャパシタ52から二次電池51へ電力を供給してやればよい。また、キャパシタ52へ優先的に充電させる場合は、二次電池51よりキャパシタ52の電圧の方が高いときは、その値より高い電圧となるように二次電池51を昇圧させ、二次電池51よりキャパシタ52の電圧の方が低いときは、その値より少し高い値となるように二次電池51を降圧してやればよい。
図45に、二次電池温度と二次電池51の内部抵抗との関係(内部抵抗特性)をグラフにより示す。電動車両の走行開始時に二次電池温度が低いと、図45に示すように、内部抵抗が大きくなることが分かる。この場合、二次電池51の出力特性が悪化し、電動車両の走行に支障を来すおそれがある。そこで、この実施形態で、制御装置11は、位置情報履歴記憶手段62に記憶されている位置情報履歴に基づいて当日の走行開始時刻を推定する。そして、推定された時刻になる前にインバータ53及び双方向昇降圧コンバータ54を制御することで、二次電池51からキャパシタ52へ出力(放電)させて、二次電池51の温度を上昇させるようになっている。
また、二次電池温度が必要以上に高くなると、二次電池51の寿命が短くなる懸念がある。ここで、二次電池からの発熱の大半は、二次電池の内部抵抗によるジュール熱であり、その内部抵抗を「R」、二次電池51により充電又は放電される電流を「I」とすれば、二次電池の発熱量「Q」は、「RI2」で表される。このため、充電又は放電される
電力が同じであっても、変動の少ない安定した電流値になるほど発熱量を低減させることができる。
従って、温度情報履歴記憶手段63に記憶されている二次電池温度の履歴から、二次電池51の温度が、その寿命を短くするおそれのある温度以上となることが判明した場合は、制御装置11は、消費電力情報履歴記憶手段65に記憶されている消費電力履歴に基づき、消費電力量と走行時間より平均消費電力量を算出する。そして、制御装置11は、二次電池51の出力を平均消費電力量に近付けるように、インバータ53及び双方向昇降圧コンバータ54を制御することで、二次電池51及びキャパシタ52の充放電制御を行うようになっている。
一方、電動車両の次回の走行開始を考えると、二次電池51の寿命への影響が少ない第2の所定温度以下であって極力高い二次電池温度で電動車両の走行を終了させた方が、次回の走行開始時に二次電池温度が相対的に高くなり、二次電池51の出力特性を確保することができる。そこで、この実施形態では、制御装置11は、温度情報履歴記憶手段63に記憶されている温度情報履歴に基づき、電動車両の走行終了前に、走行負荷が低く、かつ、二次電池温度が低くなることが予想される場合に、インバータ53及び双方向昇降圧コンバータ54を制御することで、上記とは逆に、二次電池51の出力(放電)変動を大きくし、二次電池温度を高めるようになっている。
上記制御内容において、電動車両の走行開始時に二次電池51に確保すべき最低温度を第1の所定温度とし、二次電池51の寿命の観点から確保すべき最高温度を第2の所定温度とする。そして、二次電池温度が、これら第1の所定温度と第2の所定温度との間の温度範囲内に入るように、制御装置11は、インバータ53及び双方向昇降圧コンバータ54を制御することで、二次電池51の充放電制御を行うようになっている。
図45に示す内部抵抗特性から分かるように、二次電池温度が「0℃」を下回ると、内部抵抗が急激に増加する。これにより、第1の所定温度を「0℃」とし、将来の電動車両用電源として主流になると思われるリチウムイオン電池では、その寿命の観点から第2の所定温度を「50℃」以下にすることが望ましい。更に余裕をみて第2の所定温度を「40℃」にするのが望ましい。
図46に、上記した充放電制御を行うために参照される、「7日前」の電動車両の位置情報、車両消費電力情報、二次電池充放電情報及びキャパシタ充放電情報の関係を概念的にタイムチャートにより示す。図47に、「当日」の改善後の電動車両の位置情報、車両消費電力情報、二次電池充放電情報及びキャパシタ充放電情報の関係を概念的にタイムチャートにより示す。図46に示す「7日前」の位置情報、車両消費電力情報、二次電池充放電情報及びキャパシタ充放電情報によれば、電動車両の消費電力を二次電池51とキャパシタ52に分けて負担していることから、二次電池51とキャパシタ52の充電量(回生電力量)及び放電量を合計した値が、電動車両の消費電力なることが分かる。このように二次電池51とキャパシタ52による充放電制御では、加速時に必要な電力の一部、並びに、回生時の電力の全部をキャパシタ52により充電及び放電している。ここで、キャパシタ52による充電及び放電が二次電池51のそれに比べて少ないことから、二次電池51の放電量の変動が比較的大きくなっており、郊外道路の長い上りとそれに続く有料道路への侵入によって二次電池温度が「40℃」を超えたとする。
この結果を参照して、図47に示す「当日」の充放電制御では、まず、温度センサ60により検出される二次電池温度が「0℃」以下の低温状態にあり、位置情報によりその当日は「6時半頃」に電動車両の走行を開始すると推定される。この場合、図40に示す充放電制御を実行することにより、走行開始時刻より少し前(例えば「30分前」)の「6時頃」より、二次電池51からキャパシタ52へ放電させ、走行開始時には、二次電池温度を「0℃」以上にするようになっている。
図46に示す「7日前」の車両消費電力情報の履歴から、郊外道路の長い上りと有料道路への侵入でどの程度の電力量が必要か分かっている。このため、電動車両が郊外道路の長い上りに達する少し前から走行に必要な電力より大きい電力を二次電池51から放電させ、その後に二次電池51の出力を低減させるために、キャパシタ52への充電を行うようになっている。
図46に示す「7日前」の走行では、郊外道路の上りに到達後、二次電池51からの出力が増しているが、図47に示す「当日」の走行では、図41に示す充放電制御を実行することにより、二次電池51による前述の出力を維持し、不足分をキャパシタ52から放電させることで、二次電池51からの出力を平滑化しているので、二次電池温度を低減させることができる。
有料道路後半は、長い下りが続き、有料道路が終わると市街地道路となり、走行速度が低下するため、走行に必要な電力が減少し、二次電池温度も低下することが温度情報履歴より分かる。図48に、走行終了時の二次電池温度を「40℃」とし、外気温度を「0℃」と「−30℃」にした場合の、電動車両放置後の二次電池温度の変化をグラフにより示す。図48のグラフから、電動車両放置後に、二次電池温度が第1の所定温度である「0℃」に達するまでの到達時間を算出することができる。例えば、「7日前」の温度情報履歴より走行終了時から、次の走行開始までの外気温度の平均値を算出し、その算出値が、例えば「−15℃」になったとする。この場合、図48において、「0℃」の曲線と「−30℃」の曲線との間を通る曲線を用いることで、「0℃」に達するまで到達時間を推定的に算出することができる。
また、位置情報履歴記憶手段62に記憶されている位置情報履歴により、次の日の走行開始推定時刻が分かることから、電動車両の走行が終了してから次の日の走行開始までの放置時間が分かり、その放置時間の分だけ、先ほどの「0℃」以下となる推定時刻から時間を遡れば、その当日の走行終了時に二次電池51に必要となる必要温度を算出することができる。「7日前」の温度情報履歴において、走行終了時の二次電池温度が上記必要温度より低い場合は、図42に示す充放電制御を実行することにより、「当日」のキャパシタ52の出力(放電)を「7日前」のキャパシタ52の出力(放電)よりも低減させれば、二次電池51の出力(放電)が相対的に増大し、走行終了時の二次電池温度を高めることができる。
以上について充放電制御と二次電池温度のシミュレーションを行い、その結果を図49,50,51に示す。このシミュレーションでは、電動車両につき「10・15モード」の走行を繰り返し行い、1回のモード走行で約10分の時間を要した。図49に電動車両の走行負荷の変化の一例をグラフにより示す。図50に、二次電池及びキャパシタの出力の変化の一例をグラフにより示す。図51に、各種条件下で上記充放電制御を行った場合の二次電池温度の変化をグラフにより示す。図51に示すように、二次電池のみの電力供給では、電動車両の走行に必要な電力をすべて二次電池で賄っているため、二次電池の出力が走行負荷と同じになる。二次電池の出力とキャパシタの出力を合計した値が、図49における走行負荷と等しくなり、その負荷変動の大半をキャパシタが負担するため、二次電池の出力変動を大幅に低減することができる。
図51において、二次電池のみの電力供給では、走行負荷変動に応じて必要な電力を二次電池のみで賄うことになる。二次電池とキャパシタの複合電源で二次電池一定出力による電力供給では、全モード走行に必要な消費電力とそれに要する時間から平均消費電力を算出し、その算出値と同じ一定出力を二次電池から出力(放電)させ、残りの変動分を全てキャパシタにより補うこととなる。前者の場合は、二次電池の発熱量が最も多くなり、後者の場合は、二次電池の発熱量が最も少なくなる。本実施形態の場合では、二次電池51の発熱量を、前者の場合の発熱量と後者の場合の発熱量との中間の量に調整することができる。
図51に示すグラフでは、二次電池のみの電力供給と、複合電源で二次電池一定出力による電力供給を、それぞれ外気温度が「−30℃」のときに実施しており、何れも外気温度と同じ「−30℃」から電動車両の走行を始めている。二次電池のみの電力供給では、二次電池温度の上昇速度が相対的に早い利点はあるが、発熱量が相対的に多いため、最終的には第2の所定温度である「40℃」を超えてしまうことが分かる。一方、複合電源で二次電池一定出力による電力供給では、発熱量が相対的に少なく、二次電池温度が第1の所定温度である「0℃」を超えるのに「300秒」もかかることが分かる。このため、その間に、二次電池の内部抵抗が非常に高くなるため、電動車両の走行性能に悪影響を与えるおそれがある。
一方、本実施形態では、電動車両が走行を開始する前に二次電池51からキャパシタ52へ放電を行うため、図51に示すように、第1の所定温度である「0℃」以上の二次電池温度から電動車両の走行を開始できることが分かる。そして、二次電池温度が低い走行初期においては、二次電池51の出力変動を多くすることで、二次電池51の温度上昇を早める。その後、二次電池温度が「30℃」となってからは、キャパシタ52による出力変動分の負担を高め、二次電池51の出力変動を減らす。これにより、図51に示すように、二次電池温度をほぼ一定に保つことができることが分かる。そして、電動車両の走行終了近くになると、再び二次電池51の出力変動を増やすことにより、次回の走行に備えて二次電池温度を高めることができる。
ここで、この第4実施形態に含まれる発明を効果と共に以下に記載する。
[第1の発明]
大容量蓄電装置と大出力蓄電装置を複合電源として備え、電動車両への電力供給を制御するために前記大容量蓄電装置及び前記大出力蓄電装置による放電量及び充電量を制御する電動車両用電源の電力供給制御方法であって、
ナビゲーション装置により計測される前記電動車両の位置を位置情報として、充放電計測手段により計測される前記大容量蓄電装置及び前記大出力蓄電装置の放電量及び充電量を電力情報として、温度計測手段により計測される前記大容量蓄電装置の温度を温度情報として、それぞれ記憶手段に記憶しておき、
走行当日と同じ曜日につき、前記記憶手段に記憶されている複数日分の前記位置情報の履歴、前記電力情報の履歴及び前記温度情報の履歴を相互に関連付け、前記複数日分の位置情報の履歴に共通する重なりがあり、その重なりと同じ位置又は経路に前記走行当日の前記電動車両が存在し、その重なりに関連する前記温度情報の履歴が第1の所定温度以下又は第2の所定温度以上となる場合に、前記走行当日の前記大容量蓄電装置が事前に前記第1の所定温度以上又は前記第2の所定温度以下となるように前記大容量蓄電装置を充放電させると共に、変動負荷と前記大容量蓄電装置による充放電電力との差を前記大出力蓄電装置により充放電させることを特徴とする電動車両用電源の電力供給制御方法。
この第1の発明によれば、大容量蓄電装置の温度を監視しながら大容量蓄電装置及び大出力蓄電装置による充放電を制御し、変動負荷と大容量蓄電装置による充放電電力との差を大出力蓄電装置により充放電させるので、大容量蓄電装置の発熱を低減させることができ、大容量蓄電装置の冷却を不要にできる。更に、電動車両の位置情報の履歴、電力情報の履歴及び温度情報の履歴を関連付け、大容量蓄電装置の将来の温度を予測することができ、最良の温度となるように大容量蓄電装置の充放電を制御することができる。
[第2の発明]
前記複数日分の位置情報の履歴に共通する重なりがあり、その重なりと同じ位置にて前記温度情報の履歴が前記第1の所定温度以下となる場合に、前記電動車両の走行開始前に、前記大容量蓄電装置と前記大出力蓄電装置との間で充放電させることを特徴とする第1の発明に記載の電動車両用電源の電力供給制御方法。
この第2の発明によれば、第1の発明の効果に加え、電動車両が走行を開始するまでに大容量蓄電装置を温めて最良の温度にすることができる。
[第3の発明]
前記複数日分の位置情報の履歴に共通する重なりがあり、その重なりと同じ位置にて前記温度情報の履歴が前記第2の所定温度以上となり、前記重なりと同じ経路を前記電動車両が走行している場合に、前記電力情報の履歴に基づいて前記大容量蓄電装置及び前記大出力蓄電装置の充放電量を決定することを特徴とする第1の発明に記載の電動車両用電源の電力供給制御方法。
この第3の発明によれば、第1の発明の効果に加え、電動車両の走行中に大容量蓄電装置の出力を平均電力に近付け、その温度が過剰に上昇するのを防止することができる。
[第4の発明]
前記複数日分の位置情報の履歴に共通する重なりがあり、その重なりと同じ位置にて前記温度情報の履歴が前記第1の所定温度以下となり、前記重なりと同じ経路を前記電動車両が走行している場合に、前記電動車両の次の走行開始時における前記大容量蓄電装置の温度が前記第1の所定温度以上となる前記電動車両の走行終了時における前記大容量蓄電装置の温度を算出し、前記走行終了時に前記大容量蓄電装置が前記算出された温度となるよう前記電力情報の履歴に基づいて前記大容量蓄電装置及び前記大出力蓄電装置の充放電量を決定することを特徴とする第1の発明に記載の電動車両用電源の電力供給制御方法。
この第4の発明によれば、第1の発明の効果に加え、電動車両の次の走行開始時に大容量蓄電装置を最良の温度に高め、その出力特性を向上させることができる。
なお、この発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜に変更して実施することもできる。
例えば、前記第1〜第3の実施形態では、この発明を、2つの電動機8,9を備えた電動車両1に具体化したが、1つの電動機を備えた電動車両に具体化することもできる。
この発明は、大容量蓄電装置と大出力蓄電装置を複合電源として備えた電動車両に利用することができる。
1 電動車両
8 電動機
8A 直流モータ
9 電動機
11 制御装置(走行時間計測手段、温度監視手段)
18 温度センサ(温度検出手段)
21 (第1)大容量蓄電装置
21A 二次電池
22 大出力蓄電装置
22A キャパシタ
23 第1充放電量調整手段
23A 第1双方向昇降圧コンバータ
24 第2充放電量調整手段
24A 第2双方向昇降圧コンバータ
25 第2大容量蓄電装置
25A 第2二次電池
26 第3充放電量調整手段
26A 第3双方向昇降圧コンバータ
27 温度センサ
33 断熱容器(高断熱容器)
34 真空断熱層(真空断熱構造)
40 電気ヒータ(加熱手段)
41 容器(低断熱容器)

Claims (11)

  1. 大容量蓄電装置と大出力蓄電装置を複合電源として備え、電動車両への電力供給を制御するために前記大容量蓄電装置及び前記大出力蓄電装置による放電量及び充電量を制御するように構成した電動車両用電源の電力供給制御装置において、
    所定条件の成立前は、主として前記大容量蓄電装置から放電させ、前記所定条件の成立後は、少なくとも前記大出力蓄電装置から放電させるように放電対象を切り替える放電切替制御手段を備えたことを特徴とする電動車両用電源の電力供給制御装置。
  2. 前記所定条件は、前記大容量蓄電装置の温度に係り、前記大容量蓄電装置の温度を検出する温度検出手段を備え、前記放電切替制御手段は、前記温度検出手段により検出される温度に基づいて前記所定条件の成立を判断することを特徴とする請求項1に記載の電動車両用電源の電力供給制御装置。
  3. 前記所定条件は、前記電動車両の走行開始からの走行時間に係り、前記走行時間を計測する走行時間計測手段を備え、前記放電切替制御手段は、前記走行時間計測手段により計測される走行時間に基づいて前記所定条件の成立を判断することを特徴とする請求項1に記載の電動車両用電源の電力供給制御装置。
  4. 前記所定条件の成立後は、所定時間当たりの消費電力量から算出した平均消費電力量を前記大容量蓄電装置から放電させ、変動負荷と前記平均消費電力量との差を前記大出力蓄電装置から放電させ、又は前記大出力蓄電装置に充電させるように充放電対象を制御する充放電制御手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載の電動車両用電源の電力供給制御装置。
  5. 大容量蓄電装置と大出力蓄電装置を複合電源として備え、電動車両への電力供給を制御するために前記大容量蓄電装置及び前記大出力蓄電装置による放電量及び充電量を制御するように構成した電動車両用電源の電力供給制御装置において、
    前記大容量蓄電装置を収容する断熱容器と、
    前記大容量蓄電装置の放電量を制御して前記大容量蓄電装置の温度を監視する温度監視手段と、
    変動負荷と前記大容量蓄電装置からの放電電力との差を前記大出力蓄電装置から放電させ、又は前記大出力蓄電装置に充電させるように制御する充放電制御手段と
    を備えたことを特徴とする電動車両用電源の電力供給制御装置。
  6. 前記大容量蓄電装置からの放電電力は、所定時間当たりの消費電力量から算出した平均消費電力量であることを特徴とする請求項5に記載の電動車両用電源の電力供給制御装置。
  7. 大容量蓄電装置と大出力蓄電装置を複合電源として備え、電動車両への電力供給を制御するために前記大容量蓄電装置及び前記大出力蓄電装置による放電量及び充電量を制御するように構成した電動車両用電源の電力供給制御装置において、
    前記大容量蓄電装置は、第1の大容量蓄電装置と第2の大容量蓄電装置を含むことと、
    前記第1の大容量蓄電装置を収容する高断熱容器と、
    前記第2の大容量蓄電装置を収容する低断熱容器と、
    前記第1及び第2の大容量蓄電装置の放電量及び充電量を変動負荷に応じて制御する充放電制御手段と
    を備え、前記充放電制御手段は、変動負荷と前記第1及び第2の大容量蓄電装置ごとに異なる放電電力との差を前記大出力蓄電装置から放電させ、又は前記大出力蓄電装置に充電させるように制御することを特徴とする電動車両用電源の電力供給制御装置。
  8. 前記充放電制御手段は、所定時間当たりの消費電力量から算出した平均消費電力を前記第1及び第2の大容量蓄電装置から放電させるように制御することを特徴とする請求項7に記載の電動車両用電源の電力供給制御装置。
  9. 前記高断熱容器は、前記第1の大容量蓄電装置を加熱する加熱手段を備えたことを特徴とする請求項7又は8に記載の電動車両用電源の電力供給制御装置。
  10. 前記高断熱容器は、真空断熱構造を備えたことを特徴とする請求項7又は8に記載の電動車両用電源の電力供給制御装置。
  11. 前記高断熱容器に収容された前記第1の大容量蓄電装置と、前記低断熱容器に収容された前記第2の大容量蓄電装置は、出力電力が互いに異なる割合に設定されることを特徴とする請求項7乃至10の何れか一つに記載の電動車両用電源の電力供給制御装置。
JP2009171510A 2009-07-22 2009-07-22 電動車両用電源の電力供給制御装置 Withdrawn JP2011030308A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009171510A JP2011030308A (ja) 2009-07-22 2009-07-22 電動車両用電源の電力供給制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009171510A JP2011030308A (ja) 2009-07-22 2009-07-22 電動車両用電源の電力供給制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011030308A true JP2011030308A (ja) 2011-02-10

Family

ID=43638387

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009171510A Withdrawn JP2011030308A (ja) 2009-07-22 2009-07-22 電動車両用電源の電力供給制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011030308A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014108031A (ja) * 2012-11-30 2014-06-09 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 充放電制御装置、移動車両、蓄電システム、充放電制御方法及びプログラム
WO2014133009A1 (ja) * 2013-02-27 2014-09-04 日本電気株式会社 蓄電池、蓄電池の制御方法、制御装置及び制御方法
JP2014225942A (ja) * 2013-05-15 2014-12-04 三洋電機株式会社 蓄電システム
JP2015139328A (ja) * 2014-01-23 2015-07-30 株式会社デンソー 車両用制御装置
JPWO2015060139A1 (ja) * 2013-10-25 2017-03-09 日立化成株式会社 蓄電システム
WO2018123018A1 (ja) * 2016-12-28 2018-07-05 三菱電機株式会社 待機状態維持装置
WO2020003693A1 (ja) * 2018-06-25 2020-01-02 株式会社デンソー 電池温調装置及び制御装置
JP2020036448A (ja) * 2018-08-29 2020-03-05 マレリ株式会社 電源システム

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014108031A (ja) * 2012-11-30 2014-06-09 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 充放電制御装置、移動車両、蓄電システム、充放電制御方法及びプログラム
US9774062B2 (en) 2013-02-27 2017-09-26 Nec Corporation Storage battery, control method of storage battery, control device, and control method
WO2014133009A1 (ja) * 2013-02-27 2014-09-04 日本電気株式会社 蓄電池、蓄電池の制御方法、制御装置及び制御方法
JP6041040B2 (ja) * 2013-02-27 2016-12-07 日本電気株式会社 蓄電池、蓄電池の制御方法、制御装置及び制御方法
JP2014225942A (ja) * 2013-05-15 2014-12-04 三洋電機株式会社 蓄電システム
JPWO2015060139A1 (ja) * 2013-10-25 2017-03-09 日立化成株式会社 蓄電システム
JP2015139328A (ja) * 2014-01-23 2015-07-30 株式会社デンソー 車両用制御装置
WO2018123018A1 (ja) * 2016-12-28 2018-07-05 三菱電機株式会社 待機状態維持装置
JP6452926B2 (ja) * 2016-12-28 2019-01-16 三菱電機株式会社 待機状態維持装置
JPWO2018123018A1 (ja) * 2016-12-28 2019-02-07 三菱電機株式会社 待機状態維持装置
WO2020003693A1 (ja) * 2018-06-25 2020-01-02 株式会社デンソー 電池温調装置及び制御装置
JP2020004484A (ja) * 2018-06-25 2020-01-09 株式会社デンソー 電池温調装置及び制御装置
JP2020036448A (ja) * 2018-08-29 2020-03-05 マレリ株式会社 電源システム
WO2020044938A1 (ja) * 2018-08-29 2020-03-05 カルソニックカンセイ株式会社 電源システム
JP7041600B2 (ja) 2018-08-29 2022-03-24 マレリ株式会社 電源システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2011030308A (ja) 電動車両用電源の電力供給制御装置
US8820445B2 (en) Charge/discharge control device and charge/discharge control method for power storage device, and electric-powered vehicle
JP6232878B2 (ja) 蓄電システム
US9834200B2 (en) Vehicle and method of controlling vehicle
JP6090265B2 (ja) 車両
JP4265629B2 (ja) 二次電池の充放電制御装置およびそれを搭載したハイブリッド車両
KR101488866B1 (ko) 전동 차량용 축전 시스템
JP4624202B2 (ja) 車両
JP6206275B2 (ja) 車両
CN106887881B (zh) 电力供给系统、输送设备及电力传输方法
US9197078B2 (en) Battery parameter estimation
CN103717434A (zh) 车辆的驱动装置
US9252630B2 (en) Battery charge control apparatus
US20120074960A1 (en) Energy storage system energy capacity and capability monitor
JP6545435B2 (ja) 車両制御装置、車両、及び車両の制御方法
JP2015028929A (ja) 昇温システム
KR20140104985A (ko) 적어도 하나의 전원 배터리와 결합되며 열 엔진에 의해 구동되는 교류 발전기를 관리하는 방법
JP2005261034A (ja) 蓄電機構の制御装置
KR20160038010A (ko) 발전 제어 장치 및 발전 제어 방법
JP2013060056A (ja) ハイブリッド車の制御装置
JP5419745B2 (ja) シリーズハイブリッド車両の制御装置
JP2012054019A (ja) バッテリ
JP5772209B2 (ja) 蓄電装置の充放電制御装置およびそれを搭載した電動車両
JP2012010503A (ja) 電動車両の電源システム
JP2016124378A (ja) 車両

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20121002